JP2007096069A - 位置合わせ方法、重ね合わせ精度計測方法、露光方法、位置合わせ装置、露光装置、及び重ね合わせ精度計測装置 - Google Patents

位置合わせ方法、重ね合わせ精度計測方法、露光方法、位置合わせ装置、露光装置、及び重ね合わせ精度計測装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 スループットの低下を招くことなく、位置合わせ精度を向上する。
【解決手段】 ウエハ上に配列された複数のショット領域の各々を、所定の露光位置に対して位置合わせする位置合わせ方法において、ショット領域について形成された複数の実マークの位置及び傾きを計測する計測ステップ(S11)と、計測ステップで計測された実マークの計測位置情報及び計測傾き情報並びに該実マークの設計位置情報を含む演算パラメータに基づいて、所定の統計演算によりショット領域の配列に関する配列情報を算出する算出ステップ(S14,S15)と、算出ステップで算出された配列情報に基づいて、位置合わせを行う位置合わせステップ(S16)とを含んで構成される。
【選択図】 図13

Description

本発明は、物体上に配列された複数の被加工領域の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ方法及び装置、物体上に配列された複数の被加工領域について複数回の加工を施した後に、前工程で加工された前工程加工内容と、後工程で加工された後工程加工内容との重ね合わせに関する重ね合わせ精度情報を計測する重ね合わせ精度計測方法及び装置、並びにこれらを用いる露光方法及び装置に関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD:Charge Coupled Device等)、薄膜磁気ヘッド等の各種デバイスの多くは露光装置を用いて基板上に多数層のパターンを重ねて露光転写することにより製造される。このため、2層目以降のパターンを基板上に露光転写する際には、基板上の既にパターンが形成された各ショット領域とマスクのパターン像との位置合わせ、即ち基板とレチクルとの位置合わせ(アライメント)を正確に行う必要がある。1層目のパターンが露光転写された基板上には、アライメントマークと呼ばれる位置合わせ用のマークがそれぞれ付設された複数のショット領域(チップパターン)が形成されており、これらショット領域は予め基板上に設定された配列座標に基づいて規則的に配列されている。
しかしながら、基板上の複数のショット領域の設計上の配列座標値(ショット配列)に基づいて基板を歩進(ステッピング)させても、(a)基板の残存回転誤差Θ、(b)ステージ座標系(又はショット配列)の直交度誤差Ω、(c)基板の線形伸縮(スケーリング)Γx,Γy、(d)基板(中心位置)のオフセット(平行移動)Ox,Oyの4つの要因(6個の誤差パラメータ)により、基板が正確に位置合わせされるとは限らない。
そこで、基板上から選択された複数のショット領域(サンプルショット)について実測した計測結果を統計処理して基板上における全ショット領域の配列を求め、この配列に従って各ショット領域の位置合わせ行うエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式を用いている。
EGA方式では、サンプルショットについて実測して得られた配列座標値と、そのショット領域の設計上の配列座標値を所定のモデル式に代入して得られた計算上の配列座標値との平均的な偏差が最小になるように、最小自乗法を用いて変換行列を決定し、この決定された変換行列と設計上の配列座標値とに基づいて、実際に位置合わせすべき位置の計算上の配列座標値を算出し、その算出された座標値をもとに基板の各ショット領域を位置決めする。
また、基板上におけるショット領域の配列誤差以外に、ショット領域に関して、(a)ショット領域の残存回転誤差θ、(b)ショット領域内における直交度誤差ω、(c)ショット領域の線形伸縮(スケーリング)γx,γyの3つの要因をも考慮して、これらの3個の誤差量(4個の誤差パラメータ)を加えた計10個の誤差パラメータを用いた変換行列を用いて各ショット領域の配列座標値の補正量を求めるEGA方式等も知られている。
このようなEGA計測におけるサンプルショットとしては、基板の外周に近いショットの中から均等に選択された8個程度が使用され、当該サンプルショットについて形成されたマークのx,y座標値を計測して、EGA演算を行うのが一般的である。サンプルショットの数(実計測パラメータの数)は多い方が、ショット配列の局所的なゆがみ等をより正確に反映できると考えられる。しかし、EGA計測はプロセス処理(露光処理)中に行われるため、計測ショット数を多くすることはスループットの低下を招くことから、EGA計測精度とスループットの観点から、このような数に設定されている。
しかしながら、スループットの低下を招かないのであれば、EGA計測の精度は、実計測されるパラメータの数が多い程、良くなるものと考えられる。特に、近時においては、ショット配列の上述したような線形な誤差のみならず、非線形な誤差をも考慮して精度を向上させるため、EGA演算式として、高次式を用いる高次EGAも行われており、このような場合には、実計測されるパラメータは多い方が精度的に有利であり、より高精度な位置決めを行うことができると考えられる。なお、従来のEGA方式の詳細については、例えば以下の特許文献1〜5を参照されたい。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、スループットの低下を招くことなく、位置合わせ精度を向上することを目的とする。
特開平6−275496号公報 特開平6−302490号公報 特開平6−349705号公報 特開平6−349706号公報 特開平7−226360号公報
本発明によると、物体上に配列された複数の被加工領域の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ方法において、前記被加工領域について形成された複数の実マークの位置及び傾きを計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測された前記実マークの計測位置情報及び計測傾き情報並びに該実マークの設計位置情報を含む演算パラメータに基づいて、所定の統計演算により前記被加工領域の配列に関する配列情報を算出する算出ステップと、前記算出ステップで算出された前記配列情報に基づいて、前記位置合わせを行う位置合わせステップと、を含む位置合わせ方法が提供される。
本発明では、被加工領域について形成された複数の実マークの位置に加えて、該実マークの傾きをも計測し、この傾きをも演算パラメータとして統計演算を行うようにしており、実計測する被加工領域(サンプルショット)を増やすことなく、統計演算に用いるパラメータを増やすことができる。従って、スループットを低下させることなく、位置合わせの精度を向上することができる。
本発明によれば、スループットの低下を招くことなく、位置合わせ精度を向上することができるようになるという効果がある。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[露光システム]
まず、本実施形態に係る露光システムの全体構成について、図1を参照して説明する。
この露光システム100は、半導体ウエハやガラスプレート等の基板を処理して、マイクロデバイス等の装置を製造する基板処理工場に設置され、同図に示すように、露光装置200、該露光装置200に隣接して配置された塗布現像装置(C/D)300及び該塗布現像装置300内に配置された重ね合わせ計測器400を備えている。同図では、図示の都合上、露光装置200及び重ね合わせ計測器400を含む塗布現像装置300は、これらを一体化した基板処理装置として、一つだけを表示しているが、実際には基板処理装置は複数設けられている。基板処理装置は、基板に対して、フォトレジスト等の感光剤を塗布する塗布工程、感光剤が塗布された基板上にマスク又はレチクルのパターンの像を投影露光する露光工程、及び露光工程が終了した基板を現像する現像工程等を行う。
また、露光システム100は、各露光装置200により実施される露光工程を集中的に管理する露光工程管理コントローラ500、及び工場内生産管理ホストシステム700をも備えている。なお、重ね合わせ計測器は塗布現像装置300内に設けられる場合の他、オフラインで設けられる場合もある。図1に示す重ね合わせ計測器600はこの場合のオフラインで設けられた重ね合わせ計測器を示している。
この露光システム100を構成している各装置のうち、少なくとも各基板処理装置(200、300)は、気温及び湿度が管理されたクリーンルーム内に設置されている。また、各装置は、基板処理工場内に敷設されたLAN(Local Area Network)等のネットワーク又は専用回線(有線又は無線)を介して接続されており、これらの間で適宜にデータ通信できるようになっている。
各基板処理装置において、露光装置200及び塗布現像装置300は相互にインライン接続されている。ここでのインライン接続とは、装置間及び該装置内の処理ユニット間を、ロボットアームやスライダー等の基板を自動搬送する搬送装置を介して接続することを意味する。
[露光装置]
各基板処理装置が備える露光装置200の構成を、図2を参照して説明する。なお、以下の説明では、マスクとしてのレチクルRに形成されたパターンを投影光学系PLを介して感光性材料(レジスト)が塗布された基板(物体)としてのウエハW上にステップ・アンド・リピート方式で転写する露光装置(ステッパー)に本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
また、以下の説明においては、必要に応じて図2中に設定されたXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハWに対して平行となるよう設定され、Z軸がウエハWに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ直交座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
図2に示す露光装置は、ArFエキシマレーザ(波長193nm)の光源を含んで構成され、光源から射出される露光光をレチクルRに導く照明光学系1を備えている。光源から射出された露光光ELは、照明光学系1を通過して投影光学系PLの物体面に配置されるレチクルRに導かれてレチクルRをほぼ均一に照明する。なお、本実施形態では、光源としてArFエキシマレーザ光源を備える場合を例に挙げて説明するが、これ以外にg線(波長436nm)、i線(波長365nm)を射出する超高圧水銀ランプ、又はKrFエキシマレーザ(波長248nm)、Fレーザ(波長157nm)、その他の光源を用いることができる。
レチクルRはレチクルステージ3上に保持され、レチクルステージ3はベース4上の2次元平面内で移動及び微小回転ができるように支持されている。装置全体の動作を制御する露光制御装置6が、ベース4上の駆動装置5を介してレチクルステージ3の動作を制御する。レチクルRを透過した光束は、投影光学系PLを介してウエハW上に導かれ、これによってレチクルRのパターン像が投影光学系PLの像面に配置されるウエハW上に投影される。投影光学系PLは、レチクルRのパターン像を所定の投影倍率αでウエハW上に投影するものであって、例えば両側テレセントリックな光学系である。投影光学系PLの投影倍率αは、例えば1/4又は1/5の縮小系である。
ウエハWはウエハホルダー9を介してウエハステージ10上に載置されている。ウエハステージ10は、投影光学系PLの光軸AXに垂直な面内でウエハWを2次元的に位置決めするXYステージ、投影光学系PLの光軸AXに平行な方向(Z方向)にウエハWを位置決めするZステージ、及びウエハWをX軸、Y軸、又はZ軸の周りで微小回転させるステージ等から構成されている。
ウエハステージ10上面の一端には移動ミラー11が固定されており、移動ミラー11に対向するようにレーザ干渉計12が配置されている。なお、図2では図示を簡略化しているが、移動鏡11はX軸に垂直な反射面を有する平面鏡及びY軸に垂直な反射面を有する平面鏡より構成されている。また、レーザ干渉計12は、X軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干渉計より構成されており、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計により、ウエハステージ10のX座標及びY座標が計測される。レーザ干渉計12で計測されるX座標及びY座標よりなる座標系(X,Y)を、以下ではステージ座標系と呼ぶことがある。
また、X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、投影光学系PLの光軸AX周りのウエハステージ10の回転角が計測される。レーザ干渉計12により計測されたX座標、Y座標、及び回転角の情報が座標計測回路12a及び露光制御装置6に供給され、露光制御装置6は、供給された座標をモニターしつつ駆動装置13を介して、ウエハステージ10の位置決め動作を制御する。なお、図2には示していないが、レチクル側にもウエハ側と全く同様の干渉計システムが設けられている。
投影光学系PLには結像特性制御装置14が装着されている。この結像特性制御装置14は、例えば投影光学系PLを構成するレンズ群の内の所定のレンズ群の間隔を調整し、又は所定のレンズ群の間のレンズ室内の気体の圧力を調整することにより、投影光学系PLの投影倍率、歪曲収差等の調整を行う。結像特性制御装置14の動作も露光制御装置6により制御されている。
また、投影光学系PLの側方にはオフ・アクシス方式のアライメント系15が配置されている。このアライメント系15は、例えばハロゲンランプ等の広帯域波長の光を射出する光源16を備えており、光源16から射出されたの照明光がコリメータレンズ17、ビームスプリッター18、ミラー19、及び対物レンズ20を介してウエハW上に形成された計測点としてのアライメントマークAMの近傍に照射される。対物レンズ20の光軸20aと投影光学系PLの光軸AXとの間隔であるベースライン量は予め高精度に計測されている。アライメントマークAMからの反射光は、対物レンズ20、ミラー19、ビームスプリッター18、及び集光レンズ21を介して指標板22上に照射され、指標板22上にアライメントマークAMの像が結像される。
指標板22を透過した光は、第1リレーレンズ23、第2リレーレンズ25により2次元CCDよりなる撮像素子26の撮像面上に集束される。撮像素子26の撮像面上にはそれぞれアライメントマークAMの像及び指標板22上の指標マークの像が重ねて結像される。撮像素子26の撮像信号は共に座標計測回路12aに供給される。
図3を参照して、ウエハW上に形成されるアライメントマークAM及び指標板22上の指標マーク(指標パターン)の一般的な構成について説明する。図3は撮像素子26の受光面と共役関係にある指標板22上におけるアライメントマークの像と指標マークとの関係を示している。
図3において、中央部に3本の直線パターンより構成されているのはウエハマークMxの像MxPであり、この像MxPのピッチ方向であるXP方向、その像MxPの長手方向であるYP方向が、それぞれ図2のウエハステージ10のステージ座標系のX方向及びY方向と共役になっている。また、ウエハマークの像MxPをXP方向に挟むように2個の指標マーク31a,31bが形成され、ウエハマークの像MxPをYP方向に挟むように2個の指標マーク32a,32bが形成されている。
なお、ウエハWに形成される計測点としてのアライメントマークAMは、ここではX方向の位置情報を計測するウエハマークMxとY方向の位置情報を計測するウエハマークMyとがあり、図3においてはアライメント系15の視野内にウエハマークMxが配置されたときの様子を図示している。アライメントマークAMとしては、ウエハマークMx,My(同図ではMxのみ表示)のような一次元計測用マークの他、図4に示されているような二次元計測用マークAM2等を用いてもよい。
アライメントマークAMの位置及び傾きは、図2の座標計測回路12aによって求められる。ウエハマークMxPの位置(X方向の座標)は、撮像素子26で撮像された撮像結果において、指標マーク31a及び31bによってそれぞれ形成される2つの特徴波形の中点のXP方向の座標を基準として、3本のラインで構成されるウエハマークMxPによってそれぞれ形成される3つの特徴波形の中点の位置をXP方向の位置ずれ量(Δx)として求める。
また、この実施形態では、アライメントマークAMの傾きをも考慮してEGA計測(EGA演算等)を行うため、ウエハマークMxの傾き(θx)も計測する。X方向のウエハマークの像MxPについては、図3に示すように、YP方向に離間したラインLx1及びLx2を設定し、当該ラインLx1,Lx2それぞれにおける指標マーク31a,31bの各位置間の中点を結ぶ線を基準として、同じく当該ラインLx1,Lx2それぞれにおけるウエハマークの像MxPの3本のラインの各位置間の中点を結ぶ線の傾き(回転角)を求める。ウエハマークの像MyPの位置ずれ量(Δy)及び傾き(θy)も同様に求める。
座標計測回路12aは、これらの位置ずれ量(Δx、Δy)及びそのときのレーザ干渉計12の計測結果より、そのウエハマークMx,Myのステージ座標系(X,Y)上でのX座標、Y座標を求め、このように計測されたX座標及びY座標並びに傾き(θx、θy)を露光制御装置6に供給する。
アライメントマークの傾きの計測は、図3又は図4に示すようなマークでも、上述したように求めることができるが、傾き計測の精度を高めるため、図5及び図6に示すようなモアレ縞パターンを有するものを用いることができる。図5は指標板22上に形成されるパターン(指標マーク)であり、図6はウエハW上に形成されるアライメントマークである。
図5に示すように、この指標マークは、上述した指標マーク31a,31b,32a,32bに加えて、これらの外側に矩形状に配置された4つのモアレ縞パターン41a,41b,42a,42bを有している。モアレ縞パターン41a,41b,42a,42bはそれぞれ所定のピッチPで配列された複数(ここでは、10本)の直線パターンから構成されている。なお、同図において、XP方向、YP方向は、それぞれ図2のウエハステージ10のステージ座標系のX方向及びY方向と共役になっている。
また、図6に示すように、ウエハW上に形成されるアライメントマークは、指標マークのモアレ縞パターン31a,31b,32a,32bと同様に、矩形状に配置された4つのモアレ縞パターン44a,44b,45a,45bと、中央部に配置された十字状のパターン46とから構成されている。なお、図6では、アライメントマークは僅かに回転した状態で示している。
図8は図5に示した指標マークと図6に示したアライメントマークを重ね合わせた状態を示しており、指標板22上における関係を示している。アライメントマークの位置(X方向の座標)は、撮像素子26で撮像された撮像結果において、図5の指標マーク31a,31b,32a,32bによって規定される中心位置(XP方向及びYP方向の座標)を基準として、図6のアライメントマークの十字パターン46によって規定される中心位置(XP方向及びYP方向の座標)の位置ずれ量(Δx,Δy)として求められる。
なお、アライメントマークの中心位置は、撮像素子26で撮像された撮像結果において、図6に示すように、例えば、YP方向に離間したラインLx1及びLx2を設定し、図7に示すように、ラインLx1,Lx2におけるモアレ縞パターン44a,44bによって形成される2つの特徴波形47a,47bの中点48のそれぞれを結ぶ線と、ラインLy1,Ly2におけるモアレ縞パターン45a,45bによって形成される2つの特徴波形の中点のそれぞれを結ぶ線との交点として求めるようにしてもよい。また、図5に示す指標マークについても同様にしてその中心を求めるようにしてもよい。
アライメントマークの傾きについては、図8に示すように、指標マークのモアレ縞パターン41a,41b,42a,42bと、これらにそれぞれ対応するアライメントマークのモアレ縞パターン44a,44b,45a,45bとにより、モアレ縞が形成されるので、当該モアレ縞の周期(間隔)を計測することにより求めることができる。モアレ縞パターンのピッチをP、モアレ縞の周期をLとすると、指標マークを基準としたアライメントマークの傾き(θ)は、θ=P/Lで求めることができる。なお、この構成では、図8中、左側のモアレ縞パターン41a,44aと、右側のモアレ縞パターン41b,44bとで、それぞれ傾きが求められるので、その平均をXに関する傾き(θx)とし、下側のモアレ縞パターン42a,45aと、上側のモアレ縞パターン42b,45bの平均をYに関する傾き(θy)とする。但し、これらの更に平均をマーク全体についての傾き(θ)としてもよい。
また、ウエハWに形成されるアライメントマークとしては、上述したものの他、図9又は図10に示すようなものを用いてもよい。図9に示すアライメントマークは矩形状パターン49bの中央部に十字状パターン49aを配置したものであり、十字状パターン49aによりマークの中心位置が、矩形状パターン49bによりマークの傾きが求められる。また、図10に示すアライメントマークは矩形状パターン50bの中央部に同じく矩形状パターン50aを配置した、いわゆるボックス・イン・ボックスマークであり、小さい矩形状パターン50aによりマークの中心位置が、大きい矩形状パターン50bによりマークの傾きが求められる。但し、図9の矩形状パターン49b、図10の大きい矩形状パターン50bにより、それぞれのマーク中心を求めるようにしてもよい。これらの場合の指標マークとしては、図3又は図4に示した、指標マーク31a,31b,32a,32bを用いることができる。
露光制御装置6は、ウエハW上に設定された被加工領域としてのショット領域の内から予め選択された複数のショット領域(サンプルショット)のアライメント系15を用いた計測結果(アライメントマークの位置及び傾き)に基づいてEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)演算を行い、ウエハW上におけるショット領域の配列を算出する。そして、この算出結果に従ってウエハステージ10を移動させて各ショット領域を露光領域(投影光学系PLの投影領域)に位置合わせしつつ露光処理を行う。
次に、露光対象としてのウエハW上に設定されるショット領域について説明する。図11は、ウエハW上に設定されるショット領域の配列の一例を示す図である。図11に示す通り、ウエハW上には図1に示すステージ座標系(X,Y)とは異なる座標系(x,y)が設定されており、この座標系(x,y)に沿って規則的にショット領域ES,ES,…,ES(Mは3以上の整数)が形成されている。各ショット領域ES(i=1〜M)にはそれまでの工程によりそれぞれチップパターンが形成されている。また、各ショット領域ESはx方向及びy方向に伸びる所定幅のストリートライン(スクライブライン)で区切られており、各ショット領域ESに接するx方向に伸びたストリートラインの中央部にX軸用のウエハマークMxが形成され、各ショット領域ESに接するy方向に伸びたストリートラインの中央部にY軸用のウエハマークMyが形成されている。
X軸用のウエハマークMx及びY軸用のウエハマークMyはそれぞれx方向及びy方向に所定ピッチで3本の直線パターンを並べたものであり、これらのパターンはウエハWの下地に凹部又は凸部のパターンとして形成されている。ウエハW上の座標系(x,y)でのウエハマークMxのx座標(設計上の座標値)x、及びウエハマークMyのy座標(設計上の座標値)yは既知であり、図2の露光制御装置6内の記憶部(不図示)に記憶されている。この場合、ウエハマークMxのx座標、及びウエハマークMyのy座標を、それぞれショット領域ESのx座標及びy座標とみなす。
また、ウエハW上に設定された複数のショット領域ES〜ESの内、予め所定数のショット領域がサンプルショット(サンプル領域)として選択されている。図11に示す例では、斜線を付した8個のショット領域がサンプルショットSA〜SAとして選択されている。サンプルショットSA〜SAの各々にはウエハマークMx,Myがそれぞれ設けられている。例えば、サンプルショットSAには、ウエハマークMx,Myがそれぞれ設けられている。
また、ウエハW上にはおおまかな位置合わせ(グローバル・アライメント)を行うための2つの2次元のグローバル・アライメントマーク(不図示)が形成されている。これら2つのグローバル・アライメントマークのウエハW上の座標系(x,y)での座標値は既知である。
[EGA演算式]
ここで、EGA計測処理におけるEGA演算に用いられる、ショット配列計算モデルについて説明する。通常、ショット内の計測点が1点又は2点の場合は線形モデル(6パラメータモデル)を、ショット内の計測点が3点以上の場合は線形モデル(10パラメータモデル)を使用してEGA演算を行う。また、ショット配列の非線形な誤差をも考慮する場合には、高次(非線形)EGA計算モデルを使用する。本実施形態では、アライメントマークの傾きをも考慮してEGA演算を行うため、特に高次EGA計測処理において有効である。但し、6パラメータや10パラメータ等の線形モデルであっても適用することは可能である。以下に各EGA計算式を示す。
(1)通常(線形)計算モデル(1次まで使用)
ΔX = Cx_10*Wx + Cx_01*Wy + Cx_sx*Sx + Cx_sy*Sy + Cx_00 (式1)
ΔY = Cy_10*Wx + Cy_01*Wy + Cy_sx*Sx + Cy_sy*Sy + Cy_00 (式2)
各変数の意味は以下の通りである。
Wx, Wy: ウエハ中心を原点とした計測点の位置
Sx, Sy: ショット中心を原点とした計測点の位置
Cx_10: ウエハスケーリングX
Cx_01: ウエハ回転X
Cx_sx: ショットスケーリングX
Cx_sy: ショット回転X
Cx_00: オフセットX
Cy_10: ウエハ回転Y
Cy_01: ウエハスケーリングY
Cy_sx: ショット回転Y
Cy_sy: ショットスケーリングY
Cy_00: オフセットY
上記の変数を用いて表現すれば、ウエハ直交度は-(Cx_01 + Cy_10)、ショット直交度は -(Cx_sy + Cy_sx)である。
上記パラメータのうちのどれを使うかによって、EGA演算モデル(統計演算モデル)を、6パラメータモデル(通常EGAモデル)、10パラメータモデル(ショット内多点モデル)、ショット内平均モデル等と称される場合がある。6パラメータモデルとは、上述のパラメータのうち、ウエハスケーリングX,Yと、ウエハ回転X,Y軸と、オフセットX,Yとを使用するモデルである。10パラメータモデルとは、6パラメータモデルに、ショットスケーリングX,Yとショット回転X,Y軸の計4つのパラメータを加えたものを使用するモデルである。ショット内平均モデルとは、ショット内の複数のマークの計測値を平均してそのショットとしての代表値を1つ算出し、これを用いて上記6パラメータモデルと同様のパラメータ(6パラメータ)を使って各ショット位置のEGA演算を行うモデルである。これら以外にショットファクタ間接適用モデルもあり、このモデルは6パラメータモデルでウエハ誤差パラメータを求め、ショット誤差パラメータを求める際には、10パラメータモデルを使いつつそのうちのウエハ誤差パラメータについては前述した6パラメータモデルで求められたウエハ誤差パラメータを代入してショット誤差パラメータを求めるモデルであり、例えば1枚目のウエハのみ又はインターバルでショット内多点計測を実行するような場合において全ウエハに対して同じ6パラメータモデルでウエハ誤差成分を求めることができるというモデルである。
(2)高次(非線形)計算モデル(2次まで使用)
ΔX = Cx_20*Wx2 + Cx_11*Wx*Wy + Cx_02*Wy2
+ Cx_10*Wx + Cx_01*Wy
+ Cx_00
+ Cx_sx*Sx + Cx_sy*Sy (式3)
ΔY = Cy_20*Wx2 + Cy_11*Wx*Wy + Cy_02*Wy2
+ Cy_10*Wx + Cy_01*Wy
+ Cy_00
+ Cy_sx*Sx + Cy_sy*Sy (式4)
(3)高次(非線形)計算モデル(3次まで使用)
ΔX = Cx_30*Wx3 + Cx_21 Wx2 *Wy + Cx_12*Wx*Wy2 + Cx_03*Wy3
+ Cx_20*Wx2 + Cx_11 Wx *Wy + Cx_02*Wy2
+ Cx_10*Wx + Cx_01*Wy
+ Cx_00
+ Cx_sx*Sx + Cx_sy*Sy (式5)
ΔY = Cy_30*Wx3 + Cy_21*Wx2 *Wy + Cy_12 Wx*Wy2 + Cy_03*Wy3
+ Cy_20*Wx2 + Cy_11*Wx*Wy + Cy_02*Wy2
+ Cy_10*Wx + Cy_01*Wy
+ Cy_00
+ Cy_sx*Sx + Cy_sy*Sy (式6)
ショット内1点計測の場合は、(式1)〜(式6)のショット補正係数Cx_sx、Cx_sy、Cy_sx、Cy_syを除外(即ち「0」とおく)する。
なお、上述した(1)〜(3)の計算モデルにおけるΔX及びΔYは、マークの設計位置と計測位置の位置ずれ量であり、これらの位置ずれ量の自乗の総和が最小となるように上述した(式1)〜(式6)における各係数が求められ、求められた係数に基づいて補正関数が算出される。
また、上記の変形モデルとして、重み付けEGAモデルもある。重み付けEGAとは、例えば特開平5−304077号公報に開示されているように、位置合わせすべきショット領域と他のショット領域の各々との間の距離等に応じてサンプルショットの各座標位置に重み付けを行い、この重み付けされた複数の座標位置を統計演算することにより演算パラメータを算出するものである。
[擬似計測点の設定]
本実施形態では、アライメントマークの傾きをも計測してEGA演算を行うため、上記のEGA計算モデルに当該傾き(以下、マーク傾きということがある)θx,θyを含める必要がある。この場合、マーク傾きθx,θyをパラメータに含むように、上記のEGA演算式を数学的に変更しても勿論よいが、より簡便な手法として、本実施形態では、以下のような手法を採る。これを図12を参照して説明する。
図12において、(Xd,Yd)で示される座標系は、計測対象であるアライメントマーク(以下、単にマークという)の設計位置Md0を原点とした当該マークの設計上の直交座標系(設計座標系)である。また、(Xm,Ym)で示される座標系は、該マークの実際に計測された実位置である計測位置Mm0を原点とし、該マークの傾きθx,θy及び後述するスケーリングSx,Syに応じて該設計座標系(Xd,Yd)を座標変換した座標系(計測座標系)である。
まず、設計座標系(Xd,Yd)において、原点Md0に対して予め決められた所定値だけ離間した複数の位置に擬似設計位置Md1〜Md4を設定する。ここでは、Yd軸上+方向に擬似設計位置Md1を、Xd軸上+方向に擬似設計位置Md2を、Yd軸上−方向に擬似設計位置Md3を、Xd軸上−方向に擬似設計位置Md4を、原点Md0に対してそれぞれ均等な距離をもって設定したが、これは例示であり、これらの擬似設計位置の数や配置は、これに限られない。
次に、各擬似設計位置Md1〜Md4を計測座標系(Xm,Ym)に投影して、それぞれに対応する擬似計測位置Mm1〜Mm4を算出する。この演算を数式で示せば、下記の(式7)の通りである。
Figure 2007096069
(式7)における各パラメータの意味は以下の通りである。
Sx:X方向の倍率(スケーリングX)
Sy:Y方向の倍率(スケーリングY)
θx:X軸に関するマーク傾き
θy:Y軸に関するマーク傾き
X1:擬似設計位置X(マーク中心を原点とする)
Y1:擬似設計位置Y(マーク中心を原点とする)
Xm1:擬似計測位置X
Ym1:擬似計測位置Y
なお、スケーリングX及びスケーリングYとしては、ウエハのX方向若しくはY方向の倍率、ショットのX方向若しくはY方向の倍率、又はX方向若しくはY方向についてそれぞれ設定された固定値を用いることができる。
また、X方向の傾きとY方向の傾きを、及びX方向の倍率とY方向の倍率を共通して扱うものとすれば、下記の(式8)のようになる。
Figure 2007096069
(式8)における各パラメータの意味は以下の通りである。
S:倍率(スケーリング) S=(Sx+Sy)/2
θ:マーク傾き θ=(θx+θy)/2
X1:擬似設計位置X(マーク中心を原点とする)
Y1:擬似設計位置Y(マーク中心を原点とする)
Xm1:擬似計測位置X
Ym1:擬似計測位置Y
なお、倍率Sとしては、ウエハの倍率、ショットの倍率、又は指定された固定値を用いることができる。
上述した処理と同様の処理を各サンプルショットに係る全てのマークについて行い、各マークの実計測位置Mm0及び設計位置Md0に加えて、これらの算出された擬似計測位置Mm1〜Mm4及び擬似設計位置Md1〜Md4をも、EGA演算に用いる計測位置及び設計位置として使用する。なお、これらの擬似設計位置Md1〜Md4の設定及び擬似計測位置Mm1〜Mm4の算出は、上述した通り、仮想的、数学的に行われるものであり、実際の計測を伴うものではない。
このように擬似設計位置及び擬似計測位置を求めて、実設計位置及び実計測位置に加えて、これらをEGA演算に用いる計測位置及び設計位置として使用することにより、上述したEGA計算モデルをそのまま使用して、マークの傾き(方向性)をも加味したEGA演算を行うことができる。なお、ここでは、各サンプルショットについて同じように擬似設計位置の設定及び擬似計測位置の算出を行ったが、サンプルショット毎にこれらの擬似設計位置の設定(数や原点からの距離等)を異ならせるようにしてもよい。このようにすることにより、重み付けEGAのような効果を得ることもできる。
ところで、EGA演算に用いるアライメントマークの適性を判断して、マークつぶれ等のために不適と判断されたマークをリジェクトする(EGA演算に用いない)ことが通常行われている。本実施形態においては、アライメントマークの傾きθx,θyをも計測するようにしているので、この傾きを用いて、リジェクト判断をすることもできる。
即ち、マークのX軸方向の傾きθxとY軸方向の傾きθyの一方又は両方について、例えば、傾き量に関する所定のしきい値を設定して、当該しきい値を越える場合に、当該マークをリジェクトするようにするとよい。また、ウエハW上の複数のサンプルショットに係るアライメントマークについての、それぞれの傾きの平均、傾きの標準偏差(3σ)等に基づいて、各マークを相対評価して、適切でない1個又は数個をリジェクトするようにしてもよい。さらに、複数のウエハWについて各ウエハ間で対応する複数のサンプルショットに係るアライメントマークについての、それぞれの傾きの平均、傾きの標準偏差(3σ)等に基づいて、各マークを相対評価して、適切でない1個又は数個をリジェクトするようにしてもよい。
次に、露光対象とするウエハWに設定された各ショット領域の位置決めを行って、各ショット領域を露光することにより、各ショット領域の各々にレチクルRのパターンを転写する際の動作について、図13に示すフローチャートを参照して説明する。
露光処理が開示されると、まず露光制御装置6は露光対象とするウエハWを図2のウエハホルダー9上にロードする。また、露光制御装置6はウエハWのロード中に不図示の記憶部に記憶されている各種情報を読み出し、初期設定を行う(ステップS10)。具体的には、記憶部から、EGA演算に用いるモデルの種類、計測を行うサンプルショットの位置や数、擬似設計位置の設定及び擬似計測位置の算出に用いる点数や配置等を読み出す。また、リジェクト処理を行うか否かを示す情報、リジェクト処理を行う場合の方式、リジェクト処理を行う場合のしきい値、リジェクト処理を行うマークの上限数等を示す情報を読み出す。
ウエハWのロード及び上記の初期設定が完了すると、露光制御装置6はステージ座標系(X,Y)上での設計上の座標値の初期値に基づいてウエハステージ10を駆動し、サンプルショットSA〜SAに対して設けられているウエハマークMx及びウエハマークMyを順次アライメント系15の計測視野内に追い込み、アライメント系15を介して、各サンプルショットSA〜SAのステージ座標系(X,Y)上での座標値及び傾きを高い精度で計測する(ステップS11)。なお、サンプルショットSA〜SAの座標値を計測するとは、ここでは各サンプルショットSA〜SAに付設されたX軸用及びY軸用のウエハマークのステージ座標系(X,Y)上での座標値を計測することを意味する。
サンプルショットSA〜SAの計測を終えたならば、露光制御装置6は、S10で読み込んだ情報に従って、その設定に応じて各マークの傾きを所定のしきい値と比較判断して、該しきい値を越える傾きを有するマークをリジェクトする(S12)。簡単のため、ここではリジェクトはないものとする。次に、露光制御装置6は、同じくS10で読み込んだ擬似設計位置及び擬似計測位置に関する情報に従って、擬似設計位置を設定するとともに、擬似計測位置を算出する(S13)。その後、露光制御装置6は計測値の各々及びサンプルショットSA〜SAの各々の設計値に加えて、S13で設定及び算出された擬似設計位置及び擬似計測位置を、S10で読み込んだ情報に従って指定されたモデル式に代入して、残留誤差成分の自乗の総和が最小となるように各係数を決定し、ショット配列の補正に関する補正関数を算出する(S14)。
次いで、露光制御装置6は、サンプルショットSA〜SAの設計値を、S14で求めた補正関数に代入して、ウエハW上の全てのショット領域ES,ES,…,ESの配列を求める(S15)。以上の処理を終えると、露光制御装置6は算出したショット領域ES,ES,…,ESの座標値に基づいてウエハステージ10を駆動して最初のショット領域を露光領域(投影光学系PLの投影領域)に位置決めし(S16)、レチクルRのパターンを露光領域に位置合わせされたショット領域に露光転写する(S17)。以下、S16及びS17を順次繰り返して、ウエハW上の全てのショット領域ES,ES,…,ESをステップ・アンド・リピート方式により露光する。
本実施形態によると、アライメントマークの位置のみならず、アライメントマークの傾きをも計測し、この傾きをも加味してEGA計測処理におけるEGA演算を行うようにしたので、EGA演算の精度を向上することができ、特に高次EGA演算に適用した場合には、その安定性を向上することができる。また、アライメントマークの傾きの計測は、撮像素子26により撮像されたサンプルショットに係るアライメントマークの撮像結果を信号処理することにより求めることができるので、露光処理のスループットに殆ど影響を与えることはない。従って、露光処理のスループットを低下させることなく、各ショット領域の露光位置への位置合わせの精度を向上することができ、露光処理の生産性に悪影響を与えることなく、露光精度を向上することができる。
また、アライメントマークの傾きをEGA演算のモデル式に適用するに際し、擬似設計位置の設定及び擬似計測位置の算出を行って、これらを設計位置及び計測位置に含めることにより、現在用いられている一般的なEGA演算モデル式をそのまま適用して、アライメントマークの傾きをも加味することができ、本発明の適用のためのEGA演算に係るソフトウエアの変更修正も容易に行うことができる。さらに、アライメントマークの傾きをパラメータとして、上述したようなリジェクト処理を行うこともでき、アライメントマークの適性の評価をより正確に行うことができるようになるので、これによっても位置決め精度の向上、ひいては露光精度を向上することができる。
なお、図14に示すように、X方向計測用マークXm1と、Y方向計測用マークYm1とが個別マークとして別々に設定されているような場合においては、アライメント系15の座標系におけるXマークXm1の位置及びYマークYm1の位置がマーク位置として求められる。即ち、図14において、M1で示される位置(x,y)がマーク位置となる。なお、M0はマーク中心座標系の原点(0,0)である。しかしながら、図14に示されているように、マーク(ショット)が全体的に傾いている場合には、同図中Mmで示す位置(xm,ym)が適性なマークの位置であり、マークの傾きにより誤差が生じることになる。そこで、このような場合には、当該マークの傾きを計測して、該傾きに基づいて、計測位置M(x,y)を補正して、計測補正位置Mm(xm,ym)を求め、これを上述したEGA演算に用いる計測位置とすれば、かかる誤差を解消することができる。
この場合の演算式は、下記の(式9)の通りである。
Figure 2007096069
(式9)における各パラメータの意味は以下の通りである。
Sx:X方向の倍率(スケーリングX)
Sy:Y方向の倍率(スケーリングY)
θx:X軸に関するマーク傾き
θy:Y軸に関するマーク傾き
X1:計測位置X(マーク中心を原点とする)
Y1:計測位置Y(マーク中心を原点とする)
Xm1:計測補正位置X
Ym1:計測補正位置Y
なお、スケーリングX及びスケーリングYとしては、ウエハのX方向若しくはY方向の倍率、ショットのX方向若しくはY方向の倍率、又はX方向若しくはY方向についてそれぞれ設定された固定値を用いることができる。
また、X方向の傾きとY方向の傾きを、及びX方向の倍率とY方向の倍率を共通して扱うものとすれば、下記の(式10)のようになる。
Figure 2007096069
(式10)における各パラメータの意味は以下の通りである。
S:倍率(スケーリング) S=(Sx+Sy)/2
θ:マーク傾き θ=(θx+θy)/2
X1:計測位置X(マーク中心を原点とする)
Y1:計測位置Y(マーク中心を原点とする)
Xm1:計測補正位置X
Ym1:計測補正位置Y
なお、倍率Sとしては、ウエハの倍率、ショットの倍率、又は指定された固定値を用いることができる。
[重ね合わせ精度計測]
上述した実施形態は、アライメントマークの傾きをも計測してEGA計測処理におけるEGA演算を実施し、これに基づき、ステージの位置合わせを行うものであった。このようなマークの傾き計測は、重ね合わせ精度計測にも同様に適用することができる。以下、本発明の他の実施形態として、重ね合わせ精度計測に本発明を適用した場合について説明する。
重ね合わせ精度計測とは、ウエハW上に配列された複数のショット領域について複数回の露光処理、現像処理等を施した後に、前工程で形成されたショット配列に対する後工程で形成されたショット配列との誤差について、上述したEGA演算と同様の演算(以下、この演算もEGA演算という)を実施して評価するために行われるものである。重ね合わせ精度計測は、図1を参照して上述した通り、露光装置200にインライン接続された、塗布現像装置300内に設けられた重ね合わせ計測器400により行われる。なお、重ね合わせ計測器は、塗布現像装置300とは別にオフラインで設けられる場合もあるのは上述した通りである。
ここで、重ね合わせ計測器400を含む塗布現像装置300の構成を、図15を参照して簡単に説明する。塗布現像装置300は、露光装置200を囲むチャンバにインライン方式で接するように設置されている。塗布現像装置300には、その中央部を横切るようにウエハWを搬送する搬送ライン301が配置されている。この搬送ライン301の一端に未露光若しくは前工程の基板処理装置で処理がなされた多数のウエハWを収納するウエハキャリア302と、本基板処理装置で露光工程及び現像工程を終えた多数のウエハWを収納するウエハキャリア303とが配置されており、搬送ライン301の他端に露光装置200のチャンバ側面のシャッタ付きの搬送口(不図示)が設置されている。
また、塗布現像装置300に設けられた搬送ライン301の一側に沿ってコータ部(塗布部)310が設けられており、他側に沿ってデベロッパ部(現像部)320が設けられている。コータ部310は、ウエハWにフォトレジストを塗布するレジストコータ311、そのウエハW上のフォトレジストをプリベークするためのホットプレートからなるプリベーク装置312、及びプリベークされたウエハWを冷却するためのクーリング装置313を備えて構成されている。
デベロッパ部320は、露光処理後のウエハW上のフォトレジストをベーキングする、いわゆるPEB(Post−Exposure Bake)を行うためのポストベーク装置321、PEBが行われたウエハWを冷却するためのクーリング装置322、及びウエハW上のフォトレジストの現像を行うための現像装置323を備えて構成されている。
さらに、現像装置323の下流側には重ね合わせ計測器400がインライン設置されている。この重ね合わせ計測器400は、前の工程でウエハW上に形成されたマークと、直前の露光工程(露光装置200による露光工程)で形成されたレジストパターン(重ね合わせマーク)の相対位置を測定して重ね合わせ誤差を検出する装置であり、例えば特開2003−97913号公報に開示されているようなものを採用することができる。
なお、コータ部310を構成する各ユニット(レジストコータ311、プリベーク装置312、クーリング装置313)、デベロッパ部320を構成する各ユニット(ポストベーク装置321、クーリング装置322、現像装置323)、及び重ね合わせ計測器400の構成及び配置について、図15に示された配置は便宜的なもの(一例にすぎないもの)であって、実際にはさらに複数の他の処理ユニットやバッファユニット等が設けられるとともに、各ユニットは空間的に配置され、各ユニット間でウエハWを搬送するロボットアームや昇降機等も設けられている。また、処理の順番(ウエハの搬送経路)も常に同一というわけではなく、ウエハWが各ユニット間をどのような経路で通過して処理されるかは、処理ユニットの処理内容や全体としての処理時間の高速化等の観点から最適化され、動的に変更される場合がある。
露光装置200内には、塗布現像装置300に設けられた搬送ライン301の中心軸の延長線にほぼ沿うように第1ガイド部材201が配置され、第1ガイド部材201の端部の上方に直交するように、第2ガイド部材202が配置されている。
第1ガイド部材201には第1ガイド部材201に沿って摺動可能に構成されたスライダ203が配置されており、このスライダ203には回転及び上下動自在にウエハWを保持する第1アーム204が設置されている。また、第2ガイド部材202にはウエハWを保持した状態で第2ガイド部材202に沿って摺動可能に構成された第2アーム205が配置されている。第2ガイド部材202は、ウエハステージ9のウエハのローディング位置まで延びており、第2アーム205には第2ガイド部材202に直交する方向にスライドする機構も備えられている。
また、第1ガイド部材201と第2ガイド部材202とが交差する位置の近傍にウエハWのプリアライメントを行うために回転及び上下動ができる受け渡しピン206が設置され、受け渡しピン206の周囲には、ウエハWの外周部の切り欠き部(ノッチ部)及び2箇所のウエハエッジ部の位置、またはウエハWの外周部に形成されたオリエンテーションフラット及びウエハエッジ部を検出するための位置検出装置(不図示)が設置されている。第1ガイド部材201、第2ガイド部材202、スライダ203、第1アーム204、第2アーム205、及び受け渡しピン206等からウエハローダ系(基板搬送装置)が構成されている。
重ね合わせ計測器400は、上述した露光装置200が備えるアライメント系15とほぼ同様の計測装置及びウエハWをX−Y平面内で移動するステージを備えて構成される。但し、この計測装置には、アライメント系15に設けられているような指標板22は設けられていない。
重ね合わせ精度計測においては、例えば、前工程で形成されたパターン(以下、前層ということがある)と後工程で形成されたパターン(以下、後層ということがある)のそれぞれにおけるマーク(上述したアライメントマークや重ね合わせ計測専用のマーク等)を計測するものであり、上述したEGA計測におけるアライメント系15内に設けられた指標板22の指標マークと同様の構成のマークを前層で形成し、上述したEGA計測におけるアライメントマークAMと同様の構成のマークを後層で形成する。前層のマーク(以下、前層マークという)と後層のマーク(以下、後層マークという)は、互いに重ね合わされるような位置関係で形成される。この実施形態では、前層マークに対する後層マークの傾きをも考慮して、重ね合わせ精度計測処理におけるEGA演算を実施する。
重ね合わせ精度計測において、好適なマークとしては、図16及び図17に示すようなモアレ縞パターンを有するものを用いることができる。図16はウエハW上に前層で形成される前層マークを示しており、図17はウエハW上に後層として形成される後層マークを示している。なお、前層マークと後層マークとは、これらと逆であってもよい。図16に示すように、この前層マークは、中央部の矩形状パターン53の外側に矩形状に配置された4つのモアレパターン51a,51b,52a,52bを有している。モアレ縞パターン51a,51b,52a,52bは、上述した指標板22に形成されたモアレ縞パターン41a,41b,42a,42bと同様に、それぞれ所定のピッチPで配列された複数(ここでは、10本)の直線パターンから構成されている。なお、同図において、XP方向、YP方向は、それぞれ重ね合わせ計測器400が備えるステージのステージ座標系のX方向及びY方向と共役になっている。
また、図17に示すように、後層マークは、上述した前層マークの矩形状パターン53よりも小さい矩形状マーク56の外側に、前層マークのモアレ縞パターン51a,51b,52a,52bと同様に、矩形状に配置された4つのモアレ縞パターン54a,54b,55a,55bを有している。ここでは、前層マークのモアレ縞パターン51a,51b,52a,52bと、後層マークのモアレ縞パターン54a,54b,55a,55bは全く同一である。
図18は図16に示した前層マークと図17に示した後層マークを重ね合わせたものであり、このような状態でウエハW上にそれぞれのマークが形成されているものとする。後層マークの位置(X方向及びY方向の座標)は、重ね合わせ計測器400が備える計測装置の撮像素子で撮像された撮像結果において、図16の前層マークの大きい矩形状パターン53によって規定される中心位置(XP方向及びYP方向の座標)を基準として、図17の後層マークの小さい矩形状パターン56によって規定される中心位置(XP方向及びYP方向の座標)の位置ずれ量(Δx,Δy)として求められる。
なお、前層マーク及び後層マークのそれぞれの中心位置は、上述したEGA計測の場合と同様に、各モアレ縞パターン51a,51b,52a,52b,54a,54b,55a,55bから求めてもよい。前層マークに対する後層マークの傾きは上述したEGA計測の場合と同様にして求められる。なお、この重ね合わせ精度計測においても、図3〜図6、図9及び図10に示したようなマークやその他のマークを用いることができる。この場合には、指標マークとして説明したマークは前層マークと読み替え、アライメントマークとして説明したマークは後層マークと読み替える。但し、前層マークと後層マークは逆であってもよい。
擬似設計位置の設定及び擬似計測位置の算出、EGA演算モデル、マーク傾きによるリジェクト処理、その他の処理は、上述したEGA計測の場合とほぼ同様であるので、その説明は省略する。なお、重ね合わせ精度計測におけるEGA演算においては、上述したEGA計測におけるEGA演算の設計値として、計測された前層マークの位置及び傾きが用いられる。この重ね合わせ精度計測による計測結果(補正関数)を、露光装置におけるアライメントにフィードバックし、この補正関数に基づいて算出されるショット配列に従って、位置合わせ及び露光処理を行うようにしてもよい。
上述した他の実施形態によると、前層マークに対する後層マークの位置のみならず、前層マークに対する後層マークの傾きをも計測し、この傾きをも加味してEGA演算を行うようにしたので、EGA演算の精度を向上することができ、特に高次EGA演算に適用した場合には、その安定性を向上することができる。また、この傾きの計測は、撮像素子により撮像されたサンプルショットに係る前層マーク及び後層マークの撮像結果を信号処理することにより求めることができるので、重ね合わせ精度計測のスループットに殆ど影響を与えることはない。従って、スループットを低下させることなく、重ね合わせ精度計測の精度を向上することができる。その他の効果については、上述したEGA計測の場合と同様である。
[デバイス製造方法]
次に、上述した露光システムをリソグラフィー工程において使用したデバイスの製造方法について説明する。
図19は、例えばICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等の電子デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図19に示すように、電子デバイスの製造工程においては、まず、電子デバイスの回路設計等のデバイスの機能・性能設計を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行い(S21)、次に、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する(S22)。一方、シリコン等の材料を用いてプロセス(デバイス製造用)ウエハ(シリコン基板)を製造する(S23)。
次に、S22で製作したマスク及びS23で製造したプロセスウエハを使用して、リソグラフィー技術等によってプロセスウエハ上に実際の回路等を形成する(S24)。具体的には、まず、プロセスウエハ表面に、絶縁膜、電極配線膜あるいは半導体膜との薄膜を成膜し(S241)、次に、この薄膜の全面にレジスト塗布装置(コータ)を用いて感光剤(レジスト)を塗布する(S242)。次に、このレジスト塗布後の基板を、露光装置のウエハホルダ上にロードするとともに、S22において製造したマスクをレチクルステージ上にロードして、そのマスクに形成されたパターンをプロセスウエハ上に縮小転写する(S243)。この時、露光装置においては、上述した本発明に係るEGA計測又は重ね合わせ精度計測により求められたショット配列座標に従って、プロセスウエハの各ショット領域を順次露光位置に位置合わせし、各ショット領域にマスクのパターンを順次転写する。
露光が終了したら、プロセスウエハをウエハホルダからアンロードし、現像装置(デベロッパ)を用いて現像する(S244)。これにより、プロセスウエハ表面にマスクパターンのレジスト像が形成される。そして、現像処理が終了したプロセスウエハに、エッチング装置を用いてエッチング処理を施し(S245)、プロセスウエハ表面に残存するレジストを、例えばプラズマアッシング装置等を用いて除去する(S246)。
これにより、プロセスウエハの各ショット領域に、絶縁層や電極配線等のパターンが形成される。そして、この処理をマスクを変えて順次繰り返すことにより、プロセスウエハ上に実際の回路等が形成される。プロセスウエハ上に回路等が形成されたら、次に、デバイスとしての組み立てを行う(S25)。具体的には、プロセスウエハをダイシングして個々のチップに分割し、各チップをリードフレームやパッケージに装着し電極を接続するボンディングを行い、樹脂封止等パッケージング処理を行う。そして、製造したデバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行い(S26)、デバイス完成品として出荷等する。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上記実施形態においては、露光装置としてステップ・アンド・リピート方式の露光装置を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用することも可能である。また、半導体素子や液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、及び撮像素子(CCD等)の製造にも用いられる露光装置、及びレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
また、露光装置で用いる露光用照明光(エネルギビーム)は紫外光に限られるものではなく、X線(EUV光を含む)、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線などでもよい。また、DNAチップ、マスク又はレチクルなどの製造用に用いられる露光装置でもよい。
さらに、上記実施形態では本発明を露光装置に適用した場合について説明したが、本発明は、ウエハW等の物体上に形成されたパターンに修正を施すレーザリペア装置、該物体上に施された加工の精度や良否を検査する検査装置や試験装置、その他の物体の位置合わせを行う装置全般について適用が可能である。
本発明の実施形態に係る露光システムの概略構成を示す図である。 本発明の実施形態の露光装置の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態の指標マーク及びアライメントマークの一例を示す図である。 本発明の実施形態の指標マーク及びアライメントマークの他の例を示す図である。 本発明の実施形態の指標マークの更に他の例を示しており、モアレ縞パターンを有するものを示す図である。 本発明の実施形態のアライメントマークの更に他の例を示してしており、モアレ縞パターンを有するものを示す図である。 図6のアライメントマークの所定の位置における計測波形を示す図である。 図5の指標マークと図6のアライメントマークを重ね合わせた場合を示す図である。 本発明の実施形態のアライメントマークの更に他の例を示す図である。 本発明の実施形態のアライメントマークの更に他の例を示す図である。 本発明の実施形態のウエハ上に設定されるショット領域の配列の一例を示す図である。 本発明の実施形態の擬似設計位置の設定及び擬似計測位置の算出を説明するための図である。 本発明の実施形態の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態のアライメントマークの位置を該アライメントマークの傾きに応じて補正する場合を説明するための図である。 本発明の実施形態における塗布現像装置の概略構成を示す図である。 本発明の他の実施形態の前層マークの一例を示しており、モアレ縞パターンを有するものを示す図である。 本発明の他の実施形態の後層マークの一例を示しており、モアレ縞パターンを有するものを示す図である。 図16の前層マークと図17の後層マークを重ね合わせた場合をす図である。 電子デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
W…ウエハ
100…露光システム
200…露光装置
300…塗布現像装置
400…重ね合わせ計測器
31a,31b,32a,32b…指標マーク
MxP…アライメントマークの像
41a,41b,42a,42b,44a,44b,45a,45b…モアレ縞パターン

Claims (18)

  1. 物体上に配列された複数の被加工領域の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ方法において、
    前記被加工領域について形成された複数の実マークの位置及び傾きを計測する計測ステップと、
    前記計測ステップで計測された前記実マークの計測位置情報及び計測傾き情報並びに該実マークの設計位置情報を含む演算パラメータに基づいて、所定の統計演算により前記被加工領域の配列に関する配列情報を算出する算出ステップと、
    前記算出ステップで算出された前記配列情報に基づいて、前記位置合わせを行う位置合わせステップと、
    を含むことを特徴とする位置合わせ方法。
  2. 前記算出ステップでは、
    前記設計位置情報に基づいて、前記実マークの少なくとも1つについて該実マークから離間した少なくとも1つの、計算上でのみ用いられる擬似マークを設定し、
    前記擬似マークの設定位置に相当する擬似設計位置情報を、前記計測位置情報及び前記計測傾き情報に基づいて投影して、擬似計測位置情報を算出し、
    前記計測位置情報、前記設計位置情報、前記擬似設計位置情報、及び前記擬似計測位置情報を前記演算パラメータとすることを特徴とする請求項1に記載の位置合わせ方法。
  3. 前記算出ステップでは、
    前記計測位置情報を前記計測傾き情報で補正した補正計測位置情報、及び前記設計位置情報を、前記演算パラメータとすることを特徴とする請求項1に記載の位置合わせ方法。
  4. 前記算出ステップは、
    前記計測傾き情報に基づいて前記統計演算に用いる前記実マークの適性を判断し、前記演算パラメータから当該不適マークに係る演算パラメータを除外するリジェクトステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の位置合わせ方法。
  5. 前記リジェクトステップにおける前記実マークの適性の判断は、前記物体上の複数の実マークに係る前記計測傾き情報を相対評価することにより行うことを特徴とする請求項4に記載の位置合わせ方法。
  6. 前記リジェクトステップにおける前記実マークの適性の判断は、複数の物体についての該物体間で対応する複数の実マークに係る前記計測傾き情報を相対評価することにより行うことを特徴とする請求項4に記載の位置合わせ方法。
  7. 前記実マークはモアレ縞マークを含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の位置合わせ方法。
  8. 物体上に配列された複数の被加工領域について複数回の加工を施した後に、前工程で加工された前工程加工内容と、後工程で加工された後工程加工内容との重ね合わせに関する重ね合わせ精度情報を計測する重ね合わせ精度計測方法において、
    前記前工程で形成された複数の前工程実マークの位置を計測する前工程計測ステップと、
    前記後工程で形成された複数の後工程実マークの位置及び傾きを計測する後工程計測ステップと、
    前記後工程計測ステップで計測された前記後工程実マークの後工程計測位置情報及び後工程計測傾き情報並びに前記前工程計測ステップで計測された前記前工程実マークの前工程計測位置情報を含む演算パラメータに基づいて、所定の統計演算により、前記重ね合わせ精度情報を算出する算出ステップと、
    を含むことを特徴とする重ね合わせ精度計測方法。
  9. 前記算出ステップでは、
    前記前工程計測位置情報に基づいて、前記前工程実マークの少なくとも1つについて該前工程実マークから離間した少なくとも1つの、計算上でのみ用いられる擬似マークを設定し、
    前記擬似マークの設定位置である擬似設計位置情報を、前記後工程計測位置情報及び前記後工程計測傾き情報に基づいて投影して、擬似計測位置情報を算出し、
    前記後工程計測位置情報、前記前工程計測位置情報、前記擬似設計位置情報、及び前記擬似計測位置情報を前記演算パラメータとすることを特徴とする請求項8に記載の重ね合わせ精度計測方法。
  10. 前記算出ステップでは、
    前記後工程計測位置情報を、前記後工程計測傾き情報で補正した補正計測位置情報及び前記前工程計測位置情報を前記演算パラメータとすることを特徴とする請求項8に記載の重ね合わせ精度計測方法。
  11. 前記算出ステップは、
    前記後工程計測傾き情報に基づいて前記統計演算に用いる前記後工程実マークの適性を判断し、前記演算パラメータから当該不適マークに係る演算パラメータを除外するリジェクトステップを含むことを特徴とする請求項8に記載の重ね合わせ精度計測方法。
  12. 前記リジェクトステップにおける前記後工程実マークの適性の判断は、前記物体上の複数の後工程実マークに係る前記後工程計測傾き情報を相対評価することにより行うことを特徴とする請求項11に記載の重ね合わせ精度計測方法。
  13. 前記リジェクトステップにおける前記後工程実マークの適性の判断は、複数の物体についての該物体間で対応する複数の後工程実マークに係る前記後工程計測傾き情報を相対評価することにより行うことを特徴とする請求項11に記載の重ね合わせ精度計測方法。
  14. 前記前工程実マーク及び前記後工程実マークは互いに対応するモアレ縞マークをそれぞれ含むことを特徴とする請求項8〜13の何れか一項に記載の重ね合わせ精度計測方法。
  15. マスクのパターンを基板上に配列された複数のショット領域に対して露光転写する露光方法において、
    請求項1〜7の何れか一項に記載の位置合わせ方法を用いて、前記被加工領域としての前記ショット領域を、前記所定の加工位置としての露光位置に対して、順次位置合わせしつつ、各ショット領域を露光するステップを含むことを特徴とする露光方法。
  16. 物体上に配列された複数の被加工領域の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ装置において、
    前記被加工領域について形成された複数の実マークの位置及び傾きを計測する計測装置と、
    前記計測装置で計測された前記実マークの計測位置情報及び計測傾き情報並びに該実マークの設計位置情報を含む演算パラメータに基づいて、所定の統計演算により前記被加工領域の配列に関する配列情報を算出する算出装置と、
    前記算出装置で算出された前記配列情報に基づいて、前記位置合わせを行う位置合わせ装置と、
    を備えることを特徴とする位置合わせ装置。
  17. マスクのパターンを基板上に配列された複数のショット領域に対して露光転写する露光装置において、
    請求項16に記載の位置合わせ装置を備え、
    前記位置合わせ装置を用いて、前記被加工領域としての前記ショット領域を、前記所定の加工位置としての露光位置に対して、順次位置合わせしつつ、各ショット領域を露光することを特徴とする露光装置。
  18. 物体上に配列された複数の被加工領域について複数回の加工を施した後に、前工程で加工された前工程加工内容と、後工程で加工された後工程加工内容との重ね合わせに関する重ね合わせ精度情報を計測する重ね合わせ精度計測装置において、
    前記前工程で形成された複数の前工程実マークの位置及び前記後工程で形成された複数の後工程実マークの位置及び傾きを計測する計測装置と、
    前記計測装置で計測された前記後工程実マークの後工程計測位置情報及び後工程計測傾き情報並びに前記計測装置で計測された前記前工程実マークの前工程計測位置情報を含む演算パラメータに基づいて、所定の統計演算により、前記重ね合わせ精度情報を算出する算出装置と、
    を備えることを特徴とする重ね合わせ精度計測装置。
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