JP2009136057A - 車輌制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】倒立制御車輌における自動追従制御の精度を向上させる車輌制御装置を提供する。
【解決手段】本発明は、倒立制御を行う先行車輌に対し、追従走行する車輌を制御する車輌制御装置であって、前記先行車輌からの走行状況データ(車輌速度、車体傾斜角)を受信する通信部81と、前記追従走行する車輌の加速度指令値を演算する主制御ECU21と、を備え、主制御ECU21は、通信部81によって受信した走行状況データから、前記先行車輌の状態を推定し、当該先行車輌の状態に基づいて、前記追従走行する車輌の加速度指令値を演算することを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は、例えば、倒立振り子の姿勢制御を利用した車輌の制御装置に係り、特に複数の車輌で自動追従走行を行うとき車輌制御装置に関する。
近年、倒立振り子の姿勢制御を利用した車輌(以下、単に倒立制御車輌という)が注目されており、例えば、特許文献1(特開2004−129435公報)などには、倒立振り子の姿勢制御を利用した搬送措置が提案されている。
一方、従来より、自動車等の車輌の運転を自動的に行う自動運転システムが知られている。このような自動運転システムの下では、たとえば高速道路などを走行する複数の自動車車輌は、個別的に走行するよりも、隊列を形成して車輌群として走行する方が、省力化や交通緩和などの点で好ましい場合が多いと考えられている。従って、自動運転システムでは、先行車輌に対して、後続車輌をどのように隊列形成させ、先行車輌に対して如何に自動的に追従走行させるかにつき種々研究がされている。このような追従走行に係る技術については、例えば特許文献2(特開2001−273588号公報)などに開示がなされている。
特開2004−129435公報 特開2001−273588号公報
倒立制御車輌においては、車輌を制動させる際は、車体が慣性力で転倒することを回避するために、制動前に一度車輪に加速トルクを与え、車体を後傾させ、所定の後傾角度に達した後、車輪に制動トルクを与え制動を開始する。
制動時に上記のように挙動する倒立制御車輌で、自動追従走行制御を行う場合について検討する。ここで、簡単のために2台の車輌を例として考えてみる。すなわち、搭乗者の運転操作による先行車輌に対して自動追従走行する後続車輌の場合を例として考えてみる。
先行車輌が制動開始時に、車体を後傾するための加速を開始した場合、先行車輌の車輪回転加速度が増加する。このため、先行車輌と後続車輌との車輪回転速度差が増加するため、後続車輌の加速度指令値は、直前の加速度指令値よりも増加する。この後、先行車輌が目標の車体傾斜角に達し、制動を開始すると、後続車輌はこれに追随するために減速指令が与えられ、車体を後傾にするための加速が開始される。
このように、後続車輌の制動開始タイミングは、先行車輌の制動開始タイミングから遅れることとなり、後続車輌における自動追従制御の精度が低下してしまい、最悪の場合追従走行ができなくなってしまう、という問題があった。
なお、先行車輌の加速時などにも、後続車輌側では同様の問題が発生し得る。
以上をまとめると、倒立制御車輌の加速・制動前の準備動作では、逆方向の動作、つまり制動準備時には加速、加速準備時には減速の方向に一度ふれる動作(以後、この動作を「カウンター動作」という)を行うために、倒立制御車輌で自動追従走行制御を行おうとすると、先行車輌の制動・加速準備動作に対して後続車輌が反応してしまい、後続車輌の自動追従走行制御に遅れが生じ、制御の精度が低下する、という問題があった。
上記問題点を解決するために、請求項1に係る発明は、倒立制御を行う先行車輌に対し、追従走行する車輌を制御する車輌制御装置であって、前記先行車輌からの走行状況データを受信する通信部と、前記追従走行する車輌の加速度指令値を演算する演算部と、を備え、前記演算部は、前記通信部によって受信した走行状況データから、前記先行車輌の状態を推定し、当該先行車輌の状態に基づいて、前記追従走行する車輌の加速度指令値を演算することを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の車輌制御装置において、前記先行車輌の状態は、前記先行車輌が加速度を行う準備動作の状態であることを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、請求項1又は請求項2に記載の車輌制御装置において、前記通信部は、走行状況データとして、前記先行車輌の車輌速度と車体傾斜角又は搭乗部位置を取得し、前記演算部は、前記車輌速度に基づいて前記追従走行する車輌の第1の加速度指令値を演算する第1加速度演算手段と、推定した先行車輌の状態が所定の状態となった時に、前記車体傾斜角又は搭乗部位置に基づいて前記追従走行する車輌の第2の加速度指令値を演算する第2加速度演算手段と、を有し、前記第1加速度演算手段で演算した前記第1の加速度指令値又は前記第2加速度演算手段で演算した前記第2の加速度指令値のいずれかを目標加速度指令値とすることを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、請求項3に記載の車輌制御装置において、前記演算手段は、該第2加速度指令値が負の値であると判定した場合には、前記第1加速度指令値及び前記第2加速度指令値のうち小さい値を目標加速度指令値とすることを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、請求項3に記載の車輌制御装置において、前記演算手段は、該第2加速度指令値が正の値であると判定した場合には、前記第1加速度指令値及び前記第2加速度指令値のうち大きい値を目標加速度指令値とすることを特徴とする。
本発明の請求項1、2に記載の車輌制御装置によれば、前記演算部は、前記通信部によって受信した走行状況データから、前記先行車輌の状態を推定し、当該先行車輌の状態に基づいて、前記追従走行する車輌の加速度指令値を演算するので、遅れることなく先行車輌に追随することを可能とする精度の高い自動追従走行制御を実現することができる。
また、本発明の請求項3に記載の車輌制御装置によれば、前記通信部は、走行状況データとして、前記先行車輌の車輌速度と車体傾斜角又は搭乗部位置を取得し、前記演算部は、前記車輌速度に基づいて前記追従走行する車輌の第1の加速度指令値を演算する第1加速度演算手段と、推定した先行車輌の状態が所定の状態となった時に、前記車体傾斜角又は搭乗部位置に基づいて前記追従走行する車輌の第2の加速度指令値を演算する第2加速度演算手段と、を有し、前記第1加速度演算手段で演算した前記第1の加速度指令値又は前記第2加速度演算手段で演算した前記第2の加速度指令値のいずれかを目標加速度指令値とするので、後続車輌の自動追従走行制御に遅れが生じることがなく、かつ、制動を行う旨の情報が後続車輌に遅れなく伝達されることにより、衝突の危険を未然に回避することが可能となる。
また、本発明の請求項4に記載の車輌制御装置によれば、該第2加速度指令値が負の値であると判定した場合には、すなわち、先行車輌に減速指示が出されていると判定した場合には、前記第1加速度指令値及び前記第2加速度指令値のうち小さい値を目標加速度指令値とするので、後続車輌としては、先行車輌に衝突するような事態を未然に回避することができる自動追従走行制御を実現することができる。
また、本発明の請求項5に記載の車輌制御装置によれば、該第2加速度指令値が正の値であると判定した場合には、すなわち、先行車輌に加速指示が出されていると判定した場合には、前記第1加速度指令値及び前記第2加速度指令値のうち大きい値を目標加速度指令値とするので、後続車輌としては、先行車輌に遅れることなく追随することが可能となる自動追従走行制御を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施形態おいて、搭乗部の移動により小さな傾斜角で加速する状態を表したものである。本実施形態では、搭乗者を含む搭乗部を車輌の前後方向に相対的に並進移動させることにより、車体のバランス(倒立状態)を保つ。すなわち、図1(a)に示すように、搭乗者操作に基づく目標走行状態(加速、減速、停止など)に応じた加減速により車体に作用する駆動輪の反トルクと加速度に伴う慣性力とのバランスを保つために、搭乗者を含む搭乗部を加速度方向に並進移動させる。これにより、加減速度に対する車体の傾斜角を小さくすることができ、快適で安全な倒立型車輌を提供することができる。
なお、本実施形態では以上のような制御について説明するが、目標走行状態に応じた加速度が比較的小さい場合には、搭乗部の移動のみで対応させ、加速度が比較的大きい場合には、搭乗部の移動に加えて、車体の傾斜角を使って対応させるような制御動作をさせるように構成しても良い。
図2は本実施形態の車輌制御装置が搭載された車輌について、乗員が乗車して前方に走行している状態の外観構成を例示した図である。図2において、11a、11bは駆動輪、12は駆動モータ、13は搭乗部、14は支持部材、16は制御ユニット、30は入力装置、31はジョイスティック、42は車間距離センサ、63は移動機構、81は通信部、131は座面部、132は背もたれ部、133はヘッドレストをそれぞれ示している。
図2に示されるように、車輌は、同軸上に配置された2つの駆動輪11a、11bを備えている。両駆動輪11a、11bは、それぞれ駆動モータ12a、12bで駆動されるようになっている。なお、車輌の駆動輪及び駆動モータについては、同軸上に2つ配置する場合だけでなく、それぞれ1つ、又は3つ以上を配置するようにしてもよい。
駆動輪11a、11b(両駆動輪11aと11bを指す場合には駆動輪11という。以下他の構成も同様)及び駆動モータ12の上部には、重量体である荷物や乗員等が搭乗する搭乗部13(シート)が配置されている。
搭乗部13は、運転者が座る座面部131、背もたれ部132、及びヘッドレスト133で構成されている。
搭乗部13は、移動機構63を介して支持部材14により支持されている。支持部材14は駆動モータ12が収納されている駆動モータ筐体に固定されている。
移動機構63としては、例えばリニアガイド装置のような低抵抗の線形移動機構を用い、搭乗部駆動モータの駆動トルクにより搭乗部13と、支持部材14との相対的な位置を変更するようになっている。
リニアガイド装置は、支持部材14に固定された案内レールと、搭乗部駆動モータに固定されたスライダと、転動体を備えている。
案内レールには、その左右側面部に2本の軌道溝が長手方向に沿って直線状に形成されている。
スライダの断面はコ字状に形成されており、その対向する二つの側面部内側には、2本の軌道溝が、案内レールの軌道溝と各々対向するように形成されている。
転動体は、前述した軌道溝の間に組み込まれて、案内レールとスライダとの相対的直線運動に伴って軌道溝内を転動するようになっている。
なお、スライダには、軌道溝の両端をつなぐ戻し通路が形成されており、転動体は軌道溝と戻し通路を循環するようになっている。
リニアガイド装置には、リニアガイド装置の動きを締結するブレーキ(クラッチ)が配設されている。車輌が停車している時のように搭乗部の動作が不要であるときには、ブレーキにより、案内レールにスライダを固定することで、案内レールが固定されている支持部材14と、スライダが固定されている搭乗部13との相対的位置を保持する。そして、動作が必要であるときには、このブレーキを解除し、支持部材14側の基準位置と搭乗部13側の基準位置との距離が所定値となるように制御する。
搭乗部13の脇には入力装置30が配置され、入力装置30にはジョイスティック31が配置されている。運転者は、このジョイスティック31を操作することにより、車輌の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の指示を行うようになっている。
本実施形態における入力装置30は、座面部131に固定されているが、有線又は無線で接続されたリモコンにより構成するようにしてもよい。また、肘掛けを設けその上部に入力装置30を配置するようにしてもよい。
本実施形態の車輌制御装置が搭載された車輌には、入力装置30が配置されており、この入力装置30に係るジョイスティック31を搭乗者が操作することによって車輌の制御を行うが、このような搭乗者操作による「通常走行モード」と、搭乗者操作によらず前方を走行する車輌に追従する「追従走行モード」とを有するものである。本実施形態では「通常走行モード」と「追従走行モード」の双方の走行モードを有する車輌の制御装置を例に説明するが、本発明の車輌制御装置は「追従走行モード」のみを有する車輌にも適用することができる。
なお、予め決められた走行指令データに従って自動走行するように車輌を制御する場合には、入力装置30に代えて走行指令データ取得部が配設される。走行指令データ取得部は、例えば、半導体メモリ等の各種記憶媒体から走行指令データを取得する読み取り手段、または/及び、無線通信により外部から走行指令データを取得する通信制御手段で構成してもよい。
なお、図2において、搭乗部13には人が搭乗している場合について示しているが、必ずしも人が運転する車輌には限定されず、荷物だけを乗せた状態、あるいは、何も搭載していない状態で、外部からのリモコン操作や走行指令データに従って走行や停止をさせてもよい。
車間距離センサ42は、制御ユニット16に設けられており、自車輌と前方を走行する車輌との間の距離を計測するものであり、例えば、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波レーダーなどで構成されている。本実施形態では、「追従走行モード」の車輌制御を実行する場合に、 車間距離センサ42によって検出された車間距離情報が用いられるが、車間距離情報はその他の車輌制御にも用いることが可能である。
通信部81は、車輌間で情報を送信することができる通信装置であり、無線方式、有線方式のいずれをも用いることができる。本実施形態では、「追従走行モード」の車輌制御を実行する場合に、この通信部81によって、先行車輌の通信部81から、先行車輌の走行状況などに係る所定の情報を得て、自車輌の車輌制御に供するものである。
搭乗部13と駆動輪11との間には制御ユニット16が配置されている。本実施形態において制御ユニット16は、支持部材14に取り付けられている。
なお、制御ユニット16は、搭乗部13の座面部131の下面に取り付けるようにしてもよい。この場合、制御ユニットは移動機構63によって搭乗部13と共に前後に移動する。
本実施形態の車輌は、その他の装置としてバッテリを備えている。バッテリは支持部材14に配設されており、駆動モータ12、搭乗部駆動モータ、制御ECU20等に駆動用及び演算用の電力を供給する。
以下の説明において、駆動輪11、および、これに固定されて共に回転する部分を「駆動輪」、搭乗者を含む車輌全体から駆動輪を除いた部分を「車体」、搭乗部13、および、これに固定されて共に並進移動する部分(搭乗者を含む)を「搭乗部」とする。
本実施形態において、「搭乗部」は、搭乗部13、入力装置30、移動機構63(リニアガイド)の一部により構成されるが、制御ユニット16やバッテリを搭乗部13に配設することで、「搭乗部」に加えてもよい。これにより、「搭乗部」の重量、および、その移動による効果を大きくすることができる。
図3は本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における制御システムのブロック構成を示す図である。図3において、20は制御ECU、21は主制御ECU、22は駆動輪制御ECU、23は搭乗部制御ECU、25は通信部制御ECU、30は入力装置、31はジョイスティック、40は車体制御システム、41は車体傾斜センサ、42は車間距離センサ、50は駆動輪制御システム、51は駆動輪センサ、52は駆動モータ、60は搭乗部制御システム、61は搭乗部センサ、62は搭乗部モータ、80は通信制御システム、81は通信部をそれぞれ示している。
本実施形態の車輌制御装置の制御システムは、走行姿勢制御手段として機能する制御ECU(電子制御装置)20、ジョイスティック31、車体傾斜センサ41、車間距離センサ42、駆動輪センサ51、駆動モータ52(駆動モータ12と同じ)、搭乗部センサ61、搭乗部モータ62(搭乗部駆動モータ)、通信部81その他の装置を備えている。
制御ECU20は、主制御ECU21、駆動輪制御ECU22、搭乗部制御ECU23、通信部制御ECU25を備えており、駆動輪制御、車体制御(倒立制御)等により、車輌の走行、姿勢制御等の各種制御を行う。
制御ECU20は、本実施形態における走行・姿勢制御処理プログラム等の各種プログラムやデータが格納されたROM、作業領域として使用されるRAM、外部記憶装置、インターフェイス部等を備えたコンピュータシステムで構成されている。
主制御ECU21には、駆動輪センサ51、車体傾斜センサ41、車間距離センサ42、搭乗部センサ61、及び、入力装置30としてジョイスティック31が接続されている。
ジョイスティック31は、搭乗者の操作に基づく走行指令(操縦操作量)を主制御ECU21に供給する。
ジョイスティック31は直立した状態を中立位置とし、前後方向に傾斜させることで加減速を指示し、左右に傾斜させることで旋回走行時の横方向加速度を指示する。傾斜角度に応じて、要求加減速度、横方向加速度が大きくなる。
車体傾斜センサ41は、車体の傾斜角を検出する傾斜検出手段として機能し、駆動輪11の車軸を回転中心とする車体の前後方向の傾斜状態を検出する。
車体傾斜センサ41は、加速度を検出する加速度センサと車体傾斜角速度を検出するジャイロセンサを備えている。検出した加速度から車体傾斜角θ1を算出するのと同時に検出した車体傾斜角速度から車体傾斜角θ1を算出することで、その精度を高めるようにしている。なお、いずれか一方のセンサのみを配置し、その検出値から車体傾斜角や角速度を算出するようにしてもよい。
車間距離センサ42は自車輌と前方を走行する車輌との間の距離を検出するものであり、例えば、レーザーレーダー、ミリ波レーダー、超音波レーダーなどで構成され、この車間距離センサ42によって検出された車間距離情報は、車輌が「追従走行モード」の状態にあるときに利用される。
主制御ECU21は、目標とする目標走行状態を取得する目標走行状態取得手段として機能する。更に、取得した目標走行状態に応じて、駆動輪の駆動トルクと搭乗部の移動推力を決定する出力決定手段として機能する。
主制御ECU21は、ジョイスティック31からの信号に基づく目標走行状態に応じて、目標とする車体傾斜角と、目標とする搭乗部位置を決定する目標姿勢決定手段として機能する。
また、主制御ECU21は、目標走行状態と目標姿勢(目標車体傾斜角と目標搭乗部位置)に応じて、各アクチュエータ(駆動モータ52と搭乗部モータ62)のフィードフォワード出力を決定する、フィードフォワード出力決定手段として機能する。
更に、主制御ECU21は、車体傾斜角の目標値と実測値との偏差に応じて駆動モータ52のフィードバック出力を決定すると共に、搭乗部位置の目標値と実測値との偏差に応じて搭乗部モータ62のフィードバック出力を決定する、フィードバック出力決定手段として機能する。
また、主制御ECU21は、車輌が「追従走行モード」の状態にあるときに、先行車輌の走行状況等に応じて、加速度指令を決定して、この加速度指令に基づいて、駆動輪の駆動トルク指令を決定する。また、主制御ECU21は、車輌が「追従走行モード」の状態にあるときに、先行車輌の走行状況等に応じて、加速度指令を決定して、目標走行状態と目標姿勢を決定する。
主制御ECU21は、駆動輪制御ECU22、駆動モータ52と共に駆動手段として機能し、更に駆動輪センサ51を含めて駆動輪制御システム50を構成する。
駆動輪センサ51は、駆動輪11の回転状態である駆動輪回転角(回転角速度)を検出し、主制御ECU21に供給する。本実施形態の駆動輪センサ51は、レゾルバ、或いはロータリーエンコーダなどで構成され、駆動輪回転角を検出する。この駆動輪回転角から回転角速度、車輌速度が計算により算出される。
主制御ECU21は駆動輪制御ECU22に駆動トルク指令値を供給し、駆動輪制御ECU22は駆動モータ52に駆動トルク指令値に相当する入力電圧(駆動電圧)を供給する。駆動モータ52は、入力電圧に従って、駆動輪11に駆動トルクを与える駆動輪アクチュエータとして機能する。
また、主制御ECU21は、搭乗部制御ECU23、搭乗部センサ61、搭乗部モータ62と共に搭乗部制御システム60を構成する。
搭乗部センサ61は、搭乗部の相対位置を検出する位置検出として機能し、検出した搭乗部位置(移動速度)のデータを主制御ECU21に供給する。本実施形態の搭乗部センサは、エンコーダで構成され、搭乗部位置を検出する。この搭乗部位置の検出値から搭乗部の移動速度が算出される。
主制御ECU21は、搭乗部制御ECU23に搭乗部推力指令値を供給し、搭乗部制御ECU23は搭乗部モータ62に搭乗部推力指令値に相当する入力電圧(駆動電圧)を供給する。搭乗部モータ62は、入力電圧に従って、搭乗部13を並進移動させるための推力を与える搭乗部アクチュエータとして機能する。
また、主制御ECU21は、通信部制御ECU25、通信部81と共に通信制御システム80を構成する。通信部81は、例えば、無線方式で車輌間のデータ通信を行うものであり、通信部制御ECU25を介して、受信したデータを主制御ECU21に入力したり、主制御ECU21から出力された所定のデータを送信したりする。
次に、以上の通り構成された車輌による走行・姿勢制御処理について説明する。図4は本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における走行・姿勢制御のフローチャートである。
まず「通常走行モード」の走行・姿勢制御処理による処理全体の概要を説明する。
本実施形態における走行・姿勢制御では、加減速、停止など、目標とする走行状態に応じて、車体傾斜や搭乗部位置を制御し、車体のバランスを保ちつつ、目標とする走行状態を実現する。
図4において、ステップS100でフローチャートが開始されると、主制御ECU21は、初めに、搭乗者の意志に従って、車輌をどのように動かすのか、すなわち、車輌の走行目標を決定する(ステップS101〜ステップS103)。
次いで、ステップS104に進み、主制御ECU21は、決定した走行目標に対して車体のバランスを保つ(倒立姿勢をとる)ような車体目標姿勢(目標車体傾斜角と目標搭乗部位置)を決定する。
このように、車体傾斜量と搭乗部位置を最適化することにより、車体傾斜を小さくして乗り心地の悪化を防止しつつ、搭乗者に適切な加速感を与えることができる。
ステップS105乃至ステップS110においては、主制御ECU21は、目標とする車輌走行状態と車体姿勢を実現するために必要な駆動モータ52、搭乗部モータ62の出力値を決定する。その値に応じて、駆動モータ52と搭乗部モータ62の実際の出力を駆動輪制御ECU22と搭乗部制御ECU23で制御する。
次に、走行・姿勢制御処理の詳細を説明する。
ステップS101においては、主制御ECU21は、搭乗者によるジョイスティック31の操縦操作量(走行指令)を取得する。
そして、ステップS102に進み、主制御ECU21は、取得した操作量に基づいて車輌加速度の目標値(車輌目標加速度)α*を決定する。例えば、ジョイスティック31の前後操作量に比例した値を車輌目標加速度α*の値とする。
ステップS103では、主制御ECU21は、決定した車輌目標加速度α*から、駆動輪角速度の目標値(駆動輪目標角速度)[θω*]を算出する。
なお、記号[n]は、nの時間微分を表すものとする。例えば、車輌目標加速度α*を時間積分し、所定の駆動輪接地半径で除した値を駆動輪目標角速度[θω*]として算出する。
次に、ステップS104では、主制御ECU21は、車体傾斜角と搭乗部位置の目標値を決定する。すなわち、ステップS102で決定した車輌目標加速度α*の大きさに応じた次の式(1)〜式(3)により車体傾斜角の目標値(目標車体傾斜角)θ1*を決定する。
そして、決定した目標車体傾斜角θ1*に基づき、車輌目標加速度α*の大きさに応じた式(4)〜式(6)により搭乗部位置の目標値(搭乗部目標位置)λS*を決定する。
θ1*=φ*−βMax+sin-1(γsinφ*cosβMax) (α*<−αMax)(1)
θ1*=(1−CSense)φ* (−αMax≦α*<αMax)(2)
θ1*=φ+βMax+sin-1(γsinφ*cosβMax) (α*>αMax) (3)
λS*=−λSMax (α*<−αMax)(4)
λS*=l1(m1/m2){tan(φ*―θ1*)+γ(sinφ*/cos(φ*―θ1*))} (−αMax≦α*<αMax) (5)
λS*=−λSMax (α*>αMax)(6)
式(1)から式(6)において、φ*、βMax、γは、次の通りである。
φ*=tan-1α*
βMax=tan-1(msλSMax/m11
γ=M〜RW/m11,M〜=m1+mW+IW/RW 2
α*は車輌目標加速度(G)である。また、λSMaxは搭乗部移動量最大値で設定値である。
閾値αMaxは、式(5)においてλ*=λSMaxとしたとき、すなわち、搭乗部を限界まで動かしたときの車輌目標加速度α*である。この閾値αMaxは、既定値であるが、解析的に求めることが出来ないため、繰り返し計算や近似式等を用いることで決定する。
図5は、式(1)〜式(6)で与えられる車輌目標加速度α*(横軸)と目標車体傾斜角θ1*および搭乗部目標位置λS*の関係を図示したものである。
車輌目標加速度α*が閾値±αMaxの間にある場合(−αMax≦α*≦αMax)、目標車体傾斜角θ1*は式(2)により決定し、搭乗部目標位置λS*は式(5)により決定する。
これにより、−αMax≦α*≦αMaxの範囲では、車体をθ1*に傾けながら、搭乗部もλS*に動かすことにより、車体のバランスを保ちつつ、搭乗者に適切な加速度を感じさせることができる。
このように、閾値±αMaxの範囲内において、車輌目標加速度α*の実現に必要な重心位置の移動を、車体傾斜と搭乗部移動の両者により行うが、その重心移動の分担を決定するのが、式(2)と式(5)における搭乗者加速度感受係数CSenseである。CSenseの値は0≦CSense≦1であり、予め設定しておく。
ある車輌目標加速度α*に対して、設定値CSenseの値を大きくすると、目標車体傾斜角θ1*は大きくなり(式2)、搭乗部目標位置λS*は小さくなる(式5)。
Senseは、搭乗者が加速度を感じる程度に相当する。すなわち、CSense=1とすると、目標車体傾斜角θ1*=0(式2)となり、車体を全く傾けないため、搭乗者は車輌の加減速による慣性力をそのまま感じる。
一方、CSense=0とすると、θ1*=φ*=tan-1α*となり、車体を平衡傾斜角(重力と慣性力の合力の角度)まで傾けるため、搭乗者は慣性力を感じない(ただし、搭乗者にとって下向きの力は増加する)。
本実施形態では、搭乗者に最適な加速度を感じさせる値として、CSense=pが予め設定される。
例えば、CSense=1とした場合、車輌目標加速度α*の実現に必要な重心位置の移動の全てを搭乗部13の移動で実現することになり、車体を直立状態に維持するように制御しながら走行する。
搭乗部移動量が限界±λSMaxに達したとき、すなわち、車輌目標加速度α*<−αMax、又は、α*>αMaxの場合、図5に示すように、車体をより大きく傾けてバランスを保つことになる(式1、3)。
なお、搭乗部移動量に余裕のある場合には、車体傾斜角の方を制限してもよい。
(目標車体傾斜角θ1*と搭乗部目標位置λS*の決定の変形例)
上記実施形態の説明では、車輌目標加速度α*と閾値±αMaxとの関係から式(1)〜式(3)のいずれか、及び式(4)〜式(6)のいずれかを選択して目標車体傾斜角θ1*と、搭乗部
目標位置λS*を決定する場合について説明した。
これに対して、図6に示す目標値決定処理によって目標車体傾斜角θ1*と、搭乗部目標位置λS*を決定してもよい。
図6は、目標値決定処理の内容を表したフローチャートである。図6において、ステップS201において、主制御ECU21は、最初に式(2)から車輌目標加速度α*に対応する目標車体傾斜角θ1*を算出する。
そして、ステップS202では、決定したθ1*を用いて数式5から搭乗部目標位置λS*を算出し、ステップS203では、算出値λS*が搭乗部の移動可能な−λSMax≦λS*≦λSMaxの範囲内であるか否かを判断する。
算出値λS*が搭乗部の移動可能な範囲内であれば(ステップS203;Y)、主制御ECU21は、ステップS201で算出したθ1*を目標車体傾斜角に、ステップ11で算出したλS*を搭乗部目標位置に、それぞれ決定し(ステップS206)、処理を終了する。
一方、算出値λS*が搭乗部の移動可能な範囲外である場合(ステップS203;N)、主制御ECU21は、搭乗部移動量最大値±λSMaxを搭乗部目標位置λS*に決定する(ステップS204)。
そして、式(1)又は式(3)を用いて車輌目標加速度α*に対応するθ1*を再度算出し、これを目標車体傾斜角θ1*に決定し(ステップS205)、処理を終了する。
以上の目標値決定処理によれば、式(1)〜式(3)、式(4)〜式(6)のいずれの数式を使用するかを決定するための閾値αMaxを用いることなく、目標車体傾斜角θ1*と搭乗部目標位置λS*を決定することができる。
本実施形態では、厳密な理論式である式(1)〜式(6)を用いて、車体目標姿勢を決定したが、より簡単な式を用いて決定してもよい。例えば、式(1)〜式(6)を線形化した式を使ってもよい。また、数式の代わりに、車輌目標加速度α*と車体目標姿勢の関係をマップとして予め用意して、それを使って車体目標姿勢を決定してもよい。
一方、より複雑な関係式を用いてもよい。例えば、車輌目標加速度α*の絶対値が所定の閾値以下の場合には、車体を全く傾けずに搭乗部のみを動かし、その閾値を超えた場合に車体を傾け始めるように、関係式を設定してもよい。
なお、本実施形態では、搭乗部の基準位置からの前方最大移動量と後方最大移動量が等しいとしているが、両者は異なってもよい。例えば、後方最大移動量の方を大きくすることにより、加速性能に比べて制動性能を高くすることができる。この場合には、閾値αMaxを各々の限界値に対応するように修正することで、容易に同様の制御を実現できる。
走行・姿勢制御処理(図4)の説明に戻る。ステップS105においては、主制御ECU21は、決定した各目標値を用いて残りの目標値を算出する。
すなわち、各目標値を時間微分、あるいは、時間積分することにより、駆動輪回転角目標値θW*、車体傾斜角速度目標値[θ1*]、搭乗部移動速度目標値[λS*]をそれぞれ算出する。
次に、ステップS106では、各アクチュエータのフィードフォワード出力を決定する。
主制御ECU21は、次の式(7)により、車輌目標加速度α*を実現するのに必要だと予想される駆動モータ52のフィードフォワード出力τW,FFを決定する。ちなみに、式(7)におけるM〜は、駆動輪の回転慣性分も考慮した車輌の総質量である。
また、式(8)により、各目標値から搭乗部モータ62のフィードフォワード出力SS,FFを決定する。このSS,FFは、目標車体傾斜角θ1*に対して、搭乗部が重力によって移動せず、目標位置に留まるのに必要な搭乗部推力に相当する。
Figure 2009136057
ただし、ここで、
Figure 2009136057
である。
式(7)、(8)のようなフィードフォワード出力を与えることにより、各状態量をより高精度で制御することができる。
なお、この方法は、特に状態量の定常偏差を減少させるのに有効であるが、この代わりとしてフィードバック制御(ステップS109)で積分ゲインを与えてもよい。
次に、ステップS107において、主制御ECU21は、各センサから各状態量を取得する。すなわち、駆動輪センサ51から駆動輪回転角(回転角速度)を、車体傾斜センサ41から車体傾斜角(傾斜角速度)を、搭乗部センサ61から搭乗部位置(移動速度)を、それぞれ取得する。
またステップS108で、主制御ECU21は、残りの状態量を算出する。すなわち、駆動輪回転角(回転角速度)、車体傾斜角(傾斜角速度)、搭乗部位置(移動速度)を時間積分あるいは微分することにより、残りの状態量を算出する。
次に、ステップS109において、主制御ECU21は、各アクチュエータのフィードバック出力を決定する。
すなわち、各目標値と実際の状態量の偏差から、式(9)により駆動モータ52のフィードバック出力τW,FBを、式(10)により搭乗部モータ62のフィードバック出力SS,FBを、それぞれ決定する。
なお、式(9)、式(10)における各Kの値はフィードバックゲインであり、各フィードバックゲインKは、例えば最適レギュレータの値を予め設定しておく。また、前述のように、定常偏差を無くすために、積分ゲインを導入してもよい。
τW,FB=−KW1(θW−θW *)−KW2([θW]−[θW*])−KW3(θ1−θ1*)−KW4([θ1]−[θ1*])−KW5(λS−λS*)−KW6([λS]−[λS*]) (9)
S,FB=−KS1(θW−θW*)−KS2([θW]−[θW*])−KS3(θ1−θ1*)−KS4([θ1]−[θ1*])−KS5(λS−λS*)−KS6([λS]−[λS*]) (10)
なお、いくつかのフィードバックゲインを零とすることで、簡素化してもよい。例えば、式(9)に代えてτW,FB=−KW2([θW]−[θW*])−KW3(θ1−θ1*)、また式(10)に代えてSS,FB=−KS5(λS−λS*)をそれぞれ用いてもよい。
最後にステップS110において、主制御ECU21は、各要素制御システムに指令値を与え、メインルーチンにリターンする。
すなわち、主制御ECU21は、ステップS106で決定したフィードフォワード出力τW,FFと、ステップS109で決定したフィードバック出力τW,FBの和(τW,FF+τW,FB)を駆動トルク指令値τWとして、駆動輪制御ECU22に供給する。また、フィードフォワード出力SS,FFとフィードバック出力SS,FBの和(SS,FF+SS,FB)を搭乗部推力指令値SSとして、搭乗部制御ECU23に供給する。
これにより、駆動輪制御ECU22は、駆動トルク指令値τWに対応する入力電圧(駆動電圧)を駆動モータ52に供給することで、駆動輪に駆動トルクτWを与える。
また、搭乗部制御ECU23は、搭乗部推力指令値SSに対応した入力電圧(駆動電圧)を搭乗部モータ62に供給することで、搭乗部を移動させる。
ここで、車両姿勢制御における各パラメータについて以下整理しておく。図7は車両姿勢制御系の力学モデルを示した図である。
(a)状態量
θW:駆動輪回転角[rad]
θ1:車体傾斜角(鉛直軸基準)[rad]
λS:搭乗部位置(車体中心点基準)[m]
(b)入力
τW:駆動トルク(2輪合計)[Nm]
S:搭乗部推力[N]
(c)物理定数
g:重力加速度[m/s2
(d)パラメータ
W:駆動輪質量(2輪合計)[kg]
W:駆動輪接地半径[m]
W:駆動輪慣性モーメント(2輪合計)[kgm2
W:駆動輪回転に対する粘性減衰係数[Ns/rad]
1:車体質量(搭乗部含む)[kg]
1:車体重心距離(車軸から)[m]
1:車体慣性モーメント(重心周り)[kgm2
1:車体傾斜に対する粘性減衰係数[Ns/rad]
S:搭乗部質量[kg]
S:搭乗部基準重心距離(車軸から)[m]
S:搭乗部慣性モーメント(重心周り)[kgm2
S:搭乗部並進に対する粘性減衰係数[Ns/m]
次に、「追従走行モード」の車輌制御処理による処理全体の概要を説明する。図8は本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における制御モデルを示す図であり、図9は本発明の実施の形態に係る車輌制御装置の追従走行モードにおける制御システムのブロック構成を示す図である。
以後、図8に示すような、通常走行モードで走行する先行車輌Aに対して、「追従走行モード」で追従する後続車輌Bにおける車輌制御について説明する。図8においては、先行車輌Aは搭乗者によって運転操作がなされており、後続車輌Bは「追従走行モード」で自動的に(運転操作なしに)先行車輌Aを追従する状況を想定している。
本実施形態における車輌制御装置では、追従走行モードにおける目標加速度α2*の目標加速度指令値を決定することを目的とする。
図9において、上半分の制御システムブロック図は先行車輌Aのものを示しており、下半分の制御システムブロック図は後続車輌Bのものを示している。なお、図9に示す制御システムブロック図は、図3に示すものを基にしている。
本実施形態における「追従走行モード」においては、後続車輌Bは、通信部81によって、先行車輌Aから先行車輌Aの走行状況データを取得する。より具体的には、走行状況データとして、先行車輌Aの車輌速度情報と、先行車輌Aの車体傾斜角θ1とを取得する。また、後続車輌Bは、車間距離センサ42の計測による車間距離dを取得する。
本実施形態では、通信部81によって取得された先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度、車体傾斜角)と車間距離センサ42によって計測された車間距離dとに基づいて目標加速度を演算するので、後続車輌Bは遅れることなく先行車輌Aに追随することが可能となり、精度の高い自動追従走行制御を実現することができる。
なお、ここでいう車輌速度とは、車輪の回転角より求めるものとする。具体的には、車輪回転角度を検出し、これを微分した値を車輪の回転速度とし、さらに、この回転速度から車輌速度を求める。
後続車輌Bの主制御ECU21は、以上のパラメータを取得した上で、目標加速度の指令値の候補とする2つの加速度指令値α2及びα2’を算出する。α2は第1加速度指令値により算出された加速度指令値であり、α2’は第2加速度指令値により算出された加速度指令値である。
α2=α1+k1(d―d*)+k2(v1―v2) (11)
式(11)において、α1は先行車輌Aの加速度、k1は車間距離ゲイン、dは車間距離センサ42計測による車間距離、d*は目標車間距離、k2は速度ゲイン、v1は先行車輌Aの車輌速度、v2は後続車輌Bの車輌速度をそれぞれ示している。
次に、第2加速度指令値α2’を求めるが、ここで制動前の準備動作(カウンター動作)における加速と、通常の加速時における車輌の傾斜角θ1と加速度αとの関係について説明する。
図10は倒立制御車輌における車輌速度と車体傾斜角の挙動を示す図であり、図10(a)は制動時における車輌速度と車体傾斜角との関係を示しており、図10(b)は通常加速時における車輌速度と車体傾斜角との関係を示している。図10の横軸は時間を示している。図10(a)に示す制動時におけるカウンター動作としての加速では、車輌の加速に伴い、車体は後ろに傾くのに対して、図10(a)に示す通常の加速では、車輌の加速に伴い、車体は前に傾く。このような倒立制御車輌における挙動を状態遷移図(マップ)として示したのが図11である。
図11は倒立制御車輌における車輌加速度と車体傾斜角との関係を示す図である。図11の横軸は車輌加速度αであり、縦軸は車体傾斜角θ1である。倒立制御車両においては、図中の点(α,θ1)が領域(I I)に存在するときにおいては、車輌は通常の加速動作を行っており、点(α,θ1)が領域(I)又は領域(I I I)に存在するときにおいては、車輌は加減速の準備動作を行っている。倒立制御車両では、走行時に、加減速を行う場合必ず図11の「通常加減速動作」(領域(I I))→「加減速準備動作」(領域(I)又は領域(I I I))→「通常加減速動作」(領域(I I))というように遷移して走行している。
領域(I I)の「通常加減速動作」から領域(I)又は領域(I I I)の「加減速準備動作」に遷移した場合には、車輌は制動もしくは加速の準備動作を開始したと判断することができる。図11中、Lは車輌平衡線を示しており、車両のバランス平衡点の集合である。
図11に示す倒立制御車両の遷移図においては、例えば、領域(I I I)の点Aに車輌の状態が遷移すると、次には、車輌はバランスを取るためにA’(αA,θA)の平衡点に遷移する。同様に、車輌が領域(I)の点Bに車輌の状態が遷移すると、次には、車輌はバランスを取るためにB’(αB,θB)の平衡点に遷移する。また、領域(I I I)の点Cに車輌の状態が遷移すると、次には、車輌はバランスを取るためにC’(αC,θC)の平衡点に遷移する。
このような遷移図によれば、車輌が領域(I)又は領域(I I I)の「加減速準備動作」に遷移したときには、車輌がバランスを取るため遷移する平衡点を推定することができる。本実施形態では、このような特性を利用して、先行車輌Aの加速度の値と搭乗部位置の値が「加減速準備動作」の領域(I)又は領域(I I I)に入った場合には、平衡点の推定によって、先行車輌Aの加速度を推定する。後続車輌Bの第2加速度指令値α2’は、この推定された先行車輌Aの加速度と同じ値を取るものとして演算される。
より具体的には、通信部81によって取得された先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、車体傾斜角θ1)を取得し、車輌速度v1から先行車輌の加速度α1を求め、(α1,θ1)が図11の領域(I)又は領域(I I I)に存在するか否かを判定し、もし(α1,θ1)が図11の領域(I)又は領域(I I I)に存在すれば、そこから平衡点に遷移することを推定し、先行車輌の予測加速度α1を求める。これは、先の例で言えば、点A,B,Cにおける遷移例のようにαA、αB、αCである。後続車輌Bの第2加速度指令値α2’は、このようにして求められる予測加速度α1と同じものとする。
次に、主制御ECU21は、2つの加速度指令値α2及びα2’の双方を算出し、先行車輌Aの予測される挙動に応じて、これらのうちから適切なものを採用するような制御を行う。
より具体的には、先行車輌Aが「加速」したとしても、その「加速」が、通常の加速であるのか、制動準備のためのカウンター動作として加速であるのかを、先行車輌Aの(α1,θ1)によって判定し、これに応じて2つの加速度指令α2及びα2’の双方から適切な加速度指令値を目標加速度の加速度指令値α2*として採用する。
このように、先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、車体傾斜角θ1)によって、後続車輌Bは加速度指令値α2*を決定するようにしているので、後続車輌Bの自動追従走行制御に遅れが生じることがなく、自動追従走行制御の精度を向上させることが可能となる。
また、先行車輌Aが制動するような場合には、先行車輌Aから後続車輌Bに対して、走行状況データ(車輌速度v1、車体傾斜角θ1)を伝達することで、先行車輌Aが制動を行う旨の情報が後続車輌Bに遅れなく伝達されることにより、衝突の危険を回避することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、走行状況データとして、先行車輌Aの車輌速度情報と、先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、車体傾斜角θ1)とを先行車輌Aから後続車輌Bに対して通信することによって、自動追従走行制御の精度を向上させることが可能となる。
次に、後続車輌Bにおける「追従走行モード」の制御処理について説明する。図12は本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における自動追従制御処理のフローチャートを示す図である。
図12において、ステップS300で自動追従制御処理が開始されると、続いてステップS301に進み、先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、車体傾斜角θ1)を、通信部81を利用し受信する。
ステップS302では、受信した先行車輌Aの車輌速度を、主制御ECU21における不図示の記憶部に記憶する。ステップS303においては、主制御ECU21は記憶部に累積的に記憶されている車輌速度に係る情報から先行車輌Aの加速度を算出する。
ステップS304では、自車輌(後続車輌B)の車輌速度を駆動輪センサ51によって計測する。続いて、ステップS305では、自車輌(後続車輌B)と先行車輌Aの車間距離dを車間距離センサ42で計測する。
ステップS306では、先行車輌Aの加速度α1、車輌速度v1、自車輌の車輌速度v2、車間距離dから、式(11)によって自車輌の第1加速度指令値α2を算出する。
ステップS307では、加速度の値、傾斜角の値が、図11に示すマップ上の「加減速準備動作」に遷移したかどうかが判定される。ステップS307の判定結果がYESであるときにはステップS308に進み、NOであるときにはステップS314に進む。
ステップS307からNO判定で進むステップS314では、先行車輌Aは通常加速動作を行っているだけなので、α2が目標加速度指令値α2*として採用される。
ステップS313では、採用された加速度の指令値に基づいて、駆動トルク指令が実行される。ステップS313に続いては、ステップS301に戻りループする。本フローチャートは、「追従走行モード」が解かれるまでループすることを前提としている。
ステップS308では、先に記載した方法によって、図11に示すマップ上の車輌平衡線によって、先行車輌Aのα1を推定する。次のステップS309では、α2’=α1によって、第2加速度指令値を求める。
ステップS310では、α2’<0であるか否かが判定される。このステップS310でα2’<0であると判断されると、先行車輌Aは減速することが予想される。また、α2’<0でないと判断されると、先行車輌Aは加速することが予想される。
ステップS310の判定の結果がNOであるときにはステップS311に進み、ステップS310の判定の結果がYESであるときにはステップS315に進む。
ステップS315では、α2>α2’が成り立つか否かが判定される。ステップS315の判定がYESである場合には、ステップS317に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち小さい値であるα2’が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS315の判定がNOである場合には、ステップS316に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち小さい値であるα2が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS313では、採用された加速度の指令値に基づいて、駆動トルク指令が実行される。ステップS313に続いては、ステップS301に戻りループする。本フローチャートは、「追従走行モード」が解かれるまでループすることを前提としている。
また、ステップS311では、α2>α2’が成り立つか否かが判定される。ステップS311の判定がYESである場合には、ステップS314に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち大きい値であるα2が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS311の判定がNOである場合には、ステップS312に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち大きい値であるα2’が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS313では、採用された加速度の指令値に基づいて、駆動トルク指令が実行される。ステップS313に続いては、ステップS301に戻りループする。本フローチャートは、「追従走行モード」が解かれるまでループすることを前提としている。
ステップS310における判定は、先行車輌Aのカウンター動作である加減速動作が、さらなる加速のためのものであるのか、制動のためのものであるのかを後続車輌Bが見極めるための材料とするものである。
ステップS310における判定の結果がYESであるときには、先行車輌Aは制動しようとしている場合であるので、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち小さい値のものを目標加速度の加速度指令値α2*として採用する。これによって、後続車輌Bとしては、先行車輌Aに衝突するような事態を未然に回避することができる。
また、ステップS310における判定の結果がNOであるときには、先行車輌Aは加速しようとしている場合であるので、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち大きい値のものを目標加速度の加速度指令値α2*として採用する。これによって、後続車輌Bとしては、先行車輌Aに遅れることなく追随することが可能となる。
以上、本実施形態によれば、走行状況データとして、先行車輌Aの車輌速度情報と、先行車輌Aの車体傾斜角とを先行車輌Aから後続車輌Bに対して通信することによって、自動追従走行制御の精度を向上させることが可能となる。
次に、本発明の他の実施形態について説明する。図13は本発明の他の実施の形態に係る車輌制御装置の追従走行モードにおける制御システムのブロック構成を示す図である。追従走行モードにおける車輌の様子は図8に示すものと同様である。
本実施形態においても、図8に示すような、通常走行モードで走行する先行車輌Aに対して、「追従走行モード」で追従する後続車輌Bにおける車輌制御について説明する。図8においては、先行車輌Aは搭乗者によって運転操作がなされており、後続車輌Bは「追従走行モード」で自動的に(運転操作なしに)先行車輌Aを追従する状況を想定している。
本実施形態における車輌制御装置では、追従走行モードにおける目標加速度α2*の目標加速度指令値を決定することを目的とする。
図13において、上半分の制御システムブロック図は先行車輌Aのものを示しており、下半分の制御システムブロック図は後続車輌Bのものを示している。なお、図13に示す制御システムブロック図は、図3に示すものを基にしている。
本実施形態における「追従走行モード」においては、後続車輌Bは、通信部81によって、先行車輌Aから先行車輌Aの走行状況データを取得する。より具体的には、走行状況データとして、先行車輌Aの車輌速度情報と、先行車輌Aの搭乗部位置λSとを取得する。また、後続車輌Bは、車間距離センサ42の計測による車間距離dを取得する。
本実施形態では、通信部81によって取得された先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度、搭乗部位置)と車間距離センサ42によって計測された車間距離dとに基づいて目標加速度を演算するので、後続車輌Bは遅れることなく先行車輌Aに追随することが可能となり、精度の高い自動追従走行制御を実現することができる。
なお、ここでいう車輌速度とは、車輪の回転角より求めるものとする。具体的には、車輪回転角度を検出し、これを微分した値を車輪の回転速度とし、さらに、この回転速度から車輌速度を求める。
後続車輌Bの主制御ECU21は、以上のパラメータを取得した上で、目標加速度の指令値の候補とする2つの加速度指令値α2及びα2’を算出する。α2は第1加速度指令値により算出された加速度指令値であり、α2’は第2加速度指令値により算出された加速度指令値である。
α2=α1+k1(d―d*)+k2(v1―v2) (11)
式(11)において、α1は先行車輌Aの加速度、k1は車間距離ゲイン、dは車間距離センサ42計測による車間距離、d*は目標車間距離、k2は速度ゲイン、v1は先行車輌Aの車輌速度、v2は後続車輌Bの車輌速度をそれぞれ示している。
次に、第2加速度指令値α2’を求めるが、ここで制動前の準備動作(カウンター動作)における加速と、通常の加速時における車輌の搭乗部位置λSと加速度αとの関係について説明する。
図14は倒立制御車輌における車輌速度と搭乗部位置の挙動を示す図であり、図14(a)は制動時における車輌速度と搭乗部位置との関係を示しており、図14(b)は通常加速時における車輌速度と搭乗部位置との関係を示している。図14の横軸は時間を示している。図14(a)に示す制動時におけるカウンター動作としての加速では、車輌の加速に伴い、車体は後ろに傾くのに対して、図14(a)に示す通常の加速では、車輌の加速に伴い、車体は前に傾く。このような倒立制御車輌における挙動を状態遷移図(マップ)として示したのが図15である。
図15は倒立制御車輌における車輌加速度と搭乗部位置との関係を示す図である。図15の横軸は車輌加速度αであり、縦軸は搭乗部位置λSである。倒立制御車両においては、図中の点(α,λS)が領域(I I)に存在するときにおいては、車輌は通常の加速動作を行っており、点(α,λS)が領域(I)又は領域(I I I)に存在するときにおいては、車輌は加減速の準備動作を行っている。倒立制御車両では、走行時に、加減速を行う場合必ず図15の「通常加減速動作」(領域(I I))→「加減速準備動作」(領域(I)又は領域(I I I))→「通常加減速動作」(領域(I I))というように遷移して走行している。
領域(I I)の「通常加減速動作」から領域(I)又は領域(I I I)の「加減速準備動作」に遷移した場合には、車輌は制動もしくは加速の準備動作を開始したと判断することができる。図15中、Lは車輌平衡線を示しており、車両のバランス平衡点の集合である。
図15に示す倒立制御車両の遷移図においては、例えば、領域(I I I)の点Aに車輌の状態が遷移すると、次には、車輌はバランスを取るためにA’(αA,λA)の平衡点に遷移する。同様に、車輌が領域(I)の点Bに車輌の状態が遷移すると、次には、車輌はバランスを取るためにB’(αB,λB)の平衡点に遷移する。また、領域(I I I)の点Cに車輌の状態が遷移すると、次には、車輌はバランスを取るためにC’(αC,λC)の平衡点に遷移する。
このような遷移図によれば、車輌が領域(I)又は領域(I I I)の「加減速準備動作」に遷移したときには、車輌がバランスを取るため遷移する平衡点を推定することができる。本実施形態では、このような特性を利用して、先行車輌Aの加速度の値と搭乗部位置の値が「加減速準備動作」の領域(I)又は領域(I I I)に入った場合には、平衡点の推定によって、先行車輌Aの加速度を推定する。後続車輌Bの第2加速度指令値α2’は、この推定された先行車輌Aの加速度と同じ値を取るものとして演算される。
より具体的には、通信部81によって取得された先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、搭乗部位置λS)を取得し、車輌速度v1から先行車輌の加速度α1を求め、(α1,λS)が図15の領域(I)又は領域(I I I)に存在するか否かを判定し、もし(α1,λS)が図15の領域(I)又は領域(I I I)に存在すれば、そこから平衡点に遷移することを推定し、先行車輌の予測加速度α1を求める。これは、先の例で言えば、点A,B,Cにおける遷移例のようにαA、αB、αCである。後続車輌Bの第2加速度指令値α2’は、このようにして求められる予測加速度α1と同じものとする。
次に、主制御ECU21は、2つの加速度指令値α2及びα2’の双方を算出し、先行車輌Aの予測される挙動に応じて、これらのうちから適切なものを採用するような制御を行う。
より具体的には、先行車輌Aが「加速」したとしても、その「加速」が、通常の加速であるのか、制動準備のためのカウンター動作として加速であるのかを、先行車輌Aの(α1,λS)によって判定し、これに応じて2つの加速度指令α2及びα2’の双方から適切な加速度指令値を目標加速度の加速度指令値α2*として採用する。
このように、先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、搭乗部位置λS)によって、後続車輌Bは加速度指令値α2*を決定するようにしているので、後続車輌Bの自動追従走行制御に遅れが生じることがなく、自動追従走行制御の精度を向上させることが可能となる。
また、先行車輌Aが制動するような場合には、先行車輌Aから後続車輌Bに対して、走行状況データ(車輌速度v1、搭乗部位置λS)を伝達することで、先行車輌Aが制動を行う旨の情報が後続車輌Bに遅れなく伝達されることにより、衝突の危険を回避することが可能となる。
以上のように、本実施形態では、走行状況データとして、先行車輌Aの車輌速度情報と、先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、搭乗部位置λS)とを先行車輌Aから後続車輌Bに対して通信することによって、自動追従走行制御の精度を向上させることが可能となる。
次に、後続車輌Bにおける「追従走行モード」の制御処理について説明する。図16は本発明の他の実施の形態に係る車輌制御装置における自動追従制御処理のフローチャートを示す図である。
図16において、ステップS400で自動追従制御処理が開始されると、続いてステップS401に進み、先行車輌Aの走行状況データ(車輌速度v1、搭乗部位置λS)を、通信部81を利用し受信する。
ステップS402では、受信した先行車輌Aの車輌速度を、主制御ECU21における不図示の記憶部に記憶する。ステップS403においては、主制御ECU21は記憶部に累積的に記憶されている車輌速度に係る情報から先行車輌Aの加速度を算出する。
ステップS404では、自車輌(後続車輌B)の車輌速度を駆動輪センサ51によって計測する。続いて、ステップS405では、自車輌(後続車輌B)と先行車輌Aの車間距離dを車間距離センサ42で計測する。
ステップS406では、先行車輌Aの加速度α1、車輌速度v1、自車輌の車輌速度v2、車間距離dから、式(11)によって自車輌の第1加速度指令値α2を算出する。
ステップS407では、加速度の値、搭乗部位置の値が、図15に示すマップ上の「加減速準備動作」に遷移したかどうかが判定される。ステップS407の判定結果がYESであるときにはステップS408に進み、NOであるときにはステップS414に進む。
ステップS407からNO判定で進むステップS414では、先行車輌Aは通常加速動作を行っているだけなので、α2が目標加速度指令値α2*として採用される。
ステップS413では、採用された加速度の指令値に基づいて、駆動トルク指令が実行される。ステップS413に続いては、ステップS401に戻りループする。本フローチャートは、「追従走行モード」が解かれるまでループすることを前提としている。
ステップS408では、先に記載した方法によって、図15に示すマップ上の車輌平衡線によって、先行車輌Aのα1を推定する。次のステップS409では、α2’=α1によって、第2加速度指令値を求める。
ステップS410では、α2’<0であるか否かが判定される。このステップS410でα2’<0であると判断されると、先行車輌Aは減速することが予想される。また、α2’<0でないと判断されると、先行車輌Aは加速することが予想される。
ステップS410の判定の結果がNOであるときにはステップS411に進み、ステップS410の判定の結果がYESであるときにはステップS415に進む。
ステップS415では、α2>α2’が成り立つか否かが判定される。ステップS415の判定がYESである場合には、ステップS417に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち小さい値であるα2’が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS415の判定がNOである場合には、ステップS416に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち小さい値であるα2が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS413では、採用された加速度の指令値に基づいて、駆動トルク指令が実行される。ステップS413に続いては、ステップS401に戻りループする。本フローチャートは、「追従走行モード」が解かれるまでループすることを前提としている。
また、ステップS411では、α2>α2’が成り立つか否かが判定される。ステップS411の判定がYESである場合には、ステップS414に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち大きい値であるα2が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS411の判定がNOである場合には、ステップS412に進み、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち大きい値であるα2’が目標加速度指令値α2*として採用される。ステップS413では、採用された加速度の指令値に基づいて、駆動トルク指令が実行される。ステップS413に続いては、ステップS401に戻りループする。本フローチャートは、「追従走行モード」が解かれるまでループすることを前提としている。
ステップS410における判定は、先行車輌Aのカウンター動作である加減速動作が、さらなる加速のためのものであるのか、制動のためのものであるのかを後続車輌Bが見極めるための材料とするものである。
ステップS410における判定の結果がYESであるときには、先行車輌Aは制動しようとしている場合であるので、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち小さい値のものを目標加速度の加速度指令値α2*として採用する。これによって、後続車輌Bとしては、先行車輌Aに衝突するような事態を未然に回避することができる。
また、ステップS410における判定の結果がNOであるときには、先行車輌Aは加速しようとしている場合であるので、第1加速度指令値α2及び第2加速度指令値α2’のうち大きい値のものを目標加速度の加速度指令値α2*として採用する。これによって、後続車輌Bとしては、先行車輌Aに遅れることなく追随することが可能となる。
以上、本実施形態によれば、走行状況データとして、先行車輌Aの車輌速度情報と、先行車輌Aの搭乗部位置とを先行車輌Aから後続車輌Bに対して通信することによって、自動追従走行制御の精度を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態では先行車輌に後続する車輌を例に挙げて説明したが、先行車輌と併走して走行する場合でも、同様の制御が可能である。
本実施形態おいて、搭乗部を前方に動かすことで、より小さな傾斜角で加速する状態を表した説明図である。 本実施形態の車輌制御装置が搭載された車輌について、乗員が乗車して前方に走行している状態の外観構成を例示した図である。 本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における制御システムのブロック構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における走行・姿勢制御のフローチャートである。 車輌目標加速度α*(横軸)と目標車体傾斜角θ1*および、搭乗部目標位置λS*の関係図である。 本発明の実施の形態に係る車輌制御装置の変形例における目標値決定処理のフローチャートである。 車両姿勢制御系の力学モデルを示した図である。 本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における制御モデルを示す図である。 本発明の実施の形態に係る車輌制御装置の追従走行モードにおける制御システムのブロック構成を示す図である。 倒立制御車輌における車輌速度と車体傾斜角の挙動を示す図である。 倒立制御車輌における車輌加速度と車体傾斜角との関係を示す図である。 本発明の実施の形態に係る車輌制御装置における自動追従制御処理のフローチャートを示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る車輌制御装置の追従走行モードにおける制御システムのブロック構成を示す図である。 倒立制御車輌における車輌速度と搭乗部位置の挙動を示す図である。 倒立制御車輌における車輌加速度と搭乗部位置との関係を示す図である。 本発明の他の実施の形態に係る車輌制御装置における自動追従制御処理のフローチャートを示す図である。
符号の説明
11a、11b・・・駆動輪、12・・・駆動モータ、13・・・搭乗部、14・・・支持部材、16・・・制御ユニット、20・・・制御ECU、21・・・主制御ECU、22・・・駆動輪制御ECU、23・・・搭乗部制御ECU、25・・・通信部制御ECU、30・・・入力装置、31・・・ジョイスティック、40・・・車体制御システム、41・・・車体傾斜センサ、42・・・車間距離センサ、50・・・駆動輪制御システム、51・・・駆動輪センサ、52・・・駆動モータ、60・・・搭乗部制御システム、61・・・搭乗部センサ、62・・・搭乗部モータ、63・・・移動機構、80・・・通信制御システム、81・・・通信部、131・・・座面部、132・・・背もたれ部、133・・・ヘッドレスト

Claims (5)

  1. 倒立制御を行う先行車輌に対し、追従走行する車輌を制御する車輌制御装置であって、
    前記先行車輌からの走行状況データを受信する通信部と、
    前記追従走行する車輌の加速度指令値を演算する演算部と、を備え、
    前記演算部は、
    前記通信部によって受信した走行状況データから、前記先行車輌の状態を推定し、当該先行車輌の状態に基づいて、前記追従走行する車輌の加速度指令値を演算することを特徴とする車輌制御装置。
  2. 前記先行車輌の状態は、前記先行車輌が加速度を行う準備動作の状態であることを特徴とする請求項1に記載の車輌制御装置。
  3. 前記通信部は、走行状況データとして、前記先行車輌の車輌速度と車体傾斜角又は搭乗部位置を取得し、
    前記演算部は、
    前記車輌速度に基づいて前記追従走行する車輌の第1の加速度指令値を演算する第1加速度演算手段と、
    推定した先行車輌の状態が所定の状態となった時に、前記車体傾斜角又は搭乗部位置に基づいて前記追従走行する車輌の第2の加速度指令値を演算する第2加速度演算手段と、を有し、
    前記第1加速度演算手段で演算した前記第1の加速度指令値又は前記第2加速度演算手段で演算した前記第2の加速度指令値のいずれかを目標加速度指令値とすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車輌制御装置。
  4. 前記演算手段は、該第2加速度指令値が負の値であると判定した場合には、前記第1加速度指令値及び前記第2加速度指令値のうち小さい値を目標加速度指令値とすることを特徴とする請求項3に記載の車輌制御装置。
  5. 前記演算手段は、該第2加速度指令値が正の値であると判定した場合には、前記第1加速度指令値及び前記第2加速度指令値のうち大きい値を目標加速度指令値とすることを特徴とする請求項3に記載の車輌制御装置。
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