JP4803498B2 - 車輪半径推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪半径推定装置に係り、例えば、デッドレコニング走行を行う場合の車輪半径の推定に関する。
自動車や移動ロボットなどの車輪を備えた移動体において、車輪の回転距離から、位置や速度を推定するデッドレコニング走行が行われている。
例えば、特許文献1では、デッドレコニング走行により目標位置に向かって走行する無人搬送車が提案されている。
特開2002−73171
このようなデッドレコニング走行では、車輪の回転距離を求める際に、車輪半径の値を使用するが、この車輪半径は、設計上の値や予め計測した値などの固有値が使用されている。
しかし、車輪半径は、搭乗物による車両重量の変動、タイヤの空気圧の変動、タイヤの摩耗による変動等の各種影響によって変化する。
このため、固定値の車輪半径を使用した場合には、車輪の回転距離が正確に算出できず、移動距離、車両位置や車速Vを正確に推定することができなくなる。
そこで本発明は、乗員や積載物等の重量等により変化する車輪半径を推定することを目的とする。
(1)前記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、自車両の車輪の自車輪角速度を取得する自車輪角速度取得手段と、車両の前方又は後方を走行する他車両との相対速度を取得する相対速度取得手段と、前記他車両から、該他車両の他車輪角速度を取得する他車輪角速度取得手段と、前記取得した、自車輪角速度、他車輪角速度、相対速度を1組のパラメータとし、2組のパラメータから自車両の自車輪半径を算出する半径算出手段と、を具備したことを特徴とする車輪半径推定装置を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、前記半径算出手段は、前記2組のパラメータから前記他車両の他車輪半径を算出し、前記算出した他車輪半径を、当該他車両に送信する送信手段、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車輪半径推定装置を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、前記取得した自車輪角速度を、前記他車両に送信する自車輪角速度送信手段と、前記他車両から、自車両の自車輪半径を受信する車輪半径受信手段と、前記受信した自車輪半径から、前記半径算出手段で算出した自車輪半径の有効性を判断する有効性判断手段と、を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪半径推定装置を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記自車両と他車両は、車体の傾斜状態と車輪の回転状態に応じて前記車輪のトルクを制御することで、搭乗部及び車体を含む車両本体を倒立状態に保持して走行する倒立振り子車両であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車輪半径推定装置を提供する。
本発明では、自車輪角速度と他車輪角速度と相対速度を1組のパラメータとし、2組のパラメータから自車両の自車輪半径を算出するので、重量変化等により変化した車輪半径であっても推定することができ、これによりデッドレコニング走行において正確な移動距離や車速を計測することができる。
以下、本発明の車両における好適な実施の形態について、図1から図4を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両を対象とする。そして、最低2台の車両が走行している際に、車両間の相対速度ΔVと、双方の車両の車輪角速度ωL、ωFを1組のパラメータとし、これを複数回計測し、双方の車両の車輪有効半径RL、RFを推定する。
自車両Lと、自車両Lの前後を走行する他車両Fとの相対速度ΔVは両車両の車速の差(VL−VF)であり、両車両の車速VL、VFは各車両の車輪半径RL、RFと車輪角速度ωL、ωFにより決まる。
すなわち、自車輪角速度ωLと他車輪角速度ωFと相対速度ΔVは、数式(1)の関係式で表すことができる。
(数式1)
ΔV=VL−VF=ωLL−ωFF
そして、相対速度ΔVと両車両の車輪角速度ωL、ωFは検出可能であり、自車両の半径RLと他車両の半径RFが未知数である。
そこで本実施形態では、相対速度ΔV、自車輪角速度ωL、他車輪角速度ωFを複数回検出し、上記数式1の連立方程式をたてることで、自車両の車輪半径RLを算出する。
また、連立方程式から他車両の車輪半径RFを算出して、当該他車両に送信する。
また、他車両で算出した自車輪半径RLF(他車両にとっては他車輪半径)を受信し、自車両で算出した自車輪半径RLの信頼度を判定する。
本実施形態により、車輪半径を逐次正確に把握することができ、そのときの車両の移動距離や速度を正確に求めることができる。
特に、車両重量やタイヤ空気圧が設計値から変動していても、実際の車輪半径を算出(推定)することができる。
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態における車輪半径推定装置が適用される車両の外観構成を例示したものである。本実施形態では、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両を例に説明する。
図1に示されるように、車両は、同軸上に配置された2つの車輪11R、11Lを備えている。
両車輪11R、11Lは、それぞれ駆動モータ12で駆動されるようになっている。
車輪11R、11L(両車輪11Rと11Lを指す場合には車輪11という。以下他の構成も同じ)及び駆動モータ12の上部には、重量体である荷物や乗員等が搭乗する搭乗部13(シート)が配置されている。
搭乗部13は、運転者が座る座面部131、背もたれ部132、及びヘッドレスト133で構成されている。
搭乗部13は、駆動モータ12が収納されている駆動モータ筐体121に固定された支持部材14により支持されている。
搭乗部13の左脇には入力装置30が配置されている。この入力装置30は、運転者の操作により、車両の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の指示を行う為のものである。
本実施形態における入力装置30は、座面部131に固定されているが、有線又は無線で接続されたリモコンにより構成するようにしてもよい。また、肘掛けを設けその上部に入力装置30を配置するようにしてもよい。
また、本実施形態の車両には、入力装置30が配置されているが、予め決められた走行指令データに従って自動走行する車両の場合には、入力装置30に代えて走行指令データ取得部が配設される。走行指令データ取得部は、例えば、半導体メモリ等の各種記憶媒体から走行指令データを読み取る読み取り手段で構成し、または/及び、無線通信により外部から走行指令データを取得する通信制御手段で構成するようにしてもよい。
なお、図1において、搭乗部13には人が搭乗している場合について表示しているが、必ずしも人が運転する車両には限定されず、荷物だけを乗せて外部からのリモコン操作等により走行や停止をさせる場合、荷物だけを乗せて走行指令データに従って走行や停止をさせる場合、更には何も搭乗していない状態で走行や停止をする場合であってもよい。
本実施形態において、入力装置30の操作により出力される操作信号によって加減速等の制御が行われるが、例えば、運転者が車両に対する前傾きモーメントや前後方向の傾斜角を変更することで、その傾斜角に応じた車両の姿勢制御及び走行制御を行うようにしてもよい。また、両方式を切り替え可能にしてもよい。
搭乗部13と車輪11との間には、図示しないが後述するバランサ(重量体)134が配置されている。このバランサ134は、バランサ駆動アクチュエータ62によって前後方向(車体直立時に車軸と水平面上で直交する方向)に移動可能に構成されている。
搭乗部13と車輪11との間には制御ユニット16が配置されている。
本実施形態において制御ユニット16は、搭乗部13の座面部131の下面に取り付けられているが、支持部材14に取り付けるようにしてもよい。
本実施形態の車両は、自車両の前方を走行する車両との相対速度を検出するためのレーダー71aを備えている。レーダー71aは、入力装置30の前面に配置されているが、相対速度の検出が可能であれば、何処に配置してもよい。
なお、レーダー71b(図示せず)を背もたれ部132、ヘッドレスト133、制御ユニット16の後面、座面部131の後面等に配置することで、自車両後方を走行する他の車両との相対速度を検出するようにしてもよい。
図2は、制御ユニット16の構成を表したものである。
制御ユニット16は、制御ECU(電子制御装置)20、加減速指令装置31、角度計(角速度計)41、車輪角速度計51、車輪アクチュエータ52、バランサの位置センサとして機能するバランサ駆動モータ回転角度計(位置センサ)61、相対距離計測装置71、メモリ72、相対速度演算装置73、他車両との通信装置74、その他の装置を備えている。
制御ユニット16は、その他の装置としてバッテリを備えている。バッテリは、駆動モータ12、車輪アクチュエータ52、バランサ駆動アクチュエータ62、制御ECU20等に駆動用及び制御用の電力を供給するようになっている。
制御ECU20は、主制御ECU21、車輪制御ECU22、バランサ制御ECU23、及び車輪半径推定装置24、を備えており、車輪制御、車体制御、バランサ制御等により、車両の走行、姿勢制御等の各種制御を行うようになっている。
制御ECU20は、本実施形態における車輪11の半径rを算出する半径算出処理プログラム等の各種プログラムやデータが格納されたROM、作業領域として使用されるRAM、外部記憶装置、インターフェイス部等を備えたコンピュータシステムで構成されている。
主制御ECU21には、加減速指令装置31、車輪角速度計51、角度計(角速度計)41、バランサ駆動モータ回転角度計61、車速センサ70が接続されている。
主制御ECU21には、入力装置30として加減速指令装置31が接続されている。
加減速指令装置31は、搭乗者による入力装置30の操作に基づく加減速指令を主制御ECU21に供給する。
入力装置30は、ジョイスティックを備えている。ジョイスティックは直立した状態をニュートラル位置とし、前後方向に傾斜させることで加減速を指示し、左右に傾斜させることで左右方向の旋回を指示するようになっている。傾斜角度に応じて、要求加減速度、旋回曲率が大きくなる。
主制御ECU21は、角度計(角速度計)41と共に車体制御システム40として機能し、倒立車両の姿勢制御として、車体傾斜状態に基づき、車輪の反トルクで車体の姿勢制御を行う。
主制御ECU21は、車輪制御ECU22、車輪角速度計51、車輪アクチュエータ52と共に車輪制御システム50として機能する。
車輪角速度計51は、車輪11の回転角速度を主制御ECU21に供給し、主制御ECU21は、車輪制御ECU22に駆動トルク指令値を供給し、車輪制御ECU22は車輪アクチュエータ52に駆動指令値としての駆動電圧を供給する。
車輪動アクチュエータ52は、指令値に従って、両車輪11R、11Lを各々独立して駆動制御するようになっている。
また、車輪角速度計51は、自車両の車輪の自車輪角速度ωLを取得する自車輪角速度取得手段として機能し、検出した自車輪角速度ωLを車輪半径推定装置24に供給するようになっている。
主制御ECU21は、バランサ制御ECU23、バランサ駆動モータ回転角度計61、バランサ駆動アクチュエータ62と共にバランサ制御システム60として機能するようになっている。
バランサ駆動モータ回転角度計61は、バランサ位置に対応したモータ回転角を主制御ECU21に供給し、主制御ECU21は、駆動推力指令値をバランサ制御ECU23に供給し、バランサ制御ECU23は、駆動推力指令値として駆動電圧をバランサ駆動アクチュエータ62に供給する。
相対距離計測装置71、メモリ72、相対速度演算装置73は、相対速度取得手段として機能する。
相対距離計測装置71は、レーダー71aを備えており、図1に示すように、入力装置30の前面に配置されている。レーダー71aとしては、例えば、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波レーダー等が使用される。
相対距離計測装置71は継続的(所定間隔毎)に自車両1と他車両2間の距離を計測し、計測時刻と共にメモリ72に格納するようになっている。
そして相対速度演算装置73は、メモリ72に格納されている計測データ、すなわち、前後する距離と計測時刻の差から、相対速度ΔVを算出し、車輪半径推定装置24に供給するようになっている。
他車両との通信装置74は、車両前方を走行する他車両との通信を行う装置である。
通信装置74は、車輪半径推定装置24と共に、他車輪角速度取得手段及び、他車輪半径RFを他車両に送信する送信手段、他車両に自車輪角速度ωLを送信する自車輪角速度送信手段として機能する。
通信装置74は、他車両2から他車輪角速度ωFを受信すると共に、他車両に対して、他車輪半径RF、自車輪角速度ωLを送信する。
車輪半径推定装置24は、半径算出手段として機能し、相対速度演算装置73から供給される他車両との相対速度ΔVと、通信装置74から供給される他車両の他車輪角速度ωFと、車輪角速度計51から供給される自車輪角速度ωLを使用して、前記数式1に従って自車両の自車輪半径RLと他車両の他車輪半径RFを算出する。算出した自車輪半径RLは主制御ECU21等に供給され、他車輪半径RFは通信装置74を介して他車両2に送信される。
また、車輪半径推定装置24は、他車両で算出した自車の自車輪半径RL(他車両では、他車輪半径RFとして算出)から、自車で算出した自車輪半径RLの有効性を判断する有効性判断手段として機能する。
車輪半径推定装置24は、パラメータ記憶部24aを備えており、相対速度ΔV、他車輪角速度ωF、自車輪角速度ωLを1組のパラメータとして記憶するようになっている。
以上のように構成された車両(車輪半径推定装置)による、車輪半径算出処理について次に説明する。
図3は、第1実施形態における車輪半径算出処理の内容を表したフローチャートである。
車輪半径推定装置24は、車両の前方を走行している他車両2をレーダー71aで捕捉しているか否かを判断する(ステップ10)。この判断は、相対距離計測装置71から測定値データの出力がされているか否か、相対速度演算装置73から相対速度が供給されているか否か等により行う。
他車両2を捕捉している場合(ステップ10;Y)、車輪半径推定装置24は、自車両の自車輪角速度ωLを車輪角速度計51から取得する(ステップ11)と共に、通信装置74を介して他車両2から他車輪角速度ωFを取得し(ステップ12)、更に、車両間の相対速度ΔVを取得する(ステップ13)。
次に車輪半径推定装置24は、パラメータ記憶部24aに過去(前回)のパラメータ値(相対速度ΔV、他車輪角速度ωF、自車輪角速度ωL)が保存されているか否かを判断する(ステップ14)。
過去(前回)のパラメータ値が保存されていない場合(ステップ14;N)には、数式1による連立方程式が立てられないので、車輪半径の算出をせずにステップ16に移行する。
一方、過去(前回)のパラメータ値がパラメータ記憶部24aに保存されている場合(ステップ14;Y)、車輪半径推定装置24は、パラメータ記憶部24aに保存されているパラメータ値と、現在の(今回取得した)パラメータ値とから、上記数式1により自車輪半径RL、他車輪半径RFを算出する(ステップ15)。
ここで、数式1による自車輪半径RL、他車輪半径RFの算出について説明する。
いま、前回測定したパラメータを相対速度ΔV1、他車輪角速度ωF1、自車輪角速度ωL1とし、今回測定したパラメータを相対速度ΔV2、他車輪角速度ωF2、自車輪角速度ωL2とすると、数式1から次の2式(数式2、数式3)が成立する。
車輪半径推定装置24は、各パラメータの値を代入するとともに、数式2、3の連立方程式を解くことで自車輪半径RL、他車輪半径RFを算出する。
(数式2)
ΔV1=ωL1L−ωF1F
(数式3)
ΔV2=ωL2L−ωF2F
数式2を変形すると、次の数式4となる。この数式4のRFを数式3に代入することで、未知数である自車輪半径RLが算出される。
また、算出した自車輪半径RLを数式2に代入することで、他方の未知数である他車輪半径RFが算出される。
算出した自車輪半径RLは、主制御ECU21に供給される。主制御ECU21では、例えば、自車輪角速度ωLと自車輪半径RLとから自車の車速Vを算出したり、姿勢制御のパラメータとして使用する。
(数式4)
F=(ωL1L−ΔV1)/ωF1
ついで、車輪半径推定装置24は、ステップ11〜ステップ13で取得した最新のパラメータ(数式2で使用した相対速度ΔV2、他車輪角速度ωF2、自車輪角速度ωL2)をパラメータ記憶部24aに保存(更新)する(ステップ16)。
その後ステップ10に戻り処理を継続することで車輪半径推定装置24は、自車両の自車輪半径RLを継続的に算出することができる。
次に、第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態における車輪半径算出処理の内容を表したフローチャートである。なお、図3に従って説明した第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
図4において、車輪半径推定装置24は、第1実施形態と同様に、他車両をレーダで捕捉している場合(ステップ10;Y)、相対速度ΔV、他車輪角速度ωF、自車輪角速度ωLをそれぞれ取得する(ステップ11〜ステップ14)。
更に、車輪半径推定装置24は、過去(前回)のパラメータ値がパラメータ記憶部24aに保存されていれば(ステップ14;Y)、今回と前回のパラメータ値から数式2、数式3を使用して自車輪半径RLと、他車輪半径を算出する(ステップ15)。
そして、車輪半径推定装置24は、算出した他車輪半径RFを通信装置74を介して、他車両2に送信する(ステップ151)。
そして、車輪半径推定装置24は、最新のパラメータをパラメータ記憶部24aに保存(更新)し(ステップ16)、ステップ10に戻る。
なお、過去(前回)のパラメータ値がパラメータ記憶部24aに保存されていない場合(ステップ14;N)には、数式1による連立方程式(数式2、3)が立てられないので、車輪半径の算出と、他車輪半径の送信をせずにステップ16に移行する。
以上本発明の車輪半径推定装置における各実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく各種の変形が可能である。
例えば、説明した第2実施形態では、他車両の他車輪半径RFを送信する場合について説明したが、他車両も同様な構成を有している場合には、他車両が算出しステップ151で送信される他車輪半径RFを受信し、これを他車両で算出した自車にとっての自車輪半径RLFとして取得し、自車両で算出した自車輪半径RLの有効性を判断するようにしてもよい。
すなわち、他車両から取得した自車輪半径RLFと自車両で算出した自車輪半径RLとを比較し、その差が所定閾値以下である場合に、自車輪半径RLの値を有効と判断して、主制御ECU21等に供給する。
さらに、有効か無効かの判定結果を他車両に送信するようにしてもよい。
なお、説明した各実施形態及び変形例では、他車両をレーダで捕捉している間は、継続的に自車輪半径RL、他車輪半径RFを算出する場合について説明したが、走行を開始した当初にだけパラメータの取得と車輪半径(自車輪半径RL、他車輪半径RF)の算出を行うようにしてもよい。
また、より長い所定時間間隔(例えば、30分間隔、1時間間隔等)毎に算出するようにしてもよく、他車両をレーダーで捕捉する毎に1回算出するようにしてもよい。
また、説明した実施形態と変形例では、パラメータ記憶部24aに前回のパラメータ値が保存されている場合に車輪半径の算出を行う場合について説明したが、相対速度ΔVが小さすぎる場合、逆に大きすぎる場合には、測定誤差から算出した車輪半径の精度が悪くなる場合が存在する。特に、上記変形例で説明したように、車輪半径の算出を走行開始後1回だけ行う場合や、所定タイミングで算出する場合には、より精度が高い車輪半径を算出する必要がある。
そこで、車輪半径推定装置24は、ステップ14とステップ15の間に、パラメータ記憶部24aに格納されている相対速度ΔV1と、今回取得した相対速度ΔV2との差(ΔV1−ΔV2)が所定の閾値TVL以上で所定の閾値TVH未満である場合に、車輪半径の算出を行う(ステップ141)。
一方、相対速度の差(ΔV1−ΔV2)が、閾値TVL未満である場合、及び閾値TVH以上である場合、車輪半径推定装置24は、車輪半径の算出を行わずに、相対速度が小さい方に対応するパラメータをパラメータ記憶部24aに保存する。
更に、相対速度に加えて、又は相対速度に代えて、測定した自車輪角速度ωLと取得した他車輪角速度ωFの双方が、所定の閾値TωL以上で、所定の閾値TωH未満である場合に車輪半径を算出するようにしてもよい。
そして、自車輪角速度ωL及び他車輪角速度ωFの少なくとも一方が、所定の閾値TωL以下、又は、所定の閾値TωH以上である場合には、車輪半径を算出しない。この場合、最新(今回)のパラメータをパラメータ記憶部24aに保存(更新)することなくステップ10に戻る。
また、説明した各実施形態及び変形例では、車両前方を走行する他車両との関係から車輪半径を算出する場合について説明したが、他車両が走行している場所は前方に限らず、後方を走行していてもよい。この場合、レーダー71aは、1箇所ではなく、後方にも配置する。
また、車両全周にわたって他車両との相対速度が計測できるように、前後側面にレーダを配置するようにしてもよい。この場合には、自車両、他車両のいずれか一方が他方を追い抜く場合にも継続的に車輪半径を算出することができる。
本実施形態における車輪半径推定装置が適用される車両の外観構成図である。 制御ユニットの構成図である。 第1実施形態における車輪半径算出処理の内容を表したフローチャートである。 第2実施形態における車輪半径算出処理の内容を表したフローチャートである。
符号の説明
11 車輪
12 駆動モータ
13 搭乗部
16 制御ユニット
20 制御ECU
21 主制御ECU
22 車輪制御ECU
23 バランサ制御ECU
24 車輪半径推定装置
24a パラメータ記憶部
31 加減速指令装置
41 角度計(角速度計)
51 車輪角速度計
52 車輪アクチュエータ
61 バランサ駆動モータ回転角度計
62 バランサ駆動アクチュエータ
70 車輪半径推定システム
71 相対距離計測装置
72 メモリ
73 相対速度演算装置
74 通信装置

Claims (4)

  1. 自車両の車輪の自車輪角速度を取得する自車輪角速度取得手段と、
    車両の前方又は後方を走行する他車両との相対速度を取得する相対速度取得手段と、
    前記他車両から、該他車両の他車輪角速度を取得する他車輪角速度取得手段と、
    前記取得した、自車輪角速度、他車輪角速度、相対速度を1組のパラメータとし、2組のパラメータから自車両の自車輪半径を算出する半径算出手段と、
    を具備したことを特徴とする車輪半径推定装置。
  2. 前記半径算出手段は、前記2組のパラメータから前記他車両の他車輪半径を算出し、
    前記算出した他車輪半径を、当該他車両に送信する送信手段、を備えることを特徴とする請求項1に記載の車輪半径推定装置。
  3. 前記取得した自車輪角速度を、前記他車両に送信する自車輪角速度送信手段と、
    前記他車両から、自車両の自車輪半径を受信する車輪半径受信手段と、
    前記受信した自車輪半径から、前記半径算出手段で算出した自車輪半径の有効性を判断する有効性判断手段と、
    を具備したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輪半径推定装置。
  4. 前記自車両と他車両は、車体の傾斜状態と車輪の回転状態に応じて前記車輪のトルクを制御することで、搭乗部及び車体を含む車両本体を倒立状態に保持して走行する倒立振り子車両であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車輪半径推定装置。
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