以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、図面中に「前方」「後方」「左方」「右方」「上方」「下方」の注記がある場合は、明細書中の説明における「前方(前)」「後方(後)」「左方(左)」「右方(右)」「上方(上)」「下方(下)」とは、その注記された方向を指す。
<テープ印刷装置の概略構成>
まず、図1〜図4を参照しつつ、本実施形態に係わるテープ印刷装置の概略構成について説明する。
<筐体>
図1〜図4において、本実施形態のテープ印刷装置1(印刷装置に相当)は、装置外郭を構成する筐体2(装置筐体に相当)を有している。筐体2は、筐体本体2aと、後方側開閉部8と、前方側開閉カバー9と、を備えている。
筐体本体2a内には、後方側に設けられた第1収納部3と、前方側に設けられた第2収納部5及び第3収納部4と、が備えられている。
後方側開閉部8は、筐体本体2aの後方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この後方側開閉部8は、回動することで、第1収納部3の上方を開閉可能である。この後方側開閉部8は、第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bにより構成されている。なお、これら第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bが、各請求項記載の開閉カバーに相当している。
第1開閉カバー8aは、筐体本体2aの後方側の上部に設けられた所定の回動軸心K1まわりに回動することで、第1収納部3のうち前方側の上方を開閉可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、第1収納部3のうち前方側の上方を覆う閉じ位置(図1、図2の状態)から、第1収納部3のうち前方側の上方を露出させる開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
第1開閉カバー8aの内部には、ヘッド保持体10が設けられている(図3も参照)。そして、第1開閉カバー8aは、上記の回動軸心K1まわりに回動することで、ヘッド保持体10に備えられた印字ヘッド11を、筐体本体2aに設けられた搬送ローラ12に対して相対的に離反・近接可能である。詳細には、第1開閉カバー8aは、印字ヘッド11が搬送ローラ12に対して近接した閉じ位置(図1、図2の状態)から、印字ヘッド11が搬送ローラ12から離反した開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
第2開閉カバー8bは、上記第1開閉カバー8aよりも後方側に設けられており、筐体本体2aの後方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K2まわりに回動することで、第1収納部3のうち後方側の上方を、上記第1開閉カバー8aの開閉とは別個に開閉可能である。詳細には、第2開閉カバー8bは、第1収納部3のうち後方側の上方を覆う閉じ位置(図1及び図2の状態)から、第1収納部3のうち後方側の上方を露出させる開き位置(図3及び図4の状態)までの間で回動可能である。
そして、これら第1開閉カバー8a及び第2開閉カバー8bは、それぞれが閉じ状態であるときに、当該第1開閉カバー8aの外周部18と当該第2開閉カバー8bの縁部19とが互いに略接触して、第1収納部3の上方の略全部を覆うように構成されている。
前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上部に対し開閉可能に接続されている。この前方側開閉カバー9は、筐体本体2aの前方側の上端部に設けられた所定の回動軸心K3まわりに回動することで、第3収納部4の上方を開閉可能である。詳細には、前方側開閉カバー9は、第3収納部4の上方を覆う閉じ位置(図1、図2の状態)から、第3収納部4の上方を露出させる開き位置(図3、図4の状態)までの間で回動可能である。
<被印字テープロール及びその周辺>
このとき、図2〜図4に示すように、筐体本体2aにおける、閉じ状態での前方側開閉カバー9の下方にある第1所定位置13には、テープカートリッジTK(図2参照)が着脱可能に装着される。このテープカートリッジTKは、軸心O1まわりに巻回形成された被印字テープロールR1(第1ロールに相当)を備えている。
すなわち、テープカートリッジTKは、図5に示すように、被印字テープロールR1と、連結アーム16とを備えている。連結アーム16は、後方側に設けられた左・右一対の第1ブラケット部20,20と、前方側に設けられた左・右一対の第2ブラケット部21,21とを備えている。
第1ブラケット部20,20は、上記被印字テープロールR1を、軸心O1に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では被印字テープロールR1を当該軸心O1まわりに回転可能に保持する。これら第1ブラケット部20,20は、上端部において左右方向に略沿って延設された第1接続部22により被印字テープロールR1の外径との干渉を回避しつつ接続されている。
被印字テープロールR1は、テープカートリッジTKが筐体本体2aの内部に装着された際には回転自在となる。被印字テープロールR1は、繰り出しにより消費される被印字テープ150(後述する被印字層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151を備える。図2中拡大図参照)を、あらかじめ左右方向の軸心O1まわりに巻回している。
第1収納部3には、上記テープカートリッジTKの装着によって、被印字テープロールR1が上方から受け入れられ、被印字テープ150の巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、被印字テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、被印字テープ150を繰り出す。
本実施形態では、粘着性を備えた被印字テープ150が用いられる場合を例示している。すなわち、被印字テープ150は、被印字層154、基材層153、粘着剤層152、剥離材層151が、厚さ方向一方側(図2中の上方側)から他方側(図2中の下方側)へ向かって、この順序で積層されている。被印字層154は、上記印字ヘッド11によるインクの熱転写によって所望の印字部155(図2中の部分拡大図参照)が形成される層である。粘着剤層152は、基材層153を適宜の被着体(図示省略)に貼り付けるための層である。剥離材層151は、粘着剤層152を覆う層である。
<搬送ローラ及び印字ヘッド>
図2〜図4に戻り、筐体本体2aにおける第1収納部3及び第2収納部5の中間上方側には、上記搬送ローラ12(搬送手段に相当)が設けられている。搬送ローラ12は、筐体本体2aの内部に設けられた搬送用モータM1(駆動手段に相当)によりギア機構(図示省略)を介して駆動されることで、第1収納部3に収納された被印字テープロールR1から繰り出される被印字テープ150を、テープ幅方向が左右方向となるテープ姿勢で搬送する。
また、第1開閉カバー8aに設けられた上記ヘッド保持部10には、上記印字ヘッド11が備えられている。印字ヘッド11は、上述したように、第1開閉カバー8aが回動軸心K1まわりに回動することで、搬送ローラ12に対して相対的に離間・近接可能である。すなわち、第1開閉カバー8aが閉じ状態となると、印字ヘッド11が搬送ローラ12に近接し、第1開閉カバー8aが開き状態となると、印字ヘッド11が搬送ローラ12から離間する。この印字ヘッド11は、搬送ローラ12により搬送される被印字テープ150を当該搬送ローラ12と協働して挟持するように、ヘッド保持部10のうち閉じ状態での第1開閉カバー8aにおいて搬送ローラ12の上方に対向する位置に配置されている。したがって、第1開閉カバー8aが閉じ状態である場合には、印字ヘッド11と搬送ローラ12とは、互いに上下方向に対向して配置される。そして、印字ヘッド11は、搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字テープ150の被印字層154に対し、後述するインクリボンカートリッジRKのインクリボンIBを用いて所望の印字を形成して、印字済みテープ150′とする。
<インクリボンカートリッジ>
図2及び図3に示すように、筐体本体2aにおける閉じ状態での第1開閉カバー8aの下方でかつテープカートリッジTKの上方となる第2所定位置14(所定部位に相当)には、インクリボンカートリッジRKが着脱可能に装着される。インクリボンカートリッジRKは、リボン繰り出しロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備えている(後述する図6も参照)。
リボン繰り出しロールR4は、インクリボンカートリッジRKの後方側において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のD方向)に回転することで、印字ヘッド11による印字形成を行うためのインクリボンIBを繰り出す。
リボン巻き取りロールR5は、インクリボンカートリッジRKの前方側において回転自在に支持されており、インクリボンカートリッジRKが装着された状態において所定の回転方向(図2中のE方向)に回転することで、印字形成後の使用済みのインクリボンIBを巻き取る。
すなわち、リボン繰り出しロールR4から繰り出されるインクリボンIBは、印字ヘッド11と搬送ローラ12との間に挟まれた状態の被印字テープ150のさらに印字ヘッド11側に配置されて印字ヘッド11の下方に接触する。そして、印字ヘッド11からの加熱によりインクリボンIBのインクが、被印字テープ150の被印字層154に転写されて印字形成が実行された後、使用済みのインクリボンIBが、リボン巻き取りロールR5に巻き取られる。
<剥離材ロール及びその周辺>
図5に示すように、テープカートリッジTKの連結アーム16は、例えば略水平なスリット形状を含む引き剥がし部17を備えている。この引き剥がし部17は、被印字テープロールR1から繰り出されて前方側へと搬送される印字済みテープ150′から、剥離材層151を引き剥がす部位である。上記のようにして印字が形成された印字済みテープ150′は、図2に示すように、上記引き剥がし部17によって上記剥離材層151が引き剥がされることで、剥離材層151と、それ以外の被印字層154、基材層153及び粘着剤層152からなる印字済みテープ150″とに分離される。
テープカートリッジTKは、図2及び図5に示すように、上記引き剥がされた剥離材層151が軸心O3まわりに巻回されることで形成される、上記剥離材ロールR3(第2ロールに相当)を有している。すなわち、上述したテープカートリッジTKの装着によって、剥離材ロールR3が上方から上記第2収納部5に受け入れられ、剥離材層巻回用の軸心O3が左右方向となる状態で収納される。そして、剥離材ロールR3は、第2収納部5に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において、筐体本体2aの内装基板2bに設けられた剥離紙巻取用モータM3によりギア機構(図示省略)を介して駆動され、第2収納部5内で所定の回転方向(図2中のC方向)に回転することで、剥離材層151を巻き取る。
このとき、図5に示すように、テープカートリッジTKの上記第2ブラケット部21,21は、上記剥離材ロールR3を、軸心O3に沿った左・右両側から挟みこむようにし、テープカートリッジTKが筐体本体2aに装着された状態では剥離材ロールR3を当該軸心O3まわりに回転可能に保持する。これら第2ブラケット部21,21は、上端部において左右方向に略沿って延設された第2接続部23により接続されている。そして、後方側の第1ブラケット部20,20及び第1接続部22と、前方側の第2ブラケット部21,21及び第2接続部23とは、左・右一対のロール連結ビーム部24,24により連結されている。
なお、図5中では、軸心O3まわりに剥離材層151が巻回され剥離材ロールR3が形成される前の状態(未使用のテープカートリッジTKである場合)を示している(図中には、便宜的に、剥離材ロールR3が形成される箇所に符号「R3」を付している)。
<印字済みテープロール及びその周辺>
一方、図2及び図4に示すように、上記第3収納部4には、上記印字済みテープ150″を順次巻回するための、巻き取り機構40が上方から受け入れられる。巻き取り機構40は、印字済みテープ150″の巻回の軸心O2が左右方向となる状態で、軸心O2まわりに回転可能に支持されるように収納される。そして、巻き取り機構40が、第3収納部4に収納された状態において、筐体本体2aの内部に設けられた粘着巻き取り用モータM2により不図示のギア機構を介して駆動され、第3収納部4内で所定の回転方向(図2中のB方向)に回転することで、印字済みテープ150″を巻き取って積層する。これにより、巻き取り機構40の外周側に印字済みテープ150″が順次巻回されて、印字済みテープロールR2が形成される。
<カッター機構30>
また、図2に示すように、テープ搬送方向に沿って印字ヘッド11の下流側でかつ印字済みテープロールR2の上流側に、カッター機構30が設けられている。
カッター機構30は、詳細な図示を省略するが、可動刃と、可動刃を支持しテープ幅方向(言い替えれば左右方向)に走行可能な走行体とを有している。そして、カッターモータ(図示せず)の駆動により走行体が走行し可動刃がテープ幅方向に移動することで、上記印字済みテープ150″を幅方向に切断する。
<テープ印刷装置の動作の概略>
次に、上記構成のテープ印刷装置1の動作の概略について説明する。
すなわち、上記第1所定位置13にテープカートリッジTKが装着されると、筐体本体2aの後方側に位置する第1収納部3に被印字テープロールR1が収納され、筐体本体2aの前方側に位置する第2収納部5に剥離材ロールR3を形成する軸心O3側が収納される。また、筐体本体2aの前方側に位置する第3収納部4には、印字済みテープロールR2を形成するための巻き取り機構40が収納される。
このとき、搬送ローラ12が駆動されると、第1収納部3に収納された被印字テープロールR1の回転により繰り出される被印字テープ150が、前方側へ搬送される。そして、搬送される被印字テープ150の被印字層154に対し、印字ヘッド11により所望の印字が形成されて、印字済みテープ150′となる。印字形成された印字済みテープ150′は、さらに前方側へ搬送されて引き剥がし部17まで搬送されると、当該引き剥がし部17において剥離材層151が引き剥がされて印字済み粘着テープ150″となる。引き剥がされた剥離材層151は、下方側へ搬送されて第2収納部5へ導入され、当該第2収納部5内において巻回されて剥離材ロールR3が形成される。
一方、剥離材層151が引き剥がされた印字済み粘着テープ150″は、さらに前方側へ搬送されて第3収納部4へ導入され、当該第3収納部4内の巻き取り機構40の外周側に巻回されて印字済みテープロールR2が形成される。その際、搬送方向下流側(すなわち前方側)に設けられたカッター機構30が印字済み粘着テープ150″を切断する。これにより、ユーザの所望のタイミングで、印字済みテープロールR2に巻回されていく印字済み粘着テープ150″を切断し、切断後は印字済みテープロールR2を第3収納部4から取り出すことができる。
なおこのとき、図示による説明を省略するが、被印字テープロールR1に、非粘着テープ(上記粘着剤層152及び剥離材層151のないもの)が巻回されていても良い。この場合においても、第1収納部3には、テープカートリッジTKの装着によって、非粘着テープが巻回された被印字テープロールR1が上方から受け入れられ、非粘着テープの巻回の軸心O1が左右方向となる状態で収納される。そして、被印字テープロールR1は、第1収納部3に収納された状態(テープカートリッジTKが装着された状態)において当該第1収納部3内で所定の回転方向(図2中のA方向)に回転することで、非粘着テープを繰り出す。
またこのとき、上記非粘着テープ(又は上記被印字テープ150でもよい)の搬送経路を、印字済みテープロールR2へ向かう側と排出口(図示省略)へ向かう側との相互間で切り替える、シュート15(図2参照)が配されていても良い。すなわち、切替レバー(図示省略)によるシュート15の切替操作でテープ経路を切り替えることで、印字形成後の非粘着テープ(又は印字済みテープ150″)を後述のように第3収納部4内において巻回することなく、筐体2の例えば第2開閉カバー8b側に設けた排出口(図示省略)から、そのまま筐体2外部へ排出するようにしても良い。
<インクリボンカートリッジの詳細構造>
本実施形態の特徴は、上記インクリボンカートリッジRKの詳細構造にある。以下、図6〜図9を用いて、インクリボンカートリッジRKの各部の詳細構造を順を追って説明する。
図6及び図7に示すように、インクリボンカートリッジRKは、カートリッジ筐体80と、未使用のインクリボンIBを繰り出し可能に巻回したリボン繰り出しロールR4と、リボン巻き取りロールR5とを備えている。カートリッジ筐体80は、後方側の繰り出しロール収納部81と、前方側の巻き取りロール収納部82と、それら両収納部81,82を連結する連結部83と、固定接点収納部89と、を有している。連結部83は、リボン繰り出しロールR4から繰り出された上記インクリボンIBをカートリッジ筐体80外に露出させるようにしつつ、上記巻き取りロール収納部82と上記繰り出しロール収納部81とを連結する。
<繰り出しロール収納部>
繰り出しロール収納部81は、略半円筒の上部81a(一方側部分)と、下部81b(他方側部分)と、が組み合わされることにより構成されている。上部81aは、軸心k1及び軸心k2(後述)に直交する直交方向(上下方向)に沿った一方側(上側)に位置している。下部81bは、上記直交方向に沿った他方側(下側)に位置している。下部81bの上部開口側四隅に穿設されている略矩形状の各フック孔85に、上部81aの下部開口側四隅に突設された舌片状の各フック片84がそれぞれ係合する。これにより、上部81aが下部81bに組み付けられて上部81aの軸心k12がリボン繰り出しロールの軸心(後述の巻芯92の軸心k1に相当)に一致し、上記略円筒状の繰り出しロール収納部81が構築される。
そして、繰り出しロール収納部81は、軸心k11を備え、回転自在となるように上記上部81a及び下部81bに支持される被駆動軸91と、軸心k1(第1軸心に相当)を備え、被駆動軸91の外周側に装着される巻芯92(第1巻芯に相当)と、被駆動軸93に一体に構成された被検出ディスク93(詳細は後述)と、を内包する。
巻芯92は、外周に未使用のインクリボンIBが繰り出し可能に巻回されることで、上記リボン繰り出しロールR4を構成する。これにより、リボン繰り出しロールR4は、繰り出しロール収納部81内に上記軸心k1を中心に回転自在に配置される。
<被駆動軸における凹凸係合構造>
繰り出しロール収納部81内に配置される被駆動軸91の軸心k11に沿った略中央には、略コ字状の切欠部を介して切り起こし状に形成された、凸状の係合部91a(第1係合部に相当)が形成されている。この係合部91aに対応して、巻芯92の軸心k1に沿った略中央には、略角穴等の凹状の被係合部92a(第1被係合部に相当)が形成されている。
インクリボンカートリッジRKの組み立ての際には、図8(a)に示すように、未使用のインクリボンIBを外周側に巻回した巻芯92の径方向中心部の貫通孔92bに、被駆動軸91が挿入して装着される。そして、上記係合部91aと被係合部92aとが凹凸嵌合する。これにより、被駆動軸91の軸心k11が巻芯92の上記軸心k1と一致するとともに、被駆動軸91と巻芯92とは、インクリボンIBの幅方向中心線C(図8(a)参照)との交点において、凹凸形状により係合する。
なお、被係合部92aは、角穴以外の他形状の穴であっても良いし、係合部91aは、角形の突起でなく他の形状の突起であっても良い。また、係合部91a(又は被係合部92a)の形成位置は、被駆動軸91(又は巻芯92)を例えば3等分以上に等分する箇所であったり、端部1カ所等であっても良い。さらに、凹凸係合において、上記とは逆に、被駆動軸91側に凹状の係合部が設けられ、巻芯側に凸状の被係合部が設けられていても良い。
<透過性構造による視認>
一方、繰り出しロール収納部81のうち少なくとも一部(この例では上部81a)は光透過性部材で構成されている(図6参照)。これにより、ユーザは、光透過性部材である上部81aを通して、繰り出しロール収納部81の内部にあるリボン繰り出しロールR4を視認可能である。なお、下部81bは光遮蔽性部材で構成されている。
このとき、前述の図1に示されるように、第1開閉カバー8aの上面に、上記繰り出しロール収納部81の位置に対応して略矩形に開口した視認窓8aaが設けられている。この結果、上記第2所定位置14に装着された状態のインクリボンカートリッジRKの上記繰り出しロール収納部81の上部81aを、ユーザが視認窓8cを介して装置外部より視認することができる。
<被検出ディスクによる残量検出構造>
被駆動軸91の軸心k11に沿った一方側(この例では右側)には、インクリボンIBの残量(言い換えれば消費量)を検出するための、上記被検出ディスク93が一体的に設けられている。
被検出ディスク93は、光を通過させる貫通孔93aと、光を通過させない壁部93bと、が周方向に沿って交互に設けられている。なお、これら貫通孔93aと壁部93bとが、光学検出用の被検出マーク(被検出識別子に相当)を構成している。
このとき、前述の図3に示すように、上記に対応して、第1開閉カバー8aの内部側壁に、公知の手法により光学的検出を行うエンコーダ61(検出手段に相当)が設けられている。例えば、このエンコーダ61は、投光器と受光器とを備えている。上記のようにしてインクリボンカートリッジRKが装着された後に第1開閉カバー8aが閉じ状態となると、上記エンコーダ61の位置が、上記軸心k11方向に沿って上部81a越しに被検出ディスク93と対向する位置となる。前述のように上部81aは透過性部材により構成されていることから、上記投光器からの光を上部81aを透過させつつ上記軸心k11方向(言い替えれば上記軸心k12方向)に沿って繰り出しロール収納部81内に入射し、内部の被検出ディスク93へと当てることができる。
被検出ディスク93の回転状態に応じ、上記繰り出しロール収納部81内に入射した光の光線(例えば上記軸心k12と平行)上に被検出ディスク93の上記壁部93bが位置した場合には、当該光は壁部93bにおいて反射し、逆向きに再び上部81aを透過して繰り出しロール収納部81外へ出射し、受光器において受光される。この結果、受光器から上記受光に対応した所定の検出信号が出力される。一方、上記繰り出しロール収納部81内に入射した光の光線上に被検出ディスク93の上記貫通孔93aが位置した場合には、当該光は貫通孔93aを通過する結果、上記のような受光器での受光は起こらない(あるいは極めて受光量が小さい)。この結果、受光器から上記受光に対応した検出信号は出力されない。以上により、被検出ディスク93の回転によって上記貫通孔93a及び壁部93bが交互に上記光線上に到来する結果、受光器からの検出信号のON・OFFが上記回転速度に対応した周期によって繰り返される。これにより、当該周期の長短に基づき、上記被検出ディスク93の回転速度を検出することができる。
そして、インクリボンカートリッジRKの使用時において、リボン繰り出しロールR4からインクリボンIBが繰り出されて消費されるにつれて、リボン繰り出しロールR4の径が小さくなり、この結果、同一のリボン繰り出し速度であってもロール回転速度、言い換えれば被検出ディスク93の回転速度が速くなる。これにより、(公知の手法であるため詳細な説明を省略するが)上記のようにしてエンコーダ61の検出結果に基づき被検出ディスク93の回転速度を算出することで、上記のようなリボン繰り出しロールR4の小径化の度合い、すなわちインクリボン残量を算出することができる。
<巻き取りロール収納部>
巻き取りロール収納部82は、略半円筒の上部82a(一方側部分)と、下部82b(他方側部分)と、が組み合わされることにより構成されている。上部82aは、軸心k1及び軸心k2に直交する直交方向(上下方向)に沿った一方側(上側)に位置している。下部82bは、上記直交方向に沿った他方側(下側)に位置している。下部82bの上部開口側の左端部前方側に穿設されている略矩形状の各フック孔87に、上部82aの下部開口側の左端部前方側から下方に向けて突設された舌片状のフック片86が係合する。これにより、上部82aが下部82bに組み付けられて上部82aの軸心k22がリボン巻き取りロールの軸心(後述の巻芯95の軸心k2に相当)に一致し、上記略円筒状の巻き取りロール収納部82が構築される。
そして、巻き取りロール収納部82は、軸心k21を備え、回転自在となるように上記上部82a及び下部82bに支持されるとともに、駆動力が与えられて回転する駆動軸94と、軸心k2(第2軸心に相当)を備え、駆動軸91の外周側に装着される巻芯95(第2巻芯に相当)と、駆動軸94に一体に構成された駆動ギア94b(詳細は後述)と、を内包する。
巻芯95の軸心k2に沿った両端側には、大径のフランジ部95b,95bが形成されている。この巻芯95は、上記フランジ部95b,95b間の巻胴部95cの外周に使用済み(印字形成後)のインクリボンIBが巻き取って巻回されることで、上記リボン巻き取りロールR5を構成する。これにより、リボン巻き取りロールR5は、巻き取りロール収納部82内に上記軸心k2を中心に回転自在に配置される。
駆動軸94の軸心k21に沿った左端側(あるいは接点収納部89と入れ替わりに右端側に配置してもよい)には、中間フランジ94cを介して、上記駆動ギア94bが形成されている。この駆動ギア94bは、上記搬送ローラ12を駆動させる搬送用モータM1の駆動力がギア機構(図示省略)を介して入力される。
<駆動軸における凹凸係合構造>
巻き取りロール収納部82内に配置される駆動軸94の軸心k21に沿った所定位置(後述の図9(a)及び図9(b)参照)には、略コ字状の切欠部を介して切り起こし状に形成された、凸状の係合部94a(第2係合部に相当)が形成されている。この係合部94aに対応して、巻芯95の軸心k2に沿った略中央には、略角穴等の凹状の被係合部95a(第2被係合部に相当)が形成されている。
インクリボンカートリッジRKの組み立ての際には、図9(a)に示すように、巻芯95の径方向中心部の貫通孔95dに、駆動軸94が挿入して装着される。そして、上記係合部94aと上記被係合部95aとが凹凸嵌合する。これにより、駆動軸94の軸心k21が巻芯95の上記軸心k2と一致するとともに、駆動軸94と巻芯95とは、インクリボンIBの幅方向中心線C(図9(a)参照)との交点において、凹凸形状により係合する。
なお、被係合部95aは、角穴以外の他形状の穴であっても良いし、係合部94aは、角形の突起でなく他の形状の突起であっても良い。また、係合部94a(又は被係合部95a)の形成位置は、駆動軸94(又は巻芯95)を例えば3等分以上に等分する箇所であったり、端部1カ所等であっても良い。さらに、凹凸係合において、上記とは逆に、駆動軸94側に凹状の係合部が設けられ、巻芯側に凸状の被係合部が設けられていても良い。
<遮蔽性構造>
そして、巻き取りロール収納部82は、光遮蔽性部材で構成されている(図6参照)。これにより、印字形成後に当該形成された印字内容と同等のインク転写痕が残る(すなわち、例えば機密情報や個人情報といった公開が好ましくない情報を含みうる)、巻き取りロール収納部82内の巻き取りロールR6の使用済みインクリボンIBを視認不可能とすることができる。
<固定接点収納部の固定接点面>
固定接点収納部89は、図6等に示すように、上記巻き取りロール収納部82からさらに右方へ突出するように設けられている。固定接点収納部89は、外郭を構成するケース89aと、ケース89aの上面の後方寄りに設けた開口89bと、開口89bを介し上方に露出するようにケース89a内に設けられた固定接点面72と、固定接点面72に接続するようにケース89内に設けられたメモリ73と、を有している。
<筐体側の金属端子>
そして、上記に対応し、図3に示すように、筐体2の第1開閉カバー8a(第2開閉カバー8bでも良い)の内側に、弾性変形可能な金属弾性部材により構成された少なくとも1つの金属端子71が設けられる。この金属端子71は、第1開閉カバー8aが開き状態にあるときは、上記第2所定位置14に装着されたインクリボンカートリッジRKのカートリッジ筐体80の上記固定接点面72から、離間した状態にある(図3参照)。その一方、金属端子71は、第1開閉カバー8aが閉じ状態にあるときは上記固定接点面72と接触して導通する。これにより、上記固定接点面72に接続して設けられた上記メモリ73(後述の図13も参照)に対し、筐体2側から情報読み取りや情報書き込みを行うことができる。
<金属端子の詳細>
金属端子の詳細構造を図10に示す。図10において、金属端子71は、角形ブロック状の端子部品75の下面から第1開閉カバー8aの閉じ方向(矢印ア参照)側に突出しつつ、略三角状(もしくは略くの字状)に屈曲して形成されている。金属端子71は、この例では、左右方向に(すなわち上記回動軸心K1に沿って)複数個(この例では4個)配列されている。端子部品75は、薄板状の端子基板74に設けられている。これら端子基板74及び端子部品75によって、端子支持部76が構成されている。
また、各金属端子71は、例えば一端が端子部品75に固定され、他端が端子部品75に形成された孔部(図示省略)内に導入されている。これにより、金属端子71の上記屈曲部分が押圧された際に、上記金属弾性部材の撓みにより、金属端子71の大部分が孔部から端子部品内に引っ込むようになっている(後述の図12(c)参照)。
<端子支持部の可動支持構造>
そして、本実施形態の特徴として、上記端子支持部76は、上記第1開閉カバー8aに対し、当該開閉方向に進退するように可動に支持されている。以下、その詳細を順を追って説明する。
<端子支持部を固定的に支持する比較例>
例えば、本実施形態の比較例として、図11(a)に示すように、上記端子支持部76が第1開閉カバー8aに対し固定的に設けられる場合を考える。この場合には、端子支持部76とカートリッジ筐体80の固定接点支持部89との衝突・干渉による耐久性低下等を回避するために、第1開閉カバー8aが閉じ状態となったときにおける端子支持部76の端子部品75と固定接点支持部89との間の離間距離Lを0とすることはできず、図11(b)に示すように若干空ける必要がある。この結果、金属端子71と固定接点面72との接触及び導通は、端子支持部75からの金属端子71の突出の具合に基づくこととなり、金属端子71と固定接点面72とを確実に導通させることは難しい。
<端子支持部を可動に支持する構造>
そこで、本実施形態においては、図12(a)に示すように、金属端子71が設けられる上記端子支持部76の端子基板74を、上記開閉方向(図中上下方向)に沿って可動に支持する。また、その可動な端子支持部76を、上記閉じ方向側(図中下側)へとバネ部材77(付勢手段に相当)により付勢する。
すなわち、図12(a)〜(c)に示すように、第1開閉カバー8aに、上記端子基板74の外形よりわずかに大きな基板収納枠79(可動支持手段に相当)が設けられ、上記端子基板74は、この基板収納枠79内において上下動可能に配置されている。
上記のようにして基板収納枠79に収納された端子基板74の上面の一端部が、樹脂製の上記バネ部材77によって下方へと常時付勢されている。これにより、第1開閉カバー8aの開き状態(図12(a)及び図12(b))では、上記可動に支持された端子支持部76は、バネ部材77の付勢により、基板収納枠79の下部に設けた下方係止部79a,79bに対して押圧され密着している。なお、図12(a)は上記開き状態において金属端子71が固定接点面72から上方へ離間している様子を示しており、図12(b)は、図12(a)の状態よりも第1開閉カバー8aが閉じ方向に操作され、金属端子71が固定接点面72へ接触開始した様子を示している。
そして、本実施形態では、さらに第1開閉カバー8aが閉じ方向に操作されていくと、前述したように金属端子71が弾性部材の撓みによって端子部品75内に引き込まれた後、端子部品75の下面が固定接点面72に当接する(すなわち第1開閉カバー8aが完全に閉じ状態になるより前に端子部品75と固定接点支持部89の固定接点面72とが接触する)。その後、さらに第1開閉カバー8aが閉じ方向に操作されていくと、図12(c)に示すように、端子支持部76の端子基板74がバネ部材77の上記下方への付勢力に打ち勝ち、第1開閉カバー8aの開き方向(図中の上方)に変位する(矢印イ参照)。なお、このとき、基板収納枠79の上部には係止部78が設けられ、上記端子基板74の上方への変位時に、端子基板74が必要以上に浮上しないように係止される。
上記のような端子基板74の上方変位構造とすることで、第1開閉カバー8a側の端子支持部76とカートリッジ筐体80側の固定接点支持部89との衝突・干渉による耐久性低下が防止される。この結果、上記比較例と異なり、図12(c)に示すように、第1開閉カバー8aが閉じ状態となったときにおける、端子支持部76の端子部品75と固定接点支持部89との間の離間距離Lを、0とすることができる。
<制御系>
次に、図13を用いて、テープ印刷装置1の制御系について説明する。図13において、テープ印刷装置1には、所定の演算を行う演算部を構成するCPU212が備えられている。CPU212は、RAM213及びROM214に接続されている。CPU212は、RAM213の一時記憶機能を利用しつつROM214に予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってテープ印刷装置1全体の制御を行う。
また、CPU212は、上記搬送ローラ12を駆動する上記搬送用モータM1の駆動制御を行うモータ駆動回路218と、上記印字済みテープロールR2を駆動する上記粘着巻取用モータM2の駆動制御を行うモータ駆動回路219と、上記剥離材ロールR3を駆動する上記剥離紙巻取用モータM3の駆動制御を行うモータ駆動回路220と、上記印字ヘッド11の発熱素子の通電制御を行う印字ヘッド制御回路221と、適宜の表示を行う表示部215と、ユーザが適宜に操作入力可能な操作部216と、に接続されている。
また、本実施形態では、CPU212には、上記エンコーダ61が接続されている。これにより、前述したように、エンコーダ61の受光器からの検出信号がCPU212に入力され、当該検出信号のON・OFFの周期(被検出ディスク93の回転速度に対応)に基づき、上記被検出ディスク93の回転速度がCPU212によって検出される。
さらに、本実施形態では、CPU212には、上記金属端子71が接続されている。これにより、前述のようにして、金属端子71が固定接点面72と接触して導通したとき、上記メモリ73に対して情報読み取りや情報書き込みを行うことができる。
ROM214には、所定の制御処理を実行するための制御プログラムが記憶されている。RAM213には、例えば不図示のPCから受信した画像データ形式の印刷データを、上記被印字層154の所定の印字領域に印字するためのドットパターンデータに展開して記憶する、イメージバッファ213aが備えられている。CPU212は、ROM214に記憶された適宜の制御プログラムによって、搬送ローラ12により凹凸テープ153を繰り出しつつ、イメージバッファ213aに記憶された印刷データに従って、印字ヘッド制御回路221を介し印字ヘッド11により当該印刷データに対応した印刷を行う。
<本実施形態による効果>
以上説明したように、本実施形態に係るインクリボンカートリッジRKおいては、繰り出しロール収納部81のうち少なくとも一部(この例では上部81a)は光透過性部材で構成されている。これにより、ユーザは、光透過性部材である上部81aを通して、繰り出しロール収納部81の内部にあるリボン繰り出しロールR4を視認可能である。この結果、ユーザは、インクリボンIBの色が何色であるかを視覚的に明確に識別することができる。その一方、巻き取りロール収納部82は、光遮蔽性部材で構成されている。これにより、印字形成後に当該形成された印字内容と同等のインク転写痕が残る、巻き取りロール収納部82内の巻き取りロールR6の使用済みインクリボンIBを視認不可能とし、機密性を確保することができる。
このとき、本実施形態においては特に、第1開閉カバー8aの上面に、上記繰り出しロール収納部81の位置に対応して視認窓8aaが設けられている。この結果、装着された状態のインクリボンカートリッジRKのリボン繰り出しロールR4を、ユーザが視認窓8c及び繰り出しロール収納部81の上部81aを介して装置外部より視認することができる。この結果、装着されているインクリボンカートリッジRKのインクリボンIBの色が何色であるかを、インクリボンカートリッジRKが第1開閉カバー8aの下方の第2所定位置14に装着された状態のままで、視覚的に明確に識別できる。
以上の結果、本実施形態によれば、機密性を確保しつつ、ユーザがインクリボンIBの色を容易に識別することができる。この結果、ユーザの利便性を向上することができる。なお、上述のように繰り出しロール収納部81の一部が光透過性部材で構成されていることは、以下の効果もある。すなわち、繰り出しロール収納部81の一部が光透過性部材で構成されていることにより、上述したように、被検出ディスク93(あるいは例えばリボン繰り出しロールR4のロール側面でも可能である)の被検出識別子(上述の例では貫通孔93aと壁部94b)を、カートリッジ筐体80外部から光学的に検出できる。したがって、リボン繰り出しロールR4のインクリボンIB残量を容易に算出することができる。
また、本実施形態においては特に、繰り出しロール収納部81のうち上部81aのみを光透過性部材で構成して当該上側からの視認性を確保しつつ、下部81bは光遮蔽性部材とする。これにより、さらに確実に機密性を向上することができる。
また、本実施形態においては、端子基板74が基板収納枠79内において上下動可能に配置され、端子基板74の上面が、バネ部材77によって下方へと常時付勢されている。このような端子基板74の上方変位構造とすることで、第1開閉カバー8a側の端子支持部76とカートリッジ筐体80側の固定接点支持部89との衝突・干渉による耐久性低下が確実に防止される。これにより、第1開閉カバー8aが閉じ状態となったときにおける、端子支持部76の端子部品75と固定接点支持部89との間の離間距離Lを、0とすることができる。この結果、耐久性の低下を防止しつつ、第1開閉カバー8a側の金属端子71とインクリボンカートリッジRK側の固定接点面72とを確実に導通することができる。
また、本実施形態においては特に、金属端子71は、固定接点面72との接触時に弾性変形可能な金属弾性部材により構成されている。これにより、第1開閉カバー8aが閉じ状態となり金属端子71が固定接点面72へ接触するときの接触圧を略一定にすることができる。この結果、さらに導通を良好に確保することができる。
また、本実施形態では特に、上記回転軸心K1を中心に回動する第1開閉カバー8aに、金属端子71が、回転軸心K1に沿って複数個(上記の例では4個)配列されている。この際、例えば図14(a)に示すように、回転軸心K1に直交する方向にそれら4個の金属端子71を配列した場合、図14(b)に示すように、第1開閉カバー8aの開閉により各金属端子71の描く軌跡が互いに異径の同心円弧状となる。すなわち、上記回転軸心K1から比較的遠い位置にあり大きな円弧軌跡を描く金属端子71(図示の右側のもの)は、固定接点面72に当接するまでに大きな距離を移動する。その一方で、上記回転軸心K1から比較的近い位置にあり小さな円弧軌跡を描く金属端子71(図示の左側のもの)は、固定接点面72に当接するまでに小さな距離しか移動しない。このように、各金属端子71それぞれにおいて円弧の径の大きさや固定接点面72までの到達距離が異なることから、それぞれの導通を確保するための各部寸法管理を各金属端子71ごとに行う必要があり、煩雑となる。
これに対し、本実施形態においては、複数の金属端子71が回転軸心K1に沿って配列される。これにより、図15(a)及び図15(b)に示すように、第1開閉カバー8aの開閉により各金属端子71の描く軌跡は同一径の円弧状となり、各金属端子71が固定接点面72に当接するまでに要する距離も同一となる。この結果、上記と異なり、各金属端子71の導通を確保するための各部寸法管理はいずれか1つの金属端子71に対してのみ行えば足りる。言い替えれば複数の金属端子71ではなく1つの金属端子71として取り扱えば足りるので、上記寸法管理の煩雑さを回避することができる。
また、本実施形態においては、繰り出しロール収納部81において、被駆動軸91と巻芯92とが、係合部91aと被係合部92aとの凹凸形状によって、インクリボンIBの幅方向中心線Cとの交点において係合する。これにより、上記インクリボンIBの残量検出を安定的にかつ高精度に行うことができる。この効果を、上記図8(a)及び図8(b)により説明する。
すなわち、インクリボンIBの熱転写の対象である上記被印字テープ150の幅寸法が広狭複数種類存在する等により、インクリボンIBの幅寸法についても広狭複数種類を用いたいというニーズがあり得る。本実施形態では、このようなニーズに対応する形で、上述の図8(a)に示したように、リボン繰り出しロールR4の巻芯92が、上記インクリボンIBの幅方向中心線Cに対応する位置(この例では幅方向中心線Cとの交点)に、被係合部92aを備えている。同様に、被駆動軸91が、上記幅方向中心線Cに対応する位置(この例では幅方向中心線Cとの交点)に、係合部91aを備えている。そして、被駆動軸91の上記係合部91aが巻芯92の上記被係合部92aに対し凹凸形状を用いて係合する。このような巻芯92の被係合部92aをすべてのインクリボンカートリッジRKが備えることにより、カートリッジ筐体80内のインクリボンIBの幅寸法が広い場合(図8(a)参照)であっても、逆に狭い場合(図8(b)参照)であっても、インクリボンIBの幅方向中心線Cを被駆動軸91に対して固定的な位置関係に位置決めすることができる。これにより、上記被駆動軸91に固定される被検出ディスク93とインクリボンIBの幅方向中心線Cとの位置関係が、インクリボンIBの幅寸法の広狭を問わずに常に一定になる。この結果、(インクリボンカートリッジRKの取り扱い性向上等の観点から)カートリッジ筐体80内に被検出ディスク93を設ける場合に、インクリボンIBの幅寸法が広い場合も狭い場合もインクリボンカートリッジRK外から見た被検出ディスク93の位置を一定とすることができるので、上述したようなエンコーダ61による上記インクリボンIBの残量検出を、安定的にかつ高精度に行うことができる。
また、本実施形態においては特に、巻き取りロール収納部82において、駆動軸94と巻芯95とが、係合部94aと被係合部95aとの凹凸形状によって、インクリボンIBの幅方向中心線Cとの交点において係合する。これにより、駆動軸94に対する駆動力の入力・伝達を安定的に高い信頼性で行うことができる。この効果を、上記図9(a)及び図9(b)により説明する。
すなわち、図9(a)に示したように、本実施形態では、リボン巻き取りロールR5の巻芯95が、上記インクリボンIBの幅方向中心線Cに対応する位置(この例では幅方向中心線Cとの交点)に、被係合部95aを備えている。同様に、駆動軸94においても、上記インクリボンIBの幅方向中心線Cに対応する位置(この例では幅方向中心線Cとの交点)に、係合部94aを備えている。そして、駆動軸94の上記係合部94aが巻芯95の上記被係合部95aに対し凹凸形状を用いて係合する。このような巻芯95の被係合部95aをすべてのインクリボンカートリッジRKが備えることにより、カートリッジ筐体80内のインクリボンIBの幅寸法が広い場合(図9(a)参照)であっても狭い場合(図9(b)参照)であっても、インクリボンIBの幅方向中心線Cを駆動軸94に対して固定的な位置関係に位置決めできる。これにより、上記駆動軸94に固定される駆動ギア94bとインクリボンIBの幅方向中心線Cとの位置関係も、インクリボンIBの幅寸法の広狭を問わずに常に一定になる。この結果、インクリボンカートリッジRK内のインクリボンIBの幅寸法が広い場合であっても狭い場合であってもインクリボンカートリッジRK外から見た(カートリッジ筐体80内の)駆動ギア94bの位置を一定とすることができるので、上記駆動力の入力・伝達を安定的に高い信頼性で行うことができる。
なお、本発明は、上述した態様に限られるものではない。例えば、リボン繰り出しロールR4からインクリボンIBが繰り出されて消費されるにつれて、リボン繰り出しロールR4の径が小さくなることを利用し、図16に示すように、繰り出しロール収納部81のうち上記光透過性部材で構成された上部81aの例えば側面領域に、互いに円弧状となって順次積層された目盛り100を設けてもよい。
この場合、上記のようにインクリボンIBが消費されリボン繰り出しロールR4が小径化していくとき度合いを、ユーザが目盛り100を用いて目視で計測することができる。これにより、未使用のインクリボンIBの概ねの残量、言い替えれば使用済みのインクリボンIBの概略量を、ユーザは容易に知ることができ、これによっても利便性を向上することができる。
また、以上においては、本発明を、被印字テープ150に対し印字を行うテープ印刷装置1に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、テープに対し印字以外の処理を行うテープ処理装置に適用することも可能である。
なお、以上において、図13に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用してもよい。
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。