JP2005116580A - 位置検出装置及び方法、露光装置及び方法、並びにデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウエハマークの位置検出時間の短縮を図る。
【解決手段】過去の露光処理工程において、ウエハマークを検出したときのアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの位置と、その位置で検出されたウエハマークのアライメント精度との対応関係の履歴情報に基づいて、ウエハWとアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの基準位置が算出される。そして、その基準位置を基準とする所定範囲内の中から、ウエハマークを検出するときのアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの位置が決定され、その位置でウエハマークが検出される。今回のアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの位置とウエハマークの位置情報の検出精度との対応関係は、新たに記憶装置140の履歴情報テーブルに登録される。
【選択図】図1

Description

本発明は、位置検出装置及び方法、露光装置及び方法、並びにデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、物体上に形成されたマークの二次元平面内の位置情報を検出する位置検出装置及び方法、前記位置検出装置を備える露光装置及び前記位置検出方法を含む露光方法、並びにリソグラフィ工程で前記露光装置及び方法を用いるデバイス製造方法に関する。
従来より、半導体素子、液晶表示素子等のマイクロデバイスを製造するリソグラフィ工程では、種々の露光装置が用いられている。近年では、例えば半導体露光装置としては、フォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成された微細なパターンをフォトレジスト等の感光剤が塗布された物体としての半導体ウエハやガラスプレート等の感光物体(以下、「ウエハ」と総称する)上に投影光学系を介して転写する、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)や、このステッパに改良を加えたステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ)等の投影露光装置が、主として用いられている。
半導体素子等を製造する場合には、異なる回路パターンをウエハ上に幾層にも積み重ねて形成するため、上述の投影露光装置では、ウエハ上の各ショット領域に既に形成されているパターンに対して、レチクル上に形成されている回路パターンを正確に重ね合わせて転写可能であることが要求される。そのため、投影露光装置では、前述の転写を行う前に、投影光学系の光軸方向に垂直な二次元平面に関するレチクルとウエハとの位置合わせ(アライメント)を実行している。そして、このアライメントの精度に対する要求は、半導体素子等の回路パターンの微細化とともにさらに厳しくなってきており、上述のアライメントを高精度化するために様々な工夫がなされている。
上述のアライメントを実行するため、投影露光装置では、その投影光学系の光軸方向に垂直な二次元平面に関するウエハの位置検出を実行する必要がある。ウエハの位置検出は、ウエハ上に形成された位置合わせマーク(アライメントマーク)を検出することにより実行される。このアライメントマークを検出するウエハアライメント検出系(位置検出系)としては、種々の方式のものが知られている。最近では、例えばハロゲンランプ等の光源から発する波長帯域幅の広い光でアライメントマークを照明する照明光学系と、CCDカメラなどで撮像したアライメントマークの画像データを画像処理してマーク位置を計測するFIA(Field Image Alignment)系の検出光学系とを有するオフアクシス・アライメント検出系(露光位置と異なる位置に検出光学系が配置された検出系)などが比較的多く用いられている。このFIA系のアライメント検出系は、レジスト層による薄膜干渉の影響を受けずにアライメントマークを検出することができるうえ、そのアライメントマークがアルミマークや非対称マーク等であったとしても高精度な位置検出が可能であるというような様々な利点を有している。
また、上述のアライメントを実行するためには、上記ウエハの位置検出とともに、前述の二次元平面に関するレチクルの位置検出も実行する必要がある。レチクルの位置検出は、ウエハの位置検出と同様に、レチクルに形成された位置合わせマーク(アライメントマーク)を検出することにより行われるが、この場合には、検出光束として露光光を用いるものが一般的である。例えば、露光光をレチクル上に形成されたアライメントマークに照射し、CCDカメラなどで撮像したアライメントマークの画像データを画像処理してマーク位置を計測するVRA(Visual Reticle Alignment)方式のセンサなどが知られている。
上述の光学式アライメントセンサを用いたレチクル及びウエハのアライメントは、概略以下の手順で実行される。まず、レチクル上のアライメントマークの像を、投影光学系を介して得られるウエハステージ上の基準マークの像と同時にVRAセンサで検出する。これにより、レチクル上のアライメントマークとウエハステージとの前述の2次元平面内の位置関係が明らかとなる。次に、ウエハステージを移動させて、FIA系のセンサでウエハステージ上の基準マークを検出し、その検出結果に基づいてオフアクシス・アライメント検出系の検出中心とレチクルパターンの投影中心との距離であるベースラインを求める。
しかる後、ウエハ上のアライメントマークをFIA系のセンサで検出し、その検出結果とそのときのウエハステージの位置座標とに基づいて、所定の演算処理を行い、ウエハ上の各ショット領域の位置座標を求める。そして、上記のアライメントの結果とベースラインとに基づいて、レチクル(レチクルステージ)とウエハ(ウエハステージ)との相対位置関係を制御し、ステップ・アンド・リピート方式又はステップ・アンド・スキャン方式で露光動作を実行することにより、ウエハ上の各ショット領域にレチクルのパターンを順次重ね合せて転写する。
ところで、物体(ウエハ等)上に形成されたアライメントマークの二次元平面内の位置を、上述したようなアライメント検出系を用いて精度良く検出するためには、そのアライメントマークと位置検出系との相対間隔を適切なフォーカス状態となる間隔(フォーカス位置)としたうえで、アライメントマークの検出を行う必要がある。
したがって、従来では、例えば、ウエハステージ上などに設けられた基準マークの検出光学系の光軸方向(高さ方向)位置を変化させながら、その基準マークを、位置検出系を用いて繰り返し撮像し、その撮像結果として光軸方向の位置毎に得られる撮像信号のうちの例えばコントラストが最大となる撮像信号に対応する基準マークの光軸方向位置を位置検出系のベストフォーカス位置として検出している(例えば、特許文献1参照。)。この場合、使用する基準マーク及びその基準マークの用い方により、このベストフォーカス位置は、位置検出系に対してただ一つ決まるガウス像面と一致させることができる。
以上述べたように、従来では、位置検出系のベストフォーカス位置を求めるためには、位置検出系とマークとのその光軸方向(高さ方向)の相対位置関係を変化させながら、位置検出系を用いて基準マークを繰り返し検出する工程が必要であった。かかる工程は、スループットの向上が求められる露光装置では、必ずしも望ましいものではない。
したがって、上述のような工程を省略し、シミュレーションによって算出された設計上の位置検出系のベストフォーカス位置を検出の際のフォーカス位置として常に用いることも考えられるが、実際の露光装置とシミュレーション上とのベストフォーカス位置には誤差が存在する。また、その誤差が装置の運用開始当初には小さかったとしても、例えば検出光学系等の経時変化等により位置検出系のベストフォーカス位置が変動するようになるため、定期的、例えば所定枚数処理毎に、位置検出系のベストフォーカス位置を求めるための上述の繰り返し工程を実行する必要があった。
特開2002−134380号公報(第11頁−第29頁、第1図〜第4図)
本発明は、かかる事情の下になされたものであり、その第1の目的は、マークの位置情報の検出精度を保ちつつ、位置検出時間の短縮化を図ることができる位置検出装置及び方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、露光精度を維持しつつ、スループットの向上を図ることができる露光装置及び方法を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、マイクロデバイスの生産性を向上することができるデバイス製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、二次元平面に位置決めされる物体上に形成された少なくとも1つのマークの前記二次元平面内における位置情報を、検出光学系を有する位置検出系(AS)によって検出する位置検出装置であって、前記検出光学系の光軸方向におけるマークと前記位置検出系との間のそのマーク検出時の相対間隔に関する情報である相対間隔情報と、検出されたそのマークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報を記憶する記憶装置(140)と;前記記憶装置に記憶されている前記対応関係の履歴情報に基づいて、前記位置検出系で前記マークを検出する際の基準となる前記相対間隔である基準間隔情報を算出する基準間隔情報算出装置(20)と;前記基準間隔情報を基準として所定範囲内で変動させた前記相対間隔の目標間隔情報を求める目標間隔情報算出装置(20)と;前記相対間隔を前記目標間隔情報に基づいて設定した上で、前記位置検出系によって前記マークの前記位置情報を検出する検出装置(20)と;前記検出装置で検出された前記マークの位置情報の検出精度を評価する評価装置(例えば20)と;前記目標間隔情報と前記評価装置において評価された前記検出精度との対応関係の情報を、前記記憶装置に記憶されている履歴情報に登録することによって前記履歴情報を更新する更新装置(20)と;を備える位置検出装置である。
これによれば、基準間隔情報算出装置により、記憶装置に記憶されている、マークと位置検出系との間のマーク位置の検出時の検出光学系の光軸方向に関する相対間隔情報とマークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係の履歴情報に基づいて、位置検出系でマークを検出する際の基準となる基準間隔情報が算出される。また、目標間隔情報算出装置により、前記算出された基準間隔情報を基準として所定範囲内で変動させた相対間隔の目標間隔情報が求められる。そして、検出装置により、前記相対間隔を、求めた目標間隔情報に基づいて設定した上で、位置検出系を用いてマークの二次元平面内における位置情報が検出される。
したがって、本発明の位置検出装置によれば、過去にマークを検出したときの検出光学系の光軸方向に関するマークと位置検出系との間の相対間隔に関する情報である相対間隔情報と、そのマーク検出時に検出されたマークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報に基づいて、マークと位置検出系との間の目標間隔情報を決定することができる。そのため、例えば、本発明の位置検出装置を露光装置に適用した場合、物体上に設けられたマークと位置検出系との光軸方向の相対間隔を変化させながら、位置検出系を用いてそのマークを繰り返し撮像し、その撮像結果に基づいて、マークと位置検出系との間の目標間隔を求める工程を定期的に行なわなくても、マークの位置情報の検出精度を保つことができるうえ、前述の工程を行う必要がなくなるため、マークの位置検出に要する時間を短縮できるようになる。
また、評価装置により、検出装置で検出されたマークの位置情報の検出精度が評価され、更新装置により、目標間隔情報と評価装置により評価された検出精度との対応関係の情報が記憶装置に記憶されている履歴情報に登録され、履歴情報が更新される。このため、次に、マークを検出する際には、この更新後の履歴情報に基づいて、基準間隔情報が算出され、その算出された基準間隔情報を基準として前記目標間隔情報が求められ、該目標間隔情報に基づいて前記相対間隔を設定した状態で検出装置によりマークの位置情報が検出されることとなる。したがって、前述の目標間隔を求めるために位置検出系とマークとの光軸方向の相対位置関係を変化させながら、位置検出系を用いてマークを繰り返し検出する工程を行うことなく、位置検出精度を良好に維持したマーク位置の検出が可能となる。
また、請求項1に記載の位置検出装置によれば、マークを検出する際の焦点ずれを検出する焦点位置検出系が不要となり、その分、位置検出系を小型化することができる。
この場合、請求項2に記載の位置検出装置のごとく、前記基準間隔情報算出装置は、前記履歴情報に登録された所定数の前記対応関係の情報に基づいて前記基準間隔情報を算出することとすることができる。
上記請求項1又は2に記載の位置検出装置において、請求項3に記載の位置検出装置のごとく、前記基準間隔情報算出装置は、前記履歴情報に含まれる前記対応関係のうち、最近登録されたものであればあるほど、前記基準間隔情報の算出の際の重みを重く設定することとすることができる。
かかる場合には、マークと検出光学系との相対間隔とマーク検出精度との対応関係に関するデータが最近のものであればあるほど、基準間隔情報算出装置により算出される基準間隔情報に対する寄与度が高くなるため、その対応関係の特性が経時変化するものであっても、その経時変化に対応した基準間隔情報を算出することができるようになる。
上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項4に記載の位置検出装置のごとく、前記目標間隔情報算出装置は、前記所定範囲内において、前記基準間隔情報を基準とする所定の確率分布に基づいてランダム及び規則的のいずれか一方で選択された相対間隔情報を、前記目標間隔情報として決定することとすることができる。
前述の如く、過去にマークを検出したときの検出光学系の光軸方向におけるマークと位置検出系との間の相対間隔に関する情報である相対間隔情報と、そのマーク検出時に検出されたマークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報に基づいて基準間隔情報を算出する場合、その基準間隔情報を精度良く算出するためには、履歴情報に含まれる相対間隔情報を1つだけでなく、ある程度の範囲に分布する間隔における情報とすることが必要となる。そのため、請求項4に記載の発明のように、相対間隔情報を、基準間隔情報を基準とする確率分布内でランダム又は規則的に所定範囲内に分布する情報とするのが望ましい。
また、上記請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置検出装置において、請求項5に記載の位置検出装置のごとく、前記目標間隔情報算出装置は、前記基準間隔情報から所定距離の倍数の距離だけ離れた相対間隔情報のうちのいずれか1つの相対間隔情報の中から、前記目標間隔情報を決定することとすることができる。
請求項6に記載の発明は、マスク上に形成されたパターンを、投影光学系を介して、感光物体上に転写する露光装置であって、前記感光物体上に形成された少なくとも1つのマークの位置情報を検出する請求項1〜5のいずれか一項に記載の位置検出装置と;前記マークの位置情報に基づいて、前記感光物体の位置を制御しながら前記感光物体上に前記パターンを転写する転写装置と;を備える露光装置である。
これによれば、請求項1〜5のいずれか一項に記載の位置検出装置を用いてマークの位置情報を、その検出精度を保ちつつ短時間で検出することができるので、露光精度を保ちつつスループットの向上を図ることができる。
請求項7に記載の発明は、二次元平面に位置決めされる物体(W)上に形成された少なくとも1つのマークの前記二次元平面内における位置情報を、検出光学系を有する位置検出系(AS)によって検出する位置検出方法であって、前記検出光学系の光軸方向における前記マークと前記位置検出系との間の相対間隔に関する相対間隔情報であって、前記検出光学系で前記マークを検出する際の基準となる基準間隔情報を、マーク検出時における前記相対間隔情報と、そのマーク検出時に検出された前記マークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報に基づいて求める第1工程と;前記基準間隔情報を基準として所定範囲内で変動させた前記相対間隔の目標間隔情報を求める第2工程と;前記相対間隔を前記目標間隔情報に基づいて設定した上で、前記位置検出系によって前記マークの前記位置情報を検出する第3工程と;前記第3工程で検出された前記マークの位置情報の検出精度を評価する第4工程と;前記目標間隔情報と前記第4工程において評価された前記検出精度との対応関係の情報を、前記履歴情報に登録することによって前記履歴情報を更新する第5工程と;を含む位置検出方法である。
これによれば、過去にマークを検出したときの位置検出系の光軸方向におけるマークと位置検出系との間の相対間隔に関する情報である相対間隔情報と、そのマーク検出時に検出されたマークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報に基づいて、マークと位置検出系との間の目標間隔を決定することができる。そのため、例えば、本発明の位置検出方法を露光方法に適用した場合、例えば定期的に、物体上に設けられたマークと位置検出系との光軸方向の相対間隔を変化させながら、位置検出系を用いてそのマークを繰り返し撮像し、その撮像結果に基づいて、マークと位置検出系との間の目標間隔を求める工程が不要となり、マークの検出精度を保ちつつ、マークの位置検出に要する時間を短縮できるようになる。
この場合、請求項8に記載の位置検出方法のごとく、前記第1工程では、前記履歴情報に登録された所定数の前記対応関係の情報に基づいて前記基準間隔情報を算出することとすることができる。
上記請求項7又は8に記載の位置検出方法において、請求項9に記載の位置検出方法のごとく、前記第1工程では、前記履歴情報に含まれる前記対応関係のうち、最近登録されたものであればあるほど、前記基準間隔情報の算出の際の重みを重く設定することとすることができる。
これによれば、マークと検出光学系との相対間隔とマーク検出精度との対応関係に関するデータが最近のものであればあるほど、算出される基準間隔情報に対する寄与度が高くなるため、その対応関係の特性が経時変化するものであっても、その経時変化により対応した基準間隔情報を算出することができるようになる。
上記請求項7〜9のいずれか一項に記載の位置検出方法において、請求項10に記載の位置検出方法のごとく、前記第2工程では、前記所定範囲内において、前記基準間隔情報を基準とする所定の確率分布に基づいてランダム及び規則的のいずれか一方で選択された相対位置間隔情報を、前記目標間隔情報として決定することとすることができる。
前述の如く、過去にマークを検出したときの検出光学系の光軸方向におけるマークと位置検出系との間の相対間隔に関する情報である相対間隔情報と、そのマーク検出時に検出されたマークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報に基づいて基準間隔情報を算出する場合、その基準間隔情報を精度良く算出するためには、履歴情報に含まれる相対間隔情報を1つだけでなく、ある程度の範囲に分布する間隔における情報とすることが必要となる。そのため、相対間隔情報を、基準間隔情報を基準とする確率分布内でランダム又は規則的に所定範囲内に分布する情報とするのが望ましい。
この場合、請求項11に記載の位置検出方法のごとく、前記所定の確率分布は、所定値を標準偏差とする正規分布であることとすることができる。
上記請求項7〜9のいずれか一項に記載の位置検出方法において、請求項12に記載の位置検出方法のごとく、前記第2工程では、前記基準間隔情報から所定距離の倍数の距離だけ離れた相対間隔情報のうちのいずれか1つの相対間隔情報の中から、前記目標間隔情報を決定することとすることができる。
上記請求項7〜12のいずれか一項に記載の位置検出方法において、請求項13に記載の位置検出方法のごとく、前記第4工程では、前記マークの位置情報に基づいて前記物体上に形成された複数のマークの整列度によって前記マークの位置情報の検出精度を評価することとすることができる。
この場合、請求項14に記載の位置検出方法のごとく、前記第1工程では、前記マークの整列度のランダム成分が最小となるように、前記履歴情報に基づいて前記基準間隔情報を求めることとすることができる。
上記請求項7〜12のいずれか一項に記載の位置検出方法において、請求項15に記載の位置検出方法のごとく、前記第4工程では、前記物体上に形成された所定のマークと、その所定のマークを前記物体上に形成する前に既に前記物体上に形成されていたマークとの位置関係を測定し、その測定結果に基づいて、前記マークの位置情報の検出精度を評価することとすることができる。
この場合、請求項16に記載の位置検出方法のごとく、前記第1工程では、前記位置関係が最良となるように、前記履歴情報に基づいて前記基準間隔情報を求めることとすることができる。
これによれば、第1工程において、マーク間の位置関係の精度が向上するように基準間隔情報が求められるようになるので、マーク間の相対位置関係の精度を向上させることが可能となる。
上記請求項7〜16のいずれか一項に記載の位置検出方法において、請求項17に記載の位置検出方法のごとく、前記第2工程で使用する前記所定範囲は、前記第4工程で評価された前記検出精度に基づいて決定されることとすることができる。
マーク検出精度が良好になれば、第1工程で算出される基準間隔情報は、マークと位置検出系との相対間隔の最適値近傍を示すようになる。したがって、このような状態では、目標間隔情報の取りうる所定範囲をさらに狭めて、目標間隔情報をできるだけ基準間隔情報近傍の値とすれば、マークの検出精度をさらに高めることが可能となる。
上記請求項7〜17のいずれか一項に記載の位置検出方法において、請求項18に記載の位置検出方法のごとく、前記物体は基板であり、n枚目の基板に対して前記第1工程で求められた前記基準間隔情報と、n+1枚目の基板に対して前記第1工程で求められた前記基準間隔情報との差分が所定値内に収束した場合には、前記第2工程で使用する前記所定範囲を狭めることとすることができる。
n枚目の基板上のマークを検出したときの基準間隔情報と、n+1枚目の基板上のマークを検出したときの基準間隔情報との差分の値が小さくなるということは、マークと位置検出系との相対間隔の最適値近傍に基準間隔情報が収束していっていることを示している。したがって、その差分が所定値内に収束した場合、すなわち、マークと位置検出系との相対間隔の最適値近傍に、基準間隔情報が十分収束しているとみなせる場合には、目標間隔情報の取りうる範囲である所定範囲が狭められるようになる。そのため、目標間隔情報が、マークと位置検出系との相対間隔の最適値に近づくようになり、マークの検出精度をさらに高めることが可能となる。
上記請求項7〜18のいずれか一項に記載の位置検出方法において、請求項19に記載の位置検出方法のごとく、前記相対間隔は、前記物体を前記光軸方向に移動することにより設定され、前記相対間隔に関する情報、前記基準間隔情報、前記目標間隔情報は、前記物体の前記光軸方向における位置を示すこととすることができる。
請求項20に記載の発明は、マスク(R)上に形成されたパターンを、投影光学系(PL)を介して、感光物体(W)上に転写する露光方法であって、前記感光物体上に形成された少なくとも1つのマークの位置情報を、請求項7〜19のいずれか一項に記載の位置検出方法を用いて検出する工程と;前記マークの位置情報に基づいて、前記感光物体の位置を制御しながら前記感光物体上に前記パターンを転写する露光工程と;を含む露光方法である。
これによれば、請求項7〜19のいずれか一項に記載の位置検出方法を用いてマークの位置情報を検出する。そのため、感光物体上のマークの位置を検出するのに要する時間をその検出精度を保ちながら短縮することができるので、露光精度を保ちつつスループットの向上を図ることができる。
この場合、請求項21に記載の露光方法のごとく、前記位置検出系は、前記投影光学系を介さずに前記マークを検出するオフアクシスタイプの検出系であり、前記投影光学系の投影視野内における所定位置と前記位置検出系の検出光学系の検出視野内における所定の検出位置との間の距離であるベースラインと、前記相対間隔との対応関係を示すベースライン変化情報を記憶し、前記露光工程では、前記ベースライン変化情報を用いて前記感光物体の位置を制御することとすることができる。
請求項22に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程では、請求項6に記載の露光装置(100)を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。
請求項23に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程では、請求項20又は21に記載の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法である。
請求項22又は23に記載の発明によれば、請求項6に記載の露光装置又は請求項20又は21に記載の露光方法を用いて露光を行うことにより、露光精度を保ちつつスループットの向上を図ることができるので、高集積度のデバイスの生産性を向上することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
図1には、本発明の位置検出方法及び露光方法を実施するのに好適な露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。この露光装置100は、照明系10、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、物体(感光物体、及び基板)としてのウエハWが搭載されるウエハステージWST、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを制御するステージ制御系19、並びに装置全体を一括制御する主制御系20等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開平6−349701号公報などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及びダイクロイックミラー等(いずれも不図示)を含んで構成されている。オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッド(内面反射型)インテグレータ、あるいは回折光学素子などが用いられる。この照明系10は、不図示のレチクルブラインドで規定されX軸方向(図1における紙面内左右方向)に細長く延びるレチクルR上のスリット状の照明領域部分を、照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの遠紫外光、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)あるいはF2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光などが用いられる。照明光ILとして、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線等)を用いることも可能である。
前記レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンPAが形成されたレチクルRが、例えば真空吸着等により固定されている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ及びボイスコイルモータ等のアクチュエータを含むレチクルステージ駆動部12によって、照明系10の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能であるとともに、所定の走査方向(ここでは図1における紙面直交方向であるY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのステージ移動面における位置は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)16によって、移動鏡15を介して、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計16からのレチクルステージRSTの位置情報は、ステージ制御系19及びこれを介して主制御系20に供給される。ステージ制御系19では、主制御系20からの指示に応じ、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部12を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。なお、レチクルステージRSTの端面を鏡面加工して反射面(前述の移動鏡15の反射面に相当)を形成しても良い。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AXの方向がZ軸方向とされている。投影光学系PLとしては、例えば両側テレセントリックで所定の縮小倍率(例えば1/5、又は1/4)を有する屈折光学系が使用されている。このため、照明光学系からの照明光ILによってレチクルRの照明領域が照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してその照明領域内のレチクルRの回路パターンPAの縮小像(部分倒立像)が表面にレジスト(感光剤)が塗布されたウエハW上に形成される。
前記ウエハステージWSTは、投影光学系PLの図1における下方で、不図示のベース上に配置され、このウエハステージWST上には、ウエハテーブル25が載置されている。このウエハテーブル25上に不図示のウエハホルダを介してウエハWが例えば真空吸着等によって固定されている。ウエハテーブル25は、ボイスコイルモータ等を含む駆動部によって投影光学系PLの光軸に直交する面に対し、任意方向に傾斜可能で、かつ投影光学系PLの光軸AX方向(Z軸方向)にも微動可能に構成されている。また、このウエハテーブル25はZ軸回りの微小回転動作も可能になっている。
ウエハステージWSTは、走査方向(Y軸方向)の移動のみならず、ウエハW上の複数のショット領域を前記照明領域と共役な露光領域に位置させることができるように、走査方向に直交する非走査方向(X軸方向)にも移動可能に構成されている。このウエハステージWSTはモータ等を含む駆動系によりXY2次元方向に駆動される。このように、ウエハテーブル25の駆動部とウエハステージWSTの駆動系とは、それぞれ別々に設けられるが、図1においては、これらが纏めてウエハ駆動装置24として示されている。従って、以下においては、このウエハ駆動装置24によって、ウエハステージWSTがXY2次元方向に駆動されるとともに、ウエハテーブル25が、Z、θx、θy、θzの4自由度方向に微少駆動されるものとして説明を行う。
ウエハステージWST(及びウエハテーブル25)のXY平面内での位置は、ウエハテーブル25上に設けられた移動鏡17を介して、ウエハ干渉計18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ここで、実際には、ウエハテーブル25上には、走査方向(Y軸方向)に直交する反射面を有するY移動鏡と非走査方向(X軸方向)に直交する反射面を有するX移動鏡とが設けられ、これに対応してウエハレーザ干渉計もY移動鏡に垂直に干渉計ビームを照射するY干渉計と、X移動鏡に垂直に干渉計ビームを照射するX干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的に移動鏡17、ウエハ干渉計18として示されている。
なお、例えば、ウエハテーブル25の端面を鏡面加工して反射面(移動鏡17の反射面に相当)を形成しても良い。また、X干渉計及びY干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計であり、ウエハテーブル25のX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。従って、以下の説明ではウエハ干渉計18によって、ウエハテーブル25のX、Y、θz、θy、θxの5自由度方向の位置が計測されるものとする。
本実施形態では、ウエハステージWSTの移動位置を規定する静止座標系(直交座標系)が、ウエハ干渉計18のY干渉計及びX干渉計の測長軸によって規定されている。以下においては、この静止座標系を「ステージ座標系」とも呼ぶ。また、多軸干渉計は45°傾いてウエハテーブル25に設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
ウエハステージWSTのステージ座標系上における位置情報(又は速度情報)はステージ制御系19、及びこれを介して主制御系20に供給される。ステージ制御系19は、主制御系20の指示に応じ、ウエハステージWSTの上記位置情報(又は速度情報)に基づき、ウエハ駆動装置24を介してウエハステージWSTを制御する。
また、ウエハテーブル25上のウエハWの近傍には、マーク形成部材としての基準マーク板FMが固定されている。この基準マーク板FMの表面は、ウエハWの表面と同じ高さに設定され、この表面には、ベースライン計測用の基準マーク、及びレチクルアライメント用の基準マークやその他のマーク(図1に符号GMで代表的に図示)が形成されている。
さらに、この露光装置100は、投影光学系PLを介さずに例えばXY二次元平面内に位置決めされたウエハW上に形成された少なくとも1つのマーク等のXY平面内における位置情報を検出するオフアクシス方式のアライメント検出系AS(位置検出系)を備えている。このアライメント検出系ASは、所定の波長幅を有する照明光を基準マーク板FM上のマーク、あるいはウエハW上の位置検出用マークとしてのアライメントマーク(以下、適宜「ウエハマーク」とも呼ぶ)に照射し、それらの被検出マークの像と、ウエハWと共役な面内に配置された指標板上の指標マークの像とを、対物レンズ等によって撮像素子(CCD等)の受光面上に結像し、その結果として得られる撮像信号に所定の処理を施して、前記指標マークの中心を基準とする被検出マークの位置情報を算出し、その位置情報を主制御系20へ向けて出力する。なお、このアライメント検出系ASと、主制御系20とで、本実施形態の位置検出装置が構成されている。
このアライメント検出系ASは、例えばハロゲンランプなどの光源103、光ファイバなどのライトガイド104、照明開口絞り127、コンデンサレンズ129、照明リレーレンズ105、ビームスプリッタ106、第1対物レンズ107、反射用プリズム108、第2対物レンズ111、指標板112、リレーレンズ系(113,114)、結像開口絞り130、ビームスプリッタ115、Y方向用CCD116、X方向用CCD117、及び信号処理系118等を備えている。
このアライメント検出系ASの作用を説明すると、光源103からのアライメント光ALは、ライトガイド104を介して所定位置まで導かれる。ライトガイド104の射出端から射出されたアライメント光ALは、必要に応じて照明開口絞り127で制限された後、適当な断面形状を有する照明光束となってコンデンサレンズ129に入射する。
コンデンサレンズ129から出射されたアライメント光ALは、一旦集光された後、不図示の照明視野絞りを介して照明リレーレンズ105に入射する。照明リレーレンズ105を介して平行光となったアライメント光ALは、ビームスプリッタ106を透過した後、第1対物レンズ107に入射する。第1対物レンズ107で集光されたアライメント光ALは、反射用プリズム108の反射面で鉛直下方に反射された後、ウエハステージWST上の検出対象のマーク、例えば基準マーク板FM上の前述の計測用マーク、その他の基準マーク、又はウエハW上のアライメントマークに照明される。
アライメント光ALにより照明された上記の被検出マーク(以下、便宜上、「マークM」と呼ぶ)からの反射光は、反射用プリズム108及び第1対物レンズ107を介して、ビームスプリッタ106に入射する。そして、このビームスプリッタ106により鉛直上方に反射された光は、第2対物レンズ111を介して、指標マーク(不図示)が形成された指標板112上にマークMの像を形成する。
指標板112から出射される光は、リレーレンズ系(113,114)を通過し、その通過中に必要に応じて結像開口絞り130により制限され、ビームスプリッタ115に入射する。そして、ビームスプリッタ115で分割された一方の光(反射光)は、Y方向用CCD116に、他方の光(透過光)はX方向用CCD117に入射する。
こうして、Y方向用CCD116及びX方向用CCD117の撮像面には、マークMの像が指標板112の指標マークの像とともに形成される。Y方向用CCD116及びX方向用CCD117からの出力信号は、信号処理系118に供給され、該信号処理系118で所定の信号処理(例えば、ノイズ除去など)及びA/D変換がなされ、そのデジタル化された撮像信号、すなわち画像データが主制御系20に供給される。主制御系20では、その撮像信号に基づいて、指標マークの中心を基準とするマークMの位置を算出し、その算出結果とその時のウエハ干渉計18の計測値とに基づいて、ステージ座標系上におけるマークの位置情報としての位置座標を算出する。
上述の説明からわかるように、本実施形態では、光源103、ライトガイド104、照明開口絞り127、コンデンサレンズ129、照明視野絞り(不図示)、照明リレーレンズ105、ビームスプリッタ106、第1対物レンズ107、及び反射用プリズム108によって、ウエハWなどに形成されたマークにアライメント光を照射するための照明光学系が構成されている。また、反射用プリズム108、第1対物レンズ107、ビームスプリッタ106、第2対物レンズ111、指標板112、リレーレンズ系(113,114)、結像開口絞り130およびビームスプリッタ115によって、アライメント光ALに対するそのマークからの反射光に基づいてマーク像を形成するための検出光学系としての結像光学系が構成されている。
露光装置100には、さらに、投影光学系PLの最良結像面に向けて複数のスリット像を形成するための結像光束を光軸AX方向に対して斜め方向より供給する不図示の照射光学系と、その結像光束のウエハWの表面での各反射光束を、それぞれスリットを介して受光する不図示の受光光学系とから成る斜入射方式の多点フォーカス検出系が、投影光学系PLを支える支持部(図示省略)に固定されている。この多点フォーカス検出系としては、例えば特開平6−283403号公報などに開示されるものと同様の構成のものが用いられ、ステージ制御系19はこの多点フォーカス検出系からのウエハ位置情報に基づいてウエハテーブル25をZ方向及び傾斜方向に駆動する。
また、露光装置100は、さらに、特開2001−257157号公報や特開2000−12445号公報等で公知となっているようなアライメントフォーカス検出系(不図示)がアライメント検出系AS内に設けられていてもよい。従って、露光装置100では、ウエハテーブル25をZ方向に駆動する場合には、上述の多点フォーカス検出系かあるいはアライメントフォーカス検出系のいずれかが用いられることになる。しかしながら、本実施形態では、後述するように、アライメント検出系ASのフォーカス位置の設定には、そのアライメントフォーカス検出系を用いる必要がないので、このアライメントフォーカス検出系は設けられていなくてもよい。このアライメントフォーカス検出系を配設しなければ、それだけアライメント検出系ASを小型化することができ、結果的に、露光装置100全体を小型化、軽量化することができる。
主制御系20は、マイクロコンピュータ又はワークステーションを含んで構成され、装置の構成各部を統括して制御する。また、主制御系20には、例えばキーボードのような入力装置126を介して、照明開口絞り127に対する指令や結像開口絞り130に対する指令が供給される。主制御系20は、これらの指令に基づき、駆動系128を介して照明開口絞り127を駆動したり、駆動系131を介して結像開口絞り130を駆動したりする。
また、主制御系20には、記憶装置140が接続されている。主制御系20は、その記憶装置140に対し、データを書き込んだり、記憶されているデータを読み出したりすることができるようになっている。本実施形態では、後述する処理において、アライメント検出系ASのフォーカス位置、すなわち、アライメント検出系ASの結像光学系の光軸方向に関するウエハマークとアライメント検出系ASとの間のそのウエハマーク検出時の相対間隔に関する情報である相対間隔情報と、アライメント検出系ASによるそのウエハマークの検出精度に関する情報との対応関係とが求められるが、この記録装置140には、その対応関係を示す履歴情報が記憶される。
次に、上述のようにして構成された露光装置100において、第2層目以降の層(レイヤ)の露光を行う場合の露光処理工程における動作について、主制御系20内のCPUの処理アルゴリズムを示す図2のフローチャートに沿って、かつ適宜他の図面を参照して説明する。なお、ここでは、ウエハW上への1層目の露光がすでに終了しており、2層目以降の露光を行うものとして説明する。また、説明を簡略化するために、ウエハW上にすでに形成されているレイヤを元工程レイヤとして、以下、単に「元工程」と呼び、今回の露光処理工程において形成するレイヤを現工程レイヤ(現行レイヤ)として、以下、単に「現工程」と呼ぶ。
図2に示されるように、ステップ201において、まず、主制御系20は、不図示のレチクルローダを用いて、レチクルロードを実行する。
次いで、ステップ203において、主制御系20は、ステージ制御系19を介してウエハ駆動装置24を制御し、ウエハステージWSTを、レチクルR上の一対のレチクルアライメントマークと、これに対応する基準マーク板FM上の一対のレチクルアライメント用の第1基準マークとを、不図示の一対のレチクルアライメント系により同時に検出可能となる位置に移動させる。そして、主制御系20は、レチクルアライメント系を用いてレチクルアライメントマークと対応する第1基準マークとの位置関係をそれぞれ検出するとともに、そのときのレチクル干渉計18の計測値をメモリに記憶する。
次いで、ステップ205において、主制御系20は、ベースライン計測を実行する。具体的には、主制御系20は、ステージ制御系19に指示を与え、ウエハ駆動装置24を制御して、アライメント検出系ASにより基準マーク板FM上のベースライン計測用の第2基準マークが検出可能となる位置に、ウエハステージWSTを移動させる。そして、主制御系20は、アライメント検出系ASを用いて第2基準マークの検出を行う。そして、主制御系20は、レチクルアライメントマークと対応する第1基準マークとの位置関係と、アライメント検出系ASの指標マークの中心と第2基準マークとの位置関係と、それぞれの計測時のレチクル干渉計16及びウエハ干渉計18の計測値と、設計上のベースラインとに基づいてベースライン(投影光学系PLのレチクルパターンの投影中心とアライメント検出系ASの検出視野内における所定の検出位置(指標中心)との間の距離)を算出する。
次に、ステップ207において、主制御系20は、不図示のウエハローダを介して、ウエハテーブル25上へのウエハロードを実行する。
次に、主制御系20は、ウエハマークとアライメント検出系ASの相対間隔の目標値となる目標間隔情報、すなわちアライメント検出系ASの目標フォーカス位置を決定するサブルーチン209に移行する。なお、このサブルーチン209には、後述するように、基準間隔情報を求める第1工程と、目標間隔情報を求める第2工程とを含んでいるが、その詳細な処理については後述する。
そして、ステップ211において、主制御系20は、例えばEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)等のウエハアライメントを実行する。すなわち、主制御系20は、元工程でウエハW上にすでに形成されている複数のショット領域(サンプルショット)にそれぞれ付設されたウエハマークをアライメント検出系ASの検出視野内に順次位置させるようなウエハステージWSTの目標位置をステージ制御系19に与える。ステージ制御系19は、この目標位置に応じて、ウエハ駆動装置24を介してウエハステージWSTを順次位置決めする。この位置決めの都度、主制御系20は、ウエハマークの位置情報を、アライメント検出系ASによって検出する。かかるウエハマークの位置情報の検出は、アライメント検出系ASのフォーカス位置(アライメント検出系ASの光軸方向におけるアライメント検出系ASとウエハマークの相対間隔)を、上記のサブルーチン209において決定された目標フォーカス位置(目標間隔情報)に基づいて設定した上で、実行される(第3工程)。
次いで、主制御系20は、ウエハマークの検出結果である指標中心に対するウエハマークの位置と、そのときのウエハ干渉計18の計測値とに基づいて、各ウエハマークのステージ座標系上の位置座標をそれぞれ算出する。そして、主制御系20では、算出したウエハマークの位置座標を用いて、例えば特開昭61−44429号公報などに開示される最小自乗法を用いた統計演算を実行し、ウエハWの各ショット領域の配列座標系とステージ座標系との回転成分、スケーリング成分、オフセット成分、ステージ座標系のX軸とY軸の直交度成分等のパラメータを算出し、そのパラメータを所定の演算式に代入して、ウエハW上の各ショット領域の配列座標、すなわち重ね合わせ位置を算出する。
これにより、ウエハアライメントが終了し、その後、ステップ213において、主制御系20は、以下のようにしてステップ・アンド・スキャン方式の露光動作を行なう。
この露光動作にあたって、主制御系20は、ウエハアライメントの結果及びベースラインの計測結果に基づいて、ステージ制御系19に対して、ウエハステージWSTを移動させるように指示する。この指示に応じ、ステージ制御系19は、ウエハ干渉計18の計測値をモニタしつつ、ウエハWのファーストショット(第1番目のショット領域)の露光のための走査開始位置(加速開始位置)にウエハステージWSTを移動させる。
そして、ステージ制御系19では、レチクルステージ駆動部12、ウエハ駆動装置24を介してレチクルステージRSTとウエハステージWSTとのY軸方向の走査を開始し、両ステージRST、WSTがそれぞれの目標走査速度に達すると、照明光ILによってレチクルRのパターン領域が照明され始め、走査露光が開始される。
ステージ制御系19では、特に上記の走査露光時にレチクルステージRSTのY軸方向の移動速度VrとウエハステージWSTのY軸方向の移動速度Vwとが投影光学系PLの投影倍率(例えば1/5)に応じた速度比に維持されるようにレチクルステージRST及びウエハステージWSTを同期制御する。
そして、レチクルRのパターン領域の異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより、ウエハW上のファーストショットの走査露光が終了する。これにより、レチクルRの回路パターンが投影光学系PLを介してファーストショットに縮小転写される。
このようにして、ファーストショットの走査露光が終了すると、主制御系20は、ステージ制御系19に指示を与え、ウエハステージWSTをX、Y軸方向にステップ移動させ、セカンドショット(第2番目のショット領域)の露光のための走査開始位置(加速開始位置)に移動させる。
そして、主制御系20は、セカンドショットに対して上述した動作と同様の走査露光を実行する。
このようにして、ウエハW上のm番目(mは自然数)のショット領域の走査露光とm+1番目のショット領域露光のためのステッピング動作とが繰り返し実行され、ウエハW上の全ての露光対象ショット領域にレチクルRの回路パターンが順次転写される。なお、回路パターンとともに、その回路パターンとの一定の位置関係を有するアライメントマークのパターンもウエハW上に転写される。
次に、ステップ215において、主制御系20は、アライメント検出系ASを用いてウエハW上の元工程及び現工程のショットの重ね合わせ精度、すなわちアライメント精度を計測して評価する(第4工程)。なお、この場合には、元工程で形成されたアライメントマークと、現工程において転写形成されたアライメントマークとの重ね合わせ精度と、元工程のショットと現工程のショットとの重ね合わせ精度とは同程度であるとみなせるため、元工程で形成されたアライメントマークと現工程において転写形成されたアライメントマークとの重ね合わせの状態を計測すれば、元工程のショットと現工程のショットとの重ね合わせ精度を評価することができる。なお、このようなアライメント精度は、前述のステップ211のウエハアライメントにおけるアライメント検出系ASによるアライメントマークの位置情報の検出精度に左右されるため、この工程では、アライメントマークの位置情報の検出精度を評価していることになる。
次いで、ステップ217において、主制御系20は、サブルーチン209において設定されたアライメント検出系ASの目標フォーカス位置(目標間隔情報)と前述のステップ215で主制御系20(評価装置)において計測されたアライメント精度(検出精度)との対応関係の情報を記憶装置140の履歴情報テーブルに登録することによって、その履歴情報テーブルを更新する(第5工程)。なお、この履歴情報テーブルや、ステップ217の詳細な動作については後述する。
そして、ステップ219において、主制御系20は、不図示のウエハローダを介して、ウエハWのアンロードを実行する。
そして、ステップ221において、主制御系20は、露光対象となっているすべてのウエハ、例えば1ロットのウエハの現工程の露光が終了したか否かを判断する。まだ、露光すべきウエハが残っている場合には、その判断は否定され、処理はステップ207に戻る。そして、ステップ221において、主制御系20が、露光対象となっている全てのウエハの露光の終了が確認するまで、ステップ207(ウエハロード)→サブルーチン209(アライメント検出系ASの目標フォーカス位置の設定)→ステップ211(ウエハアライメント)→ステップ213(露光)→ステップ215(アライメント精度計測)→ステップ217(登録)→ステップ219(ウエハのアンロード)→ステップ221(終了判断)の処理が繰り返し実行される。ステップ221において、主制御系20が、全てのウエハの露光が終了したと判断すると、一連の露光処理動作が終了する。
上述したように、本実施形態では、アライメント検出系ASのフォーカス位置を、サブルーチン209において決定された目標フォーカス位置したうえで、アライメント検出系ASによって、ステップ211のウエハアライメント計測が実行される。以下にサブルーチン209について詳細に説明する。
図3には、サブルーチン209のフローチャートが示されている。図3に示されるように、まず、ステップ301において、主制御系20は、記憶装置140の履歴情報テーブルに登録されているエントリの数が所定数(ここでは、5とする)以上であるか否かを判断する。ここで、記憶装置140の履歴情報テーブルに、何もエントリされていない状態であるとすると、その判断は否定され、処理はステップ303に進み、一方、記憶装置140の履歴情報テーブルにアライメント検出系ASのフォーカス位置とアライメント精度との組のエントリが5つ(所定数)以上登録されているとすると、処理はステップ305に進む。
処理がステップ303に進んだ場合、ステップ303において、アライメント検出系ASのフォーカス位置、すなわちアライメント検出系ASの結像光学系の光軸方向に関するウエハWの基準位置として所定位置が設定される。この基準位置は、ウエハマークをアライメント検出系ASで検出する際の基準となる位置である。また、この所定位置としては、例えば露光装置100の設計上のベストフォーカス位置や、シミュレーションによって求められたフォーカス位置などを用いてもよいが、任意の位置とすることができる。なお、露光装置100では、アライメント検出系ASは、その結像光学系の光軸方向に移動不可となっているため、アライメント検出系ASの結像光学系の光軸方向に関するウエハWの位置が決まれば、アライメント検出系ASとウエハマークとの相対間隔が決まるようになる。したがって、アライメント検出系ASの結像光学系の光軸方向に関するウエハWの位置を、アライメント検出系ASとウエハW上のマークとの相対間隔に関する相対間隔情報、すなわちアライメント検出系ASのフォーカス位置とみなすことができる。
一方、ステップ305では、主制御系20は、記憶装置140の履歴情報テーブルに登録されているフォーカス位置とアライメント精度との対応関係のうち、最近実行された露光におけるフォーカス位置とアライメント精度との対応関係を5組読み出す。なお、本実施形態では、読み出す対応関係の組の数を5としたが、この組の数は、複数であればよい。
次に、ステップ307において、主制御系20は、読み出した5つのフォーカス位置とアライメント精度との対応関係に基づいて、露光装置100におけるアライメント検出系ASのフォーカス位置とアライメント精度との対応関係を示す近似曲線を例えば最小二乗法などを用いて作成する。図4(A)には、その近似曲線の一例が示されている。このグラフの横軸はフォーカス位置を示し、縦軸は、そのフォーカス位置に対するアライメント精度を示している。なお、アライメント精度は、その値が小さければ小さいほど、そのアライメント精度が良好であることを示している。
この近似曲線が、図4(A)に示されるような曲線であるとすると、ステップ309において、主制御系20は、マークの相対位置関係、例えばマークの重ね合わせが最良となると思われる位置、すなわち近似曲線の値が極値(極小値)となる位置を基準位置(基準間隔情報)として算出する(第1工程)。なお、ステップ307において作成される近似曲線が、履歴情報から読み出した5つの対応関係におけるフォーカス位置の範囲内で、単調に増加するかあるいは単調に減少する曲線となる場合もある。この場合においても、近似曲線の極値を基準位置としてもよいが、その極値がアライメント検出系ASのフォーカス位置として適当でない位置、例えば、投影光学系PLとウエハWとが干渉するような位置に相当する場合には、読み出した5つの対応関係におけるフォーカス位置の中で、最もアライメント精度が良好であったフォーカス位置を、基準位置として設定するようにしても良い。
ステップ303あるいはステップ309実行後、処理はステップ311に進む。ステップ311において、主制御系20(目標間隔情報算出装置)は、ステップ303あるいはステップ309において決定された基準位置に基づいて目標間隔情報としての目標フォーカス位置を決定する(第2工程)。具体的には、主制御系20は、その基準位置を基準とする所定範囲に変動させた位置の中からランダム及び規則的のいずれか一方で選択した目標フォーカス位置を決定する。例えば、その基準間隔情報を基準(例えば平均値)とする所定の確率分布、例えば所定値を標準偏差とする正規分布(例えば図4(B)に示されるf(z))を仮定し、その正規分布に従うフォーカス位置の出現確率に基づいてランダムに目標フォーカス位置(例えば、図4(B)に示される目標フォーカス位置)を決定する。なお、前述の「所定範囲」や、「正規分布の標準偏差」は、アライメント検出系ASによって前述のウエハマークの検出が精度良く行える範囲内の大きさとする必要がある。例えば所定範囲の具体的な数値としては、ウエハのプロセス(例えば、ウエハ上に塗布されるレジスト膜の材質や膜厚、又はウエハに対して施されるプロセス工程等)によっても異なるものではあるが、±数μm〜±数100nmが一例として挙げられる。
続いて、ステップ313において、主制御系20は、アライメント検出系ASのフォーカス位置が、ステップ311において決定された目標フォーカス位置となるように、ウエハテーブル25を駆動してウエハWのZ位置を調整する。
以上述べたように、本実施形態では、サブルーチン209においてアライメント検出系ASの目標フォーカス位置(目標間隔情報)を算出するが、その目標フォーカス位置は、記憶装置140の履歴情報テーブルに計測されているフォーカス位置とアライメント精度との対応関係に基づいて決定される。なお、この履歴情報テーブルには、前述のステップ217においてフォーカス位置とアライメント精度との対応関係が登録される。すなわち、このテーブルに登録されたフォーカス位置とアライメント精度との対応関係は、過去に露光装置100で実行された露光処理工程において、実際に計測された実測値となっている。
本実施形態では、このように、過去の露光工程において計測されたフォーカス位置とアライメント精度との対応関係の履歴情報を、記憶装置140の履歴情報テーブルに複数記憶しておき、それらの履歴情報に基づいてアライメント検出系ASの目標フォーカス位置とアライメント精度との間の対応関係の特性を求め、求められた特性に基づいて今回のウエハアライメントの際のアライメント検出系ASの目標フォーカス位置の基準となる基準位置(基準間隔情報)を決定する。そして、その基準間隔情報を基準(例えば平均値)とする正規分布に基づくランダム又は規則的に変動させた位置をアライメント検出系ASのフォーカス位置とし、そのフォーカス位置でアライメント検出系ASによってマークの位置情報を検出し、その位置情報に基づいて露光を行う。
そして、露光処理終了後、ステップ215において、今回の露光工程処理における目標フォーカス位置に対応するアライメント精度が検出され、ステップ217において、今回のアライメント検出系ASのフォーカス位置とアライメント精度との対応関係が、記憶装置140の履歴情報のテーブルに登録される。
すなわち、本実施形態では、ウエハWが露光装置100にロードされ、露光が実行される度に、そのときのアライメント精度とフォーカス位置との対応関係が記憶装置140の履歴情報テーブルに登録され、その履歴情報テーブルに登録されたそれらの対応関係に基づいて、次回の露光処理工程におけるアライメント検出系ASの目標フォーカス位置が決定されるのである。
なお、目標フォーカス位置を、基準間隔情報を基準として変動させた位置とするのは、各回の露光処理工程におけるフォーカス位置を適当な範囲内で分布させておき、今後この露光装置100で実行される露光処理工程においても、ステップ307において精度の良い近似曲線を作成するためである。
図5には、本実施形態におけるアライメント検出系ASの目標フォーカス位置の特性を示すグラフが示されている。このグラフの横軸は露光装置100におけるウエハ処理枚数を示し、縦軸はフォーカス位置を示す。また、図5において、実線は、露光装置100におけるアライメント検出系ASのベストフォーカス位置(相対間隔の最適値)を示し、斜線で示される範囲は、本実施形態の位置検出方法によって算出される目標フォーカス位置の分布範囲を示している。なお、図5において、Zcは、シミュレーションで算出された露光装置100の設計上のフォーカス位置であり、Zrは、露光装置100立ち上げ時におけるベストフォーカス位置の初期値であるとする。なお、シミュレーション上の露光装置100のモデルと実際の露光装置100との違いにより、この所定位置Zcとベストフォーカス位置Zrとの間には若干の差があるものとして説明する。
図5に示されるように、露光装置100の運用開始当初、所定枚数(本実施形態では、5枚)のウエハの露光が終了するまでは、本実施形態では、シミュレーションの結果算出された所定位置Zcを基準位置として、アライメント検出系ASの目標フォーカス位置をその近辺となるように設定し、ウエハWのマークの位置情報を検出する。
所定枚数(5)のウエハWの露光が終了した後、記憶装置140の履歴情報テーブルには、その過去5枚を露光したときの目標フォーカス位置とアライメント精度との対応関係を示す情報が登録されている。主制御系20は、ステップ305において、そのテーブルからそれらの情報を読み出し、ステップ307において近似曲線を作成し、ステップ309においてその近似曲線に基づいて今回の基準位置(基準間隔情報)を算出し、ステップ311において、その基準位置を中心とする所定の確率分布f(z)に基づいて、ランダムあるいは規則的に目標フォーカス位置(斜線で示される範囲内の位置)を決定する。
所定位置Zcとベストフォーカス位置Zrとの間に図5に示すような開きがあると、ステップ307において作成される近似曲線の極値は、所定位置Zcからベストフォーカス位置Zrに近づくような位置となる。したがって、ウエハの処理枚数が増加していけばいくほど、目標フォーカス位置とベストフォーカス位置Zcとの間の差はどんどん短くなり、露光装置100のベストフォーカス位置と、本実施形態において算出される目標フォーカス位置Zrとが結果的に、ほぼ一致するようになる。
さらに、図5に示されるように、露光装置100のベストフォーカス位置は、経時変化により変化していく。主制御系20は、その経時変化に対応するため、記憶装置140の履歴情報テーブルに登録されている情報のうち、直前の所定数(ここでは5)の対応関係の情報に基づいて基準位置を算出する。
なお、本実施形態では、記憶装置140の履歴情報テーブルに登録されているアライメント検出系ASのフォーカス位置とそのアライメント精度との対応関係のうち、最近登録されたものであればあるほど、基準位置の算出、例えば、ステップ307における最小二乗法により求める際のデータの重みを重く設定するようにしてもよい。このようにしても、ベストフォーカス位置の経年変化にさらに精度良く対応することができるようになる。
なお、図5では、その経時変化により、ベストフォーカス位置が単調に変化しているが、経時変化によるベストフォーカス位置の変化が複雑であっても、本実施形態の位置検出方法では、目標フォーカス位置を、そのときのベストフォーカス位置に精度良く追従させることができるのはいうまでもない。
また、本実施形態では、ステップ215で計測されるアライメント精度に応じて、斜線で示される目標フォーカス位置の設定範囲を変更するようにしてもよい。例えば、本実施形態では、基準位置がアライメント検出系ASのベストフォーカス位置に十分追従する状態になっている場合には、斜線で示される目標フォーカス位置の設定範囲を狭めるようにしてもよい。
また、例えば、n枚目(nは自然数)のウエハに対して図3のステップ309において求められた基準位置と、n+1枚目のウエハに対して図3のステップ309において求められた基準位置との差分が、所定値以内に収束した場合には、図3のステップ311において目標フォーカス位置を決定するのに使用する所定範囲を狭めるようにしてもよい。
n枚目のウエハ上のマークを検出したときの基準位置と、n+1枚目のウエハ上のマークを検出したときの基準位置との差分の値が小さくなるということは、それらの基準位置は、マークとアライメント検出系ASとの相対間隔の最適値近傍に収束していっていることを意味している。このことは、図5において、露光装置運用開始直後の基準位置の変化より、ベストフォーカス位置に収束する直線の基準位置の変化の方が小さいことからも明らかである。したがって、その差分が所定値以内に収束した場合、すなわち、基準位置がウエハマークとアライメント検出系ASとの相対間隔の最適値(ベストフォーカス位置)近傍に十分収束しているとみなした場合に、目標フォーカス位置の取りうる範囲である所定範囲を狭める(図5における斜線の縦軸方向の幅を狭める)ようにすれば、その後のマーク位置検出時の目標フォーカス位置が、マークとアライメント検出系ASとの相対間隔の最適値、すなわちベストフォーカス位置にさらに近づくようになり、アライメント精度、すなわちマークの検出精度をさらに高めることができるようになる。
また、図2のステップ205におけるベースライン計測において計測されるベースラインも、アライメント検出系ASのデフォーカス状態に応じて変化するため、ベースラインもそのデフォーカス状態に応じた値を用いる必要がある。
そこで、本実施形態では、例えば、アライメント検出系ASのフォーカス位置を変更させた場合のベースラインの変化を予め計測しておき、それをベースライン変化情報として記憶装置140に記憶させておくようにする。そして、ステップ211のウエハアライメントを実行する際に、対応するフォーカス位置でのベースライン変化情報を記憶装置140から読み出して用いるようにする。記憶装置140には、このようなフォーカス位置とベースラインとの対応関係を1対1対応で記憶するテーブルをベースライン変化情報として記憶させておくようにしてもよいし、それらの対応関係の特性を近似した高次の関係式を算出し、その関係式をベースライン変化情報として記憶させておくようにしておいても良い。なお、アライメント検出系ASのデフォーカス位置とベースラインとの対応関係の特性は、周囲の環境変化(例えば、温度、湿度、大気圧)などにも左右されるため、そのような環境変化に対応するためのシミュレーションや実際の計測を実行し、それらの環境変化に対応した関係情報(上述のテーブルや関係式等)を記憶装置140に記憶させておくようにするのが望ましい。
以上詳細に述べたように、本実施形態では、過去の露光処理工程において、マークを検出したときのアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの位置(相対間隔情報)とその位置で検出されたウエハマークのアライメント精度との対応関係の履歴情報に基づいて、ウエハWとアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの基準位置(基準間隔情報)が算出される。そして、その基準位置を基準とする所定範囲内の中から、マークを検出するときのアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの位置(目標間隔情報)が決定される。そして、今回のアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの位置とマークの位置情報のアライメント精度との対応関係は、新たに記憶装置140の履歴情報テーブルに登録される。
このようにすれば、過去のアライメント検出系ASの光軸方向に関するウエハWの位置と、その位置で検出されたマークのアライメント精度との対応関係の履歴情報テーブルに基づいて、今回のマークの位置を精度良く検出することができるため、露光処理工程毎に、ウエハステージWST上などに設けられた基準マークの光軸方向(高さ方向)位置を変化させながら、その基準マークを、アライメント検出系ASを用いて繰り返し撮像する工程が不要となり、アライメント精度を保持しつつ、位置検出に要する時間を短縮できるようになる。なお、上述したように、本実施形態では、主制御系20が、転写装置、基準間隔情報算出装置、目標間隔情報算出装置、検出装置、評価装置、及び更新装置として動作する。
また、上記実施形態では、ウエハマークとアライメント検出系ASとの相対間隔、すなわちアライメント検出系ASのフォーカス位置を、ウエハテーブル25をZ軸方向(アライメント検出系ASの光軸方向と一致)に移動させることによって調整するものとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、アライメント検出系AS自体あるいは、アライメント検出系AS及びウエハWの両方をZ軸方向に移動させてもよいし、アライメント検出系ASの結像光学系にオートフォーカス可能なレンズを設け、そのレンズのフォーカスを調整することによってアライメント検出系ASの焦点距離を伸縮できるようにして、ウエハマークとアライメント検出系ASとの実質的な相対間隔を調整するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、目標フォーカス位置を算出する際の所定の確率分布として正規分布を採用したが、本発明はこれに限定される必要はなく、一様分布等の他の確率分布を採用してもよい。また、目標フォーカス位置を算出する際には、基準位置から所定距離の倍数の距離だけ離れた位置のうちのいずれか1つの位置の中から、目標フォーカス位置を規則的に選択するようにしても良い。例えば、基準位置をZkとし、所定距離をdとし、nを自然数とすると、目標フォーカス位置はZk±ndの中から適当に、例えば規則的な順番で選択される。
また、上記実施形態では、ステップ215のアライメント精度の計測工程においては、アライメント検出系ASを用いて計測されるウエハW上の各ショットのウエハマークの相対位置関係(重ね合わせ精度)をアライメント精度としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、現工程における各ショットの回路パターンとともにウエハ上に転写されたマークの像の整列度を計測して、それらのアライメント精度を計測してもよい。なお、この場合にも、図3のステップ309の基準位置の算出では、マーク整列度のランダム成分が最小となるように、すなわちアライメント検出系ASのフォーカス位置とアライメント精度との関係を示す近似曲線が極値(極小値)となるような基準位置が算出される。
このように、アライメント精度は、ステップ215において評価されるそのマークの位置情報に基づいてウエハ上に形成されたXY平面内のマークと他のマークとの相対的な位置関係によって評価される。すなわち、本発明では、ウエハW上に形成された所定のマークと、その所定のマークをウエハW上に形成する前に既にウエハW上に形成されていたマークとの位置関係を測定し、その測定結果に基づいて、アライメント精度、すなわちマークの位置情報の検出精度を評価すればよい。また、このようなアライメント精度の計測は、アライメント検出系ASで行う必要はなく、例えば、MRN等の専用の計測装置を用いて、アライメント精度の計測を実行するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、露光装置100の運用開始直後の基準位置を、シミュレーション等で算出された設計上のフォーカス位置としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方法を用いても良い。例えば、特開平1−202708号公報等に開示されるような瞳分割による合焦装置をアライメント検出系ASに備えておき、運用開始後の1枚目のウエハ上のマークの位置情報を検出する際には、露光前に、アライメント検出系ASの合焦装置を用いて、基準位置を決定するようにしてもよい。また、従来と同様に、フォーカス位置を変化させながらそのマークを、アライメント検出系ASを用いて繰り返し撮像し、その撮像結果として光軸方向の位置毎に得られる撮像信号のうちの例えばコントラストが最大となる撮像信号に対応する基準マークの光軸方向位置を基準位置として求めるようにしてもよい。いずれの場合にも、1枚目のウエハWの露光の際には、焦点合わせを実行する必要があるが、その後のウエハWの露光の際には、本実施形態の位置検出方法を用いて目標フォーカス位置を算出することができるようになるので、位置検出に要する時間を短縮化することができることに変わりはない。
また、実際には、露光装置100にロードされるウエハは、プロセスによる変形などでその状態が異なっている。ウエハ毎にその変形量を計測し、計測された変形量を図3のステップ311において決定される目標フォーカス位置に加算して、目標フォーカス位置を補正するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、本発明がスキャニング・ステッパに適用された場合について説明したが、これに限らず、ステップ・アンド・リピート方式のステッパ等の静止型の露光装置にも適用できる。かかる場合には、静止露光を行う際に、ウエハを露光位置(レチクルパターンの投影位置)に精度良く位置決めすることができ、レチクルのパターンをウエハ上の所望の区画領域に精度良く重ね合せて転写することができる。
なお、複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系、並びにアライメント検出系ASを露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージやウエハステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシン及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用することができる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、ホタル石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
さらに、本発明に係る位置検出装置及び位置検出方法は、露光装置に限らず、マークを検出するための検出光学系を備えた装置であれば、適用が可能である。
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置100及び露光方法をリソグラフィ工程で使用したデバイス製造方法の実施形態について説明する。
図6には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。
図6に示されるように、まず、ステップ601(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ602(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ603(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ604(ウエハ処理ステップ)において、ステップ601〜ステップ603で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ605(デバイス組立てステップ)において、ステップ604で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ605には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ606(検査ステップ)において、ステップ605で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図7には、半導体デバイスにおける、上記ステップ604の詳細なフロー例が示されている。図7において、ステップ711(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ712(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ713(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ714(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ711〜ステップ714それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ715(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ716(露光ステップ)において、上で説明した露光装置100によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ717(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ718(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ719(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ716)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、露光精度を保持しつつ露光工程全体に要する時間を短縮化することができる。そのため、マイクロデバイスの生産性を向上させることができる。
以上説明したように、本発明に係る位置検出装置及び方法は、二次元平面に位置決めされる物体上に形成された少なくとも1つのマークの二次元平面内における位置情報を、検出光学系を有する位置検出系によって検出するのに適しており、本発明に係る露光装置及び方法は、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程に適しており、本発明のデバイス製造方法は、マイクロデバイスの生産に適している。
本発明の一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 露光処理工程における動作における主制御系内のCPUの処理アルゴリズムを示すフローチャートである。 アライメント検出系のフォーカス位置を決定するためのサブルーチンのフローチャートである。 図4(A)は露光装置におけるアライメント検出系のフォーカス位置とアライメント精度との対応関係を示す近似曲線の一例を示すグラフであり、図4(B)は、図4(A)に示される近似曲線に基づいて作成された確率分布を示すグラフである。 アライメント検出系ASの目標フォーカス位置の特性の一例を示すグラフである。 本発明に係るデバイス製造方法の実施形態を説明するためのフローチャートである。 図6のステップ604における処理を示すフローチャートである。
符号の説明
20…主制御系(基準間隔情報算出装置、目標間隔情報算出装置、検出装置、評価装置、更新装置、転写装置)、106…ビームスプリッタ、107…第1対物レンズ、108…反射用プリズム、111…第2対物レンズ、112…指標板、113〜114…リレーレンズ系、130…結像開口絞り、115…ビームスプリッタ、140…記憶装置、AS…アライメント検出系(位置検出系)、PL…投影光学系、R…レチクル、W…ウエハ。

Claims (23)

  1. 二次元平面に位置決めされる物体上に形成された少なくとも1つのマークの前記二次元平面内における位置情報を、検出光学系を有する位置検出系によって検出する位置検出装置であって、
    前記検出光学系の光軸方向におけるマークと前記位置検出系との間のそのマーク検出時の相対間隔に関する情報である相対間隔情報と、検出されたそのマークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報を記憶する記憶装置と;
    前記記憶装置に記憶されている前記対応関係の履歴情報に基づいて、前記位置検出系で前記マークを検出する際の基準となる前記相対間隔である基準間隔情報を算出する基準間隔情報算出装置と;
    前記基準間隔情報を基準として所定範囲内で変動させた前記相対間隔の目標間隔情報を求める目標間隔情報算出装置と;
    前記相対間隔を前記目標間隔情報に基づいて設定した上で、前記位置検出系によって前記マークの前記位置情報を検出する検出装置と;
    前記検出装置で検出された前記マークの位置情報の検出精度を評価する評価装置と;
    前記目標間隔情報と前記評価装置において評価された前記検出精度との対応関係の情報を、前記記憶装置に記憶されている履歴情報に登録することによって前記履歴情報を更新する更新装置と;を備える位置検出装置。
  2. 前記基準間隔情報算出装置は、
    前記履歴情報に登録された所定数の前記対応関係の情報に基づいて前記基準間隔情報を算出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
  3. 前記基準間隔情報算出装置は、
    前記履歴情報に含まれる前記対応関係のうち、最近登録されたものであればあるほど、前記基準間隔情報の算出の際の重みを重く設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の位置検出装置。
  4. 前記目標間隔情報算出装置は、
    前記所定範囲内において、前記基準間隔情報を基準とする所定の確率分布に基づいてランダム及び規則的のいずれか一方で選択された相対間隔情報を、前記目標間隔情報として決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  5. 前記目標間隔情報算出装置は、
    前記基準間隔情報から所定距離の倍数の距離だけ離れた相対間隔情報のうちのいずれか1つの相対間隔情報の中から、前記目標間隔情報を決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の位置検出装置。
  6. マスク上に形成されたパターンを、投影光学系を介して、感光物体上に転写する露光装置であって、
    前記感光物体上に形成された少なくとも1つのマークの位置情報を検出する請求項1〜5のいずれか一項に記載の位置検出装置と;
    前記マークの位置情報に基づいて、前記感光物体の位置を制御しながら前記感光物体上に前記パターンを転写する転写装置と;を備える露光装置。
  7. 二次元平面に位置決めされる物体上に形成された少なくとも1つのマークの前記二次元平面内における位置情報を、検出光学系を有する位置検出系によって検出する位置検出方法であって、
    前記検出光学系の光軸方向における前記マークと前記位置検出系との間の相対間隔に関する相対間隔情報であって、前記検出光学系で前記マークを検出する際の基準となる基準間隔情報を、マーク検出時における前記相対間隔情報と、そのマーク検出時に検出された前記マークの位置情報の検出精度に関する情報との対応関係を示す履歴情報に基づいて求める第1工程と;
    前記基準間隔情報を基準として所定範囲内で変動させた前記相対間隔の目標間隔情報を求める第2工程と;
    前記相対間隔を前記目標間隔情報に基づいて設定した上で、前記位置検出系によって前記マークの前記位置情報を検出する第3工程と;
    前記第3工程で検出された前記マークの位置情報の検出精度を評価する第4工程と;
    前記目標間隔情報と前記第4工程において評価された前記検出精度との対応関係の情報を、前記履歴情報に登録することによって前記履歴情報を更新する第5工程と;を含む位置検出方法。
  8. 前記第1工程では、
    前記履歴情報に登録された所定数の前記対応関係の情報に基づいて前記基準間隔情報を算出することを特徴とする請求項7に記載の位置検出方法。
  9. 前記第1工程では、
    前記履歴情報に含まれる前記対応関係のうち、最近登録されたものであればあるほど、前記基準間隔情報の算出の際の重みを重く設定することを特徴とする請求項7又は8に記載の位置検出方法。
  10. 前記第2工程では、
    前記所定範囲内において、前記基準間隔情報を基準とする所定の確率分布に基づいてランダム及び規則的のいずれか一方で選択された相対位置間隔情報を、前記目標間隔情報として決定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  11. 前記所定の確率分布は、所定値を標準偏差とする正規分布であることを特徴とする請求項10に記載の位置検出方法。
  12. 前記第2工程では、
    前記基準間隔情報から所定距離の倍数の距離だけ離れた相対間隔情報のうちのいずれか1つの相対間隔情報の中から、前記目標間隔情報を決定することを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  13. 前記第4工程では、
    前記マークの位置情報に基づいて前記物体上に形成された複数のマークの整列度によって前記マークの位置情報の検出精度を評価することを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  14. 前記第1工程では、
    前記マークの整列度のランダム成分が最小となるように、前記履歴情報に基づいて前記基準間隔情報を求めることを特徴とする請求項13に記載の位置検出方法。
  15. 前記第4工程では、
    前記物体上に形成された所定のマークと、その所定のマークを前記物体上に形成する前に既に前記物体上に形成されていたマークとの位置関係を測定し、その測定結果に基づいて、前記マークの位置情報の検出精度を評価することを特徴とする請求項7〜12のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  16. 前記第1工程では、
    前記位置関係が最良となるように、前記履歴情報に基づいて前記基準間隔情報を求めることを特徴とする請求項15に記載の位置検出方法。
  17. 前記第2工程で使用する前記所定範囲は、前記第4工程で評価された前記検出精度に基づいて決定されることを特徴とする請求項7〜16のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  18. 前記物体は基板であり、
    n枚目の基板に対して前記第1工程で求められた前記基準間隔情報と、n+1枚目の基板に対して前記第1工程で求められた前記基準間隔情報との差分が所定値内に収束した場合には、前記第2工程で使用する前記所定範囲を狭めることを特徴とする請求項7〜17のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  19. 前記相対間隔は、前記物体を前記光軸方向に移動することにより設定され、
    前記相対間隔に関する情報、前記基準間隔情報、前記目標間隔情報は、前記物体の前記光軸方向における位置を示すことを特徴とする請求項7〜18のいずれか一項に記載の位置検出方法。
  20. マスク上に形成されたパターンを、投影光学系を介して、感光物体上に転写する露光方法であって、
    前記感光物体上に形成された少なくとも1つのマークの位置情報を、請求項7〜19のいずれか一項に記載の位置検出方法を用いて検出する工程と;
    前記マークの位置情報に基づいて、前記感光物体の位置を制御しながら前記感光物体上に前記パターンを転写する露光工程と;を含む露光方法。
  21. 前記位置検出系は、前記投影光学系を介さずに前記マークを検出するオフアクシスタイプの検出系であり、
    前記投影光学系の投影視野内における所定位置と前記位置検出系の検出光学系の検出視野内における所定の検出位置との間の距離であるベースラインと、前記相対間隔との対応関係を示すベースライン変化情報を記憶し、
    前記露光工程では、前記ベースライン変化情報を用いて前記感光物体の位置を制御することを特徴とする請求項20に記載の露光方法。
  22. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項6に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
  23. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項20又は21に記載の露光方法を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。

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