JP2011189660A - プリンター - Google Patents
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Abstract
【課題】コストアップを極力抑えつつ、常に紙の弛みを防止し、高品質に印刷を行うことができるプリンターを提供する。
【解決手段】ロール紙11に印刷処理を行うインクジェットヘッド21を備えた印刷処理部におけるロール紙11の搬送方向上流側に設けられ、印刷処理部に向けてロール紙11を搬送するメイン送りローラー36と、印刷処理部におけるロール紙11の搬送方向下流側に設けられ、印刷処理部からロール紙11を排出するフロント送りローラー37とを備え、フロント送りローラー37の用紙搬送速度がメイン送りローラー36の用紙搬送速度より速い設定であるプリンター1であって、フロント送りローラー37をメイン送りローラー36に対してロール紙11に張力を付加する回転方向に付勢するコイルバネ55を有する。
【選択図】図5
【解決手段】ロール紙11に印刷処理を行うインクジェットヘッド21を備えた印刷処理部におけるロール紙11の搬送方向上流側に設けられ、印刷処理部に向けてロール紙11を搬送するメイン送りローラー36と、印刷処理部におけるロール紙11の搬送方向下流側に設けられ、印刷処理部からロール紙11を排出するフロント送りローラー37とを備え、フロント送りローラー37の用紙搬送速度がメイン送りローラー36の用紙搬送速度より速い設定であるプリンター1であって、フロント送りローラー37をメイン送りローラー36に対してロール紙11に張力を付加する回転方向に付勢するコイルバネ55を有する。
【選択図】図5
Description
本発明は、搬送する用紙に印刷を行うプリンターに関する。
用紙を搬送しながら印刷ヘッドによって用紙に印刷を行うプリンターとしては、紙排出手段の紙送り速度を紙搬送手段の紙送り速度より速く設定し、紙排出手段と駆動モーター間の動力伝達系のガタを紙搬送手段と駆動モーター間の動力伝達系のガタより大きく設定することにより、用紙をたるませることなく逆方向紙送りが行えるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、正転方向に紙送りする場合、排紙手段による紙送り速度を給紙手段による紙送り速度より速い速度に設定し、逆転方向に紙送りする場合、排紙手段による紙送り速度を給紙手段による紙送り速度より遅い速度に設定する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、正転または逆転のいずれの紙送り時にも、用紙に適度な張力を付与し、紙浮き、紙たるみのないスムーズな紙送りが可能である。
上記特許文献1の技術では、搬送ローラーと排紙ローラーとの間のガタの範囲内に逆方向紙送りを限定することで、逆方向紙送り時に用紙たるみを防止することができるが、逆方向紙送りをした後の正方向紙送りにおいて一時的に用紙のたるみが発生してしまう。例えば、インクジェットプリンターでは、紙送り時に印刷ヘッドが紙の上面に待機している場合があるため、用紙のたるみが発生すると印刷ヘッドに紙が接触し、紙汚れの発生や、印刷ヘッドの目詰まり等の不具合の原因となる。
また、特許文献2の技術では、歯車列の追加が必要となり、構造の複雑化によるコストアップを招いてしまう。
また、特許文献2の技術では、歯車列の追加が必要となり、構造の複雑化によるコストアップを招いてしまう。
本発明の目的は、コストアップを極力抑えつつ、常に紙の弛みを防止し、高品質に印刷を行うことができるプリンターを提供することにある。
上記課題を解決することのできる本発明に係るプリンターは、用紙に印刷処理を行う印刷処理部と、
前記印刷処理部の用紙搬送方向上流側に設けられ前記印刷処理部に向けて用紙を搬送する搬送ローラーと、
前記印刷処理部の用紙搬送方向下流側に設けられ前記印刷処理部から用紙を排出する排紙ローラーとを備え、
前記排紙ローラーの用紙搬送速度が前記搬送ローラーの用紙搬送速度より速い設定であるプリンターであって、
前記排紙ローラーまたは前記搬送ローラーの一方を、他方に対して用紙に張力を付加する回転方向に付勢する付勢機構を有することを特徴とする。
前記印刷処理部の用紙搬送方向上流側に設けられ前記印刷処理部に向けて用紙を搬送する搬送ローラーと、
前記印刷処理部の用紙搬送方向下流側に設けられ前記印刷処理部から用紙を排出する排紙ローラーとを備え、
前記排紙ローラーの用紙搬送速度が前記搬送ローラーの用紙搬送速度より速い設定であるプリンターであって、
前記排紙ローラーまたは前記搬送ローラーの一方を、他方に対して用紙に張力を付加する回転方向に付勢する付勢機構を有することを特徴とする。
この構成によれば、付勢機構を設けただけの極めて簡単な構造によって排紙ローラーまたは搬送ローラーの一方を付勢して用紙に張力を付加し、ローラーを駆動させるモーターの停止時の微小振動時または歯車のガタであるバックラッシュを取り除く際に行われる逆方向紙送り時においても、常に紙のたるみを防止することができる。
つまり、コストアップを極力抑えつつ、常に紙の弛みを防止し、高品質に印刷を行うことができる。
つまり、コストアップを極力抑えつつ、常に紙の弛みを防止し、高品質に印刷を行うことができる。
本発明のプリンターにおいて、前記排紙ローラーまたは前記搬送ローラーの一方から他方へ動力を伝達する動力伝達機構を備え、前記付勢機構は、前記動力伝達機構の一部に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、排紙ローラーまたは搬送ローラーの一方から他方へ動力を伝達する動力伝達機構の一部に設けた付勢機構によって、比較的簡易な構成で排紙ローラーまたは搬送ローラーの一方を付勢して確実に用紙に張力を付加することができる。
この構成によれば、排紙ローラーまたは搬送ローラーの一方から他方へ動力を伝達する動力伝達機構の一部に設けた付勢機構によって、比較的簡易な構成で排紙ローラーまたは搬送ローラーの一方を付勢して確実に用紙に張力を付加することができる。
本発明のプリンターにおいて、前記付勢機構は、前記動力伝達機構の一部に設けられたバネクラッチ機構であることが好ましい。
この構成によれば、排紙ローラーまたは搬送ローラーが用紙に対して滑る前にバネクラッチ機構が空回りするように設定することにより、排紙ローラーまたは搬送ローラーと用紙とを滑らせることなく、用紙に張力を付加することができる。これにより、排紙ローラーまたは搬送ローラーと用紙とが滑り、排紙ローラーまたは搬送ローラーが摩耗することによる耐久性能の低下を防止することができる。
この構成によれば、排紙ローラーまたは搬送ローラーが用紙に対して滑る前にバネクラッチ機構が空回りするように設定することにより、排紙ローラーまたは搬送ローラーと用紙とを滑らせることなく、用紙に張力を付加することができる。これにより、排紙ローラーまたは搬送ローラーと用紙とが滑り、排紙ローラーまたは搬送ローラーが摩耗することによる耐久性能の低下を防止することができる。
以下、本発明に係るプリンターの実施形態の例を、図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、インクジェットプリンター(プリンター)1は、複数種のカラーインクを使用してロール紙の繰り出された一部にカラー印刷するものであり、プリンター本体を覆うプリンターケース2の前面中央には、ロール紙カバー3が開閉自在に設けられている。ロール紙カバー3の横にはインクカートリッジ挿入口8が設けられ、その内側にインクカートリッジ4が挿入されて収容されている。更に、プリンターケース2の前面には、電源スイッチ5と共にフィードスイッチ6やインジケーター7等も配置されている。
図1に示すように、インクジェットプリンター(プリンター)1は、複数種のカラーインクを使用してロール紙の繰り出された一部にカラー印刷するものであり、プリンター本体を覆うプリンターケース2の前面中央には、ロール紙カバー3が開閉自在に設けられている。ロール紙カバー3の横にはインクカートリッジ挿入口8が設けられ、その内側にインクカートリッジ4が挿入されて収容されている。更に、プリンターケース2の前面には、電源スイッチ5と共にフィードスイッチ6やインジケーター7等も配置されている。
図2に示すように、印刷される媒体であるロール紙(用紙)11は、ロール紙収容部12に収容されており、ロール紙カバー3を開くと、ロール紙11を収容したロール紙収容部12が開放され、ロール紙11の交換が可能になる。
ロール紙カバー3はその下端を中心に手前側に回動可能である。ロール紙カバー3の上部には手前側に印刷後のロール紙が排出される排紙部9が設けられ、排紙部9の手前側先端には手前側に摺動可能な開閉スライダ10が設けられる。
開閉スライダ10に指をかけて前方に引くと、開閉スライダ10が前方に移動してロックが解除される。この状態で、さらに開閉スライダ10を手前に引くと、ロール紙カバー3が下端を中心に回動して開き、ロール紙カバー3の奥に設けられたロール紙収容部12が露出され、ロール紙収容部12にロール紙を投入できるように構成されている。
図3に示すように、ロール紙収容部12の後方上部には、ロール紙収容部12に収容されたロール紙11をシート状に繰り出す繰り出しローラー34が設けられている。そして、ロール紙収容部12及び繰り出しローラー34から、ロール紙11をシート状に繰り出して供給するロール紙供給装置39が構成されている。
この繰り出しローラー34の下流側には、ロール紙11を挟持して搬送するメイン送りローラー(搬送ローラー)36が設けられている。また、繰り出しローラー34からメイン送りローラー36までの搬送路には、メイン送りローラー36に対するロール紙11の張力を一定に保つように、付勢部材(図示省略)によって装置後方へ付勢されたテンションローラー35が設けられている。
さらに、メイン送りローラー36の下流側には、ロール紙11を挟持して搬送するフロント送りローラー(排紙ローラー)37が設けられ、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との間には、プラテン26が設けられている。また、排紙部9には、印刷されたロール紙11を切断するカッター38が設けられている。
ロール紙11は、ロール紙収容部12から引き出され、繰り出しローラー34、テンションローラー35、メイン送りローラー36、プラテン26、フロント送りローラー37を経て、排紙部9から排出される。
繰り出しローラー34は、ロール紙収容部12に収容されたロール紙11をシート状に引き出して紙送り力を発生させている。メイン送りローラー36は、高精度に回転制御されるもので、ロール紙11を高精度な紙送りピッチで搬送させている。テンションローラー35は、メイン送りローラー36にかかる負荷を一定に保つことで紙送り精度を安定させ、かつロール紙11の弛みを一定量保持することで高速送りを実現させている。
さらに、フロント送りローラー37は、シート状のロール紙11を十分な挟持力によって挟持しながら排紙部9へ送り出す。これにより、例えば、排紙部9に印刷されて排紙されたロール紙11を引き切った際にも、プラテン26上での紙浮きが防止され、その後も紙浮きによるジャム障害なく良好に印刷が行われる。
上記構成のロール紙供給装置39の各ローラーは、歯車またはベルトプーリー機構といった伝達機構を介してモーターにより駆動される。例えば、紙送りモーター31の駆動力は、まず、メイン送りローラー36に伝達され、これらのメイン送りローラー36が回転される。
図4に示すように、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との間には、互いに噛み合わされた複数の伝達歯車41からなる動力伝達機構42が設けられている。メイン送りローラー36に設けられた歯車43及びフロント送りローラー37に設けられた歯車44が、それぞれ動力伝達機構42の両端の伝達歯車41に噛み合わされている。これにより、メイン送りローラー36に伝達された回転力は、動力伝達機構42によってフロント送りローラー37へ伝達され、よって、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37とが同期して回転する。
また、フロント送りローラー37は、動力伝達機構42を構成する伝達歯車41のギヤ比によって、用紙搬送速度がメイン送りローラー36よりも速い設定とされている。これにより、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との間において、ロール紙11は、所定の張力が付与された状態となり、プラテン26の上面における浮き上がりが防がれ、後述するインクジェットヘッド21への付着が防止される。
図2に示すように、プリンターケース2内のロール紙収容部12の上方には、このインクジェットプリンター1の印刷処理部を構成するインクジェットヘッド21を搭載したキャリッジ22が設けられている。キャリッジ22は、ロール紙11の幅方向に沿って延在するガイド部材23によって用紙幅方向に移動自在に支持されると共に、ロール紙11の幅方向に延在する無端ベルト(図示省略)と無端ベルトを駆動するキャリッジモーター25とによって、プラテン26の上方をロール紙11の幅方向に往復移動可能になっている。キャリッジ22には、インクカートリッジにつながる可撓性を有するインクチューブ27が接続されており、このインクチューブ27を介してインクカートリッジ4からキャリッジ22のインクジェットヘッド21へインクが供給される。
インクジェットプリンター1の幅方向の一方側は、往復移動するキャリッジ22の待機位置(ホームポジション)となっている。この待機位置の下方には、キャリッジ22の下面に露出するインクジェットヘッド21の各インクノズル内のインクを吸引するインク吸引機構(図示省略)が設けられている。
そして、上記のインクジェットプリンター1では、往復移動するキャリッジ22のインクジェットヘッド21からロール紙11の繰り出された一部に対してインクを吐出して印刷処理を行う。
図5に示すように、上記構造のインクジェットプリンター1のフロント送りローラー37には、コイルバネ(付勢機構)55が設けられており、このコイルバネ55によって、フロント送りローラー37は、メイン送りローラー36に対してロール紙11に張力を付加する回転方向に付勢されている。
具体的には、フロント送りローラー37は、一対のローラー52を備えており、これらのローラー52が、回転軸51に対して回転可能に設けられている。ローラー52は、その外周に、ロール紙11と接触する高摩擦部材53が設けられている。また、回転軸51には、フランジ部54が形成されており、このフランジ部54とローラー52との間に、コイルバネ55が設けられている。このコイルバネ55の両端は、フランジ部54及びローラー52の端部に連結されている。これにより、フロント送りローラー37では、回転軸51に伝達された回転力は、この回転軸51からコイルバネ55を介してローラー52に伝達されることとなる。
ロール紙11を排紙部9へ向かって搬送する正方向紙送りを行うと、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との速度差分だけコイルバネ55が捻られ、フロント送りローラー37では、回転軸51に対してローラー52が変位する。このときの回転軸51に対するローラー52の回転角をθとすると、図6に示すように、コイルバネ55の捻りが多くなり、回転角θが大きくなると、伝達トルクTも増加する。
そして、回転角θが、フロント送りローラー37のローラー52とロール紙11との摩擦抵抗で発生する負荷トルクTn以上となる回転角θnとなると、フロント送りローラー37とロール紙11とが滑ることとなる。そして、コイルバネ55は回転角θが常にθnとなるように、捻られた状態を維持する。
また、コイルバネ55が捻られた状態において、例えば、駆動伝達機構42の歯車41のガタであるバックラッシュを取り除くためにロール紙11を排紙部9の反対側へ向かって搬送する逆方向紙送りを行ったとしても、コイルバネ55の捻りがなくなって回転角θがゼロとなるまでは、フロント送りローラー37はロール紙11を引っ張る方向にトルクTを発生させながら回転することとなる。
さらに、逆方向紙送り後に正方向紙送りをした場合でも、コイルバネ55が捻られ、回転角θがゼロでなければ、フロント送りローラー37は、常にロール紙11を引っ張る方向にトルクTが生じた状態に維持される。
さらに、逆方向紙送り後に正方向紙送りをした場合でも、コイルバネ55が捻られ、回転角θがゼロでなければ、フロント送りローラー37は、常にロール紙11を引っ張る方向にトルクTが生じた状態に維持される。
したがって、回転角θがゼロでない領域では、正方向紙送り時または逆方向紙送り時のいずれの場合であっても、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との間におけるロール紙11には、常に張力が付与されることとなり、ロール紙11の弛みを抑えることができる。
このように、上記実施形態にかかるインクジェットプリンター1によれば、コイルバネ55を設けただけの極めて簡単な構造によってフロント送りローラー37を付勢してロール紙11に張力を付加することができる。これにより、紙送りモーター31の停止時の微小振動時またはバックラッシュの取り除きの際に行う逆方向紙送り時においても、常にロール紙11のたるみを防止することができる。
つまり、歯車を複雑に組み合わせた構造の歯車列を設けて用紙の弛みを抑える構造と比較して、コストアップを極力抑えつつ、常に紙の弛みを防止し、ロール紙11がインクジェットヘッド21へ接触することにより生じる紙汚れまたはノズルの目詰まり等の不具合なく、高品質に印刷を行うことができる。
つまり、歯車を複雑に組み合わせた構造の歯車列を設けて用紙の弛みを抑える構造と比較して、コストアップを極力抑えつつ、常に紙の弛みを防止し、ロール紙11がインクジェットヘッド21へ接触することにより生じる紙汚れまたはノズルの目詰まり等の不具合なく、高品質に印刷を行うことができる。
次に、他の実施形態について説明する。
図7に示すように、このインクジェットプリンター1では、動力伝達機構42の一部にクラッチ軸61が設けられている。図8に示すように、このクラッチ軸61は、動力伝達機構42を構成する伝達歯車41が端部に設けられた駆動伝達軸62を有しており、この駆動伝達軸62は、動力伝達機構42によって伝達される回転力によって回転される。この駆動伝達軸62には、二つのバネクラッチ機構63が設けられており、これらのバネクラッチ機構63には、伝達歯車64が設けられている。また、フロント送りローラー37の回転軸51には、従動歯車56が設けられており、これらの従動歯車56は、バネクラッチ機構63の伝達歯車64が噛み合わされている。なお、フロント送りローラー37のローラー52は、回転軸51に固定されており、回転軸51とともに一体に回転する。そして、フロント送りローラー37は、動力伝達機構42からの回転力がバネクラッチ機構63を介して伝達されて回転し、ローラー52に挟持されたロール紙11を排紙部9へ送り出す。
図7に示すように、このインクジェットプリンター1では、動力伝達機構42の一部にクラッチ軸61が設けられている。図8に示すように、このクラッチ軸61は、動力伝達機構42を構成する伝達歯車41が端部に設けられた駆動伝達軸62を有しており、この駆動伝達軸62は、動力伝達機構42によって伝達される回転力によって回転される。この駆動伝達軸62には、二つのバネクラッチ機構63が設けられており、これらのバネクラッチ機構63には、伝達歯車64が設けられている。また、フロント送りローラー37の回転軸51には、従動歯車56が設けられており、これらの従動歯車56は、バネクラッチ機構63の伝達歯車64が噛み合わされている。なお、フロント送りローラー37のローラー52は、回転軸51に固定されており、回転軸51とともに一体に回転する。そして、フロント送りローラー37は、動力伝達機構42からの回転力がバネクラッチ機構63を介して伝達されて回転し、ローラー52に挟持されたロール紙11を排紙部9へ送り出す。
図9に示すように、クラッチ軸61のバネクラッチ機構(付勢機構)63は、駆動伝達軸62に装着されるクラッチバネ66と、駆動伝達軸62に対して回転可能なクラッチホルダー67とを有しており、クラッチホルダー67に伝達歯車64が設けられている。駆動伝達軸62に取り付けられたクラッチホルダー67の内周側には、駆動伝達軸62の外周面との間に隙間が形成されており、この隙間に、クラッチバネ66が収容される。このクラッチホルダー67の一端には、環状に形成された蓋部68が取り付けられ、これにより、クラッチバネ66が収容される隙間が蓋部68によって閉鎖される。
クラッチホルダー67は、周囲の一か所に係止溝67aを有しており、この係止溝67aに、径方向外方へ突出したクラッチバネ66の一端部66aが係止されている。これにより、クラッチホルダー67は、駆動伝達軸62とともに回転される。
クラッチバネ66は、駆動伝達軸62に対して、ロール紙11を排紙部9へ送り出す正方向紙送りの際の駆動伝達軸62の回転方向に巻き付けられ、その締め付け力によって駆動伝達軸62に装着されている。一方、クラッチホルダー67には、フロント送りローラー37からの負荷により、駆動伝達軸62の回転方向と逆方向へのトルクが生じる。したがって、正方向紙送り時に、クラッチホルダー67に駆動伝達軸62と逆方向へトルクが生じると、クラッチホルダー67に一端部66aが係止されたクラッチバネ66は、駆動伝達軸62への巻き付け方向と逆方向へ捻られ、駆動伝達軸62への締め付け力が低下する。そして、このクラッチバネ66の駆動伝達軸62に対する締め付け力が所定値以下となると、駆動伝達軸62との間に滑りが生じる。
バネクラッチ機構63は、フロント送りローラー37とロール紙11との摩擦抵抗負荷トルクTnよりもクラッチバネ66が滑り始める締め付け限界トルクT0が小さくされている。
上記のようなバネクラッチ機構63を有するクラッチ軸61を設けたインクジェットプリンター1では、ロール紙11を排紙部9へ向かって搬送する正方向紙送りを行うと、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との速度差分だけクラッチバネ66が捻られ、クラッチ軸61のバネクラッチ機構63では、駆動伝達軸62に対してクラッチホルダー67が変位する。このときの駆動伝達軸62に対するクラッチホルダー67の回転角をθとすると、図10に示すように、クラッチバネ66の捻りが多くなり、回転角θが大きくなると、伝達トルクTも増加する。
そして、回転角θが、駆動伝達軸62に対してクラッチバネ66が滑り始める締め付け限界トルクT0となる回転角θ0となると、駆動伝達軸62に対してクラッチホルダー37は、トルクT0を維持しながら空回りして遅れて回転することとなる。そして、クラッチバネ66は回転角θが常にθ0となるように、捻られた状態を維持する。
また、クラッチバネ66が捻られた状態において、例えば、バックラッシュの取り除き等のためにロール紙11を排紙部9の反対側へ向かって搬送する逆方向紙送りを行ったとしても、クラッチバネ66の捻りがなくなって回転角θがゼロとなるまでは、フロント送りローラー37はロール紙11を引っ張る方向にトルクTを発生させながら回転することとなる。
さらに、逆方向紙送り後に正方向紙送りをした場合でも、クラッチバネ66が捻られ、回転角θがゼロでなければ、フロント送りローラー37は、常にロール紙11を引っ張る方向にトルクTが生じた状態に維持される。
さらに、逆方向紙送り後に正方向紙送りをした場合でも、クラッチバネ66が捻られ、回転角θがゼロでなければ、フロント送りローラー37は、常にロール紙11を引っ張る方向にトルクTが生じた状態に維持される。
したがって、回転角θがゼロでない領域では、正方向紙送り時または逆方向紙送り時のいずれの場合であっても、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との間におけるロール紙11には、常に張力が付与されることとなり、ロール紙11の弛みを抑えることができる。
なお、バネクラッチ機構63は、通常では、一定のトルクを伝達する目的で使用されるため、クラッチバネ66が滑り始める回転角θ0を最小化する方向で設計されるが、本実施形態では、この回転角θ0を最大化する方向で設計している。これにより、クラッチバネ66によって、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との速度差を極力吸収しつつロール紙11に張力を付加することが可能とされている。
このように、上記のバネクラッチ機構を備えたインクジェットプリンターによれば、動力伝達機構42の一部に、バネクラッチ機構63を有するクラッチ軸61を設けただけの極めて簡単な構造によってフロント送りローラー37側を付勢してロール紙11に張力を付加することができる。これにより、コストアップを極力抑えつつ、紙送りモーター31の停止時の微小振動時またはバックラッシュの取り除き等で行う逆方向紙送り時においても、常にロール紙11の弛みを防止し、高品質に印刷を行うことができる。
また、フロント送りローラー37とロール紙11とを滑らせることなく、メイン送りローラー36とフロント送りローラー37との速度差を吸収することができるので、フロント送りローラー37とロール紙11とを滑らせることによる、フロント送りローラー37の摩耗による耐久性能の低下を防止することができる。
なお、上記実施形態では、ロール紙11に張力を付加するためのコイルバネ55またはクラッチバネ66からなる付勢機構をフロント送りローラー37側に設けたが、この付勢機構は、メイン送りローラー36側に設けても良い。
また、付勢機構としては、メイン送りローラー36またはフロント送りローラー37のいずれか一方を、ロール紙11に張力を付加する回転方向へ付勢するものであれば、バネに限らず、ゴム等であっても良い。
前述の実施の形態では、被印刷体である媒体としては、フィルム、布、金属薄板等を用いてもよい。
前述の実施形態に係るインクジェットプリンターに、コンピューター本体、CRT等の表示装置、入力装置、フレキシブルディスクドライブ装置、及びCD−ROMドライブ装置がそれぞれ有する機能又は機構の一部を持たせてもよい。例えば、プリンターが、画像処理を行う画像処理部、各種の表示を行う表示部、及び、デジタルカメラ等により撮影された画像データーを記録した記録メディアを着脱するための記録メディア着脱部を有する構成としてもよい。
本実施形態に係るプリンター、コンピューター本体、CRT等の表示装置、マウスやキーボード等の入力装置、フレキシブルドライブ装置、及びCD−ROMドライブ装置を備えたコンピューターシステムとすれば、システム全体として従来システムよりも優れたシステムとなる。
上記各実施の形態では、印刷装置としてカラーインクジェットプリンターを用いたが、用紙に対して印刷処理できる印刷装置であれば、これに限られることなく、例えば、モノクロインクジェットプリンター、レーザプリンター、サーマルプリンター、ファクシミリ等に適用しても良い。
1…インクジェットプリンター(プリンター)、11…ロール紙(用紙)、21…インクジェットヘッド(印刷処理部)、36…メイン送りローラー(搬送ローラー)、37…フロント送りローラー(排紙ローラー)、42…動力伝達機構、55…コイルバネ(付勢機構)、63…バネクラッチ機構(付勢機構)、66…クラッチバネ
Claims (3)
- 用紙に印刷処理を行う印刷処理部と、
前記印刷処理部の用紙搬送方向上流側に設けられ前記印刷処理部に向けて用紙を搬送する搬送ローラーと、
前記印刷処理部の用紙搬送方向下流側に設けられ前記印刷処理部から用紙を排出する排紙ローラーとを備え、
前記排紙ローラーの用紙搬送速度が前記搬送ローラーの用紙搬送速度より速い設定であるプリンターであって、
前記排紙ローラーまたは前記搬送ローラーの一方を、他方に対して用紙に張力を付加する回転方向に付勢する付勢機構を有することを特徴とするプリンター。 - 請求項1に記載のプリンターであって、
前記排紙ローラーまたは前記搬送ローラーの一方から他方へ動力を伝達する動力伝達機構を備え、
前記付勢機構は、前記動力伝達機構の一部に設けられていることを特徴とするプリンター。 - 請求項2に記載のプリンターであって、
前記付勢機構は、前記動力伝達機構の一部に設けられたバネクラッチ機構であることを特徴とするプリンター。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017105636A (ja) * | 2017-02-10 | 2017-06-15 | 武藤工業株式会社 | プリンタ装置 |
CN111348465A (zh) * | 2020-03-30 | 2020-06-30 | 浙江联宜电机有限公司 | 口罩生产设备用布料筒固定架 |
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2010
- 2010-03-16 JP JP2010058835A patent/JP2011189660A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017105636A (ja) * | 2017-02-10 | 2017-06-15 | 武藤工業株式会社 | プリンタ装置 |
CN111348465A (zh) * | 2020-03-30 | 2020-06-30 | 浙江联宜电机有限公司 | 口罩生产设备用布料筒固定架 |
CN111348465B (zh) * | 2020-03-30 | 2021-08-31 | 浙江联宜电机有限公司 | 口罩生产设备用布料筒固定架 |
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