JP2017139877A - 埋込磁石型モータ - Google Patents
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Abstract
Description
おり、この幅広部の内壁面と磁石との間にフラックスバリアとして機能する第1の空隙が設けられている。このような位置に第1の空隙を設けることにより、磁石の減磁を生じにくくすることができる。また、磁石および第1の空隙の外周側には、周方向に隣り合う磁極部を繋ぐ外周部が設けられているが、この外周部の外周面を凸形状とし、且つ、磁極部の外周面よりも内周側に配置している。このようにすると、ロータコアの外周面が円筒面である場合と比較して、外周部の肉厚が薄くなり磁束が通りにくくなるので、磁極間の漏れ磁束を低減できる。また、外周部の周方向の中間部の肉厚が薄くなりすぎないため、外周部の強度低下を抑制できる。よって、有効磁束の減少を抑制し、且つ、ロータコアの強度の低下を抑制できる。
外周部の外周面を凸形状とし、且つ、磁極部の外周面よりも内周側に配置している。このようにすると、ロータコアの外周面が円筒面である場合と比較して、外周部の肉厚が薄くなり磁束が通りにくくなる。従って、磁極間の漏れ磁束を低減できる。また、外周部の周方向の中間部の肉厚が薄くなりすぎないため、外周部の強度低下を抑制できる。よって、有効磁束の減少を抑制し、且つ、ロータコアの強度の低下を抑制できる。
埋込磁石型モータ1(以下、単にモータ1という)は、モータハウジング10と、モータハウジング10の内側に配置された筒状のステータ20と、ステータ20の内側に回転可能に配置されたロータ30を備える。モータハウジング10は、モータ1の回転軸線L方向に開口を向けた筒状部11と、筒状部11の出力側L1の端部に固定された第1軸受ホルダ12と、筒状部11の反出力側L2の端部に固定された第2軸受ホルダ13を備える。第1軸受ホルダ12の内周側にはボールベアリングからなる第1軸受41の外輪が保持される。また、第2軸受ホルダ13の内周側にはボールベアリングからなる第2軸受42の外輪が保持される。また、第2軸受ホルダ13の反出力側L2には図示しないエンコーダカバーが取り付けられ、エンコーダカバーの内側に図示しないエンコーダが配置される。エンコーダは、ロータ30の回転数や角度位置を検出する。
め込まれた磁石33の数は10であり、ステータ20に設けられた突極24の数は12であるため、モータ1は10極12スロットのモータとなっている。突極24に巻回される駆動コイル23には、U相、V相、W相の3相の電流が供給される。なお、ロータ30の磁極数は2以上であればいくつでもよく、突極24の本数も12でなくてもよい。
図2(a)はロータ30の回転軸線Lと直交する方向の断面図であり、図2(b)は図2(a)の領域Aの部分拡大図である。ロータコア32には、放射状に配置された複数のスリット35が等角度間隔で形成され、このスリット35に磁石33が埋設されている。ロータコア32において、周方向に隣り合うスリット35の間の部分は磁極部34となっている。また、ロータコア32は、周方向に隣り合う磁極部34を繋いでおりスリット35および磁石33の外周側に位置する外周部36と、周方向に隣り合う磁極部34を繋いでおりスリット35および磁石33の内周側に位置する内周部37を備える。また、磁極部34の内周側の端部には打ち抜き孔38が形成されている。
図3はロータコア32の外周部36の拡大図である。ロータコア32は全体として略円筒状である。磁極部34の外周面341は、ロータコア32の回転中心を中心とする円弧面となっている。一方、隣り合う磁極部34を繋ぐ外周部36の外周面361は、磁極部34の外周面341よりも内周側に位置する。すなわち、外周部36の外周面361は、ロータコア32の回転中心を中心とし外周面341と重なる仮想面362よりも内周側に位置する。外周面361は、径方向外側に突出する凸形状であり、最も外周側に突出する先端部363は外周面361の周方向の中央に位置する。外周面361は、先端部363から径方向内側へ後退しながら周方向の両側へ延びる傾斜部364を備える。傾斜部364は先端部363の周方向の両側に設けられ、磁極部34の外周面341と繋がっている
。
上述したように、ロータコア32の磁極部34の内周側の端部には、ロータコア32を回転軸線L方向に貫通する孔部である六角形の打ち抜き孔38が形成されている。磁極部34には、打ち抜き孔38によって第2の空隙53が形成されている。打ち抜き孔38の周方向の両側には、磁石33が配置される。図2(b)において、周方向の両側に配置される2個の磁石33をそれぞれ磁石33A、33Bで示す。打ち抜き孔38は、内周面のうちの1面が、周方向の一方側で隣り合う磁石33Aの周方向の端面331Aと平行な第1磁石対向面381となっている。また、打ち抜き孔38は、内周面のうちの他の一面が、周方向の他方側で隣り合う磁石33Bの周方向の端面331Bと平行な第2磁石対向面382となっている。第1磁石対向面381は、その一部が磁石33Aの内周側の端面332Aよりも径方向外側に位置する。また、第2磁石対向面382は、その一部が磁石33Bの内周側の端面332Bよりも径方向外側に位置する。
本形態のモータ1は、磁石33の径方向外側の端部における周方向の端面と磁極部34との間にフラックスバリアとして機能する第1の空隙52が設けられている。これにより、ステータ20側からの磁界等の影響を低減でき、磁石33の減磁を生じにくくすることができる。また、磁石33および第1の空隙52の外周側には、周方向に隣り合う磁極部34を繋ぐ外周部36が設けられているが、この外周部36の外周面361を凸形状とし、且つ、磁極部34の外周面341よりも内周側に配置している。その結果、ロータコア32の外周面が円筒面である場合と比較して、外周部36の肉厚が薄くなり磁束が通りにくくなるので、磁極部34間の漏れ磁束を低減できる。また、外周部36に凸形状があるため、周方向の中間部の肉厚が薄くなりすぎないので、外周部36の強度低下を抑制できる。よって、有効磁束の減少を抑制し、且つ、ロータコア32の強度の低下を抑制できる。
Claims (6)
- 等角度間隔に配置された複数の磁石および前記磁石が埋設されるロータコアを備えたロータと、前記ロータの外周側に等角度間隔で配置されコイルが巻回された複数の突極を備えるステータと、を有し、
前記ロータコアは、前記磁石が配置されるスリットと、周方向に隣り合う前記スリットの間に位置する磁極部と、周方向に隣り合う前記磁極部を繋いでおり前記スリットの外周側に位置する外周部と、を備え、
前記スリットの外周側の端部には、周方向の幅が前記磁石よりも大きい幅広部が設けられ、前記幅広部の周方向の内壁面と前記磁石との間に第1の空隙が設けられ、
前記外周部は、径方向外側に突出する凸形状の外周面を備え、
前記凸形状の外周面は、前記磁極部の径方向外側の外周面よりも内周側に位置することを特徴とする埋込磁石型モータ。 - 前記外周部が備える前記凸形状の外周面は、最も径方向外側に位置する先端部と、前記先端部から径方向内側へ後退しながら周方向の両側へ延びる傾斜部とを備え、
前記傾斜部は、内周側に凸となる形状であることを特徴とする請求項1に記載の埋込磁石型モータ。 - 前記ロータコアは、複数枚の磁性板を積層した積層体であり、
前記外周部は、前記第1の空隙の径方向外側に位置する部分の径方向の厚さが、前記磁性板の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の埋込磁石型モータ。 - 前記ロータコアは、前記磁極部の内周側の端部に第2の空隙を形成する孔部を備え、
前記孔部は、前記孔部の周方向の両側に配置される2個の前記磁石のうち、周方向の一方側で隣り合う前記磁石の周方向の端面と平行な第1磁石対向面、および、周方向の他方側で隣り合う前記磁石の周方向の端面と平行な第2磁石対向面を備え、
前記第1磁石対向面と前記第2磁石対向面は、少なくとも一部が前記磁石の内周側の端面よりも径方向外側に位置することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の埋込磁石型モータ。 - 前記第2の空隙の断面形状は六角形であり、
前記孔部は、前記孔部に対して周方向に隣り合う前記磁石の周方向の端面に対して傾斜する傾斜面を備え、
前記傾斜面は、径方向外側へ向かうに従って前記孔部が設けられた前記磁極部の周方向の中央へ向かう方向に傾斜することを特徴とする請求項4に記載の埋込磁石型モータ。 - 前記ロータコアは、周方向に隣り合う前記磁極部を繋いでおり前記磁石の内周側に位置する内周部を備え、
前記磁石の径方向外側の端面は前記外周部と接しており、
前記磁石の径方向内側の端面と前記内周部との間には所定の隙間があることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の埋込磁石型モータ。
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