JPH10315941A - 車輌の挙動制御装置 - Google Patents
車輌の挙動制御装置Info
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- JPH10315941A JPH10315941A JP13921097A JP13921097A JPH10315941A JP H10315941 A JPH10315941 A JP H10315941A JP 13921097 A JP13921097 A JP 13921097A JP 13921097 A JP13921097 A JP 13921097A JP H10315941 A JPH10315941 A JP H10315941A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 運転者の操舵操作に応じて制御の応答性を変
化させることにより、旋回挙動の制御を運転者の操舵操
作に応じて適確に行う。 【解決手段】 車輌の横加速度のモデル値Gyt及びその
微分値Gytd を演算し(ステップ214、216)、モ
デル値Gyt及びその微分値Gytd に基づき後輪の目標ス
リップ角の比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 を演
算し(ステップ228〜234)、目標旋回量である後
輪の目標スリップ角を比例項成分βrt1 と微分項成分β
rt2 との和として演算する(ステップ240)。カウン
タステア状態にあるときには時定数Tを大きく設定して
制御の応答性を低下させ(ステップ218〜230)、
切り戻し操舵状態にあるときには時定数Tを小さく設定
して制御の応答性を向上させる(ステップ232、23
4)。
化させることにより、旋回挙動の制御を運転者の操舵操
作に応じて適確に行う。 【解決手段】 車輌の横加速度のモデル値Gyt及びその
微分値Gytd を演算し(ステップ214、216)、モ
デル値Gyt及びその微分値Gytd に基づき後輪の目標ス
リップ角の比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 を演
算し(ステップ228〜234)、目標旋回量である後
輪の目標スリップ角を比例項成分βrt1 と微分項成分β
rt2 との和として演算する(ステップ240)。カウン
タステア状態にあるときには時定数Tを大きく設定して
制御の応答性を低下させ(ステップ218〜230)、
切り戻し操舵状態にあるときには時定数Tを小さく設定
して制御の応答性を向上させる(ステップ232、23
4)。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車輌の
旋回時に於けるドリフトアウトやスピンの如き好ましか
らざる挙動を抑制し低減する挙動制御装置に係る。
旋回時に於けるドリフトアウトやスピンの如き好ましか
らざる挙動を抑制し低減する挙動制御装置に係る。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車輌の旋回時に於ける挙動を
制御する装置の一つとして、例えば本願出願人の先の出
願にかかる特開平9−99826号公報に記載されてい
る如く、後輪のスリップ角βr を求める手段と、後輪の
スリップ角速度βrdに対応する物理量βd を求める手段
と、運転者の希望する旋回度合により定まる後輪の目標
スリップ角βrtを求める手段と、各輪に制動力を与える
制動手段と、スリップ角βr 及び物理量βd に基づき後
輪のスリップ角βr を目標スリップ角βrtとするための
目標ヨーモーメントMt を演算する手段と、目標ヨーモ
ーメントMt に応じて制動手段を制御する制御手段とを
有する挙動制御装置が従来より知られている。
制御する装置の一つとして、例えば本願出願人の先の出
願にかかる特開平9−99826号公報に記載されてい
る如く、後輪のスリップ角βr を求める手段と、後輪の
スリップ角速度βrdに対応する物理量βd を求める手段
と、運転者の希望する旋回度合により定まる後輪の目標
スリップ角βrtを求める手段と、各輪に制動力を与える
制動手段と、スリップ角βr 及び物理量βd に基づき後
輪のスリップ角βr を目標スリップ角βrtとするための
目標ヨーモーメントMt を演算する手段と、目標ヨーモ
ーメントMt に応じて制動手段を制御する制御手段とを
有する挙動制御装置が従来より知られている。
【0003】かかる挙動制御装置によれば、運転者の希
望する旋回度合により定まる後輪の目標スリップ角βrt
が求められ、目標ヨーモーメントMt が後輪のスリップ
角βr 及び後輪のスリップ角速度βrdに対応する物理量
βd に基づき後輪のスリップ角βr を目標スリップ角β
rtとするためのヨーモーメントのPD制御量として演算
され、後輪のスリップ角を目標スリップ角とするヨーモ
ーメントが車輌に与えられるよう各輪の制動力が制御さ
れるので、スピン又はドリフトアウトが単独で発生する
状況は勿論のこと、これらが同時に発生する状況に於い
ても車輌の旋回挙動を適切に制御することができる。
望する旋回度合により定まる後輪の目標スリップ角βrt
が求められ、目標ヨーモーメントMt が後輪のスリップ
角βr 及び後輪のスリップ角速度βrdに対応する物理量
βd に基づき後輪のスリップ角βr を目標スリップ角β
rtとするためのヨーモーメントのPD制御量として演算
され、後輪のスリップ角を目標スリップ角とするヨーモ
ーメントが車輌に与えられるよう各輪の制動力が制御さ
れるので、スピン又はドリフトアウトが単独で発生する
状況は勿論のこと、これらが同時に発生する状況に於い
ても車輌の旋回挙動を適切に制御することができる。
【0004】例えば車輌がドリフトアウト状態にあると
きには後輪のスリップ角βr が目標スリップ角βrtより
も小さくなり、ドリフトアウト状態が増大するときには
後輪のスリップ角速度βrdに対応する物理量βd も負の
値になる。かかる状況に於いては車輌に与えられるヨー
モーメントは車輌の旋回を補助する方向のヨーモーメン
トになるので、ドリフトアウト状態を確実に抑制するこ
とができる。
きには後輪のスリップ角βr が目標スリップ角βrtより
も小さくなり、ドリフトアウト状態が増大するときには
後輪のスリップ角速度βrdに対応する物理量βd も負の
値になる。かかる状況に於いては車輌に与えられるヨー
モーメントは車輌の旋回を補助する方向のヨーモーメン
トになるので、ドリフトアウト状態を確実に抑制するこ
とができる。
【0005】また車輌がスピン状態にあるときには後輪
のスリップ角βr が目標スリップ角βrtよりも大きくな
り、スピン状態が増大するときには物理量βd も正の値
になる。かかる状況に於いては車輌に与えられるヨーモ
ーメントは車輌の旋回を補助する方向とは反対の方向の
ヨーモーメント(アンチスピンモーメント)になるの
で、スピン状態を効果的に抑制することができる。
のスリップ角βr が目標スリップ角βrtよりも大きくな
り、スピン状態が増大するときには物理量βd も正の値
になる。かかる状況に於いては車輌に与えられるヨーモ
ーメントは車輌の旋回を補助する方向とは反対の方向の
ヨーモーメント(アンチスピンモーメント)になるの
で、スピン状態を効果的に抑制することができる。
【0006】更に車輌がスピン状態にあり且つドリフト
アウト状態にあるときにはそれらの状態の何れの程度が
大きいかに応じて車輌に与えられるヨーモーメントの方
向が適宜に制御され、また二つの状態の程度が車輌の旋
回中に相互に入れ代わる場合にもその変化に応じてヨー
モーメントの方向が逆になるよう適宜に制御される。従
ってスピン状態及びドリフトアウト状態が同時に発生し
ても車輌の旋回挙動を確実に安定になるよう制御するこ
とができる。
アウト状態にあるときにはそれらの状態の何れの程度が
大きいかに応じて車輌に与えられるヨーモーメントの方
向が適宜に制御され、また二つの状態の程度が車輌の旋
回中に相互に入れ代わる場合にもその変化に応じてヨー
モーメントの方向が逆になるよう適宜に制御される。従
ってスピン状態及びドリフトアウト状態が同時に発生し
ても車輌の旋回挙動を確実に安定になるよう制御するこ
とができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の先の提案にかか
る挙動制御装置に於いては、車輌の走行状態に応じて制
御の応答性が変化するようになっているが、運転者の操
舵操作に応じて制御の応答性が変化するようにはなって
おらず、そのため旋回挙動の制御を運転者の操舵操作に
応じて適確に行うことができないという不具合がある。
る挙動制御装置に於いては、車輌の走行状態に応じて制
御の応答性が変化するようになっているが、運転者の操
舵操作に応じて制御の応答性が変化するようにはなって
おらず、そのため旋回挙動の制御を運転者の操舵操作に
応じて適確に行うことができないという不具合がある。
【0008】本発明は、先の提案にかかる従来の挙動制
御装置に於ける上述の如き不具合に鑑みてなされたもの
であり、本発明の主要な課題は、車輌の実際の旋回量が
目標旋回量となるよう車輌に少なくともヨーモーメント
を与える車輌の挙動制御装置に於いて、運転者の操舵操
作に応じて制御の応答性を変化させることにより、旋回
挙動の制御を運転者の操舵操作に応じて適確に行うこと
である。
御装置に於ける上述の如き不具合に鑑みてなされたもの
であり、本発明の主要な課題は、車輌の実際の旋回量が
目標旋回量となるよう車輌に少なくともヨーモーメント
を与える車輌の挙動制御装置に於いて、運転者の操舵操
作に応じて制御の応答性を変化させることにより、旋回
挙動の制御を運転者の操舵操作に応じて適確に行うこと
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述の如き主要な課題
は、本発明によれば、車輌の目標旋回量を演算する手段
と、車輌の実際の旋回量が前記目標旋回量となるよう車
輌に少なくともヨーモーメントを与えて車輌の旋回挙動
を制御する手段とを有する車輌の挙動制御装置に於い
て、カウンタステア状態を検出する手段と、カウンタス
テア状態が検出されているときには前記制御の応答性を
低下させる手段とを有することを特徴とする車輌の挙動
制御装置(請求項1の構成)、又は車輌の目標旋回量を
演算する手段と、車輌の実際の旋回量が前記目標旋回量
となるよう車輌に少なくともヨーモーメントを与えて車
輌の旋回挙動を制御する手段とを有する車輌の挙動制御
装置に於いて、切り戻し操舵状態を検出する手段と、切
り戻し操舵状態が検出されているときには前記制御の応
答性を向上させる手段とを有することを特徴とする車輌
の挙動制御装置(請求項2の構成)によって達成され
る。
は、本発明によれば、車輌の目標旋回量を演算する手段
と、車輌の実際の旋回量が前記目標旋回量となるよう車
輌に少なくともヨーモーメントを与えて車輌の旋回挙動
を制御する手段とを有する車輌の挙動制御装置に於い
て、カウンタステア状態を検出する手段と、カウンタス
テア状態が検出されているときには前記制御の応答性を
低下させる手段とを有することを特徴とする車輌の挙動
制御装置(請求項1の構成)、又は車輌の目標旋回量を
演算する手段と、車輌の実際の旋回量が前記目標旋回量
となるよう車輌に少なくともヨーモーメントを与えて車
輌の旋回挙動を制御する手段とを有する車輌の挙動制御
装置に於いて、切り戻し操舵状態を検出する手段と、切
り戻し操舵状態が検出されているときには前記制御の応
答性を向上させる手段とを有することを特徴とする車輌
の挙動制御装置(請求項2の構成)によって達成され
る。
【0010】一般に、車輌の旋回挙動が悪化すると、運
転者が精神的に混乱してカウンタステアすることもあれ
ば、冷静に切り戻し操舵することもあるが、カウンタス
テアは挙動制御に悪影響を及ぼすのに対し、切り戻し操
舵は旋回挙動の安定化に寄与する。
転者が精神的に混乱してカウンタステアすることもあれ
ば、冷静に切り戻し操舵することもあるが、カウンタス
テアは挙動制御に悪影響を及ぼすのに対し、切り戻し操
舵は旋回挙動の安定化に寄与する。
【0011】請求項1の構成によれば、運転者の操舵操
作がカウンタステア状態にあるときには、挙動制御の応
答性が低下されるので、運転者の不適切な操舵操作の影
響が挙動制御に反映しにくくなる。
作がカウンタステア状態にあるときには、挙動制御の応
答性が低下されるので、運転者の不適切な操舵操作の影
響が挙動制御に反映しにくくなる。
【0012】また請求項2の構成によれば、運転者の操
舵操作が切り戻し操舵状態にあるときには、挙動制御の
応答性が向上されるので、運転者の適切な操舵操作の影
響が挙動制御に反映し易くなる。
舵操作が切り戻し操舵状態にあるときには、挙動制御の
応答性が向上されるので、運転者の適切な操舵操作の影
響が挙動制御に反映し易くなる。
【0013】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於いて、
前記目標旋回量に対するフィルタ処理の時定数が変化さ
れることにより前記制御の応答性が変化されるよう構成
される(請求項2の構成)。この構成によれば、運転者
の操舵操作に応じた挙動制御の応答性の変化が確実に且
つ簡単に行われる。
効果的に達成すべく、請求項1又は2の構成に於いて、
前記目標旋回量に対するフィルタ処理の時定数が変化さ
れることにより前記制御の応答性が変化されるよう構成
される(請求項2の構成)。この構成によれば、運転者
の操舵操作に応じた挙動制御の応答性の変化が確実に且
つ簡単に行われる。
【0014】また本発明によれば、上述の主要な課題を
効果的に達成すべく、請求項3の構成に於いて、前記時
定数が低減されるときには前記時定数がガード処理され
るよう構成される(請求項4の構成)。この構成によれ
ば、時定数はその減少時にはガード処理されるので、カ
ウンタステア後の運転者の不適切な操舵操作の影響が挙
動制御に反映しにくくなる。
効果的に達成すべく、請求項3の構成に於いて、前記時
定数が低減されるときには前記時定数がガード処理され
るよう構成される(請求項4の構成)。この構成によれ
ば、時定数はその減少時にはガード処理されるので、カ
ウンタステア後の運転者の不適切な操舵操作の影響が挙
動制御に反映しにくくなる。
【0015】
【課題解決手段の好ましい態様】本発明の一つの好まし
い態様によれば、請求項1の構成に於いて、カウンタス
テア状態を検出する手段は車体のヨーレートγを検出す
る手段と、操舵角θを検出する手段とを有し、ヨーレー
トγと操舵角θとが互いに異符号であるか否かによりカ
ウンタステア状態にあるか否かを検出するよう構成され
る(好ましい態様1)。
い態様によれば、請求項1の構成に於いて、カウンタス
テア状態を検出する手段は車体のヨーレートγを検出す
る手段と、操舵角θを検出する手段とを有し、ヨーレー
トγと操舵角θとが互いに異符号であるか否かによりカ
ウンタステア状態にあるか否かを検出するよう構成され
る(好ましい態様1)。
【0016】また本発明に於いて、目標旋回量が後輪の
目標スリップ角βrtであり、運転者の希望する旋回度合
を示す車輌の横加速度Gy のモデル値がGytであるとす
ると、下記の数1の通り目標スリップ角βrtはモデル値
Gytに比例する。またTを時定数としsをラプラス演算
子としてモデル値Gytは下記の数2の通り表現されるの
で、後輪の目標スリップ角βrtを比例項成分βrt1 及び
微分項成分βrt2 の和として表現することができる。
目標スリップ角βrtであり、運転者の希望する旋回度合
を示す車輌の横加速度Gy のモデル値がGytであるとす
ると、下記の数1の通り目標スリップ角βrtはモデル値
Gytに比例する。またTを時定数としsをラプラス演算
子としてモデル値Gytは下記の数2の通り表現されるの
で、後輪の目標スリップ角βrtを比例項成分βrt1 及び
微分項成分βrt2 の和として表現することができる。
【0017】
【数1】βrt∝Gyt
【数2】 Gyt=[(1+T*s)/(1+T*s)]Gyt =[1/(1+T*s)]Gyt+[T*s/(1+T*s)]Gyt =[1/(1+T*s)](Gyt+T*s*Gyt)
【0018】従って本発明の他一つの好ましい態様によ
れば、請求項1乃至3の何れかの構成に於いて、目標旋
回量は後輪の目標スリップ角βrtであり、運転者の希望
する旋回度合を示す車輌の横加速度Gy のモデル値Gyt
が少なくとも操舵角に基づき演算され、モデル値Gytに
基づき後輪の目標スリップ角の比例項成分βrt1 及び微
分項成分βrt2 が演算され、比例項成分βrt1 及び微分
項成分βrt2 の和として後輪の目標スリップ角βrtが演
算される(好ましい態様2)。
れば、請求項1乃至3の何れかの構成に於いて、目標旋
回量は後輪の目標スリップ角βrtであり、運転者の希望
する旋回度合を示す車輌の横加速度Gy のモデル値Gyt
が少なくとも操舵角に基づき演算され、モデル値Gytに
基づき後輪の目標スリップ角の比例項成分βrt1 及び微
分項成分βrt2 が演算され、比例項成分βrt1 及び微分
項成分βrt2 の和として後輪の目標スリップ角βrtが演
算される(好ましい態様2)。
【0019】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、モデル値Gyt
とその微分値Gytd とが互いに異符号であるか否かによ
り切り戻し操舵状態にあるか否かが検出されるよう構成
される(好ましい態様3)。
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、モデル値Gyt
とその微分値Gytd とが互いに異符号であるか否かによ
り切り戻し操舵状態にあるか否かが検出されるよう構成
される(好ましい態様3)。
【0020】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、路面の摩擦係
数μに基づき後輪の限界スリップ角βrlb が演算され、
限界スリップ角βrlb に基づき後輪の目標スリップ角の
比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 に対するガード
値βrl1 、βrl2 が演算される(好ましい態様4)。
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、路面の摩擦係
数μに基づき後輪の限界スリップ角βrlb が演算され、
限界スリップ角βrlb に基づき後輪の目標スリップ角の
比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 に対するガード
値βrl1 、βrl2 が演算される(好ましい態様4)。
【0021】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、挙動制御装置
は、後輪のスリップ角βr を求める手段と、後輪のスリ
ップ角速度βrdに対応する物理量βd を求める手段と、
各輪に制動力を与える制動手段と、スリップ角βr 及び
物理量βd に基づき後輪のスリップ角βr を目標スリッ
プ角βrtとするための目標ヨーモーメントMt を演算す
る手段と、目標ヨーモーメントMt に応じて制動手段を
制御する制御手段とを有するよう構成される(好ましい
態様5)。
ば、上記好ましい態様2の構成に於いて、挙動制御装置
は、後輪のスリップ角βr を求める手段と、後輪のスリ
ップ角速度βrdに対応する物理量βd を求める手段と、
各輪に制動力を与える制動手段と、スリップ角βr 及び
物理量βd に基づき後輪のスリップ角βr を目標スリッ
プ角βrtとするための目標ヨーモーメントMt を演算す
る手段と、目標ヨーモーメントMt に応じて制動手段を
制御する制御手段とを有するよう構成される(好ましい
態様5)。
【0022】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様5の構成に於いて、車輌の旋回挙
動の不安定度合を検出する手段と、不安定度合が高いほ
ど目標ヨーモーメントMt を大きくする手段とを有する
よう構成される(好ましい態様6)。この構成によれ
ば、車輌の旋回挙動の不安定度合が高いほど車輌に与え
られるヨーモーメントが大きくなり、これにより旋回挙
動の不安定度合が高い場合にも車輌の旋回挙動が確実に
安定化される。
ば、上記好ましい態様5の構成に於いて、車輌の旋回挙
動の不安定度合を検出する手段と、不安定度合が高いほ
ど目標ヨーモーメントMt を大きくする手段とを有する
よう構成される(好ましい態様6)。この構成によれ
ば、車輌の旋回挙動の不安定度合が高いほど車輌に与え
られるヨーモーメントが大きくなり、これにより旋回挙
動の不安定度合が高い場合にも車輌の旋回挙動が確実に
安定化される。
【0023】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様5又は6の構成に於いて、運転者
の希望する減速度合Gxtを求める手段と、減速度合Gxt
が高いほど小さくなるよう目標付加減速度 dGxtを演算
する手段とを有し、制御手段は目標ヨーモーメントMt
と目標付加減速度 dGxtとの和に応じて制動手段を制御
するよう構成される(好ましい態様7)。この構成によ
れば、運転者の希望する減速を達成しつつ、運転者の希
望する減速度合が高い場合に各輪の制動力が過剰になっ
て車輪の横力が低下することに起因する挙動の悪化が防
止される。
ば、上記好ましい態様5又は6の構成に於いて、運転者
の希望する減速度合Gxtを求める手段と、減速度合Gxt
が高いほど小さくなるよう目標付加減速度 dGxtを演算
する手段とを有し、制御手段は目標ヨーモーメントMt
と目標付加減速度 dGxtとの和に応じて制動手段を制御
するよう構成される(好ましい態様7)。この構成によ
れば、運転者の希望する減速を達成しつつ、運転者の希
望する減速度合が高い場合に各輪の制動力が過剰になっ
て車輪の横力が低下することに起因する挙動の悪化が防
止される。
【0024】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様6の構成に於いて、車輌の旋回挙
動の不安定度合を検出する手段は不安定度合として少な
くとも車輌のスピン状態量を検出し、スピン状態量の検
出は車輌の線形理論により推定される車体のスリップ角
が零である位置近傍に於ける車体のスリップ角の最小値
βs に基づいて行われるよう構成される(好ましい態様
8)。この構成によれば、例えば車輌の重心に於ける車
体のスリップ角に基づきスピン状態量が検出される場合
に比して車輌の旋回挙動の不安定度合が正確に求めら
れ、これにより目標ヨーモーメントMt が正確に演算さ
れる。
ば、上記好ましい態様6の構成に於いて、車輌の旋回挙
動の不安定度合を検出する手段は不安定度合として少な
くとも車輌のスピン状態量を検出し、スピン状態量の検
出は車輌の線形理論により推定される車体のスリップ角
が零である位置近傍に於ける車体のスリップ角の最小値
βs に基づいて行われるよう構成される(好ましい態様
8)。この構成によれば、例えば車輌の重心に於ける車
体のスリップ角に基づきスピン状態量が検出される場合
に比して車輌の旋回挙動の不安定度合が正確に求めら
れ、これにより目標ヨーモーメントMt が正確に演算さ
れる。
【0025】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様6の構成に於いて、車体の実ヨー
レートと車体の基準ヨーレートとの偏差を求める手段を
有し、車輌の旋回挙動の不安定度合を検出する手段は不
安定度合として少なくとも車輌のスピン状態量を検出
し、目標ヨーモーメントMt はスリップ角βr 及び物理
量βd に基づく第一の成分M1 とヨーレートの偏差に基
づく第二の成分M2 との線形和であり、目標ヨーモーメ
ントMt を演算する手段はスピン状態量が低いほど第二
の成分の重みを大きくするよう構成される(好ましい態
様9)。
ば、上記好ましい態様6の構成に於いて、車体の実ヨー
レートと車体の基準ヨーレートとの偏差を求める手段を
有し、車輌の旋回挙動の不安定度合を検出する手段は不
安定度合として少なくとも車輌のスピン状態量を検出
し、目標ヨーモーメントMt はスリップ角βr 及び物理
量βd に基づく第一の成分M1 とヨーレートの偏差に基
づく第二の成分M2 との線形和であり、目標ヨーモーメ
ントMt を演算する手段はスピン状態量が低いほど第二
の成分の重みを大きくするよう構成される(好ましい態
様9)。
【0026】この構成によれば、スピン状態量が低いほ
ど第二の成分の重みが大きくされるので、スピン度合が
高いときには第一の成分の重みが相対的に高くなってス
ピンが効果的に抑制され、逆にドリフトアウトの度合が
高いときには後輪のスリップ角の推定誤差の影響を受け
易い第一の成分の重みが相対的に低減されると共にドリ
フトアウトを効果的に制御し得る第二の成分の重みが相
対的に高くされ、これにより車輌がドリフトアウト状態
よりスピン状態へ変化する場合やこの逆の場合にも車輌
の旋回挙動の制御が円滑に行われる。
ど第二の成分の重みが大きくされるので、スピン度合が
高いときには第一の成分の重みが相対的に高くなってス
ピンが効果的に抑制され、逆にドリフトアウトの度合が
高いときには後輪のスリップ角の推定誤差の影響を受け
易い第一の成分の重みが相対的に低減されると共にドリ
フトアウトを効果的に制御し得る第二の成分の重みが相
対的に高くされ、これにより車輌がドリフトアウト状態
よりスピン状態へ変化する場合やこの逆の場合にも車輌
の旋回挙動の制御が円滑に行われる。
【0027】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様5の構成に於いて、後輪のスリッ
プ角βr とその微分値βrdとの線形和が後輪の目標スリ
ップ角βrtより大きいときには、後輪のスリップ角βr
と目標スリップ角βrtとの偏差に基づく目標ヨーモーメ
ントMt の演算係数が大きく設定される(好ましい態様
10)。この構成によれば、後輪のスリップ角がその限
界値を越えることにより車輌の挙動が急激に不安定にな
る虞れが低減される。
ば、上記好ましい態様5の構成に於いて、後輪のスリッ
プ角βr とその微分値βrdとの線形和が後輪の目標スリ
ップ角βrtより大きいときには、後輪のスリップ角βr
と目標スリップ角βrtとの偏差に基づく目標ヨーモーメ
ントMt の演算係数が大きく設定される(好ましい態様
10)。この構成によれば、後輪のスリップ角がその限
界値を越えることにより車輌の挙動が急激に不安定にな
る虞れが低減される。
【0028】本発明の他の一つの好ましい態様によれ
ば、上記好ましい態様6の構成に於いて、車輌の旋回挙
動の不安定度合を検出する手段は少なくとも車体のスリ
ップ角βに基づく車輌のスピン状態量と、車輌の基準ヨ
ーレートと実ヨーレートとの偏差に基づくドリフト状態
量とを検出し、これらの状態量の和又はこれらの状態量
の大きい方の値として旋回挙動の不安定度合を求めるよ
う構成される(好ましい態様11)。
ば、上記好ましい態様6の構成に於いて、車輌の旋回挙
動の不安定度合を検出する手段は少なくとも車体のスリ
ップ角βに基づく車輌のスピン状態量と、車輌の基準ヨ
ーレートと実ヨーレートとの偏差に基づくドリフト状態
量とを検出し、これらの状態量の和又はこれらの状態量
の大きい方の値として旋回挙動の不安定度合を求めるよ
う構成される(好ましい態様11)。
【0029】また本発明の他の一つの好ましい態様によ
れば、請求項7の構成に於いて、車輌の旋回挙動の不安
定度合を検出する手段と、不安定度合が高いほど目標付
加減速度 dGxtを大きくする手段とを有するよう構成さ
れる(好ましい態様12)。この構成によれば、車輌の
旋回挙動の不安定度合が高いほど車輌の減速度合が大き
くなり、これにより旋回挙動の不安定度合が高い場合に
も車輌の旋回挙動が更に一層確実に安定化される。
れば、請求項7の構成に於いて、車輌の旋回挙動の不安
定度合を検出する手段と、不安定度合が高いほど目標付
加減速度 dGxtを大きくする手段とを有するよう構成さ
れる(好ましい態様12)。この構成によれば、車輌の
旋回挙動の不安定度合が高いほど車輌の減速度合が大き
くなり、これにより旋回挙動の不安定度合が高い場合に
も車輌の旋回挙動が更に一層確実に安定化される。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に添付の図を参照しつつ、本
発明を実施形態について詳細に説明する。
発明を実施形態について詳細に説明する。
【0031】図1は本発明による挙動制御装置の一つの
実施形態の油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成
図である。
実施形態の油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成
図である。
【0032】図1に於て、制動装置10は運転者による
ブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキ
オイルを第一及び第二のポートより圧送するマスタシリ
ンダ14と、マスタシリンダ内のオイル圧力に対応する
圧力(レギュレータ圧)にブレーキオイルを増圧するハ
イドロブースタ16とを有している。マスタシリンダ1
4の第一のポートは前輪用のブレーキ油圧制御導管18
により左右前輪用のブーキ油圧制御装置20及び22に
接続され、第二のポートは途中にプロポーショナルバル
ブ24を有する後輪用のブレーキ油圧制御導管26によ
り左右後輪用の3ポート2位置切換え型の電磁式の制御
弁28に接続されている。制御弁28は導管30により
左後輪用のブレーキ油圧制御装置32及び右後輪用のブ
レーキ油圧制御装置34に接続されている。
ブレーキペダル12の踏み込み操作に応答してブレーキ
オイルを第一及び第二のポートより圧送するマスタシリ
ンダ14と、マスタシリンダ内のオイル圧力に対応する
圧力(レギュレータ圧)にブレーキオイルを増圧するハ
イドロブースタ16とを有している。マスタシリンダ1
4の第一のポートは前輪用のブレーキ油圧制御導管18
により左右前輪用のブーキ油圧制御装置20及び22に
接続され、第二のポートは途中にプロポーショナルバル
ブ24を有する後輪用のブレーキ油圧制御導管26によ
り左右後輪用の3ポート2位置切換え型の電磁式の制御
弁28に接続されている。制御弁28は導管30により
左後輪用のブレーキ油圧制御装置32及び右後輪用のブ
レーキ油圧制御装置34に接続されている。
【0033】また制動装置10はリザーバ36に貯容さ
れたブレーキオイルを汲み上げ高圧のオイルとして高圧
導管38へ供給するオイルポンプ40を有している。高
圧導管38はハイドロブースタ16に接続されると共
に、前輪用の切換弁42及び後輪用の切換弁44に接続
されており、高圧導管38の途中にはオイルポンプ40
より吐出される高圧のオイルをアキュムレータ圧として
蓄圧するアキュムレータ46が接続されている。図示の
如く切換弁42及び44も3ポート2位置切換え型の電
磁式の切換弁である。
れたブレーキオイルを汲み上げ高圧のオイルとして高圧
導管38へ供給するオイルポンプ40を有している。高
圧導管38はハイドロブースタ16に接続されると共
に、前輪用の切換弁42及び後輪用の切換弁44に接続
されており、高圧導管38の途中にはオイルポンプ40
より吐出される高圧のオイルをアキュムレータ圧として
蓄圧するアキュムレータ46が接続されている。図示の
如く切換弁42及び44も3ポート2位置切換え型の電
磁式の切換弁である。
【0034】左右前輪用のブレーキ油圧制御装置20及
び22はそれぞれ対応する車輪に対する制動力を制御す
るホイールシリンダ48FL及び48FRと、3ポート2位
置切換え型の電磁式の制御弁50FL及び50FRと、リザ
ーバ36に接続されたリターン通路としての低圧導管5
2とハイドロブースタ16の吐出ポートとの間に接続さ
れたレギュレータ圧供給導管53の途中に設けられた常
開型の電磁式の開閉弁54FL及び54FR及び常閉型の電
磁式の開閉弁56FL及び56FRとを有している。それぞ
れ開閉弁54FL、54FRと開閉弁56FL、56FRとの間
のレギュレータ圧供給導管53は接続導管58FL、58
FRにより制御弁50FL、50FRに接続されている。
び22はそれぞれ対応する車輪に対する制動力を制御す
るホイールシリンダ48FL及び48FRと、3ポート2位
置切換え型の電磁式の制御弁50FL及び50FRと、リザ
ーバ36に接続されたリターン通路としての低圧導管5
2とハイドロブースタ16の吐出ポートとの間に接続さ
れたレギュレータ圧供給導管53の途中に設けられた常
開型の電磁式の開閉弁54FL及び54FR及び常閉型の電
磁式の開閉弁56FL及び56FRとを有している。それぞ
れ開閉弁54FL、54FRと開閉弁56FL、56FRとの間
のレギュレータ圧供給導管53は接続導管58FL、58
FRにより制御弁50FL、50FRに接続されている。
【0035】左右後輪用のブレーキ油圧制御装置32、
34は制御弁28と低圧導管52との間にて導管30の
途中に設けられた常開型の電磁式の開閉弁60RL、60
RR及び常閉型の電磁式の開閉弁62RL、62RRと、それ
ぞれ対応する車輪に対する制動力を制御するホイールシ
リンダ64RL、64RRとを有し、ホイールシリンダ64
RL、64RRはそれぞれ接続導管66RL、66RRにより開
閉弁60RL、60RRと開閉弁62RL、62RRとの間の導
管30に接続されている。
34は制御弁28と低圧導管52との間にて導管30の
途中に設けられた常開型の電磁式の開閉弁60RL、60
RR及び常閉型の電磁式の開閉弁62RL、62RRと、それ
ぞれ対応する車輪に対する制動力を制御するホイールシ
リンダ64RL、64RRとを有し、ホイールシリンダ64
RL、64RRはそれぞれ接続導管66RL、66RRにより開
閉弁60RL、60RRと開閉弁62RL、62RRとの間の導
管30に接続されている。
【0036】制御弁50FL及び50FRはそれぞれ前輪用
のブレーキ油圧制御導管18とホイールシリンダ48FL
及び48FRとを連通接続し且つホイールシリンダ48FL
及び48FRと接続導管58FL及び58FRとの連通を遮断
する図示の第一の位置と、ブレーキ油圧制御導管18と
ホイールシリンダ48FL及び48FRとの連通を遮断し且
つホイールシリンダ48FL及び48FRと接続導管58FL
及び58FRとを連通接続する第二の位置とに切替わるよ
うになっている。
のブレーキ油圧制御導管18とホイールシリンダ48FL
及び48FRとを連通接続し且つホイールシリンダ48FL
及び48FRと接続導管58FL及び58FRとの連通を遮断
する図示の第一の位置と、ブレーキ油圧制御導管18と
ホイールシリンダ48FL及び48FRとの連通を遮断し且
つホイールシリンダ48FL及び48FRと接続導管58FL
及び58FRとを連通接続する第二の位置とに切替わるよ
うになっている。
【0037】レギュレータ圧供給導管53と左右後輪用
制御弁28との間には左右後輪用のレギュレータ圧供給
導管68が接続されており、制御弁28はそれぞれ後輪
用のブレーキ油圧制御導管26と開閉弁60RL、60RR
とを連通接続し且つ開閉弁60RL、60RRとレギュレー
タ圧供給導管68との連通を遮断する図示の第一の位置
と、ブレーキ油圧制御導管26と開閉弁60RL、60RR
との連通を遮断し且つ開閉弁60RL、60RRとレギュレ
ータ圧供給導管68とを連通接続する第二の位置とに切
替わるようになっている。
制御弁28との間には左右後輪用のレギュレータ圧供給
導管68が接続されており、制御弁28はそれぞれ後輪
用のブレーキ油圧制御導管26と開閉弁60RL、60RR
とを連通接続し且つ開閉弁60RL、60RRとレギュレー
タ圧供給導管68との連通を遮断する図示の第一の位置
と、ブレーキ油圧制御導管26と開閉弁60RL、60RR
との連通を遮断し且つ開閉弁60RL、60RRとレギュレ
ータ圧供給導管68とを連通接続する第二の位置とに切
替わるようになっている。
【0038】制御弁50FL、50FR、28はマスタシリ
ンダ圧遮断弁として機能し、これらの制御弁が図示の第
一の位置にあるときにはホイールシリンダ48FL、48
FR、64RL、64RRが導管18、26と連通接続され、
各ホイールシリンダへマスタシリンダ圧が供給されるこ
とにより、各輪の制動力が運転者によるブレーキペダル
12の踏み込み量に応じて制御され、制御弁50FL、5
0FR、28が第二の位置にあるときには各ホイールシリ
ンダはマスタシリンダ圧より遮断される。
ンダ圧遮断弁として機能し、これらの制御弁が図示の第
一の位置にあるときにはホイールシリンダ48FL、48
FR、64RL、64RRが導管18、26と連通接続され、
各ホイールシリンダへマスタシリンダ圧が供給されるこ
とにより、各輪の制動力が運転者によるブレーキペダル
12の踏み込み量に応じて制御され、制御弁50FL、5
0FR、28が第二の位置にあるときには各ホイールシリ
ンダはマスタシリンダ圧より遮断される。
【0039】また切換弁42及び44はホイールシリン
ダ48FL、48FR、64RL、64RRへ供給される油圧を
アキュムレータ圧とレギュレータ圧との間にて切換える
機能を果し、制御弁50FL、50FR、28が第二の位置
に切換えられ且つ開閉弁54FL、54FR、60RL、60
RR及び開閉弁56FL、56FR、62RL、62RRが図示の
位置にある状態にて切換弁42及び44が図示の第一の
位置に維持されるときには、ホイールシリンダ48FL、
48FR、64RL、64RRへレギュレータ圧が供給される
ことにより各ホイールシリンダ内の圧力がレギュレータ
圧にて制御され、これによりブレーキペダル12の踏み
込み量及び他の車輪の制動圧に拘わりなくその車輪の制
動圧がレギュレータ圧による増圧モードにて制御され
る。
ダ48FL、48FR、64RL、64RRへ供給される油圧を
アキュムレータ圧とレギュレータ圧との間にて切換える
機能を果し、制御弁50FL、50FR、28が第二の位置
に切換えられ且つ開閉弁54FL、54FR、60RL、60
RR及び開閉弁56FL、56FR、62RL、62RRが図示の
位置にある状態にて切換弁42及び44が図示の第一の
位置に維持されるときには、ホイールシリンダ48FL、
48FR、64RL、64RRへレギュレータ圧が供給される
ことにより各ホイールシリンダ内の圧力がレギュレータ
圧にて制御され、これによりブレーキペダル12の踏み
込み量及び他の車輪の制動圧に拘わりなくその車輪の制
動圧がレギュレータ圧による増圧モードにて制御され
る。
【0040】尚各弁がレギュレータ圧による増圧モード
に切換え設定されても、ホイールシリンダ内の圧力がレ
ギュレータ圧よりも高いときには、ホイールシリンダ内
のオイルが逆流し、制御モードが増圧モードであるにも
拘らず実際の制動圧は低下する。
に切換え設定されても、ホイールシリンダ内の圧力がレ
ギュレータ圧よりも高いときには、ホイールシリンダ内
のオイルが逆流し、制御モードが増圧モードであるにも
拘らず実際の制動圧は低下する。
【0041】また制御弁50FL、50FR、28が第二の
位置に切換えられ且つ開閉弁54FL、54FR、60RL、
60RR及び開閉弁56FL、56FR、62RL、62RRが図
示の位置にある状態にて切換弁42及び44が第二の位
置に切換えられると、ホイールシリンダ48FL、48F
R、64RL、64RRへアキュムレータ圧が供給されるこ
とにより各ホイールシリンダ内の圧力がレギュレータ圧
よりも高いアキュムレータ圧にて制御され、これにより
ブレーキペダル12の踏み込み量及び他の車輪の制動圧
に拘わりなくその車輪の制動圧がアキュームレータ圧に
よる増圧モードにて制御される。
位置に切換えられ且つ開閉弁54FL、54FR、60RL、
60RR及び開閉弁56FL、56FR、62RL、62RRが図
示の位置にある状態にて切換弁42及び44が第二の位
置に切換えられると、ホイールシリンダ48FL、48F
R、64RL、64RRへアキュムレータ圧が供給されるこ
とにより各ホイールシリンダ内の圧力がレギュレータ圧
よりも高いアキュムレータ圧にて制御され、これにより
ブレーキペダル12の踏み込み量及び他の車輪の制動圧
に拘わりなくその車輪の制動圧がアキュームレータ圧に
よる増圧モードにて制御される。
【0042】更に制御弁50FL、50FR、28が第二の
位置に切換えられた状態にて開閉弁54FL、54FR、6
0RL、60RRが第二の位置に切換えられ、開閉弁56F
L、56FR、62RL、62RRが図示の状態に制御される
と、切換弁42及び44の位置に拘らず各ホイールシリ
ンダ内の圧力が保持され、制御弁50FL、50FR、28
が第二の位置に切換えられた状態にて開閉弁54FL、5
4FR、60RL、60RR及び開閉弁56FL、56FR、62
RL、62RRが第二の位置に切換えられると、切換弁42
及び44の位置に拘らず各ホイールシリンダ内の圧力が
減圧され、これによりブレーキペダル12の踏み込み量
及び他の車輪の制動圧に拘わりなくその車輪の制動圧が
減圧モードにて制御される。
位置に切換えられた状態にて開閉弁54FL、54FR、6
0RL、60RRが第二の位置に切換えられ、開閉弁56F
L、56FR、62RL、62RRが図示の状態に制御される
と、切換弁42及び44の位置に拘らず各ホイールシリ
ンダ内の圧力が保持され、制御弁50FL、50FR、28
が第二の位置に切換えられた状態にて開閉弁54FL、5
4FR、60RL、60RR及び開閉弁56FL、56FR、62
RL、62RRが第二の位置に切換えられると、切換弁42
及び44の位置に拘らず各ホイールシリンダ内の圧力が
減圧され、これによりブレーキペダル12の踏み込み量
及び他の車輪の制動圧に拘わりなくその車輪の制動圧が
減圧モードにて制御される。
【0043】切換弁42及び44、制御弁50FL、50
FR、28、開閉弁54FL、54FR、60RL、60RR及び
開閉弁56FL、56FR、62RL、62RR、は後に詳細に
説明する如く電気式制御装置70により制御される。電
気式制御装置70はマイクロコンピュータ72と駆動回
路74とよりなっており、マイクロコンピュータ72は
図1には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニッ
ト(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置
とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに
接続された一般的な構成のものであってよい。
FR、28、開閉弁54FL、54FR、60RL、60RR及び
開閉弁56FL、56FR、62RL、62RR、は後に詳細に
説明する如く電気式制御装置70により制御される。電
気式制御装置70はマイクロコンピュータ72と駆動回
路74とよりなっており、マイクロコンピュータ72は
図1には詳細に示されていないが例えば中央処理ユニッ
ト(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ラ
ンダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置
とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに
接続された一般的な構成のものであってよい。
【0044】マイクロコンピュータ72の入出力ポート
装置には車速センサ76より車速Vを示す信号、実質的
に車体の重心に設けられた横加速度センサ78より車体
の横加速度Gy を示す信号、ヨーレートセンサ80より
車体のヨーレートγを示す信号、操舵角センサ82より
操舵角θを示す信号、実質的に車体の重心に設けられた
前後加速度センサ84より車体の前後加速度Gx を示す
信号、車輪速センサ86FL〜86RRよりそれぞれ左右前
輪及び左右後輪の車輪速(周速)Vwi( i=fl、fr、r
l、rr)を示す信号が入力されるようになっている。尚
横加速度センサ78及びヨーレートセンサ80等は車輌
の左旋回方向を正として横加速度等を検出し、前後加速
度センサ84は車輌の加速方向を正として前後加速度を
検出するようになっている。
装置には車速センサ76より車速Vを示す信号、実質的
に車体の重心に設けられた横加速度センサ78より車体
の横加速度Gy を示す信号、ヨーレートセンサ80より
車体のヨーレートγを示す信号、操舵角センサ82より
操舵角θを示す信号、実質的に車体の重心に設けられた
前後加速度センサ84より車体の前後加速度Gx を示す
信号、車輪速センサ86FL〜86RRよりそれぞれ左右前
輪及び左右後輪の車輪速(周速)Vwi( i=fl、fr、r
l、rr)を示す信号が入力されるようになっている。尚
横加速度センサ78及びヨーレートセンサ80等は車輌
の左旋回方向を正として横加速度等を検出し、前後加速
度センサ84は車輌の加速方向を正として前後加速度を
検出するようになっている。
【0045】またマイクロコンピュータ72のROMは
後述の如く種々の制御フロー及びマップを記憶してお
り、CPUは上述の種々のセンサにより検出されたパラ
メータに基づき後述の如く種々の演算を行い、車輌の旋
回挙動を判定すると共に、車輌の旋回挙動を安定化させ
るための各車輪の目標制動力を演算し、その演算結果に
基づき各車輪の制動力を制御するようになっている。
後述の如く種々の制御フロー及びマップを記憶してお
り、CPUは上述の種々のセンサにより検出されたパラ
メータに基づき後述の如く種々の演算を行い、車輌の旋
回挙動を判定すると共に、車輌の旋回挙動を安定化させ
るための各車輪の目標制動力を演算し、その演算結果に
基づき各車輪の制動力を制御するようになっている。
【0046】尚図1には示されていないが、マイクロコ
ンピュータ72にはトラクションコントロール(TR
C)装置よりトラクションコントロールの制御指令信
号、エンジンのスロットル開度を検出するセンサよりス
ロットル開度φを示す信号、マスタシリンダ14内の圧
力を検出する圧力センサより制動油圧Pb を示す信号が
入力されるようになっており、電気式制御装置70はト
ラクションコントロール装置よりの指令信号に基づき必
要に応じて後輪の制動力を制御するようになっている。
ンピュータ72にはトラクションコントロール(TR
C)装置よりトラクションコントロールの制御指令信
号、エンジンのスロットル開度を検出するセンサよりス
ロットル開度φを示す信号、マスタシリンダ14内の圧
力を検出する圧力センサより制動油圧Pb を示す信号が
入力されるようになっており、電気式制御装置70はト
ラクションコントロール装置よりの指令信号に基づき必
要に応じて後輪の制動力を制御するようになっている。
【0047】次に図2に示されたゼネラルフローチャー
トを参照して車輌の挙動制御の概要について説明する。
尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示
されていないイグニッションスイッチの閉成により開始
され、所定の時間毎に繰返し実行される。
トを参照して車輌の挙動制御の概要について説明する。
尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示
されていないイグニッションスイッチの閉成により開始
され、所定の時間毎に繰返し実行される。
【0048】まずステップ50に於いては車速センサ7
6により検出された車速Vを示す信号等の読込みが行わ
れ、ステップ100に於いては横加速度Gy と車速V及
びヨーレートγの積V*γとの偏差Gy −V*γとして
横加速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算
され、この横加速度の偏差Vydが積分されることにより
車体の横すべり速度Vy が演算され、車体の前後速度V
x (=車速V)に対する車体の横すべり速度Vy の比V
y /Vx として車輌の重心に於ける車体のスリップ角β
が演算される。またgを重力加速度として例えば下記の
数3に従って車輪に対する路面の摩擦係数μが推定演算
される。尚車体のスリップ角β及び車輌の横すべり加速
度Vydは測定値であってもよい。
6により検出された車速Vを示す信号等の読込みが行わ
れ、ステップ100に於いては横加速度Gy と車速V及
びヨーレートγの積V*γとの偏差Gy −V*γとして
横加速度の偏差、即ち車輌の横すべり加速度Vydが演算
され、この横加速度の偏差Vydが積分されることにより
車体の横すべり速度Vy が演算され、車体の前後速度V
x (=車速V)に対する車体の横すべり速度Vy の比V
y /Vx として車輌の重心に於ける車体のスリップ角β
が演算される。またgを重力加速度として例えば下記の
数3に従って車輪に対する路面の摩擦係数μが推定演算
される。尚車体のスリップ角β及び車輌の横すべり加速
度Vydは測定値であってもよい。
【数3】μ=(Gx 2 +Gy 2 )1/2 /g
【0049】ステップ150に於いては後述の如く図3
に示されたフローチャートに従って車輌のスピンの度合
を示すスピンバリューSV及び車輌のドリフトアウトの
度合を示すドリフトバリューDVが演算され、これらに
基づきそれぞれスピン制御量Cs 及びドリフト制御量C
d が演算され、これら制御量の和としてトータル制御量
Ct が演算される。
に示されたフローチャートに従って車輌のスピンの度合
を示すスピンバリューSV及び車輌のドリフトアウトの
度合を示すドリフトバリューDVが演算され、これらに
基づきそれぞれスピン制御量Cs 及びドリフト制御量C
d が演算され、これら制御量の和としてトータル制御量
Ct が演算される。
【0050】ステップ200に於いては図4及び図5に
示されたフローチャートに従って目標ヨーモーメント制
御量Mt が演算され、ステップ250に於いては図6に
示されたフローチャートに従って目標付加減速度 dGxt
が演算され、ステップ300に於いては図7に示された
フローチャートに従って目標ヨーモーメント制御量Mt
及び目標付加減速度 dGxtに基づき各輪の目標スリップ
率Rsti が演算され、ステップ350に於いては図8に
示されたフローチャートに従って各輪の制動力を制御す
るための基準輪、即ち非制御輪が選択される。
示されたフローチャートに従って目標ヨーモーメント制
御量Mt が演算され、ステップ250に於いては図6に
示されたフローチャートに従って目標付加減速度 dGxt
が演算され、ステップ300に於いては図7に示された
フローチャートに従って目標ヨーモーメント制御量Mt
及び目標付加減速度 dGxtに基づき各輪の目標スリップ
率Rsti が演算され、ステップ350に於いては図8に
示されたフローチャートに従って各輪の制動力を制御す
るための基準輪、即ち非制御輪が選択される。
【0051】ステップ400に於いてはVb をステップ
350に於いて選択された基準輪の車輪速として下記の
数4に従って各輪の目標車輪速Vwti が演算される。
350に於いて選択された基準輪の車輪速として下記の
数4に従って各輪の目標車輪速Vwti が演算される。
【数4】Vwti =Vb *(1−Rsti )
【0052】ステップ450に於いては各輪のデューテ
ィ比Driが下記の数5に従って演算される。尚下記の数
5に於いて、Kp 及びKd は車輪速フィードバック制御
に於ける比例項及び微分項の比例定数である。
ィ比Driが下記の数5に従って演算される。尚下記の数
5に於いて、Kp 及びKd は車輪速フィードバック制御
に於ける比例項及び微分項の比例定数である。
【数5】Dri=Kp *(Vwi−Vwti )+Kd *d(V
wi−Vwti )/dt
wi−Vwti )/dt
【0053】ステップ500に於いては切換弁42、4
4及び制御弁28、50FL、50FR、に対し制御信号が
出力されることによってその制御弁が第二の位置に切換
え設定されると共に、同じく各輪の開閉弁に対しデュー
ティ比Driに対応する制御信号が出力されることにより
ホイールシリンダ48FL、48FR、66RL、66RRに対
するアキュームレータ圧の給排が制御され、これにより
各輪の制動圧が制御される。
4及び制御弁28、50FL、50FR、に対し制御信号が
出力されることによってその制御弁が第二の位置に切換
え設定されると共に、同じく各輪の開閉弁に対しデュー
ティ比Driに対応する制御信号が出力されることにより
ホイールシリンダ48FL、48FR、66RL、66RRに対
するアキュームレータ圧の給排が制御され、これにより
各輪の制動圧が制御される。
【0054】この場合デューティ比Driが負の基準値と
正の基準値との間の値であるときには上流側の開閉弁が
第二の位置に切換え設定され且つ下流側の開閉弁が第一
の位置に保持されることにより、対応するホイールシリ
ンダ内の圧力が保持され、デューティ比が正の基準値以
上のときには上流側及び下流側の開閉弁が図1に示され
た位置に制御されることにより、対応するホイールシリ
ンダへアキュームレータ圧が供給されることによって該
ホイールシリンダ内の圧力が増圧され、デューティ比が
負の基準値以下であるときには上流側及び下流側の開閉
弁が第二の位置に切換え設定されることにより、対応す
るホイールシリンダ内のブレーキオイルが低圧導管52
へ排出され、これにより該ホイールシリンダ内の圧力が
減圧される。
正の基準値との間の値であるときには上流側の開閉弁が
第二の位置に切換え設定され且つ下流側の開閉弁が第一
の位置に保持されることにより、対応するホイールシリ
ンダ内の圧力が保持され、デューティ比が正の基準値以
上のときには上流側及び下流側の開閉弁が図1に示され
た位置に制御されることにより、対応するホイールシリ
ンダへアキュームレータ圧が供給されることによって該
ホイールシリンダ内の圧力が増圧され、デューティ比が
負の基準値以下であるときには上流側及び下流側の開閉
弁が第二の位置に切換え設定されることにより、対応す
るホイールシリンダ内のブレーキオイルが低圧導管52
へ排出され、これにより該ホイールシリンダ内の圧力が
減圧される。
【0055】次に図3に示されたフローチャートを参照
してスピンバリューSV、ドリフトバリューDV、トー
タル制御量Ct の演算ルーチンについて説明する。
してスピンバリューSV、ドリフトバリューDV、トー
タル制御量Ct の演算ルーチンについて説明する。
【0056】まずステップ152に於いてはMを車輌の
質量とし、図17に示されている如くHをホイールベー
スとし、Lf 及びLr をそれぞれ車輌の重心Pg と車輌
の前輪車軸100及び後輪車軸102との間の距離と
し、Cr を後輪のコーナリングパワーとして、線形理論
に於いて車体のスリップ角が0になる位置Po までの車
輌の重心Pg からの前後方向の距離Zp (車輌後方が
正)が下記の数6に従って演算される。
質量とし、図17に示されている如くHをホイールベー
スとし、Lf 及びLr をそれぞれ車輌の重心Pg と車輌
の前輪車軸100及び後輪車軸102との間の距離と
し、Cr を後輪のコーナリングパワーとして、線形理論
に於いて車体のスリップ角が0になる位置Po までの車
輌の重心Pg からの前後方向の距離Zp (車輌後方が
正)が下記の数6に従って演算される。
【数6】Zp =Lr *{1−(21/2 M*Lf *V2 )
/(H*Lr *Cr )}
/(H*Lr *Cr )}
【0057】ステップ154に於いては位置Po よりL
p /2(Lp は正の定数)の範囲内に於いて車体のスリ
ップ角が最小値になる位置までの車輌の重心Pg からの
前後方向の距離αが下記の数7に従って演算される。
p /2(Lp は正の定数)の範囲内に於いて車体のスリ
ップ角が最小値になる位置までの車輌の重心Pg からの
前後方向の距離αが下記の数7に従って演算される。
【数7】α=Zp +Lp *Θ[(−V*β/γ−Zp )
/Lp ]/2
/Lp ]/2
【0058】尚距離αは、図9に示されたグラフ、即ち
−V*β/γを横軸としαを縦軸とする直交座標に於い
て、直線状の傾斜部が原点を通り傾きが1である直線に
沿って延在し、上限及び下限がそれぞれZp +Lp /
2、Zp −Lp /2であるグラフに対応するマップより
演算されてもよい。
−V*β/γを横軸としαを縦軸とする直交座標に於い
て、直線状の傾斜部が原点を通り傾きが1である直線に
沿って延在し、上限及び下限がそれぞれZp +Lp /
2、Zp −Lp /2であるグラフに対応するマップより
演算されてもよい。
【0059】ステップ156に於いては下記の数8に従
って車輌の重心Pg より距離αの位置に於ける車体のス
リップ角βs が演算される。
って車輌の重心Pg より距離αの位置に於ける車体のス
リップ角βs が演算される。
【数8】βs =β+α*γ/V
【0060】ステップ158に於いては上述のステップ
156に於いて演算された車体のスリップ角βs 及び車
輌の横すべり加速度Vydに基づきKs を正の定数として
下記の数9に従ってスピンバリューSVが演算される。
156に於いて演算された車体のスリップ角βs 及び車
輌の横すべり加速度Vydに基づきKs を正の定数として
下記の数9に従ってスピンバリューSVが演算される。
【数9】SV=βs +Ks *Vyd
【0061】尚それぞれ数8及び数9の演算に供される
車輌の重心に於ける車体のスリップ角β及び車輌の横す
べり加速度Vydは上述のステップ50に於いて演算され
た値であってよいが、これらは測定値であってもよい。
車輌の重心に於ける車体のスリップ角β及び車輌の横す
べり加速度Vydは上述のステップ50に於いて演算され
た値であってよいが、これらは測定値であってもよい。
【0062】ステップ160に於いてはKh をスタビリ
ティファクタとしRg をステアリングギヤ比として下記
の数10に従って目標ヨーレートγc が演算されると共
に、Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の数
11に従って基準ヨーレートγt が演算される。
ティファクタとしRg をステアリングギヤ比として下記
の数10に従って目標ヨーレートγc が演算されると共
に、Tを時定数としsをラプラス演算子として下記の数
11に従って基準ヨーレートγt が演算される。
【0063】
【数10】γc =V*θ/(1+Kh *V2 )*H/R
g
g
【数11】γt =γc /(1+T*s)
【0064】ステップ162に於いては下記の数12又
は数13に従ってドリフトバリューDVが演算される。
は数13に従ってドリフトバリューDVが演算される。
【0065】
【数12】DV=H*(1+Kh *V2 )*(γt −
γ)/V−βs
γ)/V−βs
【数13】DV=H*(γt −γ)/V
【0066】尚ドリフトバリューDVは前輪のスリップ
角βf に設定されてもよいが、基準ヨーレートγt は実
ヨーレートγよりできるだけ乖離しないよう数10及び
数11に従って演算されるので、ドリフトバリューが前
輪のスリップ角βf に設定される場合に比して不必要な
制動制御を低減することができる。
角βf に設定されてもよいが、基準ヨーレートγt は実
ヨーレートγよりできるだけ乖離しないよう数10及び
数11に従って演算されるので、ドリフトバリューが前
輪のスリップ角βf に設定される場合に比して不必要な
制動制御を低減することができる。
【0067】ステップ164に於いてはスピンバリュー
SVの絶対値に基づき図10に示されたグラフに対応す
るマップよりスピン制御量Cs が演算され、同様にステ
ップ166に於いてはドリフトバリューDVの絶対値に
基づき図11に示されたグラフに対応するマップよりド
リフト制御量Cd が演算され、ステップ168に於いて
はスピン制御量Cs とドリフト制御量Cd との和として
トータル制御量Ct が演算される。
SVの絶対値に基づき図10に示されたグラフに対応す
るマップよりスピン制御量Cs が演算され、同様にステ
ップ166に於いてはドリフトバリューDVの絶対値に
基づき図11に示されたグラフに対応するマップよりド
リフト制御量Cd が演算され、ステップ168に於いて
はスピン制御量Cs とドリフト制御量Cd との和として
トータル制御量Ct が演算される。
【0068】尚トータル制御量Ct は、Cs 及びCd の
一方が他方よりも遥かに大きいときにはその大きい方の
値が強調され、Cs 及びCd が互いに近い値であるとき
にはそれらの平均値よりも大きい値になるよう、下記の
数14に従って演算されてもよい。またトータル制御量
Ct は下記の数15に従ってCs 及びCd の何れか大き
い方の値に設定されてもよい。
一方が他方よりも遥かに大きいときにはその大きい方の
値が強調され、Cs 及びCd が互いに近い値であるとき
にはそれらの平均値よりも大きい値になるよう、下記の
数14に従って演算されてもよい。またトータル制御量
Ct は下記の数15に従ってCs 及びCd の何れか大き
い方の値に設定されてもよい。
【0069】
【数14】Ct =Cs +Cd −Cs *Cd
【数15】Ct =Cs (Cs >Cd )Ct =Cd
(Cd >Cs )
(Cd >Cs )
【0070】次に図4に示されたフローチャートを参照
して目標ヨーモーメント制御量Mt演算ルーチンについ
て説明する。
して目標ヨーモーメント制御量Mt演算ルーチンについ
て説明する。
【0071】まずステップ202に於いてはトラクショ
ンコントロール中であるか否かの判別が行われ、否定判
別が行われたときにはステップ204に於いて限界後輪
スリップ角がカード値演算の基準値βrlb として下記の
数16に従って演算され、肯定判別が行われたときには
ステップ206に於いて限界後輪スリップ角βrlb が下
記の数17に従って演算される。尚下記の数16及び数
17に於いてa1 、a2 及びb1 及びb2 はそれぞれ正
の定数であり、トラクションコントロール中の場合には
後輪タイヤの横力の余裕が小さく限界後輪スリップ角も
小さくなるので、各定数はa1 >a2 、b1 >b2 の関
係を有する。
ンコントロール中であるか否かの判別が行われ、否定判
別が行われたときにはステップ204に於いて限界後輪
スリップ角がカード値演算の基準値βrlb として下記の
数16に従って演算され、肯定判別が行われたときには
ステップ206に於いて限界後輪スリップ角βrlb が下
記の数17に従って演算される。尚下記の数16及び数
17に於いてa1 、a2 及びb1 及びb2 はそれぞれ正
の定数であり、トラクションコントロール中の場合には
後輪タイヤの横力の余裕が小さく限界後輪スリップ角も
小さくなるので、各定数はa1 >a2 、b1 >b2 の関
係を有する。
【0072】
【数16】βrlb =a1 *μ+b1
【数17】βrlb =a2 *μ+b2
【0073】尚タイヤの特性を考えると限界後輪スリッ
プ角βrlb は路面の摩擦係数μに比例するが、路面の摩
擦係数の推定精度に限界があること、及び路面の摩擦係
数が低い場合にも車輌の旋回時に若干多めのスリップ角
がついた方が車輌の乗員に安心感が与えられる等の理由
から、上記数16及び数17に於いてb1 及びb2 が正
の定数として設定される。
プ角βrlb は路面の摩擦係数μに比例するが、路面の摩
擦係数の推定精度に限界があること、及び路面の摩擦係
数が低い場合にも車輌の旋回時に若干多めのスリップ角
がついた方が車輌の乗員に安心感が与えられる等の理由
から、上記数16及び数17に於いてb1 及びb2 が正
の定数として設定される。
【0074】ステップ208及び210に於いてはそれ
ぞれKt1及びKt2を正の定数として後輪の目標スリップ
角の比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 に対するガ
ード値βrl1 及びβrl2 が下記の数18及び19に従っ
て演算される。
ぞれKt1及びKt2を正の定数として後輪の目標スリップ
角の比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 に対するガ
ード値βrl1 及びβrl2 が下記の数18及び19に従っ
て演算される。
【0075】
【数18】βrl1 =Kt1*βrlb
【数19】βrl2 =Kt2*βrlb
【0076】ステップ212に於いては車輌の横加速度
Gy のモデル値Gytが下記の数20に従って演算され、
ステップ214に於いてはモデル値Gytの微分値Gytd
が演算される。
Gy のモデル値Gytが下記の数20に従って演算され、
ステップ214に於いてはモデル値Gytの微分値Gytd
が演算される。
【数20】 Gyt=V2 *θ/[(1+Kh *V2 )Rg *H]
【0077】ステップ216に於いては車輌の横加速度
のモデル値Gytとその微分値Gytdとが互いに異符号で
あるか否かの判別、即ち運転者による切り戻し操舵が行
われているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われた
ときにはステップ232へ進み、否定判別が行われたと
きにはステップ218へ進む。
のモデル値Gytとその微分値Gytdとが互いに異符号で
あるか否かの判別、即ち運転者による切り戻し操舵が行
われているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われた
ときにはステップ232へ進み、否定判別が行われたと
きにはステップ218へ進む。
【0078】ステップ218に於いては車体のヨーレー
トγと操舵角θとが互いに異符号であるか否かの判別、
即ち運転者によるカウンタステアが行われているか否か
の判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ
222へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ2
20に於いて時定数TがT2 (正の定数)にセットされ
た後ステップ228へ進む。
トγと操舵角θとが互いに異符号であるか否かの判別、
即ち運転者によるカウンタステアが行われているか否か
の判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ
222へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ2
20に於いて時定数TがT2 (正の定数)にセットされ
た後ステップ228へ進む。
【0079】ステップ222に於いては時定数TがTo
(正の定数)を越えているか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ224に於いて時定数
TがTo にセットされた後ステップ228へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ226に於いて時定数
TがΔT(微小な正の定数)デクリメントされた後ステ
ップ228へ進む。尚正の定数To 、T2 及び後述のス
テップ232及び234の演算に於いて使用される時定
数T1 (正の定数)はT2 >To >T1 の関係を満たし
ている。
(正の定数)を越えているか否かの判別が行われ、否定
判別が行われたときにはステップ224に於いて時定数
TがTo にセットされた後ステップ228へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ226に於いて時定数
TがΔT(微小な正の定数)デクリメントされた後ステ
ップ228へ進む。尚正の定数To 、T2 及び後述のス
テップ232及び234の演算に於いて使用される時定
数T1 (正の定数)はT2 >To >T1 の関係を満たし
ている。
【0080】ステップ228に於いては後輪の目標スリ
ップ角の比例項成分βrt1 が下記の数21に従って演算
され、ステップ230に於いては後輪の目標スリップ角
の微分項成分βrt2 が下記の数22に従って演算され
る。
ップ角の比例項成分βrt1 が下記の数21に従って演算
され、ステップ230に於いては後輪の目標スリップ角
の微分項成分βrt2 が下記の数22に従って演算され
る。
【0081】
【数21】βrt1 =Gyt/(1+T*s)
【数22】βrt2 =Gytd /(1+T*s)
【0082】同様にステップ232に於いては後輪の目
標スリップ角の比例項成分βrt1 が下記の数23に従っ
て演算され、ステップ234に於いては後輪の目標スリ
ップ角の微分項成分βrt2 が下記の数24に従って演算
される。
標スリップ角の比例項成分βrt1 が下記の数23に従っ
て演算され、ステップ234に於いては後輪の目標スリ
ップ角の微分項成分βrt2 が下記の数24に従って演算
される。
【0083】
【数23】βrt1 =Gyt/(1+T1 *s)
【数24】βrt2 =Gytd /(1+T1 *s)
【0084】ステップ236に於いては比例項成分βrt
1 がそのガード値βrl1 によりガード処理され、ステッ
プ238に於いては微分項成分βrt2 がそのガード値β
rl2によりガード処理され、ステップ240に於いては
後輪の目標スリップ角βrtが下記の数25に従ってβrt
1 及びβrt2 の和として演算される。
1 がそのガード値βrl1 によりガード処理され、ステッ
プ238に於いては微分項成分βrt2 がそのガード値β
rl2によりガード処理され、ステップ240に於いては
後輪の目標スリップ角βrtが下記の数25に従ってβrt
1 及びβrt2 の和として演算される。
【数25】βrt=βrt1 +βrt2
【0085】ステップ242に於いては下記の数26に
従って後輪のスリップ角βr が演算され、またその微分
値βrdが演算されると共に、Kを正の定数としてβr +
K*βrdをBとすると、Bの大きさに応じて下記の数2
7に従って目標ヨーモーメントMt の第一の成分M1 、
即ち後輪のスリップ角βrlと後輪の目標スリップ角βrt
との偏差に基づく成分が演算される。尚数27及び後述
の数28に於いてM01及びM02は正の定数である。
従って後輪のスリップ角βr が演算され、またその微分
値βrdが演算されると共に、Kを正の定数としてβr +
K*βrdをBとすると、Bの大きさに応じて下記の数2
7に従って目標ヨーモーメントMt の第一の成分M1 、
即ち後輪のスリップ角βrlと後輪の目標スリップ角βrt
との偏差に基づく成分が演算される。尚数27及び後述
の数28に於いてM01及びM02は正の定数である。
【0086】
【数26】βr =β+Lr *γ/V
【数27】|B|>βrlのとき M1 =M01*(βr +K*βrd) βrt<B<βrlのとき M1 ={βrl*M01/(βrl−βrt)}(βr −βrt+
K*βrd) −βrl<B<βrtのとき M1 ={βrl*M01/(βrl+βrt)}(βr −βrt+
K*βrd)
K*βrd) −βrl<B<βrtのとき M1 ={βrl*M01/(βrl+βrt)}(βr −βrt+
K*βrd)
【0087】尚目標ヨーモーメントMt の第一の成分M
1 はβr +K*βrdを横軸とし第一の成分M1 を縦軸と
する図13に示されたグラフに対応するマップより演算
されてもよい。
1 はβr +K*βrdを横軸とし第一の成分M1 を縦軸と
する図13に示されたグラフに対応するマップより演算
されてもよい。
【0088】ステップ244に於いては下記の数28に
従って目標ヨーモーメントMt の第二の成分M2 、即ち
基準ヨーレートγt と実ヨーレートγとの偏差に基づく
成分が演算される。
従って目標ヨーモーメントMt の第二の成分M2 、即ち
基準ヨーレートγt と実ヨーレートγとの偏差に基づく
成分が演算される。
【数28】M2 =M02*H*(γt −γ)/V
【0089】ステップ246に於いてはスピンバリュー
SVの絶対値に基づき図14に示されたグラフに対応す
るマップより第二の成分M2 の重みWy が演算され、ス
テップ248に於いては下記の数29に従って第一の成
分M1 及び第二の成分M2 の線形和として目標ヨーモー
メントMt が演算される。
SVの絶対値に基づき図14に示されたグラフに対応す
るマップより第二の成分M2 の重みWy が演算され、ス
テップ248に於いては下記の数29に従って第一の成
分M1 及び第二の成分M2 の線形和として目標ヨーモー
メントMt が演算される。
【数29】 Mt =μ*Ct *{(1−Wy )*M1 +Wy *M2 }
【0090】次に図6に示されたフローチャートを参照
して目標付加減速度 dGxt演算ルーチンについて説明す
る。
して目標付加減速度 dGxt演算ルーチンについて説明す
る。
【0091】まずステップ252に於いてはスロットル
開度φ又は制動油圧Pb に基づき図15に示されたグラ
フに対応するマップより運転者の目標減速度Gxtが演算
される。尚図15に於いてPboはハイドロブースタ16
のアシスト限界油圧であり、制動油圧がPboを越えると
きにはハイドロブースタのアシスト切れ分が補正され
る。
開度φ又は制動油圧Pb に基づき図15に示されたグラ
フに対応するマップより運転者の目標減速度Gxtが演算
される。尚図15に於いてPboはハイドロブースタ16
のアシスト限界油圧であり、制動油圧がPboを越えると
きにはハイドロブースタのアシスト切れ分が補正され
る。
【0092】ステップ254に於いては運転者の目標減
速度Gxt及び路面の摩擦係数μに基づき図16に示され
たグラフに対応するマップより付加減速度の基準値 dG
xt0が演算され、ステップ256に於いては下記の数3
0に従って目標付加減速度 dGxtが演算される。
速度Gxt及び路面の摩擦係数μに基づき図16に示され
たグラフに対応するマップより付加減速度の基準値 dG
xt0が演算され、ステップ256に於いては下記の数3
0に従って目標付加減速度 dGxtが演算される。
【数30】dGxt=μ*Ct * dGxt0
【0093】次に図7に示されたフローチャートを参照
して各輪の目標スリップ率Rsti 演算ルーチンについて
説明する。
して各輪の目標スリップ率Rsti 演算ルーチンについて
説明する。
【0094】まずステップ302に於いてはaを正の定
数とし、Kf を前輪の配分比(0<Kf <1)とし、 d
Gxtf をg*m* dGxt(gは重力加速度、mを各車輪
に作用する車体の質量)とし、左前後輪又は右前後輪の
接地荷重が0になるときの車輌の横加速度をGwy(正の
定数)とし、左右後輪の接地荷重が0になるときの車輌
の前後加速度をGwx(正の定数)とし、Tr を車輌のト
レッドとして下記の数31に従って各輪の目標制動力F
xti (i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
数とし、Kf を前輪の配分比(0<Kf <1)とし、 d
Gxtf をg*m* dGxt(gは重力加速度、mを各車輪
に作用する車体の質量)とし、左前後輪又は右前後輪の
接地荷重が0になるときの車輌の横加速度をGwy(正の
定数)とし、左右後輪の接地荷重が0になるときの車輌
の前後加速度をGwx(正の定数)とし、Tr を車輌のト
レッドとして下記の数31に従って各輪の目標制動力F
xti (i=fl、fr、rl、rr)が演算される。
【数31】 Fxtfl=Mt *{1/(Tr *cos θ−a*sin θ)+ dGxtf } *Kf *(1−Gy /Gwy−Gx /Gwx) Fxtfr=−Mt *{1/(Tr *cos θ+a*sin θ)+ dGxtf } *Kf *(1+Gy /Gwy−Gx /Gwx) Fxtrl=Mt *{1/Tr + dGxtf } *(1−Kf )*(1−Gy /Gwy+Gx /Gwx) Fxtrr=−Mt *{1/Tr + dGxtf } *(1−Kf )*(1+Gy /Gwy+Gx /Gwx)
【0095】ステップ304に於いては制動力よりスリ
ップ率への換算定数をKfsとして下記の数32に従って
各輪の目標スリップ率Rsti ( i=fl、fr、rl、rr)が
演算される。
ップ率への換算定数をKfsとして下記の数32に従って
各輪の目標スリップ率Rsti ( i=fl、fr、rl、rr)が
演算される。
【数32】Rsti =Fxtr *Kfs
【0096】次に図8に示されたフローチャートを参照
して基準輪選択ルーチンについて説明する。
して基準輪選択ルーチンについて説明する。
【0097】まずステップ352に於いては目標付加減
速度 dGxtが負であるか否かの判別、即ち制動油圧の減
圧制御時であるか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ354へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ360へ進む。
速度 dGxtが負であるか否かの判別、即ち制動油圧の減
圧制御時であるか否かの判別が行われ、否定判別が行わ
れたときにはステップ354へ進み、肯定判別が行われ
たときにはステップ360へ進む。
【0098】ステップ354に於いては車輌の横加速度
Gy と目標ヨーモーメントMt との積Gy *Mt が正で
あるか否かの判別、即ち目標ヨーモーメントが旋回補助
方向のヨーモーメントであるか否かの判別が行われ、否
定判別が行われたときにはステップ356へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ358ヘ進む。ステッ
プ360に於いてもステップ354と同様の判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ362へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ364へ進
む。
Gy と目標ヨーモーメントMt との積Gy *Mt が正で
あるか否かの判別、即ち目標ヨーモーメントが旋回補助
方向のヨーモーメントであるか否かの判別が行われ、否
定判別が行われたときにはステップ356へ進み、肯定
判別が行われたときにはステップ358ヘ進む。ステッ
プ360に於いてもステップ354と同様の判別が行わ
れ、否定判別が行われたときにはステップ362へ進
み、肯定判別が行われたときにはステップ364へ進
む。
【0099】ステップ356及び364に於いては旋回
内側前輪の目標スリップ率Rfti が0に設定されること
により旋回内側前輪が基準輪に選択され、ステップ35
8及び362に於いては旋回外側前輪の目標スリップ率
Rsti が0に設定されることにより基準輪が旋回外側前
輪に設定される。尚旋回内側又は外側の判別は例えば車
輌のヨーレートγ又は横加速度Gy の符号により行われ
てよい。
内側前輪の目標スリップ率Rfti が0に設定されること
により旋回内側前輪が基準輪に選択され、ステップ35
8及び362に於いては旋回外側前輪の目標スリップ率
Rsti が0に設定されることにより基準輪が旋回外側前
輪に設定される。尚旋回内側又は外側の判別は例えば車
輌のヨーレートγ又は横加速度Gy の符号により行われ
てよい。
【0100】かくして図示の実施形態に於いては、ステ
ップ100に於いて車体のスリップ角β及び車輪に対す
る路面の摩擦係数μが推定演算され、ステップ150に
於いて車輌のスピンの度合を示すスピンバリューSV及
び車輌のドリフトアウトの度合を示すドリフトバリュー
DVが演算され、これらに基づきそれぞれスピン制御量
Cs 及びドリフト制御量Cd が演算され、車輌の旋回挙
動の不安定度合を示すトータル制御量Ct が二つの制御
量の和Cs 及びCd として演算される。
ップ100に於いて車体のスリップ角β及び車輪に対す
る路面の摩擦係数μが推定演算され、ステップ150に
於いて車輌のスピンの度合を示すスピンバリューSV及
び車輌のドリフトアウトの度合を示すドリフトバリュー
DVが演算され、これらに基づきそれぞれスピン制御量
Cs 及びドリフト制御量Cd が演算され、車輌の旋回挙
動の不安定度合を示すトータル制御量Ct が二つの制御
量の和Cs 及びCd として演算される。
【0101】またステップ200に於いて目標ヨーモー
メント制御量Mt が演算され、ステップ250に於いて
目標付加減速度 dGxtが演算され、ステップ300に於
いて目標ヨーモーメント制御量Mt 及び目標付加減速度
dGxtに基づき各輪の目標スリップ率Rsti が演算さ
れ、ステップ350に於いて各輪の制動力を制御するた
めの基準輪が選択され、ステップ400に於いて各輪の
目標車輪速Vwti が演算され、ステップ450に於いて
はデューティ比Driが演算され、ステップ500に於い
て各輪の制御弁及び開閉弁に対し制御信号が出力される
ことによりデューティ比Driに応じて各輪の制動圧が制
御される。
メント制御量Mt が演算され、ステップ250に於いて
目標付加減速度 dGxtが演算され、ステップ300に於
いて目標ヨーモーメント制御量Mt 及び目標付加減速度
dGxtに基づき各輪の目標スリップ率Rsti が演算さ
れ、ステップ350に於いて各輪の制動力を制御するた
めの基準輪が選択され、ステップ400に於いて各輪の
目標車輪速Vwti が演算され、ステップ450に於いて
はデューティ比Driが演算され、ステップ500に於い
て各輪の制御弁及び開閉弁に対し制御信号が出力される
ことによりデューティ比Driに応じて各輪の制動圧が制
御される。
【0102】特にステップ202〜210に於いてそれ
ぞれ後輪の目標スリップ角の比例項成分βrt1 及び微分
項成分βrt2 に対するガード値βrl1 、βrl2 が演算さ
れ、ステップ212に於いて運転者の希望する旋回度合
を示す車輌の横加速度Gy のモデル値Gytが演算され、
ステップ216〜240に於いてモデル値Gytに基づき
後輪の目標スリップ角βrtが演算され、ステップ242
に於いて後輪の目標ヨーモーメントMt の第一の成分M
1が後輪のスリップ角βr 及び後輪のスリップ角速度β
rdに基づき後輪のスリップ角βr を目標スリップ角βrt
とするためのヨーモーメントのPD制御量として演算さ
れるので、後輪のスリップ角を運転者の希望する旋回度
合により定まる目標スリップ角とするヨーモーメントが
車輌に与えられるよう各輪の制動力を制御することがで
き、これによりスピン又はドリフトアウトが単独で発生
する状況は勿論のこと、これらが同時に発生する状況に
於いても車輌の旋回挙動を適切に制御することができ
る。
ぞれ後輪の目標スリップ角の比例項成分βrt1 及び微分
項成分βrt2 に対するガード値βrl1 、βrl2 が演算さ
れ、ステップ212に於いて運転者の希望する旋回度合
を示す車輌の横加速度Gy のモデル値Gytが演算され、
ステップ216〜240に於いてモデル値Gytに基づき
後輪の目標スリップ角βrtが演算され、ステップ242
に於いて後輪の目標ヨーモーメントMt の第一の成分M
1が後輪のスリップ角βr 及び後輪のスリップ角速度β
rdに基づき後輪のスリップ角βr を目標スリップ角βrt
とするためのヨーモーメントのPD制御量として演算さ
れるので、後輪のスリップ角を運転者の希望する旋回度
合により定まる目標スリップ角とするヨーモーメントが
車輌に与えられるよう各輪の制動力を制御することがで
き、これによりスピン又はドリフトアウトが単独で発生
する状況は勿論のこと、これらが同時に発生する状況に
於いても車輌の旋回挙動を適切に制御することができ
る。
【0103】またこの場合ステップ218に於いて運転
者によりカウンタステアが行われているか否かが判別さ
れ、カウンタステアが行われているときにはステップ2
20に於いて時定数Tが大きい値T2 にセットされるこ
とにより、挙動制御の応答性が低下され、後輪の目標ス
リップ角βrtの大きさが低減されるので、カウンタステ
アによる挙動制御への悪影響を低減し、カウンタステア
を反映した挙動制御による挙動の悪化を抑制することが
できる。
者によりカウンタステアが行われているか否かが判別さ
れ、カウンタステアが行われているときにはステップ2
20に於いて時定数Tが大きい値T2 にセットされるこ
とにより、挙動制御の応答性が低下され、後輪の目標ス
リップ角βrtの大きさが低減されるので、カウンタステ
アによる挙動制御への悪影響を低減し、カウンタステア
を反映した挙動制御による挙動の悪化を抑制することが
できる。
【0104】またステップ216に於いて運転者により
切り戻し操舵が行われているか否かが判別され、切り戻
し操舵が行われているときにはステップ232及び23
4に於いて時定数Tが小さい値T1 にセットされること
により、挙動制御の応答性が向上され、後輪の目標スリ
ップ角βrtの大きさが増大されるので、切り戻し操舵に
よる挙動制御への好ましい影響を増大させ、車輌の挙動
を速やかに安定化させることができる。
切り戻し操舵が行われているか否かが判別され、切り戻
し操舵が行われているときにはステップ232及び23
4に於いて時定数Tが小さい値T1 にセットされること
により、挙動制御の応答性が向上され、後輪の目標スリ
ップ角βrtの大きさが増大されるので、切り戻し操舵に
よる挙動制御への好ましい影響を増大させ、車輌の挙動
を速やかに安定化させることができる。
【0105】またそれぞれステップ228及び230又
はステップ232及び234に於いて後輪の目標スリッ
プ角の比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 がモデル
値Gytに基づいて演算され、それぞれステップ236及
び238に於いて比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt
2 がそのガード値βrl1 、βrl2 にてガード処理され、
ステップ240に於いて後輪の目標スリップ角βrtが比
例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 の和として演算さ
れるので、後輪の目標スリップ角が過大になることに起
因して車輌の挙動が却って悪化することを防止すること
ができる。
はステップ232及び234に於いて後輪の目標スリッ
プ角の比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 がモデル
値Gytに基づいて演算され、それぞれステップ236及
び238に於いて比例項成分βrt1 及び微分項成分βrt
2 がそのガード値βrl1 、βrl2 にてガード処理され、
ステップ240に於いて後輪の目標スリップ角βrtが比
例項成分βrt1 及び微分項成分βrt2 の和として演算さ
れるので、後輪の目標スリップ角が過大になることに起
因して車輌の挙動が却って悪化することを防止すること
ができる。
【0106】またステップ216に於いて運転者による
切り戻し操舵が行われていない旨の判別が行われ、ステ
ップ218に於いて運転者によるカウンタステアが行わ
れていない旨の判別が行われると、ステップ226に於
いて時定数Tが漸次低減されると共にステップ222及
び224に於いて時定数TがTo 以下にならないようガ
ード処理されるので、例えば運転者によりカウンタステ
ア後に不適切な操舵操作が行われても、その不適切な操
舵操作を反映した挙動制御による挙動の悪化を抑制する
ことができる。
切り戻し操舵が行われていない旨の判別が行われ、ステ
ップ218に於いて運転者によるカウンタステアが行わ
れていない旨の判別が行われると、ステップ226に於
いて時定数Tが漸次低減されると共にステップ222及
び224に於いて時定数TがTo 以下にならないようガ
ード処理されるので、例えば運転者によりカウンタステ
ア後に不適切な操舵操作が行われても、その不適切な操
舵操作を反映した挙動制御による挙動の悪化を抑制する
ことができる。
【0107】またステップ202〜206に於いてガー
ド値演算の基準値としての限界後輪スリップ角βrlb は
車輌がトラクションコントロール中であり後輪に制動力
が与えられているときには小さく演算されるので、車輌
がトラクションコントロール中であるか否かに応じて後
輪の目標スリップ角βrtの比例項成分及び微分項成分を
適切にガード処理し、これにより目標ヨーモーメントM
t を適正に演算することができる。
ド値演算の基準値としての限界後輪スリップ角βrlb は
車輌がトラクションコントロール中であり後輪に制動力
が与えられているときには小さく演算されるので、車輌
がトラクションコントロール中であるか否かに応じて後
輪の目標スリップ角βrtの比例項成分及び微分項成分を
適切にガード処理し、これにより目標ヨーモーメントM
t を適正に演算することができる。
【0108】またステップ244に於いて目標ヨーモー
メントMt の第二の成分M2 がヨーレート偏差に基づい
て演算され、ステップ248に於いて目標ヨーモーメン
トMt が第一の成分M1 と第二の成分M2 との線形和と
して演算されるが、第二の成分の重みWy はスピンバリ
ューSVの絶対値が高い領域に於いては該絶対値の増大
につれて漸次小さくなるよう演算されるので、スピンの
程度が低いとときには第二の成分M2 の比重を高くして
目標ヨーモーメントMt を演算し、これによりドリフト
アウトを良好に低減することができ、逆にスピンの程度
が高いときには第一の成分M1 の比重を高くして目標ヨ
ーモーメントを演算し、これによりスピンを確実に低減
することができる。
メントMt の第二の成分M2 がヨーレート偏差に基づい
て演算され、ステップ248に於いて目標ヨーモーメン
トMt が第一の成分M1 と第二の成分M2 との線形和と
して演算されるが、第二の成分の重みWy はスピンバリ
ューSVの絶対値が高い領域に於いては該絶対値の増大
につれて漸次小さくなるよう演算されるので、スピンの
程度が低いとときには第二の成分M2 の比重を高くして
目標ヨーモーメントMt を演算し、これによりドリフト
アウトを良好に低減することができ、逆にスピンの程度
が高いときには第一の成分M1 の比重を高くして目標ヨ
ーモーメントを演算し、これによりスピンを確実に低減
することができる。
【0109】また目標ヨーモーメントMt はステップ2
48に於いて路面の摩擦係数μを第一の成分M1 及びM
2 の線形和に対する係数として演算されるので、路面の
摩擦係数が低いほど小さい値に演算され、このことによ
っても路面の摩擦係数に応じて目標ヨーモーメントを適
切に演算することができる。
48に於いて路面の摩擦係数μを第一の成分M1 及びM
2 の線形和に対する係数として演算されるので、路面の
摩擦係数が低いほど小さい値に演算され、このことによ
っても路面の摩擦係数に応じて目標ヨーモーメントを適
切に演算することができる。
【0110】また図示の実施形態によれば、ステップ1
52〜168に於いて車輌の旋回挙動の不安定度合を示
すトータル制御量Ct が演算され、ステップ248に於
いてトータル制御量が高いほど目標ヨーモーメントMt
が大きくなるよう演算されるので、車輌の旋回挙動の不
安定度合が高いほど車輌に大きいヨーモーメントを与え
ることができ、これにより旋回挙動の不安定度合が高い
場合にも旋回挙動を確実に安定化させることができる。
52〜168に於いて車輌の旋回挙動の不安定度合を示
すトータル制御量Ct が演算され、ステップ248に於
いてトータル制御量が高いほど目標ヨーモーメントMt
が大きくなるよう演算されるので、車輌の旋回挙動の不
安定度合が高いほど車輌に大きいヨーモーメントを与え
ることができ、これにより旋回挙動の不安定度合が高い
場合にも旋回挙動を確実に安定化させることができる。
【0111】また図示の実施形態によればステップ15
2に於いて線形理論に於いて車体のスリップ角が0にな
る位置Po までの車輌の重心Pg からの前後方向の距離
Zpが演算され、ステップ154に於いて位置Po より
それぞれ車輌前後方向にLp/2の範囲内に於いて車体
のスリップ角が最小値になる位置までの車輌の重心Pg
からの前後方向の距離αが演算され、このαに基づいて
ステップ156により車体のスリップ角βs が演算され
るので、車体のスリップ角が車輌の重心に於けるスリッ
プ角として演算される場合に比して、スピンバリューS
Vを正確に演算し、これにより車輌の不安定度合を示す
トータル制御量Ct を正確に演算することができる。
2に於いて線形理論に於いて車体のスリップ角が0にな
る位置Po までの車輌の重心Pg からの前後方向の距離
Zpが演算され、ステップ154に於いて位置Po より
それぞれ車輌前後方向にLp/2の範囲内に於いて車体
のスリップ角が最小値になる位置までの車輌の重心Pg
からの前後方向の距離αが演算され、このαに基づいて
ステップ156により車体のスリップ角βs が演算され
るので、車体のスリップ角が車輌の重心に於けるスリッ
プ角として演算される場合に比して、スピンバリューS
Vを正確に演算し、これにより車輌の不安定度合を示す
トータル制御量Ct を正確に演算することができる。
【0112】以上に於ては本発明を特定の実施形態につ
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
いて詳細に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実
施形態が可能であることは当業者にとって明らかであろ
う。
【0113】例えば図示の実施形態に於いては、目標旋
回量は後輪の目標スリップ角βrtであるが、少なくとも
操舵角に基づく状態量の比例項成分及び微分項成分を含
む目標値であればよく、例えば目標ヨーレート等であっ
てもよい。
回量は後輪の目標スリップ角βrtであるが、少なくとも
操舵角に基づく状態量の比例項成分及び微分項成分を含
む目標値であればよく、例えば目標ヨーレート等であっ
てもよい。
【0114】また図示の実施形態に於いては、ステップ
242に於いて目標ヨーモーメントMt の第一の成分M
1 は後輪のスリップ角βr 及びその微分値βrdに基づき
演算されるようになっているが、微分値βrdの代わりに
車体のスリップ角の微分値βsdが使用されてもよい。
242に於いて目標ヨーモーメントMt の第一の成分M
1 は後輪のスリップ角βr 及びその微分値βrdに基づき
演算されるようになっているが、微分値βrdの代わりに
車体のスリップ角の微分値βsdが使用されてもよい。
【0115】更に図示の実施形態に於いては、各輪の制
動力が制御されることによって車輌に必要なヨーモーメ
ントが与えられ、これにより車輌の挙動が安定化される
ようになっているが、ヨーモーメントは各輪の駆動力又
は各輪の制動力及び駆動力が制御されることにより発生
されてもよい。
動力が制御されることによって車輌に必要なヨーモーメ
ントが与えられ、これにより車輌の挙動が安定化される
ようになっているが、ヨーモーメントは各輪の駆動力又
は各輪の制動力及び駆動力が制御されることにより発生
されてもよい。
【0116】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、運転者の操舵操作がカウ
ンタステア状態にあるときには、挙動制御の応答性が低
下されるので、運転者による不適切な操舵操作であるカ
ウンタステアの影響を挙動制御に反映しにくくし、これ
によりカウンタステアによる挙動制御への悪影響を低減
することができる。
明の請求項1の構成によれば、運転者の操舵操作がカウ
ンタステア状態にあるときには、挙動制御の応答性が低
下されるので、運転者による不適切な操舵操作であるカ
ウンタステアの影響を挙動制御に反映しにくくし、これ
によりカウンタステアによる挙動制御への悪影響を低減
することができる。
【0117】また本発明の請求項2の構成によれば、運
転者の操舵操作が切り戻し操舵状態にあるときには、挙
動制御の応答性が向上されるので、運転者による適切な
操舵操作である切り戻し操舵の影響を挙動制御に反映し
易くし、これにより切り戻し操舵による挙動制御への好
ましい影響を増大させることができる。
転者の操舵操作が切り戻し操舵状態にあるときには、挙
動制御の応答性が向上されるので、運転者による適切な
操舵操作である切り戻し操舵の影響を挙動制御に反映し
易くし、これにより切り戻し操舵による挙動制御への好
ましい影響を増大させることができる。
【0118】また本発明の請求項3の構成によれば、運
転者の操舵操作に応じて挙動制御の応答性を変化させる
ことを確実に且つ簡単に行うことができる。
転者の操舵操作に応じて挙動制御の応答性を変化させる
ことを確実に且つ簡単に行うことができる。
【0119】更に本発明の請求項4の構成によれば、時
定数はその減少時にはガード処理され、過剰に小さくな
ることが防止されるので、カウンタステア後の運転者の
不適切な操舵操作の影響を挙動制御に反映しにくくし、
これによりカウンタステア後の不適切な操舵操作による
挙動制御への悪影響を低減することができる。
定数はその減少時にはガード処理され、過剰に小さくな
ることが防止されるので、カウンタステア後の運転者の
不適切な操舵操作の影響を挙動制御に反映しにくくし、
これによりカウンタステア後の不適切な操舵操作による
挙動制御への悪影響を低減することができる。
【図1】本発明による挙動制御装置の一つの実施形態の
油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成図である。
油圧回路及び電気式制御装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明による挙動制御装置の一つの実施形態に
より達成される挙動制御の概要を示すゼネラルフローチ
ャートである。
より達成される挙動制御の概要を示すゼネラルフローチ
ャートである。
【図3】図示の実施形態に於けるスピンバリューSV及
びドリフトバリューDVの演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
びドリフトバリューDVの演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図4】図示の実施形態に於ける目標ヨーモーメントM
t の演算ルーチンの前半を示すフローチャートである。
t の演算ルーチンの前半を示すフローチャートである。
【図5】図示の実施形態に於ける目標ヨーモーメントM
t の演算ルーチンの後半を示すフローチャートである。
t の演算ルーチンの後半を示すフローチャートである。
【図6】図示の実施形態に於ける目標付加減速度 dGxt
の演算ルーチンを示すフローチャートである。
の演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】図示の実施形態に於ける各輪の目標スリップ率
Rsti の演算ルーチンを示すフローチャートである。
Rsti の演算ルーチンを示すフローチャートである。
【図8】図示の実施形態に於ける基準輪選択ルーチンを
示すフローチャートである。
示すフローチャートである。
【図9】−V*β/γと距離αとの間の関係を示すグラ
フである。
フである。
【図10】スピンバリューSVの絶対値とスピン制御量
Cs との間の関係を示すグラフである。
Cs との間の関係を示すグラフである。
【図11】ドリフトバリューDVの絶対値とドリフト制
御量Cd との間の関係を示すグラフである。
御量Cd との間の関係を示すグラフである。
【図12】後輪の目標スリップ角を演算するための基準
値βfsと後輪の目標スリップ角βrtとの間の関係を示す
グラフである。
値βfsと後輪の目標スリップ角βrtとの間の関係を示す
グラフである。
【図13】βr +K*βrdと目標ヨーモーメントの第一
の成分M1 との間の関係を示すグラフである。
の成分M1 との間の関係を示すグラフである。
【図14】スピンバリューSVの絶対値と第二の成分M
2 の重みWy との間の関係を示すグラフである。
2 の重みWy との間の関係を示すグラフである。
【図15】スロットル開度φ及び制動油圧Pb と運転者
の目標減速度Gxtとの間の関係を示すグラフである。
の目標減速度Gxtとの間の関係を示すグラフである。
【図16】Gxt/μと付加減速度の基準値 dGxt0 との
間の関係を示すグラフである。
間の関係を示すグラフである。
【図17】線形理論に於いて車体のスリップ角が0にな
る位置までの車輌の中心からの前後方向の距離Zp を示
す説明図である。
る位置までの車輌の中心からの前後方向の距離Zp を示
す説明図である。
10…制動装置 14…マスタシリンダ 16…ハイドロブースタ 20、22、32、34…ブレーキ油圧制御装置 28、50FL、50FR…制御弁 42、44…切換弁 44FL、44FR、64RL、64RR…ホイールシリンダ 54FL、54FR、60RL、60RR…開閉弁 56FL、56FR、62RL、62RR…開閉弁 70…電気式制御装置 76…車速センサ 78…横加速度センサ 80…ヨーレートセンサ 82…操舵角センサ 84…前後加速度センサ 86FL〜86RR…車輪速センサ
Claims (4)
- 【請求項1】車輌の目標旋回量を演算する手段と、車輌
の実際の旋回量が前記目標旋回量となるよう車輌に少な
くともヨーモーメントを与えて車輌の旋回挙動を制御す
る手段とを有する車輌の挙動制御装置に於いて、カウン
タステア状態を検出する手段と、カウンタステア状態が
検出されているときには前記制御の応答性を低下させる
手段とを有することを特徴とする車輌の挙動制御装置。 - 【請求項2】車輌の目標旋回量を演算する手段と、車輌
の実際の旋回量が前記目標旋回量となるよう車輌に少な
くともヨーモーメントを与えて車輌の旋回挙動を制御す
る手段とを有する車輌の挙動制御装置に於いて、切り戻
し操舵状態を検出する手段と、切り戻し操舵状態が検出
されているときには前記制御の応答性を向上させる手段
とを有することを特徴とする車輌の挙動制御装置。 - 【請求項3】前記目標旋回量に対するフィルタ処理の時
定数が変化されることにより前記制御の応答性が変化さ
れることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の挙
動制御装置。 - 【請求項4】前記時定数が低減されるときには前記時定
数がガード処理されることを特徴とする請求項3に記載
の車輌の挙動制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13921097A JPH10315941A (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 車輌の挙動制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13921097A JPH10315941A (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 車輌の挙動制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10315941A true JPH10315941A (ja) | 1998-12-02 |
Family
ID=15240102
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13921097A Pending JPH10315941A (ja) | 1997-05-14 | 1997-05-14 | 車輌の挙動制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10315941A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001247023A (ja) * | 2000-03-03 | 2001-09-11 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両の運動制御装置 |
JP2004336910A (ja) * | 2003-05-08 | 2004-11-25 | Toyota Motor Corp | 車両の駆動制御装置 |
US7142969B2 (en) | 2002-11-26 | 2006-11-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Behavior control system for vehicle |
-
1997
- 1997-05-14 JP JP13921097A patent/JPH10315941A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001247023A (ja) * | 2000-03-03 | 2001-09-11 | Fuji Heavy Ind Ltd | 車両の運動制御装置 |
JP4647055B2 (ja) * | 2000-03-03 | 2011-03-09 | 富士重工業株式会社 | 車両の運動制御装置 |
US7142969B2 (en) | 2002-11-26 | 2006-11-28 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Behavior control system for vehicle |
JP2004336910A (ja) * | 2003-05-08 | 2004-11-25 | Toyota Motor Corp | 車両の駆動制御装置 |
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050222 |
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A02 | Decision of refusal |
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