JP2004075277A - 給送装置およびこの給送装置を備えた記録装置、駆動ギア列 - Google Patents

給送装置およびこの給送装置を備えた記録装置、駆動ギア列 Download PDF

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Abstract

【課題】分離給送動作の安定性を確保し、給送中にシート材に付与される不要な抵抗力を低減する。
【解決手段】シート材積載部6に積載されたシート材2を送り出すための給送ローラ11と、給送ローラ11により送り出されたシート材2に圧接しシート材を1枚ずつ分離する分離ローラ12と、分離ローラ12による分離力発生状態と分離力解除状態とに切り替えるためのリリースカム28およびロックレバー23と、分離ローラ12を保持し給送ローラ11に対して分離ローラ12を圧接および離間させるための分離ローラホルダ21とを備える。そして、分離力解除状態でシート材2を給送する第1の給送モードと、給送ローラ11に対して分離ローラ12を離間させてシート材2を給送する第2の給送モードを備える。
【選択図】 図14

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚積載されたシート材から1枚ずつシート材を取り出して給送する給送装置およびシート材に記録する記録装置に関する。特に、一度の給送動作時に複数のシート材が重なって送り出される、いわゆる重送を防止するための給送装置およびこの給送装置を備える記録装置に関する。また、本発明は、各シート材の種別に応じて給送モードを切り替える給送装置、駆動ギア列に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば記録用紙やフィルム等のシート材を給送するための給送装置としては、積載された複数枚のシート材を分離する分離機構や、シート材の重送を防止するための重送防止機構を備える構成が一般的である。
【0003】
分離機構としては、摩擦板を備え給送ローラとシート材と摩擦板の摩擦係数の差で分離する摩擦板方式や、給送ローラに圧接される分離ローラにトルクリミッタを備えこのトルクリミッタにより発生する抵抗力と分離ローラの摩擦係数でシート材を分離するリタードローラ方式等が知られている。
【0004】
図23に、従来のリタードローラ方式の分離機構を備える給送装置を示す。この給送装置は、図23に示すように、給送ローラ111に対向して分離ローラ112が配設されており、不図示の付勢手段によって分離ローラ112が給送ローラ111に圧接される。給送されるシート材は、圧板116上に積載されて、この圧板116によって給送ローラ111に対して圧接される。そして、シート材の搬送経路上には、給送ローラ111および分離ローラ112の搬送方向の下流側に、シート材を搬送するための搬送ローラ113と、この搬送ローラ113にシート材を付勢するための従動ローラ114とが対向してそれぞれ設けられている。
【0005】
また、重送防止機構としては、トルクリミッタを介して分離ローラを強制的にシート材の搬送方向と逆回転させるリタードローラ方式の他、戻しレバーを備え所定枚数のシート材の搬送毎に戻しレバーを動作させることによってシート材の搬送方向の前端(以下、単にシート材の前端と称する。)を所定位置まで押し戻す戻しレバー方式等が代表的である。
【0006】
戻しレバー方式としては、例えば特開平10−181904号公報に開示されているように、給送装置の駆動源を正転方向に回転させて給送動作を行うとともに、駆動源を逆方向に回転させて戻しレバーを動作させてシート材を所定位置まで押し戻す、双方向回転制御型がある。
【0007】
また、給送ローラに対してシート材を圧接させる圧接力を発生するための圧板を備える従来の給送装置では、圧板が回動可能に支持された構成がほとんどであった。このような圧板は、回動中心の高さが、シート材積載面上に最大量のシート材が積載されたときの、圧板のシート材最大積載面の高さの略半分より小さく設定されていた。
【0008】
そして、給送装置によって給送されたシート材は、搬送ローラ113と従動ローラ114で構成されたニップ部まで給送ローラによって搬送される。場合によって、シート材は、シート材の前端が、不図示の記録ヘッドの主走査方向と平行に調整(以下、レジ取りと称する。)された後、搬送ローラによって、記録ヘッドによる記録位置まで搬送されて記録される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の給送装置では、分離方式にかかわらず、シート材の前端が記録装置の記録部に到達するまでの間、すなわち給送中の間は常にシート材に分離手段による抵抗力を与える構成であった。ようするに、シート材には、給送中は常に、分離手段によって分離力が付与され続けていた。
【0010】
このため、給送ローラに紙粉等の塵埃が付着して摩擦係数が低下した場合等には、給送ローラと、給送中のシート材との間で滑りが発生し、給送不良を招くことがあった。また、シート材間で擦れることによって、光沢紙等の表面に擦り傷等を生じさせてしまう不都合があった。
【0011】
さらに、分離機構としてトルクリミッタを有する分離ローラを用いる場合、給送中はトルクリミッタに内蔵されたクラッチ軸とクラッチばねが常に摺動した状態が続くため、クラッチ軸が磨耗しやすかった。このため、クラッチ軸としては、金属製シャフトが用いられることが多く、製造コストが嵩むという不都合があった。
【0012】
また、重送を防止する重送防止機構を動作させるためには、いくつかの制約があった。例えばリタードローラ方式の重送防止機構では、適正な解放トルクを維持するトルクリミッタを使用し、かつ給送動作中は常に逆転させる必要があるため、機構が複雑化してしまい、装置全体の大型化や製造コストの増加を招いていた。また、このような重送防止機構では、搬送中のシート材に、不要な抵抗力を与えてしまうこともあった。
【0013】
また、双方向回転制御型の戻しレバー方式の重送防止機構では、戻しレバーが搬送中のシート材に接触する等して、不要な抵抗力をシート材に与えてしまうことがあった。あるいは、戻しレバーの動作は、一連の給送動作が終了した後に行われるため、給送動作とは別に、戻しレバーの動作時間を確保する必要があり、装置動作時間が長くなる傾向にあった。
【0014】
また、戻しレバー動作時の抵抗力を下げるために、給送ローラの断面形状を略D字状に切り欠いて形成する必要があり、シート材の搬送長が給送ローラの外径で決まってしまっていた。その結果、給送部と記録部の間の距離が大きい構成の場合には、給送ローラの外径を大きくせざるを得なくなり、装置全体の大型化を招いていた。
【0015】
また、図23に示した従来の給送装置の構成において、圧板116の搬送方向の全長を短くしたり、給送ローラ111の外径を小さくしたりした場合には、圧板116の下端が、給送ローラ111のシート材搬送方向の上流側に当接するようになってしまう。このため、給送ローラ111に対してシート材が進入する進入方向が、シート材積載面に対してなす進入角度α1が大きくなり、結果的にシート材の給送方向が、記録部に対して離れる方向に位置ずれしてしまうことがあった。また、圧板116を給送ローラ111に近接させる方向に移動させたときの、圧板116の下端とシート材前端基準部115aとの隙間d2を大きく変化させてしまうことがあり、その隙間d2に搬送中のシート材が潜り込んでしまう等の不具合が発生することもあった。したがって、従来の搬送装置の構成では、給送ローラ111の外径を小さくしたり圧板116の全長を短くしたりすることによって、給送装置全体の小型化を図ることが比較的困難であった。
【0016】
一方で、様々なシート材質や記録モード(例えばドラフト印刷、写真画質印刷等)に対応するために、レジ取りの方式と構成を選択可能にする必要があった。
例えばシート材と記録画像の平行を取るためにはレジ取りが必要であるし、また封筒等の厚紙を搬送可能にするためには予め正転している搬送ローラへシート材を搬送するレジ取り無しモードにする必要があった。
【0017】
このように、レジ取りの有り無しである2つのレジ取り有りモードとレジ取り無しモードを実現するために、給送ローラの駆動源と搬送ローラの駆動源とを分離することで、機構上簡素な構成で実現可能になるが、一方で製造コストが嵩んでしまう。また、給送ローラと搬送ローラの駆動源を共通にした場合には、複雑な機構が必要となってしまい、品質の不安定要因につながることや、給送ローラと搬送ローラの駆動切り替えの時間を要したりするために記録に要する時間が長くなるといった問題が生じていた。
【0018】
さらに、レジ取りとは別の問題として、例えば光沢紙、インクジェット専用紙等の特殊紙に写真画質で記録を行う際には、搬送ローラの負荷によって画質の劣化を招いたりする問題がある。このため、特殊紙を搬送する場合には、搬送ローラの負荷を低減させる機構が必要であり、このような機構を設けることで駆動機構が複雑になってしまうといった問題も生じていた。
【0019】
そこで、本発明は、分離給送動作の安定性を確保しつつ、給送中に分離動作と搬送動作を切り替えることでシート材に付与される不要な抵抗力を低減し、またシート材の搬送可能長を任意に設定可能にし、さらには装置全体の小型化を図ることと、簡素で安価な機構によってレジ取り有りモードとレジ取り無しモードを切り替え、さらには特殊紙を搬送する際の搬送ローラの負荷を低減することができる給送装置およびこの給送装置を備える記録装置、駆動ギア列を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、本発明に係る給送装置は、シート材積載部に積載された複数枚のシート材を1枚ずつ分離給送する給送装置であって、シート材積載部に積載されたシート材を送り出すための給送手段と、この給送手段により送り出されたシート材に圧接しシート材を1枚ずつ分離する分離手段と、この分離手段による分離力発生状態と分離力解除状態とに切り替えるための分離力切替手段と、分離手段を保持し給送手段に対して分離手段を圧接および離間させるための分離手段保持部材とを備える。そして、本発明の給送装置は、分離力解除状態でシート材を給送する第1の給送モードと、給送手段に対して分離手段を離間させてシート材を給送する第2の給送モードとを備える。
【0021】
また、本発明に係る記録装置は、上述した本発明の給送装置と、この給送装置によって給送されたシート材に記録するための記録部とを備える。
【0022】
以上のように構成された本発明に係る給送装置および記録装置によれば、第1の給送モードにおいて、分離動作終了後に、分離力切替手段によって分離手段による分離力が解除されて、分離力解除状態でシート材が給送される。また、本発明によれば、第2の給送モードにおいて、分離手段保持部材によって分離手段が給送手段に対して離間されて、シート材が給送される。すなわち、本発明によれば、第1の給送モードと第2の給送モードとに適宜切り替え可能にされることで、分離給送動作の安定性を確保しつつ、給送中にシート材に付与される不要な抵抗力を低減することが可能になる。
【0023】
また、本発明に係る他の記録装置は、シート材積載部に積載された複数枚のシート材から1枚ずつ分離給送されたシート材に記録する記録装置であって、シート材積載部に積載されたシート材を送り出すための給送手段と、この給送手段により送り出されたシート材に圧接しシート材を1枚ずつ分離する分離手段と、この分離手段による分離力発生状態と分離力解除状態とに切り替えるための分離力切替手段と、シート材に記録するための記録部と、シート材を記録部に搬送するための搬送ローラと、この搬送ローラに圧接される従動ローラとを備える。そして、本発明の記録装置は、分離力解除状態でシート材を搬送ローラに突き当ててシート材の前端を揃える動作を行うレジ取り有りモードと、分離力解除状態で搬送ローラをシート材を送り出す方向に回転させてシート材を搬送しシート材の前端を揃える動作を行わないレジ取り無しモードとを備える。
【0024】
以上のように構成された本発明に係る記録装置によれば、比較的安価で簡素な構成で、シート材の搬送方向の前端を揃える動作を行って搬送する動作状態であるレジ取り有りモードと、シート材の前端を揃える動作を行わないで搬送する動作状態であるレジ取り無しモードとに切り替えることが可能になる。なお、シート材の前端を揃える動作とは、シート材の搬送方向に直交する幅方向に対して、シート材の前端を略平行にする動作を指している。
【0025】
また、本発明に係る記録装置が備える制御ギアの第2のギア部は、欠歯部と、この欠歯部に隣接する回転方向の次の位置に、第2のギア部の径方向に変位可能に設けられた有歯部とを有し、この有歯部が変位する中心が、回転方向に対して欠歯部と略反対側に位置することが好ましい。これによって、制御ギアは、第2のギア部の有歯部が、給送ギアに噛合にされる際に、歯と歯の先端が干渉してお互いのピッチ円同士で噛み合わさらない場合、有歯部が径方向に変位する。その後、制御ギアが更に回転を続けたとき、ギアの干渉がなくなる位置で通常の噛み合い状態に移行する。このように歯当たりが発生した場合には、有歯部が逃げることによって負荷が増大することが抑えられ、安定したギア間の噛み合いが実現される。また、制御ギアと給送ギアとの間で歯当たりが発生することなく、通常の噛み合いが行われた場合、制御ギアは、有歯部の最初の歯が給送ギアの歯に当接され、このとき有歯部が、給送ギアの歯から押圧力を受ける。その結果、制御ギアの有歯部には、回転方向に対して欠歯部と略反対側に位置する中心にモーメントが発生し、このモーメントによって有歯部が給送ギア側に付勢される。したがって、通常の噛み合いのとき、有歯部は、給送ギアとの噛合状態を強固にする方向にたわむため、歯飛び等の発生が防止される。
【0026】
また、本発明に係る記録装置が備える給送ギアは、ピッチ円から歯先円までの歯末の距離が、モジュールより大きく形成されることが好ましい。これによって、給送ギアは、いわゆる高歯に形成されるため、制御ギアに噛み合わされる際に、歯当たりが生じる確率を極力小さくすることが可能になる。
【0027】
また、本発明に係る駆動ギア列は、欠歯部を有する第1のギアと、この第1のギアに噛合する第2のギアとを有する。そして、第1のギアは、欠歯部に隣接する回転方向の次の位置に、第1のギアの径方向に変位可能に設けられた有歯部を有し、この有歯部が変位する中心が、回転方向に対して欠歯部と略反対側に位置する。
【0028】
以上のように構成された駆動ギア列によれば、第1のギアと第2のギアとが噛み合わされる際に歯当たりが発生したとき、有歯部がたわむことで、歯当たりによって負荷が増大することが防止される。一方で、通常の噛み合いのとき、有歯部は、第2のギアに押圧される方向に付勢力が発生するため、第1および第2のギア間の噛合状態が良好に保たれて、歯飛び等の発生が抑制される。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施形態について、記録装置を図面を参照して説明する。
【0030】
本実施形態の記録装置は、インクジェット方式を採用したシリアル型のインクジェット記録装置であって、インクジェット記録方式の中でも特に、液体のインクを吐出するために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段を備え、その熱エネルギーによってインクの状態変化を生起させる方式が採用された記録ヘッドが搭載された記録装置である。この方式が用いられることにより、記録される文字や画像等の高密度化および高精細化を達成している。特に本実施形態では、熱エネルギーを発生する手段として発熱抵抗素子を用い、この発熱抵抗素子によりインクを加熱して膜沸騰させたときに生じる気泡による圧力を利用してインクを吐出しているが、インクを吐出させる方式としては、発熱抵抗素子による方式に限定されることなく、例えばピエゾ素子等の電気機械変換素子を用いて、インクに機械的な振動を与え、この振動による圧力を利用してインクを吐出する方式が採用されてもよい。
【0031】
また、本発明に係るインクジェット記録装置においては、便宜上、文字や画像等の情報が記録されるシート材としては、例えば記録紙やフィルム等が適用される。
【0032】
図1に記録装置全体の斜視図、図2に記録装置の平面図、図3に記録装置の要部を説明するためのA−A断面図、図4に記録装置の要部を説明するためのB−B断面図、図5に分離ローラの分解斜視図、図6に分離ローラの正面図および断面図、図7に制御カムのカム位相に基づいたタイミングチャート、図8に分離給送機構の動作を説明するための断面図、図9に圧板の動作を説明するための模式図をそれぞれ示す。
【0033】
図1、図2および図3に示すように、本実施形態に係る記録装置1は、シート材2に文字や画像等を記録する記録部3と、この記録部3にシート材2を給送する給送部4と、この給送部4から給送されたシート材2を記録部3に対して搬送する搬送部5とを備えている。
【0034】
1(記録部)
記録部3は、図1に示すように、シート材2に画像等を記録するための記録ヘッド81と、この記録ヘッド81を支持するキャリッジ82と、このキャリッジ82を移送する移送機構80とを備えている。
【0035】
1−1(記録ヘッド)
記録ヘッド81は、シート材2の搬送経路に臨む位置に配置されており、図示しないが、シート材の搬送経路に対向する位置にインクを吐出する吐出口が設けられている。記録ヘッド81は、供給されたインクを吐出するための熱エネルギーを発生する電気抵抗素子を有している。記録ヘッド81は、電気抵抗素子により印加される熱エネルギーを用いることによって、例えば膜沸騰によりインクを吐出する。
【0036】
1−2(キャリッジ)
キャリッジ82は、図1に示すように、インクを収容するタンク部を有している。このタンク部には、例えばイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4色の各インクがそれぞれ収容される各収容部が隔壁によって分離されて設けられている。キャリッジ82は、各収容部から記録ヘッド81にインクを供給するインク供給路を有しており、このインク供給路を介して各収容部と記録ヘッド81が連通されている。また、キャリッジ82には、移送機構80に移動可能に支持される摺動部がそれぞれ設けられている。また、キャリッジ82の一端部は、移送機構80の後述するタイミングベルト86に係合されている。
【0037】
1−3(移送機構)
移送機構80は、図1に示すように、キャリッジ82を図1中矢印X方向に走査させるキャリッジモータ84と、このキャリッジモータ84によって回転駆動されるキャリッジプーリ85と、このキャリッジプーリ85によって駆動されるタイミングベルト86と、このタイミングベルト86を駆動自在に支持する支持プーリ(不図示)とを有している。
【0038】
キャリッジモータ84は、シャーシ83に固定されて取り付けられており、回転軸に設けられたピニオンがキャリッジプーリ85に噛み合わされている。キャリッジプーリ85および支持プーリには、図示しないが、タイミングベルト86に噛合されるギア部が設けられており、シャーシ83に固定された支軸を介して回動可能に支持されている。
【0039】
タイミングベルト86は、図示しないが、内周側に亘ってギア部が設けられており、このギア部が、キャリッジプーリ85および支持プーリのギア部に噛合されて、これらキャリッジプーリ85および支持プーリに掛け渡されて設けられている。また、タイミングベルト86は、キャリッジ82の一端部に係合されており、キャリッジ82と一体的に移動する。また、シャーシ83には、キャリッジ82を矢印X方向に移動可能に支持するガイドレール83aが設けられており、キャリッジ82の摺動部が係合されている。
【0040】
以上のように構成された移送機構80は、キャリッジモータ84が回転駆動することにより、キャリッジプーリ85が回転されて、このキャリッジプーリ85が回転されることに伴ってタイミングベルト86が駆動される。タイミングベルト86が駆動されることにより、キャリッジ82は矢印X方向に移送されて、記録ヘッド81を主走査方向に移動させて記録を行う。
【0041】
2(給送部)
給送部4は、複数枚のシート材2が積載されるシート材積載部6と、このシート材積載部6からシート材2を1枚ずつ分離する分離給送機構7と、この分離給送機構7を駆動する駆動機構8とを備えている。
【0042】
2−1(シート材積載部)
シート材積載部6には、ベース15に対して回動可能に取り付けられた圧板16上に、複数枚のシート材2が積載される。圧板16は、装置設置水平面に対して立てる如く傾斜して取り付けられている。シート材積載部6に装着されたシート材2は、傾斜させた状態で積載されるため、重力によって下方に付勢され、その前端が、ベース15に固定的に設けられたシート材前端基準部15aに突き当てられている。このように傾斜積載することにより、シート材積載部6の設置面積を減少させ、装置全体の小型化にも貢献することができる。なお、本実施形態においては、給送時の負荷を低減するために、シート材前端基準部15aがリブ形状に形成されている。
【0043】
圧板16上には、積載されたシート材2の側面の一方側を規制するためのシート材搬送基準部16bが突出して設けられており、また側面の他方側を規制するためのサイドガイド18が設けられている。サイドガイド18は、図2中矢印Y方向であるシート材2の搬送方向と直交する図2中矢印X方向であるシート材2の幅方向に摺動可能に取り付けられており、シート材搬送基準部16bとあわせて、所定範囲内の任意の幅のシート材2の両側端を規制することが可能にされている。
【0044】
圧板16は、図3および図4に示すように、上端近傍に回動中心Rを有し、圧板ばね17によって給送ローラ11に付勢されると共に、後述する駆動機構8が有する制御カム34によって規制されている。すなわち、圧板16は、制御カム34が規制を解除したとき、圧板ばね17によって給送ローラ11に向かって回動付勢され、制御カム34が圧板16を押すことにより離間する方向へ強制的に回動される。圧板16のこの動作の詳細については後述する。
【0045】
また、圧板16の回動中心Rは、図3および図9に示すように、シート材積載面に対して垂直方向に高さH1だけ離れた位置に設けられている。そして、回動中心Rの高さH1は、シート材積載面上に最大量のシート材2が積載されたときの、圧板16のシート材最大積載面を高さH0とすれば、H1≧H0×1/2に設定されている。すなわち、圧板16の回動中心Rは、シート材最大積載面の高さH0の略半分以上の高さH1に位置している。なお、本実施形態では、高さH1が約11mm程度に設定されている。
【0046】
このような高さH1に回動中心Rが設けられたことにより、図9に示すように、圧板16の下端が給送ローラ11に接触する接触点の位置が、シート材2の搬送方向の下流側にずれる。このため、圧板16は、給送ローラ11に対してシート材2が進入する進入方向が、シート材積載面に対してなす進入角度α1を小さく設定することが可能になる。また、圧板16は、この圧板16の下端を給送ローラ11に近接させる方向へ移動させたときに、下端とシート材前端基準部15aとの隙間が大きく変化することが防止されるため、シート材2を安定して供給することが可能となる。
【0047】
上述した従来の給送装置は、図23に示した圧板116と給送ローラ111の大きさが、図9に示した本実施形態の圧板16と給送ローラ11の大きさと縮尺率を等しくされている。そこで、本実施形態に係る圧板16と給送ローラ11の状態と、従来の給送装置に係る圧板116と給送ローラ111の状態とを比較すれば、圧板16の下端が給送ローラ11に当接する位置、シート材2の進入角度α1、圧板16の下端とシート材前端基準部15aとの隙間d1の差異が明らかである。すなわち、給送部4は、従来の給送装置に比較して、α1<α2、d1<d2であり、シート材2の進入角度α1、圧板16の下端とシート材前端基準部15aとの隙間d1が大幅に小さくされている。
【0048】
そして、このような効果は、圧板16の全長が比較的短く、また給送ローラ11の外径が比較的小さい方が、より効果的に得られる。本実施形態の給送部4では、例えば、圧板16の全長が約90mm程度にされ、給送ローラ11の外径が約30mm程度の比較的小径にされているため、上述した効果を十分に得ることが可能である。
【0049】
2−2(分離給送機構)
次に、分離給送機構7の構成を説明する。分離給送機構7は、シート材積載部6に積載されたシート材2を送り出すための給送ローラ11と、給送ローラ11により送り出されたシート材2に当接してシート材2を1枚ずつ分離するための分離ローラ12と、シート材2をシート材積載部6に押し戻すための戻しレバー13と、分離部へのシート材2の到達枚数を規制する前段規制部材としての前段規制部22aを備えている。
【0050】
給送ローラ11は、上述したように、圧板16によって付勢されたシート束に圧接されて回転駆動されることにより、シート束の最上位シート材2を摩擦力によって給送する。このように給送ローラ11は、摩擦力によりシート材2を搬送するので、材質として例えばEPDM(ethylene‐propylene terpolymer)等の摩擦係数が比較的高いゴム材や、発泡ウレタン等によって形成されることが好ましい。
【0051】
給送ローラ11が取り付けられた給送軸10は、軸受27に回転自在に軸支されて、一端に給送ローラギア19が設けられており、後述する駆動源から駆動力が伝達される。また、給送ローラギア19には、後述する制御ギア24が噛合されている。
【0052】
分離手段としての分離ローラ12は、給送ローラ11と分離ローラ12のニップ部に複数枚のシート材2が進入してきた場合に、これらのシート材2を分離して1枚ずつ給送する。基本的に、給送ローラ11と最上位シート材2との間の摩擦力が、最上位シート材2とその直下のシート材2との間の摩擦力より大きい場合が多いので、最上位シート材2のみが搬送される場合が多い。しかし、例えばシート材2の裁断時に形成されるシート材端部のバリの影響がある場合や、静電気によるシート材2間の貼り付きがある場合や、表面の摩擦係数が非常に大きいシート材を使用する場合等に、給送ローラ11によって一度に複数枚のシート材2が引き出されてしまうことがある。
【0053】
図4に示すように、分離ローラ12は、給送ローラ11とシート材2が最初に接する点より搬送方向の下流側に配置されて、給送ローラ11に押圧されている。分離ローラ12の表面は、給送ローラ11と同程度の摩擦係数を有するように、例えばゴムや発泡ウレタン等によって形成されている。
【0054】
ここで、分離ローラ12の構成について、図5および図6を参照して説明する。図5に示すように、分離ローラ12は、クラッチ筒12aに固定して取り付けられており、クラッチ筒12a内にクラッチ軸12bが回転可能に収納されている。図6に示すように、クラッチ軸12bには、クラッチばね12cが巻きつけられており、クラッチばね12cの巻端の一方がクラッチ筒12aに係合されている。クラッチばね12cは、金属製のコイルばねによって形成されている。また、クラッチ軸12bは、モールド部品で構成されており、クラッチ軸12bの一端にギア部12dが一体的に形成されている。
【0055】
上述した構成で、クラッチ軸12bを固定して分離ローラ12およびクラッチ筒12aを図6(a)中矢印方向に回転させたとき、クラッチ軸12bに巻きつけられたクラッチばね12cは、クラッチ軸12bから解かれる。分離ローラ12およびクラッチ筒12aが所定の角度だけ回転したとき、クラッチ軸12bとクラッチばね12cが相対的に滑ることによって、所定のトルクを維持するように構成されている。そこで、本実施形態では、クラッチ軸12bの固定および固定を解除することにより、トルクリミッタのオンオフ制御を可能とし、分離ローラ12の分離力の発生と、分離力の発生の解除とを切り替える分離力切替手段として、後述するリリースカム28およびロックレバー23を備えている。
【0056】
また、分離ローラ12は、クラッチ筒12aとクラッチ軸12bを介して分離手段保持部材である分離ローラホルダ21に回転可能に支持されており、分離ローラばね26で給送ローラ11に対して押圧されている。分離ローラホルダ21には、分離ローラ12およびロックレバー23が取り付けられており、回転中心21aを中心として回動するようベース15に取り付けられている。
【0057】
このように構成された分離給送機構7によれば、図8(a)に示すように、給送ローラ11と分離ローラ12の間にシート材2が進入していないときには、給送ローラ11の回転に伴って分離ローラ12が従動的に回転する。
【0058】
図8(b)に示すように、給送ローラ11と分離ローラ12の間に1枚のシート材2が進入したときには、給送ローラ11とシート材2との間の摩擦力の方が、所定トルクで従動する分離ローラ12とシート材2との間の摩擦力よりも大きいため、分離ローラ12を従動させつつシート材2が搬送される。
【0059】
しかし、2枚のシート材2が給送ローラ11と分離ローラ12との間に進入した場合には、給送ローラ11と給送ローラ11側に隣接するシート材2との間の摩擦力が、シート材2間の摩擦力に比べて大きく、またトルクリミッタ側に隣接するシート材2と分離ローラ12との間の摩擦力が、シート材2間の摩擦力に比べて大きくなるため、シート材2間で滑りが生じる。その結果、図8(c)および図8(d)に示すように、給送ローラ11側に位置するシート材2のみが搬送され、分離ローラ12側に位置するシート材2は、分離ローラ12の回転停止に伴ってその位置に停止して搬送されない。
【0060】
このため、分離給送機構7には、分離ローラ12に加えて、シート材2の重送を防止するために戻しレバー13が設けられている。すなわち、上述したように、2枚程度のシート材2が、給送ローラ11と分離ローラ12のニップ部内に進入した場合であれば、分離ローラ12によって分離することが可能である。しかし、2枚を超える枚数が進入した場合や、2枚のシート材2が進入して給送ローラ11側のシート材2のみが搬送された後にニップ部付近にシート材2を残したまま連続して次のシート材2を給送しようとした場合には、複数枚のシート材2が同時に給送される、いわゆる重送が発生する可能性がある。この重送を防止するために、戻しレバー13が設けられている。
【0061】
本実施形態の記録装置1では、シート材2のセット時または記録待機時には、シート材2の搬送経路内に、戻しレバー13を進入させることにより、搬送経路の奥までシート材2の前端が不用意に入り込んでしまうことが防止されている。
戻しレバー13は、給送動作の開始後に開放されて回動されることによって、シート材2の搬送経路から退避するように構成されているため、この戻しレバー13が給送中にシート材2の進行を妨げることはない。
【0062】
分離動作が終了したとき、戻しレバー13は、ニップ部内に位置する次位以降のシート材2を押し戻す戻し動作に移行する。そして、シート材2の戻し動作が終了した後、戻しレバー13は、シート材2の搬送経路から一旦退避する位置まで回動され、給送したシート材2の後端が記録装置1から排出されたことが確認されたときに、再び、戻しレバー13は給送の待機状態の位置に復帰するように構成されている。
【0063】
図8(b)に示すように、前段規制部22aは、分離部の上流側において給送ローラ11との間に隙間を形成し、分離部内に入り込むシート材2の枚数を数枚程度に規制するものである。前段規制部22aは、前段規制ホルダ22に設けられており、前段規制ホルダ22はベース15に分離ローラホルダ21と同じ回転中心21aを中心として回動可能に取り付けられている。前段規制ホルダ22は、前段規制ホルダばね33によって付勢され、一部がベース15に突き当てられて位置決めされている。
【0064】
また、分離給送機構7は、図4および図8(a)に示すように、ロックレバー23、分離ローラホルダ21および前段規制ホルダ22をそれぞれ回動させるためのリリースカム28を備えている。リリースカム28は、前段規制ホルダ作用部28aと、分離ローラホルダ作用部28bと、ロックレバー作用部28cとを有している。
【0065】
2−3(駆動機構)
次に、給送部4を駆動するための駆動機構8について説明する。図10に駆動機構8の斜視図、図11に駆動機構8の裏側からの斜視図、図12に駆動機構8の平面図、図13に駆動機構8の側面図を示す。
【0066】
給送部4が有する駆動機構8は、支持ベース9に各部品が取り付けられて構成されている。
【0067】
図10〜図13に示すように、駆動機構8は、給送ローラ11を回転駆動するための給送ローラギア19と、一体的に回転駆動する制御ギア24および制御カム34と、正転遊星ギア35および逆転遊星ギア36と、給送ローラギア19と制御ギア24とに駆動力を振り分けるための太陽ギア37と、正転遊星ギア35および逆転遊星ギア36を揺動させる振り子39と、搬送部5に駆動力を伝達するためのアイドラギア40と、振り子39の揺動を規制するためのストッパ41とを備えている。
【0068】
給送ローラギア19は、上述したように給送軸10と同軸上に設けられており、給送ローラギア19が回転することによって給送軸10および給送ローラ11を回転させる。給送ローラギア19は、後述する歯当たり対策のために高歯に形成されている。本実施形態の給送ローラギア19は、ピッチ円から歯先円までの歯末の距離が、モジュールの1.35倍程度に設定されている。
【0069】
制御ギア24は、正転遊星ギア35に噛合される第1のギア部24aと、給送ローラギア19に噛合される第2のギア部24bとを有している。
【0070】
制御カム34は、制御ギア24と同軸上に設けられており、制御ギア24と同位相で回転する。この制御カム34は、圧板16の圧板ボス16aに係合される第1のカム面34aと、リリースカム28のボス28dに係合される第2のカム面34bと、戻しレバー13の突起部13aに係合される第3のカム面34cとを有している。
【0071】
太陽ギア37は、正転遊星ギア35に噛合される第1のギア部37aと、逆転遊星ギア36に噛合される第2のギア部37bとを有している。
【0072】
振り子39には、太陽ギア37を回転軸を介して支持する軸受け部39aと、正転遊星ギア35の回転軸を介して支持する軸受け部39bと、逆転遊星ギア36の回転軸を介して支持する軸受け部39cとがそれぞれ一体に形成されている。
【0073】
太陽ギア37と振り子39との間には、摩擦バネ(不図示)が設けられており、この摩擦バネの摩擦によって太陽ギア37の回転と共に振り子39も同一方向に揺動される。すなわち、太陽ギア37が時計回りに回転したときには、振り子39も同様に時計回りに揺動され、逆転遊星ギア36が給送ローラギア19に噛合される。逆に、太陽ギア37が反時計回りに回転したときには、振り子39も反時計回りに揺動され、正転遊星ギア35が制御ギア24の第1のギア部24aに噛合される。
【0074】
アイドラギア40は、出力ギア95に噛合される第1のギア部40aと、太陽ギア37の第2のギア部37bに噛合される第2のギア部40bとを有しており、出力ギア95の駆動力を太陽ギア37に伝達する。ストッパ41は、振り子39に隣接する位置に、回動可能に設けられている。
【0075】
3(搬送部)
搬送部5は、図1および図2に示すように、記録ヘッド81の主走査方向に交差する図2中矢印Y方向、すなわち副走査方向であるシート材2の搬送方向の上流側に位置されて記録ヘッド81側にシート材2を搬送するための一対の搬送ローラ30および従動ローラ29と、記録ヘッド81に対して下流側に位置されて記録ヘッド81側からシート材2を搬送して排出するための一対の排出ローラ31および拍車32とを備えている。
【0076】
また、この搬送部5は、駆動モータ(不図示)によって回転駆動力が伝達されて搬送ローラ30を回転駆動するため搬送ローラギア92と、搬送ローラ30の回転に伴って回転駆動される出力ギア95と、搬送ローラギア92からの駆動力を排出ローラ31に伝達するためのアイドラギア93と、このアイドラギア93を介して排出ローラ31を回転駆動するための出力ギア94とを備えている。
【0077】
また、この搬送部5は、搬送ローラ30と従動ローラ29で構成されるニップ部にシート材2を案内するためのガイド部材25a,25bと、給送ローラ11から給送されたシート材2の前端の位置と搬送ローラ30で搬送されたシート材2の後端の位置を検出するためのシート端検出センサ(不図示)とを備えている。
【0078】
各一対の搬送ローラ30および従動ローラ29と、一対の排出ローラ31および拍車32は、ベース15上に回転可能に支持された一対の回転軸に固定されており、互いに対向されて配設されている。そして、搬送部では、従動ローラ29によって、搬送ローラ30とシート材2に摩擦が付与され、拍車32によって、排出ローラ30とシート材2に摩擦が付与される。
【0079】
以上のように構成された搬送部5は、給送部4から供給されたシート材2が、搬送ローラ30によって記録ヘッド81側に搬送される。搬送されるシート材2は、記録部3の記録ヘッド81によってインクが吐出されることにより、所望の画像等が記録される。そして、搬送部5は、画像等が記録されたシート材2を、排出ローラ31および拍車32によって搬送して記録装置1外方に排出する。
【0080】
本実施形態の記録装置1では、搬送ローラ30と給送ローラ11の駆動源を共通にした例を挙げているが、本発明は、搬送ローラ30と給送ローラ11を各々別の駆動源によって駆動する構成にされてもよい。
【0081】
4(給送部の駆動機構の動作)
以上のように構成された給送部4の駆動機構8について、詳細な構成と動作を図面を参照して説明する。図14〜図20に駆動機構8の動作を説明するための図を示す。図14〜図20中の各図は、図12における各部位の断面図を示しており、各図中(a)がC−C断面、(b)がD−D断面、(c)がE−E断面、(d)がF−F断面、(e)がG−G断面をそれぞれ示している。また、図14〜図20は、制御カム34の回転角度に応じた図7中の状態P1〜状態P7にそれぞれ対応している。
【0082】
4−1(待機状態)
図14(a)〜図14(e)に、駆動機構8の待機状態を示す。図7において、状態P1(a)に示す状態が待機状態である。
【0083】
図14(c)に示すように、制御カム34の第1のカム面34aには第1の凹部53aが設けられており、待機状態で、圧板ボス16aが第1の凹部53aに係合されている。すなわち、圧板16は、制御カム34の第1のカム面34aによって待機状態に保持されていると同時に、圧板バネ17の弾性力によって圧板16が制御カム34側に付勢されているので、制御カム34の第1の凹部53aに係合された圧板ボス16aによって保持力が働くため、制御カム34の回転方向が拘束される。
【0084】
図14(a)に示すように、制御ギア24の第1のギア部24aには、第1の欠歯部51が設けられており、待機状態でこの第1の欠歯部51が正転遊星ギア35に臨む位置に位置されている。したがって、この待機状態では、振り子39が反時計回りである図14(a)中矢印J2方向に揺動したとしても、正転遊星ギア35が制御ギア24の第1のギア部24aに噛合されない。
【0085】
図14(b)に示すように、制御ギア24の第2のギア部24bには、第2の欠歯部52aおよび第3の欠歯部52bがそれぞれ設けられている。また、第2のギア部24bには、第2,第3の欠歯部52a,52bに隣接するギア部分に、弾性変位可能な弾性歯部52c,52dがそれぞれ設けられており、これら弾性歯部52c,52dによって後述するギア間の歯当りを防止している。
【0086】
図14(d)に、制御カム34の第2のカム面34bと第3のカム面34cを示す。図14(d)に示すように、リリースカム28のボス28dは、制御カム34の第2のカム面34bが有する制御カム面54aの一端に係合されている。
また、戻しレバー13の突起部13aは、第3のカム面34cが有する制御カム面55aに係合されている。
【0087】
図14(e)に、このときの分離給送機構7の状態を示す。図14(e)に示すように、圧板16は、断面形状が円形に形成された給送ローラ11から離間された位置に保持されており、給送ローラ11と圧板16の間に、複数のシート材2を積載するために充分な空間が確保されている。また、戻しレバー13は、シート材2の搬送経路に進入しており、圧板16上に積載されたシート材2の前端が分離ローラ12側に落ち込むことを防止している。分離ローラ12は、給送ローラ11に圧接された状態にあり、分離ローラ12のトルクが発生可能な状態になっている。分離ローラ12のトルクが発生可能状態は、ロックレバー23の突起部23aが、クラッチ軸12bの端部のギア部12dに係合されることで生起する。そして、シート材積載部6に積載されたシート材2は、前端がシート材前端基準部15aに支持され、裏面が圧板16に支持された状態で待機している。
【0088】
4−2(分離状態)
図14(a)に示すように、搬送ローラ30を逆転させることによって、アイドラギア40を介して太陽ギア37が図14(a)中矢印J1方向である時計回りに回転される。これにより、太陽ギア37との摩擦力によって振り子39も矢印J1方向に揺動され、その結果、逆転遊星ギア36が給送ローラギア19に噛合されて反時計回りに回転される。
【0089】
また、図14(b)に示すように、待機状態では、給送ローラギア19と制御ギア24の第2のギア部24bとが噛合されているため、制御ギア24も反時計回りに回転し、その結果、制御カム34が回転を始める。
【0090】
制御ギア24が図7中の角度θ1まで回転したとき、図14(d)に示すように、まず戻しレバー13の突起部13aが制御カム34のカム面55aを外れる位置に移動される。これによって、戻しレバー13は、弾性部材(不図示)の付勢力によって矢印L1方向に回転されて、給送ローラ11の給送路が給送可能に開放される。
【0091】
一方で、給送ローラギア19が回転することに伴って、給送ローラ11も同様に回転され、その結果、給送ローラ11と共に分離ローラ12が連れ回ることによって、分離ローラ12内のクラッチバネ12cが所定のトルクまで上昇する。
【0092】
制御ギア24が更に回転を続けて図7中の角度θ2まで回転したとき、図14(c)に示すように、制御ギア24と共に回転された制御カム34の制御カム面53bによって、圧板ボス16aと第1の凹部53aとの係合状態が解除される。圧板ボス16aが開放されることで、圧板16は、圧板バネ17によって矢印K1方向に圧接される。
【0093】
その後、搬送ローラ30を更に逆転、すなわち太陽ギア37を矢印J1方向に回転させて、制御カム34を図7中の状態P2まで回転させた状態を図15に示す。図15(a)に示すように、太陽ギア37が更に回転されて、逆転遊星ギア36によって給送ローラギア19を回転させ、その結果、制御ギア24が図の状態まで回転される。
【0094】
図15(b)に示すように、給送ローラギア19が回転することによって、給送ローラギア19に噛合されている制御ギア24の第2のギア部24bが、図に示す位置まで回転される。
【0095】
図15(c)に示すように、圧板16は、圧板バネ17によって矢印K1方向に付勢されているため、制御カム34の制御カム面53bの作用により、圧板16の固定状態が解除され、図15(e)に示すように、圧板バネ17の作用により積載されたシート材2が給送ローラ11側に圧接される。そして、シート材2の最上位のシート材2aが、給送ローラ11に接触し、この給送ローラ11が回転することによって、シート材2aの搬送が開始される。
【0096】
このとき、シート材2間の摩擦力によって、最上位のシート材2aのみならず次位以下のシート材2bも複数枚給送される場合がある。この場合、前段規制部22aと給送ローラ11で形成される隙間d1の作用によって、まず始めにシート材2の通過数枚が規制される。
【0097】
さらに、給送部4は、給送動作を続行することによって、給送ローラ11と分離ローラ12のニップ部で構成される分離部へ複数枚のシート材2が到達する。
分離ローラ12は、シート材2の進行に伴って反時計回りに回転させられようとするが、図15(e)に示すように、クラッチ軸12bにロックレバー23の突起部23aを食い込ませた状態であるため、分離ローラ12を反時計回りに回転させようとしても、クラッチ筒12a(図6参照)は回転させられようとするが、クラッチ軸12bがロックレバー23によって回転が阻止される。このため、上述のクラッチばね12cの作用により分離に必要なトルクが発生し、複数枚のシート材2が分離されることになる。
【0098】
また、図15(d)に示すように、制御カム34が図に示す状態に回転されたことで、戻しレバー13の突起部13aは、制御カム34のカム面55aから外れることになり、その結果、弾性部材(不図示)の付勢力によって回転中心13cを中心として矢印L1方向に回転される。したがって、図15(e)に示すように、戻しレバー13は、シート材2の搬送経路を給送可能に開放する状態まで回転中心13cを中心に回転する。
【0099】
この状態から更に太陽ギア37が矢印J1方向に回転され、制御カム34が図7中の角度θ3まで回転されたとき、図15(c)に示すように、制御カム34のカム部53cが圧板16のカム面16bに当接し、圧板バネ17の付勢力に抗して圧板16を矢印K1方向と反対方向である矢印K2方向に押し下げる。この結果、シート材2が給送ローラ11に対して離間され、積載されているシート材2が待機状態まで戻される。
【0100】
また、制御カム34が図7中の角度θ3まで回転したとき、図15(d)に示すように、制御カム34の突起部55cが戻しレバー13の突起部13aに係合し、戻しレバー13を矢印L1方向と反対方向である矢印L2方向に弾性部材(不図示)の付勢力に抗して回転させる。この結果、給送ローラ11と分離ローラ12で構成されるニップ部に位置している分離されたシート材2の次のシート材2を戻しレバー13によって待機位置まで戻し、重送を防止する。
【0101】
さらに、制御カム34を図7中の角度θ4まで回転させたとき、図15(d)に示すように、制御カム面54bがリリースカム28のボス28dに係合し、リリースカム28を矢印M1方向に回転させる。この結果、リリースカム28の前段規制ホルダ作用部28aが、分離ローラホルダ21と前段規制ホルダ22を回転させ、分離ローラ12を給送ローラ11から離間させると共に前段規制部22aと給送ローラ11で構成される隙間を更に広げる。
【0102】
4−3(分離後のリリース状態)
図16に、搬送ローラ30を更に逆転させて、制御カム34を図7中の状態P3まで回転させた状態を示す。図16(a)に示すように、太陽ギア37が回転されることによって、給送ローラギア19が回転される。
【0103】
図16(b)に示すように、給送ローラギア19が回転され、制御ギア24の第2のギア部24bも同様に図に示す状態まで回転される。
【0104】
図16(c)に、制御カム34の第1のカム面34aと圧板16の状態を示す。図16(c)に示すように、制御カム面53dと圧板ボス16aが係合することによって、圧板16が押し下げられた状態に保たれる。
【0105】
図16(d)に示すように、制御カム面54cとリリースカム28のボス28dが係合することによって、リリースカム28は図に示す状態に保たれる。一方で、第3のカム面55cと戻しレバー13の突起部13aが係合することによって、戻しレバー13は、図16(d)中矢印L2方向に回転される。
【0106】
図16(e)に示すように、シート束の最上部に位置しているシート材2aは、上述した分離動作によって分離されて、シート材2aの前端が、給送ローラ11と分離ローラ12とのニップ部を確実に通過した状態に位置している。そして、シート材2aの下部に位置しているシート材2bから下のシート材2は、戻しレバー13によってほぼ待機状態まで戻される。このとき、分離ローラ12、分離ローラホルダ21、前段規制ホルダ22は、リリースカム28の分離ローラホルダ作用部28bによって、図に示す状態まで位置される。このため、給送ローラ11と分離ローラ12、さらには給送ローラ11と前段規制ホルダ22との間に挟まっていたシート材2は、離間され、戻しレバー13によって確実にほぼ待機状態まで戻される。
【0107】
4−4(トルクオフ後のシート材の搬送状態)
制御カム34を更に回転させて図7中の角度θ6まで回転させたとき、図16(d)に示すように、制御カム34のカム斜面54dによって、リリースカム28は図16(d)中矢印M2方向に回転される。これによって、分離ローラ12、分離ローラホルダ21、前段規制ホルダ22を再度給送ローラ11側に圧接させた後、リリースカム28のロックレバー作用部28cがロックレバー23のカム面23bを押し上げる。
【0108】
その結果、ロックレバー23の突起部23aがクラッチ軸12のギア部12dから外れて、クラッチ軸12bがフリーとなるため、分離ローラ12は給送ローラ11のいわゆる従動ローラとなり、給送ローラ11の回転と共に分離ローラ12が連れ回りすることになる(トルクオフ状態)。
【0109】
図17に、図7中の状態P4での駆動機構8の動作状態を示す。図17(a)に示すように、太陽ギア37は、時計回りに回転されて、逆転遊星ギア36を介して給送ローラギア19も時計回りに回転される。すなわち、図17(c)に示すように、給送ローラギア19の回転に伴って給送ローラ11も同一方向に回転していることになる。
【0110】
図17(b)に、給送ローラギア19と制御ギア24の状態を示す。図17(b)に示すように、給送ローラギア19は、回転されているが、制御ギア24の第3の欠歯部52bによって、制御ギア24に噛合されていないため、制御ギア24が回転されない。
【0111】
図17(c)に、制御カム34と圧板16の状態を示す。この状態では、制御カム34の第2の凹部53fに圧板ボス16aが係合されているため、圧板バネ17の圧接力によって制御カム34が保持されている。図17(c)に示すように、この状態の直前で、制御カム34の制御カム面53eの斜面と圧板バネ17の付勢力によって、制御カム34が図の反時計回りに回転力を発生することで、係合状態に保たれている。
【0112】
すなわち、図17(b)に示すように、制御ギア24の第3の欠歯部52bの直前に位置するギア52eと給送ローラギア19との噛み合いが外れると同時に、制御カム面53eによって制御カム34と制御ギア24が回転される。
【0113】
その結果、図17(b)に示すように、給送ローラギア19と制御ギア24との噛合状態が解除されるため、給送ローラギア19が回転されても、制御ギア24すなわち制御カム34が回転されない状態になる。
【0114】
図17(d)に、このときの制御カム34の第2のカム面34bと第3のカム面34cを示す。図17(d)に示すように、リリースカム28は、上述のトルクオフ状態となり、かつ戻しレバー13を完全に戻しきった状態になっている。
【0115】
図17(e)に、この状態での分離後のシート材2の搬送状態を示す。図17(e)に示すように、リリースカム28のロックレバー作用部28cが、ロックレバー23のカム面23bを押し上げることによって、ロックレバー23の突起部23aがクラッチ軸12のギア部12dから外れて、クラッチ軸12bがフリーな状態となり、分離ローラ12が給送ローラ11の回転に連れ回りする。すなわち、一対の給送ローラ11と分離ローラ12は、一対の駆動ローラと従動ローラとみなすことができるため、分離された1枚のシート材2の搬送ローラ対として働く。
【0116】
一方、上述したように、制御ギア24は、第3の欠歯部52bによって給送ローラギア19による駆動力の伝達が遮断されているため、制御ギア24および制御カム34がこの状態で保持される。また、戻しレバー13も当然のごとく、完全に戻しきった状態で保持される。
【0117】
したがって、この状態で太陽ギア37を回転し続けることによって、シート材2は任意の距離だけ給送可能であり、給送部4は、従来の略D字状に切り欠かれた給送ローラに関する給送距離の制限を受けることなく分離給送機構7を自由に配置可能になる。このことは、分離給送機構7の給送ローラ11と搬送ローラ30との距離を大きく確保した場合であっても、給送ローラ11の直径を変更することなく、装置全体を設計することが可能になり、記録装置1全体の小型化や製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0118】
図17に戻って説明する。このようにして給送されたシート材2は、ガイド部材25a,25bによって案内された後、搬送ローラ30と従動ローラ29で構成されるニップ部99まで案内される。
【0119】
本実施形態の記録装置1は、搬送ローラ30と給送ローラ11の駆動源を共通にした構成であるため、シート材2の前端を揃える動作、いわゆるレジ取り方法が逆転レジ取りになる。すなわち、このレジ取り方法は、逆転している搬送ローラ30にシート材2を突き当てて、シート材2の前端を揃えるものである。記録装置1では、このレジ取り方法によってニップ部99にシート材2の前端を突き当ててシート材2のレジ取りが行われた後に、搬送ローラ30によってシート材2を記録ヘッド81まで搬送し、記録が行われる。
【0120】
図18に、このときの駆動機構8の図7中の状態P5を図18に示す。図18(a)に示すように、搬送ローラ30を正転させることによって、太陽ギア37は、アイドラギア40を介して矢印J2方向に回転する。このとき、振り子39の突起部39eがストッパ41に当接するため、太陽ギア37が回転し続けても、振り子39は図に示す状態で停止する。なお、本実施形態の記録装置1では、太陽ギア37の駆動源を搬送ローラ30の駆動源と共通にした構成が適用されているが、太陽ギア37が、搬送ローラ30の駆動源と異なる他の駆動源によって駆動される構成にされてもよい。
【0121】
図18(b)、図18(c)、図18(d)に示す各状態は、制御カム34が回転していないため、図17に示した各状態と全て同一であるので、説明を省略する。
【0122】
図18(e)に示すように、搬送ローラ30によって搬送されているシート材2は、給送ローラ11と分離ローラ12によって挟持されており、その結果、給送ローラ11と分離ローラ12は連れ回りする。したがって、図18(a)および図18(b)に示すように、給送ローラギア19も同様に回転されるが、上述したように振り子39は、図18(a)に示す状態にあるため、給送ローラギア19が逆転遊星ギア36に噛合されない。
【0123】
すなわち、シート材2の搬送時には、シート材2に作用する駆動機構8の負荷として、給送ローラ11と給送ローラギア19および分離ローラ12の回転負荷のみが加わることとなる。
【0124】
従来、シート材の搬送時に、給送ローラを連れ回りさせようとした場合、給送ローラを駆動している駆動ギア列等も同様に連れ回さなければならない構成であったため、シート材に作用する駆動機構の負荷が大きく、シート材の後端が給送ローラと分離ローラのニップ部を通過した際の負荷変動によって搬送精度が悪化するといった問題が生じていた。しかしながら、本実施形態の記録装置1によれば、駆動機構8の負荷が非常に少ないため、搬送精度の安定性が確保されている。
【0125】
また、本実施形態では、搬送ローラ30と給送ローラ11を同一駆動源とした場合を一例にしているが、この場合でも給送時に駆動源を逆転させ、その後レジ取りして駆動源を正転させるような非常に単純なシーケンスによってシート材2を分離、搬送可能である。
【0126】
このため、記録装置1によれば、比較的高速な記録速度が要求される場合であっても、駆動源の回転方向を何回も切り替える必要がなく、非常に短い時間で給送動作、レジ取り動作、搬送動作を行うことが可能になる。
【0127】
さらに、一連の給送モード、分離モード、搬送モードにおいて、制御ギア24の各欠歯部とその欠歯部からの回転量によって機能が満足できるため、D字状に切り欠かれた給送ローラ等で、その位相を検出するために必要であった位相検出センサが不要になり、装置全体の製造コストの低減にもつながる。
【0128】
次に、この搬送状態から待機状態に復帰する機構を説明する。
【0129】
図18に示した状態からストッパ41を解除し、太陽ギア37を矢印J2方向に回転させる。これによって、正転遊星ギア35は、制御ギア24の第1のギア部24aに噛合され、制御ギア24を反時計回りに回転させる。回転を続けると、後述する特殊紙モード、レジ取り無しモードの制御カム34の位相位置を通過した後に、図14と同様に、制御ギア24の第1の欠歯部51によって制御ギア24が停止される。
【0130】
4−5(特殊紙モード)
次に、搬送時の駆動機構8の負荷を更に低減させる特殊紙モードについて説明する。近年、インクジェット記録装置では、いわゆる写真画質といったような高画質化の要望が非常に高まっており、高画質化に対応する様々な専用紙も提供されている。この種の特殊紙は、搬送時の負荷の変動値が更に厳しくなっており、上述した搬送モードよりも駆動機構8の負荷を更に小さくする必要がある。
【0131】
このために、本実施形態の記録装置1は、更なる駆動機構8の負荷低減機能である特殊紙モードを兼ね備えている。この特殊紙モードについて以下説明する。
待機状態(図14参照)から分離動作、レジ取り動作(図17参照)までの一連の動作は、上述した通常モードと同一である。
【0132】
図7中の状態P4,P5が、通常モードの搬送状態であり、この状態P4,P5から更に制御カム34を回転させて、特殊紙モードである状態P6に移行する。
【0133】
図19に、駆動機構8の図7中の状態P6を示す。図19(a)に示すように、図17に示したレジ取り動作後に搬送ローラ30を正転させ、アイドラギア40を介して太陽ギア37を矢印J2方向に回転させる。このとき、通常モードでストッパ41によって規制されていた振り子39の揺動位置が、不図示の移動手段によってストッパ41を移動させて規制を解除することによって、振り子39が更に揺動され、正転遊星ギア35が制御ギア24の第1のギア部24aに噛合される。これによって、制御ギア24および制御カム34は、反時計回りに回転を始める。
【0134】
またこのとき、シート材2の前端がニップ部の位置まで到達しているため、搬送ローラ30の正転と共にシート材2の頭出し動作も同時に行われることになる。
【0135】
図19(c)に示すように、所定量だけ制御カム34を回転させることによって、カム面の第3の凹部53gが圧板ボス16aに係合し、制御カム34が保持される。
【0136】
図19(b)に、制御カム34が保持された状態での制御ギア24の第2のギア部24bと給送ローラギア19の状態を示す。図19(b)に示すように、この状態でも制御ギア24の第3の欠歯部52bによって、制御ギア24と給送ローラギア19とが噛合されていない。
【0137】
図19(d)に、制御カム34の第2のカム面34bを示す。図19に示すようにカム面54fによってリリースカム28は、分離後のリリース状態と同じ状態となる。
【0138】
その結果、図19(e)に示すように、図16に示した状態と同様に、分離ローラ12,分離ローラホルダ21,前段規制ホルダ22が給送ローラ11から離間される。
【0139】
すなわち、この状態では、シート材2に対する駆動機構8の負荷としては給送ローラ11と給送ローラギア19の回転負荷のみとなり、通常モードよりも更に負荷を低減することが可能となる。
【0140】
この状態からシート材2に記録可能な搬送状態にするためには、図19に示す状態に対して一度搬送ローラ30を逆転させて振り子39を時計回り(矢印J1方向)に揺動させる。その状態で、ストッパ41の退避を解除することで、太陽ギア37が矢印方向に回転しても振り子39が揺動を規制され、正転遊星ギア35は制御ギア24に噛合されないため、シート材2を搬送可能となる。
【0141】
シート材2による連れ周りによって給送ローラギア19は回転されるが、第3の欠歯部52bによって、給送ローラギア19と制御ギア24との噛み合いが外れているため、制御ギア24が回転されない。
【0142】
また、記録部3による記録動作が終了して、待機状態に復帰する場合には、通常モードと同様にストッパ41を解除し、搬送ローラ30を正転させることで太陽ギア37を回転させ、制御ギア24を第1の欠歯部51まで回転させる。
【0143】
4−6(レジ取り無しモード)
次に、レジ取り無しモードについて説明する。例えば厚紙や封筒等厚みが厚いシート材は、レジ取り後の搬送ローラ30と従動ローラ29によるニップ部への噛み込み難い場合が多い。また本実施形態では、搬送ローラ30と給送ローラ11の駆動源を共通にしているため、そうした噛み込み難いシート材に対しては搬送ローラ30を搬送方向へ回転させ、その状態で給送部4からシート材を搬送するレジ取り無しモードが有効である。
【0144】
以下、本実施形態におけるレジ取り無しモードについて説明する。
【0145】
分離動作が終了し、制御カム34が図17に示す状態になった状態において、シート材2の前端が搬送ローラ30と従動ローラ29のニップ部まで到達する前に搬送ローラ30の回転方向を反時計回りに切り替える。なお、シート材2の前端は、シート検出センサによって検出するか、あるいは予め給送ローラ11の回転数で判断可能である。
【0146】
このとき、図19に示した状態と同様に、ストッパ41を解除しておくことにより、太陽ギア37が回転することで制御ギア24が回転を始める。
【0147】
図20を参照して説明する。図19と同様に制御ギア24が回転するが、特殊紙モードと異なる点は、搬送ローラ30が反時計回り(正転)に回転してもニップ部にシート材2がまだ到達していないため、シート材2が動かない。すなわち、給送ローラギア19は停止したままである。
【0148】
図19(b)に示すように、制御ギア24を更に回転させると、制御ギア24の第3の欠歯部52bを通過し、今度は逆に有歯部52fによって給送ローラギア19が回転させられる。
【0149】
この状態において、図19(d)に示すように、制御カム34のカム面34bに対するリリースカム28の位置は、既にトルクオフ位置であるカム面54gに位置しているため、分離ローラ12が給送ローラ11に対する従動ローラとなっている。すなわち、搬送ローラ30が正転している状態で給送ローラ11を回転させ、搬送ローラ30の正転状態でのニップ部へシート材2を給送可能となる。
(レジ取り無し給送)
またこのとき、給送ローラ11によって給送可能な距離は、制御ギア24の有歯分δ相当の送り量である。
【0150】
制御カム34を更に回転させ図7中の状態P6まで回転させた状態を図20に示す。図20(c)に示すように、制御カム34の第1のカム面34aの第4の凹部53hが圧板ボス16aに係合し、制御カム34を保持させる。図20(b)に示すように、制御ギア24は、第2の欠歯部52aによって、給送ローラギア19との噛み合いが外れることになる。図20(d)に示すように、戻しレバー13は完全退避状態で、リリースカム28はトルク解除状態である。
【0151】
図20(e)にシート材2の状態を示す。シート材2の前端が搬送ローラ30のニップ部の直前に位置したときに、搬送ローラ30の回転駆動方向が切り替わり、レジ取り無し給送によって搬送ローラ30から搬送された距離δ’が制御ギア24のδ分に相当する。この状態で一度搬送ローラ30を逆転させ、ストッパ41を振り子39に係合させることで、記録、搬送が可能となる。
【0152】
4−7(歯当たりの防止対策)
以上説明した一連の給送動作の中で、制御ギア24の第2および第3の欠歯部52a,52bが給送ローラギア19に噛み合う際の歯当たり防止策として、給送ローラギア19のギア部を高歯(本実施形態では、ピッチ円から歯先円までの歯末の距離をモジュールの1.35倍程度に設定)に形成するとともに、制御ギア24の第2のギア部24bに、歯の一部に弾性歯部52c,52dがそれぞれ設けられている。
【0153】
この弾性歯部52c、52dの効果について、図21および図22を参照して説明する。
【0154】
図21(a)に示すように、制御ギア24は、反時計回りに回転することによって、弾性歯部52cが給送ローラギア19に噛み合おうとする。このときに、歯と歯の先端が干渉し、お互いのピッチ円同士で噛み合わない場合が発生することがあるが、そのような場合に弾性歯部52cが基端52gをほぼ回転中心として弾性変形する。その後、制御ギア24が更に回転を続けたとき、図21(b)に示すように、ギアの干渉がなくなる位置で通常の噛み合い状態に移行する。このように歯当たりが発生した場合には、弾性歯部52cが逃げることによって負荷が増大することが抑えられ、安定したギア間の噛み合いを実現することができる。またこのとき、給送ローラギア19は、歯当たりが生じる確率を極力小さくすることを目的として高歯に形成されている。
【0155】
次いで、図22に、制御ギア24と給送ローラギア19との間で歯当たりが発生することなく、通常の噛み合いが行われる状態を示す。図22に示すように、制御ギア24は、弾性歯部52cの最初の歯が給送ローラギア19の歯に当接され、このとき弾性歯部52cが、給送ローラギア19の歯から圧力角度βをなす方向に押圧力Tを受ける。
【0156】
その結果、制御ギア24には、弾性歯部52cの基端52gを回転中心としてモーメントMが発生し、このモーメントMによって弾性歯部52cが給送ローラギア19側に付勢される。したがって、通常の噛み合いのとき、弾性歯部52cは、給送ローラギア19との噛合状態を強固にする方向にたわむため、歯飛び等の発生を防止することができる。
【0157】
このように、制御ギア24は、歯当たり防止対策として弾性歯部52cを有し、この弾性歯部52cが変位する中心である基端52gを回転進行方向の反対側に位置させることによって、歯当たりが発生したときに弾性歯部52cがたわむことで、歯当たりによって負荷が増大することを防止できる。一方で、通常の噛み合いのとき、弾性歯部52cは、従動ギアである給送ローラギア19に押圧される方向に付勢力が発生するため、ギア間の噛合状態が良好に保たれて、歯飛び等が発生しない。
【0158】
上述したように、本発明に係る記録装置1によれば、駆動機構8を有する給送部4を備えることによって、分離給送動作の安定性を確保しつつ、給送動作中に分離動作と搬送動作を切り替えることで、種々のシート材に対応することが可能になり、シート材2に付与される不要な抵抗力を低減することができる。
【0159】
また、記録装置1によれば、シート材2の搬送可能長を任意に設定することが可能になるため、装置全体の設計の自由度が向上される。さらに、記録装置1によれば、装置全体の小型化が図られ、簡素で安価な機構によってレジ取り有りモードとレジ取り無しモードを切り替えることができる。また、記録装置1によれば、特殊紙を搬送する際の搬送ローラ30の負荷を低減することができる。
【0160】
【発明の効果】
上述したように、本発明に係る給送装置によれば、分離給送動作の安定性を確保しつつ、給送中に分離動作と搬送動作を切り替えることでシート材に付与される不要な抵抗力を低減し、またシート材の搬送可能長を任意に設定可能にし、更には装置全体の小型化を図ることができる。
【0161】
また、本発明に係る記録装置によれば、安価で簡素な構成によって、レジ取り有りモードとレジ取り無しモードとを切り替えることが可能になり、さらには通常の給送モードと駆動負荷の更なる低減を図るための特殊紙モードとを実現することができる。
【0162】
また、本発明に係る駆動ギア列によれば、第1のギアと第2のギアとが噛み合わされる際に歯当たりが発生したとき、この歯当たりによって負荷が増大することを防止できる。また、この駆動ギア列によれば、通常の噛み合いのとき、有歯部が第2のギアに押圧される方向に付勢力が発生するため、第1および第2のギア間の噛合状態が良好に保たれて、歯飛び等の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の記録装置の構成を一部切り欠いて示す斜視図である。
【図2】前記記録装置を示す平面図である。
【図3】図2における記録装置の要部を説明するためのA−A断面図である。
【図4】図2における記録装置の要部を説明するためのB−B断面図である。
【図5】分離ローラを示す分解斜視図である。
【図6】前記分離ローラの正面図および横断面図である。
【図7】給送部の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図8】前記給送部の動作を説明するための図である。
【図9】本実施形態に係る圧板の動作を説明するための模式図である。
【図10】前記駆動機構を示す斜視図である。
【図11】前記駆動機構を裏側から示す斜視図である。
【図12】前記駆動機構を示す平面図である。
【図13】前記駆動機構を示す側面図である。
【図14】図7中の状態P1における駆動機構の動作状態を説明するための断面図である。
【図15】図7中の状態P2における駆動機構の動作状態を説明するための断面図である。
【図16】図7中の状態P3における駆動機構の動作状態を説明するための断面図である。
【図17】図7中の状態P4における駆動機構の動作状態を説明するための断面図である。
【図18】図7中の状態P5における駆動機構の動作状態を説明するための断面図である。
【図19】図7中の状態P6における駆動機構の動作状態を説明するための断面図である。
【図20】図7中の状態P7における駆動機構の動作状態を説明するための断面図である。
【図21】歯当たり防止対策を説明するための模式図である。
【図22】歯当たり防止対策を説明するための模式図である。
【図23】従来のリタードローラ方式の分離給送機構を示す模式図である。
【符号の説明】
1 記録装置
2 シート材
3 記録部
4 給送部
5 搬送部
6 シート材積載部
7 分離給送機構
8 駆動機構
9 支持ベース
10 給送軸
11 給送ローラ
12 分離ローラ
12a クラッチ筒
12b クラッチ軸
12c クラッチばね
13 戻しレバー
15 ベース
15a シート材前端基準部
16 圧板
16a 圧板ボス
16b シート材搬送基準部
17 圧板ばね
18 サイドガイド
19 給送ローラギア
21 分離ローラホルダ
21a 回転中心
22 前段規制ホルダ
22a 前段規制部
23 ロックレバー
23a 突起部
24 制御ギア
24a 第1のギア部
24b 第2のギア部
25 ガイド部材
26 分離ローラばね
28 リリースカム
28a 前段規制ホルダ作用部
28b 分離ローラホルダ作用部
28c ロックレバー作用部
29 従動ローラ
30 搬送ローラ
31 排出ローラ
32 拍車
33 前段規制ホルダばね
34 制御カム
35 正転遊星ギア
36 逆転遊星ギア
37 太陽ギア
39 振り子
40 アイドラギア
41 ストッパ
51 第1の欠歯部
52a 第2の欠歯部
52b 第3の欠歯部
81 記録ヘッド

Claims (20)

  1. シート材積載部に積載された複数枚のシート材を1枚ずつ分離給送する給送装置において、
    前記シート材積載部に積載されたシート材を送り出すための給送手段と、
    前記給送手段により送り出されたシート材に圧接しシート材を1枚ずつ分離する分離手段と、
    前記分離手段による分離力発生状態と分離力解除状態とに切り替えるための分離力切替手段と、
    前記分離手段を保持し、前記給送手段に対して前記分離手段を圧接および離間させるための分離手段保持部材とを備え、
    前記分離力解除状態でシート材を給送する第1の給送モードと、前記給送手段に対して前記分離手段を離間させてシート材を給送する第2の給送モードとを備えることを特徴とする給送装置。
  2. 前記分離力切替手段を制御する第1のカムと、前記分離手段保持部材による前記圧接と前記離間を制御する第2のカムとを備え、
    前記第1のカムと前記第2のカムが同軸上に設けられた請求項1に記載の給送装置。
  3. 前記給送手段を回転駆動するための給送ギアと、前記第1のカムおよび前記第2のカムと同軸上に設けられた制御ギアと、前記給送ギアと前記制御ギアに駆動力を振り分ける駆動切替手段とを備える請求項2に記載の給送装置。
  4. 前記駆動切替手段は、太陽ギアと、前記給送ギアに噛合される第1の遊星ギアと、前記制御ギアに噛合される第2の遊星ギアと、前記太陽ギアの回転に伴って前記第1の遊星ギアと前記第2の遊星ギアを揺動させる揺動部材とを有する請求項3に記載の給送装置。
  5. 前記制御ギアは、前記第2の遊星ギアに噛合される第1のギア部と、前記給送ギアに噛合される第2のギア部とを有し、
    前記第1のギア部には第1の欠歯部が設けられ、前記第2のギア部には第2の欠歯部が設けられた請求項4に記載の給送装置。
  6. 前記制御ギアの前記第2のギア部には、前記分離手段保持部材を前記給送手段から離間させるための第3の欠歯部が設けられた請求項5に記載の給送装置。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の給送装置を備え、前記給送装置によって給送されたシート材に記録を行う記録装置。
  8. 請求項4ないし6のいずれか1項に記載の給送装置と、
    シート材を該シート材に記録を行う記録部に搬送するための搬送ローラと、
    前記太陽ギアの駆動力を前記搬送ローラに伝達するための駆動ギア列とを備え、
    前記搬送ローラをシート材を送り出す方向と逆方向に回転させたときに、前記第1の遊星ギアが前記給送ギアに噛合され、前記搬送ローラをシート材を送り出す方向に回転させたときに、前記第2の遊星ギアが前記制御ギアに噛合される記録装置。
  9. シート材積載部に積載された複数枚のシート材から1枚ずつ分離給送されたシート材に記録する記録装置において、
    前記シート材積載部に積載されたシート材を送り出すための給送手段と、
    前記給送手段により送り出されたシート材に圧接しシート材を1枚ずつ分離する分離手段と、
    前記分離手段による分離力発生状態と分離力解除状態とに切り替えるための分離力切替手段と、
    シート材を該シート材に記録を行う記録部に搬送するための搬送ローラと、
    前記搬送ローラに圧接される従動ローラとを備え、
    前記分離力解除状態でシート材を前記搬送ローラに突き当ててシート材の前端を揃える動作を行うレジ取り有りモードと、前記分離力解除状態で前記搬送ローラをシート材を送り出す方向に回転させてシート材を搬送しシート材の前端を揃える動作を行わないレジ取り無しモードとを備えることを特徴とする記録装置。
  10. 前記給送手段を回転駆動するための給送ギアと、前記分離力切替手段を制御する制御カムと、該制御カムと同軸上に設けられた制御ギアと、前記給送ギアと前記制御ギアとに駆動力を振り分ける駆動切替手段とを備える請求項9に記載の記録装置。
  11. 前記駆動切替手段は、太陽ギアと、前記給送ギアに噛合される第1の遊星ギアと、前記制御ギアに噛合される第2の遊星ギアと、前記太陽ギアの回転に伴って前記第1の遊星ギアと前記第2の遊星ギアを揺動させる揺動部材とを有する請求項10に記載の記録装置。
  12. 前記制御ギアは、前記第2の遊星ギアに噛合される第1のギア部と、前記給送ギアに噛合される第2のギア部とを有し、
    前記第1のギア部には第1の欠歯部が設けられ、前記第2のギア部には第2の欠歯部が設けられた請求項11に記載の記録装置。
  13. 前記制御ギアの前記第2のギア部には、前記レジ取り無しモード時に、前記制御ギアを保持するための第3の欠歯部が設けられた請求項12に記載の記録装置。
  14. 前記太陽ギアの駆動力を前記搬送ローラに伝達するための駆動ギア列を備え、
    前記駆動ギア列は、前記搬送ローラをシート材を搬送させる方向と逆方向に回転させたときに前記第1の遊星ギアが前記給送ギアに噛合され、前記搬送ローラをシート材を搬送させる方向に回転させたときに前記第2の遊星ギアが前記制御ギアに噛合される請求項13に記載の記録装置。
  15. 前記制御ギアの前記第2のギア部は、欠歯部と、前記欠歯部に隣接する回転方向の次の位置に、前記第2のギア部の径方向に変位可能に設けられた有歯部とを有し、前記有歯部が変位する中心が、前記回転方向に対して前記欠歯部と略反対側に位置する請求項12に記載の記録装置。
  16. 前記制御ギアの第2のギア部には、前記有歯部が弾性変位可能に一体に形成された請求項15に記載の記録装置。
  17. 前記給送ギアは、ピッチ円から歯先円までの歯末の距離が、モジュールより大きく形成された請求項16に記載の記録装置。
  18. 欠歯部を有する第1のギアと、前記第1のギアに噛合する第2のギアとを有する駆動ギア列において、
    前記第1のギアは、前記欠歯部に隣接する回転方向の次の位置に、前記第1のギアの径方向に変位可能に設けられた有歯部を有し、前記有歯部が変位する中心が、前記回転方向に対して前記欠歯部と略反対側に位置することを特徴とする駆動ギア列。
  19. 前記第1のギアには、前記有歯部が弾性変位可能に一体に形成された請求項18に記載の駆動ギア列。
  20. 前記第2のギアは、ピッチ円から歯先円までの歯末の距離が、モジュールより大きく形成された請求項19に記載の駆動ギア列。
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