JP4823894B2 - 新規水溶性プロドラッグ - Google Patents

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Description

本発明は、新規な水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物に関する。また本発明は、これらを含有する医薬組成物、またはこれらを水溶液中に含有する溶液状製剤に関する。
カンプトテシン類、タキサン類、抗癌ヌクレオチドなどは、広範な腫瘍細胞に対して活性を有し、抗ガン剤の治療剤として期待されている(特許文献1、2)。これらの化合物は、脂溶性の高いものが多く、その低い水溶性のため、注射(非経口投与)での使用が制限される場合があった(特許文献1)。
このような脂溶性薬剤の水への可溶化のため、水溶性プロドラッグの研究も報告されている(非特許文献1、特許文献1)。
WO03/043631 WO03/045952 Shan et al, J.Pharm.Sci.,86(7),765-767,1997
従来、脂溶性薬剤の水溶性プロドラッグは、その多くは、投与後に、主に酵素により活性化体に変換されるが、投与後一定時間経過後に活性化体に変換される為、変換に種間差や個体差が認められ、開発の一つのさまたげとなっていた。このため、非経口投与が可能な水溶性プロドラッグであって、酵素変換によらない種間差や個体差の小さいプロドラッグが求められていた。
また、血中において活性体への変換速度及び効率が十分でない場合があり、薬剤の血中濃度上昇時間の短縮化が求められていた。
すなわち、本発明は、非経口投与が可能な水溶性プロドラッグであって、酵素変換によらない種間差や個体差の小さい、活性体への変換速度及び効率に優れたプロドラッグを提供することを課題とする。
本件発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意研究した結果、特定構造の可溶性側鎖を有するプロドラッグ化合物が、優れた水溶性を示し、しかも化学的変換により迅速に活性体に変換されることにより、種間差や個体差が小さくなることを見出し本件発明を完成するに至った。特に本件発明は、カンプトテシン類等の2級アルコール性水酸基あるいは3級アルコール性水酸基を有する水に難溶性の薬剤への適用に極めて有用である。
すなわち本件発明は、以下を含む。
〔1〕 下記一般式(1)
Figure 0004823894
(式中、R1は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し;
Wは、3級アミノ基を含む2価の基またはスルホニル基を含む2価の基を示し;
Yは、Y−OHで表されるアルコール性水酸基を有する化合物の残基である。)で表される水溶性プロドラッグ、もしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔2〕 前記水溶性プロドラッグが下記一般式(2)
Figure 0004823894
〔式中、R1およびYは前記式(1)と同意義であり;
XはC=OまたはC1−C3アルキレン基を示し;
2およびR4はそれぞれ独立に水素原子、C1−C6アルキル基またはアミノ酸側鎖を示し;
3はC1−C6アルキル基を示す。〕で表される、〔1〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔3〕 前記R1が水素原子、メチル基またはエチル基である、〔2〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔4〕 前記R2が水素原子またはメチル基である、〔2〕または〔3〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔5〕 前記R3がC1−C3アルキル基である、〔2〕〜〔4〕のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔6〕 前記R4が水素原子またはメチル基である、〔2〕〜〔5〕のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔7〕 前記水溶性プロドラッグが下記一般式(3)
Figure 0004823894
〔式中、R1およびYは前記式(1)と同意義を示し;
nは1〜6の整数を示し;
5は水素原子または−COOR6(式中、R6は水素原子、C1−C6アルキル基を示す。)〕で表される、〔1〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔8〕 前記R1が水素原子、メチル基またはエチル基である、〔7〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔9〕 前記nが1であって、前記R5が水素原子または−COOR6(式中、R6は水素原子、またはC1−C6アルキル基を示す。)である、〔7〕または〔8〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔10〕 前記nが2〜6のいずれかの整数であって、前記R5が水素原子である、〔7〕または〔8〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔11〕 前記Y−OHの該水酸基(−OH)が2級または3級アルコール性水酸基である、〔1〕〜〔10〕に記載の水溶性プロドラッグ、もしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔12〕 前記Y−OHが難溶性化合物である、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔13〕 前記Y−OHがカンプトテシン類、アゾール系抗真菌剤類、タキサン類または抗癌ヌクレオチド類である、〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔14〕 前記Yが、下記一般式(4)
Figure 0004823894
〔式中、*は結合位置を示し;
mは0または1であり;
11は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基であり;
12は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基または水酸基であり;
13は水素原子、アミノ基、ニトロ基または(ジメチルアミノ)メチル基であり;
14は水素原子、C1−C6アルキル基、(4−メチルピペラジニル)メチル基または(tert-ブトキシイミノ)メチル基であり;
13およびR14、R11およびR12は、それぞれ、互いに結合して5員環または6員環を形成していてもよく、該5員環または6員環は1〜2個のヘテロ原子を含んでもよく、該5員環または6員環は下記A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよく、該A群の置換基はさらに下記B群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
A群:C1−C10アルキル基、アミノ基、モノC1−C8アルキルアミノ基、ジC1−C8アルキルアミノ基、C1−C8アルコキシ基、C1−C8アルキルチオ基、X=で表される基(式中Xは酸素原子または硫黄原子を示す。);
B群:C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環は、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、およびジC1−C6アルキルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)。〕で表される基である、請求項1〜13のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔15〕 前記Yが、下記一般式(5)
Figure 0004823894
{式中、*は結合位置を示し、R11およびR12は、請求項14に記載のR11およびR12とそれぞれ同意義であり;
Zは−NH−C(=X)−N(R21)−または−N=C(R22)−N(R21)−である〔式中、R21は、水素原子または下記B群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−C10アルキル基を示し、
B群:C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環は、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、およびジC1−C6アルキルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。);
22は、水素原子、アミノ基、または下記C群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基を示し、
C群:C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環またはアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基またはジC1−C6アルキルアミノ基からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。);
Xは酸素原子または硫黄原子を示す。〕}で表される基である、〔14〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔16〕 前記Yが、下記一般式(6)
Figure 0004823894
〔式中、*は結合位置を示し、R11、R12、R21は、〔15〕に記載のR11、R12、R21とそれぞれ同意義である。〕で表される基である、〔15〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔17〕 前記R11およびR12が水素原子であり;
前記R21が水素原子、または下記D群から選択される置換基を有していてもよいC1−C8アルキル基である、〔16〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物;
D群:C1−C3アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C3アルキルアミノ基、ジC1−C3アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
〔18〕 前記Yが、下記からなる群から選択される少なくとも1種のアルコール性水酸基を有する化合物(Y−OH)の残基である、〔16〕または〔17〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物:
a)(9S)-1-ブチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
b)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-モルホリノ)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
c)(9S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
d)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
e)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(ピリジン-2-イル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
f)(9S)-9-エチル-1-ヘプチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
g)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-プロピル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
h)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(ピリジン-3-イル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
i)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
j)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
k)(9S)-9-エチル-1-ヘキシル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
l)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
m)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-メトキシフェニル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
n)(9S)-1-ベンジル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
o)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
p)(9S)-1,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
q)(9S)-1-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
r)(9S)-9-エチル-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
s)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(1-メチルエチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;および
t)(9S)-1-(3,3-ジメチルブチル)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン。
〔19〕 前記Yが、下記一般式(7)
Figure 0004823894
〔式中、*は結合位置を示し、R11、R12、R21は、〔15〕に記載のR11、R12、R21とそれぞれ同意義である。〕で表される基である、〔15〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔20〕 前記R11およびR12が水素原子であり;
前記R21が水素原子、または下記D群から選択される置換基を有していてもよいC1−C8アルキル基である、〔19〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物;
D群:C1−C3アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C3アルキルアミノ基、ジC1−C3アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
〔21〕 前記Yが、下記からなる群から選択される少なくとも1種のアルコール性水酸基を有する化合物(Y−OH)の残基である、〔19〕または〔20〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物:
a)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2(3H)-チオン-10,13(9H,15H)-ジオン;
b)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2(3H)-チオン-10,13(9H,15H)-ジオン;および
c)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2(3H)-チオン-10,13(9H,15H)-ジオン。
〔22〕 前記Yが、下記一般式(8)
Figure 0004823894
〔式中、*は結合位置を示し、R11、R12、R21、R22は、〔15〕に記載のR11、R12、R21、R22とそれぞれ同意義である。〕で表される基である、〔15〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔23〕 前記R11が水素原子であり;
前記R12が水素原子またはC1−C3アルキル基であり;
前記R21が、水素原子または下記D群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−C8アルキル基であり;
前記R22が、水素原子、アミノ基、または下記D群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基である、〔22〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物;
D群:C1−C3アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C3アルキルアミノ基、ジC1−C3アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
〔24〕 前記Yが、下記からなる群から選択される少なくとも1種のアルコール性水酸基を有する化合物(Y−OH)の残基である、〔22〕または〔23〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物:
a)(9S)-1-ブチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
b)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-モルホリノ)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
c)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-プロピル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
d)(9S)-1-ベンジル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
e)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
f)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
g)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
h)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
i)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
j)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
k)(9S)-9-エチル-1-ヘプチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
l)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-メチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
m)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
n)(9S)-9-エチル-1-ヘキシル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
o)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
p)(9S)-1,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
q)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-メトキシフェニル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)- ジオン;
r)(9S)-1-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
s)(9S)-9-エチル-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
t)(9S)-9-エチル-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-9-ヒドロキシ-2-メチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
u)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(1-メチルエチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
v)(9S)-1-(3,3-ジメチルブチル)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
w)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-メトキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
x)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
y)(9RS)-9-エチル-9-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
z)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
aa)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
bb)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-メチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
cc)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
dd)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-2-プロピル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ee)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ff)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
gg)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
hh)(9S)-2-クロロメチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ii)(9S)-2-アミノメチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
jj)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-2-トリフルオロメチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
kk)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-2-メチルチオ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ll)(9S)-9-エチル-2-エチルチオ-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
mm)(9S)-2-(ジメチルアミノ)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;および
nn)(9S)-2-(ブチルアミノ)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン。
〔25〕 前記アゾール系抗真菌剤類が、トリアゾール類である、〔13〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
〔26〕 前記トリアゾール類が、下記からなる群から選択される少なくとも1種である、〔25〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物:
a) 2-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル]-4-[4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)フェニル]-3(2H,4H)-1,2,4-トリアゾロン、
b) (+)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール -1-イル)-3-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリダジン-3-イルチオ)ブタン-2-オール、
c) (2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-[3-[(E)-4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)-スチリル]-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)]プロパン-2-オール、
d) dl-スレオ-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-メチル-スルフォニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-ブタン-2-オール、
e) (-)-4-[4-[4-[4-[[5-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)テトラヒドロフラン-3-イル]メトキシ]フェニル]ピペラジニル]フェニル]-2[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン、
f) (2R,3R)-3-[4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル]]-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-ブタン-2-オール、
g) 3-メチル-3-メチルチオ-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-(トリフルオロメチルフェニル)-ブタン-2-オール、
h) (2R,3R)-3-[4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル]]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-(2,4,5-トリフルオロフェニル) -ブタン-2-オール、
i) (2R,3R)-3-[4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル]]-2-(3-フルオロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-ブタン-2-オール、
j) (2R,3R)-3-[4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル]]-2-(2,5-ジフルオロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-ブタン-2-オール。
〔27〕 前記一般式(1)で表される水溶性プロドラッグが下記からなる群から選択される少なくとも1種である、〔1〕に記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物:
(a) (9S)−9−エチル−9−{[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−アセトキシ}−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(b) (9S)−9−エチル−9−(グリシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(c) (9S)−9−{[(2−アミノ−エチル)−メチル−アミノ]−アセトキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(d) (9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(e) (9S)−9−[2−(2−アミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(f) (アミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル、
(g) (9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(h) (9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(i) (9S)−9−エチル−9−(N−メチルアラニル−N−メチルアラニルオキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(j) (9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−N−メチルアラニルオキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン。
〔28〕 〔1〕〜〔27〕のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物を有効成分として含有する、医薬組成物。
〔29〕 〔14〕〜〔24〕のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物を有効成分として含有する、細胞増殖性障害治療剤。
〔30〕 前記細胞増殖性障害が癌である、〔29〕に記載の細胞増殖性障害治療剤。
〔31〕 前記癌が固形腫瘍である、〔30〕に記載の細胞増殖性障害治療剤。
〔32〕 前記癌が結腸直腸癌、肺癌、乳癌、胃癌、子宮頸癌および/または膀胱癌である、〔30〕または〔31〕に記載の細胞増殖性障害治療剤。
〔33〕 〔25〕〜〔27〕のいずれかに記載の水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物を有効成分として含有する、抗真菌剤。
〔34〕 下記一般式(2)
Figure 0004823894
〔式中、XはC=OまたはC1−C3アルキレン基を示し;
Yは、Y−OHで表されるアルコール性水酸基を有する化合物の残基を示し;
1は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し;
2およびR4はそれぞれ独立に水素原子、C1−6アルキル基またはアミノ酸側鎖を示し;
3はC1−C6アルキル基を示す。〕で表される水溶性プロドラッグ、もしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物を製造するための、下記一般式(9)
Figure 0004823894
〔式中、X、R1、R2、R3、R4は前記式(2)と同意義を示し、R1が結合する窒素原子は、保護基で保護されていてもよく、R7は、ハロゲン原子またはOR8(式中、R8は水素原子またはC1−C6アルキル基を示す。)で表される基を示す。〕で表される化合物の使用。
〔35〕 下記一般式(9)
Figure 0004823894
〔式中、XはC=OまたはC1−C3アルキレン基を示し;
1は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し;
1が結合する窒素原子は、保護基で保護されていてもよく;
2およびR4はそれぞれ独立に水素原子、C1−6アルキル基またはアミノ酸側鎖を示し;
3はC1−C6アルキル基を示し;
7は、ハロゲン原子またはOR8(式中、R8は水素原子またはC1−C6アルキル基を示す。)で表される基を示す。〕で表される化合物と、
Y−OHで表されるアルコール性水酸基を有する化合物とを反応させて、
下記一般式(2)
Figure 0004823894
〔式中、X、R1、R2、R3、R4は前記式(9)と同意義を示し、Yは、前記Y−OHで表されるアルコール性水酸基を有する化合物の残基を示す。〕で表される化合物を得る、前記式(2)で表される化合物の製造方法。
〔36〕 下記一般式(9)
Figure 0004823894
〔式中、XはC=OまたはC1−C3アルキレン基を示し;
1は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し;
1が結合する窒素原子は、保護基で保護されていてもよく;
2およびR4はそれぞれ独立に水素原子、C1−6アルキル基またはアミノ酸側鎖を示し;
3はC1−C6アルキル基を示し;
7は、ハロゲン原子またはOR8(式中、R8は水素原子またはC1−C6アルキル基を示す。)で表される基を示す。〕で表される化合物、もしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物。
本明細書における「アルキル基」とは、脂肪族炭化水素から任意の水素原子を1個除いて誘導される1価の基であり、骨格中にヘテロ原子または不飽和炭素−炭素結合を含有せず、水素および炭素原子を含有するヒドロカルビルまたは炭化水素基構造の部分集合を有する。アルキル基は直鎖状および分枝鎖状の構造を含む。
「C1−C3アルキル基」とは、炭素原子数が1〜3個のアルキル基を示し、「C1−C6アルキル基」とは、炭素原子数が1〜6個のアルキル基を示し、「C1−C8アルキル基」とは、炭素原子数が1〜8個のアルキル基を示し、「C1−C10アルキル基」とは、炭素原子数が1〜10個のアルキル基を示す。
「アルキル基」としては、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、2,3−ジメチルプロピル基、ヘキシル基、2,3−ジメチルヘキシル基、1,1−ジメチルペンチル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられる。
本明細書における「アルキレン基」は、前記「アルキル基」からさらに任意の水素原子を1個除いて誘導される二価の基を意味し、アルキレン基としては好ましくはC1−C3アルキレン基、さらに好ましくはC1−C2アルキレン基が挙げられる。アルキレン基としては具体的には、たとえば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,1−エチレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。
本明細書における「アルコキシ基」は、基−O−R'を意味し、R'は前記定義のアルキル基である。たとえば「C1−C6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペントキシ基、3−メチルブトキシ基、2,2−ジメチルプロポキシ基などが挙げられる。
本明細書における「アルキルチオ基」は、基−S−R'を意味し、R'は前記定義のアルキル基である。たとえば「C1−C8アルキルチオ基」としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基などが挙げられる。
本明細書における「ヒドロキシ基」は、基HO−を意味する。
本明細書における「ハロゲン原子」は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子を意味する。
本明細書における「アミノ基」は、基NH2−を意味し、ホルミル、アセチル、トリチル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニルなどの当技術分野における公知の基で保護されたアミノ基を含む。アミノ基のうち好ましくはNH2−である。
本明細書における「モノアルキルアミノ基」は、基-NH-R'を意味し、R'は上記定義のアルキル基であり、ホルミル、アセチル、トリチル、tert-ブトキシカルボニル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニルなどの当技術分野における公知の基で保護されたアミノ基を含む。たとえば「モノC1−C6アルキルアミノ基」としては、好ましくはN-メチルアミノ基、N-エチルアミノ基、N-プロピルアミノ基、N-イソプロピルアミノ基、N-ブチルアミノ基、N-(1-メチルプロピル)アミノ基、N-(2-メチルプロピル)アミノ基、N-ペンチルアミノ基などが挙げられ、より好ましくはN-エチルアミノ基、N-プロピルアミノ基、N-ブチルアミノ基などが挙げられる。
本明細書における「ジアルキルアミノ基」は、基-NR'R''を意味し、R'およびR''は(互いに独立に)上記定義のアルキル基である。たとえば「ジC1−C6アルキルアミノ基」としては、好ましくはN,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基、N,N-ジプロピルアミノ基、N,N-ジイソプロピルアミノ基、N,N-ジブチルアミノ基、N-メチル-N-エチルアミノ基、N-メチル-N-プロピルアミノ基などが挙げられ、より好ましくはN,N-ジメチルアミノ基、N,N-ジエチルアミノ基が挙げられる。
本明細書における「3級アミノ基」は、アミノ基の全ての水素原子が置換されている基を意味する。
本明細書における「スルホニル基」は、−SO2−で表される基を意味する。
本明細書における「アルコール由来の残基」とは、Y−OHで表されるアルコールのうちの、Yで表される部分を意味する。
本明細書における「C3−C7シクロアルキル基」という用語は、環にいかなるヘテロ原子も含まない、3から7員環を意味する。「シクロアルキル基」としては、好ましくはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基など、より好ましくはシクロペンチル基およびシクロヘキシル基が挙げられる。
本明細書における「複素環」は、N、SおよびOから選択される1つまたは複数のヘテロ原子を含む3から10員環、好ましくはオキサゾリル基、チアゾリル基、4,5-ジヒドロオキサゾリル基、4,5-ジヒドロチアゾリル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピロリジニル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロフリル基、モルホリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、1-メチルピペラジニル基など、より好ましくはイミダゾリル基、ピリジル基、モルホリニル基およびピロリジニル基が挙げられる。
本明細書における「アリール環」は、芳香族炭素環基、すなわち6〜10員環の芳香環または部分的芳香環、例えばフェニル、ナフチルまたはテトラヒドロナフチル、好ましくはフェニルまたはナフチル、最も好ましくはフェニルを意味する。
本明細書における「フェニル-C1−C8アルキル基」とは、前記C1−C8アルキル基の水素原子の一つをフェニル基で置換した基を意味する。
本明細書における「複素環-C1−C8アルキル基」とは、前記C1−C8アルキル基の水素原子の一つを前記複素環で置換した基を意味する。
本明細書における「アルコキシフェニルC1−C8アルキル基」とは、前記C1−C8アルキル基の水素原子の一つをアルコキシフェニル基で置換した基を意味する。「アルコキシフェニル基」は、前記フェニル基の水素原子の一つを前記アルコキシ基で置換した基を示す。
本明細書における「ハロゲンフェニルC1−C8アルキル基」とは、前記C1−C8アルキル基の水素原子の一つを前記ハロゲン原子で置換した基を意味する。
「医薬的に許容される塩」とは、式(1)で表される水溶性プロドラッグの生物学的有効性および性質を保持し、かつ適当な非毒性有機もしくは無機酸または有機もしくは無機塩基から形成される、通常の塩を意味する。
酸付加塩には塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸および硝酸などの無機酸由来のもの、ならびにp-トルエンスルホン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸などの有機酸由来のものが含まれる。
塩基付加塩には水酸化カリウム、ナトリウム、アンモニウム、および水酸化テトラメチルアンモニウムなどの水酸化四級アンモニウム由来のものが含まれる。
また、本発明の水溶性プロドラッグは、大気中に放置しておくことにより、水分を吸収し、吸着水が付いたり、水和物となったりする場合があり、そのような水和物も本発明に包含される。
さらに、本発明の水溶性プロドラッグは、他のある種の溶媒を吸収し、溶媒和物となる場合があるが、そのような溶媒和物も本発明に包含される。
本明細書において「アミノ酸側鎖」としては、天然アミノ酸側鎖または非天然のアミノ酸側鎖が挙げられる。
「天然のアミノ酸側鎖」は、好ましくはメチル基、イソプロピル基、2-メチルプロピル基、1-メチルプロピル基、ベンジル基、インドール-3-イルメチル基、2-(メチルチオ)エチル基および4-アミノブチル基、3-アミノプロピル基などの天然アミノ酸の側鎖が挙げられ、より好ましくはメチル基、2-メチルプロピル基、ベンジル基およびインドール-3-イルメチル基などの天然親油性アミノ酸の側鎖が挙げられる。
「非天然アミノ酸側鎖」は、好ましくはC5−C12アルキル基、シクロアルキルメチル基、置換または無置換アリールメチル基、(シクロアルキルチオ)メチル基、rが1または2の整数であるアルキルチオ-(CH2)r-などが挙げられる。
上記において「C5−C12アルキル基」は、5から12個の炭素原子を含む直鎖または分枝アルキル鎖;より好ましくはn-オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基およびドデシル基などのC8−C12直鎖アルキル鎖が挙げられる。
「アルキルチオ-(CH2)r-」は、エチルチオメチル基、エチルチオエチル基、n-プロピルチオメチル基、n-ブチルチオメチル基、n-ペンチルチオメチル基、n-オクチルチオメチル基、n-ノニルチオメチル基、n-デシルチオメチル基、tert-ブチルチオメチル基などの2から10個の炭素原子を含む直鎖、分枝アルキル鎖を有するアルキルチオメチル基またはアルキルチオエチル基;より好ましくはエチルチオエチル基、n-プロピルチオメチル基およびn-ブチルチオメチル基が挙げられる。
「置換または無置換アリールメチル基」は、好ましくは4-フェニルベンジル基、ナフト-2-イルメチル基、[4-(4-ヒドロキシフェノキシ)フェニル]メチル基および(4-低級-アルコキシフェニル)メチル基(「低級-アルコキシ」という用語は1から6個の炭素原子を含む直鎖または分枝アルキル鎖;好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基およびイソプロポキシ基を意味する)が挙げられる。「置換または無置換アリールメチル基」の最も好ましい態様は、4-フェニルベンジル基、ナフト-2-イルメチル基、(4-メトキシフェニル)メチル基および[4-(4-ヒドロキシフェノキシ)フェニル]メチル基である。
本明細書における「難溶性化合物」とは水に難溶な全ての化合物を意味し、好ましくは蒸留水に対する溶解度が1mg/ml以下、さらに好ましくは、蒸留水に対する溶解度が0.1mg/ml以下である化合物が挙げられる(該溶解度は「第十四改正日本薬局方通則23」に準ずる。)。このような化合物として、たとえば、カンプトテシン類、アゾール系抗真菌剤類、タキサン類、抗癌ヌクレオチド類などが挙げられる。
本明細書における「可溶性側鎖」は、「Y」に結合する基、たとえば式(1)においては「R1−NH−W−CO−O−」を意味する。
本明細書における「活性体」は、水溶性プロドラッグもしくはその医薬的に許容し得る塩、またはこれらの水和物もしくは溶媒和物が加水分解した化合物(Y−O−)を示す。
本発明において「タキサン類」は、タキソール[Front. Biotechnol. Pharm. (2000), 1, 336-348]、タキソテール[J. Med. Aromat. Plant Sci. (2001), 22/4A-23/lA 4-5]IDN 5109[Chirality, (2000), 12(5/6), 431-441]、BMS 188797[Clinical Cancer Research. 5 (suppl.), 3859, Nov 1999]、BMS184476[J. Clinical Oncology19:2493-2503, 1 May 2001]を意味する。
本明細書において「カンプトテシン類」[(a) Cancer Chemotherapy and Biotherapy: Principle and Practice, 第2版, Lippincott-Ravenmeans, p.463-484、(b)Biochim. Biophys. Acta (1998), 1400(1-3), 107-119、(c)Expert Opinion, Investig.. Drugs (2004)13(3), pages 269-284]は、カンプトテシン、SN-38、9-アミノカンプトテシン、9-ニトロカンプトテシン、BN-80915[Anti-cancer Drugs (2001), 12(1), 9-19]や、上記文献に記載されたカンプトテシン誘導体などのカンプトテシン骨格を有するいかなる化合物も意味する。
本明細書において「抗癌ヌクレオシド類」は、DFDC(ゲムシタビン)、DMDC[Clin. Cancer Res. (2000), 6(6), 2288-2294]、FMDC[Curr. Opin. Invest. Drugs (PharmaPress Ltd.) (2000), 1(1), 135-140]、Ara-C、デシタビン[IDrugs (2000), 3(12), 1525-1533]、トロキサシタビン[Clin. Cancer Res. (2000), 6(4), 1574-1588]、2'-シアノ-2'-デオキシシチジン(CNDAC)、3'-エチニルシチジン(TAS106)[Jpn. J. Cancer Res. (2001), 92(3), 343-351]、5-フルオロ-5'-デオキシシチジン[Bioorg. Med. Che. Lett., (2000), 8, 1697-1706]、5-ビニル-5'-デオキシシチジンなどのシチジン誘導体[Cancer Chemotherapy and Biotherapy: Principle and Practice, 第2版, Lippincott-Ravenmeans, p.213-233]またはフルダラビン、クラドリビンなどのアデノシン誘導体[Cancer Chemotherapy and Biotherapy: Principle and Practice, 第2版, Lippincott-Ravenmeans, p.235-252]を意味する。
本明細書において「細胞増殖性障害」とは、細胞内シグナル伝達系またはある種の蛋白質のシグナル伝達機構における欠陥によって引き起こされる障害を意味し、たとえば、癌を含む。
本発明の前記式(1)で表されるプロドラッグのうち、好適な化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
前記式(1)で表される水溶性プロドラッグのうち、前記(2)または(3)で表される化合物が好ましい。
前記式(2)で表される化合物において、前記R1は、好ましくは、水素原子、メチル基またはエチル基であり、さらに好ましくは、水素原子またはメチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
前記Xは、好ましくはカルボニル基またはメチレン基であり、さらに好ましくはカルボニル基である。
前記R2は好ましくは水素原子またはメチル基である。
前記R4は好ましくは水素原子またはメチル基である。
前記R3は好ましくはC1−C3アルキル基であり、さらに好ましくはメチル基またはエチル基であり、特に好ましくはメチル基である。
このような、式(2)で表される化合物において可溶性側鎖部分を構成する、X、R1〜R4の好ましい組み合わせとしては下記のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004823894
Figure 0004823894
式(2)において、表1のうち好ましくは、例示番号1、2、3、4に含まれる可溶性側鎖を有する化合物、さらに好ましくは、例示番号1、2に含まれる可溶性側鎖を有する化合物が挙げられる。
このような可溶性側鎖を有していると、Y−OHが難溶性の化合物であっても、優れた水溶性を有する化合物とすることができ、しかも、該水溶性プロドラッグは、たとえば、pHが4以下の溶液中では長時間安定に存在するが、pH5以上、特にpH7−8の生理的条件化では、短時間で速やか、かつ定量的に2級あるいは3級のアルコール性水酸基に由来する活性化体を遊離することができる。
前記式(3)で表される化合物において、前記R1は、好ましくは、水素原子、メチル基またはエチル基であり、さらに好ましくは、水素原子またはメチル基であり、特に好ましくは水素原子である。
式(3)中、nは好ましくは1〜3であり、さらに好ましくは1である。
nが1のとき、R5としては、好ましくは水素原子、−COOR6(R6はC1−C3アルキル基)であり、さらに好ましくは水素原子、−COOCH3、−COOC25である。
nが2〜6のとき、R5は、好ましくは水素原子である。
このような、式(3)で表される化合物において可溶性側鎖部分を構成する、n、R1、R5の好ましい組み合わせとしては下記のものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0004823894
Figure 0004823894
式(3)において、表2のうち好ましくは、例示番号1、2、3、4、5、6に含まれる可溶性側鎖を有する化合物、さらに好ましくは、例示番号1、3、4に含まれる可溶性側鎖を有する化合物が挙げられる。
このような可溶性側鎖を有していると、Y−OHが難溶性の化合物であっても、優れた水溶性を有する化合物とすることができ、しかも、該水溶性プロドラッグは、たとえば、pHが4以下の溶液中では長時間安定に存在するが、pH5以上、特にpH7−8の生理的条件化では、短時間で速やか、かつ定量的に2級あるいは3級のアルコール性水酸基に由来する活性化体を遊離することができる。
本発明において、式(1)中のYは、Y−OHで表されるアルコール性水酸基を有する化合物の残基である。
該Y−OHの該水酸基は、2級または3級のアルコール性水酸基であることが好ましい。このようなY−OHは難溶性化合物であってもよく、前記基を有していることにより、難溶性であっても優れた水溶性を示す。しかも、たとえばpHが4以下の溶液中では長時間安定に存在するが、pH5以上、特にpH7−8の生理的条件化では、短時間で速やかにかつ定量的にアルコール性水酸基に由来する活性化体(Y−O−)を遊離することができる。
本発明の前記式に含まれる可溶性側鎖を適用できるY−OHは、アルコール性水酸基を有する化合物、好ましくは2級または3級のアルコール性水酸基、さらに好ましくは3級のアルコール性水酸基を有するものであればよく特に限定されない。
このような化合物としては、たとえば、好ましくはカンプトテシン類、アゾール系抗真菌剤類、タキサン類、抗癌ヌクレオチド類などが挙げられる。
カンプトテシン類
このうち、たとえば、カンプトテシン類に由来する基としては、下記のYで表される基が挙げられる。
前記Yが、下記一般式(4)で表される基。
Figure 0004823894
式中、*は結合位置を示し;
mは0または1であり;
11は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基であり;
12は水素原子、ハロゲン原子、C1−C6アルキル基または水酸基であり;
13は水素原子、アミノ基、ニトロ基または(ジメチルアミノ)メチル基であり;
14は水素原子、C1−C6アルキル基、(4−メチルピペラジニル)メチル基または(tert-ブトキシイミノ)メチル基であり;
13およびR14、R11およびR12は、それぞれ、互いに結合して5員環または6員環を形成していてもよく、該5員環または6員環は1〜2個のヘテロ原子を含んでもよく、該5員環または6員環は下記A群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよく、該A群の置換基はさらに下記B群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい;
A群:C1−C10アルキル基、アミノ基、モノC1−C8アルキルアミノ基、ジC1−C8アルキルアミノ基、C1−C8アルコキシ基、C1−C8アルキルチオ基、X=で表される基(式中Xは酸素原子または硫黄原子を示す。);
B群:C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環は、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、およびジC1−C6アルキルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)
前記式(4)で表される基において、アルコール性水酸基由来の酸素原子が結合する炭素の立体化学はS配置であることが好ましい。
このうち、式(4)で表される化合物の好ましい態様として、R11は好ましくは水素原子、R12は好ましくは水素原子または水酸基で、R13が水素原子または(ジメチルアミノ)メチル基であり、R14が水素原子またはエチル基のものが挙げられる。
式(4)で表される化合物としては、たとえば下記の化合物が挙げられる。
4(S)−エチル−4−ヒドロキシー1H−ピラノ[3'、4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオン(カンプトテシン)。
9−アミノカンプトテシン、
9−ニトロカンプトテシン、
5(R)−エチル−9,10−ジフルオロ−1,4,5,13−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−3H,15H−オキセピノ[3'、4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,15−ジオン(BN−80915)、
7−エチル−10−ヒドロキシカンプトテシン(SN−38)。
式(4)で表される化合物のうち、他の好ましい態様としては、前記Yが、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0004823894
式中、*は結合位置を示し、R11およびR12は、前記式(4)のR11およびR12とそれぞれ同意義である。
Zは−NH−C(=X)−N(R21)−または−N=C(R22)−N(R21)−である。
式中、R21は、水素原子または下記B群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−C10アルキル基を示す;
B群:C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環は、ヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、およびジC1−C6アルキルアミノ基からなる群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
式中、R22は、水素原子、アミノ基、または下記C群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基を示す;
C群:C1−C6アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環またはアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C6アルコキシ基、アミノ基、モノC1−C6アルキルアミノ基またはジC1−C6アルキルアミノ基からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
式中、Xは酸素原子または硫黄原子を示す。
さらに、前記Yが、前記一般式(5)で表される化合物のうち、好ましくは、前記Yが、一般式(6)、(7)または(8)で表される化合物が挙げられる。
前記Yが、下記一般式(6)で表される基である水溶性プロドラッグは下記の通りである。
Figure 0004823894
式中、R11、R12、R21は、前記式(4)、(5)のR11、R12、R21とそれぞれ同意義である。
式(6)において、前記R11およびR12は、好ましくは水素原子である。
前記R21は、好ましくは水素原子、または下記D群から選択される置換基を有していてもよいC1−C8アルキル基である。
D群:C1−C3アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C3アルキルアミノ基、ジC1−C3アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
21は、さらに好ましくはC1−C8アルキル基、フェニル-C1−C8アルキル基、複素環-C1−C8アルキル基、アルコキシフェニルC1−C8アルキル基またはハロゲン化フェニルC1−C8アルキル基である。
21は、より好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、1-メチルエチル基、n-ブチル基、1,1-ジメチルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ペンチル基、3-メチルブチル基、2-n-ヘキシル基、3,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、ベンジル基、フェネチル基、2-(ジメチルアミノ)エチル基、2-(4-モルホリノ)エチル基、3-(ジメチルアミノ)プロピル基、2-(ピリジン-2-イル)エチル基、2-(ピリジン-3-イル)エチル基、2-(4-メトキシフェニル)エチル基、2-(4-クロロフェニル)エチル基、2-(4-フルオロフェニル)エチル基または3-フェニルプロピル基である。
このような式(6)で表される化合物は、前記Yが、下記からなる群から選択される少なくとも1種のアルコール性水酸基(たとえば、9位)を有する化合物(Y−OH)の残基であるものが挙げられる。
a)(9S)-1-ブチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
b)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-モルホリノ)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
c)(9S)-1-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
d)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
e)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(ピリジン-2-イル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
f)(9S)-9-エチル-1-ヘプチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
g)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-プロピル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
h)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(ピリジン-3-イル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
i)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
j)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
k)(9S)-9-エチル-1-ヘキシル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
l)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
m)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-メトキシフェニル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
n)(9S)-1-ベンジル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
o)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
p)(9S)-1,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
q)(9S)-1-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
r)(9S)-9-エチル-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
s)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(1-メチルエチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;および
t)(9S)-1-(3,3-ジメチルブチル)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン。
このうち、下記化合物がさらに好ましい。
a)(9S)-1-ブチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
b)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
c)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
d)(9S)-9-エチル-1-ヘキシル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
e)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
f)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
g)(9S)-1-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;
h)(9S)-9-エチル-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン;および
i)(9S)-1-(3,3-ジメチルブチル)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2,10,13(3H,9H,15H)-トリオン。
前記Yが、下記一般式(7)で表される化合物は下記に示すとおりである。
Figure 0004823894
式中、R11、R12、R21は、前記式(4)、(5)のR11、R12、R21とそれぞれ同意義である。
式(7)において、前記R11およびR12は、好ましくは水素原子である。
前記R21は、好ましくは水素原子、または下記D群から選択される置換基を有していてもよいC1−C8アルキル基である。
D群:C1−C3アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C3アルキルアミノ基、ジC1−C3アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(ただしアリール環はヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
また前記R21は、さらに好ましくはフェニル基またはC1−C6アルキル基であり、より好ましくはフェニル基、3-メチルブチル基またはn-ペンチル基である。
このような式(7)で表される化合物は、前記Yが、下記からなる群から選択される少なくとも1種のアルコール性水酸基(たとえば、9位)を有する化合物(Y−OH)の残基であるものが挙げられる。
a)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2(3H)-チオン-10,13(9H,15H)-ジオン;
b)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2(3H)-チオン-10,13(9H,15H)-ジオン;および
c)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-2(3H)-チオン-10,13(9H,15H)-ジオン。
前記Yが、下記一般式(8)で表される化合物は下記に示すとおりである。
Figure 0004823894
式中、R11、R12、R21、R22は、前記式(4)、(5)のR11、R12、R21、R22とそれぞれ同意義である。
(i) 式(8)において、前記R11は好ましくは水素原子である。
(ii) 前記R12は、好ましくは、水素原子またはC1−C3アルキル基であり、さらに好ましくは水素原子またはメチル基である。
(iii) 前記R21は、好ましくは水素原子または下記D群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよいC1−C8アルキル基である。
D群:C1−C3アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C3アルキルアミノ基、ジC1−C3アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
(iv) 前記R21は、さらに好ましくは、メチル基、エチル基、n-プロピル基、1-メチルエチル基、n-ブチル基、1,1-ジメチルエチル基、2-メチルプロピル基、2,2-ジメチルプロピル基、n-ペンチル基、3-メチルブチル基、2-n-ヘキシル基、3,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、ベンジル基、フェネチル基、2-(ジメチルアミノ)エチル基、2-(4-モルホリノ)エチル基、3-(ジメチルアミノ)プロピル基、2-(ピリジン-2-イル)エチル基、2-(ピリジン-3-イル)エチル基、2-(4-メトキシフェニル)エチル基、2-(4-クロロフェニル)エチル基または2-(4-フルオロフェニル)エチル基、3-フェニルプロピル基である。
(v) 前記R22は、好ましくは水素原子、アミノ基、または下記D群から選ばれる1〜3個の置換基を有していてもよい、C1−C6アルキル基、C1−C6アルコキシ基、C1−C6アルキルチオ基、モノC1−C6アルキルアミノ基、ジC1−C6アルキルアミノ基である。
D群:C1−C3アルコキシ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基、モノC1−C3アルキルアミノ基、ジC1−C3アルキルアミノ基、C3−C7シクロアルキル基、複素環およびアリール環(アリール環はヒドロキシ基、C1−C3アルコキシ基、およびハロゲン原子からなる群より選択される1〜3個の置換基を有していてもよい。)。
(vi) 前記R22は、さらに好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、(メチルアミノ)メチル基、(ジメチルアミノ)メチル基、クロロメチル基、トリフルオロメチル基、フェニル基、2-ピリジル基、メトキシ基、エトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、メチルアミノ基、ブチルアミノ基またはジメチルアミノ基である。
上記(i)〜(vi)においては、任意に好ましい態様を組み合わせることができる。たとえば、(i)、(ii)、(iii)および(v)の組み合わせ、(i)、(ii)、(iii)および(vi)の組み合わせ、(i)、(ii)、(iv)および(v)の組み合わせ、(i)、(ii)、(iv)および(vi)の組み合わせなどを挙げることができる。
このような式(8)で表される化合物は、前記Yが、下記からなる群から選択される少なくとも1種のアルコール性水酸基(たとえば、9位)を有する化合物(Y−OH)の残基であるものが挙げられる。
a)(9S)-1-ブチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
b)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-モルホリノ)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン塩酸塩;
c)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-プロピル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
d)(9S)-1-ベンジル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
e)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
f)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-フェネチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
g)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-フェニルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
h)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
i)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
j)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
k)(9S)-9-エチル-1-ヘプチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
l)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-メチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
m)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)- ジオン;
n)(9S)-9-エチル-1-ヘキシル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
o)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
p)(9S)-1,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
q)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-[2-(4-メトキシフェニル)エチル]-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
r)(9S)-1-[2-(4-クロロフェニル)エチル]-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
s)(9S)-9-エチル-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
t)(9S)-9-エチル-1-[2-(4-フルオロフェニル)エチル]-9-ヒドロキシ-2-メチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
u)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(1-メチルエチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
v)(9S)-1-(3,3-ジメチルブチル)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
w)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-メトキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
x)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
y)(9RS)-9-エチル-9-ヒドロキシ-4-メチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
z)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシエチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
aa)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-ヒドロキシエチル)-2-メチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
bb)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-メチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
cc)(9S)-2,9-ジエチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
dd)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-2-プロピル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ee)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ff)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
gg)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
hh)(9S)-2-クロロメチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ii)(9S)-2-アミノメチル-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
jj)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-2-トリフルオロメチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
kk)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-2-メチルチオ-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
ll)(9S)-9-エチル-2-エチルチオ-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
mm)(9S)-2-(ジメチルアミノ)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(2-メチルプロピル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン塩酸塩;および
nn)(9S)-2-(ブチルアミノ)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-(3-メチルブチル)-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン塩酸塩。
前記に示したカンプトテシン類のうち、特に好ましくは下記化合物が挙げられる。
4(S)−エチル−4−ヒドロキシー1H−ピラノ[3'、4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,14(4H,12H)−ジオン(カンプトテシン);
5(R)−エチル−9,10−ジフルオロ−1,4,5,13−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−3H,15H−オキセピノ[3'、4’:6,7]インドリジノ[1,2−b]キノリン−3,15−ジオン(BN−80915);
o)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン;
bb)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-メチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)- ジオン;
ee)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン。
アゾール系抗真菌剤類
前記Yが、アゾール系抗真菌剤類に由来する残基である場合、アゾール系抗真菌剤類としては、たとえば、トリアゾール類などが挙げられる。
このようなアゾール系抗真菌剤類としては、下記からなる群から選択される少なくとも1種の化合物が挙げられる。
(2R,3R)-3-{4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル}}-2-(2,5−ジフルオロフェニル)-1-(1H−1,2,4−トリアゾール-1-イル)−ブタン-2-オール、
2-[(1R,2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-1-メチル-3-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)プロピル]-4-[4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)フェニル]-3(2H,4H)-1,2,4-トリアゾロン、
(+)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-メチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール -1-イル)-3-(6-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ピリダジン-3-イルチオ)ブタン-2-オール、
(2R)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-[3-[(E)-4-(2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ)-スチリル]-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-3-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)]プロパン-2-オール、
dl-スレオ-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-3-メチル-スルフォニル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-ブタン-2-オール、
(-)-4-[4-[4-[4-[[5-(2,4-ジフルオロフェニル)-5-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イルメチル)テトラヒドロフラン-3-イル]メトキシ]フェニル]ピペラジニル]フェニル]-2[(1S,2S)-1-エチル-2-ヒドロキシプロピル]-3H-1,2,4-トリアゾール-3-オン、
(2R,3R)-3-[4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル]]-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-ブタン-2-オール、
3-メチル-3-メチルチオ-1-(1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-(トリフルオロメチルフェニル)-ブタン-2-オール、
(2R,3R)-3-[4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル]]-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-(2,4,5-トリフルオロフェニル) -ブタン-2-オール、
(2R,3R)-3-[4-(4-シアノフェニル)チアゾール-2-イル]]-2-(3-フルオロフェニル)-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-ブタン-2-オール。
本発明に係る水溶性プロドラッグのうち、たとえば、カンプトテシン類に由来する化合物としては、下記の化合物が挙げられる。
(a) (9S)−9−エチル−9−{[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−アセトキシ}−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(b) (9S)−9−エチル−9−(グリシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(c) (9S)−9−{[(2−アミノ−エチル)−メチル−アミノ]−アセトキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(d) (9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(e) (9S)−9−[2−(2−アミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']イン ドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(f) (アミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル、
(g) (9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de] キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(h) (9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(i) (9S)−9−エチル−9−(N−メチルアラニル−N−メチルアラニルオキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
(j) (9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−N−メチルアラニルオキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン。
本発明に係る水溶性プロドラッグとしては、好ましくは上記の例示化合物番号(b)、(d)、(e)、(h)を挙げることができ、さらに好ましくは、例示化合物番号(b)、(e)を挙げることができる。
化合物2Aのヒト血清中におけるラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームへの変換割合の時間的変化を示すグラフである。 化合物2Aのマウス血清中におけるラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームへの変換割合の時間的変化を示すグラフである。 化合物2Aのサル血清中におけるラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームへの変換割合の時間的変化を示すグラフである。 化合物2Aのイヌ血清中におけるラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームへの変換割合の時間的変化を示すグラフである。 化合物2Aの各pHにおける残存率(%)(pH安定性)を示すグラフである。図5の横軸は時間(hours)インキュベーションタイム(分)を示す。 比較化合物2のヒト血清中におけるラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームへの変換割合の時間的変化を示すグラフである。 比較化合物2のマウス血清中におけるラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームへの変換割合の時間的変化を示すグラフである。
本発明に係る式(1)で表される化合物は例えば下記の方法に従って製造することができるが、本発明の化合物の製造方法はこれらに限定されるものではない。本発明の水溶性プロドラッグはいずれも新規化合物であるが、周知の化学的手法により製造することができる。なお製造に際して用いる原料化合物としては市販されているものを用いても、または必要に応じて常法により製造してもよい。
下記に例示する製造方法において、R1、R2、R3、R4、X、Y、R5、n、R7、R8は、式(2)、(3)、(9)に示すR1、R2、R3、R4、X、Y、R5、n、R7、R8とそれぞれ同意義である。また、P1はアミノ保護基であり、P2はカルボニル化剤残基であり、Halはハロゲン原子(塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子)を示す。
反応工程1−1
Figure 0004823894
反応工程1−2
Figure 0004823894
<反応工程1>
反応工程1は、可溶性側鎖に3級アミノ基を有する水溶性プロドラッグの製造例を示すものである。
前記式(2)で表される水溶性プロドラッグは、たとえば、Y−OH中の該2級あるいは3級水酸基のアシル化より容易に得ることができる。
化合物3aの調製
反応工程1−1に示すように、2級または3級アルコール(1a)を適当な溶媒中、縮合剤存在下に、対応する化合物(2a)(カルボン酸(R7=OH)、カルボン酸エステル(R7=OR8)、またはハロゲン化アシル化合物(R7=ハロゲン原子(塩素原子等))が挙げられ、このうちカルボン酸が好ましい。)と反応させることによってエステル体(3a)を得ることができる。
Y−OHは、市販品または公知の方法(WO03/045952、WO03/043631など)により入手することができる。
前記化合物(2a)がジペプチド(X=CO)であるカルボン酸の場合、あるいはペプチド誘導体(X=CH2)である場合において、これら化合物(2a)の調製に用いるアミノ酸誘導体は、市販されているか、または文献記載の公知の方法により調製することができる。(例えば、J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 762-766;J. Org. Chem, 1998 5240;Tetrahedron Asymmetry 1995, 1741;Tetrahedron Asymmetry 1998, 4249)。該カルボン酸は、カルボン酸エステル(R7=OR8)またはハロゲン化アシル化合物(R7=ハロゲン原子)に公知の方法により変換できる。
またジペプチド誘導体は、当業者には公知の通常のペプチド化学によって調製することができる[The practice of Peptide Synthesis、M. BodanskyおよびA. Bodansky/第2版、1994(Springer-Verlag)参照]。
前記縮合反応における溶媒としては、たとえば、塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホルム、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。
前記縮合剤としては、たとえば、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩、ジシクロヘキシルカルボジイミド、BOP、HBTU、TNTU、PyBroP(商標)、PyBOP(商標)、TBTU、TSTU、HOBt[市販のカップリング試薬:The Combinatorial Chemistry Catalog, Feb., 1997; Novabiochem.参照]などが挙げられる。
化合物4aの調製
対応するカルボン酸の種類にもよるが、たとえば、通常、対応するカルボン酸中のアミノ基が保護されたカルボン酸(2a)を用いることが好ましい。縮合反応後、続いて化合物(3a)から保護基を除去して、化合物(4a)で表される水溶性プロドラッグを得ることができる。
たとえば、工程1−2に示すように、得られたアミノ保護基を有する水溶性プロドラッグを脱保護する。
上記工程1−1、1−2において、アミノ保護基P1の選択、縮合反応は公知(The practice of Peptide Synthesis、M. BodanskyおよびA. Bodansky/第2版、1994(Springer-Verlag)、Protective Groups in Organic Synthesis, Theodora Greene(著), 1999, Wiley-Interscience参照)の方法に従って適宜実施できる。
アミノ基の保護基としては、たとえば、下記の保護基が挙げられる。
カーバメート(R NXとして)
メチルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基、9−(2−スルホ)フルオレニルメチルオキシカルボニル基、9−(2、7―ジブロモ)フルオレニルメチルオキシカルボニル基、4−メトキシフェナシルオキシカルボニル基、
エチルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基、2−トリメチルシリルエチルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチルオキシカルボニル基、2−クロロエチルオキシカルボニル基、2−ブロモエチルオキシカルボニル基、2−ヨードエチルオキシカルボニル基、2,2−ジクロロエチルオキシカルボニル基、2,2−ジブロモエチルオキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基、2,2,2−トリブロモエチルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−クロロエチルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−ブロモエチルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2,2−ジブロモエチルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2,2,2−トリクロロエチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(4−ビフェニリル)エチルオキシカルボニル基、1−(3,5−ジt−ブチルフェニル)−1−メチルエチルオキシカルボニル基、2−(2'−ピリジル)エチルオキシカルボニル基、2−(4'−ピリジル)エチルオキシカルボニル基、2−(N,N−ジシクロヘキシルカルボキサミド)エチルオキシカルボニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、1−アダマンチルオキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、1−イソプロピルアリルオキシカルボニル基、シンナミルオキシカルボニル基、4−ニトロシンナミルオキシカルボニル基、8−キノリルオキシカルボニル基、ピペリジニルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオキシカルボニル基、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基、p−クロロベンジルオキシカルボニル基、p−ブロモベンジルオキシカルボニル基、p−シアノベンジルオキシカルボニル基、o−ニトロベンジルオキシカルボニル基、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル基、4−メチルスルフィニルベンジルオキシカルボニル基、9−アントリルメチルオキシカルボニル基、ジフェニルメチルオキシカルボニル基、2−メチルチオエチルオキシカルボニル基、2−メチルスルホニルエチルオキシカルボニル基、2−(p−トルエンスルホニル)エチルオキシカルボニル基、[2−(1,3−ジチアニル)]メチルオキシカルボニル基、4−メチルチオフェニルオキシカルボニル基、2,4−ジメチルチオフェニルオキシカルボニル基、2−ホスフィノエチルオキシカルボニル基、2−トリフェニルホスホニオイソプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−2−シアノエチルオキシカルボニル基、m−クロロ−p−アセチルベンジルオキシカルボニル基、p−(ジヒドロキシボリル)ベンジルオキシカルボニル基、5−ベンズイソキサゾリルメチルオキシカルボニル基、2−(トリフルオロメチル)−6−クロモニルメチルオキシカルボニル基、m−ニトロフェニルオキシカルボニル基、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル基、3,4−ジメトキシ−6−ニトロベンジルオキシカルボニル基、フェニル(o−ニトロフェニル)メチルオキシカルボニル基。
ウレア型
ピペリジニルカルボニル基、p−トルエンスルホニルアミノカルボニル基、フェニルアミノチオカルボニル基。
その他
t−アミルオキシカルボニル基、ベンジルチオカルボニル基、シクロブチルオキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、シクロプロピルメチルオキシカルボニル基、p−デシルオキシベンジルオキシカルボニル基、ジイソプロピルメチルオキシカルボニル基、2,2−ジメトキシカルボニルビニルオキシカルボニル基、o−(N,N−ジメチルカルボキサミド)ベンジルオキシカルボニル基、1,1−ジメチル−3−(N,N−ジメチルカルボキサミド)プロピルオキシカルボニル基、1,1−ジメチルプロピニルオキシカルボニル基、ジ(2−ピリジル)メチルオキシカルボニル基、2−フラニルメチルオキシカルボニル基、イソボルニルオキシカルボニル基、イソブチルオキシカルボニル基、イソニコチニルオキシカルボニル基、p−(p'−メトキシフェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル基、1−メチルシクロブチルオキシカルボニル基、1−メチルシクロヘキシルオキシカルボニル基、1−メチル−1−シクロプロピルメチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(3,5−ジメトキシフェニル)エチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(p−フェニルアゾフェニル)エチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−フェニルエチルオキシカルボニル基、1−メチル−1−(4−ピリジル)エチルオキシカルボニル基、p−(フェニルアゾ)ベンジルオキシカルボニル基、2,4,6−トリ−t−ブチルフェニルオキシカルボニル基、4−(トリメチルアンモニウム)ベンジルオキシカルボニル基、2,4,6−トリメチルベンジルオキシカルボニル基。
アミド(R NXとして)
ホルミル基、アセチル基、クロロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、フェニルアセチル基、3−フェニルプロピオニル基、ピコリノイル基、ベンゾイル基、p−フェニルベンゾイル基、
o−ニトロフェニルアセチル基、o−ニトロフェノキシアセチル基、アセトアセチル基、(N−ジチオベンジルオキシカルボニルアミノ)アセチル基、3−(p−ヒドロキシフェニル)プロピオニル基、3−(o−ニトロフェニル)プロピオニル基、2−メチル−
2−(o−ニトロフェノキシ)プロピオニル基、2−メチル−2−(o−フェニルアゾフェノキシ)プロピオニル基、4−クロロブチリル基、3−メチル−3−ニトロブチリル基、o−ニトロシンナモイル基、o−ニトロベンゾイル基、o−(ベンゾイルオキシメチル)ベンゾイル基。
縮合反応後のアミノ保護基の除去は、当業者には公知の方法、例えばBoc基にはトリフルオロ酢酸、Fmoc基にはピペリジン、または2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、トリメチルシリルエチルおよびter-ブチルジメチルシリル基にはフッ化テトラブチルアンモニウム、ならびにCbz基には接触水素添加によって行うことができる。
反応工程2−1
Figure 0004823894
反応工程2−2
Figure 0004823894
<反応工程2>
反応工程2は、可溶性側鎖にスルホニル基を含む水溶性プロドラッグの製造方法の一例を示すものである。
化合物2bの調製
まず、アルコール(1b)をカルボニル化し、化合物(2b)を調製する。水酸基のカルボニル化は、適当な溶媒中、アルコール(1b)を適当なカルボニル化剤と反応させて得ることができる。
溶媒としては、たとえば、塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホルム、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどを用いることができる。
カルボニル化剤としては、たとえば、クロロぎ酸パラニトロフェニル、カルボニルジイミダゾール、ホスゲン類などを用いることができる。
反応は、通常、約−10℃〜約25℃にて、約1〜24時間にわたり実施できる。
化合物3bの調製
可溶性側鎖を構成する化合物3bは、公知の方法(Tetrahedron, 55(1999) 6623-6634)により調製することができる。
アルコール(3b)中のアミノ基の保護は、公知(The practice of Peptide Synthesis、M. BodanskyおよびA. Bodansky/第2版、1994(Springer-Verlag)参照)の方法に従って適宜実施できる。
化合物4bの調製
次に、対応するアミノ基が保護されたアルコール(3b)を、適当な溶媒の存在下、カルボニル化化合物(2b)と反応させることによって、アミノ基が保護されたカーボネート体(4b)を得ることができる。
溶媒としては、たとえば、塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホルム、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどを用いることができる。
反応は、通常、約15℃〜約25℃にて、約2〜48時間にわたり実施できる。
化合物5bの調製
このカーボネート体(4b)のアミノ保護基を既知の方法により除去することにより、化合物(5b)を得ることができる。アミノ保護基の除去は、前記反応工程1と同様にして公知の方法により実施できる。たとえば、例えばBoc基にはトリフルオロ酢酸、Fmoc基にはピペリジン、または2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、トリメチルシリルエチルおよびter-ブチルジメチルシリル基にはフッ化テトラブチルアンモニウム、ならびにCbz基には接触水素添加によって行うことができる。
前記反応工程2−2は、具体的な例を示すものである。
反応工程3−1
Figure 0004823894
反応工程3−2
Figure 0004823894
<反応工程3>
反応工程3は、可溶性側鎖にスルホニル基を含む水溶性プロドラッグの製造方法の、他の一例を示すものである。
化合物2cの調製
まず、アルコール(1c)を2−ハロゲン化エチルカーボネート化して、化合物(2c)を調製する。
水酸基の2−ハロゲン化エチルカーボネート化は、適当な溶媒中、アルコール(1c)を市販のクロロギ酸エステルと反応させて実施できる。
溶媒としては、たとえば、塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホルム、ジオキサン、ジメチルホルムアミドなどを用いることができる。
反応は、通常、約−10℃〜約25℃にて、約1〜24時間にわたり実施できる。
化合物3cの調製
可溶性側鎖を構成するチオール化合物3cは、市販品または公知の方法(Tetrahedron, 55, 1999, 6623-6634 および J. Org. Chem.1995, 60, 8105-8109)により調製することができる。
チオール化合物(3c)中のアミノ基の保護は、公知(The practice of Peptide Synthesis、M. BodanskyおよびA. Bodansky/第2版、1994(Springer-Verlag)参照)の方法に従って適宜実施できる。
化合物4cの調製
次に、対応するアミノ基が保護されたチオール化合物(3c)を、適当な溶媒中、塩基の存在下、2−ハロゲン化エチルカーボネート化化合物(2c)と反応させることによって、アミノ基が保護されたカーボネート体(4c)を得ることができる。
溶媒としては、たとえば、塩化メチレン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、クロロホルム、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノールなどを用いることができる。
塩基としては、たとえば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。
反応は、通常、約15℃〜約100℃にて、約1〜24時間にわたり実施できる。
化合物5cの調製
さらに、公知の方法により、化合物4cを過酸化試薬と反応させて、化合物5cを得ることができる。
過酸化試薬としては、たとえば、オキソン、過酸化水素、メタクロロ過安息香酸などを用いることができる。
反応は、通常、約−10℃〜約100℃にて、約1〜24時間にわたり実施できる。
化合物6cの調製
この化合物5cのアミノ保護基を既知の方法により除去することにより、化合物(6c)を得ることができる。アミノ保護基の除去は、前記反応工程1と同様にして公知の方法により実施できる。たとえば、例えばBoc基にはトリフルオロ酢酸、Fmoc基にはピペリジン、または2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル(Teoc)、トリメチルシリルエチルおよびter-ブチルジメチルシリル基にはフッ化テトラブチルアンモニウム、ならびにCbz基には接触水素添加によって行うことができる。
前記反応工程3−2は、具体的な例である。
以上、本発明に係る水溶性プロドラッグの製造方法の一例を示したが、前記反応工程1〜3に示した目的化合物の単離・精製は、抽出、濃縮、留去、結晶化、濾過、再結晶、各種クロマトグラフィーなどの通常の化学操作を適用して行うことができる。
本発明の式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物には、上記で挙げた水溶性プロドラッグの全ての立体異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー(シス及びトランス幾何異性体を含む。))、前記異性体のラセミ体、及びその他の混合物が含まれる。特に本発明において、前記式(1)〜(8)に示した水溶性プロドラッグは立体異性体を含む。
また本発明の式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物には、いくつかの互変異性形態、例えばエノール及びイミン形態、ケト及びエナミン形態、並びにそれらの混合物で存在することができる。互変異性体は、溶液中で、互変異性セットの混合物として存在する。固体の形態では、通常、一方の互変異性体が優勢である。一方の互変異性体を記載することがあるが、本発明には、本発明の化合物の全ての互変異性体が含まれる。
さらに、本発明には、本発明のアトロプ異性体も含まれる。アトロプ異性体とは、回転が制限された異性体に分割できる式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグを意味する。
これらの異性体は、異性体間の物理化学的な性質の差を利用して常法により単離することができる。たとえば、ラセミ化合物は一般的な光学分割法、たとえば、酒石酸等の光学活性酸とのジアステレオマー塩に誘導し光学分割する方法等により、立体的に純粋な異性体にすることができる。ジアステレオマーの混合物は分別結晶化、各種クロマトグラフィー(たとえば、薄層クロマトグラフィー、カラムクロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等)を用いることにより分離できる。
本発明に係る水溶性プロドラッグがフリー体として得られる場合、前記化合物が形成していてもよい塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物の状態に、常法に従って変換することができる。
また、本発明に係る化合物が、化合物の塩、水和物、または溶媒和物として得られる場合、化合物のフリー体に常法に従って変換することができる。
本発明に係る本発明の式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物は、優れた水溶性を示し、しかも化学的変換により速やかに活性体に変換されることにより、種間差や個体差が小さい。
特に本件発明は、アルコール性水酸基、好ましくは2級アルコール性水酸基あるいは3級アルコール性水酸基を有する難溶性薬剤への適用に極めて有用である。
たとえば、本発明に係る水溶性プロドラッグは、カンプトテシン類、タキサン類、抗癌ヌクレオチド類など細胞増殖性障害の予防または治療剤、あるいは、アゾール系抗真菌剤類など抗真菌剤として用いられる難溶性化合物を、容易に水溶性にすることができる。このため、これらの難溶性化合物に由来する本発明の式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物を有効成分として含む医薬組成物は、細胞増殖性障害の予防または治療剤、あるいは抗真菌剤として好適である。
前記細胞増殖性障害としては、たとえば癌が挙げられる。癌としてはたとえば、結腸直腸癌、肺癌、乳癌、胃癌、子宮頸癌および膀胱癌などに適用できる。
また、本発明は、細胞増殖性障害、あるいは真菌疾患の予防または治療法であって、それを必要とする患者に治療上有効量の式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、 その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物を投与する段階を含む方法にも関する。この方法は、たとえば、細胞増殖性疾患のうちでは、たとえば結腸直腸癌、肺癌、乳癌、胃癌、子宮頸癌および膀胱癌のような固形腫瘍および癌の治療のために特に有用である。
本発明の医薬組成物を、細胞増殖性障害の治療剤又は予防剤、あるいは抗真菌剤として使用する場合、その投与方法は、好ましくは非経口的(静脈内的、筋肉内的、皮下的)、局所的(点滴)投与および吸入(口腔内または鼻スプレー)などが挙げられる。その投与形態としては、好ましくは、水性の経口用溶液および懸濁液、および個々の投与量に小分けするのに適応した容器に充填した非経口用溶液が挙げられる。また投与形態は、皮下移植のような調節された放出処方物を包含する種々の投与方法に適応させることもできる。
本発明の医薬組成物は、水溶液状製剤として用いることが好ましい。すなわち、本発明に係る水溶液状製剤は、式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物を含有する水溶液である。
水溶液としては、たとえば、リン酸緩衝液、生理食塩水、各種輸液などを用いることができる。
水溶液のpHは好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、より好ましくはpH2〜3であり、このようなpHの溶液中で、式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物長時間安定に存在することができる。一方、好ましくはpH5以上、さらに好ましくはpH7−8の生理的条件下では短時間で速やかにかつ定量的にアルコール性水酸基に由来する活性化体を遊離することができる。
したがって、たとえば、注射剤としての使用に特に有効で、pHを好ましくは4以下、さらに好ましくは3以下、より好ましくはpH2〜3とした水溶液状製剤を注射すれば、たとえば、血液中で、速やかに活性体を遊離できる。
上記の水溶液状製剤は、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤などの添加剤を用いて周知の方法で製造される。
安定剤としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベンのようなパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールのようなアルコール類;塩化ベンザルコニウム;フェノール、クレゾールのようなフェエノール類;チメロサール;デヒドロ酢酸;及びソルビン酸を挙げることができる。
矯味矯臭剤としては、例えば通常使用される、甘味料、酸味料、香料等を挙げることができる。
また、液剤を製造するための溶媒としては、エタノール、フェノール、クロロクレゾール、精製水、蒸留水等を使用することができる。
界面活性剤又は乳化剤としては、例えば、ポリソルベート80、ステアリン酸ポリオキシル40、ラウロマクロゴール等を挙げることができる。
本発明の医薬組成物を、細胞増殖性障害の治療剤または予防剤、あるいは抗真菌剤として使用する場合、式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物の使用量は、症状、年齢、体重、相対的健康状態、他の投薬の存在、投与方法等により異なる。
例えば、患者(温血動物、特に人間)に対して、一般に有効な量は、有効成分(水溶性プロドラッグ)として、非経口剤の場合、一日につき体重1kg当たり好ましくは0.1〜1000mg、さらに好ましくは体重1kg当たり10〜800mgである。これを1日1回又は数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
式(1)〜(8)で表される水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物の水溶液中での濃度は、疾患の程度、種類により異なり限定されないが、通常、好ましくは(1)μM〜(500)μMの範囲である。
なお、本明細書において引用された全ての先行技術文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
以下本発明を実施例により更に詳しく説明するが本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
NMR解析は、JEOL社製JNM-EX270(270MHz)、JNMGSX400(400MHz)、またはJNM-A500(500MHz)を用いて行い、NMRデータはppm(parts per million)で表わし、サンプル溶媒からの重水素ロック信号を参照した。
質量スペクトルデータは、JEOL社製JMS-DX303、またはJMS-SX/SX102Aを用いて得た。
高速液体クロマトグラフィーを備えた質量スペクトルデータは、Waters社製996−600E勾配高速液体クロマトグラフィー付きマイクロマス(Micromass社製ZMD)、またはAgilent Technologies社製Agilent 1100勾配高速液体クロマトグラフィー付きマイクロマス(Finnigan社製Navigator)を用いて得た。
有機合成反応には市販の試薬を更に精製しないで使用した。
実施例中、室温とは20〜25 oC程度の範囲をいう。
すべての禁水性反応は窒素雰囲気下実施した。減圧下での濃縮は或いは溶媒留去は特に言及しない限り、ロータリーエバポレータを用いて行ったものである。
化合物の調製において、必要に応じ保護基により官能基を保護し、標的分子の保護体を調製した後、保護基を除去した。保護基の選択および脱着操作は、たとえばば「Greene and Wuts, ''Protective Group in Organic Synthesis'' 第2版、John Wiley & Sons 1991」に記載の方法により実施した。
高速液体クロマトグラフィーの条件は、下記のいずれかを用いた。
高速液体クロマトグラフィーの条件 1
カラム:Combi ODS(ODS,5μm,4.6mmI.D.x50mm,和光純薬工業社製)、COSMOSIL(ODS,5μm,4.6mmI.D.x50mm,ナカライテスク社製)、あるいはInertsil C18(ODS,5μm,4.6mmI.D.x50mm,GLサイエンス社製)
移動相:0.01%トリフルオロ酢酸を含有する水(A)及び0.01%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル(B)
溶出法:10%Bから95%B(3.5分)、95%Bから10%B(1分)、10%Bで保持(0.5分)のステップワイズな溶媒勾配溶出
流速:4.0mL/分
高速液体クロマトグラフィーの条件2
カラム:Combi ODS(ODS,5μm,4.6mmI.D.x50mm,和光純薬工業社製)、COSMOSIL(ODS,5μm,4.6mmI.D.x50mm,ナカライテスク社製)、あるいはInertsil C18(ODS,5μm,4.6mmI.D.x50mm,GLサイエンス社製))
移動相:0.01%トリフルオロ酢酸を含有する水(A)及び0.01%トリフルオロ酢酸を含有するアセトニトリル(B)
溶出法:30%Bから35%B(0.2分)、35%Bから98%B(3.3分)、98%Bから30%B(1分)、30%Bで保持(0.5分)のステップワイズな溶媒勾配溶出
流速:4.0mL/分
〔実施例1〕
(9S)−9−エチル−9−{[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−アセトキシ}−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩(化合物1A)
Figure 0004823894
工程1−A
{[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸 ベンジルエステル
Figure 0004823894
既知物質であるメチル−(2−メチル−アミノ−エチル)−カルバミン酸 tert-ブチル エステル854mg(4.54 mmol)(J.Med.Chem., 2000, 43, 3093)を、塩化メチレン(50 mL)に溶解し、2−ブロモ酢酸ベンジル1.0 mL(6.35 mmol)を加え、室温にて1昼夜攪拌した。
反応終了後、反応溶液を濃縮することによって得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1-3:1)で精製することにより、{[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸 ベンジルエステル 534.3mg (35%) を無色粘性油状物質として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.42 (9H, s), 2.40 (3H, s), 2.65 (2H, t, J = 7.1 Hz), 2.82 (3H, s), 3.20-3.38 (2H, m), 3.34 (2H, s), 5.13 (2H, s), 7.24-7.38 (5H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 337 (M+H)。
工程1−B
{[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸
Figure 0004823894
工程1−Aで調製した{[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸 ベンジル エステル534.3mg (1.59 mmol)をメタノール(20 mL)に溶解し、5%パラジウム炭素51mgを加え、水素雰囲気下室温にて1時間攪拌した。不溶物をろ去した後、ろ液を濃縮することにより、{[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸391.1mg(100%)を無色粘性油状物質として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.43 (9H, s), 2.72 (3H, s), 2.87 (3H, s), 2.95-3.10 (2H, m), 3.45 (2H, s), 3.31-3.63 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 247 (M+H)。
工程1−C
(9S)−9−({[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−アセトキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
工程1−Bで調製した{[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−酢酸391mg(1.59 mmol)、(9S)−9−エチル−9−ヒドロキシ−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 279mg(0.61 mmol)(WO03/045952実施例2.15に従って製造した。)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩 525mg(2.74 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン 224mg(1.83 mmol)を塩化メチレン(15 mL)に溶解し、室温にて4時間攪拌した。
反応溶液を0.15N塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=30:0−10:1)で精製することにより、(9S)−9({[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−アセトキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 136.4mg(33%) を黄色アモルファスとして得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.85-0.95 (6H, m), 1.27-1.50 (4H, m), 1.40 (9H, s), 1.70-1.84 (2H, m), 2.03-2.30 (2H, m), 2.39 (3H, s), 2.58-2.70 (2H, m), 2.80 (3H, s), 3.18-3.36 (2H, m), 3.48 (2H, s), 3.81 (2H, t, J = 7.3 Hz), 5.21 (2H, s), 5.37 (1H, d, J = 17.3 Hz), 5.64 (1H, d, J = 17.3 Hz), 7.07 (1H, s), 7.14 (1H, dd, J = 1.3, 7.3 Hz), 7.38 (1H, s), 7.53-7.70 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 687 (M+H)。
工程1−D
(9S)−9−エチル−9−{[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−アセトキシ}−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩
Figure 0004823894
工程1−Cで調製した(9S)−9−({[2−(tert−ブトキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−アセトキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン136.4mg(0.20 mmol)を1N塩酸−酢酸溶液(3mL)に溶かし、室温にて2時間半攪拌した。
反応溶液に酢酸エチルを加え、さらに室温にて30分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(9S)−9−エチル−9−{[メチル−(2−メチルアミノ−エチル) −アミノ] −アセトキシ}−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩(化合物1A)102.7mg(74%) を黄赤色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ(ppm): 0.99 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.09 (3H, t, J = 7.4 Hz), 1.40-1.62 (4H, m), 1.88-2.02 (2H, m), 2.15-2.31 (2H, m), 2.75 (3H, s), 2.96-3.06 (3H, m), 3.39-3.62 (4H, m), 4.25 (2H, t, J = 7.9 Hz), 4.44-4.60 (1H, m), 4.87-5.03 (1H, m), 5.53 (2H, s), 5.54 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.67 (1H, d, J = 17.2 Hz), 7.55 (1H, d, J = 7.3 Hz), 7.96-8.17 (3H, m), 8.33 (1H, s)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 587 (M+H)。
〔実施例2〕
(9S)−9−エチル−9−(グリシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩(化合物2A)
Figure 0004823894
工程2−A
(9S)−9−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシル]−ザルコシロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
既知物質である[N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシル]−ザルコシン1.4g(5.67 mmol)(Helvetica Chimica Acta, 1991, 74, 197)、(9S)−9−エチル−9−ヒドロキシ−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリ ジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 1.3g(2.84 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩 2.2g(11.34 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン 1.4g(11.34 mmol)を塩化メチレン(50 mL)に溶解し、室温にて1時間半攪拌した。
反応溶液を0.2N塩酸水溶液および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=100:1−30:1)で精製することにより、(9S)−9−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシル]−ザルコシロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン1.34g(69%) を黄赤色アモルファスとして得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
ロータマーA* 0.86-1.04 (6H, m), 1.24-1.53 (4H, m), 1.38 (9H, s), 1.70-1.90 (2H, m), 2.03-2.36 (2H, m), 3.04 (3H, s), 3.83 (2H, t, J = 7.1 Hz), 3.96-4.05 (2H, m), 4.12 (1H, d, J = 17.7 Hz), 4.57 (1H, d, J = 17.7 Hz), 5.21 (2H, s), 5.38 (1H, d, J = 17.3 Hz), 5.46-5.56 (1H, m), 5.66 (1H, d, J = 17.3 Hz), 7.10-7.21 (2H, m), 7.40 (1H, s), 7.60-7.75 (2H, m)
ロータマーB* 0.86-1.04 (6H, m), 1.24-1.53 (4H, m), 1.38 (9H, s), 1.70-1.90 (2H, m), 2.03-2.36 (2H, m), 3.02 (3H, s), 3.83 (2H, t, J = 7.1 Hz), 3.90-3.96 (2H, m), 4.12 (1H, d, J = 17.7 Hz), 4.57 (1H, d, J = 17.7 Hz), 5.24 (2H, s), 5.38 (1H, d, J = 17.3 Hz), 5.46-5.56 (1H, m), 5.68 (1H, d, J = 17.3 Hz), 7.10-7.21 (2H, m), 7.40 (1H, s), 7.60-7.75 (2H, m)
*二つのロータマーAとBの比はおよそ 5 : 1
ESI (LC-MS positive mode) m/z 687 (M+H)。
工程2−B
(9S)−9−エチル−9−(グリシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩
Figure 0004823894
工程2−Aで調製した(9S)−9−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシル]−ザルコシロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン1.33g(1.94 mmol)を1N塩酸−酢酸溶液(15mL)に溶かし、室温にて2時間45分攪拌した。
反応溶液に酢酸エチルを加え、さらに室温にて30分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(9S)−9−エチル−9−(グリシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩1.28g(100%)(化合物2A) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ(ppm):
ロータマーA* 0.99 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.03 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.34-1.58 (4H, m), 1.90-2.00 (2H, m), 2.14-2.30 (2H, m), 3.11 (3H, s), 3.99 (2H, s), 4.25 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.56 (1H, d, J = 17.9 Hz), 4.57 (1H, d, J = 17.9 Hz), 5.51 (1H, d, J = 17.4 Hz), 5.52 (2H, s), 5.61 (1H, d, J = 17.4 Hz), 7.52-7.57 (1H, m), 7.89 (1H, s), 7.80 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.10 (1H, t, J = 8.2 Hz), 8.38 (1H, s)
ロータマーB* 0.99 (3H, t, J = 7.1 Hz), 1.08 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.34-1.58 (4H, m), 1.90-2.00 (2H, m), 2.14-2.30 (2H, m), 3.08 (3H, s), 3.90 (1H, d, J = 16.5 Hz), 4.02 (1H, d, J = 16.5 Hz), 4.25 (2H, t, J = 7.3 Hz), 4.62 (1H, d, J = 18.8 Hz), 4.76 (1H, d, J = 18.8 Hz), 5.52 (2H, s), 5.53 (1H, d, J = 16.9 Hz), 5.65 (1H, d, J = 16.9 Hz), 7.52-7.57 (1H, m), 8.03 (1H, d, J = 8.2 Hz), 8.10 (1H, t, J = 8.2 Hz), 8.19 (1H, s), 8.34 (1H, s)
*二つのロータマーAとBの比はおよそ 3 : 2
ESI (LC-MS positive mode) m/z 587 (M+H)。
〔実施例3〕
(9S)−9−{[(2−アミノ−エチル)−メチル−アミノ]−アセトキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩(化合物3A)
Figure 0004823894
工程3−A
{[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸 ベンジル エステル
Figure 0004823894
ザルコシン ベンジルエステル パラ−トルエンスルホン酸塩500mg(1.42 mmol)、2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル ブロミド478mg(2.13 mmol)、ジイソプロピル−エチルアミン0.25mL(2.13 mmol) を塩化メチレン(10 mL)に溶解し、室温にて3昼夜攪拌した。反応終了後、反応溶液を濃縮することによって得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、{[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸 ベンジル エステル 175mg (38%) を無色粘性油状物質として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 1.44 (9H, s), 2.37 (3H, s), 2.63 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.20 (2H, br.q), 3.33 (2H, s), 5.15 (1H, br.s), 5.16 (2H, s), 7.32-7.39 (5H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 323 (M+H)。
工程3−B
{[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸
Figure 0004823894
工程3−Aで調整した{[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸 ベンジル エステル 162mg (0.5 mmol)をメタノール(5 mL)に溶解し、5%パラジウム炭素を加え、水素雰囲気下室温にて1時間攪拌した。不溶物をろ去した後、ろ液を濃縮することにより、{[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル-アミノ}−酢酸116mg(100%)を無色粘性油状物質として得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ(ppm): 1.45 (9H, s), 2.91(3H, s), 3.22 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.41 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.63 (2H, s)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 233 (M+H)。
工程3−C
(9S)−9−({[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−アセトキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
工程3−Bで調製した{[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−酢酸112mg(0.48 mmol)、(9S)−9−エチル−9−ヒドロキシ−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5] ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 157mg(0.34 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩 197mg(1.03 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン 83mg(0.68 mmol)を塩化メチレン(10 mL)に溶解し、室温にて3時間攪拌した。
反応溶液を0.3N塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=50:1)で精製することにより、(9S)−9({[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−アセトキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 61mg(27%) を黄色粘性油状物質として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.88-1.00 (6H, m), 1.32-1.53 (4H, m), 1.42 (9H, s), 1.73-1.86 (2H, m), 2.08-2.36 (2H, m), 2.39 (3H, s), 2.63 (2H, t,J =5.9 Hz), 3.20 (2H, br.q), 3.46 (2H, s), 3.82 (2H, t, J = 7.1 Hz), 5.21 (1H, br.s), 5.22 (2H, s), 5.40 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.67 (1H, d, J = 17.2 Hz), 7.10 (1H, s), 7.14 (1H, br.d), 7.40 (1H, br.s), 7.58-7.70 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 673 (M+H)。
工程3−D
(9S)−9−{[(2−アミノ−エチル)−メチル−アミノ]−アセトキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩
Figure 0004823894
工程3−Cで調製した(9S)−9−({[2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)−エチル]−メチル−アミノ}−アセトキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン58mg(0.086 mmol)を1N塩酸−酢酸溶液(2mL)に溶かし、室温にて4時間攪拌した。
反応溶液に酢酸エチルを加え、さらに室温にて30分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(9S)−9−{[(2−アミノ−エチル)−メチル−アミノ]−アセトキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩(化合物3A)54mg(93%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ(ppm): 0.99 (3H, t, J = 6.9 Hz), 1.09 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.39-1.62 (4H, m), 1.88-2.02 (2H, m), 2.16-2.30 (2H, m), 3.07 (3H, s), 3.37-3.61 (4H, m), 4.25 (2H, br.t), 4.62 (1H, d, J = 17.5 Hz), 5.05 (1H, d, J = 17.5 Hz), 5.52 (2H, s), 5.53 (1H, d, J = 17.5 Hz), 5.67 (1H, d, J = 17.5 Hz), 7.55 (1H, br.d), 7.98-8.16 (3H, m), 8.32 (1H, s)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 573 (M+H)。
〔実施例4〕
(9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩(化合物4A)
Figure 0004823894
工程4−A
(9S)−9−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−ザルコシル]−ザルコシロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
既知物質である[N−(tert−ブトキシカルボニル)−ザルコシル]−ザルコシン113mg(0.44 mmol)、(9S)−9−エチル−9−ヒドロキシ−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 100mg(0.22 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩 125mg(0.65 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン 53mg(0.44 mmol)を塩化メチレン(6 mL)に溶解し、室温にて3時間半攪拌した。
反応溶液を0.25N塩酸水溶液および炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=50:1)で精製することにより、(9S)−9−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−ザルコシル]−ザルコシロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン103mg(68%) を黄色アモルファスとして得た。
1H-NMR (400MHz, CDCl3) δ(ppm):
0.88-1.02 (6H, m), 1.25-1.51(13H, m), 1.73-1.82 (2H, m), 2.11-2.32 (2H, m), 2.84 (3H, m), 3.02 (3H, m), 3.80 (2H, br.t), 3.92-4.29 (3H, m), 4.58-4.71 (1H, m), 5.12-5.70 (4H, m), 7.04-7.19 (2H, m), 7.39 (1H, m), 7.55-7.68 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 701 (M+H)。
工程4−B
(9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩
Figure 0004823894
工程4−Aで調製した(9S)−9−{[N−(tert−ブトキシカルボニル)−ザルコシル]−ザルコシロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン98mg(0.14 mmol)を1N塩酸−酢酸溶液(3mL)に溶かし、室温にて2時間攪拌した。
反応溶液に酢酸エチルを加え、さらに室温にて30分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリ ド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン塩酸塩(化合物4A)67mg(71%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ(ppm):
0.96-1.11 (6H, m), 1.40-1.62 (4H, m), 1.87-2.01 (2H, m), 2.15-2.31 (2H, m), 2.71 (3H, s), 3.10 (3H, m), 4.05-4.15 (2H, m), 4.24 (2H, br.t), 4.55-4.70 (2H, m), 5.46-5.70 (4H, m), 7.52 (1H, m), 7.81-8.15 (3H, m), 8.34 (1H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 601 (M+H)。
〔実施例5〕
(アミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル 塩酸塩(化合物5A)
Figure 0004823894
工程5−A
(tert−ブトキシカルボニルアミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル
Figure 0004823894
N−(tert−ブトキシカルボニル)−グリシル]−ザルコシン441mg(1.93 mmol)、カプトテシン250mg(0.77 mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩 343mg(1.93 mmol)、4−ジメチルアミノピリジン 87mg(0.77 mmol)を塩化メチレン(130 mL)に溶解し、室温にて15時間攪拌した。
反応溶液を0.3N塩酸水溶液および炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=30:1)で精製することにより、(tert−ブトキシカルボニルアミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル 410mg(99%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm):
1.00 (3H, t,J = 7.6Hz), 1.35(9H, s), 2.08-2.34 (2H, m), 3.05 (3H, s), 3.90-4.24 (3H, m), 4.61 (1H, m), 5.28 (2H, br.s), 5.40 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.47 (1H, br.s), 5.69 (1H, d, J = 17.2 Hz), 7.30 (1H, s), 7.68 (1H, br.t), 7.84 (1H, br.t), 7.93 (1H, br.d), 8.29 (1H, br.d), 8.40 (1H, s)
FAB-MS (positive mode) m/z 577 (M+H)。
工程5−B
(アミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル 塩酸塩
Figure 0004823894
工程5−Aで調製した(tert−ブトキシカルボニルアミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル 39mg(0.068 mmol)を1N塩酸−酢酸エチル溶液(2mL)に溶かし、室温にて4時間攪拌した。
反応溶液に酢酸エチルを加え、さらに室温にて30分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(アミノアセチル−メチル−アミノ)−酢酸 (S)-4−エチル−3,13−ジオキソ−3,4,12,13−テトラヒドロ−1H−2−オキサ−6,12a−ジアザ−ジベンゾ [b,h]フルオレン−4−イル エステル 塩酸塩(化合物5A)28mg(82%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, DMSO-d6) δ(ppm):
0.92 (3H, t,J = 7.3Hz), 2.11-2.24 (2H, m), 2.92-2.98 (3H, m), 3.90 (2H, m), 4.40-4.78 (2H, m), 5.30 (2H, br.s), 5.40-5.60 (2H, m), 7.18-7.27 (1H, m), 7.75 (1H, br.t), 7.89 (1H, br.t), 8.12-8.28 (2H, m), 8.25(br.s), 8.72 (1H, s)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 477 (M+H)。
〔実施例6〕
(9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン トリフルオロ酢酸塩(化合物6A)
Figure 0004823894
工程6−A
(9S)−9−(2−ブロモ−エトキシカルボニロキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
(9S)−9−エチル−9−ヒドロキシ−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 620mg(1.35 mmol)、クロロぎ酸2−ブロモエチル 0.29mL(2.70 mmol)、ジイソプロピル−エチルアミン0.47mL(2.70 mmol) 、4−ジメチルアミノピリジン 165mg(1.35 mmol)を塩化メチレン(20 mL)に溶解し、室温にて1昼夜攪拌した。
反応溶液を0.3N塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル)で精製することにより、(9S)−9−(2−ブロモ−エトキシカルボニロキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 681mg (83%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.93 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.00 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.31-1.54 (4H, m), 1.72-1.86 (2H, m), 2.08-2.35 (2H, m), 3.50 (2H, t, J = 6.2Hz), 3.83 (2H, t, J = 7.3Hz), 4.41 (2H, t, J = 6.2Hz), 5.23 (2H, s), 5.37 (1H, d, J = 17.0 Hz), 5.68 (1H, d, J = 17.0 Hz), 7.16 (1H, br.d) , 7.22 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.59-7.71 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 609, 611 (M+H)。
工程6−B
(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルファニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
工程6−Aで調製した(9S)−9−(2−ブロモ−エトキシカルボニロキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 50mg (0.082 mmol)、tert−ブトキシカルボニル−システイン メチルエステル 58mg (0.25 mmol)、炭酸カリウム 34mg (0.25 mmol)をアセトニトリル(2mL)中室温にて6時間攪拌した。
反応混合物に塩化メチレンを加え0.3N塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=50:1)で精製することにより、(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルファニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 51mg (82%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.93 (3H, t, J = 7.0 Hz), 0.98 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.30-1.54 (4H, m), 1.41 (9H, s), 1.68-1.86 (2H, m), 2.05-2.34 (2H, m), 2.78 (2H, t, J = 6.8Hz), 2.89-3.05 (2H, m), 3.71 (3H, s), 3.82 (2H, t, J = 7.3Hz), 4.23 (2H, t, J = 6.8Hz), 4.46 (1H, m), 5.23 (2H, s), 5.37 (1H, d, J = 17.0 Hz), 5.42 (1H, m), 5.67 (1H, d, J = 17.0 Hz), 7.17 (1H, br.d) , 7.22 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.60-7.70 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 764 (M+H)。
工程6−C
(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
工程6−Bで調製した(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルファニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 98mg (0.13 mmol)、オキソン(商標名) 158mg (0.26 mmol)をメタノール(5mL)中室温にて2時間半攪拌した。
反応混合物に塩化メチレンを加え水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=40:1)で精製することにより、(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 93mg (92%) を黄色固体として得た。
ESI (LC-MS positive mode) m/z 796 (M+H)。
工程6−D
(9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン トリフルオロ酢酸塩
Figure 0004823894
工程6−Cで調製した(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン93mg(0.12 mmol)をトリフルオロ酢酸(3mL)に溶かし、室温にて1時間攪拌した。
反応溶液にジエチルエーテルを加え、さらに室温にて10分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−メトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン トリフルオロ酢酸塩(化合物6A)88mg(94%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ(ppm): 0.95 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.03 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.37-1.56 (4H, m), 1.76-1.92 (2H, m), 2.10-2.28 (2H, m), 3.69-4.05 (6H, m), 3.90 (3H, s), 4.48-4.82 (3H, m), 5.35 (2H, s), 5.48 (1H, d, J = 16.8 Hz), 5.64 (1H, d, J = 16.8 Hz), 7.13 (1H, br.d) , 7.28 (1H, s), 7.56 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.71 (1H, m) , 7.80 (1H, s)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 696 (M+H)。
〔実施例7〕
(9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 塩酸塩(化合物7A)
Figure 0004823894
工程7−A
(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルファニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
(9S)−9−(2−ブロモ−エトキシカルボニロキシ)−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 270mg (0.44 mmol)、tert−ブトキシカルボニル−システイン エチルエステル 333mg (1.33 mmol)、炭酸カリウム 184mg (1.33 mmol)をアセトニトリル(10mL)中室温にて20時間攪拌した。
反応混合物に塩化メチレンを加え0.3N塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=50:1)で精製することにより、(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルファニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 159mg (46%) を黄色油状物質として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.93 (3H, t, J = 7.3 Hz), 0.97 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.25 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.32-1.53 (4H, m), 1.41 (9H, s), 1.73-1.85 (2H, m), 2.05-2.35 (2H, m), 2.79 (2H, t, J = 6.9Hz), 2.88-3.05 (2H, m), 3.83 (2H, t, J = 7.3Hz), 4.09-4.28 (4H, m), 4.43 (1H, m), 5.23 (2H, s), 5.37 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.43 (1H, m), 5.67 (1H, d, J = 17.2 Hz), 7.17 (1H, br.d) , 7.21 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.60-7.70 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 778 (M+H)。
工程7−B
(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
工程7−Aで調製した(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルファニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 159mg (0.20 mmol)、オキソン(商標名) 252mg (0.41 mmol)をメタノール(8mL)中室温にて2時間攪拌した。
反応混合物に塩化メチレンを加え水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=40:1)で精製することにより、(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 141mg (88%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.93 (3H, t, J = 6.9 Hz), 0.99 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.29 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.32-1.55 (4H, m), 1.45 (9H, s), 1.72-1.87 (2H, m), 2.07-2.32 (2H, m), 3.25-3.52 (2H, m), 3.73 (2H, m), 3.84 (2H, t, J = 7.3Hz), 4.23 (2H, q, J = 7.3Hz), 4.55 (2H, br.t), 4.71 (1H, m), 5.25 (2H, s), 5.37 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.69 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.76 (1H, d,J =7.9Hz), 7.18 (1H, br.d) , 7.19 (1H, s), 7.40 (1H, s), 7.61-7.72 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 810 (M+H)。
工程7−C
(9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 塩酸塩
Figure 0004823894
工程7−Bで調製した(9S)−9−{2−[(R−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 140mg(0.17 mmol)を1N塩酸−酢酸溶液(5mL)に溶かし、室温にて1時間攪拌した。
反応溶液に酢酸エチルを加え、さらに室温にて30分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(9S)−9−{2−[(R−2−アミノ−2−エトキシカルボニル)エタンスルフォニル]エトキシカルボニロキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 塩酸塩(化合物7A)127mg(94%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (400MHz, CD3OD) δ(ppm): 0.99 (3H, t, J = 7.6 Hz), 1.04 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.36 (3H, t, J = 7.2 Hz), 1.40-1.60 (4H, m), 1.92-2.00 (2H, m), 2.10-2.25 (2H, m), 3.70-3.86 (3H, m), 4.10 (1H, dd,J =15.2, 4.0Hz), 4.25 (2H, t, J = 8.0Hz), 4.36 (2H, q, J = 7.6Hz), 4.60 (2H, t, J = 5.2Hz), 4.77 (1H, m), 5.52 (1H, d, J = 16.8 Hz), 5.54 (2H, s), 5.65 (1H, d, J = 16.8 Hz), 7.54 (1H, d, J = 7.6 Hz) , 7.83 (1H, s), 7.91 (1H, d, J = 8.0 Hz) , 8.09 (1H, br.t) , 8.38 (1H, s)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 710 (M+H)。
〔実施例8〕
(9S)−9−[2−(2−アミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 塩酸塩(化合物8A)
Figure 0004823894
工程8−A
(9S)−9−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
Figure 0004823894
(9S)−9−エチル−9−ヒドロキシ−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 825mg(1.8 mmol)、クロロぎ酸パラ−ニトロフェニル 543mg(2.7mmol)、ジイソプロピル−エチルアミン0.47mL(2.7 mmol) 、4−ジメチルアミノピリジン 220mg(1.8 mmol)を氷冷下塩化メチレン(16 mL)に溶解し、室温にて3時間攪拌した後、2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエタンスルフォニル)エタノール1.6g(6.3 mmol)(Tetrahedron, 55(1999), 6623-6634) を加え室温にて1昼夜攪拌した。
反応溶液を0.3N塩酸水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧下溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン:メタノール=30:1)で精製することにより、(9S)−9−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン550mg(42%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CDCl3) δ(ppm): 0.94 (3H, t, J = 7.3 Hz), 1.00 (3H, t, J = 7.3 Hz),. 1.33-1.55 (4H, m), 1.43 (9H, s), 1.73-1.86 (2H, m), 2.07-2.31 (2H, m), 3.20-3.49 (4H, m), 3.70 (2H, m), 3.84 (2H, t, J = 7.3Hz), 4.57 (2H, br.t), 5.25 (2H, s), 5.37 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.45 (1H, m), 5.69 (1H, d, J = 17.2 Hz), 7.15-7.20 (2H, m), 7.41 (1H, s), 7.61-7.73 (2H, m)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 738 (M+H)。
工程8−B
(9S)−9−[2−(2−アミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 塩酸塩
Figure 0004823894
工程8−Aで調製した(9S)−9−[2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 530mg(0.72 mmol)を1N塩酸−酢酸溶液(10mL)に溶かし、室温にて1時間攪拌した。
反応溶液に酢酸エチルを加え、さらに室温にて30分攪拌し、生じた固体をろ取することにより、(9S)−9−[2−(2−アミノエタンスルフォニル)エトキシカルボニロキシ]−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン 塩酸塩(化合物8A)480mg(94%) を黄色固体として得た。
1H-NMR (270MHz, CD3OD) δ(ppm): 0.94-1.05 (6H, m), 1.40-161 (4H, m), 1.90-2.04 (2H, m), 2.07-2.28 (2H, m), 3.48-3.81 (6H, m), 4.25 (2H, br.t), 4.55 (2H, m), 5.51 (1H, d, J = 17.2 Hz), 5.53 (2H, s), 5.65 (1H, d, J = 17.2 Hz), 7.52 (1H, d, J = 7.6 Hz) , 7.90 (1H, s), 7.93 (1H, d, J = 8.6 Hz) , 8.08 (1H, br.t) , 8.35 (1H, s)
ESI (LC-MS positive mode) m/z 638 (M+H)。
〔試験例1〕
実施例2で製造した化合物2Aについて、ヒト、マウス、サル及びイヌ血清中における活性化体への変換比率を測定した。活性化体はラクトンフォームとカルボキシレートフォームの速い平衡にあり、両者を別々に測定定量した。
化合物2Aを、ヒト、マウス、サル及びイヌ血清中50μMの濃度で、37℃でインキュベートし、所定の時間(0、30、60、120及び360分)に取り出し、除タンパク処理を実施した後、HPLCにて測定した。
HPLCの測定条件は下記の通りである。
HPLC条件 カラム:Develosil C30-UG-3,3μm,50×4.6mmI.D.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:A:10mM リン酸緩衝液(pH4.7)
B:アセトニトリル
/B(min):90/10(0)→90/10(0.4)→40/60(6)→2/98(8)→90/10(9)→90/10(15)
流速:1.0mL/min
検出:フォトダイオードアレイ検出器 測定波長 350nm
注入量:30μL
結果を、表3、図1〜4に示す。その結果、本発明の水溶性プロドラッグ(化合物2A)は、ヒト、マウス、サル及びイヌいずれの血清中でおいても速やかに、ラクトンフォームに転換され、種差がないことを確認した。また、360分後、ラクトン−カルボキシレート平衡は、カルボキシレートフォームにシフトした。カルボキシレートフォームの割合はヒト血清が最も高く、マウス及びサル血清では同程度、イヌ血清はマウス及びサル血清より若干低いことを確認した。
なお、一般にカンプトテシン類は溶液中では3位のカルボニルが2位の酸素と6員環エステルを形成している構造と、それが開環した酸構造との速い平衡にあり、ラクトンフォームとは前者の状態を示し、カルボキシレートフォームとは後者の状態を示す。
Figure 0004823894
〔試験例2〕
化合物2Aの各種pHにおける安定性を測定した。本化合物を各pHに調製した緩衝液中25μMの濃度で、25℃で放置し、0、3、6時間後に、HPLCにて測定した。
各pHで用いた緩衝液は下記の通りである。
pH2.0:50mM HCl-KCl緩衝液
pH3.0:50mM クエン酸緩衝液
pH4.0:50mM クエン酸緩衝液
pH5.0:50mM コハク酸緩衝液
pH6.5:50mM リン酸緩衝液
pH7.4:50mM リン酸緩衝液
HPLCの測定条件は下記の通りである。
HPLC条件 カラム:Develosil C30-UG-3,3μm,50×4.6mmI.D.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:A:10mM リン酸緩衝液(pH4.7)
B:アセトニトリル
(min):90/10(0)→90/10(0.4)→40/60(6)→2/98(8)→90/10(9)→90/10(15)
流速:1.0mL/min
検出:フォトダイオードアレイ検出器 測定波長 350nm
注入量:30μL
結果を表4、図5に示す。その結果、化合物2Aで代表される本発明の化合物は、pH3までは安定であり、pH4では若干の低下(6時間後で96.1%)が見られた。
pH6.5及び7.4では、3及び6時間後において、既に0%であることが確認された。また、本化合物は、pH依存的にラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームに化学的に転換されていることを確認した。
Figure 0004823894
〔試験例3〕
前記実施例で得られた水溶性プロドラッグ(化合物1A〜8A)の蒸留水中の溶解度を、(9S)−9−エチル−9−ヒドロキシ−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5] ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン(特許文献2中の代表化合物:比較化合物1)の溶解度と比較した。
結果を表5に示す。その結果、本発明に係る水溶性プロドラッグの溶解度が、比較化合物1と比較して、大幅に改善された。
Figure 0004823894
〔試験例4〕
前記一般式(2)、(3)で表される水溶性カンプトテシンプロドラッグは非経口で非常に広範囲の投与量でマウス大腸癌モデルにおいて、強い癌増殖抑制活性を示し抗腫瘍剤として有用な化合物である。以下にその抗腫瘍活性の一例を示す。
[抗腫瘍効果の測定]
本発明の化合物群の代表例に関し、抗腫瘍効果を測定した。抗腫瘍効果は、日本チャールズ・リバー株式会社より購入したBALB/c ヌードマウスの右側腹にAmerican Type Culture Collection(米国バージニア州)より入手したヒト大腸癌細胞株HCT116を鼠頚部皮下に移植させた担癌マウスを用いて行った。
購入したヌードマウスは1週間の検疫期間の後、右側腹のおよそ5X106個のHCT116細胞を鼠頚部皮下に移植させた。腫瘍の大きさがおよそ200mmになった時点でのマウスを当該実験に供した。
化合物は1mMクエン酸緩衝生理食塩水(pH4)に溶解し、静脈内投与した。投与は週一回で、三週間計三回行った。抗腫瘍効果は、次式(TGI)により腫瘍増殖抑制効果として算出した。
腫瘍増殖抑制効果(TGI)=
{(1−薬剤処理群の腫瘍増殖量/対照群の腫瘍増殖量)X100}(%)
結果を表6に示す。
Figure 0004823894
〔試験例5〕
実施例2で製造した化合物2Aについて、ヒト、マウス、ラット、サル及びイヌ血清中における活性化体への変換比率を測定した。活性化体はラクトンフォームとカルボキシレートフォームの速い平衡にあり、両者を別々に測定定量した。
化合物2Aを、ヒト、マウス、ラット、サル及びイヌ血清中50μMの濃度で、37℃でインキュベートし、所定の時間(0、30、60、120及び360分)に取り出し、除タンパク処理を実施した後、HPLCにて測定した。
HPLCの測定条件は下記の通りである。
HPLC条件 カラム:Develosil C30-UG-3,3μm,35×4.6mmI.D.
カラム温度:25℃付近の一定温度
移動相:A:10mM リン酸緩衝液(pH4.7)
B:アセトニトリル
/B(min):90/10(0)→90/10(0.4)→40/60(6)→2/98(8)→90/10(9)→90/10(15)
流速:1.0mL/min
検出:フォトダイオードアレイ検出器 測定波長 350nm
注入量:30μL
結果を、表7に示す。その結果、本発明の水溶性プロドラッグ(化合物2A)は、ヒト、マウス、ラット、サル及びイヌいずれの血清中でおいても速やかに、ラクトンフォームに転換され、種差がないことを確認した。また、360分後、ラクトン−カルボキシレート平衡は、カルボキシレートフォームにシフトした。カルボキシレートフォームの割合はヒト血清が最も高く、マウス及びサル血清では同程度、イヌ血清はマウス及びサル血清より若干低いことを確認した。
なお、一般にカンプトテシン類は溶液中では3位のカルボニルが2位の酸素と6員環エステルを形成している構造と、それが開環した酸構造との速い平衡にあり、ラクトンフォームとは前者の状態を示し、カルボキシレートフォームとは後者の状態を示す。
Figure 0004823894
〔比較試験例1〕
試験例1と同様にして、(9S)−9−エチル−9−(トリプトフィル-γ-グルタミルオキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5] ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン[特許文献1中の代表化合物(Q):比較化合物2]のヒト、マウス血清中におけるラクトンフォーム及びカルボキシレートフォームへの変換割合の時間的変化を測定した。
ヒト血清中における結果を図6に、マウス血清中における結果を図7に示す。
いずれにおいても、変換速度及び効率が低く、種間差が認められた。
本発明に係る水溶性プロドラッグ、その医薬的に許容し得る塩、これらの水和物または溶媒和物は、特定構造のエステル鎖を有するので、優れた水溶性を示し、しかも化学的変換により速やかに活性体に変換されることにより、種間差や個体差が小さくなる。特に本件発明は、カンプトテシン等のアルコール性水酸基を有する難溶性薬剤への適用に極めて有用である。

Claims (12)

  1. 下記一般式(2)
    Figure 0004823894
    〔式中、R1は、水素原子またはC1−C6アルキル基を示し;
    前記Yは、下記一般式(8)
    Figure 0004823894
    (式中、*は結合位置を示し、
    前記R 11 が水素原子であり;
    前記R 12 が水素原子であり;
    前記R 21 が、C1−C8アルキル基であり;
    前記R 22 が、水素原子である。)で表される基を示し;
    XはC=OまたはC1−C3アルキレン基を示し;
    2 およびR 4 はそれぞれ独立に水素原子、またはC1−C6アルキル基を示し;
    3 はC1−C6アルキル基を示す。〕で表される化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
  2. 前記R1が水素原子、メチル基またはエチル基である、請求項に記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
  3. 前記R2が水素原子またはメチル基である、請求項1または2に記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
  4. 前記R3がC1−C3アルキル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
  5. 前記R4が水素原子またはメチル基である、請求項1〜4のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩。
  6. 前記Yが、下記のアルコール性水酸基を有する化合物(Y−OH)の残基である、請求項1〜5のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩:
    o)(9S)-9-エチル-9-ヒドロキシ-1-ペンチル-1H,12H-ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2-de]キナゾリン-10,13(9H,15H)-ジオン
  7. 前記一般式(2)で表される化合物が下記からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容し得る
    (a) (9S)−9−エチル−9−{[メチル−(2−メチルアミノ−エチル)−アミノ]−アセトキシ}−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15 H)−ジオン、
    (b) (9S)−9−エチル−9−(グリシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、
    (c) (9S)−9−{[(2−アミノ−エチル)−メチル−アミノ]−アセトキシ}−9−エチル−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン、および
    (d) (9S)−9−エチル−9−(ザルコシル−ザルコシロキシ)−1−ペンチル−1H,12H−ピラノ[3'',4'':6',7']インドリジノ[1',2':6,5]ピリド[4,3,2−de]キナゾリン−10,13(9H,15H)−ジオン
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を有効成分として含有する、医薬組成物。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の化合物またはその医薬的に許容し得る塩を有効成分として含有する、細胞増殖性障害治療剤。
  10. 前記細胞増殖性障害が癌である、請求項に記載の細胞増殖性障害治療剤。
  11. 前記癌が固形腫瘍である、請求項10に記載の細胞増殖性障害治療剤。
  12. 前記癌が結腸直腸癌、肺癌、乳癌、胃癌、子宮頸癌および/または膀胱癌である、請求項10または11に記載の細胞増殖性障害治療剤。
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