以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(印字装置の概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるカード印字装置1を一側面側から示す斜視図である。図2は、図1のカード印字装置1の内部構成を側面から説明するための図である。
本形態の印字装置1は、カード2に対して印字を行うカード印字装置である。したがって、以下では、本形態の印字装置1をカード印字装置1と表記する。このカード印字装置1は、テープ状のシート材として、テープ状のフィルムにインクが塗布されたインクリボン3を使い、加熱によってインクリボン3上のインクを溶融等させてカード2に印字を行う熱転写方式の印字装置である。なお、本形態のカード2は、インクリボン3によって印字が行われる被印字部材である。
カード印字装置1は、図1、図2に示すように、インクリボン3を加熱してカード2に印字を行う印字部としてのサーマルヘッド4と、インクリボン3の供給および巻取を行うシートカートリッジとしてのインクリボンカートリッジ5(以下、カートリッジ5とする。)と、印字前のカード2の表面に付着した塵埃等を除去するクリーニング機構6と、サーマルヘッド4、カートリッジ5の一部およびクリーニング機構6等が収納される筐体7とを備えている。また、筐体7の内部には、カード2が搬送される搬送路8が形成されている。この搬送路8には、カード2の搬送を行うための複数のカード搬送ローラ9が配置されている。さらに、カード印字装置1は、装置内でインクリボン3の搬送を行うシート搬送ローラとしてのリボン搬送ローラ10と、装置内でインクリボン3を案内するためのガイド軸11とを備えている。また、本形態では、図1の紙面奥側からカード印字装置1へカード2が挿入される。
なお、以下の説明では、図1のX方向を「前後方向」、Y方向を「左右方向」、Z方向を「上下方向」とする。また、図1のX1方向側を「手前」、X2方向側を「奥」、Y1方向側を「右」、Y2方向側を「左」、Z1方向側を「上」、Z2方向側を「下」とする。さらに、図2における時計方向を「時計方向」、反時計方向を「反時計方向」とする。
本形態のカード2は、たとえば、厚さが0.7〜0.8mm程度の塩化ビニール製のカードである。このカード2の表面には、たとえば、磁気情報が記録される磁気ストライプが形成されている。なお、カード2の表面にIC接点が固定されても良いし、通信用のアンテナがカード2に内蔵されても良い。また、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードでも良い。
サーマルヘッド4は、カード印字装置1の前後方向の略中心に、かつ、搬送路8の上側に配置されている。また、サーマルヘッド4の下側をインクリボン3が通過する。本形態では、サーマルヘッド4は、図1、図2に示すように、駆動モータ12、ウォームギア13および偏心カム14等から構成されるサーマルヘッド駆動機構によって、搬送路8に対して(具体的には、前後方向の略中心に配置された搬送ローラ9に対して)上下動する。そして、サーマルヘッド4は、インクリボン3を介してカード2の上面に所定の当接力で当接した状態で、カード2の上面に印字を行う。
カートリッジ5は、図2等に示すように、サーマルヘッド4に向かってインクリボン3を供給するシート供給部としてのリボン供給部15と、サーマルヘッド4による印字が終了した後のインクリボン3を巻き取るシート巻取部としてのリボン巻取部16とを備えている。本形態では、リボン供給部15がサーマルヘッド4よりも奥側に配置され、リボン巻取部16がサーマルヘッド4よりも手前側に配置されている。このカートリッジ5は、搬送路8の上方に配置されるとともに、カード印字装置1の本体に対して着脱可能となっている。カートリッジ5の詳細な構成については後述する。
クリーニング機構6は、カード印字装置1の奥側端に配置されている。このクリーニング機構6は、カード印字装置1の奥側から挿入されサーマルヘッド4で印字が行われる前のカード2の上面のクリーニングを行う。本形態のクリーニング機構6は、搬送中のカード2の上面に当接して、カード2の表面に付着した塵埃を除去するクリーニングローラ31と、クリーニングローラ31の回転軸32と、回転軸32の両端側を回転可能に支持する一対の軸受(図示省略)と、一対の軸受を押圧する押圧機構35等を備えている。
筐体7は、上側に配置される第1筐体17と、下側に配置される第2筐体18とから構成されている。本形態では、第2筐体18にカートリッジ5が載置され、第1筐体17によって、上側からカートリッジ5が固定される構成となっている。すなわち、第1筐体17の奥側端には、軸19が固定されており、第1筐体17は、軸19を中心に第2筐体18に対して、図2に示す状態から反時計方向へ回動可能となっている。そして、第1筐体17が図2に示す状態から反時計方向へ回動すると、第2筐体18に載置されたカートリッジ5を筐体7から取り出すことが可能になる。また、図1、図2に示す状態では、筐体7の手前側端に配置されたロック機構20によって、第1筐体17は第2筐体18にロックされている。なお、カートリッジ5に関連する第2筐体18の一部の構成については後述する。
搬送路8は、カード印字装置1の前後方向に直線状に、かつ、前後方向でカード印字装置1を貫通するように形成されている。複数のカード搬送ローラ9は、下側から搬送路8に突出するように配置されている。また、複数のカード搬送ローラ9は、図1に示すように、プーリ22やタイミングベルト23等から構成される伝達手段を介して駆動モータ24に連結され、駆動モータ24の動力で回転する。さらに、奥側に配置されるカード搬送ローラ9および前後方向の略中心に配置されるカード搬送ローラ9を除くカード搬送ローラ9の上側には、カード搬送ローラ9に圧接するように、パッドローラ25が配置されている。また、奥側に配置されるカード搬送ローラ9には、クリーニングローラ31が対向し、前後方向の略中心に配置されるカード搬送ローラ9には、サーマルヘッド4が対向している。
リボン搬送ローラ10は、搬送路8の上方に配置されるとともに、リボン巻取部16よりも奥側でかつサーマルヘッド4よりも手前側に配置されている。このリボン搬送ローラ10は、図1に示すように、プーリ26やタイミングベルト27等から構成される伝達手段を介して駆動モータ28に連結され、駆動モータ28の動力で回転する。本形態では、リボン搬送ローラ10は時計方向へ回転する。また、図2に示すように、リボン搬送ローラ10によって、インクリボン3は奥側に向かう斜め上方へ案内されている。リボン搬送ローラ10の斜め上側には、リボン搬送ローラ10に圧接するように、パッドローラ29が配置されている。なお、駆動モータ28には、後述のように、リボン巻取部16も連結されており、リボン巻取部16を構成する後述の巻取巻芯52は、駆動モータ28の動力でリボン搬送ローラ10とともに回転する。
ガイド軸11は、左右方向を軸方向として第2筐体18に固定されている。このガイド軸11は、搬送路8の上方に配置されるとともに、リボン供給部15よりも手前側でかつサーマルヘッド4よりも奥側に配置されている。また、図2に示すように、ガイド軸11によって、インクリボン3は手前側へ向かう斜め上方へ案内されている。
(カートリッジの全体構成およびカートリッジに関連する第2筐体の構成)
図3は、図1に示すカートリッジ5を手前側かつ左側から示す斜視図である。図4は、図1に示すカートリッジ5を奥側かつ右側から示す斜視図である。図5は、図1に示すカートリッジ5の各構成の配置関係を説明するための模式図である。図6は、図1に示す第2筐体18へのカートリッジ5の取付時の状態を説明するための図であり、(A)は左右方向から見た第2筐体18へのカートリッジ5の取付部分の一部を示し、(B)は前後方向から見た第2筐体18へのカートリッジ5の取付部分の一部を示す。なお、図5では、カートリッジフレーム40を取り外した状態のカートリッジ5が左側から図示されている。
カートリッジ5は、上述のリボン供給部15およびリボン巻取部16に加え、図3〜図5に示すように、所定の間隔をあけた状態で平行に対向配置される2枚のカートリッジフレーム40、41と、2枚のカートリッジフレーム40、41を連結する連結部材としての連結軸42〜48とを備えている。本形態では、カートリッジフレーム40によって、カートリッジ5の左側面が形成され、カートリッジフレーム41によって、カートリッジ5の右側面が形成されている。また、本形態のカートリッジ5は、7本の連結軸42〜48を備え、連結軸42〜48は、カートリッジフレーム40、41に固定されている。さらに、カートリッジフレーム40、41と連結軸42との連結部および、カートリッジフレーム40、41と連結軸46との連結部にはそれぞれ、略円錐台形状のガイド部材49が、底面側をカートリッジフレーム40、41に当接させた状態で取り付けられている。
図5に示すように、リボン供給部15は、カートリッジフレーム40、41の奥端側に配置され、リボン巻取部16は、カートリッジフレーム40、41の手前端側に配置されている。連結軸42は、リボン巻取部16の下方に配置され、連結軸43は、リボン巻取部16の奥側の斜め上方に配置されている。また、連結軸44は、カートリッジ5の前後方向の中心より手前側でかつカートリッジ5の下端に配置され、連結軸45は、カートリッジ5の前後方向の中心より奥側でかつカートリッジ5の下端に配置されている。さらに、連結軸46は、リボン供給部15の手前側の斜め下方に配置され、連結軸47は、リボン供給部15の手前側の斜め上方に配置され、連結軸48は、リボン供給部15の奥側の斜め下方に配置されている。
カートリッジ5では、図5に示すように、インクリボン3は、リボン供給部15からリボン巻取部16に向かって、連結軸48の奥側、連結軸45の下側、連結軸44の下側および連結軸42の手前側を順次通過する。すなわち、本形態では、連結軸42、44、45、48は、インクリボン3を案内するガイド軸にもなっている。
上述のように、カートリッジ5は、第2筐体18に載置される。具体的には、第2筐体18の左右方向の両側面のそれぞれを形成する2枚のフレーム37には、図2、図6に示すように、連結軸42が嵌まり込む略U形状の嵌合溝部37aと、連結軸46が載置される矩形状の載置突起37bとが形成され、連結軸42、46が2枚のフレーム37に載置される。2枚のフレーム37の左右方向の外側端の間隔は、図6(B)に示すように、たとえば、連結軸42、46の端部に配置される2個のガイド部材49の内側端の間隔とほぼ等しくなっている。本形態では、フレーム37は、カートリッジ5が載置される載置フレームであり、嵌合溝部37aの底部37cおよび載置突起37の上部37dは、連結軸42、46が載置される載置部である。
(リボン巻取部の構成)
図7は、図1に示すリボン巻取部16の分解斜視図である。図8は、図1に示すリボン巻取部16とプーリ26等との連結部分の構成を説明するための模式図である。なお、図7では、手前側かつ左側からリボン巻取部16が図示されている。
リボン巻取部16は、図7に示すように、インクリボン3が巻き取られる円筒状の巻取巻芯52と、巻取巻芯52の一端(左端)に取り付けられる取付板53と、巻取巻芯52の他端(右端)に取り付けられる取付板54と、巻取巻芯52と一体で回転する巻取回転軸55と、巻取巻芯52よりも左側に配置され、巻取回転軸55に保持される歯車56と、カートリッジフレーム40に固定され、巻取回転軸55を回転可能に支持する軸受51と、巻取巻芯52と歯車56との間に配置される巻取摩擦部材としての摩擦シート57と、摩擦シート57を左端面に保持する円板状の保持板58と、取付板53と保持板58との間に配置され、摩擦シート57を歯車56に向かって付勢する巻取摩擦付勢部材としての圧縮コイルバネ59と、カートリッジフレーム41に固定され取付板54を回動可能に支持する固定軸60とを備えている。
軸受51と、巻取回転軸55の一部を除く上記の構成は、カートリッジフレーム40、41の間に配置されている。また、本形態では、インクリボン3の巻取時には、後述のように、巻取巻芯52に駆動モータ28の駆動力が伝達され、巻取巻芯52は反時計方向へ回転する。
巻取巻芯52の両端には、左右方向の内側に向かって窪むように略矩形状の凹部52aが形成されている。具体的には、巻取巻芯52の左端および右端にはそれぞれ、180°ピッチで2箇所に凹部52aが形成されている。巻取巻芯52の左端に形成された凹部52aには、取付板53に形成された後述の係合突起53aが係合している。巻取巻芯52の左端に形成された凹部52aと係合突起53aとによって、巻取巻芯52側に生じる回転力が取付板53に伝達され、また、取付板53側に生じる回転力が巻取巻芯52に伝達される。なお、巻取巻芯52の右端に形成された凹部52aに係合する係合突起が取付板54に形成され、巻取巻芯52側に生じる回転力が取付板54に伝達されるようにしても良い。
取付板54は、扁平な鍔付きの円筒状に形成されるとともに、この取付板54には、固定軸60が挿通される小径筒部54aが右方向へ突出するように形成されている。取付板54に挿通された固定軸60の左端側には、E型止め輪等の抜止部材(図示省略)が取り付けられている。この抜止部材によって、固定軸60からの取付板54の抜けが防止されている。また、取付板54の左端側に形成される円筒部分が巻取巻芯52の内周側に挿通された状態で、圧縮コイルバネ59の付勢力によって、取付板54の鍔部分に巻取巻芯52の右端が押圧されている。このように、取付板54が取り付けられた巻取巻芯52の右端側は、取付板54に挿通された固定軸60に回動可能に支持されている。
巻取回転軸55には、図7に示すように、左右方向の略中心から右端にかけて、軸方向(左右方向)に平行な平面状の係合部55aが形成されている。すなわち、左右方向の略中心から右端までの巻取回転軸55の軸方向に直交する断面の形状は略D形状となっている。また、巻取回転軸55の左端側は、図3等に示すように、カートリッジフレーム40よりも左側に突出している。巻取回転軸55の左端には、手動で巻取回転軸55を回転させる際にユーザが利用する円板状のつまみ61が固定されている。さらに、巻取回転軸55の右端側には、取付部材53や保持板58等が巻取回転軸55から抜けるのを防止するためのE型止め輪等の抜止部材(図示省略)が取り付けられている。
軸受51は、POM(ポリアセタール)等の摺動性に優れる樹脂で形成されている。この軸受51は、図示を省略する固定ネジによって、カートリッジフレーム40に固定されている。
取付板53は、扁平な鍔付きの円筒状に形成され、その内周側には、巻取回転軸55が挿通されている。この取付板53の内周面には、巻取回転軸55の係合部55aが係合する平面状の当接面が形成されている。すなわち、左右方向から見た取付板53の内周面の形状は、巻取回転軸55の係合部55aが形成された部分の断面形状よりもわずかに大きな略D形状となっている。また、取付板53には、この取付板53の右端側に形成される円筒部分の外周側に突出する係合突起53aが形成されている。具体的には、取付板53の左端に形成される鍔部分から右方向に向かって突出するように、かつ、180°ピッチで、2個の係合突起53aが形成されている。この係合突起53aは、上述のように、巻取巻芯52の左端に形成された凹部52aと係合する。
本形態では、取付板53の挿通孔に、巻取回転軸55の係合部55aが形成された部分が挿通されている。また、凹部52aと係合突起53aとが係合するとともに、取付板53の円筒部分が巻取巻芯52の内周側に挿通された状態で、圧縮コイルバネ59の付勢力によって、取付板54の鍔部分に巻取巻芯52の左端が押圧されている。そのため、取付板53および取付板53が取り付けられた巻取巻芯52と、巻取回転軸55とは一体で回転する。
摩擦シート57は、フェルト等の比較的摩擦係数の大きな材料によって、円板状に形成されるとともに、その中心部には、巻取回転軸55の径よりも大きな径の貫通孔が形成されている。また、摩擦シート57は、保持板58の左端面に固定されている。保持板58は、円板状に形成されるとともに、その中心部には、取付板53の内周面とほぼ同形状の挿通孔58aが形成されている。本形態では、挿通孔58aに、巻取回転軸55の係合部55aが形成された部分が挿通され、保持板58および保持板58に固定された摩擦シート57と、巻取回転軸55とは一体で回転する。
歯車56の中心部には、巻取回転軸55が挿通される円形の挿通孔56aが形成されている。挿通孔56aの内径は、巻取回転軸55の径よりわずかに大きくなっており、この挿通孔56aには、巻取回転軸55の係合部55aが形成されていない部分が挿通される。すなわち、歯車56は、巻取回転軸55に対して回転可能となっている。また、歯車56の左端面には、軸受51の右端面が当接し、歯車56の右端面には、摩擦シート57が当接している。
上述のように、リボン巻取部16は、リボン搬送ローラ10を回転させる駆動モータ28に連結されており、巻取巻芯52は、駆動モータ28の動力で回転して、インクリボン3を巻き取る。具体的には、まず、カード印字装置1は、図8に示すように、プーリ26が固定されたリボン搬送ローラ10の回転軸62と、回転軸62に固定され、歯車56に咬合する歯車63を備えている。
そして、駆動モータ28の動力は、まず、プーリ26、タイミングベルト27、歯車63を介して歯車56まで伝達される。また、圧縮コイルバネ59で付勢された摩擦シート57と歯車56との間の摩擦力によって、歯車56まで伝達された動力は、摩擦シート57に伝達され、その後、保持板58、巻取回転軸55および取付板53を介して、巻取巻芯52まで伝達される。駆動モータ28の動力が伝達された巻取巻芯52は回転して、インクリボン3を巻き取る。
なお、歯車56の左端面に軸受51の右端面が当接しているが、歯車56と軸受51との間に生じる摩擦抵抗は非常に小さいため、歯車56は、軸受51と当接した状態で円滑に回転する。また、本形態では、プーリ26、タイミングベルト27、駆動モータ28、歯車63等によって、少なくともリボン搬送ローラ10を駆動する駆動機構が構成されている。さらに、本形態の歯車56は、この駆動機構に連結され、巻取巻芯52に動力を伝達するための伝達部材である。
本形態では、リボン搬送ローラ10と巻取巻芯52とは、リボン搬送ローラ10の周速度よりも巻取巻芯52の周速度が速くなるように駆動されている。すなわち、リボン搬送ローラ10の外径、巻取巻芯52の外径および歯車56、63間のギア比は、リボン搬送ローラ10の周速度よりも巻取巻芯52の周速度が速くなるように設定されている。
また、本形態では、圧縮コイルバネ59の付勢力および歯車56と摩擦シート57と間の摩擦係数等は、リボン搬送ローラ10と巻取巻芯52との間におけるインクリボン3の張力が所定の大きさ未満であるときには、歯車56と摩擦シート57とが摩擦係合して、歯車56と巻取巻芯52とが一体で回転し、リボン搬送ローラ10と巻取巻芯52との間におけるインクリボン3の張力が所定の大きさ以上であるときには、歯車56と摩擦シート57との間で滑りが生じるように、設定されている。
(リボン供給部の構成)
図9は、図1に示すリボン供給部15の分解斜視図である。なお、図9では、奥側かつ左側からリボン供給部15が図示されている。
リボン供給部15は、図9に示すように、供給されるインクリボン3が巻回される円筒状の供給巻芯66と、供給巻芯66の一端(左端)に取り付けられる取付板67と、供給巻芯66の他端(右端)に取り付けられる取付板68と、供給巻芯66と一体で回転する供給回転軸69と、供給巻芯66よりも左側に配置され、軸受70を介して供給回転軸69に回転可能に保持される回転部材としての回転板71と、回転板71を反時計方向へ付勢する回転付勢部材としての引張りコイルバネ72と、カートリッジフレーム40に固定され、供給回転軸69を回転可能に支持する軸受73と、供給巻芯66と回転板71との間に配置される供給摩擦部材としての摩擦シート74と、摩擦シート74を左端面に保持する保持部材75と、取付板67と保持部材75との間に配置され、摩擦シート74を回転板71に向かって付勢する供給摩擦付勢部材としての圧縮コイルバネ76と、カートリッジフレーム41に固定され取付板68を回動可能に支持する固定軸77とを備えている。
軸受73と、供給回転軸69の一部を除く上記の構成は、カートリッジフレーム40、41の間に配置されている。また、本形態では、インクリボン3の供給時には、供給巻芯66が、巻取巻芯52およびリボン搬送ローラ10によるインクリボン3の巻取動作に伴って時計方向へ回転する。すなわち、本形態では、インクリボン3の巻取動作に伴って、供給巻芯66が従動的に回転して、インクリボン3の供給が行われる。
供給巻芯66の両端には、左右方向の内側に向かって窪むように略矩形状の凹部66aが形成されている。具体的には、供給巻芯66の左端および右端にはそれぞれ、180°ピッチで2箇所に凹部66aが形成されている。供給巻芯66の左端に形成された凹部66aには、取付板67に形成された後述の係合突起67aが係合している。供給巻芯66の左端に形成された凹部66aと係合突起67aとによって、供給巻芯66側に生じる回転力が取付板67に伝達され、また、取付板67側に生じる回転力が供給巻芯66に伝達される。なお、供給巻芯66の右端に形成された凹部66aに係合する係合突起が取付板68に形成され、供給巻芯66側に生じる回転力が取付板68に伝達されるようにしても良い。
取付板68は、扁平な鍔付きの円筒状に形成されるとともに、この取付板68には、取付板54に形成された小径筒部54aと同様の小径筒部68aが形成されている。取付板68に挿通された固定軸77の左端側には、固定軸77からの取付板68の抜けを防止するためのE型止め輪等の抜止部材(図示省略)が取り付けられている。また、取付板68の左端側に形成される円筒部分が供給巻芯66の内周側に挿通された状態で、圧縮コイルバネ76の付勢力によって、取付板68の鍔部分に供給巻芯66の右端が押圧されている。このように、取付板68が取り付けられた供給巻芯66の右端側は、取付板68に挿通された固定軸77に回動可能に支持されている。
供給回転軸69には、巻取回転軸55に形成された係合部55aと同様の係合部69aが形成されている。すなわち、左右方向の略中心から右端までの供給回転軸69の軸方向に直交する断面の形状は略D形状となっている。また、供給回転軸69の左端側は、カートリッジフレーム40よりも左側に突出し、供給回転軸69の左端には、手動で供給回転軸69を回転させる際にユーザが利用する円板状のつまみ78が固定されている。さらに、供給回転軸69の右端側には、取付部材67や保持部材75等が供給回転軸66から抜けるのを防止するためのE型止め輪等の抜止部材(図示省略)が取り付けられている。
軸受73は、軸受51と同様にPOM等の摺動性に優れる樹脂で形成されている。この軸受51は、図9に示すように、固定ネジ79および図示を省略する固定ネジによって、カートリッジフレーム40に固定されている。本形態の固定ネジ79は、軸受73を固定するため、カートリッジフレーム40に形成されたネジ孔40aに、カートリッジフレーム40の左側面から右側面に向かってねじ込まれている。また、固定ネジ79の先端側は、カートリッジフレーム40の右側面よりも右側に突出しており、回転板71に形成された後述の溝部71bの中に係合されている。すなわち、本形態の固定ネジ79は、後述の溝部71bに係合される係合突起となっている。
取付板67は、扁平な鍔付きの円筒状に形成され、その内周側には、供給回転軸69が挿通されている。この取付板67の内周面は、取付板53の内周面と同様に形成されている。すなわち、取付板67の内周面には、供給回転軸69の係合部69aが係合する平面状の当接面が形成され、左右方向から見た取付板67の内周面の形状は、供給回転軸69の係合部69aが形成された部分の断面形状よりもわずかに大きな略D形状となっている。また、取付板67には、この取付板67の右端側に形成される円筒部分の外周側に突出する係合突起67aが形成されている。具体的には、取付板67の左端に形成される鍔部分から右方向に向かって突出するように、かつ、180°ピッチで、2個の係合突起67aが形成されている。この係合突起67aは、上述のように、供給巻芯66の左端に形成された凹部66aと係合する。
本形態では、取付板67の挿通孔に、供給回転軸69の係合部69aが形成された部分が挿通されている。また、凹部66aと係合突起67aとが係合するとともに、取付板67の円筒部分が供給巻芯66の内周側に挿通された状態で、圧縮コイルバネ76の付勢力によって、取付板67の鍔部分に供給巻芯66の左端が押圧されている。そのため、取付板67および取付板67が取り付けられた供給巻芯66と、供給回転軸69とは一体で回転する。
摩擦シート74は、摩擦シート57と同様に形成されている。保持部材75は、鍔付きで厚肉の円筒状に形成されている。この保持部材75の中心部には、取付板67の内周面とほぼ同形状の挿通孔75aが形成されている。また、保持部材75の左端面に摩擦シート74が固定されている。本形態では、挿通孔75aに、供給回転軸69の係合部69aが形成された部分が挿通され、保持部材75および保持部材75に固定された摩擦シート74と、供給回転軸69とは一体で回転する。
また、保持部材75の右端に形成された鍔部75bには、円周方向に一定の間隔でスリット孔75cが複数形成されている。本形態のカード印字装置1は、鍔部75bを挟むように配置される受光素子と発光素子とを有する光学式のセンサ(図示省略)を備えている。すなわち、本形態の鍔部75bは、供給回転軸69と一体で回転する供給巻芯66の回転速度や回転距離の検出を行うためのロータリスケール部となっている。
回転板71は、円板状に形成されるとともに、その中心部には、軸受70が取り付けられる円形の取付孔71aが形成されている。また、取付孔71aよりも径方向外側に、所定の中心角θ(図5参照)を有する略円弧形状の溝部71bが、回転板71を貫通するように形成されている。さらに、回転板71には、引張りコイルバネ72の一端(上端)が固定されるバネ固定部71cが径方向外側に突出するように形成されている。回転板71の左端面には、軸受73の右端面が当接し、回転板71の右端面には、摩擦シート74が当接している。
取付孔71aには、上述のように、軸受70が取り付けられている。この軸受70の内周側には、供給回転軸69の係合部69aが形成されていない部分が挿通されており、回転板71は、供給回転軸69に対して回転可能となっている。
溝部71bには、上述のように、固定ネジ79の先端側が係合されている。本形態では、溝部71bの時計方向の端面71e(以下、時計方向端面71eとする。)および溝部71bの反時計方向の端面71f(以下、反時計方向端面71fとする。)と、固定ネジ79とによって、回転板71の回転範囲が規制される。すなわち、本形態では、溝部71bと固定ネジ79とによって、回転板71の回転範囲を規制する回転規制機構が構成されている。本形態の溝部71bの中心角θは約150°となっている。すなわち、本形態の回転板71の回転範囲は約150°となっている。なお、固定ネジ79に代えて、別途、回転規制機構を構成する係合突起をカートリッジフレーム40に取り付けても良い。
バネ固定部71cは、回転板71の円周方向において、溝部71bの反時計方向端面71fよりも、たとえば、反時計側に約30°離れた位置に形成されている。すなわち、本形態では、溝部71bの時計方向端面71eとバネ固定部71cとは、回転板71の円周方向において、約180°離れた位置に配置されている。このバネ固定部71cには、引張りコイルバネ72の上端が取り付けられる取付孔71dが形成されている。
引張りコイルバネ72の上端は、上述のように、バネ固定部71cに固定されている。また、引張りコイルバネ72の下端(他端)は、図4、図5等に示すように、供給回転軸69より手前側かつ下方において、カートリッジフレーム40に固定された固定ピン80に固定されている。本形態の引張りコイルバネ72は、インクリボン3の供給時における供給巻芯66の回動方向である供給回転方向(すなわち、時計方向)と反対の反供給回転方向(すなわち、反時計方向)へ回転板71を付勢している。
以上のように構成されたリボン供給部15では、以下のような動作を行うように、圧縮コイルバネ76の付勢力、回転板71と摩擦シート74と間の摩擦係数および引張りコイルバネ72の付勢力等が設定されている。
(リボン供給部の概略動作)
図10は、図1のカード印字装置1の本体に取り付けられたときのカートリッジ5の状態を側面から説明するための図である。図11は、図1のカード印字装置1の本体からカートリッジ5を取り外している最中のカートリッジ5の状態を側面から説明するための図である。
以下、図5、図10および図11を用いて、リボン供給部15の概略動作を説明する。
まず、カード印字装置1の本体にカートリッジ5が取り付けられていないときには、図5に示すように、回転板71は、引張りコイルバネ72の付勢力によって反時計方向に付勢され、時計方向端面71eと固定ネジ79とが当接する位置で停止している。この状態で、インクリボン3にたるみが生じないように、カートリッジ5にインクリボン3がセットされている。なお、カード印字装置1の本体にカートリッジ5が取り付けられていないときに、時計方向端面71eに固定ネジ79が当接していなくても良い。
カード印字装置1の本体にカートリッジ5が取り付けられると、図2に示すように、連結軸42と連結軸44との間のインクリボン3は、リボン搬送ローラ10によって、奥側に向かう斜め上方へ案内され、連結軸45と連結軸48との間のインクリボン3は、ガイド軸11によって、手前側に向かう斜め上方へ案内される。すなわち、リボン搬送ローラ10およびガイド軸11に案内されて引き出される分だけ、供給巻芯66は、時計方向へ回動してインクリボン3を供給する。
この際、供給巻芯66の回転力が、取付板67、供給回転軸69、保持部材75および摩擦シート74を介して回転板71に伝達されるため、回転板71は、供給巻芯66とともに時計方向へ回転して、回転後の位置で停止する。なお、回転板71が時計方向へ回転すると、回転板71には、引張りコイルバネ72による反時計方向の付勢力が働くが、回転板71は反時計方向へ戻されることなく、回転後の位置で停止する。また、回転板71の左端面に軸受73の右端面が当接しているが、回転板71と軸受73との間に生じる摩擦抵抗は非常に小さいため、回転板71は、軸受73と当接した状態で円滑に回転する。
この状態で、カード印字装置1でカード2への印字が開始され、巻取巻芯52およびリボン搬送ローラ10によるインクリボン3の巻取動作が開始されると、インクリボン3の巻取動作に伴って、供給巻芯66が時計方向へ回転を始める。供給巻芯66が時計方向へ回転を始めると、供給巻芯66の回転力が、取付板67、供給回転軸69、保持部材75および摩擦シート74を介して回転板71に伝達され、図10に示すように、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接するまで、回転板71は回転する。反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接すると、その後、インクリボン3の巻取動作に伴って、供給巻芯66が時計方向へ回転しても、摩擦シート74と回転板71との間で滑りが生じて、回転板71は回転しない。
また、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接した状態では、図10に示すように、引張りコイルバネ72による反時計方向への付勢力が回転板71に働く。しかし、本形態では、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接した後は、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接した状態で回転板71が停止する。すなわち、本形態では、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが一旦当接すると、カード印字装置1の本体からカートリッジ5が取り外されるまで、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接した状態で回転板71が停止する。
所定のメンテナンス時等において、図10に示す状態でカード印字装置1の本体に取り付けられたカートリッジ5をカード印字装置1の本体から取り外す場合には、図11に示すように、サーマルヘッド4を退避させた後に、カートリッジ5を上方へ持ち上げていく。このとき、引張りコイルバネ72による反時計方向の付勢力が回転板71に働いているため、図11に示すように、カートリッジ5を上方へ持ち上げることで相対的に下側へ移動していくリボン搬送ローラ10およびガイド軸11にインクリボン3が当接するように、回転板71は、徐々に反時計方向へ回転する。そして、カートリッジ5がカード印字装置1から完全に取り外されるまでには、図5に示すように、回転板71は、時計方向端面71eと固定ネジ79とが当接するまで、反時計方向へ回転する。
このとき、引張りコイルバネ72の付勢力によって回転板71に生じる回転力は、圧縮コイルバネ76によって付勢された摩擦シート74と回転板71との摩擦力によって、摩擦シート74、保持部材75、供給回転軸69および取付板67を介して、供給巻芯66まで伝達される。そのため、カード印字装置1の本体からカートリッジ5が取り外される最中に、カートリッジ5で生じうるインクリボン3のたるみが解消され、図5に示すように、カートリッジ5を取り外した後であっても、カートリッジ5では、インクリボン3のたるみは生じない。
なお、本形態では、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接する位置から時計方向端面71eと固定ネジ79とが当接する位置まで、回転板71とともに供給巻芯66が回転することで、リボン搬送ローラ10およびガイド軸11によって引き出されていた分のインクリボン3のたるみが解消されるように、溝部71bが形成されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のカートリッジ5は、反時計方向に回転板71を付勢する引張りコイルバネ72を備えている。また、摩擦シート74は、インクリボン3の供給時に、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接する位置までの所定の角度、回転板71が供給巻芯66とともに時計方向へ回転するように、圧縮コイルバネ76によって回転板71に向かって付勢されている。すなわち、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接するまでは、圧縮コイルバネ76の付勢力に基づく摩擦シート74と回転板71との間の摩擦力が、引張りコイルバネ72の付勢力に基づく摩擦シート74と回転板71との間の滑り力よりも大きくなっている。そのため、反時計方向端面71fと固定ネジ79とが当接するまで、供給巻芯66とともに回転板71が時計方向へ回転することで、引張りコイルバネ72に蓄えられる反時計方向への付勢力が、摩擦シート74を介して供給巻芯66に伝達される。したがって、カートリッジ5が取り付けられる(すなわち、カートリッジ5の上位装置となる)カード印字装置1がインクリボン3に張力を与えるための機構を備えていなくても、インクリボン3に張力を与えることができる。その結果、本形態のカード印字装置1では、印字品質を向上させることができる。
また、本形態では、カード印字装置1の本体からカートリッジ5が取り外されている最中に、引張りコイルバネ72の付勢力によって回転板71に生じる回転力が、摩擦シート74と回転板71との摩擦力によって、摩擦シート74や供給回転軸69等を介して、供給巻芯66まで伝達される。そのため、カード印字装置1からカートリッジ5を取り外しながら、インクリボン3のたるみを取り除くことができる。したがって、カード印字装置1から取り外したカートリッジ5において、たとえば、図12に示すようなインクリボン3のたるみが生じることがない。その結果、インクリボン3の損傷等を抑制することが可能になる。また、インクリボン3のたるみが解消されるため、カートリッジ5の取扱いも容易になる。
また、本形態では、インクリボン3のたるみ分が供給巻芯66に巻き取られるため、たるみ分が巻取巻芯52に巻き取られる場合と比較して、インクリボン3の無駄を防止できる。特に、本形態では、歯車56が直接、巻取回転軸55に支持され、回転板71が軸受70を介して供給回転軸69に支持されている。そのため、巻取回転軸55と歯車56との間では滑りが生じにくく、また、供給回転軸69と回転板71との間では滑りが生じやすい。したがって、インクリボン3のたるみ分をより確実に供給巻芯66に巻き取ることができ、インクリボン3の無駄をより効果的に防止できる。
本形態では、反時計方向端面71fと固定ネジ79とによって、供給回転方向となる時計方向における回転板71の回転範囲を規制している。そのため、引張りコイルバネ72による反時計方向への付勢力が必要以上に大きくなるのを防止することが可能になる。また、引張りコイルバネ72を適切に作用させることが可能になる。したがって、インクリボン3に過剰な張力が生じるのを防止して、インクリボン3に適切な張力を与えることが可能になる。
本形態では、保持部材75の鍔部75bは、供給巻芯66の回転速度や回転距離の検出を行うためのロータリスケール部となっている。そのため、簡易な構成で、供給巻芯66の回転速度や回転距離を検出できる。その結果、供給巻芯66からのインクリボン3の供給速度や、インクリボン3の残量の検出が可能になる。また、供給巻芯66と巻取巻芯52との間で、インクリボン3が切れていないか否かを検出することも可能になる。
本形態では、リボン搬送ローラ10の外径、巻取巻芯52の外径および歯車56、63間のギア比は、リボン搬送ローラ10の周速度よりも巻取巻芯52の周速度が速くなるように設定されている。また、摩擦シート57は、リボン搬送ローラ10と巻取巻芯52との間におけるインクリボン3の張力が所定の大きさ未満であるときには、歯車56と摩擦シート57とが摩擦係合して、歯車56と巻取巻芯52とが一体で回転し、リボン搬送ローラ10と巻取巻芯52との間におけるインクリボン3の張力が所定の大きさ以上であるときには、歯車56と摩擦シート57との間で滑りが生じるように、圧縮コイルバネ59によって歯車56に向かって付勢されている。そのため、リボン巻取部16において、インクリボン3に過剰な張力を発生させることなく、かつ、インクリボン3をたるませることなくインクリボン3を巻き取ることができる。
本形態では、カートリッジ5は、カートリッジフレーム40、41と連結軸42、46との連結部にそれぞれ配置される略円錐台形状のガイド部材49を備えている。そのため、図6(B)に示すように、フレーム37に連結軸42、46の両端部分を載置する際には、連結軸42、46の両端部分は、左右方向において、ガイド部材49によって嵌合溝部37aの底部37cおよび載置突起37の上部37dに適切に案内される。また、図6(A)に示すように、フレーム37に連結軸42の両端部分を載置する際には、連結軸42の両端部分は、前後方向において、ガイド部材49によって嵌合溝部37aの底部37cに適切に案内される。そのため、カード印字装置1の本体に対するカートリッジ5の取付が容易になる。また、カード印字装置1の本体に対するカートリッジ5のがたつきを抑制することが可能になる。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態では、引張りコイルバネ72によって回転板71は反時計方向に付勢されている。この他にもたとえば、ねじりコイルバネ等の他の付勢部材によって回転板71が付勢されても良い。また、回転板71の回転範囲は、約150°には限定されず、150°よりも小さな角度であっても良いし、150°よりも大きな角度であっても良い。
上述した形態では、リボン供給部15は、回転板71の時計方向および反時計方向の回転範囲を規制するため、溝部71bと固定ネジ79とから構成される回転規制機構を備えている。この他にもたとえば、リボン供給部15は、回転板71の時計方向のみの回転範囲を規制する回転規制機構を備えていても良い。また、リボン供給部15は、回転板71の反時計方向のみの回転範囲を規制する回転規制機構を備えていても良いし、回転板71の回転範囲を規制する回転規制機構を備えていなくても良い。リボン供給部15が、回転板71の反時計方向のみの回転範囲を規制する回転規制機構を備えている場合、あるいは、回転規制機構を備えていない場合には、たとえば、ねじりコイルバネで回転板71が反時計方向へ付勢されるように、リボン供給部15を構成すれば良い。
また、回転板71の左端面から左側に向かって突出するように固定された突起部と、カートリッジフレーム40に形成されこの突起部が係合する溝部とから、回転板71の時計方向および反時計方向の回転範囲を規制する回転規制機構が構成されても良い。さらに、回転板71の左端面から左側に向かって突出するように固定された突起部と、カートリッジフレーム40の右側面に固定されこの突起部に係合するフレーム側突起部とから、回転板71の時計方向および反時計方向の回転範囲を規制する回転規制機構が構成されても良い。
上述した形態では、リボン搬送ローラ10を駆動する駆動モータ28によって、巻取巻芯52も駆動されているが、巻取巻芯52を駆動するための駆動モータが別途、設けられても良い。また、上述した形態では、歯車56、63等を介して、駆動モータ28の動力が巻取巻芯52に伝達されているが、プーリやベルト等を介して、駆動モータ28の動力が巻取巻芯52に伝達されても良い。
上述した形態では、巻取巻芯52と巻取回転軸55とが別体で形成され、供給巻芯66と供給回転軸69とが別体で形成されている。この他にもたとえば、巻取巻芯52と巻取回転軸55とが一体で形成され、供給巻芯66と供給回転軸69とが一体で形成されても良い。また、上述した形態では、圧縮コイルバネ59、76によって、摩擦シート57、74が付勢されているが、摩擦シート57、74は、板バネ等の他の付勢部材によって、付勢されても良い。
上述した形態では、テープ状のシート材としてインクリボン3を供給するリボン供給部15と、インクリボン3を巻き取るリボン巻取部16とを備えるカートリッジ5を例に、本発明の実施の形態を説明している。この他にもたとえば、レシート等の他のテープ状のシート材を供給するシート供給部と、このシート材を巻き取るシート巻取部とを備えるシートカートリッジに本発明を適用しても良い。また、シートカートリッジが取り付けられる上位装置は、カード印字装置1等の印字装置には限定されず、テープ状のシート材を取り扱う他の装置であっても良い。