JP4539288B2 - 希土類焼結磁石 - Google Patents

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Description

本発明は、Nd−Fe−B系永久磁石に代表される希土類焼結磁石に関し、特にその表面に保護膜を形成する希土類焼結磁石に関する。
Nd−Fe−B系永久磁石は、Sm−Co系永久磁石に比べて原料コストが低く、かつ磁気特性が優れているという利点がある一方、主成分として酸化されやすいNd及びFeを含有するため、耐食性が劣る。そこで、この耐食性の低さを改善するため、Nd−Fe−B系永久磁石の表面には種々の保護膜を形成している。保護膜としては、金属、金属酸化物や金属窒化物等の化合物、ガラス、樹脂等の有機物、あるいはこれらの混合物がこれまで提案されている。保護膜の形成方法としては、電気めっき等の液相めっき、スパッタ、イオンプレーティング、真空蒸着等の気相めっき、浸漬塗布、刷毛塗布、注入、溶融めっき、電着塗布等の塗布法などがこれまで提案されている。なかでも、電気めっき等の液相めっきが量産性、コストの点で優れており、多用されている。しかしながら、従来の液相めっきを適用した保護層では、永久磁石体の表面の凹部の底部にめっき層が形成されなかったり、凸部の頂部が破損しやすかったりして、十分なカバー性がなかった。このため、耐食性を十分に確保することができない場合があった。
このような問題に対して、特開平2−185004号公報(特許文献1)は、表面粗さRmaxが3〜50μmの凹凸を有するNd−Fe−B系永久磁石表面に電気めっき層、無電解めっき層を形成することにより、耐食性を向上できることを開示している。また、特開平7−66032号公報(特許文献2)は、Nd−Fe−B系永久磁石表面の十点平均粗さを5〜100μmとすることにより、耐食性を向上できることを開示している。
特開平2−185004号公報 特開平7−66032号公報
保護膜は、酸素の透過を防ぐために、緻密で欠陥がないことが要求される。また、永久磁石表面に強固に付着し、高い剥離強度ないしは剥離強度を有している必要もある。特許文献1及び特許文献2は、ともにNd−Fe−B系永久磁石表面を所定の粗さとすることにより、保護膜の剥離強度の向上を図ろうとしている。
保護膜の剥離強度が必要とされる理由は、上記以外にも存在する。Nd−Fe−B系永久磁石の表面、つまり保護膜に何らかの応力が付与される場合である。例えば、所定の空隙部分を有する部材の当該空隙部分に保護膜を有するNd−Fe−B系永久磁石を圧入によって挿入する場合である。この場合、圧入による応力が保護膜を剥離させるように作用する。
しかし、従来は応力が付与されることによる保護膜の剥離に関して検討された報告はなされていない。
そこで本発明は、応力付与に対する保護膜の剥離強度を確保することのできる希土類焼結磁石の提供を目的とする。また本発明は、そのような希土類焼結磁石の製造方法を提供することを目的とする。
従来、Nd−Fe−B系永久磁石の表面を所定の表面粗さにするためには、特許文献1及び特許文献2にも開示されているように、化学的な加工又は機械的な加工を施すことが提案されている。化学的な加工、つまり化学エッチングは、工程が単純である、低コストである等の利点があるが、Nd−Fe−B系永久磁石自体を腐食する懸念があるため、現在では機械的な加工により所定の表面粗さを得ている。機械的な加工は、所定の表面粗さを得るのみならず、Nd−Fe−B系永久磁石の寸法精度を確保することを目的としている。
機械的な加工、例えば研磨加工により所定の表面粗さを得ようとする場合、これまでは加工面を等方的に研磨していた。これは、表面粗さに異方性を持たせることは望ましくない、という観念的な要求によるものと解される。しかし、応力付与に対する剥離強度の確保を考えた場合、剥離強度は等方性である必要はなく、異方性を有していればよいのではないかと本発明者等は考えた。前述した圧入を想定した場合、圧入による応力付与は圧入方向に沿って方向性を有しており、当該方向に対する剥離強度が要求されるからである。この前提に基づいて本発明者等は、表面粗さに異方性を設けた後に保護膜を形成してその剥離強度を確認したところ、所期の目的を達成できることを知見した。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、表面粗さに異方性を有する希土類焼結磁石本体と、希土類焼結磁石本体の表面に形成された保護膜と、を備え、希土類焼結磁石本体の表面の所定方向の表面粗さRa(算術平均粗さ。以下同じ)をRa1、所定方向と直交する方向の表面粗さRaをRa2とすると、Ra2≧1.1×Ra1の異方性を有し、Ra1、Ra2は、0.2〜5.0μmの範囲とすることを特徴とする希土類焼結磁石である。このように表面粗さに異方性を付与することにより、表面に形成された保護膜には、その剥離強度に異方性を付与することができる。
表面粗さに異方性を有するか否かは、希土類焼結磁石本体の表面を顕微鏡等により観察することで判断できる。つまり、希土類焼結磁石本体の表面に、所定の一方向に沿った研削痕が形成されている場合には、表面粗さに異方性を有するということができる。
発明において、Ra2≧1.2×Ra1の異方性を有することが好ましく、Ra2≧1.4×Ra1の異方性を有することがさらに好ましい。
以上のように希土類焼結磁石本体の表面粗さに異方性を有することにより、保護膜の剥離強度が所定方向と直交する方向とで異方性を有する、希土類焼結磁石を得ることができる。すなわち本発明は、希土類焼結磁石本体と、希土類焼結磁石本体の表面に形成された保護膜と、を備え、保護膜の剥離強度に異方性を有し、希土類焼結磁石本体表面の所定方向に沿った保護膜の剥離強度をS1、所定方向と直交する方向に沿った保護膜の剥離強度をS2とすると、保護膜の剥離強度は、S2≧1.1×S1の異方性を有することを特徴とする希土類焼結磁石を提供することができる。
この希土類焼結磁石において、保護膜の剥離強度の異方性は、希土類焼結磁石本体の表面粗さの異方性に基づくが、表面粗さの異方性に限らず、保護膜の形成方法によっても付与することができる可能性がある。
この希土類焼結磁石において、S2≧1.2×S1の異方性を有することが好ましい。
表面粗さに異方性を有する希土類焼結磁石本体を備えた本発明による希土類焼結磁石は、希土類焼結磁石本体の表面粗さを異方性化する処理を施す工程と、異方性化する処理が施された希土類焼結磁石本体の表面に保護膜を形成する工程と、を備える希土類焼結磁石の製造方法により製造することができる。
異方性化する処理としては、所定の一方向に沿って研磨を施す処理が最も簡易であり、例えばバーチカル研磨機により実行することができる。この所定方向に沿った研磨は、等法的(全方向)に研磨を施す場合に比べて、研磨コストが低減される。したがって、本発明によれば、応力付与に対する保護膜の剥離強度を確保することのできる希土類焼結磁石を低コストで提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、応力付与に対する保護膜の剥離強度を確保することのできる希土類焼結磁石を得ることができる。しかも、本発明はこの希土類焼結磁石を低コストで製造することを可能にする。
以下、本発明をより詳細に説明する。
<希土類焼結磁石>
はじめに、本発明が対象とする希土類焼結磁石について説明する。
本発明は、R−T−B系焼結磁石に適用することが好ましい。R−T−B系焼結磁石は、耐食性が劣るために保護膜を形成することが必須といえるからである。このR−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を25〜37wt%含有する。ここで、本発明におけるRはYを含む概念を有しており、したがってY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuの1種又は2種以上から選択される。Rの量が25wt%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR214B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが37wt%を超えると主相であるR214B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。したがって、Rの量は25〜37wt%とする。望ましいRの量は28〜35wt%、さらに望ましいRの量は29〜33wt%である。
また、本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を0.5〜4.5wt%含有する。Bが0.5wt%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが4.5wt%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を4.5wt%とする。望ましいBの量は0.5〜1.5wt%、さらに望ましいBの量は0.8〜1.2wt%である。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、Coを2.0wt%以下(0を含まず)、望ましくは0.1〜1.0wt%、さらに望ましくは0.3〜0.7wt%含有することができる。CoはFeと同様の相を形成するが、キュリー温度の向上、粒界相の耐食性向上に効果がある。
また、本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、Al及びCuの1種又は2種を0.02〜0.5wt%の範囲で含有することができる。この範囲でAl及びCuの1種又は2種を含有させることにより、得られるR−T−B系焼結磁石の高保磁力化、高耐食性化、温度特性の改善が可能となる。Alを添加する場合において、望ましいAlの量は0.03〜0.3wt%、さらに望ましいAlの量は、0.05〜0.25wt%である。また、Cuを添加する場合において、望ましいCuの量は0.15wt%以下(0を含まず)、さらに望ましいCuの量は0.03〜0.12wt%である。
本発明が適用されるR−T−B系焼結磁石は、他の元素の含有を許容する。例えば、Zr、Ti、Bi、Sn、Ga、Nb、Ta、Si、V、Ag、Ge等の元素を適宜含有させることができる。一方で、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を5000ppm以下、さらには3000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
R−T−B系焼結磁石に本発明を適用することが望ましいが、他の希土類焼結磁石に本発明を適用することも可能である。例えば、R−Co系焼結磁石に本発明を適用することもできる。
R−Co系焼結磁石は、Rと、Fe、Ni、MnおよびCrから選ばれる1種以上の元素と、Coとを含有する。この場合、望ましくはさらにCuまたは、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVから選ばれる1種以上の元素を含有し、特に望ましくはCuと、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVから選ばれる1種以上の元素とを含有する。これらのうち特に、SmとCoとの金属間化合物、望ましくはSm2Co17金属間化合物を主相とし、粒界にはSmCo5系を主体とする副相が存在する。具体的組成は、製造方法や要求される磁気特性等に応じて適宜選択すればよいが、例えば、R:20〜30wt%、特に22〜28wt%程度、Fe、Ni、MnおよびCrの1種以上:1〜35wt%程度、Nb、Zr、Ta、Hf、TiおよびVの1種以上:0〜6wt%、特に0.5〜4wt%程度、Cu:0〜10wt%、特に1〜10wt%程度、Co:残部の組成が望ましい。
以上、R−T−B系焼結磁石、R−Co系焼結磁石について言及したが、本発明は他の希土類焼結磁石への適用を妨げるものではない。
<表面粗さ>
次に、本発明の最も特徴的な部分である表面粗さについて言及する。
本発明による希土類焼結磁石は、表面粗さに異方性を有する希土類焼結磁石本体の表面に保護膜が形成されている。
表面粗さに異方性を有するとは、所定方向に測定された表面粗さと、所定方向とは異なる方向に測定された表面粗さとに差異があることをいう。典型的には、図1に示すように、所定方向に測定された表面粗さRa1と、所定方向と直交する方向に測定された表面粗さRa2とに差異があるか否かで判断することができる。例えば、図1の白抜き矢印の方向にのみ、つまり一方向にのみ研磨を行った場合、一般的に、表面粗さRa1より表面粗さRa2が大きくなり、表面粗さに異方性を有することになる。もっとも、一方向のみに研磨する場合以外でも、表面粗さに異方性を付与することができる。この表面粗さの異方性は、研磨痕が当該研磨方向に沿って形成されていることによっても把握することができる。
表面粗さに異方性を有する希土類焼結磁石本体の表面に保護膜を形成することにより、この保護膜の剥離強度に異方性を付与することができる。例えば、図1に示す方向に研磨した場合、保護膜の剥離強度は、黒塗り矢印a1方向よりも黒塗り矢印a2方向の方が大きくなり、異方性を有する。本発明は、この機能を利用することにより、所定方向に応力が作用する環境下において、所定方向に対する保護膜の剥離強度を確保することができる。
本発明では、表面粗さの異方性をより具体的に示す基準として、Ra2≧1.1×Ra1とすることを推奨する。このようにすることにより、後述する実施例に示すように、Ra2方向の保護膜の剥離強度をRa1方向に比べて大きくすることができ、ひいては圧入等の一方向に応力が付与される用途に対応することができる。
Ra2≧1.1×Ra1に該当するか否かは、具体的には以下のようにして判断することができる。図2に示すように、所定方向(実線矢印で示す)について表面粗さRaを測定する。次に、例えば所定方向と10°の角度をなす方向の表面粗さRaを測定する。以後、10°毎に方向を変えて表面粗さRaを測定する。この操作を所定方向から180°の範囲まで繰り返す。得られた表面粗さRaの中で最も小さい表面粗さRaの方向をx方向とし、この方向と直交する方向をyとする。そして、x方向の表面粗さRaをRa−x、y方向の表面粗さRaをRa−yとすると、Ra−y≧1.1×Ra−xとする。好ましくは、Ra−y≧1.2×Ra−x、さらに好ましくはRa−y≧1.4×Ra−xである。
なお、Ra1、Ra2は、0.2〜5.0μmの範囲とする。
<保護膜>
本発明の希土類焼結磁石は、以上のような表面粗さ状態を有する希土類焼結磁石本体の表面に保護膜が形成されている。
本発明で用いる保護膜は特に限定されないが、特に電解めっきによる保護膜を用いるのが好ましい。電解めっきの材質としては、Ni、Ni−P、Cu、Zn、Cr、Sn、Alのいずれかを用いることができるし、他の材質を用いることもできるが、Niが最も好ましい。また、これらの材質を複層として被覆することもできる。電解めっきによる保護膜は本発明の典型的な形態であるが、他の手法による保護膜を設けることもできる。他の手法による保護膜としては、無電解めっき、クロメート処理をはじめとする化成処理及び樹脂塗装膜のいずれか又は組み合せが実用的である。保護膜の厚さは、希土類焼結磁石本体のサイズ、要求される耐食性のレベル等によって変動させる必要があるが、1〜100μmの範囲で適宜設定すればよい。望ましい保護膜の厚さは1〜50μmである。
<製造方法>
以下、本発明によるR−T−B系焼結磁石の好適な製造方法について工程順に説明する。
原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、Arガス雰囲気などの非酸化性雰囲気中で溶解して得た原料金属の溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。この急冷凝固された合金は、結晶粒径が1〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。なお、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板に傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
R−T−B系焼結磁石を得る場合、R214B結晶粒を主体とする合金(低R合金)と、低R合金よりRを多く含む合金(高R合金)とを用いる所謂混合法を本発明に適用することもできる。
原料合金は粉砕工程に供される。混合法による場合には、低R合金及び高R合金は別々に又は一緒に粉砕される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。水素吸蔵のための加熱保持の温度は、200℃以上、望ましくは350℃以上とする。保持時間は、保持温度との関係、原料合金の厚さ等によって変わるが、少なくとも30分以上、望ましくは1時間以上とする。水素放出処理は、真空中又はArガスフローにて行う。なお、水素吸蔵処理、水素放出処理は必須の処理ではない。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径2.5〜6μm、望ましくは3〜5μmとする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。
混合法による場合、2種の合金の混合のタイミングは限定されるものではないが、微粉砕工程において低R合金及び高R合金を別々に粉砕した場合には、微粉砕された低R合金粉末及び高R合金粉末を窒素雰囲気中で混合する。低R合金粉末及び高R合金粉末の混合比率は、重量比で80:20〜97:3程度とすればよい。低R合金及び高R合金を一緒に粉砕する場合の混合比率も同様である。なお、成形時の潤滑及び配向性の向上を目的とした脂肪酸又は脂肪酸の誘導体や炭化水素、例えばステアリン酸系やオレイン酸系であるステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスイソステアリン酸アミド、炭化水素であるパラフィン、ナフタレン等を微粉砕時に0.01〜0.3wt%程度添加することができる。
次に、得られた微粉末を所定形状に成形する。この成形は、所定の磁場が印加された状態で行う磁場中成形に供される。
磁場中成形における成形圧力は0.3〜3ton/cm2(30〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増または漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、50〜60%である。
印加する磁場は、12〜20kOe(960〜1600kA/m)程度とすればよい。印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
次いで、成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1200℃で1〜10時間程度焼結すればよい。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行なう場合には、800℃近傍、600℃近傍での所定時間の保持が有効である。800℃近傍での熱処理を焼結後に行なうと、保磁力が増大するため、混合法においては特に有効である。また、600℃近傍の熱処理で保磁力が大きく増加するため、時効処理を1段で行なう場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
以上の処理を経た焼結体は、所定寸法・形状に切断された後に、表面粗さを異方性とする処理が施される。この処理は、例えばバーチカル研磨機により行うことができる。バーチカル研磨機は、基本的に、回転する砥石に被加工材を接触させるという手法を採用するため、研削痕は砥石の回転方向に沿って形成される。したがって、その加工面の表面粗さは異方性を備えることになる。しかも、この方法によれば等方的に研磨を施す場合に比べて研磨コスト、ひいては製造コストを低減することができる。もちろん等方的に研磨を施す場合は、表面に異方性を付与することができず、保護膜の剥離強度に異方性を付与することができない。なお、バーチカル研磨機による一方向の研磨が本発明にとって最も好ましいが、本発明はそれに限定されない。例えば、バーチカル研磨機により所定の一方向に研磨を施した後に、所定角度異なる方向に研磨を施した場合、あるいはその他の方法によって研磨した場合であっても、表面粗さに異方性を備えていれば本発明に包含される。
目的とする表面状態が得られたならば、次に、保護膜を形成する。保護膜の形成は、保護膜の種類に応じて公知の手法に従って行なえばよい。例えば、電解めっきの場合には、脱脂、水洗、エッチング(例えば硝酸)、水洗、電解めっきによる成膜、水洗、乾燥という常法を採用することができる。脱脂処理、酸による化学エッチングを施し、焼結体の表面を清浄化することができる。
Niの電解めっきに用いるめっき浴としては、塩化ニッケルを含有しないワット浴(すなわち、硫酸ニッケルおよびほう酸を主成分とする)、スルファミン酸浴、ほうフッ化浴、臭化ニッケル浴などが挙げられる。ただし、この場合、陽極の溶解が少なくなるため、ニッケルイオンを浴に補充することが好ましい。ニッケルイオンは、硫酸ニッケルあるいは臭化ニッケルの溶液として補充するのが好ましい。
ストリップキャスト法により、26.5wt%Nd−5.9wt%Dy−0.25wt%Al−0.5wt%Co−0.07wt%Cu−1.0wt%B−Fe.balの組成を有する原料合金を作製した。
次いで、室温にて原料合金に水素を吸蔵させた後、Ar雰囲気中で600℃×1時間の脱水素を行う水素粉砕処理を行った。
水素粉砕処理が施された合金に、粉砕性の向上並びに成形時の配向性の向上に寄与する潤滑剤を0.05〜0.1%混合した。潤滑剤の混合は、例えばナウターミキサー等により5〜30分間ほど行う程度でよい。その後、ジェットミルを用いて平均粒径が5.0μmの微粉砕粉末を得た。
得られた微粉砕粉末を磁場中成形した。磁場中成形は、15kOeの磁場中で1.4t/cm2の圧力で行った。得られた成形体を真空中で1080℃まで昇温し4時間保持して焼結を行った。次いで得られた焼結体に800℃×1時間と560℃×1時間(ともにAr雰囲気中)の2段時効処理を施した。
得られた焼結体について磁気特性を測定したところ、残留磁束密度(Br)が12405G、保磁力(HcJ)が25345Oeであった。
次に、バーチカル研磨機を用いて、種々の表面粗さとなるように研磨した。研磨方向は一方向としたが、一部については一方向研磨を行った後に所定角度方向に対しても研磨を行った。
研磨後に表面粗さを測定した。測定には触針式の表面粗さ計を用い、JIS−B0601に示される算術平均粗さRaを求めた。
表面粗さの測定は以下のように行った(図2参照)。はじめに、所定方向について表面粗さを測定した。次いで、焼結体を10°回転し、再び表面粗さを測定した。この操作を繰り返し、180°の範囲について測定し、1つの焼結体について複数の表面粗さを測定した。なお、10°はあくまで一例であって、10°未満あるいは10°超で行っても構わない。以上の測定結果について、最もRaが小さい方向をxとし、xと直交する方向yとする。また、x方向及びy方向における表面粗さRaをRa−x及びRa−yとする。
その後、電解Niめっきを施した。Niめっきの膜厚は10μmである。
Niめっき形成後に、x方向およびy方向について剥離強度を測定した。それぞれの剥離強度をSxおよびSyとする。なお、剥離強度はJIS−H8504に記載された方法に準じて測定した。以上の結果を表1に示す。
また、以上の試料について塩水噴霧試験により耐食性を評価した。塩水噴霧試験は、35℃の5%NaCl水溶液中に240時間浸漬する条件で行ったが、全ての試料について発錆等の異常は観察されなかった。
Figure 0004539288
表1において、Gr.(グループ)aは各試料のRa−y/Ra−xが概ね1.0程度、グループb、c及びdは各試料のRa−y/Ra−xが概ね1.1程度、1.2程度1.5程度を示している。また、グループa〜dの各試料は、a−1、b−1、c−1及びd−1のRa−xが近似した値となっている。以下同様に、a−2、b−2、c−2及びd−2、a−3、b−3、c−3及びd−3、a−4、b−4、c−4及びd−4のRa−xが近似した値となっている。
表1に示すように、試料a−1、b−1、c−1及びd−1のRa−y/Ra−x及びS−yを比較すると、Ra−y/Ra−xが大きくなるにしたがって、Syが大きくなることがわかる。同様に、試料a−2、b−2、c−2及びd−2、a−3、b−3、c−3及びd−3、a−4、b−4、c−4及びd−4のRa−y/Ra−x及びS−yを比較すると、Ra−y/Ra−xが大きくなるにしたがって、S−yが大きくなることがわかる。このように、表面粗さRaに異方性があると、その異方性の程度に応じて剥離強度が変化した。
前述した圧入されるタイプの希土類焼結磁石は圧入時にその方向に応力が付与される。このとき保護膜が剥離することは好ましくない。また、接着剤などで接着された磁石などは、その使用環境にもよるが、ある方向にだけ応力が付与されることがほとんどである。その応力は装置の回転力であったり重力であったり様々である。そのような場合にも、保護膜の剥離強度はある方向にだけ十分に高ければよい。
このような用途においては一方向にだけ保護膜の剥離強度が高いことが要求されており、それと別方向に要求される剥離強度は非常に低い。このような用途には、以上で示したように、表面粗さに異方性を有することにより一方向にだけ十分に表面粗さが確保されていればよい。
また、研磨を全方向に行うのに比べて、一方向にだけ行うことにより研磨工程が簡便且つ単純な研磨装置の使用が可能になり、製造コストを低減することができる。つまり、本発明によれば、希土類焼結磁石本体の表面粗さに異方性を有し、その結果、保護膜の剥離強度に異方性を有することで、保護膜の要求特性を満たす上に低コストの希土類焼結磁石を製造することが可能である。
本発明の表面粗さの異方性を説明するための図である。 本発明の表面粗さの異方性を定量的に求める方法を説明するための図である。

Claims (8)

  1. 表面粗さに異方性を有する希土類焼結磁石本体と、
    前記希土類焼結磁石本体の表面に形成された保護膜と、
    を備え
    前記希土類焼結磁石本体の表面の所定方向の表面粗さRa(算術平均粗さ)をRa1、
    前記所定方向と直交する方向の表面粗さRa(算術平均粗さ)をRa2とすると、
    Ra2≧1.1×Ra1の異方性を有し、
    Ra1、Ra2は、0.2〜5.0μmの範囲であることを特徴とする希土類焼結磁石。
  2. Ra2≧1.2×Ra1の異方性を有することを特徴とする請求項に記載の希土類焼結磁石。
  3. 表面粗さRaの中で最も小さい表面粗さRaの方向をx方向とし、この方向と直交する方向をyとし、x方向の表面粗さRaをRa−x、y方向の表面粗さRaをRa−yとすると、
    Ra−y≧1.4×Ra−xの異方性を有することを特徴とする請求項1に記載の希土類焼結磁石。
  4. 前記希土類焼結磁石本体の表面は、所定の一方向に沿った研削痕が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の希土類焼結磁石。
  5. 前記保護膜の剥離強度が、前記所定方向と直交する方向とで異方性を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の希土類焼結磁石。
  6. 希土類焼結磁石本体と、
    前記希土類焼結磁石本体の表面に形成された保護膜と、を備え、
    前記保護膜の剥離強度に異方性を有し、
    前記希土類焼結磁石本体の表面の所定方向に沿った前記保護膜の剥離強度をS1、
    前記所定方向と直交する方向に沿った前記保護膜の剥離強度をS2とすると、
    前記保護膜は、S2≧1.1×S1の剥離強度の異方性を有することを特徴とする希土類焼結磁石。
  7. 前記保護膜の剥離強度の異方性は、前記希土類焼結磁石本体の表面粗さの異方性に基づくことを特徴とする請求項6に記載の希土類焼結磁石。
  8. 前記希土類焼結磁石本体の表面の前記所定方向の表面粗さRa(算術平均粗さ)をRa1、
    前記所定方向と直交する方向の表面粗さRa(算術平均粗さ)をRa2とすると、
    前記希土類焼結磁石本体の表面がRa2≧1.1×Ra1の異方性を有する請求項6又は7に記載の希土類焼結磁石。
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