JP4461908B2 - 位置合わせ方法、位置合わせ装置、及び露光装置 - Google Patents

位置合わせ方法、位置合わせ装置、及び露光装置 Download PDF

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Description

本発明は、例えば基板上の各ショット領域に順次マスク又はレチクルのパターンを転写する露光装置において、統計処理により算出した配列座標に基づいてウエハ上の各ショット領域を順次露光位置に位置合わせする場合に適用して好適な位置合わせ方法及び装置に関する。
半導体素子、液晶表示素子、撮像素子(CCD:Charge Coupled Device等)、薄膜磁気ヘッド等の各種デバイスの多くは露光装置を用いて基板上に多数層のパターンを重ねて露光転写することにより製造される。このため、2層目以降のパターンを基板上に露光転写する際には、基板上の既にパターンが形成された各ショット領域とマスクのパターン像との位置合わせ、即ち基板とレチクルとの位置合わせ(アライメント)を正確に行う必要がある。1層目のパターンが露光転写された基板上には、アライメントマークと呼ばれる位置合わせ用のマークがそれぞれ付設された複数のショット領域(チップパターン)が形成されており、これらショット領域は予め基板上に設定された配列座標に基づいて規則的に配列されている。
しかしながら、基板上の複数のショット領域の設計上の配列座標値(ショット配列)に基づいて基板を歩進(ステッピング)させても、以下に示す4つの要因により、基板が正確に位置合わせされるとは限らない。
(a)基板の残存回転誤差Θ
(b)ステージ座標系(又はショット配列)の直交度誤差Ω
(c)基板の線形伸縮(スケーリング)Γx,Γy
(d)基板(中心位置)のオフセット(平行移動)Ox,Oy
そこで、従来は基板上から選択された複数のショット領域(サンプルショット)について実測した計測結果を統計処理して基板上における全ショット領域の配列を求め、この配列に従って各ショット領域の位置合わせ行うエンハンスト・グローバル・アライメント(EGA)方式を用いている。EGA方式を概説すると以下の通りである。つまり、上記の4個の誤差量は6個のパラメータで表すことができるため、EGA方式においては、これらのうち4個のパラメータで表される要素からなる2行×2列の変換行列Aと、オフセット(平行移動)Ox,Oy を要素とする2行×1列の変換行列Oとを考える。
これらの変換行列A,Oを用いると、基板上の各ショット領域の設計上の配列座標値(Dx,Dy)(n=0,1,2,……)と、位置合わせすべき実際の配列座標値(Fx,Fy)との関係は(1)式で表される。
Figure 0004461908
EGA方式では、サンプルショットについて実測して得られた配列座標値(FMx,FMy)と、そのショット領域の設計上の配列座標値を上記(1)式に代入して得られた計算上の配列座標値(Fx,Fy)との平均的な偏差が最小になるように、最小自乗法を用いて変換行列A,Oを決定する。以下、この演算をEGA演算という。ここで、上記の実測して得られた配列座標値(FMx,FMy)から上記の計算上の配列座標値(Fx,Fy)を差し引いた値をアライメント誤差と考える。尚、アライメント誤差はベクトルで表されるため、誤差ベクトルという場合もある。上記の変換行列A,Oが決定されると、この決定された変換行列A,Oと設計上の配列座標値(Dx,Dy)とに基づいて、上記(1)式から実際に位置合わせすべき位置の計算上の配列座標値(Fx,Fy)を算出し、その算出された座標値をもとに基板の各ショット領域を位置決めする。
また、基板上におけるショット領域の配列誤差以外に、ショット領域に関する以下に示す3つの要因によりショット領域内における重ね合わせ誤差が生ずる。
(a)ショット領域の残存回転誤差θ
(b)ショット領域内における直交度誤差ω
(c)ショット領域の線形伸縮(スケーリング)γx,γy
そこで、これらの3個の誤差量(4個のパラメータ)を加味した計10個のパラメータを用いた変換行列を用いて各ショット領域の配列座標値及び各ショット領域毎の重ね合わせ誤差の補正量を求めるEGA方式も案出されている。尚、従来のEGA方式の詳細については、例えば以下の特許文献1〜5を参照されたい。
特開平6−275496号公報 特開平6−302490号公報 特開平6−349705号公報 特開平6−349706号公報 特開平7−226360号公報
ところで、上述したEGA方式においては、デバイス製造時における種々の原因によって、誤差が他のショット領域に比べて極端に大きくなるショット領域(以下、「跳びショット」という)が含まれることがある。このような跳びショットは、基板上のサンプルショットに関して設けられたアライメントマークの崩れ等に起因する計測エラー、又は第1層目のパターンを基板上に転写するときの基板の位置決め誤差等により発生する。サンプルショットの中に跳びショットが含まれていると、EGA演算時にその跳びショットが大きく寄与して実際のショット領域の配列等とは異なる演算結果が得られるため、跳びショットを排除(リジェクト)し、又は跳びショットの寄与を小さくする処理を行った上でEGA演算を行うことが望ましい。
跳びショットをリジェクトする方法の一つとして、サンプルショットの計測結果の全てを用いて一度EGA演算を行い、そのときのアライメント残留誤差が予め設定された閾値を超えているショット領域を跳びショットとみなしてリジェクトする方法がある。
しかしながら、この方法では、誤差が当該閾値は超えていないものの、他のショット領域の誤差との関係で比較的に大きいショット領域をリジェクトすることができず、アライメント誤差に大きく影響を与えるショット領域を効果的にリジェクトすることができないという欠点がある。また、閾値を比較的に小さい値とすれば、アライメント誤差を小さくすることが可能ではあるが、各ショット領域の全体的な精度によってはその殆どが跳びショットと見なされる可能性もある。このように、従来技術では、閾値は各ショット領域に実際に生じている誤差とは無関係に絶対的に設定されるため、跳びショットであるか否かを、他のショット領域の誤差との相対的な関係において動的に判定することができなかった。従って、跳びショットであるか否かの判定精度が低く、基板上のショット領域の配列を高い精度で算出することができないため、アライメント誤差を低減することができず、高精度、高品質なマイクロデバイス等を製造することができなかった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、位置合わせ誤差に影響を与える跳び被加工領域(跳びショット等)を効果的に排除し、又はその影響を効果的に軽減し、物体(基板等)上の被加工領域(ショット領域等)を所定の加工位置(露光位置等)に高精度に位置決めできるようにすることを目的とする。また、高精度、高品質なマイクロデバイス等を製造できるようにすることも目的とする。
本発明の第1の観点によると、図3に示す物体(8)上に配列された複数の被加工領域(ES〜ES)の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ方法において、前記被加工領域毎に設定された計測点のうち、予め選択された所定数のサンプル領域(SA〜SA)に対して設定されたサンプル計測点の位置を計測する第1工程(S12)と、前記第1工程で計測された計測位置を演算パラメータとして、前記サンプル計測点各々の設計位置からの誤差の総和を最小とする第1補正関数、当該誤差の総和である第1残留誤差、該サンプル計測点各々の該第1補正関数で補正された後の補正位置からの誤差であるランダム成分誤差、並びに当該ランダム成分誤差の方向及び大きさを示す誤差ベクトル(V〜V)を求める第2工程(S13)と、前記サンプル計測点から任意の2つを選択した計測点対を複数作成し、該計測点対をなすサンプル計測点の前記誤差ベクトルの相関を前記計測点対毎または複数の前記計測点対毎に求める第3工程(S14)と、前記第3工程で求めた前記相関に応じて前記計測点対または複数の前記計測点対の前記サンプル計測点としての適性を判断する第4工程(S15,S16,S20)とを備える位置合わせ方法が提供される。
本発明では、選択した計測点対をなすサンプル計測点の誤差ベクトルの相関に応じて該計測点対の適性を判断するようにしているので、跳び被加工領域である可能性の高い被加工領域を各被加工領域との相対的な関係において動的に判断することができ、当該跳び被加工領域による影響を効果的に排除ないし軽減することができるようになる。この計測点対の適性の判断は、例えば、跳び被加工領域である可能性との関係で適宜な閾値を設定して行うことができ、その結果に基づいて、当該跳び被加工領域を補正関数の算出のためのパラメータから排除し、又はこれらを合成した結果に基づいて物体上に設定された被加工領域の配列座標を算出することができる。これにより、物体上の各被加工領域を所定の加工位置に高い精度で位置決めすることができるようになる。ここで、「跳び被加工領域」とは、何らかの原因(計測誤差や加工誤差等)により他の被加工領域の傾向に対して傾向が著しく異なる被加工領域をいい、上述した「跳びショット」が含まれる。
本発明の第2の観点によると、図3に示す物体(8)上に配列された複数の被加工領域(ES〜ES)の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ装置において、前記被加工領域毎に設定された計測点のうち、予め選択された所定数のサンプル領域(SA〜SA)に対して設定されたサンプル計測点の位置を計測する計測手段(15)と、前記計測手段で計測された計測位置を演算パラメータとして、前記サンプル計測点各々の設計位置からの誤差の総和を最小とする第1補正関数、当該誤差の総和である第1残留誤差、該サンプル計測点各々の該第1補正関数で補正された後の補正位置からの誤差であるランダム成分誤差、並びに当該ランダム成分誤差の方向及び大きさを示す誤差ベクトル(V〜V)を求める第1演算手段(6)と、前記サンプル計測点から任意の2つを選択した計測点対を複数作成し、該計測点対をなすサンプル計測点の前記誤差ベクトルの相関を前記計測点対毎または複数の前記計測点対毎に求める第2演算手段(6)と、前記第3工程で求めた前記相関に応じて前記計測点対または複数の前記計測点対の前記サンプル計測点としての適性を判断する判断手段(6)とを備える位置合わせ装置が提供される。この本発明の第2の観点に係る露光装置によれば、上述した本発明の第1の観点に係る位置決め方法と同様な作用効果を達成することができる。
本発明の第3の観点によると、マスク(2)のパターンを基板(8)上に配列された複数のショット領域(ES〜ES)に対して露光転写する露光装置において、本発明の第2の観点に係る位置合わせ装置を備え、前記位置合わせ装置を用いて、前記被加工領域としての前記ショット領域を、前記所定の加工位置としての露光位置に対して、順次位置合わせしつつ、各ショット領域を露光するようにした露光装置が提供される。本発明の第3の観点に係る露光装置では、本発明の第2の観点に係る位置決め装置を用いて、基板を位置決めするようにしたので、基板上の各ショット領域を所定の露光位置に対して高精度に位置決めすることができ、基板上に形成されたパターンとマスクのパターンの像との重ね合わせを高い精度で実現することができ、その結果、高精度、高品質なマイクロデバイス等を製造することができるようになる。
本発明によれば、物体上の被加工領域を所定の加工位置に高精度に位置決めすることができるようになるという効果がある。また、高精度、高品質なマイクロデバイス等を製造することができるようになるという効果もある。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成図である。尚、以下の説明では、マスクとしてのレチクル2に形成されたパターンを投影光学系7を介して感光性材料(レジスト)が塗布された基板としてのウエハ8上にステップ・アンド・リピート方式で転写する露光装置(ステッパー)に本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
また、以下の説明においては、必要に応じて図中に設定されたXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハ8に対して平行となるよう設定され、Z軸がウエハ8に対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。
図1に示す本実施形態の露光装置は、ArFエキシマレーザ(波長193nm)等の光源を含んで構成され、光源から射出される露光光をレチクル2に導く照明光学系1を備えている。光源から射出された露光光ELは、照明光学系1を通過して投影光学系7の物体面に配置されるレチクル2に導かれてレチクル2をほぼ均一に照明する。レチクル2はレチクルステージ3上に保持され、レチクルステージ3はベース4上の2次元平面内で移動及び微小回転ができるように支持されている。装置全体の動作を制御する主制御系6が、ベース4上の駆動装置5を介してレチクルステージ3の動作を制御する。
レチクル2を透過した光束は、投影光学系7を介してウエハ8上に導かれ、これによってレチクル2のパターン像が投影光学系7の像面に配置されるウエハ8上に投影される。投影光学系7は、レチクル2のパターン像を所定の投影倍率αでウエハ8上に投影するものであって、例えば両側テレセントリックな光学系である。投影光学系7の投影倍率αは、例えば1/4又は1/5の縮小系である。
ウエハ8はウエハホルダー9を介してウエハステージ10上に載置されている。ウエハステージ10は、投影光学系7の光軸AXに垂直な面内でウエハ8を2次元的に位置決めするXYステージ、投影光学系7の光軸AXに平行な方向(Z方向)にウエハ8を位置決めするZステージ、及びウエハ8をX軸、Y軸、又はZ軸の周りで微小回転させるステージ等から構成されている。
ウエハステージ10上面の一端には移動ミラー11が固定されており、移動ミラー11に対向するようにレーザ干渉計12が配置されている。尚、図1では図示を簡略化しているが、移動鏡11はX軸に垂直な反射面を有する平面鏡及びY軸に垂直な反射面を有する平面鏡より構成されている。また、レーザ干渉計12は、X軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射する2個のX軸用のレーザ干渉計及びY軸に沿って移動鏡11にレーザビームを照射するY軸用のレーザ干渉計より構成されており、X軸用の1個のレーザ干渉計及びY軸用の1個のレーザ干渉計により、ウエハステージ10のX座標及びY座標が計測される。レーザ干渉計12で計測されるX座標及びY座標よりなる座標系(X,Y)を、以下ではステージ座標系又は静止座標系と呼ぶ。
また、X軸用の2個のレーザ干渉計の計測値の差により、投影光学系7の光軸AX周りのウエハステージ10の回転角が計測される。レーザ干渉計12により計測されたX座標、Y座標、及び回転角の情報が座標計測回路12a及び主制御系6に供給され、主制御系6は、供給された座標をモニターしつつ駆動装置13を介して、ウエハステージ10の位置決め動作を制御する。尚、図1には示していないが、レチクル側にもウエハ側と全く同様の干渉計システムが設けられている。
図1に示す本実施形態の露光装置が備える投影光学系7には結像特性制御装置14が装着されている。この結像特性制御装置14は、例えば投影光学系7を構成するレンズ群の内の所定のレンズ群の間隔を調整し、又は所定のレンズ群の間のレンズ室内の気体の圧力を調整することにより、投影光学系7の投影倍率、歪曲収差の調整を行う。結像特性制御装置14の動作も主制御系6により制御されている。
また、投影光学系7の側方にはオフ・アクシス方式のアライメント系15が配置されている。このアライメント系15は、例えばハロゲンランプ等の広帯域波長の光を射出する光源16を備えており、光源16から射出されたの照明光がコリメータレンズ17、ビームスプリッター18、ミラー19、及び対物レンズ20を介してウエハ8上に形成された計測点としてのアライメントマークAMの近傍に照射される。対物レンズ20の光軸20aと投影光学系7の光軸AXとの間隔であるベースライン量は予め高精度に計測されている。アライメントマークAMからの反射光は、対物レンズ20、ミラー19、ビームスプリッター18、及び集光レンズ21を介して指標板22上に照射され、指標板22上にアライメントマークAMの像が結像される。
指標板22を透過した光は、第1リレーレンズ23を経てビームスプリッター24に向かい、ビームスプリッター24を透過した光が、X軸用第2リレーレンズ25Xにより2次元CCDよりなるX軸用撮像素子26Xの撮像面上に集束され、ビームスプリッター24で反射された光が、Y軸用第2リレーレンズ25Yにより2次元CCDよりなるY軸用撮像素子26Yの撮像面上に集束される。撮像素子26X,26Yの撮像面上にはそれぞれアライメントマークAMの像及び指標板22上の指標マークの像が重ねて結像される。撮像素子26X,26Yの撮像信号は共に座標計測回路12aに供給される。
図2は、図1の指標板22上のパターンを示す図である。図2において、中央部に3本の直線パターンよりなるウエハマークMxの像MxPが結像され、この像MxPのピッチ方向であるXP方向、その像MxPの長手方向であるYP方向が、それぞれ図1のウエハステージ10のステージ座標系のX方向及びY方向と共役になっている。また、ウエハマーク像MxPをXP方向に挟むように2個の指標マーク31a,31bが形成され、ウエハマーク像MxPをYP方向に挟むように2個の指標マーク32a,32bが形成されている。尚、ウエハ8に形成される計測点としてのアライメントマークAMは、X方向の位置情報を計測するウエハマークMxとY方向の位置情報を計測するウエハマークMyとがあり、図2においては、アライメント系15の視野内にウエハマークMxが配置されたときの様子が図示されている。
ここで、XP方向で指標マーク31a,31b及びウエハマーク像MxPを囲む検出領域33X内の像は図1のX軸用撮像素子26Xで撮像される。一方、YP方向で指標マーク32a,32b及びY軸用のウエハマークMy(X軸用のウエハマークMxを90°回転したパターン)の像を囲む検出領域33Y内の像は図1のY軸用撮像素子26Yで撮像される。
更に、撮像素子26X,26Yの各画素から光電変換信号を読み取る際の走査方向はそれぞれXP方向及びYP方向に設定されており、撮像素子26X,26Yの撮像信号を処理することにより、X軸用のウエハマーク像MxPと指標マーク31a,31bとのXP方向の位置ずれ量、及びY軸用のウエハマークMyの像と指標マーク32a,32bとのYP方向の位置ずれ量を求めることができる。
従って、図1において、座標計測回路12aは、ウエハ8上のウエハマークMxの像MxPと指標板22上の指標マーク31a,31bとの位置関係及びそのときのレーザ干渉計12の計測結果より、そのウエハマークMxのステージ座標系(X,Y)上でのX座標を求め、このように計測されたX座標を主制御系6に供給する。同様にして、Y軸用のウエハマークのステージ座標系(X,Y)上でのY座標も計測されて、主制御系6に供給される。
主制御系6は、ウエハ8上に設定された被加工領域としてのショット領域の内から予め選択された複数のショット領域(サンプルショット)のアライメント系15を用いた計測結果に基づいてEGA(エンハンスト・グローバル・アライメント)演算を行い、ウエハ8上におけるショット領域の配列を算出する。そして、この算出結果に従ってウエハステージ10を移動させて各ショット領域を露光領域(投影光学系7の投影領域)に位置合わせしつつ露光処理を行う。
ここで、前述した(1)式を用いてEGA演算を行う時に、誤差が大きい跳びショットが含まれていると、露光時におけるショット領域の位置合わせ誤差が生ずる。この位置合わせ誤差を低減するために、主制御系6はEGA演算時にウエハ8の中心に関してほぼ対称なサンプルショットの対(以下、「中心対称計測ペア」という)を作成し、中心対称計測ペアをなす各サンプルショットに関する誤差の大きさ及び方向を示す誤差ベクトルの相関を求め、この相関の大小に応じてその中心対称計測ペアを排除(リジェクト)し、又は合成してEGA演算を行う。ここで、ウエハ8の中心とは、ウエハ8上に配列されたショット領域の配列の中心である。
上記の処理を行う上で必要となる各種情報は、予めオペレータによって入力されて主制御系6の記憶部(不図示)に記憶されている。この各種情報は、例えば上記の合成処理又はリジェクト処理を行うか否かを示す情報、合成処理又はリジェクト処理を行う場合の閾値、合成処理又はリジェクト処理を行う中心対称計測ペア数の上限、リジェクト処理を行う場合に中心対称計測ペアをなすサンプルショットの一方に対して行うか又は両方に対して行うかを示す情報、及び合成処理又はリジェクト処理を行う中心対称計測ペアの組み合わせ条件を示す情報等である。
次に、露光対象としてのウエハ8上に設定されるショット領域について説明する。図3は、ウエハ8上に設定されるショット領域の配列の一例を示す図である。図3に示す通り、ウエハ8上には図1に示すステージ座標系(X,Y)とは異なる座標系(x,y)が設定されており、この座標系(x,y)に沿って規則的にショット領域ES,ES,…,ES(Mは3以上の整数)が形成されている。各ショット領域ES(i=1〜M)にはそれまでの工程によりそれぞれチップパターンが形成されている。また、各ショット領域ESはx方向及びy方向に伸びる所定幅のストリートライン(スクライブライン)で区切られており、各ショット領域ESに接するx方向に伸びたストリートラインの中央部にX軸用のウエハマークMxが形成され、各ショット領域ESに接するy方向に伸びたストリートラインの中央部にY軸用のウエハマークMyが形成されている。
X軸用のウエハマークMx及びY軸用のウエハマークMyはそれぞれx方向及びy方向に所定ピッチで3本の直線パターンを並べたものであり、これらのパターンはウエハ8の下地に凹部又は凸部のパターンとして形成されている。ウエハ8上の座標系(x,y)でのウエハマークMxのx座標(設計上の座標値)x、及びウエハマークMyのy座標(設計上の座標値)yは既知であり、図1の主制御系6内の記憶部に記憶されている。この場合、ウエハマークMxのx座標、及びウエハマークMyのy座標を、それぞれショット領域ESのx座標及びy座標とみなす。
また、ウエハ8上に設定された複数のショット領域ES〜ESの内、予め所定数のショット領域がサンプルショット(サンプル領域)として選択されている。図3に示す例では、斜線を付した8個のショット領域がサンプルショットSA〜SAとして選択されている。サンプルショットSA〜SAの各々にはウエハマークMx,Myがそれぞれ設けられている。例えば、サンプルショットSAには、ウエハマークMx,Myがそれぞれ設けられている。
また、サンプルショットSA〜SAは、それぞれがウエハ8のほぼ中心に対してほぼ対称となるように配置されている。このように、サンプルショットSA〜SAをウエハ8の中心に関してほぼ対称に配置するのは、前述した中心対称計測ペアを作成してリジェクト又は合成を行った上でEGA演算を行うことにより、露光時におけるショット領域の位置合わせ誤差を軽減し、究極的には無くすためである。また、ウエハ8上にはおおまかな位置合わせ(グローバル・アライメント)を行うための2つの2次元のグローバル・アライメントマーク(不図示)が形成されている。これら2つのグローバル・アライメントマークのウエハ8上の座標系(x,y)での座標値は既知である。
次に、上記構成の露光装置において、露光対象とするウエハ8に設定された各ショット領域の位置決めを行って各ショット領域を露光することにより、各ショット領域の各々にレチクル2のパターンを転写する際の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
露光処理が開示されると、まず主制御系6は露光対象とするウエハ8を図1のウエハホルダー9上にロードする。また、主制御系6はウエハ8のロード中に不図示の記憶部に記憶されている各種情報を読み出し、初期設定を行う(ステップS11)。具体的には、記憶部から合成処理又はリジェクト処理を行うか否かを示す情報、合成処理又はリジェクト処理を行う場合の閾値、合成処理又はリジェクト処理を行う中心対称計測ペア数の上限、リジェクト処理を行う場合に中心対称計測ペアをなすサンプルショットの一方に対して行うか又は両方に対して行うかを示す情報、及び合成処理又はリジェクト処理を行う中心対称計測ペアの組み合わせ条件を示す情報を読み出す。ここでは、合成処理及びリジェクト処理の両方の処理を行い、リジェクト処理を行う場合には中心対称計測ペアをなすサンプルショットの両方をリジェクトし、ウエハ8の中心に関してほぼ対称となるサンプルショットを組み合わせて中心対称計測ペアを生成するよう組み合わせ条件が設定されているものとする。
ウエハ8のロード及び上記の初期設定が完了すると、主制御系6は、ウエハ8の線形伸縮を等方的とみなし(Γx=Γy)、ステージ座標系の直交度誤差Ωを0とみなして、前述した(1)式の未知の変換パラメータを4個にした上で、駆動装置13を駆動してウエハステージ10をXY平面内で移動させてウエハ8に形成されたグローバル・アライメントマークを順にアライメント系15の計測視野内に配置し、アライメント系15を介してグローバル・アライメントマークのステージ座標系(X,Y)での座標値を計測する。この計測結果より、主制御系6は(1)式の簡略化された4個の変換パラメータの値を決定する。
その後、主制御系6は、これら4個の変換パラメータ、及びウエハマークMxの設計上のx座標、及びウエハマークMyの設計上のy座標を順次(1)式に代入することにより、ステージ座標系(X,Y)上でのウエハマークMxの計算上のX座標の初期値、及びウエハマークMyの計算上のY座標の初期値を算出する。また、ウエハマークMxの中心の計算上のY座標の初期値、及びウエハマークMyの中心の計算上のX座標の初期値も同時に算出する。
以上の処理が終了すると、主制御系6はステージ座標系(X,Y)上での設計上の座標値の初期値に基づいてウエハステージ10を駆動し、サンプルショットSA〜SAに対して設けられているウエハマークMx及びウエハマークMyを順次アライメント系15の観察視野内に追い込み、アライメント系15を介して、各サンプルショットSA〜SAのステージ座標系(X,Y)上での座標値を高い精度で計測する(ステップS12)。尚、サンプルショットSA〜SAの座標値を計測するとは、各サンプルショットSA〜SAに付設されたX軸用及びY軸用のウエハマークのステージ座標系(X,Y)上での座標値を計測することを意味する。
サンプルショットの計測を終えると、主制御系6は計測値の各々とサンプルショットSA〜SAの各々の設計値とを前述した(1)式に代入してEGA演算を行って(1)式中の変換行列A,Oを決定する。つまり、ここでは、サンプルショットSA〜SAについて、中心対称計測ペアの作成を行わずに(合成処理及びリジェクト処理を行わずに)EGA演算を行う。ここで行われるEGA演算は、位置合わせ誤差を生じさせる要因である、ウエハ8の残存回転誤差Θ、ステージ座標系(X,Y)の直交度誤差Ω、ウエハ8の線形伸縮(スケーリング)Γx,Γy、及びウエハ8のオフセットOx,Oyからなる6つのパラメータを考慮したものであり、これらを用いると上記(1)式は以下の(2)式で表される。
Figure 0004461908
尚、このEGA演算においては、n番目のサンプルショットSAのステージ座標系上で計測された座標値を(XM,YM)とし、n番目のサンプルショットSAの設計上の座標値を上記の(2)式に代入して計算される座標値を(X,Y)とすると、残留誤差成分は以下の(3)式で表すことができる。但し、本実施形態ではnの値は8である。
Figure 0004461908
上記(3)式に示す残留誤差成分が最小になるように、主制御系6は(2)式中の変換行列の各パラメータを決定する。
EGA演算を終えると、主制御系6は、各サンプルショットSAの計測された座標値(XM,YM)から、上記(3)式に示す残留誤差成分が最小になるように求めた変換行列中のパラメータを用いて計算した計算上の配列座標値(X,Y)を差し引いて誤差ベクトルを算出する(ステップS13)。ここで、誤差ベクトルについて説明する。図5は、サンプルショットについて求められる誤差ベクトルの一例を示す図である。尚、図5においては、ウエハ8上のショット領域の図示を簡略化するとともに誤差ベクトルを誇張して図示している。
図5に示す通り、ウエハ8上に設定されたサンプルショットSA〜SAの各々に付されている矢印は、サンプルショットSA〜SAの誤差ベクトルV〜Vをそれぞれ示している。誤差ベクトルV〜Vは、各サンプルショットSA〜SAの計算上の座標値をそれぞれ起点とし、終点が各サンプルショットSA〜SAについて計測された座標にそれぞれ対応する。図5を参照すると、誤差ベクトルV〜Vの各々は、方向及び大きさが一定の傾向を示さずにランダムであることが分かる。
誤差ベクトルの算出が終了すると、主制御系6はウエハ8の中心に対してほぼ対称な中心対称計測ペアを作成し、各々の中心対称計測ペアについてベクトル相関を算出する処理を行う(ステップS14)。このステップにおいて、例えばサンプルショットSA〜SAが図5に示す配列である場合には、以下の通り4組の中心対称計測ペアを作成する。
1:サンプルショットSA,SA
2:サンプルショットSA,SA
3:サンプルショットSA,SA
4:サンプルショットSA,SA
中心対称計測ペアの作成を終えると、主制御系6は各々の中心対称計測ペアをなすサンプルショットの誤差ベクトルの相関を算出する。図6は、ベクトル相関を説明するための図である。図6に示す通り、お互いのなす角度がθijである2つのベクトルSij(Sxij,Syij)とベクトルTij(Txij,Tyij)を考えると、これらのベクトルの相関は以下の(4)式から求められる。
Figure 0004461908
上記(4)式を参照すると、2つのベクトルSij,Tijの相関はベクトルSij,Tijの内積和から求められることが分かり、方向性と大きさの両方を加味した相関が得られる。上記の2つのベクトルSij,Tijは、中心対称計測ペアをなす誤差ベクトルにそれぞれ相当するものであり、以上説明した方法によりこれらの相関を取ることで中心対称計測ペアについてのベクトル相関を算出することができる。
なお、1組の計測点対についてのベクトル相関を算出する場合は、(4),(5),(6)式において、M=N=1となる。これが通常である。一方、ショット単位など2次元の領域内、または1次元の領域内で複数組の計測点対ごとにベクトル相関を算出して合成、リジェクトの判定を行う場合は、計測点対の組数をM×Nに設定する。
ベクトルSij,Tijの相関(内積和)が最大値をとると、ベクトルSijとベクトルTijとの方向及び大きさが一致し、Sij=Tijと表すことができる。逆に、ベクトルSij,Tijの相関が最小値(負の値)をとると、ベクトルSij及びベクトルTijは大きさは一致するが方向が逆方向になり、Sij=−Tijと表すことができる。また、ベクトルSij,Tijの相関が0であれば、ベクトルSijとベクトルTijとの間に全く相関性がなく、Sij⊥Tijと表すことができる。
また、上記ベクトルSij,Tijの大きさは、以下の(5),(6)式でそれぞれ表される。
Figure 0004461908
Figure 0004461908
ij,Tijの相関を示す上記(4)式を、ベクトルSij,Tijの大きさを示す上記(5),(6)で除算することにより、以下の(7)式に表される正規化された相関係数Cvが得られる。
Figure 0004461908
上記(7)式に示される相関係数Cvは−1から+1の範囲の値をとり、相関係数Cvが値+1をとる場合にはベクトルSijとベクトルTijとの方向及び大きさが一致していることを示している。相関係数Cvが値−1をとる場合にはベクトルSijとベクトルTijとの大きさが一致しているが、方向が逆方向であることを示している。また、相関係数Cvが値0をとる場合にはベクトルSijとベクトルTijとの間に相関がないことを示している。
以上の正規化を行うことで、相関の大小を判別するための閾値を設定することが容易となる。尚、相関の相対的な大小を判別する場合には、上記の(7)式に示される相関係数Cv及び上記(4)式に示される相関そのものを用いることができ、閾値を設定して相関の大小を判別する場合には、上記の(7)式に示される相関係数Cvを用いることが好ましい。また、(4)式に示される相関と(7)式に示される相関係数Cvとを組み合わせて相関の大小を判別するようにしても良い。本実施形態では、相関係数Cvを用いて相関の大小を判別する場合を例に挙げて説明する。
図7は、相関係数Cvに設定される閾値の一例を示す図である。図7に示す通り、−1〜+1の範囲の値をとる相関係数Cvに対して、0〜+1の正相関の範囲において閾値TH3が設定されており、−1〜0の負相関の範囲において閾値TH1,TH2が設定されている。閾値TH3は、正相関の高い中心対称計測ペアをリジェクトするために設定される閾値である。つまり、正相関が高くなるほど中心対称計測ペアをなす誤差ベクトルの方向及び大きさが等しくなるため、これらの誤差ベクトルはアライメント誤差を増大させる方向に働くと考えられる。このため、閾値TH3を設定して正相関の高い中心対称計測ペアをリジェクトしている。
閾値TH1は負相関の高い中心対称計測ペアをリジェクトするために設定される閾値であり、閾値TH2は負相関の極めて高い中心対称計測ペアを合成するために設定される閾値である。負相関である場合には誤差ベクトルが互いに打ち消し合う方向になるが、相関が閾値TH1以下になるとアライメント誤差に悪影響を与えると考えられるため、閾値TH1を設定して負相関の高い中心対称計測ペアはリジェクする。但し、負相関が極めて高くなると、その中心対称計測ペアをなす誤差ベクトルは方向が逆方向で大きさが同じになるため、閾値TH2を設定して負相関の極めて高い中心対称計測ペアは後述するように合成する。
ステップS14におけるベクトル相関算出処理が終了すると、主制御系6は相関が閾値TH1未満の中心対称計測ペアの有無を判断する(ステップS15)。相関が閾値TH1未満の中心対称計測ペアがあると判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、閾値TH2未満の中心対称計測ペアがあるか否かを判断する(ステップS16)。一方、ステップS15の判断結果が「NO」の場合には、後述するステップS20に進む。ステップS16の判断結果が「YES」の場合には、相関が閾値TH2未満の中心対称計測ペアをなす誤差ベクトルを合成し、合成した中心対称計測ペアを含めてEGA演算を行って誤差ベクトルを算出する(ステップS17)。
図8は、合成処理を説明するための図である。図8において、点A及び点Bが中心対称計測点ペアである。合成処理では、点Aと点Bとの中点Cを求める処理を行う。具体的には、点Aの座標値を(X,Y)とし、点Bの座標値を(X,Y)とすると、点C((X+X)/2,(Y+Y)/2)を求める処理を行う。この処理により得られる座標値は、図5に示す仮想的なショット領域VS1の座標値を示している。このショット領域VS1は、点A(例えば、サンプルショットSA)の誤差ベクトルVと、点B(例えば、サンプルショットSA)の誤差ベクトルVとを合成した誤差ベクトルVV1を有するものとなる。以上の合成処理を終えると、主制御系6は合成処理後の座標値(点Cの座標値)と計測値、及び合成処理を行っていない他のサンプルショットの座標値と計測値とを用いてEGA演算を行い誤差ベクトルを算出する。
一方、ステップS16における判断結果が「NO」の場合には、相関が閾値TH2以上であって閾値TH1未満の中心対称計測ペアを飛びショットとしてリジェクトし、残りの中心対称計測ペアを用いてEGA演算を行って誤差ベクトルを算出する(ステップS18)。尚、中心対称ペアのリジェクト数は、ステップS11で設定された上限値以下である。以上の処理を終えると、主制御系6は上記のステップS17,S18それぞれで算出された誤差ベクトル各々の残留成分の2乗和を求め、これらそれぞれの残留成分の2乗和と上記のステップS13で算出された誤差ベクトルの残留成分の2乗和、即ち合成処理及びリジェクト処理を行わずにEGA演算を行ったときに算出された誤差ベクトルの残留成分の2乗和とを比較する。そしてステップS17,S18で求められた誤差ベクトル各々の残留成分の2乗和の方が、ステップS13で求められた誤差ベクトルの残差の2乗和よりも小さい場合には、ステップS17,S18でそれぞれ算出された誤差ベクトルの残留成分の2乗和の内のいずれか小さい方が得られる中心対称計測ペアを最終的に行うEGA演算に用いる候補として採用する(ステップS19)。尚、ここでEGA演算に採用される中心対称計測ペアは、ステップS17で合成処理が行われたものを含むか、あるいは、ステップS18でリジェクトされた中心対称計測ペアが除かれたもの、となる。
以上の処理を終えると、主制御系6は相関が閾値TH3以上の中心対称計測ペアの有無を判断する(ステップS20)。相関が閾値TH3以上の中心対称計測ペアが無いと判断した場合(判断結果が「NO」の場合)には、後述するステップS23に進む。一方、相関が閾値TH3以上の中心対称計測ペアがあると判断した場合(判断結果が「YES」の場合)には、相関が閾値TH3以上となる中心対称計測ペアを跳びショットであるとしてリジェクトし、残りの中心対称計測ペアを用いてEGA演算を行って誤差ベクトルを算出する(ステップS21)。尚、中心対称ペアのリジェクト数は、ステップS11で設定された上限値以下である。以上の処理を終えると、主制御系6はステップS21で算出された誤差ベクトルの残留成分の2乗和が、上記のステップS13で算出された誤差ベクトルの残留成分の2乗和よりも小さい場合には、ステップS21でリジェクトされた中心対称計測ペアが除かれた中心対称計測ペアを最終的に行うEGA演算に用いる候補として採用する(ステップS22)。
次いで、主制御系6は、ステップS19において候補として採用された中心対称計測ペア及びステップS22において候補として採用された中心対称ペアのうち、最も誤差ベクトルの残留成分の2乗和が小さくなる方を最終的にEGA演算に用いるものとして選択する(ステップS23)。以上の処理を終えると、主制御系6はステップS23で選択した中心対称計測ペアをなすサンプルショットの座標値とその設計値とを(2)式に代入し、(3)式に示す残留誤差成分が最小となるように変換行列の各パラメータを決定し、ウエハ8上の全てのショット領域ES,ES,…,ESの配列を求める。
尚、ステップS19,S22において採用すべき候補(合成処理、又はリジェクト処理すべき計測点ペア)が無かった場合には、ステップS13で行ったEGA演算結果を用いてウエハ8上の全てのショット領域ES,ES,…,ESの配列を求める。つまり、ステップS12で計測されたサンプルショットSA〜SAの座標値を全て用いてEGA演算を行って得られたパラメータからウエハ8上の全てのショット領域ES,ES,…,ESの配列を求める。
以上の処理を終えると、主制御系6は算出したショット領域ES,ES,…,ESの座標値に基づいてウエハステージ10を駆動して各ショット領域を順次露光領域(投影光学系7の投影領域)に位置合わせしつつ、レチクル2のパターンを露光領域に位置合わせされたショット領域に転写する。このようにして各ショット領域ES,ES,…,ESをステップ・アンド・リピート方式により露光する。
以上説明した通り、本実施形態においては、サンプルショットSA〜SAの各々について位置情報の計測結果から誤差ベクトルを算出するとともに、ウエハ8の中心に関して対称な中心対称計測ペアを作成し、中心対称計測ペアをなす誤差ベクトルの相関に応じて中心対称計測ペアをリジェクト又は合成している。このため、アライメント誤差の大きな跳びショットを効果的に排除し、又はその影響を効果的に軽減した上でウエハ8上に設定されたショット領域ES,ES,…,ESの配列座標を求めることができ、ウエハ8上の各ショット領域ES,ES,…,ESとレチクル2のパターンの投影像とをより高精度に重ね合わせることができる。
尚、上記実施形態においては、ウエハ8に8つのサンプルショットSA〜SAが設定された場合について説明したが、ウエハ8上の全てのショット領域ES,ES,…,ESをサンプルショットとして指定しておき、上述した処理を行って中心対称計測ペアのリジェクト又は合成を行い、全ての跳びショットが排除又は合成された残りのショット領域に基づいてサンプルショット配置(数、位置)を決定するようにしてもよい。この場合、EGA方式に適用するサンプルショットのアライメントデータ(計測された座標値)の数が減少してEGA計算の算出精度が低下するという問題が生じなくなる。また、本実施形態における計算量は従来のEGA方式の計算量に比べて相当量増加しているが、最近のコンピュータの計算能力の飛躍的な向上によって、本実施形態の計算を行っても、ウエハマークの座標値を計測してから露光するまでの待ち時間を無視できる程度に短縮できる。
また、図4に記載したフローを複数回(n回:nは2より大きい自然数)繰り返すことによって、サンプルショット配置(数、位置)を最適化するようにしてもよい。具体的には、図4のステップS23でサンプルショットの決定(1回目)がなされると、ステップS13にリターンし、リターンしたステップS13において、ステップS23で決定されたサンプルショットを用いたEGA演算/誤差ベクトル算出処理を行う。以後は、前述と同様にステップS14〜S23を行うようにする。なお、n回目以降で使用する(例えばステップS21で)計測点ペアのリジェクト数(S11で設定される値)は、1回目(S11)の設定値と同じであっても、異ならせても良い。この場合、1回目のフローで用いられるリジェクト上限数よりもn回目のフローで用いられるリジェクト上限数を減らすのが好ましい。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。以上説明した実施形態においては、サンプルショットSA〜SAの各々に対して設けられたX軸用及びY軸用のウエハマークの座標値をもって各サンプルショットSA〜SAの代表的な座標値とし、これらの代表値を用いてEGA演算及び上記のリジェクト処理等を行っていた。これに対し、この第2実施形態は、サンプルショットSA〜SAの各々に対して複数のウエハマークが設けられており、これらのウエハマークの座標値を用いてEGA演算及び上記のリジェクト処理等を行っている。
図9は、サンプルショットに対して複数形成されるアライメントマークを説明するための図である。尚、図9においては、図2に示すアライメントマーク(ウエハマーク)との比較を容易にするためにアライメントマークの像が指標板22上に結像した状態を図示している。また、図9に示すアライメントマークは、サンプルショット以外のショット領域にも形成されていても良い。
本実施形態で用いられるアライメントマークは、X方向に伸びた直線パターンと、これに直交するY方向に伸びた直線パターンとからなる十字形状である。このアライメントマークの像が指標板22上に結像すると図9中の像MPが得られる。像MPは、XP方向に伸びる像MPxとY方向に伸びる像MPyとからなり、図9に示す状態で指標板22上に結像すると、像MPxが検出領域33X内に配置されるとともに像MPyが検出領域33Y内に配置される。よって、このアライメントマークを用いることで、一度の計測でX方向の位置情報及びY方向の位置情報を得ることができる。
図10は、本発明の第2実施形態で用いられるウエハ8に設定されるショット領域の概略を示す図である。図10に示す通り、本実施形態ではショット領域(サンプルショットSA11〜SA14)毎に4つのアライメントマークAM11〜AM14,AM21〜AM24,AM31〜AM34,AM41〜AM44がそれぞれ形成されている。1つのショット領域に着目すると、そのショット領域内のアライメントマークは、ショット領域の中心に対称で、且つショット領域の対角線上に配置されている。尚、図10には4つのサンプルショットのみを図示しているが、サンプルショットの数は任意で良い。
次に、このようなアライメントマークが形成されたウエハ8を露光する際の動作について説明する。本実施形態における動作は基本的に前述した第1実施形態と同様である。即ち、基本的には図4に示すフローチャートに従った処理が行われて最終的なショット領域の配列が決定される。但し、第1実施形態がサンプルショットSA〜SAの各々に対して設けられたX軸用及びY軸用のウエハマークの座標値をもって各サンプルショットSA〜SAの代表的な座標値としているのに対し、本実施形態では図10に示す複数のアライメントマークを用いてサンプルショットの座標値を表している点が相違する。
露光処理が開示されると、まず主制御系6が図10に示すウエハ8を図1のウエハホルダー9上にロードし、初期設定を行う(ステップS11)。ここで行われる初期設定は、上述した第1実施形態で行われる初期設定と同様であるものとする。即ち、合成処理及びリジェクト処理の両方の処理を行い、リジェクト処理を行う場合には中心対称計測ペアをなすサンプルショットの両方をリジェクトし、ウエハ8の中心に関してほぼ対称となるサンプルショットを組み合わせて中心対称計測ペアを生成するよう組み合わせ条件が設定されるものとする。
ウエハ8のロード及び上記の初期設定が完了すると、主制御系6は、不図示のグローバル・アライメントマークの計測を行ってEGA演算を行う。次いで、このEGA演算結果に基づいてウエハステージ10を駆動して、サンプルショットSA11〜SA14に対して設けられているアライメントマークAM11〜AM14,AM21〜AM24,AM31〜AM34,AM41〜AM44を順次観察視野内に追い込み、アライメント系15を介して各アライメントマークのステージ座標系(X,Y)上での座標値を高い精度で計測する(ステップS12)。
サンプルショットSA11〜SA14に形成されたアライメントマークの計測を終えると、主制御系6は計測値の各々とその設計値とを前述した(1)式に代入してアライメントマークについて中心対称計測ペアの作成を行わずに(合成処理及びリジェクト処理を行わずに)EGA演算を行い、(1)式中の変換行列A,Oを決定する。ここで行われるEGA演算は、上述した第1実施形態のEGA演算で考慮される6つのパラメータに、ショット領域の残存回転誤差θ、ショット領域内における直交度誤差ω、及びショット領域の線形伸縮(スケーリング)γx,γyの4つのパラメータを加えた計10個のパラメータを考慮したものであり、これらを用いると上記(1)式は以下の(8)式で表される。
Figure 0004461908
但し、上記(8)式において、(Ex,Ey)は、ショット領域に設定される座標系上のアライメントマークの設計上の座標値であり、(Cx,Cy)はウエハ8上に設定される座標系(x,y)上の各ショット領域の基準点(例えば、ショット領域の中心)の座標値である。上記(8)式に示すEGA演算において、ステージ座標系上で計測されたn番目のアライメントマークAMの座標値を(XM,YM)とし、n番目のアライメントマークAMの設計上の座標値を上記の(8)式に代入して計算される座標値を(X,Y)とすると、主制御系6は前述した(3)式に示す残留誤差成分が最小になるように、(8)式中の変換行列の各パラメータを決定する。但し、ここでのnの値は8である。
EGA演算を終えると、主制御系6は、第1実施形態と同様の方法で、誤差ベクトルを算出する(ステップS13)。図10中に誇張して図示した矢印は、各アライメントマークAM11〜AM14,AM21〜AM24,AM31〜AM34,AM41〜AM44についての誤差ベクトルV11〜V14,V21〜V24,V31〜V34,V41〜V44である。これらの誤差ベクトルは、各アライメントマークの計算上の座標値をそれぞれ起点とし、計測された座標が終点とするものである。
誤差ベクトルの算出を終えると、主制御系6はウエハ8の中心に対してほぼ対称な中心対称計測ペアを作成し、各々の中心対称計測ペアについてベクトル相関を算出する処理を行う(ステップS14)。このステップにおいて、例えばサンプルショットSA11〜SA14及びアライメントマークAM11〜AM14,AM21〜AM24,AM31〜AM34,AM41〜AM44が図10に示す通りに配置されている場合には、以下の8組の中心対称計測ペアを作成する。
1:アライメントマークAM11,AM34
2:アライメントマークAM12,AM33
3:アライメントマークAM13,AM32
4:アライメントマークAM14,AM31
5:アライメントマークAM21,AM44
6:アライメントマークAM22,AM43
7:アライメントマークAM23,AM42
8:アライメントマークAM24,AM41
中心対称計測ペアの作成を終えると、主制御系6は前述した(7)式を用いて各々の中心対称計測ペアをなすサンプルショットの誤差ベクトルの相関を示す相関係数Cvを求める。尚、前述した(4)式を用いて相関そのものを求めても良い。ベクトル相関算出処理が終了すると、主制御系6は図4に示すステップS15〜S23の処理を第1実施形態と同様に行って、中心対称計測ペアのリジェクト又は合成を行って最終的なEGA演算に用いる中心対称計測ペアを決定する。その後、ウエハ8上のショット領域ES,ES,…,ESの座標値に基づいてウエハステージ10を駆動して各ショット領域を順次露光領域(投影光学系7の投影領域)に位置合わせしつつ、レチクル2のパターンを露光領域に位置合わせされたショット領域に転写する。
以上説明した通り、本実施形態においては、サンプルショットの配列誤差に加えてサンプルショット自体の誤差(θ、ω、γx、γy)を考慮してEGA演算を行っているが、EGA演算時に各サンプルショットに形成されたアライメントマークについて中心対称計測ペアを作成し、誤差ベクトルの相関に応じて中心対称計測ペアをリジェクト又は合成している。このため、サンプルショット自体の誤差に起因するアライメント誤差の大きな跳びショットを効果的に排除し、又はその影響を効果的に軽減した上でウエハ8上に設定されたショット領域ES,ES,…,ESの配列座標を求めることができ、ウエハ8上の各ショット領域ES,ES,…,ESとレチクル2のパターンの投影像とをより高精度に重ね合わせることができる。
尚、上記の実施形態では、ウエハ8に設定されたサンプルショットの配列を考慮せずに、個々のアライメントマークに着目して中心対称計測ペアを作成していた。しかしながら、ウエハ8の中心に対するサンプルショットの対称性を反映させて中心対称計測ペアを作成しても良い。例えば、図10に示す通りサンプルショットSA11〜SA14及びアライメントマークAM11〜AM14,AM21〜AM24,AM31〜AM34,AM41〜AM44が配置されている場合には、以下の8組の中心対称計測ペアを作成する。
1:アライメントマークAM11,AM31
2:アライメントマークAM12,AM32
3:アライメントマークAM13,AM33
4:アライメントマークAM14,AM34
5:アライメントマークAM21,AM41
6:アライメントマークAM22,AM42
7:アライメントマークAM23,AM43
8:アライメントマークAM24,AM44
以上の中心対称計測ペアを作成した場合であっても、ウエハ8上の各ショット領域ES,ES,…,ESの配列を決定する処理は、上記と同様の処理により行われる。尚、上記の通り中心対称計測ペアを作成した場合には、図10に示す仮想的なショットVS11の座標値を示す4つの仮想的な座標値VA〜VAが求められる。例えば、アライメントマークAM11,AM31が合成された場合には仮想的な座標値VAが求められ、アライメントマークAM12,AM32が合成された場合には仮想的な座標値VAが求められる。
以上説明した実施形態においては、ウエハ8上に4つのサンプルショットが設定され、各々のサンプルショットに4つのアライメントマークが形成された場合を例に挙げて説明したが、ウエハ8上に設定するサンプルショットの数及びサンプルショット内に設けられるアライメントマークの数は任意で良い。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。以上説明した第1実施形態及び第2実施形態では、何れもウエハ8の中心に関して対称となるように中心対称計測ペアを作成していたが、本実施形態ではショット領域の中心に関してほぼ対称となるように中心対称計測ペアを作成している。図11は、本発明の第3実施形態で用いられるウエハ8に設定されるショット領域の概略を示す図である。図11に示す通り、本実施形態では、サンプルショットSAの外周に沿って8個のアライメントマークIM〜IMが形成されており、サンプルショットの中心にアライメントマークIMが形成されている。
このサンプルショットの中心に関して作成される中心対称計測ペアは、例えば以下の4組の中心対称計測ペアである。
1:アライメントマークIM,IM
2:アライメントマークIM,IM
3:アライメントマークIM,IM
4:アライメントマークIM,IM
サンプルショットの中心に関して中心対称計測ペアを作成した場合であっても、基本的には図4に示すフローチャートの処理に従ってリジェクト処理又は合成処理が行われる。尚、本実施形態において用いられるEGA演算は、前述した(2)式に示す6つのパラメータ考慮したものである。
以上説明した通り、本実施形態においては、サンプルショットの中心に関して対称な中心対称ペアを作成してリジェクト処理又は合成処理を行っているため、サンプルショット自体の誤差に起因するアライメント誤差の大きな跳びショットを効果的に排除し、又はその影響を効果的に軽減した上で実際のショット領域の誤差を求めることができる。その結果として、ウエハ8上の各ショット領域ES,ES,…,ESとレチクル2のパターンの投影像とをより高精度に重ね合わせることができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。従って、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。例えば、上記実施形態においては、ウエハ8の中心又はショット領域の中心に関して中心対称計測ペアを作成していたが、本発明はこれに限られる訳ではない。
通常は、アライメント及び露光の対象となる領域はウエハ8上の全領域であるが、ウエハ8を領域分割し、又は中心をシフトさせてアライメント及び露光を行う場合がある。かかる場合には、分割された各領域の中心に関して点対称となる中心対称計測ペアを作成することになる。また、より柔軟な対応を可能とするために、ウエハ8の中心等の基準に関して点対称となる中心対称計測ペアを作成するのではなく、ウエハ8上の任意のショット領域又はアライメントマーク(ウエハマーク)を選択して中心対称計測ペアに相当するペアを作成可能とすることが望ましい。
なお、上記実施形態では、誤差ベクトルの残留成分の2乗和の大小に基づいてサンプルショット配置(数、位置)の最適化を図るようになっている。しかしながら使用者が、ウエハ上のある領域(例えば第1象限)に重きをおいた位置合わせ(重み付けEGA)を行いたいと考えていた場合には、その第1象限内におけるサンプルショットのランダム成分が小さくなるようなEGAパラメータを選択できる(そのようなEGAパラメータが得られるサンプルショット配置を選択できる)ようにすることも可能である。
また、上記実施形態においては、露光装置としてステップ・アンド・リピート方式の露光装置を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用することが可能である。また、半導体素子や液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、プラズマディスプレイ、薄膜磁気ヘッド、及び撮像素子(CCD等)の製造にも用いられる露光装置、及びレチクル、又はマスクを製造するために、ガラス基板、又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。即ち本発明は、露光装置の露光方式や用途等に関係なく適用可能である。
また、照明光学系1に光源としてArFエキシマレーザ(193nm)を備える場合を例に挙げて説明したが、光源としてはこれ以外に例えば超高圧水銀ランプ(g線(436nm)、i線(365nm))、又はKrFエキシマレーザ(248nm)若しくはFレーザ(157nm)等を用いることができる。更には、上記実施形態では本発明を露光装置に適用した場合について説明したが、本発明は、搬送装置、計測装置、検査装置、試験装置、その他の物体の位置合わせを行う装置全般について適用が可能である。
本発明の実施形態に係る露光装置の概略構成図である。 図1の指標板上のパターンを示す図である。 ウエハ上に設定されるショット領域の配列の一例を示す図である。 本発明の実施形態の処理を示すフローチャートである。 サンプルショットについて求められる誤差ベクトルの一例を示す図である。 ベクトル相関を説明するための図である。 相関係数に設定される閾値の一例を示す図である。 合成処理を説明するための図である。 サンプルショットに対して複数形成されるアライメントマークを説明するための図である。 本発明の第2実施形態で用いられるウエハに設定されるショット領域の概略を示す図である。 本発明の第3実施形態で用いられるウエハに設定されるショット領域の概略を示す図である。
符号の説明
8…ウエハ
AM…アライメントマーク
AM11〜AM14…アライメントマーク
AM21〜AM24…アライメントマーク
AM31〜AM34…アライメントマーク
AM41〜AM44…アライメントマーク
ES〜ES…ショット領域
IM〜IM…アライメントマーク
SA…サンプルショット
SA〜SA…サンプルショット
SA12〜SA14…サンプルショット
TH1…負相関による計測点リジェクト判定用閾値
TH2…負相関による計測点合成判定用閾値
TH3…正相関による計測点リジェクト判定用閾値
〜V…誤差ベクトル
11〜V14…誤差ベクトル
21〜V24…誤差ベクトル
31〜V34…誤差ベクトル
41〜V44…誤差ベクトル

Claims (17)

  1. 物体上に配列された複数の被加工領域の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ方法において、
    前記被加工領域毎に設定された計測点のうち、予め選択された所定数のサンプル領域に対して設定されたサンプル計測点の位置を計測する第1工程と、
    前記第1工程で計測された計測位置を演算パラメータとして、前記サンプル計測点各々の設計位置からの誤差の総和を最小とする第1補正関数、当該誤差の総和である第1残留誤差、該サンプル計測点各々の該第1補正関数で補正された後の補正位置からの誤差であるランダム成分誤差、並びに当該ランダム成分誤差の方向及び大きさを示す誤差ベクトルを求める第2工程と、
    前記サンプル計測点から任意の2つを選択した計測点対を複数作成し、該計測点対をなすサンプル計測点の前記誤差ベクトルの相関を前記計測点対毎または複数の前記計測点対毎に求める第3工程と、
    前記第3工程で求めた前記相関に応じて前記計測点対または複数の前記計測点対の前記サンプル計測点としての適性を判断する第4工程と、
    を備えることを特徴とする位置合わせ方法。
  2. 前記第4工程で不適と判断した計測点対の少なくとも一方を排除すべき不適計測点と決定する第5工程を更に備える請求項1に記載の位置合わせ方法。
  3. 前記第4工程で不適と判断した計測点対の前記計測位置を合成処理して1つの新たな計測位置を生成する第6工程を更に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の位置合わせ方法。
  4. 前記第5工程又は前記第6工程は、前記誤差ベクトルの相関が負相関である場合に行われることを特徴とする請求項2又は3に記載の位置合わせ方法。
  5. 前記第5工程は、前記誤差ベクトルの負相関が予め設定された第1閾値未満であり且つ該第1閾値よりも値が小に設定された第2閾値以上である場合に行われ、
    前記第6工程は、前記負相関が前記第2閾値未満である場合に行われることを特徴とする請求項4に記載の位置合わせ方法。
  6. 前記第5工程は、前記誤差ベクトルの相関が正相関である場合に行われることを特徴とする請求項2に記載の位置合わせ方法。
  7. 前記第5工程は、前記誤差ベクトルの正相関が予め設定された第3閾値以上である場合に行われることを特徴とする請求項6に記載の位置合わせ方法。
  8. 前記サンプル計測点から前記第5工程で決定された前記不適計測点を排除した後に残る計測点の計測位置を演算パラメータとして、当該排除後のサンプル計測点各々の設計位置からの誤差の総和を最小とする第2補正関数及び当該誤差の総和である第2残留誤差を求める第7工程を更に備えることを特徴とする請求項2〜7の何れか一項に記載の位置合わせ方法。
  9. 前記サンプル計測点に前記第6工程で合成された前記新たな計測点を加入したものに係る計測位置を演算パラメータとして、当該加入後のサンプル計測点各々の設計位置からの誤差の総和を最小とする第3補正関数及び当該誤差の総和である第3残留誤差を求める第8工程を更に備えることを特徴とする請求項3〜8の何れか一項に記載の位置合わせ方法。
  10. 前記第2工程で求めた第1残留誤差、前記第7工程で求めた第2残留誤差、及び前記第8工程で求めた第3残留誤差のうち、最も小さいものに係る前記第1補正関数、前記第2補正関数又は前記第3補正関数を用いて前記物体上の前記被加工領域の各々の座標位置を算出する第9工程を更に含むことを特徴とする請求項9に記載の位置合わせ方法。
  11. 前記第3工程は、所定の基準点に関して点対称なサンプル計測点を選択して前記計測点対を作成することを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の位置合わせ方法。
  12. 前記第3工程は、前記物体のほぼ中心に設定された前記基準点に関して点対称なサンプル計測点を選択して前記計測点対を作成することを特徴とする請求項11に記載の位置合わせ方法。
  13. 前記複数の被加工領域の各々は、対応する複数の計測点をそれぞれ備えており、
    前記第3工程は、所定の被加工領域に設けられた複数の計測点のうち、当該被加工領域内のほぼ中心に設定された基準点に関して点対称な計測点を選択して前記計測点対を作成することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の位置合わせ方法。
  14. 前記複数の被加工領域の各々は、対応する複数の計測点をそれぞれ備えており、前記第3工程は所定の基準点または前記物体のほぼ中心に設定された基準点に関して、被加工領域対毎に被加工領域内の同一計測点を選択して前記計測点対を作成することを特徴とする請求項1〜11の何れか一項に記載の位置合わせ方法。
  15. マスクのパターンを基板上に配列された複数のショット領域に対して露光転写する露光方法において、
    請求項1〜14の何れか一項に記載の位置合わせ方法を用いて、前記被加工領域としての前記ショット領域を、前記所定の加工位置としての露光位置に対して、順次位置合わせしつつ、各ショット領域を露光する工程を含むことを特徴とする露光方法。
  16. 物体上に配列された複数の被加工領域の各々を、所定の加工位置に対して位置合わせする位置合わせ装置において、
    前記被加工領域毎に設定された計測点のうち、予め選択された所定数のサンプル領域に対して設定されたサンプル計測点の位置を計測する計測手段と、
    前記計測手段で計測された計測位置を演算パラメータとして、前記サンプル計測点各々の設計位置からの誤差の総和を最小とする第1補正関数、当該誤差の総和である第1残留誤差、該サンプル計測点各々の該第1補正関数で補正された後の補正位置からの誤差であるランダム成分誤差、並びに当該ランダム成分誤差の方向及び大きさを示す誤差ベクトルを求める第1演算手段と、
    前記サンプル計測点から任意の2つを選択した計測点対を複数作成し、該計測点対をなすサンプル計測点の前記誤差ベクトルの相関を前記計測点対毎または複数の前記計測点対毎に求める第2演算手段と、
    前記第2演算手段で求めた前記相関に応じて前記計測点対または複数の前記計測点対の前記サンプル計測点としての適性を判断する判断手段と、
    を備えることを特徴とする位置合わせ装置。
  17. マスクのパターンを基板上に配列された複数のショット領域に対して露光転写する露光装置において、
    請求項16に記載の位置合わせ装置を備え、
    前記位置合わせ装置を用いて、前記被加工領域としての前記ショット領域を、前記所定の加工位置としての露光位置に対して、順次位置合わせしつつ、各ショット領域を露光することを特徴とする露光装置。
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