JP4844835B2 - 補正方法及び露光装置 - Google Patents

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Description

本発明は、補正方法及び露光装置に係り、さらに詳しくは、露光装置に順次投入される複数の感光物体各々に対し複数の区画領域を転写形成する際に、前記各感光物体の位置の補正を行う補正方法及び複数の感光物体各々に複数の区画領域を転写形成する露光装置に関する。
半導体素子等のマイクロデバイスの製造ラインにて歩留まりの低下を防ぐためには、リソグラフィ工程においてウエハ等の基板(以下、ウエハと総称する)上に回路パターン等を幾層にも重ね合わせてショット領域を転写形成する重ね合わせ露光の層間の重ね合わせ精度を高く維持することが必須である。
異なる露光装置間で重ね合わせ露光を行う場合には、露光装置相互間のステージグリッドの誤差(各露光装置におけるウエハの移動位置を規定するステージ座標系相互間の誤差)の存在が、上記重ね合わせ精度を低下させる1つの要因となる。また、仮に、露光装置相互間でステージグリッドの誤差が無視できるほど小さかったり、各層の露光に同一の露光装置を用いた場合であっても、レジスト塗布、現像、エッチング、CVD(ケミカル・ベイパー・デポジション)、CMP(ケミカル・メカニカル・ポリッシング)などのプロセス処理工程を経たウエハには、そのプロセス起因で前層のショット領域の配列に歪みが生じることがあり、その歪みが重ね合わせ精度の低下の要因となり得る。
ウエハ上の前層のショット領域の配列グリッドの誤差が線形的である場合には、そのウエハ上のショット領域のうち、予め選択された複数個(3個以上必要であり、通常7〜15個程度)のサンプルショット領域のみの位置座標を計測し、これらの計測値から統計演算処理(最小二乗法等)を用いてウエハ上の全てのショット領域の位置座標(ショット領域の配列座標)を算出するEGA方式のウエハアライメントにより除去し、重ね合わせ露光を高精度に行うことが可能である(例えば、特許文献1参照)。しかし、上記グリッドの非線形成分が無視できない場合には、EGA方式のウエハアライメントでは、これを除去することが困難である。
そこで、ロット毎に、ロット先頭から例えば所定枚数のウエハに対しては、そのウエハ上のショット領域の位置情報を、上記EGA方式のウエハアライメントの場合より多めに計測し、その計測によって得られた位置情報の実測値を用いて検出されたグリッドの非線形成分を抽出し、ロット内のウエハ間ではその非線形成分がほぼ同じであるとみなし、ロット内のそれ以降のウエハに対しては、通常のEGA方式のウエハアライメントを行って得られるウエハ上の全ショット領域の配列座標に対し、ロット先頭から所定枚数のウエハについて抽出された非線形成分を補正情報としてウエハの位置を補正しつつ重ね合わせ露光を行うグリッド補正機能(第1のグリッド補正機能)を有する露光装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、この特許文献2に開示された露光装置では、ロット処理を行う前に露光装置に対し重ね合わせ露光の基準となる基準格子に従って複数のショット領域が配列状に形成された基準ウエハなどを各露光装置に投入し、その基準格子の検出結果により規定されるグリッドの非線形成分を抽出しておき、その基準格子に合わせて露光が行われるようにステージの位置を補正する補正機能(第2のグリッド補正機能)をも有している。
この露光装置では、連続してその装置で処理される複数のロット間の重ね合わせ誤差の変動に応じて、第1の補正機能又は第2の補正機能のいずれかを選択している。この選択は、スループットの低下を防ぐという観点から、位置座標を計測するショット領域の計測数を少なくするために行われる。例えば、その装置で行われる複数のロット間の重ね合わせ誤差の変動が比較的小さい場合、その装置でのグリッドの非線形成分がそのロット間でほぼ同じであるとみなすことができる。したがって、この場合には、前回処理したロットでの非線形成分を今回のロットでの非線形成分として流用することにより、ショット領域の計測数を少なくするような選択が行われる。
しかしながら、最近では、重ね合わせ精度を向上させるべく、グリッドのさらなる高次の非線形成分を考慮して重ね合わせ露光を行う必要が生じている。このような背景と、スループットとの兼ね合いにより、考慮可能なグリッドの非線形成分の次数が異なる幾つかの補正機能が提供されるようになるなど、補正機能がさらに多様化し細分化されるようになってきている。したがって、これまでのように、その装置で連続して処理される複数のロット間の重ね合わせ誤差の変動だけを補正機能の選択基準とするだけでは不十分となってきており、的確な判断の下で多数の補正機能から最適な機能を選択することができる新たな選択基準が必要となっている。
米国特許第4,780,617号明細書 米国特許出願公開第2002/0042664号明細書
上記事情の下になされた本発明は、第1の観点からすると、露光装置に順次投入される複数の感光物体各々に対し複数の区画領域を転写形成する際に、前記各感光物体の位置の補正を行う補正方法であって、前記露光装置及び前記露光装置に投入された感光物体の少なくとも一方に関連する所定の情報に基づいて、前記各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の理想格子又は所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分を考慮して前記感光物体の位置を補正するために前記露光装置に設けられた補正機能であって、前記露光装置に投入された感光物体上の複数の既成区画領域の配列の検出結果により規定される前記2次元格子の前記理想格子に対する位置誤差の第1の非線形成分に関する情報を抽出し、その抽出結果を、前記各区画領域を転写形成する際のその感光物体の位置を補正するための補正情報として用いる少なくとも1つの第1の補正機能と、前記2次元格子の前記所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分であって予め抽出された第2の非線形成分に関する情報を、前記補正情報として用いる少なくとも1つの第2の補正機能と、を少なくとも含む考慮可能な非線形成分の次数がそれぞれ異なる複数の補正機能の中から、少なくとも1つの機能を選択する選択工程を含み、前記所定の情報には、前記露光装置に投入された感光物体上に前記既成区画領域が形成されているか否かを示す情報と、前記各区画領域の転写形成に用いられた露光装置に関する情報との少なくとも一方が含まれている補正方法である。
これによれば、各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の非線形成分のうち、考慮可能な非線形成分の次数がそれぞれ異なる複数の補正機能を露光装置が備えている場合に、露光装置及びその露光装置に投入された感光物体の少なくとも一方に関連する所定の情報に基づいて少なくとも1つの最適な補正機能を選択することができるので、感光物体上に複数の区画領域を形成する際に、各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の非線形成分を有効かつ短時間に補正することができる。
また、本発明は、第2の観点からすると、複数の感光物体各々に複数の区画領域を転写形成する露光装置であって、投入された感光物体を保持する移動体を有し、その移動体に保持された感光物体に対し前記複数の区画領域の転写形成を行う転写装置と;前記転写装置及び前記移動体に保持された感光物体の少なくとも一方に関連する所定の情報に基づいて、前記各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の理想格子又は所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分を考慮して前記感光物体の位置を補正するために設けられた補正機能であって、前記移動体に保持された感光物体上の複数の既成区画領域の配列の検出結果により規定される前記2次元格子の前記理想格子に対する位置誤差の第1の非線形成分に関する情報の前記抽出装置による抽出結果を、前記各区画領域を転写形成する際のその感光物体の位置を補正するための補正情報として用いる少なくとも1つの第1の補正機能と、前記2次元格子の前記所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分であって、予め抽出された第2の非線形成分に関する情報を、前記補正情報として用いる少なくとも1つの第2の補正機能と、を少なくとも含む考慮可能な非線形成分の次数がそれぞれ異なる複数の補正機能の中から、少なくとも1つの機能を選択する選択装置と;前記複数の補正機能を有し、前記移動体に保持された感光物体を所定の位置に位置合わせする際に、前記選択装置により選択された補正機能を用いて、前記移動体に保持された感光物体の位置を補正する補正装置と;前記移動体に保持された感光物体上の複数の区画領域のうちの任意の区画領域の位置情報の実測値を計測する計測装置と;前記移動体に保持された感光物体上の複数の区画領域の配列により規定される前記2次元格子が有する位置誤差の非線形成分に関する情報を前記計測装置の計測結果から抽出する抽出装置と;を備え、前記所定の情報には、前記転写装置に投入された感光物体上に区画領域が形成されているか否かを示す情報と、前記各区画領域の転写形成に用いられた露光装置に関する情報との少なくとも一方が含まれている露光装置である。
これによれば、転写装置に投入された感光物体上の各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の非線形成分のうち、考慮可能な非線形成分の次数がそれぞれ異なる複数の補正機能を補正装置が備えている場合に、転写装置及びその転写装置に投入された感光物体の少なくとも一方に関連する所定の情報に基づいて少なくとも1つの最適な補正機能を選択することができるので、転写装置に投入された感光物体上に複数の区画領域を形成する際に、各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の非線形成分を有効かつ短時間に補正することができる。
本発明の一実施形態に係るリソグラフィシステムの全体構成を概略的に示す図である。 図1の露光装置1001の概略構成を示す図である。 補正関数による補正が望ましい非線形成分を有するウエハWの模式図である。 補正マップによる補正が望ましい非線形成分を有するウエハWの模式図である。 ホストコンピュータによるウエハの露光処理に関する処理アルゴリズムを概略的に示す図である。 図4のステップ208でホストコンピュータから露光指示を受けた露光装置の主制御装置のメインの処理アルゴリズムを概略的に示すフローチャートである。 図5のサブルーチン308の具体的な処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 図5のサブルーチン316の具体的な処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 図7のサブルーチン506の具体的な処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 図8のサブルーチン614(関数モードGCM計測)の具体的な処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 図8のサブルーチン616(マップモードGCM計測)の具体的な処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 図7のサブルーチン508の具体的な処理アルゴリズムを示すフローチャートである。
図1には、本発明の一実施形態に係るリソグラフィシステム110の全体構成が概略的に示されている。このリソグラフィシステム110は、マイクロデバイスの製造ラインの一部として設けられているものであり、マイクロデバイスの基となる複数のウエハに対しリソグラフィ工程を行うためのシステムである。リソグラフィシステム110においては、複数のウエハがロットと呼ばれる所定の処理単位(1ロットは例えば25枚)で管理されており、1ロットを1単位としてウエハに対するリソグラフィ工程を行っている。
このリソグラフィシステム110は、N台の露光装置1001、1002、……、100N、重ね合わせ測定器120、集中情報サーバ130、ターミナルサーバ140及びホストコンピュータ150等を備えている。露光装置1001〜100N、重ね合わせ測定器120、集中情報サーバ130及びターミナルサーバ140は、ローカルエリアネットワーク(LAN)160を介して相互に接続されている。また、ホストコンピュータ(以下、ホストと略述する)150は、ターミナルサーバ140を介してLAN160に接続されている。すなわち、ハードウェア構成上では、露光装置100i(i=1〜N)、重ね合わせ測定器120、集中情報サーバ130、ターミナルサーバ140及びホスト150の相互間の通信経路が確保されている。
露光装置1001〜100Nは、例えばインラインに接続されたコータ・デベロッパ(以下、C/Dと略述する)で感光剤が塗布されたロット内のウエハWを装置内に順次投入し、マイクロデバイスの例えば回路パターン等が形成された投影原版としてのレチクルRの回路パターン等の像をレーザ光などの照明光により形成し、その回路パターン等の像を後述する投影光学系により、投入されたウエハ上の複数の箇所に投影することによってウエハを感光させ、ウエハ上に上記回路パターンの像が転写された区画領域(以下、ショット領域という)を順次形成していく装置である。この露光装置1001〜100Nのそれぞれは、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)であってもよいし、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(以下、走査型露光装置という)であってもよい。なお、以下の説明においては、少なくとも露光装置1001は、ショット領域間の非線形誤差に対する補正条件が異なる複数の補正機能(以下、グリッド補正機能とも呼ぶ)を有する走査型露光装置であるものとする。なお、露光装置1001〜100Nは、それぞれの各ロットのウエハWに対する露光を行ったときの各種情報(例えば、後述するEGA方式のウエハアライメントで算出されるEGAパラメータの値及び残差に関する情報、後述するアライメント処理を規定するアライメントパラメータ、そのアライメント系ASにより検出された検出信号(EGAログデータ)など)をロギングしている。露光装置1001等の詳細な構成等については後述する。
リソグラフィシステム110では、ウエハWに対し重ね合わせ露光を行うことにより、上記ショット領域を幾層(レイヤ)にも転写形成していくが、リソグラフィ工程のスケジューリングの都合上、そのウエハWの各層のショット領域が、異なる露光装置で転写形成されることもある。このような場合には、特に各層のショット領域の重ね合わせの精度を管理する必要が生じる。そこで、リソグラフィシステム110では、重ね合わせ測定器120が備えられている。この重ね合わせ測定器120は、例えば、連続的に処理される多数ロットのウエハについて、各ロットの先頭の数枚のウエハ、あるいはパイロットウエハ(テストウエハ)について各層のショット領域の重ね合わせ誤差の測定を行っている。
上記のパイロットウエハなどは、プロセスに従って所定の露光装置(露光装置1001〜100Nのいずれかであってもよい)により露光が行われ、既に一層以上のパターンが形成された状態で、次層(レイヤ)以降で使用される可能性がある露光装置(露光装置1001〜100N)に対応するロット内のプロセスウエハに先立って投入され、それらの露光装置により実際にレチクルのパターン(このパターンには少なくともレジストレーション計測マーク(重ね合わせ誤差計測マーク)が含まれる)が転写形成され、現像などの処理を経た後に、重ね合わせ測定器120に投入される。そして、その重ね合わせ測定器120は、投入されたウエハ上に異なる層の露光の際に形成されたレジストレーション計測マーク像(例えばレジスト像)同士の重ね合わせ誤差(相対位置誤差)を計測し、更に所定の演算を行って重ね合わせ誤差情報(所定の露光装置と、次層以降で使用される可能性がある露光装置との重ね合わせ誤差情報)を算出する。すなわち、重ね合わせ測定器120は、このようにして各パイロットウエハ等に対する露光結果に基づいて露光装置相互間の重ね合わせ誤差情報を測定する。
重ね合わせ測定器120の制御系(不図示)は、LAN160を介して、集中情報サーバ130との間で通信を行い、後述する重ね合わせ誤差データ等の所定のデータの授受を行う。また、この重ね合わせ測定器120は、LAN160及びターミナルサーバ140を介して、ホスト150との間で通信を行う。さらに、重ね合わせ測定器120は、LAN160を介して露光装置1001〜100Nとの間で通信を行うことも可能である。
前記集中情報サーバ130は、大容量記憶装置とプロセッサとから構成される。大容量記憶装置には、ウエハWのロットに関する露光履歴データが記憶されている。露光履歴データには、前述の各露光装置100iにロギングされている各ロットのウエハの露光結果に影響を与えた各種情報の履歴や、重ね合わせ測定器120で事前に計測された各ロットのウエハに対応するパイロットウエハなどを用いて計測された各露光装置100iと他の露光装置との重ね合わせ誤差情報などが含まれている。
本実施形態では、各ロットのウエハについて特定の層間の露光時における重ね合わせ誤差データは、前述の如く、重ね合わせ測定器120によりパイロットウエハ(テストウエハ)又は各ロットの先頭の数枚のウエハについて計測された重ね合わせ誤差情報に基づいて重ね合わせ測定器120の制御系(あるいはその他のコンピュータ)によって算出され、重ね合わせ測定器120から集中情報サーバ130に送られた後、集中情報サーバ130の大容量記憶装置に格納される。
前記ターミナルサーバ140は、LAN160における通信プロトコルとホスト150の通信プロトコルとの相違を吸収するためのゲートウエイプロセッサとして構成される。このターミナルサーバ140の機能によって、ホスト150と、LAN160に接続された各露光装置1001〜100N及び重ね合わせ測定器120との間の通信が可能となる。
前記ホスト150は、少なくともリソグラフィ工程を含むウエハ処理工程の統括制御を行っている。例えば、リソグラフィシステム110では、同時に複数のロットに対するリソグラフィ工程を行う必要があるため、ホスト150は、露光装置1001〜100Nのうちのどの装置で露光対象となったロットのウエハを行うかのスケジューリングを行う。例えば、露光装置1001における露光が完了し、空き状態となった場合には、ホスト150は、露光装置1001に対し、ターミナルサーバ140を介して次の露光対象のロットの露光を指示する。なお、どの露光装置を選択するかは、その装置が空き状態であるか否かという条件の他に、ショット領域の重ね合わせ精度の観点から、露光装置1001〜100Nの性能、特性なども考慮して決定されている。
<露光装置>
図2には、露光装置1001〜100Nを代表して、露光装置1001の概略構成が示されている。露光装置1001は、照明系10、レチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、感光物体としてのウエハWが搭載される移動体としてのウエハステージWST及び装置全体を統括制御する主制御装置20等を備えている。なお、露光装置1001は、走査型露光装置である。
前記照明系10は、例えば特開2001−313250号公報及び対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド(マスキングブレードとも呼ばれる)及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。この照明系10では、回路パターン等が描かれたレチクルR上のレチクルブラインドで規定されたスリット状の照明領域を照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許出願公開明細書における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。また、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、あるいは回折光学素子等が用いられる。
前記レチクルステージRST上には、レチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動部(不図示)によって照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図2における紙面内左右方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、レチクル干渉計という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19では、主制御装置20からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部(図示省略)を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。なお、レチクルRの上方には、不図示の一対のレチクルアライメント系が、配置されている。この一対のレチクルアライメント系の構成については、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号明細書等に開示されているのでここでは詳細な説明については省略する。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図2における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックな縮小系が用いられている。この投影光学系PLの投影倍率は例えば1/4、1/5あるいは1/6等である。このため、照明系10からの照明光ILによってレチクルRが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明光の照射領域(前述の照明領域)内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図2における下方で、不図示のベース上に配置され、例えばリニアモータ等を含むウエハステージ駆動部24によってY軸方向及びこれに直交するX軸方向(図2における紙面直交方向)に所定ストロークで駆動されるとともに、Z軸方向、θx方向、θy方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)に微小駆動可能な構成となっている。このウエハステージWST上には、ウエハホルダ25が載置され、このウエハホルダ25上にウエハWが例えば真空吸着等によって固定されている。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置は、その上面に設けられた移動鏡17を介して、ウエハレーザ干渉計システム18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実際には、ウエハステージWST上には、走査方向(Y方向)に直交する反射面を有するY移動鏡と非走査方向(X軸方向)に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられ、これに対応してウエハレーザ干渉計もY移動鏡に垂直に干渉計ビームを照射するY干渉計と、X移動鏡に垂直に干渉計ビームを照射するX干渉計とが設けられているが、図2ではこれらが代表的に移動鏡17、ウエハレーザ干渉計システム18として示されている。すなわち、本実施形態では、ウエハステージWSTの移動位置を規定する静止座標系(直交座標系)が、ウエハレーザ干渉計システム18のY干渉計及びX干渉計の測長軸によって規定されている。以下においては、この静止座標系を、ステージ座標系とも呼ぶ。なお、ウエハステージWSTの端面を鏡面加工して、前述した干渉計ビームの反射面(Y移動鏡、X移動鏡の反射面に相当)を形成してもよい。
ウエハステージWSTのステージ座標系上における位置情報(又は速度情報)はステージ制御装置19及びこれを介して主制御装置20に供給される。ステージ制御装置19では、主制御装置20の指示に応じ、ウエハステージWSTの上記位置情報(又は速度情報)に基づき、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステージWSTを制御する。
また、ウエハステージWST上のウエハWの近傍には、基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は、ウエハWの表面と同じ高さに設定され、この表面には後述するアライメント系のベースライン計測用の基準マーク及びレチクルアライメント用の基準マークその他の基準マークが形成されている。
また、投影光学系PLの側面には、オフアクシス方式のアライメント系ASが固定されている。このアライメント系ASとしては、ここでは、例えば特開平2−54103号公報(対応する米国特許第4,962,318号明細書)などに開示されているようなFIA(Field Image Alignment)系のアライメントセンサが用いられている。このアライメント系ASは、所定の波長幅を有する照明光(例えば白色光)をウエハに照射し、ウエハ上のアライメントマークの像と、ウエハと共役な面内に配置された指標板上の指標マークの像とを、対物レンズ等によって、撮像素子(CCDカメラ等)の受光面上に結像して検出するものである。アライメント系ASはアライメントマーク(及び基準マーク板FM上の基準マーク)の撮像結果を、主制御装置20へ向けて出力する。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
露光装置1001には、さらに、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する不図示の照射光学系と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束をそれぞれスリットを介して受光する不図示の受光光学系とから成る斜入射方式の多点フォーカス検出系が、投影光学系PLを支える支持部(図示省略)に固定されている。この多点フォーカス検出系としては、例えば特開平6−283403号公報(対応する米国特許第5,448,332号明細書)などに開示されるものと同様の構成のものが用いられ、ステージ制御装置19はこの多点フォーカス検出系からのウエハ位置情報に基づいてウエハステージWSTをウエハステージ駆動部24を介してZ軸方向及び傾斜方向(θx方向及びθy方向)に微小駆動して、ウエハWのフォーカス・レベリング制御を行う。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
また、図2では不図示ではあるが、露光装置1001には、ウエハステージWST上にロードされる前後のウエハWの温度を計測する赤外線センサ等の温度センサが設けられている。この温度センサでは、例えば、C/Dから露光装置1001に投入された直後のウエハWの温度と、ウエハホルダ25上にロードされ保持された直後のウエハWの温度とを検出する。温度センサにより検出された温度に関する情報は、主制御装置20に送られている。
主制御装置20は、マイクロコンピュータ又はワークステーションを含んで構成され、装置の構成各部を統括して制御する。主制御装置20は、前述したLAN160に接続されている。この主制御装置20には、露光装置の動作を制御する各種プログラムを実行するCPUの他、そのプログラムや各種データを記憶する内部メモリや、記憶装置など(いずれも不図示)を備えている。上記構成を有する露光装置1001では、主制御装置20の制御の下、ステージ制御装置19を介して、上記ステージ座標系に従って、ウエハステージWSTをステッピング移動させ、さらに、レチクルRを通過した照明系10からの照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明光の照射領域(前述の照明領域)内のレチクルRの回路パターンの縮小像(部分像)を、表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成させつつレチクルステージRST及びウエハステージWSTをY軸方向に投影倍率に応じた速度比で同期走査させることにより、レチクルR上の回路パターン等が転写された複数のショット領域をウエハW上にマトリクス状に形成していく。
なお、ウエハW上のショット領域は、あらかじめ設定された設計情報(ホスト150が管理するプロセスプログラム内により指定されている。プロセスプログラムとは、露光条件など、露光装置を用いて製造すべき半導体装置の製造手順や各種データ(各露光パラメータ、アライメントパラメータ)を設定した設定ファイルのことである。)に基づいて転写形成される。本実施形態では、この設計情報をショットマップと呼ぶ。露光装置1001では、各ショット領域を形成する際には、このショットマップに含まれるショット領域の設計上の位置座標を参照する(2層目以降の各ショット領域の形成位置は、後述するウエハアライメントにより、前層のショット領域の中心形成位置により設計上の位置から補正される)。このように、ウエハW上のショット領域は、ショットマップ等に従ってマトリクス状に形成されているため、ウエハW上に既に形成された各ショット領域のショット中心を隣接するショット領域間で直線で結んでいけば、2次元格子を描くことができる。以下では、この2次元格子を、ウエハグリッドと呼ぶ。本実施形態では、このウエハグリッドが、ウエハW上に形成されたショット領域の形成位置の基準の1つとなるが、このウエハグリッドにより、いわゆるショット間誤差を表現することができる。ここで、ショット間誤差とは、ウエハ上に既に形成された複数のショット領域相互間の設計上の位置に対する位置誤差という意味であり、ショット領域の設計上の配列からの実際の配列の誤差のことである。その意味で、ショット領域自体の変形による誤差である、いわゆるショット内誤差はこのショット間誤差から除かれる。このショット間誤差には、ウエハ倍率誤差、ウエハ直交度誤差、ウエハ回転誤差等のいわゆる1次成分(すなわち線形成分)と、2次以上の高次成分(すなわち非線形成分)が含まれる。ここで、1次成分とは、ステージ座標系(XY座標系)の座標軸X,Yの1次項で近似することができる成分のことをいい、高次成分とは、X2,XY,Y3,X3,X2Y,XY2,Y3,をそれぞれ独立変数とする項の線形結合で表される関数で近似することができる成分のことをいう。
また、上述したステージ座標系は、完全直交で線形な座標系であることが理想的であるが、実際には、完全に直交ではなく、若干の非線形性を有している。このようなステージ座標系の直交性、非線形性を説明するために、上述のウエハグリッドと同様に、そのステージ座標系(XY座標系)により規定される2次元格子を規定する。以下では、この2次元格子を、ステージグリッドと呼ぶ。一般に、ウエハW上に形成されるウエハグリッドは、そのショット領域を転写形成した露光装置のステージグリッドの直交性、非線形性の影響を受けたものになり、このステージグリッドの直交性、非線形性が上述したウエハグリッドの誤差の大きな要因の1つとなっている。
さらにウエハグリッドの誤差の要因について説明すると、その誤差の要因には、ウエハの熱膨張、ステージグリッドの号機間差及びプロセス起因のウエハ変形などが含まれている。このうち、ウエハの熱膨張及びステージグリッドの誤差のうちの直交度成分等の線形成分は、ショット間誤差のうちの線形成分に主に寄与し、ステージグリッドの非線形成分及びプロセス起因のウエハの局所的な変形は、ショット間誤差のうちの非線形成分に寄与するものと考えられる。
そこで、露光装置1001では、ショット間誤差の線形成分をキャンセルするための後述するEGA方式のウエハアライメント機能の他に、ショット間誤差の非線形成分を考慮して、ウエハWの位置を補正する、グリッド補正機能を有している。
EGA方式のウエハアライメント機能では、アライメント系ASを用いて、ウエハW上の予め選択された幾つからのショット領域(サンプルショット領域)に付設されたウエハマークを計測し(この計測を、特に、EGA計測ともいう)、それらのサンプルショット領域のステージ座標系における位置座標を求める。そして、その求められたサンプルショット領域の位置座標とそれぞれの設計上の位置座標とに基づいて例えば前述の米国特許第4,780,617号明細書に開示されるような最小自乗法を用いた統計演算を行い、ウエハグリッドの倍率、回転、オフセット等のいわゆるEGAパラメータを推定して、算出されたEGAパラメータにより規定される、ショット領域の中心の設計上の位置座標と、そのショット領域の中心の実際の位置座標との位置ずれ量を表すモデル式を作成し、このモデル式と、ショット領域の中心の設計上の位置座標とに基づいて、全ショット領域の位置座標(配列座標)を、実際のショット領域の位置として算出する。この推定演算をEGA演算ともいう。上記モデル式の一例を次式で示す。
Figure 0004844835
ここで、(dx,dy)は、上記位置ずれ量であり、これが本実施形態における線形成分である。(x,y)は、ショット領域の中心の設計上の位置座標であり、a0〜a2,b0〜b2は、上記線形成分に相当する大きさを有する係数である。上記統計演算では、上記位置ずれ量(dx,dy)に対する、サンプルショット領域の中心の設計上の位置座標と実測位置座標の位置ずれ量(これを(Δx,Δy)とする)の残差の二乗和が最小になるような係数a0〜a2,b0〜b2が算出される。この1次成分の係数a0〜a2,b0〜b2がEGAパラメータに相当する。
また、グリッド補正機能は、このEGA方式のウエハアライメントが行われることを前提として、このウエハアライメントにより算出された線形成分が補正されたものとしてもなおかつ残留するショット間誤差の非線形成分を抽出し、抽出された非線形成分に対し転写形成するショット領域の中心位置を補正する機能である。上述の位置ずれ量(Δx,Δy)と、上記モデル式により算出された位置ずれ量(dx,dy)の残差は、この非線形成分を端的に表すものである。
このようなショット間誤差の非線形成分には、通常、2次、3次、4次、…といような高次成分が含まれるようになるため、その非線形成分を完全に抽出するには、露光装置に1001に投入されたウエハW上のすべてのショット領域の位置座標を、アライメント系ASを用いて計測し、全ショット領域の実測位置座標に基づいてEGA演算を行い、全ショット領域における上述の位置ずれ量(Δx,Δy)と、上記モデル式により算出された位置ずれ量(dx,dy)の残差を求めればよいが、これはスループットの観点から望ましいことではない。そこで、露光装置1001では、ショット間誤差の非線形成分を補正する補正条件が異なる複数のグリッド補正機能が提供されている。各グリッド補正機能は、以下の2つに大別される。
(1)実際に露光装置に投入されたロットの先頭ウエハ又はロットの先頭から所定枚数のウエハW上のショット領域の位置を、ショット間誤差の非線形成分を抽出するために計測(すなわちロット毎に、非線形成分を抽出するためのショット領域の位置計測を行う)し、上記非線形成分を抽出し、その抽出結果に基づいてショット位置を補正するグリッド補正機能(第1の補正機能)
(2)実際の露光を行う前に、重ね合わせ露光の基準となるウエハ(いわゆる基準ウエハ)を予め露光装置に投入して、そのウエハグリッドをアライメント系ASで検出し、その検出結果からショット間誤差の非線形成分を抽出し、その抽出結果に基づいて各ショット領域の位置を補正するグリッド補正機能(第2の補正機能)
第2の補正機能では、基準ウエハとして、リソグラフィシステム110内で重ね合わせ露光の基準となる露光装置1001〜100Nのいずれか1つの装置での露光によりショット領域の配列が転写形成されたウエハを用いる。このようにすれば、抽出される非線形成分は、露光装置間のステージグリッドの誤差の非線形成分となり、その露光装置と露光装置1001との間の装置間マッチングを行うことができ、基準となる露光装置のステージグリッドに合わせるような重ね合わせ露光を実現することができるようになる。また、基準ウエハとして、次に露光装置1001で露光を行う製品のウエハWを用いれば、プロセス毎に変動する非線形成分を考慮した補正を行うことができるようになる。なお、製品ウエハを基準ウエハとして用いない場合には、製品ウエハとショットマップが同じ基準ウエハで非線形成分を抽出するのが望ましい。
第1の補正機能は、その装置におけるロット間で非線形成分が大きく変動する場合に有効であるが、ショット間誤差の非線形成分を抽出するため、少なくともロット先頭のウエハについては、サンプルショット領域の計測数(サンプル数)を増やす必要がある。また、第2の補正機能は、ショット間誤差の非線形成分を事前に抽出することができ、ロット先頭で非線形成分を抽出するためのサンプルショット領域の余分な計測を行う必要がないので、スループットの観点からは有利であるが、その非線形成分を抽出してから実際に露光が行われるまでの間のその非線形成分の変動等については、対応することができない。すなわち、第2の補正機能では、その間のプロセス(例えばレジスト塗布時の温度上昇)によるウエハWの変形や、ステージグリッドの変動に対応するのは困難である。第2の補正機能を行う場合には、ステージグリッドの変動等の長期管理を行う必要がある。
また、第2の補正機能では、実際に、露光装置1001により実際に露光されたウエハWからそのウエハグリッドの非線形成分を抽出し、その抽出結果を考慮してウエハWの位置補正を行うことも可能であるが、第1の補正機能では、露光装置1001の実際の露光結果を考慮するのは困難である。また、第1の補正機能では、ロット処理中に非線形成分の抽出を行う必要があるので、ショット領域の計測回数を増やして、計測再現性の向上を図るのが困難であるのに対し、第2の補正機能では、事前に非線形成分の抽出を行えるので、スループットを考慮することなく、ショット領域の計測回数を増やして、計測再現性の向上を図ることが可能である。
上述したように、第1の補正機能と、第2の補正機能とでは、上述したような互いにその利点が異なっており、本実施形態では、後述する様々な条件により、第1の補正機能を用いるか、第2の補正機能を用いるかを選択する。
また、本実施形態では、第1、第2の補正機能の中に更に、以下に示す2つの補正機能がそれぞれに用意されている。
(3)ショット領域の位置を補正するための補正情報として、ショット間誤差の非線形成分を近似して得られる2次以上の項を含む所定次数の補正関数を用いる機能(関数補正機能)
(4)ショット領域の位置を補正するための補正情報として、ショット間誤差の非線形成分に対応する各ショット領域の非線形成分の集合体である補正マップを用いる機能(マップ補正機能)
(3)の関数補正機能では、統計的手法により関数を求めるため、上述したEGAと同様の理由により、計測するショット領域のサンプル数を少なくすることができ、スループットの観点では有利であるが、その関数の次数以上のショット間誤差の非線形成分を補正することはできない。また、(4)のマップ補正機能では、必要なショット領域のサンプル数は多くなるが、上述した関数で補正することができない高次の非線形成分までも補正することが可能となる。また、関数補正機能では、最小二乗法等の統計的手法等により関数を作成することで、計測再現性に影響を与える計測数の少なさをカバーすることができるという利点もある。
図3(A)には、関数補正機能が選択されるべきショット間誤差の非線形成分を有するウエハの模式図が示され、図3(B)には、マップ補正機能が選択されるべきショット間誤差の非線形成分を有するウエハの模式図が示されている。図3(A)、図3(B)では、ウエハWの各ショット領域に、そのショット領域の非線形成分の向き及び大きさを示す線分が示されている。図3(A)に示されるウエハWでは、ショット領域間で、非線形成分の変動が比較的滑らかに変動している。このような場合には、補正関数を補正情報として用いる関数補正機能が選択されるのが望ましいと考えられる。それに対し、図3(B)に示されるウエハWでは、ショット領域間で非線形成分はランダムに変動しており、これをかなり高次の成分を含んでいると考えられる。このような場合には、補正マップを補正情報として用いるマップ補正機能が選択されるのが望ましいと考えられる。
本実施形態では、関数補正機能で用いる関数の最高次数を3次とする、上記関数は例えば次式で表される。
Figure 0004844835
ここで、(dx,dy)、(x,y)、a0〜a2,b0〜b2は、上述した通りである。また、a3〜a9,b3〜b9は、グリッドの非線形成分を表す2次項及び3次項の係数である。
以上述べたように、露光装置1001では、第1の補正機能として、第1の関数補正機能及び第1のマップ補正機能の2つが用意されており、第2の補正機能として、第2の関数補正機能及び第2のマップ補正機能との2つが用意されている。本実施形態では、後述する条件に応じて、この4つの機能の中から1つの機能を自動的に選択し、選択された補正機能により、ショット領域を転写形成する際のウエハW位置の補正を行う。なお、この選択を行うに際し、主制御装置20のCPUが行う処理では、2つのフラグを用いる。本実施形態では、これをそれぞれSモードフラグ、関数モードフラグとする。Sモードフラグがセットされ、関数モードフラグがセットされている場合には、主制御装置20は、第1の関数補正機能を選択するものとし、Sモードフラグがセットされ、関数モードフラグがリセットされている場合には、第1のマップ補正機能を選択するものとする。また、Sモードフラグがリセットされ、関数モードフラグがセットされている場合には、主制御装置20は、第2の関数補正機能を選択するものとし、Sモードフラグがリセットされ、関数モードフラグがリセットされている場合には、第2のマップ補正機能を選択するものとする。なお、必ずしも本実施形態のように、4つの補正機能のうち1の補正機能を選択するのに、2つのフラグを用いる必要はなく、4つの補正機能を選択可能な情報(最低2ビットの情報)が用意されていればよい。
また、第2の補正機能の一部に関しては、事前に抽出されたショット間誤差の非線形成分を保持しておく必要があるため、露光装置1001については、上記補正関数の係数を装置定数として設定可能となっている。なお、このグリッド補正機能における補正は、上記EGA方式のウエハアライメントの推定結果である配列座標の位置ずれ量をさらに補正するものである。したがって、EGA方式のウエハアライメント機能で推定される線形成分は、同じプロセスを経たウエハであっても、サンプルショット領域の選択により若干異なったものとなり、これに伴い、その上でグリッド補正機能による抽出される非線形成分も変動する。そこで、本実施形態では、不図示の記憶装置に、露光装置1001が使用する可能性があるショットマップデータとサンプルショット領域の選択との全ての組み合わせについて、ウエハW上の各ショット領域の個別の基準位置(例えば設計位置)からの位置ずれ量の非線形成分を近似した所定次数(例えば3次)の関数の各項の係数が装置定数として設定可能であるものとする。第2の関数補正機能では、製品ウエハのショットマップデータ及びEGA演算に用いられるサンプルショット領域に対応する装置定数としての補正関数の係数を記憶装置から取得して用いる場合がある。
なお、装置定数として、上記補正マップを記憶するようにしてもよい。しかしながら、補正マップを記憶するに必要な記憶容量は、補正関数の係数に比べて大きいので、本実施形態では、補正関数の係数のみを装置定数として記憶するようにし、補正マップについては、リソグラフィシステム110の他の構成要素に保持させておき、必要に応じて補正マップに関する情報を露光装置1001に送るようにしている。
なお、上記第1、第2のマップ補正機能における補正マップの作成は、基準ウエハの作成並びにその基準ウエハ上のマークの計測及びマーク計測結果に基づく手順で行われるが、その具体的な方法については、前述の米国特許出願公開第2002/0042664号明細書に詳細に開示されており、公知であるからその詳細説明については省略する。また、上記第2の関数補正機能における補正関数の作成は、上記公報における補正マップを作成される際に抽出されるショット間誤差を、関数フィッティングで近似して、その関数の係数a1〜a9,b1〜b9を求め、露光装置1001の装置関数として、又は情報集中サーバ130のデータベースに登録されているものとする。
次に、本実施形態のリソグラフィシステム110によるウエハの露光処理について、図4〜図11に基づいて説明する。図4には、リソグラフィシステム110を構成するホスト150によるウエハの露光処理に関する処理アルゴリズムが概略的に示されている。
なお、図4に示される露光処理のアルゴリズムの実行の前提として、ウエハWは、ロット毎に、集中情報サーバ130により管理されており、露光装置1001〜100Nでは、露光したウエハWの露光状態を解析可能な情報を含む露光履歴データをロギングしているものとする。その露光履歴データには、例えば、露光コマンドを処理したときのロット名、プロセス・プログラム名などが含まれる。このウエハWの露光履歴データなどは、随時(定期的又は必要に応じて)、露光装置100iから集中情報サーバ130に送られている。また、集中情報サーバ130には、重ね合わせ計測器120で計測された露光対象のロットのウエハWと同一のプロセスを経たパイロットウエハの重ね合わせ誤差情報も併せて、ロット名等と関連付けられて露光履歴データとして記憶されているものとする。
また、プロセスプログラムには、第2の補正機能を行う後述のサブルーチン508(図7参照)のマルチロットグリッド補正で適用されるショット間誤差の非線形成分に関する補正情報として、補正関数を用いるのか、補正マップを用いるのがを判別するための情報としての関数モードフラグが、アライメントパラメータの一部として設定されているものとする。このフラグがセットされている場合には、補正関数が補正情報として用いられ、リセットされている場合には、補正マップが補正情報として用いられる。
プロセスプログラムでは、アライメントパラメータの一部としての補正情報ファイル名が含まれ、そのファイル内の補正情報が上記補正情報として用いられる。この場合、補正情報として補正関数を用いる場合、ファイル内の補正情報が、補正関数の係数であった場合には、その係数をそのまま用いるが、補正マップであった場合には、主制御装置20内で、その補正マップの非線形成分を関数フィッティングして得られる補正関数を求め、その補正関数の係数を用いることとなる。一方、補正情報として補正マップを用いる場合には、ファイル内の補正情報は、補正マップとなっており、第2のマップ補正機能が選択された場合には、そのファイル内の補正マップが補正情報として用いられることとなる。
さらに、プロセスプログラムには、第2の関数補正機能が選択され補正情報として補正関数を用いる場合に、装置定数として設定された補正関数の係数を適用するのか、プロセスプログラムで指定された補正情報ファイル内の補正関数の係数等の補正情報を適用するのかを示す情報も含まれているものとする。
図4に示されるように、まず、ステップ202において、ホスト150は、露光対象のロットのウエハWの処理を開始すべき状況になるのを待つ。そして、そのロットのウエハWの処理を開始すべき状況になると、ステップ204において、ホスト150は、露光対象のロットのウエハWが、未露光のベアウエハ(未だ一層もパターンが形成されていないウエハ、これからファーストレイヤが露光(形成)されるウエハ)であるか否かを判断する。この判断が肯定された場合には、ステップ210に進み、ホスト150は、第2の補正機能としての後述するサブルーチン508(図7参照)のマルチロッドグリッド補正を選択するための選択フラグをセットする。すなわち、選択フラグがセットされていれば、ベアウエハが露光対象ウエハであることを示す。
一方、上記ステップ204における判断が否定された場合には、ホスト150は、次のステップ206に進み、露光対象ロットのウエハのEGAログデータ又は重ね合わせ誤差情報を、ターミナルサーバ140及びLAN160を介して集中情報サーバ130から読み出し、解析する。次のステップ208では、ホスト150は、上記の解析の結果、そのロットのウエハWでは、ショット間誤差が、所定値を越える非線形成分を含むか否かを判断する。
そして、ステップ208における判断が否定された場合、すなわちショット間誤差はあるがほとんど線形成分(ウエハ倍率誤差、ウエハ直交度誤差、ウエハ回転誤差等)のみが含まれ、非線形成分が無視できる場合には、ステップ212に移行する。このステップ212では、ホスト150は、リソグラフィシステム110内のすべての露光装置1001〜100Nのうちから適当な1台の露光装置100iを、そのロットのウエハWの露光を行う露光装置として選択する。なお、ここでは、説明を簡単にするため、グリッド補正機能を有しない露光装置が選択されるものとする。
この一方、上記ステップ208における判断が肯定された場合、又はステップ210を行った後、ホスト150は、ステップ214に進み、グリッド補正機能を有する露光装置を選択する。ここでは、露光装置1001が選択されるものとする。
ステップ212、214終了後、ホスト150は、選択された露光装置の主制御装置に露光を指示する。このとき、ホスト150は、露光装置の主制御装置へ露光指示を行う。その指示内容の中には、露光条件の設定指示情報に対応するプロセスプログラム名の指定が含まれている。そして、ホスト150は、ステップ218に進んで、ロットのウエハの露光処理が終了するのを待つ。
そして、上記ステップ216で露光を指示した露光装置1001から露光終了の通知がなされると、そのロットについての処理が終了したものと判断して、ステップ202に戻り、そのロットのウエハの処理が再び開始されるべき状況になるのを待つ。そして、そのロットのウエハの処理を再び開始すべき状況になると、上記ステップ204以下の処理を繰り返す。すなわち、このようにして、ホスト150では、複数のロットそれぞれに対し、それぞれ図4のフローチャートに示されるループ処理を実行し、そのロットのウエハに関する処理(ループ処理)を繰り返す。
<露光装置1001での露光処理>
ところで、上記ステップ216においてホスト150から露光指示を受けた露光装置1001の主制御装置20では、図5のフローチャートに示される処理アルゴリズムに従って処理を行う。
まず、ステップ302において、ホスト150から上記ステップ216において指定されたプロセスプログラム名に基づいてプロセスプログラムファイルを集中情報サーバ130から取得して、これに従った露光条件の設定を行う。次のステップ304では、不図示のレチクルローダを用いてレチクルステージRST上にレチクルRをロードする。次のステップ306では、基準マーク板FMを用いながらレチクルアライメント及びアライメント系ASのベースライン計測を行う。このベースライン計測により、アライメント系ASとレチクルR上のパターンの投影中心との位置関係が明らかとなる。なお、ベースラインの計測手法に関しては、例えば特開平7-176468号公報(対応する米国特許第5,646,413号明細書)等に開示され、公知であるので、詳細説明は省略する。レチクルアライメント及びアライメント系ASのベースライン計測が終了すると、サブルーチン308に進む。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
次のサブルーチン308では、グリッド補正機能を選択するためのフラグ、すなわち、第1の補正機能としての後述するサブルーチン506(図7参照)のシングルロットグリッド補正を行うか、第2の補正機能としての後述するサブルーチン508(図7参照)のマルチロットグリッド補正を行うのかを判別するためのフラグであるSモードフラグを設定する。このSモードフラグがセットされていれば、後述するウエハアライメントにおいて、シングルロットグリッド補正を選択するようになり、そうでなければ、マルチロッドグリッド補正を選択するようになる。図6には、このサブルーチン308の処理を示すフローチャートが示されている。図6に示されるように、まず、ステップ402において、取得したプロセスプログラムにおいて、選択フラグがセットされているか否かを判断する。この判断が否定されればステップ404に進み、肯定されればステップ412に進む。ここ(ステップ402)では、露光対象となるロットが、既に1層以上の露光が行われたウエハであるのか、ベアウエハであるのかが判断される。ベアウエハであった場合には、ステップ412に進み、Sモードフラグがリセットされる。
次のステップ404では、LAN160を介して集中情報サーバ130にその露光対象ロットを中心とする前後の複数ロットについての自装置に関するロットのウエハの重ね合わせ誤差情報を問い合わせる。そして、次のステップ406において、上記問い合わせの回答として、集中情報サーバ130から入手した複数ロットについての重ね合わせ誤差情報に基づいて、連続するロット間の重ね合わせ誤差を所定の閾値と比較して重ね合わせ誤差が大きいか否かを判断する。この判断が否定された場合には、ステップ408に進み、肯定された場合には、ステップ414に進んでSモードフラグをセットする。
ステップ408では、露光対象のロットについて、前層までのEGAに関する情報を情報集中サーバ130に対して問い合わせる。そして、ステップ410において、上記問い合わせの回答として、集中情報サーバ130から入手したEGAに関する情報のうち、例えばランダムエラーに関する情報を参照して、そのロットの非線形性の高次成分が大きいか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ414に進んでSモードフラグをセットし、否定されればステップ412に進み、Sモードフラグをリセットする。ステップ412又はステップ414の終了後は、サブルーチン308の処理を終了する。
すなわち、このサブルーチン308では、1層目の露光が終了したウエハであって、ロット間の重ね合わせ誤差又はEGAログデータにおける非線形成分の高次成分が大きい場合には、Sモードフラグがセットされ、それ以外(ベアウエハ又はロット間の重ね合わせ誤差及びEGAの結果の非線形性が小さい場合)ではSモードフラグがリセットされる。
なお、Sモードフラグを設定する条件は、上記のものには限られない。今回のロットと同一のプロセスを経た後に、露光装置1001で処理された他のロットが過去に存在する場合には、露光装置1001におけるその他のロットのEGAのランダムエラーに関する情報を集中情報サーバ130から取得し、その他のロット内のウエハ間のランダムエラーの変動が所定の閾値より大きいか否かを判断し、その判断が肯定されれば、Sモードフラグをセットするようにしてもよい。または、事前計測により今回のロットのロット内のランダムエラーの変動を事前に計測し、変動が大きい場合には、Sモードフラグをセットするようにしてもよい。
図5に戻り、次のステップ310では、露光対象のウエハWがロット(1ロットは例えば25枚)内の何枚目であるかを示す(ロット内のウエハ番号を示す)不図示のカウンタのカウント値mを1に初期化(m←1)する。なお、これらの処理を行っている間、主制御装置20は、ロット先頭のウエハであって、C/Dによりレジストが塗布されたウエハWが、露光装置1001内に投入された場合に、不図示の温度センサによって検出されたそのウエハWの温度に関する情報を取得し、内部メモリに保持するものとする。なお、以降では、2枚目以降のウエハWについても、露光装置1001内に投入される度に温度センサによりウエハWの温度の検出を行うものとする。
次のステップ312では、不図示のウエハローダを用いて図2のウエハホルダ25上の露光処理済みのウエハWと未露光のウエハWとを交換する。但し、ウエハホルダ25上に露光済みのウエハWがない場合は、未露光のウエハWをウエハホルダ25上に単にロードする。なお、ここで、主制御装置20は、不図示の温度センサにより検出されたウエハWに関する情報を取得し、内部メモリに格納する。なお、以降では、2枚目以降のウエハWについても、ウエハステージWST上にロードされる度に温度センサによりウエハWの温度の検出を行うものとする。次のステップ314では、そのウエハホルダ25上にロードされたウエハWのサーチアライメントを行う。具体的には、例えば、ウエハW中心に関してほぼ対称に周辺部に位置する少なくとも2つのサーチアライメントマーク(以下、サーチマークと略述する)をアライメント系ASを用いて検出する。これらの2つのサーチマークの検出は、それぞれのサーチマークがアライメント系ASの検出視野内に位置するように、ウエハステージWSTを順次位置決めしつつ、かつアライメント系ASの倍率を低倍率に設定して行われる。そして、アライメント系ASの検出結果(アライメント系ASの指標中心と各サーチマークとの相対位置関係)と各サーチマーク検出時のウエハ干渉計システム18の計測値とに基づいて2つのサーチマークのステージ座標系上の位置座標を求める。しかる後、2つのマークの位置座標からウエハWの残留回転誤差を算出し、この残留回転誤差がほぼ零となるようにウエハホルダ25を微小回転させる。これにより、ウエハWのサーチアライメントが終了する。
次のサブルーチン316では、ウエハアライメントを行う。図7には、ウエハアライメントのフローチャートが示されている。図7に示されるように、まず、ステップ502において、予め選択された複数個(ショット間誤差の3次までの非線形成分を精度良く推定することができる程度の個数)のサンプルショット領域のみの位置座標を計測する。より具体的には、前述と同様にアライメント系ASを用いて(但し、アライメント系ASの倍率を高倍率に設定して)、ウエハW上の予め選択された複数個のショット領域(サンプルショット領域)に付設されたウエハマークを計測し、それらのサンプルショット領域のステージ座標系上における位置座標を求める。
次のステップ504では、Sモードフラグがセットされているか否かを判断する。この判断が肯定されればサブルーチン506のシングルロットグリッド補正に進み、否定されればサブルーチン508のマルチロットグリッド補正に進む。ここでは、前述のサブルーチン308において、Sモードフラグがセットされているものとして話を進める。
<シングルロットグリッド補正>
図8には、サブルーチン506のフローチャートが示されている。図8に示されるように、まず、ステップ602において、上記ステップ502でのEGAの計測結果(すなわちサンプルショット領域の実測位置情報)を用いて、例えば上記式(2)で示される関数で、ショット間誤差の関数フィッティングを行い、ステップ604において、上記式(2)により算出される位置ずれ量(dx,dy)に対する、サンプルショット領域の中心の設計上の位置座標と実測位置座標の位置ずれ量(これを(Δx,Δy)とする)の残差の二乗和(ランダムエラー)を算出する。
次のステップ606では、前述したカウンタのカウント値mが、所定の値g以上であるか否かを判断することにより、ウエハホルダ25(ウエハステージWST)上のウエハWが、ロット内g枚目以降のウエハであるか否かを判断する。ここでは、所定の値gは2以上で25以下の任意の整数に予め設定される。以下においては、説明の便宜上から、g=3であるものとして説明を行う。この場合、ウエハWはロット先頭(第1枚目)のウエハであるから、初期設定によりm=1となっているので、このステップ606の判断は否定され、次のステップ608に進む。ステップ608では、ウエハが1枚目であるか否か判断する。ここでは判断が肯定され、ステップ612に進む。
ステップ612では、上記ステップ604において求めたランダムエラーが所定の閾値(これを第1の閾値とする)より大きいか否かを判断する。第1の閾値としては、ウエハステージWSTのステップピッチの2倍程度の値を設定することができる。この判断が肯定されれば第1のマップ補正機能としてのマップモードGCM(GCM:Grid Compensation for matching)計測のサブルーチン616に進み、否定されれば、第1の関数補正機能としての関数モードGCM計測のサブルーチン614に進む。
<関数モードGCM計測>
図9には、関数モードGCM計測のサブルーチン614のフローチャートが示されている。図9に示されるように、まず、ステップ702において、ランダムエラーの値が、所定の閾値(これを第2の閾値とする)より大きいか否かを判断する。この第2の閾値としては、前述の第1の閾値よりも小さい値が設定されている。この判断が否定されればステップ710に進み、肯定されればステップ704に進む。ステップ704では、さらに追加サンプルショット領域の計測を行い、ステップ706において、上記ステップ502で行ったEGA計測の計測結果と、追加サンプルショット領域の計測結果との両方に基づいて、ステップ602と同様に、上記式(2)を用いた関数フィッティングを行い、ショット領域の配列のショット間誤差を近似して得られる所定次数の関数の係数a0〜a9,b0〜b9を算出する。そして、次のステップ708では、新たに算出された係数を式(2)に設定した場合の上記残差の二乗和(ランダムエラー)を改めて算出し、ステップ702に戻る。
以降、ステップ702において判断が否定されるまで、ステップ702→704→706→708が繰り返し実行される。すなわち、ランダムエラーが第2の閾値を下回ったと判断されるまで、ステップ704の追加サンプルショット領域の計測が行われ、サンプルショット領域の数を増やしていく。なお、ステップ704では、任意のショット領域を追加のサンプルショット領域とすることができるが、サンプルショット領域がウエハWの全面に、均一となるようにサンプルショット領域が追加されていくのが望ましい。また、一度に追加するサンプルショット領域の数も任意に設定することができる。
ステップ702における判断が否定された後、ステップ710では、平均モードが設定されているか否かを判断する。この平均モードか否かの判断は、装置定数としての平均モード設定パラメータの設定に基づいて行われる。この判断が肯定されればステップ712に進み、否定されればステップ714に進む。ステップ712では、これまでに算出した、このロット内のウエハWに対して算出した関数の係数(上記式(2)の係数a0〜a9、b0〜b9)を記憶装置から読み出し、今回の上記ステップ714で求めた関数の係数a0〜a0、b0〜b9を含めた各次の係数a0〜a9、b0〜b9の平均値をそれぞれ算出する、係数の平均化を行う。なお、ここでは、ロードされたウエハWは、1枚目のウエハなので、まだ、過去にロードされたウエハWは存在しないので何もしないものとする。ステップ712終了後、又はステップ710で判断が否定された後は、ステップ714に進み、これまでに関数の係数a0〜a9、b0〜b9(又はその平均値)を不図示の記憶装置に記憶する。次のステップ716では、関数モードフラグをセットする。ステップ716終了後は、サブルーチン614の処理を終了する。
<マップモードGCM計測>
次に、サブルーチン616のマップモードGCM計測について説明する。図10には、サブルーチン616のフローチャートが示されている。図10に示されるように、まず、ステップ802において、追加サンプルショット領域の計測を行う。どのショット領域を、この追加サンプルショット領域とするかについては、予め定められており、例えば、そのサンプルショット領域が、市松模様状に配置されるように選択されるものとする。このようにすれば、ウエハW内で、サンプルショット領域の配置を均一化することができ、精度の面で有利である。次のステップ804では、追加サンプルショット領域の計測結果を含めて、これまでの全ての計測結果を用いて、上記式(2)などの関数よりもさらに高次の関数を用いて、ウエハグリッドの関数フィッティングを例えば最小二乗法などの統計的手法を用いて行い、それらの係数の値を求める。
次のステップ806では、求められた関数におけるサンプルショット領域の補正関数に対応する位置座標と、実測位置座標との残差の二乗和、いわゆるランダムエラーを算出し、次のステップ808では、ランダムエラーが所定の閾値より大きいか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ810に進み、ウエハWの全ショット領域の位置計測を行う。
ステップ810終了後又はステップ808で判断が否定された場合に行われるステップ812では、これまでに計測されたサンプルショット領域の実測位置情報を用いて、再度EGA演算を行い、上記式(1)のEGAパラメータを算出する。次のステップ814では、各サンプルショット領域の実測位置情報と、式(1)の位置ずれ量(dx,dy)に対応する位置座標との残差、すなわち非線形成分を抽出する。この非線形成分の集合体が求めるべき補正マップとなる。
次のステップ816では、平均モードが設定されているか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ818に進み、否定されればステップ820に進む。ステップ818では、これまでに算出した、このロット内のウエハWに対して算出した補正マップの平均値を不図示の記憶装置から読み出し、今回の上記ステップ814で求めた各ショット領域の補正量(非線形成分)の平均値を算出する、補正マップの平均化を行う。ステップ818終了後、又はステップ816で判断が否定された後は、ステップ820に進み、補正マップ(非線形成分に基づく補正量又はその平均値のマップ)を、記憶装置に記憶する。次のステップ822では、関数モードフラグをリセットする。ステップ822の終了後は、サブルーチン616の処理を終了する。
なお、本実施形態では、ステップ808において、ランダムエラーが大きく、判断が否定された場合には、直ちに、ステップ810において全ショット領域の位置情報を計測するものとしたが、これには限られない。例えば、図9のサブルーチン614と同様に、ランダムエラーが許容値内となるまで、追加サンプルショット計測を段階的に増やすようにしてもよい。
図8に戻り、サブルーチン614終了後は、ステップ618に進み、全ての係数が決定された上記式(2)に示される補正関数に、各ショット領域の設計上の位置座標を代入し、位置ずれ量(dX,dY)を算出し、その位置ずれ量により全ショット領域の位置座標を補正し、サブルーチン506の処理を終了する。また、サブルーチン616終了後は、ステップ620に進み、EGA演算により求められた上記式(1)の係数(EGAパラメータ)を求めて、各ショット領域の設計上の位置座標を代入し、位置ずれ量(dX,dY)を算出し、その位置ずれ量による全ショット領域の位置座標を、補正マップに含まれるそのショット領域の非線形成分に対応する位置ずれ量だけ補正し、サブルーチン506の処理を終了する。サブルーチン506の処理終了後は、図7のサブルーチン316の処理を終了し、図5のステップ318に進む。
ステップ318では、前述した内部メモリ内の所定領域に記憶された全ショット領域の配列座標と、図9のサブルーチン614で求められた補正関数又は図10のサブルーチン616で求められた補正マップによって補正された各ショット領域の重ね合わせ補正位置と、予め計測したベースラインとに基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のための加速開始位置(走査開始位置)にウエハWを順次ステッピングさせる動作と、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとを走査方向に同期移動させつつレチクルパターンをウエハ上に転写する動作とを、繰り返して、ステップ・アンド・スキャン方式による露光動作を行う。これにより、ロット先頭(ロット内の第1枚目)のウエハWに対する露光処理が終了する。
なお、サブルーチン616において、位置情報が計測されなかったショット領域では、そのショット領域での残差が求められていないが、このショット領域の非線形成分は、周囲のショット領域での幾つかの非線形成分を用いたショット領域間の距離に基づくガウス分布に従った重み付け計算により求めることができる。このような重み付け計算の具体的な方法については、米国特許出願公開第2002/0042664号明細書に開示されているので、詳細な説明を省略する。
次のステップ320では、前述したカウンタのカウント値m>24が成立するか否かを判断することにより、ロット内の全てのウエハの露光が終了したか否かを判断する。ここでは、m=1であるから、この判断は否定され、ステップ322に進んで、カウンタのカウント値mをインクリメント(m←m+1)した後、ステップ312に戻る。
ステップ312において、不図示のウエハローダを用いて図2のウエハホルダ25上の露光処理済みのロット先頭のウエハとロット内の第2枚目のウエハとを交換する。次のステップ314では、前述と同様にして、ウエハホルダ25上にロードされたウエハW(この場合、ロット内の第2枚目のウエハ)のサーチアライメントを行う。
次のサブルーチン316のウエハアライメントでは、図7に示されるように、まず、ステップ502でEGA計測を行い、ステップ504でSモードフラグがセットされているか否かを判断する。なお、ここでは、1枚目のウエハWにおいて、Sモードフラグがセットされているので、サブルーチン506に進む。
サブルーチン506では、図8に示されるように、ステップ602における3次関数近似、ステップ604におけるランダムエラー算出が行われる。そして、ステップ606では、前述したカウンタのカウント値mが、所定の値g(=3)以上か否かを判断することにより、ウエハホルダ25(ウエハステージWST)上のウエハWが、ロット内の第g(=3)枚目以降のウエハであるか否かを判断する。ここでは、ウエハWはロット内の第2枚目のウエハであるから、m=2となっているので、ステップ606の判断は否定され、ステップ608に移行し、ステップ608での判断は否定され、ステップ610に進む。
ステップ610では、関数モードがセットされているか否かを判断する。この判断が肯定されれば、サブルーチン614に進み、否定されれば、サブルーチン616に進む。前回(1枚目)のウエハに対し、サブルーチン614の関数モードGCM計測が行われていれば、関数モードが設定されており、サブルーチン616のマップモードGCM計測が行われていれば、関数モードがリセットされている。ここでの判断は、その設定に基づいて決定される。このようにすれば、1枚目のウエハWで関数モードGCM計測を行っていれば、2枚目のウエハでも関数モードGCM計測を行うようになり、マップモードGCM計測を行っていれば、マップモードGCM計測を行うようになる。このようにすれば、ロット先頭からg−1枚目までは、必ず同一のモードでGCM計測を行うようになり、上記平均モードが選択されていた場合に、図9のステップ712、図10のステップ818における平均演算処理を不都合なく行うことができる。
サブルーチン614、616における処理は、ほぼ上述した通りなので詳細な説明を省略する。なお、サブルーチン614、616内のステップ710又はステップ816において、平均モードが設定されていたと判断された場合には、ステップ712又はステップ818において、1枚目のウエハに対し算出した関数の係数若しくは補正マップの補正量と、今回の2枚目のウエハに対し今回算出した関数の係数若しくは補正マップの補正量との平均値を算出し、それらの算出結果を、2枚目のウエハに対する関数の係数若しくは補正マップとして、記憶装置に記憶するようになる。
サブルーチン614→ステップ618又はサブルーチン616→ステップ620を行いサブルーチン506を終了し、図7のサブルーチン316を終了した後は、1枚目のウエハの時と同様に、図5のステップ318において露光を行う。そして、ステップ320における判断が否定され、ステップ322においてmが1だけインクリメントされ、3枚目のウエハWに対し、ステップ312(ウエハ交換)、ステップ314(サーチアライメント)が実行され、再び、サブルーチン316が実行される。
サブルーチン316では、3枚目のウエハWに対し、ステップ502(EGA計測)、ステップ504(Sモードフラグが設定されているので判断が肯定される)、サブルーチン506(シングルロット補正)が行われる。
サブルーチン506では、ステップ602(関数近似)、ステップ604(ランダムエラー算出)が行われた後、ステップ606において、前述したカウンタのカウント値mが、所定の値g(=3)以上か否かを判断することにより、ウエハホルダ25(ウエハステージWST)上のウエハWが、ロット内の第g(=3)枚目以降のウエハであるか否かを判断する。この場合、ウエハWはロット内の第2枚目のウエハであるから、m=3となっているので、ステップ606での判断は肯定され、ステップ622に進む。
次のステップ622では、赤外線センサ等の温度センサの検出結果から、3枚目のウエハWのウエハステージWSTへのロード前後におけるそのウエハWの温度変化が所定の閾値より大きいか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ624に進み、否定されればステップ612に進む。ステップ612に進んだ場合には、上記ステップ604において算出されたランダムエラーに基づいて、サブルーチン614の関数モードGCM計測か、サブルーチン616のマップモードGCM計測かのいずれかが選択され、選択されたサブルーチンが実行される。その後の処理は、1枚目、2枚目のウエハWのときと同様である。
一方、ロード前後のウエハWの温度変化が所定の閾値以下であり、ステップ622で判断が肯定された場合には、ステップ624に進む。ここでは、前回のウエハWとのランダムエラーの変化量が所定の閾値よりも小さいか否かが判断される。この判断が否定されればステップ612に進み、肯定されればステップ626に進む。ステップ612に進んだ後の処理は、前述した通りである。一方、ステップ626では、通常のEGA演算を行って、ウエハW上の全ショット領域の位置座標を算出する。より具体的には、前述と同様に、アライメント系ASを用いて、ウエハW上の予め選択された例えば幾つのショット領域(サンプルショット領域)に付設されたウエハマークを計測し、それらのサンプルショット領域のステージ座標系上における位置座標を求める。そして、その求めたサンプルショット領域の位置座標とそれぞれの設計上の位置座標とに基づいて前述した上記モデル式(1)を用いたEGA演算を行い、EGAパラメータ(係数a0〜a2,b0〜b2)を算出する。
ステップ628では、関数モードフラグがセットされているか否かを判断する。この判断が肯定されればステップ618に進み、否定されればステップ620に進む。ステップ618では、ステップ626において算出された全ショット領域の位置座標(配列座標)を、最新の補正関数に基づいて補正し、補正された全ショット領域の位置座標(配列座標)を内部メモリの所定領域に記憶する。なお、この場合、上記式(2)の補正関数の1次成分に対応する係数a0〜a2、b0〜b2については、EGAによる補正と、補正機能による補正との二重の補正(過補正)を行わないようにするため、上記ステップ626のEGA演算により求められた上記式(1)により算出された係数a0〜a2、b0〜b2が減算された値が用いられる。
一方、ステップ620では、ステップ626において算出された全ショット領域の位置座標(配列座標)を、最新の補正マップに基づいて補正し、補正された全ショット領域の位置座標(配列座標)を内部メモリの所定領域に記憶する。
サブルーチン506を終了し、図7のサブルーチン316を終了した後は、図5のステップ318に進む。ステップ318では、前述と同様にして、ステップ・アンド・スキャン方式により、ロット内の第3枚目のウエハWに対する露光処理が行われる。この際、各ショット領域の露光の際の走査開始位置(加速開始位置)へのウエハWのステッピングに際しては、内部メモリ内の所定領域に記憶された全ショット領域の配列座標に基づいて行われる。
上記のようにして、ロット内の3枚目のウエハWに対する露光が終了すると、ステップ320に進み、ロット内の全てのウエハの露光が終了したか否かを判断するが、ここにおける判断は否定され、ステップ322に進む。そして、ステップ322でカウント値mをインクリメントした後、ステップ312に戻り、4枚目のウエハWに対し、3枚目のウエハWと同様の処理(ステップ312(ウエハ交換)→ステップ314(サーチアライメント)→サブルーチン316(ウエハアライメント)→ステップ318(露光))が行われる。
上述したように、サブルーチン316のウエハアライメントでは、3枚目のウエハWに対する処理を行う場合に、ウエハWのロード前後の温度変化が閾値が大きい場合には、ステップ622における判断が否定され、ステップ612に進む。ステップ612では、ランダムエラーが大きいか否かが判断され、ランダムエラーが小さいと判断された場合には、サブルーチン614の関数モードGCM計測が行われ、大きいと判断された場合には、サブルーチン616のマップモードGCM計測が行われ、3枚目のウエハWに対するGCM計測により、そのウエハWの非線形成分が抽出されるようになる。また、2枚目のウエハWからのランダムエラーの変化が所定の閾値よりも大きい場合には、ステップ624における判断が否定され、ステップ612に進み、同様に、3枚目のウエハWに対するGCM計測により、そのウエハWのショット間誤差の非線形成分が抽出されるようになる。したがって、この4枚目のウエハWについても同様に、ウエハWのロード前後の温度変化、3枚目のウエハWに対するランダムエラー変動に応じて、GCM計測が実行されるか、ステップ626において、通常のEGA計測だけが実行され、記憶装置に記憶された補正関数、補正マップが非線形成分の補正情報として用いられるかが判断される。
ロット内の4枚目のウエハWの露光が終了すると、ステップ320に進み、ロット内の全てのウエハの露光が終了したか否かを判断するが、ここにおける判断は否定され、ステップ322に進む。そして、ステップ322でカウント値mをインクリメントした後、ステップ312に戻って、以降、ロット内の全てのウエハの露光が終了するまで、上記ステップ312〜ステップ320のループの処理、判断が繰り返し行われる。同様に、5枚目から最後(24枚目)のウエハWについても、サブルーチン506のステップ622又はステップ624において判断が否定された場合には、そのウエハWに対し、関数モードあるいはマップモードによるGCM計測が行われる。すなわち、本実施形態では、ウエハ毎に、GCM計測を行うか否かが判断される。
ところで、3枚目以降のウエハWにおいて、ステップ622、624の判断が否定され、新たに、そのウエハWでショット間誤差の非線形成分を抽出する場合には、そのウエハでの抽出結果から得られた補正情報が、最新の補正情報となる。したがって、そのウエハW以降のウエハWでは、その最新の補正情報を用いて補正が行われるようになる。
ロット内の全てのウエハの露光が終了し、ステップ320の判断が肯定されると、ステップ324に進み、LAN160及びターミナルサーバ140を介してホスト150に露光終了を通知した後、一連の処理を終了する。
上述した露光装置1001によるロット処理が行われている間、ホスト150では、前述したように、図4のステップ218において露光終了を待っている。
そして、上記ステップ218における露光装置1001の主制御装置20からの露光終了の通知を受けると、ホスト150では、ステップ218の待ち状態が解除され、ステップ202に戻る。再びこのロットのウエハに対するロット処理が開始できる状態になった場合には、ステップ202以下の処理を繰り返し行うことになる。
<マルチロットグリッド補正>
一方、1枚目のウエハWに対する処理を行う時に、図6のサブルーチン308において、ステップ402で判断が肯定されるか、又はステップ406、410で判断が否定され、ステップ412に進み、Sモードフラグがリセットされた場合の処理について説明する。
Sモードフラグがリセットされた場合には、図7におけるサブルーチン316のステップ504における判断が否定され、サブルーチン508に進む。
図11には、サブルーチン508のフローチャートが示されている。図11に示されるように、まず、ステップ902において、プロセスプログラムの関数モードフラグがセットされているか否かを判断する。この判断が否定されれば、ステップ906に進む。ここでは、プロセスプログラムに格納されている補正情報ファイル名を取得し、そのファイル名に対応する補正マップファイルを、集中情報サーバ130から読み出す。
また、ステップ902における判断が肯定されればステップ904に進む。ステップ904では、プロセスプログラムを参照して、装置定数に設定されている関数の係数を補正情報として用いるか否かを判断する。この判断が肯定されれば、ステップ908に進む。ここでは、指定されたショットデータに対応する補正関数の係数を装置定数の中から選択する。また、ステップ904における判断が否定されればステップ910に進む。ここでは、プロセスプログラムから補正情報ファイル名を取得し、そのファイル名に対応する補正情報ファイルを、集中情報サーバ130から読み出し、補正情報を取得する。
ここでは、主制御装置20は、補正情報ファイル内の補正情報が補正マップであるか、補正関数であるかを判断する。ファイル内の補正情報が補正マップであった場合には、その補正マップに含まれるショット間誤差に対する関数フィッティングを行って、その関数の係数を求める。
ステップ906、908又は910終了後は、ステップ912に進む。ここでは、プロセスプログラムに含まれる、ショットマップデータ及びサンプルショット領域の選択情報などのショットデータに従って、EGA方式のウエハアライメントを前述と同様にして行い、ウエハW上の全ショット領域の位置座標を算出し、内部メモリの所定領域に記憶する。
次のステップ914では、前述した内部メモリ内の所定領域に記憶された全ショット領域の配列座標と、内部メモリ内に一時的に格納された補正マップ又は補正関数のそれぞれのショット領域についての位置ずれ量の非線形成分の補正値(補正情報)とに基づいて、各ショット領域について位置ずれ量(線形成分及び非線形成分)が補正された重ね合わせ補正位置を算出する。なお、補正情報として補正関数を用いる場合には、その補正関数に1次成分が含まれているときには、上記ステップ618(図8参照)と同様に、補正関数の1次成分の係数を、EGAパラメータで減算し、減算された補正関数を用いて、各ショット領域の位置座標を補正する。ステップ914の終了後は、サブルーチン508の処理を終了し、さらに図7のサブルーチン316の処理を終了して、図5のステップ318に進む。
ステップ318→320→322の処理は、上述した通りである。そして、2枚目〜最後までのウエハに対する処理は、1枚目のウエハWに対する処理と同様である。このようにして、予定枚数のウエハWに対して露光が終了すると、ステップ320における判断が肯定され、ステップ324に進み、LAN160及びターミナルサーバ140を介してホスト150に露光終了を通知した後、一連の処理を終了する。
これまでの説明から明らかなように、露光装置1001では、主制御装置20の一部、照明系10、投影光学系PL、両ステージRST、WST及びその駆動系により、転写装置が構成されている。また、不図示の温度センサ、アライメント検出系AS及び主制御装置20の一部で計測装置が構成されている。
また、主制御装置20(より具体的にはCPU)とソフトウェアプログラムとによって、選択装置、補正装置、抽出装置及び最適化装置が実現されている。すなわち、主制御装置20が行うサブルーチン308、図7のサブルーチン316のステップ504、図8のサブルーチン506のステップ602〜ステップ612、ステップ622、624の処理によって選択装置が実現されている。また、図8のサブルーチン506のステップ618、620、図11のサブルーチン508のステップ814及び図5のステップ318の処理により補正装置の機能が実現されている。また、図9のサブルーチン614、図10のサブルーチン616の処理により、抽出装置及び最適化装置の機能が実現されている。
しかしながら、本発明の露光装置がこれに限定されるものではないことは勿論である。すなわち、上記実施形態は一例に過ぎず、上記の主制御装置20(より正確にはCPU)によるソフトウェアプログラムに従う処理によって実現した構成各部の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしてもよい。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る補正方法によれば、ウエハW上の各ショット領域の形成位置の基準となる2次元格子(グリッド)に対し、考慮可能な非線形成分の次数がそれぞれ異なる複数の補正機能(例えば関数補正機能やマップ補正機能など)を、露光装置1001が備えている場合に、露光装置1001及び露光装置1001に投入されたウエハWの少なくとも一方に関連する所定の情報(例えば、考慮可能な非線形成分の次数以上の高次成分の大きさ)に基づいて、最適な補正機能を選択することができる。これにより、ウエハW上に複数のショット領域を転写形成する際に、各ショット領域の形成位置の基準となる2次元格子の非線形性を、有効かつ短時間に考慮しつつ、ウエハWの位置を補正することができる。
また、本実施形態では、露光装置1001には、上記2次元格子の非線形成分のうち、考慮可能な非線形成分の次数が異なる補正機能として、関数補正機能(第1、第2の関数補正機能)と、マップ補正機能(第1、第2マップ補正機能)とが設けられている。関数補正機能は、ウエハW上に形成された複数のショット領域の配列によって規定される2次元格子(ウエハグリッド)の非線形成分を、所定次数の補正関数により近似し、その補正関数を、各ショット領域を転写形成する際のウエハWの位置を補正するための補正情報として用いる機能である。この関数補正機能では、その関数の最高次数により、考慮可能な非線形成分の次数が限られるようになるが、ショット領域の計測数、すなわちサンプルショット領域の数を、比較的少なくすることができる。また、マップ補正機能は、実際にその位置が計測された各サンプルショット領域の位置ずれ量の非線形成分の集合体である補正マップを、補正情報として用いる機能である。このマップ補正機能では、考慮可能な非線形成分の次数に制限はないが、関数補正機能が考慮可能な次数の非線形成分を正確に把握するためには、サンプルショット領域の数を、関数補正機能でのサンプルショット領域の数よりも多くする必要がある。したがって、本実施形態では、例えば、関数補正機能により考慮可能な非線形成分の次数以上の高次成分(残差、ランダムエラー)の大きさが許容値以上である場合には、マップ補正機能を選択し、許容値以内では、関数補正機能を選択する。このようにすれば、考慮できない非線形成分の大きさを可能な限り小さくし、サンプルショット領域の数を必要以上に多くすることなく、ウエハWの位置を有効かつ短時間に補正することができる。
本実施形態では、関数補正機能により考慮可能な非線形成分の次数以上の高次成分(残差、ランダムエラー)の大きさが許容値以上であるか否かを判断するために、そのランダムエラーの大きさを適切に算出することができる数のサンプルショット領域の位置情報を計測し(図7のサブルーチン316のステップ502)、そのサンプルショット領域における関数補正機能による考慮可能な非線形成分と、実際の位置との残差(ランダムエラー)を、関数補正機能により考慮可能な非線形成分の次数以上の高次成分として算出する(図8のサブルーチン506のステップ604)。そして、そのランダムエラーが、許容値以上である場合には、第1のマップ補正機能(サブルーチン616:マップモードGCM計測)を選択し、許容値以内である場合には、第1の関数補正機能(サブルーチン614:関数モードGCM計測)を選択する。このようにすれば、ショット領域の形成位置の基準となる2次元格子の非線形性を適切に把握することができ、最適な補正機能を選択することができるようになる。
ところで、本実施形態では、考慮可能な非線形成分の次数が異なる補正機能が、関数補正機能と、マップ補正機能との2つであったが、補正関数の最高次数が異なる少なくとも2つの関数補正機能から補正機能を選択するようにしてもよい。この場合、低次の関数補正機能では、残差が大きくなりすぎる場合には、高次の関数補正機能を選択するようにすればよい。
このように、本実施形態では、ショット領域の形成位置の基準となる2次元格子の非線形性に応じて補正機能を選択するが、その選択された補正機能の中で、2次元格子の非線形性の把握に必要なサンプルショット領域の数及び配置を最適化している。例えば、図9のサブルーチン614のステップ702〜ステップ708のループ処理又は図10のサブルーチン616のステップ802〜810の処理において、補正情報に基づく各ショット領域の位置情報とその実測値との残差(ランダムエラー)が許容範囲内となるまで、サンプルショット領域の数及び配置を最適化している。
なお、ランダムエラーが許容範囲内となるまで、関数の次数を最適化するようにしてもよい。この最適化は、上述したような補正関数の最高次数が異なる少なくとも2つの関数補正機能から補正機能を選択するのとほぼ等価となる。また、関数の次数が高くなれば、当然のその関数のフィッティングに必要なサンプルショット領域の数及び配置もそれに併せて最適化されることとなる。
また、本実施形態では、補正機能で補正情報として用いる関数よりも高次の関数でグリッドの非線形成分を近似したときのランダムエラーに応じて、マップを補正情報として用いる際のショット領域のサンプル数及び配置の最適化を行った。しかしながら、ステップ808においてランダムエラーが十分に小さくなったと判断されたときは、ステップ804の関数フィッティングで用いられた高次関数を補正情報として用いるようにしてもよい。すなわち、マップ補正機能による補正から、関数補正機能による補正に切り替えるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、補正関数の最高次数を3次としたが、これには限定されない。ただし、補正関数の最高次数が高くなればなるほど、ランダムエラーなどの算出するのに必要な計測ショット領域のサンプル数を増やす必要があるので、それらとの兼ね合いから補正関数の次数を決定するのが望ましい。
また、本実施形態によれば、複数のグリッド補正機能には、ロット毎に補正情報を抽出し、抽出された補正情報に基づいてウエハWの位置の補正を行う第1の補正機能と、事前に計測された補正情報に基づいてウエハWの位置の補正を行う第2の補正機能とが含まれる。第1の補正機能は、露光装置1001に投入されたウエハW上の複数の既成のショット領域の配列により規定される2次元格子(ウエハグリッド)の非線形成分(第1の非線形成分)に関する情報を抽出し、その抽出結果を、各ショット領域を転写形成する際のそのウエハWの位置を補正するための補正情報として用いる機能であり、露光装置に投入されるウエハWに対し、非線形成分を抽出するために多数のショット領域の位置の計測を必要とする。また、第2の補正機能は、基準ウエハなどに形成されたショット領域により規定される所定の基準格子に対する2次元格子の非線形成分であって予め抽出された非線形成分(第2の非線形成分)に関する情報を、補正情報として用いる機能であり、露光装置に投入されるウエハWに対する非線形成分を抽出するための多数のショット領域の位置の計測を必要としない。したがって、例えば、その号機では、ロット間での重ね合わせ誤差の傾向が異なり、露光装置に投入されるウエハWに対し改めて非線形成分を抽出する必要がある場合には、第1の補正機能を選択し、逆の場合には、第2の補正機能を選択するようにすれば、ウエハWの位置を、高精度かつ短時間に、補正することができる。
また、本実施形態では、第1の補正機能が選択された場合には、ロット内のウエハWのうち、最初に露光装置1001に投入される所定数(g−1)のウエハW、すなわちg−1枚目までのウエハWに対しては、そのウエハW上に形成されたショット領域の位置を計測し、その計測結果に基づいて非線形成分に関する情報を補正情報として抽出する。そして、g枚目以降のウエハWに対しては、そのウエハW上に形成されたショット領域の位置を計測し、その計測結果に基づく非線形成分に関する情報を補正情報として抽出するか、過去に露光装置1001に投入されたウエハWの非線形成分に関する情報を補正情報として用いるかを、ロード前後のウエハWの温度変動又はロット内のウエハ間のランダムエラーの変動に応じて判断している。すなわち、本実施形態では、ウエハ毎にそのウエハWから非線形成分を抽出するかいなかを判断するので、ロット内で非線形成分が変動する場合にも対処することができる。
なお、本実施形態では、ステップ622又はステップ624で判断が否定され、そのウエハにおいて非線形成分を抽出する必要が生じたときに、ステップ612に進んで、ランダムエラーの大きさに応じて、関数モードGCM計測か、マップモードGCM計測かを選択したが、これには限られない。すなわち、ロット先頭で関数モード、マップモードのいずれかのモードが選択された場合には、ロット内では、ロット先頭で選択されたモードに従って、GCM計測を行うようにしてもよい。また、ステップ622又はステップ624で判断が否定され、そのウエハにおいて非線形成分を抽出する必要が生じたときには、必ず、関数モードGCM計測を行うようにしてもよいし、その逆であってもよい。
また、本実施形態によれば、ロット先頭からg番目までのウエハWに対して、露光装置1001に投入されたウエハW上の既成のショット領域の位置情報の計測結果に基づいて補正情報を求める場合には、装置定数として設定された平均モードフラグに従って、第1の非線形成分に関する情報の平均値とするか、今回投入されたウエハW上に形成されたショット領域の位置情報の計測結果のみに基づくものとするかを判断する。しかしながら、平均値とするか否かは、例えば、図8のステップ622や、ステップ624と同様の判断に基づいて行われるようにしても良い。例えば、ウエハWの温度変化が許容値以内、又はランダムエラーの変化が小さいならば図9のサブルーチン614のステップ712、又は図10のサブルーチン616のステップ818において平均値を算出するようにすればよい。
また、本実施形態では、ロット先頭から必ずショット間誤差の非線形成分を抽出するウエハの枚数をg−1枚と固定としたが、これには限られない。図8のステップ622や、ステップ624における判断を、その終了条件として用いてもよい。
また、本実施形態によれば、所定の情報には、露光装置1001に投入されたウエハWが、ショット領域が形成されていないベアウエハであるか否かという情報が含まれ、サブルーチン308では、その投入されたウエハW上にショット領域が形成されていないベアウエハである場合には、第2の補正機能を選択するようにSモードフラグを設定(リセット)する。このように、補正機能を選択するための条件として様々な情報を適用することができる。本実施形態では、上述したように、露光装置1001にウエハWが投入される前後における温度の変化(ステップ622)や、露光装置1001に過去に投入されたウエハWと今回投入されたウエハWとのランダムエラーの変動(すなわち類似度)(ステップ624)などが選択条件として用いられている。
なお、露光装置1001にウエハWが投入される前後における温度の変化に関する情報を、ウエハ毎に非線形成分を抽出するか否かの条件とするのは、コータでのレジスト塗布が行われた直後のウエハWの温度は高くなっているが、露光装置1001に投入されてから実際の露光されるまでにその温度が低下しているため、ウエハWの温度変動に伴うウエハW自体の伸縮により、ロット内で各ウエハWの非線形成分が大きく変動する虞があるからである。例えば、露光装置1001で1ロットのウエハWを処理する場合、先頭から数枚のウエハWは、投入されてから露光されるまでの時間はほぼ一定であるが、ある程度までウエハWを処理していくと、次に露光されるウエハWは、前のウエハWの露光が終了するまで、ローダ(ウエハWをウエハステージWSTにロードするロボットアーム)上などで待機していることになり、待ち時間が長くなり、投入前後でのウエハWの温度変動が大きくなる。さらには、ロット処理途中で、露光装置1001のロット処理を何らかの理由により一旦停止し、ロット処理を再開した場合に、次に露光されるウエハWについては待ち時間が長くなる。この場合には、その前に処理されたウエハWから抽出されたショット間誤差の非線形成分をそのまま今回のウエハWに適用するのは望ましいことではない。
なお、上記温度変化は、ウエハWの待ち時間の長短によって変化すると考えられるので、その温度変化を本実施形態のように直接的に計測せず、露光装置1001に備えられているタイマによりその待ち時間を計測し、その待ち時間が所定時間よりも長い場合には、そのウエハWについて、非線形成分の抽出を行うようにしてもよい。
なお、ウエハWの非線形成分に影響を与える情報としては、本実施形態で取り上げたようなウエハWの温度変化に限られない。例えば露光装置における露光雰囲気の温度や湿度の変化など、環境の変化に関する情報であり、ウエハWのショット間誤差の非線形成分に影響を与える環境の変化に関する情報であれば、あらゆる情報を複数の補正機能の選択条件とすることができる。
また、前層のショット領域の転写形成に用いられた露光装置に関する情報も、選択条件とすることができる。露光装置1001と、前層の露光装置とのステージグリッドが大幅に異なっていたり、アライメント方法などが異なっている場合には、非線形成分が大きくなることが予想されるので、この場合には、第2の補正機能を必ず選択するというように設定することも可能である。
なお、上記実施形態では、第1の補正機能(ロット毎の補正)又は第2の補正機能(複数ロット間での補正)のいずれかを選択したが、第1の補正機能及び第2の補正機能の両方を選択することも可能である。例えば、第1の補正機能により選択された第1の非線形成分に関する情報に含まれる所定次数以下の成分と、第2の補正機能により選択された第2の非線形成分に関する情報に含まれる所定次数より大きい次数の成分と第2の非線形成分に関する情報に含まれる所定次数以下の成分から第1の非線形成分に相当する成分を除いた成分とを用いて、露光装置1001に投入されたウエハWの位置を補正する。このようにすれば、例えば3次までの非線形成分については、第1の補正機能によって補正を行うものとし、4次以上の非線形成分については。事前に非線形成分を抽出することができる第2の補正機能によって補正を行うことができる。この結果、露光装置1001のステージグリッドの高次の非線形成分を補正しつつ、第1の補正機能によりC/DによるウエハWの変形などを考慮した非線形補正を実現することができるようになるので、より高精度な重ね合わせ露光が実現される。また、第1の補正機能のみを用いて例えば4次以上の上記ステージグリッドの非線形成分を考慮した補正を行うよりも、ロット処理中のショット領域のサンプル数を少なくすることができるのでスループットにも有利となる。
なお、上記実施形態では、露光装置1001〜100Nでは、EGAログデータをロギングし、露光履歴データとして、集中情報サーバ130に送っているとしたが、上記第1の補正機能における補正の結果、すなわち算出された補正関数や補正マップに関する情報及びランダムエラーに関する情報、アライメント系ASにより検出された検出信号などもロギングし、集中情報サーバ130に送ってそれらの情報を蓄積するようにしてもよいことは勿論である。このようにすれば、集中情報サーバ130において、第1の補正機能によるウエハWの位置補正の結果の評価を行うことができる。集中情報サーバ130では、この評価結果を用いて、第2の補正機能に用いる補正関数又は補正マップを修正したりすることも可能となる。
また、上記実施形態では、図8のサブルーチン506のステップ622、624において、ロット内で、ウエハ毎に非線形成分の抽出を行うか否かを判断したが、実際には、ロット内において所定インターバルで、非線形成分の抽出対象となるウエハのGCM計測を行うようにしてもよい。すなわちロット先頭から所定枚数(例えばg−1枚)は、上記実施形態と同様に、第1の補正機能による非線形成分の抽出、補正関数又は補正マップの作成を行うが、例えばそれ以降はK枚の間隔(K枚おきに、Kは2以上の整数)で非線形成分の抽出、補正関数又は補正マップの作成を行うようにしてもよい。このようにしても、ロット内における非線形成分の変動に対応することができるようになる。なお、このようにK枚おきのインターバルで、非線形成分の抽出、補正関数又は補正マップの作成を行った場合(GCM計測による補正データ取得を行った場合)には、その得られた最新の補正データに基づいて、以降のウエハに対する補正処理を行うことになる。
なお、インターバルKが規定されていても、ウエハWの温度変化やランダムエラーの変動が大きい場合には、そのインターバルを短くするなどして最適化するようにしてもよい。
また、ロット内でのGCM計測を所定のインターバルで行った場合には、そのインターバルをもロギングし、集中情報サーバ130に送るようにし、アライメントの結果とインターバルとの関係とを評価することにより、最適なアライメント結果が得られるように、インターバルを増減させ最適化するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、EGA方式のウエハアライメントを行うに際し、サンプルショット領域(全ショット領域又はその内の特定の複数のショット領域がサンプルショット領域として選択されている場合は、その選択された特定のショット領域)のアライメントマークの座標値を用いるものとした。しかしながら、例えばサンプルショット領域毎にその設計上の座標値に従ってウエハWを移動してレチクルR上のマーク、又はアライメント系ASの指標マークとの位置ずれ量を検出し、この位置ずれ量を用いて統計演算によってショット領域毎に設計上の座標値からの位置ずれ量を算出してもよいし、あるいはショット領域間のステップピッチの補正量を算出するようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、EGA方式を前提に説明を行ったが、EGA方式の代わりに重み付けEGA方式を用いてもよいし、あるいはショット内多点EGA方式等を用いてもよい。なお、重み付けEGA方式のウエハアライメントについては、例えば特開平5−304077号公報(対応する米国特許第5,525,808号明細書)などに詳細に開示されている。
すなわち、この重み付けEGA方式では、ウエハ上の複数のショット領域(区画領域)のうち、予め選択された少なくとも3つのサンプルショット領域の静止座標系上における位置座標を計測する。次いで、ウエハ上のショット領域毎に、当該ショット領域(その中心点)とサンプルショット領域(その中心点)の各々との間の距離に応じて、あるいはショット領域とウエハ上で予め規定された所定の着目点との間の距離(第1情報)と、当該着目点とサンプルショット領域の各々との間の距離(第2情報)とに応じて、サンプルショット領域の静止座標系上における位置座標の各々に重み付けを行い、かつこの重み付けされた複数の位置座標を用いて統計演算(最小二乗法、又は単純なる平均化処理等)を行うことにより、ウエハ上の複数のショット領域の各々の静止座標系上における位置座標を決定する。そして、決定された位置座標に基づいて、ウエハ上に配列された複数のショット領域の各々を、静止座標系内の所定の基準位置(例えば、レチクルパターンの転写位置)に対して位置合わせする。
このような重み付けEGA方式によると、局所的な配列誤差(非線形な歪み)が存在するウエハであっても、サンプルショット領域数が比較的少なくて済み、かつ計算量を抑えながら、所定の基準位置に対して全てのショット領域を高精度、高速にアライメントすることが可能である。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
また、ショット内多点EGA方式は、例えば特開平6−349705号公報(対応する米国特許第6,278,957号明細書)などに開示されており、サンプルショット領域毎に複数のアライメントマークを検出してX、Y座標をそれぞれ複数個ずつ得るようにし、EGA方式で用いられるウエハの伸縮、回転等に対応するウエハパラメータの他に、ショット領域の回転誤差、直交度、及びスケーリングに対応するショットパラメータ(チップパラメータ)の少なくとも1つをパラメータとして含むモデル関数を用いて各ショット領域の位置情報、例えば座標値を算出するものである。
これを更に詳述すると、このショット内多点EGA方式は、基板上に配列された各ショット領域内の基準位置に対してそれぞれ設計上一定の相対位置関係で配置された複数個のアライメントマーク(1次元マーク、2次元マークのいずれでもよい)がそれぞれ形成され、これら基板上に存在するアライメントマークの中から所定数のアライメントマークであって、X位置情報の数とY位置情報の数との和が上記モデル関数に含まれるウエハパラメータ及びショットパラメータの総数より多く、かつ少なくとも同一のサンプルショット領域について同一方向に複数の位置情報が得られる所定数のアライメントマークの位置情報を計測する。そして、これらの位置情報を、上記モデル関数に代入し、最小自乗法等を用いて統計処理することにより、そのモデル関数に含まれるパラメータを算出し、このパラメータと、各ショット領域内の基準位置の設計上の位置情報及び基準位置に対するアライメントマークの設計上の相対位置情報から、各ショット領域の位置情報を算出するものである。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
これらの場合も、位置情報として、アライメントマークの座標値を用いてもよいが、アライメントマークに関する位置情報であって統計処理に適切な情報であれば、如何なる情報を用いて統計演算を行ってもよい。
なお、上記各実施形態では、マーク検出系として、オフアクシス方式のFIA系(結像式のアライメントセンサ)を用いる場合について説明したが、これに限らずいかなる方式のマーク検出系を用いても構わない。すなわち、TTR(Through The Reticle)方式、TTL(Through The Lens)方式、またオフアクシス方式の何れの方式であっても、更には検出方式がFIA系などで採用される結像方式(画像処理方式)以外、例えば回折光又は散乱光を検出する方式などであっても構わない。例えば、ウエハ上のアライメントマークにコヒーレントビームをほぼ垂直に照射し、当該マークから発生する同次数の回折光(±1次、±2次、……、±n次回折光)を干渉させて検出するアライメント系でもよい。この場合、次数毎に回折光を独立に検出し、少なくとも1つの次数での検出結果を用いるようにしてもよいし、波長が異なる複数のコヒーレントビームをアライメントマークに照射し、波長毎に各次数の回折光を干渉させて検出してもよい。
また、本発明は上記実施形態の如き、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に限らず、ステップ・アンド・リピート方式、又はプロキシミティ方式の露光装置(X線露光装置等)を始めとする各種方式の露光装置にも全く同様に適用が可能である。
上記実施形態では、光源として、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザなどの遠紫外光源や、F2レーザなどの真空紫外光源、紫外域の輝線(g線、i線等)を発する超高圧水銀ランプなどを用いることができる。この他、真空紫外域の光を露光用照明光として用いる場合に、上記各光源から出力されるレーザ光に限らず、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
更に、露光用照明光としてEUV光、X線、あるいは電子線やイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置に本発明を適用してもよい。この他、例えば国際公開WO99/49504号パンフレットなどに開示される、投影光学系PLとウエハWとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用してもよい。また、露光装置は、例えば特開平10−214783号公報や国際公開WO98/40791号パンフレットなどに開示されているように、投影光学系を介してレチクルパターンの転写が行われる露光位置と、ウエハアライメント系によるマーク検出が行われる計測位置(アライメント位置)とにそれぞれウエハステージを配置して、露光動作と計測動作とをほぼ並行して実行可能なツイン・ウエハステージタイプでも良い。さらに、投影光学系PLは、屈折系、反射屈折系、及び反射系のいずれでもよいし、縮小系、等倍系、及び拡大系のいずれでも良い。
なお、上述の実施形態においては、光透過性の基板上に所定の遮光パターン(または位相パターン・減光パターン)を形成した光透過型マスク、あるいは光反射性の基板上に所定の反射パターンを形成した光反射型マスクを用いたが、これらのマスクに代えて、露光すべきパターンの電子データに基づいて透過パターンまたは反射パターン、あるいは発光パターンを形成する電子マスクを用いてもよい。このような電子マスクは、例えば米国特許第6,778,257号明細書に開示されている。本国際出願で指定した指定国(又は選択した選択国)の国内法令が許す限りにおいて、上記公報及び対応する米国特許における開示を援用して本明細書の記載の一部とする。
なお、上述の電子マスクとは、非発光型画像表示素子と自発光型画像表示素子との双方を含む概念である。ここで、非発光型画像表示素子は、空間光変調器(Spatial Light Modulator)とも呼ばれ、光の振幅、位相あるいは偏光の状態を空間的に変調する素子であり、透過型空間光変調器と反射型空間光変調器とに分けられる。透過型空間光変調器には、透過型液晶表示素子(LCD:Liquid Crystral Display)、エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)等が含まれる。また、反射型空間光変調器には、DMD(Digital Mirror Device,またはDigital Micro-mirror Device)、反射ミラーアレイ、反射型液晶表示素子、電気泳動ディスプレイ(EPD:ElectroPhoretic Display)、電子ペーパ(又は電子インク)、光回折ライトバルブ(Grating Light Value)等が含まれる。
また、自発光型画像表示素子には、CRT(Cathod Ray Tube)、無機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、電界放出ディスプレイ(FED:Field Emission Display)、プラズマディスプレイ(PDP:Plasma Display Panel)や、複数の発光点を有する固体光源チップ、チップを複数個アレイ状に配列した固体光源チップアレイ、または複数の発光点を1枚の基板に作り込んだ固体光源アレイ(例えばLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、OLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイ、LD(Laser Diode)ディスプレイ等)等が含まれる。なお、周知のプラズマディスプレイ(PDP)の各画素に設けられている蛍光物質を取り除くと、紫外域の光を発光する自発光型画像表示素子となる。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態のリソグラフィシステム110及び露光装置100iによりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
本発明の補正方法及び露光装置は、複数の感光物体の各々に対して連続的又は断続的に露光を行うのに適している。

Claims (16)

  1. 露光装置に順次投入される複数の感光物体各々に対し複数の区画領域を転写形成する際に、前記各感光物体の位置の補正を行う補正方法であって、
    前記露光装置及び前記露光装置に投入された感光物体の少なくとも一方に関連する所定の情報に基づいて、前記各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の理想格子又は所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分を考慮して前記感光物体の位置を補正するために前記露光装置に設けられた補正機能であって、前記露光装置に投入された感光物体上の複数の既成区画領域の配列の検出結果により規定される前記2次元格子の前記理想格子に対する位置誤差の第1の非線形成分に関する情報を抽出し、その抽出結果を、前記各区画領域を転写形成する際のその感光物体の位置を補正するための補正情報として用いる少なくとも1つの第1の補正機能と、前記2次元格子の前記所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分であって予め抽出された第2の非線形成分に関する情報を、前記補正情報として用いる少なくとも1つの第2の補正機能と、を少なくとも含む考慮可能な非線形成分の次数がそれぞれ異なる複数の補正機能の中から、少なくとも1つの機能を選択する選択工程を含み、
    前記所定の情報には、前記露光装置に投入された感光物体上に前記既成区画領域が形成されているか否かを示す情報と、前記各区画領域の転写形成に用いられた露光装置に関する情報との少なくとも一方が含まれている補正方法。
  2. 請求項に記載の補正方法において、
    前記選択工程において、前記第1の補正機能が選択された場合には、
    前記複数の感光物体のうち、最初に前記露光装置に投入される所定数の感光物体に対しては、その感光物体の前記各既成区画領域の位置情報を計測し、その計測結果に基づいて前記第1の非線形成分に関する情報を前記補正情報として抽出し、
    他の感光物体に対しては、その感光物体の前記各既成区画領域の位置情報を計測し、その計測結果に基づく前記第1の非線形成分に関する情報を前記補正情報として抽出するか、過去に前記露光装置に投入された感光物体の前記第1の非線形成分に関する情報を前記補正情報として用いるかを、前記所定の情報に応じて判断することを特徴とする補正方法。
  3. 請求項に記載の補正方法において、
    前記所定数の感光物体に対して、その投入された感光物体上の既成区画領域の位置情報の計測結果に基づいて前記補正情報を求める場合には、
    前記所定の情報に応じて、前記補正情報を、前記第1の非線形成分に関する情報の平均値とするか、今回投入された感光物体の前記各既成区画領域の位置情報の計測結果のみに基づく前記第1の非線形成分に関する情報とするかを判断することを特徴とする補正方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の補正方法において
    記選択工程では、前記露光装置に投入された感光物体上に前記既成区画領域が形成されていなければ、前記第2の補正機能を選択することを特徴とする補正方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の補正方法において、
    前記選択工程において、前記第1の補正機能及び前記第2の補正機能が選択された場合には、前記第1の非線形成分に関する情報に含まれる所定次数以下の第1成分と、前記第2の非線形成分に関する情報に含まれる成分のうち、前記第1成分に相当する成分を除く第2成分とを補正情報として用いて、前記露光装置に投入された前記各感光物体の位置を補正する補正工程をさらに含むことを特徴とする補正方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の補正方法において、
    前記考慮可能な次数が異なる補正機能として、前記2次元格子が有する前記位置誤差の非線形成分を近似して得られる所定次数の項を含む関数を、前記各区画領域を転写形成する際の前記感光物体の位置を補正するための補正情報として用いる少なくとも1つの関数補正機能と、前記2次元格子が有する前記位置誤差の非線形成分に対応する前記各区画領域の非線形成分の集合体である補正マップを、前記補正情報として用いる少なくとも1つのマップ補正機能と;を含むことを特徴とする補正方法。
  7. 請求項に記載の補正方法において、
    前記所定の情報は、前記露光装置に投入された感光物体上の複数の既成区画領域の実測位置情報と、前記関数補正機能を選択した場合に得られる補正情報に基づくその既成区画領域の位置情報との残差をさらに含み、
    前記選択工程では、前記残差が許容値以上である場合には、前記マップ補正機能を選択することを特徴とする補正方法。
  8. 請求項6又は7に記載の補正方法において、
    前記選択工程を行った後、前記補正情報に基づく前記各既成区画領域の位置情報とその実測値との残差が許容範囲内となるまで、前記関数の次数と、位置情報の計測対象となる前記既成区画領域の数及び配置との少なくとも一方を最適化する最適化工程をさらに含むことを特徴とする補正方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の補正方法において、
    前記所定の情報には、前記露光装置に前記感光物体が投入される前後における環境の変化に関する情報と、前記露光装置に投入されてから露光されるまでの前記感光物体の待ち時間に関する情報と、前記感光物体上の複数の既成区画領域の転写形成に用いられた露光装置に関する情報と、前記露光装置に過去に投入された感光物体と今回投入された感光物体との非線形成分の違いに関する情報との少なくとも1つがさらに含まれることを特徴とする補正方法。
  10. 請求項に記載の補正方法において、
    前記環境の変化に関する情報は、前記感光物体の温度変化に関する情報であることを特徴とする補正方法。
  11. 複数の感光物体各々に複数の区画領域を転写形成する露光装置であって、
    投入された感光物体を保持する移動体を有し、その移動体に保持された感光物体に対し前記複数の区画領域の転写形成を行う転写装置と;
    前記転写装置及び前記移動体に保持された感光物体の少なくとも一方に関連する所定の情報に基づいて、前記各区画領域の形成位置の基準となる2次元格子の理想格子又は所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分を考慮して前記感光物体の位置を補正するために設けられた補正機能であって、前記移動体に保持された感光物体上の複数の既成区画領域の配列の検出結果により規定される前記2次元格子の前記理想格子に対する位置誤差の第1の非線形成分に関する情報の前記抽出装置による抽出結果を、前記各区画領域を転写形成する際のその感光物体の位置を補正するための補正情報として用いる少なくとも1つの第1の補正機能と、前記2次元格子の前記所定の基準格子に対する位置誤差の非線形成分であって、予め抽出された第2の非線形成分に関する情報を、前記補正情報として用いる少なくとも1つの第2の補正機能と、を少なくとも含む考慮可能な非線形成分の次数がそれぞれ異なる複数の補正機能の中から、少なくとも1つの機能を選択する選択装置と;
    前記複数の補正機能を有し、前記移動体に保持された感光物体を所定の位置に位置合わせする際に、前記選択装置により選択された補正機能を用いて、前記移動体に保持された感光物体の位置を補正する補正装置と;
    前記移動体に保持された感光物体上の複数の区画領域のうちの任意の区画領域の位置情報の実測値を計測する計測装置と;
    前記移動体に保持された感光物体上の複数の区画領域の配列により規定される前記2次元格子が有する位置誤差の非線形成分に関する情報を前記計測装置の計測結果から抽出する抽出装置と;を備え、
    前記所定の情報には、前記転写装置に投入された感光物体上に区画領域が形成されているか否かを示す情報と、前記各区画領域の転写形成に用いられた露光装置に関する情報との少なくとも一方が含まれている露光装置。
  12. 請求項11に記載の露光装置において、
    前記補正装置は、前記考慮可能な非線形係数の次数が異なる複数の補正機能として、前記2次元格子が有する前記位置誤差の非線形成分を近似して得られる所定次数の項を含む関数を、前記転写装置を用いて前記移動体に保持された感光物体上に前記各区画領域を転写形成する際のその感光物体の位置を補正するための補正情報として用いる少なくとも1つの関数補正機能と、前記2次元格子が有する前記位置誤差の非線形成分に対応する前記各区画領域の非線形成分の集合体である補正マップを、前記補正情報として用いる少なくとも1つのマップ補正機能と;を有することを特徴とする露光装置。
  13. 請求項12に記載の露光装置において、
    前記選択装置により選択された補正機能により用いられる補正情報に基づく前記各区画領域の位置情報と前記計測装置により計測されたその区画領域の位置情報の実測値との残差が許容範囲内となるまで、前記関数の次数と、位置情報の計測対象となる区画領域の数及び配置との少なくとも一方を最適化する最適化装置をさらに備えることを特徴とする露光装置。
  14. 請求項12又は13に記載の露光装置において、
    前記所定の情報には、
    前記計測装置の計測結果により抽出された、前記転写装置に過去に投入された感光物体と今回投入された感光物体との非線形成分の違いに関する情報が含まれることを特徴とする露光装置。
  15. 請求項11〜14のいずれか一項に記載の露光装置において、
    前記所定の情報には、
    前記転写装置に前記感光物体が投入される前後における環境の変化に関する情報と、前記転写装置に投入されてから露光されるまでの前記感光物体の待ち時間に関する情報との少なくとも1つが含まれ、
    前記所定の情報に含まれる少なくとも1つの情報を検出する検出装置を更に備えることを特徴とする露光装置。
  16. 請求項15に記載の露光装置において、
    前記環境の変化に関する情報は、前記感光物体の温度変化に関する情報であることを特徴とする露光装置。
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