JP6642184B2 - R−t−b系焼結磁石 - Google Patents
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本発明の実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石は、R2T14B型化合物から成る主相粒子1と、主相粒子1の間に存在する粒界2を有する。粒界2は、隣り合う2つの主相粒子によって形成される二粒子粒界3と、3つ以上の主相粒子によって形成される三重点4から構成される。三重点4は希土類酸化物粒子5を含み、希土類酸化物粒子5の平均粒径D2と主相粒子1の平均粒径D1の比D2/D1は1.2以上である。
なお、本実施形態において、希土類酸化物粒子の平均粒径は、前述した主相粒子の平均粒径と同様にして求めることが出来る。
上述したような構成を有する本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造する方法の一例について図面を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造する方法の一例を示すフローチャートである。図2に示すように、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を製造する方法は、以下の工程を有する。
(b)原料合金を粉砕する粉砕工程(ステップS12)
(c)粉砕した原料粉末を成形する成形工程(ステップS13)
(d)成形体を焼結し、R−T−B系焼結磁石を得る焼結工程(ステップS14)
(e)R−T−B系焼結磁石を時効処理する時効処理工程(ステップS15)
(f)R−T−B系焼結磁石を冷却する冷却工程(ステップS16)
本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石における原料合金を準備する(合金準備工程(ステップS11))。合金準備工程(ステップS11)では、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の組成に対応する原料金属を、真空またはArガスなどの不活性ガス雰囲気中で溶解した後、これを用いて鋳造を行うことによって所望の組成を有する原料合金を作製する。なお、本実施形態では、原料合金として単独の合金を使用する1合金法の場合について説明するが、第1合金と第2合金との2種類の合金を混合して原料粉末を作製する2合金法を用いてもよい。
原料合金が作製された後、原料合金を粉砕する(粉砕工程(ステップS12))。粉砕工程(ステップS12)は、粒径が数百μm〜数mm程度になるまで粉砕する粗粉砕工程(ステップS12−1)と、粒径が数μm程度になるまで微粉砕する微粉砕工程(ステップS12−2)とがある。
原料合金を各々粒径が数百μm〜数mm程度になるまで粗粉砕する(粗粉砕工程(ステップS12−1))。これにより、原料合金の粗粉砕粉末を得る。粗粉砕は、原料合金に水素を吸蔵させた後、異なる相間の水素吸蔵量の相違に基づいて水素を放出させ、脱水素を行なうことで自己崩壊的な粉砕を生じさせる(水素吸蔵粉砕)ことによって行うことができる。
原料合金を粗粉砕した後、得られた原料合金の粗粉砕粉末を平均粒径が数μm程度になるまで微粉砕する(微粉砕工程(ステップS12−2))。これにより、原料合金の微粉砕粉末を得る。粗粉砕した粉末を更に微粉砕することで、好ましくは0.1μm以上2.8μm以下、より好ましくは0.5μm以上2.0μm以下の粒子を有する微粉砕粉末を得る。微粉砕粉末の平均粒径をこのような範囲とすることで、焼結後の主相粒子の平均粒径を2.8μm以下とすることができる。
原料合金を微粉砕した後、微粉砕粉末を目的の形状に成形する(成形工程(ステップS13))。成形工程(ステップS13)では、微粉砕粉末を、電磁石間に配置された金型内に充填して加圧することによって、微粉砕粉末を任意の形状に成形する。このとき、磁場を印加しながら行い、磁場印加によって微粉砕粉末に所定の配向を生じさせ、結晶軸を配向させた状態で磁場中成形する。これにより成形体が得られる。得られる成形体は、特定方向に配向するので、より磁性の強い異方性を有するR−T−B系焼結磁石が得られる。
磁場中で成形し、目的の形状に成形して得られた成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結し、R−T−B系焼結磁石を得る(焼結工程(ステップS14))。成形体に対して、例えば、真空中または不活性ガスの存在下、900℃以上1200℃以下で1時間以上72時間以下で加熱する処理を行うことにより焼結する。これにより、微粉砕粉末が液相焼結を生じ、主相の体積比率が向上したR−T−B系焼結磁石(R−T−B系磁石の焼結体)が得られる。主相粒子の平均粒径を2.8μm以下とするためには、焼結温度、焼結時間を、組成、粉砕方法、平均粒径と粒径分布の違い等、諸条件に合わせて調整する必要がある。
成形体を焼結した後、R−T−B系焼結磁石を時効処理する(時効処理工程(ステップS15))。焼結後、得られたR−T−B系焼結磁石を焼結時よりも低い温度で保持することなどによって、R−T−B系焼結磁石に時効処理を施す。時効処理は、真空中または不活性ガスの存在下、400℃以上900℃以下で10分以上10時間以下で加熱することにより行うことができる。時効処理は、必要に応じて、温度を変えて、複数回処理を行ってもよい。このような時効処理によって、R−T−B系焼結磁石の磁気特性を向上させることができる
R−T−B系焼結磁石に時効処理を施した後、R−T−B系焼結磁石はArガス雰囲気中で急冷を行う(冷却工程(ステップS16))。これにより、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を得ることができる。高い保磁力を得るためには、冷却速度は、30℃/min以上とするのが好ましい。
例えば、電解めっきにより保護膜を形成する場合には、脱脂、水洗、エッチング(例えば硝酸)、水洗、電解めっきによる成膜、水洗、乾燥という常法を採用することができる。
電解めっきにより形成する保護膜としては、Ni膜やCu膜が好ましく、特にNi膜が好ましく使用できる。Niの電解めっきに用いるめっき浴としては、ワット浴、スルファミン酸浴、ほうフッ化浴、臭化ニッケル浴などが挙げられる。
<R−T−B系焼結磁石の作製>
[実施例1−1〜実施例1−9、比較例1]
まず、24.50wt%Nd−7.50wt%Pr−0.50wt%Co−0.50wt%Ga−0.20wt%Al−0.30wt%Cu−0.85wt%B−1.00wt%Zr−残部Feの組成を有する焼結磁石が得られるように、ストリップキャスティング(SC)法により、上記組成を有する原料合金を作製した。
実施例1−1〜実施例1−9、比較例1で得られたR−T−B系焼結磁石について、組織、磁気特性、保護膜との密着強度を以下のように評価した。
得られた各R−T−B系焼結磁石の磁化容易軸に平行な断面を作製し、その表面をイオンミリングで削り、最表面の酸化等の影響を除いた後、EPMA(電子線マイクロアナライザー:Electron Probe Micro Analyzer)で元素分布を観察し、分析した。任意の5ヶ所の50μm角の領域について、NdとOの元素マッピング(256点×256点)を行なった。NdとOの強度が強い箇所を定量分析し、酸素原子の原子数(O)と、希土類元素の原子数の合計(R)との比率(O/R)が0.1以上となる点を、希土類酸化物粒子が存在する箇所として特定した。本実施例において特定した希土類酸化物粒子のO/Rはいずれも0.1以上1.0未満の範囲であった。
また、観察範囲内の希土類酸化物粒子の面積の総和を、観察範囲の面積で割って、R−T−B系焼結磁石の任意の切断面に対して希土類酸化物粒子の占める面積割合(S1)を求めた。
実施例1−1〜実施例1−9および比較例1で得られた各R−T−B系焼結磁石の磁気特性をB−Hトレーサーを用いて測定した。磁気特性として、残留磁束密度Brと保磁力HcJとを測定した。各R−T−B系焼結磁石の残留磁束密度Brと保磁力HcJの測定結果を表2に示す。
実施例1−1〜実施例1−9および比較例1で得られた各R−T−B系焼結磁石に以下の手順で電解Niめっきを施した。はじめに、各R−T−B系焼結磁石を40mm×20mm×5mmの大きさに加工し、続いて面取りのためバレル研磨を行った。その後硝酸でエッチングを行い、保護膜としてワット浴で10μmの厚みの電解Niめっき膜を形成した。その後、JIS−H8630の附属書1に記載された方法に準じて電解Niめっき膜の密着強度を測定した。具体的には、 引張試験機を用いて保護膜をR−T−B系焼結磁石から引きはがし,めっきの密着力を定量的に測定した。密着強度の値を表2に合わせて示す。また図4は実施例1−1〜実施例1−4および比較例1の密着強度とD2/D1との相関を示したものであり、図5は実施例1−5〜実施例1−9の希土類酸化物粒子の面積割合と密着強度の相関を示したものである。
また、表2と図5に示すように、R−T−B系焼結磁石の任意の切断面における希土類酸化物粒子の面積割合(S1)に注目すると、S1が1.0%よりも小さい試料は1.0%以上であるものと比較すると、密着強度がやや低い傾向がある。
一方、S1が6.0%よりも大きくなると残留磁束密度が低下する傾向がある。
<R−T−B系焼結磁石の作製>
[実施例2−1〜実施例2−4、比較例2]
まず、29.00wt%Nd−2.00wt%Dy−1.50wt%Co−0.10wt%Ga−0.20wt%Al−0.30wt%Cu−1.00wt%B−0.60wt%Zr−残部Feの組成を有する焼結磁石が得られるように、ストリップキャスティング(SC)法により、上記組成を有する原料合金を作製した。
実施例2−1〜実施例2−4、比較例2で得られたR−T−B系焼結磁石について、組織、磁気特性、保護膜との密着強度を実施例1、比較例1と同様に評価した。
実施例1、比較例1と同様に、残留磁束密度Brと保磁力HcJとを測定した。各R−T−B系焼結磁石の残留磁束密度Brと保磁力HcJの測定結果を表4に示す。
実施例1、比較例1と同様に保護膜を形成し、密着強度を測定した。図6は実施例2−1〜実施例2−4および比較例2の密着強度とD2/D1との相関を示したものである。
<R−T−B系焼結磁石の作製>
[実施例3−1〜実施例3−4、比較例3]
まず、23.00wt%Nd−1.00wt%Dy−6.00wt%Pr−1.00wt%Co−0.20wt%Ga−0.30wt%Al−0.20wt%Cu−0.95wt%B−0.30wt%Zr−残部Feの組成を有する焼結磁石が得られるように、ストリップキャスティング(SC)法により、上記組成を有する原料合金を作製した。
実施例3−1〜実施例3−4、比較例3で得られたR−T−B系焼結磁石について、組織、磁気特性、保護膜との密着強度を実施例1、比較例1と同様に評価した。
実施例1、比較例1と同様に、残留磁束密度Brと保磁力HcJとを測定した。各R−T−B系焼結磁石の残留磁束密度Brと保磁力HcJの測定結果を表6に示す。
実施例1、比較例1と同様に保護膜を形成し、密着強度を測定した。図7は実施例3−1〜実施例3−4および比較例3の密着強度とD2/D1との相関を示したものである。
2 粒界
3 二粒子粒界
4 三重点
5 希土類酸化物粒子
Claims (1)
- R2T14B型化合物からなる主相粒子を有するR−T−B系焼結磁石であって、3つ以上の前記主相粒子によって形成された三重点に希土類酸化物粒子を有し、前記主相粒子の平均粒径をD1、前記希土類酸化物粒子の平均粒径をD2とした時、D1が2.8μm以下であり、D2/D1が1.2以上であり、
前記R−T−B系焼結磁石の任意の切断面に対して、前記希土類酸化物粒子の占める面積割合が1.0%以上6.0%以下である、ことを特徴とする、R−T−B系焼結磁石。
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