JP4839851B2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4839851B2
JP4839851B2 JP2006011372A JP2006011372A JP4839851B2 JP 4839851 B2 JP4839851 B2 JP 4839851B2 JP 2006011372 A JP2006011372 A JP 2006011372A JP 2006011372 A JP2006011372 A JP 2006011372A JP 4839851 B2 JP4839851 B2 JP 4839851B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnet ring
magnet
eddy current
rotor
ring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006011372A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007116885A (ja
Inventor
徹 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2006011372A priority Critical patent/JP4839851B2/ja
Publication of JP2007116885A publication Critical patent/JP2007116885A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4839851B2 publication Critical patent/JP4839851B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Description

本発明は、車両に減速制動を与える渦電流式減速装置に関するものである。
永久磁石を用いたドラム構造の渦電流式減速装置としては、特許文献1記載のものが知られている。この渦電流式減速装置は、駆動軸に径方向に延びる支持アームを介して取り付けられたロータと、ロータの内周面に対向して配置され複数の永久磁石を有する第1磁石環(内環)と、ロータと内環との間に配置され複数の永久磁石を有すると共に第1磁石環からの磁束をロータに導くための磁性部材を有する第2磁石環(外環)とを備えて構成されており、第1磁石環を軸回りに回動させることで永久磁石からの磁束をロータまで導いてロータを制動し、又は永久磁石からの磁束を第1磁石環及び第2磁石環内に収めてロータを非制動とするように構成されている。
特開2003−348816号公報 特開2004−32927号公報
ところで、渦電流式減速装置の制動力を上げるために第2磁石環の永久磁石を径方向に厚くすると、磁性部材も厚くなって第1磁石環の永久磁石の磁気抵抗が大きくなり、制動力の性能が低下してしまうという課題があり、逆に第2磁石環の磁性部材を薄くすると、永久磁石も薄くなって磁極面の面積が小さくなり、制動力の性能が低下してしまうという課題があった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、制動力の性能を向上できる渦電流式減速装置を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、支持アームを介して回転軸に取り付けられたロータと、該ロータに対向して配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石を有する第1磁石環と、該第1磁石環とロータとの間に配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石およびこれら永久磁石間に介設された磁性部材を有する第2磁石環とを備え、それら第1及び第2磁石環の少なくとも一方を回動自在とした渦電流式減速装置において、第2磁石環の軸方向の長さを第1磁石環よりも長く形成したものである。
また、支持アームを介して回転軸に取り付けられたロータと、該ロータに対向して配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石を有する第1磁石環と、該第1磁石環とロータとの間に配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石およびこれら永久磁石間に介設された磁性部材を有する第2磁石環とを備え、それら第1及び第2磁石環の少なくとも一方を回動自在とした渦電流式減速装置において、第2磁石環の軸方向の長さを第1磁石環よりも長く形成し、第2磁石環の永久磁石の軸方向の端部に、その径方向の厚さが薄くなるように内周面または外周面若しくはその両面を後退させる逃がし面を形成したものである。
上記端部のうち上記第1磁石環の永久磁石から軸方向にはみ出す延出部に上記逃がし面を形成するとよい。
上記逃がし面は、上記第2磁石環の軸方向先端の厚さを最も薄くするように傾斜して形成されるとよい。
上記第1磁石環は、その永久磁石を隣り合う磁極が交互になるように磁極を径方向に向けて配置し、上記第2磁石環は、磁性体からなる環状体の内部に永久磁石を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設してなるとよい。
また、上記第1磁石環は、その永久磁石を周方向に向き合う磁極が同極となるように配置し、上記第2磁石環は、磁性体からなる環状体の内部に永久磁石を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設してなるものであってもよい。
上記支持アームは、ロータの軸方向の一端に連結され、上記第2磁石環の永久磁石は、上記ロータの一端側又は他端側に寄って配置されるものであってもよい。
また、上記第2磁石環の上記第1磁石環側の面に、上記第2磁石環の各永久磁石と上記第1磁石環との間に位置する溝を周方向に所定間隔を隔てて複数設けてもよい。
上記溝にその両側をブリッジ状に連結する連結部を設けてもよい。
本発明によれば、制動力の性能を向上できる。
本発明の好適実施の形態を添付図面を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、渦電流式減速装置1は、支持アーム2を介して回転軸3に取り付けられたロータ4と、ロータ4の内周面に対向して配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石5を有する第1磁石環(内環)6と、第1磁石環6とロータ4との間に配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石7およびこれら永久磁石7間に介設された磁性部材8を有する第2磁石環(外環)9と、第1磁石環6を回動させる回動手段10とを備えて構成されている。
ロータ4は、磁性体からなり、軸方向に長い環状に形成されている。ロータ4の外周には放熱用のフィン11が複数形成されている。支持アーム2は、ロータ4の軸方向の一端に連結されると共に回転軸3に取り付けられている。
第1磁石環6は、磁性体からなる支持リング(内環磁石ホルダー)12の外周面に周方向に所定間隔を隔てて設けられた複数の永久磁石5と、各永久磁石5の間に介設された非磁性体(磁石を固定するボルトやネジ等)13とからなる。支持リング12は、低炭素鋼等からなり、中実のリング状に形成されている。各永久磁石5は、磁極を径方向に向けると共に周方向に隣り合う磁極が交互に逆極性となるように配置されている。また、第1磁石環6は、非磁性体からなる中空のケーシング14内にブッシュ15を介して回動自在に収容されており、ケーシング14と、後述する第2磁石環9とでステータ16を構成している。
第2磁石環9は、磁性体からなる環状体(外環磁石ホルダー)17の内部に永久磁石7を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設して構成されており、ケーシング14の外周部に一体に取り付けられている。図1及び図3に示すように、環状体17は、低炭素鋼からなる中実の弧状ピース18を複数連結して形成されており、弧状ピース18間に永久磁石7を収容するようになっている(弧状ピースは電磁鋼板を積層したものでもよい)。図4(a)に示すように、弧状ピース18は、一端側の外周に永久磁石7の外周面を覆うべく周方向に延長する外周延長部19を有すると共に、他端側の内周に永久磁石7の内周面を覆うべく周方向に延長する内周延長部20を有しており、弧状ピース18間に永久磁石7を収容するとき、弧状ピース18の端面で永久磁石7の周方向に向く面を覆うと共に内周延長部20と外周延長部19とで永久磁石7の径方向に向く面を覆うようになっている。また、内周延長部20と外周延長部19は、それぞれ隣接する弧状ピース18に先端をシール剤や接着剤で接着されるようになっている。弧状ピース18には、ボルト(フィキシングボルト:図示せず)を挿通させるための孔21が軸方向に貫通して形成されており、弧状ピース18はそれぞれボルトを介してケーシング14に固定されるようになっている。なお、図4(b)に示すように、弧状ピース22は、電磁鋼板23の積層体からなるものとしてもよい。
また、第2磁石環9は、軸方向の長さlを第1磁石環6の長さLよりも長く形成されており、軸方向の両端を第1磁石環6の両端から突出させるように配置されている。またさらに第2磁石環9は、その永久磁石7の磁力を第1磁石環6の永久磁石5と同じにする程度またはやや小さくする程度に径方向の厚さTを薄く形成されており、磁気抵抗を小さくするように構成されている。
回動手段10は、第1磁石環6を軸回りに回動させるアクチュエータ、具体的にはエアシリンダからなり、第1磁石環6を永久磁石5の間隔のピッチだけ往復回動させるようになっている。
次に本実施の形態の作用を述べる。
ロータ4を制動する場合、図2に示すように第2磁石環9の永久磁石7間に第1磁石環6の永久磁石5の磁極を向けると共に、その極性が第2磁石環9の永久磁石7と同じとなるように第1磁石環6を回動させる。このとき、環状体17の磁性体部分を囲むように近接する3つの永久磁石5、7、7はそれぞれ同じ極性となるため、磁力線を永久磁石5、7、7同士で短絡させることなくロータ4に導くことができ、ロータ4は渦電流によって制動される。また、第2磁石環9は径方向に薄く形成されているため、第1磁石環6の永久磁石5の磁気抵抗は小さく、永久磁石5の磁力を効率よく制動に用いることができる。そして、第2磁石環9の永久磁石7は、第1磁石環6よりも軸方向に長く形成されているため、径方向に薄くなっても磁極の面積が減って磁力が低下することはなく、ロータ4を十分制動できる。
ロータ4を非制動にする場合、回動手段10で第1磁石環6を1ピッチ回動させ、図5に示すように、第2磁石環9の永久磁石7間に位置される第1磁石環6の永久磁石5が第2磁石環9の永久磁石7と異極性となるように第1磁石環6を回動させる。これにより、第2磁石環9の永久磁石7と第1磁石環6の永久磁石5とがそれぞれ異極同士で近接されることとなり、近接する永久磁石5、7、7同士で磁束を導きあう磁気回路が形成され、磁束が及ばないロータ4は非制動となる。また、第2磁石環9の永久磁石7は、第1磁石環6よりも軸方向に長く形成されており、第1磁石環6の永久磁石5と同等の磁力に形成されているため、第1磁石環6からの磁束がロータ4に洩れ出ることはなく、引き擦り制動が生じることはない。
このように、第2磁石環9の軸方向の長さを第1磁石環6よりも長く形成したため、第1磁石環6の永久磁石5の磁気抵抗を小さくするために第2磁石環9を薄くしても第2磁石環9の永久磁石7の磁極面の面積を十分確保でき、制動力の性能を向上させることができる。
第1磁石環6は、その永久磁石5を隣り合う磁極が交互になるように磁極を径方向に向けて配置し、第2磁石環9は、磁性体からなる環状体17の内部に永久磁石7を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設してなるものとしたため、簡単な構造で確実に制動力の性能を向上させることができる。
なお、第1磁石環6を回転自在としたが、第2磁石環9を回転自在にしてもよい。
また、図6に示すように、第1磁石環30の永久磁石31が第2磁石環32の永久磁石33より大きい場合、第1磁石環30を1ピッチ未満(例えば2/3ピッチ)回動させるものとし、非制動時に第1磁石環30の永久磁石31と第2磁石環32の永久磁石33とで磁束を導き合うと共に、第1磁石環30の周方向に隣接する永久磁石31同士で磁束を導き合うようにするとよい。
そして、第1磁石環6は、その永久磁石5を隣り合う磁極が交互になるように磁極を径方向に向けて配置するものとしたが、図7に示すように、永久磁石40を周方向に向き合う磁極が同極となるように配置してもよい。この場合、永久磁石40間に磁性体41を配設する。ロータ4を制動する場合、第1磁石環42と第2磁石環9の永久磁石7、40を径方向に重ねると共に、同極同士を揃えるように第1磁石環42を回動させる。永久磁石7、40からの磁力線はそれぞれロータ4に導かれることとなり、ロータ4に渦電流を発生させることができる。ロータ4を非制動にする場合、図8に示すように、第1磁石環42と第2磁石環9の永久磁石7、40を径方向に重ねると共に、異極同士を揃えるように第1磁石環42を回動させる。近接する永久磁石7、40は互いに磁束を導き合い、ロータ4に磁束が及ぶのを防ぐことができる。
このように、第1磁石環42は、その永久磁石40を周方向に向き合う磁極が同極となるように配置し、第2磁石環9は、磁性体からなる環状体17の内部に永久磁石7を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設してなるものとしても、簡単な構造で確実に制動力の性能を向上させることができる。
また、図9及び図10に示すように、第2磁石環9の永久磁石7は、ロータ4の一端側又は他端側に寄って配置されるものとしてもよい。図9に示すように第2磁石環9の永久磁石7を支持アーム2側にオフセットした場合、ロータ4の発熱位置を支持アーム2側に寄せることができ、ロータ4内の熱を効率よく支持アーム2に逃がすことができる。他方、図10に示すようにロータ4の軸方向の長さを長くとれる場合、第2磁石環9の永久磁石7を支持アーム2から遠ざけるようにオフセットしてもよい。この場合、ロータ4の開口部50の放熱性が良く、ロータ4から効率よく放熱できる。ただし、図11及び図12に示すように第2磁石環9の永久磁石7のオフセットは、第2磁石環9の永久磁石7から第1磁石環6の永久磁石5を軸方向に突出させないように、第1磁石環6と第2磁石環9の永久磁石5、7の軸方向長さの差の範囲内に収めるとよい。
このように、支持アーム2は、ロータ4の軸方向の一端に連結され、第2磁石環9の永久磁石7は、ロータ4の一端側又は他端側に寄って配置されるものとすると、ロータ4の放熱性を向上させることができる。
また、環状体17は複数の弧状ピース18からなるものとしたが、これに限るものではない。図13及び図14に示すように、環状体60は、環状に形成した電磁鋼板61の積層体からなるものとしてもよい。この場合、環状体60は永久磁石7を軸方向に挿通させて保持するものとするとよく、ボルト(図示せず)を挿通させるための孔21が軸方向に貫通して形成されるものとするとよい。
またさらに、支持リング12は、中実の炭素鋼からなるものとしたが、図15及び図16に示すように、支持リング70は、電磁鋼板71の積層体からなるものとしてもよい。この場合、支持リング70は、永久磁石72を軸方向に挿通させて保持するものとするとよく、補強用のボルト(図示せず)を挿通させるための孔73が軸方向に貫通して形成されるものとするとよい。また、周方向に隣接する永久磁石72間の支持リング70に、空隙74を形成し、磁力線の短絡を防止するとよい。
図17及び図18に示すように、第2磁石環80の第1磁石環6側の面(内周面)に、第2磁石環80の各永久磁石7と第1磁石環6との間に位置し、かつ、軸方向に延びる溝81を周方向に所定間隔を隔てて複数設けてもよい。このようにすると、制動をONからOFFに切り替える際のスイッチングトルク(第1磁石環6を回転させるときに必要な力の大きさ)を小さくすることができ、第1磁石環6を軸回りに回動させるエアシリンダ(図示せず)の空気使用量を減らすことができると共に、エアシリンダをコンパクトにできる。
また、図19及び図20に示すように、上述の溝81と同様に形成した溝90にその両側をブリッジ状に連結する連結部91を設けてもよい。溝90による第2磁石環92の強度低下を補うことができ、第2磁石環92を簡単な構造で十分な強度にできる。具体的には、連結部91は、溝90の軸方向の一端又は両端に、その開口を部分的に塞ぐように設けるとよい。また図21に示すように、溝90は、永久磁石7の内周側の面に至る深さに形成され、永久磁石7の内周側の面に沿う磁性体をカットするものとしてもよい。永久磁石7の内周側の面に沿う位置で磁気遮断することができ、永久磁石7の周囲の磁性体を介して形成される磁気ショートの磁気回路94を連結部91を通る長いものにでき、磁気ショートを小さくできる。なお、連結部91は、第1磁石環6の永久磁石5に重ならない限りにおいて軸方向の長さを任意に形成するとよい。例えば図22に示すように、連結部91を、第2磁石環92の端から永久磁石5に近接する位置まで延びるものとしてもよい。
図23に示すように、溝90は、永久磁石7に対して周方向にオフセットさせても良い。
また、図24に示すように、溝90の周方向の両側の位置に、第2磁石環92をさらに深く掘り下げる掘り下げ部93を永久磁石7を避けて形成してもよい。永久磁石7を溝90側に突き出させて径方向に大きく形成でき、スイッチングトルクを小さくしつつ永久磁石7のサイズダウンによる制動力の低下を抑えることができる。またさらに、図25に示すように溝90と掘り下げ部93を永久磁石7に対して周方向にオフセットさせても良く、掘り下げ部93を溝90の周方向の一側の位置にのみ形成してもよい。
他の実施の形態について述べる。
上述の渦電流式減速装置は、第2磁石環80の永久磁石7を軸方向に長く形成することで制動力の高性能化を図るものであるが、長くしすぎると、図34及び図35に示すように永久磁石7の端部からロータ4に磁気が洩れ、制動OFF時にひきずりトルクが発生するという問題があった。そこで、かかる問題を解決し、制動OFF時のひきずりトルクを解消又は抑えることのできる渦電流式減速装置について述べる。なお、上述と同様の構成については詳細な説明を省き、同符号を付す。
図26及び図27に示すように、渦電流式減速装置100は、支持アーム2を介して回転軸3(図1参照)に取り付けられたロータ4と、ロータ4の内周面に対向して配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石5を有する第1磁石環6と、第1磁石環6とロータ4との間に配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石101およびこれら永久磁石101間に介設された磁性部材102を有する第2磁石環103と、第1磁石環6を回動させる回動手段10とを備えて構成されている。
第1磁石環6は、支持リング12の外周面に周方向に所定間隔を隔てて設けられた複数の永久磁石5と、各永久磁石5の間に介在された非磁性体13とからなる。各永久磁石5は、磁極を径方向に向けると共に周方向に隣り合う磁極が交互に逆極性となるように配置されている。また、第1磁石環6は、非磁性体からなる中空のケーシング104内にブッシュ15を介して回動自在に収容されており、ケーシング104と、後述する第2磁石環103とでステータ105を構成している。
第2磁石環103は、磁性部材102の内部に永久磁石101を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設して構成されており、ケーシング104の外周部に一体に取り付けられている。第2磁石環103は、軸方向の長さを第1磁石環6より長く形成されており、軸方向の両端を第1磁石環6の両端から突出させるように配置されている。また、第2磁石環103は、その永久磁石101の磁力を第1磁石環6の永久磁石5と同じにする程度またはやや小さくする程度に径方向の厚さを薄く形成されており、磁気抵抗を小さくするように構成されている。第2磁石環103の第1磁石環6側の面(内周面)には、第2磁石環103の各永久磁石101と第1磁石環6との間に位置し、かつ、軸方向に延びる溝81が周方向に所定間隔を隔てて複数設けられている。
第2磁石環103の永久磁石101の軸方向の端部106には、その径方向の厚さが薄くなるように外周面107を後退させる逃がし面108が形成されている。逃がし面108は、特に端部106のうち第1磁石環6の永久磁石5から軸方向にはみ出す延出部109に形成されており、延出部109とロータ4とを離間させることで延出部109外周からの磁気洩れを抑えるようになっている。また、逃がし面108は、第2磁石環103の軸方向先端の厚さを最も薄くするように傾斜して形成されており、第1磁石環6の永久磁石5から離れるにしたがってロータ4からも離れるようになっている。
次に本実施の形態の作用を述べる。
ロータ4を非制動にする場合、図26に示すように、第2磁石環103の永久磁石101間に第1磁石環6の永久磁石5の磁極を向けると共に、その極性が第2磁石環103の永久磁石101と異極性となるように第1磁石環6を回動させる。これにより、第2磁石環103の永久磁石101と第1磁石環6の永久磁石5とがそれぞれ異極同士で近接されることとなり、近接する永久磁石5、101同士で磁束を導きあう磁気回路が形成され、磁束が及ばないロータ4は非制動となる。このとき、端部106外周の逃がし面108はロータ4から十分離間されているため、永久磁石5と対向しない部分、すなわち延出部109が長く形成されていても端部106からの磁束がロータ4に洩れ出ることはなく、引き擦り制動が生じることはない。
ロータ4を制動する場合、回動手段10で第1磁石環6を1ピッチ回動させ、第2磁石環103の永久磁石101間に位置される第1磁石環6の永久磁石5が第2磁石環103の永久磁石101と同極性となるように第1磁石環6を回動させる。これにより、それぞれの永久磁石5、101の磁力線をロータ4に導き、ロータ4を制動する。
このように、第2磁石環103の軸方向の長さを第1磁石環6よりも長く形成し、第2磁石環103の永久磁石101の軸方向の端部106に、その径方向の厚さが薄くなるように外周面107を後退させる逃がし面108を形成したため、第2磁石環103の永久磁石101を十分長く形成して制動性能を向上させても永久磁石101の端部106からの磁気洩れを防ぐことができ、制動OFF時にひきずりトルクが発生するのを防ぐことができる。
また、逃がし面108が、第2磁石環103の永久磁石101の端部106のうち第1磁石環6の永久磁石5から軸方向にはみ出す延出部109に形成されるため、制動ON時の制動力低下を抑えつつ、制動OFF時のひきずりトルクの発生を防ぐことができる。
逃がし面108は、第2磁石環103の軸方向先端の厚さを最も薄くするように傾斜して形成されるものとしたため、第1磁石環6の永久磁石5から最も遠く離れて磁気洩れし易い延出部109先端近傍をロータ4から大きく離間させることができると共に、比較的磁気洩れし難い延出部109基端近傍をロータ4に近接させることができ、制動OFF時のひきずりトルクの抑制と制動ON時の制動力低下防止とを簡易な構造で容易になし得る。
なお、逃がし面108は、端部106にその外周面107を後退させて形成するものとしたがこれに限るものではない。図28に示すように端部110にその内周面111を後退させる逃がし面112を形成してもよい。制動をOFFにしたとき、第1磁石環6から延びて端部110近傍を通る磁束が第2磁石環113の内周側に集中するのを防いで外周側に集めることができ、端部110外周からの磁気洩れを防ぐことができ、ひきずりトルクの発生を防ぐことができる。
またさらに、図29に示すように、端部115にその外周面107を後退させる第1逃がし面108を形成すると共に、内周面111を後退させる第2逃がし面112を形成するものとしてもよい。上述のようにロータ4から端部115を離間させることができると共に、端部115近傍を通る磁束が第2磁石環116の内周側に集中するのを防ぐことができ、磁気洩れを防いでひきずりトルクの発生を防ぐことができる。
また、図30に示すように、第2磁石環120の永久磁石121は、ロータ4の一端側又は他端側に寄って配置されるものとしてもよいのはもちろんである。この場合、第1磁石環6の永久磁石5から軸方向に大きくはみ出す延出部122に逃がし面108、112を形成するとよい。
逃がし面108、112は、傾斜して形成されるものとしたが、図31に示すように、逃がし面125は、段状に形成してもよい。また、図32に示すように、逃がし面126は、凸状の曲面に形成してもよい。またさらに、図33に示すように、逃がし面127は、凹状の曲面に形成してもよい。
第1磁石環6は、図8に示すように永久磁石40を周方向に向き合う磁極が同極となるように配置したものであってもよい。
溝81には、図19及び図20に示す連結部91を設けてもよい。
本発明の好適実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 第2磁石環の要部正面図である。 (a)は第2磁石環の弧状ピースの正面図であり、(b)は弧状ピースの変形例を示す断面図である。 非制動時の渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 他の実施の形態を示す非制動時の渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 他の実施の形態を示す制動時の渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 図7の実施の形態に係る非制動時の渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 他の実施の形態を示す第2磁石環の要部正面図である。 図13のA−A線矢視断面図である。 他の実施の形態を示す第1磁石環の要部正面図である。 図15のB−B線矢視断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 図17のC−C線矢視断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 図19のD−D線矢視断面図である。 図19の実施の形態に係る第2磁石環の要部正面説明図である。 図20の変形例を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 図21の変形例を示す第2磁石環の要部正面説明図である。 図21の変形例を示す第2磁石環の要部正面説明図である。 図24の変形例を示す第2磁石環の要部正面説明図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部正面断面図である。 図26のE−E線矢視断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 他の実施の形態を示す渦電流式減速装置の要部側面断面図である。 図27の変形例を示す第2磁石環の永久磁石の要部側面説明図である。 図27の変形例を示す第2磁石環の永久磁石の要部側面説明図である。 図27の変形例を示す第2磁石環の永久磁石の要部側面説明図である。 第2磁石環の永久磁石を軸方向に長く形成したときの問題点を示す渦電流式減速装置の要部正面説明図である。 図34のF−F線矢視断面図である。
符号の説明
1 渦電流式減速装置
2 支持アーム
3 回転軸
4 ロータ
5 永久磁石
6 第1磁石環
7 永久磁石
8 磁性部材
9 第2磁石環
17 環状体
40 永久磁石
42 第1磁石環
80 第2磁石環
81 溝
90 溝
91 連結部
100 渦電流式減速装置
101 永久磁石
103 第2磁石環
106 端部
107 外周面
108 逃がし面
109 延出部
110 端部
111 内周面
112 逃がし面
115 端部
120 第2磁石環
121 永久磁石
122 延出部
125 逃がし面
126 逃がし面
127 逃がし面

Claims (9)

  1. 支持アームを介して回転軸に取り付けられたロータと、該ロータに対向して配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石を有する第1磁石環と、該第1磁石環とロータとの間に配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石およびこれら永久磁石間に介設された磁性部材を有する第2磁石環とを備え、それら第1及び第2磁石環の少なくとも一方を回動自在とした渦電流式減速装置において、第2磁石環の軸方向の長さを第1磁石環よりも長く形成したことを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 支持アームを介して回転軸に取り付けられたロータと、該ロータに対向して配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石を有する第1磁石環と、該第1磁石環とロータとの間に配置され、周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石およびこれら永久磁石間に介設された磁性部材を有する第2磁石環とを備え、それら第1及び第2磁石環の少なくとも一方を回動自在とした渦電流式減速装置において、第2磁石環の軸方向の長さを第1磁石環よりも長く形成し、第2磁石環の永久磁石の軸方向の端部に、その径方向の厚さが薄くなるように内周面または外周面若しくはその両面を後退させる逃がし面を形成したことを特徴とする渦電流式減速装置。
  3. 上記端部のうち上記第1磁石環の永久磁石から軸方向にはみ出す延出部に上記逃がし面を形成した請求項2記載の渦電流式減速装置。
  4. 上記逃がし面は、上記第2磁石環の軸方向先端の厚さを最も薄くするように傾斜して形成された請求項2又は3記載の渦電流式減速装置。
  5. 上記第1磁石環は、その永久磁石を隣り合う磁極が交互になるように磁極を径方向に向けて配置し、上記第2磁石環は、磁性体からなる環状体の内部に永久磁石を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設してなる請求項1〜4のいずれかに記載の渦電流式減速装置。
  6. 上記第1磁石環は、その永久磁石を周方向に向き合う磁極が同極となるように配置し、上記第2磁石環は、磁性体からなる環状体の内部に永久磁石を周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設してなる請求項1〜4のいずれかに記載の渦電流式減速装置。
  7. 上記支持アームは、ロータの軸方向の一端に連結され、上記第2磁石環の永久磁石は、上記ロータの一端側又は他端側に寄って配置された請求項1〜6のいずれかに記載の渦電流式減速装置。
  8. 上記第2磁石環の上記第1磁石環側の面に、上記第2磁石環の各永久磁石と上記第1磁石環との間に位置する溝を周方向に所定間隔を隔てて複数設けた請求項1〜7のいずれかに記載の渦電流式減速装置。
  9. 上記溝にその両側をブリッジ状に連結する連結部を設けた請求項8記載の渦電流式減速装置。
JP2006011372A 2005-09-20 2006-01-19 渦電流式減速装置 Expired - Fee Related JP4839851B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006011372A JP4839851B2 (ja) 2005-09-20 2006-01-19 渦電流式減速装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005271984 2005-09-20
JP2005271984 2005-09-20
JP2006011372A JP4839851B2 (ja) 2005-09-20 2006-01-19 渦電流式減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007116885A JP2007116885A (ja) 2007-05-10
JP4839851B2 true JP4839851B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=38098543

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006011372A Expired - Fee Related JP4839851B2 (ja) 2005-09-20 2006-01-19 渦電流式減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4839851B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9385581B2 (en) 2011-02-21 2016-07-05 Hitachi, Ltd. Magnetic gear mechanism
CN110212736A (zh) * 2019-05-14 2019-09-06 江苏磁谷科技股份有限公司 永磁软启动器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3765290B2 (ja) * 2002-05-28 2006-04-12 いすゞ自動車株式会社 渦電流式減速装置
JP3765291B2 (ja) * 2002-06-27 2006-04-12 いすゞ自動車株式会社 渦電流式減速装置
JP2004328891A (ja) * 2003-04-24 2004-11-18 Isuzu Motors Ltd 渦電流式減速装置
JP4020009B2 (ja) * 2003-05-19 2007-12-12 いすゞ自動車株式会社 渦電流式減速装置
JP4010279B2 (ja) * 2003-05-22 2007-11-21 いすゞ自動車株式会社 渦電流式減速装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007116885A (ja) 2007-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN107636943B (zh) 涡流式减速装置
JP2004328992A (ja) モータ用ロータ本体、およびモータ
KR102378402B1 (ko) 와전류식 감속 장치
JP2007014178A (ja) ロータ
JP2017139877A (ja) 埋込磁石型モータ
JP4839851B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3765291B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4421278B2 (ja) 渦電流減速装置
JP4815985B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4752414B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2008017634A (ja) 永久磁石モータ
JP2008022664A (ja) 界磁子及び回転電機
JP2005304245A (ja) アキシャルギャップ型回転電機
JP4882355B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4752416B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4815963B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4797528B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP7290831B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4380278B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4016537B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4003562B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2021112038A (ja) 渦電流式減速装置
JP4581468B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2005159025A (ja) 複合磁石及びそれを用いた渦電流式減速装置
JP2005080477A (ja) 渦電流式減速装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110831

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110906

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110919

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees