JPH09164932A - 車両の運動制御装置 - Google Patents
車両の運動制御装置Info
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- JPH09164932A JPH09164932A JP34811895A JP34811895A JPH09164932A JP H09164932 A JPH09164932 A JP H09164932A JP 34811895 A JP34811895 A JP 34811895A JP 34811895 A JP34811895 A JP 34811895A JP H09164932 A JPH09164932 A JP H09164932A
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- control
- wheel
- road surface
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- Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
- Regulating Braking Force (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 運動制御中に路面摩擦係数が変化した場合に
も、運動制御作動を円滑に行ない良好な追従性を確保す
る。 【解決手段】 車両が旋回中に、車両状態判定手段DR
にて過度のオーバーステアと判定したときには、ブレー
キペダルBPの操作に起因した制動状態にあるか否かに
拘らず、運動制御手段MAによりブレーキ液圧制御装置
PCを制御し、車両に対し外向きのモーメントが生ずる
ように各車輪に制動力を付与し、過度のアンダーステア
と判定したときには内向きのモーメントが生ずるように
各車輪に制動力を付与する。路面摩擦係数推定手段CF
が推定した路面の摩擦係数の変化割合を変化割合演算手
段VRにて演算し、その演算結果に応じて各車輪に付与
する制動力が増減するように、補正制御手段ACによっ
て運動制御手段MAに対し補正制御を行なう。
も、運動制御作動を円滑に行ない良好な追従性を確保す
る。 【解決手段】 車両が旋回中に、車両状態判定手段DR
にて過度のオーバーステアと判定したときには、ブレー
キペダルBPの操作に起因した制動状態にあるか否かに
拘らず、運動制御手段MAによりブレーキ液圧制御装置
PCを制御し、車両に対し外向きのモーメントが生ずる
ように各車輪に制動力を付与し、過度のアンダーステア
と判定したときには内向きのモーメントが生ずるように
各車輪に制動力を付与する。路面摩擦係数推定手段CF
が推定した路面の摩擦係数の変化割合を変化割合演算手
段VRにて演算し、その演算結果に応じて各車輪に付与
する制動力が増減するように、補正制御手段ACによっ
て運動制御手段MAに対し補正制御を行なう。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の旋回時等におい
て、ブレーキペダルの操作に起因した制動状態にあるか
否かに拘らず各車輪に対して制動力を付与することによ
り、過度のオーバーステア及び過度のアンダーステアを
抑制制御する制動操舵制御を含み、種々の制御を行なう
車両の運動制御装置に関する。
て、ブレーキペダルの操作に起因した制動状態にあるか
否かに拘らず各車輪に対して制動力を付与することによ
り、過度のオーバーステア及び過度のアンダーステアを
抑制制御する制動操舵制御を含み、種々の制御を行なう
車両の運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、車両の運動特性、特に旋回特性を
制御する手段として、制動力の左右差制御により旋回モ
ーメントを直接制御する手段が注目され、実用に供され
つつある。例えば、特開平2−70561号公報には、
車両の横力の影響を補償する制動制御手段により車両の
安定性を維持する運動制御装置が提案されている。同装
置においては、実ヨーレイトと目標ヨーレイトの比較結
果に応じて制動制御手段により車両に対する制動力を制
御するように構成されており、例えばコーナリング時の
車両の運動に対しても確実に安定性を維持することがで
きる。
制御する手段として、制動力の左右差制御により旋回モ
ーメントを直接制御する手段が注目され、実用に供され
つつある。例えば、特開平2−70561号公報には、
車両の横力の影響を補償する制動制御手段により車両の
安定性を維持する運動制御装置が提案されている。同装
置においては、実ヨーレイトと目標ヨーレイトの比較結
果に応じて制動制御手段により車両に対する制動力を制
御するように構成されており、例えばコーナリング時の
車両の運動に対しても確実に安定性を維持することがで
きる。
【0003】一般的に、操舵特性を表す語としてオーバ
ーステアあるいはアンダーステアという語が用いられる
が、前者が過大となると、車両の旋回中に後輪の横すべ
りが大となって車両が所望の旋回半径の内側にはみ出す
状態となる。この状態を過度のオーバーステアと呼び、
前輪のコーナリングフォースCFf が後輪のコーナリン
グフォースCFr より極端に大きく(CFf >>CFr
)なったときに生ずる。例えば、図14に示すように
車両VLが旋回半径Rのカーブを旋回するときに必要な
横加速度Gy は、車両の速度をVとするとGy =V2 /
Rとして求められ、これに車両VLの質量mを乗じた値
m・Gy が、旋回半径Rを旋回するときに必要なコーナ
リングフォースの合計CFo となる(CFo =ΣCF=
m・Gy )。従って、旋回半径Rのカーブを旋回するの
に必要なコーナリングフォースの合計CFo より前輪及
び後輪のコーナリングフォースCFf ,CFr の和の方
が大となり(CFo <CFf +CFr )、且つ前輪のコ
ーナリングフォースCFf が後輪のコーナリングフォー
スCFr より極端に大きくなると(CFf >>CF
r)、車両VLの旋回半径が小さくなり、車両VLはカ
ーブの内側に回り込み、図14に示す状態となる。
ーステアあるいはアンダーステアという語が用いられる
が、前者が過大となると、車両の旋回中に後輪の横すべ
りが大となって車両が所望の旋回半径の内側にはみ出す
状態となる。この状態を過度のオーバーステアと呼び、
前輪のコーナリングフォースCFf が後輪のコーナリン
グフォースCFr より極端に大きく(CFf >>CFr
)なったときに生ずる。例えば、図14に示すように
車両VLが旋回半径Rのカーブを旋回するときに必要な
横加速度Gy は、車両の速度をVとするとGy =V2 /
Rとして求められ、これに車両VLの質量mを乗じた値
m・Gy が、旋回半径Rを旋回するときに必要なコーナ
リングフォースの合計CFo となる(CFo =ΣCF=
m・Gy )。従って、旋回半径Rのカーブを旋回するの
に必要なコーナリングフォースの合計CFo より前輪及
び後輪のコーナリングフォースCFf ,CFr の和の方
が大となり(CFo <CFf +CFr )、且つ前輪のコ
ーナリングフォースCFf が後輪のコーナリングフォー
スCFr より極端に大きくなると(CFf >>CF
r)、車両VLの旋回半径が小さくなり、車両VLはカ
ーブの内側に回り込み、図14に示す状態となる。
【0004】また、アンダーステアが過大となると、車
両の旋回中に生ずる横すべりが大となり、車両が所望の
旋回半径から外側にはみ出す状態となる。これを過度の
アンダーステアと呼び、図15に示すように前輪と後輪
のコーナリングフォースCFf ,CFr が略等しく釣り
合っているか、あるいは後輪側のコーナリングフォース
CFr の方が僅かに大きい場合(CFf <CFr )で、
旋回半径Rのカーブを旋回可能なコーナリングフォース
の合計CFo より前輪及び後輪のコーナリングフォース
CFf ,CFr の和の方が小さくなると(CFo >CF
f +CFr )、車両VLの旋回半径が大きくなり、車両
VLはカーブの外側へはみ出すこととなる。
両の旋回中に生ずる横すべりが大となり、車両が所望の
旋回半径から外側にはみ出す状態となる。これを過度の
アンダーステアと呼び、図15に示すように前輪と後輪
のコーナリングフォースCFf ,CFr が略等しく釣り
合っているか、あるいは後輪側のコーナリングフォース
CFr の方が僅かに大きい場合(CFf <CFr )で、
旋回半径Rのカーブを旋回可能なコーナリングフォース
の合計CFo より前輪及び後輪のコーナリングフォース
CFf ,CFr の和の方が小さくなると(CFo >CF
f +CFr )、車両VLの旋回半径が大きくなり、車両
VLはカーブの外側へはみ出すこととなる。
【0005】上記過度のオーバーステアは、例えば車体
横すべり角(β)と車体横すべり角速度(Dβ)に基づ
いて判定される。車両が旋回中において、過度のオーバ
ーステアと判定されたときには、例えば旋回外側の前輪
に制動力が付与され、車両に対し外向きのヨーモーメン
ト、即ち車両を旋回外側に向けるヨーモーメントが生ず
るように制御される。これをオーバーステア抑制制御と
呼び、安定性制御とも呼ばれる。
横すべり角(β)と車体横すべり角速度(Dβ)に基づ
いて判定される。車両が旋回中において、過度のオーバ
ーステアと判定されたときには、例えば旋回外側の前輪
に制動力が付与され、車両に対し外向きのヨーモーメン
ト、即ち車両を旋回外側に向けるヨーモーメントが生ず
るように制御される。これをオーバーステア抑制制御と
呼び、安定性制御とも呼ばれる。
【0006】一方、過度のアンダーステアは、例えば目
標横加速度と実横加速度との差、もしくは目標ヨーレイ
トと実ヨーレイトとの差に基づいて判定される。そし
て、上記車両VLが旋回中に過度のアンダーステアと判
定されたときには、例えば後輪駆動車の場合、旋回外側
の前輪及び後二輪に制動力が付与され、車両に対し内向
きのヨーモーメント、即ち車両を旋回内側に向けるヨー
モーメントが生ずるように制御される。これはアンダー
ステア抑制制御と呼び、コーストレース性制御とも呼ば
れる。上記オーバーステア抑制制御及びアンダーステア
抑制制御は車両の各車輪に対し、ブレーキペダルの操作
に起因した制動状態にあるか否かに拘らず各車輪に対し
て制動力を付与する、所謂制動操舵制御によって実現さ
れる。
標横加速度と実横加速度との差、もしくは目標ヨーレイ
トと実ヨーレイトとの差に基づいて判定される。そし
て、上記車両VLが旋回中に過度のアンダーステアと判
定されたときには、例えば後輪駆動車の場合、旋回外側
の前輪及び後二輪に制動力が付与され、車両に対し内向
きのヨーモーメント、即ち車両を旋回内側に向けるヨー
モーメントが生ずるように制御される。これはアンダー
ステア抑制制御と呼び、コーストレース性制御とも呼ば
れる。上記オーバーステア抑制制御及びアンダーステア
抑制制御は車両の各車輪に対し、ブレーキペダルの操作
に起因した制動状態にあるか否かに拘らず各車輪に対し
て制動力を付与する、所謂制動操舵制御によって実現さ
れる。
【0007】ところで、特開平1−145255号公報
には、アンチスキッド制御装置に関し、路面の摩擦係数
の変化を検出し、路面がその摩擦係数が低い路面から高
い路面へと変化した場合において、制動用油圧を急激に
上昇させ、これによって制動距離を短縮することを目的
とした装置が提案されている。この装置は、検出手段の
出力に応答して、低い摩擦係数の路面から高い摩擦係数
の路面に変化したことが検出されてから、予め定める時
間に制動用の油圧の増圧が急増され、これによって路面
の状態が高い摩擦係数の路面に変化した場合には、車輪
の制動力が急激に増大されるように構成されている。特
に、路面がその摩擦係数が低い路面から高い路面へ変化
する場合において、その変化量が大きいほど、路面状態
の変化に伴う車輪の加速度は大きくなることから、予め
定める時間は車輪の加速度が大きいほど長く定められる
ように構成されている。
には、アンチスキッド制御装置に関し、路面の摩擦係数
の変化を検出し、路面がその摩擦係数が低い路面から高
い路面へと変化した場合において、制動用油圧を急激に
上昇させ、これによって制動距離を短縮することを目的
とした装置が提案されている。この装置は、検出手段の
出力に応答して、低い摩擦係数の路面から高い摩擦係数
の路面に変化したことが検出されてから、予め定める時
間に制動用の油圧の増圧が急増され、これによって路面
の状態が高い摩擦係数の路面に変化した場合には、車輪
の制動力が急激に増大されるように構成されている。特
に、路面がその摩擦係数が低い路面から高い路面へ変化
する場合において、その変化量が大きいほど、路面状態
の変化に伴う車輪の加速度は大きくなることから、予め
定める時間は車輪の加速度が大きいほど長く定められる
ように構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、上記公報に
記載の装置においては、路面の摩擦係数(以下、μとい
う)の変化量が小さく所定の閾値を越えない場合、路面
μの変化が徐々に大きくなる場合、そして路面μが高μ
から低μに変化した場合の何れの場合も、特段の補正制
御が行なわれるものではない。
記載の装置においては、路面の摩擦係数(以下、μとい
う)の変化量が小さく所定の閾値を越えない場合、路面
μの変化が徐々に大きくなる場合、そして路面μが高μ
から低μに変化した場合の何れの場合も、特段の補正制
御が行なわれるものではない。
【0009】従って、前述の制動操舵制御をはじめ種々
の制御を含む車両の運動制御に適用しても、路面μの変
化に対応した最適な制御を行なうことはできない。特
に、前述のアンダーステア抑制制御及びオーバーステア
抑制制御を実現する制動操舵制御作動においては、路面
μの変化に対する制動力制御の追従性が、その制御効果
に大きく影響を及ぼすことになる。
の制御を含む車両の運動制御に適用しても、路面μの変
化に対応した最適な制御を行なうことはできない。特
に、前述のアンダーステア抑制制御及びオーバーステア
抑制制御を実現する制動操舵制御作動においては、路面
μの変化に対する制動力制御の追従性が、その制御効果
に大きく影響を及ぼすことになる。
【0010】例えば、車両旋回時の制動操舵制御中に、
低μの路面から高μの路面に移動したときには、前輪側
の横力が増大し、オーバーステア傾向が大となる。この
ため、旋回外側の前輪に付与する制動力を増大する必要
がある。また、車両が制動操舵制御中に高μの路面から
低μの路面に移動したときには、後輪側の車輪のスリッ
プ率が増大するため、後輪側の横力が減少し、オーバー
ステア傾向が大となる。これに対しては、後輪側の車輪
に付与する制動力を減少する必要がある。
低μの路面から高μの路面に移動したときには、前輪側
の横力が増大し、オーバーステア傾向が大となる。この
ため、旋回外側の前輪に付与する制動力を増大する必要
がある。また、車両が制動操舵制御中に高μの路面から
低μの路面に移動したときには、後輪側の車輪のスリッ
プ率が増大するため、後輪側の横力が減少し、オーバー
ステア傾向が大となる。これに対しては、後輪側の車輪
に付与する制動力を減少する必要がある。
【0011】そこで、本発明は少くとも制動操舵制御機
能を有する車両の運動制御装置において、運動制御中に
路面の摩擦係数が変化した場合にも、運動制御作動を円
滑に行ない良好な追従性を確保することを課題とする。
能を有する車両の運動制御装置において、運動制御中に
路面の摩擦係数が変化した場合にも、運動制御作動を円
滑に行ない良好な追従性を確保することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、図1に構成の概要を示したように、車両
前方及び後方の各車輪FR,FL,RR,RLに対し少
くともブレーキペダルBPの操作に応じて制動力を付与
するブレーキ液圧制御装置PCと、車両の運動状態を判
定する車両状態判定手段DRと、ブレーキペダルBPの
操作に起因した制動状態にあるか否かに拘らず車両状態
判定手段DRの判定結果に基づきブレーキ液圧制御装置
PCを制御し、車両が旋回中に過度のオーバーステアと
判定したときには、車両に対し外向きのモーメントが生
ずるように車両の各車輪に制動力を付与すると共に、車
両が旋回中に過度のアンダーステアと判定したときに
は、車両に対し内向きのモーメントが生ずるように車両
の各車輪に制動力を付与する運動制御手段MAを備えて
いる。そして、車両の各車輪における路面の摩擦係数を
推定する路面摩擦係数推定手段CFと、この路面摩擦係
数推定手段CFが推定した路面の摩擦係数の変化割合を
演算する変化割合演算手段VRと、この変化割合演算手
段VRの演算結果に応じて各車輪に付与する制動力が増
減するように、運動制御手段MAに対し補正制御を行な
う補正制御手段ACを備えることとしたものである。
め、本発明は、図1に構成の概要を示したように、車両
前方及び後方の各車輪FR,FL,RR,RLに対し少
くともブレーキペダルBPの操作に応じて制動力を付与
するブレーキ液圧制御装置PCと、車両の運動状態を判
定する車両状態判定手段DRと、ブレーキペダルBPの
操作に起因した制動状態にあるか否かに拘らず車両状態
判定手段DRの判定結果に基づきブレーキ液圧制御装置
PCを制御し、車両が旋回中に過度のオーバーステアと
判定したときには、車両に対し外向きのモーメントが生
ずるように車両の各車輪に制動力を付与すると共に、車
両が旋回中に過度のアンダーステアと判定したときに
は、車両に対し内向きのモーメントが生ずるように車両
の各車輪に制動力を付与する運動制御手段MAを備えて
いる。そして、車両の各車輪における路面の摩擦係数を
推定する路面摩擦係数推定手段CFと、この路面摩擦係
数推定手段CFが推定した路面の摩擦係数の変化割合を
演算する変化割合演算手段VRと、この変化割合演算手
段VRの演算結果に応じて各車輪に付与する制動力が増
減するように、運動制御手段MAに対し補正制御を行な
う補正制御手段ACを備えることとしたものである。
【0013】尚、ブレーキ液圧制御装置PCは、後述の
実施形態に示すように、ブレーキペダルBPの操作に応
じてブレーキ液圧を出力するマスタシリンダのほか、例
えば液圧ポンプ及びアキュムレータを備えた補助液圧源
を含み、ブレーキペダルBPの非操作時にも補助液圧源
からブレーキ液圧を出力するように構成することができ
る。また、運動制御手段MAとしては、少くとも車両状
態判定手段DRの判定結果に基づいて車両の各車輪に対
する目標スリップ率を設定する目標スリップ率設定手段
と、車両の各車輪の実スリップ率を測定するスリップ率
測定手段と、目標スリップ率と実スリップ率との偏差を
演算するスリップ率偏差演算手段を具備したものとし、
ブレーキ液圧制御装置PCを前記偏差に応じて制御する
ように構成することができる。
実施形態に示すように、ブレーキペダルBPの操作に応
じてブレーキ液圧を出力するマスタシリンダのほか、例
えば液圧ポンプ及びアキュムレータを備えた補助液圧源
を含み、ブレーキペダルBPの非操作時にも補助液圧源
からブレーキ液圧を出力するように構成することができ
る。また、運動制御手段MAとしては、少くとも車両状
態判定手段DRの判定結果に基づいて車両の各車輪に対
する目標スリップ率を設定する目標スリップ率設定手段
と、車両の各車輪の実スリップ率を測定するスリップ率
測定手段と、目標スリップ率と実スリップ率との偏差を
演算するスリップ率偏差演算手段を具備したものとし、
ブレーキ液圧制御装置PCを前記偏差に応じて制御する
ように構成することができる。
【0014】車両状態判定手段DRは、例えば各車輪の
車輪速度、車輪加速度、車体横加速度、ヨーレイト等を
検出し、これらの検出結果、並びに検出結果に基づいて
演算した推定車体速度、車体横すべり角等に基づき、車
両の運動状態を判定するように構成し、過度のオーバー
ステア及び過度のアンダーステアの発生を判定すること
ができる。また、路面摩擦係数推定手段CFは、車両状
態判定手段DRで得られる、例えば車両の前後方向の加
速度、即ち車体加速度と、これに垂直な方向の横加速度
に基づき、路面摩擦係数を推定するように構成すること
ができる。
車輪速度、車輪加速度、車体横加速度、ヨーレイト等を
検出し、これらの検出結果、並びに検出結果に基づいて
演算した推定車体速度、車体横すべり角等に基づき、車
両の運動状態を判定するように構成し、過度のオーバー
ステア及び過度のアンダーステアの発生を判定すること
ができる。また、路面摩擦係数推定手段CFは、車両状
態判定手段DRで得られる、例えば車両の前後方向の加
速度、即ち車体加速度と、これに垂直な方向の横加速度
に基づき、路面摩擦係数を推定するように構成すること
ができる。
【0015】補正制御手段ACは、例えば請求項2に記
載したように、変化割合演算手段VRの演算結果に応じ
てブレーキ液圧制御装置PCが所定時間急増圧又は急減
圧するように、運動制御手段MAを制御する構成とする
こともできる。
載したように、変化割合演算手段VRの演算結果に応じ
てブレーキ液圧制御装置PCが所定時間急増圧又は急減
圧するように、運動制御手段MAを制御する構成とする
こともできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施の形
態を図面を参照して説明する。図2は本発明の運動制御
装置の一実施形態を示すもので、本実施形態のエンジン
EGはスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを
備えた内燃機関で、スロットル制御装置THにおいては
アクセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバ
ルブMTのメインスロットル開度が制御される。また、
電子制御装置ECUの出力に応じて、スロットル制御装
置THのサブスロットルバルブSTが駆動されサブスロ
ットル開度が制御されると共に、燃料噴射装置FIが駆
動され燃料噴射量が制御されるように構成されている。
本実施形態のエンジンEGは変速制御装置GS及びディ
ファレンシャルギヤDFを介して車両後方の車輪RL,
RRに連結されており、所謂後輪駆動方式が構成されて
いるが、本発明における駆動方式をこれに限定するもの
ではない。
態を図面を参照して説明する。図2は本発明の運動制御
装置の一実施形態を示すもので、本実施形態のエンジン
EGはスロットル制御装置TH及び燃料噴射装置FIを
備えた内燃機関で、スロットル制御装置THにおいては
アクセルペダルAPの操作に応じてメインスロットルバ
ルブMTのメインスロットル開度が制御される。また、
電子制御装置ECUの出力に応じて、スロットル制御装
置THのサブスロットルバルブSTが駆動されサブスロ
ットル開度が制御されると共に、燃料噴射装置FIが駆
動され燃料噴射量が制御されるように構成されている。
本実施形態のエンジンEGは変速制御装置GS及びディ
ファレンシャルギヤDFを介して車両後方の車輪RL,
RRに連結されており、所謂後輪駆動方式が構成されて
いるが、本発明における駆動方式をこれに限定するもの
ではない。
【0017】次に、制動系については、車輪FL,F
R,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置PCが接続
されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の
車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方
左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施
形態では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分さ
れた前後配管が構成されているが、所謂X配管としても
よい。
R,RL,RRに夫々ホイールシリンダWfl,Wf
r,Wrl,Wrrが装着されており、これらのホイー
ルシリンダWfl等にブレーキ液圧制御装置PCが接続
されている。尚、車輪FLは運転席からみて前方左側の
車輪を示し、以下車輪FRは前方右側、車輪RLは後方
左側、車輪RRは後方右側の車輪を示しており、本実施
形態では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分さ
れた前後配管が構成されているが、所謂X配管としても
よい。
【0018】車輪FL,FR,RL,RRには車輪速度
センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブ
レーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレー
キスイッチBS、車両前方の車輪FL,FRの舵角δf
を検出する前輪舵角センサSSf、車両の横加速度を検
出する横加速度センサYG及び車両のヨーレイトを検出
するヨーレイトセンサYS等が電子制御装置ECUに接
続されている。ヨーレイトセンサYSにおいては、車両
重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速
度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出され、実ヨー
レイトγとして電子制御装置ECUに出力される。
センサWS1乃至WS4が配設され、これらが電子制御
装置ECUに接続されており、各車輪の回転速度、即ち
車輪速度に比例するパルス数のパルス信号が電子制御装
置ECUに入力されるように構成されている。更に、ブ
レーキペダルBPが踏み込まれたときオンとなるブレー
キスイッチBS、車両前方の車輪FL,FRの舵角δf
を検出する前輪舵角センサSSf、車両の横加速度を検
出する横加速度センサYG及び車両のヨーレイトを検出
するヨーレイトセンサYS等が電子制御装置ECUに接
続されている。ヨーレイトセンサYSにおいては、車両
重心を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速
度、即ちヨー角速度(ヨーレイト)が検出され、実ヨー
レイトγとして電子制御装置ECUに出力される。
【0019】尚、従動輪側の左右の車輪(本実施形態で
は車両前方の車輪FL,FR)の車輪速度差Vfd(=V
wfr −Vwfl )に基づき実ヨーレイトγを推定すること
ができるので、車輪速度センサWS1及びWS2の検出
出力を利用することとすればヨーレイトセンサYSを省
略することができる。更に、車輪RL,RR間に舵角制
御装置(図示せず)を設けることとしてもよく、これに
よれば電子制御装置ECUの出力に応じてモータ(図示
せず)によって車輪RL,RRの舵角を制御することも
できる。
は車両前方の車輪FL,FR)の車輪速度差Vfd(=V
wfr −Vwfl )に基づき実ヨーレイトγを推定すること
ができるので、車輪速度センサWS1及びWS2の検出
出力を利用することとすればヨーレイトセンサYSを省
略することができる。更に、車輪RL,RR間に舵角制
御装置(図示せず)を設けることとしてもよく、これに
よれば電子制御装置ECUの出力に応じてモータ(図示
せず)によって車輪RL,RRの舵角を制御することも
できる。
【0020】本実施形態の電子制御装置ECUは、図2
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS
1乃至WS4、ブレーキスイッチBS、前輪舵角センサ
SSf、ヨーレイトセンサYS、横加速度センサYG等
の出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポートI
PTからプロセシングユニットCPUに入力されるよう
に構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動
回路ACTを介してスロットル制御装置TH及びブレー
キ液圧制御装置PCに夫々制御信号が出力されるように
構成されている。マイクロコンピュータCMPにおいて
は、メモリROMは図5乃至図8に示したフローチャー
トを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロ
セシングユニットCPUは図示しないイグニッションス
イッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メ
モリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数データ
を一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎
に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイク
ロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続するこ
ととしてもよい。
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS
1乃至WS4、ブレーキスイッチBS、前輪舵角センサ
SSf、ヨーレイトセンサYS、横加速度センサYG等
の出力信号は増幅回路AMPを介して夫々入力ポートI
PTからプロセシングユニットCPUに入力されるよう
に構成されている。また、出力ポートOPTからは駆動
回路ACTを介してスロットル制御装置TH及びブレー
キ液圧制御装置PCに夫々制御信号が出力されるように
構成されている。マイクロコンピュータCMPにおいて
は、メモリROMは図5乃至図8に示したフローチャー
トを含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロ
セシングユニットCPUは図示しないイグニッションス
イッチが閉成されている間当該プログラムを実行し、メ
モリRAMは当該プログラムの実行に必要な変数データ
を一時的に記憶する。尚、スロットル制御等の各制御毎
に、もしくは関連する制御を適宜組合せて複数のマイク
ロコンピュータを構成し、相互間を電気的に接続するこ
ととしてもよい。
【0021】図3は本実施形態におけるブレーキ液圧制
御装置PCの一例を示すもので、マスタシリンダMC及
び液圧ブースタHBがブレーキペダルBPの操作に応じ
て駆動される。液圧ブースタHBには補助液圧源APが
接続されており、これらはマスタシリンダMCと共に低
圧リザーバRSに接続されている。
御装置PCの一例を示すもので、マスタシリンダMC及
び液圧ブースタHBがブレーキペダルBPの操作に応じ
て駆動される。液圧ブースタHBには補助液圧源APが
接続されており、これらはマスタシリンダMCと共に低
圧リザーバRSに接続されている。
【0022】補助液圧源APは、液圧ポンプHP及びア
キュムレータAccを有する。液圧ポンプHPは電動モー
タMによって駆動され、低圧リザーバRSのブレーキ液
を昇圧して出力し、このブレーキ液が逆止弁CV6を介
してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。電動
モータMは、アキュムレータAcc内の液圧が所定の下限
値を下回ることに応答して駆動され、またアキュムレー
タAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して
停止する。尚、アキュムレータAccと低圧リザーバRS
との間にはリリーフバルブRVが介装されている。而し
て、アキュムレータAccから所謂パワー液圧が適宜液圧
ブースタHBに供給される。液圧ブースタHBは、補助
液圧源APの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの
出力液圧をパイロット圧として、これに比例したブース
タ液圧に調圧するもので、これによってマスタシリンダ
MCが倍力駆動される。
キュムレータAccを有する。液圧ポンプHPは電動モー
タMによって駆動され、低圧リザーバRSのブレーキ液
を昇圧して出力し、このブレーキ液が逆止弁CV6を介
してアキュムレータAccに供給され、蓄圧される。電動
モータMは、アキュムレータAcc内の液圧が所定の下限
値を下回ることに応答して駆動され、またアキュムレー
タAcc内の液圧が所定の上限値を上回ることに応答して
停止する。尚、アキュムレータAccと低圧リザーバRS
との間にはリリーフバルブRVが介装されている。而し
て、アキュムレータAccから所謂パワー液圧が適宜液圧
ブースタHBに供給される。液圧ブースタHBは、補助
液圧源APの出力液圧を入力し、マスタシリンダMCの
出力液圧をパイロット圧として、これに比例したブース
タ液圧に調圧するもので、これによってマスタシリンダ
MCが倍力駆動される。
【0023】マスタシリンダMCと車両前方のホイール
シリンダWfr,Wflの各々を接続する前輪側の液圧
路には、電磁切換弁SA1及びSA2が介装されてお
り、これらは制御通路Pfr及びPflを介して夫々電
磁開閉弁PC1,PC5及び電磁開閉弁PC2,PC6
に接続されている。また、液圧ブースタHBとホイール
シリンダWfr等の各々を接続する液圧路には電磁開閉
弁SA3、給排制御用の電磁開閉弁PC1乃至PC8が
介装されており、後輪側には比例減圧弁PVが介装され
ている。そして、電磁開閉弁STRを介して補助液圧源
APが電磁開閉弁SA3の下流側に接続されている。図
3では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分され
た前後配管が構成されているが、所謂X配管としてもよ
い。
シリンダWfr,Wflの各々を接続する前輪側の液圧
路には、電磁切換弁SA1及びSA2が介装されてお
り、これらは制御通路Pfr及びPflを介して夫々電
磁開閉弁PC1,PC5及び電磁開閉弁PC2,PC6
に接続されている。また、液圧ブースタHBとホイール
シリンダWfr等の各々を接続する液圧路には電磁開閉
弁SA3、給排制御用の電磁開閉弁PC1乃至PC8が
介装されており、後輪側には比例減圧弁PVが介装され
ている。そして、電磁開閉弁STRを介して補助液圧源
APが電磁開閉弁SA3の下流側に接続されている。図
3では前輪の液圧制御系と後輪の液圧制御系に区分され
た前後配管が構成されているが、所謂X配管としてもよ
い。
【0024】前輪側液圧系において、電磁開閉弁PC1
及びPC2は電磁開閉弁STRに接続されている。電磁
開閉弁STRは2ポート2位置の電磁開閉弁であり、非
作動時の閉位置では遮断状態で、作動時の開位置では電
磁開閉弁PC1及びPC2を直接アキュムレータAccに
連通する。電磁切換弁SA1及び電磁切換弁SA2は3
ポート2位置の電磁切換弁で、非作動時は図3に示す第
1位置にあってホイールシリンダWfr,Wflは何れ
もマスタシリンダMCに連通接続されているが、ソレノ
イドコイルが励磁され第2位置に切換わると、ホイール
シリンダWfr,Wflは何れもマスタシリンダMCと
の連通が遮断され、夫々電磁開閉弁PC1及びPC5、
電磁開閉弁PC2及びPC6と連通する。
及びPC2は電磁開閉弁STRに接続されている。電磁
開閉弁STRは2ポート2位置の電磁開閉弁であり、非
作動時の閉位置では遮断状態で、作動時の開位置では電
磁開閉弁PC1及びPC2を直接アキュムレータAccに
連通する。電磁切換弁SA1及び電磁切換弁SA2は3
ポート2位置の電磁切換弁で、非作動時は図3に示す第
1位置にあってホイールシリンダWfr,Wflは何れ
もマスタシリンダMCに連通接続されているが、ソレノ
イドコイルが励磁され第2位置に切換わると、ホイール
シリンダWfr,Wflは何れもマスタシリンダMCと
の連通が遮断され、夫々電磁開閉弁PC1及びPC5、
電磁開閉弁PC2及びPC6と連通する。
【0025】これら電磁開閉弁PC1及びPC2に対し
て並列に逆止弁CV1及びCV2が接続されており、逆
止弁CV1の流入側が制御通路Pfrに、逆止弁CV2
の流入側が制御通路Pflに夫々接続されている。逆止
弁CV1は、電磁切換弁SA1が作動位置(第2位置)
にある場合において、ブレーキペダルBPが開放された
ときには、ホイールシリンダWfrのブレーキ液圧を液
圧ブースタHBの出力液圧の低下に迅速に追従させるた
めに設けられたもので、液圧ブースタHB方向へのブレ
ーキ液の流れは許容されるが逆方向の流れは阻止され
る。尚、逆止弁CV2についても同様である。
て並列に逆止弁CV1及びCV2が接続されており、逆
止弁CV1の流入側が制御通路Pfrに、逆止弁CV2
の流入側が制御通路Pflに夫々接続されている。逆止
弁CV1は、電磁切換弁SA1が作動位置(第2位置)
にある場合において、ブレーキペダルBPが開放された
ときには、ホイールシリンダWfrのブレーキ液圧を液
圧ブースタHBの出力液圧の低下に迅速に追従させるた
めに設けられたもので、液圧ブースタHB方向へのブレ
ーキ液の流れは許容されるが逆方向の流れは阻止され
る。尚、逆止弁CV2についても同様である。
【0026】次に、後輪側液圧系について説明すると、
電磁開閉弁SA3は2ポート2位置の電磁開閉弁で、非
作動時には図3に示す開位置にあって、電磁開閉弁PC
3,PC4は比例減圧弁PVを介して液圧ブースタHB
と連通する。このとき、電磁開閉弁STRは閉位置とさ
れ、アキュムレータAccとの連通が遮断される。電磁開
閉弁SA3が作動時の閉位置に切換えられると、電磁開
閉弁PC3,PC4は液圧ブースタHBとの連通が遮断
され、比例減圧弁PVを介して電磁開閉弁STRに接続
され、この電磁開閉弁STRが作動時にアキュムレータ
Accと連通する。
電磁開閉弁SA3は2ポート2位置の電磁開閉弁で、非
作動時には図3に示す開位置にあって、電磁開閉弁PC
3,PC4は比例減圧弁PVを介して液圧ブースタHB
と連通する。このとき、電磁開閉弁STRは閉位置とさ
れ、アキュムレータAccとの連通が遮断される。電磁開
閉弁SA3が作動時の閉位置に切換えられると、電磁開
閉弁PC3,PC4は液圧ブースタHBとの連通が遮断
され、比例減圧弁PVを介して電磁開閉弁STRに接続
され、この電磁開閉弁STRが作動時にアキュムレータ
Accと連通する。
【0027】また、電磁開閉弁PC3及びPC4に対し
て並列に逆止弁CV3及びCV4が接続されており、逆
止弁CV3の流入側がホイールシリンダWrrに、逆止
弁CV4の流入側がホイールシリンダWrlに夫々接続
されている。これらの逆止弁CV3,CV4は、ブレー
キペダルBPが開放されたときには、ホイールシリンダ
Wrr,Wrlのブレーキ液圧を液圧ブースタHBの出
力液圧の低下に迅速に追従させるために設けられたもの
で、電磁開閉弁SA3方向へのブレーキ液の流れが許容
され逆方向の流れは阻止される。更に、逆止弁CV5が
電磁開閉弁SA3に並列に設けられており、電磁開閉弁
SA3が閉位置にあるときにも、ブレーキペダルBPに
よる踏み増しが可能とされている。
て並列に逆止弁CV3及びCV4が接続されており、逆
止弁CV3の流入側がホイールシリンダWrrに、逆止
弁CV4の流入側がホイールシリンダWrlに夫々接続
されている。これらの逆止弁CV3,CV4は、ブレー
キペダルBPが開放されたときには、ホイールシリンダ
Wrr,Wrlのブレーキ液圧を液圧ブースタHBの出
力液圧の低下に迅速に追従させるために設けられたもの
で、電磁開閉弁SA3方向へのブレーキ液の流れが許容
され逆方向の流れは阻止される。更に、逆止弁CV5が
電磁開閉弁SA3に並列に設けられており、電磁開閉弁
SA3が閉位置にあるときにも、ブレーキペダルBPに
よる踏み増しが可能とされている。
【0028】上記電磁切換弁SA1,SA2及び電磁開
閉弁SA3,STR並びに電磁開閉弁PC1乃至PC8
は前述の電子制御装置ECUによって駆動制御され、前
述の制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれる。
例えば、ブレーキペダルBPが操作されていない状態で
行なわれる制動操舵制御時には、液圧ブースタHB及び
マスタシリンダMCからはブレーキ液圧が出力されない
ので、電磁切換弁SA1,SA2が第2位置とされ、電
磁開閉弁SA3が閉位置とされ、そして電磁開閉弁ST
Rが開位置とされる。これにより、補助液圧源APの出
力パワー液圧が電磁開閉弁STR並びに開状態の電磁開
閉弁PC1乃至PC8を介してホイールシリンダWfr
等に供給され得る状態となる。而して、電磁開閉弁PC
1乃至PC8が適宜開閉駆動されることによって各ホイ
ールシリンダ内のブレーキ液圧が急増圧、パルス増圧
(緩増圧)、パルス減圧(緩減圧)、急減圧、及び保持
状態とされ、前述のようにオーバーステア抑制制御及び
/又はアンダーステア抑制制御が行なわれる。
閉弁SA3,STR並びに電磁開閉弁PC1乃至PC8
は前述の電子制御装置ECUによって駆動制御され、前
述の制動操舵制御を初めとする各種制御が行なわれる。
例えば、ブレーキペダルBPが操作されていない状態で
行なわれる制動操舵制御時には、液圧ブースタHB及び
マスタシリンダMCからはブレーキ液圧が出力されない
ので、電磁切換弁SA1,SA2が第2位置とされ、電
磁開閉弁SA3が閉位置とされ、そして電磁開閉弁ST
Rが開位置とされる。これにより、補助液圧源APの出
力パワー液圧が電磁開閉弁STR並びに開状態の電磁開
閉弁PC1乃至PC8を介してホイールシリンダWfr
等に供給され得る状態となる。而して、電磁開閉弁PC
1乃至PC8が適宜開閉駆動されることによって各ホイ
ールシリンダ内のブレーキ液圧が急増圧、パルス増圧
(緩増圧)、パルス減圧(緩減圧)、急減圧、及び保持
状態とされ、前述のようにオーバーステア抑制制御及び
/又はアンダーステア抑制制御が行なわれる。
【0029】図4は前述のマイクロコンピュータCMP
の処理機能に関し、特に本実施形態に特徴的な作動を示
したブロック図で、ブロックB11では、後述する液圧
サーボ制御に供する目標スリップ率St** が設定され、
ブロックB12の液圧サーボ制御に供される。一方、ブ
ロックB13において、各車輪における路面摩擦係数が
推定演算され(この演算については後述する)、各車輪
毎の路面摩擦係数μ**が出力される。続いて、ブロック
B14に進み路面摩擦係数μ**が微分され、路面摩擦係
数μ**の時間変化率、即ち路面摩擦係数μ**の変化割合
ΔμがΔμ=dμ**/dtとして求められる。
の処理機能に関し、特に本実施形態に特徴的な作動を示
したブロック図で、ブロックB11では、後述する液圧
サーボ制御に供する目標スリップ率St** が設定され、
ブロックB12の液圧サーボ制御に供される。一方、ブ
ロックB13において、各車輪における路面摩擦係数が
推定演算され(この演算については後述する)、各車輪
毎の路面摩擦係数μ**が出力される。続いて、ブロック
B14に進み路面摩擦係数μ**が微分され、路面摩擦係
数μ**の時間変化率、即ち路面摩擦係数μ**の変化割合
ΔμがΔμ=dμ**/dtとして求められる。
【0030】そして、ブロックB15にて、路面摩擦係
数μ**の変化割合Δμに応じて液圧補正量Paが設定さ
れる。この液圧補正量Paは図4に示すように不感帯が
設定され、変化割合Δμが小さい場合には0とされる。
変化割合Δμが正のときは液圧補正量Paも正でブレー
キ液圧が増大し、変化割合Δμが負のときは補正量Pa
も負でブレーキ液圧が減少するように制御される。即
ち、ブロックB15にて設定された液圧補正量Paに基
づき、ブロックB12の液圧サーボ制御に対し増圧又は
減圧するように特定制御が行なわれる。
数μ**の変化割合Δμに応じて液圧補正量Paが設定さ
れる。この液圧補正量Paは図4に示すように不感帯が
設定され、変化割合Δμが小さい場合には0とされる。
変化割合Δμが正のときは液圧補正量Paも正でブレー
キ液圧が増大し、変化割合Δμが負のときは補正量Pa
も負でブレーキ液圧が減少するように制御される。即
ち、ブロックB15にて設定された液圧補正量Paに基
づき、ブロックB12の液圧サーボ制御に対し増圧又は
減圧するように特定制御が行なわれる。
【0031】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッショ
ンスイッチ(図示せず)が閉成されると図5乃至図8等
のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始す
る。図5は車両の運動制御作動を示すもので、先ずステ
ップ101にてマイクロコンピュータCMPが初期化さ
れ、各種の演算値がクリアされる。次にステップ102
において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信号
が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSfの検出信
号(舵角δf )、ヨーレイトセンサYSの検出信号(実
ヨーレイトγ)及び横加速度センサYGの検出信号(即
ち、実横加速度であり、Gyaで表す)が読み込まれる。
ては、電子制御装置ECUにより制動操舵制御、アンチ
スキッド制御等の一連の処理が行なわれ、イグニッショ
ンスイッチ(図示せず)が閉成されると図5乃至図8等
のフローチャートに対応したプログラムの実行が開始す
る。図5は車両の運動制御作動を示すもので、先ずステ
ップ101にてマイクロコンピュータCMPが初期化さ
れ、各種の演算値がクリアされる。次にステップ102
において、車輪速度センサWS1乃至WS4の検出信号
が読み込まれると共に、前輪舵角センサSSfの検出信
号(舵角δf )、ヨーレイトセンサYSの検出信号(実
ヨーレイトγ)及び横加速度センサYGの検出信号(即
ち、実横加速度であり、Gyaで表す)が読み込まれる。
【0032】続いてステップ103に進み、各車輪の車
輪速度Vw** (**は車輪FL,FR,RL,RR を代表して表す)
が演算され、これらの演算結果に基づきステップ104
にて車体速度が推定され、各車輪毎に推定車体速度Vso
**が求められ、更に、必要に応じ、車両旋回時の内外輪
差等に基づく誤差を低減するため正規化が行われる。即
ち、正規化推定車体速度NVso**がNVso**=Vso**
(n) −ΔVr** (n) として演算される。ここで、ΔVr*
*(n)は旋回補正用の補正係数で、例えば以下のように設
定される。即ち、補正係数ΔVr** (**は各車輪FR等を
表し、特にFWは前二輪、RWは後二輪を表す)は、車両の
旋回半径R及びγ・VsoFW(≒横加速度Gya)に基づ
き、基準とする車輪を除き各車輪毎のマップ(図示省
略)に従って設定される。例えば、ΔVrFLが基準とす
ると、これは0とされるが、ΔVrFRは内外輪差マップ
に従って設定され、ΔVrRLは内々輪差マップに従い、
ΔVrRRは外々輪差マップ及び内外輪差マップに従って
設定される。
輪速度Vw** (**は車輪FL,FR,RL,RR を代表して表す)
が演算され、これらの演算結果に基づきステップ104
にて車体速度が推定され、各車輪毎に推定車体速度Vso
**が求められ、更に、必要に応じ、車両旋回時の内外輪
差等に基づく誤差を低減するため正規化が行われる。即
ち、正規化推定車体速度NVso**がNVso**=Vso**
(n) −ΔVr** (n) として演算される。ここで、ΔVr*
*(n)は旋回補正用の補正係数で、例えば以下のように設
定される。即ち、補正係数ΔVr** (**は各車輪FR等を
表し、特にFWは前二輪、RWは後二輪を表す)は、車両の
旋回半径R及びγ・VsoFW(≒横加速度Gya)に基づ
き、基準とする車輪を除き各車輪毎のマップ(図示省
略)に従って設定される。例えば、ΔVrFLが基準とす
ると、これは0とされるが、ΔVrFRは内外輪差マップ
に従って設定され、ΔVrRLは内々輪差マップに従い、
ΔVrRRは外々輪差マップ及び内外輪差マップに従って
設定される。
【0033】そして、ステップ105において、上記ス
テップ104で求められた推定車体速度Vso(=MAX
[Vw**])が微分されて前後方向の車体加速度DVso
が求められると共に、この車体加速度DVsoと横加速度
センサYGの検出信号の実横加速度Gyaに基づき、各車
輪に対する路面摩擦係数μが近似的に(DVso2 +Gya
2)1/2 として求められる。この路面摩擦係数μの値と各
車輪のホイールシリンダ液圧Pw**の推定値に基づいて
各車輪の路面摩擦係数μ**が決定される。尚、路面摩擦
係数を検出する手段としてはこれに限るものではなく、
直接路面摩擦係数を検出するセンサ等、種々の手段を用
いることができる。
テップ104で求められた推定車体速度Vso(=MAX
[Vw**])が微分されて前後方向の車体加速度DVso
が求められると共に、この車体加速度DVsoと横加速度
センサYGの検出信号の実横加速度Gyaに基づき、各車
輪に対する路面摩擦係数μが近似的に(DVso2 +Gya
2)1/2 として求められる。この路面摩擦係数μの値と各
車輪のホイールシリンダ液圧Pw**の推定値に基づいて
各車輪の路面摩擦係数μ**が決定される。尚、路面摩擦
係数を検出する手段としてはこれに限るものではなく、
直接路面摩擦係数を検出するセンサ等、種々の手段を用
いることができる。
【0034】また、ステップ105においては、上記ス
テップ103及び104で求められた各車輪の車輪速度
Vw** と推定車体速度Vso(あるいは、正規化推定車体
速度NVso**)に基づき各車輪の車輪スリップ率Sa**
(以下、実スリップ率Sa**という)がSa** =(Vso
−Vw** )/Vsoとして求められる。
テップ103及び104で求められた各車輪の車輪速度
Vw** と推定車体速度Vso(あるいは、正規化推定車体
速度NVso**)に基づき各車輪の車輪スリップ率Sa**
(以下、実スリップ率Sa**という)がSa** =(Vso
−Vw** )/Vsoとして求められる。
【0035】次に、ステップ106にて初期特定制御が
行なわれた後、ステップ107に進み制動操舵制御モー
ドとされ、後述するように制動操舵制御に供する目標ス
リップ率が設定され、後述のステップ114の液圧サー
ボ制御により、車両の運転状態に応じてブレーキ液圧制
御装置PCが制御され各車輪に対する制動力が制御され
る。この制動操舵制御は、後述する全ての制御モードに
おける制御に対し重畳される。尚、ステップ106にお
ける初期特定制御は制動操舵制御開始前に行なわれ、後
段のトラクション制における初期特定制御は制動操舵制
御開始前に行なわれ、後段のトラクション制御開始前に
も行なわれるが、アンチスキッド制御が開始するときに
は直ちに終了とされる。この後ステップ108に進み、
アンチスキッド制御開始条件を充足しているか否かが判
定され、開始条件を充足し制動操舵時にアンチスキッド
制御開始と判定されると、初期特定制御は直ちに終了し
ステップ109にて制動操舵制御及びアンチスキッド制
御の両制御を行なうための制御モードに設定される。
行なわれた後、ステップ107に進み制動操舵制御モー
ドとされ、後述するように制動操舵制御に供する目標ス
リップ率が設定され、後述のステップ114の液圧サー
ボ制御により、車両の運転状態に応じてブレーキ液圧制
御装置PCが制御され各車輪に対する制動力が制御され
る。この制動操舵制御は、後述する全ての制御モードに
おける制御に対し重畳される。尚、ステップ106にお
ける初期特定制御は制動操舵制御開始前に行なわれ、後
段のトラクション制における初期特定制御は制動操舵制
御開始前に行なわれ、後段のトラクション制御開始前に
も行なわれるが、アンチスキッド制御が開始するときに
は直ちに終了とされる。この後ステップ108に進み、
アンチスキッド制御開始条件を充足しているか否かが判
定され、開始条件を充足し制動操舵時にアンチスキッド
制御開始と判定されると、初期特定制御は直ちに終了し
ステップ109にて制動操舵制御及びアンチスキッド制
御の両制御を行なうための制御モードに設定される。
【0036】ステップ108にてアンチスキッド制御開
始条件を充足していないと判定されたときには、ステッ
プ110に進み前後制動力配分制御開始条件を充足して
いるか否かが判定され、制動操舵制御時に前後制動力配
分制御開始と判定されるとステップ111に進み、制動
操舵制御及び前後制動力配分制御の両制御を行なうため
の制御モードに設定され、充足していなければステップ
112に進みトラクション制御開始条件を充足している
か否かが判定される。制動操舵制御時にトラクション制
御開始と判定されるとステップ113にて制動操舵制御
及びトラクション制御の両制御を行なうための制御モー
ドに設定され、制動操舵制御時に何れの制御も開始と判
定されていないときには、ステップ114にて制動操舵
制御のみを行なう制御モードに設定される。そして、こ
れらの制御モードに基づきステップ115にて液圧サー
ボ制御が行なわれ、ステップ116にて終了特定制御が
行なわれた後にステップ102に戻る。尚、ステップ1
09,111,113,114に基づき、必要に応じ、
車両の運転状態に応じてスロットル制御装置THのサブ
スロットル開度が調整されエンジンEGの出力が低減さ
れ、駆動力が制限される。
始条件を充足していないと判定されたときには、ステッ
プ110に進み前後制動力配分制御開始条件を充足して
いるか否かが判定され、制動操舵制御時に前後制動力配
分制御開始と判定されるとステップ111に進み、制動
操舵制御及び前後制動力配分制御の両制御を行なうため
の制御モードに設定され、充足していなければステップ
112に進みトラクション制御開始条件を充足している
か否かが判定される。制動操舵制御時にトラクション制
御開始と判定されるとステップ113にて制動操舵制御
及びトラクション制御の両制御を行なうための制御モー
ドに設定され、制動操舵制御時に何れの制御も開始と判
定されていないときには、ステップ114にて制動操舵
制御のみを行なう制御モードに設定される。そして、こ
れらの制御モードに基づきステップ115にて液圧サー
ボ制御が行なわれ、ステップ116にて終了特定制御が
行なわれた後にステップ102に戻る。尚、ステップ1
09,111,113,114に基づき、必要に応じ、
車両の運転状態に応じてスロットル制御装置THのサブ
スロットル開度が調整されエンジンEGの出力が低減さ
れ、駆動力が制限される。
【0037】尚、上記アンチスキッド制御モードにおい
ては、車両制動時に、車輪のロックを防止するように、
各車輪に付与する制動力が制御される。また、前後制動
力配分制御モードにおいては、車両の制動時に車両の安
定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に
付与する制動力に対する配分が制御される。そして、ト
ラクション制御モードにおいては、車両駆動時に駆動輪
のスリップを防止するように、駆動輪に対し制動力が付
与されると共にスロットル制御が行なわれ、これらの制
御によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
ては、車両制動時に、車輪のロックを防止するように、
各車輪に付与する制動力が制御される。また、前後制動
力配分制御モードにおいては、車両の制動時に車両の安
定性を維持するように、後輪に付与する制動力の前輪に
付与する制動力に対する配分が制御される。そして、ト
ラクション制御モードにおいては、車両駆動時に駆動輪
のスリップを防止するように、駆動輪に対し制動力が付
与されると共にスロットル制御が行なわれ、これらの制
御によって駆動輪に対する駆動力が制御される。
【0038】図6は図5のステップ107における制動
操舵制御に供する目標スリップ率の設定の具体的処理内
容を示すもので、制動操舵制御にはオーバーステア抑制
制御及びアンダーステア抑制制御が含まれ、各車輪に関
しオーバーステア抑制制御及び/又はアンダーステア抑
制制御に応じた目標スリップ率が設定される。先ず、ス
テップ201,202においてオーバーステア抑制制御
及びアンダーステア抑制制御の開始・終了判定が行なわ
れる。
操舵制御に供する目標スリップ率の設定の具体的処理内
容を示すもので、制動操舵制御にはオーバーステア抑制
制御及びアンダーステア抑制制御が含まれ、各車輪に関
しオーバーステア抑制制御及び/又はアンダーステア抑
制制御に応じた目標スリップ率が設定される。先ず、ス
テップ201,202においてオーバーステア抑制制御
及びアンダーステア抑制制御の開始・終了判定が行なわ
れる。
【0039】ステップ201で行なわれるオーバーステ
ア抑制制御の開始・終了判定は、図9に斜線で示す制御
領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、判定時
における車体横すべり角βと車体横すべり角速度Dβの
値に応じて制御領域に入ればオーバーステア抑制制御が
開始され、制御領域を脱すればオーバーステア抑制制御
が終了とされ、図9に矢印の曲線で示したように制御さ
れる。そして、後述するように、制御領域と非制御領域
の境界(図9に二点鎖線で示す)から制御領域側に外れ
るに従って制御量が大となるように各車輪の制動力が制
御される。
ア抑制制御の開始・終了判定は、図9に斜線で示す制御
領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即ち、判定時
における車体横すべり角βと車体横すべり角速度Dβの
値に応じて制御領域に入ればオーバーステア抑制制御が
開始され、制御領域を脱すればオーバーステア抑制制御
が終了とされ、図9に矢印の曲線で示したように制御さ
れる。そして、後述するように、制御領域と非制御領域
の境界(図9に二点鎖線で示す)から制御領域側に外れ
るに従って制御量が大となるように各車輪の制動力が制
御される。
【0040】一方、ステップ202で行なわれるアンダ
ーステア抑制制御の開始・終了判定は、図10に斜線で
示す制御領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即
ち、判定時において目標横加速度Gytに対する実横加速
度Gyaの変化に応じて、一点鎖線で示す理想状態から外
れて制御領域に入ればアンダーステア抑制制御が開始さ
れ、制御領域を脱すればアンダーステア抑制制御が終了
とされ、図10に矢印の曲線で示したように制御され
る。
ーステア抑制制御の開始・終了判定は、図10に斜線で
示す制御領域にあるか否かに基づいて行なわれる。即
ち、判定時において目標横加速度Gytに対する実横加速
度Gyaの変化に応じて、一点鎖線で示す理想状態から外
れて制御領域に入ればアンダーステア抑制制御が開始さ
れ、制御領域を脱すればアンダーステア抑制制御が終了
とされ、図10に矢印の曲線で示したように制御され
る。
【0041】続いて、ステップ203にてオーバーステ
ア抑制制御が制御中か否かが判定され、制御中でなけれ
ばステップ204にてアンダーステア抑制制御が制御中
か否かが判定され、これも制御中でなければそのままメ
インルーチンに戻る。ステップ204にてアンダーステ
ア抑制制御と判定されたときにはステップ205に進
み、各車輪の目標スリップ率が後述するアンダーステア
抑制制御用に設定される。ステップ203にてオーバー
ステア抑制制御と判定されると、ステップ206に進み
アンダーステア抑制制御か否かが判定され、アンダース
テア抑制制御でなければステップ207において各車輪
の目標スリップ率は後述するオーバーステア抑制制御用
に設定される。ステップ206でアンダーステア抑制制
御が制御中と判定されると、オーバーステア抑制制御と
アンダーステア抑制制御が同時に行なわれることにな
り、ステップ208にて同時制御用の目標スリップ率が
設定される。
ア抑制制御が制御中か否かが判定され、制御中でなけれ
ばステップ204にてアンダーステア抑制制御が制御中
か否かが判定され、これも制御中でなければそのままメ
インルーチンに戻る。ステップ204にてアンダーステ
ア抑制制御と判定されたときにはステップ205に進
み、各車輪の目標スリップ率が後述するアンダーステア
抑制制御用に設定される。ステップ203にてオーバー
ステア抑制制御と判定されると、ステップ206に進み
アンダーステア抑制制御か否かが判定され、アンダース
テア抑制制御でなければステップ207において各車輪
の目標スリップ率は後述するオーバーステア抑制制御用
に設定される。ステップ206でアンダーステア抑制制
御が制御中と判定されると、オーバーステア抑制制御と
アンダーステア抑制制御が同時に行なわれることにな
り、ステップ208にて同時制御用の目標スリップ率が
設定される。
【0042】まず、ステップ207におけるオーバース
テア抑制制御用の目標スリップ率の設定には、車体横す
べり角βと車体横すべり角速度Dβが用いられる。尚、
車体横すべり角βは、車両の進行方向に対する車体のす
べりを角度で表したもので、次のように演算し推定する
ことができる。即ち、車体横すべり角速度Dβは車体横
すべり角βの微分値dβ/dtであり、Dβ=Gy /V
so−γとして求めることができ、これを積分しβ=∫
(Gy /Vso−γ)dtとして車体横すべり角βを求め
ることができる。尚、Gy は車両の横加速度、Vsoは推
定車体速度、γはヨーレイトを表す。あるいは、進行方
向の車速Vx とこれに垂直な横方向の車速Vy の比に基
づき、β=tan-1(Vy /Vx )として求めることも
できる。
テア抑制制御用の目標スリップ率の設定には、車体横す
べり角βと車体横すべり角速度Dβが用いられる。尚、
車体横すべり角βは、車両の進行方向に対する車体のす
べりを角度で表したもので、次のように演算し推定する
ことができる。即ち、車体横すべり角速度Dβは車体横
すべり角βの微分値dβ/dtであり、Dβ=Gy /V
so−γとして求めることができ、これを積分しβ=∫
(Gy /Vso−γ)dtとして車体横すべり角βを求め
ることができる。尚、Gy は車両の横加速度、Vsoは推
定車体速度、γはヨーレイトを表す。あるいは、進行方
向の車速Vx とこれに垂直な横方向の車速Vy の比に基
づき、β=tan-1(Vy /Vx )として求めることも
できる。
【0043】また、アンダーステア抑制制御における目
標スリップ率の設定には、目標横加速度Gytと実横加速
度Gyaとの差が用いられる。この目標横加速度GytはG
yt=γ(θf)・Vsoに基づいて求められる。ここで、
γ(θf)はγ(θf)=(θf/N・L)・Vso/
(1+Kh ・Vso2 )として求められ、Kh はスタビリ
ティファクタ、Nはステアリングギヤレシオ、Lはホイ
ールベースを表す。
標スリップ率の設定には、目標横加速度Gytと実横加速
度Gyaとの差が用いられる。この目標横加速度GytはG
yt=γ(θf)・Vsoに基づいて求められる。ここで、
γ(θf)はγ(θf)=(θf/N・L)・Vso/
(1+Kh ・Vso2 )として求められ、Kh はスタビリ
ティファクタ、Nはステアリングギヤレシオ、Lはホイ
ールベースを表す。
【0044】ステップ205における各車輪の目標スリ
ップ率は、旋回外側の前輪がStufoに設定され、旋回外
側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の後輪がSturi
に設定される。ここで示したスリップ率(S)の符号に
ついては "t"は「目標」を表し、後述の「実測」を表す
"a"と対比される。 "u"は「アンダーステア抑制制御」
を表し、 "r"は「後輪」を表し、 "o"は「外側」を、 "
i"は「内側」を夫々表す。
ップ率は、旋回外側の前輪がStufoに設定され、旋回外
側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の後輪がSturi
に設定される。ここで示したスリップ率(S)の符号に
ついては "t"は「目標」を表し、後述の「実測」を表す
"a"と対比される。 "u"は「アンダーステア抑制制御」
を表し、 "r"は「後輪」を表し、 "o"は「外側」を、 "
i"は「内側」を夫々表す。
【0045】ステップ207における各車輪の目標スリ
ップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定され、旋回外
側の後輪がSteroに設定され、旋回内側の後輪がSteri
に設定される。ここで、 "e"は「オーバーステア抑制制
御」を表す。
ップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定され、旋回外
側の後輪がSteroに設定され、旋回内側の後輪がSteri
に設定される。ここで、 "e"は「オーバーステア抑制制
御」を表す。
【0046】そして、ステップ208においては、各車
輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定
され、旋回外側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の
後輪がSturiに夫々設定される。即ち、オーバーステア
抑制制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれる
ときには、旋回外側の前輪はオーバーステア抑制制御の
目標スリップ率と同様に設定され、後輪は何れもアンダ
ーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定され
る。尚、何れの場合も旋回内側の前輪(即ち、後輪駆動
車における従動輪)は推定車体速度設定用のため非制御
とされている。
輪の目標スリップ率は、旋回外側の前輪がStefoに設定
され、旋回外側の後輪がSturoに設定され、旋回内側の
後輪がSturiに夫々設定される。即ち、オーバーステア
抑制制御とアンダーステア抑制制御が同時に行なわれる
ときには、旋回外側の前輪はオーバーステア抑制制御の
目標スリップ率と同様に設定され、後輪は何れもアンダ
ーステア抑制制御の目標スリップ率と同様に設定され
る。尚、何れの場合も旋回内側の前輪(即ち、後輪駆動
車における従動輪)は推定車体速度設定用のため非制御
とされている。
【0047】オーバーステア抑制制御に供する旋回外側
前輪の目標スリップ率Stefoは、Stefo=K1 ・β+K
2 ・Dβとして設定され、旋回外側後輪の目標スリップ
率SteroはStero=K3 ・β+K4 ・Dβとして設定さ
れ、目標スリップ率SteriはSteri=K5 ・β+K6 ・
Dβとして設定される。ここで、K1 乃至K6 は定数
で、旋回外側の車輪に対する目標スリップ率Stefo及び
Steroは、加圧方向(制動力を増大する方向)の制御を
行なう値に設定される。これに対し、旋回内側の車輪に
対する目標スリップ率Steriは、減圧方向(制動力を低
減する方向)の制御を行なう値に設定される。
前輪の目標スリップ率Stefoは、Stefo=K1 ・β+K
2 ・Dβとして設定され、旋回外側後輪の目標スリップ
率SteroはStero=K3 ・β+K4 ・Dβとして設定さ
れ、目標スリップ率SteriはSteri=K5 ・β+K6 ・
Dβとして設定される。ここで、K1 乃至K6 は定数
で、旋回外側の車輪に対する目標スリップ率Stefo及び
Steroは、加圧方向(制動力を増大する方向)の制御を
行なう値に設定される。これに対し、旋回内側の車輪に
対する目標スリップ率Steriは、減圧方向(制動力を低
減する方向)の制御を行なう値に設定される。
【0048】一方、アンダーステア抑制制御に供する目
標スリップ率は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaの
偏差ΔGy に基づいて以下のように設定される。即ち、
旋回外側の前輪に対する目標スリップ率StefoはK7 ・
ΔGy と設定され、定数K7は加圧方向(もしくは減圧
方向)の制御を行なう値に設定される。また、後輪に対
する目標スリップ率Sturo及びSturiは夫々K8 ・ΔG
y 及びK9 ・ΔGy に設定され、定数K8 ,K9 は何れ
も加圧方向の制御を行なう値に設定される。
標スリップ率は、目標横加速度Gytと実横加速度Gyaの
偏差ΔGy に基づいて以下のように設定される。即ち、
旋回外側の前輪に対する目標スリップ率StefoはK7 ・
ΔGy と設定され、定数K7は加圧方向(もしくは減圧
方向)の制御を行なう値に設定される。また、後輪に対
する目標スリップ率Sturo及びSturiは夫々K8 ・ΔG
y 及びK9 ・ΔGy に設定され、定数K8 ,K9 は何れ
も加圧方向の制御を行なう値に設定される。
【0049】図7及び図8は図5のステップ115で行
なわれる液圧サーボ制御の処理内容を示すもので、各車
輪についてホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ制
御が行なわれる。先ず、前述のステップ205、207
又は208にて設定された目標スリップ率St** がステ
ップ401にて読み出され、これらがそのまま各車輪の
目標スリップ率St** として読み出される。次に、ステ
ップ402に進みアンチスキッド制御中か否かが判定さ
れ、そうであればステップ403にて目標スリップ率S
t** にアンチスキッド用のスリップ率補正量ΔSs** が
加算されて、目標スリップ率St** が更新される。アン
チスキッド制御中でなければ、ステップ404に進み前
後制動力配分制御中か否かが判定される。ステップ40
4で前後制動力配分制御中と判定されると、ステップ4
05にて、目標スリップ率St**にスリップ率補正量Δ
Sb** が加算されて更新され、そうでなければステップ
406に進む。ステップ406ではトラクション制御中
か否かが判定され、そうであればステップ407にて目
標スリップ率St** にスリップ率補正量ΔSr** が加算
されて更新される。ステップ403,405及び407
で目標スリップ率St** が更新された後、あるいはステ
ップ406にてトラクション制御中でもないと判定され
たときにはそのままで、ステップ408に進み各車輪毎
にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステッ
プ409にて車体加速度偏差ΔDVso**が演算される。
なわれる液圧サーボ制御の処理内容を示すもので、各車
輪についてホイールシリンダ液圧のスリップ率サーボ制
御が行なわれる。先ず、前述のステップ205、207
又は208にて設定された目標スリップ率St** がステ
ップ401にて読み出され、これらがそのまま各車輪の
目標スリップ率St** として読み出される。次に、ステ
ップ402に進みアンチスキッド制御中か否かが判定さ
れ、そうであればステップ403にて目標スリップ率S
t** にアンチスキッド用のスリップ率補正量ΔSs** が
加算されて、目標スリップ率St** が更新される。アン
チスキッド制御中でなければ、ステップ404に進み前
後制動力配分制御中か否かが判定される。ステップ40
4で前後制動力配分制御中と判定されると、ステップ4
05にて、目標スリップ率St**にスリップ率補正量Δ
Sb** が加算されて更新され、そうでなければステップ
406に進む。ステップ406ではトラクション制御中
か否かが判定され、そうであればステップ407にて目
標スリップ率St** にスリップ率補正量ΔSr** が加算
されて更新される。ステップ403,405及び407
で目標スリップ率St** が更新された後、あるいはステ
ップ406にてトラクション制御中でもないと判定され
たときにはそのままで、ステップ408に進み各車輪毎
にスリップ率偏差ΔSt** が演算されると共に、ステッ
プ409にて車体加速度偏差ΔDVso**が演算される。
【0050】上記ステップ408においては、各車輪の
目標スリップ率St** と実スリップ率Sa** の差が演算
されスリップ率偏差ΔSt** が求められる(ΔSt** =
St** −Sa** )。また、ステップ409においては基
準車輪(非制御対象の車輪)と制御対象の車輪における
車体加速度DVso**の差が演算され、車体加速度偏差Δ
DVso**が求められる。このときの各車輪の実スリップ
率Sa** 及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチスキッ
ド制御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算
が異なるが、これらについては説明を省略する。
目標スリップ率St** と実スリップ率Sa** の差が演算
されスリップ率偏差ΔSt** が求められる(ΔSt** =
St** −Sa** )。また、ステップ409においては基
準車輪(非制御対象の車輪)と制御対象の車輪における
車体加速度DVso**の差が演算され、車体加速度偏差Δ
DVso**が求められる。このときの各車輪の実スリップ
率Sa** 及び車体加速度偏差ΔDVso**はアンチスキッ
ド制御、トラクション制御等の制御モードに応じて演算
が異なるが、これらについては説明を省略する。
【0051】続いて、ステップ410に進みスリップ率
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ411にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
* |が所定値Ka を下回るときにはステップ412にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次に、図8のステップ413乃至416において、
スリップ率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下
限値Kc 以上の値に制限され、上限値Kbを超えるとき
はKb に設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設
定された後、ステップ417に進む。
偏差ΔSt** が所定値Ka と比較され、所定値Ka 以上
であればステップ411にてスリップ率偏差ΔSt** の
積分値が更新される。即ち、今回のスリップ率偏差ΔS
t** にゲインGI** を乗じた値が前回のスリップ率偏差
積分値IΔSt** に加算され、今回のスリップ率偏差積
分値IΔSt** が求められる。スリップ率偏差|ΔSt*
* |が所定値Ka を下回るときにはステップ412にて
スリップ率偏差積分値IΔSt** はクリア(0)され
る。次に、図8のステップ413乃至416において、
スリップ率偏差積分値IΔSt** が上限値Kb 以下で下
限値Kc 以上の値に制限され、上限値Kbを超えるとき
はKb に設定され、下限値Kc を下回るときはKc に設
定された後、ステップ417に進む。
【0052】ステップ417においては、各制御モード
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角βに
応じて図12に実線で示すように設定される。また、ス
テップ418において、ブレーキ液圧制御に供する別の
パラメータX**がGd** ・ΔDVso**として演算され
る。このときのゲインGd** は図12に破線で示すよう
に一定の値である。
におけるブレーキ液圧制御に供する一つのパラメータY
**がGs** ・(ΔSt** +IΔSt** )として演算され
る。ここでGs** はゲインであり、車体横すべり角βに
応じて図12に実線で示すように設定される。また、ス
テップ418において、ブレーキ液圧制御に供する別の
パラメータX**がGd** ・ΔDVso**として演算され
る。このときのゲインGd** は図12に破線で示すよう
に一定の値である。
【0053】この後、ステップ419に進み、各車輪毎
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図11に示す
制御マップに従って液圧制御モードが設定される。図1
1においては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領
域、パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定され
ており、ステップ419にてパラメータX**及びY**の
値に応じて、何れの領域に該当するかが判定される。
尚、非制御状態では液圧制御モードは設定されない(ソ
レノイドオフ)。
に、上記パラメータX**,Y**に基づき、図11に示す
制御マップに従って液圧制御モードが設定される。図1
1においては予め急減圧領域、パルス減圧領域、保持領
域、パルス増圧領域及び急増圧領域の各領域が設定され
ており、ステップ419にてパラメータX**及びY**の
値に応じて、何れの領域に該当するかが判定される。
尚、非制御状態では液圧制御モードは設定されない(ソ
レノイドオフ)。
【0054】ステップ419にて今回判定された領域
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ420において増減圧補償処理が行われる。例えば急
減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、急
増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モードの
持続時間に基づいて決定される。
が、前回判定された領域に対し、増圧から減圧もしくは
減圧から増圧に切換わる場合には、ブレーキ液圧の立下
りもしくは立上りを円滑にする必要があるので、ステッ
プ420において増減圧補償処理が行われる。例えば急
減圧モードからパルス増圧モードに切換るときには、急
増圧制御が行なわれ、その時間は直前の急減圧モードの
持続時間に基づいて決定される。
【0055】更に、ステップ421において、前述の図
4に示したように増減圧特定制御が行なわれる。即ち、
図5のステップ105で演算された各車輪における路面
摩擦係数μ**の変化割合Δμに応じて液圧補正量Paが
設定され、ステップ419で設定された液圧制御モード
に対し補正処理が行なわれる。例えば車両の前輪が低μ
の路面から高μの路面に移動したときには、車輪スリッ
プ率が減少し、横力が増大することになるが、路面摩擦
係数μ**の変化割合Δμに応じた液圧補正量Paが加算
され、ブレーキ液圧が増大する。これに対し、車両の後
輪が高μの路面から低μの路面に移動したときには、車
輪スリップ率が増大し、横力が減少することになるが、
路面摩擦係数μ**の変化割合Δμに応じた液圧補正量P
aが減算され、ブレーキ液圧が減少する。
4に示したように増減圧特定制御が行なわれる。即ち、
図5のステップ105で演算された各車輪における路面
摩擦係数μ**の変化割合Δμに応じて液圧補正量Paが
設定され、ステップ419で設定された液圧制御モード
に対し補正処理が行なわれる。例えば車両の前輪が低μ
の路面から高μの路面に移動したときには、車輪スリッ
プ率が減少し、横力が増大することになるが、路面摩擦
係数μ**の変化割合Δμに応じた液圧補正量Paが加算
され、ブレーキ液圧が増大する。これに対し、車両の後
輪が高μの路面から低μの路面に移動したときには、車
輪スリップ率が増大し、横力が減少することになるが、
路面摩擦係数μ**の変化割合Δμに応じた液圧補正量P
aが減算され、ブレーキ液圧が減少する。
【0056】尚、上記の補正処理に代えて、路面摩擦係
数μ**の変化割合Δμに応じて所定時間急増圧モード又
は急減圧モードに設定するように構成してもよい。そし
て、ステップ422にて上記液圧制御モード、並びにス
テップ417,420及び421の処理に応じて、ブレ
ーキ液圧制御装置PCを構成する各電磁弁のソレノイド
が駆動され、各車輪の制動力が制御される。
数μ**の変化割合Δμに応じて所定時間急増圧モード又
は急減圧モードに設定するように構成してもよい。そし
て、ステップ422にて上記液圧制御モード、並びにス
テップ417,420及び421の処理に応じて、ブレ
ーキ液圧制御装置PCを構成する各電磁弁のソレノイド
が駆動され、各車輪の制動力が制御される。
【0057】以上のように、本実施形態の制動操舵制御
においては、ブレーキペダルBPの操作に起因した制動
状態にあるか否かに拘らず各車輪に対し制動力が付与さ
れ、オーバーステア抑制制御及び/又はアンダーステア
抑制制御が行なわれ、もちろんブレーキペダルBPが操
作されて制動状態にある場合でも同様に制動操舵制御が
行なわれる。また、本実施形態ではスリップ率によって
制御することとしているが、オーバーステア抑制制御及
びアンダーステア抑制制御の制御目標としてはスリップ
率のほか、各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧
等、各車輪に付与される制動力に対応する目標値であれ
ばどのような値を用いてもよい。更に、本発明は後輪駆
動車に限ることなく、前輪駆動車又は四輪駆動車にも適
用することができる。四輪駆動車の場合には全ての車輪
が制御対象となり、車輪速度センサでは車体速度を検出
することができなくなるので別途センサを設ける必要が
ある。
においては、ブレーキペダルBPの操作に起因した制動
状態にあるか否かに拘らず各車輪に対し制動力が付与さ
れ、オーバーステア抑制制御及び/又はアンダーステア
抑制制御が行なわれ、もちろんブレーキペダルBPが操
作されて制動状態にある場合でも同様に制動操舵制御が
行なわれる。また、本実施形態ではスリップ率によって
制御することとしているが、オーバーステア抑制制御及
びアンダーステア抑制制御の制御目標としてはスリップ
率のほか、各車輪のホイールシリンダのブレーキ液圧
等、各車輪に付与される制動力に対応する目標値であれ
ばどのような値を用いてもよい。更に、本発明は後輪駆
動車に限ることなく、前輪駆動車又は四輪駆動車にも適
用することができる。四輪駆動車の場合には全ての車輪
が制御対象となり、車輪速度センサでは車体速度を検出
することができなくなるので別途センサを設ける必要が
ある。
【0058】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両の運動制御
装置においては、路面摩擦係数推定手段が推定した路面
の摩擦係数の変化割合を、変化割合演算手段によって演
算し、この変化割合演算手段の演算結果に応じて、各車
輪に付与する制動力が増減するように、補正制御手段が
運動制御手段に対し補正制御を行なうこととしているの
で、運動制御中に路面の摩擦係数が変化した場合でも、
運動制御作動を円滑に行なうことができ、路面の摩擦係
数の変化に対する制動力制御の追従性を最適なものとす
ることができる。
で以下の効果を奏する。即ち、本発明の車両の運動制御
装置においては、路面摩擦係数推定手段が推定した路面
の摩擦係数の変化割合を、変化割合演算手段によって演
算し、この変化割合演算手段の演算結果に応じて、各車
輪に付与する制動力が増減するように、補正制御手段が
運動制御手段に対し補正制御を行なうこととしているの
で、運動制御中に路面の摩擦係数が変化した場合でも、
運動制御作動を円滑に行なうことができ、路面の摩擦係
数の変化に対する制動力制御の追従性を最適なものとす
ることができる。
【0059】請求項2に記載の運動制御装置において
は、補正制御手段を、変化割合演算手段の演算結果に応
じて所定時間急増圧又は急減圧するように構成してお
り、簡単且つ確実に補正制御を行なうことができる。
は、補正制御手段を、変化割合演算手段の演算結果に応
じて所定時間急増圧又は急減圧するように構成してお
り、簡単且つ確実に補正制御を行なうことができる。
【図1】本発明の車両の運動制御装置の概要を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図2】本発明の運動制御装置の一実施形態の全体構成
図である。
図である。
【図3】本発明の一実施形態におけるブレーキ液圧制御
装置の一例を示す構成図である。
装置の一例を示す構成図である。
【図4】本発明の運動制御装置の一実施形態の機能の一
部を示すブロック図である。
部を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態における車両の運動制御の
全体を示すフローチャートである。
全体を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態における制動操舵制御のた
めの処理を示すフローチャートである。
めの処理を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御の
処理を示すフローチャートである。
処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態における液圧サーボ制御の
処理を示すフローチャートである。
処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態におけるオーバーステア抑
制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図10】本発明の一実施形態におけるアンダーステア
抑制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
抑制制御の開始・終了判定領域を示すグラフである。
【図11】本発明の一実施形態においてブレーキ液圧制
御に供するパラメータと液圧制御モードとの関係を示す
グラフである。
御に供するパラメータと液圧制御モードとの関係を示す
グラフである。
【図12】本発明の一実施形態における車体横すべり角
とパラメータ演算用のゲインとの関係を示すグラフであ
る。
とパラメータ演算用のゲインとの関係を示すグラフであ
る。
【図13】一般的な車両の左旋回時における過度のオー
バーステア状態を示す説明図である。
バーステア状態を示す説明図である。
【図14】一般的な車両の左旋回時における過度のアン
ダーステア状態を示す説明図である。
ダーステア状態を示す説明図である。
BP ブレーキペダル BS ブレーキスイッチ PS 圧力センサ MC マスタシリンダ HB 液圧ブースタ Wfr,Wfl,Wrr,Wrl ホイールシリンダ WS1〜WS4 車輪速度センサ FR,FL,RR,RL 車輪 PC ブレーキ液圧制御装置 ST サブスロットルバルブ EG エンジン GS 変速制御装置 YS ヨーレイトセンサ YG 横加速度センサ FI 燃料噴射装置 DF ディファレンシャルギヤ SSf 前輪舵角センサ CMP マイクロコンピュータ IPT 入力ポート OPT 出力ポート ECU 電子制御装置 AMP 増幅回路 ACT 駆動回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 孝之 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 山崎 憲雄 愛知県刈谷市昭和町2丁目3番地 アイシ ン・ニューハード株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 車両前方及び後方の各車輪に対し少くと
もブレーキペダルの操作に応じて制動力を付与するブレ
ーキ液圧制御装置と、前記車両の運動状態を判定する車
両状態判定手段と、前記ブレーキペダルの操作に起因し
た制動状態にあるか否かに拘らず前記車両状態判定手段
の判定結果に基づき前記ブレーキ液圧制御装置を制御
し、前記車両が旋回中に過度のオーバーステアと判定し
たときには、前記車両に対し外向きのモーメントが生ず
るように前記車両の各車輪に制動力を付与すると共に、
前記車両が旋回中に過度のアンダーステアと判定したと
きには、前記車両に対し内向きのモーメントが生ずるよ
うに前記車両の各車輪に制動力を付与する運動制御手段
とを備えた車両の運動制御装置において、前記車両の各
車輪における路面の摩擦係数を推定する路面摩擦係数推
定手段と、該路面摩擦係数推定手段が推定した路面の摩
擦係数の変化割合を演算する変化割合演算手段と、該変
化割合演算手段の演算結果に応じて前記各車輪に付与す
る制動力が増減するように、前記運動制御手段に対し補
正制御を行なう補正制御手段を備えたことを特徴とする
車両の運動制御装置。 - 【請求項2】 前記補正制御手段が、前記変化割合演算
手段の演算結果に応じて前記ブレーキ液圧制御装置が所
定時間急増圧又は急減圧するように、前記運動制御手段
を制御することを特徴とする請求項1記載の車両の運動
制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34811895A JPH09164932A (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 車両の運動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34811895A JPH09164932A (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 車両の運動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09164932A true JPH09164932A (ja) | 1997-06-24 |
Family
ID=18394872
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34811895A Pending JPH09164932A (ja) | 1995-12-15 | 1995-12-15 | 車両の運動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09164932A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005104343A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp | 車両のステア特性制御装置 |
JP2008518821A (ja) * | 2004-11-02 | 2008-06-05 | エアバス フランス | 地上走行時の航空機のブレーキ性能を向上させるための方法および装置 |
CN110884496A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-03-17 | 北京理工大学 | 一种适用于履带车辆的路面附着系数的识别方法及装置 |
-
1995
- 1995-12-15 JP JP34811895A patent/JPH09164932A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005104343A (ja) * | 2003-09-30 | 2005-04-21 | Mitsubishi Fuso Truck & Bus Corp | 車両のステア特性制御装置 |
JP2008518821A (ja) * | 2004-11-02 | 2008-06-05 | エアバス フランス | 地上走行時の航空機のブレーキ性能を向上させるための方法および装置 |
JP4714221B2 (ja) * | 2004-11-02 | 2011-06-29 | エアバス フランス | 地上走行時の航空機のブレーキ性能を向上させるための方法および装置 |
CN110884496A (zh) * | 2019-10-30 | 2020-03-17 | 北京理工大学 | 一种适用于履带车辆的路面附着系数的识别方法及装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040531 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040727 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20040914 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20050510 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |