JP5354395B2 - 転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5354395B2
JP5354395B2 JP2011105917A JP2011105917A JP5354395B2 JP 5354395 B2 JP5354395 B2 JP 5354395B2 JP 2011105917 A JP2011105917 A JP 2011105917A JP 2011105917 A JP2011105917 A JP 2011105917A JP 5354395 B2 JP5354395 B2 JP 5354395B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transfer
measurement
image
mark
exposure apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2011105917A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011151425A (ja
Inventor
伊織 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP2011105917A priority Critical patent/JP5354395B2/ja
Publication of JP2011151425A publication Critical patent/JP2011151425A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5354395B2 publication Critical patent/JP5354395B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70483Information management; Active and passive control; Testing; Wafer monitoring, e.g. pattern monitoring
    • G03F7/70605Workpiece metrology
    • G03F7/70616Monitoring the printed patterns
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L22/00Testing or measuring during manufacture or treatment; Reliability measurements, i.e. testing of parts without further processing to modify the parts as such; Structural arrangements therefor
    • H01L22/10Measuring as part of the manufacturing process
    • H01L22/12Measuring as part of the manufacturing process for structural parameters, e.g. thickness, line width, refractive index, temperature, warp, bond strength, defects, optical inspection, electrical measurement of structural dimensions, metallurgic measurement of diffusions

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Length-Measuring Devices Using Wave Or Particle Radiation (AREA)

Description

本発明は、転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、露光装置により物体上に形成されたマーク(計測用マークの転写像)のサイズに基づいて露光装置によるパターンの転写特性を計測する転写特性計測方法、該転写特性計測方法を利用した露光装置の調整方法及び該調整方法により調整された露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
一般に、半導体素子、表示素子(液晶表示素子等)、撮像素子(CCD等)、薄膜磁気ヘッド、あるいはマイクロマシンなどのマイクロデバイスを製造するリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、ウエハ又はガラスプレート等の物体(以下、「ウエハ」と総称する)上に転写する、種々の露光装置が用いられている。近年では、スループットを重視する観点からステップ・アンド・リピート方式の縮小投影型露光装置(いわゆるステッパ)やステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャナ(スキャニング・ステッパとも呼ばれる))などの逐次移動型の投影露光装置が、主として用いられている。
この種の投影露光装置は、マイクロデバイスの製造に用いられるものであることから、最終製品であるデバイスに所望の性能を発揮させるためには、レチクル上に形成されたパターンの投影光学系の投影倍率に応じた縮小像(パターンが投影倍率に応じた大きさに縮小された元のパターンと相似形の像)をウエハ上に正確に形成できることが重要である。特に、レチクル上の同一サイズのパターンの転写像は、投影光学系の有効視野又は露光フィールド内の全域で、同一サイズで形成できること、すなわちパターンサイズの面内均一性などが重要である。例えば、ラインパターンの場合、その像の線幅が、面内で均一であるとともに、縦ライン、横ライン間においても、線幅均一性が重要である。
上記のパターンサイズの面内均一性などは、投影光学系の結像特性によって大きく影響を受け、例えば投影光学系に像面湾曲、球面収差、コマ収差やディストーションなどの収差がある場合には、それぞれ異なる位置に形成される同一サイズのパターンの像の形成状態が異なったものとなる。また、投影光学系に非点収差がある場合には、同一サイズの横線パターンのレジスト像と縦線パターンのレジスト像の形成状態が異なったものとなる。このことを、反対から言えば、投影光学系を介してウエハ上にそれぞれ転写された同一サイズのパターンの複数の転写像(例えばレジスト像など)のサイズ(例えば線幅)の計測を行えば、その計測結果に基づいて投影光学系の結像特性を知ることができ、さらには投影光学系の結像特性の調整などの露光装置の調整が可能になるということである。
近年では、パターンの微細化に伴い、ウエハ上に形成されたレジスト像などのサイズ(例えばラインパターンの場合の線幅など)を計測する場合、計測装置として測長用の走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)(以下、単に「SEM」と言う)が用いられるのが一般的になっている。
しかるに、露光装置によりレチクルのパターンがウエハ上に転写され、そのウエハの現像後にそのウエハ上のほぼ同一位置に形成されたレジスト像の線幅計測を、市販の測長用のSEMシステムを用いて行う場合に、露光装置の調整を何度となく繰り返し行っても、縦線パターンのレジスト像と横線パターンのレジスト像とで、最近の露光装置に要求されるパターン線幅制御性の仕様(スペック)を満足できない線幅差が計測結果に含まれ、半導体工場内の露光装置の立ち上げに予想外の時間を要する事態が頻繁に発生するようになってきた。
露光装置に要求されるパターン線幅制御性の仕様(スペック)は将来的に更に厳しくなるのは確実であるから、上記の線幅差を低減できる新技術を開発することは、重要である。
本発明者は、上記の縦線パターンのレジスト像と横線パターンのレジスト像との線幅差の要因を正確に知るため、種々の実験を繰り返し行った結果、投影光学系を収差が殆どない状態まで調整しても、上述した測長用のSEMによる計測の結果に上記の線幅差が含まれることを確認した。このことより、本発明者は、上記の線幅差は、何らかの要因による計測誤差が大部分を占めるとの結論に達し、線幅計測の一連の処理を分析した。その結果、SEMによるレジスト像の画像取り込み、及びその後に行われるその画像に対するエッジ検出処理を含む画像処理の組み合わせに、上記の計測誤差の発生要因があること、特に、画像処理の過程で、横線パターンのレジスト像の画像のみ回転した画像に対してエッジ検出処理が行われることが、上記誤差発生の主要因であるとほぼ確信した。
本発明は、本発明者の上記誤差の発生要因の究明結果に基づいてなされたもので、第1の観点からすると、マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置の異なる2方向に関する転写特性を計測する転写特性計測方法であって、前記露光装置を用いて、前記2方向の転写特性の計測に用いられる第1及び第2要素を含むマークを物体上に形成する転写工程と、前記物体を計測装置内で基準方向に設定して前記第1及び第2要素の一方を含む前記マークの少なくとも一部の第1画像を取り込むとともに、前記第1画像の取込時と回転角が実質的に前記2方向の交差角と同一角度α(0°<α<180°)だけ異なる前記第1及び第2要素の他方を含む前記マークの少なくとも一部の第2画像を取り込む画像取込工程と、前記第1及び第2画像をそれぞれ処理して、前記マークの前記2方向に関する第1及び第2サイズをそれぞれ計測する計測工程と、を含み、前記転写工程では、前記露光装置による少なくとも1回の第1露光と、前記第1露光と前記物体の回転角が実質的に前記角度αだけ異なる少なくとも1回の第2露光とによって、前記物体上の異なる領域に前記マークがそれぞれ形成され、前記画像取込工程では、前記第1露光によって形成される第1マークの少なくとも前記第1及び第2要素の一方を前記第1画像として取り込んだ後、前記物体を実質的に回転させることなく、前記第2露光によって形成される第2マークの少なくとも前記第1及び第2要素の他方を前記第2画像として取り込むことを特徴とする第1の転写特性計測方法である。
これによれば、露光装置による少なくとも1回の第1露光と、前記第1露光と前記物体の回転角が実質的に前記角度αだけ異なる少なくとも1回の第2露光とによって、2方向の転写特性の計測に用いられる第1及び第2要素を含むマークが物体上の異なる領域それぞれ形成される。次に、このマークが形成された物体が計測装置内で基準方向に設定され、前記第1及び第2要素の一方を含む前記マークの少なくとも一部の第1画像が取り込まれるとともに、第1画像の取込時と回転角が実質的に前記2方向の交差角と同一角度α(0°<α<180°)だけ異なる前記第1及び第2要素の他方を含む前記マークの少なくとも一部の第2画像が取り込まれる。例えば、前記第1露光によって形成される第1マークの少なくとも前記第1及び第2要素の一方が前記第1画像として取り込まれた後、前記物体を実質的に回転させることなく、前記第2露光によって形成される第2マークの少なくとも前記第1及び第2要素の他方が前記第2画像として取り込まれる。そして、前記第1及び第2画像をそれぞれ処理して、前記マークの前記2方向に関する第1及び第2サイズがそれぞれ計測される。すなわち、第1及び第2画像は、例えば物体上でのマーク配置などに応じて計測装置による取込が実質的に同一条件で行われて、画像処理が施されるので、画像の取り込みと画像処理との組み合わせに起因するマークのサイズ計測精度の低下を防止することができ、結果的に露光装置の異なる2方向に関する転写特性を正確に計測(評価)することが可能となる。
本発明は、第2の観点からすると、マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置によるパターンの転写特性を計測する転写特性計測方法であって、所定の計測用マークが少なくとも1つ形成されたパターン領域を有する計測マスクを前記露光装置に搭載して露光を行い、前記パターン領域を前記物体上に転写する第1転写工程と、前記計測マスク及び前記物体の少なくとも一方を回転して、前記計測マスクに対する前記物体の角度が、前記第1転写工程から所定角度α(0°<α<180°)変化した状態で、前記パターン領域を前記物体上に転写する第2転写工程と、前記物体が基準方向に設定された状態で、前記第1転写工程で前記物体上に形成された前記計測用マークの第1の転写像と、前記第2転写工程で前記物体上に形成された前記計測用マークの第2の転写像との画像を、計測装置によりそれぞれ取り込む画像取り込み工程と、取り込まれた前記第1の転写像の画像と第2の転写像の画像に対してエッジ検出処理を伴う画像処理をそれぞれ施して、前記計測用マークの第1の転写像及び第2の転写像それぞれの前記基準方向に対応する方向に直交する計測方向に関するサイズを、少なくとも計測する計測工程と、を含む第2の転写特性計測方法である。
これによれば、所定の計測用マークが少なくとも1つ形成されたパターン領域を有する計測マスクを露光装置に搭載して露光を行い、前記パターン領域を物体上に転写し、前記計測用マークの第1の転写像を前記物体上に形成する。また、前記計測マスク及び前記物体の少なくとも一方を回転して、前記計測マスクに対する前記物体の角度が、第1の転写像の形成時の状態から所定角度α(0°<α<180°)変化した状態で、前記パターン領域を前記物体上に転写し、前記計測用マークの第2の転写像を物体上に形成する。そして、前記物体が基準方向に設定された状態で、物体上に形成された計測用マークの第1の転写像の画像と、物体上に形成された計測用マークの第2の転写像の画像が、計測装置により取り込まれる。そして、取り込まれた第1の転写像の画像と第2の転写像の画像に対してエッジ検出処理を伴う画像処理がそれぞれ施され、計測用マークの第1の転写像及び第2の転写像それぞれの前記基準方向に対応する方向に直交する計測方向に関するサイズが、少なくとも計測される。すなわち、第1及び第2の転写像は、例えば計測装置による画像取込が実質的に同一条件で行われるように物体上にそれぞれ形成されるので、計測装置によりそれぞれ取り込まれた第1及び第2の転写像の画像に対して、いずれにも回転を加えることなくエッジ検出処理を伴う画像処理が施され、計測用マークの第1の転写像及び第2の転写像それぞれの計測方向のサイズが計測される。これにより、画像の取り込みと画像処理との組み合わせに起因する計測用マークの像のサイズ計測精度の低下を防止することができ、結果的に露光装置によるパターンの転写特性を正確に計測(評価)することが可能となる。
本発明は、第の観点からすると、本発明の第1及び第2の転写特性計測方法のいずれかを用いて、マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置によるパターンの転写特性を計測する工程と、前記計測結果に基づいて、前記露光装置の調整を行う調整工程と、を含む露光装置の調整方法である。
これによれば、本発明の第1及び第2の転写特性計測方法のいずれかを用いて露光装置によるパターンの転写特性が正確に計測(評価)され、この計測結果に基づいて露光装置の調整が行われる。従って、露光装置によるパターンの転写特性を精度良く調整することが可能となる。
また、リソグラフィ工程において、本発明の調整方法によりパターンの転写特性が調整される露光装置で、マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写することにより、高集積度のデバイスを歩留り良く製造することができる。従って、本発明は、更に別の観点からすると、本発明の調整方法により調整された露光装置を用いてデバイスを製造するデバイス製造方法であるとも言える。
一実施形態に係る露光装置を示す概略図である。 計測用レチクルをパターン面側から見た平面図である。 露光装置によるパターンの転写特性の計測方法の一部の処理を行う際の露光装置の主制御装置内のCPUの処理アルゴリズムを簡略化して示すフローチャートである。 図3のステップ102のサブルーチンの処理の一例を示す図である。 第4ショット目までのパターン転写処理が終了したときの計測用ウエハWTの状態を示す図である。 第24ショット目までのパターン転写処理が終了したときの計測用ウエハWTの状態を示す図である。 第28ショット目までのパターン転写処理が終了したときの計測用ウエハWTの状態を示す図である。 全48ショットのパターン転写処理が終了したときの計測用ウエハWTの状態を示す図である。 計測用ウエハWT上のショット領域SA1に形成される計測用マークMP1〜MP13のレジスト像M1〜M13を示す図である。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、本発明の露光装置の調整方法が適用される一実施形態に係る露光装置100の概略構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャナ)である。
露光装置100は、光源及び照明光学系から成る照明系10、この照明系10からのエネルギビームとしての露光用照明光(以下、「照明光」と略述する)ILにより照明されるマスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRから射出された照明光ILを物体としてのウエハW上(像面上)に投射する投影光学系PL、ウエハWを保持するウエハステージWST、及びこれらの制御系等を備えている。
前記照明系10は、例えば特開2001−313250号公報及びこれに対応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、光源、オプティカルインテグレータ等を含む照度均一化光学系、ビームスプリッタ、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド等(いずれも不図示)を含んで構成されている。この照明系10では、レチクルブラインドで規定されたレチクルR上のスリット状の照明領域IARを照明光ILによりほぼ均一な照度で照明する。ここで、照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。また、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)あるいは回折光学素子などを用いることができる。この他、照明系10として、例えば特開平6−349701号公報及びこれに対応する米国特許第5,534,970号明細書などに開示される構成を採用しても良い。
前記レチクルステージRST上にはレチクルRが装填され、不図示の静電チャック(又はバキュームチャック)等を介して吸着保持されている。レチクルステージRSTは、不図示の駆動系により水平面(XY平面)内で微小駆動(回転を含む)が可能な構成となっている。レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含む不図示のレチクルステージ駆動部によって、照明系の光軸(後述する投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直なXY平面内で微少駆動可能(Z軸回りの回転を含む)であるとともに、所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に指定された走査速度で駆動可能となっている。
レチクルステージRSTのXY平面内の位置は、レチクルステージRSTに設けられた(又は形成された)反射面を介してレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)54Rによって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計54RからのレチクルステージRSTの位置情報は、照明光学系(光源を除く照明系10の構成部分)及び投影光学系等を内部に収容する不図示の本体チャンバの外部に設置された主制御装置50に供給される。主制御装置50は、レチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクルステージ駆動部(不図示)を介してレチクルステージRSTを駆動制御する。
前記投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックな縮小系が用いられている。この投影光学系PLの投影倍率は例えば1/4、1/5あるいは1/6等である。このため、前記の如くして、照明光ILによりレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLを介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターン等の縮小像がその照明領域IARと共役なウエハW上の照明光ILの照射領域(露光領域)IAに形成される。
投影光学系PLとしては、複数枚、例えば10〜20枚程度の屈折光学素子(レンズ素子)13のみから成る屈折系が用いられている。この投影光学系PLを構成する複数枚のレンズ素子13のうち、物体面側(レチクルR側)の複数枚(ここでは、説明を簡略化するために4枚とする)のレンズ素子131,132,133,134は、結像特性補正コントローラ48によって外部から駆動可能な可動レンズとなっている。レンズ素子131〜134は、不図示の二重構造のレンズホルダをそれぞれ介して鏡筒に保持されている。これらレンズ素子131〜134は、内側レンズホルダにそれぞれ保持され、これらの内側レンズホルダが不図示の駆動素子(アクチュエータ)、例えばピエゾ素子などにより重力方向に関して3点で外側レンズホルダに対して支持されている。そして、これらの駆動素子に対する印加電圧を独立して調整することにより、レンズ素子131〜134のそれぞれを投影光学系PLの光軸方向であるZ軸方向にシフト駆動、及びXY面に対する傾斜方向(すなわちX軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向)に駆動可能(チルト可能)な構成となっている。
その他のレンズ素子13は、通常のレンズホルダを介して鏡筒に保持されている。なお、レンズ素子131〜134に限らず、投影光学系PLの瞳面近傍、又は像面側に配置されるレンズ素子、あるいは投影光学系PLの収差、特にその非回転対称成分を補正する収差補正板(光学プレート)などを駆動可能に構成しても良い。更に、それらの駆動可能な光学素子の自由度(移動可能な方向)は3つに限られるものではなく1つ、2つあるいは4つ以上でも良い。
前記ウエハステージWST上にはウエハホルダ25を介してウエハWが真空吸着(あるいは静電吸着)等により保持されている。本実施形態では、ウエハホルダ25として、特開2002−050560号公報及びこれに対応する米国特許出願公開2003/0020889号明細書などに開示されるような、不図示の駆動装置(例えば回転モータ)により、ウエハを保持した状態でZ軸回りにほぼ180°の角度範囲内で回転が可能とされたホルダが採用されている。
ウエハステージWSTは、投影光学系PLの下方に配置され、リニアモータ、ボイスコイルモータ(VCM)等から成るウエハステージ駆動部56により、XY平面内方向及びZ軸方向に移動可能であり、XY面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向(θx方向)及びY軸回りの回転方向(θy方向))にも微小駆動可能となっている。
ウエハステージWSTのXY平面内での位置(Z軸回りの回転(θz回転)を含む)は、ウエハステージWSTに設けられた(又は形成された)反射面を介してウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」と略述する)54Wによって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。ウエハ干渉計54Wは、測長軸を複数有する多軸干渉計を複数含み、これらの干渉計によって、ウエハステージWSTの回転(θz回転(ヨーイング)、Y軸回りの回転であるθy回転(ローリング)、及びX軸回りの回転であるθx回転(ピッチング))が計測可能となっている。
ウエハ干渉計54Wによって検出されたウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は主制御装置50に供給される。主制御装置50は、ウエハステージWSTの上記位置情報(又は速度情報)に基づいて、ウエハステージ駆動部56を介してウエハステージWSTの位置を制御する。
また、ウエハステージWST上には、後述するレチクルアライメント用の複数対の第1基準マーク、後述するアライメント系ALGのベースライン計測用の基準マーク等が形成された基準マーク板FMが、その表面がウエハWの表面とほぼ同一高さとなるように固定されている。
本実施形態の露光装置100には、主制御装置50によってオン・オフが制御される光源を有し、投影光学系PLの結像面に向けて多数のピンホール又はスリットの像を形成するための結像光束を光軸AXに対して斜め方向より照射する照射系60aと、それらの結像光束のウエハW表面での反射光束を受光する受光系60bとからなる射入射方式の多点焦点位置検出系(以下、単に「焦点位置検出系」と呼ぶ)が設けられている。なお、本実施形態の焦点位置検出系(60a、60b)と同様の多点焦点位置検出系の詳細な構成は、例えば特開平6−283403号公報及びこれに対応する米国特許第5,448,332号明細書等に開示されている。なお、上記公報等に記載の多点焦点位置検出系は、ウエハW上の露光領域IAの内部だけでなく、その外側にも結像光束を照射することで、ウエハWの起伏(段差情報)を先読みする機能等を有しているが、それらの機能は有していなくても良い(すなわち、露光領域IAの内部のみに結像光束を照射するだけでも良い)。また、照射系60aによって照射される光束の形状は、平行四辺形その他の形状であっても良い。
主制御装置50では、走査露光時等に、受光系60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例えばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが零あるいは焦点深度内となるように、ウエハWのZ位置及びXY面に対する傾斜を、ウエハステージ駆動部56を介して制御することにより、オートフォーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行する。
さらに、露光装置100は、ウエハステージWST上に保持されたウエハW上のアライメントマーク及び基準マーク板FM上に形成された基準マークの位置計測等に用いられるオフ・アクシス(off-axis)方式のアライメント系ALGを備えている。このアライメント系ALGとしては、例えばウエハ上のレジストを感光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子(CCD等)を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)系のセンサが用いられる。なお、FIA系に限らず、コヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マークから発生する散乱光又は回折光を検出したり、その対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)を干渉させて検出したりするアライメントセンサを単独であるいは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。
さらに、本実施形態の露光装置100では、図示は省略されているが、レチクルRの上方に、投影光学系PLを介してレチクルR上の一対のレチクルマークと対応する基準マーク板上の一対の第1基準マークとを同時に観察するための露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系から成る一対のレチクルアライメント系が設けられている。これらのレチクルアライメント系としては、例えば特開平7−176468号公報及びこれに対応する米国特許第5,646,413号明細書などに開示されるものと同様の構成のものが用いられる。
前記制御系は、図1中、前記主制御装置50によって主に構成される。主制御装置50は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等からなるいわゆるワークステーション(又はマイクロコンピュータ)等から構成され、前述した種々の制御動作を行う他、装置全体を統括して制御する。
なお、本実施形態の露光装置100には、不図示のコータ・デベロッパ(以下、「C/D」と言う)がインラインにて接続されている。このC/Dは、ウエハに対するレジストの塗布を行うコータ(レジスト塗布)部、露光後のウエハを現像するデベロッパ(現像)部、及び塗布制御装置、現像制御装置を含んで構成され、塗布制御装置及び現像制御装置により、ウエハに対するレジスト塗布動作及び現像動作が制御される。
また、露光装置100の主制御装置50は、荷電粒子線走査型の計測装置の一種である測長SEMを含んで構成されるSEMシステム80に通信路を介して接続されている。このSEMシステム80は、簡単に説明すると、例えば10-5Pa以上に保たれた電子ビーム鏡筒内で電磁界レンズにより一次ビームを収束して測長パターン上を照射し、照射面から放出される2次電子及び反射電子を捕集して、そのライン・プロファイルから測長パターン・エッジを検出してパターン寸法を計測するシステムである。
SEMシステム80は、一例としてa)SEM部、b)TFE(Thermal Field Emission)高圧電源、集束レンズ及び対物レンズ電源、走査用偏向電源、Zセンサ制御系、2次電子検出器を統合するSEM制御系、c)ウエハ搬送、レーザ干渉計を搭載して高速ステージ駆動を管理するステージ制御系、d)2次電子信号と偏向信号を同期させて画像信号に転送する信号変換器、e)画像処理系(表示装置を含む)、f)システム全体を統括的に制御するメインコンピュータなどを含んで構成される。
本実施形態では、SEMシステム80のメインコンピュータが、通信路を介して露光装置100の主制御装置50に接続されている。
次に、本実施形態の調整方法でその像(レジスト像など)が線幅の計測対象となる計測用マークが形成された計測マスクとしての計測用レチクルRTについて、図2に基づいて説明する。この図2は、計測用レチクルRTを、パターン面側から見た平面図である。この図2に示されるように、計測用レチクルRTは、矩形のガラス基板から成り、そのパターン面の中央部に、遮光帯SBで囲まれる長方形のパターン領域PAが形成されている。パターン領域PAの内部には、合計13個の計測用マークMP1〜MP13が形成されている。これらの計測用マークは、Y軸方向に関して、3行に配置され、その中央の行に7つの計測用マークMP4〜MP10が等間隔で配置され、その他の行にそれぞれ3つの計測用マークMP1〜MP3、MP11〜MP13が等間隔で配置されている。
各計測用マークMPj(j=1〜13)は、図2に示されるように、計測用レチクルRT上でY軸方向に延びる設計上の線幅が例えば400nmの第1ラインパターン要素(又は第1マーク要素、以下では「縦線パターン要素」とも呼ぶ)PVと、Y軸方向に対して角度α(αは、ここでは90°(又は270°))図2における時計回りに回転した方向であるX軸方向に延びる設計上の線幅が例えば400nmの第2ラインパターン要素(又は第2マーク要素、以下では「横線パターン要素」とも呼ぶ)PHとを含む。投影光学系PLの投影倍率を1/4として、これら第1ラインパターン要素PVと第2ラインパターン要素PHとをウエハ上に転写すると、投影光学系PLに球面収差、非点収差などの諸収差が存在しない理想的な状態では、第1ラインパターン要素PVと第2ラインパターン要素PHの像として、線幅100nmのラインパターン像がそれぞれ得られることとなる。
また、パターン領域PAの中心(レチクルセンタに一致するものとする)を通るX軸上のパターン領域PAの両外側には、レチクルアライメントマークRM1、RM2が形成されている。レチクルアライメントマークRM1を中心としてY軸方向の一側と他側に同一距離だけ離れて、レチクルアライメントマークRM3、RM5がそれぞれ形成されている。また、レチクルアライメントマークRM2を中心としてY軸方向の一側と他側に同一距離だけ離れて、レチクルアライメントマークRM4、RM6がそれぞれ形成されている。レチクルアライメントマークRM3とRM4、RM5とRM6とは、レチクルセンタを通るY軸に関して対称の配置となっている。この計測用レチクルRTは、レチクルステージRST上にロードされた状態では、パターン面(図2における紙面手前側の面)が、投影光学系PLに対向する側の面となる。
次に、本実施形態に係る露光装置の調整方法のうちの、露光装置100の主制御装置50により制御される動作、すなわち、露光装置100及び露光装置100にインラインにて接続されているC/Dにおいて行われる動作について、主制御装置50内のCPUの処理アルゴリズムを簡略化して示す図3、図4のフローチャートに沿って、かつ適宜他の図面を参照しつつ説明する。
この動作の前提として、レチクルステージRST上にはレチクルが載置されておらず、ウエハステージWST上にはウエハが載置されていないものとする。
図3のステップ102では、計測用レチクルRTのパターン転写のサブルーチンの処理を行う。このサブルーチンでは、まず、図4のステップ202において、不図示のレチクルローダを介してレチクルステージRST上に計測用レチクルRTをロードする。
次いで、ステップ204において、レチクルアライメント等の所定の準備作業を行う。具体的には、まず、ウエハステージWST上に設けられた基準マーク板FMの表面に形成されている特定の一対の第1基準マークの中心が投影光学系PLの光軸AXとほぼ一致する基準位置にウエハステージWSTを移動させるとともに、計測用レチクルRT上の一対のレチクルアライメントマークRM1、RM2の中心(レチクルセンタ)が投影光学系PLの光軸とほぼ一致する基準位置にレチクルステージRSTを移動させる。ここで、ウエハステージWSTの移動は、主制御装置50が、ウエハ干渉計54Wの計測値をモニタしつつ、ウエハステージ駆動部56を制御することで行われ、レチクルステージRSTの移動は、主制御装置50が、レチクル干渉計54Rの計測値をモニタしつつ不図示のレチクルステージ駆動部を制御することで行われる。以下においても同様である。
次いで、前述の一対のレチクルアライメント系により照明光ILを用いて基準マーク板FM上の特定の一対の第1基準マークとそれに対応する計測用レチクルRT上のレチクルアライメントマークRM1、RM2の投影像の相対位置検出を行なう。次いで、レチクルステージRST、ウエハステージWSTを相互に逆向きにY軸方向にステップ移動し、前述の一対のレチクルアライメント系により照明光ILを用いて基準マーク板FM上の別の一対の第1基準マークとそれに対応する計測用レチクルRT上のレチクルアライメントマークRM3、RM4の投影像の相対位置検出を行なう。
すなわち、このようにして、基準マーク板FM上の少なくとも2対の第1基準マークと対応する計測用レチクルRT上のレチクルアライメントマークとの相対位置を、レチクルステージRST、ウエハステージWSTをY軸方向にステップ移動しつつ、レチクルアライメント系を用いて計測することで、ウエハ干渉計の測長軸で規定されるウエハステージ座標系とレチクル干渉計の測長軸で規定されるレチクルステージ座標系との位置関係の検出、すなわちレチクルアライメントが行われる。なお、このレチクルアライメントではウエハステージWSTを移動させることなくレチクルステージRSTを移動するだけでも良い。
また、例えば照明光ILの照射領域(照明領域IAR)の非走査方向の幅が計測用レチクルRTのパターン領域PAの非走査方向の幅にほぼ一致するように、照明系10内の可動レチクルブラインドの非走査方向の開口幅を調整する。
このようにして、所定の準備作業が終了すると、次のステップ206に移行し、前述のC/Dから不図示のウエハローダを介して、ウエハステージWST上に計測用のウエハ(以下、「計測用ウエハ」とも呼ぶ)WTをロードする。この場合、例えば、図5(A)に示されるように、表面にレジストが塗布された計測用ウエハWTは、その外周部の一部に形成されたノッチNが−Y方向を向いた状態(以下、「0°の状態」とも呼ぶ)でウエハステージWST上にウエハホルダ25を介して載置されるものとする。
次のステップ208では、計測用ウエハWTに対する第n回目の露光であることを示す不図示のカウンタのカウント値nを「1」に初期化する。
次のステップ210では、第n回目(ここでは第1回目)の露光のための加速開始位置にウエハステージWSTを移動するとともに、計測用レチクルRTの位置が加速開始位置となるように、レチクルステージRSTを移動する。
次のステップ212では、レチクルステージRSTとウエハステージWSTのY軸方向に関する相対走査を開始する。そして、両ステージがそれぞれ目標走査速度に達し、等速同期状態に達すると、照明系10からの照明光ILによって計測用レチクルRTのパターン領域PAが照明され始め、走査露光が開始される。そして、計測用レチクルRTのパターン領域PAの異なる領域が照明光ILで逐次照明され、パターン領域全面に対する照明が完了することにより走査露光が終了する。これにより、計測用レチクルRTに形成されたパターン領域PAが投影光学系PLを介して計測用ウエハWT上の露光対象領域に縮小転写される。
次のステップ214では、前述のカウンタのカウント値nを参照し、n=Kか否か、すなわち予定されているK個のパターン領域の転写像をウエハWT上に形成するための露光が終了したか否かを判断する。ここでは、n=1、すなわち、最初(第1回目)の露光によってパターン領域PA(すなわち、本例では13個の計測用マークMPj)の転写像が1つだけウエハWT上に形成されたのみであるので、ステップ214での判断は否定され、ステップ216に移行する。
次いで、ステップ216では、前述のカウンタのカウント値nを1インクリメントして(n←n+1)、ステップ210に戻る。
以降、ステップ214での判断が肯定されるまで、ステップ210→212→214→216のループの処理(判断を含む)を繰り返す。なお、図5(A)には、n=4の状態でステップ212が終了したときの計測用ウエハWTの状態が示されている。
そして、K回目の走査露光によって計測用ウエハWT上に予定されているK個(ここでは、K=24とする)のパターン領域PA(13個の計測用マークMPj)の転写像が形成されると、ステップ218に移行する。なお、図5(B)には、ステップ218の処理が開始される直前の計測用ウエハWTの状態が示されている。また、図5(A)、図5(B)では1回の走査露光によるウエハWT上での照明光ILの照射範囲(パターン領域PAの転写像の形成領域)がショット領域SAnとして表されており、本実施形態ではウエハWT上で互いに分離して設定される異なる24個のショット領域(例えば26×33mmのフィールドサイズ)にそれぞれパターン領域PAの転写像が形成される。
ステップ218では、不図示の駆動装置(例えば回転モータ)を介して、ウエハホルダ25を計測用ウエハWTを保持した状態で、Z軸回りに90°(例えば時計回りに90°)回転駆動する。これにより、計測用ウエハWTは、図6(A)に示されるようにノッチNが−X方向を向いた状態(以下、「90°の状態」とも呼ぶ)に設定される。
次に、ステップ220ではカウント値nを1インクリメントし(n←n+1)、次のステップ222に移行する。
ステップ222では、第n回目の露光(ここでは、図6(A)に示される第25番目のショット領域SA25(パターン領域PAの25個目の転写像)を形成するための露光)のための加速開始位置に、ウエハステージWSTを移動するとともに、計測用レチクルRTの位置が加速開始位置となるように、レチクルステージRSTを移動する。
次のステップ224では、前述のステップ212と同様にして走査露光を行い、計測用レチクルRTのパターン領域PAの転写像をウエハWT上に形成する。ここでは、図6(A)に示されるショット領域SA25にパターン領域PAの転写像が形成される。このショット領域SA25は、先に形成されたショット領域SA1〜SA24に対して90°回転した向きのショット領域である。
次のステップ226では、カウンタnを参照し、n=Mか否か、すなわち予定されている全てのショット数M(ここでは、M=48とする)の露光が行われたか否かを判断する。ここでは、n=25であるから、このステップ226での判断は否定され、ステップ220に戻る。
その後、ステップ226における判断が肯定されるまで、ステップ220→222→224→226のループの処理(断を含む)を繰り返す。なお、図6(A)には、n=28の状態でステップ224の処理が終了したときの計測用ウエハWTの状態が示されている。
そして、計測用ウエハWT上に予定されている全てのショット数M(=48)のパターン領域PAの転写が終了すると、このサブルーチンの処理を終了して、図3のメインルーチンのステップ104にリターンする。なお、図6(B)には、ステップ102の計測用レチクルRTのパターン転写のサブルーチンの処理が全て終了したときの、計測用ウエハWTの状態が示されている。この状態では、ウエハ中心を挟む左右の領域に、長手方向が90°異なるショット領域が24個ずつ形成されている。
図3に戻り、次のステップ104では、上記ステップ102のサブルーチンで露光処理済みの計測用ウエハWTを、露光装置100にインラインにて接続されたC/Dに搬送する。この場合、計測用ウエハWTは、不図示のウエハアンローダを介してウエハステージWST上からアンロードされるとともに、ウエハ搬送系を介してC/D内に搬送されるようになっている。
次のステップ106では、C/Dを構成するデベロッパ部を制御する現像制御装置に対して、計測用ウエハWTの現像処理を指示した後、ステップ108に進んで、計測用ウエハWTの現像が終了するのを待つ。
この待ち時間の間に、C/D側で計測用ウエハWTの現像が行われ、この現像の終了により、計測用ウエハWT上には、図6(B)に示されるようなショット領域SA1〜SA48にそれぞれパターン領域PAが形成される。この場合、ショット領域SA1には、図7に示されるように、13個の計測用マークMP1〜MP13のレジスト像M1〜M13(以下、便宜上「マークMj」とも呼ぶ)が形成される。その他のショット領域SA2〜SA48についても同様である。このようなレジスト像(マーク)Mjが形成された計測用ウエハWTが露光装置100のパターンの転写特性を計測するための試料となる。
現像が終了し、現像制御装置からその旨の通知を受けることで、現像の終了を確認すると、ステップ110に進み、不図示のウエハ搬送系を介して、現像済みの計測用ウエハWTをSEMシステム80近傍の所定の場所に搬送し、本ルーチンの一連の処理を終了する。ここで、所定の場所とは、オペレータが現像済みのウエハを容易に取り出すことができ、かつその取り出したウエハをSEMシステム80の大気側のウエハ搬送系に搬入するのに適した場所であって、予め定められた場所を指す。
その後、オペレータは、現像済みの計測用ウエハWTを、上記所定の場所から取り出してSEMシステム80の大気側のウエハ搬送系に搬入する。
その後、オペレータの指示に従い、SEMシステム80によって、通常と同様の手順で、計測用ウエハWTを試料として、レジスト像中のパターンのサイズ(寸法)計測が行われる。
この場合、オペレータの指示に従い、計測用ウエハWTが、SEMシステム80を構成する大気側の搬送系、ロードロック室、真空側の搬送系を順次経て、試料室内に搬入される。試料室内では、計測用ウエハWTは0°の方向(これを基準方向とする)を向いている。ここで、基準方向とは、計測用ウエハWT上のショット領域SA1〜SA24の長手方向及びこれに直交する方向(ショット領域SA25〜SA48の長手方向に一致)が、SEMシステム80の試料室内のステージの移動座標である直交座標系(XY座標系)の座標軸にそれぞれ一致したときの計測用ウエハWTの向きを指し、ここでは、計測用ウエハWTの中心とノッチNとを結ぶ線分がY軸に一致する方向であるものとする。
このとき、オペレータは、SEMシステム80に対して、0°の方向の計測用ウエハWT上の全てのショット領域SA1〜SA48内の全てのマークM1〜M13の基準方向に直交する計測方向に関するサイズの計測を指示する。ここで、計測方向とは、図6(B)におけるY軸方向に相当する。
また、この場合におけるマーク(レジスト像)の計測方向に関するサイズとは、ショット領域SA1〜SA24内部のマークM1〜M13については、前述の計測用マークMP1〜MP13の第1ラインパターン要素(縦線パターン要素)PVの像の線幅であり、ショット領域SA25〜SA48内部のマークM1〜M13については、前述の計測用マークMP1〜MP13の第2ラインパターン要素(横線パターン要素)PHの像の線幅である。
従って、上記のオペレータの指示に従い、SEMシステム80により計測用ウエハWT上の全てのショット領域SA1〜SA48内の全てのマークM1〜M13の画像(SEM画像)が、それぞれ取り込まれる。なお、48個のショット領域それぞれで13個のマークのレジスト像についてその全体の画像を取り込まなくても良く、例えばショット領域SA1〜SA24ではマーク毎にその縦線パターン要素PVの像のみ、ショット領域SA25〜SA48ではマーク毎にその横線パターン要素PHの像のみについてその画像を取り込むだけでも良い。
次いで、SEMシステム80の画像処理系により、その取り込まれた計測用ウエハWT上の全てのショット領域SA1〜SA48内の全てのマークM1〜M13の画像それぞれに対して、エッジ検出処理を伴う画像処理がそれぞれ施され、ショット領域SA1〜SA24内部のマークM1〜M13については、前述の第1ラインパターン要素(縦線パターン要素)PVの像(第1要素、第1部分、第1ライン要素)の線幅、及びショット領域SA25〜SA48内部のマークM1〜M13については、前述の第2ラインパターン要素(横線パターン要素)PHの像(第2要素、第2部分、第2ライン要素)の線幅が、それぞれ計測され、その計測結果がSEMシステム80のメインコンピュータの内部メモリに記憶されるとともに、表示装置の画面上に表示される。
このとき、表示装置の画面上には、第1ラインパターン要素(縦線パターン要素)PVの像の24×13=312個の線幅の計測値(以下、「線幅値」と記す)及び第2ラインパターン要素(横線パターン要素)PHの像の312個の線幅値が、一度に、又は画面表示の切り換えにより表示される。
その後、オペレータは、SEMシステム80による計測結果の表示画面を見て、必要な演算処理、例えばマークMj(j=1〜13)それぞれの第1ラインパターン要素PVの像の線幅値LWVの24ショットでの平均値AVE(LWVj(j=1〜13)、及びAVE(LWVj(j=1〜13)のうちの最大値と最小値との差ΔAVE(LWV)などの算出を、SEMシステム80のメインコンピュータに指示する。同様に、オペレータは、SEMシステム80による計測結果の表示画面を見て、例えばマークMj(j=1〜13)それぞれの第2ラインパターン要素PHの像の線幅値LWHの24ショットでの平均値AVE(LWHj(j=1〜13)、及びAVE(LWHj(j=1〜13)のうちの最大値と最小値との差ΔAVE(LWH)などの算出を、SEMシステム80のメインコンピュータに指示する。さらにオペレータは、先の平均値AVE(LWVjと平均値AVE(LWHjとの差Δ(LWV-Hj(j=1〜13)の算出も、SEMシステム80のメインコンピュータに指示する。
ここで、Δ(LWV-HjはマークMjの第1ラインパターン要素PVの像と第2ラインパターン要素PHの像との差(V/H差)、すなわち線幅ばらつき(サイズのばらつき)であり、ΔAVE(LWV)、ΔAVE(LWH)は、第1ラインパターン要素、第2ラインパターン要素の像の線幅(サイズ)の面内均一性の指標値である。
上記のオペレータの指示に応じ、SEMシステム80のメインコンピュータにより、AVE(LWVj(j=1〜13)、ΔAVE(LWV)、AVE(LWHj(j=1〜13)、ΔAVE(LWH)、Δ(LWV-Hj(j=1〜13)が算出され、これらの算出結果が表示装置の画面上に表示される。この計測結果の表示がなされると、オペレータは、その表示画面を見て、その計測結果の情報を、露光装置100の主制御装置50に送信するように、SEMシステム80のメインコンピュータに指示する。これにより、SEMシステム80のメインコンピュータから上記の計測結果の情報が露光装置100に送られ、露光装置100の主制御装置50は、上記の計測結果の情報を受信し、メモリ内に記憶する。
本実施形態では、デバイスパターンの転写の際には、レチクルアライメント及びアライメント系ALGのベースライン計測などの準備作業の後、ステップ・アンド・スキャン方式で、レチクルR上に形成されたデバイスパターンが投影光学系PLを介してウエハW上の複数のショット領域にそれぞれ転写される。なお、このような一連の動作は、通常のスキャナと同様であるから、詳細説明については省略する。
但し、露光装置100の主制御装置50は、先にメモリ内に記憶した上記の計測結果の情報AVE(LWVj(j=1〜13)、ΔAVE(LWV)、AVE(LWHj(j=1〜13)、ΔAVE(LWH)、及びΔ(LWV-Hj(j=1〜13)のうち、例えばその対応する許容範囲を超える少なくとも1つの情報に基づいて、所定の演算プログラムに従って計算を行い、この計算結果に基づいて結像特性調整装置48を介して投影光学系PLを構成するレンズ131〜134の少なくとも1つを駆動して、投影光学系PLの結像特性を調整する。また、走査露光中には、必要に応じてウエハステージWST、レチクルステージRSTの速度比を微調整する。このような調整により、露光装置100によるパターンの転写特性が要求される仕様を満足するレベルに調整される。すなわち、露光フィールド(ウエハWT上での1回の走査露光範囲であり、前述のショット領域SAnに対応)内の異なる位置(マークM1〜M13それぞれに対応するその形成位置)における、縦横線の各線幅、縦横線の線幅差Δ(LWV-Hj=AVE(LWVj−AVE(LWHj及び縦横線の各線幅の面内均一性などが、全て仕様を満足するような露光装置の調整が行われる。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る露光装置のパターン転写特性の計測方法によると、計測用レチクルRTを露光装置100に搭載して露光を行い(図4のステップ212参照)、計測用レチクルRTに形成されたパターン領域PAを計測用ウエハWT上に転写した際に計測用ウエハWT上に形成された計測用マークMP1〜MP13の第1の転写像(図6(B)のショット領域SA1〜SA24のマークM1〜M13)の画像がSEMシステム80により取り込まれる。また、計測用レチクルRTに対するウエハWTの角度が、上記第1の転写像が形成された際から所定角度90°変化した状態で露光を行い(ステップ224参照)、前記パターン領域PAをウエハWT上に転写した際に計測用ウエハWT上に形成された計測用マークMP1〜MP13の第2の転写像(図6(B)のショット領域SA25〜SA48のマークM1〜M13)の画像がSEMシステム80により取り込まれる。そして、SEMシステム80により、取り込まれた前記第1の転写像の画像と前記第2の転写像の画像に対してエッジ検出処理を伴う画像処理がそれぞれ施され、計測用マークの第1の転写像及び第2の転写像それぞれの基準方向に直交する計測方向(図6(B)におけるY方向)に関するサイズ、より具体的には、ショット領域SA1〜SA24内部のマークM1〜M13についての前述の第1ラインパターン要素(縦線パターン要素)PVの像(第1要素、第1部分、第1ライン要素)の線幅値、及びショット領域SA25〜SA48内部のマークM1〜M13についての前述の第2ラインパターン要素(横線パターン要素)PHの像(第2要素、第2部分、第2ライン要素)の線幅値が計測される。
すなわち、本実施形態によると、計測用マークの第1及び第2の転写像は、例えばSEMシステム80による画像取込が実質的に同一条件で行われるようにウエハWT上にそれぞれ形成されるので、SEMシステム80によりそれぞれ取り込まれた第1及び第2の転写像の画像に対して、いずれにも回転を加えることなくエッジ検出処理を伴う画像処理が施され、計測用マークの第1の転写像及び第2の転写像それぞれの計測方向のサイズが計測される。そして、この結果として、画像の取り込みと画像処理との組み合わせに起因する計測用マークの像のサイズ計測精度の低下を防止することができ、結果的に露光装置100によるパターンの転写特性を正確に計測(評価)することが可能となる。
また、本実施形態では、SEMシステム80により、オペレータの指示に応じ、マークMj(j=1〜13)それぞれの第1ラインパターン要素PVの像の線幅値LWVの24ショットでの平均値AVE(LWVj(j=1〜13)、AVE(LWVj(j=1〜13)のうちの最大値と最小値との差ΔAVE(LWV)、マークMj(j=1〜13)それぞれの第2ラインパターン要素PHの像の線幅値LWHの24ショットでの平均値AVE(LWHj(j=1〜13)、AVE(LWHj(j=1〜13)のうちの最大値と最小値との差ΔAVE(LWH)、及びマークMjの第1ラインパターン要素PVの像と第2ラインパターン要素PHの像との差(V/H差)Δ(LWV-Hj(j=1〜13)なども計算され、この計算結果が、露光装置100の主制御装置50に送られる。
そして、上記の計測結果に基づいて前述の如くして露光装置100の調整が行われる。従って、露光装置100によるパターンの転写特性を精度良く調整することが可能となっている。
なお、上記実施形態では、転写の途中では、ウエハを回転させることなく、所定ショット数分だけ、計測用レチクルRTの計測マークMPjをウエハ上に転写し、そのウエハを現像後に、SEMシステム80を用いてその現像後のウエハ上のレジスト像(マーク)Mjのサイズ計測を行う際に、その計測を2回に分けて行っても良い。この場合、一例として次のような手順で、計測が行われる。
1) 例えば、ウエハが基準方向に向いた第1の状態で、SEMシステム80によりマークM1〜M13の第1の画像を取り込む。
2) 次に、一旦ウエハを試料室から取り出し、上記第1の状態からウエハを所定角度α(=90°)回転した状態で、試料室内に搬入する。その状態(第2の状態)で、SEMシステム80によりマークM1〜M13の第2の画像を取り込む。
3) そして、SEMシステム80に指示を与え、第1の画像に対してエッジ検出処理を伴う画像処理を施して、マークMjの前記基準方向に直交する第1方向に関する第1のサイズ(すなわち、マークMjの第1要素(第1ライン要素、第1部分)の線幅)を計測する。
4) 次に、SEMシステム80に指示を与え、第2の画像に対してエッジ検出処理を伴う画像処理を施して、マークMjの第1方向に対して角度α(=90°)回転した第2方向に関する第2のサイズ(すなわち、マークMjの第2要素(第2ライン要素、第2部分)の線幅)を計測する。
このようにすると、ウエハが基準方向に向いた第1の状態で、SEMシステム80により取り込まれたマークMjの第1の画像に対しては、エッジ検出処理を伴う画像処理が施されて、マークMjの前記基準方向に直交する第1方向に関する第1のサイズが計測され、また、前記第1の状態からウエハを所定角度α(=90°)回転した第2の状態で、SEMシステム80により取り込まれたマークMjの第2の画像に対しては、エッジ検出処理を伴う画像処理が施され、マークMjの第2方向に関する第2のサイズが計測される。すなわち、SEMシステム80による画像取り込み時のウエハの向きに応じて、エッジ検出処理を伴う画像処理が施されるので、画像の取り込みと画像処理との組み合わせに起因するマークのサイズ計測精度の低下を防止することができる。
なお、SEMシステム80において、試料室内に入れたウエハを計測の途中で取り出すことには、例えば計測時間などを考慮すると、現実には困難を伴う場合が殆どである。従って、この計測の途中でウエハを回転させる方法は、特に光学顕微鏡などの他の計測装置を用いた計測の場合に有効である。
但し、SEMシステム80に、ウエハを回転させる機構を、取り付けることができるのであれば、上記方法は、適用が可能である。
また、上記実施形態では、計測用レチクルRT上の計測用マークMPjを構成する第1ラインパターン要素の延びる向きに対して角度α=90°回転した向きに第2ラインパターン要素が延びる場合について説明したが、上記角度αは、0°<α<180°の範囲の角度であれば、いかなる角度であっても良い。すなわち、第1ラインパターン要素と第2ラインパターン要素を含んで計測用マークを構成する場合には、第1ラインパターン要素と第2ラインパターン要素とは、異なる向きに延びていれば良い。但し、角度αを90°以外の角度にする場合には、前述したステップ218に代えて、ウエハホルダを角度α回転するステップの処理を行い、回転後の計測用ウエハWTの中心とノッチとを結ぶ線分の方向を、計測用レチクル上の第2ラインパターン要素の延びる方向に一致させる必要がある。このとき、回転前のウエハWTはその中心とノッチとを結ぶ線分の方向が、第1ラインパターン要素が延びる方向と一致するように設定されている。
なお、前述のショット領域SA1〜SA24では少なくともマークMjの第1及び第2要素の一方は計測方向(又は延設方向、周期方向など)が転写特性を計測すべき異なる2方向(第1及び第2方向、通常はX、Y方向)の一方と実質的に一致し、前述のショット領域SA25〜SA48では少なくとも第1及び第2要素の他方は計測方向がその異なる2方向の他方と実質的に一致するように、ショット領域SA1〜SA24に対する第1露光と、ショット領域SA25〜SA48に対する第2露光とによってウエハWT上にマークMjが形成される。このとき、レチクルRT上で計測用マークMPjの第1及び第2マーク要素(縦線パターン要素PV及び横線パターン要素PH)はその計測方向(又は延設方向、周期方向など)の交差角が前述の異なる2方向の交差角とほぼ等しくなるように形成されることが好ましい。この場合、計測用マークMPjの第1及び第2マーク要素の計測方向をそれぞれ異なる2方向とほぼ一致させて第1及び第2露光を行なうことによって、第1露光と第2露光とでウエハWTの回転方向の位置(回転角)を除き、計測用マークMPjを含む露光装置によるその転写条件を同一に設定することができ、計測用マークMPjの転写像であるウエハWT上のマークMjの異なる2方向に関する線幅(サイズ)をそれぞれ精度良く計測することが可能となる。なお、レチクルRT上の計測用マークMPjの第1及び第2マーク要素は必ずしもその計測方向の交差角が異なる2方向の交差角と一致していなくても良い。この場合、前述の第1露光では第1及び第2マーク要素の一方のみでその計測方向を異なる2方向の一方とほぼ一致させ、前述の第2露光では第1及び第2マーク要素の他方のみでその計測方向を異なる2方向の他方とほぼ一致させれば良い。
また、上記実施形態では、前述の第1露光によって形成されるマーク(第1マーク)Mjの第1及び第2要素の一方と、前述の第2露光によって形成されるマーク(第2マーク)Mjの第1及び第2要素の他方とでその計測方向がほぼ一致する、すなわちウエハWT上で第1マークMjと第2マークMjとが転写特性を計測すべき異なる2方向の交差角とほぼ同一角度だけ回転するように、ウエハWTを異なる2方向の交差角とほぼ同一角度だけ回転させることとしている。しかしながら、前述の第1露光で計測用マークMPjの第1及び第2マーク要素の一方が異なる2方向の一方、及び前述の第2露光でその第1及び第2マーク要素の他方が異なる2方向の他方とほぼ一致していれば、ウエハWTの回転角を異なる2方向の交差角と一致させなくても良い。このとき、第1マークMjの第1及び第2要素の一方の計測方向と、第2マークMjの第1及び第2要素の他方の計測方向との回転角(回転誤差)が、SEMシステム80で回転方向に関する許容値を超えている場合には、SEMシステム80にてウエハWTを回転させることが好ましい。
また、上記実施形態では、計測用レチクルRT上の計測用マークMPjが第1ラインパターン要素と第2ラインパターン要素とから成り、その計測用マークMPjのウエハWT上の転写像であるマークMjが第1ラインパターン要素の像である第1要素(第1部分、第1ライン要素)と第2ラインパターン要素の像である第2要素(第2部分、第2ライン要素)とから成る場合について説明したが、サイズ計測の対象となるマークは、ラインパターンの組み合わせに限らず、枠状マークや多角形状マーク(例えばともに四角形状)などでも良いし、マークMjの第1要素と第2要素とが接続、交差、あるいは部分的に重畳していても良い。また、そのマークは孤立パターンに限られるものでなく、密集パターン(例えばライン・アンド・スペースパターンなどの周期パターン)などでも良い。要は、交差する2方向に関するサイズの計測が可能な形状であれば良い。
なお、ウエハWT上のマークMj(レチクルRTの計測用マークMPj)の要素として、例えば矩形(方形)状マークを用いるとき、マークMjが1つの矩形状マークのみからなるものであっても、前述の異なる2方向に関するマークMjの線幅(サイズ)をそれぞれ計測可能であるため、マークMjの第1及び第2要素(計測用マークMPjの第1及び第2マーク要素)は同一の要素(矩形状マークなど)となる。
また、上記実施形態ではX、Y方向に関するマークMjの線幅(サイズ)を計測するものとしたが、線幅の計測方向はX、Y方向と少なくとも一方が異なる2方向でも良いし、2つではなく3つ以上、例えばX、Y方向を45°回転させた2方向との計4方向でも構わない。このとき、線幅計測に用いられるウエハWT上のマークMj(レチクルRTの計測用マークMPj)の要素数は2つでなく4つ(ただし、矩形状マークなどでは2つ)となる。
また、上記実施形態では、計測装置として、SEMシステムを用いる場合について説明したが、本発明がこれに限定されるものでないことは勿論である。本発明は、電子線以外の荷電粒子線を測定対象に対して走査して計測を行う、荷電粒子線走査型の計測装置は勿論、光学顕微鏡などの他の計測装置などであっても良い。また、計測装置は画像処理方式に限定されるものでなく他の方式でも構わない。さらに、例えばX、Y方向でそれぞれ独立に線幅などを計測可能、特にX方向とY方向とで計測方式や構成などが異なる計測装置を使用する場合に本発明は特に有効である。
なお、上記実施形態では、計測用マークMPjの第1の転写像をウエハWT上に形成するための第1転写工程(ステップ212)の後に、ウエハホルダを回転し(ステップ218)、その後に計測用マークMPjの第2の転写像をそのウエハWT上の異なる位置に形成する第2転写工程(ステップ224)を行い、その後にその計測用ウエハ上の転写像をSEMにて計測するものとしたが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、ウエハホルダを回転する代わり、レチクルステージRST上に回転可能なレチクルホルダを設けて、これを回転させるようにしても良いし、ウエハホルダ、レチクルホルダの双方を回転させるようにしても良い。
また、ホルダそのものを回転させる代わりに、ウエハなどを保持して上下動可能な支持部材(例えば搬送系(ローダ)とホルダとの間でウエハなどの受け渡しを行うセンターアップピンなど)を回転可能としても良いし、支持部材を回転させる代わりに、あるいはそれと組み合わせて、ローダあるいは専用機構などを利用した載せ替えによりウエハなどを回転させるようにしても良い。
また、上記実施形態では第1露光によって形成されるショット領域SA1〜SA24と第2露光によって形成されるショット領域SA25〜SA48とを図6(B)では、ウエハWT上で左右の領域に分けて配置するものとしたが、ウエハWTの表面に塗布されるレジストの塗りむら(レジスト膜厚の不均一性)などに起因して線幅計測精度が低下することが考えられる。そこで、例えば第1露光によって形成されるショット領域と、第2露光によって形成されるショット領域とをウエハ上で交互に配置することで、塗りむらなどに起因する計測精度の低下を低減することが好ましい。
さらに、上記実施形態ではレチクルRTの計測用マークMPjが転写される複数のショット領域をウエハWT上で互いに重ならないように配置するものとしたが、線幅計測の対象となる前述の第1露光によって形成される第1マークMjの第1及び第2要素の一方と、前述の第2露光によって形成される第2マークMjの第1及び第2要素の他方とが重ならなければ、ウエハ上で複数のショット領域を部分的に重なるように配置しても良い。また、上記実施形態では第1及び第2露光でそれぞれ複数のショット領域にレチクルRTの計測用マークMPjの転写像を形成するものとしたが、そのショット数は複数でなく1つでも良いし、第1露光と第2露光とで同数としなくても良い。なお、前述した転写特性の計測に用いるレチクルRTの計測用マークMPjの第1マーク要素と第2マーク要素とは、その配置方向(計測方向)を除いて同一構成、かつその転写条件も同一としたが、その構成と転写条件の少なくとも一方を異ならせても良い。また、計測専用のレチクルRTを用いる代わりに、デバイス製造で使用されるレチクルに前述の計測用マークMPjを形成して用いても良い。さらに、前述のショット領域SAn毎に複数の計測用マークMPjの転写像を形成するものとしたが、その配置(ショット領域内での位置)はこれに限られるものでなく任意で良いし、その数も複数でなく1つでも良い。また、計測専用又はデバイス製造用のレチクルだけではなく、例えばレチクルステージRSTに設けられる基準マークを計測用マークMPjとして用いるようにしても良い。
また、上記実施形態では露光装置の転写特性としてV/H差や面内均一性を求めるものとしたが、転写特性はこれらに限られるものでなく、例えば投影光学系PLの結像特性(コマ収差、非点収差などの諸収差)や走査露光における同期精度(同期誤差)などでも良い。さらに、レチクルRTの計測用マークMPjのマーク要素としてライン・アンド・スペースパターンなどの周期パターンを用い、その転写像の複数の像それぞれで線幅を計測することで、例えばその線幅の最大値と最小値との差を線幅ばらつきとして求めても良い。また、ウエハ上に既に形成されているマークに対してレチクルRTの計測用マークMPjを重ね合わせて転写し、例えばその2つのマークの相対位置(間隔など)を計測することで、重ね合せ精度(トータルオーバーレイ)を転写特性として求めても良い。
また、上記実施形態では走査露光によって計測用マークMPjの転写像をウエハ上に形成し、その転写像のサイズを計測することでその転写像の形成に用いた走査型露光装置(露光装置100)の諸特性(ダイナミックな結像特性など)を求めるものとしたが、露光装置100において計測用マークMPjが形成された計測用レチクルRT(及びこれを保持するレチクルステージRST)とウエハ(及びこれを保持するウエハステージWST)とをほぼ静止させた状態で露光を行い、計測用マークMPjの転写像をウエハ上に形成し、その転写像のサイズを計測することで上記実施形態と同様にして露光装置100の諸特性(スタティックな結像特性など)を求めるようにしても良い。
さらに上記実施形態では、前述の転写特性に基づいて投影光学系PLの少なくとも1つの光学素子(レンズエレメント)を移動してその結像特性を調整するものとしたが、前述の結像特性調整装置48としては光学素子を移動させるものに限られるものではなく、光学素子を移動させる代わりに、あるいはそれと組み合わせて、例えば照明光の中心波長や光学素子の温度を変化させる、あるいは複数の光学素子の間の気密空間内の気体の圧力などを変化させることで投影光学系の屈折率を変化させても良い。さらに、投影光学系の結像特性を調整するために、例えば投影光学系の全体又はその一部(光学素子単位、鏡筒単位など)の交換を行う、あるいは投影光学系の少なくとも1つの光学素子を取り出してその再加工を行うようにしても良い。また、投影光学系の調整では光学素子の位置(他の光学素子との間隔を含む)や傾斜などを変更するだけでも良いし、特に光学素子がレンズエレメントである時はその偏芯を変更したり、あるいは光軸を中心として回転させても良い。さらに、前述の転写特性として投影光学系の結像特性を求める時は、例えば国際公開第03/065428号などに開示されるように、その結像特性と、既知の投影光学系PL単体の波面収差(単体は面収差)とに基づいて、投影光学系の波面収差を推定し、この波面収差及びツェルニケ感度表(Zernike Sensitivity)、並びに波面収差変化表(各光学素子の単位駆動量当たりの波面収差を展開したフリンジツェルニケ多項式の各項の係数の変化量との関係を示す変化表)などを用いて、所定のメリット関数を解くことで、結像特性を最適化する光学素子の駆動量を求め、結像特性の調整を行なうようにしても良い。なお、結像特性の計測結果から波面収差を推定する場合には、例えば上記国際公開に開示されるように、基準となる露光条件下での結像特性と計測した結像特性との差が、ツェルニケ感度表と波面収差変化表と調整量の補正量(単体波面収差とon bodyの波面収差のずれが調整用光学素子の調整量のずれに対応すると仮定した場合の調整量のずれ)との積に一致するとの関係式を用いて、波面収差の補正量を求め、その補正量と単体波面収差とに基づいて、波面収差を算出するのである。
なお、上記実施形態における転写特性の計測(及び露光装置の調整)は、露光装置のメンテナンス時に行なっても良いし、クリーンルームに露光装置を搬入してその立ち上げを行なうときでもよく、その実施時期(タイミング)は任意で構わない。
なお、上記実施形態では、ウエハに対するパターンの転写以後の処理は、オペレータによるマニュアル作業を含む場合について説明したが、露光装置100とSEMシステム80とを、内部にウエハ搬送系を内蔵したインライン・インタフェース部を介して接続し、これら露光装置100、SEMシステム80及びインライン・インタフェース部の全てを統括的に制御するホストコンピュータを設けることとしても良い。この場合には、該ホストコンピュータによって実行されるプログラムにより、前述した計測用レチクルRTのパターンの計測用ウエハへの転写、その転写後の計測用ウエハの現像、インライン・インタフェース部を介してのその現像済みの計測用ウエハのSEMシステム80への搬送、SEMシステム80による計測、その計測結果に基づく、露光装置100のパターン転写特性の調整の全てを、全自動にて行うようにしても良い。あるいは、この反対に、全てをオペレータによるマニュアル作業としても良い。
また、上記実施形態では露光装置100の主制御装置50がC/Dを制御するものとしたが、これに限らず、例えばデバイス製造工程を管理するホストコンピュータなどによって露光装置100、C/D、及びSEMシステムを統括制御しても良いし、露光装置100とSEMシステムとが通信路(有線又は無線)を介して接続されていなくても良い。すなわち、露光装置100、C/D、及びSEMシステムそれぞれの構成(通信路を含む)は上記実施形態に限られるものではない。
なお、上記実施形態では、パターンの転写特性が計測される露光装置が、スキャナである場合を説明したが、本発明の転写特性計測方法は、スキャナに限らず、ステッパなどの静止型露光装置にも同様に適用できる。
また、露光装置の露光対象である物体は、上記の実施形態のように半導体製造用のウエハに限定されることなく、例えば、液晶表示素子、プラズマディスプレイや有機ELなどのディスプレイ装置の製造用の角型のガラスプレートや、薄膜磁気へッド、撮像素子(CCDなど)、マスク又はレチクルなどを製造するための基板であっても良い。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、その投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)や、F2レーザ光(波長157nm)などであっても良い。投影光学系としては、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光などの遠紫外線を用いる場合は硝材として石英やホタル石などの遠紫外線を透過する材料を用い、F2レーザ光などを用いる場合はホタル石その他のフッ化物結晶を用いる必要がある。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、近年、70nm以下のパターンを露光するために、SORやプラズマレーザを光源として、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を発生させるとともに、その露光波長(例えば13.5nm)の下で設計されたオール反射縮小光学系、及び反射型マスクを用いたEUV露光装置の開発が行われている。この装置においては、円弧照明を用いてマスクとウエハを同期走査してスキャン露光する構成が考えられるので、かかる装置も本発明の転写特性計測方法により、パターンの転写特性を計測することができる。さらに、例えば国際公開第99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体(例えば純水など)が満たされる液浸型露光装置、あるいはステップ・アンド・スティッチ方式の露光装置、又はプロキシミティ方式の露光装置なども、本発明の転写特性計測方法により、パターンの転写特性を計測することができる。
また、例えば投影光学系PLの物体面上での照明光の強度分布を可変とする可変成形マスクを用いるマスクレス露光装置などにも本発明を適用して同様にその特性を求めることができる。
また、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置も、本発明の転写特性計測方法により、パターンの転写特性を計測することができる。なお、電子線露光装置は、ペンシルビーム方式、可変成形ビーム方式、セルプロジェクション方式、ブランキング・アパーチャ・アレイ方式、及びマスク投影方式のいずれであっても良い。
なお、半導体デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した調整方法によりパターンの転写特性が調整される上記実施形態の露光装置で、マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写するリソグラフィステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、パターンの転写特性が調整される上記実施形態の露光装置が用いられるので、高集積度のデバイスを歩留り良く製造することができる。
以上説明したように、本発明の転写特性計測方法は、露光装置によるパターンの転写特性を計測するのに適している。また、本発明の露光装置の調整方法は、露光装置の調整に適している。また、本発明のデバイス製造方法は、デバイスの製造に適している。
80…SEMシステム、100…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、MP…計測用マーク、PV…第1ラインパターン要素、PH…第2ラインパターン要素。

Claims (19)

  1. マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置の異なる2方向に関する転写特性を計測する転写特性計測方法であって、
    前記露光装置を用いて、前記2方向の転写特性の計測に用いられる第1及び第2要素を含むマークを物体上に形成する転写工程と、
    前記物体を計測装置内で基準方向に設定して前記第1及び第2要素の一方を含む前記マークの少なくとも一部の第1画像を取り込むとともに、前記第1画像の取込時と回転角が実質的に前記2方向の交差角と同一角度α(0°<α<180°)だけ異なる前記第1及び第2要素の他方を含む前記マークの少なくとも一部の第2画像を取り込む画像取込工程と、
    前記第1及び第2画像をそれぞれ処理して、前記マークの前記2方向に関する第1及び第2サイズをそれぞれ計測する計測工程と、を含み、
    前記転写工程では、前記露光装置による少なくとも1回の第1露光と、前記第1露光と前記物体の回転角が実質的に前記角度αだけ異なる少なくとも1回の第2露光とによって、前記物体上の異なる領域に前記マークがそれぞれ形成され、前記画像取込工程では、前記第1露光によって形成される第1マークの少なくとも前記第1及び第2要素の一方を前記第1画像として取り込んだ後、前記物体を実質的に回転させることなく、前記第2露光によって形成される第2マークの少なくとも前記第1及び第2要素の他方を前記第2画像として取り込むことを特徴とする転写特性計測方法。
  2. 請求項に記載の転写特性計測方法において、
    前記第1及び第2露光では所定の計測用マークを含む前記露光装置による転写条件が同一に設定されるとともに、前記第1及び第2マークのいずれでも前記第1及び第2要素はその構成が実質的に同一であることを特徴とする転写特性計測方法。
  3. 請求項又はに記載の転写特性計測方法において、
    前記第1及び第2露光はそれぞれ複数回ずつ行われ、前記複数の第1マークの画像処理から得られる前記一方のマークのサイズを前記2方向の一方に関する第1サイズとし、前記複数の第2マークの画像処理から得られる前記他方のマークのサイズを前記2方向の他方に関する第2サイズとして決定することを特徴とする転写特性計測方法。
  4. マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置によるパターンの転写特性を計測する転写特性計測方法であって、
    所定の計測用マークが少なくとも1つ形成されたパターン領域を有する計測マスクを前記露光装置に搭載して露光を行い、前記パターン領域を前記物体上に転写する第1転写工程と、
    前記計測マスク及び前記物体の少なくとも一方を回転して、前記計測マスクに対する前記物体の角度が、前記第1転写工程から所定角度α(0°<α<180°)変化した状態で、前記パターン領域を前記物体上に転写する第2転写工程と、
    前記物体が基準方向に設定された状態で、前記第1転写工程で前記物体上に形成された前記計測用マークの第1の転写像と、前記第2転写工程で前記物体上に形成された前記計測用マークの第2の転写像との画像を、計測装置によりそれぞれ取り込む画像取り込み工程と、
    取り込まれた前記第1の転写像の画像と第2の転写像の画像に対してエッジ検出処理を伴う画像処理をそれぞれ施して、前記計測用マークの第1の転写像及び第2の転写像それぞれの前記基準方向に対応する方向に直交する計測方向に関するサイズを、少なくとも計測する計測工程と、を含む転写特性計測方法。
  5. 請求項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測工程では、前記第1転写工程で形成される前記計測用マークの転写像の一部を前記第1の転写像とし、かつ前記第2転写工程で形成される前記計測用マークの転写像で前記第1の転写像と異なるその一部を前記第2の転写像として前記計測方向に関するサイズをそれぞれ計測することを特徴とする転写特性計測方法。
  6. 請求項又はに記載の転写特性計測方法において、
    前記計測用マークは、互いに異なる第1及び第2マーク要素を含み、前記第1及び第2転写工程の一方で形成される前記第1及び第2マーク要素の転写像の一方と、他方の転写工程で形成される前記第1及び第2マーク要素の転写像の他方とが前記物体上で重ならないように、前記第1転写工程と前記第2転写工程とで前記物体上での前記計測用マークの転写領域の少なくとも一部を異ならせることを特徴とする転写特性計測方法。
  7. 請求項のいずれか一項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測用マークは、互いに異なる第1及び第2マーク要素を含み、前記計測工程では、前記第1転写工程で形成される前記第1及び第2マーク要素の一方の転写像を前記第1の転写像とし、かつ前記第2転写工程で形成される前記第1及び第2マーク要素の他方の転写像を前記第2の転写像として前記計測方向に関するサイズをそれぞれ計測することを特徴とする転写特性計測方法。
  8. 請求項のいずれか一項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測結果に基づいて、前記露光装置の互いに交差する第1及び第2方向に関する前記計測用マークの転写像のサイズをそれぞれ決定することを特徴とする転写特性計測方法。
  9. 請求項のいずれか一項に記載の転写特性計測方法において、
    前記第1転写工程、第2転写工程では、前記パターン領域が前記物体上の異なる複数箇所にそれぞれ転写され、
    前記画像取り込み工程では、前記第1転写工程で前記物体上の異なる複数箇所にそれぞれ転写された前記計測用マークの複数の第1の転写像と、前記第2転写工程で前記物体上の異なる複数箇所にそれぞれ転写された前記計測用マークの複数の第2の転写像との画像の取り込みが行われ、
    前記計測工程では、前記複数の第1の転写像及び前記複数の第2の転写像のそれぞれで前記画像処理を行って、前記第1及び第2の転写像それぞれで前記計測方向に関するサイズを決定することを特徴とする転写特性計測方法。
  10. 請求項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測用マークは、互いに異なる第1及び第2マーク要素を含み、前記計測工程では、前記第1転写工程で形成される前記第1及び第2マーク要素の一方の転写像を前記第1の転写像とし、かつ前記第2転写工程で形成される前記第1及び第2マーク要素の他方の転写像を前記第2の転写像として前記計測方向に関するサイズをそれぞれ計測し、その計測結果に基づいて前記サイズのばらつきを求めることを特徴とする転写特性計測方法。
  11. 請求項10のいずれか一項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測マスク上には、前記計測用マークが、前記パターン領域内の異なる位置に複数形成され、
    前記画像取り込み工程では、前記第1転写工程で前記物体上に形成された前記計測用マークの第1の転写像と、前記第2転写工程で前記物体上に形成された前記計測用マークの第2の転写像との画像の取り込みが、前記複数の計測用マークの各々について行われ、
    前記計測工程では、前記複数の計測用マークの第1の転写像及び第2の転写像それぞれの前記計測方向に関するサイズに基づいて、前記第1の転写像、第2の転写像それぞれの前記計測方向に関するサイズの面内均一性を、更に計測することを特徴とする転写特性計測方法。
  12. 請求項11のいずれか一項に記載の転写特性計測方法において、
    前記第1及び第2転写工程では、前記計測用マークを含む前記露光装置による転写条件が同一に設定されるとともに、前記計測用マークは、前記露光装置の互いに交差する第1及び第2方向に関する転写特性をそれぞれ計測するために、その構成が実質的に同一である第1及び第2マーク要素を含むことを特徴とする転写特性計測方法。
  13. 請求項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測用マークは、前記パターン領域内の異なる複数位置にそれぞれ形成され、前記第1及び第2転写工程では、前記パターン領域の転写が複数回ずつ行われるとともに、前記計測工程では、前記物体上で前記パターン領域が転写される複数の領域それぞれで前記計測方向に関する前記各計測用マークの第1及び第2の転写像のサイズがそれぞれ計測されることを特徴とする転写特性計測方法。
  14. 請求項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測用マークは、前記基準方向に延びる第1ラインパターン要素と、前記基準方向に対して前記角度α回転した方向に延びる第2ラインパターン要素とを含み、
    前記計測用マークの第1の転写像の前記計測方向に関するサイズは、前記第1ラインパターン要素の転写像の幅方向のサイズであり、前記計測用マークの第2の転写像の前記計測方向に関するサイズは、前記第2ラインパターン要素の転写像の幅方向のサイズであることを特徴とする転写特性計測方法。
  15. 請求項14のいずれか一項に記載の転写特性計測方法において、
    前記角度αは、90°であることを特徴とする転写特性計測方法。
  16. 請求項15のいずれか一項に記載の転写特性計測方法において、
    前記計測装置は、荷電粒子線走査型の計測装置であることを特徴とする転写特性計測方法。
  17. 請求項1〜16のいずれか一項に記載の転写特性計測方法を用いて、マスクに形成されたパターンを物体上に転写する露光装置によるパターンの転写特性を計測する工程と、
    前記計測結果に基づいて、前記露光装置の調整を行う調整工程と、を含む露光装置の調整方法。
  18. 請求項17に記載の露光装置の調整方法において、
    前記露光装置は、前記パターンの像を前記物体上に投影する投影光学系を有し、前記転写特性は、前記投影光学系の結像特性を含む露光装置の調整方法。
  19. 請求項17又は18に記載の調整方法によりパターンの転写特性が調整される露光装置を用いて、マスクに形成されたパターンを感光物体上に転写する工程を含む、デバイス製造方法。
JP2011105917A 2004-02-13 2011-05-11 転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法 Expired - Fee Related JP5354395B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011105917A JP5354395B2 (ja) 2004-02-13 2011-05-11 転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004036458 2004-02-13
JP2004036458 2004-02-13
JP2011105917A JP5354395B2 (ja) 2004-02-13 2011-05-11 転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005517912A Division JP4972936B2 (ja) 2004-02-13 2005-01-12 計測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011151425A JP2011151425A (ja) 2011-08-04
JP5354395B2 true JP5354395B2 (ja) 2013-11-27

Family

ID=34857718

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005517912A Expired - Fee Related JP4972936B2 (ja) 2004-02-13 2005-01-12 計測方法
JP2011105917A Expired - Fee Related JP5354395B2 (ja) 2004-02-13 2011-05-11 転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005517912A Expired - Fee Related JP4972936B2 (ja) 2004-02-13 2005-01-12 計測方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US7848594B2 (ja)
JP (2) JP4972936B2 (ja)
KR (1) KR101070202B1 (ja)
TW (1) TWI275131B (ja)
WO (1) WO2005078775A1 (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4793683B2 (ja) * 2006-01-23 2011-10-12 株式会社ニコン 算出方法、調整方法及び露光方法、並びに像形成状態調整システム及び露光装置
WO2011101183A1 (en) * 2010-02-19 2011-08-25 Asml Netherlands B.V. Lithographic apparatus, device manufacturing method and associated data processing apparatus and computer program product
WO2012102313A1 (ja) * 2011-01-26 2012-08-02 旭硝子株式会社 フォトマスクの製造方法
KR101764169B1 (ko) * 2011-08-19 2017-08-02 삼성전자 주식회사 마스크리스 노광 장치와 이를 이용한 빔 위치 계측 방법
JP5851075B2 (ja) * 2013-07-29 2016-02-03 富士フイルム株式会社 撮像モジュールの製造方法及び撮像モジュールの製造装置
US9564291B1 (en) * 2014-01-27 2017-02-07 Mochii, Inc. Hybrid charged-particle beam and light beam microscopy
CN105988305B (zh) * 2015-02-28 2018-03-02 上海微电子装备(集团)股份有限公司 硅片预对准方法
KR20200126234A (ko) 2019-04-29 2020-11-06 삼성전자주식회사 마이크로 led 전사 방법 및 이에 의해 제조된 디스플레이 모듈
KR20210059130A (ko) 2019-11-14 2021-05-25 삼성디스플레이 주식회사 표시 장치
CN113776916B (zh) * 2021-09-10 2024-04-26 广州机械科学研究院有限公司 滤膜及滤膜应用方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4547895A (en) * 1978-10-30 1985-10-15 Fujitsu Limited Pattern inspection system
EP0380659A4 (en) * 1987-10-02 1992-07-15 Kabushiki Kaisha Komatsu Seisakusho Method of recognizing linear pattern
JP2548834B2 (ja) * 1990-09-25 1996-10-30 三菱電機株式会社 電子ビーム寸法測定装置
US5280437A (en) * 1991-06-28 1994-01-18 Digital Equipment Corporation Structure and method for direct calibration of registration measurement systems to actual semiconductor wafer process topography
JP3230094B2 (ja) 1991-09-02 2001-11-19 株式会社ニコン 投影光学系の光学特性測定方法、光学特性測定装置、露光方法及びマスク
US6094256A (en) * 1998-09-29 2000-07-25 Nikon Precision Inc. Method for forming a critical dimension test structure and its use
US7133549B2 (en) * 1999-04-05 2006-11-07 Applied Materials, Inc. Local bias map using line width measurements
JP2001108410A (ja) * 1999-10-07 2001-04-20 Nikon Corp 画像測定装置
JP2001166454A (ja) * 1999-12-07 2001-06-22 Nikon Corp マスク、露光方法、線幅測定方法、並びに半導体デバイスの製造方法
JP2001250760A (ja) * 2000-03-06 2001-09-14 Nikon Corp 収差計測方法、該方法を使用するマーク検出方法、及び露光方法
JP2003086497A (ja) * 2001-09-13 2003-03-20 Sony Corp リソグラフィ方法
JP2003303765A (ja) * 2002-04-12 2003-10-24 Canon Inc 歪曲収差量及び像面湾曲の測定方法
JP3651676B2 (ja) * 2002-07-11 2005-05-25 株式会社東芝 検査方法及びフォトマスク

Also Published As

Publication number Publication date
TW200537597A (en) 2005-11-16
KR20060113703A (ko) 2006-11-02
TWI275131B (en) 2007-03-01
US20070181825A1 (en) 2007-08-09
WO2005078775A1 (ja) 2005-08-25
JP2011151425A (ja) 2011-08-04
JPWO2005078775A1 (ja) 2008-01-10
JP4972936B2 (ja) 2012-07-11
US7848594B2 (en) 2010-12-07
KR101070202B1 (ko) 2011-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5354395B2 (ja) 転写特性計測方法、露光装置の調整方法及びデバイス製造方法
JP4345098B2 (ja) 露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法
US7667829B2 (en) Optical property measurement apparatus and optical property measurement method, exposure apparatus and exposure method, and device manufacturing method
US20010055117A1 (en) Alignment method, exposure method, exposure apparatus and device manufacturing method
JP2004072076A (ja) 露光装置及びステージ装置、並びにデバイス製造方法
JP5278719B2 (ja) 計測方法及び露光方法
KR20020066186A (ko) 리소그래피 장치, 디바이스 제조방법 및 이에 따라 제조된디바이스
KR20010093056A (ko) 전사장치, 디바이스 제조방법, 및 그 제조방법에 의해제조된 디바이스
JP2008263194A (ja) 露光装置、露光方法、および電子デバイス製造方法
JP2010186918A (ja) アライメント方法、露光方法及び露光装置、デバイス製造方法、並びに露光システム
JP2008263193A (ja) 露光方法、および電子デバイス製造方法
US6737207B2 (en) Method for evaluating lithography system and method for adjusting substrate-processing apparatus
JPWO2005038885A1 (ja) 光学特性計測装置及び光学特性計測方法、露光装置及び露光方法、並びにデバイス製造方法
JP2007096069A (ja) 位置合わせ方法、重ね合わせ精度計測方法、露光方法、位置合わせ装置、露光装置、及び重ね合わせ精度計測装置
JPWO2002025711A1 (ja) 結像特性の計測方法及び露光方法
JP6015930B2 (ja) 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法
JP5668999B2 (ja) 露光方法及び露光装置、並びにデバイス製造方法
JP2003197502A (ja) 計測方法及び露光方法、露光装置、並びにデバイス製造方法
JP4147574B2 (ja) 波面収差計測方法、投影光学系の調整方法及び露光方法、並びに露光装置の製造方法
TW527638B (en) Evaluating method of lithography system, adjusting method for substrate-processing apparatus, lithography system and exposure apparatus
JP2002246287A (ja) 露光方法及び装置、並びにデバイス製造方法
JP2006030021A (ja) 位置検出装置及び位置検出方法
JPWO2004066371A1 (ja) 露光装置
JP2005079470A (ja) 照明光学系の調整方法、露光装置及び方法、並びにデバイス製造方法
JP2005129557A (ja) 収差測定装置、露光装置、収差測定方法及び露光方法、並びにデバイス製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110511

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130710

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees