JP2010006201A - 車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】乗員の個人差による車体全体の重心位置の変化を容易に、かつ、迅速に補正することができ、制御プログラムが複雑化することなく、乗員に不快感や不安感を与えることがなく、車体の姿勢が安定に保たれ、安全に、かつ、快適に走行することができるようにする。
【解決手段】車体と、車体に回転可能に取り付けられた駆動輪と、前後方向に移動可能に車体に取り付けられた能動重量部と、能動重量部を移動させる第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、駆動輪に付与する駆動トルク及び能動重量部の位置を制御して車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、車両制御装置は、車体の姿勢を制御する場合に第1アクチュエータを作動させ、重心位置の初期調整を行う場合に第2アクチュエータを作動させる。
【選択図】図1
【解決手段】車体と、車体に回転可能に取り付けられた駆動輪と、前後方向に移動可能に車体に取り付けられた能動重量部と、能動重量部を移動させる第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、駆動輪に付与する駆動トルク及び能動重量部の位置を制御して車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、車両制御装置は、車体の姿勢を制御する場合に第1アクチュエータを作動させ、重心位置の初期調整を行う場合に第2アクチュエータを作動させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両に関するものである。
従来、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両に関する技術が提案されている。例えば、同軸上に配設された2つの駆動輪を有し、乗員の重心移動による車体の姿勢変化を感知して駆動する車両、球体状の単一の駆動輪に取り付けられた車体の姿勢を制御しながら移動する車両等の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この場合、センサで車体のバランスや動作の状態を検出しながら、回転体の動作を制御して車両を停止又は移動させるようになっている。
特開2007−160956号公報
しかしながら、前記従来の車両においては、各乗員の体重、体形、姿勢等に関する個人差が車体全体のバランスに与える影響を修正するために、乗員が車両に搭乗した時に初期トルクを駆動輪に付与し、それに対応する車体傾斜角の応答波形に基づいて制御プログラムを修正するようになっている。そのため、制御プログラムが複雑化するとともに、応答波形の計測及び制御プログラムの修正に時間がかかってしまう。また、初期トルクを駆動輪に付与することによって車体姿勢が変化するので、乗員が不快に感じたり、車両の安定性や安全性に不安を抱いたりする可能性がある。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、車体に対して移動可能に取り付けられた能動重量部の位置を第1アクチュエータによって制御するとともに、前記能動重量部における搭乗部の初期位置を第2アクチュエータによって調整することにより、乗員の個人差による車体全体の重心位置の変化を容易に、かつ、迅速に補正することができ、制御プログラムが複雑化することなく、乗員に不快感や不安感を与えることがなく、車体の姿勢が安定に保たれ、安全に、かつ、快適に走行することができる車両を提供することを目的とする。
そのために、本発明の車両においては、車体と、該車体に回転可能に取り付けられた駆動輪と、前後方向に移動可能に前記車体に取り付けられた能動重量部と、該能動重量部を移動させる第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、前記駆動輪に付与する駆動トルク及び前記能動重量部の位置を制御して前記車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、該車両制御装置は、前記車体の姿勢を制御する場合に前記第1アクチュエータを作動させ、重心位置の初期調整を行う場合に前記第2アクチュエータを作動させる。
本発明の他の車両においては、さらに、前記能動重量部は、乗員を搭載する乗員搭載部を備え、前記車両制御装置は、乗員の重量を計測することで重心位置を推定し、当該重心位置に基づいて前記第2アクチュエータを作動させることで初期調整を行う。
請求項1の構成によれば、第1アクチュエータを作動させることなく重心位置の初期調整を行うことができるので、制御プログラムを簡素化することができる。また、能動重量部の制御領域が変化することがない。
請求項2の構成によれば、乗員の重量や姿勢に対して重心位置の初期調整を行うことができるので、より正確な調整が可能となる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における車両の構成を示す概略図であり乗員が搭乗した状態を示す図、図2は本発明の実施の形態における車両の制御システムの構成を示すブロック図である。
図1において、10は、本実施の形態における車両であり、車体の本体部11、駆動輪12、支持部13及び乗員15が搭乗する搭乗部14を有し、前記車両10は、車体を前後に傾斜させることができるようになっている。そして、倒立振り子の姿勢制御と同様に車体の姿勢を制御する。図1に示される例においては、車両10は右方向に前進し、左方向に後退することができる。
前記駆動輪12は、車体の一部である支持部13に対して回転可能に支持され、駆動アクチュエータとしてのタイヤ用モータ51によって駆動される。なお、駆動輪12の軸は図1に示す平面に垂直な方向に存在し、駆動輪12はその軸を中心に回転する。また、前記駆動輪12は、単数であっても複数であってもよいが、複数である場合、同軸上に並列に配設される。本実施の形態においては、駆動輪12が2つであるものとして説明する。この場合、各駆動輪12は個別のタイヤ用モータ51によって独立して駆動される。なお、駆動アクチュエータとしては、例えば、油圧モータ、内燃機関等を使用することもできるが、ここでは、電気モータであるタイヤ用モータ51を使用するものとして説明する。
また、車体の一部である本体部11は、支持部13によって下方から支持され、駆動輪12の上方に位置する。本実施の形態では、このように構成されているが、特にこの構成に限られるものではなく、例えば、本体部11が駆動輪12の上方でなく、駆動輪12の間に設定されていても成立する。
そして、本体部11には、能動重量部として機能する搭乗部14が、車両10の前後方向へ本体部11と相対的に移動可能となるように、換言すると、車体回転円の接線方向に相対的に移動可能となるように、取り付けられている。
ここで、能動重量部は、ある程度の質量を有し、本体部11に対して前後に移動させることによって、車両10の重心位置46を能動的に補正するものである。そして、能動重量部は、必ずしも搭乗部14である必要はなく、例えば、バッテリ等の重量のある周辺機器を本体部11に対して移動可能に取り付けた装置であってもよいし、ウェイト、錘(おもり)、バランサ等の専用の重量部材を本体部11に対して移動可能に取り付けた装置であってもよい。また、搭乗部14、重量のある周辺機器、専用の重量部材等を併用するものであってもよい。
また、本実施の形態においては、説明の都合上、乗員15が搭乗した状態の搭乗部14が能動重量部として機能する例について説明するが、搭乗部14には必ずしも乗員15が搭乗している必要はなく、例えば、車両10がリモートコントロールによって操縦される場合には、搭乗部14に乗員15が搭乗していなくてもよいし、乗員15に代えて、貨物が積載されていてもよい。
前記搭乗部14は、乗用車、バス等の自動車に使用されるシートと同様のものであり、座面部14a、背もたれ部14b及びヘッドレスト14cを備え、移動機構を介して本体部11に取り付けられている。
前記移動機構は、本体部11の上面に取り付けられた第1ガイド部41と、該第1ガイド部41の上に移動可能に取り付けられた第1移動部42とを含む第1移動機構、及び、前記第1移動部42の上面に取り付けられた第2ガイド部43と、該第2ガイド部43の上に移動可能に取り付けられた第2移動部44とを含む第2移動機構を有する。
ここで、前記第1移動機構は、リニアガイド装置等の低抵抗の直線移動機構、及び、能動重量部用アクチュエータの第1アクチュエータとしての制御用モータ52を備え、該制御用モータ52によって第1移動部42を駆動し、第1ガイド部41に沿って前後方向にスライドさせるようになっている。なお、第1アクチュエータとしては、例えば、油圧モータ、リニアモータ等を使用することもできるが、ここでは、回転式の電気モータである制御用モータ52を使用するものとして説明する。
前記リニアガイド装置は、例えば、第1ガイド部41に取り付けられている案内レールと、第1移動部42に取り付けられ、案内レールに沿ってスライドするキャリッジと、案内レールとキャリッジとの間に介在するボール、コロ等の転動体とを備える。そして、案内レールには、その左右側面部に2本の軌道溝が長手方向に沿って直線状に形成されている。また、キャリッジの断面はコ字状に形成され、その対向する2つの側面部内側には、2本の軌道溝が、案内レールの軌道溝と各々対向するように形成されている。転動体は、軌道溝の間に組み込まれており、案内レールとキャリッジとの相対的直線運動に伴って軌道溝内を転動するようになっている。なお、キャリッジには、軌道溝の両端をつなぐ戻し通路が形成されており、転動体は軌道溝及び戻し通路を循環するようになっている。
さらに、リニアガイド装置は、該リニアガイド装置の動きを締結するブレーキ又はクラッチを備える。車両10が停車しているときのように搭乗部14の動作が不要であるときには、ブレーキによって案内レールにキャリッジを固定することで、第1ガイド部41と第1移動部42との相対的位置関係を保持する。そして、搭乗部14の動作が必要であるときには、このブレーキを解除し、第1ガイド部41の基準位置からの距離が所定値となるように制御される。
また、前記第2移動機構は、リニアガイド装置等の低抵抗の直線移動機構、及び、能動重量部用アクチュエータの第2アクチュエータとしての調整用モータ53を備え、該調整用モータ53によって第2移動部44を駆動し、第2ガイド部43に沿って前後方向にスライドさせるようになっている。なお、第2アクチュエータとしては、例えば、油圧モータ、リニアモータ等を使用することもできるが、ここでは、回転式の電気モータである調整用モータ53を使用するものとして説明する。
前記リニアガイド装置は、例えば、第2ガイド部43に取り付けられている案内レールと、第2移動部44に取り付けられ、案内レールに沿ってスライドするキャリッジと、案内レールとキャリッジとの間に介在するボール、コロ等の転動体とを備える。さらに、リニアガイド装置の動きを締結するブレーキ又はクラッチを備える。その他の点については、第1移動機構におけるリニアガイド装置と同様であるので、その説明を省略する。
なお、第2移動機構は、重心位置の初期調整に使用されるものであるので、第1移動機構と比較して、より簡素な構成のより安価なものであってもよい。
そして、前記第2移動部44の上には、重心位置測定用センサ36を含む重心位置測定部45を介して、搭乗部14が取り付けられている。前記重心位置測定用センサ36は、例えば、ロードセル等の荷重を計測するセンサであり、乗員15が搭乗部14に搭乗したことによる荷重の変化を測定するとともに、重心位置46の変位を測定するために使用される。
前記搭乗部14の脇(わき)には、ジョイスティックから成る操作装置31が配設されている。乗員15は、操作装置31を操作することによって、車両10を操縦する、すなわち、車両10の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の走行指令を入力するようになっている。なお、乗員15が操作して走行指令を入力することができる装置であれば、ジョイスティックに代えて他の装置、例えば、ペダル、ハンドル、ジョグダイヤル、タッチパネル、押しボタン等の装置を操作装置31として使用することもできる。
なお、車両10がリモートコントロールによって操縦される場合には、前記操作装置31に代えて、コントローラからの走行指令を有線又は無線で受信する受信装置を目標走行状態取得装置として使用することができる。また、車両10があらかじめ決められた走行指令データに従って自動走行する場合には、前記操作装置31に代えて、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体に記憶された走行指令データを読み取るデータ読取り装置を目標走行状態取得装置として使用することができる。
また、車両10は、車両制御装置としての制御ECU(Electronic Control Unit)20を有し、該制御ECU20は、車体基本制御システム21及び初期重心位置計測システム22を備える。前記制御ECU20並びに車体基本制御システム21及び初期重心位置計測システム22は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、車両10の各部の動作を制御するコンピュータシステムであり、例えば、本体部11に配設されるが、支持部13や搭乗部14に配設されていてもよい。また、前記車体基本制御システム21及び初期重心位置計測システム22は、それぞれ、別個に構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
そして、車体基本制御システム21は、操作装置31からの走行指令とともに走行、姿勢制御用センサ32の信号を受信し、タイヤ用モータ51及び制御用モータ52の動作を制御する。なお、前記走行、姿勢制御用センサ32は、駆動輪回転状態計測装置としての車輪回転計33、車体傾斜状態計測装置としての車体傾斜角度計34、及び、能動重量部移動状態計測装置としてのスライド用位置センサ35を備える。
前記車輪回転計33は、レゾルバ、エンコーダ等から成り、駆動輪12の回転状態を示す駆動輪回転角及び/又は回転角速度を検出し、車体基本制御システム21に送信する。そして、該車体基本制御システム21は、駆動トルク指令値をタイヤ用モータ51に送信する。すると、該タイヤ用モータ51は、駆動アクチュエータとして機能し、前記駆動トルク指令値に従って駆動輪12に駆動トルクを付与する。
また、前記スライド用位置センサ35は、エンコーダ等から成り、搭乗部14の移動状態を示す能動重量部位置及び/又は移動速度を検出し、車体基本制御システム21に送信する。そして、該車体基本制御システム21は、能動重量部推力指令値を制御用モータ52に送信する。すると、該制御用モータ52は、能動重量部アクチュエータとして機能し、前記能動重量部推力指令値に従って第1移動部42を並進移動させる推力を発生する。
さらに、前記車体傾斜角度計34は、加速度センサ、ジャイロセンサ等から成り、車体の傾斜状態を示す車体傾斜角及び/又は傾斜角速度を検出し、車体基本制御システム21に送信する。そして、該車体基本制御システム21は、駆動トルク指令値をタイヤ用モータ51に送信し、能動重量部推力指令値を制御用モータ52に送信する。
また、初期重心位置計測システム22は、重心位置測定用センサ36の信号を受信し、重心位置指令値を調整用モータ53に送信する。この場合、前記重心位置測定用センサ36は、乗員15が搭乗部14に搭乗すると、該搭乗部14の受ける荷重を測定し、測定データを初期重心位置計測システム22に送信する。そして、該初期重心位置計測システム22は、重心位置測定用センサ36の測定データに基づき、重心位置46の基準位置からの偏差を算出し、該偏差が零となるような重心位置指令値を調整用モータ53に送信する。すると、該調整用モータ53は、重心位置初期調整用アクチュエータとして機能し、第2移動部44を並進移動させる推力を発生する。
次に、前記重心位置測定用センサ36の測定データに基づき重心位置46の基準位置からの偏差、すなわち、重心位置46のずれを算出する方法の概要について説明する。
図3は本発明の実施の形態における重心位置のずれを算出する方法の概要を示す図である。なお、図において、(a)は重心位置測定用センサの配置態様を示し、(b)は乗員の重心位置と車両全体の重心位置との関係を示している。
ここでは、重心位置測定用センサ36が複数個、例えば、5個の個別のロードセル36a〜36eから成り、搭乗部14の座面部14aの下に、図3(a)に示されるような態様で配置されている場合について説明する。この場合、前記ロードセル36a〜36eは、座面部14aの下の四隅及び中央の5箇所に配置されている。
これにより、乗員15の姿勢が変化して、例えば、背もたれ部14bにもたれても、また、乗員15に代えて、荷物を座面部14aに乗せても、荷重を測定することができる。なお、乗員15を除く車体自体の重量、すなわち、質量と重心位置とは、あらかじめ決定されているので、重心位置測定用センサ36の測定対象外である。
そして、車体自体の重心位置と、ロードセル36a〜36eの各々の測定値とから、乗員15も含む車両全体の重心位置46が算出される。具体的には、まず、ロードセル36a〜36eの測定した荷重の総和によって乗員15の重量、すなわち、質量が算出され、また、ロードセル36a〜36eの各々の測定値と前記ロードセル36a〜36eの各々のX座標の値とから、乗員15の重心位置46aが算出される。そして、車体自体の質量と乗員15の質量との比、及び、車体自体の重心位置と乗員15の重心位置46aとの位置関係から、乗員15も含む車両全体の重心位置46が算出される。
なお、1次元(車両10の前後方向、すなわち、X方向)の重心位置46を特定するには、ロードセルの数は最低2つであればよいが、より多数のロードセル36a〜36eを使用することによって重心位置をより高精度に特定することができる。
また、重心位置測定用センサ36が面圧の測定が可能なロードセルから成る場合には、何ら計算を行うことなく、乗員15の重心位置46aを取得することができる。
次に、前記構成の車両10の動作について説明する。まず、重心位置の初期調整を行う動作について説明する。ここでは、説明の都合上、重心位置46に関しては、1次元(車両10の前後方向、すなわち、X方向)についてのみ考慮するものとする。
図4は比較例における重心位置の初期調整を説明する図、図5は本発明の実施の形態における重心位置の初期調整を説明する図、図6は本発明の実施の形態における重心位置の初期調整の動作を説明するフローチャートである。なお、図4及び5において、(a)は標準的な乗員が搭乗した状態を示し、(b)は標準外の乗員が搭乗した状態を示し、(c)は重心位置の初期調整が終了した状態を示している。
仮に、「背景技術」の項で説明した従来の車両のように、車両10が搭乗部14の初期位置を調整するための調整用モータ53を有していない場合、すなわち、第2ガイド部43及び第2移動部44を有しておらず、第1ガイド部41及び第1移動部42のみを有している場合、重心位置の初期調整は、図4に示されるように行われる。
まず、車両10の設計時点で想定された標準的な体格の者、例えば、体重がAの者である乗員15aが搭乗すると、図4(a)に示されるように、乗員15aも含む車両全体の重心位置46は基準位置となる。そのため、重心位置の初期調整を行う必要がなく、車体の姿勢制御のために第1ガイド部41に対して第1移動部42を前後にスライドさせることのできる範囲、すなわち、搭乗部14を前方向及び後方向に移動させる制御領域の値は、あらかじめ設定されたLf及びLrのままである。
一方、車両10の設計時点で想定された標準的な体格でない者、例えば、体重が標準より重いB(A<B)である乗員15bが搭乗すると、図4(b)に示されるように、乗員15bも含む車両全体の重心位置46が基準位置より後方にずれた状態、すなわち、基準位置より後方に重心位置46の偏差が生じた状態となる。
そこで、重心位置の初期調整を行い、第1ガイド部41に対して第1移動部42を前にスライドさせる。これにより、図4(c)に示されるように、乗員15bも含む車両全体の重心位置46が基準位置に一致した状態、すなわち、重心位置46のずれがない状態となる。
しかし、重心位置の初期調整で第1ガイド部41に対して第1移動部42を前にスライドさせたため、車体の姿勢制御のために搭乗部14を前方向及び後方向に移動させる制御領域の値は、Lf’及びLr’(Lf>Lf’、Lr<Lr’)となる。このように、搭乗部14を前方向に移動させる制御領域が減少するので、車体の姿勢制御を適切に行うことができなくなる可能性がある。
これに対し、本実施の形態における車両10は、搭乗部14の初期位置を調整するための調整用モータ53を有している。すなわち、図5に示されるように、第1ガイド部41及び第1移動部42に加えて、第2ガイド部43及び第2移動部44を有している。なお、説明の都合上、重心位置測定部45の図示は省略されている。
まず、車両10の設計時点で想定された標準的な体格の者、例えば、体重がAの者である乗員15aが搭乗すると、図5(a)に示されるように、乗員15aも含む車両全体の重心位置46は基準位置となる。そのため、重心位置の初期調整を行う必要がなく、第2ガイド部43に対して第2移動部44を前後にスライドさせる必要がない。また、第1ガイド部41に対して第1移動部42を前後にスライドさせる必要もない。したがって、車体の姿勢制御のために搭乗部14を前方向及び後方向に移動させる制御領域の値は、あらかじめ設定されたLf及びLrのままである。
一方、車両10の設計時点で想定された標準的な体格でない者、例えば、体重が標準より重いB(A<B)である乗員15bが搭乗すると、図5(b)に示されるように、乗員15bも含む車両全体の重心位置46が基準位置より後方にずれた状態、すなわち、基準位置より後方に重心位置46の偏差が生じた状態となる。
そこで、重心位置の初期調整を行い、第2ガイド部43に対して第2移動部44を前にスライドさせる。これにより、図5(c)に示されるように、乗員15bも含む車両全体の重心位置46が基準位置に一致した状態、すなわち、重心位置46のずれがない状態となる。この場合、第1ガイド部41に対して第1移動部42を前後にスライドさせる必要がないので、車体の姿勢制御のために搭乗部14を前方向及び後方向に移動させる制御領域の値は、あらかじめ設定されたLf及びLrのままである。したがって、重心位置の初期調整を行っても、車体の姿勢制御のために搭乗部14を前方向及び後方向に移動させる制御領域の値が影響を受けることがなく、車体の姿勢制御を適切に行うことができる。
ここで、重心位置の初期調整の動作を詳細に説明する。まず、乗員15が搭乗すると、制御ECU20は、重心位置測定用センサ36が測定した搭乗部14の荷重を取得する、すなわち、ロードセル値を取得する(ステップS1)。
続いて、制御ECU20は、搭乗部14の荷重に基づいて乗員15を含む車両全体の重心位置46を計算する、すなわち、重心の前後位置Wを計算する(ステップS2)。続いて、制御ECU20は、重心の前後位置Wと基準位置Xとの比較を行い(ステップS3)、WとXとの比較の結果を判断する(ステップS4)。
そして、WとXとが等しい場合、すなわち、W=Xの場合には処理を終了する。また、WとXとの値が異なる場合、制御ECU20は、重心位置指令値を調整用モータ53に送信して該調整用モータ53を作動させ、重心位置46の基準位置Xからの偏差が零となるように第2ガイド部43に対して第2移動部44を移動させる。
そして、WがXより大きい場合、すなわち、W>Xの場合には、重心位置46が基準位置Xよりも前方にあるので、制御ECU20は、第2ガイド部43に対して第2移動部44を後方に移動させる、すなわち、モータ出力によって後方へ移動させる(ステップS5)。そして、再び、ロードセル値を取得する(ステップS1)。
また、WがXより小さい場合、すなわち、W<Xの場合には、重心位置46が基準位置Xよりも後方にあるので、制御ECU20は、第2ガイド部43に対して第2移動部44を前方に移動させる、すなわち、モータ出力によって前方へ移動させる(ステップS6)。そして、再び、ロードセル値を取得する(ステップS1)。
このようにして、重心位置の初期調整を行うことによって、図1に示されるように、乗員15が搭乗した状態において、乗員15bも含む車両全体の重心位置46が基準位置に一致した状態となる。
次に、車両10の走行及び姿勢制御処理について説明する。
図7は本発明の実施の形態における車両の走行及び姿勢制御処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態において、重心位置の初期調整が終了した車両10は、走行及び姿勢制御処理を実行することによって、安定して停止及び走行することができるようになっている。
走行及び姿勢制御処理において、制御ECU20は、まず、状態量の取得処理を実行し(ステップS11)、各センサ、すなわち、車輪回転計33、車体傾斜角度計34及びスライド用位置センサ35によって、駆動輪12の回転状態、車体の傾斜状態及び搭乗部14の移動状態を取得する。
次に、制御ECU20は、路面勾(こう)配の取得処理を実行し(ステップS12)、状態量の取得処理で取得した状態量、すなわち、駆動輪12の回転状態、車体の傾斜状態及び搭乗部14の移動状態と、各アクチュエータの出力値、すなわち、タイヤ用モータ51及び制御用モータ52の出力値とに基づき、オブザーバによって路面勾配を推定する。ここで、前記オブザーバは、力学的なモデルに基づいて、制御系の内部状態を観測する方法であり、ワイヤードロジック又はソフトロジックで構成される。
次に、制御ECU20は、目標走行状態の決定処理を実行し(ステップS13)、操作装置31の操作量に基づいて、車両10の加速度の目標値、及び、駆動輪12の回転角速度の目標値を決定する。
次に、制御ECU20は、目標車体姿勢の決定処理を実行し(ステップS14)、路面勾配の取得処理によって取得された路面勾配と、目標走行状態の決定処理によって決定された車両10の加速度の目標値とに基づいて、車体姿勢の目標値、すなわち、車体傾斜角及び能動重量部位置の目標値を決定する。
最後に、制御ECU20は、アクチュエータ出力の決定処理を実行し(ステップS15)、状態量の取得処理によって取得された各状態量、路面勾配の取得処理によって取得された路面勾配、目標走行状態の決定処理によって決定された目標走行状態、及び、目標車体姿勢の決定処理によって決定された目標車体姿勢に基づいて、各アクチュエータの出力、すなわち、タイヤ用モータ51及び制御用モータ52の出力を決定する。
次に、走行及び姿勢制御処理の詳細について説明する。まず、状態量の取得処理について説明する。
図8は本発明の実施の形態における車両の力学モデル及びそのパラメータを示す図、図9は本発明の実施の形態における状態量の取得処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、状態量やパラメータを次のような記号によって表す。なお、図8には状態量やパラメータの一部が示されている。
θW :駆動輪回転角〔rad〕
θ1 :車体傾斜角(鉛直軸基準)〔rad〕
λS :能動重量部位置(車体中心点基準)〔m〕
τW :駆動トルク(2つの駆動輪の合計)〔Nm〕
SS :能動重量部推力〔N〕
g:重力加速度〔m/s2 〕
η:路面勾配〔rad〕
mW :駆動輪質量(2つの駆動輪の合計)〔kg〕
RW :駆動輪接地半径〔m〕
IW :駆動輪慣性モーメント(2つの駆動輪の合計)〔kgm2 〕
DW :駆動輪回転に対する粘性減衰係数〔Ns/rad〕
m1 :車体質量(能動重量部を含む)〔kg〕
l1 :車体重心距離(車軸から)〔m〕
I1 :車体慣性モーメント(重心周り)〔kgm2 〕
D1 :車体傾斜に対する粘性減衰係数〔Ns/rad〕
mS :能動重量部質量〔kg〕
lS :能動重量部重心距離(車軸から)〔m〕
IS :能動重量部慣性モーメント(重心周り)〔kgm2 〕
DS :能動重量部並進に対する粘性減衰係数〔Ns/rad〕
θW :駆動輪回転角〔rad〕
θ1 :車体傾斜角(鉛直軸基準)〔rad〕
λS :能動重量部位置(車体中心点基準)〔m〕
τW :駆動トルク(2つの駆動輪の合計)〔Nm〕
SS :能動重量部推力〔N〕
g:重力加速度〔m/s2 〕
η:路面勾配〔rad〕
mW :駆動輪質量(2つの駆動輪の合計)〔kg〕
RW :駆動輪接地半径〔m〕
IW :駆動輪慣性モーメント(2つの駆動輪の合計)〔kgm2 〕
DW :駆動輪回転に対する粘性減衰係数〔Ns/rad〕
m1 :車体質量(能動重量部を含む)〔kg〕
l1 :車体重心距離(車軸から)〔m〕
I1 :車体慣性モーメント(重心周り)〔kgm2 〕
D1 :車体傾斜に対する粘性減衰係数〔Ns/rad〕
mS :能動重量部質量〔kg〕
lS :能動重量部重心距離(車軸から)〔m〕
IS :能動重量部慣性モーメント(重心周り)〔kgm2 〕
DS :能動重量部並進に対する粘性減衰係数〔Ns/rad〕
次に、路面勾配の取得処理について説明する。
図10は本発明の実施の形態における路面勾配の取得処理の動作を示すフローチャートである。
路面勾配の取得処理において、制御ECU20は、路面勾配ηを推定する(ステップS12−1)。この場合、状態量の取得処理で取得した各状態量と、前回(一つ前の時間ステップ)の走行及び姿勢制御処理におけるアクチュエータ出力の決定処理で決定した各アクチュエータの出力とに基づき、次の式(1)により、路面勾配ηを推定する。
このように、本実施の形態においては、タイヤ用モータ51が出力する駆動トルクと、状態量としての駆動輪回転角加速度、車体傾斜角加速度及び能動重量部移動加速度とに基づいて路面勾配を推定する。この場合、駆動輪12の回転状態を示す駆動輪回転角加速度だけでなく、車体の姿勢変化を示す車体傾斜角加速度及び能動重量部移動加速度をも考慮している。すなわち、倒立振り子の姿勢制御を利用した、いわゆる倒立型車両に特有の要素である車体の姿勢変化を考慮している。
次に、目標走行状態の決定処理について説明する。
図11は本発明の実施の形態における目標走行状態の決定処理の動作を示すフローチャートである。
目標走行状態の決定処理において、制御ECU20は、まず、操縦操作量を取得する(ステップS13−1)。この場合、乗員15が、車両10の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の走行指令を入力するために操作した操作装置31の操作量を取得する。
続いて、制御ECU20は、取得した操作装置31の操作量に基づいて、車両加速度の目標値を決定する(ステップS13−2)。例えば、操作装置31の前後方向への操作量に比例した値を車両加速度の目標値とする。
続いて、制御ECU20は、決定した車両加速度の目標値から、駆動輪回転角速度の目標値を算出する(ステップS13−3)。例えば、車両加速度の目標値を時間積分し、駆動輪接地半径RW で除した値を駆動輪回転角速度の目標値とする。
次に、目標車体姿勢の決定処理について説明する。
図12は本発明の実施の形態における能動重量部位置の目標値及び車体傾斜角の目標値の変化を示すグラフ、図13は本発明の実施の形態における目標車体姿勢の決定処理の動作を示すフローチャートである。
目標車体姿勢の決定処理において、制御ECU20は、まず、能動重量部位置の目標値及び車体傾斜角の目標値を決定する(ステップS14−1)。この場合、目標走行状態の決定処理によって決定された車両加速度の目標値と、路面勾配の取得処理によって取得された路面勾配ηとに基づき、次の式(2)及び(3)により、能動重量部位置の目標値及び車体傾斜角の目標値を決定する。
続いて、制御ECU20は、残りの目標値を算出する(ステップS14−2)。すなわち、各目標値を時間微分又は時間積分することにより、駆動輪回転角、車体傾斜角速度及び能動重量部移動速度の目標値を算出する。
このように、本実施の形態においては、車両加速度に伴って車体に作用する慣性力及び駆動モータ反トルクだけでなく、路面勾配ηに応じた登坂トルクに伴って車体に作用する反トルクも考慮して、車体姿勢の目標値、すなわち、能動重量部位置の目標値及び車体傾斜角の目標値を決定する。
このとき、車体に作用して車体を傾斜させようとするトルク、すなわち、車体傾斜トルクを重力の作用によって打ち消すように、車体の重心を移動させる。例えば、車両10が加速するとき及び坂を上るときには、搭乗部14を前方へ移動させ、あるいは、さらに車体を前方へ傾ける。また、車両10が減速するとき及び坂を下るときには、搭乗部14を後方へ移動させ、あるいは、さらに車体を後方へ傾ける。
本実施の形態においては、図12に示されるように、まず、車体を傾斜させずに搭乗部14を移動させ、該搭乗部14が能動重量部移動限界に達すると、車体の傾斜を開始させる。そのため、細かい加減速に対しては車体が前後に傾かないので、乗員15にとっての乗り心地が向上する。また、格別な急勾配でなければ、坂道の上でも車体が直立状態を維持するので、乗員15にとっての視界の確保が容易となる。さらに、格別な急勾配でなければ、坂道の上でも車体が大きく傾斜することがないので、車体の一部が路面に当接することが防止される。
なお、本実施の形態においては、能動重量部移動限界が前方と後方とで等しい場合を想定しているが、前方と後方とで異なる場合には、各々の限界に応じて、車体の傾斜の有無を切り替えるようにしてもよい。
次に、アクチュエータ出力の決定処理について説明する。
図14は本発明の実施の形態におけるアクチュエータ出力の決定処理の動作を示すフローチャートである。
アクチュエータ出力の決定処理において、制御ECU20は、まず、各アクチュエータのフィードフォワード出力を決定する(ステップS15−1)。この場合、各目標値と路面勾配ηとから、後述の式(4)によりタイヤ用モータ51のフィードフォワード出力を決定し、また、同じく後述の式(5)により制御用モータ52のフィードフォワード出力を決定する。
このように、路面勾配ηに応じた登坂トルクを自動的に付加することにより、つまり、路面勾配ηに応じて駆動トルクを補正することにより、坂道であっても、平地と同様の操縦感覚を提供することができる。すなわち、坂道で停止した後、乗員15が操作装置31から手を放しても、車両10は動くことがない。また、坂道の上であっても、操作装置31の一定の操縦操作に対して、平地と同様の加減速を行うことができる。
このように、本実施の形態においては、理論的にフィードフォワード出力を与えることによって、より高精度な制御を実現する。
なお、必要に応じて、フィードフォワード出力を省略することもできる。この場合、フィードバック制御により、定常偏差を伴いつつ、フィードフォワード出力に近い値が間接的に与えられる。また、前記定常偏差は、積分ゲインを適用することによって低減させることができる。
続いて、制御ECU20は、各アクチュエータのフィードバック出力を決定する(ステップS15−2)。この場合、各目標値と実際の状態量との偏差から、後述の式(6)によりタイヤ用モータ51のフィードバック出力を決定し、また、同じく後述の式(7)により制御用モータ52のフィードバック出力を決定する。
なお、スライディングモード制御等の非線形のフィードバック制御を導入することもできる。また、より簡単な制御として、KW2、KW3及びKS5を除くフィードバックゲインのいくつかをゼロとしてもよい。さらに、定常偏差をなくすために、積分ゲインを導入してもよい。
最後に、制御ECU20は、各要素制御システムに指令値を与える(ステップS15−3)。この場合、制御ECU20は、前述のように決定したフィードフォワード出力とフィードバック出力との和を駆動トルク指令値及び能動重量部推力指令値として、タイヤ用モータ51及び制御用モータ52に送信する。
このように、本実施の形態においては、走行中及び停止中の車両10の姿勢を制御するために搭乗部14の位置を制御するための制御用モータ52とは別個に、重心位置の初期調整を行うために搭乗部14の位置を調整するための調整用モータ53が配設されている。
これにより、制御用モータ52を作動させることなく重心位置の初期調整を行うことができるので、制御プログラムを簡素化することができる。また、乗員15の体重、体形、姿勢等に関する個人差によって搭乗部14の位置を制御するための制御領域が変化することがない。
さらに、調整用モータ53は、車両10の姿勢を制御するためには使用されないので、応答性の低いものであってもよく、構成が簡素でコストの低いものを使用することができるので、車両10のコストの増加を防止することができる。
さらに、重心位置の初期調整では搭乗部14を迅速に移動させる必要がなく、緩やかに移動させることができるので、乗員15は不快に感じたり、車両10の安定性や安全性に不安を抱いたりすることがない。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
10 車両
12 駆動輪
14 搭乗部
20 制御ECU
46 重心位置
52 制御用モータ
53 調整用モータ
12 駆動輪
14 搭乗部
20 制御ECU
46 重心位置
52 制御用モータ
53 調整用モータ
Claims (2)
- 車体と、
該車体に回転可能に取り付けられた駆動輪と、
前後方向に移動可能に前記車体に取り付けられた能動重量部と、
該能動重量部を移動させる第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、
前記駆動輪に付与する駆動トルク及び前記能動重量部の位置を制御して前記車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、
該車両制御装置は、前記車体の姿勢を制御する場合に前記第1アクチュエータを作動させ、重心位置の初期調整を行う場合に前記第2アクチュエータを作動させることを特徴とする車両。 - 前記能動重量部は、乗員を搭載する乗員搭載部を備え、
前記車両制御装置は、乗員の重量を計測することで重心位置を推定し、当該重心位置に基づいて前記第2アクチュエータを作動させることで初期調整を行う請求項1に記載の車両。
Priority Applications (1)
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JP2008166790A JP2010006201A (ja) | 2008-06-26 | 2008-06-26 | 車両 |
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JP2008166790A JP2010006201A (ja) | 2008-06-26 | 2008-06-26 | 車両 |
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JP2008166790A Withdrawn JP2010006201A (ja) | 2008-06-26 | 2008-06-26 | 車両 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110264350A1 (en) * | 2008-10-22 | 2011-10-27 | Equos Research Co., Ltd. | Vehicle |
JP2014104796A (ja) * | 2012-11-26 | 2014-06-09 | Toyota Motor Corp | 移動体制御装置、移動体制御方法及びプログラム |
KR101868477B1 (ko) * | 2011-10-17 | 2018-07-19 | 엘지디스플레이 주식회사 | 콜레스테릭 액정 디스플레이의 제조 방법 |
-
2008
- 2008-06-26 JP JP2008166790A patent/JP2010006201A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20110264350A1 (en) * | 2008-10-22 | 2011-10-27 | Equos Research Co., Ltd. | Vehicle |
KR101868477B1 (ko) * | 2011-10-17 | 2018-07-19 | 엘지디스플레이 주식회사 | 콜레스테릭 액정 디스플레이의 제조 방법 |
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