JP4505730B2 - インクリボンカートリッジ - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置本体に着脱可能に装着されるインクリボンカートリッジに関する。
例えば熱転写式方式で印刷を行う印刷装置(例えばプリンタやファクシミリ装置など)では、フィルム状のインクリボンシートを用いる。このリボンは、上記印刷装置本体に着脱可能に設けられるインクリボンカートリッジに収容されている。インクリボンカートリッジは、ロール状にインクリボンシートが巻かれた供給回転軸体と、その供給回転軸体に巻かれたインクリボンシートをロール状に巻き取る巻取回転軸体とをカートリッジフレームに回転可能に保持した構成になっている。供給回転軸体と巻取回転軸体との間のインクリボンシートが被印刷媒体としてのプリント紙に重ねられ、そのインクリボンシート上をサーマルヘッドで加熱することにより、インクリボンシート上の色素をプリント紙上に転写して印刷が行われる。その後、インクリボンシートの使用済み部分が巻取回転軸体によって巻き取られ、未使用部分が供給回転軸体から供給されるようになっている(下記特許文献参照)。
ここで、従来のインクリボンカートリッジは、供給回転軸体及び巻取回転軸体がそれぞれの端部に装着される各1対の支持部材を介してカートリッジフレームに回転可能に支持された構成になっている。
特開2003−182130公報
ところが、従来の構成では、供給回転軸体及び巻取回転軸体を支持する4つの支持部材の全部または3つがカートリッジフレームに対して着脱可能な構成であったため、供給回転軸体及び巻取回転軸体の組み付け作業に手間がかかるという問題があった。また、各支持部材を他の支持部材を装着すべき箇所に装着してしまうなど装着ミスも生じていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、供給回転軸体及び巻取回転軸体の組み付け作業を容易にすることが可能なインクリボンカートリッジを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明に係るインクリボンカートリッジは、カートリッジフレームと、ロール状にインクリボンシートが巻かれた供給回転軸体と一体的に回転するように当該供給回転軸体の各端に着脱可能に装着されるとともに、前記カートリッジフレームの軸受け部に回転可能に支持される1対の供給側支持部材と、前記供給回転軸体と一定間隔隔てて配されその供給回転軸体に巻かれたインクリボンシートをロール状に巻き取る巻取回転軸体と一体的に回転するように当該巻取回転軸体の各端に着脱可能に装着されるとともに、前記カートリッジフレームの軸受け部に回転可能に支持される1対の巻取側支持部材と、を備え、印刷装置内において、給紙ローラとその下周面にばねにて付勢された分離パッドとにより、記録紙を、前記供給回転軸体及び前記巻取回転軸体の並び方向に沿って前記インクリボンシート上に搬送するための給紙機構部の下方に着脱可能に装着されるインクリボンカートリッジであって、前記1対の供給側支持部材のうち、一方の供給側支持部材は前記カートリッジフレームとの摺接によって回転抵抗を有しかつ前記軸受け部に着脱不能に支持され、他方の供給側支持部材は前記軸受け部に着脱可能に支持され、前記1対の巻取側支持部材のうち、前記並び方向において前記一方の供給側支持部材と並ぶ一方の巻取側支持部材は前記軸受け部に着脱不能に支持され、他方の巻取側支持部材は前記軸受け部に着脱可能に支持され、前記カートリッジフレームは、互いに対面し前記各軸受け部が設けられる1対の軸受け壁部と、それら1対の軸受け壁部の長手方向における各端部同士をそれぞれ連結する1対の連結部とを有する矩形枠状をなし、前記1対の連結部の一方は、前記供給回転軸体の外周面を上方から覆う形状をなし、且つ、前記給紙機構部の前記ばねを収容する配置部の下部を進入される貫通穴が形成されていることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1に記載のインクリボンカートリッジにおいて、前記軸受け部に着脱不能に支持された前記一方の巻取側支持部材だけに、印刷装置本体に備えた駆動モータからの駆動力が付与されるとともに前記一方の巻取側支持部材と一体的に回動する駆動ギアが設けられていることを特徴とする。
<請求項1の発明>
本構成によれば、供給回転軸体及び巻取回転軸体を支持する4つの支持部材のうち2つがカートリッジフレームに対して着脱可能となっており、他の2つは着脱不能となっている。従って、従来のように3つ以上の支持部材が着脱可能な構成に比べて各支持部材の装着ミスを軽減することができる。
また、本構成によれば、一方の巻取側支持部材に設けられた駆動ギアに駆動モータからの駆動力を付与するだけで巻取回転軸体を回動させ、この巻取り動作に伴って供給回転軸体が回転抵抗を受けつつ回動する。つまり、印刷装置本体と連結すべき駆動ギアが1つで済む。
本発明の一実施形態について図1から図17によって説明する。
本実施形態のインクリボンカートリッジ30は、インクリボンシート23を備え、例えば熱転写方式で印刷を行う印刷装置(プリンタ、ファクシミリ装置、複合機など)の装置本体に着脱可能に装着されるものである。
なお、以下において、ファクシミリ装置1について後述する操作パネル6が設けられた側(例えば図1の紙面右方向)を前方とし、同じくインクリボンカートリッジ30については巻取側スプール40側(例えば図3で紙面右方向。図5で紙面下方向)を前方として説明する。
1.ファクシミリ装置の全体構成
先ず、本発明のファクシミリ装置1の構成について図1を参照して概略説明する。
ファクシミリ装置1は、原稿2から画像等を読取り、その画像データをファクシミリデータとして電話回線等の通信回線を介して他のファクシミリ装置に送信すると共に電話回線等の通信回線を介して他のファクシミリ装置から送信されたファクシミリデータを受信して記録紙3(被記録シート)にその画像を形成する、ファクシミリ装置としての機能を有する。また、その他に、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等からプリンタケーブルまたは赤外線等の無線を介して伝送されてきたプリントデータを受けてそのデータに応じて画像を形成するプリンタとしての機能を有する。
ファクシミリ装置1の本体ケース4の一側(図1で紙面奥行き方向における一端面側)には、図示しない受話器が配置されている。上面開放状の本体ケース4の上面を覆う上カバー体5は、その後端の回動支点5aを中心にして本体ケース4の上部後端に上下回動可能に枢着されている。上カバー体5の上面前部側には、キースイッチ6aや液晶表示装置6bなどを有する操作パネル6が設けられている。また、本体ケース4の上面後部には記録紙3を斜め下向き状に立てた状態で積層して載置するための用紙トレイ7が、上カバー体5の後部に設けられ、本体ケース4上面前後中途部には原稿台8が装着されている。
本体ケース4内には、前記操作パネル6の下方位置に、前記原稿台8からの原稿2を搬送するための原稿送給ローラ9a及びそれに圧接される圧接板9bと、密着型イメージスキャナ部(CIS)10と、その読取り部の上側に配置した原稿押え体11と、排紙ローラ対12とが配置されている。上記用紙トレイ7の下方の本体ケース4内には、用紙トレイ7からの記録紙3を一枚ずつ搬送するための給紙ローラ13とその下周面にばね14にて付勢された分離パッド15等からなる給紙機構部16が備えられている。なお、分離パッド15は記録紙3の給紙方向下流端を支点として上流端側が揺動可能に設けられ、給紙ローラ13との対向面にはゴム製部材15aが敷設されている。
この給紙機構部16の下方には、印字部としてのローラ状のプラテン17と、このプラテン17の下面に向かってばね18により付勢されたヒートシンク19上のサーマルヘッド20と、このヒートシンク19に対して前後方向に跨がるように配置するインクリボンカートリッジ30のための収納部22とが配置されている。
上記収納部22内のインクリボンカートリッジ30は、インクリボンシート23の供給側スプール50が本体ケース4の後部側に配置され、巻取側スプール40が本体ケース4の前側となり、かつ、供給側スプール50側が高い位置で、巻取側スプール40側が低い位置となるように、前傾状(ヒップアップ状)に配置されている。従って、前記収納部22の下方は、本体ケース4における下面後部側に位置することになり、インクリボンカートリッジ30の前傾配置の構成と相俟って、本体ケース4の下面後部に大きい空間が形成される。しかして、この空間、即ち、前記収納部22の下方には、ファクシミリ装置1の操作等を実行するための電源回路基板29aを配置するのである。なお、この電源回路基板29aの前方には制御用基板29bが配置されている。
供給側スプール50から前方の巻取り側スプール40に巻回したインクリボンシート23は、サーマルヘッド20及びバネ板製のリボン剥離用板材26の頂面を通過し、巻取り側スプール40の下周面側に至る。このとき、インクリボンシート23のインク面は上面にある。インクリボンシート23の上面(インク面)に重なる記録紙3は、プラテン17とサーマルヘッド20とが重合する印字部にて印刷された後、インクリボンカートリッジ30における巻取り側スプール40側の上部に形成された搬送シュートの機能を有する仕切り板27の上面を通過し、排紙ローラ対28を介して、本体ケース4の後方に排紙される。他方、インクリボンシート23はリボン剥離用板材26の頂面にて下向きに屈曲され、仕切り板の下面側を通過し、巻取り側スプール40の下周側で巻き取られるように構成されている。
2.インクリボンカートリッジの構成
インクリボンカートリッジ30は、図2〜図7に示すように、全体として矩形枠状(ロの字状)のカートリッジフレーム31と、そのカートリッジフレーム31に、ロール状にインクリボンシート23が巻かれた供給回転軸体32と、その供給回転軸体32に巻かれたインクリボンシート23をロール状に巻き取る巻取回転軸体33とを回転可能に支持するための供給側支持機構及び巻取側支持機構とを備えた構成になっている。なお、供給回転軸体32及び巻取回転軸体33は、図8に示すように管体32a,33aにインクリボンシート23が巻かれた構成になっている。
(1)カートリッジフレーム
カートリッジフレーム31は、一側面側が互いに対向する1対の軸受け壁部34a,34bと、その1対の軸受け壁部34a,34bの前後端部側の上面をそれぞれ連結する1対の連結部35a,35bとを、例えばPS(ポリスチレン)で一体的に形成した構成になっている。このうち一方の軸受け壁部34bには、図4,8に示すように、その前後端側に軸受け溝36,37がそれぞれ形成されている。軸受け溝36は、巻取回転軸体33の管体33aの一端側(図2で右側)に装着された巻取側スプール38(本発明の「他方の巻取側支持部材」に相当)から軸方向に突出する軸部38aを回転可能に保持する役割を果たす。一方、軸受け溝37は、供給回転軸体32の管体32aの一端面(図2で右側)に装着された供給側スプール39(本発明の「他方の供給側支持部材」に相当)から軸方向に突出する軸部39aを回転可能に保持する役割を果たす。
ここで、各軸受け溝36,37は、各連結部35a,35bのうち各回転軸体32,33の外周面と対面する内面に対向する方向(略上方向)に向けて切り込み形成されている(図4参照)。
なお、巻取側連結部35aの上面には、1対の把持部80,80が突設されている。各把持部80は、後面側が開口されており、そこに作業者の指を入れて把持可能となっている(図3参照)。また、各把持部80の前面は、左右方向に沿って複数の溝80bが形成され、これが滑り止めとしての役割を果たす。また、1対の把持部80の間には、巻取側連結部35aの長手方向に沿って1対のリブ81,81が起立形成され当該巻取側連結部35aの補強の役割を果たしている。一方、供給側スプール39が設けられる後端側の供給側連結部35bには、その長手方向中央部に矩形状の貫通穴82が形成されている。これは、図1に示すように、ファクシミリ装置1内の上記ばね14を収容する配置部83の下部を進入させるためのものである。
(2)着脱可能な供給側及び巻取側スプール
巻取側スプール38及び供給側スプール39は、上記各軸部38a,39aと、その各軸部38a,39aに円盤状のツバ部38b,39bを介して同軸状に設けられた筒状のスプール部38c,39cとが一体形成された形状をなす。スプール部38c,39cは軸方向に沿って延びる複数のリブ38d,39dが外周面上において周方向に沿って等間隔で並設されている。そして、このリブ38d,39dによって形成される外径が各回転軸体32,33の管体32a,33aの内径よりもやや大きく形成されている。これにより各スプール部38c,39cが管体32a,33a内に圧入され回転軸体32,33に連れ回りするようになっている。また、これらの巻取側スプール38及び供給側スプール39は同一形状をなしており、相互に入れ替え可能になっている。
(3)着脱不能な供給側スプール(バックテンション機構付き)
上記他方の軸受け部34aのうち軸受け溝37との対向位置には、供給回転軸体32の管体32aの他端側(図2で左側、図8で右側)に挿入される供給側スプール50(本発明の「一方の供給側支持部材」に相当)が回転可能に保持されている。この供給側スプール50は、図9に示すように、供給回転軸体32の管体32aの他端側に挿入される筒状のスプール部51と、そのスプール部51内に収容される圧縮バネ52と、フェルト53と、回転体60とを備えて構成されている。このうち、スプール部51及び圧縮バネ52は軸受け壁部34aの内面側から、フェルト53及び回転体60は軸受け壁部34aの外面側からカートリッジフレーム31に対してそれぞれ配置される。
(a)スプール部及び圧縮バネ
スプール部51は、図10に示すように、その内部空間が軸方向の略中央位置に設けられた仕切壁54により区画され、この仕切壁54に後述する回転体60の挿入軸部61の先端部分が挿入される挿入口51bが貫通形成されている。また、この挿入口51bには、後述する回転体60の挿入軸部61の1対の係止突起61a,61aが所定の向きで挿通できるように1対の切り欠き部54a,54aが設けられている(図11参照)。上記圧縮バネ52は、この仕切壁54と軸受け壁部34aとの間に配される。
また、スプール部51の外周面には、図8,9に示すように、供給回転軸体32の管体32aの切り込み形成されたスリットと係合する1対の係合突部51a,51aが突設されている。これにより、スプール部51と供給回転軸体32とが一体的に回動するようになっている。更に、スプール部51のうち軸受け壁部34a側の開口端周縁部には、上記圧縮バネ52の端部から側方に突出した突出端部52aと係合する係合溝51cが形成されている。これにより、圧縮バネ52は、スプール部51に連れ回りする。
(b)回転体
回転体60は、一面側62aが軸受け壁部34aの外面に対向配置される円盤部62と、その中心位置から突出する挿入軸部61と、挿入軸部61とは反対側に突出する外筒部63とを一体的に形成した構成になっている。外筒部63の内径部には、インクリボンカートリッジ30をファクシミリ装置1の収納部22に収容したときに、図示しない本体側フレームに突設された軸部(図示せず)が嵌入され支持される。なお、この回転体60は、例えば、カートリッジフレーム31に使用したPS(ポリスチレン)よりも硬質な樹脂製材料であるPOM(ポリアセタ−ル)で形成されている。
回転体60は、その挿入軸部61が軸受け壁部34aに貫通形成された軸受け孔31aに挿通され、更に、その先端部分がスプール部51の上記挿入口51bに挿入される。また、挿入軸部61の先端部分の外周面には1対の係止突起61a,61aが設けられており、挿入軸部61は、図11に示すように、全体として挿入口51bの内径D1よりやや小さい径をなし、1対の係止突起61a,61aの両先端間D2が挿入口51bの内径D1よりも大きくなるように設計されている。
このような構成により、回転体60の挿入軸部61の先端部分をスプール部51の挿入口51bに挿通させた後に、両者を相対的に回転させて係止突起61a,61aを挿入口51bの周縁部に係止させることで、回転体60とスプール部51との離間が規制されるようになっている。このとき、圧縮バネ52は、圧縮変形しつつ、上記突出端部52aが設けられた一端側が軸受け壁部34aの内面に当接し、他端側が仕切壁54に当接した状態となる。そして、この圧縮バネ52の反発力によってスプール部51が軸受け壁部34aの内面から離間する方向に力を受け、このスプール部51に係止された回転体60の円盤部62が軸受け壁部34aの外面に対し押圧された状態となる。そして、これにより供給側スプール50は、カートリッジフレーム31に対して簡単には着脱できない構成になっている。
なお、回転体とスプール部とを係止する構造としては、図12に示すものであってもよい。上述した図10に示す構成との相違は、回転体とスプール部との係止構造にあり、その他の点は図10の構成と同様である。従って、図10の構成と同一符号を付して重複する説明を省略し、異なるところのみを次に説明する。
図12の構成では、回転体70は、その挿入軸部71の先端部分の外周面に周方向に沿って係止溝71aが形成されており、他の部分は上述の回転体60と同様の構成であり同じ符号を付してある。なお、挿入軸部71は先端が先細り状のテーパ面71bに形成されている。
一方、スプール部72は、図12に示すように、その内部空間が軸方向の略中央位置に設けられた仕切壁73により区画され、この仕切壁73に回転体70の挿入軸部71が挿入される挿入口73aが貫通形成されている。この仕切壁73のうち軸受け壁部34a側に向けられる壁面には、挿入口73aと連通し上記回転体70の挿入軸部71の外周面を覆う筒状部74が突設されている。なお、圧縮バネ52は、この筒状部74とスプール部72との外壁との間に配される。
また、スプール部72のうち仕切壁73より先端寄りの位置には、回転体70の挿入軸部71の先端部分を挟み込むように起立形成された1対の撓み片75,75が設けられ、それら1対の撓み片75,75の両対向面には、互いの対向方向(内側)に突出した係止突起部75aが形成されている。
このような構成により、回転体70の挿入軸部71の先端部分を、スプール部72の挿入口73aに通し、1対の撓み片75,75を側方に撓み変形させつつ押し込む。これにより、挿入軸部71の係止溝71a内に各撓み片75,75の係止突起部75aが嵌入し、回転体70とスプール部72とが係止されるようになっている(図12参照)。
次いで、軸受け壁部34a外面のうち回転体60の円盤部62との対向部には、図13に示すように、先端先細り状の複数の突起部76が全体に亘って起立形成されている。一方、円盤部62側の対向面62aには、図14に示すように挿入軸部61を中心に同心円状の複数の環状溝77が形成されている。具体的には、円形状の上記対向面62a上において、その中心を通る所定の直線領域を挟んだ1対の半円状の各領域だけに上記複数の環状溝77が形成されている。そして、フェルト53は、円盤部62の形状に対応した環状形状をなし、軸受け部34a外面と回転体60の円盤部62との対向面間に上記圧縮バネ52による押圧力を受けた状態で挟まれる。なお、図15は、図12に示す変形例に対応する回転体70に上記回転体60と同様の環状溝77を形成した構成が示されている。
(c)作用
以上の構成により、巻取回転軸体33が駆動モータの駆動力によって回動しインクリボンシート23の巻取りを開始すると、これに伴って供給回転軸体32が回動する。そして、これと同時に供給側スプール50のスプール部51及び回転体60も一体的に回動する。このとき、フェルト53は、軸受け部34aの外面と回転体60の円盤部62との対向面間の押圧力を受けるが、そのうち軸受け部34aの外面と接触するフェルト53の面には、当該軸受け部34aの外面に形成された複数の突起部76が食い込んで強い摩擦力が生じる。一方、回転体60の円盤部62の対向部62aと接触するフェルト53の面には当該対向部62aに形成された環状溝77が接触し、上記突起部76による摩擦力よりも相対的に弱い摩擦力が生じる。これによりフェルト53は、回転体60に連れ回りすることなくカートリッジフレーム31の外面に固定された状態となる。それとともに、フェルト53と回転体60の対向部62aとが一定の摩擦力をもって滑らかに摺接し、供給回転軸体32の回動に対して安定的なバックテンション(回転抵抗)を付与することができる。
(4)着脱不能な巻取側スプール
カートリッジフレーム31の他方の軸受け壁部34aのうち軸受け溝36との対向位置には、巻取回転軸体33の管体33aの他端側(図2で左側、図8で右側)に挿入される巻取側スプール40(本発明の「一方の巻取側支持部材」に相当)が回転可能に保持されている。この巻取側スプール40は、図16,17に示すように、前記管体33a内に挿入される先端側外周面に、同管体33aに切り込み形成されたスリット(図示せず)と係合する係止部41が突設され、この係止によって巻取回転軸体33と巻取側スプール40とが一体的に回転するようになっている。また、巻取側スプール40のうち軸受け壁部34aを貫通して側方に突出する軸部42側には、ファクシミリ装置1の本体に装着した際にその本体側の駆動モータ(図示せず)による駆動力が伝達される出力ギア(図示せず)と螺合する駆動ギア43が嵌合されている。以下、この巻取側スプール40を「ギア付きスプール40」ということがある。
このギア付きスプール40は、上記軸部42及び駆動ギア43を有するギア部材90と、巻取回転軸体33の管体33a内に挿入されるスプール部93とを組み付けた構成になっている。ギア部材90は、軸部42とは反対側に突出し先端に上記係止部41が形成されたアーム部91が設けられている。また、そのアーム部91の基端側には、ギア部材90の回転軸を中心に対称配置された1対の撓み部92,92が突設されている。
一方、スプール部93は、一端側が開口した筒状をなし、この開口端から上記アーム部91が挿入される。また、スプール部93の先端側外周面には、上記アーム部91の係止部41を外部に突出させる挿通穴93aが形成されている(図8参照)。更に、スプール部93の基端側外周面に、ギア部材90の1対の撓み部92,92先端と係合する被係合穴94,94が貫通形成されている。
そして、ギア部材90のアーム部91を軸受け壁部34aに貫通形成された軸受け孔31bを介してスプール部93内に挿入して押し付ける。これにより、各撓み部92,92の係止突部92aがスプール部93の被係合穴94,94に係合し、ギア付きスプール40は、カートリッジフレーム31に対して簡単には着脱できない構成になっている。
このような構成により、巻取側スプール38,40に支持された巻取回転軸体33が上記駆動モータの駆動力によって図2に示す白抜き矢印方向に回動し、供給回転軸体32に巻かれたインクリボンシート23を巻き取るよう動作する。
3.本実施形態の効果
(1)本実施形態によれば、供給回転軸体32及び巻取回転軸体33を支持する4つのスプール38,39,40,50のうち2つのスプール38,39がカートリッジフレーム31に対して着脱可能となっており、他の2つのスプール40,50は着脱不能となっている。従って、従来のように3つ以上の支持部材が着脱可能な構成に比べて各支持部材の装着ミスを軽減することができる。
(2)しかも、カートリッジフレーム31に対して着脱可能なスプール38,39は互いに同一形状であるから、これらを相互に入れ替えても供給回転軸体32及び巻取回転軸体33をカートリッジフレーム31に対して装着でき、装着ミスを確実に防止できる。
(3)また、図7に示すように、各回転軸体32,33をカートリッジフレーム31に装着する際、撓み変形可能な樹脂からなる連結部34a,34bの軸受け溝36,37部分が撓み変形しこの軸受け溝36,37に対して各スプール38,39を着脱し易くなる。
(4)一方の巻取側スプール40に設けられた駆動ギア43に駆動モータからの駆動力を付与するだけで巻取回転軸体33を回動させ、この巻取り動作に伴って供給回転軸体32が回転抵抗を受けつつ回動する。つまり、ファクリミリ装置1本体と連結すべき駆動ギアが1つで済む。
(5)更に、本実施形態では、図3,6〜8に示すように、上記駆動ギア43の下側を覆うギア保護部95が軸受け壁部34aの外面に突設されている。これにより、例えばインクリボンカートリッジ30を床面等に置く場合でも、その床面が駆動ギア43に接触して破損等することを防止できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
)上記実施形態では、フェルト53を用いたが、これに限らず、例えばコルク製やゴム(弾性材料)製の環状部材であってもよい。
本発明の一実施形態に係るファクシミリ装置の全体構成図 インクリボンカートリッジの斜視図 インクリボンカートリッジの左側面図 インクリボンカートリッジの右側面図 インクリボンカートリッジの上面図 インクリボンカートリッジの後面図 インクリボンカートリッジの前面図 インクリボンカートリッジを下側から見た斜視図 供給側スプール部分の分解斜視図 供給側スプールの断面図 供給側スプールを挿入軸体先端側からみた図 変形例の供給側スプールの断面図 カートリッジフレームの環状溝形成部分の拡大図 回転体の対向面上の突起部を示した斜視図 変形例の回転体の対向面上の環状溝形成部分を示した斜視図 巻取側スプール部分の分解斜視図(その1) 巻取側スプール部分の分解斜視図(その2)
符号の説明
1…ファクシミリ装置(印刷装置)
23…インクリボンシート
30…インクリボンカートリッジ
31…カートリッジフレーム
32…供給回転軸体
33…巻取回転軸体
34a,34b…軸受け壁部
35a…巻取側連結部
35b…供給側連結部
36,37…軸受け溝
38,40…巻取側スプール(巻取側支持部材)
39,50…供給側スプール(供給側支持部材)
43…駆動ギア
95…ギア保護部

Claims (2)

  1. カートリッジフレームと、
    ロール状にインクリボンシートが巻かれた供給回転軸体と一体的に回転するように当該供給回転軸体の各端に着脱可能に装着されるとともに、前記カートリッジフレームの軸受け部に回転可能に支持される1対の供給側支持部材と、
    前記供給回転軸体と一定間隔隔てて配されその供給回転軸体に巻かれたインクリボンシートをロール状に巻き取る巻取回転軸体と一体的に回転するように当該巻取回転軸体の各端に着脱可能に装着されるとともに、前記カートリッジフレームの軸受け部に回転可能に支持される1対の巻取側支持部材と、を備え、印刷装置内において、給紙ローラとその下周面にばねにて付勢された分離パッドとにより、記録紙を、前記供給回転軸体及び前記巻取回転軸体の並び方向に沿って前記インクリボンシート上に搬送するための給紙機構部の下方に着脱可能に装着されるインクリボンカートリッジであって、
    前記1対の供給側支持部材のうち、一方の供給側支持部材は前記カートリッジフレームとの摺接によって回転抵抗を有しかつ前記軸受け部に着脱不能に支持され、他方の供給側支持部材は前記軸受け部に着脱可能に支持され、
    前記1対の巻取側支持部材のうち、前記並び方向において前記一方の供給側支持部材と並ぶ一方の巻取側支持部材は前記軸受け部に着脱不能に支持され、他方の巻取側支持部材は前記軸受け部に着脱可能に支持され、
    前記カートリッジフレームは、互いに対面し前記各軸受け部が設けられる1対の軸受け壁部と、それら1対の軸受け壁部の長手方向における各端部同士をそれぞれ連結する1対の連結部とを有する矩形枠状をなし、
    前記1対の連結部の一方は、前記供給回転軸体の外周面を上方から覆う形状をなし、且つ、前記給紙機構部の前記ばねを収容する配置部の下部を進入される貫通穴が形成されていることを特徴とするインクリボンカートリッジ。
  2. 前記軸受け部に着脱不能に支持された前記一方の巻取側支持部材だけに、印刷装置本体に備えた駆動モータからの駆動力が付与されるとともに前記一方の巻取側支持部材と一体的に回動する駆動ギアが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のインクリボンカートリッジ。
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