JP2002114968A - 研磨材及び該研磨材を用いた研磨方法 - Google Patents
研磨材及び該研磨材を用いた研磨方法Info
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Abstract
離回収し、再利用できる研磨材及び該研磨材を用いた研
磨方法を提供する。 【解決手段】 下記(a)〜(e)の範囲の平均粒径、
分散係数、粒度のシャープネス、モース硬度1〜12の
硬度、及び磁性を有する研磨材を用いて研磨対象物を研
磨した後、磁気を利用し、研磨材と研磨対象物の研磨屑
との混合物を、前記研磨材と前記研磨対象物の研磨屑と
に分離回収する。(a)1≦d50≦80 (b)1≦dx≦80(c)1≦d50/dx≦5 (d)0≦(d90−d10)/d50≦10(e)1
0≦dmax≦200
Description
材を用いた研磨方法に関し、更に詳しくは、研磨材に磁
性を付与する事により、研磨能力に優れるとともに、研
磨材と研磨対象物の研磨屑との回収・再利用を効率よく
行う事を可能にし、経済的且つ環境保全に好適な研磨材
及び該研磨材を用いた研磨方法に関する。
金属・機械類等の加工物や天然物の研磨に、粉体ないし
粒子からなる研磨材を用いた方法が数多く提案されてお
り、このような方法として、例えばサンドブラスト法、
ウェットブラスト法・バレル加工法・ラッピング加工法
・磁気研磨方法等が挙げられる。これら研磨材の用途は
多岐に渡り、近年では精密ガラス表面の研磨や、指輪・
宝石類、精密機械類の研磨にも用いられ、より精密・正
確性と製造性の向上が望まれ、その改良が行われてい
る。中でもサンドブラスト法の発展は著しく、自己発光
型のフラットディスプレーであるプラズマディスプレイ
パネル(以下、PDPと略記)の製造時に必要とされ
る、隔壁(バリアリブ)形成にまで使用されるに至って
いる。
切りを目的として形成され、通常、電極を設けたガラス
等の基板上に、高さ100 〜200 μm、幅50〜150 μmの
障壁状にしたガラスペーストからなっている。該隔壁の
形成方法として、スクリーン印刷法・フォト−埋め込み
法・プレス成型法・感光性ペースト法・型転写法・ブレ
ード法・ローラー転写法・サンドブラスト法等の数々の
方法が提案されているが、コスト・作業性・精密性等の
点から、ブラスト加工により研磨可能な厚さ1mm以下
の低融点ガラス層を形成後、幅50〜600 μmで一定深さ
の微細な溝を研削するサンドブラスト法が製造性・コス
トの点から有効であり多用されている。サンドブラスト
法によるPDPの隔壁形成は、マスキングテープや紫外
線硬化樹脂等を低融点ガラス層表面に一定幅で塗布又は
印刷後、その表面からブラストマシンで研磨材を噴射
し、基板に到達するまで低融点ガラス層を研削する事に
より行われる。
削を要求されることから、噴射機器に対してより精巧な
精度を要求され、研磨材もより微細で粒度の整った粒子
を要求される。例えば、一般のサンドブラスト法に用い
られる研磨材は、通常、アランダム、コランダム、ジル
コニアビーズ等が挙げられ、例えば、特許第2892301号
公報では平均粒径400 μmのジルコニアビーズが、特許
第2943168 号公報では#400 の粒径のアランダムが使用
され、一方、PDP隔壁を作成する場合は、研磨材とし
てガラスビーズ、炭化珪素が使用されており、例えば特
開平9−109026号公報では、平均粒径20μmのガラスビ
ーズが、特開2000-768号公報では、平均粒径#600 の炭
化珪素(カーボランダム#600)が使用されている。
して、粉体を高圧空気で送り出し被粉砕物に衝突させて
研磨するため、使用される粉体は大量であり、かつ研磨
対象物の研磨屑と研磨材との混合物からなる廃棄物が問
題になっている。特に、より精巧さや緻密さが要求され
るPDP隔壁形成の場合は更に顕著で、隔壁として使用
される約3倍量の研磨屑が生じることになり、研磨材の
破片・欠片も含めると大量の廃棄物が生じ、この問題の
解決が望まれている。
4 号公報では、被粉砕物と研磨材粒子の分離を行い、研
磨材をリサイクルする事により廃棄処分される研磨材粒
子の量を低減させる方法が提案されており、また特開平
8-141913 号公報、特開平9-295268 号公報でも回収・
分離装置の改良が提案されている。しかし、特許第2923
464 号公報、特開平8-141913 号公報、特開平9-29526
8号公報の方法をもってしても、研磨対象物の研磨屑と
研磨材粒子との完全分離ならびにリサイクルは困難であ
り、加えて、研磨対象物との衝突で生じる研磨材粒子の
微小粒子や欠片が分離されずに研磨材に混入することに
よる研磨効率の悪化等の問題が生じる。
示される、中身がソリッド状態のガラスビーズを基礎と
して形成されるコア部と、そのコア部の外表面に形成さ
れるシラン及び表面活性剤の何れかで被覆層を形成する
粒子を作成し、それを研磨材として使用する事により研
磨材の破壊による破片・欠片の生成を極力抑える方法も
提案されている。
の破片・欠片が残存する問題も生じており、特開平9-1
5574号公報では、水溶性粉体を噴射して水溶性粉体の衝
突力で研磨対象物に付着した残存研磨材ないしその破片
・欠片と研磨対象物の研磨屑を除去し、研磨対象物自体
を水洗する事によって研磨対象物に付着した水溶性粉体
を水に溶出させて排出・除去する方法が提案されてい
る。しかし、特開平9-216162 号公報でも、研磨材と研
磨対象物の研磨屑を完全に分離回収し、リサイクルする
事は不可能である上に粒子の製造にコストがかかり、ま
た特開平9-155743 号公報の方法では、水溶性粉体の噴
射装置が別途に必要で工程自体も煩雑になるため、根本
的な改善が求められている。
材を用いて研磨する場合に生じる上記問題を解決し、特
に、効率的に研磨材と研磨対象物の研磨屑とを分離回収
でき、例えば、PDP上の隔壁形成を行う場合において
も、隔壁を精度・効率よく形成可能な研磨材及び該研磨
材を用いた研磨方法を提供することにある。
を解決すべく鋭意検討の結果、特定範囲の平均粒径、分
散係数、粒度のシャープネス、特定範囲の硬度、及び磁
性を有する研磨材が、該研磨材の使用後、該研磨材と研
磨対象物の研磨屑とを磁気により完全かつ簡便に分離回
収させるとともに、研磨材と研磨対象物の研磨屑との再
利用を可能とする事を見い出し本発明を完成した。
〜(e)を満足し、モース硬度(新モース硬度)が1〜
12で磁性を帯びた粒子からなることを特徴とする研磨材
を内容とする。 (a) 1≦d50≦80 (b) 1≦dx ≦80 (c) 1≦d50/dx ≦5 (d) 0≦(d90−d10)/d50≦10 (e) 10≦dmax ≦200 ただし、 d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計50%粒子径(μm)。 dx:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径
(μm)。 d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計90%粒子径(μm)。 d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計10%粒子径(μm)。 dmax :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
で測定した粒子の最大粒径(μm)。
満足し、モース硬度(新モース硬度)が2〜10で磁性を
帯びた粒子からなることを特徴とする研磨材を内容とす
る。(f) 1≦d50≦40 (g) 1≦dx ≦40 (h) 1≦d50/dx ≦3 (i) 0≦(d90−d10)/d50≦5 (j) 10≦dmax ≦100 ただし、d50、dx、d90、d10、dmax は上記と同じ
である。
対象物を研磨した後、磁気を利用し、研磨材と研磨対象
物の研磨屑との混合物を、前記研磨材と前記研磨対象物
の研磨屑とに分離回収することを特徴とする研磨方法を
内容とする。
要な特徴は、研磨材を構成する粒子が、下記(a)〜
(e)、好ましくは(f)〜(j)の特定の粒度内容及
び特定の硬度を有するとともに、磁性を有する事にあ
る。
50は1≦d50≦80(μm)であり、好ましくは1≦d50
≦40(μm)、より好ましくは1≦d50≦20(μm)で
ある。d50が1μm未満の場合、粒子径が小さいため研
磨対象物に対する研磨能力が低く、短時間で効率的な研
磨ができず、また、d50が80μmを超えると粒子が大き
いため研磨能力も大きくなるが、研磨対象物への研磨が
大きくなり、研磨装置の運転条件の調整が複雑・困難に
なる。
れるPDPの隔壁をサンドブラスト法で作成する場合、
その隔壁間隔は通常、50〜600 μmであるため、d50が
80μmを超えるとマスキングを通過しにくくなり、工程
上好ましくない。なお、該マスキングを除去して隔壁を
製造する事も可能であるが、d50が80μmを超えると隔
壁自体を研磨・破壊してしまう為、好ましくない。ま
た、該用途に本発明の研磨材を使用する場合、d50を所
望の隔壁間隔の1/3程度に調整する事が好ましい。
≦dx ≦80(μm)であり、好ましくは1≦dx ≦40
(μm)、より好ましくは1≦dx ≦20(μm)であ
る。dxが1μm未満の場合、粒子径が小さいため研磨
対象物に対する研磨能力が低く、短時間で効率的な研磨
ができず、また、dx が80μmを超えると、粒子が大き
いため研磨能力も大きいが、研磨対象物への研磨が大き
くなり、研磨装置の運転条件の調整が複雑・困難にな
る。
れるPDPの隔壁をサンドブラスト法で作成する場合、
その隔壁間隔は通常、50〜600 μmであるため、dx が
80μmを超えるとマスキングを通過しにくくなり工程上
好ましくない。なお、該マスキングを除去して隔壁を製
造する事も可能であるが、dx が80μmを超えると隔壁
自体を研磨・破壊してしまう為、好ましくない。また、
該用途に本発明の研磨材を使用する場合、dx を所望の
隔壁間隔の1/3程度に調整する事が好ましい。なお、
本発明のdx は、電子顕微鏡写真で観測される粒子から
任意に50点を選出し、電子顕微鏡写真上の各粒子の粒径
を測定し、それを平均して得ることができる。粒子が不
定形の場合は、その粒子の最大径と最小径の平均値をそ
の粒子単体の粒径とした。
x は、1≦d50/dx ≦5であり、好ましくは1≦d50
/dx ≦3であり、より好ましくは1≦d50/dx ≦2
である。d50/dx が5を超えると、粒子の凝集が激し
く、所望の研磨力や均一な研磨効果が得られない上に、
研磨装置の運転条件の調整が複雑・困難になり、またd
50/dx が1未満の場合、微細な粒子が多く存在するた
め、研磨能力が著しく低くなり、効率的な研磨ができな
い。
d10)/d50は、0≦(d90−d10)/d50≦10であ
り、好ましくは0≦(d90−d10)/d50≦5であり、
より好ましくは0≦(d90−d10)/d50≦3である。
(d90−d10)/d50が10を超えると、粒子の粒度がブ
ロードであり大小の差が大きな粒子がかなりの割合で混
在するため、所望の研磨力や均一な研磨効果が得られな
い上に、研磨装置の運転条件の調整が複雑・困難にな
る。なお、(d90−d10)/d50が0未満になる事は、
計算上あり得ない。
10≦dmax ≦200 であり、好ましくは10≦dmax ≦100
であり、より好ましくは10≦dmax ≦50である。dmax
が10μm未満の場合、粒子径が小さいため研磨対象物に
対する研磨能力が低く、短時間で効率的な研磨ができ
ず、また、dmax が200 μmを超えると、粒子が大きい
ため研磨能力も大きいが、研磨対象物への研磨が大きく
なり、研磨装置の運転条件の調整が複雑・困難になる。
れるPDPの隔壁をサンドブラスト法で作成する場合、
その隔壁間隔は通常、50〜600 μmであるため、dmax
が200 μmを超えるとマスキングを通過しにくくなり工
程上好ましくない。なお、該マスキングを除去して隔壁
を製造する事も可能であるが、dmax が200 μmを超え
ると隔壁自体を研磨・破壊してしまう為、好ましくな
い。また、該用途に本発明の研磨材を使用する場合、d
max を所望の隔壁間隔の1/2以下に調整する事が好ま
しい。
度(新モース硬度)Mは1〜12であり、好ましくは2〜
10であり、より好ましくは3〜8である。Mが1未満の
場合、粒子自体の硬度が小さいため研磨対象物に対する
研磨能力が低く、短時間で効率的な研磨ができず、更
に、粒子自体が研磨時の研磨対象物との衝突・摩擦によ
り破壊され、研磨材粒子の回収・再利用が不可能にな
り、本発明の目的である研磨材廃棄物処理の軽減を十分
に果たすことができない。また、Mが12を超えると、粒
子の硬度が大きいために研磨能力も大きいが、研磨対象
物への研磨が大きくなり、研磨装置の運転条件の調整が
複雑・困難になる。特に、PDPの隔壁をサンドブラス
ト法で作成する場合、基盤であるガラス板やガラス板上
の電極を衝突時の衝撃で破壊する恐れがあり好ましくな
い。
子は、磁性体単独でも磁性体と磁性を帯びない粒子との
複合体でも良く、本発明の目的とする磁性による研磨材
粒子と研磨対象物の研磨屑との回収・再利用により研磨
材廃棄物処理の軽減が可能であれば良いが、硬度、粒径
制御、粒子製造時のコスト、研磨対象物との衝突時に発
生する分離等の点で磁性体単独の粒子を用いることが好
ましい。
磁性体、軟質磁性体の何れでも、また両者の併用でもよ
く、用途・方法・装置等の条件によって適宜選択して使
用される。硬質磁性体の場合、強磁性体・反強磁性体や
メタ磁性体・弱い強磁性体・フェリ磁性体でよく、有機
強磁性体でも良い。
的には、Fe,Co,Ni,Al,Cuを主成分とする合金磁石である
アルニコ磁石・Fe,Cr,Coを主成分とする合金磁石である
Fe-Cr-Co磁石・Fe2O3 を主成分とし2価の金属酸化物と
の複合酸化物であるマグネトプランバイト型フェライト
(MFe12O19)であるフェライト、希土類金属と遷移金属の
金属間化合物の磁石でSmCo5 系磁石・Sm2Co17 系磁石・
Nd2FeB系磁石の焼結磁石等の永久磁石・異方性磁石・等
方性磁石の単体や、それらをシリカ・リン酸カルシウム
・硫酸バリウム・炭酸カルシウム等の無機粒子と複合化
したもの、またはそれらに埋め込んだ粒子に加え、結合
材と混合・成形固化したNd2FeB系磁石の急冷薄帯磁石や
Sm-Fe 合金粉末を窒化して得られるSm-Fe-N 系磁石から
なるボンド磁石単体、ないしボンド磁石と無機粒子を複
合化した粒子等が挙げられる。
体・反磁性体の何れか又は両者から選択されるが、Mn-Z
n 系フェライトやMg-Zn 系フェライト、スピネル型フェ
ライト(MFe2O4)系に代表されるフェライト系ステンレス
鋼SUS430や、マルテンサイト系のSUS410,420J2等の磁性
体単体や、それらをシリカ・リン酸カルシウム・硫酸バ
リウム・炭酸カルシウム等の無機粒子と複合化したも
の、またはそれらの無機粒子に埋め込んだ粒子、および
有機物質から成る結合材と混合・成形固化、ないしそれ
らを無機粒子と複合化した粒子等が挙げられる。
在であるSUS304は、通常、オーステナイト系ステンレス
鋼であり磁性を持たないとされているが、加工方法によ
り準安定オーステナイト組織の一部がマルテンサイト組
織に変形して磁性を持つ事が認められており、本発明で
も有用な軟質磁性体として使用される。
選択して使用される。例えば、サンドブラスト法には常
磁性体、反磁性体が好ましく、ウエットブラスト法、磁
気研磨法には強磁性体、反磁性体が好ましい。例えば、
原子力プラント等の配管内に生じるクラッド等の堆積物
を磁性体を移動させて除去するウェットブラスト法では
硬質磁性体が好ましく使用される。また、N−S磁極間
に硬質磁性体研磨材を挿入する磁気研磨の場合は、硬質
磁性体が好ましい。磁性体メディアを磁気により高速回
転させて研磨する磁気研磨機は、上記の磁性体の何れで
も使用が可能である。しかし、例えばサンドブラスト法
において、特にPDPの隔壁生成に使用する場合、研磨
自体は上記の磁性体の何れを用いても差し支えないが、
上記の硬質磁性体を使用すると、サンドブラスト研磨機
自体の使用材料を制限される事になり、更に装置を構成
する精密機器類を狂わせる可能性も生じるために好まし
くない。
造時のコストの点で磁性体単独の粒子を用いることが好
ましく、常磁性体であるステンレンス鋼が好ましく、中
でもSUS304系ステンレス鋼が最も好ましい。なお、研磨
材を構成する粒子が磁性を帯びない場合、磁気を利用し
た研磨材粒子の回収・再利用が不可能になり、本発明の
目的を果たすことができない。また、研磨対象物自体
が、本発明の研磨材と同様の磁性を持つ場合は、本発明
の研磨材は使用できない。
用品等のワックス、射出洗浄機、家庭用洗剤等の用途
や、業務用・家庭用・個人用等の能力を問わず、様々な
用途の研磨材として用いる事が可能であるが、粒子自体
が持つ粒径範囲・硬度・磁性から、サンドブラスト法・
ウェットブラスト法・磁気研磨法等に用いられることが
好ましく、特にその粒子の特徴からPDPの隔壁形成を
目的とする、サンドブラスト法の研磨材に最も適してい
る。
改良として、ポリアクリル酸ソーダに代表される表面処
理剤、界面活性剤、分散助剤等を用いても良い。
対象物を研磨した後、研磨材と研磨対象物の研磨屑との
混合物を、磁気を利用して、前記研磨材と前記研磨対象
物の研磨屑とに分離回収する方法である。回収された研
磨対象物の研磨屑は再び溶融等の処置により再生して再
利用され、研磨材は破片や欠片を分級して再生した後
に、再利用される。なお、本発明の研磨材が使用される
研磨装置、ならびに磁気を利用した磁気分離装置に特別
な制限はなく、従来から使用されているサンドブラスト
またはウェットブラスト射出機・磁気研磨機を使用し、
それに磁気分離装置を組み合わせて使用すればよいが、
装置と研磨対象物によって、粒度内容・硬度・磁性を選
択する必要がある。特にサンドブラスト射出機の如き、
複雑かつ大型装置を使用する場合、粒子の帯びた磁性が
装置に付属する機器に影響を与える可能性があり、常磁
性のステンレスが好ましく用いられる。
詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限され
るものではない。
ンバーに注ぎ込み、超高圧水を噴射して微粉際する水噴
射法で、フェライト系ステンレス鋼SUS430製微粉末を作
成した。得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロ
トラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒
子の篩通過側累計50%粒子径d50が18μm、電子顕微鏡
写真により測定した粒子の平均粒子径dx が15μm、d
50/dx が1.2 、(d90−d10)/d50が2.88、マイク
ロトラックFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子
の最大粒径dmax が34μm、モース硬度4〜5、常磁性
体を有する粒子であった。
ンバーに注ぎ込み、超高圧水を噴射して微粉際する水噴
射法で、マルテンサイト系ステンレス鋼SUS410製微粉末
を作成した。得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイ
クロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測定し
た粒子の篩通過側累計50%粒子径d50が2μm、電子顕
微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径dx =1.2 μ
m、d50/dx が1.66、(d90−d10)/d50が2.95、
マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計で測定し
た粒子の最大粒径dmax が12μm、モース硬度4〜5、
常磁性体を有する粒子であった。
ンバーに注ぎ込み、高圧の不活性ガスを噴射して粉砕
し、フェライト系ステンレス鋼SUS430製の球状粒子を作
成した。該ステンレス鋼球状粒子を分級し、粒度内容が
マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測
定した粒子の篩通過側累計50%粒子径d50が24μm、電
子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径dx が21
μm、d50/dx が1.15、(d90−d10)/d50が4.9
1、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計で測
定した粒子の最大粒径dmax が45μm、モース硬度4〜
5、常磁性体を有する粒子を得た。
ンバーに注ぎ込み、超高圧水を噴射して微粉際後、冷間
加工を行い結晶構造の一部がマルテンサイト系ステンレ
ス鋼SUS304製微粉末を作成した。得られたステンレス鋼
は、粒度内容がマイクロトラックFRAレーザー式粒度
分布計により測定した粒子の篩通過側累計50%粒子径d
50が38μm、電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均
粒子径dx が33μm、d50/dx が1.15、(d90−d1
0)/d50が4.91、マイクロトラックFRAレーザー式
粒度分布計で測定した粒子の最大粒径dmax が34μm、
モース硬度4〜5、常磁性体を有する粒子であった。
径18μmの炭化珪素ウィスカーを体積比10%で混合・溶
融して磁性を持つ鉄−無機溶融粒子を作成した。得られ
た溶融粒子は、粒度内容がマイクロトラックFRAレー
ザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通過側累計50
%粒子径d50が43μm、電子顕微鏡写真により測定した
粒子の平均粒子径dx =37μm、d50/dx が1.16、
(d90−d10)/d50が5.19、マイクロトラックFRA
レーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒径dmax
が112 μm、モース硬度4〜5であった。
酸化アルミニウム(砥粒)、ラウリン酸(結合材)を体
積比50:25:25で混合し結合させて、有磁性研磨材粉を
得た。得られた粒子は、粒度内容がマイクロトラックF
RAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通過
側累計50%粒子径d50が78μm、電子顕微鏡写真により
測定した粒子の平均粒子径dx が70μm、d50/dx が
1.11、(d90−d10)/d50が9.11、マイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒径
dmax が185 μm、モース硬度4〜5を有する粒子であ
った。
ロン66樹脂と混合して、着磁して有磁性研磨材粉を得
た。得られた粒子は、粒度内容がマイクロトラックFR
Aレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通過側
累計50%粒子径d50が78μm、電子顕微鏡写真により測
定した粒子の平均粒子径dx が70μm、d50/dx が1.
11、(d90−d10)/d50が9.11、マイクロトラックF
RAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒径d
max が185 μm、モース硬度4〜5を有する粒子であっ
た。
中で成形加工を行い、焼結・熱処理後に着磁して有磁性
研磨材粉を得た。得られた粒子は、粒度内容がマイクロ
トラックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒
子の篩通過側累計50%粒子径d50が78μm、電子顕微鏡
写真により測定した粒子の平均粒子径dx が70μm、d
50/dx が1.11、(d90−d10)/d50が9.11、マイク
ロトラックFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子
の最大粒径dmax が185 μm、モース硬度4〜5を有す
る粒子であった。
テンサイト系ステンレス鋼SUS410製微粉末を作成した。
得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通
過側累計50%粒子径d50が85μm、電子顕微鏡写真によ
り測定した粒子の平均粒子径dx =80μm、d50/dx
が1.06、(d90−d10)/d50が2.78、マイクロトラッ
クFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒
径dmax が193 μm、モース硬度4〜5、常磁性体を有
する粒子であった。
テンサイト系ステンレス鋼SUS410製微粉末を作成した。
得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通
過側累計50%粒子径d50が0.8 μm、電子顕微鏡写真に
より測定した粒子の平均粒子径dx =0.7 μm、d50/
dx が1.14、(d90−d10)/d50が2.78、マイクロト
ラックFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最
大粒径dmax が11μm、モース硬度4〜5、常磁性体を
有する粒子であった。
テンサイト系ステンレス鋼SUS410製微粉末を作成した。
得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通
過側累計50%粒子径d50が18μm、電子顕微鏡写真によ
り測定した粒子の平均粒子径dx =3.2 μm、d50/d
x が5.63、(d90−d10)/d50が3.25、マイクロトラ
ックFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大
粒径dmax が34μm、モース硬度4〜5、常磁性体を有
する粒子であった。
テンサイト系ステンレス鋼SUS410製微粉末を作成した。
得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通
過側累計50%粒子径d50が18μm、電子顕微鏡写真によ
り測定した粒子の平均粒子径dx =15μm、d50/dx
が1.2 、(d90−d10)/d50が11.21 、マイクロトラ
ックFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大
粒径dmax が53μm、モース硬度4〜5、常磁性体を有
する粒子であった。
テンサイト系ステンレス鋼SUS410製微粉末を作成した。
得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通
過側累計50%粒子径d50が78μm、電子顕微鏡写真によ
り測定した粒子の平均粒子径dx =70μm、d50/dx
が1.11、(d90−d10)/d50が3.25、マイクロトラッ
クFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒
径dmax が325 μm、モース硬度4〜5、常磁性体を有
する粒子であった。
で、フェライト系ステンレス鋼SUS430製微粉末を作成し
た。得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロトラ
ックFRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の
篩通過側累計50%粒子径d50が18μm、電子顕微鏡写真
により測定した粒子の平均粒子径dx が15μm、d50/
dx が1.2 、(d90−d10)/d50が2.88、マイクロト
ラックFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最
大粒径dmax が34μm、モース硬度0.8 、常磁性体を有
する粒子であった。
マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計により測
定した粒子の篩通過側累計50%粒子径d50が18μm、電
子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径dx が15
μm、d50/dx が1.2 、(d90−d10)/d50が2.8
8、マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計で測
定した粒子の最大粒径dmax が34μmになるまで、分級
・粉砕を繰り返して得た。なお、得られた粒子はモース
硬度が13で強磁性を有する粒子であった。
ステナイト系ステンレス鋼SUS304製微粉末を作成した。
得られたステンレス鋼は、粒度内容がマイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通
過側累計50%粒子径d50が18μm、電子顕微鏡写真によ
り測定した粒子の平均粒子径dx が15μm、d50/dx
が1.2 、(d90−d10)/d50が2.88、マイクロトラッ
クFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒
径dmax が34μm、モース硬度4〜5、磁性を有しない
粒子であった。
粒子径48μm、平均粒子径18μmの重質炭酸カルシウム
を製造し、これにステアリン酸を重質炭酸カルシウム粒
子粉体100 重量部に対して1.3 重量%添加し、さらに粒
子径の範囲が0.005 〜0.05μmのヒュームドシリカ(レ
オロシールCP-102;徳山曹達製)を流動性助剤として重
質炭酸カルシウム粒子粉体100 重量部に対して2重量%
添加し、ヘンシェルミキサーで加熱混合し、表面処理を
行った。得られた粒子は、粒度内容がマイクロトラック
FRAレーザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通
過側累計50%粒子径d50が18μm、電子顕微鏡写真によ
り測定した粒子の平均粒子径dx が15μm、d50/dx
が1.2 、(d90−d10)/d50が2.88、マイクロトラッ
クFRAレーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒
径dmax が48μm、モース硬度3の磁性を有しない粒子
であった。
た。該粒子は、粒度内容がマイクロトラックFRAレー
ザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通過側累計50
%粒子径d50が25μm、電子顕微鏡写真により測定した
粒子の平均粒子径dx が21μm、d50/dx が1.19、
(d90−d10)/d50が2.88、マイクロトラックFRA
レーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒径dmax
が52μm、モース硬度6.5 の磁性を有しない粒子であっ
た。
た。該粒子は、粒度内容がマイクロトラックFRAレー
ザー式粒度分布計により測定した粒子の篩通過側累計50
%粒子径d50が25μm、電子顕微鏡写真により測定した
粒子の平均粒子径dx が21μm、d50/dx が1.19、
(d90−d10)/d50が2.88、マイクロトラックFRA
レーザー式粒度分布計で測定した粒子の最大粒径dmax
が37μm、モース硬度9の磁性を有しない粒子であっ
た。
て使用し、研磨対象物としてPDP試験用の背面基盤を
作成した。ブラストマシンの噴射圧力、研磨剤の時間あ
たりの噴射重量を一定に調節して隔壁形成試験を行い、
研磨対象物底部のガラス基盤の表面性状および隔壁形状
を観察し、作業能率と研磨精度、研磨材を回収した後、
分級して、再利用可能な研磨材の回収率、再利用可能な
研磨対象物の研磨屑の回収率を計測した。なお、実施例
9〜16,比較例12〜17,19〜22は通常使用さ
れるサイクロン等の空気分級と磁気分級を行い研磨材と
研磨対象物の研磨屑とを分離し、比較例18のみ前述の
空気分級後に鉄板を使用して研磨材と研磨対象物の研磨
屑とを分離した。結果を表1及び表2に示す。
使用した隔壁形成方法及び各種特性の評価方法は以下の
通りである。隔壁形成方法 (A)実験用PDP背面パネルの製造 先ず、ソーダガラス(100mm×100mm ,厚さ3mm)を基盤
とし、その基盤上に酸化マグネシウム電極を150 μm間
隔でストライプ状に印刷形成した。次に、低融点ガラス
ペーストをコーターで所望の厚さになるまで塗布し、乾
燥後、その表面に耐ブラスト性を有する低融点ガラスペ
ーストを塗布し、感光材をラミネートした後に露光・現
象を行い、低融点ガラスペースト上にパターンを形成し
た。
設定したブラストマシンで研磨し、隔壁形成を行った。 噴射ノズル口径 : 9mm 研磨材噴射能力 : 2.5kg/cm2 研磨材噴射量 : 10g/min. パネルまでの距離: 10cm なお、検討に用いたブラストマシンは、付属の研磨材分
級・回収装置に加えて市販の磁気分級装置を装備し、更
に、磁性体を研磨材として使用しても測定・制御機器に
影響がないように配慮した。
のガラスビーズを研磨材として使用し、実験用PDP背
面パネル1枚に所望の隔壁を形成するのに要した、比較
例21の場合の時間を1として、他の研磨材を用いた場
合に要した時間の割合を求めて比較した。
面基板の表面のキズ、溝やその隅部の加工形状の観察を
行い、下記の基準で評価した。 ◎:底部・隔壁に傷がなく、溝の隅部の加工形状が丸み
がない。 ○:傷がなく、溝の隅部の加工形状が丸みを帯びていな
い。 △:僅かな傷の確認、ないし、溝の隅部の加工形状が若
干丸みを帯びる。 ×:多くの傷を確認、ないし、溝の隅部の加工形状が丸
みを帯びる。
ネルから磁気分離装置で回収した研磨材量の和を、研磨
材の仕込量で除算し、研磨材回収率として表した。な
お、粉砕された破片・欠片の影響による研磨効率の悪化
は、作業効率の評価から判断される。
を、理論上、計算で得られるそれで除算し研磨対象物回
収率として表した。
回収率から、A,B,Cの3ランクで総合評価した。判
定Aが最も好ましく、判定Cが最も好ましくなく、判定
Bが両者の中間である。
能力に優れるとともに、磁気を利用して、研磨材と研磨
対象物の研磨屑とを容易且つ完全に分離回収でき、これ
らの再利用を可能とするので、極めて経済的であるばか
りでなく、環境保全にも貢献するもので、その有用性は
頗る大である。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記の(a)〜(e)を満足し、モース
硬度(新モース硬度)が1〜12で磁性を帯びた粒子から
なることを特徴とする研磨材。 (a) 1≦d50≦80 (b) 1≦dx ≦80 (c) 1≦d50/dx ≦5 (d) 0≦(d90−d10)/d50≦10 (e) 10≦dmax ≦200 ただし、 d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計50%粒子径(μm)。 dx:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径
(μm)。 d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計90%粒子径(μm)。 d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計10%粒子径(μm)。 dmax :マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計
で測定した粒子の最大粒径(μm)。 - 【請求項2】 下記の(f)〜(j)を満足し、モース
硬度(新モース硬度)が2〜10で磁性を帯びた粒子から
なることを特徴とする研磨材。 (f) 1≦d50≦40 (g) 1≦dx ≦40 (h) 1≦d50/dx ≦3 (i) 0≦(d90−d10)/d50≦5 (j) 10≦dmax ≦100 - 【請求項3】 磁性を帯びた粒子が常磁性体又は反磁性
体からなり、サンドブラスト用である請求項1又は2記
載の研磨材。 - 【請求項4】 磁性を帯びた粒子が強磁性体又は反強磁
性体からなり、ウェットブラスト又は磁気研磨用である
請求項1又は2記載の研磨材。 - 【請求項5】 請求項1〜4の何れか1項記載の研磨材
を用いて研磨対象物を研磨した後、磁気を利用し、研磨
材と研磨対象物の研磨屑との混合物を、前記研磨材と前
記研磨対象物の研磨屑とに分離回収することを特徴とす
る研磨方法。
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2001
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