JP2005197298A - 希土類焼結磁石及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 焼結時間を短縮し、結晶粒成長の抑制と高密度化を両立する。
【解決手段】 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、放電プラズマ焼結により焼結を行う。このとき、原料合金微粉に含まれる酸素量を2500ppm以下とする。酸素量を2500ppm以下とすることによって、放電プラズマによる原料合金微粉表面の活性化作用及びクリーニング作用が妨げられることなくなり、短時間での焼結が可能となり、放電プラズマ焼結法の利点である結晶粒の成長抑制効果が最大限に活かされる。
【選択図】 図2
【解決手段】 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、放電プラズマ焼結により焼結を行う。このとき、原料合金微粉に含まれる酸素量を2500ppm以下とする。酸素量を2500ppm以下とすることによって、放電プラズマによる原料合金微粉表面の活性化作用及びクリーニング作用が妨げられることなくなり、短時間での焼結が可能となり、放電プラズマ焼結法の利点である結晶粒の成長抑制効果が最大限に活かされる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とする希土類焼結磁石及びその製造方法に関し、特に、焼結時の結晶粒成長を抑制し磁気特性を改善するための技術に関する。
希土類焼結磁石、例えばNd−Fe−B系焼結磁石は、磁気特性に優れていること、主成分であるNdが資源的に豊富で比較的安価であること等の利点を有することから、近年、その需要は益々拡大する傾向にある。このような状況から、Nd−Fe−B系焼結磁石の磁気特性を向上するための研究開発や、品質の高い希土類焼結磁石を製造するための製造方法の改良等が各方面において進められている。
希土類焼結磁石の製造方法としては、粉末冶金法が知られており、低コストでの製造が可能なことから、広く用いられている。粉末冶金法では、先ず、原料合金インゴットを粗粉砕及び微粉砕し、粒径が数μm程度の原料合金微粉を得る。このようにして得られた原料合金微粉を静磁場中で磁場配向させ、磁場を印加した状態でプレス成形を行う。磁場中成形後、成形体を真空中、または不活性ガス雰囲気中で焼結を行う。
希土類焼結磁石の焼結工程では、成形体を真空、若しくはAr等の不活性雰囲気中で加熱することによって焼結反応を進行させ、高密度な焼結体とすることが行われる。この時、加熱の熱源には抵抗加熱が広く採用されている。抵抗加熱では、Mo等の高融点金属若しくは炭素からなる棒状、あるいは板状の抵抗体に通電し、焼結炉内の温度を所定の温度にしている。
焼結方法としては、前記抵抗加熱の他、例えば放電プラズマ焼結法も知られている。放電プラズマ焼結法は、圧縮成形体に直流パルス電圧を付与し、金属粉間隙で起こる放電現象を利用して焼結を行う方法である。放電プラズマ焼結法は、例えば鉄系焼結体への適用が検討されており、特許文献1にはフェライト系ステンレス粉末からなる圧粉体を焼結する方法が開示されている。そして、その効果として強度の向上が挙げられている。
放電プラズマ焼結法の希土類焼結磁石への適用例としては、特許文献2〜特許文献3等に記載される技術がある。特許文献2には、NdFeB系及びRCo(磁石相+化合物相)において、電気抵抗の高いフッ化物、酸化物(Li,Na,Mg,Ca,Ba,Srの1種)を添加した場合の焼結による高電気抵抗磁石作製のための1つの手法として、放電プラズマ焼結法が示されている。特許文献3には、磁石粉末に融点200〜700℃の金属を1種または2種以上添加し、放電プラズマ焼結法を用いて希土類磁石を製造する方法が開示されている。特許文献4には、放電プラズマ焼結法を用い、量産性を改良した異方性磁石の製造方法が開示されている。
特開2002−332503号公報
特開平9−186010号公報
特開平8−264361号公報
特開2001−68366号公報
ところで、前述の抵抗加熱の場合、加熱温度は通電する電力に依存し、主として輻射熱を利用して成形体に熱エネルギーを供給しているため、その昇温速度は工業的に要求されるほど速くはない。このため、所望の温度に到達するまでに、これよりも低い温度に長時間晒されることになる。また、真空雰囲気の場合には、不活性ガスが存在する場合に期待できる伝導熱による温度の均一化が全く期待できず、炉内の温度制御が難しい。そのため、成形体の温度にばらつきが生ずる可能性が高い。
希土類焼結磁石の焼結では、焼結温度で液相となる低融点相(副相)が溶融し、主としてNd2Fe14B化合物からなる主相粒子の表面を濡らし、成形体内の空隙を外部に排除することによって高密度化(緻密化)が実現される。同時に、焼結温度では、固相同士(粒子同士)が反応することにより、主相結晶粒の粒成長が起こる。主相結晶粒の粒成長は、相対的に大きな主相粒子が、周囲の小さな粒子を吸収する形で進行する。さらに、焼結反応が進んでくると、小さな粒子を吸収した大きな主相粒子同士が反応して、より大きな粒子が生成する。
ここで、結晶粒の大きさは、希土類焼結磁石の特性、特に保磁力に対して大きな影響を及ぼし、結晶粒のサイズが大きいと保磁力低下の要因となることから、焼結に際しては主相結晶粒の粒成長をなるべく抑えることが要求される。すなわち、希土類焼結磁石の焼結では、成形体を構成する原料合金の微粉末のサイズをできる限り維持したまま高密度化が進むことが望ましい。
高密度化と粒成長の抑制という双方の目的を達成するためには、焼結時の温度と時間のパターンの制御が非常に重要となる。例えば、短時間のうちに液相が主相粒子の表面を十分に濡らすようにすることができれば、液相移動による高密度化に要する時間を短縮し、主相の粒成長を抑制することができる。液相が自由に移動できる温度と、粒成長する温度とは重複するので、制御が必要な温度は、単なる焼結炉内の温度ではなく、成形体の実際の温度であることは言うまでもない。
このような焼結反応から考えた場合、前述の抵抗加熱では粒成長を制御した焼結温度制御をすることは難しい。抵抗加熱では、輻射熱を利用しているために、温度の制御、特に急速な昇温、降温が困難であり、また、成形体の周囲と内部とで温度差が生じ易い。その結果、高密度化と粒成長の抑制を同時に達成することが困難であるという問題がある。また、抵抗加熱では、前記の通り、所望の温度に到達するまでに、これよりも低い温度に長時間晒されることになるため、異相が発生し易いという問題もある。主相粒子の粒成長や密度の低下、異相の発生は、いずれも得られる希土類焼結磁石の磁気特性の劣化の原因となり、その制御抑制が必要である。
一方、前述の特許文献2〜4等に記載される放電プラズマ焼結法は、粒子間に発生する高温の放電プラズマを利用するものであるため、輻射熱を利用した抵抗加熱に比べて急速な昇温が可能と考えられる。しかしながら、実際に希土類焼結磁石の焼結に放電プラズマ焼結法を適用してみると、必ずしも焼結反応や緻密化が急速に進行せず、結晶粒の成長の抑制が不十分となる等、放電プラズマ焼結法の利点が損なわれるという問題があることがわかってきた。したがって、特許文献2〜4記載の技術をそのまま希土類焼結磁石に適用しても、得られる希土類焼結磁石の高性能化や結晶粒の微細化は難しい。また、例えば特許文献2や特許文献3に記載される技術では、フッ化物や酸化物、あるいは融点の低い金属等を添加する必要があり、組成に制約があるという問題もある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、焼結時間を短縮し、高密度化と粒成長の抑制を同時に達成することができ、異相の形成も抑制することが可能な希土類焼結磁石の製造方法を提供し、保磁力等の磁気特性に優れた希土類焼結磁石を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の問題を解決するために、種々の検討を重ねてきた。その結果、希土類焼結磁石の焼結に放電プラズマ焼結法を適用する場合、酸素量が大きな影響を与えるとの結論を得るに至った。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。すなわち、本発明に係る希土類焼結磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形体が放電プラズマ焼結により焼結されてなり、且つ酸素含有量が2500ppm以下であることを特徴とする。また、本発明に係る希土類焼結磁石の製造方法は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、前記原料合金微粉に含まれる酸素量を2500ppm以下とし、且つ放電プラズマ焼結により前記焼結を行うことを特徴とする。
放電プラズマ焼結法とは、粉末の圧縮成形体に直流パルス電圧を付与することにより、粉末間隙で瞬時に生ずる数千から1万℃程度の放電プラズマの高エネルギーを利用して、焼結を行う方法である。本発明では、原料合金微粉の成形体にパルス通電を行うことにより、原料合金微粉間をパルス大電流が通過することによる粉末表面の急激なジュール加熱、原料合金微粉間隙で生じる放電プラズマによる表面活性化及びクリーニング作用や、放電点及びジュール発熱点の移動等によって、原料合金微粉の表面付近のみが急速に発熱し、加熱される。したがって、輻射熱を利用する抵抗加熱に比べてはるかに急速な昇温、降温が可能である。
ただし、NdFeB系磁石等の希土類焼結磁石の焼結に放電プラズマ焼結法を適用する場合、酸素量に留意する必要がある。原料合金微粉に含まれる酸素量が多いと、酸化物として存在する希土類元素が増加するため、放電プラズマによる表面活性化及びクリーニング作用が不十分となり、結晶粒の成長抑制効果を得ることができない等、放電プラズマ焼結法の利点が損なわれる。本発明では、酸素量を2500ppm以下とすることによって、放電プラズマによる原料合金微粉表面の活性化作用及びクリーニング作用が妨げられることなく、短時間での焼結が可能となり、放電プラズマ焼結法の利点である結晶粒の成長抑制効果が最大限に活かされる。
前述のように、NdFeB系磁石等の希土類焼結磁石の焼結に放電プラズマ焼結法を適用することで、高残留磁化が得られる組成で結晶粒が微細化され、高保磁力が得られる。得られる希土類焼結磁石を規定したのが本願の請求項2記載の発明であり、主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が10μm以下の主相結晶粒の面積の和が90%以上であり、結晶粒径が15μm以上の主相結晶粒の面積の和が5%以下であることを特徴とする。
本発明の希土類焼結磁石は、放電プラズマ焼結により焼結されるとともに、酸素含有量が所定値以下に制御されているので、放電プラズマ焼結法の利点が最大限に活かされ、高密度化と結晶粒成長の抑制、異相の発生の抑制が同時に実現される。したがって、本発明によれば、保磁力の高い磁気特性に優れた希土類焼結磁石を提供することができる。
また、本発明の希土類焼結磁石の製造方法によれば、焼結に放電プラズマ焼結を採用するとともに、酸素含有量を所定値以下に制御しているので、原料合金微粉表面のクリーニング作用や活性化作用により急速な焼結反応及び緻密化が進行する。したがって、本発明によれば、焼結時間を短縮し、高密度化した焼結体を粒成長せずに得ることができ、製造される希土類焼結磁石の焼結状態を理想状態に近づけることができる。
以下、本発明を適用した希土類焼結磁石及びその製造方法について、図面を参照しながら説明する。
本発明の希土類焼結磁石は、希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を主成分とするものである。磁石組成は、目的に応じて任意に選択すればよい。例えば、R−T−B(R=Yを含む希土類元素の1種または2種以上、T=FeまたはFe及びCoを必須とする遷移金属元素の1種または2種以上、B=ホウ素)系希土類焼結磁石とする場合、磁気特性に優れた希土類焼結磁石を得るためには、焼結後の磁石組成において、希土類元素Rが27.0〜32.0重量%、ホウ素Bが0.5〜2.0重量%、残部が実質的に遷移金属元素T(例えばFe)となるような配合組成とすることが好ましい。希土類元素Rの量が27.0重量%未満であると、軟磁性であるα−Fe等が析出し、保磁力が低下する。逆に、希土類元素Rが32.0重量%を越えると、Rリッチ相の量が多くなって耐蝕性が劣化するとともに、主相であるR2T14B結晶粒の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下する。また、ホウ素Bが0.5重量%未満の場合には、高い保磁力を得ることができない。逆に、ホウ素Bが2.0重量%を越えると、残留磁束密度が低下する傾向がある。
ここで、希土類元素Rは、Yを含む希土類元素、すなわちY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuから選ばれる1種、または2種以上である。中でも、NdやPrは、磁気特性のバランスが良いこと、資源的に豊富で比較的安価であることから、主成分をNdやPrとすることが好ましい。また、Dy2Fe14BやTb2Fe14B化合物は、異方性磁界が大きく、保磁力Hcjを向上させる上で有効である。
さらに、本発明の希土類焼結磁石は、添加元素Mを加えて、R−T−B−M系希土類焼結磁石とすることも可能である。この場合、添加元素Mとしては、Al、Ga、Cr、Mn、Mg、Si、Cu、C、Nb、Sn、W、V、Zr、Ti、Hf、Mo等を挙げることができ、これらの1種または2種以上を選択して添加することができる。例えば、高融点金属であるNb、Zr、W等の添加は、結晶粒成長を抑制する効果がある。勿論、これら組成に限らず、希土類焼結磁石の組成として従来公知の組成全般に適用可能であることは言うまでもない。
また、本発明の希土類焼結磁石では、酸素の含有量を2500ppm以下とする。これは、後述の放電プラズマ焼結を行うこととも関連するが、酸素含有量が2500ppmを越えると、希土類元素が酸化物として存在する量が増加し、主相及び副相に存在すべき磁気的に有効な希土類元素が減少して保磁力が低下するという問題が生ずる。さらに、生成した酸化物は非磁性であり、焼結体の磁化の低下も招く。酸素量と酸化物の生成量の関係は、化合物の化学量論比に従って直線的関係を有するが、近年の磁石応用製品において高性能希土類磁石に要求される保磁力や磁化を満足させるためには、2500ppm以下であることが要求され、特に2000ppm以下であることが好ましい。
さらに、本発明の希土類焼結磁石は、炭素(C)の含有量が1500ppm以下、窒素(N)の含有量が200〜1500ppmであることが好ましい。炭素の含有量が1500ppmを越えると、炭素は希土類元素の一部と炭化物を形成し、磁気的に有効な希土類元素が減少して保磁力が低下する。また、窒素量を前記範囲とすることによって、優れた耐蝕性と高い磁気特性を両立させることができる。
本発明の希土類焼結磁石は、粉末冶金法により製造されるものであり、特に、放電プラズマ焼結によって焼結されてなるものである。以下、希土類焼結磁石の粉末冶金法による製造方法について説明する。
図1は、粉末冶金法による希土類焼結磁石の製造プロセスの一例を示すものである。この製造プロセスは、基本的には、合金化工程1、粗粉砕工程2、微粉砕工程3、磁場中成形工程4、焼結工程5、時効工程6、加工工程7、及び表面処理工程8とにより構成される。なお、酸化防止のために、焼結後までの各工程は、ほとんどの工程を真空中、あるいは不活性ガス雰囲気中(窒素雰囲気中、Ar雰囲気中等)で行う。
合金化工程1では、原料となる金属、あるいは合金を磁石組成に応じて配合し、不活性ガス、例えばAr雰囲気中で溶解し、鋳造することにより合金化する。鋳造法としては、溶融した高温の液体金属を回転ロール上に供給し、合金薄板を連続的に鋳造するストリップキャスト法(連続鋳造法)が生産性等の観点から好適である。原料金属(合金)としては、純希土類元素、希土類合金、純鉄、フェロボロン、さらにはこれらの合金等を使用することができる。インゴットとして鋳造した場合には、凝固偏析を解消すること等を目的に、必要に応じて溶体化処理を行ってもよい。溶体化処理の条件としては、例えば真空またはAr雰囲気下、700〜1200℃領域で1時間以上保持する。
粗粉砕工程2では、先に鋳造した原料合金の薄板、あるいはインゴット等を、粒径数百μm程度になるまで粉砕する。粉砕手段としては、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いることができる。粗粉砕性を向上させるために、水素を吸蔵させて脆化させた後、粗粉砕を行うことが効果的である。
前述の粗粉砕工程2が終了した後、通常、粗粉砕した原料合金粉に粉砕助剤を添加する。粉砕助剤としては、例えば脂肪酸系化合物等を使用することができるが、特に、脂肪酸アミドを粉砕助剤として用いることで、良好な磁気特性、特に高配向度で高い磁化を有する希土類焼結磁石を得ることができる。粉砕助剤の添加量としては、0.03〜0.4重量%とすることが好ましい。粉砕助剤の添加量が0.03重量%未満であると、潤滑剤の磁気特性に与える効果が十分に得られず、0.4重量%以下の添加量であれば、焼結後の残留炭素の量を効果的に低減することができ、希土類焼結磁石の磁気特性を向上させる上で有効である。
粗粉砕工程2の後、微粉砕工程3を行うが、この微粉砕工程3は、例えば気流式粉砕機等を使用して行われる。微粉砕の際の条件は、用いる気流式粉砕機に応じて適宜設定すればよく、原料合金粉を平均粒径が1〜10μm程度、例えば3〜6μmとなるまで微粉砕する。気流式粉砕機としては、ジェットミル等が好適である。ジェットミルは、高圧の不活性ガス(例えば窒素ガス)を狭いノズルより開放して高速のガス流を発生させ、この高速のガス流により粉体の粒子を加速し、粉体の粒子同士の衝突や、衝突板あるいは容器壁との衝突を発生させて粉砕する方法である。ジェットミルは、一般的に、流動層を利用するジェットミル、渦流を利用するジェットミル、衝突板を用いるジェットミル等に分類される。これらのジェットミルのうちでは、流動層を利用するジェットミル、及び渦流を利用するジェットミルが好ましく、特に流動層を利用するジェットミルが好ましい。例えば原料合金粉と粉砕助剤とは比重が大きく異なるが、流動層中及び渦流中では比重の違いに殆ど関係なく良好に粉砕及び混合が行なわれ、特に流動層中では比重の違いは殆ど問題とならないからである。
微粉砕工程3の後、磁場中成形工程4において、原料合金微粉を磁場中にて成形する。具体的には、微粉砕工程3にて得られた原料合金微粉を電磁石を配置した金型内に充填し、磁場印加によって結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。磁場中成形は、成形圧力と磁界方向が平行な縦磁場成形、成形圧力と磁界方向が直交する横磁場成形のいずれであってもよい。さらに、磁界印加手段として、パルス電源と空芯コイルも採用することができる。この磁場中成形は、例えば700〜1300kA/mの磁場中で、100〜200MPa前後の圧力で行えばよい。
次に焼結工程5において、焼結を実施する。すなわち、原料合金微粉を磁場中成形後、成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結する。
本発明では、この焼結工程5において、成形体の焼結を放電プラズマ焼結により行う。図2は、放電プラズマ焼結装置の概要を示すものである。放電プラズマ焼結装置においては、例えば真空チャンバ11内に、いわゆるダイセットが設けられている。ダイセットは、成形体12を収納する焼結ダイ13と、焼結ダイ13内の成形体12を1軸方向から加圧する下部パンチ14及び上部パンチ15と、下部パンチ14及び上部パンチ15を挟む下部電極16及び上部電極17とから構成され、下部電極16及び上部電極17が直流パルス電源18に接続される。この放電プラズマ焼結装置を用いて焼結を行う場合には、成形体12を内部に充填した焼結ダイ13、下部パンチ14及び上部パンチ15を、下部電極16及び上部電極17間に設置し、加圧しながら直流パルス電源18より通電を行う。すると、放電プラズマの放電衝撃圧力、スパッタ作用により、原料合金粉末表面の吸着ガス等を吹き飛ばしたり、絶縁酸化被膜を破壊する等、原料合金微粉表面を活性化及びクリーニングする。また、放電プラズマの発生がない場合も、大電流が通過することで急激なジュール熱を発生し、原料合金微粉表面が自己発熱する。また、パルス通電を行うことにより、電界の作用でイオンの高速移動が生じるため、成形体内で放電点及びジュール発熱点が移動、分散し、成形体全体が均一に加熱される。このように、比較的低温で、且つ急激な温度上昇によって焼結が行われる。
なお、希土類焼結磁石の放電プラズマ焼結に際しては、必ずしも加圧する必要はなく、その場合には、図3に示すように、成形体12の上下に下部電極16及び上部電極17を配して、直流パルス電源18より通電を行えばよい。ただし、特性を向上する上では、加圧した方が有利である。また、加圧する場合、成形体12の配向方向と平行な方向に加圧することが好ましい。また、前述の磁場中成形工程4を放電プラズマ装置内に組み込んで、成形から焼結までを一連の工程として行なうことも可能である。
ところで、前記焼結工程5において、原料合金微粉を成形した成形体を放電プラズマ焼結により焼結する場合、原料合金微粉に含まれる酸素量に留意する必要がある。例えばNdFeB系合金は、極めて酸化され易く、酸素雰囲気を制御して粉砕を行っても、通常は酸素量が2500ppmを越えるレベルとなる。この酸素量は、Nd酸化物として存在するとほぼ1重量%以上となる。また、この酸素量は、潤滑剤の添加量として検討されている量(〜0.8重量%)より多く、また、潤滑剤の最適量(0.1重量%)よりはるかに多い量となる。原料合金微粉の酸素量が多いと、放電プラズマによる原料合金微粉表面の活性化作用及びクリーニング作用が妨げられ、急速昇温や焼結時間の短時間化等の利点が得られなくなる。その結果、結晶粒の成長を招き、希土類焼結磁石の保磁力が低下する等、磁気特性の低下につながる。
したがって、本発明においては、原料合金微粉に含まれる酸素量を、2500ppm以下に抑える。焼結工程に放電プラズマ焼結法を採用するとともに、酸素量を2500ppm以下とすることによって、放電プラズマによる原料合金粉末表面の活性化作用やクリーニング作用を充分に発現させ、急速な焼結反応及び緻密化が進行するので、結晶の粒成長を効果的に抑制できる。このため、従来の抵抗加熱に比べて高い保磁力の希土類焼結磁石を得ることができる。また、保磁力を高めることにより高価なDyのような希土類元素を低減できるという利点もある。
また、本発明によれば、従来に比べて、短時間での昇温、降温が実現され、短時間で焼結が完了する。具体的には、抵抗加熱法では4時間の焼結時間が必要な場合、本発明の方法によれば、1/5以下の焼結時間で抵抗加熱による希土類焼結磁石と同等の密度の希土類焼結磁石を得ることができる。このように、焼結時間を大幅に短縮することができるため、希土類焼結磁石の製造に要する時間が短縮され、工業上の経済的効果も極めて大きい。
原料合金微粉に含まれる酸素量を抑えるには、例えば、前記微粉砕工程3において、ジェットミルによる粉砕時の酸素量の増加を抑制する必要がある。そのためには、例えばジェットミルで粉砕する際に、不活性ガス雰囲気中で行い、その条件を厳しく管理することが必要である。また、微粉砕工程3に限らず、粗粉砕工程2等、全ての焼結前迄の工程における雰囲気中の酸素量管理を厳しくし、前記酸素量とすることが要求される。
NdFeB系焼結磁石の焼結工程に放電プラズマ焼結法を適用する技術については、これまでにも例えば前述の特許文献2〜4において提案されているが、放電プラズマ焼結法の特長である結晶粒の成長抑制効果が充分に実現されたのは、低酸素量の成形体を作製可能になったことが大きな要因の一つである。例えば前述の特許文献2記載の発明においては、電気抵抗の高いフッ化物、酸化物を添加した場合の高電気抵抗磁石作製のための手法の一例として放電プラズマ焼結法が示されているのみで、焼結磁石の磁気特性の高性能化を目的としたものではない。また、焼結体の結晶粒等に関しては全く検討されていない。特許文献3や特許文献4に記載される発明も同様である。
放電プラズマ焼結法による焼結条件は、焼結する成形体の大きさ、原料合金微粉の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。焼結条件を適正なものとすることにより、結晶粒の粒成長の抑制と、焼結反応の促進による高密度化を実現することができる。ここで、焼結条件の一つの指標として、焼結後の焼結体の結晶粒径分布を挙げることができる。具体的には、主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が10μm以下の主相結晶粒の面積の和が90%以上、結晶粒径が15μm以上の主相結晶粒の面積の和が5%以下となるように焼結を行うことが好ましい。焼結工程に放電プラズマ焼結法を採用するとともに、成形体の酸素量を特定の値以下に制御することで、従来に比べて微細な結晶粒径分布を実現することができる。主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が10μm以下の主相結晶粒の面積の和が90%未満で、結晶粒径が15μm以上の主相結晶粒の面積の和が5%を越えると、粒成長が進んでいることを意味し、希土類焼結磁石の保磁力が低下するおそれがある。より好ましくは、主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が8μm以下の主相結晶粒の面積の和が80%以上、結晶粒径が13μm以上の主相結晶粒の面積の和が10%以下であり、さらに好ましくは、主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が8μm以下の主相結晶粒の面積の和が90%以上、結晶粒径が13μm以上の主相結晶粒の面積の和が5%以下である。さらには、主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が6μm以下の主相結晶粒の面積の和が80%以上、結晶粒径が10μm以上の主相結晶粒の面積の和が10%以下であることが好ましい。
また、焼結条件の他の指標として、焼結前の原料合金微粉の平均粒径rと焼結後の焼結体の結晶粒径Rの比率R/r(粒成長比率)を挙げることができる。具体的には、この比率R/rが1.5以下となるように焼結条件を設定することが好ましい。前記比率R/rが1.5を越えるということは、粒成長が進んでいることを意味し、希土類焼結磁石の保磁力が低下するおそれがある。なお、焼結前の原料合金微粉の平均粒径rと焼結後の焼結体の結晶粒径Rは、同じ単位を持つものである。
焼結後、時効工程6において、得られた焼結体に時効処理を施すことが好ましい。この時効処理は、得られる希土類焼結磁石の保磁力Hcjを制御する上で重要な工程であり、例えば不活性ガス雰囲気中あるいは真空中で時効処理を施す。時効処理としては、2段時効処理が好ましく、1段目の時効処理工程では、800℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温〜200℃の範囲内にまで急冷する第1急冷工程を設ける。2段目の時効処理工程では、550℃前後の温度で1〜3時間保持する。次いで、室温まで急冷する第2急冷工程を設ける。600℃近傍の熱処理で保磁力Hcjが大きく増加するため、時効処理を一段で行う場合には、600℃近傍の時効処理を施すとよい。
前記時効工程6の後、加工工程7及び表面処理工程8を行う。加工工程7は、所望の形状に機械的に成形する工程である。表面処理工程8は、得られた希土類焼結磁石の酸化を抑えるために行う工程であり、例えばメッキ被膜や樹脂被膜を希土類焼結磁石の表面に形成する。
次に、本発明の具体的な実施例について、実験結果を基に説明する。
<希土類焼結磁石の作製>
原料となる金属あるいは合金を所定の組成となるように配合し、アルミナ坩堝中で高周波溶解により溶製された合金を、ストリップキャスト法により1mm以下の厚さの薄板状合金とした。
原料となる金属あるいは合金を所定の組成となるように配合し、アルミナ坩堝中で高周波溶解により溶製された合金を、ストリップキャスト法により1mm以下の厚さの薄板状合金とした。
薄板状合金は、十分に排気された炉内において、室温付近で水素を吸蔵させて脆化させ、そのまま昇温させ、Arフロー若しくは排気によって脱水素を行った。脆化した薄板合金を、窒素雰囲気中で機械的粉砕により数百μmまで粗粉砕し、さらに窒素気流中のジェットミルにより、平均粒径2.6〜2.7μmまで微粉砕した。
粉砕した原料合金微粉を、酸素を遮断したまま成形工程に供した。成形工程では、磁場成形機を用い、磁界によって得られた原料合金微粉の粒子の結晶方向が配向された圧粉体(成形体)を得た。この成形工程においても、雰囲気中の酸素の量は厳しく制御し、500ppm以下とした。
さらに、酸素を遮断したまま、成形体を焼結装置に移行し、脱バインダー処理の後、焼結を行った。焼結の後、時効処理を行った。時効処理は、2段時効処理とし、1段目は900℃、1時間、2段目は530℃、1時間とした。
<評価>
作製した各希土類焼結磁石について、残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m及び主相結晶粒分布を測定した。磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m]の測定は、B−Hトレーサーを用いて行った。主相結晶粒分布は、表面を研磨後、偏光顕微鏡で写真を撮影し、約100μm×100μmの領域で画像処理を行い結晶粒径分布を求めた。
作製した各希土類焼結磁石について、残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m及び主相結晶粒分布を測定した。磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m]の測定は、B−Hトレーサーを用いて行った。主相結晶粒分布は、表面を研磨後、偏光顕微鏡で写真を撮影し、約100μm×100μmの領域で画像処理を行い結晶粒径分布を求めた。
<放電プラズマ焼結と抵抗加熱の比較検討>
先ず、表1に示す組成及び条件で、焼結工程を放電プラズマ焼結(SPS)により行い、試料1,2を作製した。放電プラズマ焼結装置としては、図2に示す放電プラズマ焼結装置を用いた。焼結に際しては、先に作製された成形体を、真空雰囲気(10-4Pa以下)に調整された放電プラズマ焼結装置内(前記真空チャンバ11内)の中の上部電極17並びに下部電極16を持つダイセットに成形体12の配向方向が上下になるよう配置し、真空度を確認した後、室温から200〜400℃程度に温度を上昇させ、最初に脱バインダ処理を行った。その後、電流密度100〜500A/cm2、電圧30〜70V、パルス周期100〜200msecの範囲で調整し、150kg/cm2まで加圧しながら、通電焼結を行ない、所定の焼結体結晶粒分布を持つ試料1,2を作成した。なお、脱バインダ後から焼結終了までの時間は30分であった。
先ず、表1に示す組成及び条件で、焼結工程を放電プラズマ焼結(SPS)により行い、試料1,2を作製した。放電プラズマ焼結装置としては、図2に示す放電プラズマ焼結装置を用いた。焼結に際しては、先に作製された成形体を、真空雰囲気(10-4Pa以下)に調整された放電プラズマ焼結装置内(前記真空チャンバ11内)の中の上部電極17並びに下部電極16を持つダイセットに成形体12の配向方向が上下になるよう配置し、真空度を確認した後、室温から200〜400℃程度に温度を上昇させ、最初に脱バインダ処理を行った。その後、電流密度100〜500A/cm2、電圧30〜70V、パルス周期100〜200msecの範囲で調整し、150kg/cm2まで加圧しながら、通電焼結を行ない、所定の焼結体結晶粒分布を持つ試料1,2を作成した。なお、脱バインダ後から焼結終了までの時間は30分であった。
また、比較のため、同様の組成の成形体に対して抵抗加熱により焼結を行い、最適焼結温度である1050℃での保持時間を変え、試料3,4を作製した。各試料における焼結時の加熱方法、組成、原料合金微粉の酸素量(成形用粉体の酸素量)、原料合金微粉の平均粒径(微粉砕粒径)、脱バインダ後から焼結終了までの時間を表1に示す。作製した試料1〜4の焼結体結晶粒分布(主相結晶粒分布)、焼結体酸素量、磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m]、焼結体密度を表2に示す。
これら表から明らかなように、粒成長が抑えられて高い磁石特性を有するとともに、高い密度を有する希土類焼結磁石を得るには、焼結を放電プラズマ焼結で行うことが有利であることがわかる。特に、低酸素量の組成で放電プラズマ焼結を行なうことにより、従来にない粒径の小さな結晶粒分布を持った焼結体組織が得られることがわかる。抵抗加熱による試料3では、焼結時間が長いため、密度は高くなっているが、粒成長が進んで磁石特性が低くなっている。抵抗加熱による試料4では、焼結時間を短くしたため、焼結反応が不十分で、磁石特性及び密度が著しく低下している。参考のため、本発明の実施例に相当する試料2の焼結体の主相結晶粒分布を図4に、比較例に相当する試料3の主相結晶粒分布を図5に示す。
<酸素量に関する検討>
使用する原料合金微粉の酸素量を変え、他は先の試料1,2と同様にして放電プラズマ焼結による焼結を試みた。各試料5〜8における焼結時の加熱方法、組成、原料合金微粉の酸素量(成形用粉体の酸素量)、原料合金微粉の平均粒径(微粉砕粒径)、脱バインダ後から焼結終了までの時間を表3に示す。また、作製した試料5〜8の焼結体酸素量、磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m]、焼結体密度を表4に示す。
使用する原料合金微粉の酸素量を変え、他は先の試料1,2と同様にして放電プラズマ焼結による焼結を試みた。各試料5〜8における焼結時の加熱方法、組成、原料合金微粉の酸素量(成形用粉体の酸素量)、原料合金微粉の平均粒径(微粉砕粒径)、脱バインダ後から焼結終了までの時間を表3に示す。また、作製した試料5〜8の焼結体酸素量、磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m]、焼結体密度を表4に示す。
酸素量5500ppmの試料5では、焼結体に変形が生じていた。また、酸素量の多い試料5,6では高密度が得られ難いことがわかる。これに対し、酸素量が原料合金微粉及び焼結体において2500ppm以下となると、極めて高い特性が得られている。したがって、この範囲であれば、結晶粒分布が良好であり、かつ高密度な焼結体が得られると言える。
<加圧に関する検討>
先の試料1,2に準じ、加圧条件を変えて放電プラズマ焼結による焼結を試みた。なお、加圧する場合、初期値100kg/cm2とし、密度が約95%となった時点で800kg/cm2の加圧力とした。各試料9〜11における焼結時の加熱方法、組成、原料合金微粉の酸素量(成形用粉体の酸素量)、原料合金微粉の平均粒径(微粉砕粒径)、加圧条件を表5に示す。また、作製した試料9〜11の焼結体酸素量、磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m]、焼結体密度を表6に示す。
先の試料1,2に準じ、加圧条件を変えて放電プラズマ焼結による焼結を試みた。なお、加圧する場合、初期値100kg/cm2とし、密度が約95%となった時点で800kg/cm2の加圧力とした。各試料9〜11における焼結時の加熱方法、組成、原料合金微粉の酸素量(成形用粉体の酸素量)、原料合金微粉の平均粒径(微粉砕粒径)、加圧条件を表5に示す。また、作製した試料9〜11の焼結体酸素量、磁石特性[残留磁束密度Br、保磁力iHc、エネルギー積(BH)m]、焼結体密度を表6に示す。
これら表から明らかなように、無加圧の場合よりも加圧した場合の方が、例えば磁石特性として特に残留磁束密度Brが向上し、最大エネルギー積が向上している。また、加圧方向については、配向方向と平行の場合(試料10)の方が配向方向と垂直の場合(試料11)に比べて特性が向上している。
1 合金化工程、2 粗粉砕工程、3 微粉砕工程、4 磁場中成形工程、5 焼結工程、6 時効工程、7 加工工程、8 表面処理工程、11 真空チャンバ、12 成形体、13 焼結ダイ、14 下部パンチ、15 上部パンチ、16 下部電極、17 上部電極、18 直流パルス電源
Claims (7)
- 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体が放電プラズマ焼結により焼結されてなり、且つ酸素含有量が2500ppm以下であることを特徴とする希土類焼結磁石。
- 主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が10μm以下の主相結晶粒の面積の和が90%以上であり、結晶粒径が15μm以上の主相結晶粒の面積の和が5%以下であることを特徴とする希土類焼結磁石。
- 希土類元素27.0〜32.0重量%、ホウ素0.5〜2.0重量%、炭素1500ppm以下、窒素200〜1500ppmであり、残部が実質的にFeからなる組成を有することを特徴とする請求項1又は2記載の希土類焼結磁石。
- 希土類元素、遷移金属元素及びホウ素を含む原料合金微粉を成形した成形体を焼結し、希土類焼結磁石を製造するに際し、
前記原料合金微粉に含まれる酸素量を2500ppm以下とし、
且つ放電プラズマ焼結により前記焼結を行うことを特徴とする希土類焼結磁石の製造方法。 - 主相結晶粒の総面積に対して、結晶粒径が10μm以下の主相結晶粒の面積の和が90%以上、結晶粒径が15μm以上の主相結晶粒の面積の和が5%以下となるように焼結を行うことを特徴とする請求項4記載の希土類焼結磁石の製造方法。
- 放電プラズマ焼結により焼結を行う際に、前記成形体を加圧することを特徴とする請求項4又は5記載の希土類焼結磁石の製造方法。
- 前記加圧方向を、成形体の配向方向と略平行とすることを特徴とする請求項6記載の希土類焼結磁石の製造方法。
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