JP4232289B2 - 無人車の動輪径パラメータ調整方法/装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、工場などの構内に設けられた所定の軌道に沿って自走する無人車の動輪径パラメータ調整方法/装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種の工場では、ファクトリーオートメーション化の一環として無人化が押し進められており、構内での物資の搬送が無人車により行われている。この無人車は、地上側に設置された制御部からの指令に従って、搬送すべき物資が置かれた場所まで走行路(軌道)を自走して所定の位置に停止し、物資を積載した後に目的地まで搬送するようになっている。
【0003】
すなわち、この種の無人車の操舵軸および駆動軸には、各軸の回転角を検出するためのエンコーダが取り付けられており、各エンコーダの出力パルスが移動速度演算部および操舵確度演算部によりそれぞれカウントされて、一定時間(制御周期)内に変化したパルス数を基に操舵角と移動速度とが逐次算出される。無人車は、地上の制御部から指令を受けると、逐次算出される操舵角と移動速度とに基づいて車体中心の位置・姿勢・速度を推定し、これらの推定値と目標値との偏差が小さくなるように操舵角や駆動輪を制御しながら目的地まで自走する。
【0004】
ここで、無人車の移動距離や移動速度の算出は、エンコーダの出力パルス数を用いて算出され、例えば移動速度は、下式により算出される。
移動速度={(パルス数/パルス分解能)×動輪径パラメータ}/制御周期
ただし、上式において、「パルス分解能」は、動輪1回転あたりのエンコーダの出力パルス数を表し、「動輪径パラメータ」は、動輪が1回転したときの駆動軸の移動距離(すなわち動輪の円周長)を表し、「制御周期」は、出力パルス数の検出に要した時間を表す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、無人車に同じ径の車輪を取り付けても、車体のバランスや走行路状態などにより車輪の変形量が異なり、実質的な車輪の径(以下「等価車輪径」と称す)が異なったものになる。このため、車輪が1回転したときの移動距離(車輪の円周長)が動輪径パラメータと一致しなくなり、動輪径パラメータに誤差が生じる結果、移動速度の算出精度が低下する。
【0006】
とりわけ、それぞれ独立して操舵可能な複数の駆動輪を装備する無人車において動輪径パラメータに誤差が生じると、次のような問題がある。
(1)各駆動輪の動輪径パラメータに誤差があり、しかも各駆動輪の動輪径パラメータの比率にも誤差が生じた場合、各駆動輪の移動速度が異なる結果、互いの車輪が干渉し合い、各駆動輪を駆動するモータに対して過負荷が加わる現象が発生する。特に、図2に示すように、車体の進行方向と平行な直線上に駆動輪が配置された場合、この現象が顕著に現れる。
【0007】
(2)各車輪の動輪径パラメータの比率に誤差はないが、動輪径パラメータ自体に誤差がある場合、エンコーダの出力パルス数から推定される移動距離に誤差が生じ、目標とする移動距離に対する誤差が大きくなる。この結果、停止すべき位置を通り越して停止したり、その手前で停止するなど、無人車の停止位置にずれが生じ、停止精度が低下する。この停止精度の低下は、移動距離が長くなるほど顕著となる。この場合、停止精度の低下を抑制するためには、走行中に進行方向の移動距離を逐次補正する必要がある。また、停止時の位置ずれ量が大きい場合、位置決め動作が必要になり、無人車を所定の停止位置に位置させるまでに時間を要する。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、複数の駆動輪を有する無人車の動輪径パラメータを正確かつ容易に調整することができる無人車の動輪径パラメータ調整方法/装置を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、この発明は以下の構成を有する。すなわち、この発明にかかる無人車の動輪径パラメータ調整方法は、互いに独立して操舵可能で進行方向の前後に配置された複数の駆動輪を有し、前記駆動輪に関する情報に基づき走行状態が制御されて所定の走行路に沿って走行する無人車の動輪径パラメータ調整方法であって、前記複数の駆動輪をそれぞれ直進状態に維持させるとともに回転可能な状態として、外力により前記無人車を所定距離だけ移動させて、前記複数の駆動輪のそれぞれの回転数を検出する第1のステップと、前記第1のステップを、予め設定された回数n(n:自然数)だけ繰り返し、前記それぞれの回転数をn個ずつ検出する第2のステップと、前記n個の回転数の平均値と前記所定距離とに基づき、駆動輪が1回転したときの移動距離を表す動輪径パラメータを、前記複数の駆動輪の各々について取得する第3のステップと、前記複数の駆動輪をそれぞれ直進状態に維持させて前記無人車を自走させたときの自走距離が、試験的に走行させるためにあらかじめ設定された目標移動距離に達したことを、それぞれの前記動輪径パラメータを用いて検出する第4のステップと、前記無人車が前記目標移動距離だけ移動した後、該無人車の実移動距離を計測して、該実移動距離と前記目標移動距離とのずれ量を算出する第5のステップと、前記目標移動距離に対する前記ずれ量の増減に基づいて、前記ずれ量が小さくなるように前記それぞれの動輪径パラメータを修正する第6のステップと、を含むことを特徴とする。
【0010】
この方法によれば、車体のバランスや走行路状態などにより各車輪の変形量が異なり、実質的な駆動輪の径が異なる場合であっても、複数の駆動輪を有する無人車の各動輪径パラメータを正確かつ容易に調整することが可能となる。
【0011】
前記第6のステップでは、前記各動輪径パラメータの比率を維持したまま、前記各動輪径パラメータを修正することを特徴とする。
【0013】
この発明にかかる無人車の動輪径パラメータ調整装置は、請求項1又は請求項2に記載の無人車の動輪径パラメータ調整方法に用いる無人車の動輪径パラメータ調整装置であって、前記複数の駆動輪のそれぞれの回転数を検出する駆動軸エンコーダと、記n個の回転数の平均値と前記所定距離とに基づき、駆動輪が1回転したときの移動距離を表す動輪径パラメータを、前記複数の駆動輪の各々について取得するパラメータ取得手段と、前記目標移動距離に対する前記ずれ量の増減に基づいて、前記ずれ量が小さくなるように前記それぞれの動輪径パラメータを修正するパラメータ修正手段と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
この装置によれば、車体のバランスや走行路状態などにより各車輪の変形量が異なり、実質的な駆動輪の径が異なる場合であっても、複数の駆動輪を有する無人車の各動輪径パラメータを正確かつ容易に調整することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態を説明する。
図1に、この発明の実施の形態にかかる動輪径パラメータ調整装置が適用された無人車が備える車輪の駆動軸および操舵軸の制御系を示す。この実施の形態にかかる無人車は、後述する図2に示すように、互いに独立して操舵可能な複数の駆動輪100A,100Bを有し、これら駆動輪に関する情報に基づき走行状態が制御されて所定の走行路に沿って走行するように構成されており、駆動輪が操舵輪を兼ねたものとなっている。
なお、動輪径パラメータは、前述したように、駆動輪が1回転したときの移動距離(動輪の円周長)を表すものであって、無人車の走行状態を制御する上で用いられる上述の「駆動輪に関する情報」の一つである。
【0016】
図1において、符号10Aは、当該無人車が備える駆動輪の回転数を検出するための駆動軸エンコーダであり、駆動輪の駆動軸に取り付けられている。符号10Bは、各駆動輪の操舵角を検出するための操舵角エンコーダであり、駆動輪の操舵軸に取り付けられている。
【0017】
また、符号11Aは、駆動軸エンコーダ10Aの出力パルスを受けて、駆動輪の移動速度を演算する移動速度演算部であり、符号11Bは、操舵軸エンコーダ10Bの出力パルスを受けて、駆動輪の操舵角を演算する操舵角演算部である。符号12は、移動速度演算部11Aにより演算された移動速度と操舵角演算部11Bにより演算された操舵角とから無人車の車体位置や姿勢を推定する位置・姿勢推定部である。
【0018】
また、符号13は、軌道データ14を参照して、位置・姿勢推定部12による推定結果に基づき、車体位置および姿勢を制御するための速度指令および操舵指令を発する位置・姿勢制御部である。この軌道データ14は、無人車の駆動軸および操舵軸を制御する上で目標とされる車体位置や姿勢を与えるもので、無人車の走行路として設定された軌道に関するデータである。
【0019】
符号15Aは、位置・姿勢制御部13から速度指令を受けて、駆動軸に結合されたモータ(図示なし)を駆動制御するための駆動軸モータドライバである。符号15Bは、位置・姿勢制御部13から操舵指令を受けて、操舵軸に結合されたモータ(図示なし)を駆動制御するための操舵軸モータドライバである。
【0020】
符号20は、複数の駆動輪間の干渉を抑制するように各動輪径パラメータを取得するパラメータ取得部であり、符号21は、パラメータ取得部20により取得された各動輪径パラメータの相対関係を維持し且つ後述する目標移動距離と実移動距離とが一致するように各動輪径パラメータを修正するパラメータ修正部である。これらパラメータ取得部20およびパラメータ修正部21は、この実施の形態にかかる動輪径パラメータ調整装置を構成する。
【0021】
図2に、この実施の形態にかかる無人車が備える車輪の配置を示す。同図に示すように、この無人車は、複数の駆動輪100A,100Bと、従動輪100Cを有しており、駆動輪100A,100Bは、車体100の進行方向の中心軸を表すX軸と平行な直線XL上に配置され、車体100の左側に配置されている。また、従動輪100Cは、車体100の略中央でX軸と直交するY軸上であって車体100の右側に配置されている。駆動輪100A,100Bは、互いに独立に操舵可能となっており、その操舵軸は、図2の紙面に対し略垂直に設置されている。また、従動輪100Cの回転軸は、Y軸と平行をなすように固定されている。
【0022】
なお、図1に示す例では、1台の駆動軸エンコーダ10Aが示されているが、この駆動軸エンコーダは、図2に示す駆動輪100A,100Bの各駆動軸にそれぞれ個別に設置されている。同様に、操舵軸エンコーダ10Bも各駆動輪の操舵軸に個別に設置されている。これにより、各駆動輪の回転数および操舵角が個別に検出可能なようになっている。
【0023】
以下、上述のように構成された無人車の動輪径パラメータの調整装置による動輪径パラメータ調整方法について、図3および図4に示すフローチャートに沿って説明する。
この動輪径パラメータ調整方法は、パラメータ取得部20により複数の駆動輪の各動輪径パラメータを取得する第1段階と、第1段階で取得された各動輪径パラメータをパラメータ修正部21により修正する第2段階からなる。
【0024】
まず、図3に示すフローに沿って、パラメータ取得部20による第1段階を説明する。
ステップS10:操舵軸のサーボ系(図示なし)をオン状態とし、動輪径パラメータの調整中に駆動輪100A,100Bの操舵軸が回転しないように、各駆動輪の操舵軸を直進状態に維持させる。このとき、駆動輪100A,100Bのブレーキを閉じ、駆動輪が回転しないように固定する。
ステップS11:続いて、駆動軸エンコーダ10Aの値をクリアする。そして、駆動輪100A,100Bのブレーキを開き、駆動輪が回転可能な状態とする。
【0025】
ステップS12:続いて、手動により無人車を所定の距離Lだけ移動させる。すなわち、この無人車の各駆動輪が駆動状態になく且つ各駆動輪間に干渉が生じない状態で、作業員が手で押しながら無人車を所定の距離Lだけゆっくりと移動させ、駆動軸エンコーダ10Aにより、無人車が所定の距離Lだけ移動したときの駆動輪の回転数を検出する。つまり、実際に荷重が加わって変形した状態での各動輪の純然たる回転数を検出する。このとき、操舵軸のサーボ系がオン状態となっており、無人車が直進状態に制御されるので、無人車は、直線距離で所定の距離Lだけ移動する。この所定の距離Lは、移動速度演算部11Aによる移動速度の演算が可能な距離であれば足りるが、駆動軸エンコーダ10Aの検出精度を向上させる観点から、長いほど好ましい。
【0026】
また、この場合の走行路として、各駆動輪100A,100Bが、これら駆動輪の等価車輪径に応じた相対関係を保って回転するような走行路が選ばれる。具体的には、凹凸が少なく、平面的であり、しかも移動中に車輪がスリップしないような状態の走行路が選ばれる。このような走行路を選ぶことにより、互いに干渉を生じない状態にあるときの複数の駆動輪100A,100Bの各回転状態が正しく再現され、各駆動輪の間の相互関係が適切に再現される。
【0027】
ステップS13:続いて、所定の距離Lだけ移動した位置で無人車を停止させ、駆動輪100A,100Bのブレーキを閉じる。そして、そのときの各駆動軸に設置された駆動軸エンコーダ10Aの出力値Piを記憶し、これを取得する。つまり、無人車が所定の距離Lだけ移動したときの各駆動輪の回転数が検出されて取得される。
【0028】
次に、上述のステップS11〜S13を、予め設定された回数n(n:自然数)だけ繰り返し、各駆動輪について、駆動軸エンコーダ10Aからn個の出力値Pi(i=1〜n)を取得する。
ステップS14:つまり、駆動軸エンコーダ10Aの出力値の取得回数が、設定回数nに達し、手動による移動が終了したか否かを判定する。ここで、駆動軸エンコーダ10Aの出力値の取得回数が設定回数nに達していない場合には(ステップS14:NO)、上述のステップS11に処理が戻され、取得回数が設定回数nに達するまでステップS11〜ステップS13を繰り返し実行する。
【0029】
ステップS15:続いて、駆動軸エンコーダ10Aの出力値の取得回数が設定回数nに達した場合(ステップS14:YES)、取得された駆動軸エンコーダ10Aの出力値Piと所定の距離Lとに基づき、複数の駆動輪100A,100Bについて、各動輪径パラメータを算出する。
【0030】
具体的には、下式(1)により、駆動軸エンコーダ10Aの出力値Pi(i=1〜n)の平均値Paveを算出する。
Pave=Psum/n ・・・(1)
ただし、式(1)において、Psumは、n個の出力値Pi(i=1〜n)の合計値であり、nは設定回数(すなわち出力値Piの個数)である。
【0031】
次に下式(2)により、駆動輪100Aの動輪径パラメータQaと、駆動輪100Bの動輪径パラメータQbとをそれぞれ算出する。
Qa=L/Ma ・・・(2a)
Qb=L/Mb ・・・(2b)
【0032】
ただし、式(2a),(2b)において、Lは上述の所定の距離である。Maは、無人車が所定の距離Lを移動した際の駆動輪100Aの駆動軸の回転数であり、駆動輪100Aに設けられた駆動軸エンコーダの出力値の平均値Paveをそのエンコーダ分解能で除した値である。Mbは、無人車が所定の距離Lを移動した際の駆動輪100Bの駆動軸の回転数であり、駆動輪100Bに設けられた駆動軸エンコーダの出力値の平均値Paveをそのエンコーダ分解能で除した値である。各エンコーダ分解能は、駆動軸が1回転したときのエンコーダの出力パルスの数として与えられる。
【0033】
ステップS16:最後に、操舵軸のサーボ系をオフ状態とする。
以上により、動輪径パラメータ調整の第1段階の処理が終了し、駆動輪100A,100Bについて、これら駆動輪間の干渉を抑制するように各動輪径パラメータが取得される。
【0034】
この第1段階における動輪径パラメータを調整によれば、各車輪の速度差が小さくなり、各動輪間の干渉が緩和される。これにより、走行精度が向上すると共に、各駆動輪を駆動するためのモータに不要な負荷が加わることがなくなるので消費電力が低減し、しかも車体振動が低下するなどの効果が得られる。
【0035】
次に、上述の第1段階(ステップS10〜S16)により各駆動輪の動輪径パラメータを取得した後、以下に説明するように、第2段階(ステップS20〜S22)として、各動輪径パラメータの相対関係を維持し且つ後述する目標移動距離と実移動距離とが一致するように、パラメータ修正部21により各動輪径パラメータを修正する。
【0036】
ステップS20:まず、上述の第1段階により取得された動輪径パラメータをそのまま用い、後述する目標移動距離として設定された所定の距離Lだけ無人車を自走させて停止させる。このとき、無人車が直進状態を維持するように操舵が制御される。また、この場合の走行路は、無人車が実際に運用される環境と同じ条件に設定される。
【0037】
ここで、上述の目標移動距離は、上述の第1段階で取得された動輪径パラメータを修正する上で試験的に走行させるために設定されたものである。この実施の形態では、目標移動距離として、上述の第1段階で用いた所定の距離Lを採用したが、これに限定されることなく、適宜設定すればよい。
【0038】
ステップS21:無人車が、目標移動距離(所定の距離L)を自走した後、当該無人車が実際に移動した距離(すなわち実移動距離)を計測して、進行方向における実移動距離と目標移動距離との間のずれ量Δx(差分)を算出する。換言すれば、目標とする停止位置に対する実際の停止位置のずれ量を算出する。このずれ量Δxは、無人車が目標の停止位置を行き過ぎた場合にプラスの値をとり、逆に、目標の停止位置に行き足りない場合にマイナスの値をとる。
【0039】
ステップS22:続いて、ずれ量Δxが小さくなるように、上述の第1段階で取得された動輪径パラメータQa,Qbを下式(3)により修正し、動輪径パラメータQA,QBを得る。
QA={(L+Δx)/L}×Qa ・・・(3a)
QB={(L+Δx)/L}×Qb ・・・(3b)
【0040】
この第2段階における動輪径パラメータを調整によれば、実移動距離と目標移動距離とが一致するように動輪径パラメータが修正されるので、走行精度(走行中の進行方向の位置精度)と停止精度とが向上する。
【0041】
ここで、上式(3a)と上式(3b)とを比較すると、第1段階で取得された動輪径パラメータQa,Qbに対して共通の係数{(L+Δx)/L}が乗算されて、動輪径パラメータQA,QBが算出されており、修正前と修正後の各動輪径パラメータの比率が維持される。このことは、第1段階で取得された動輪径パラメータの相対関係が維持されることを意味する。したがって、上述の第1段階および第2段階を経て得られた動輪径パラメータを用いれば、駆動輪間の干渉を生じることがなく、しかも実移動速度が目標移動速度と一致し、目標とする位置に正確に無人車を停止させることが可能となる。
【0042】
なお、この実施の形態によれば、短い距離を走行する場合、外界センサによる進行方向の補正処理(上記第2段階)を省くことが可能となる。
また、長い距離を走行する場合、補正処理を行う距離間隔を長くすることが可能となる。
さらに、外界センサなどの地上側設備の規模を縮小することができる。
【0043】
以上、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、この実施の形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。例えば、上述の実施の形態では、駆動軸エンコーダ10Aの出力値Piを平均化するようにしたが、これに限定されることなく、1回の測定で精度良く駆動輪の回転数を検出できれば、駆動軸エンコーダ10Aの出力値Piを平均化する処理を省いてもよい。
【0044】
また、上述の実施の形態では、第1段階で各駆動輪の駆動径パラメータを取得し、この動輪径パラメータを第2段階で修正することにより動輪径パラメータ調整を行うものとしたが、これに限定されることなく、例えば、第1段階で、各駆動輪の動輪径パラメータの比率(相対関係を表す要素)を算出し、第2段階で、特定の駆動輪について実移動距離を満足する動輪径パラメータを算出し、この第2段階で算出された特定の動輪径パラメータに、第1段階で算出された比率を乗じることにより、他の動輪径パラメータを調整するものとしてもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、複数の駆動輪間の干渉を抑制するように各動輪径パラメータを取得し、この取得された各動輪径パラメータの相対関係を維持し且つ目標移動距離と実移動距離とが一致するように前記各動輪径パラメータを修正するようにしたので、複数の駆動輪を装備する無人車の動輪径パラメータを正確かつ容易に調整することができる。
【0046】
また、前記複数の駆動輪の回転数を検出するための各エンコーダの値をクリアし、当該無人車を所定の距離だけ移動させ、前記各エンコーダの出力値を取得し、前記取得された各エンコーダの出力値と前記所定の距離とに基づき前記複数の駆動輪の各動輪径パラメータを算出するようにしたので、複数の駆動輪間の干渉を抑制するように各動輪径パラメータを取得することができる。
【0047】
さらに、前記取得された動輪径パラメータを用いて当該無人車を目標移動距離だけ自走させて停止させ、自走後に当該無人車の実移動距離を計測して該実移動距離と前記目標移動距離との間のずれ量を算出し、前記ずれ量が小さくなるように前記取得された各動輪径パラメータを修正するようにしたので、前記取得された各動輪径パラメータの相対関係を維持し且つ目標移動距離と実移動距離とが一致するように前記各動輪径パラメータを修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態にかかる動輪径パラメータ調整方法が適用される無人車の駆動軸および操舵軸の制御系を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態にかかる無人車の駆動輪および従動輪の配置を説明するための図である。
【図3】 この発明の実施の形態にかかる動輪径パラメータ調整方法の第1段階での処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態にかかる動輪径パラメータ調整方法の第2段階での処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10A:動輪軸エンコーダ
10B:操舵軸エンコーダ
11A:移動速度演算部
11B:操舵角演算部
12:位置・姿勢推定部
13:位置・姿勢制御部
14:軌道データ
15A:駆動軸モータドライバ
15B:操舵軸モータドライバ
100:車体
100A,100B:駆動輪
100C:従動輪
S10〜S16,S20〜S22:ステップ
Claims (3)
- 互いに独立して操舵可能で進行方向の前後に配置された複数の駆動輪を有し、前記駆動輪に関する情報に基づき走行状態が制御されて所定の走行路に沿って走行する無人車の動輪径パラメータ調整方法であって、
前記複数の駆動輪をそれぞれ直進状態に維持させるとともに回転可能な状態として、外力により前記無人車を所定距離だけ移動させて、前記複数の駆動輪のそれぞれの回転数を検出する第1のステップと、
前記第1のステップを、予め設定された回数n(n:自然数)だけ繰り返し、前記それぞれの回転数をn個ずつ検出する第2のステップと、
前記n個の回転数の平均値と前記所定距離とに基づき、駆動輪が1回転したときの移動距離を表す動輪径パラメータを、前記複数の駆動輪の各々について取得する第3のステップと、
前記複数の駆動輪をそれぞれ直進状態に維持させて前記無人車を自走させたときの自走距離が、試験的に走行させるためにあらかじめ設定された目標移動距離に達したことを、それぞれの前記動輪径パラメータを用いて検出する第4のステップと、
前記無人車が前記目標移動距離だけ移動した後、該無人車の実移動距離を計測して、該実移動距離と前記目標移動距離とのずれ量を算出する第5のステップと、
前記目標移動距離に対する前記ずれ量の増減に基づいて、前記ずれ量が小さくなるように前記それぞれの動輪径パラメータを修正する第6のステップと、
を含むことを特徴とする無人車の動輪径パラメータ調整方法。 - 前記第6のステップでは、前記各動輪径パラメータの比率を維持したまま、前記各動輪径パラメータを修正することを特徴とする請求項1に記載の無人車の動輪径パラメータ調整方法。
- 請求項1又は請求項2に記載の無人車の動輪径パラメータ調整方法に用いる無人車の動輪径パラメータ調整装置であって、
前記複数の駆動輪のそれぞれの回転数を検出する駆動軸エンコーダと、
前記n個の回転数の平均値と前記所定距離とに基づき、駆動輪が1回転したときの移動距離を表す動輪径パラメータを、前記複数の駆動輪の各々について取得するパラメータ取得手段と、
前記目標移動距離に対する前記ずれ量の増減に基づいて、前記ずれ量が小さくなるように前記それぞれの動輪径パラメータを修正するパラメータ修正手段と、
を備えたことを特徴とする無人車の動輪径パラメータ調整装置。
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