JP5110009B2 - 車両 - Google Patents

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Description

本発明は、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両に関するものである。
従来、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両に関する技術が提案されている。例えば、同軸上に配設された2つの駆動輪を有し、運転者の重心移動による車体の姿勢変化を感知して駆動する車両、球体状の単一の駆動輪に取り付けられた車体の姿勢を制御しながら移動する車両等の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この場合、センサで車体のバランスや動作の状態を検出しながら、駆動輪の動作を制御して車両を停止又は移動させるようになっている。
特開2004−129435号公報
前記従来の車両においては、センサによって取得した車体の傾斜状態の計測値によって車体の姿勢を制御しているため、計測値として正しい値を取得できない場合、すなわち、異常状態である場合、その異常を検出して、異常状態に応じた制御を実行する必要がある。例えば、センサが故障した場合、センサから送信される故障状態を示す信号を受信したときに、センサの計測値が異常状態にあると判断できる。
しかしながら、センサ取付部の変形等によってセンサ基準角がずれたり、通信の不良によって異常な計測値を取得したときには、センサ自体の故障でないため、異常を検出することができない。
もっとも、このような事態に備えて、あらかじめ複数のセンサや通信手段を用意しておくことが考えられる。しかし、複数のセンサや通信手段を用意すると、高価で複雑なシステムになってしまう。つまり、安価で簡素なシステムによって、十分な安全性や利便性を保障することは、困難である。
本発明は、前記従来の車両の問題点を解決して、車体傾斜状態の計測値と推定値とを比較することによって、車体傾斜状態の計測値の異常を確実に検出することができ、より安全で安価な車両を提供することを目的とする。
そのために、本発明の車両においては、回転可能に車体に取り付けられた駆動輪と、該駆動輪に付与する駆動トルクを制御して前記車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、該車両制御装置は、前記車体の鉛直軸に対する傾斜角を計測する傾斜計測手段と、前記駆動輪の回転状態及び前記駆動トルクによって前記傾斜角を推定する傾斜推定手段と、前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角と前記傾斜推定手段によって推定された傾斜角との差の絶対値が所定値より大きい場合に前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であると判定する判定手段と、を備える。
本発明の他の車両においては、さらに、前記車両制御装置は、前記判定手段が前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であると判定すると、異常を報知する報知手段を更に備える。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記判定手段は、前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角を前記車体の姿勢の制御に使用することが可能であるか否かを判定し、前記車両制御装置は、前記判定手段が可能であると判定した場合には前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角に応じて前記駆動トルクの値を決定し、前記判定手段が可能でないと判定した場合には前記傾斜推定手段によって推定された傾斜角に応じて前記駆動トルクの値を決定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記判定手段は、前記差の絶対値が第1の所定値より大きく、かつ、第2の所定値以下である場合には、前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であるが、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能であると判定し、前記差の絶対値が第2の所定値より大きい場合には、前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であり、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能でないと判定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記判定手段は、前記差の絶対値の累乗を第1の所定時間にわたって積分した第1の時間積分値が第1の所定積分値より大きく、かつ、前記差の絶対値の累乗を第2の所定時間にわたって積分した第2の時間積分値が第2の所定積分値以下である場合には前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であるが、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能であると判定し、前記第2の時間積分値が第2の所定積分値より大きい場合には前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であり、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能でないと判定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記判定手段は、前記第1の所定時間より短い前記第2の所定時間と、前記第1の所定積分値を前記第1の所定時間で除した値よりも前記第2の所定積分値を前記第2の所定時間で除した値の方が大きくなるような前記第2の所定積分値に基づいて判定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記車両制御装置は、前記車体の重心位置のずれ量を取得する重心ずれ量取得手段を更に備え、前記傾斜推定手段は、前記重心ずれ量取得手段によって取得された重心ずれ量によって前記傾斜角の推定値を補正する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記乗員及び/又は重量物を搭載する搭乗部と、該搭乗部の荷重分布を計測する荷重分布計測手段と、を更に備え、前記重心ずれ量取得手段は、前記荷重分布計測手段によって計測された前記荷重分布によって前記重心ずれ量を推定する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、前記車両制御装置は、前記車両の走行抵抗の特性量である抵抗パラメータを取得する抵抗パラメータ取得手段を更に備え、前記傾斜推定手段は、前記抵抗パラメータ取得手段によって取得された抵抗パラメータによって前記傾斜角の推定値を補正する。
本発明の更に他の車両においては、さらに、路面形状を計測する路面形状計測手段を更に備え、前記抵抗パラメータ取得手段は、前記路面形状計測手段によって計測された前記路面形状によって前記抵抗パラメータを推定する。
請求項1の構成によれば、検証用のセンサを別途用意することなく、車体傾斜角計測値の異常を確実に検出することが可能であり、安価で安全な倒立型車両を実現できる。
請求項2の構成によれば、計測値の異常時において、その異常に対応する制御の結果として通常時と同様の動作を実現できている場合においても、乗員に車体傾斜角計測値が異常状態にあることを確実に認識させ、乗員に点検や修理を促すことができる。
請求項3の構成によれば、倒立姿勢での走行中に車体傾斜角計測値の取得が突然不可能になった場合においても、倒立姿勢での走行状態を維持し、退避走行等を可能とする。
請求項4の構成によれば、車体傾斜角の計測値と推定値のどちらを用いるかを計測値の異常の程度に応じて判断することで、適切な制御方法を選択することができる。
請求項5の構成によれば、計測値の時間履歴を判断材料とし、更に2つの異なる基準を設けることで、異常状態及び計測値の使用可否をより適切に判断できる。
請求項6の構成によれば、深刻な異常を短時間で検出することで、深刻な異常への対応を早めるのと共に、判定が困難である微妙な異常を長時間のデータに基づいて判定することで、異常判定の精度を高めることができる。
請求項7の構成によれば、車体の重心位置のずれを考慮することで、乗員の体重や姿勢、搭載物の重量や位置の違いに伴う車体傾斜角の推定精度の低下を防ぐことができる。
請求項8の構成によれば、搭乗部の荷重分布を計測することで、車体の重心位置を正確に把握し、重心位置のずれによる影響を正確に補償することができる。
請求項9の構成によれば、駆動輪回転状態の力学モデルに基づく車体傾斜角加速度の推定値を車体傾斜角の推定に用いる場合に、走行抵抗の影響を考慮することで、より高精度に車体傾斜角加速度及び車体傾斜角を推定できる。
請求項10の構成によれば、路面形状を計測することで、走行抵抗の特性をより正確に推定し、走行抵抗による影響を正しく補償することができる。
本発明の実施の形態における車両の構成を示す図である。 本発明の実施の形態における車両の制御システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態における車両の走行及び姿勢制御処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における状態量の取得処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における車両の各重心位置を示す図である。 本発明の実施の形態における主状態量取得処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における目標走行状態の決定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態における目標車体姿勢の決定処理の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態におけるアクチュエータ出力の決定処理の動作を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の実施の形態における車両の構成を示す図、図2は本発明の実施の形態における車両の制御システムの構成を示すブロック図である。
図において、10は、本実施の形態における車両であり、車体の本体部11、駆動輪12、支持部13、及び、乗員15が搭乗するとともに、搭載物18が搭載される搭乗部14を有し、前記車両10は、車体を前後に傾斜させることができるようになっている。そして、倒立振り子の姿勢制御と同様に車体の姿勢を制御する。図1に示される例において、車両10は右方向に前進し、左方向に後退することができる。
前記駆動輪12は、車体の一部である支持部13に対して回転可能に支持され、駆動アクチュエータとしての駆動モータ52によって駆動される。なお、駆動輪12の軸は図1に示す平面に垂直な方向に存在し、駆動輪12はその軸を中心に回転する。また、前記駆動輪12は、単数であっても複数であってもよいが、複数である場合、同軸上に並列に配設される。本実施の形態においては、駆動輪12が2つであるものとして説明する。この場合、各駆動輪12は個別の駆動モータ52によって独立して駆動される。なお、駆動アクチュエータとしては、例えば、油圧モータ、内燃機関等を使用することもできるが、ここでは、電気モータである駆動モータ52を使用するものとして説明する。
また、車体の一部である本体部11は、支持部13によって下方から支持され、駆動輪12の上方に位置する。そして、本体部11には、車両10の運転者である乗員15が搭乗する搭乗部14が取り付けられている。
本実施の形態においては、説明の都合上、搭乗部14には乗員15が搭乗するとともに荷物等としての搭載物18が搭載されている例について説明するが、搭乗部14には必ずしも乗員15が搭乗している必要はなく、例えば、車両10がリモートコントロールによって操縦される場合には、搭乗部14に乗員15が搭乗していなくてもよい。また、同様に、搭乗部14には必ずしも搭載物18が搭載されている必要はなく、搭載物18は省略することができる。
なお、前記搭乗部14は、乗用車、バス等の自動車に使用されるシートと同様のものであり、座面部、背もたれ部及びヘッドレストを備える。
前記搭乗部14の脇(わき)には、目標走行状態取得装置としてのジョイスティック31を備える入力装置30が配設されている。乗員15は、操縦装置であるジョイスティック31を操作することによって、車両10を操縦する、すなわち、車両10の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の走行指令を入力するようになっている。なお、乗員15が操作して走行指令を入力することができる装置であれば、ジョイスティック31に代えて他の装置、例えば、ジョグダイヤル、タッチパネル、押しボタン等の装置を目標走行状態取得装置として使用することもできる。
なお、車両10がリモートコントロールによって操縦される場合には、前記ジョイスティック31に代えて、コントローラからの走行指令を有線又は無線で受信する受信装置を目標走行状態取得装置として使用することができる。また、車両10があらかじめ決められた走行指令データに従って自動走行する場合には、前記ジョイスティック31に代えて、半導体メモリ、ハードディスク等の記憶媒体に記憶された走行指令データを読み取るデータ読取り装置を目標走行状態取得装置として使用することができる。
また、図示していないが、入力装置30には、報知手段としての表示ランプが配設されている。車両10の状態が異常であるとき、表示ランプを点灯させることで、乗員15にそれを認識させることができる。
なお、表示ランプに代えて、画面上に所定の内容を表示するディスプレイや所定の発信音又は音声を発するスピーカ等の装置を報知手段として使用することもできる。
さらに、車両10の支持部13には、姿勢制限手段としてのストッパ16が取り付けられている。そして、倒立制御を停止した時には、前記ストッパ16の前端又は後端のストッパ接地点が路面に接地することによって車体の姿勢角度を制限し、車体が所定角度、すなわち、車体傾斜角制限値以上に傾斜することを防止する。
また、車両10は、車両制御装置としての制御ECU(Electronic Control Unit)20を有し、該制御ECU20は、主制御ECU21及び駆動輪制御ECU22を備える。前記制御ECU20並びに主制御ECU21及び駆動輪制御ECU22は、CPU、MPU等の演算手段、磁気ディスク、半導体メモリ等の記憶手段、入出力インターフェイス等を備え、車両10の各部の動作を制御するコンピュータシステムであり、例えば、本体部11に配設されるが、支持部13や搭乗部14に配設されていてもよい。また、前記主制御ECU21及び駆動輪制御ECU22は、それぞれ、別個に構成されていてもよいし、一体に構成されていてもよい。
そして、主制御ECU21は、駆動輪制御ECU22、駆動輪センサ51及び駆動モータ52とともに、駆動輪12の動作を制御する駆動輪制御システム50の一部として機能する。前記駆動輪センサ51は、レゾルバ、エンコーダ等から成り、駆動輪回転状態計測装置として機能し、駆動輪12の回転状態を示す駆動輪回転角及び/又は回転角速度を検出し、主制御ECU21に送信する。また、該主制御ECU21は、駆動トルク指令値を駆動輪制御ECU22に送信し、該駆動輪制御ECU22は、受信した駆動トルク指令値に相当する入力電圧を駆動モータ52に供給する。そして、該駆動モータ52は、入力電圧に従って駆動輪12に駆動トルクを付与し、これにより、駆動アクチュエータとして機能する。
また、主制御ECU21は、駆動輪制御ECU22、車体傾斜センサ41及び駆動モータ52とともに、車体の姿勢を制御する車体制御システム40の一部として機能する。前記車体傾斜センサ41は、加速度センサ、ジャイロセンサ等から成り、傾斜計測手段として機能し、車体の傾斜状態を示す車体傾斜角及び/又は傾斜角速度を検出し、主制御ECU21に送信する。そして、該主制御ECU21は、駆動トルク指令値を駆動輪制御ECU22に送信する。
さらに、主制御ECU21は、荷重分布計測手段としての搭乗部センサ61とともに、搭乗部14の座面荷重分布を計測する搭乗部計測システム60の一部として機能する。前記搭乗部センサ61は、搭乗部14の取付部に配設された複数の1軸荷重センサ等から成り、搭載荷重パラメータとして搭乗部14上の乗員15及び搭載物18の重量及び荷重分布を検出し、主制御ECU21に送信する。
さらに、主制御ECU21は、路面形状計測手段としての路面センサ71とともに、路面の状態を計測する路面計測システム70の一部として機能する。前記路面センサ71は、車体の前後、例えば、本体部11の下面の前後端等に配設された撮像装置等の画像センサから成り、撮影した路面画像データを主制御ECU21に送信する。
加えて、主制御ECU21には、入力装置30のジョイスティック31から走行指令が入力される。そして、該主制御ECU21は、駆動トルク指令値を駆動輪制御ECU22に送信する。
さらに、主制御ECU21は、車体の傾斜状態を推定する傾斜推定手段として機能するとともに、車体の傾斜状態の計測値を取得すること及び計測値を制御に使用することが可能であるかを判定する判定手段、車体重心ずれ量を取得する重心ずれ量取得手段、及び、走行抵抗パラメータを取得する抵抗パラメータ取得手段としても機能する。
なお、各センサは、複数の状態量を取得するものであってもよい。例えば、車体傾斜センサ41として加速度センサとジャイロセンサとを併用し、両者の計測値から車体傾斜角と傾斜角速度とを決定するようにしてもよい。また、図1に記載された数字以外の記号については、後述する。
次に、前記構成の車両10の動作について説明する。まず、走行及び姿勢制御処理の概要について説明する。
図3は本発明の実施の形態における車両の走行及び姿勢制御処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、車体傾斜センサ41による車体傾斜状態の測定値と推定値とを比較して、車体傾斜角計測値の異常を検出する。具体的には、駆動輪回転角加速度と駆動トルクの時間履歴から車体傾斜角を推定する。また、搭乗部センサ61による車体重心ずれ量の計測値によって、車体傾斜角の推定値を補正する。さらに、車体傾斜角加速度を別の力学モデルにより推定し、走行抵抗推定値に応じて補正する。そして、車体傾斜角の計測値と推定値の差が所定値より大きい場合、車体傾斜角計測値を異常とみなす。これにより、車体傾斜角計測値の異常を確実に検出することを可能とし、より安全で便利で安価な倒立型の車両10を提供することができる。
走行及び姿勢制御処理において、制御ECU20は、まず、状態量の取得処理を実行し(ステップS1)、各センサ、すなわち、駆動輪センサ51、車体傾斜センサ41、搭乗部センサ61及び路面センサ71、並びに、状態量推定手段によって、駆動輪12の回転状態及び車体の傾斜状態を取得する。
次に、制御ECU20は、目標走行状態の決定処理を実行し(ステップS2)、ジョイスティック31の操作量に基づいて、車両10の加速度の目標値、及び、駆動輪12の回転角速度の目標値を決定する。
次に、制御ECU20は、目標車体姿勢の決定処理を実行し(ステップS3)、目標走行状態の決定処理によって決定された車両10の加速度の目標値と駆動輪12の回転角速度の目標値に基づいて、車体姿勢の目標値として、車体傾斜角の目標値を決定する。
最後に、制御ECU20は、アクチュエータ出力の決定処理を実行し(ステップS4)、状態量の取得処理によって取得された各状態量、目標走行状態の決定処理によって決定された目標走行状態、及び、目標車体姿勢の決定処理によって決定された目標車体姿勢に基づいて、各アクチュエータの出力、すなわち、駆動モータ52の出力を決定する。
次に、走行及び姿勢制御処理の詳細について説明する。まず、状態量の取得処理について説明する。
図4は本発明の実施の形態における状態量の取得処理の動作を示すフローチャートである。
本実施の形態においては、状態量、入力、パラメータ、物理定数等を次のような記号によって表す。なお、図1には状態量やパラメータの一部が示されている。また、図1において、xp は車体の前後方向座標軸、zp は車体の上下方向座標軸、62は乗員15及び搭載物18の重心位置(座標:xpG、zpG)である。
S(i):搭乗部センサ計測値(引張荷重を正、添字(i)はi番目のセンサを表す)
pS(i) :搭乗部センサ位置(添字(i)はi番目のセンサを表す)
θ1 :車体傾斜角
λS :搭乗部位置
α :車両加速度〔G〕
S0:乗員(搭載物)を除く搭乗部の重量
S0:乗員(搭載物)を除く搭乗部の重心位置
1 :車軸から搭乗部重心までの距離(基準値)
0 :角速度換算振動数(所定値)
θR,sh:慣性力傾斜角の閾(しきい)値(所定値)
αS,sh:搭乗部相対加速度の閾値(所定値)
ζ0 =Δt/TLPF
Δt:搭乗部センサ計測周期(所定値)
LPF :ローパスフィルタ時定数(所定値)
g:重力加速度〔m/s2
状態量の取得処理において、主制御ECU21は、まず、主たる状態量である駆動輪回転状態量及び車体傾斜状態量をそれぞれ取得するための主状態量取得処理を実行する(ステップS1−1)。
Figure 0005110009
次に、主状態量取得処理について説明する。
図5は本発明の実施の形態における車両の各重心位置を示す図、図6は本発明の実施の形態における主状態量取得処理の動作を示すフローチャートである。
Figure 0005110009
続いて、主制御ECU21は、車体重心ずれ量を推定する(ステップS1−1−2)。具体的には、まず、乗員15と搭載物18の重量mp を下記の式によって取得する。なお、図5において、17は車両10の重心位置(座標:XG 、ZG )である。
Figure 0005110009
また、乗員15と搭載物18の重心位置xpGを下記の式によって取得する。
Figure 0005110009
ここで、上付き添字(n)は時系列のn番目のデータであることを表す。なお、各時系列データの初期値には、所定の各基準値をあらかじめ与える。
Figure 0005110009
このように、本実施の形態においては、複数の搭乗部センサ61の計測値に基づいて、搭載荷重パラメータを推定する。つまり、乗員15と搭載物18を合わせた重量mp 、及び、その重心位置を推定する。具体的には、搭乗部センサ61の計測値の総和に基づいて、重量mp を推定する。また、複数の搭乗部センサ61によって計測された搭乗部14の前後の荷重分布に基づいて、重心位置を推定する。
ここで、θR ≦θR,shの場合、すなわち、重力と慣性力の合力が搭乗部14に対して比較的垂直な方向に作用している場合、(例えば、直立停止状態にある場合)、荷重分布に基づいて重心位置xpGの値のみを修正する。
また、θR >θR,shの場合、すなわち、重力と慣性力の合力が搭乗部14に水平な方向にある程度作用する場合、(例えば、車体傾斜時や車両10の加減速時)、荷重分布に基づいて重心高さzpGの値のみを修正する。
すなわち、重心位置及び重心高さの推定においては、搭乗部14に作用するピッチングモーメントの発生要因を考慮し、重心高さがほとんど寄与しないときには重心位置を高精度に推定し、重心高さがピッチングモーメントにある程度寄与するときには既に推定した重心位置に基づいて重心高さを推定する。また、一方の推定時には他方の値を固定する。これにより、搭乗部センサ61のみで高精度に重心位置を推定することができる。
また、車体姿勢の変化が大きいときには、重心位置推定値を固定する。αS >αS,shの場合、すなわち、車体傾斜角速度や角加速度が所定の閾値よりも大きい場合、重心位置の推定値を修正せず、その前の推定値を維持する。このように、搭乗部14に作用するピッチングモーメントの発生要因を考慮して、それが重心位置の違いのみによると判断した場合に限り、重心位置を推定する。したがって、倒立車両特有の現象である車体姿勢変化の影響を回避し、搭乗部センサ61のみで高精度で安定な推定を実行できる。
また、本実施の形態においては、複数の搭乗部センサ61による座面荷重分布の計測値に基づいて、重心位置を推定しているが、他のセンサを追加して推定してもよい。例えば、レーザレーダ等によって乗員15及び搭載物18の形状を取得する形状センサを備え、取得した形状に基づいて重心の高さを推定してもよい。
また、搭乗部センサ61として、より簡素なシステムを用いてもよい。例えば、搭乗部センサ61を1つだけ備え、その計測値である重量から統計的知見に基づいて重心位置を推定してもよい。また、センサの代わりに入力装置を備え、乗員15が自身の体重や身長及び搭載物18の重量や形状のデータを入力装置によって入力又は送信し、そのデータに基づいて、重心位置を推定してもよい。
そして、主制御ECU21は、取得した搭乗者パラメータである重量mp 及び重心位置xpGに基づき、次の式(1)によって、車体重心ずれ量δx を推定する。
Figure 0005110009
ここで、m1bは乗員15及び搭載物18がないときの車両重量、δx0は乗員15及び搭載物18がなく、直立時における搭乗部14の基準位置が駆動輪接地点を通る鉛直軸上にあるときの重心位置である。
このように、本実施の形態においては、搭乗者パラメータに基づいて、車体重心ずれ量δx を推定する。つまり、乗員15及び搭載物18の重心位置について、基準値との差異を考慮する。このように、実際の車体パラメータを把握することで、より高精度な推定及び判定を実現できる。
続いて、主制御ECU21は、走行抵抗パラメータを取得する(ステップS1−1−3)。具体的には、次の式(2)によって走行抵抗定数τD0を決定し、次の式(3)によって走行抵抗比例係数CD を決定する。
τD0=MgRW sin η+(1+βR )τD0,S ・・・式(2)
D =(1+βR )CD,S ・・・式(3)
なお、ηは路面勾(こう)配であり、路面センサ71によって取得された路面画像データに基づいて決定される。また、βR は走行抵抗増加率であり、こちらも路面センサ71によって取得された路面画像データに基づいて決定される。さらに、τD0,S及びCD,S は走行抵抗パラメータ基準値であり、所定値をあらかじめ与える。
本実施の形態においては、路面センサ71によって取得された路面情報に基づいて、走行抵抗パラメータである走行抵抗定数τD0及び走行抵抗比例係数CD を決定する。
また、路面の形状を考慮して、走行抵抗パラメータを修正する。具体的には、路面勾配ηに応じて、走行抵抗定数τD0を増加させる。なお、坂路上での車両走行状態に関する力学モデルに基づき、適切な値を走行抵抗定数として与える。これにより、坂路を走行中であっても、高精度な状態量の推定及び異常判定を実現できる。
さらに、路面の状態を考慮して、走行抵抗比例係数CD を修正する。具体的には、路面画像データに基づいて路面の状態を推定し、その結果に応じて走行抵抗パラメータを修正する。凸凹路等の走行抵抗が高いと予想される路面を検出した場合には、走行抵抗増加率βR に所定の正の値を与える。また、コンクリート路面等の走行抵抗が低いと予想される路面を検出した場合には、走行抵抗増加率βR に所定の負の値を与える。これにより、路面の状態に関わらず、高精度な状態量の推定及び異常判定を実現できる。
なお、本実施の形態においては、路面センサ71としての画像センサによって取得された情報に基づいて、走行抵抗パラメータを修正しているが、他の方法で修正してもよい。例えば、路面状態を含む地図情報を取得可能なナビゲーションシステムを具備し、その地図情報と現在の車両位置とに基づいて、路面状態及び走行抵抗パラメータを取得してもよい。また、路面の状態を選択的又は定量的に入力可能な路面情報入力装置を具備し、使用環境に応じて乗員15が入力した情報に基づいて、路面状態及び走行抵抗パラメータを取得してもよい。
続いて、主制御ECU21は、車体傾斜状態量を推定する(ステップS1−1−4)。具体的には、各状態量と駆動トルクの時間履歴、及び、各推定パラメータから、次の式(4)により車体傾斜角を推定する。
Figure 0005110009
本実施の形態においては、駆動輪回転状態と駆動トルクの時間履歴、及び、パラメータを用いて、車体の傾斜運動に関する力学モデルに基づいて、車体傾斜角を推定する。その際、重力トルク、車体の回転慣性、車両10の加減速に伴う慣性力、及び、駆動トルクの反トルクを考慮し、それらの大きさの関係、及び、重力トルクと車体傾斜角との比例関係から、車体傾斜角を推定する。このように、力学モデルにおける各状態とトルクの理論的な関係を利用することで、未知の車体傾斜角を推定できる。
また、車体重心ずれ量の推定値によって、車体傾斜角の推定値を補正する。具体的には、車体の傾斜運動に関する力学モデルとの偏差に相当する車体重心ずれ量を計測によって取得することにより、推定の精度を向上させる。これにより、車体重心ずれ量の作用が車体傾斜角計測値の異常誤差と認識されることを防止して、より信頼性の高い異常判定が可能となる。
さらに、車体傾斜角加速度を別の力学モデルによって推定する。具体的には、車体傾斜角加速度を車体傾斜角とは独立な状態量とみなし、駆動輪12の回転運動に関する力学モデルによって推定する。その際、駆動トルク、車両の加減速に対する慣性、及び、車体傾斜による重心移動の作用を考慮する。このように、車体傾斜角速度を別のモデルから推定することにより、加速度の積分に伴う誤差の蓄積、及び、推定計算の不安定化を回避し、安定で高精度な車体傾斜角の推定を実現する。
なお、本実施の形態においては、簡単な線形モデルにより車体傾斜角を推定しているが、より厳密なモデルによって推定してもよい。例えば、非線形的な作用や車体回転に対する粘性抵抗等の要素を考慮したモデルを用いて、より厳密に推定してもよい。また、より簡単なモデルによって推定してもよい。
続いて、主制御ECU21は、車体傾斜状態量を取得する(ステップS1−1−5)。
Figure 0005110009
続いて、主制御ECU21は、計測値は正常であるか否かを判断し(ステップS1−1−6)、正常でない場合には、さらに、異常疑惑であるか否かを判断する(ステップS1−1−7)。具体的には、計測値と推定値とを比較して計測値と推定値との偏差を次の式(5)によって求め、求めた偏差について偏差評価量e1 及びe2 を次の式(6)によって算出し、算出した偏差評価量に基づいて計測値が正常であるか否か、及び、異常疑惑であるか否かを判断する。
Figure 0005110009
ここで、偏差評価量e1 及びe2 のいずれもが偏差判定閾値以下である場合には、計測値は正常であると判断されるので、主制御ECU21は、車両10の倒立制御に用いる値として計測値を採用し(ステップS1−1−8)、処理を終了する。
また、計測値が正常でない場合であって偏差評価量e2 が偏差判定閾値e2,shより大きいときには、異常疑惑であると判断されるので、主制御ECU21は、乗員15に対して異常疑惑状態であることを報知する(ステップS1−1−9)。具体的には、入力装置30に配設された表示ランプを点灯させる。そして、主制御ECU21は、車両10の倒立制御に用いる値として計測値を採用し、処理を終了する。
一方、計測値が正常でない場合であって偏差評価量e1 が偏差判定閾値e1,shより大きいときには、異常疑惑でなく、緊急異常であると判断されるので、主制御ECU21は、乗員15に対して緊急異常状態であることを報知する(ステップS1−1−10)。そして、主制御ECU21は、車両10の倒立制御に用いる値として推定値を採用し(ステップS1−1−11)、処理を終了する。
本実施の形態においては、計測値と推定値との差を比較することで、計測値が異常であることを検出する。具体的には、計測値と推定値との差の絶対値の累乗によって異常判定を行う。これにより、大きな偏差をより大きく評価することが可能となり、より適切に異常状態を判断できる。また、所定の時間だけ積分した値によって異常判定を行う。これにより、過渡的で瞬間的な偏差に左右されることがなくなり、より適切に異常判定を判断できる。
また、本実施の形態においては、計測値が異常であると判断した場合に、その異常の程度に応じて、車両の走行と車体の姿勢の制御に引き続き計測値を用いることが可能であるか否かを判断する。具体的には、比較的短い判定時間における偏差の平均値が、比較的大きな閾値よりも更に大きい場合、計測値は短時間で急速に異常状態に至り、その異常の程度も大きいと考え、即時の計測値使用停止を必要とする「緊急異常」の状態であると判定する。この場合、計測値に代えて推定値に基づいて以降の制御を実行する。また、比較的長い判定時間における偏差の平均値が、比較的小さな閾値よりは大きい場合、計測値は徐々に異常状態へ悪化しているが、現時点ではその異常の程度は小さいと考え、即時の計測値使用停止は必要ないが、検査等は必要とする「異常疑惑」の状態であると判定する。この場合、引き続き計測値に基づいて制御を実行し、報知手段により利用者に検査を促す程度に留める。このように、異常状態の程度を適切に判断することにより、過剰な異常判定による利便性の低下や初期の微少な異常を許容することによる予防安全性の低下を防ぎ、便利で安全な倒立型車両を提供できる。
なお、本実施の形態においては、2つの偏差評価量について、その時間積分閾値や累乗指数に共通の値を用いているが、それぞれ異なる値を設定してもよい。例えば、緊急異常判定用の偏差評価量の決定式における累乗指数を大きくすることで、大小の偏差をより明確に選り分けてもよい。
また、本実施の形態においては、車体傾斜角について計測値と推定値を比較しているが、その変化率である車体傾斜角速度を考慮してもよい。例えば、計測値と推定値の各変化率に所定の時定数を乗じた値を元の計測値と推定値に加えた値によって、偏差評価量を求めてもよい。これにより、異常状態への遷移をより早くあるいは簡易に検出することができる。
さらに、本実施の形態においては、常時異常判定を行っているが、車両の状況に応じて一時的に異常判定を停止してもよい。例えば、路面センサ71により、段差を検出した場合には、段差接触時あるいは該段差近傍に車両が位置する間は、偏差評価量の値を固定してもよい。これにより、段差による各状態量の変化を異常と誤認識することを回避できる。
次に、目標走行状態の決定処理について説明する。
図7は本発明の実施の形態における目標走行状態の決定処理の動作を示すフローチャートである。
目標走行状態の決定処理において、主制御ECU21は、まず、操縦操作量を取得する(ステップS2−1)。この場合、乗員15が、車両10の加速、減速、旋回、その場回転、停止、制動等の走行指令を入力するために操作したジョイスティック31の操作量を取得する。
続いて、主制御ECU21は、取得したジョイスティック31の操作量に基づいて、車両加速度の目標値を決定する(ステップS2−2)。例えば、ジョイスティック31の前後方向への操作量に比例した値を車両加速度の目標値とする。
続いて、主制御ECU21は、決定した車両加速度の目標値から、駆動輪回転角速度の目標値を算出する(ステップS2−3)。例えば、車両加速度の目標値を時間積分し、駆動輪接地半径RW で除した値を駆動輪回転角速度の目標値とする。
次に、目標車体姿勢の決定処理について説明する。
図8は本発明の実施の形態における目標車体姿勢の決定処理の動作を示すフローチャートである。
目標車体姿勢の決定処理において、主制御ECU21は、まず、車体傾斜角の目標値を決定する(ステップS3−1)。この場合、目標走行状態の決定処理によって決定された車両加速度の目標値から、次の式(7)により車体傾斜角の目標値を決定する。
Figure 0005110009
なお、α* は、車両加速度の目標値である。このように、車両加速度に伴って車体に作用する慣性力と駆動トルクの反トルクとを考慮して、車体傾斜角の目標値を決定する。
続いて、主制御ECU21は、残りの目標値を算出する(ステップS3−2)。すなわち、各目標値を時間微分又は時間積分することによって、駆動輪回転角及び車体傾斜角速度の目標値を算出する。
次に、アクチュエータ出力の決定処理について説明する。
図9は本発明の実施の形態におけるアクチュエータ出力の決定処理の動作を示すフローチャートである。
アクチュエータ出力の決定処理において、主制御ECU21は、まず、各アクチュエータのフィードフォワード出力を決定する(ステップS4−1)。この場合、各目標値から、次の式(8)により駆動モータ52のフィードフォワード出力を決定する。
Figure 0005110009
このように、目標車両加速度を実現するのに必要な駆動トルクを付加することで、車両10の走行及び姿勢制御を高精度に実行する。
続いて、主制御ECU21は、各アクチュエータのフィードバック出力を決定する(ステップS4−2)。この場合、各目標値と実際の状態量又は推定値との偏差から、次の式(9)により駆動モータ52のフィードバック出力を決定する。
Figure 0005110009
ここで、各フィードバックゲインKW1〜KW4の値には、例えば、最適レギュレータの値をあらかじめ設定しておく。
なお、スライディングモード制御などの非線形のフィードバック制御を導入してもよい。また、より簡単な制御として、KW2及びKW3を除くゲインのいくつかを零にしてもよい。さらに、定常偏差をなくすために、積分ゲインを導入してもよい。
本実施の形態においては、車体傾斜センサ41による車体傾斜角の計測値に基づいて制御する場合でも、傾斜推定手段による車体傾斜角の推定値に基づいて制御する場合でも、換言すれば、車体傾斜角計測値の取得が可能でも不可能でも、前記式(9)に示す同一の制御則によって走行及び姿勢制御を実行する。これにより、制御則が簡素化されるため、制御系の設計時やプログラミング時に費やす労力や制御動作時の演算コストを大幅に低減できる。
最後に、主制御ECU21は、各要素制御システムに指令値を与える(ステップS4−3)。この場合、主制御ECU21は、前述のように決定したフィードフォワード出力とフィードバック出力との和を駆動トルク指令値として、駆動輪制御ECU22に送信する。
このように、本実施の形態においては、駆動輪回転角加速度と駆動トルクの時間履歴から車体傾斜角を推定し、搭乗部センサ61による車体重心ずれ量の計測値によって、車体傾斜角の推定値を補正し、車体傾斜角加速度を別の力学モデルにより推定し、走行抵抗推定値に応じて補正する。そして、車体傾斜センサ41による車体傾斜状態の測定値と推定値とを比較して、車体傾斜角の計測値と推定値の差が所定値より大きい場合、車体傾斜角計測値を異常とみなす。これにより、車体傾斜角計測値の異常を確実に検出することを可能とし、より安全で便利で安価な倒立型の車両10を提供することができる。
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明は、倒立振り子の姿勢制御を利用した車両に適用することができる。
10 車両
12 駆動輪
17 重心位置
20 制御ECU
21 主制御ECU
41 車体傾斜センサ

Claims (10)

  1. 回転可能に車体に取り付けられた駆動輪と、
    該駆動輪に付与する駆動トルクを制御して前記車体の姿勢を制御する車両制御装置とを有し、
    該車両制御装置は、
    前記車体の鉛直軸に対する傾斜角を計測する傾斜計測手段と、
    前記駆動輪の回転状態及び前記駆動トルクによって前記傾斜角を推定する傾斜推定手段と、
    前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角と前記傾斜推定手段によって推定された傾斜角との差の絶対値が所定値より大きい場合に前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であると判定する判定手段と、を備えることを特徴とする車両。
  2. 前記車両制御装置は、前記判定手段が前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であると判定すると、異常を報知する報知手段を更に備える請求項1に記載の車両。
  3. 前記判定手段は、前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角を前記車体の姿勢の制御に使用することが可能であるか否かを判定し、
    前記車両制御装置は、前記判定手段が可能であると判定した場合には前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角に応じて前記駆動トルクの値を決定し、前記判定手段が可能でないと判定した場合には前記傾斜推定手段によって推定された傾斜角に応じて前記駆動トルクの値を決定する請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記判定手段は、前記差の絶対値が第1の所定値より大きく、かつ、第2の所定値以下である場合には、前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であるが、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能であると判定し、前記差の絶対値が第2の所定値より大きい場合には、前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であり、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能でないと判定する請求項3に記載の車両。
  5. 前記判定手段は、前記差の絶対値の累乗を第1の所定時間にわたって積分した第1の時間積分値が第1の所定積分値より大きく、かつ、前記差の絶対値の累乗を第2の所定時間にわたって積分した第2の時間積分値が第2の所定積分値以下である場合には前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であるが、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能であると判定し、前記第2の時間積分値が第2の所定積分値より大きい場合には前記傾斜計測手段によって計測された傾斜角が異常であり、前記車体の姿勢の制御に使用することが可能でないと判定する請求項3に記載の車両。
  6. 前記判定手段は、前記第1の所定時間より短い前記第2の所定時間と、前記第1の所定積分値を前記第1の所定時間で除した値よりも前記第2の所定積分値を前記第2の所定時間で除した値の方が大きくなるような前記第2の所定積分値に基づいて判定する請求項5に記載の車両。
  7. 前記車両制御装置は、前記車体の重心位置のずれ量を取得する重心ずれ量取得手段を更に備え、
    前記傾斜推定手段は、前記重心ずれ量取得手段によって取得された重心ずれ量によって前記傾斜角の推定値を補正する請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両。
  8. 前記乗員及び/又は重量物を搭載する搭乗部と、
    該搭乗部の荷重分布を計測する荷重分布計測手段と、を更に備え、
    前記重心ずれ量取得手段は、前記荷重分布計測手段によって計測された前記荷重分布によって前記重心ずれ量を推定する請求項7に記載の車両。
  9. 前記車両制御装置は、前記車両の走行抵抗の特性量である抵抗パラメータを取得する抵抗パラメータ取得手段を更に備え、
    前記傾斜推定手段は、前記抵抗パラメータ取得手段によって取得された抵抗パラメータによって前記傾斜角の推定値を補正する請求項1〜8のいずれか1項に記載の車両。
  10. 路面形状を計測する路面形状計測手段を更に備え、
    前記抵抗パラメータ取得手段は、前記路面形状計測手段によって計測された前記路面形状によって前記抵抗パラメータを推定する請求項9に記載の車両。
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