JP2001345243A - 評価方法、位置検出方法、露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

評価方法、位置検出方法、露光方法及びデバイス製造方法

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JP2001345243A
JP2001345243A JP2000161323A JP2000161323A JP2001345243A JP 2001345243 A JP2001345243 A JP 2001345243A JP 2000161323 A JP2000161323 A JP 2000161323A JP 2000161323 A JP2000161323 A JP 2000161323A JP 2001345243 A JP2001345243 A JP 2001345243A
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Takahisa Kikuchi
貴久 菊地
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Nikon Corp
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 1ロットの基板を処理するに当たり、基板上
の複数領域の位置を高精度かつ高スループットで検出す
る。 【解決手段】 ロット内のn枚目(n≧2)より前のウ
エハについては、全ショットの位置を検出し、各位置ず
れ量を非線形成分と線形成分とに分離し(ステップ10
8〜112)、その位置ずれ量と評価関数とを用いてウ
エハの非線形歪みを評価し、その評価結果に基づいて決
定された補完関数に基づいて全ショットの位置ずれ量の
非線形成分を算出する(ステップ114〜118)。一
方、n枚目以降のウエハについては、EGAにより位置
ずれ量の線形成分を補正した全ショットの位置座標を算
出する(ステップ120)。そして、その線形成分を補
正した全ショットの位置座標と、上で算出された非線形
成分とに基づいてショットの位置を検出する(ステップ
122)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、評価方法、位置検
出方法、露光方法及びデバイス製造方法に係り、更に詳
しくは、基板の非線形歪みの規則性や程度を評価する評
価方法、該評価方法を利用して基板上に配列された複数
の区画領域の位置を検出する位置検出方法、該位置検出
方法を用いる露光方法、及び該露光方法を用いるデバイ
ス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体素子等のデバイスの製造工
程では、ステップ・アンド・リピート方式、又はステッ
プ・アンド・スキャン方式等の露光装置、ウエハプロー
バ、あるいはレーザリペア装置等が用いられる。これら
の装置では、基板上に規則的(マトリックス状)に配列
された複数のチップパターン領域(ショット領域)の各
々を、基板の移動位置を規定する静止座標系(すなわち
レーザ干渉計によって規定される直交座標系)内の所定
の基準点(例えば、各種装置の加工処理点)に対して極
めて精密に位置合わせ(アライメント)する必要があ
る。
【0003】特に、露光装置では、マスク又はレチクル
(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパター
ンの投影位置に対して基板(半導体ウエハやガラスプレ
ート等)を位置合わせ(アライメント)するに際して、
製造段階のチップでの不良品の発生による歩留りの低下
を防止するため、その位置合わせ精度を常に高精度かつ
安定に維持しておくことが望まれている。
【0004】通常、露光工程では、ウエハ上に10層以
上の回路パターン(レチクルパターン)を重ね合わせて
転写するが、各層間での重ね合わせ精度が悪いと、回路
上の特性に不都合が生じることがある。このような場
合、チップが所期の特性を満足せず、最悪の場合にはそ
のチップが不良品となり、歩留りを低下させてしまう。
そこで、露光工程では、ウエハ上の複数のショット領域
の各々に予めアライメントマークを付設しておき、ステ
ージ座標系上におけるそのマーク位置(座標値)を検出
する。しかる後、このマーク位置情報と既知のレチクル
パターンの位置情報(これは事前測定される)とに基づ
いてウエハ上の1つのショット領域をレチクルパターン
に対して位置合わせ(位置決め)するウエハアライメン
トが行われる。
【0005】ウエハアライメントには大別して2つの方
式があり、1つはウエハ上のショット領域毎にそのアラ
イメントマークを検出して位置合わせを行うダイ・バイ
・ダイ(D/D)アライメント方式である。もう1つ
は、ウエハ上のいくつかのショット領域のみのアライメ
ントマークを検出してショット配列の規則性を求めるこ
とで、各ショット領域を位置合わせするグローバル・ア
ライメント方式である。現在のところ、デバイス製造ラ
インではスループットとの兼ね合いから、主にグローバ
ル・アライメント方式が使用されている。特に現在で
は、例えば特開昭61─44429号公報、特開昭62
─84516号公報などに開示されるように、ウエハ上
のショット配列の規則性を統計的手法によって精密に特
定するエンハンスト・グローバル・アライメント(EG
A)方式が主流となっている。
【0006】EGA方式とは、1枚のウエハにおいて予
め特定ショット領域として選択された複数個(3個以上
必要であり、通常7〜15個程度)のショット領域のみ
の位置座標を計測し、これらの計測値から統計演算処理
(最小二乗法等)を用いてウエハ上の全てのショット領
域の位置座標(ショット配列)を算出した後、この算出
したショット配列に従ってウエハステージをステッピン
グさせていくものである。このEGA方式は計測時間が
短くて済み、ランダムな計測誤差に対して平均化効果が
期待できるという長所がある。
【0007】ここで、EGA方式で行われている統計処
理方法について簡単に説明する。ウエハ上のm(m≧3
なる整数)個の特定ショット領域(サンプルショット)
の設計上の配列座標を(Xn、Yn)(n=1、2、…
…、m)とし、設計上の配列座標からのずれ(ΔXn
ΔYn)について次式(1)で示されるような線形モデ
ルを仮定する。
【0008】
【数1】
【0009】さらに、m個のサンプルショットの各々の
実際の配列座標の設計上の配列座標からのずれ(計測
値)を(Δxn 、Δyn )としたとき、このモデルを当
てはめたときの残差の二乗和Eは次式(2)で表され
る。
【0010】
【数2】
【0011】そこで、この式を最小にするようなパラメ
ータa、b、c、d、e、fを求めれば良い。EGA方
式では、上記の如くして算出されたパラメータa〜fと
設計上の配列座標とに基づいて、ウエハ上の全てのショ
ット領域の配列座標が算出されることになる。以上のよ
うに、EGA方式ではウエハ上のショット配列誤差が線
形であるものとして扱っている、換言すればEGA演算
は線形な1次近似である。従って、EGA方式を用いて
補正できる成分は、ウエハの伸縮、回転等の線形成分の
みである。
【0012】しかし、露光装置間の重ね合せ、又は同一
露光装置においても表面処理などのプロセス工程を経た
各層間における重ね合せでは、ウエハの歪みに非線形的
な成分が生じることがある。その原因としては、前者の
場合、露光装置間におけるウエハの移動位置を規定する
ステージ座標系相互間の誤差などがあり、後者の場合、
プロセス工程がショット配列に歪みを与えることなどが
ある。
【0013】このようにして生じたウエハ上の局所的な
配列誤差変動、すなわち非線形な歪み成分には、EGA
方式により対応することは困難である。
【0014】現状では、このような状況に対し、例えば
特開平5−304077号公報などに詳細に開示される
いわゆる重み付けEGA方式のウエハアライメントによ
り対応することがなされている。ここで、この重み付け
EGA方式について簡単に説明する。
【0015】すなわち、この重み付けEGA方式では、
ウエハ上の複数のショット領域(区画領域)のうち、予
め選択された少なくとも3つのサンプルショットの静止
座標系上における位置座標を計測する。次いで、ウエハ
上のショット領域毎に、当該ショット領域(その中心
点)とサンプルショット(その中心点)の各々との間の
距離に応じて、あるいはショット領域とウエハ上で予め
規定された所定の着目点との間の距離(第1情報)と、
当該着目点とサンプルショットの各々との間の距離(第
2情報)とに応じて、サンプルショットの静止座標系上
における位置座標の各々に重み付けを行い、かつこの重
み付けされた複数の位置座標を用いて統計演算(最小二
乗法、又は単純なる平均化処理等)を行うことにより、
ウエハ上の複数のショット領域の各々の静止座標系上に
おける位置座標を決定する。そして、決定された位置座
標に基づいて、ウエハ上に配列された複数のショット領
域の各々を、静止座標系内の所定の基準位置(例えば、
レチクルパターンの転写位置)に対して位置合わせす
る。
【0016】このような重み付けEGA方式によると、
局所的な配列誤差(非線形な歪み)が存在するウエハで
あっても、サンプルショット数が比較的少なくて済み、
かつ計算量を抑えながら、所定の基準位置に対して全て
のショット領域を高精度、高速にアライメントすること
が可能である。
【0017】ところで、重み付けEGA方式では、上記
公報にも開示されるように、例えば次の式(4)で表さ
れるような重みづけWinを用いて、式(3)で示される
ような残差の二乗和Eiが最小となるようなパラメータ
a、b、c、d、e、fをショット領域毎に求める。
【0018】
【数3】
【0019】上式(4)において、Lknは、対象となる
ショット領域(i番目のショット領域)とn番目のサン
プルショットとの距離である。Sは、重み付けを決定す
るパラメータである。
【0020】あるいは、重み付けEGA方式では、次の
式(6)で表されるような重み付けWin’を用いて、式
(5)で示されるような残差の二乗和Ei’が最小とな
るようなパラメータa、b、c、d、e、fをショット
領域毎に求める。
【0021】
【数4】
【0022】上式(6)において、LEiは、対象となる
ショット領域(i番目のショット領域)と着目点(ウエ
ハセンタ)との距離、LWnは、n番目のサンプルショッ
トと着目点(ウエハセンタ)との距離である。また、式
(4)、(6)におけるパラメータSは、一例として次
式(7)で表される。
【0023】
【数5】
【0024】式(7)において、Bは、重みパラメータ
であり、この重みパラメータBの物理的意味は、ウエハ
上の各ショット領域の位置座標を計算するのに有効なサ
ンプルショットの範囲(以下、単に「ゾーン」と呼ぶ)
である。従って、ゾーンが大きい場合は有効なサンプル
ショットの数が多くなるので、従来のEGA方式で得ら
れる結果に近くなる。逆にゾーンが小さい場合は、有効
なサンプルショットの数が少なくなるので、D/D方式
で得られる結果に近くなる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】現状の露光装置では、
上述した重みパラメータは、5段階(最大ウエハと同じ
サイズ)に設定することが可能であるが、その設定は、
オペレータの経験に基づき、若しくは実験(実際に重ね
合せ露光をし)、又はシミュレーションにより、最適な
領域を設定するという手法が採用されている。すなわ
ち、重みパラメータ(ゾーン)の設定の根拠が明確とな
っていないため、経験則的に決定する他なかった。
【0026】また、重み付けEGA方式では、多数枚の
ウエハを連続的に処理する場合、それらのウエハが同一
のプロセスを経たウエハであっても、全てのウエハに対
して少なくとも選択されたサンプルショットについては
アライメントマークの計測(アライメント計測)を行わ
なければならない。特に、アライメントの計測精度をD
/D方式と同程度に向上させるためには、全点に近いE
GA計測点について計測を行う必要があるが、このよう
な場合にはスループットが低下してしまう。
【0027】さらに、従来、重み付けEGA方式等で
は、EGA計測点の数も、経験則により決定していた。
【0028】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、基板の非線形な歪みを経験則に
よらず、適切に評価することができる評価方法を提供す
ることにある。
【0029】本発明の第2の目的は、経験則によらず、
基板上の複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わ
せに用いられる位置情報を精度良くかつ高スループット
で検出することができる位置検出方法を提供することに
ある。
【0030】本発明の第3の目的は、複数枚の基板を露
光処理するに当たり、露光精度とスループットとをとも
に向上させることができる露光方法を提供することにあ
る。
【0031】本発明の第4の目的は、マイクロデバイス
の生産性を向上させることができるデバイス製造方法を
提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、基板の非線形歪みの規則性や程度を評価する評価方
法であって、基板上の複数の区画領域の各々について、
各区画領域に対応して設けられるマークを検出して所定
の基準位置との位置ずれ量を求める工程と;前記基板上
の着目する区画領域の前記位置ずれ量を示す第1ベクト
ルと、その周囲の複数の区画領域それぞれの前記位置ず
れ量を示す各第2ベクトルとの間の少なくとも方向につ
いての相関を求める評価関数を用いて、前記基板の非線
形歪みの規則性や程度を評価する工程と;を含む。
【0033】これによれば、基板上の複数の区画領域の
各々について、各区画領域に対応して設けられるマーク
を検出して所定の基準位置との位置ずれ量を求める。そ
して、基板上の着目する区画領域の前記位置ずれ量を示
す第1ベクトルと、その周囲の複数の区画領域それぞれ
の前記位置ずれ量を示す各第2ベクトルとの間の少なく
とも方向についての相関を求める評価関数を用いて、基
板の非線形歪みの規則性や程度を評価する。この評価関
数により求められた相関が高い(1に近い)程、その着
目する区画領域とその周囲の区画領域とには、ほぼ同じ
方向の非線形歪みが生じ、相関が低い(0に近い)程、
その着目する区画領域とその周囲の区画領域とには、ラ
ンダムな方向の非線形歪みが生じている。また、複数の
区画領域の中に、計測誤差が他の区画領域に比べて大き
いいわゆる「跳び領域」が含まれている場合を考える
と、その区画領域は周囲の区画領域との相関が殆ど零で
あるから、結果的に上記の評価関数を用いることによ
り、そのような跳び領域の影響を効果的に低減すること
ができる。
【0034】従って、基板の非線形な歪みを経験則によ
らず、適切に評価することが可能となる。また、この評
価結果に基づいて、例えば、EGAあるいは重みづけE
GAにおける計測点(位置情報の計測に用いるマークの
数及び配置の少なくとも一方)を、経験則によらず適切
に決定することができる。なお、位置情報の計測に用い
るマークは、通常、予め選択された基板上の特定の複数
のショット領域(サンプルショット)に対応して設けら
れる。
【0035】この場合において、請求項2に記載の発明
の如く、前記評価関数は、前記第1ベクトルと前記各第
2ベクトルとの間の方向及び大きさについての相関を求
めるための関数であることとしても良い。
【0036】上記請求項1及び2に記載の各発明におい
て、請求項3に記載の発明の如く、前記評価関数を用い
て、前記各区画領域を所定点に位置合わせするのに用い
る位置情報の補正値を決定する工程を更に含むこととす
ることができる。
【0037】上記請求項1〜3に記載の各発明におい
て、請求項4に記載の発明の如く、前記評価関数は、前
記基板上の着目する区画領域を前記基板上のN個(Nは
自然数)の区画領域のそれぞれに順次変更して得られる
前記第1ベクトルとその周囲の複数のショット領域の各
第2ベクトルとの少なくとも方向に関する相関を求める
ためのN個の第1関数の相加平均に相当する第2関数で
あることとすることができる。かかる評価関数によれ
ば、N個の区画領域を含む基板上の領域について、経験
則に頼ることなく、非線形歪みの規則性や程度を評価す
ることができる。特に、N個の区画領域が基板上の全区
画領域に相当する場合には、基板の全体について経験則
に頼ることなく、非線形歪みの規則性や程度を評価する
ことができる。
【0038】請求項5に記載の発明は、基板上の複数の
区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられる
位置情報を検出する位置検出方法において、前記基板上
の複数のマークを検出して得られる実測位置情報を用い
て統計演算により前記位置情報を算出するとともに、前
記基板上の着目する区画領域の所定の基準位置との位置
ずれ量を示す第1ベクトルと、その周囲の複数の区画領
域それぞれの前記基準位置との位置ずれ量を示す各第2
ベクトルとの間の少なくとも方向についての相関を求め
る関数を用いて、前記位置情報の補正値及び該補正値を
決定する補正パラメータの少なくとも一方を決定するこ
とを特徴とする。
【0039】これによれば、基板上の複数のマークを検
出して得られる実測位置情報を用いて統計演算により基
板上の複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせ
に用いられる位置情報を算出する。そして、上記の実測
位置情報に基づいて得られる基板上の着目する区画領域
の所定の基準位置との位置ずれ量を示す第1ベクトル
と、その周囲の複数の区画領域それぞれの基準位置との
位置ずれ量を示す各第2ベクトルとの間の少なくとも方
向についての相関を求める関数を用いて、前記位置情報
の補正値及び該補正値を決定するパラメータの少なくと
も一方を決定する。すなわち、上記関数を用いれば、請
求項1で説明したように、経験則によらず、基板の非線
形歪みを評価することができ、結果的にその関数を用い
て、基板の非線形歪みの程度及び大きさを考慮した前記
位置情報の補正値及び該補正値を決定するパラメータの
少なくとも一方を、経験則によらず、決定することがで
きる。従って、経験則によらず、基板上の複数の区画領
域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられる位置情
報を精度良く検出することができ、しかも実測位置情報
を得るための複数のマークの検出は、基板上の一部のマ
ークについて行えば足りるので、高スループットな検出
が可能である。
【0040】この場合において、請求項6に記載の発明
の如く、前記統計演算によって前記各区画領域の位置誤
差の線形成分が補正されて前記位置情報が算出され、前
記関数によって前記位置誤差の非線形成分が補正される
ように前記補正値が決定されることとすることができ
る。
【0041】上記請求項5及び6に記載の各発明に係る
位置検出方法において、請求項7に記載の発明の如く、
前記実測位置情報は、前記区画領域の設計位置情報に基
づく前記所定点との位置偏差に対応し、前記複数の区画
領域のうち少なくとも3つの特定区画領域でそれぞれ得
られる前記実測位置情報を用いて統計演算を行い、前記
位置情報を導出する変換式のパラメータを算出すること
とすることができる。
【0042】この場合において、請求項8に記載の発明
の如く、前記特定区画領域毎に前記実測位置情報に重み
を与えて前記パラメータを算出するとともに、前記関数
を用いて前記重みを決定することとしても良い。かかる
場合には、重みを経験則によらず、適切に決定すること
ができる。
【0043】上記請求項5及び6に記載の各発明に係る
位置検出方法において、請求項9に記載の発明の如く、
前記実測位置情報は、前記基板の移動位置を規定する静
止座標系上における前記マークの座標値であり、前記位
置情報は、前記各区画領域の前記静止座標系上における
座標値であることとすることができる。
【0044】上記請求項5〜9に記載の各発明に係る位
置検出方法において、請求項10に記載の発明の如く、
前記位置情報の補正値は、前記関数を用いて最適化され
た補完関数に基づいて決定されることとしても良い。
【0045】請求項11に記載の発明は、基板上の複数
の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられ
る位置情報を検出する位置検出方法において、複数枚の
基板でそれぞれ前記区画領域の位置情報を検出するため
に、前記複数枚の基板のうち第2枚目以降の第n枚目の
基板については、該第n枚目の基板上の複数のマークを
検出して得られる、少なくとも3つの特定区画領域での
その設計位置情報に基づく前記所定点との位置偏差に対
応する実測位置情報を用いて統計演算により算出した前
記各区画領域の位置情報の線形成分と、前記第n枚目よ
り前の少なくとも1枚の基板での前記各区画領域の位置
情報の非線形成分とを用いることを特徴とする。
【0046】ここで、「位置情報」とは、各区画領域の
設計値からの位置ずれ量や、所定の基準位置に対する各
区画領域の相対位置(例えば、露光装置の場合のマスク
に対する基板上の区画領域の位置)や、区画領域相互の
中心間距離など、各区画領域の位置に関する情報であっ
て統計処理に適切な情報の全てを含む。
【0047】これによれば、複数枚、例えば、1ロット
の基板でそれぞれ区画領域の位置情報を検出するに当た
り、ロット内の第2枚目以降の第n枚目の基板について
は、該第n枚目の基板上の複数のマークを検出して得ら
れる、少なくとも3つの特定区画領域でのその設計位置
情報に基づく前記所定点との位置偏差に対応する実測位
置情報を用いて統計演算により算出した前記各区画領域
の位置情報の線形成分と、前記第n枚目より前の少なく
とも1枚の基板での前記各区画領域の位置情報の非線形
成分とを用いる。このため、第n枚目の基板について
は、基板上の予め選択された最低3つの特定区画領域の
位置情報を求めるための複数マークの検出を行うだけ
で、複数の区画領域それぞれの位置情報を正確に、かつ
高スループットで検出することが可能になる。特に第n
枚目以降の全ての基板について、第n枚目と同様にし
て、複数の区画領域各々の位置情報を求める場合、最も
スループットを向上することができる。
【0048】この場合において、請求項12に記載の発
明の如く、前記複数の区画領域の各々についての位置情
報の非線形成分は、前記第n枚目より前の少なくとも1
枚の基板についての前記各区画領域の位置情報の計測結
果を所定の評価関数を用いて評価した評価結果から得ら
れる前記基板の非線形歪みの規則性や程度を示す指標に
基づいて最適化された単一の補完関数と、前記第n枚目
より前の少なくとも1枚の基板について求められた前記
各区画領域の位置情報の非線形成分とに基づいて求めら
れることとすることができる。この場合、前述した請求
項1、2及び4に記載の評価関数を用いることができ
る。
【0049】この場合において、請求項13に記載の発
明の如く、前記補完関数は、フーリエ級数展開された関
数である場合、前記評価結果に基づいて前記フーリエ級
数展開の最高次数が最適化されることとすることができ
る。
【0050】上記請求項11に記載の発明において、請
求項14に記載の発明の如く、前記各区画領域について
の前記位置情報の非線形成分は、前記第n枚目より前の
少なくとも1枚の基板上の複数のマークを検出して得ら
れる実測位置情報に重み付けをし、該重み付け後の情報
を用いて統計演算を行って算出した前記各区画領域の位
置情報と、前記基板上の複数のマークを検出して得られ
る実測位置情報を用いて統計演算を行って算出した前記
各区画領域の位置情報との差に基づいて求められること
とすることができる。
【0051】請求項15に記載の発明は、基板上の複数
の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられ
る位置情報を検出する位置検出方法において、複数枚の
基板でそれぞれ前記各区画領域の位置情報を検出するた
めに、前記複数枚の基板のうち第2枚目以降の第n枚目
の基板については、前記第n枚目より前の少なくとも1
枚の基板についての前記各区画領域の前記所定点との位
置偏差に対応する実測位置情報を所定の評価関数を用い
て評価した評価結果から得られる前記基板の非線形歪み
の規則性や程度を示す指標に基づいて前記複数の区画領
域を、予めブロック化し、前記ブロック毎に各ブロック
に属する全ての区画領域の数である第1の数よりも小さ
い第2の数の区画領域についての前記所定点との位置偏
差に対応する実測位置情報を用いて対応するブロックに
属する全ての区画領域の前記位置情報を決定することを
特徴とする。
【0052】これによれば、複数枚、例えば1ロットの
基板でそれぞれ各区画領域の位置情報を検出するに際
し、ロット内の第2枚目以降のn枚目の基板について
は、前記第n枚目より前の少なくとも1枚の基板につい
ての各区画領域の前記所定点との位置偏差に対応する実
測位置情報を所定の評価関数を用いて評価した評価結果
から得られる基板の非線形歪みの規則性や程度を示す指
標に基づいて複数の区画領域を、予めブロック化し、ブ
ロック毎に各ブロックに属する全ての区画領域の数であ
る第1の数よりも小さい第2の数の区画領域についての
前記所定点との位置偏差に対応する実測位置情報を用い
て対応するブロックに属する全ての区画領域の前記位置
情報を決定する。すなわち、第n枚目の基板について
は、評価結果を用いることにより、基板の非線形歪みの
規則性や程度に応じて適切なブロック分けを行い、その
各ブロックに属する第1の数の区画領域を1つの大きな
区画領域と見做して、区画領域毎に前述したダイバイダ
イ方式と同様の手法によりそのブロック内の1又は複数
の区画領域の位置情報(線形成分及び非線形成分を含
む)を検出し、その検出位置情報が1つの場合はその位
置情報を、その検出位置情報が複数の場合はそれらの平
均値を、対応するブロックに属する全ての区画領域の位
置情報とする。従って、従来のダイバイダイ方式に比べ
て、区画領域の位置情報の検出精度を維持しつつ、検出
(実測)に要する時間を短縮することができる。特に、
第n枚目以降の全ての基板について、上記の手法を採用
する場合には、最もスループットを向上させることがで
きる。
【0053】請求項16に記載の発明は、基板上の複数
の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わせに用いられ
る位置情報を検出する位置検出方法において、前記基板
上の複数のマークを検出して得られる実測位置情報に重
み付けをし、該重み付け後の情報を用いて統計演算によ
り前記位置情報を算出するとともに、前記基板上の着目
する区画領域の所定の基準位置との位置ずれ量を示す第
1ベクトルと、その周囲の複数の区画領域それぞれの前
記基準位置との位置ずれ量を示す各第2ベクトルとの間
の少なくとも方向についての相関を求める関数を用い
て、前記重み付けのための重みパラメータを決定するこ
とを特徴とする。
【0054】これによれば、上記関数を用いることによ
り、請求項1で説明したように、経験則によらず、基板
の非線形歪みを評価することができ、結果的にその関数
を用いて、基板の非線形歪みの程度及び大きさを考慮し
た重み付けのための重みパラメータを、経験則によら
ず、決定することができる。従って、経験則によらず、
基板上の複数の区画領域でそれぞれ所定点との位置合わ
せに用いられる位置情報を精度良く検出することがで
き、しかも実測位置情報を得るための複数マークの検出
は、基板上の複数区画領域の一部の区画領域に対応する
マークについて行えば足りるので、高スループットな検
出が可能である。
【0055】請求項17に記載の発明は、基板上の複数
の区画領域を順次露光して各区画領域に所定のパターン
を形成する露光方法において、複数枚の基板を露光処理
するに当たり、前記複数枚の基板の内の第2枚目以降の
第n枚目の基板については、請求項5〜16のいずれか
一項に記載の位置検出方法を用いて、各区画領域の位置
情報を検出し、該検出結果に基づいて前記各区画領域を
露光基準位置に順次移動した後、当該各区画領域を露光
することを特徴とする。
【0056】これによれば、複数枚、例えば1ロットの
基板を露光処理するに当たり、ロット内の第2枚目以降
の第n枚目の基板については、請求項5〜16のいずれ
か一項に記載の位置検出方法を用いて、前記複数の区画
領域それぞれの位置情報を検出するので、基板上の複数
の区画領域の位置情報を精度良く、かつ高スループット
で検出することができる。また、この精度良く検出され
た位置情報を用いて各区画領域を露光基準位置に順次移
動した後、露光を行うので、重ね合せ精度の良好な露光
が可能になる。特に、第n枚目以降の全ての基板に対し
て上記の位置検出方法を適用する場合、最もスループッ
トを向上させることができる。
【0057】請求項18に記載の発明は、リソグラフィ
工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフ
ィ工程では、請求項17に記載の露光方法を用いて露光
を行うことを特徴とする。
【0058】これによれば、リソグラフィ工程で、請求
項17に記載の発明に係る露光方法が用いられるので、
重ね合わせ精度を高精度に維持し、かつ高いスループッ
トで露光が行われる。この結果、より微細な回路パター
ンを重ね合わせ精度良く基板上に形成することが可能に
なり、スループットの向上とあいまって高集積度のマイ
クロデバイスの生産性(歩留まりを含む)を向上させる
ことができる。
【0059】
【発明の実施の形態】《第1の実施形態》以下、本発明
の第1の実施形態を、図1〜図4に基づいて説明する。
【0060】図1には、本発明の一実施形態に係る露光
方法を実施するための露光装置100の概略構成が示さ
れている。この露光装置100は、ステップ・アンド・
スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置10
0は、照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持す
るレチクルステージRST、投影光学系PL、基板とし
てのウエハWが搭載されるウエハステージWST、及び
装置全体を統括制御する主制御系20等を備えている。
【0061】前記照明系10は、例えば特開平10−1
12433号公報などに開示されるように、光源、フラ
イアイレンズ又はロッドインテグレータ(内面反射型イ
ンテグレータ)等からなる照度均一化光学系、リレーレ
ンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダ
イクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成
されている。この照明系10では、回路パターン等が描
かれたレチクルR上のレチクルブラインドで規定された
スリット状の照明領域部分を照明光ILによりほぼ均一
な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、Kr
Fエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外
光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、ある
いはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光
などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ラン
プからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも
可能である。
【0062】前記レチクルステージRST上には、レチ
クルRが、例えば真空吸着により固定されている。レチ
クルステージRSTは、ここでは、磁気浮上型の2次元
リニアアクチュエータから成る不図示のレチクルステー
ジ駆動部によって、レチクルRの位置決めのため、照明
系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一
致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるととも
に、所定の走査方向(ここではY方向とする)に指定さ
れた走査速度で駆動可能となっている。さらに、本実施
形態では、上記磁気浮上型の2次元リニアアクチュエー
タとして、X駆動用コイル、Y駆動用コイルの他にZ駆
動用コイルを含むものを用いているため、レチクルステ
ージRSTをZ方向にも微小駆動可能な構成となってい
る。
【0063】レチクルステージRSTのステージ移動面
内の位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル
干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、
例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。
レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位
置情報はステージ制御系19及びこれを介して主制御系
20に供給される。ステージ制御系19では、主制御系
20からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置
情報に基づいてレチクルステージ駆動部(図示省略)を
介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
【0064】レチクルRの上方には、一対のレチクルア
ライメント系22(但し、紙面奥側のレチクルアライメ
ント系は不図示)が、配置されている。この一対のレチ
クルアライメント系22は、ここでは図示が省略されて
いるが、照明光ILと同じ波長の照明光にて検出対象の
マークを照明するための落射照明系と、その検出対象の
マークの像を撮像するためのアライメント顕微鏡とをそ
れぞれ含んで構成されている。アライメント顕微鏡は結
像光学系と撮像素子とを含んでおり、アライメント顕微
鏡による撮像結果は主制御系20に供給されている。こ
の場合、レチクルRからの検出光をレチクルアライメン
ト系22に導くための不図示の偏向ミラーが移動自在に
配置されており、露光シーケンスが開始されると、主制
御系20からの指令により、不図示の駆動装置により偏
向ミラーはそれぞれレチクルアライメント系22と一体
的に照明光ILの光路外に退避される。
【0065】前記投影光学系PLは、レチクルステージ
RSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの
方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとして
は、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例
えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用さ
れている。このため、照明光学系からの照明光ILによ
ってレチクルRの照明領域が照明されると、このレチク
ルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介
してその照明領域内のレチクルRの回路パターンの縮小
像(部分倒立像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布さ
れたウエハW上に形成される。
【0066】前記ウエハステージWSTは、投影光学系
PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置さ
れ、このウエハステージWST上には、ウエハホルダ2
5が載置されている。このウエハホルダ25上にウエハ
Wが例えば真空吸着等によって固定されている。ウエハ
ホルダ25は不図示の駆動部により、投影光学系PLの
光軸直交面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ投影光
学系PLの光軸AX方向(Z方向)にも微動可能に構成
されている。また、このウエハホルダ25は光軸AX回
りの微小回転動作も可能になっている。
【0067】ウエハステージWSTは、走査方向(Y方
向)の移動のみならず、ウエハW上の複数のショット領
域を前記照明領域と共役な露光領域に位置させることが
できるように、走査方向に直交する非走査方向(X方
向)にも移動可能に構成されており、ウエハW上の各シ
ョット領域を走査(スキャン)露光する動作と、次のシ
ョットの露光開始位置まで移動する動作とを繰り返すス
テップ・アンド・スキャン動作を行う。このウエハステ
ージWSTはモータ等を含むウエハステージ駆動部24
によりXY2次元方向に駆動される。
【0068】ウエハステージWSTのXY平面内での位
置は、その上面に設けられた移動鏡17を介して、ウエ
ハレーザ干渉計システム18によって、例えば0.5〜
1nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実
際には、ウエハステージWST上には、走査方向(Y方
向)に直交する反射面を有するY移動鏡と非走査方向
(X方向)に直交する反射面を有するX移動鏡とが設け
られ、これに対応してウエハレーザ干渉計18もY移動
鏡に垂直に干渉計ビームを照射するY干渉計と、X移動
鏡に垂直に干渉計ビームを照射するX干渉計とが設けら
れているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡17、ウ
エハレーザ干渉計システム18として示されているもの
である。すなわち、本実施形態では、ウエハステージW
STの移動位置を規定する静止座標系(直交座標系)
が、ウエハレーザ干渉計システム18のY干渉計及びX
干渉計の測長軸によって規定されている。以下において
は、この静止座標系を「ステージ座標系」とも呼ぶ。
【0069】ウエハステージWSTのステージ座標系上
における位置情報(又は速度情報)はステージ制御系1
9、及びこれを介して主制御系20に供給される。ステ
ージ制御系19では、主制御系20の指示に応じ、ウエ
ハステージWSTの上記位置情報(又は速度情報)に基
づき、ウエハステージ駆動部24を介してウエハステー
ジWSTを制御する。
【0070】また、ウエハステージWST上のウエハW
の近傍には、基準マーク板FMが固定されている。この
基準マーク板FMの表面は、ウエハWの表面と同じ高さ
に設定され、この表面にはいわゆるベースライン計測用
の基準マーク、及びレチクルアライメント用の基準マー
クその他の基準マークが形成されている。
【0071】投影光学系PLの側面には、オフアクシス
方式のアライメント顕微鏡ASが設けられている。この
アライメント顕微鏡ASとしては、ここでは、例えば特
開平2−54103号公報に開示されているような(Fi
eld Image Alignment(FIA)系)のアライメントセン
サが用いられている。このアライメント顕微鏡ASは、
所定の波長幅を有する照明光(例えば白色光)をウエハ
に照射し、ウエハ上のアライメントマークの像と、対物
レンズ等によってウエハと共役な面内に配置された指標
板上の指標マークの像とを、撮像素子(CCDカメラ
等)の受光面上に結像して検出するものである。アライ
メント顕微鏡ASはアライメントマーク(及び基準板F
M上の基準マーク)の撮像結果を、主制御系20へ向け
て出力する。
【0072】露光装置100には、さらに、投影光学系
PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成する
ための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供
給する不図示の照射光学系と、その結像光束のウエハW
の表面での各反射光束をそれぞれスリットを介して受光
する不図示の受光光学系とから成る斜入射方式の多点フ
ォーカス検出系が、投影光学系PLを支える支持部(図
示省略)に固定されている。この多点フォーカス検出系
としては、例えば特開平5−190423号公報に開示
されるものと同様の構成のものが用いられ、ステージ制
御系19はこの多点フォーカス検出系からのウエハ位置
情報に基づいてウエハホルダ25をZ方向及び傾斜方向
に駆動する。
【0073】主制御系20は、マイクロコンピュータ又
はワークステーションを含んで構成され、装置の構成各
部を統括して制御する。
【0074】次に、上述のようにして構成された本実施
形態の露光装置100により、ウエハWに対して第2層
目(セカンドレイヤ)以降の層の露光処理を行う際の動
作について、主制御系20による制御アルゴリズムを示
す図2のフローチャートに沿って、かつ適宜他の図面を
参照しつつ説明する。
【0075】まず、不図示のレチクルローダにより、レ
チクルステージRST上にレチクルRがロードされ、主
制御系20では、レチクルアライメント及びベースライ
ン計測を行う。具体的には、主制御系20では、ウエハ
駆動装置24を介してウエハステージWST上の基準板
FMを投影光学系PLの直下に位置決めし、レチクルア
ライメント系22を用いてレチクルR上の一対のレチク
ルアライメントマークと基準板FM上の前記一対のレチ
クルアライメントマークにそれぞれ対応するレチクルア
ライメント用の一対の第1基準マークとの相対位置を検
出した後、ウエハステージWSTを所定量、例えばベー
スライン量の設計値だけXY面内で移動して、アライメ
ント顕微鏡ASを用いて基準板FM上のベースライン計
測用の第2基準マークを検出する。このとき、主制御系
20では、このとき得られるアライメント顕微鏡ASの
検出中心と第2基準マークの相対位置関係及び先に計測
したレチクルアライメントマークと基準板FM上の第1
基準マークとの相対位置と、それぞれに対応するウエハ
干渉計18の計測値とに基づいて、ベースライン量(レ
チクルパターンの投影位置とアライメント顕微鏡ASの
検出中心(指標中心)との相対位置関係)を計測する。
【0076】このような一連の準備作業が終了した時点
で、図2のフローチャートが開始する。この図2のフロ
ーチャートは、同一ロット内の複数枚、例えば25枚の
ウエハを処理する場合の主制御系20の制御アルゴリズ
ムを示す。また、前提として、ロット内の全てのウエハ
は同一条件、同一工程で各種処理が施されているものと
する。さらに、前提として、後述するロット内のウエハ
番号(m)を示す不図示のカウンタのカウント値は
「1」に初期設定されている(m←1)ものとする。
【0077】まず、ステップ102において、不図示の
ウエハローダを用いて図1のウエハホルダ25上の露光
処理済みのウエハ(便宜上「W’」と呼ぶ)と未露光の
ウエハWとを交換する。但し、ウエハホルダ25上にウ
エハW’のない場合は、未露光のウエハWをウエハホル
ダ25上に単にロードする。
【0078】次のステップ104では、そのウエハホル
ダ25上にロードされたウエハWのサーチアライメント
を行う。具体的には、例えば、ウエハW中心に関してほ
ぼ対称に周辺部に位置する少なくとも2つのサーチアラ
イメントマーク(以下、「サーチマーク」と略述する)
をアライメント顕微鏡ASを用いて検出する。これらの
2つのサーチマークの検出は、それぞれのサーチマーク
がアライメント顕微鏡ASの検出視野内に位置するよう
に、ウエハステージWSTを順次位置決めしつつ、かつ
アライメント顕微鏡ASの倍率を低倍率に設定して行わ
れる。そして、アライメント顕微鏡ASの検出結果(ア
ライメント顕微鏡ASの指標中心と各サーチマークとの
相対位置関係)と各サーチマーク検出時のウエハ干渉計
18の計測値とに基づいて2つのサーチマークのステー
ジ座標系上の位置座標を求める。しかる後、2つのマー
クの位置座標からウエハW残留回転誤差を算出し、この
回転誤差がほぼ零となるようにウエハホルダ25を微小
回転させる。これにより、ウエハWのサーチアライメン
トが終了する。
【0079】次のステップ106では、前述したカウン
タのカウント値mが、所定の値n以上であるか否かを判
断することにより、ウエハホルダ25(ウエハステージ
WST)上のウエハWが、ロット内の第n枚目以降のウ
エハであるか否かを判断する。ここでは、所定の値nは
2以上で25以下の任意の整数に予め設定される。以下
においては、説明の便宜上から、n=2であるものとし
て説明を行う。この場合、ウエハWはロット先頭(第1
枚目)のウエハであるから、初期設定によりm=1とな
っているので、ステップ106の判断は否定され、次の
ステップ108に進む。
【0080】ステップ108では、ウエハW上の全ての
ショット領域のステージ座標系上における位置座標を計
測する。具体的には、前述したサーチアライメント時に
おける各サーチマークの位置座標の計測と同様にして、
ウエハW上のウエハアライメントマーク(ウエハマー
ク)のステージ座標系上における位置座標、すなわち、
ショット領域の位置座標を求める。但し、ウエハマーク
の検出は、アライメント顕微鏡ASの倍率を高倍率に設
定して行う。
【0081】次のステップ110では、上記ステップ1
08で計測したショット領域の位置座標とそれぞれの設
計上の位置座標とに基づいて特開昭61−44429号
公報等に開示されるような最小自乗法を用いた統計演算
(前述した式(2)のEGA演算)を行い、前述した式
(1)の6つのパラメータa〜f(ウエハW上の各ショ
ット領域の配列に関するローテーションθ、X,Y方向
のスケーリングSx,Sy、直交度Ort、X,Y方向の
オフセットOx、Oyの6つのパラメータに対応)を算
出するとともに、この算出結果とショット領域の設計上
の位置座標とに基づいて、全ショット領域の位置座標
(配列座標)を算出し、その算出結果、すなわちウエハ
W上の全ショット領域の位置座標を内部メモリの所定領
域に記憶する。
【0082】次のステップ112では、ウエハW上の全
てのショット領域について、位置ずれ量の線形成分と非
線形成分とを分離する。具体的には、上記ステップ11
0で算出した各ショット領域の位置座標とそれぞれの設
計上の位置座標との差を位置ずれ量の線形成分として算
出するとともに、前述したステップ108で実際に計測
した全てのショット領域の位置座標とそれぞれの設計上
の位置座標との差から前記線形成分を差し引いた残差を
非線形成分として算出する。
【0083】次のステップ114では、上記ステップ1
12の処理中に算出した全てのショット領域の位置座標
(実測値)とそれぞれの設計上の位置座標との差である
位置ずれ量と、所定の評価関数とに基づいて、ウエハW
の非線形歪みを評価し、この評価結果に基づいて補完関
数(位置ずれ量(配列ずれ)の非線形成分を表現する関
数)を決定する。
【0084】以下、このステップ114の処理につい
て、図3及び図4を参照して詳述する。
【0085】上記のウエハWの非線形歪み、すなわち非
線形成分の規則性及びその度合いを評価するための評価
関数としては、例えば次式(8)で示される評価関数W
1(s)が用いられる。
【0086】
【数6】
【0087】図3には、上式(8)の評価関数の意味内
容を説明するためのウエハWの平面図が示されている。
図3において、ウエハW上には複数の区画領域としての
ショット領域SA(総ショット数N)がマトリクス状配
置で形成されている。各ショット領域内に矢印で示され
るベクトルrk(k=1、2、……、i、……N)は、
各ショット領域の位置ずれ量(配列ずれ)を示すベクト
ルである。
【0088】上式(8)において、NはウエハW内のシ
ョット領域の総数を示し、kはそれぞれのショット領域
のショット番号を示す。また、sは、図3に示される着
目するショット領域SAkの中心を中心とする円の半径
を示し、iは、着目するk番目のショット領域から半径
sの円内に存在するショット領域のショット番号を示
す。また、式(8)中のi∈sが付されたΣは、着目す
るk番目のショット領域SAkから半径sの円内に存在
する全てのショット領域についての総和をとることを意
味する。
【0089】いま、上記式(8)の右辺のかっこ内部分
の関数を次式(9)のように定義する。
【0090】
【数7】
【0091】上式(9)の関数fk(s)の意味すると
ころは、着目するショット領域の位置ずれベクトルrk
(第1ベクトル)と、その周囲(半径sの円内)のショ
ット領域における位置ずれベクトルriが成す角度co
sθikの平均値である。従って、この関数fk(s)の
値が1ならば、半径sの円内の全てのショット領域にお
ける位置ずれベクトルは、全て同じ方向を向いているこ
とになる。0ならば、半径sの円内の全てのショット領
域における位置ずれベクトルはお互いに全くランダムな
方向を向いているということになる。すなわち、関数f
k(s)は、着目するショット領域の位置ずれベクトル
kとその周囲の複数のショット領域の各位置ずれベク
トルriとの方向に関する相関を求めるための関数であ
り、これはウエハW上の部分領域について非線形歪みの
規則性や程度を評価するための評価関数である。
【0092】従って、式(8)の評価関数W1(s)
は、着目するショット領域SAkをショット領域SA1
らSANに順次変更した際の関数fk(s)の加算平均に
他ならない。
【0093】図4には、図3に示されるウエハWに対応
する具体的な評価関数W1(s)の一例が示されてい
る。この図4から明らかなように、評価関数W1(s)
によると、sの値に応じてW1(s)の値が変化するの
で、経験則に頼ることなく、ウエハWの非線形歪みの規
則性や程度を評価することができ、この評価結果を用い
ることにより、次のようにして、位置ずれ量(配列ず
れ)の非線形成分を表現する補完関数を決定することが
できる。
【0094】まず、補完関数として、例えば次式(1
0)、(11)でそれぞれ示されるようなフーリエ級数
展開された関数を定義する。
【0095】
【数8】
【0096】
【数9】
【0097】上式(10)において、Apq、Bpq
pq、Dpqは、フーリエ級数係数であり、また、δ
x(x,y)は、座標(x,y)のショット領域の位置
ずれ量(配列ずれ)の非線形成分のX成分(補完値、す
なわち補正値)を示す。また、Δx(x,y)は、前述
したステップ112で算出された座標(x,y)のショ
ット領域の位置ずれ量(配列ずれ)の非線形成分のX成
分である。
【0098】同様に、上式(11)において、Apq’、
pq’、Cpq’、Dpq’は、フーリエ級数係数であり、
また、δy(x,y)は、座標(x,y)のショット領
域の位置ずれ量(配列ずれ)の非線形成分のY成分(補
完値、すなわち補正値)を示す。また、Δy(x,y)
は、前述したステップ112で算出された座標(x,
y)のショット領域の位置ずれ量(配列ずれ)の非線形
成分のY成分である。また、式(10)、(11)にお
いて、DはウエハWの直径を示す。
【0099】上式(10)、(11)の関数では、ショ
ット領域の位置ずれ量(配列ずれ)の変動がウエハの直
径当たり何周期存在するかを決定するパラメータp、q
の最大値pmax=P、qmax=Qの決定が重要である。
【0100】その理由は、次の通りである。すなわち、
今、ウエハWの全ショット領域について得られたショッ
ト領域の配列ずれの非線形成分を上式(10)、(1
1)で展開することを考える。この場合において、ショ
ット領域の位置ずれ量(配列ずれ)の変動がショット領
域毎に生じているものとして、パラメータp、qの最大
値pmax=P、qmax=Qを1周期がショットピッチとな
る場合に相当する最大値にした場合に、いずれかのショ
ット領域が、アライメント誤差が他のショット領域に比
べて大きい所謂「跳びショット」が含まれている場合を
考える。このような跳びショットは、ウエハマークの崩
れ等に起因する計測エラー、又はウエハ裏面の異物等に
起因する局所的な非線形歪みにより発生するものであ
る。このような場合、その跳びショットの計測結果まで
も含んで補完関数で表現してしまうことになる。これを
防ぐためには、P,Qを1周期がショットピッチとなる
場合に相当する上述した最大値よりも小さな値にする必
要がある。すなわち、跳びショットの計測結果などに起
因する高周波成分は除去し、最適な低周波成分のみを補
完関数で表現することが望ましい。
【0101】そこで、本実施形態では、前述した式
(8)の評価関数W1(s)を用いて、パラメータp、
qの最大値pmax=P、qmax=Qを決定することとし
た。このようにすると、仮に、跳びショットが存在した
としても、その跳びショットと周囲のショット領域との
間には相関は殆どない。従って、その跳びショットの計
測結果は、式(8)で示されるW1(s)の値を増加さ
せる要因にはならないので、結果的に式(8)を用いる
ことにより跳びショットの影響を低減あるいは除去する
ことが可能になる。すなわち、図4において、例えばW
1(s)>0.7であるような半径s内の領域を互いに
相関がある領域とみなし、その領域を1つの補完値で表
現することを考えると、図4より、そのようなsはs=
3である。P,Qはこの値s=3、及びウエハの直径D
を用いて次のように書くことができる。
【0102】 P=D/s=D/3,Q=D/s=D/3 ……(12)
【0103】これにより、最適なP,Qを決定すること
ができ、これにより式(10)、(11)の補完関数を
決定することができる。
【0104】次のステップ118では、上述のようにし
て決定した式(10)、(11)の補完関数に、ステッ
プ112で算出された座標(x,y)のショット領域の
位置ずれ量(配列ずれ)の非線形成分のX成分Δ
x(x,y)、Y成分Δy(x,y)を、それぞれ代入し
て、演算を行うことにより、ウエハW上の全ショット領
域の配列ずれの非線形成分のX成分(補完値、すなわち
補正値)及びY成分(補完値、すなわち補正値)を算出
した後、ステップ122に進む。
【0105】ステップ122では、前述した内部メモリ
内の所定領域に記憶された全ショット領域の配列座標
と、それぞれのショット領域について上記ステップ11
8で算出された位置ずれ量の非線形成分の補正値とに基
づいて、各ショット領域について位置ずれ量(線形成分
及び非線形線分)が補正された重ね合わせ補正位置を算
出するとともに、その重ね合わせ補正位置のデータと、
予め計測したベースライン量とに基づいて、ウエハW上
の各ショット領域の露光のための走査開始位置にウエハ
Wを順次ステッピングさせる動作と、レチクルステージ
RSTとウエハステージWSTとを走査方向に同期移動
させつつレチクルパターンをウエハ上に転写する動作と
を、繰り返して、ステップ・アンド・スキャン方式によ
る露光動作を行う。これにより、ロット先頭(ロット内
の第1枚目)のウエハWに対する露光処理が終了する。
【0106】次のステップ124では、前述したカウン
タのカウント値m>24が成立するか否かを判断するこ
とにより、ロット内の全てのウエハの露光が終了したか
否かを判断する。ここでは、m=1であるから、この判
断は否定され、ステップ126に進んで、カウンタのカ
ウント値mをインクリメント(m←m+1)した後、ス
テップ102に戻る。
【0107】ステップ102において、不図示のウエハ
ローダを用いて図1のウエハホルダ25上の露光処理済
みのロット先頭のウエハとロット内の第2枚目のウエハ
Wとを交換する。
【0108】次のステップ104では、前述と同様にし
て、ウエハホルダ25上にロードされたウエハW(この
場合、ロット内の第2枚目のウエハ)のサーチアライメ
ントを行う。
【0109】次のステップ106では、前述したカウン
タのカウント値mが、所定の値n=2以上か否かを判断
することにより、ウエハホルダ25(ウエハステージW
ST)上のウエハWが、ロット内の第n=2枚目以降の
ウエハであるか否かを判断する。この場合、ウエハWは
ロット内の第2枚目のウエハであるから、m=2となっ
ているので、ステップ106の判断は肯定され、ステッ
プ120に移行する。
【0110】ステップ120では、通常の8点EGAに
より、ウエハW上の全ショット領域位置座標を算出す
る。より具体的には、前述と同様にアライメント顕微鏡
ASを用いて、ウエハW上の予め選択された8つのショ
ット領域(サンプルショット)に付設されたウエハマー
クを計測し、それらのサンプルショットのステージ座標
系上における位置座標を求める。そして、その求めたサ
ンプルショットの位置座標とそれぞれの設計上の位置座
標とに基づいて特開昭61−44429号公報等に開示
されるような最小自乗法を用いた統計演算(前述した式
(2)のEGA演算)を行い、前述した式(1)の6つ
のパラメータを算出するとともに、この算出結果とショ
ット領域の設計上の位置座標とに基づいて、全ショット
領域の位置座標(配列座標)を算出する。そして、その
算出結果を内部メモリの所定領域に記憶した後、ステッ
プ122に進む。
【0111】ステップ122では、前述と同様にして、
ステップ・アンド・スキャン方式により、ロット内の第
2枚目のウエハWに対する露光処理が行われる。この
際、各ショット領域の露光の際の走査開始位置へのウエ
ハWのステッピングに際しては、内部メモリ内の所定領
域に記憶された全ショット領域の配列座標と、それぞれ
のショット領域について先にステップ118で算出され
た位置ずれ量の非線形成分の補正値とに基づいて、各シ
ョット領域について位置ずれ量(線形成分及び非線形成
分)が補正された重ね合わせ補正位置が算出される。
【0112】上記のようにして、ロット内の第2枚目の
ウエハWの露光が終了すると、ステップ124に進み、
ロット内の全てのウエハの露光が終了したか否かを判断
するが、ここにおける判断は否定され、ステップ102
に戻って、以降、ロット内の全てのウエハの露光が終了
するまで、上記ステップ102〜ステップ124の処
理、判断が繰り返し行われる。
【0113】そして、ロット内の全てのウエハの露光が
終了し、ステップ124の判断が肯定されると、本ルー
チンの一連の処理を終了する。
【0114】以上説明したように、本第1の実施形態に
よると、前述したような評価関数の導入によって、経験
則に頼ることなく、明確な根拠に基づいて、ウエハWの
非線形歪みを評価することができる。そして、その評価
結果に基づいてウエハW上の各区画領域の位置ずれ量
(配列ずれ)の非線形成分を算出することができ、この
算出結果とEGAにより求めたショット領域の配列ずれ
の線形成分とに基づいて、各ショット領域の配列ずれ
(線形成分のみならず非線形成分をも)、ひいては重ね
合せ補正位置を正確に求めることができる。従って、上
記各ショット領域の重ね合せ補正位置に基づいて、ウエ
ハW上の各ショット領域の露光のための走査開始位置に
ウエハWを順次ステッピングさせつつ、レチクルパター
ンをウエハW上の各ショット領域に転写することによ
り、ウエハW上の各ショット領域にレチクルパターンを
非常に高精度に重ね合せることができる。
【0115】また、本実施形態では、ロット内の第2枚
目のウエハWの露光に際しては、通常の8点EGAでの
計測結果に基づいてウエハ上のショット領域の配列ずれ
の線形成分を補正するとともに、ショット領域の配列ず
れの非線形成分については、ロット先頭のウエハと第2
枚目のウエハとが同じ非線形成分を持っているものとみ
なして、非線形成分の補正値についてはロット先頭で求
めた値をそのまま使用する。このため、ロット内の全て
のウエハに対して全点EGAを行う場合に比べて、計測
点数の削減により、スループットを向上することができ
る。
【0116】なお、上記実施形態では、ロット内の第2
枚目以降については、8点EGAを行うものとしたが、
EGAの計測点数(アライメントマーク数(通常はサン
プルショット数に対応)は、統計演算で求める未知パラ
メータ(上記実施形態では6つ)の数より多ければ、い
くつでも良いことは勿論である。
【0117】また、例えば、図3中に仮想線で示される
ウエハW上の欠けショット領域SA 1’〜SA4’を考
え、これらの欠けショット領域をも露光する場合を考え
る。この場合、欠けショットの何れにもEGAの計測点
を設定しない場合であっても、本第1の実施形態では、
これらの欠けショットSA1’〜SA4’についても位置
ずれ量の線形成分は勿論非線形成分についても補正が可
能である。
【0118】なお、上記実施形態では、ロット先頭のウ
エハの露光に際して、全ショット領域のウエハマークの
計測結果を用いてEGA演算により算出したショット配
列座標と補完関数に基づいて算出した配列座標の非線形
成分とに基づいて、各ショット領域を走査開始位置へ位
置決めするものとしたが、これに限らず、ステップ10
8で計測した各ショット領域の位置ずれ量の実測値に基
づいて、EGA演算を行うことなく、各ショット領域を
走査開始位置へ位置決めすることとしても良い。
【0119】また、上記実施形態において、nが3以上
の整数に設定されている場合には、ロット内の最初の
(n−1)枚(複数枚)のウエハについては、ステップ
108からステップ118までの処理が、繰り返し行わ
れることとなるが、この際、ステップ118では、第2
枚目からn−1枚目までのウエハについては、全ショッ
ト領域の配列ずれの非線形成分(補正値)を、例えばそ
れまでの各回の演算結果の平均値に基づいて求めること
とすれば良い。勿論、第n枚目(n≧3)以降のウエハ
でも、第(n−1)枚目までの少なくとも2枚のウエハ
でそれぞれ算出される非線形成分(補正値)の平均値を
用いるようにしても良い。
【0120】なお、前述した評価関数は、一例であっ
て、これに限らず、例えば、式(8)の評価関数に代え
て、次の式(13)で示されるような評価関数W
2(s)を用いても良い。
【0121】
【数10】
【0122】この式(13)の評価関数によると、着目
するショット領域の位置ずれベクトルrk(第1ベクト
ル)と、その周囲(半径sの円内)の各ショット領域に
おける位置ずれベクトルri(第2ベクトル)との間の
方向及び大きさについての相関をも求めることができ
る。通常、この式(13)の評価関数W2(s)による
と、上記実施形態に比べて、より正確にウエハの非線形
歪みの規則性やその程度を評価することができる。但
し、この式(13)の評価関数では、大きさをも考慮し
ているが故に、ウエハW上の各ショット領域の位置ずれ
量の発生の状況によっては、却って評価の精度が低下す
ることが、非常に稀ではあるが、起こり得る。
【0123】そのような場合を考慮して、式(8)の評
価関数W1(s)と式(13)の評価関数W2(s)とを
同時に用い、これらの評価関数が共に高い相関を示す
(ともに1に近い)範囲の半径sを求めることにより、
ウエハの非線形歪みを評価することとしても良い。ま
た、この場合、このようにして求めたsを用いて、前述
した補完関数を決定すれば良い。
【0124】なお、上記第1の実施形態におけるステッ
プ114の処理を省略しても良い。すなわち、ステップ
112において分離された位置ずれ量の非線形成分をそ
のまま、ステップ122において、各ショット領域の位
置ずれ量の非線形成分(補正値)として用いても良い。
【0125】また、上記第1の実施形態では、n≧3と
したとき、1〜(n−1)枚目までの複数のウエハ(基
板)の少なくとも1枚で全てのショット領域の座標値を
検出するだけでも良いし、その少なくとも1枚のウエハ
が第1枚目のウエハを含まなくても良い。さらに、上記
第1の実施形態では(n−1)枚目のウエハで座標値
(マーク)が検出されるショット領域は全ショット領域
でなくても良い。特に、ウエハの全面で非線形歪みの傾
向がほぼ揃っていると、ある程度予想されるときは、例
えば1つおきのショット領域について座標値を検出する
だけで良い。また、EGA方式では、アライメントショ
ット領域(全ショット領域又はその内の特定の複数のシ
ョット領域がサンプルショットとして選択されている場
合は、その選択された特定のショット領域)のアライメ
ントマークの座標値を用いるものとしたが、例えばアラ
イメントショット領域毎にその設計上の座標値に従って
ウエハWを移動してレチクルR上のマーク、又はアライ
メント顕微鏡ASの指標マークとの位置ずれ量を検出
し、この位置ずれ量を用いて統計演算によってショット
領域毎に設計上の座標値からの位置ずれ量を算出しても
良いし、あるいはショット領域間のステップピッチの補
正量を算出しても良い。これは、重み付けEGA方式や
後述するショット内多点EGA方式でも同様である。
【0126】すなわち、EGA(重み付けEGA、ショ
ット内多点EGA、ブロック化EGA等を含む)方式で
は、アライメントショット領域の座標値に限らず、アラ
イメントショット領域に関する位置情報であって統計処
理に適切な情報であれば、如何なる情報を用いて統計演
算を行っても良いし、各ショット領域の座標値に限ら
ず、各ショット領域の位置に関する情報であれば、いか
なる情報を算出しても良い。
【0127】さらに、上記第1の実施形態では、EGA
方式を前提に説明を行ったが、EGA方式の代わりに重
み付けEGA方式を用いても良いし、あるいはショット
内多点EGA方式等を用いても良い。なお、ショット内
多点EGA方式は、例えば特開平6−349705号公
報などに開示されており、アライメントショット領域毎
に複数のアライメントマークを検出してX、Y座標をそ
れぞれ複数個ずつ得るようにし、EGA方式で用いられ
るウエハの伸縮、回転等に対応するウエハパラメータの
他に、ショット領域の回転誤差、直交度、及びスケーリ
ングに対応するショットパラメータ(チップパラメー
タ)の少なくとも1つをパラメータとして含むモデル関
数を用いて各ショット領域の位置情報、例えば座標値を
算出するものである。
【0128】これを更に詳述すると、このショット内多
点EGA方式は、基板上に配列された各ショット領域内
の基準位置に対してそれぞれ設計上一定の相対位置関係
で配置された複数個のアライメントマーク(1次元マー
ク、2次元マークのいずれでも良い)がそれぞれ形成さ
れ、これら基板上に存在するアライメントマークの中か
ら所定数のアライメントマークであって、X位置情報の
数とY位置情報の数との和が上記モデル関数に含まれる
ウエハパラメータ及びショットパラメータの総数より多
く、かつ少なくとも同一のアライメントショット領域に
ついて同一方向に複数の位置情報が得られる所定数のア
ライメントマークの位置情報を計測する。そして、これ
らの位置情報を、上記モデル関数に代入し、最小自乗法
等を用いて統計処理することにより、そのモデル関数に
含まれるパラメータを算出し、このパラメータと、各シ
ョット領域内の基準位置の設計上の位置情報及び基準位
置に対するアライメントマークの設計上の相対位置情報
から、各ショット領域の位置情報を算出するものであ
る。
【0129】この場合も、位置情報として、アライメン
トマークの座標値を用いても良いが、アライメントマー
クに関する位置情報であって統計処理に適切な情報であ
れば、如何なる情報を用いて統計演算を行っても良い。
【0130】また、本発明を重み付けEGA方式に適用
する場合は、式(4)又は(6)の重みパラメータSを
前述の評価関数を用いて決定する。具体的には、前述し
た図2のステップ108と同様にして、例えばロット内
の第1枚目のウエハ上の全ショット領域の位置座標の計
測を行い、この計測結果と各ショット領域の設計値との
差を演算することにより、各ショット領域の位置ずれ
量、すなわち位置ずれベクトルを求める。次いで、この
位置ずれベクトルと例えば式(8)の評価関数W
1(s)とに基づいて、ウエハWの非線形歪みを評価
し、例えばW1(s)>0.8であるような半径s内の
領域を互いに相関がある領域とみなし、そのようなsを
求める。そして、このsの値をそのまま、あるいは一定
の係数を乗じて、例えば式(7)のBに代入することに
より、式(4)又は(6)中の重みパラメータS、ひい
ては重み付けWin又はWin’を、経験則によることな
く、決定することができる。
【0131】このようにして重みパラメータS並びに重
み付けWin又はWin’を決定する重み付けEGA方式を
採用する、例えば1ロットのウエハの処理シーケンスと
しては、例えば、次のような2つの処理シーケンスが考
えられる。
【0132】(第1のシーケンス)例えば、ロット先頭
のウエハに対して図2のステップ108、110の処理
を行った後、次のa.〜d.の処理を順次行う。
【0133】a.全ショット領域の位置ずれ量を算出す
る。b.位置ずれ量と上記評価関数を用いて前述のよう
にして重みパラメータSを決定する。c.重みパラメー
タSを用いて重み付けEGA方式により全ショット領域
の配列座標を算出する。d.上記c.で求めた配列座標
(重み付けEGA結果)とステップ110で求めた配列
座標(EGA結果)との差に基づいて全ショット領域の
配列ずれの非線形成分(補正値)のマップ(非線形成分
の補完マップ)を作成する。
【0134】そして、ロット先頭のウエハに対する露光
に際しては、上記の非線形成分の補完マップとステップ
110で求めた配列座標とに基づいて各ショット領域の
重ね合わせ補正位置を算出し、その重ね合わせ補正位置
のデータと予め計測したベースライン量とに基づいて、
ウエハW上の各ショット領域の露光のための走査開始位
置にウエハWを順次ステッピングさせつつ、ステップ・
アンド・スキャン方式の露光を行う。第2枚目以降のウ
エハについては、ステップ120の処理を行い、このス
テップ120の通常の8点EGAの結果と上記の非線形
成分の補完マップとに基づいて、各ショット領域の重ね
合わせ補正位置を算出し、その重ね合わせ補正位置のデ
ータを用いて、上記と同様にしてステップ・アンド・ス
キャン方式の露光を行う。
【0135】この第1のシーケンスによると、上述した
第1の実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0136】(第2のシーケンス)例えば、ロット先頭
のウエハに対して図2のステップ108と同様にして、
全ショット領域の位置座標計測を行った後、全ショット
領域についてその計測結果と設計上の配列座標との差で
ある位置ずれ量を算出する。次に、位置ずれ量と上記評
価関数を用いて前述のようにして重みパラメータSを決
定する。次に、重みパラメータSを用いて重み付けEG
A方式により全ショット領域の配列座標を算出する。そ
して、ロット先頭のウエハに対する露光に際しては、上
記の重み付けEGA方式により算出された全ショット領
域の配列座標を重ね合せ補正位置とし、その重ね合わせ
補正位置のデータと予め計測したベースライン量とに基
づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のための走
査開始位置にウエハWを順次ステッピングさせつつ、ス
テップ・アンド・スキャン方式の露光を行う。
【0137】第2枚目以降のウエハのアライメントに際
しては、ロット先頭のウエハのアライメントの際に決定
した重みパラメータSに基づいて、サンプルショットの
数及び配置を決定し、その決定したサンプルショットの
アライメントマークの位置座標の計測と、その計測結果
に基づいて重み付けEGA方式により各ショット領域の
配列座標を算出する。勿論、この際に、ロット先頭のウ
エハのアライメントの際に決定した重みパラメータSに
応じた重み付けが行われることは言うまでもない。そし
て、算出された配列座標を重ね合わせ補正位置として、
第2枚目以降のウエハに対してステップ・アンド・スキ
ャン方式の露光を行う。
【0138】すなわち、この第2のシーケンスは、従来
の重み付けEGA方式のアライメントに際して、前述し
た評価関数を用いて例えばロット先頭のウエハの非線形
歪みを評価し、その評価結果に基づいて重みパラメータ
Sを、ロット先頭のウエハは勿論、第2枚目以降につい
ても、経験則に頼ることなく、決定するものである。こ
の第2のシーケンスによると、ウエハの非線形歪みの程
度、大きさに応じた適切なサンプルショットの配置と数
とを決定することができるとともに、適切な重み付けを
行うことができるので、従来の重み付けEGA方式を採
用するにもかかわらず、高精度な重ね合わせ露光を、必
要最低限のサンプルショットの設定で実現することが可
能になる。
【0139】《第2の実施形態》次に、本発明の第2の
実施形態を図5に基づいて説明する。この第2の実施形
態は、装置構成等は、前述した第1の実施形態と同一で
あり、主制御系20の制御アルゴリズムが異なるのみで
あるので、以下においては、この相違点を中心として説
明する。
【0140】図5には、本第2の実施形態の露光装置に
より、ウエハWに対して第2層目(セカンドレイヤ)以
降の層の露光処理を行う際、主制御系20による制御ア
ルゴリズムを示すフローチャートが示されている。
【0141】前述した第1の実施形態と同様の手順で、
レチクルロード、レチクルアライメント及びベースライ
ン計測などの一連の準備作業が終了した時点で、図5の
フローチャートが開始する。この図5のフローチャート
は、同一ロット内の複数枚、例えば25枚のウエハを処
理する場合の主制御系20の制御アルゴリズムを示す。
また、前提として、ロット内の全てのウエハは同一条
件、同一工程で各種処理が施されているものとする。さ
らに、前提として、後述するロット内のウエハ番号
(m)を示す不図示のカウンタのカウント値は「1」に
初期設定されている(m←1)ものとする。
【0142】まず、ステップ202において、不図示の
ウエハローダを用いて図1のウエハホルダ25上の露光
処理済みのウエハ(便宜上「W’」と呼ぶ)と未露光の
ウエハWとを交換(あるいは、ウエハホルダ25上にウ
エハW’のない場合は、未露光のウエハWをウエハホル
ダ25上に単にロード)する。
【0143】次のステップ204では、そのウエハホル
ダ25上にロードされたウエハWのサーチアライメント
を、前述した第1の実施形態と同様の手順で行う。
【0144】次のステップ206では、前述したカウン
タのカウント値mが、所定の値n以上であるか否かを判
断することにより、ウエハホルダ25(ウエハステージ
WST)上のウエハWが、ロット内の第n)枚目以降の
ウエハであるか否かを判断する。ここで、所定の値nは
2以上で25以下の任意の整数に予め設定される。以下
においては、説明の便宜上から、n=2であるものとし
て説明を行う。この場合、ウエハWはロット先頭(第1
枚目)のウエハであるから、初期設定によりm=1とな
っているので、ステップ206の判断は否定され、次の
ステップ208に進む。
【0145】ステップ208では、ウエハW上の全ての
ショット領域のステージ座標系上における位置座標を、
前述したステップ108と同様にして計測する。
【0146】次のステップ210では、上記ステップ2
08の計測結果に基づいて、ウエハW上の全てのショッ
ト領域について、位置ずれ量(設計値からの位置ずれ
量)をそれぞれ算出する。
【0147】次のステップ212では、上記ステップ2
10で算出したショット領域毎の位置ずれと評価関数と
を用いて、ウエハWの非線形歪みを評価し、その評価結
果に基づいて、ウエハW上のショット領域を複数のブロ
ックにブロック化する。具体的には、ステップ210で
算出したショット領域毎の位置ずれ量に基づいて、前述
した式(8)の評価関数W1(s)と、式(13)の評
価関数W2(s)とをそれぞれ求め、それぞれの評価関
数が共に例えば0.9〜1となる、半径sの値を求め
る。この半径sに基づき、位置ずれ量(非線形歪み)が
ほぼ似たような傾向を示す相互に隣接するショット領域
の範囲を算出し、この算出結果に基づいて、ウエハW上
の複数のショット領域をブロック化し、ブロック毎のシ
ョット領域の情報を各ブロック内の代表的なショット領
域、例えば各ブロックに属する任意の1つのショット領
域における位置ずれ量の計測値にそれぞれ対応づけて、
内部メモリ内の所定領域に記憶する。
【0148】そして、次のステップ216では、各ブロ
ック内の代表ショット領域の位置ずれ量に基づいて重ね
合わせ露光を行う。具体的には、まず、設計上のショッ
ト領域の位置座標(配列座標)と、各ショット領域が属
するブロック内の代表ショット領域における位置ずれデ
ータとに基づいて、ウエハW上の各ショット領域の重ね
合わせ補正位置を算出する。すなわち、各ブロックに属
するショット領域については、その代表ショット領域に
おける位置ずれデータを共通に用いてブロック内の各シ
ョット領域の設計上の位置座標をそれぞれその位置ずれ
データによって補正して、ウエハW上の各ショット領域
の重ね合わせ補正位置を算出する。そして、その重ね合
わせ補正位置のデータと、予め計測したベースライン量
とに基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露光のた
めの走査開始位置にウエハWを順次ステッピングさせる
動作と、レチクルステージRSTとウエハステージWS
Tとを走査方向に同期移動させつつレチクルパターンを
ウエハ上に転写する動作とを、繰り返して、ステップ・
アンド・スキャン方式による露光動作を行う。これによ
り、ロット先頭(ロット内の第1枚目)のウエハWに対
する露光処理が終了する。
【0149】次のステップ218では、前述したカウン
タのカウント値m>24が成立するか否かを判断するこ
とにより、ロット内の全てのウエハの露光が終了したか
否かを判断する。ここでは、m=1であるから、この判
断は否定され、ステップ220に進んで、カウンタのカ
ウント値mをインクリメント(m←m+1)した後、ス
テップ202に戻る。
【0150】ステップ202において、不図示のウエハ
ローダを用いて図1のウエハホルダ25上の露光処理済
みのロット先頭のウエハとロット内の第2枚目のウエハ
Wとを交換する。
【0151】次のステップ204では、前述と同様にし
て、ウエハホルダ25上にロードされたウエハW(この
場合、ロット内の第2枚目のウエハ)のサーチアライメ
ントを行う。
【0152】次のステップ206では、前述したカウン
タのカウント値mが、所定の値n=2以上であるか否か
を判断することにより、ウエハホルダ25(ウエハステ
ージWST)上のウエハWが、ロット内の第n=2枚目
以降のウエハであるか否かを判断する。この場合、ウエ
ハWはロット内の第2枚目のウエハであるから、m=2
となっているので、ステップ206の判断は肯定され、
ステップ214に移行する。
【0153】ステップ214では、各ブロック内の代表
ショット領域の位置ずれを計測する。具体的には、内部
メモリ内の所定領域に記憶されたブロック化の情報に基
づいて、各ブロックに属するショット領域の内からそれ
ぞれ任意の1つのショット領域を代表ショット領域とし
てそれぞれ選択し、それら各ブロック毎の代表ショット
領域のウエハマークのステージ座標系における位置座標
を検出する。そして、、その検出結果に基づいて各ブロ
ック毎の代表ショット領域のウエハマークの設計上の位
置座標からの位置ずれ量を算出し、この算出結果を用い
て各ブロックの情報と対応付けて内部メモリ内の所定領
域に記憶されている位置ずれ量の計測値を更新した後、
ステップ216に進む。
【0154】なお、このステップ214において、各ブ
ロックに属するショット領域の内から選択される代表シ
ョット領域は、必ずしも1つでなくても、各ブロックに
属するショット領域の総数より少ない数の任意の複数個
のショット領域であっても良い。代表ショット領域とし
て複数個のショット領域を選択する場合には、各ショッ
ト領域のウエハマークの設計上の位置座標からの位置ず
れ量を上述と同様にしてそれぞれ算出し、それらの算出
結果の平均値を用いて各ブロックの情報と対応付けて内
部メモリ内の所定領域に記憶されている位置ずれ量の計
測値を更新することとしても良い。
【0155】ステップ216では、前述と同様にして、
ステップ・アンド・スキャン方式により、ロット内の第
2枚目のウエハWに対する露光処理が行われる。そし
て、ロット内の第2枚目のウエハWの露光が終了する
と、ステップ218に進み、ロット内の全てのウエハの
露光が終了したか否かを判断するが、ここにおける判断
は否定され、ステップ202に戻って、以降、ロット内
の全てのウエハの露光が終了するまで、上記ステップ2
02〜ステップ218の処理、判断が繰り返し行われ
る。
【0156】そして、ロット内の全てのウエハの露光が
終了し、ステップ218の判断が肯定されると、本ルー
チンの一連の処理を終了する。
【0157】以上説明した本第2の実施形態によると、
前述した第1の実施形態と同様に、評価関数の導入によ
って、経験則に頼ることなく、明確な根拠に基づいて、
ウエハWの非線形歪みを評価することができる。そし
て、その評価結果に基づいてウエハW上の各ショット領
域を同様の傾向の歪みが存在するショット領域毎にブロ
ック化し、各ブロック毎に、ブロックを1つの単位とし
て、従来のダイ・バイ・ダイ方式と同様の方式のウエハ
アライメント(以下、便宜上「ブロック・バイ・ブロッ
ク」方式と呼ぶ)を行うので、各ショット領域の配列ず
れを線形成分のみならず非線形成分をも含めてほぼ正確
に求めることができる。従って、上記各ショット領域の
配列ずれに基づいて、ウエハW上の各ショット領域の露
光のための走査開始位置にウエハWを順次ステッピング
させつつ、レチクルパターンをウエハW上の各ショット
領域に転写することにより、ウエハW上の各ショット領
域にレチクルパターンを非常に高精度に重ね合せること
ができる。
【0158】また、本実施形態では、ロット内の第2枚
目以降のウエハWの露光に際しては、ロット先頭のウエ
ハと第2枚目以降のウエハとが同様の傾向の歪みが生じ
るものとして、同一のブロック分けをそのまま用いてブ
ロック毎の代表ショット領域についての位置ずれ量を計
測するのみである。このため、ロット内の全てのウエハ
について全ショット領域の位置計測を行う場合に比べ
て、計測点数の削減により、スループットを向上するこ
とができる。
【0159】なお、上記第2の実施形態では、ロット先
頭のウエハの露光に際して、設計上のショット領域の位
置座標(配列座標)と、各ショット領域が属するブロッ
ク内の代表ショット領域における位置ずれデータとに基
づいて、ウエハW上の各ショット領域の重ね合わせ補正
位置を算出し、算出結果に基づいて、各ショット領域を
走査開始位置へ位置決めするものとしたが、これに限ら
ず、上記のような演算を行うことなく、ステップ210
で算出した各ショット領域の位置ずれ量の算出値に基づ
いて、各ショット領域を走査開始位置へ位置決めするこ
ととしても良い。
【0160】また、上記第2の実施形態において、nが
3以上の整数に設定されている場合には、ロット内の最
初の(n−1)枚(複数枚)のウエハについては、ステ
ップ208からステップ212までの処理が、繰り返し
行われることとなるが、この際、ステップ212では、
第2枚目から第(n−1)枚目までのウエハについて
は、例えばそれまでの各回の評価結果を総合的に勘案し
てショット領域のブロック化を決定することとすれば良
い。また、第(n−1)枚目までのウエハでそれぞれシ
ョット領域のブロック化を決定する必要はなく、少なく
とも1枚のみでブロック化を決定するだけでも良い。
【0161】なお、上記第1及び第2の実施形態では、
ウエハWの非線形歪みを評価するために、ショット領域
毎にアライメントマークを検出してその座標値を求める
ようにしたが、これに限らず、ショット領域毎にその設
計上の座標値にベースライン量を加えた座標値にウエハ
を位置決めした状態でアライメント顕微鏡ASによって
アライメントマークを検出して指標マークとの位置ずれ
量を検出し、この位置ずれ量を用いて前述した非線形歪
みを評価するようにしても良い。さらに、アライメント
顕微鏡ASの代わりにレチクルアライメント系22を用
いて、ショット領域毎にそのアライメントマークとレチ
クルRのマークとの位置ずれ量を検出し、この位置ずれ
量を用いて前述した非線形歪みを評価するようにしても
良い。すなわち、非線形歪みの評価に際しては、マーク
の座標値を必ずしも求める必要はなく、アライメントマ
ーク又はこれに対応するショット領域に関する位置情報
であれば、如何なる情報であっても、これを用いて前述
した非線形歪みを評価することができる。
【0162】この他、上記の評価関数を用いた評価結果
により得られる半径sに基づいて、EGA方式、あるい
は重み付けEGA方式、又はショット内多点EGA方式
におけるEGA計測点数を適切に決定することもでき
る。
【0163】なお、上記各実施形態では、マーク検出系
として、オフアクシス方式のFIA系(結像式のアライ
メント顕微鏡)を用いる場合について説明したが、これ
に限らずいかなる方式のマーク検出系を用いても構わな
い。すなわち、TTR(Through The Reticle)方式、
TTL(Through The Lens)方式、またオフアクシス方
式の何れの方式であっても、更には検出方式がFIA系
などで採用される結像方式(画像処理方式)以外、例え
ば回折光又は散乱光を検出する方式(LSA(Laser St
ep Alignment)系、LIA(Laser interferometric Al
ignment)系などであっても構わない。
【0164】さらに、本発明に係る位置検出方法は、露
光装置においてソフトウェア、ハードウェアのいずれで
実現しても良い。また、本発明は上記各実施形態の如
き、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に限ら
ず、ステップ・アンド・リピート方式、又はプロキシミ
ティー方式の露光装置(X線露光装置等)を始めとする
各種方式の露光装置は勿論、露光装置以外のリペア装
置、ウエハプローバ等に対しても全く同様に適用が可能
である。
【0165】なお、露光装置で用いる露光用照明光(エ
ネルギビーム)は紫外光に限られるものではなく、X線
(EUV光を含む)、電子線やイオンビームなどの荷電
粒子線などでも良い。また、DNAチップ、マスク又は
レチクルなどの製造用に用いられる露光装置でも良い。
【0166】《デバイス製造方法》次に、上述した各実
施形態に係る露光装置及びその露光方法をリソグラフィ
工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について
説明する。
【0167】図6には、デバイス(ICやLSI等の半
導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マ
イクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されて
いる。図6に示されるように、まず、ステップ301
(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計
(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その
機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、
ステップ302(マスク製作ステップ)において、設計
した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、
ステップ303(ウエハ製造ステップ)において、シリ
コン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0168】次に、ステップ304(ウエハ処理ステッ
プ)において、ステップ301〜ステップ303で用意
したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソ
グラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成
する。次いで、ステップ305(デバイス組立ステッ
プ)において、ステップ304で処理されたウエハを用
いてデバイス組立を行う。このステップ305には、ダ
イシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング
工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0169】最後に、ステップ306(検査ステップ)
において、ステップ305で作製されたデバイスの動作
確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工
程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0170】図7には、半導体デバイスの場合におけ
る、上記ステップ304の詳細なフロー例が示されてい
る。図7において、ステップ311(酸化ステップ)に
おいてはウエハの表面を酸化させる。ステップ312
(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形
成する。ステップ313(電極形成ステップ)において
はウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ3
14(イオン打込みステップ)においてはウエハにイオ
ンを打ち込む。以上のステップ311〜ステップ314
それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成し
ており、各段階において必要な処理に応じて選択されて
実行される。
【0171】ウエハプロセスの各段階において、上述の
前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程
が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ3
15(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光
剤を塗布する。引き続き、ステップ316(露光ステッ
プ)において、上で説明した露光装置及び露光方法によ
ってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、
ステップ317(現像ステップ)においては露光された
ウエハを現像し、ステップ318(エッチングステッ
プ)において、レジストが残存している部分以外の部分
の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステ
ップ319(レジスト除去ステップ)において、エッチ
ングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0172】これらの前処理工程と後処理工程とを繰り
返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターン
が形成される。
【0173】以上説明した本実施形態のデバイス製造方
法を用いれば、露光工程(ステップ316)において、
ロット毎のウエハの露光処理に際して、上記実施形態の
露光装置及びその露光方法が用いられるので、レチクル
パターンとウエハ上のショット領域との重ね合わせ精度
を高精度に維持し、かつ高いスループットで露光が行わ
れる。この結果、より微細な回路パターンを重ね合わせ
精度良くウエハ上に転写することが可能になり、スルー
プットの向上とあいまって高集積度のマイクロデバイス
の生産性(歩留まりを含む)を向上させることができ
る。特に、光源にF2レーザ光源等の真空紫外光源を用
いる場合には、投影光学系の解像力の向上とあいまっ
て、例えば最小線幅が0.1μm程度のであってもその
生産性の向上が可能である。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る評価
方法によれば、基板の非線形な歪みを経験則によらず、
適切に評価することができるという効果がある。
【0175】また、本発明に係る位置検出方法による
と、複数枚の基板を処理するに当たり、経験則によら
ず、基板上の複数の区画領域の位置を精度良くかつ高ス
ループットで検出することができるという効果がある。
【0176】また、本発明に係る露光方法によれば、複
数枚の基板を露光処理するに当たり、露光精度とスルー
プットとをともに向上させることができるという優れた
効果がる。
【0177】また、本発明に係るデバイス製造方法によ
れば、マイクロデバイスの生産性を向上させることがで
きるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る露光装置の構成
を概略的に示す図である。
【図2】第1の実施形態の露光装置によりウエハに対し
て第2層目以降の層の露光処理を行う際の主制御系の制
御アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図3】式(8)の評価関数の意味内容を説明するため
のウエハWの平面図である。
【図4】図3に示されるウエハに対応する具体的な評価
関数W1(s)の一例を示す線図である。
【図5】第2の実施形態の露光装置によりウエハに対し
て第2層目以降の層の露光処理を行う際の主制御系の制
御アルゴリズムを示すフローチャートである。
【図6】本発明に係るデバイス製造方法の一実施形態を
説明するためのフローチャートである。
【図7】図6のステップ304の詳細な処理の一例を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
W…ウエハ(基板)、SA…ショット領域(区画領
域)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA03 AA07 AA14 BB01 BB28 CC20 DD00 DD06 FF01 FF04 FF61 GG02 HH04 HH13 JJ03 JJ26 MM02 PP11 QQ13 QQ18 QQ25 QQ34 QQ38 RR02 RR08 UU05 5F046 BA05 DD03 EB05 ED02 FA17 FC04 FC08

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板の非線形歪みの規則性や程度を評価
    する評価方法であって、 基板上の複数の区画領域の各々について、各区画領域に
    対応して設けられるマークを検出して所定の基準位置と
    の位置ずれ量を求める工程と;前記基板上の着目する区
    画領域の前記位置ずれ量を示す第1ベクトルと、その周
    囲の複数の区画領域それぞれの前記位置ずれ量を示す各
    第2ベクトルとの間の少なくとも方向についての相関を
    求める評価関数を用いて、前記基板の非線形歪みの規則
    性や程度を評価する工程と;を含む評価方法。
  2. 【請求項2】 前記評価関数は、前記第1ベクトルと前
    記各第2ベクトルとの間の方向及び大きさについての相
    関を求めるための関数であることを特徴とする請求項1
    に記載の評価方法。
  3. 【請求項3】 前記評価関数を用いて、前記各区画領域
    を所定点に位置合わせするのに用いる位置情報の補正値
    を決定する工程を更に含むことを特徴とする請求項1又
    は2に記載の評価方法。
  4. 【請求項4】 前記評価関数は、前記基板上の着目する
    区画領域を前記基板上のN個(Nは自然数)の区画領域
    のそれぞれに順次変更して得られる前記第1ベクトルと
    その周囲の複数のショット領域の各第2ベクトルとの少
    なくとも方向に関する相関を求めるためのN個の第1関
    数の相加平均に相当する第2関数であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の評価方法。
  5. 【請求項5】 基板上の複数の区画領域でそれぞれ所定
    点との位置合わせに用いられる位置情報を検出する位置
    検出方法において、 前記基板上の複数のマークを検出して得られる実測位置
    情報を用いて統計演算により前記位置情報を算出すると
    ともに、前記基板上の着目する区画領域の所定の基準位
    置との位置ずれ量を示す第1ベクトルと、その周囲の複
    数の区画領域それぞれの前記基準位置との位置ずれ量を
    示す各第2ベクトルとの間の少なくとも方向についての
    相関を求める関数を用いて、前記位置情報の補正値及び
    該補正値を決定する補正パラメータの少なくとも一方を
    決定することを特徴とする位置検出方法。
  6. 【請求項6】 前記統計演算によって前記各区画領域の
    位置誤差の線形成分が補正されて前記位置情報が算出さ
    れ、前記関数によって前記位置誤差の非線形成分が補正
    されるように前記補正値が決定されることを特徴とする
    請求項5に記載の位置検出方法。
  7. 【請求項7】 前記実測位置情報は、前記区画領域の設
    計位置情報に基づく前記所定点との位置偏差に対応し、
    前記複数の区画領域のうち少なくとも3つの特定区画領
    域でそれぞれ得られる前記実測位置情報を用いて統計演
    算を行い、前記位置情報を導出する変換式のパラメータ
    を算出することを特徴とする請求項5又は6に記載の位
    置検出方法。
  8. 【請求項8】 前記特定区画領域毎に前記実測位置情報
    に重みを与えて前記パラメータを算出するとともに、前
    記関数を用いて前記重みを決定することを特徴とする請
    求項7に記載の位置検出方法。
  9. 【請求項9】 前記実測位置情報は、前記基板の移動位
    置を規定する静止座標系上における前記マークの座標値
    であり、前記位置情報は、前記各区画領域の前記静止座
    標系上における座標値であることを特徴とする請求項5
    又は6に記載の位置検出方法。
  10. 【請求項10】 前記位置情報の補正値は、前記関数を
    用いて最適化された補完関数に基づいて決定されること
    を特徴とする請求項5〜9のいずれか一項に記載の位置
    検出方法。
  11. 【請求項11】 基板上の複数の区画領域でそれぞれ所
    定点との位置合わせに用いられる位置情報を検出する位
    置検出方法において、 複数枚の基板でそれぞれ前記区画領域の位置情報を検出
    するために、前記複数枚の基板のうち第2枚目以降の第
    n枚目の基板については、該第n枚目の基板上の複数の
    マークを検出して得られる、少なくとも3つの特定区画
    領域でのその設計位置情報に基づく前記所定点との位置
    偏差に対応する実測位置情報を用いて統計演算により算
    出した前記各区画領域の位置情報の線形成分と、前記第
    n枚目より前の少なくとも1枚の基板での前記各区画領
    域の位置情報の非線形成分とを用いることを特徴とする
    位置検出方法。
  12. 【請求項12】 前記各区画領域についての前記位置情
    報の非線形成分は、前記第n枚目より前の少なくとも1
    枚の基板についての前記各区画領域の位置情報の計測結
    果を所定の評価関数を用いて評価した評価結果から得ら
    れる前記基板の非線形歪みの規則性や程度を示す指標に
    基づいて最適化された単一の補完関数と、前記第n枚目
    より前の少なくとも1枚の基板について求められた前記
    各区画領域の位置情報の非線形成分とに基づいて求めら
    れることを特徴とする請求項11に記載の位置検出方
    法。
  13. 【請求項13】 前記補完関数は、フーリエ級数展開さ
    れた関数であり、前記評価結果に基づいて前記フーリエ
    級数展開の最高次数が最適化されることを特徴とする請
    求項12に記載の位置検出方法。
  14. 【請求項14】 前記各区画領域についての前記位置情
    報の非線形成分は、前記第n枚目より前の少なくとも1
    枚の基板上の複数のマークを検出して得られる実測位置
    情報に重み付けをし、該重み付け後の情報を用いて統計
    演算を行って算出した前記各区画領域の位置情報と、前
    記基板上の複数のマークを検出して得られる実測位置情
    報を用いて統計演算を行って算出した前記各区画領域の
    位置情報との差に基づいて求められることを特徴とする
    請求項11に記載の位置検出方法。
  15. 【請求項15】 基板上の複数の区画領域でそれぞれ所
    定点との位置合わせに用いられる位置情報を検出する位
    置検出方法において、 複数枚の基板でそれぞれ前記各区画領域の位置情報を検
    出するために、前記複数枚の基板のうち第2枚目以降の
    第n枚目の基板については、前記第n枚目より前の少な
    くとも1枚の基板についての前記各区画領域の前記所定
    点との位置偏差に対応する実測位置情報を所定の評価関
    数を用いて評価した評価結果から得られる前記基板の非
    線形歪みの規則性や程度を示す指標に基づいて前記複数
    の区画領域を、予めブロック化し、 前記ブロック毎に各ブロックに属する全ての区画領域の
    数である第1の数よりも小さい第2の数の区画領域につ
    いての前記所定点との位置偏差に対応する実測位置情報
    を用いて対応するブロックに属する全ての区画領域の前
    記位置情報を決定することを特徴とする位置検出方法。
  16. 【請求項16】 基板上の複数の区画領域でそれぞれ所
    定点との位置合わせに用いられる位置情報を検出する位
    置検出方法において、 前記基板上の複数のマークを検出して得られる実測位置
    情報に重み付けをし、該重み付け後の情報を用いて統計
    演算により前記位置情報を算出するとともに、前記基板
    上の着目する区画領域の所定の基準位置との位置ずれ量
    を示す第1ベクトルと、その周囲の複数の区画領域それ
    ぞれの前記基準位置との位置ずれ量を示す各第2ベクト
    ルとの間の少なくとも方向についての相関を求める関数
    を用いて、前記重み付けのための重みパラメータを決定
    することを特徴とする位置検出方法。
  17. 【請求項17】 基板上の複数の区画領域を順次露光し
    て各区画領域に所定のパターンを形成する露光方法にお
    いて、 複数枚の基板を露光処理するに当たり、前記複数枚の基
    板の内の第2枚目以降の第n枚目の基板については、請
    求項5〜16のいずれか一項に記載の位置検出方法を用
    いて、各区画領域の位置情報を検出し、該検出結果に基
    づいて前記各区画領域を露光基準位置に順次移動した
    後、当該各区画領域を露光することを特徴とする露光方
    法。
  18. 【請求項18】 リソグラフィ工程を含むデバイス製造
    方法であって、 前記リソグラフィ工程では、請求項17に記載の露光方
    法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方
    法。
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