JP4828674B2 - 粉末状の不均一物質の製造法 - Google Patents

粉末状の不均一物質の製造法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉末状の不均一物質の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
懸濁液、分散液又は乳濁液から出発し酸化物及び塩から粉末状の不均一物質を製造することは、公知である。
【0003】
噴霧乾燥機(又はこれに類似するもの)は、通常、懸濁液、分散液又は乳濁液の乾燥に利用されている。これに続くのは焼成のための回転管である。清浄化及び取り扱いによる粉末の損失、ならびにプラントの操業時間は、重要であるか又は重要である可能性があり、及び/または、個人にかかる経費は高くなる。
【0004】
回分法(例えば、マッフル炉内の容器)での乾燥及び焼成は、二者択一的に使用されている。しかしながら、この場合には、粉末の場合の拡散過程及び温度匂配により、かなり広範囲に亘り生成物の品質の危険性がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
それゆえ、前記の欠点を有しない粉末状の不均一物質の製造法を開発するという課題が課された。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、分散液、懸濁液又は乳濁液を渦巻バーナー又は層流バーナー中に導入し、この分散液、懸濁液又は乳濁液を、そこで確立された条件下で処理し、生じる反応混合物を、下流の貫流管中に導入し、粉末をそれでさらに処理し、その後に粉末を、場合によっては、洗浄器、分離器又はフィルターに供給し、場合によってはそこで処理を行い、その後に適切な装置によりさらに運搬を行うことによって特徴付けられた粉末状の不均一物質の製造法を提供するものである。
【0007】
高温流動反応器中で、分散液、懸濁液、又は乳濁液は、ガスにより運搬される粒子群として存在していてもよい。
【0008】
高温流動反応器は、不燃性熱ガスの供給によって加熱されてもよい。
【0009】
高温流動反応器は、反応空間に隣接した壁を加熱することにより、間接的に加熱されてもよい。
【0010】
この場合、加熱は、電気プラズマ及び/または誘導プラズマにより得られる。
【0011】
高エネルギーレーザー光線及び/またはマイクロ波エネルギーは、付加的に高温流動反応器に供給されてもよい。
【0012】
分散液、懸濁液又は乳濁液に加えて、不燃性反応ガス又は蒸気は、高温流動反応器に供給されてもよく、反応生成物は、分散液、乳濁液又は懸濁液の粒子表面上に付着される高度に分散性のナノ構造の固体であってもよい。
【0013】
反応生成物は、分散液、乳濁液又は懸濁液中の粒子上に均質分子層を形成することができ、この場合分散液、乳濁液又は懸濁液の粒子は、単分子層又は多分子層で被覆されている。
【0014】
不燃性反応ガス又は蒸気は、金属クロライド及び/又は有機金属化合物ならびにこれらの化合物の混合物であってもよい。
【0015】
反応空間内の温度は、100℃以上であってもよい。
【0016】
懸濁液、分散液又は乳濁液は、反応空間に軸方向に並流又は逆流で供給されてもよいか、或いは半径方向に反応空間に供給されてもよい。
【0017】
分散液、乳濁液又は懸濁液は、反応空間に半径方向に供給されてもよい。
【0018】
分散液、乳濁液又は懸濁液は、溶解された塩を有するか又有しない固体懸濁液、溶液、粉末、ペースト、融解物又は顆粒であってもよい。
【0019】
分散液、乳濁液又は懸濁液は、微細に分布された形でミスト又はジェット噴流として噴霧又は波形破砕によって空間内に計量供給される。
【0020】
図1に記載された2次ガスは、空気、酸素含有量0%〜100%の周囲空気、乾燥しているか又は湿気の多い、水蒸気、他の蒸気又はガス、窒素などであってもよい。
【0021】
バーナーはパルス燃焼部を有する公知の設計のものであってよい。このようなバーナーは東ドイツ国特許第114454号明細書に記載されている。
【0022】
高度の乱流を有するバーナーは、好ましくは、物質の運搬の改良のために使用されてもよい。特に、おそらくオーバーレイド脈動を有するであろう回転式バーナーは、利用してもよい。
【0023】
懸濁液、分散液又は乳濁液の液相は、水、アルコール、液体有機炭化水素又は有機溶媒であってもよい。
【0024】
懸濁液、分散液又は乳濁液中に固体として存在する成分は、個々に又は混合物として次のようなものであってもよい:アルミニウム、シリコン、セリウム、ジルコニウム又はチタンの酸化物、窒素化物、又は炭化物、アルミニウム、シリコン、セリウム、ジルコニウム、ランタン又はバリウムの晶出された塩、金属例えば、ニッケル、銀、パラジウム、金、ロジウム、白金、カーボンブラック、有機化合物。
【0025】
溶解されたか又は溶解されてない塩は、アルミニウム、セリウム、シリコン、ジルコニウム、チタン、ランタン、バリウム、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、カリウム、カルシウム及びアンモニウムの硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クロライド、ならびにこれらの成分の混合物であってもよい。
【0026】
可燃性のガス、例えば水素及び/又はメタンは、燃料として使用してもよい。
【0027】
バーナー内の温度は、500℃〜2000℃であってもよい。
【0028】
バーナーの後方の温度及び貫流管内における還元雰囲気又は酸化雰囲気後の温度は、酸素(燃焼空気からの)対水素の比及び流速によって、確立されていてもよい。更に、後反応性又は不活性のガス及び蒸気は管中に供給されていてもよい。
【0029】
固体の分散液、乳濁液又は懸濁液は、バーナーの火炎内に噴霧又は滴下されてもよい。
【0030】
存在するガス雰囲気中の高い温度で、水又は溶剤は蒸発し、粉末は焼成され、酸化又は還元され、及び焼結される。熱いガス相中で粉末の滞留時間は、分離装置(サイクロン、高温フィルター)によって、0.01秒から数分ほどの範囲内で変動されてもよい。質量移行及び熱伝導は、回転管又はマッフル炉の場合よりも著しく良好である。
【0031】
噴霧焼成することにより、清浄化すべき表面は、回転管での後の焼成を有する噴霧乾燥機と比較して著しく小さく、かつ物質の損失は僅かである。連続的な方法を用いることにより、生成物の品質の範囲は狭くなっている。回転管と比較すると、開始から終了までの間における損失は極めて僅かである。
【0032】
本発明による方法においては、排気フィルター/サイクロンでの生成物の品質の範囲は非常に狭いが、回転管の排気フィルター/サイクロン内の粉末は、広範囲な生成物の品質を有し、かつしばしば使用不可能である。
【0033】
排気のその場での処理は、もう一つの利点としての効果を有することができる。塩はしばしば硝酸塩、酢酸塩及びアンモニウム化合物であり、これらの分解生成物、NO、NH及びCHNOは、熱い排ガスの組成の調整により量的に減少されてもよいか又は、付加的な加熱なしに下流の触媒中で処理されてもよい。
【0034】
生成され得る生成物は不均質な粉末/顆粒である:
1 異なる酸化物/金属/窒化物/炭化物/カーボンブラックの混合された凝集塊及び/又は、混合された凝集体。
【0035】
2 酸化物/金属/窒化物/炭化物で、含浸/被覆/塗布された基礎物質(支持材料)(場合により外殻の形で)。
【0036】
3 1と2との組合せ物。
【0037】
発明により得られた物質は、延性のセラミック構成成分の製造のため、量子力学的活性を有する構成成分、特にセンサー及び光電子活性を有するエミッターの製造のための触媒として、及び触媒作用及び吸着剤のための酸素貯蔵物質、No貯蔵物質、C貯蔵物質として使用されてもよい。
【0038】
本発明による方法は、図面中により詳細に示されかつ説明されている:
図1はバーナー1を示し、このバーナーには貫流管2が接続されている。洗浄器3、分離器4、フィルター5及びファン6は貫流管2に接続されている。
【0039】
本発明による方法の場合には、分散液、懸濁液又は乳濁液、2次ガス、燃焼空気及び燃料はバーナー1中に導入される。バーナー1中で反応された反応混合物は貫流管2に導入される。還元ガス又は酸化ガスの雰囲気は、貫流管2中で確立されてもよい。反応された反応混合物は貫流管2中で、
a)分散液、懸濁液又は乳濁液は乾燥され、
b)結晶水が駆出され、
c)粉末が焼成され、この場合、硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩のような物質はガスに分解され、
d)粉末が酸化又は還元され、
e)粉末が焼結され、
f)粉末の比表面積が減少されるような程度に処理されてもよい。
【0040】
貫流管2の通過後、分散液が調整されるべき場合、又は空気との接触が妨げられるべき場合には、粉末は洗浄器3中で処理されてもよい。
【0041】
また、貫流管2からの退出後、粉末は例えば、高い温度での簡単な処理等のために、分離装置4により分離されてもよい。
【0042】
もうひとつの方法として、粉末は、高い温度での長い処理のためにフィルター5を用いて分離されてもよい。
【0043】
排ガスは、ファン6を用いて排出されてもよい。
【0044】
【実施例】
例1
窒化白金が溶解している酸化アルミニウム/水 懸濁液を、バーナー1中に導入する。懸濁液は
酸化アルミニウム 400g/l
窒化白金 10g/l
水 800g/l
を有している。
【0045】
水素を燃料として使用する。
【0046】
バーナーの温度は1200℃であり、かつ滞留時間はおよそ1秒である。
【0047】
サイクロンで分離された粉末は、乾燥されており、もはや硝酸イオンを含まない。白金が、酸化アルミニウム表面上に微細に分布された形で析出される。
【0048】
例2
酸化アルミニウム 400g/l
酢酸セリウム 100g/l
硝酸ジルコニウム 100g/l
水 800g/l
を有する水溶性懸濁液を、バーナー1中に導入する。天然ガスを燃料として使用する。バーナーの温度は1000℃である。サイクロン中で分離された粉末は、乾燥されており、酢酸イオンも硝酸イオンも含まない。酸化セリウム及び酸化ジルコニウムが、酸化アンモニウム表面上に微細に分布された形で析出される。
【0049】
例3
酸化アンモニウム 78重量%
水 20重量%
硝酸白金 2重量%
を有する湿った粉末を、900℃のバーナー温度で天然ガスを用いて処理する。
【0050】
サイクロン中で分離された粉末は乾燥されており、硝酸イオンを含まない。白金が、酸化アンモニウム表面上に微細に分布された形で析出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による方法を実施するための装置の1実施例を示す系統図。

Claims (11)

  1. 酸化物、金属、窒化物又は炭化物で被覆された支持材料を含有する粉末状の不均一物質の製造法において、
    個々に又は混合物としての、アルミニウム、シリコン、セリウム、ジルコニウム又はチタンの酸化物、窒素化物、又は炭化物、アルミニウム、シリコン、セリウム、ジルコニウム、ランタン又はバリウムの晶出された塩、ニッケル、銀、パラジウム、金、ロジウム、白金から選択される金属、カーボンブラック、または有機化合物である支持材料を形成する固体成分と
    アルミニウム、セリウム、シリコン、ジルコニウム、チタン、ランタン、バリウム、白金、ロジウム、パラジウム、イリジウム、カリウム、カルシウムもしくはアンモニウムの硝酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クロライド、またはこれらの成分の混合物である溶解された成分とを含有する分散液又は懸濁液を渦巻バーナー又は層流バーナーの中に導入し、この分散液又は懸濁液を、前記バーナー中の条件下で処理し、生じる反応混合物をさらなる処理のために下流の貫流管中に導入することを特徴とする、粉末状の不均一物質の製造法。
  2. 貫流管からの退出後、生じた粉末を洗浄器、分離器又はフィルターに供給する、請求項1記載の方法。
  3. 分散液又は懸濁液は、貫流管中でガスにより運搬される粒子群として存在することを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 貫流管を管内で起こる発熱燃焼反応により加熱することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  5. 貫流管を不燃性の熱ガスの供給により、加熱することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  6. 貫流管を反応空間に隣接した壁を加熱することにより加熱することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  7. 貫流管を電気プラズマ及び/又は誘導プラズマにより加熱することを特徴とする、請求項3記載の方法。
  8. 高エネルギーレーザー光線及び/又はマイクロ波エネルギーを付加的に貫流管に供給することを特徴とする、請求項4から7までのいずれか1項に記載の方法。
  9. 分散液又は懸濁液とともに、不燃性の反応ガス又は蒸気を貫流管に供給することを特徴とする、請求項4から7までのいずれか1項に記載の方法。
  10. 不燃性反応ガス又は蒸気は、金属クロライド及び/又は有機金属化合物ならびにこれらの化合物の混合物であることを特徴とする、請求項9記載の方法。
  11. 貫流管の温度が1000℃を上廻ることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
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