JP4020009B2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents

渦電流式減速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4020009B2
JP4020009B2 JP2003140373A JP2003140373A JP4020009B2 JP 4020009 B2 JP4020009 B2 JP 4020009B2 JP 2003140373 A JP2003140373 A JP 2003140373A JP 2003140373 A JP2003140373 A JP 2003140373A JP 4020009 B2 JP4020009 B2 JP 4020009B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
rotor
ring
permanent magnet
eddy current
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003140373A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004343957A (ja
Inventor
徹 桑原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2003140373A priority Critical patent/JP4020009B2/ja
Publication of JP2004343957A publication Critical patent/JP2004343957A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4020009B2 publication Critical patent/JP4020009B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dynamo-Electric Clutches, Dynamo-Electric Brakes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に減速制動を与える渦電流式減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、先に図13〜図15に示す渦電流式減速装置aを開発した(特願2002−154349号の図8参照)。図示するように、この渦電流式減速装置aは、車両の駆動軸等の動力伝達系に取り付けられたドラム状のロータbと、変速機等の固定系に取り付けられたステータ(磁力源)cとを有し、ステータcからロータbへ磁気を供給することでロータbに渦電流を生じさせて車両を減速制動し、磁気をステータc内に遮蔽することで減速制動を解除するものである。
【0003】
ステータcは、ロータbに対向して配置された磁石環dを備える。磁石環dは、周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極に設定された複数の永久磁石eと、これら永久磁石e間に介設された磁性部材fとを有し、固定系に取り付けられたケーシングgの内部に回動自在に収容されている。また、ステータcは、磁石環dとロータbとの間に配置された磁性環hを備える。磁性環hは、磁性体からなる環状体iと、その環状体iに周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設された複数の永久磁石jとからなり、ケーシングgに固設されている。
【0004】
車両を減速制動するときには、図14に示すように、磁石環dをアクチュエータ(エアシリンダ)kで回動させてその永久磁石eを磁性環hの永久磁石jと極性を合わせる。すると、磁石環dの永久磁石eとロータbとの間、及び磁性環hの永久磁石jとロータbとの間に、それぞれN極とS極とを結ぶ磁気回路m、nが構成され、ロータbに渦電流が発生し、車両が減速制動される。減速制動を解除するときには、図15に示すように、磁石環dを回動させてその永久磁石eを磁性環hの永久磁石jと逆極性とする。すると、磁石環dの永久磁石eと磁性環hの永久磁石jとの間にN極とS極とを結ぶ磁気回路(ロータbに対する遮蔽回路)pが構成され、車両の減速制動が解除される。
【0005】
この種の渦電流式減速装置として、特許文献1及び特許文献2に記載されたものが知られている。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−101922号公報(図2)
【特許文献2】
特公平7−118902号公報(図2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記渦電流式減速装置aの磁性環hは、磁性体からなる環状体iに周方向に所定間隔を隔てて装着穴qを複数形成し、各装着穴qに永久磁石jを嵌め込んで構成されているため、図14に示すように、各永久磁石jの磁気の一部が、その永久磁石jの径方向の内外に位置する環状体iの薄板状の部分(磁性体からなる)rを介し、磁気的に短絡(ショート)してしまう。sはショート回路を示す。よって、磁気的ショートした分だけ、減速制動時に磁性環hの永久磁石jとロータbとを接続する磁気回路nの磁束(磁力線数)が減り、制動力が低下する。
【0008】
これを解消するためには、上記薄板状の部分rの肉厚を薄くし、永久磁石jの磁気的ショートを抑制する対策が考えられる。しかし、余り薄くし過ぎると、機械的強度が低下する。そして、強力な永久磁石j、eを用いているため、磁石環dの永久磁石eとの相互作用によって強い吸引力や反発力が生じ、磁性環hが変形し易い。また、環状体iに装着穴qをプレスによって打ち抜くときに、薄肉箇所(部分r)が切れる虞があり、加工性に問題が生じる。
【0009】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、磁性環の永久磁石の磁気的ショートの問題と、磁性環の剛性低下の問題とを両立して解消でき、且つ磁性環の加工性が悪化しない渦電流式減速装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、回転軸に取り付けられたロータと、該ロータに対向させて配置され周方向に所定間隔が隔てられた複数の永久磁石を有する磁石環と、該磁石環と上記ロータとの間に配置され磁性体からなる環状体の内部に周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極になるように複数の永久磁石を埋設した磁性環とを備え、それら磁石環および磁性環の少なくとも一方を回動自在とした渦電流式減速装置であって、上記磁性環は、上記永久磁石が嵌め込まれる装着穴を有し、該装着穴は、そのロータ側穴面及び/又は反ロータ側穴面の少なくとも一部を窪ませた凹部を有し、該凹部と上記環状体のロータ側外面及び/又は反ロータ側外面との間に部分的な薄肉部を形成したものである。
【0011】
本発明によれば、装着穴の凹部により形成される薄肉部によって、その装着穴に嵌め込まれる永久磁石の磁気的ショートが抑えられる。よって、磁気的ショートが発生するものと比べると、永久磁石からロータに向かう磁束が増え、減速制動力が向上する。また、上記薄肉部は、部分的に形成されているため、磁性環全体の剛性が大幅に低下することはなく、また、装着穴を打ち抜く際のプレス加工性が大幅に低下することもない。
【0012】
上記磁性環の永久磁石は、上記装着穴の凹部を除く断面形状に形成されてもよく、上記装着穴の凹部を含めた断面形状に形成されてもよい。
【0013】
上記磁石環は、周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極に設定された複数の永久磁石と、これら永久磁石間に介設された磁性部材とを有していてもよい。
【0014】
上記磁石環は、周方向に所定間隔を隔てて且つ上記ロータに向く磁極を交互に反転させて整列された複数の永久磁石と、これら永久磁石の反ロータ側の磁極を連結する磁性部材とを有していてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0016】
図1及び図2に示すように、この渦電流式減速装置1は、車両の駆動軸等の動力伝達系に取り付けられたドラム状のロータ2と、変速機等の固定系に取り付けられたステータ(磁力源)3とを有し、ステータ3からロータ2へ磁気を供給することでロータ2に渦電流を生じさせて車両を減速制動し、磁気をステータ3内に遮蔽することで減速制動を解除するものである。
【0017】
ロータ2は、ステータ3からの磁気及びそれによって生じる渦電流を流すため、例えば低炭素鋼等の磁性体かつ導体の材質からなる。ロータ2の外周面には、渦電流によって生じた熱を放熱するための放熱フィン4が設けられている。
【0018】
ステータ3は、ロータ2の内方に対向して配置された磁石環5を備える。磁石環5は、周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極に設定された複数の永久磁石6と、これら永久磁石6間に介設された磁性部材7とを有する。磁性部材7は、低炭素鋼等をブロック状に形成したり、電磁鋼板を図2にて図面裏表方向に複数積層して構成され、永久磁石6を係止する爪部8を有する。
【0019】
各磁性部材7は、永久磁石6を挟んで爪部8で係止した状態で、非磁性体からなるリング体9の外周面にボルト10によって取り付けられる。こうして一体化されたリング体9、永久磁石6及び磁性部材7は、中空リング状のケーシング11の内部に収容され、ブッシュ12や軸受等を介して所定角度範囲で回動自在となっている。リング体9とケーシング11との間には、磁石環5を回動させるアクチュエータ(エアシリンダ、ラック・ピニオン機構、ネジ送り機構等)Aが設けられている。
【0020】
また、ステータ3は、磁石環5とロータ2との間に配置され、ケーシング11に固設された磁性環14を備える。磁性環14は、磁性体からなる環状体15と、その環状体15の内部に周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極になるように埋設された複数の永久磁石16とを有する。詳しくは、磁性環14は、磁性体からなる環状体15に周方向に所定間隔を隔てて複数の装着穴17を軸方向に形成し、各装着穴17に永久磁石16を嵌め込んで構成されている。環状体15は、低炭素鋼等をリング状に形成したり、リング状の電磁鋼板を図2にて図面裏表方向に複数積層してなる。磁性環14の永久磁石16の取付ピッチは、磁石環5の永久磁石6の取付ピッチと略等しく設定されている。
【0021】
各装着穴17は、図6にも示すように、軸方向から見て略長方形状に形成されており、そのロータ側穴面17a及び反ロータ側穴面17bの一部を部分的に窪ませた凹部18a、18bを有する。これにより、各凹部18a、18bと環状体15のロータ側外面15a及び反ロータ側外面15bとの間に、部分的な薄肉部19a、19bが形成される。凹部18a、18bは、図例では、上記各穴面17a、17bの中央部に、断面長方形状に形成される。薄肉部(磁性体からなる)19a、19bの径方向厚さXは、装着穴17に嵌め込まれた永久磁石16の磁気的ショートを実用上十分抑制できる厚さ(磁気的ショートが実際上殆ど問題にならない厚さ)に設定されている。また、薄肉部19a、19bの両側の部分の磁性体の径方向厚さYは、磁性環14が全体として必要な機械的剛性を確保できる厚さに設定されている。なお、上記凹部18a、18b及び薄肉部19a、19bは、径方向内外の少なくともいずれか一方の端部に設けられていればよい。
【0022】
各装着穴17に嵌め込まれる永久磁石16は、図2及び図6に示すように、装着穴17の凹部18a、18bを除く断面形状に形成されている。図例では、凹部18a、18bを除く装着穴17が軸方向から見て長方形状に形成されているので、永久磁石16は直方体状に形成されている。また、図2において、磁性環14の図面裏表方向の上面及び下面には、各装着穴17を覆うカバー(図示せず)が取り付けられている。カバーは、各装着穴17に嵌め込まれる永久磁石16同士の磁気的ショートを防止するため、非磁性体(オーステナイト系ステンレス等)からなる。同様に、磁石環5の図面裏表方向の上面及び下面にも非磁性体からなるカバーが取り付けられている。
【0023】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0024】
上記渦電流式減速装置1を用いて、車両を減速制動するときには、図2に示すように、磁石環5をアクチュエータAで回動させてその永久磁石6を、磁性環14の永久磁石16と同極にする。すると、磁石環5の永久磁石6とロータ2との間、及び磁性環14の永久磁石16とロータ2との間に、それぞれN極とS極とを結ぶ磁気回路20、21が構成され、ロータ2に渦電流が発生し、車両が減速制動される。
【0025】
減速制動を解除するときには、図3に示すように、磁石環5を回動させてその永久磁石6を、磁性環14の永久磁石16と異極(逆極)とする。すると、磁石環5の永久磁石6と磁性環14の永久磁石16との間にN極とS極とを結ぶ磁気回路22(ロータ2に対する遮蔽回路)が構成され、車両の減速制動が解除される。なお、図4に示すように、磁石環5の永久磁石6と磁性環14の永久磁石16とを図2の状態から2/3ピッチ程度ずらした場合にも、遮蔽回路23、24が形成されるため、減速制動が解除される。
【0026】
本実施形態においては、図2に示す減速制動時、装着穴17の凹部18a、18bにより形成される薄肉部19a、19bによって、これまで問題となっていた永久磁石16の磁気的ショートが抑えられる。すなわち、図6にも示すように、上記永久磁石16の磁気は、その周方向一方の磁極(N極)から出て当該永久磁石16と磁性環15の外面15a、15bとの間の部分(磁性体)を通って他方の磁極(S極)に磁気的ショートsしようとするが、本実施形態ではその経路に薄肉部19a、19bが形成されて通路面積が極めて狭くなっているため、薄肉部19a、19bの厚さを磁気的ショートsが実用上問題とならない厚さに設定することで、実質的に磁気的ショートsを略防止できる。また、凹部18a、18bの部分の空隙(空気スペース)は、磁気的絶縁層として機能するため、これによっても磁気的ショートが抑えられる。
【0027】
従って、本実施形態は、図14に示すタイプのように磁気的ショートが発生するものと比べると、減速制動時に、磁性環14の永久磁石16からロータ2に向かう磁束(磁力線数)が磁気的ショートが生じない分だけ増え、減速制動力が向上する。すなわち、本実施形態では、上記凹部18a、18b及び薄肉部19a、19bを設けることによって、磁性環14の永久磁石16の磁束(磁力線)を実質的に磁気的ショートさせることなく殆ど全て有効にロータ2に作用させることができるので、図14のタイプよりも減速制動力(性能)が向上する。
【0028】
また、上記薄肉部19a、19bは、図6に示すように、装着穴17のロータ側穴面17aと環状体15のロータ側外面15aとの間、及び装着穴17の反ロータ側穴面17bと環状体15の反ロータ側外面15bとの間において、部分的(図例では中央部)に形成されているに過ぎない。よって、磁性環14全体の機械的剛性が大幅に低下することはない。すなわち、上記薄肉部19a、19bの両側の部分の磁性体の径方向厚さYを、磁性環14が全体として必要な機械的剛性を確保できる厚さYに設定することで、磁性環14全体の剛性の大幅な低下を抑制でき、共に強力な磁力を発揮する永久磁石16と永久磁石6との相互作用による磁性環14の変形を未然に防止できる。
【0029】
また、上記薄肉部19a、19bは、部分的に形成されているため、装着穴17を打ち抜く際のプレス加工性が大幅に低下することもない。すなわち、磁性環14の環状体15を、リング状に形成された複数の電磁鋼板を積層して構成するタイプでは、各電磁鋼板に凹部18a、18bを含めた装着穴17の形状の穴を打ち抜き、それらを積層して構成するわけであるが、本実施形態によれば凹部18a、18bが部分的であるため薄肉部19a、19bも部分的となり、プレス時に薄肉部19a、19bが切れる可能性が小さくなる。
【0030】
なお、図5に示すように、磁性環14の装着穴17を全体的に径方向の内外方に大きく形成し、装着穴17のロータ側穴面17aと環状体15のロータ側外面15aとの肉厚、及び装着穴17の反ロータ側穴面17bと環状体15の反ロータ側外面15bとの肉厚Xを、全体的に図6に示す薄肉部19a、19bの肉厚Xと同等にすれば、永久磁石16の磁気的ショートは防止できる。しかし、これでは、磁性環14全体の機械的剛性が大幅に低下するため、共に強力な磁力を発揮する永久磁石16と永久磁石6との相互作用によって磁性環14が変形し、さらにプレス時に肉切れの問題が生じる。
【0031】
これに対し、本実施形態では、磁気的ショートを上記薄肉部19a、19bの薄い板厚xによって抑えつつ、機械的剛性を凹部18a、18bの両側の部分の板厚Y(Y>X)によって確保しているのである。ここで、上記板厚Yの部分の周方向の長さは、長くすればするほど機械的剛性アップに繋がる。しかし、この長さを余り長く設定し過ぎると、相対的に上記薄肉部19a、19bの周方向の長さが圧迫され、磁気的ショートが生じやすくなる。よって、板厚Yの部分の周方向の長さは、磁気的ショートと機械的剛性とのバランスを鑑みて、シミュレーションや実験等によって設定される。
【0032】
変形例を図7〜図9に示す。図7に示す変形例は、永久磁石16の形状を、上記凹部18a、18bを含めた装着穴17の断面形状に形成したものである。この場合であっても、前実施形態と同様の作用・効果を奏する。図8(a)は上記凹部18a、18b及び薄肉部19a、19bを周方向の両端部に配置したもの、図8(b)は上記凹部18a、18bを円弧状としたもの、図8(c)は、図8(a)の凹部18a、18bの内側を円弧状としたものである。図8(a)〜(c)において、永久磁石16は、凹部18a、18bを除く装着穴17の断面形状(直方体状)に形成してもよく、図9(a)〜(c)に示すように、凹部18a、18bを含めた装着穴17の断面形状に形成してもよい。これらの変形例においても、前実施形態と同様の作用・効果を奏する。
【0033】
図10は、磁性環14を複数の電磁鋼板14x、14yを積層して構成するタイプであって、図10(a)に示すように凹部18a、18bを除いた装着穴17の形状(長方形)の穴を打ち抜いた電磁鋼板14xと、図10(b)に示すように凹部18a、18bを含めた装着穴17の形状の穴を打ち抜いた電磁鋼板14yとを、適宜(例えば交互に、或いは板14xを板14yの2〜3枚おきに)積層し、その穴に図10(c)に示すように凹部18a、18bを除いた寸法に形成された直方体状の永久磁石16を嵌め込んだものである。こうすれば、図10(a)の穴17の長さLと、図10(b)の凹部18a、18bを除く穴17の長さLと、図10(c)の永久磁石16の長さLとが略等しいため、穴に嵌め込まれた永久磁石16ががたつくことはなく、また、永久磁石16の磁気的ショートは、板14xが交互にまたは2〜3枚おきに重ねられているため、通路面積が小さくなって殆ど問題とならない。また、前実施形態と同様の作用・効果を奏する。
【0034】
図11及び図12は、図1〜図3に示す実施形態の磁石環5を変形したものであり、その他は同様の構成となっている。図11に示すように、この磁石環5は、周方向に所定間隔を隔てて且つロータ2に向く磁極を交互に反転させて整列された複数の永久磁石30と、これら永久磁石30の反ロータ側の磁極を連結するリング状の磁性部材31とを備えたものである。詳しくは、永久磁石30は、磁性体からなるリング体に、所定間隔を隔てて埋設されており、各永久磁石30の間には、空隙部32が形成されている。空隙部32のピッチは、磁性環14の永久磁石16のピッチと略等しく設定されている。
【0035】
この実施形態によれば、図11に示すように、磁石環5をアクチュエータA(図1参照)で回動させてその永久磁石30と、磁性環14の永久磁石16との極性を合わせることで、各永久磁石30、16とロータ2との間に磁気回路20、21が形成され、減速制動される。また、図12に示すように、磁石環5を回動させてその永久磁石30と、磁性環14の永久磁石16との磁極を逆極性とすることで、磁石環5の永久磁石30と磁性環14の永久磁石16との間に磁気回路(遮蔽回路)22が形成され、減速制動が解除される。その他、この実施形態の基本的な作用効果は、前実施形態と同様である。
【0036】
なお、上記実施形態では、磁石環5を回動させて制動力をオンオフするタイプを説明してきたが、逆に磁性環14を回動させてもよく、また、磁石環5及び磁性環14を共に回動させるようにしても構わない。また、ロータ2をドラム状ではなくディスク状としてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る渦電流式減速装置によれば、磁性環の永久磁石の磁気的ショートの抑制と、磁性環の剛性低下の抑制とを両立でき、且つ磁性環の加工性が悪化しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の側断面である。
【図2】上記渦電流式減速装置の減速制動時の正面断面図である。
【図3】上記渦電流式減速装置の減速制動解除時の正面断面図である。
【図4】上記渦電流式減速装置の別の減速制動解除時の正面断面図である。
【図5】上記磁性環の部分拡大図である(対比例)。
【図6】上記磁性環の部分拡大図である(本実施形態)。
【図7】上記永久磁石の変形例を示す説明図である。
【図8】上記磁性環の変形例を示す部分拡大図である。
【図9】上記永久磁石の別の変形例を示す説明図である。
【図10】上記磁性環の変形例を示す部分拡大図である。
【図11】上記磁石環の変形例を示す渦電流式減速装置の減速制動時の正面断面図である。
【図12】上記渦電流式減速装置の減速制動解除時の正面断面図である。
【図13】本発明者が先に開発した渦電流式減速装置の減速制動時の断面図である。
【図14】上記渦電流式減速装置の減速制動解除時の正面断面図である。
【図15】上記渦電流式減速装置の減速制動解除時の正面断面図である。
【符号の説明】
1 渦電流式減速装置
2 ロータ
5 磁石環
6 永久磁石
14 磁性環
15 環状体
15a ロータ側外面
15b 反ロータ側外面
16 永久磁石
17 装着穴
17a ロータ側穴面
17b 反ロータ側穴面
18a 凹部
18b 凹部
19a 薄肉部
19b 薄肉部
30 永久磁石
31 磁性部材

Claims (5)

  1. 回転軸に取り付けられたロータと、該ロータに対向させて配置され周方向に所定間隔が隔てられた複数の永久磁石を有する磁石環と、該磁石環と上記ロータとの間に配置され磁性体からなる環状体の内部に周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極になるように複数の永久磁石を埋設した磁性環とを備え、それら磁石環および磁性環の少なくとも一方を回動自在とした渦電流式減速装置であって、上記磁性環は、上記永久磁石が嵌め込まれる装着穴を有し、該装着穴は、そのロータ側穴面及び/又は反ロータ側穴面の少なくとも一部を窪ませた凹部を有し、該凹部と上記環状体のロータ側外面及び/又は反ロータ側外面との間に部分的な薄肉部を形成したことを特徴とする渦電流式減速装置。
  2. 上記磁性環の永久磁石は、上記装着穴の凹部を除く断面形状に形成された請求項1記載の渦電流式減速装置。
  3. 上記磁性環の永久磁石は、上記装着穴の凹部を含めた断面形状に形成された請求項1記載の渦電流式減速装置。
  4. 上記磁石環は、周方向に所定間隔を隔てて且つ周方向に向き合う磁極が同極に設定された複数の永久磁石と、これら永久磁石間に介設された磁性部材とを有する請求項1〜3記載の渦電流式減速装置。
  5. 上記磁石環は、周方向に所定間隔を隔てて且つ上記ロータに向く磁極を交互に反転させて整列された複数の永久磁石と、これら永久磁石の反ロータ側の磁極を連結する磁性部材とを有する請求項1〜3記載の渦電流式減速装置。
JP2003140373A 2003-05-19 2003-05-19 渦電流式減速装置 Expired - Fee Related JP4020009B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003140373A JP4020009B2 (ja) 2003-05-19 2003-05-19 渦電流式減速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003140373A JP4020009B2 (ja) 2003-05-19 2003-05-19 渦電流式減速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004343957A JP2004343957A (ja) 2004-12-02
JP4020009B2 true JP4020009B2 (ja) 2007-12-12

Family

ID=33529113

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003140373A Expired - Fee Related JP4020009B2 (ja) 2003-05-19 2003-05-19 渦電流式減速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4020009B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4839851B2 (ja) * 2005-09-20 2011-12-21 いすゞ自動車株式会社 渦電流式減速装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004343957A (ja) 2004-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4432616B2 (ja) アキシャルギャップ型回転電機
JP5108236B2 (ja) モータ用ロータ
EP2448089A1 (en) Axial motor
JP2007028868A (ja) 回転電機の固定子
JP5533879B2 (ja) 永久磁石形回転電機の回転子
JP4529500B2 (ja) アキシャルギャップ回転電機
JP6022077B2 (ja) 回転電機用ロータ
JP2006050706A (ja) アキシャルギャップモータのロータ構造
JP4020009B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP3765291B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2008178189A (ja) トロイダル巻線モータ及びそれを用いたエレベータ用巻上機
JP4752414B2 (ja) 渦電流式減速装置
JPH0417556A (ja) ブラシレスdcモータのステータ構造
JP2005057865A (ja) 回転子の構造
JP2005039909A (ja) 永久磁石埋込型モータ
JPH0742215Y2 (ja) サーボアクチュエータ
JP2011167023A (ja) アキシャルギャップ型モータのロータ及びその製造方法
JP4296835B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2004328891A (ja) 渦電流式減速装置
JP3941740B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP4882355B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2004350412A (ja) 渦電流式減速装置
JP2003047186A (ja) 回転機のロータ
JP4296836B2 (ja) 渦電流式減速装置
JP2010028993A (ja) アキシャルギャップ型モータ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051215

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070824

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070917

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111005

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121005

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121005

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131005

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees