JP6536816B2 - R−t−b系焼結磁石およびモータ - Google Patents

R−t−b系焼結磁石およびモータ Download PDF

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Description

本発明は、高保磁力を有するR−T−B系焼結磁石およびそれを用いたモータに関する。
従来、永久磁石として、アルニコ磁石、フェライト磁石、Sm−Co磁石、Nd−Fe−B磁石などが知られており、その仕様によりVCM、スピンドルモータなどの各種モータ、計測器、スピーカー、医療用MRI等の他、各種電気機器のキー部品として、それぞれ適正な磁石が使用されている。これらの磁石のうち、Sm−Co磁石、Nd−Fe−B磁石などの希土類磁石は、多量のFeまたはCoと、希土類元素とを含有している。Fe、Coは飽和磁束密度(Br)の増大に寄与し、一方、希土類元素は、結晶場中の4f電子の挙動に由来する非常に大きな磁気異方性をもたらすため、保磁力(HcJ)の増大に寄与し、良好な磁石特性を実現している。
近年、各種電気機器の小形化、省エネルギー化の要求が高まり、これら機器のキー部品材料である永久磁石にもより高い最大エネルギー積[(BH)max]、大きな保磁力が求められている。このため、高性能の希土類磁石の中でも、R−T−B系磁石が多岐に応用され、さらなる高保磁力化も盛んに検討されている。
R−T−B系焼結磁石の高保磁力化の手法の一つとして、DyやTbのような磁気異方性が高い重希土類元素を添加することで保磁力を向上させる方法がある。また、重希土類元素の添加方法も検討がなされており、例えば特許文献1においてはNd2Fe14B金属間化合物を主成分とする第1成分粉末と、重希土類元素を多く含む第2成分粉末とを混合することで高い保磁力を有する磁石を作製する技術が開示されている。
特開平6−96928号公報
しかしながら、近年希土類磁石の用途は多岐にわたっており、従来に比してより高い磁気特性が求められている。特に、ハイブリッド自動車等へのR−T−B系焼結磁石の適用においては、磁石は比較的高温に晒されることになるため、熱による高温減磁を抑制することが重要となる。この高温減磁を抑制するには、R−T−B系焼結磁石の室温における保磁力を高めておく必要がある。
本発明はこうした状況を認識してなされたものであり、従来よりも高い保磁力を持たせたR−T−B系焼結磁石を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明のR−T−B系焼結磁石は、R14B構造からなる主相(ただし、RはY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Hoの少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種以上の遷移金属元素)と、(RHCeRL1−x−y1−z(但し、RHはTb、Dy、Hoの少なくとも1種類の元素であり、RLはY、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gdの少なくとも1種類の元素であり、MはMg、Al、Si、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Biの少なくとも1種の元素であり、xは0.01≦x≦0.10、yは0.5≦y≦0.9、zは0.25≦z≦0.55)からなる粒界相を含み、かつ、焼結体断面の単位断面に占める前記粒界相の断面積比Atreが0.03<Atre<0.07であることを特徴とする。
本発明において、焼結体断面の単位断面は50μm角の領域とする。
かかる構成により、粒界相の濡れ性が向上し、主相粒子が十分に粒界相に被覆され、磁気分離が促される結果、保磁力を向上させることができる。
本発明のR−T−B系焼結磁石は、多粒子境界における前記主相粒子のなす二面角が90°以下である断面頻度Fgbが、0.5≦Fgbであることが好ましい。ここで、多粒子境界は3個以上の主相粒子と隣接する粒界であり、断面頻度Fgbは単位断面で観測される、主相粒子がなす全ての二面角のうち、その角度が90°以下となる割合である。
また、焼結体断面の単位断面に占める(RHCeRL1−x−y1−z相の断面積比Atreが0.03<Atre<0.07である場合、残留磁束密度を低下させることなく、(RHCeRL1−x−y1−z相による保磁力の効果を発現できる。
また、本発明は、上述のR−T−B系焼結磁石を備えたモータを提供する。本発明のモータは、上述の特徴を有するR−T−B系焼結磁石を備えるため、高出力、高効率なモータが得られる。
本発明によれば、Ceと重希土類元素を含む粒界相を形成することによって、十分に高保磁力のR−T−B系焼結磁石およびこれを備えるモータを提供することが可能となる。
以下、本発明を実施するための形態(実施形態)につき、場合により図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態及び実施例に記載した内容により限定されるものではない。また、以下に記載した実施形態及び実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、以下に記載した実施形態及び実施例で開示した構成要素は適宜組み合わせても良いし、適宜選択して用いてもよい。
先ず、本実施形態に係る好適なR−T−B系焼結磁石について説明する。本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、希土類元素(R)を12〜18at%含有する。Rの量が12at%未満であると、R−T−B系焼結磁石の主相となるR14B相の生成が十分ではなく軟磁性を持つα−Feなどが析出し、保磁力が著しく低下する。一方、Rが18at%を超えると主相であるR14B相の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。またRが酸素と反応し、含有する酸素量が増え、これに伴い保磁力発生に有効なRリッチ相が減少し、保磁力の低下を招く。Rは、Ceと重希土類元素(Tb、Dy、Hoの少なくとも1種類)を必須とし、Y、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gdから選択される元素を含む。ここで、CeはR−T−B系焼結磁石に対し0.5〜5at%含有する。Ceの量が0.5at%以下では保磁力向上に有効なCeを含む粒界相がほとんど形成せず、5at%より多い場合には、粒界相中のCe量が過多若しくは主相への固溶が進み残留磁束密度を低下させる。Rは原料に由来する不純物、又は製造時に混入する不純物としての他の成分を含んでもよい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、FeまたはFeおよびCoを必須とする1種以上の遷移金属元素(T)を73〜83at%含有する。Tの量が73at%未満であると、残留磁束密度が低下する傾向がある。一方、Tが83at%を超えると高い保磁力を得ることができない。Co量はT量に対して0at%以上10at%以下が望ましい。Co量の増加によってキュリー温度を向上させることができ、温度上昇に対する保磁力の低下を小さく抑えることが可能となる。また、Co量の増加によってR−T−B系焼結磁石の耐食性を向上させることができる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、ホウ素(B)を5〜8at%含有する。Bが5at%未満の場合には高い保磁力を得ることができない。一方で、Bが8at%を超えると残留磁束密度が低下する傾向がある。したがって、Bの上限を8at%とする。Bはその一部をCで置換してもよい。Cの置換量はBに対して10at%以下とすることが好ましい。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R14Bからなる主相と、Ce、RH、RL、Mからなる粒界相(RHCeRL1−x−y1−z相を含む。但し、RHはTb、Dy、Hoの少なくとも1種類の元素であり、RLはY、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gdの少なくとも1種類の元素であり、MはMg、Al、Si、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Biの少なくとも1種の元素である。製造上の観点からMはAl、Fe、Cuから選択されることが好ましく、耐食性の観点からCoを含むことが好ましい。この粒界相に占めるxは0.01≦x≦0.1であり、yは0.5≦y≦0.9であり、zは0.25≦z≦0.55である。この範囲においては、(RHCeRL1−x−y1−z相の濡れ性が十分に高くなり、主相粒子を被覆しやすくする。この結果、主相の磁気分離が促され、保磁力が向上する。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石において、焼結体断面の単位断面に占める(RHCeRL1−x−y1−z相の断面積比Atreは、0.03<Atre<0.07である。ここで、焼結体断面の単位断面は50μm角の領域である。Atreの増加により、粒界相による主相粒子の被覆率が増加するため、保磁力が向上する。しかしながら、Atreが0.07を超えると、主相粒子の減少による残留磁束密度を低下が顕著になる。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、多粒子境界における前記主相粒子のなす二面角が90°以下である断面頻度Fgbが、0.5≦Fgbである。Fgbの増加により、粒界相の主相との濡れ性が十分に高く、粒界相による磁気分離効果が促進され、十分高い保磁力を示す。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、酸素、窒素、炭素等の不純物元素を極力低減することが望ましい。特に磁気特性を害する酸素は、その量を5000ppm以下、さらには3000ppm以下とすることが望ましい。酸素量が多いと非磁性成分である希土類酸化物相が増大して、磁気特性を低下させるからである。
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、磁石本体の表面に保護膜を形成してもよい。本実施形態に係る保護膜は特に限定されないが、特に電解めっきによる保護膜を用いるのが好ましい。電解めっきの材質としては、Ni、Ni−P、Cu、Zn、Cr、Sn、Alのいずれかを用いることができる。特に、本実施形態に特徴的な粒界相のCeはNiとCe3Niを形成するなど、Niとの親和性が高いことから、めっき膜としてはNiが最も好ましい。電解めっきによる保護膜は本実施形態に係る典型的な形態であるが、他の手法による保護膜を設けることもできる。他の手法による保護膜としては、無電解めっき、クロメート処理をはじめとする化成処理及び樹脂塗装膜のいずれか又は組み合せが実用的である。保護膜の厚さは、希土類焼結磁石本体のサイズ、要求される耐食性のレベル等によって変動させる必要があるが、1〜100μmの範囲で適宜設定すればよい。望ましい保護膜の厚さは1〜50μmである。
次に、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の好適な製造方法について説明する。本実施形態のR−T−B系焼結磁石の製造においては、まず、所望の組成を有するR−T−B系焼結磁石が得られるような原料合金を準備する。原料合金は、真空又は不活性ガス、望ましくはAr雰囲気中でストリップキャスト法、その他公知の溶解法により作製することができる。ストリップキャスト法は、原料金属をArガス雰囲気などの非酸化雰囲気中で溶解して得た溶湯を回転するロールの表面に噴出させる。ロールで急冷された溶湯は、薄板または薄片(鱗片)状に急冷凝固される。冷却ロールの周速は、0.3〜15m/秒の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5〜12m/秒の範囲である。極端に遅い場合はα―Feや合金の不均一が生じやすく、また極端に速い場合には結晶粒が小さく等軸状のチル晶が発生し、良好な磁気特性が得られない。急冷凝固された合金は、0.1〜1mm程度の厚みの薄板となり、結晶粒径が1〜50μmの均質な組織を有している。原料合金は、ストリップキャスト法に限らず、高周波誘導溶解等の溶解法によって得ることができる。なお、溶解後の偏析を防止するため、例えば水冷銅板に傾注して凝固させることができる。また、還元拡散法によって得られた合金を原料合金として用いることもできる。
本発明においてR−T−B系焼結磁石を得る場合、原料合金として、R14B結晶粒を主体とする合金(主相合金)と、焼結時に液相となり焼結後は粒界相を形成する合金(粒界相合金)とを用いて焼結磁石を作製する二合金法の適用を基本とする。二合金法は、1種類の合金から焼結磁石を作製する一合金法に比べ、粒界相を生成しやすい。本発明にかかる(RHCeRL1−x−y1−z粒界相はRH、Ce、RL及びMを主成分とする粒界相合金を調整し、二合金法を適用することで容易に実現される。
原料合金は粉砕工程に供される。二合金法による場合には、主相合金及び粒界相合金は別々に又は一緒に粉砕される。粉砕工程には、粗粉砕工程と微粉砕工程とがある。まず、原料合金を、粒径数百μm程度になるまで粗粉砕する。粗粉砕は、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用い、不活性ガス雰囲気中にて行なうことが望ましい。粗粉砕に先立って、原料合金に水素を吸蔵させた後に放出させることにより粉砕を行なうことが効果的である。水素放出処理は、希土類焼結磁石として不純物となる水素を減少させることを目的として行われる。水素吸蔵のための加熱保持の温度は、200℃以上、望ましくは350℃以上とする。保持時間は、保持温度との関係、原料合金の厚さ等によって変わるが、少なくとも30分以上、望ましくは1時間以上とする。水素放出処理は、真空中又はArガスフローにて行う。なお、水素吸蔵処理、水素放出処理は必須の処理ではない。この水素粉砕を粗粉砕と位置付けて、機械的な粗粉砕を省略することもできる。
粗粉砕工程後、微粉砕工程に移る。微粉砕には乾式粉砕として主にジェットミルが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径1〜6μm、望ましくは3〜5μmとする。ジェットミルは、高圧の不活性ガスを狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粗粉砕粉末を加速し、粗粉砕粉末同士の衝突やターゲットあるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。粉砕用不活性ガスとしてはHe、N2、Arなどを選択することができる。また、粉砕時の粉末の凝集防止や流動性向上、成形時の潤滑や配向性の向上、C量の調整のために滑剤を添加することができる。滑剤としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、パラフィン、ナフタレンなどを選択することができる。添加量としては粉砕投入粗粉砕粉末に対し、0.01〜0.5wt%が好適である。
微粉砕には湿式粉砕を用いても良い。湿式粉砕にはボールミルや湿式アトライタなどが用いられ、粒径数百μm程度の粗粉砕粉末を、平均粒径0.1〜5μm、望ましくは2〜4.5μmとする。湿式粉砕では適切な分散媒の選択によりスラリーを生成し、磁石粉が酸素に触れることなく粉砕が進行するため、酸素濃度が低い微粉末が得られる。分散媒としてはイソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、酢酸エチル、リン酸エステル、ペンタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、アセトン、メチルエチルケトンなどを選択することができる。スラリー濃度としては1〜50wt%、好ましくは20〜45wt%とする。
上記微粉は混合に供される。混合にはナウタミキサー、プラネタリミキサーなどを用いることができる。上記粉砕時に主相合金及び粒界相合金を同時に粉砕している場合には混合を省略することができる。
上記微粉は磁場中成形に供される。磁場中成形における成形圧力は0.3〜3ton/cm2(30〜300MPa)の範囲とすればよい。成形圧力は成形開始から終了まで一定であってもよく、漸増または漸減してもよく、あるいは不規則変化してもよい。成形圧力が低いほど配向性は良好となるが、成形圧力が低すぎると成形体の強度が不足してハンドリングに問題が生じるので、この点を考慮して上記範囲から成形圧力を選択する。磁場中成形で得られる成形体の最終的な相対密度は、通常、40〜60%である。
印加する磁場は、10〜20kOe(800〜1600kA/m)程度とすればよい。印加する磁場は静磁場に限定されず、パルス状の磁場とすることもできる。また、静磁場とパルス状磁場を併用することもできる。
次いで、成形体を真空又は不活性ガス雰囲気中で焼結する。焼結温度は、組成、粉砕方法、平均粒径と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、1000〜1200℃で30分〜8時間焼結する。焼結時間が30分未満であると、十分に緻密化できない。また、8時間以上焼成すると、粒界相成分の主相粒子への拡散、異常粒成長が進み、磁気特性に悪影響を与えるからである。不用な拡散や粒成長を抑制するため、2段階焼結法や、SPS(放電プラズマ焼結法)、マイクロ波焼結法等を用いても良い。
焼結後、得られた焼結体に時効処理を施すことができる。この工程は、(RHCeRL1−x−y1−zを含む粒界相を最適化し、保磁力を制御する重要な工程である。時効処理を2段に分けて行なう場合には、800℃〜950℃(高温時効)、500℃〜700℃(低温時効)での所定時間の保持が有効である。高温時効を焼結後に行なうと、保磁力の増大に有効な場合がある。2合金法においては特に有効である。また、低温時効で保磁力が大きく増加する場合が多いため、時効処理を1段で行なう場合には、低温時効処理を施すとよい。
以上の処理を経た焼結体は、所定寸法・形状に切断される。焼結体の表面の加工方法は特に限定されるものではないが、機械加工を行うことができる。機械的な加工としては、例えば砥石を用いた研磨処理等が挙げられる。
さらに、必要により焼結体表面に保護膜を形成してもよい。保護膜の形成は、保護膜の種類に応じて公知の手法に従って行なえばよい。例えば、電解めっきの場合には、脱脂、水洗、エッチング(例えば硝酸)、水洗、電解めっきによる成膜、水洗、乾燥という常法を採用することができる。脱脂処理、酸による化学エッチングを施し、焼結体の表面を清浄化することができる。Niの電解めっきに用いるめっき浴としては、塩化ニッケルを含有しないワット浴(すなわち、硫酸ニッケルおよびほう酸を主成分とする)、スルファミン酸浴、ほうフッ化浴、臭化ニッケル浴などが挙げられる。ただし、この場合、陽極の溶解が少なくなるため、ニッケルイオンを浴に補充することが好ましい。ニッケルイオンは、硫酸ニッケルあるいは臭化ニッケルの溶液として補充するのが好ましい。
次に、本実施形態に係るモータについて説明する。図1は本発明に係る好適なモータの一実施形態を示す断面図である。図1に示す埋込み永久磁石モータ1において、ステータ(固定子)2内にはロータ(回転子)3が配置されている。ロータ3内の鉄心4中には、高磁束密度かつ高保磁力の永久磁石を用いた永久磁石5が配置されている。永久磁石5には上述の本実施形態にかかるR−T−B系焼結磁石が用いられ、十分高い保磁力を示すため、高出力、高効率なモータが得られる。
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
主相合金の組成がNd12.6at%−Fe81.6at%−B5.8at%、粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd32.2at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%となるように、純度99.9%のNd、Fe、FeB、Dy、Co、Cu、Al原料をそれぞれ秤量し、ストリップキャスト法により原料合金薄板を溶解、鋳造した。
得られた主相合金、粒界相合金の薄板をそれぞれ水素粉砕し、粗粉砕粉末を得た。この粗粉砕粉末に、潤滑剤として、オレイン酸アミドを0.1wt%添加した。次いで、主相合金と粒界相合金を重量比で90:10の割合で配合し、気流式粉砕機(ジェットミル)を使用し、高圧窒素ガス雰囲気中で微粉砕を行い、微粉砕粉末を得た。
続いて、作製した微粉砕粉末を15kOeの磁場中で140MPaの圧力で成形を行い、20mm×18mm×13mmの成形体を得た。磁場方向はプレス方向と垂直な方向である。得られた成形体を1030℃で6時間焼成した。その後、850℃で1時間、600℃で1.5時間の時効処理を行い、焼結体を得た。
得られた焼結体の保磁力HcJと残留磁束密度BrをB−Hトレーサーによる減磁曲線の測定結果から求めた。この結果を表1に示した。
得られた焼結体はX線回折法によって主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。
また、焼結体をエポキシ系樹脂に埋め込み、その断面を研磨した。研磨には市販の研磨紙を使い、番手の低い研磨紙から高い研磨紙へ変えながら研磨した。最後にバフとダイヤモンド砥粒を用いて研磨した。この際、粒界相成分が腐食することを避けるため、水などをつけずに研磨を行った。
得られた焼結体断面にイオンミリング処理を行い、最表面の酸化膜や窒化膜等の影響を除いた後、R−T−B系焼結磁石の断面をFE−SEM(電界放射型走査型電子顕微鏡)、EPMA(電子マイクロプローブアナライザー)で観察し、分析した。単位断面(50μm角の領域)におけるFE−SEMの観察から、主相以外に1種類の粒界相の存在を確認した。また、FE−SEMと同一の観察視野でEPMAによる元素マッピング(256点×256点)を実施したところ、この粒界相はNd−richな粒界相であることが確認され、Ndの他にDy、Al、Cu、Co、Feが含まれていた。すなわち、この粒界相は(DyNd)M相(MはAl、Cu、Co及びFe)であることが分かった。
単位断面におけるFE−SEM観察像中に確認されたすべての主相粒子の二面角(図2参照)を測定し、全測定数に対する二面角が90°以下となる測定数の割合Fgbを算出した。そして、上記の一連の分析を20か所の観察視野に対して実施し、Fgbの平均値を算出した。その結果を表1に示した。
(比較例2)
粒界相合金の組成がTb1.8at%−Nd32.2at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求め、結果を表1に示した。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−rich粒界相として(TbNd)M相(MはAl、Cu、Co及びFe)相の存在が確認された。
(比較例3)
粒界相合金の組成がHo1.8at%−Nd32.2at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求め、結果を表1に示した。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−rich粒界相として(HoNd)M相(MはAl、Cu、Co及びFe)相の存在が確認された。
Figure 0006536816
(実施例1)
比較例1の粒界相合金のNdの一部をCeで置き換え、焼結体を作製した。粒界相合金の組成がDy1.8at%−Ce24.0at%−Nd8.2at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって、得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認され、この粒界相はすなわち(RHCeRL1−x−y1−z相(RHはDy、RLはNd、MはAl、Cu、Co、及びFe)であることが分かった。EPMAのスポット分析を(RHCeRL1−x−y1−z相に実施し、(RHCeRL1−x−y1−z相のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度からx、y、zを算出した。この分析を観察視野で確認された(RHCeRL1−x−y1−z相の30か所に対して実施した。そして、上記の一連の分析を、観察視野を変えながら20回繰り返し行い、x、y、zの平均値を算出した。表2にその結果を示した。
単位断面におけるFE−SEM観察像中の(RHCeRL1−x−y1−z相を、反射電子像の濃淡に閾値を設けて抽出し、画像解析法により単位断面に占める(RHCeRL1−x−y1−z相の断面積比Atreを算出した。また、比較例1と同様の分析を実施し、Fgbを算出した。表2にその結果を示した。
(実施例2)
比較例2の粒界相合金のNdの一部をCeで置き換え、焼結体を作製した。粒界相合金の組成がTb1.8at%−Ce24.0at%−Nd8.2at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例2と同様の(TbNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にTb、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のTb、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表2に示す通りであった。
(実施例3)
比較例3の粒界相合金のNdの一部をCeで置き換え、焼結体を作製した。粒界相合金の組成がHo1.8at%−Ce24.0at%−Nd8.2at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例3と同様の(HoNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にHo、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のHo、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表2に示す通りであった。
(比較例4)
実施例1の粒界相合金のCeを同量のPrで置き換え、焼結体を作製した。粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd8.2at%−Pr24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とPr−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Pr−richな粒界相にはPrの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれており、これらの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表2に示す通りであった。
(比較例5)
実施例1の粒界相合金のCeを同量のLaで置き換え、焼結体を作製した。粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd8.2at%−La24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とLa−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。La−richな粒界相にはLaの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれており、これらの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表2に示す通りであった。
(比較例6)
実施例1の粒界相合金のCeを同量のYで置き換え、焼結体を作製した。粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd8.2at%−Y24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、比較例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とY−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Y−richな粒界相にはYの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれており、これらの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表2に示す通りであった。
Figure 0006536816
実施例1〜3と比較例1〜3を比較すると、粒界相として(RHNd)M相以外に(RHCeRL1−x−y1−z相を含む場合、比較例1〜3の重希土類元素添加の磁石に比べて高い保磁力を有する磁石を作製できた。Fgbから分かるように、多粒子境界の90°以下の二面角の割合が増加しているため、従来の(RHNd)M粒界相に比べ、主相粒子に対する濡れ性が向上し、粒界相の主相粒子被覆率が高まって、磁気分離が進み、保磁力が向上したと考えられる。一方、比較例4〜6は実施例1に比べて保磁力が低くなった。粒界相にCeを含まない比較例4〜6では、主相粒子に対する粒界相の濡れ性が低く、高い保磁力が得られなかったと考えられる。
(実施例4)
粒界相合金の組成がDy1.2at%−Nd8.8at%−Ce24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相と主相以外にCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(実施例5)
粒界相合金の組成がDy3.2at%−Nd6.8at%−Ce24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のTb、Dy、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例7)
粒界相合金の組成がNd10.0at%−Ce24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にNd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のCe、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例8)
粒界相合金の組成がDy0.2at%−Nd9.8at%−Ce24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例9)
粒界相合金の組成がDy0.5at%−Nd9.5at%−Ce24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例10)
粒界相合金の組成がDy4.1at%−Nd5.9at%−Ce24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例11)
粒界相合金の組成がDy5.0at%−Nd5.0at%−Ce24.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(実施例6)
粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd14.2at%−Ce18.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(実施例7)
粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd5.2at%−Ce27.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例12)
粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd24.7at%−Ce7.5at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例13)
粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd17.2at%−Ce15.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例14)
粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd3.7at%−Ce28.5at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例15)
粒界相合金の組成がDy1.8at%−Nd2.2at%−Ce30.0at%−Al1.0at%−Cu1.0at%−Co10.3at%−Fe53.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(実施例8)
粒界相合金の組成がDy1.5at%−Nd6.3at%−Ce20.2at%−Al1.1at%−Cu1.1at%−Co11.2at%−Fe58.6at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(実施例9)
粒界相合金の組成がDy2.9at%−Nd12.2at%−Ce38.9at%−Al0.7at%−Cu0.7at%−Co7.2at%−Fe37.4at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例16)
粒界相合金の組成がDy1.0at%−Nd4.1at%−Ce13.0at%−Al1.2at%−Cu1.2at%−Co12.8at%−Fe66.7at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例17)
粒界相合金の組成がDy1.3at%−Nd5.4at%−Ce17.3at%−Al1.2at%−Cu1.2at%−Co11.9at%−Fe61.8at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例18)
粒界相合金の組成がDy3.1at%−Nd12.9at%−Ce41.0at%−Al0.7at%−Cu0.7at%−Co6.7at%−Fe35.0at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例19)
粒界相合金の組成がDy4.1at%−Nd17.0t%−Ce54.0at%−Al0.4at%−Cu0.4at%−Co3.9at%−Fe20.3at%であること以外は比較例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(実施例10)
主相合金と粒界相合金の混合を重量比率で94:6とした以外は実施例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(実施例11)
主相合金と粒界相合金の混合を重量比率で87:13とした以外は実施例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例20)
主相合金と粒界相合金の混合を重量比率で97:3とした以外は実施例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例21)
主相合金と粒界相合金の混合を重量比率で96:4とした以外は実施例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例22)
主相合金と粒界相合金の混合を重量比率で83:17とした以外は実施例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
(比較例23)
主相合金と粒界相合金の混合を重量比率で80:20とした以外は実施例1と同様に作製した。
そして、実施例1と同様にB−Hトレーサーの測定結果からBr、HcJを求めた。X線回折法によって得られた焼結体の主たる生成相が正方晶R14B構造であることを確認した。FE−SEM、EPMAの結果から、主相以外にNd−richな粒界相とCe−richな粒界相の存在が確認された。Nd−richな粒界相は比較例1と同様の(DyNd)M相であった。Ce−richな粒界相にはCeの他にDy、Nd、Al、Cu、Co、Feが含まれているのが確認された。この粒界相中のDy、Ce、Nd、Al、Cu、Co、Feの濃度を実施例1と同様の手法で分析し、x、y、zを算出した。その後、Atre、Fgbを実施例1と同様の手法で求めた。結果は表3に示す通りであった。
Figure 0006536816
実施例4〜11、比較例7〜23を比較すると、0.01≦x≦0.10、0.5≦y≦0.9、0.25≦z≦0.55かつ、0.03<Atre<0.07において20kOe以上の高い保磁力を有するR−T−B系焼結磁石が得られた。Fgbの値から分かるように、x、y、zが0.01≦x≦0.10、0.5≦y≦0.9、0.25≦z≦0.55となることで主相粒子に対する濡れ性が高くなることに加え、0.03<Atreとなることで、(RHCeRL1−x−y1−z相が焼結磁石中の主相粒子を十分に被覆し、磁気分離が進み、保磁力が向上したと考えられる。また、Atre<0.07とすることで、主相体積比率の減少による残留磁束密度の低下を抑制できると考えられる。実施例5、7、8、11から、Fgb≧0.5とすることで24kOe以上とさらに高い保磁力を有するR−T−B系焼結磁石を実現できる。
以上のように、本発明に係る焼結磁石は、高い保磁力を有し、民生・産業・輸送機器などにおいて高い効率を得ることができるモータ用の永久磁石として好適である。
本発明に係るモータの実施形態を示す断面図である。 本発明に係るR−T−B系焼結磁石を構成する主相粒子がなす二面角を表す模式図である。
1…埋込み永久磁石モータ、2…ステータ、3…ロータ、4…鉄心、5…永久磁石、6…
主相粒子、7…二面角。

Claims (3)

  1. 14B構造からなる主相(ただし、RはY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Hoの少なくとも1種であり、TはFe又はFe及びCoを必須とする1種以上の遷移金属元素)と、(RHCeRL1−x−y1−z(但し、RHはTb、Dy、Hoの少なくとも1種類の元素であり、RLはY、La、Pr、Nd、Sm、Eu、Gdの少なくとも1種類の元素であり、MはMg、Al、Si、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Hf、Ta、W、Biの少なくとも1種の元素であり、xは0.01≦x≦0.10、yは0.5≦y≦0.9、zは0.25≦z≦0.55)からなる粒界相を含み、かつ、前記粒界相の全磁石構成組織に対する断面積比Atreが0.03<Atre<0.07であることを特徴とするR−T−B系焼結磁石。
  2. 多粒子境界における前記主相粒子のなす二面角が90°以下である断面頻度Fgbが、0.5≦Fgbであることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
  3. 請求項1乃至2に記載のR−T−B系焼結磁石を用いたことを特徴とするモータ。
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