JP4831985B2 - ズームレンズ駆動装置、ズームレンズ撮像装置、ファインダ、カメラ - Google Patents
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Description
従来の撮像用ズームレンズは、例えば、特許文献1(特開平9−203842号)に開示されているように、小型化のために何段ものカム筒や筒状のヘリコイドを組合せてレンズ群を駆動し、収納時には半径方向にそれらの筒が重なるように配置することで、全長を短縮する沈胴構造を採用している。また、このような撮像用ズームレンズの小型化に伴って、撮像用レンズと連動して駆動する光学ファインダにおけるレンズ系も撮像用レンズと同様に高変倍化および小型化が必要になってきている。光学ファインダの場合には、撮像用レンズよりも狭いスペース内に配置されているため、撮像用レンズのような沈胴構造は採用しにくい。従来の光学ファインダは、例えば特許文献2(特許第2775054号)に示されるようにカム筒に形成されたカム面にレンズを保持するレンズ枠のカムフォロアをスプリング等の弾性部材で付勢偏倚させつつ係合させ、レンズ位置を保つようにする構成が用いられることが多い。
先に挙げた、特許文献1では、第1の範囲では係合しているレンズ群のカムフォロアのカム溝に対する係合を、第2の範囲では外す構成となっている。これは、第2の範囲である収納範囲において、カム面からカムフォロワの係合を外して収納時における負荷を下げるためである。第1の範囲である変倍範囲においては、カムフォロワがカム面に付勢されて係合しており、カムの精度に依存している。このような構成では、レンズ位置およびレンズ間隔を高い精度で出すことができず焦点距離の誤差が大きくなってしまう。
本発明の請求項1の目的は、変倍範囲の中で少なくともレンズ間隔の誤差が焦点距離の大きな誤差を招く部分で、レンズ群間隔を高精度に保つことを可能とし、焦点距離の誤差を低減し、特に、レンズ群間隔のズレ量に対する焦点距離変動が大きい範囲において、レンズ群間隔を安定に維持することを可能とするズームレンズ駆動装置を提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、変倍範囲の中で少なくともレンズ間隔の誤差が焦点距離の大きな誤差を招く部分で、レンズ群間隔を高精度に保つことを可能とし、焦点距離の誤差を低減し、特に、簡単な構成で、レンズ群間隔を高い精度で保持しつつレンズ位置を安定させることを可能とするズームレンズ駆動装置を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、使用頻度の高い望遠位置や広角位置での焦点距離の誤差を低減し得るズームレンズ駆動装置を提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、焦点距離の誤差を低減し得るズームレンズ撮像装置を提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、焦点距離の誤差を低減し得るファインダを提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、焦点距離の誤差を低減し得るカメラを提供することにある。
各々少なくとも1つのレンズを有してなる2つ以上のレンズ群と、前記レンズ群を駆動するためのカムと、前記レンズ群と一体的に形成されて前記カムのカム面に係合するカムフォロアとを備え、前記レンズ群の間隔を変化させて変倍を行うズームレンズ駆動装置において、
前記カム面の変倍範囲の少なくとも一部で前記カムフォロアの係合が外れ、係合を外れたレンズ群が前記カム以外の係合部材と係合する構成を含み、
前記係合部材は、前記係合が外れるレンズ群とは異なる他のレンズ群と一体に構成された部材であって、少なくとも変倍動作時に移動しない固定部材であることを特徴としている。
請求項2に記載した本発明に係るズームレンズ駆動装置は、請求項1のズームレンズ駆動装置であって、
各々少なくとも1つのレンズを有してなる2つ以上のレンズ群と、前記レンズ群を駆動するためのカムと、前記レンズ群と一体的に形成されて前記カムのカム面に係合するカムフォロアとを備え、前記レンズ群の間隔を変化させて変倍を行うズームレンズ駆動装置において、
前記カム面の変倍範囲の少なくとも一部で前記カムフォロアの係合が外れ、係合を外れたレンズ群が前記カム以外の係合部材と係合する構成を含み、
前記係合部材は、前記係合が外れるレンズ群とは異なる他のレンズ群と一体に構成された部材であって、少なくとも変倍動作時に移動する可動部材であり、
前記他のレンズ群は、前記係合が外れるレンズ群に隣接するレンズ群であり、
前記係合が外れるレンズ群のカムフォロアと前記隣接するレンズ群のカムフォロアの間に、それぞれのレンズ群を駆動する前記カム面を有するとともに、
前記係合が外れるレンズ群と前記隣接するレンズ群を、第1の弾性部材によって、お互いに引張り合うようにして前記カム面に向かって付勢し、且つ
前記係合が外れるレンズ群のカムフォロアの係合が外れる範囲で、第2の弾性部材によって、前記隣接するレンズ群のカムフォロワを前記カム面に向かって付勢することを特徴としている。
前記カムフォロアの係合が外れる範囲は、前記係合が外れるレンズ群が前記係合部材と最も接近する範囲としたことを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るズームレンズ駆動装置は、請求項1〜請求項3のいずれか1項のズームレンズ駆動装置であって、
前記カムフォロアの係合が外れる範囲は、広角端近傍および望遠端近傍のいずれか一方であることを特徴としている。
請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置と、
撮像素子と、
を具備することを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係るファインダは、
請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置を少なくとも1つ用いてなることを特徴としている。
請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置、請求項5のズームレンズ撮像装置および請求項6のファインダの少なくとも一部を具備することを特徴としている。
すなわち本発明の請求項1のズームレンズ駆動装置によれば、各々少なくとも1つのレンズを有してなる2つ以上のレンズ群と、前記レンズ群を駆動するためのカムと、前記レンズ群と一体的に形成されて前記カムのカム面に係合するカムフォロアとを備え、前記レンズ群の間隔を変化させて変倍を行うズームレンズ駆動装置において、
前記カム面の変倍範囲の少なくとも一部で前記カムフォロアの係合が外れ、係合を外れたレンズ群が前記カム以外の係合部材と係合する構成を含み、
前記係合部材は、前記係合が外れるレンズ群とは異なる他のレンズ群と一体に構成された部材であって、少なくとも変倍動作時に移動しない固定部材であることにより、変倍範囲の中で少なくともレンズ群間隔の誤差が焦点距離の大きな誤差を招く部分で、レンズ群間隔を高精度且つ安定に保つことが可能となり、焦点距離の誤差を低減することができる。
前記カム面の変倍範囲の少なくとも一部で前記カムフォロアの係合が外れ、係合を外れたレンズ群が前記カム以外の係合部材と係合する構成を含み、
前記係合部材は、前記係合が外れるレンズ群とは異なる他のレンズ群と一体に構成された部材であって、
少なくとも変倍動作時に移動する可動部材であり、
前記他のレンズ群は、前記係合が外れるレンズ群に隣接するレンズ群であり、
前記係合が外れるレンズ群のカムフォロアと前記隣接するレンズ群のカムフォロアの間に、それぞれのレンズ群を駆動する前記カム面を有するとともに、
前記係合が外れるレンズ群と前記隣接するレンズ群を、第1の弾性部材によって、お互いに引張り合うようにして前記カム面に向かって付勢し、且つ
前記係合が外れるレンズ群のカムフォロアの係合が外れる範囲で、第2の弾性部材によって、前記隣接するレンズ群のカムフォロワを前記カム面に向かって付勢することにより、変倍範囲の中で少なくともレンズ群間隔の誤差が焦点距離の大きな誤差を招く部分で、レンズ群間隔を高精度に保つことが可能となり、焦点距離の誤差を低減することができ、特に、係合部がレンズと一体的であり、簡単な構成でレンズ群間隔を高い精度で保持しつつレンズ位置を安定させることが可能となる。
本発明の請求項4のズームレンズ駆動装置によれば、請求項1〜請求項3のいずれか1項のズームレンズ駆動装置において、前記カムフォロアの係合が外れる範囲が、広角端近傍および望遠端近傍のいずれか一方であることにより、特に、使用頻度の高い望遠位置や広角位置での焦点距離の誤差を低減することができる。
本発明の請求項6のファインダによれば、請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置を少なくとも1つ用いてなることにより、特に、焦点距離の誤差を低減することができる。
本発明の請求項7のカメラによれば、請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置、請求項5のズームレンズ撮像装置および請求項6のファインダの少なくとも一部を具備することにより、特に、焦点距離の誤差を低減することができる。
図1〜図15は、本発明のズームレンズ駆動装置一つの実施の形態に係るズームファインダの構成を示している。図1は、ズームファインダの平面図、図2は、ズームファインダの斜視図、図3は、図1のA−A矢視断面図、図4は、図2、図3に示されるファインダカムのカム展開図、図5はファインダカムの斜視図、図6は、第2レンズに関連する部分の斜視図、そして図7は第2レンズと第3レンズの係合状態を示す図である。図8〜図11は、広角(ワイド)時の光学系の状態を示しており、図8は平面図、図9は図8のB−B矢視断面図、図10は側面図、そして図11は図10のC−C矢視断面図である。図12〜図15は、望遠(テレ)時の光学系の状態を示しており、このうち、図12は平面図、図13は図12のD−D矢視断面図、図14は側面図、そして図15は図14のE−E矢視断面図である。
第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3は、可動レンズであり、第4レンズ4は、固定レンズであり、第5レンズ6は、やはり固定の接眼レンズである。第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3は、いずれもレンズ本体にカムフォロワ1a、2aおよび3aを含む支持体が一体化されて構成され、図8に示すように、それぞれ第1レンズ軸12、第2レンズ軸13および第3レンズ軸14に光軸方向に沿って移動自在に嵌合保持されている。また、第1レンズ1、第2レンズ2および第3レンズ3は、第1スプリング8、第2スプリング10、ならびに第3スプリング11により、所定方向に付勢され、ファインダカム7の3つのカム面7a、7bおよび7cにそれぞれ押し付けられている。第1レンズ軸12、第2レンズ軸13および第3レンズ軸14は、ファインダ枠9に保持されており、ファインダカム7は、光軸に平行な軸線を軸としてファインダ枠9に回転自在に保持されている。ファインダ枠9は、固定側の第4レンズ4、プリズム5および第5レンズ6も、固定保持している。
ファインダカム7の端部に設けられたギヤ7dが、図示していない撮像系の鏡胴ユニットのズーム駆動装置に連結しており、ファインダカム7は、ズーム駆動装置の動作に連動して、回転駆動される。この回転により、第1レンズ1〜第3レンズ3は、カム面7a〜7cに追随し、光軸方向に沿って移動して変倍動作を行うことができる。
図4は、この実施の形態のファインダカム7におけるカムの展開図であり、(a)は、ほぼ全体を示し、(b)は(a)におけるF部の詳細を示している。第2レンズ2と第3レンズ3が最も接近する望遠(テレ)端において、第3レンズ3のカム面7cに逃げ7eが形成されている。図5に、ファインダカム7の斜視図が示されている。
また、図6に示されているように、第2レンズ2には、係合ボス2bが設けられており、望遠時に第3レンズ3が係合し得る形状となっている。広角側から望遠側までファインダカム7を駆動するときに、広角側から望遠側の直前までは第3レンズ3は、カム面7cに係合しており、それに追随して移動するが、望遠側の直前にて第2レンズ群2の係合ボス2bと係合することによって、カム面7cから係合が外れることとなる。このとき、第2レンズ2は、図7に示されるように、ファインダ枠9に固定されている第3スプリング11によって付勢されてカム面7bから係合が外れないようになっている。第3レンズ3が第2レンズ2の係合ボス2bと係合することによって、第2レンズ2と第3レンズ3との間隔は、係合ボス2bの高さ精度と第3レンズ3の受け面の位置精度のみに依存し、高い位置精度を保つことが可能である。また、第2レンズ2の係合ボス2bは、第2レンズ2のレンズ本体と一体的に形成されているため高精度を得ることが可能であることは明らかである。図7は、第2レンズ2と第3レンズ3の係合状態を示している。
以上により、変倍範囲内において、レンズがカム面から係合が外れ、隣り合う別のレンズと係合することで、レンズ間隔を高い精度で保持することが可能となり、焦点距離の誤差が少ないファインダを提供することができる。
この実施の形態は、係合し合うレンズ(第2レンズ2と第3レンズ3)が両方とも可動レンズである場合について説明したが、第3レンズ3と固定レンズである第4レンズ4との間隔精度が必要な場合には、第4レンズ4に係合ボスを設け、第3レンズ3のカムを第1レンズ1側に向いた面とし、スプリングで第4レンズ4側に付勢してカム面に係合させ、第4レンズ4に近づいたときに係合ボスと係合させるようにすれば良い。
また、上述した実施の形態は、ズームファインダを例にとって説明したが、撮像素子を持つズームレンズ撮像装置においても、回転するカム筒に上述と同様のカム面の逃げと係合ボスを設けることによって、高いレンズ間隔精度を保ち、焦点距離の誤差が少ないズームレンズ撮像装置を容易に提供することができる。
1a カムフォロワ
2 第2レンズ
2a カムフォロワ
2b ボス
3 第3レンズ
3a カムフォロワ
4 第4レンズ
5 プリズム
6 第5レンズ
7 ファインダカム
7a 第1カム面
7b 第2カム面
7c 第3カム面
7d ギヤ
8 第1スプリング
9 ファインダ枠
10 第2スプリング
11 第3スプリング
12 第1レンズ軸
13 第2レンズ軸
14 第3レンズ軸
Claims (7)
- 各々少なくとも1つのレンズを有してなる2つ以上のレンズ群と、前記レンズ群を駆動するためのカムと、前記レンズ群と一体的に形成されて前記カムのカム面に係合するカムフォロアとを備え、前記レンズ群の間隔を変化させて変倍を行うズームレンズ駆動装置において、
前記カム面の変倍範囲の少なくとも一部で前記カムフォロアの係合が外れ、係合を外れたレンズ群が前記カム以外の係合部材と係合する構成を含み、
前記係合部材は、前記係合が外れるレンズ群とは異なる他のレンズ群と一体に構成された部材であって、少なくとも変倍動作時に移動しない固定部材であることを特徴とするズームレンズ駆動装置。 - 各々少なくとも1つのレンズを有してなる2つ以上のレンズ群と、前記レンズ群を駆動するためのカムと、前記レンズ群と一体的に形成されて前記カムのカム面に係合するカムフォロアとを備え、前記レンズ群の間隔を変化させて変倍を行うズームレンズ駆動装置において、
前記カム面の変倍範囲の少なくとも一部で前記カムフォロアの係合が外れ、係合を外れたレンズ群が前記カム以外の係合部材と係合する構成を含み、
前記係合部材は、前記係合が外れるレンズ群とは異なる他のレンズ群と一体に構成された部材であって、少なくとも変倍動作時に移動する可動部材であり、
前記他のレンズ群は、前記係合が外れるレンズ群に隣接するレンズ群であり、
前記係合が外れるレンズ群のカムフォロアと前記隣接するレンズ群のカムフォロアの間に、それぞれのレンズ群を駆動する前記カム面を有するとともに、
前記係合が外れるレンズ群と前記隣接するレンズ群を、第1の弾性部材によって、お互いに引張り合うようにして前記カム面に向かって付勢し、且つ
前記係合が外れるレンズ群のカムフォロアの係合が外れる範囲で、第2の弾性部材によって、前記隣接するレンズ群のカムフォロワを前記カム面に向かって付勢することを特徴とするズームレンズ駆動装置。 - 前記カムフォロアの係合が外れる範囲は、前記係合が外れるレンズ群が前記係合部材と最も接近する範囲としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のズームレンズ駆動装置。
- 前記カムフォロアの係合が外れる範囲は、広角端近傍および望遠端近傍のいずれか一方であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のズームレンズ駆動装置。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置と、
撮像素子と、
を具備することを特徴とするズームレンズ撮像装置。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置を少なくとも1つ用いてなることを特徴とするファインダ。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項のズームレンズ駆動装置、請求項5のズームレンズ撮像装置、および請求項6のファインダの少なくとも一部を具備することを特徴とするカメラ。
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