JP4825730B2 - 車両用灯火器の冷却装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用灯火器の冷却装置に関する。
車体後部にエンジンルームが備えられる車両においては、車体後面に灯火器(尾灯、制動灯,方向指示器,後退灯)が配置される。バスの場合、エンジンルームは、車体のバックパネルおよび両側のサイドパネルと、車室後部の床面から立ち上がる隔壁と、フレームに搭載されるエンジンの下面を覆うアンダカバーと、フレームの両側に敷かれるフロアパネルと、から画成される(特許文献1)。
車体後面の灯火器は、ランプボディ,前面レンズ,ランプバルブ,ランプソケット、を備える(図2、参照)。ランプボディは、ベースとリフレクタとから構成され、ランプソケットがリフレクタの中心部に配置される。ランプソケットにランプバルブが装着され、ランプボディに前面レンズが取り付けられる。車体のバックパネルに取付穴が形成され、灯火器は、この取付穴の周縁にランプボディのベース(リフレクタの周辺部分)を介して組み付けられる。
特開平10−272939号
車体後面の灯火器は、車体後部のエンジンルームを画成するバックパネルに取り付けられるため、温度環境が厳しい。灯火器を構成する部品(ランプボディ等)については、成形性の良さから樹脂が多用されるが、耐熱性を高めるため、高価な材料が必要となる。また、近年、都市部において、バスの視認性を高めるため、昼間も車体後面の灯火器を点けて運行すること(デイライト運行)が増える傾向にあり、灯火器の耐熱性を高めるため、材料費がさらに嵩みかねない、という問題点が考えられる。
この発明は、このような問題点を解決するための有効な手段の提供を目的とする。
第1の発明は、車体後部にエンジンルームが備えられ、車体後面に灯火器が配置される車両において、前記灯火器のエンジンルーム側を覆うカバーと、前記カバーの内側に冷却用の風を供給する手段と、を備えることを特徴とする。
第2の発明は、前記カバーの内側に冷却用の風を供給する手段として、エンジンルームに配置されるラジエータファンから風を取り入れてカバーの内側に供給するダクトを備えることを特徴とする。
第3の発明は、前記灯火器は、尾灯及び制動灯を備えるコンビネーションランプ、または尾灯、制動灯、方向指示器、及び、後退灯、を備えるコンビネーションランプであることを特徴とする。
第1の発明においては、冷却用の風がカバーの内側に供給され、灯火器の放熱が促進される。この冷却効果により、灯火器を構成する部品の材料として、より安価で成形性の良い樹脂材料を使用することができる。また、ある程度の高温環境(例えば、排気管やターボチャージャの近傍)においても、灯火器の配置が可能となる。つまり、灯火器のレイアウトの自由度が大きくなる。カバーの内側に冷却用の風を供給する手段としては、走行風を取り入れたり、専用のファンを設けることも考えられる。
第2の発明においては、ダクトにより、エンジンルームに配置されるラジエータファンから風を取り入れてカバーの内側に供給するので、専用のファンを用いることなく、灯火器の冷却が安価に実現できる。
第3の発明においては、カバーの内側に供給される冷却用の風により、コンビネーションランプが冷却される。風は、最も発熱量が大きい尾灯及び制動灯(夜間運行やデイライト運行に使用される)のランプソケットへ向けて供給するようにすると良い。
図に基づいて、この発明の実施形態を説明する。
図1は、バスの車体後部(エンジンルームの一部)を表すものである。11は車体後面の窓枠を構成する部材であり、12は車体の下辺に沿って配置される部材であり、部材11と部材12との間にバックパネル18が取り付けられる。13a,13bは車体後面の車幅方向の両端にそれぞれ配置される灯火器であり、14はラジエータファンである。
エンジンルーム10は、車体のバックパネル18および両側のサイドパネル(図示せず)と、車室後部の床面から立ち上がる隔壁(図示せず)と、フレームに搭載されるエンジンの下面を覆うアンダカバー(図示せず)と、フレームの両側に敷かれるフロアパネル(図示せず)と、から画成される(特許文献1、参照)。
ファン14の前面にラジエータ(図示せず)が配置される。ラジエータ前方の右サイドパネルに外気の取入口(図示せず)が形成され、バックパネル18において、ファン14の後面に対向する領域が排気口(図示せず)に形成され、ファン14の駆動により、外気が取入口からラジエータへ吸い込まれ、ラジエータを通過する風が排気口から外部へ押し出されるのである。
車体後面の灯火器13a,13bは、図2のようにランプボディ15,前面レンズ16,ランプバルブ(図示せず),ランプソケット17、を備える。ランプボディ15は、ベース15aとリフレクタ15bとから構成され、ランプソケット17がリフレクタ15bの中心部に配置される。ランプソケット17にランプバルブが装着され、ランプボディ15に前面レンジ16が取り付けられるのである。
この場合、灯火器13a,13bは、尾灯及び制動灯A,方向指示器B,後退灯C、を備えるコンビネーションランプに構成される。ランプボディ15は、樹脂からベース15aと共に各リフレクタ15bが一体成形され、そのエンジンルーム10側を覆うカバー20が備えられる。
車体のバックパネル18に灯火器13a,13bの取付穴(図示せず)が形成され、灯火器13a,13bは、その周縁にランプボディ15のベース15aを介して組み付けられる。灯火器13a,13bを冷却するため、ラジエータファン14から風を取り入れてカバー20の内側に供給するダクト21が備えられる。
22はダクトブラケットであり、カバー20の底面にフランジ22aを介して取り付けられ、そのカバー20の底壁を内側から外側へ貫通する管22aの突出部にダクト21の一端が接続される。ダクトブラケット22は、ダクト21からの風を、最も発熱量が大きい尾灯及び制動灯A(夜間運行中やデイライト運行中に使用される)のランプソケット17に向けて供給するように配置される。
ダクト21の他端は、ラジエータファン14の後面において、動圧が高い領域に開口するように配置される。図3,図4において、25はラジエータファン14の後側に設けられるシュラウドであり、26はファンプーリの軸受(図示せず)を支持するブラケットであり、シュラウド25の車幅方向の両側にステイ27が配置され、ブラケット26は、ステイ27の中央部に跨るように取り付けられる。ファンプーリは、エンジン側のプーリにベルトを介して連結され、エンジン回転によりファン14が駆動(回転)するようになっている。
21bは車体後面の左側の灯火器13bからのダクトであり、21aは同じく右側の灯火器13aからのダクトであり、各ダクト21(21a,21b)は、シュラウド25にブラケット28を介して支持される。ブラケット28は、基端部がファンプーリのステイ27の取付座と一緒にボルト29を介してシュラウド25に締め付けられ、自由端にクリップ30がボルト31により結合される。各ダクト21a,21bの他端は、ブッシュ32が嵌合され、ブラケット28のクリップ30に係止される。
ラジエータファン14の後面において、外気の取入口やラジエータを通過する風の排出口などの位置関係から、右側のステイ27の両端付近の動圧が高くなるため、各ダクト21a,21bの他端は、その領域に向けて開口するように配置されるのである。
このような構成に基づくため、灯火器13a,13bは、ラジエータファン14の後面からダクト21(21a,21b)を介して供給される風によって冷却される。冷却用の風は、ダクト21からカバー20の内側へ導かれ、最も発熱量の大きい尾灯及び制動灯Aのランプソケットに当たるため、灯火器13a,13bを効果的に冷却することができる。
この冷却効果により、灯火器13a,13bを構成する部品の材料として、より安価で成形性の良い樹脂材料を使用することが可能となる。また、ある程度の高温環境(例えば、排気管やターボチャージャの近傍)においても、灯火器13a,13bの配置が可能となり、灯火器13a,13bのレイアウトの自由度が高められるのである。
カバー20内の空気は、隙間から抜け出るが、通気孔を設けると、カバー20の内側に風を効率よく供給することができる。さらに通気孔の一端を車体のサイドパネルに開口すると、走行風により、カバー20内の空気が外部へ吸い出され、カバー20の内側に風をさらに効率よく供給することができる。
カバー20の内側に冷却用の風を供給する手段としては、走行風を取り入れたり、専用のファンを設けることも考えられるが、この実施形態においては、ダクト21により、ラジエータファン14から風を取り入れてカバー20の内側に供給するので、専用のファンを用いることなく、灯火器13a,13bに対する冷却効果が安価に得られるのである。
この発明の実施形態を表す車体後部の構成説明図である。 同じく灯火器の構成を説明する断面図である。 同じくラジエータファンの右側面図である。 同じくラジエータファンの斜視図である。
符号の説明
10 エンジンルーム
13a,13b 灯火器
14 ラジエータファン
15 ランプボディ
16 前面レンズ
17 ランプソケット
18 バックパネル
20 カバー
21(21a,21b) ダクト
25 ファンシュラウド

Claims (3)

  1. 車体後部にエンジンルームが備えられ、車体後面に灯火器が配置される車両において、前記灯火器のエンジンルーム側を覆うカバーと、前記カバーの内側に冷却用の風を供給する手段と、を備えることを特徴とする車両用灯火器の冷却装置。
  2. 前記カバーの内側に冷却用の風を供給する手段として、エンジンルームに配置されるラジエータファンから風を取り入れてカバーの内側に供給するダクトを備えることを特徴とする請求項1に係る車両用灯火器の冷却装置。
  3. 前記灯火器は、尾灯及び制動灯を備えるコンビネーションランプ、または尾灯、制動灯、方向指示器、及び、後退灯、を備えるコンビネーションランプであることを特徴とする請求項1または請求項2に係る車両用点灯器の冷却装置。
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