JPH10175529A - 車両旋回状態量推定装置 - Google Patents

車両旋回状態量推定装置

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JPH10175529A
JPH10175529A JP34113496A JP34113496A JPH10175529A JP H10175529 A JPH10175529 A JP H10175529A JP 34113496 A JP34113496 A JP 34113496A JP 34113496 A JP34113496 A JP 34113496A JP H10175529 A JPH10175529 A JP H10175529A
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wheel
vehicle
turning
turn
speed
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JP34113496A
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Yoshiyuki Yasui
井 由 行 安
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両旋回時の荷重移動に伴い左右車輪の半径
が変化しても、旋回状態量を正確に推定すること。 【解決手段】 左右車輪速度差に基づき、旋回時におけ
る旋回内側車輪側から旋回外側車輪側への荷重移動に起
因する旋回内側車輪又は旋回外側車輪の半径の変化分を
加味して、車両の旋回状態量を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、左右輪の車輪速度
差に基づき車両の旋回状態量を演算する車両旋回状態量
推定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、特開昭60
−113710号公報に示されるものが知られている。
このものは、自動車の旋回時に左右車輪の軌跡差により
生じる左右車輪速度差に基づき自動車の旋回状態を判別
するコーナリングセンサである。具体的には、自動車の
左右車輪回転速度n1 ,n2 が夫々検出され、その結果
を用いて左右車輪速度差ΔnがΔn=n2 −n1 として
演算されると共に、左右車輪の平均速度n3 がn3 =
(n1 +n2 )/2として演算される。次いで、これら
の左右車輪速度差Δn及び左右車輪の平均速度n3 によ
り車両の旋回半径RがR=Td ・n3 /Δn(但しTd
は車両のドレッド)として演算される。この旋回半径R
の演算では、左右車輪の半径r1 ,r2 が等しいもの
(r1 =r2 =r:一定値)と仮定される。また、左右
車輪回転速度n1 ,n2 により車速(車体速度)vがv
=πr(n1 +n2 )として演算される。ここでも、左
右車輪の半径r1 ,r2 が等しいもの(r1 =r2 =
r:一定値)と仮定される。そして、これらの旋回半径
R及び車速vにより車両の求心加速度(横加速度)Gy
がGy=v2 /Rとして演算される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両の直進
時には、旋回内側車輪から旋回外側車輪に荷重が移動し
ないため、左右車輪の半径は一定で等しい。これに対
し、車両の旋回時には旋回内側車輪から旋回外側車輪に
荷重が移動するため、旋回外側車輪の半径が直進時のそ
れに比べて小さくなり、逆に旋回内側車輪の半径が直進
時のそれに比べて大きくなる。つまり、車両の旋回時に
は、左右車輪の半径が変化し、旋回の程度が大きい程左
右車輪間の半径差が大きくなる。
【0004】ここで、上記したものでは、左右車輪の半
径を一定で等しいものと仮定した上で車両の旋回状態量
を演算するので、前述のように旋回時の荷重移動により
左右車輪の半径が変化した場合には、旋回状態量の演算
値が左右車輪の半径の変化分だけ実際の旋回状態量から
ずれる恐れがある。
【0005】このように、車両の旋回状態量の推定精度
が悪く、特に、旋回の程度が大きい程、左右車輪の有効
半径の変化分が多くなるため、旋回状態量の推定精度が
より悪くなる。
【0006】故に、本発明は、車両旋回時の荷重移動に
伴い左右車輪の半径が変化しても、旋回状態量を正確に
推定することを、その技術的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
るため、請求項1の発明は、車両の右側車輪の回転角速
度を検出する右側車輪速度センサと、前記右側車輪の半
径及び前記右側車輪の回転角速度に基づき右側車輪の周
速度を演算する右側車輪周速度演算手段と、車両の左側
車輪の回転角速度を検出する左側車輪速度センサと、前
記左側車輪の半径及び前記左側車輪の回転角速度に基づ
き左側車輪の周速度を演算する左側車輪周速度演算手段
と、前記右側車輪の周速度と前記左側車輪の周速度の差
を演算する車輪速度差演算手段と、前記車輪速度差演算
手段の演算結果に基づき車両の旋回状態量を演算する旋
回状態量演算手段と、前記車輪速度差演算手段により演
算された左右車輪速度差に基づき、旋回時における旋回
内側車輪側から旋回外側車輪側への荷重移動に起因する
前記旋回内側車輪又は旋回外側車輪の半径の変化分を加
味して、前記車両の旋回状態量を補正する旋回状態量補
正手段とを備えた。
【0008】ここで、旋回状態量としては、車両のヨー
レート、横加速度等が挙げられる。
【0009】請求項1の発明によれば、旋回時における
旋回内側車輪側から旋回外側車輪側への荷重移動に起因
する車輪の半径の変化分を加味して、車両の旋回状態量
の演算値を補正するので、旋回時の荷重移動に伴い左右
車輪の半径が変化した場合に、車両の旋回状態量が実際
値からずれるのを抑制できる。その結果、車両の旋回状
態量を正確に推定することができる。
【0010】請求項1において、請求項2に示すよう
に、前記旋回状態量補正手段が、前記左右車輪速度差が
大きい程前記車両の旋回状態量の補正量を大きくするよ
うに構成されると、好ましい。旋回の程度(即ち左右車
輪速度差)が大きくなる程、荷重移動に起因する左右車
輪の半径の変化量が増し、旋回状態量の演算値の誤差が
増す。そこで、請求項2のように、左右車輪速度差が大
きい程車両の旋回状態量の補正量を大きくすると、上記
問題点を解消でき、旋回の全領域に渡って旋回状態量を
正確に推定できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。
【0012】(第1の実施形態)図1〜図10は、本発
明の第1実施形態に係る車両旋回状態量推定装置を運動
制御装置に適用した例を示すものである。
【0013】図1に示すように、車輪NL,NR,D
L,DRに夫々ホイールシリンダWfl,Wfr,Wr
l,Wrrが装着され、これらのホイールシリンダWf
l等にブレーキ液圧制御装置PCが接続されている。
尚、車輪NLは運転席からみて前方左側の従動輪、車輪
NRは前方右側の従動輪を示し、車輪DLは後方左側の
駆動側、車輪DRは後方右側の駆動輪を示している。ブ
レーキ液圧制御装置PCは図2に示すように構成されて
おり、これについては後述する。
【0014】車輪NL,NR,DL,DRには車輪速度
センサWSl乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転角速度、即
ち車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御
装置ECUに入力されるように構成されている。更に、
ブレーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレ
ーキスイッチBSが電子制御装置ECUに接続されてい
る。
【0015】電子制御装置ECUは、バスを介して相互
に接続されたプロセシングユニットCPU、メモリRO
M、RAM、入力ポートIPT及び出力ポートOPT等
から成るマイクロコンピュータMCPを備えている。上
記車輪速度センサWSl乃至WS4、ブレーキスイッチ
BSの出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポー
トIPTからプロセシングユニットCPUに入力される
ように構成されている。また、出力ポートOPTからは
駆動回路ACTを介してブレーキ液圧制御装置PCに制
御信号が出力されるように構成されている。マイクロコ
ンピュータMCPにおいては、メモリROMは図3乃至
図9に示したフローチャートを含む種々の処理に供する
プログラムを記憶し、プロセシングユニットCPUは図
示しないイグニッションスイッチが閉成されている間当
該プログラムを所定の周期(例えば6ms)で実行し、
メモリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数デー
タを一時的に記憶する。
【0016】図2はブレーキ液圧制御装置PCの一例を
示すもので、マスタシリンダMC及び液圧ブースタHB
がブレーキペダルBPの操作に応じて駆動される。液圧
ブースタHBには補助液圧源APが接続されており、こ
れらはマスタシリンダMCと共に低圧リザーバRSに接
続されている。
【0017】補助液圧源APは、液圧ポンプHP及びア
キュムレータAccを有する。液圧ポンプHPは電動モー
タMによって駆動され、低圧リザーバRSのブレーキ液
を昇圧して出力し、このブレーキ液が逆止弁CV6を介
してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。電動
モータMは、アキュムレータAcc内の液圧が所定の下限
値を下回ることに応答して駆動され、またアキュムレー
タAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して
停止する。尚、アキュムレータAccと低圧リザーバRS
との間にはリリーフバルブRVが介装されている。而し
て、アキュムレータAccから所謂パワー液圧が適宜液圧
ブースタHBに供給される。液圧ブースタHBは、補助
液圧源APの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの
出力液圧をパイロット圧として、これに比例したブース
タ液圧に調圧するもので、これによってマスタシリンダ
MCが倍力駆動される。
【0018】マスタシリンダMCと車両前方のホイール
シリンダWfr,Wflの各々を接続する前輪側の液圧
路には、電磁切換弁SA1及びSA2が介装されてお
り、これらは制御通路Pfr及びPflを介して夫々電
磁開閉弁PC1,PC5及び電磁開閉弁PC2,PC6
に接続されている。また、液圧ブースタHBとホイール
シリンダWfr等の各々を接続する液圧路には電磁開閉
弁SA3,給排制御用の電磁開閉弁PC1乃至PC8が
介装されており、後輪側には比例減圧弁PVが介装され
ている。そして、電磁開閉弁STRを介して補助液圧源
APが電磁開閉弁SA3の下流側に接続されている。図
2では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分され
た前後配管が構成されているが、所謂X配管としてもよ
い。
【0019】前輪側液圧系において、電磁開閉弁PC1
及びPC2は電磁開閉弁STRに接続されている。電磁
開閉弁STRは2ポート2位置の電磁開閉弁であり、非
作動時の閉位置では遮断状態で、作動時の開位置では電
磁開閉弁PC1及びPC2を直接アキュムレータAccに
連通する。電磁切換弁SA1及び電磁切換弁SA2は3
ポート2位置の電磁切換弁で、非作動時は図2に示す第
1位置にあってホイールシリンダWfr,Wflは何れ
もマスタシリンダMCに連通接続されているが、ソレノ
イドコイルが励磁され第2位置に切換わると、ホイール
シリンダWfr,Wflは何れもマスタシリンダMCと
の連通が遮断され、夫々電磁開閉弁PC1及びPC5、
電磁開閉弁PC2及びPC6と連通する。
【0020】これら電磁開閉弁PC1及びPC2に対し
て並列に逆止弁CV1及びCV2が接続されており、逆
止弁CV1の流入側が制御通路Pfrに、逆止弁CV2
の流入側が制御通路Pf1に夫々接続されている。逆止
弁CV1は、電磁切換弁SA1が作動位置(第2位置)
にある場合において、ブレーキペダルBPが開放された
ときには、ホイールシリンダWfrのブレーキ液圧を液
圧ブースタHBの出力へのブレーキ液の流れは許容され
るが逆方向の流れは阻止される。尚、逆止弁CV2につ
いても同様である。
【0021】次に、後輪側液圧系について説明すると、
電磁開放弁SA3は2ポート2位置の電磁開閉弁で、非
作動時には図2に示す開位置にあって、電磁開閉弁PC
3,PC4は比例減圧弁PVを介して液圧ブースタHB
と連通する。このとき、電磁開閉弁STRは閉位置とさ
れ、アキュムレータAccとの連通が遮断される。電磁開
閉弁SA3が作動時の閉位置に切換えられると、電磁開
閉弁PC3,PC4は液圧ブースタHBとの連通が遮断
され、比例減圧弁PVを介して電磁開閉弁STRに接続
され、この電磁開閉弁STRが作動時にアキュムレータ
Accと連通する。
【0022】また、電磁開閉弁PC3及びPC4に対し
て並列に逆止弁CV3及びCV4が接続されており、逆
止弁CV3の流入側がホイールシリンダWrrに、逆止
弁CV4の流入側がホイールシリンダWrlに夫々接続
されている。これらの逆止弁CV3,CV4は、ブレー
キペダルBPが開放されたときには、ホイールシリンダ
Wrr,Wrlのブレーキ液圧を液圧ブースタHBの出
力液圧の低下に迅速に追従させるために設けられたもの
で、電磁開閉弁SA3方向へのブレーキ液の流れが許容
され逆方向の流れは阻止される。更に、逆止弁CV5が
電磁開閉弁SA3に並列に設けられており、電磁開閉弁
SA3が閉位置にあるときにも、ブレーキペダルBPに
よる踏み増しが可能とされている。
【0023】上記電磁開閉弁SA1,SA2及び電磁開
閉弁SA3,STR並びに電磁開閉弁PC1乃至PC8
は前述の電磁制御装置ECUによって駆動制御され、前
後輪制動力配分制御を初めとする各種制御が行なわれ
る。
【0024】前後輪制動力配分制御は、ブレーキペダル
BP操作時において、後輪側の制動力が前輪側の制動力
に対して所定の関係になるように電磁開閉弁PC3,P
C4,PC7,PC8を開閉制御される。
【0025】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより前述の制動力配分制御
の他に、アンチスキッド制御、トラクション制御等の一
連の処理が行なわれ、イグニッションスイッチ(図示せ
ず)が開成されると図3乃至図9等のフローチャートに
対応したプログラムの実行が開始する。
【0026】図3は上述した運動制御の作動を示すもの
で、先ずステップ101にてマイクロコンピュータMC
Pが初期化され、各種の演算値がクリアされる。次にス
テップ102において、車輪速度センサWS1乃至WS
4の検出信号が読み込まれる。続いてステップ103に
進み、車輪周速度VwFR,VwFL,VwRR,VwRL がVw**=
r**・ω**として夫々演算される。ここで、r**は各車
輪の半径であり、ω**は車輪速度センサWS1乃至WS
4により検出された車輪の回転角速度である。次いで、
ステップ104にて車輪周速度VwFR,VwFL,VwRR,VwR
L が夫々微分されて車輪加速度DVwFR,DVwFL,DVwR
R,DVwRL が演算される。次いで、ステップ105にお
いて、車輪周速度に基づき車両の重心位置における推定
車体速度VsoがVso=MAX(VwFR,VwFL,VwRR,VwR
L )として演算されると共に、車両の重心位置における
前後方向の車体加速度DVsoが推定車体速度Vsoを微分
することにより演算される。次いで、ステップ106に
て、後述するように、車両のヨーレート(車両の旋回状
態量)γが推定演算される。
【0027】この後ステップ107に進み、アンチスキ
ッド制御開始条件を充足しているか否かが判定され、ア
ンチスキッド制御開始要と判定されると、ステップ10
8に進み、アンチスキッド制御に移行する。ここで、ア
ンチスキッド制御では、車両制動時に、車輪のロックを
防止するように、各車輪に付与する制動力が制御され
る。ステップ107にてアンチスキッド制御開始条件を
充足していないと判定されたときには、ステップ109
に進み前後制動力配分制御開始条件を充足しているか否
かが判定され、前後制動力配分制御開始要と判定される
とステップ110に進み、前後制動力配分制御に移行す
る。充足していなければステップ111に進みトラクシ
ョン制御開始条件を充足しているか否かが判定される。
トラクション制御開始要と判定されるとステップ112
にてトラクション制御に移行する。ここで、トラクショ
ン制御では、車両駆動時に駆動輪のスリップを防止する
ように、駆動輪に対し制動力が付与され、これらの制御
によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
【0028】次に、図3のステップ106のヨーレート
推定演算処理の詳細を図4を参照して説明する。
【0029】先ず、ステップ201において、ステップ
103で演算された前輪の車輪周速度VwFR,VwFL に基
づき、前輪周速度差(つまり従動輪周速度差)ΔVw が
ΔVw =VwFR −VwFL として演算される。
【0030】次いで、ステップ202に進み、前輪周速
度差ΔVw に基づき、ヨーレート補正係数K1 が演算さ
れる。即ち、図示するように、ヨーレート補正係数K1
は、前輪周速度差ΔVw が大きくなる程(即ち旋回状態
量が大きくなる程)小さい値に設定される。ここでは、
旋回時における旋回内側前輪側から旋回外側前輪側への
荷重移動に起因する左右前輪の半径の変化分を加味し
て、補正係数K1 が設定される。
【0031】最後に、ステップ203に進み、前輪周速
度差ΔVw 及びヨーレート補正係数K1 に基づき、ヨー
レートγがγ=K1 ・ΔVw /Trとして演算される。
尚、Trは、車両のトレッドであり、旋回内外輪間の距
離に相当する。
【0032】ところで、車両の旋回時には、旋回内側前
輪側から旋回外側前輪側への荷重移動が発生し、旋回外
側前輪の半径(例えばrFR)が直進時に比べ小さくな
り、旋回内側前輪の半径(例えばrFL)が大きくなる。
すると、車輪速度センサWS1により検出される旋回外
側前輪の回転角速度ωFRが、その半径の減少分だけ大き
くなり、車輪速度センサWS2により検出される旋回内
側前輪の回転角速度ωFLが、その半径の増加分だけ小さ
くなる。ここで、左右前輪の半径を一定として前輪周速
度VwFR ,VwFL が演算(Vw** =rF*・ωF*)される
ため、旋回外側前輪の周速度VwFR は、旋回外側前輪の
半径の減少分だけ実際の周速度よりも大きくなり、旋回
内側前輪の周速度VwFL は、旋回内側前輪の半径の増加
分だけ実際の周速度よりも小さくなる。つまり、旋回内
外前輪の周速度の演算精度が悪くなる。その結果、前輪
周速度差ΔVw が実際の前輪周速度差よりも旋回内外前
輪の半径の変化分だけ大きくなるため、車両のヨーレー
トγの演算値が実際値よりもその分だけ大きくなる。つ
まり、車両のヨーレートγの演算精度が悪くなる。
【0033】従って、本実施形態では、車両のヨーレー
トγの演算精度を良好にするため、ステップ202及び
203において、旋回内側前輪側から旋回外側前輪側へ
の荷重移動に起因する前輪の半径の変化分を加味して、
ヨーレートの演算値が小さい値に補正される。そして、
前輪速度差ΔVw が大きい程、その補正量が大きくされ
る。
【0034】次に、図3のステップ110における制動
力配分制御の詳細を図5を用いて説明する。先ず、ステ
ップ301において、制動力配分制御の開始条件を設定
するための種々の定数が設定される。続いて、ステップ
302にて、車輪の車輪速度VwFR,VwFL,VwRR,VwRL
に基づき所定の演算処理によって、夫々車輪の基準速度
VwsFR, VwsFL, VwsRR, VwsRLが演算される。例えば
車輪RRの基準速度VwsRRは、VwsRR=MED{VwRR
,VwsRR(n-1) +αup・t,VwsRR(n-1) +αDN
t}として演算される。ここで、MEDは中間値、Vws
RR(n-1) は前回の演算タイミングにおける基準速度、α
upは車輪速度VwRR の増加率の限度、αDNは車輪速度V
wRR の減少率の限度、tは演算周期を夫々意味する。
【0035】次いで、ステップ303において、前後輪
の基準速度差DVwsRR(=VwsRR−VwsFR)及びDVws
RL(=VwsRL−VwsFL)が演算される。そして、ステッ
プ304、305に進み、車輪RR,RLの制動力配分
制御モードの設定が行なわれた後、ステップ306にて
その制御モードに基づき制動力配分制御作動が行われ
る。つまり、後輪側の制動力が前輪側の制動力に対して
所定の関係になるように電磁開閉弁PC3,PC4,P
C7,PC8を開閉制御される。
【0036】次に、図5のステップ304の車輪RRに
関する制動力配分制御モード設定の詳細を図6を参照し
て説明する。尚、ステップ305の車輪RLに関する制
動力配分制御モード設定も同様に処理される。先ず、ス
テップ401において、制御中か否かが判定され、制動
力配分制御を実行中であることを示す制御中フラグがセ
ットされていない場合(0)には、ステップ402〜4
07に進み、セットされている場合(1)には、ステッ
プ408〜410に進む。
【0037】ステップ402においては、車輪RRに関
して制動力配分制御開始の可否が判定される。この開始
条件としては、例えばブレーキスイッチBSがオン状態
にあり、推定車体速度Vsoが所定速度K1 (例えば15
km/h)以上であること等であるが、詳細は後述す
る。これらの条件を充足したときには、ステップ403
にて制御開始可と判定され、制御中フラグがセット
(1)された後ステップ404に進む。尚、制御開始条
件を充足していなければ図5のルーチンに戻る。
【0038】ステップ404においては、制御基準値T
sRR及びDfRRが演算される。即ち、車輪FRの基準速
度VwsFR及び車輪RRの基準速度VwsRRに基づき、車輪
RRのスリップ率SpRRがSpRR=(VwsRR−VwsFR)
/VwsFRとして演算される。更に、この積分値ISpRR
が演算され、これらSpRR及びISpRRに基づき制御基
準値TsRRが演算される。また、制御基準値DfRRは、
前後輪の基準速度差DVwsRRの変化量であり、前回値と
今回値との差(DVwsRR(n) −DVwsRR(n-1))として
演算される。
【0039】具体的には、上記制御基準値TsRR及びD
fRRに基づき図7に示す制御マップが構成され、この制
御マップに従いステップ405にて制御モードが設定さ
れる。同図において、縦軸は制御基準値TsRR、横軸は
制御基準値DfRRを示し、X1(G)とY1(%)の交
点とX2(G)とY2(%)の交点を結ぶ線分及びX軸
に平行な線分によって2つの領域P及びDに区画されて
いる。領域Pは緩増圧モードで、領域Dは減圧モードで
あり、両領域において制御周期TbRR及び制御モード
(RR)が設定される。尚、制御周期TbRRは、例えば制
御マップ上の任意の点からX1,Y1とX2,Y2を結
ぶ線分に至る垂線の長さをLとしたとき、TbRR=Kb
−Kc・Lとして演算される(但しKb,Kcは定
数)。従って、演算された制御基準値TsRR及びDfRR
で定まる座標が図7の制御マップの領域D内であれば、
ステップ406に進み、減圧モードに設定される。一
方、制御基準値TsRR及びDfRRで定まる座標が図7の
制御マップの領域P内であれば、ステップ407に進
み、緩増圧モードに設定される。尚、制御モードに関
し、緩減圧モード及び保持モードも追加することも可能
である。
【0040】一方、ステップ401にて制御中フラグが
セットされている(1)と判定されると、ステップ40
8に進み、制御終了条件を充足しているか否かが判定さ
れる。この終了条件としては、ブレーキスイッチBSが
オフになったこと、基準加速度DVsoが所定値(−0.
25G)を上回ること等があり、これらの条件の何れか
を充足すれば制御終了可と判定され、ステップ409に
て制御中フラグがリセットされた(0)後、ステップ4
10にて通常の増圧制御が行われる。制御終了条件を充
足していなければステップ404に進み、制動力配分制
御が継続される。
【0041】図8は図6のステップ402の制動力配分
制御の開始条件判定の一例を示すものである。先ずステ
ップ501にてブレーキスイッチBSがオン状態か否か
が判定され、オンであればステップ502に進み、オフ
であれば開始条件不成立として図6のルーチンに戻る。
ステップ502においては、推定車体速度Vsoが所定速
度K1 と比較され、これ以上であればステップ503に
進み、そうでなければ開始条件不成立となる。
【0042】続いてステップ503にて、図9の斜線で
示す制動力配分制御領域内に入ったか否かが判定され
る。ここで、制動力配分制御領域は、車両加速度(つま
り車両の減速状態)DVso及びヨーレート(つまり車両
の旋回状態量)に基づき設定される。また、制御領域
は、車両減速度DVsoが小さい場合でもヨーレートが大
きい場合には、旋回内輪側から旋回外輪側への荷重移動
量が多いことを考慮して、制御開始感度を緩めるように
設定されている。このように、ステップ503では、図
3のステップ105で演算された車両加速度DVso及び
ステップ106で演算されたヨーレートγで定まる点
が、図9の制御領域内にあるか否かが判定される。制御
領域内であればステップ504に進み、そうでなければ
開始条件不成立となる。
【0043】ステップ504では、車輪RRの基準速度
VwsRRが所定の基準値(VwsFR−K3RR)と比較され、
これを下回ればステップ505に進み、開始条件を充足
するとして制御中フラグがセットされ(1)、そうでな
ければステップ506に進み、車輪RLについて同様な
判定が行われる。即ち、車輪RLの基準速度VwsRLが所
定の基準値(VwsFL−K3RL)と比較され、これを下回
ればステップ505に進み、開始条件を充足するとして
制御中フラグがセットされ(1)、そうでなければ開始
条件不成立となる。尚、K3RR,K3RLは夫々車速の関
数である。
【0044】(第2の実施形態)図10〜図12を用い
て、第2実施形態の車両旋回状態量推定装置を運動制御
装置に適用した例について説明する。以下第1実施形態
と異なる点のみを説明する。
【0045】図10に示すように、車両旋回状態量とし
て、ステップ113において車両の実横加速度Gyが推
定演算される。図11を用いてこの推定演算方法を説明
する。
【0046】先ず、ステップ201において、前輪車輪
速度差ΔVw がΔVw =VwFR −VwFL として演算され
る。次いで、ステップ204に進み、車体加速度DVso
及び前輪車輪速度差ΔVw に基づき、横加速度補正係数
K2 が演算される。即ち、図示するように、横加速度補
正係数K2 は、前輪車輪速度差ΔVw が大きくなる程
(即ち旋回状態量が大きくなる程)小さい値に設定され
る。ここでは、旋回時における旋回内側前輪側から旋回
外側前輪側への荷重移動に起因する前輪半径の変化分を
加味して、補正係数K2 が設定される。尚、この横加速
度補正係数K2 として、第1実施形態のヨーレート補正
係数K1 を用いても良い。最後に、ステップ205に進
み、前輪車輪速度差ΔVw 及び横加速度補正係数K2 に
基づき、実横加速度GyがGy=K2 ・ΔVw ・Vso/
Trとして演算される。
【0047】このようにして得られた実横加速度Gy及
び車体加速度DVsoに基づき、図12の斜線に示す制動
力配分制御領域内が否かが判定される。
【0048】尚、上記実施形態では、推定演算した車両
旋回状態量を制動力配分制御に用いているが、これに限
定されることはなく、旋回状態に基づき制御されるもの
であれば何でも適用できる。例えば少なくとも一輪に制
動力を付与することにより車両のオーバーステア及びア
ンダーステアを抑制する制動操舵制御や、サスペンショ
ンや、ヨーレートを用いて自車の位置を測定する自立型
自車位置測定装置(ナビゲーションシステム)にも適用
できる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、旋回時における旋回内
側車輪側から旋回外側車輪側への荷重移動に起因する車
輪の半径の変化分を加味して、車両の旋回状態量の演算
値を補正するので、旋回時の荷重移動に伴い左右車輪の
半径が変化した場合に、車両の旋回状態量が実際値から
ずれるのを抑制できる。その結果、車両の旋回状態量を
正確に推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る運動制御装置の全体構
成図である。
【図2】図1のブレーキ液圧制御装置の一例を示す構成
図である。
【図3】第1実施形態における運動制御の全体を示すフ
ローチャートである。
【図4】図3のヨーレート推定演算処理の詳細を示すフ
ローチャートである。
【図5】図3の制動力配分制御処理の詳細を示すフロー
チャートである。
【図6】図5の車輪RRの制動力配分制御モード設定処
理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】第1実施形態に係る車輪RRの制動力配分制御
で用いる制御マップを示すグラフである。
【図8】図6の制動力配分制御の開始条件の判定の詳細
を示すフローチャートである。
【図9】図8の開始判定で用いる第1実施形態の制御領
域を示すグラフである。
【図10】第2実施形態における運動制御の全体を示す
フローチャートである。
【図11】図10の横加速度推定演算処理の詳細を示す
フローチャートである。
【図12】第2実施形態の開始判定で用いる制御領域を
示すグラフである。
【符号の説明】
BP ブレーキペダル NR,NL,DR,DL 車輪 PC ブレーキ液圧制御装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の右側車輪の回転角速度を検出する
    右側車輪速度センサと、 前記右側車輪の半径及び前記右側車輪の回転角速度に基
    づき右側車輪の周速度を演算する右側車輪周速度演算手
    段と、 車両の左側車輪の回転角速度を検出する左側車輪速度セ
    ンサと、 前記左側車輪の半径及び前記左側車輪の回転角速度に基
    づき左側車輪の周速度を演算する左側車輪周速度演算手
    段と、 前記右側車輪の周速度と前記左側車輪の周速度の差を演
    算する車輪速度差演算手段と、 前記車輪速度差演算手段の演算結果に基づき車両の旋回
    状態量を演算する旋回状態量演算手段と、 前記車輪速度差演算手段により演算された左右車輪速度
    差に基づき、旋回時における旋回内側車輪側から旋回外
    側車輪側への荷重移動に起因する前記旋回内側車輪又は
    旋回外側車輪の半径の変化分を加味して、前記車両の旋
    回状態量を補正する旋回状態量補正手段とを備えた車両
    旋回状態量推定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記旋回状態量補正手段は、前記左右車輪速度差が大き
    い程前記車両の旋回状態量の補正量を大きくするように
    構成された車両旋回状態量推定装置。
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