JP3941740B2 - 渦電流式減速装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に減速制動を与える渦電流式減速装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者は、先に図25〜図27に示す渦電流式減速装置aを開発した(特許文献1の図8及び図9参照)。図示するように、この渦電流式減速装置aは、車両の動力伝達系の回転軸(駆動軸等)bに取り付けられたドラム状の制動ロータcと、変速機等の固定系に取り付けられたステータ(磁力源)dとを有し、ステータdからロータcへ磁気を供給することでロータcに渦電流を生じさせて回転軸bすなわち車両を減速制動し、磁気をステータd内に遮蔽することで減速制動を解除するものである。
【0003】
ステータdは、中空リング状に形成された非磁性体からなるケーシングeを有する。ケーシングeのロータ対向面には、周方向に所定間隔を隔てて複数の磁性体からなるポールピースfが埋設されている。ケーシングeの内部には、磁石環gが回動自在に収容されている。磁石環gは、磁性体からなりリング状に形成されたヨークhを有する。ヨークhの外周面には、周方向に所定間隔を隔てて複数の永久磁石iが装着されている。永久磁石iは、径方向の両端に磁極を有し、周方向に極性を交互に配置されている。
【0004】
この構成によれば、図26に示すように、磁石環gをエアシリンダ等のアクチュエータjによって回動させ、永久磁石iがポールピースfに対向する位相とすると、永久磁石iとロータcとを結ぶ磁気回路kが形成され、ロータcに渦電流が流れて回転軸bが制動される。他方、図27に示すように、磁石環gを、永久磁石iの中央部がポールピースf、f同士の中間部に対向する位相とすると、永久磁石iとポールピースfとを結ぶ磁気回路mが形成され、永久磁石iの磁気がポールピースfによって遮蔽されるため、ロータcに渦電流が生じることはなく、回転軸bの制動が解除される。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−118901号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記渦電流式減速装置aにおいては、永久磁石iをヨークhの曲率に合わせて精度良く湾曲して製造する必要がある。何故なら、永久磁石iとヨークhとの間に隙間が生じると、その隙間が磁気的絶縁層となって図26に示す磁気回路kの生成が妨げられるため、制動力の低下を招くからである。このため、永久磁石iの製造コストの増大を招いていた。また、ポールピースfも中空リング状のケーシングeの外周面の曲率に合わせて湾曲して製造する必要があり、これも製造コストの増大を招いていた。
【0007】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、永久磁石およびポールピースを精度良く湾曲して製造する必要がなく、低コスト化を図れる渦電流式減速装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係る渦電流式減速装置は、回転軸に取り付けられた制動ロータと、該制動ロータに対向させて配置された第1磁石環と、該第1磁石環と制動ロータとの間に配置された第2磁石環と、それら第1磁石環および第2磁石環の少なくとも一方を回動するアクチュエータとを備え、上記第1および第2磁石環は、回転軸の軸方向の両端に磁極を有し周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石と、各永久磁石の軸方向の両端部に夫々装着された磁性体からなるポールピースとを有するものである。
【0009】
また、上記第1および第2磁石環は、永久磁石同士の周方向の間およびポールピース同士の周方向の間に、磁気的絶縁層を有することが好ましい。
【0010】
また、上記永久磁石が、回転軸の軸方向に所定間隔を隔てて極性を交互に複数配置され、上記ポールピースが、各永久磁石の軸方向の間及び軸方向両端の永久磁石に夫々装着されてもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0012】
図1〜図4に示すように、この渦電流式減速装置1は、車両の駆動軸等の動力伝達系の回転軸2に取り付けられたドラム状の制動ロータ3と、変速機等の固定系に取り付けられたステータ(磁力源)4とを有し、ステータ4からロータ3へ磁気を供給することでロータ3に渦電流を生じさせて回転軸2すなわち車両を減速制動し、磁気をステータ4内に遮蔽することで減速制動を解除するものである。
【0013】
ロータ3は、ステータ4からの磁気及びそれによって生じる渦電流を流すため、例えば低炭素鋼等の磁性体かつ導体の材質からなる。ロータ3は、回転軸2にナット5によって固定されたハブ6に、スポーク7を介して設けられている。なお、スポーク7をファン状に成形し、回転軸2の回転に伴って冷却風を渦電流により発熱するロータ3側へ送風するようにしてもよい。また、ロータ3の外周面には、渦電流によって生じた熱を放熱するための放熱フィン8が設けられている。
【0014】
ステータ4は、回転軸2と同芯的に形成された中空リング状のケーシング9を有する。ケーシング9は、非磁性体(オーステナイト系ステンレスやアルミ等、以下同じ)からなり、円筒状の外周壁及び内周壁と、それらの側面を覆うリング板状の一対の側壁9a、9aとから略矩形断面に形成されている。
【0015】
ケーシング9の内部には、第1磁石環10が周方向に回動自在に収容されている。第1磁石環10は、回転軸2の軸方向の両端に磁極を有し周方向に極性を交互に配置された複数の永久磁石11と、各永久磁石11の軸方向の両端部に夫々装着された磁性体(低炭素鋼や電磁鋼板の積層体等、以下同じ)からなるポールピース12と、各ポールピース12同士の周方向の間および各永久磁石11同士の周方向の間に形成された磁気的絶縁層13とを有する。
【0016】
詳しくは、図2(b)、図3及び図4に示すように、ケーシング9の内部には、非磁性体からなり軸方向に所定間隔が隔てられた一対のリング状の側板14、14が、周方向に回動自在に収容されている。これら側板14、14の径方向内側の縁部には、非磁性体からなる筒状の底板15が設けられている。底板15とケーシング9との間には、滑り軸受(ブッシュ)16が介設され、側板14とケーシング側壁9aとの間にも、滑り軸受(ブッシュ)17が介設されている。
【0017】
側板14は、ケーシング9に取り付けられたアクチュエータ18に、連結されている。アクチュエータ18は、流体シリンダやラック・ピニオン機構やネジ送り機構等からなり、第1磁石環10をケーシング9に対して所定角度範囲で回動させる。アクチュエータ18には、第1磁石環10をケーシング9に対して所定角度範囲の両端部にオンオフ的に回動させるタイプか、または第1磁石環10を所定角度範囲の任意の位置に固定するタイプが用いられる。
【0018】
上記側板14、14の間には、上記永久磁石11とポールピース12とからなる内側磁石ユニット19が、周方向に所定間隔を隔てて複数配置されている。各ユニット19の周方向の間には、空気層からなる磁気的絶縁層13が形成されている。各ユニット19は、図2(b)に示すように、一方の側板14を貫通して他方の側板14に螺合され、双方の側板14、14を軸方向に締め付けるボルト20により、側板14、14の間に挟持される。
【0019】
なお、図11(b)に示すように、側板14に、ユニット19の位置を定める凹部21を設けてもよい。ボルト20は、各ユニット19、19同士の周方向の間、すなわち磁気的絶縁層13に配置されるため、非磁性体から製造することが好ましい。磁気的絶縁層13は、図例では、各ユニット19、19同士の周方向の間の空間(空気層)からなるが、この空間に樹脂等の非磁性体を充填してもよい。
【0020】
上記第1磁石環10とロータ3との間には、図1〜図4に示すように、第2磁石環22が配置されている。第2磁石環22は、ケーシング9の外周面すなわちロータ3と向き合う面に、取り付けられている。第2磁石環22は、回転軸2の軸方向の両端に磁極を有し周方向に極性を交互に配置された複数の永久磁石23と、各永久磁石23の軸方向の両端部に夫々装着された磁性体からなるポールピース24と、各ポールピース24同士の周方向の間および各永久磁石23同士の周方向の間に形成された磁気的絶縁層25とを有する。
【0021】
詳しくは、図2(a)、図3及び図4に示すように、ケーシング9の外周面には、一対の側壁9a、9aの間に位置させて、周方向に沿って開口が形成されている。開口には、上記永久磁石23とポールピース24とからなる外側磁石ユニット26が、周方向に所定間隔を隔てて複数配置されている。
【0022】
各ユニット26は、ケーシング9を構成する一方の側壁9aを貫通して他方の側壁9aに螺合され、双方の側壁9a、9aを軸方向に締め付けるボルト27により、側壁9a、9aの間に挟持される。なお、図11(a)に示すように、側壁9aに、ユニット26の位置を定める凹部28を設けてもよい。ボルト27は、各ユニット26同士の周方向の間、すなわち磁気的絶縁層25に配置されるため、非磁性体から製造することが好ましい。
【0023】
磁気的絶縁層25は、図例では、各ユニット26同士の周方向の間の空間(空気層)からなる。なお、この空間に樹脂等の非磁性体を充填し、ケーシング9の内部への塵芥や水等の侵入を防止するようにしてもよい。
【0024】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0025】
回転軸2すなわち車両を減速制動するときには、図5〜図7に示すように、第1磁石環10をアクチュエータ18によって回動させ、第1磁石環10の永久磁石11の磁極を第2磁石環22の永久磁石23の磁極と同位相にする。すると、図5に示すように、第1磁石環10の永久磁石11とロータ3とを結ぶ第1磁気回路(第1制動回路)29と、第2磁石環22の永久磁石23とロータ3とを結ぶ第2磁気回路(第2制動回路)30とが形成され、ロータ3に渦電流が流れて回転軸2が減速制動される。
【0026】
回転軸2の制動を解除するときには、図1〜図3に示すように、第1磁石環10をアクチュエータ18によって回動させ、第1磁石環10の永久磁石11の磁極を第2磁石環22の永久磁石23の磁極と逆位相にする。すると、図1に示すように、第1磁石環10の永久磁石11と第2磁石環22の永久磁石23と結ぶ第3磁気回路(遮蔽回路)31が形成され、ロータ3に磁力が作用しないため渦電流が生起されることはなく、回転軸2の減速制動が解除される。なお、第1磁石環10を図3と図7との中間的な位相で固定すれば、制動力を調節できる。
【0027】
本実施形態においては、各内側磁石ユニット19同士の周方向の間、及び各外側磁石ユニット26同士の周方向の間には、それぞれ磁気的絶縁層(空気層)13、25が設けられている。このため、各内側磁石ユニット19同士、及び各外側磁石ユニット26同士を、周方向に繋げる必要はなく、各ユニット19、26を構成するポールピース12、24及び永久磁石11、23の形状を、精度よく円弧状に形成する必要はない。よって、ポールピース12、24及び永久磁石11、23の製造コストを低減できる。
【0028】
図例では、図8に示すように、ポールピース12、24は、軸方向から見て各磁石環10、22の曲率に合わせて円弧状に屈曲された略直方体形状の低炭素鋼のブロック材、又は軸方向から見て上記形状に打ち抜かれた電磁鋼板を複数図面裏表方向に積層してなるが、図4に示すように、周方向に隣接するポールピース12、12(24、24)同士の間には磁気的絶縁層13、(25)が設けられるため周方向に繋げる必要がないので、上述のように円弧状に屈曲させない単純な直方体形状や円柱形状とすることが可能である。
【0029】
また、図9に示すように、永久磁石11、23は、図例では軸方向から見て各磁石環10、22の曲率に合わせて円弧状に屈曲された略直方体形状に形成され、ポールピース12、24と軸方向に重なるように成形されているが、図4に示すように、周方向の隣接する永久磁石11、11(23、23)同士の間には磁気的絶縁層13、(25)が設けられるため周方向に繋げる必要がないので、上述のように円弧状に屈曲させない単純な直方体形状(角柱形状)や円柱形状としてもよい。この場合、角柱形状または円柱形状の軸方向の両端部に磁極が設定されるため、着磁も容易である。
【0030】
図10は、破線で示すポールピース12、(24)を円弧状に屈曲させた直方体形状とし、実線で示す永久磁石11、(23)を単純な直方体形状とした例を示す。なお、ポールピース12、(24)も単純な直方体形状としてもよく、また、永久磁石11、(23)及びポールピース12、(24)を円柱形状としてもよいことは勿論である。これらの場合であっても、隣接するユニット19、19(26、26)の間には、磁気的絶縁層(空気層)13、(25)が設けられるため、各ユニット19、(26)を周方向に所定間隔を隔てて問題なく配置することができる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、ポールピース12、(24)及び永久磁石11、(23)の製作精度が要求されないので、製造コストを低減できる。なお、各ユニット19、(26)の永久磁石11、(23)とポールピース12、(24)との軸方向の接合面は、図1及び図4に示す各磁気回路29、30、31を切断しないようにするため隙間なく密着させる必要があるが、この面の加工は容易であり、コストアップとはならない。また、図2及び図3に示すように、永久磁石11、(23)をポールピース12、(24)で挟んだユニット19、(26)を軸方向からボルト20、(27)を介して締め付けているので、上記接合面に隙間が生じ難い。
【0032】
図12に示す変形例は、第1磁石環10の内側磁石ユニット19をボルト32によって底板15に固定したものであり、その他は、前実施形態と同様の構成となっている。ボルト32は、各ユニット19のポールピース12をその外周面から内周面に貫通し、底板15にねじ込まれている。ボルト32は、磁性体から製造することが好ましい。
【0033】
図13は、図4をXIII方向から見た変形例であり、外側磁石ユニット26のポールピース24を永久磁石23と比べて径方向外方に突出して形成したものである。これにより、減速制動時におけるポールピース24とロータ3とのエアギャップが小さくなって制動力が向上すると共に、永久磁石23とロータ3とのエアギャップを大きく確保でき、ロータ3の熱影響による永久磁石23の減磁を抑制できる。
【0034】
図14は、図4を XIV方向から見た変形例であり、内側磁石ユニット19のポールピース12の内周面に、凹部33を周方向に沿って形成したものである。これにより、図5において永久磁石11、23の磁力線の通過面積を小さくできるので、磁束密度が高まり、制動力が向上する。
【0035】
図15は、図4をXV方向から見た変形例であり、外側磁石ユニット26のポールピース24の角部にテーパ部34を形成したものである。これにより、図5において永久磁石11、23の磁力線の通過面積を小さくできるので、磁束密度が高まり、制動力が向上する。
【0036】
図16は、図4を XVI方向から見た変形例であり、外側磁石ユニット26のポールピース24を外窄まりに形成したものである。また、図17は、図4をXVII方向から見た変形例であり、内側磁石ユニット19のポールピース12を外広がり形成したものである。図16及び図17の構成により、図1に示す制動解除時に、永久磁石11、23の磁力線の通過面積を小さくできるので、磁束密度が高まり、磁束漏れによる引きずり制動を抑制できる。
【0037】
なお、引きずり制動を抑制するには、内側磁石ユニット19の永久磁石11の磁力を外側磁石ユニット26の永久磁石23の磁力よりも、若干強めに設定すればよい。また、内側磁石ユニット19の永久磁石11の磁極面積を外側磁石ユニット22の永久磁石23の磁極面積よりも、若干広めに設定してもよい。
【0038】
図18に、第1磁石環10の変形例を示す。図示するように、この第1磁石環10は、図1に示す底板15を省略し、ポールピース12の内周面に凹部35を形成し、凹部35に非磁性体部材36を装着し、非磁性体部材36、36の間に空隙37を形成し、その下部に滑り軸受(ブッシュ)16を装着したものである。
【0039】
図19に、第1磁石環10の別の変形例を示す。図示するように、この第1磁石環10は、図18に示す第1磁石環10のポールピース12の凹部35に、空隙37を埋める形状に形成された非磁性体部材38を装着したものであり、その他は図18のものと同様の構成となっている。
【0040】
図20に、第1磁石環10の別の変形例を示す。図示するように、この第1磁石環10は、図18に示す第1磁石環10のポールピース12の凹部35を省略し、その分だけ永久磁石11の径方向の寸法を伸ばし、ポールピース12の内周面に直接滑り軸受(ブッシュ)16を装着したものである。
【0041】
図21及び図22に、図1〜図4に示す実施形態の第1および第2磁石環10、22に改良を施した変形例を示す。図示するように、この変形例における第1磁石環10は、図1〜図4に示す永久磁石11を回転軸2の軸方向に所定間隔を隔てて極性を交互に2個配置し、それら永久磁石11の軸方向の間及び軸方向両端の永久磁石11に、磁性体からなるポールピース12を夫々装着してなる。同様に、第2磁石環22は、図1〜図4に示す永久磁石23を回転軸2の軸方向に所定間隔を隔てて極性を交互に2個配置し、それら永久磁石23の軸方向の間及び軸方向両端の永久磁石に、磁性体からなるポールピース24を夫々装着してなる。
【0042】
この実施形態においては、回転軸2を制動するときには、図21に示すように、アクチュエータ18で第1磁石環10を回動させ、第1磁石環10の永久磁石11の磁極を第2磁石環22の永久磁石23の磁極と同位相にする。すると、第1磁石環10の永久磁石11とロータ3とを結ぶ第1磁気回路(第1制動回路)29と、第2磁石環22の永久磁石23とロータ3とを結ぶ第2磁気回路(第2制動回路)30とが形成され、ロータ3に渦電流が流れて回転軸2が減速制動される。
【0043】
回転軸2の制動を解除するときには、図22に示すように、第1磁石環10をアクチュエータ18によって回動させ、第1磁石環10の永久磁石11の磁極を第2磁石環22の永久磁石23の磁極と逆位相にする。すると、第1磁石環10の永久磁石11と第2磁石環22の永久磁石23と結ぶ第3磁気回路(遮蔽回路)31が形成され、ロータ3に磁力が作用しないため渦電流が生起されることはなく、回転軸2の減速制動が解除される。なお、第1磁石環10を図21と図22との中間的な位相で固定すれば、制動力を調節できる。
【0044】
図23及び図24に示す変形例は、図21及び図22に示す実施形態の第1及び第2磁石環10、22の永久磁石11、23をそれぞれ3列としたものである。すなわち、永久磁石11、23を回転軸2の軸方向に所定間隔を隔てて極性を交互に3個配置し、それら永久磁石11、23の軸方向の間及び軸方向両端の永久磁石11、23に、磁性体からなるポールピース12、24を夫々装着したものである。
【0045】
この実施形態においても、図23に示すように、第1磁石環10の永久磁石11の磁極を第2磁石環22の永久磁石23の磁極と同位相にすると、第1磁気回路(第1制動回路)29と、第2磁気回路(第2制動回路)30とが形成され、回転軸2が減速制動される。また、図24に示すように、第1磁石環10の永久磁石11の磁極を第2磁石環22の永久磁石23の磁極と逆位相にすると、第3磁気回路(遮蔽回路)31が形成され、回転軸2の減速制動が解除される。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る渦電流式減速装置によれば、永久磁石およびポールピースを精度良く製造する必要がなく、低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る渦電流式減速装置の制動オフ時の側断面図である。
【図2】(a)は図1のIIa−IIa線断面図、(b)は図1のIIb−IIb線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】第1磁石環及び第2磁石環の斜視図である。
【図5】上記渦電流式減速装置の制動オン時の側断面図である。
【図6】(a)は図5のVIa−VIa線断面図、(b)は図1のVIb−VIb線断面図である。
【図7】図1のVII−VII線断面図である。
【図8】(a)はポールピースの正面図、(b)はポールピースの側面図である。
【図9】(a)は永久磁石の正面図、(b)は永久磁石の側面図である。
【図10】(a)は永久磁石の正面図、(b)は永久磁石の側面図である。
【図11】(a)は図2(a)の第2磁石環の変形例を示す説明図、(b)は図2(b)の第1磁石環の変形例を示す説明図である。
【図12】図3の第1磁石環の変形例を示す説明図である。
【図13】図4のXIII矢示図である。
【図14】図4の XIV矢示図である。
【図15】図4のXV矢示図である。
【図16】図4の XVI矢示図である。
【図17】図4のXVII矢示図である。
【図18】第1磁石環の変形例を示す断面図である。
【図19】第1磁石環の変形例を示す断面図である。
【図20】第1磁石環の変形例を示す断面図である。
【図21】変形例を示す渦電流式減速装置の制動オン時の側断面図である。
【図22】上記渦電流式減速装置の制動オフ時の側断面図である。
【図23】変形例を示す渦電流式減速装置の制動オン時の側断面図である。
【図24】上記渦電流式減速装置の制動オフ時の側断面図である。
【図25】本発明者が先に開発した渦電流式減速装置の側断面図である。
【図26】上記渦電流式減速装置の制動オン時の正面断面図である。
【図27】上記渦電流式減速装置の制動オフ時の正面断面図である。
【符号の説明】
1 渦電流式減速装置
2 回転軸
3 制動ロータ
10 第1磁石環
11 永久磁石
12 ポールピース
13 磁気的絶縁層
18 アクチュエータ
22 第2磁石環
23 永久磁石
24 ポールピース
25 磁気的絶縁層
Claims (3)
- 回転軸に取り付けられた制動ロータと、該制動ロータに対向させて配置された第1磁石環と、該第1磁石環と制動ロータとの間に配置された第2磁石環と、それら第1磁石環および第2磁石環の少なくとも一方を回動するアクチュエータとを備え、上記第1および第2磁石環は、回転軸の軸方向の両端に磁極を有し周方向に所定間隔を隔てて配置された複数の永久磁石と、各永久磁石の軸方向の両端部に夫々装着された磁性体からなるポールピースとを有することを特徴とする渦電流式減速装置。
- 上記第1および第2磁石環は、永久磁石同士の周方向の間およびポールピース同士の周方向の間に、磁気的絶縁層を有する請求項1記載の渦電流式減速装置。
- 上記永久磁石が、回転軸の軸方向に所定間隔を隔てて極性を交互に複数配置され、上記ポールピースが、各永久磁石の軸方向の間及び軸方向両端の永久磁石に夫々装着された請求項1又は2記載の渦電流式減速装置。
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