JPH05297935A - 無人車の制御装置 - Google Patents

無人車の制御装置

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JPH05297935A
JPH05297935A JP4098325A JP9832592A JPH05297935A JP H05297935 A JPH05297935 A JP H05297935A JP 4098325 A JP4098325 A JP 4098325A JP 9832592 A JP9832592 A JP 9832592A JP H05297935 A JPH05297935 A JP H05297935A
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unmanned vehicle
target
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新 高橋
Takero Hongo
武朗 本郷
Yoshiki Ninomiya
芳樹 二宮
Gunji Sugimoto
軍司 杉本
Kazutoshi Yoshikawa
和利 吉川
Eisaku Takinami
栄作 滝波
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 終点位置の手前の通過点へ無人車を精度よく
誘導する。 【構成】 位置、方位角及び曲率の各誤差を計測して、
パラメータ設定装置8bでこれらの誤差に応じたパラメ
ータを設定する。目標軌道生成装置8は、位置、方位角
及び曲率の各誤差を補償する軌道パターンの各々にパラ
メータを乗算した積を加算することにより、目標軌道を
生成する。変換装置9は、目標軌道と目標車速とに基づ
いて、操舵駆動論の操舵角と回転速度とを求め、駆動装
置7を制御することにより無人車を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無人車の制御装置に係
り、特に走行中の目標コース、または、目標位置からの
誤差を補償(補正)して、精度良く無人車を走行させる
無人車の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、走行路の地図を予め記憶し、
走行路の要所に設置された目標点を検知すること、ある
いは走行距離を演算することにより、地図上で自らの位
置を確認しながら走行する無人車がある。
【0003】走行路は、車載コンピュータのメモリ容量
の制約から、走行平面上の離散的な点、または、車体の
方向を指定した点、または、線分の結合として表現され
る。無人車をスムーズに走行させるためには、それらの
点や線分の間を円滑かつ連続に補間する目標軌道を生成
する必要がある。この目標軌道生成の方法として、
(ア)位置、姿勢及び舵角の境界条件から、無人車の横
方向距離を進行方向距離の5次関数として目標軌道を計
算する方法(特開平1-223513号)や、(イ)予め計算し
ておいた複数個の軌道をそれらの端点で結合して、目標
軌道を生成する方法(特開平3-24606 号)等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、工場の無人
化を進めるための要素技術の一つとして、(a)無人車
を使用して、組立品や部品を搬送する作業、(b)無人
車を使用して、組立品や部品を作業箇所に正確に位置決
めする作業が必要になる。特に、作業(b)の精度が良
くないと、作業が遅れたり、中断されたりして、作業効
率が極度に劣化する。
【0005】作業位置へ正確に無人車を誘導するために
は、無人車に積載したセンサで作業位置を示すマーク、
または、作業位置との相対位置を示すマーク等を検知
し、現在位置を始点としかつ作業位置を終点とした目標
軌道を生成し、その目標軌道に沿って走行制御する必要
がある。
【0006】しかしながら、この場合、次のような問題
点がある。 (1)作業位置から距離が離れている程、センサの計測
誤差が大きい。即ち、センサの計測結果に基づいて終点
位置を決定し、目標軌道を生成した場合、センサの計測
誤差分が作業位置での誤差として残ってしまう。
【0007】(2)一般に、無人車に積載されたセンサ
は目標軌道に沿うように操舵している間は、センサの計
測誤差が増大する傾向がある。従って、前記問題点
(1)の理由で誤差が生じても、操舵が終了する時点ま
でセンサで誤差を計測することは困難である。即ち、前
記問題点(1)の理由で生じた誤差を補償することが出
来ない。
【0008】前記問題点(1)、(2)を解決するため
には、以下のようにすればよい。すなわち、無人車に積
載したセンサで作業位置を示すマーク、または、作業位
置との相対位置を示すマーク等を検知し、現在位置を始
点としかつ作業位置の一定距離手前の点を通過点とした
目標軌道を生成し、その目標軌道に沿って通過点まで制
御する。そして、再度、無人車に積載したセンサで作業
位置、または、作業位置との相対位置を示すマーク等を
検知し、現在位置を始点としかつ作業位置の手前の点を
通過点とした目標軌道を生成し、その目標軌道に沿って
その通過点まで制御することを数回繰り返せば、終点に
於ける誤差を減少させることが出来る。
【0009】前記従来技術(ア)、(イ)は、ともに始
点と終点とを結合する目標軌道を一意に決定する方法で
あり、通過点を指定することができないため、上記解決
方法は適用困難である。
【0010】また、前記(ア)、(イ)の方法を適用す
ることにより、通過点を仮の終点として目標軌道を生成
する解決方法が考えられる。しかし、通過点の設定位置
は無限にあり、(ア)、(イ)の方法では最適な通過点
を一意に決定することはできない。また、通過点が終点
の近くに設定されると、誤差を減少させる距離の余裕が
なくなる。逆に、通過点が始点の近くに設定されると急
操舵を行うため、駆動手段が追従できなくなる。
【0011】また、従来方法(イ)は、始点、終点の位
置関係が予め決まっている場合の目標軌道生成にしか適
用出来ない。しかし、従来方法(イ)を前記作業(b)
へ適用した場合、始点、終点の位置関係がセンシングの
結果始めて分かるため、予め始点、終点の位置関係が決
められず、適用困難である。
【0012】本発明は、前記従来技術の問題点に鑑み、
位置、方位角、曲率の3つの誤差に応じて、予め設定し
た3つの軌道パターンを調整し、誤差を補償するための
目標軌道と通過点を一意に決定することにより、終点位
置の手前の通過点へ無人車を精度良く誘導することを可
能にした無人車の制御装置を提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の無人車の制御装置は、図1に示すように、走
行コースからの位置誤差、方位角誤差及び曲率誤差を計
測する誤差計測手段Iと、曲率誤差を補償する軌道パタ
ーンを生成する曲率誤差補償軌道パターン生成手段V、
方位角誤差を補償する軌道パターンを生成する方位角誤
差補償軌道パターン生成手段IV、位置誤差を補償する軌
道パターンを生成する位置誤差補償軌道パターン生成手
段III 及び計測により得られた走行コースからの位置誤
差、方位角誤差及び曲率誤差に応じて前記各軌道パター
ンの重み付けを行なうパラメータを設定するパラメータ
設定手段IIから構成され、各軌道パターン及びパラメー
タに基づいて目標軌道を生成する目標軌道生成手段と、
目標車速および目標軌道より駆動操舵指令値を演算する
変換手段VIと、前記駆動操舵指令値に基づき無人車を制
御する駆動手段VII と、を有することを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明の誤差計測手段Iは、無人車の走行コー
スからの位置誤差、方位角誤差及び曲率誤差を計測す
る。曲率誤差補償軌道パターン生成手段Vは曲率誤差を
補償する軌道パターンを生成し、方位角誤差補償軌道パ
ターン生成手段IVは方位角誤差を補償する軌道パターン
を生成し、位置誤差補償軌道パターン生成手段IIIは位
置誤差を補償する軌道パターンを生成する。パラメータ
設定手段IIは走行コースからの位置誤差、方位角誤差及
び曲率誤差に応じて上記各軌道パターンの重み付けを行
うパラメータを設定する。予め定めた軌道パターンを表
す曲率関数を定数倍したとき、位置誤差、方位角誤差及
び曲率誤差の各誤差補償量も比例する性質があるため、
各軌道パターンとパラメータとを用いて走行コースに復
帰する目標軌道を一意に決定することができる。変換手
段VIは、目標車速と目標軌道とにより駆動操舵指令を演
算し、駆動手段VII はこの駆動操舵指令に基づいて無人
車を制御する。
【0015】なお、本発明では、上記目標軌道生成に於
て、曲率変化率を制限することにより、駆動手段に無理
をかけることなく、制御誤差を抑え、精度良く無人車を
走行させることが出来る。
【0016】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、本発明を直線走行を行う第1実施
例によって説明する。
【0017】図2は、本第1実施例に係わる走行制御装
置を適用した操舵輪方式の無人車の概略構成図である。
無人車1の車体後部には、車体の左右の中心線上に操舵
と駆動の両方を行なう1つの操舵駆動輪2が設けられ、
車体前部には左右2つの従動輪2a、2bと2つの計測
輪3a、3bとが設けられている。無人車の車体中心C
1は、左右の従動輪2a、2bの中心に位置しており、
車体中心C1と操舵駆動輪の中心C2とは距離(ホイー
ルベース長)L1 隔たっている。
【0018】この無人車1は、予め設定された直線の走
行コースに沿うように制御される。計測輪3a、3b
は、車体の荷重を受ける従動輪2a、2bとは別体の従
動輪で構成され、さらに、走行平面の凹凸に精度良く追
従できるように、車体に対し上下動可能に構成されてい
る。1対の計測輪3a、3bには各々エンコーダが取り
付けられており、これらのエンコーダのパルス数を積算
することにより、無人車の現在位置が計測でき、パルス
数の積算値の差を演算することにより方位、すなわち方
位角が計測できる。
【0019】しかし、エンコーダによる無人車の位置お
よび方位角の計測値には累積誤差がある。このため、基
準位置、基準方位を表す光の反射率が異なるマークを予
め走行コースの所定位置に適宜設置しておき、適当な時
間間隔をあけて、車両の前後に設置した光学式距離計
(図示せず)によりマークの側方を無人車が通過したと
きに、補正用マークであることを認識するとともに、そ
のマークとの相対距離を計測する。そして、得られたマ
ークとの相対距離から車両の正確な位置、方位角を算出
し、計測輪による計測データを補正する。
【0020】図3は、無人車1のシステムブロック図を
示すものである。無人車1は、走行制御装置4と、走行
コース記憶装置5と、計測輪3a、3b及び光学式距離
計を含む計測装置6と、操舵駆動輪2を駆動する駆動装
置7とからなる。さらに、走行制御装置4は、目標軌道
生成装置8と、変換装置9とからなる。
【0021】走行制御装置4は、駆動装置7を制御し
て、終点に結合する直線の走行コース上を無人車1が走
行するように制御する。制御誤差がある場合には、走行
コース上の点に結合する目標軌道を生成し、目標軌道に
沿って走行するような指令値を駆動装置7へ出力する。
その結果、無人車1は所定の軌道を走行して走行コース
上へ復帰する。
【0022】目標軌道生成装置8は、走行誤差評価装置
8a、パラメータ設定装置8b、位置誤差補償軌道パタ
ーン生成装置8c、方位角誤差補償軌道パターン生成装
置8d及び曲率誤差補償軌道パターン生成装置8eで構
成され、無人車1の現在位置を始点とし、無人車1の走
行コース上の一点を通過点として、その2点間を円滑か
つ連続に結合する関数、すなわち目標軌道を計算する。
この通過点位置は後述する計算により一意に決定され
る。
【0023】ここで、曲率関数R(s)と走行軌跡との
関数を示す。始点(s=0)における方位角θstart 、
X座標値xstart 、Y座標値ystart 、を用いて、走行
距離sにおける方位角θ(s)、X座標値x(s)、Y
座標値y(s)は、次式で表される。
【0024】
【数1】
【0025】この目標軌道の計算について図4を参照し
て説明する。但し、図4では、説明を簡単にするため、
走行コースをX軸に一致させている。目標軌道は、走行
平面上に設定したXY直交座標系で、現在位置座標
(0、Ye)と現在の方位角θeとから通過点位置座標
(Xt、0)と通過点での方位角(=0)との間を円滑
かつ連続に結合する走行距離の曲率に関する関数(以下
曲率関数という)R(s)として計算する。なお、走行
距離sとは、軌道上の2点間の軌道に沿った線積分とし
て与えられる距離である。このとき、現在位置での曲率
をγe、通過点での曲率を0とする。Ye、θe、γe
は、各々、走行コース(終点)に対する位置誤差、方位
角誤差、曲率誤差である。これらの誤差は、走行誤差評
価装置8aによって、走行コース記憶装置5の走行コー
ス、光学式距離計で測距されたマークとの相対距離及び
計測軸3a、3bの出力に基づいて演算される。
【0026】なお、無人車の位置とは、車体中心C1
(本第1実施例では左右従動輪間のトレッドの中心)の
XY直交座標系における位置であり、方位角とはXY直
交座標系におけるX軸を基準として反時計方向に測定し
た無人車の進行方向をいう。
【0027】また、走行平面と操舵駆動輪との間にすべ
りがないと仮定すると、無人車の曲率γは操舵角θαと
ホイールベース長L1から、図2に示す幾何学的関係に
よって次式により決まる。
【0028】γ= tan(θα) / L1 さらに、曲率誤差γeは次式により求められる。
【0029】γe =γ−γc 但し、γcは走行コースの曲率で、直線の走行コースに
沿って無人車が走行している場合はγc=0である。
【0030】目標軌道は、無人車の現在の位置、方位
角、曲率の各誤差と、予め準備してあった位置、方位
角、曲率の各誤差を補償する各軌道パターンとを比較し
て計算する。即ち、各誤差量に応じて、軌道パターンの
重み付け係数を定め、これら軌道パターンを重み付き加
算することにより、目標軌道を計算する。
【0031】先ず、XY平面座標上のX軸に沿って無人
車を走行制御させるときの軌道パターンの性質を述べ
る。X軸方向の移動量Xtに比べて、この軌道パターン
によって補償される誤差Ye、θe、γeが小さい場
合、次の(1)式のように軌道パターンである曲率関数
R(s)をR’’(s)へ近似変換できる(図5)。説
明を簡単にするため、走行距離s=0の位置を軌道パタ
ーンの始点とする。
【0032】 R’’(s) = β・R(s) ……(1) この場合、軌道パターンによって補償されるXY平面上
の軌道の位置誤差Yeは約β倍、Xtは約1倍に近似変
換される。また、始点、終点間の曲率変化率の最大値と
軌道パターンによて補償される曲率誤差γeおよび軌道
始点での方位角誤差θeとはすべて正確にβ倍になる。
従って、この変換により、位置、方位角、曲率の各誤差
を適切に補償するパラメータβを決定できる。
【0033】次に、3つの軌道パターンを説明する。走
行距離は等しいが、互いに相異なる3つの軌道パターン
γ0、γ1、γ2を準備する。各軌道パターンは、それ
ぞれ、曲率、方位角、位置の各誤差を補償する曲率関数
である。各軌道パターンは走行コース上の通過点に於け
る曲率と方位角とがゼロでなければならない。また、各
軌道パターンに対する始点の各Y座標値Y0、Y1、Y
2と、走行コース上の通過点のX座標値X0、X1、X
2と、始点の各方位角θ0、θ1、θ2と、各軌道パタ
ーンの最大曲率変化率Δγ0、Δγ1、Δγ2と、各軌
道パターンの曲率初期値γs0、γs1、γs2とをそ
れぞれ予め計算して、設定しておく。
【0034】(1)式の近似的変換の関係から、3つの
軌道パターンを用いて、各誤差を補償するパラメータ、
すなわち重みβ0、β1、β2は、下記の式(2)、
(3)、(4)を満たす。但し、説明を簡単にするため
X方向に走行するものと仮定する。
【0035】 Ye = β0・Y0+β1・Y1+β2・Y2 ……(2) θe = β0・θ0+β1・θ1+β2・θ2 ……(3) γe = β0・γs0+β1・γs1+β2・γs2 ……(4) (2)〜(4)式を3元連立1次方程式として解き、パ
ラメータβ0、β1、β2を求めると、次式が得られ
る。
【0036】 β0=(A0+B0+C0)/D β1=(A1+B1+C1)/D β2=(A2+B2+C2)/D ……(5) 但し、 D = γs0・θ1・Y2+γs1・θ2・Y0+γs2・θ0・Y1 −γs0・θ2・Y1−γs2・θ1・Y0−γs1・θ0・Y2 A0= γe・θ1・Y2−γe・θ2・Y1 B0= γs2・θe・Y1−γs1・θe・Y2 C0= γs1・θ2・Ye−γs2・θ1・Ye A1= γe・θ2・Y0−γe・θ0・Y2 B1= γs0・θe・Y2−γs2・θe・Y0 C1= γs2・θ0・Ye−γs0・θ2・Ye A2= γe・θ0・Y1−γe・θ1・Y0 B2= γs1・θe・Y0−γs0・θe・Y1 C2= γs0・θ1・Ye−γs1・θ0・Ye ……(6) 即ち、位置、方位角、曲率の各誤差Ye、θe、γeか
ら、一意に、パラメータβ0、β1、β2を決定でき
る。これらのパラメータは、パラメータ設定装置8bに
よって、演算される。
【0037】本第1実施例では、計算を簡単にするた
め、1次式から構成される軌道パターンを3種類準備し
た。3つの軌道パターンは、いずれも始点から走行コー
ス上の通過点までの走行距離が等しいものとする。ま
た、各軌道パターンは、通過点に於ける走行コースに対
する位置、方位角、曲率の各誤差は零とする。
【0038】位置誤差を補償する軌道パターンγ2
(s)の関数形の例を図7(1)に示す。γ2(s)は
次式で表現される。
【0039】 0≦s≦L/4のときγ2(s)= −Δγ2・s L/4≦s≦3L/4のときγ2(s)= Δγ2・(s−L/2) 3L/4≦s≦L のとき γ2(s)= Δγ2・(L−s) ……(7) 但し、Lは3つの軌道パターンの始点から走行コース上
の通過点までの走行距離である。
【0040】主に方位角誤差を補償する軌道パターンγ
1(s)の関数形の例を図8(1)に示す。γ1(s)
は次式で表現される。
【0041】 0≦s≦L/2のときγ1(s)= −Δγ1・s 0≦s≦L のとき γ1(s)= Δγ1・(s−L) ……(8) 主に曲率誤差を補償する軌道パターンγ0(s)の関数
の例を図9(1)に示す。γ0(s)は次式で表現され
る。
【0042】 γ0(s)= γs0−Δγ0・s ……(9) 但し、 0≦s≦L、Δγ0=γs0 /L 前記軌道パターンのパラメータL、Δγ2、Δγ1、Δ
γ0は、走行制御中に生じる位置、方位角、曲率の各誤
差の大きさと無人車の駆動能力を考慮して、予め適切な
値を設定しておく。
【0043】さらに、各軌道パターンのX0、X1、X
2、Y0、Y1、Y2と、始点の方位角θ0、θ1、θ
2と、各軌道パターンの曲率初期値γs0、γs1、γ
s2を予め計算して、設定しておく。但し、上記関数の
性質により、θ2=γs1=γs2=0である。上記
(7)、(8)、(9)式の軌道パターンの走行軌跡は
各々図7(2)、図8(2)、図9(2)のようにな
る。
【0044】目標軌道生成装置8は、軌道パターンの各
々にパラメータを乗算した積の和を無人車1の時々刻々
の目標曲率Rdとして、制御周期毎に変換装置9へ出力
する。また、目標車速Vdは一定に固定する。
【0045】即ち、目標軌道生成装置8は、次式によ
り、目標曲率を計算する。 0≦s≦Lのとき Rd(s) = Rc(s) + {β0・γ0(s) + β1・γ1(s) + β2・γ2(s)} L<sのとき Rd(s) = Rc(s) ……(10) また、目標車速Vdを一定とすると、s=Vd・tであ
るので次式のように、時刻tの式に書き直すことも可能
である。
【0046】0≦t≦L/Vdのとき Rd(t) = Rc(t) +({β0・γ0(Vd・t) + β1・γ1(Vd・t) + β2・γ2(Vd・t)} L/Vd<tのとき Rd(t) = Rc(t) ……(11) 但し、上記(10)、(11)式のRcは走行コースの
曲率であり、直線コースの場合、すなわち本実施例の場
合はRc=0である。
【0047】変換装置9の処理を以下に示す。無人車1
は、駆動操舵輪2の操舵角θおよび回転速度ωによっ
て、車体中心C1が、走行平面上の回転中心Oより距離
1/Rdの地点をVdの車速で旋回するものとする。な
お、RdおよびVdは、それぞれ、目標軌道生成装置8
から出力される曲率および車速の指令値である。このと
きの操舵駆動輪2の中心C2と回転中心Oとの距離をL
2 とする。
【0048】図2の各部分の幾何学的な関係から、回転
中心Oにおける車体中心C1と操舵駆動輪の中心C2と
のなす角は、操舵駆動輪2の操舵角θαに等しくなるの
で、次の関係が成り立つ。
【0049】 θα=tan -1( Rd ・L1 ) ……(12) 一方、回転中心Oに対する車体中心C1の角速度と操舵
駆動輪の中心C2での角速度は等しいことより、次の関
係が成り立つ。
【0050】 ω=Vd ( 1/Rd )/L2 =Vd cos(θα) ……(13) したがって、上記(12)および(13)式に示される
ように、変換装置9は、操舵駆動輪の操舵角指令値θα
および駆動速度指令値ωを、曲率および車速の指令値に
基づき決定する。
【0051】操舵角指令値θαおよび駆動速度指令値ω
は、駆動装置に出力され、サーボ回路により精度良く制
御され、無人車の走行として実現される。
【0052】本第1実施例では、予め設定した軌道パタ
ーンを表す曲率関数の大きさをβ倍したとき、その軌道
パターンの位置、方位角、曲率の各この軌道パターンに
よって補償される誤差も比例する性質があることを利用
して相異なる3つの曲率関数を重み付け加算しているた
め、任意の位置、方位角、曲率の3つの誤差を補償する
目標軌道を一意に生成できる。
【0053】また、これにより、本第1実施例では、走
行コースに対する位置、方位角、曲率の3つの誤差量か
ら一意に走行コースに復帰する目標軌道と通過点とが決
定できる。
【0054】本第1実施例では、3つの基本パターン関
数を走行コースに対する位置、方位角および曲率の各誤
差に基づいて基本パターンとパラメータとの積の和を求
めることにより生成しているので、複雑な計算を要する
ことなく、リアルタイムで目標軌道が生成できる。 〔第2実施例〕前記第1実施例での無人車は、位置、方
位角、曲率の各誤差に応じて、相異なる3つの軌道パタ
ーンを調整し、終点位置の手前の走行コース上の通過点
へ誘導する目標軌道を一意に決定する無人車に関するも
のであったが、本第2実施例では、加えて、駆動手段の
操舵能力の上限を考慮して目標軌道を生成することで、
より速く高精度に無人車を終点位置の手前の通過点へ制
御するものである。
【0055】本第2実施例は、目標軌道を演算する点の
みが、前記第1実施例と異なる。以下、相違点について
のみ述べる。
【0056】例により、説明すると、図2に示す操舵輪
方式の無人車の場合、駆動手段に次式で示される舵角速
度Δθαが指令される。
【0057】 Δθα=L1・vd・cos(θα)・cos(θα)・Δγ ……(14) θαが小さい場合、cos(θα)=1なので、次式の
ように変形できる。
【0058】 Δθα = L1・vd・Δγ ……(15) (15)式のL1はホイールベース長、Δγは曲率の変
化率、vdは車速を示す。
【0059】一般に操舵輪方式の駆動手段の舵角速度Δ
θαには上限がある。従って、前式より、目標軌道の曲
率の変化率Δγが過大な場合、舵角速度上限値を越え
て、制御不可能になってしまう。すなわち、舵角速度上
限値をΔθαmax とし、生成された目標軌道の曲率変化
率の最大値をΔγmax とした場合、Δγmax は次式を満
たさなければならない。
【0060】 Δγ≦Δγmax ≦ Δθαmax / L1 /vd ……(16) 次に、XY平面座標上のX軸に沿って無人車を走行制御
させる軌道パターンの性質を述べる。説明を簡単にする
ため、走行距離s=0の位置を軌道パターンの始点とす
る。
【0061】前記第1実施例で述べた軌道パターンの近
似的変換の性質に加えて、軌道パターンは次のようにX
Y平面上で相似変換できる(図6)。すなわち、曲率関
数R(s)の始点から終点までの走行距離をα倍し、さ
らに、次式のようにR(s)をR’(s)へ変換する。
【0062】 R’(s) = R(s/α)/α ……(17) このとき、始点、終点間の曲率変化率の最大値は1/(α
・α)倍になり、XY平面上の軌道パターンはそれぞれ
α倍に相似変換される。即ち、Ye、Xtがα倍され
る。また、軌道パターンによって補償される曲率誤差γ
eは1/α倍になる。相似変換なので、軌道パターンに
よって補償される軌道始点での方位角誤差θeは変化し
ない。したがって、(1)式と(17)式とを用いるこ
とにより、曲率関数はβ・R(s/α)/αとなる。
【0063】(1)式の近似変換と(17)式の相似変
換の関係から、3つの軌道パターンを用いて、各誤差を
補償するパラメータα、β0、β1、β2は下記の式
(18)〜(21)を満たす。但し、説明を簡単にする
ためX方向に走行するものと仮定し、α>0とする。
【0064】 Ye = α・(β0・Y0+β1・Y1+β2・Y2) ……(18) θe = β0・θ0+β1・θ1+β2・θ2 ……(19) γe =(β0・γs0+β1・γs1+β2・γs2)/α ……(20) Δγmax =(|β0|・Δγ0+|β1|・Δγ1 +|β2|・Δγ2)/(α・α) ……(21) (18)〜(20)式を3元連立1次方程式として解
き、β0、β1、β2を求めると、次式が求められる。
【0065】 β0=(A0・α+B0+C0/α)/D β1=(A1・α+B1+C1/α)/D β2=(A2・α+B2+C2/α)/D ……(22) 但し、 D =γs0・θ1・Y2+γs1・θ2・Y0+γs2・θ0・Y1 −γs0・θ2・Y1−γs2・θ1・Y0−γs1・θ0・Y2 A0=γe・θ1・Y2−γe・θ2・Y1 B0=γs2・θe・Y1−γs1・θe・Y2 C0=γs1・θ2・Ye−γs2・θ1・Ye A1=γe・θ2・Y0−γe・θ0・Y2 B1=γs0・θe・Y2−γs2・θe・Y0 C1=γs2・θ0・Ye−γs0・θ2・Ye A2=γe・θ0・Y1−γe・θ1・Y0 B2=γs1・θe・Y0−γs0・θe・Y1 C2=γs0・θ1・Ye−γs1・θ0・Ye ……(23) (22)式を(21)式へ代入すると、次の3次方程式
が得られる。
【0066】 0=Δγmax ・|D|・α3 −Δγ0・|A0・α2 +B0・α+C0| −Δγ1・|A1・α2 +B1・α+C1|−Δγ2・|A2・α2 +B2・α+C2| ……(24) 既知の3次方程式の解法(Caldanoの公式)により、
(24)式から、パラメータαが計算できる。このと
き、絶対値||の中にパラメータαを含むため、符号が
未知である。そこで、以下の8つの場合を仮定し、解を
求める。但し、関数形によっては、符号がパラメータα
に依存せず、固定される場合があり、すべての場合を計
算する必要が無いこともある。
【0067】 (a):β0>0、β1>0、β2>0 (b):β0<0、β1>0、β2>0 (c):β0>0、β1<0、β2>0 (d):β0<0、β1<0、β2>0 (e):β0>0、β1>0、β2<0 (f):β0<0、β1>0、β2<0 (g):β0>0、β1<0、β2<0 (h):β0<0、β1<0、β2<0 3次方程式は、3実根を持つか、2虚根と1実根をも
つ。3実根の場合は、正の最も小さい根を解として採用
する。2虚根と1実根の場合は、1実根が正の値なら解
として採用する。αが負の場合は、仮定が間違っている
ものとして採用しない。
【0068】以上で計算された解の中から、最も小さい
正の値をパラメータαの値として採用する。
【0069】但し、駆動手段の操舵能力の制限を越えな
い程度に十分に長い走行距離L’が設定できた場合は、
前記のような3次方程式を解かずとも、以下のように容
易にパラメータαが設定できる。
【0070】 α=L’/ L ……(25) ここで、Lは軌道パターンの走行距離である。
【0071】パラメータαを(22)式に代入すること
により、パラメータβ0、β1、β2が求められる。
【0072】目標軌道生成装置8は、以下の(26)式
により、無人車1の時々刻々の目標曲率Rdを計算し、
制御周期毎に変換装置9へ出力する。このとき、目標車
速Vdは一定に固定する。
【0073】0≦s≦αLのとき Rd(s) = Rc(s) +{β0・γ0(s/α)+β1・γ1(s/α) + β2・γ2(s/α)}/ α αL<sのとき Rd(s) = Rc(s) ……(26) また、目標車速Vdを一定とすると、次式のように、時
刻tの式に書き直すことも可能である。
【0074】0≦t≦αL/Vdのとき Rd(t) = Rc(t) +({β0・γ0(Vd・t/α) + β1・γ1(Vd・t/α) + β2・γ2(Vd・t/α)}/ α αL/Vd<tのとき Rd(t) = Rc(t) ……(27) 但し、(26)、(27)式のRcは走行コースの曲率
であり、直線コースの場合はRc=0である。
【0075】本第2実施例では、予め設定した軌道パタ
ーンを表す曲率関数の大きさを定数倍したとき、その軌
道パターンの位置、方位角、曲率の各この軌道パターン
によって補償される誤差も比例する性質があることを利
用して、相異なる3つの曲率関数を重み付け加算してい
るため、任意の位置、方位角、曲率の3つの誤差を補償
する目標軌道を一意に生成できる。
【0076】また、これにより、本第2実施例では、走
行コースに対する位置、方位角、曲率の3つの誤差量か
ら一意に走行コースに復帰する目標軌道と通過点とが決
定できる。
【0077】また、本第2実施例では、予め設定した軌
道パターンは相似変換で縮小することができるため、よ
り短距離で走行コース上へ復帰することができる。これ
により、短距離で速やかに無人車が終点方向を向くた
め、車載センサによる計測が容易となり、より精度良い
停止位置決めが可能になる。
【0078】また、本第2実施例では、相似変換率を駆
動手段の操舵能力の上限に基づいて決定できるため、駆
動手段に無理をかけることなく、精度良く無人車を走行
させることができる。 〔第3実施例〕前記第1、2実施例での無人車は、相異
なる任意の3つの軌道パターンに基づいて、一意に目標
軌道を生成する無人車に関するものであったが、本第3
実施例は、位置、方位角、曲率の各誤差を独立に補償す
る軌道パターンに基づき目標軌道生成するものである。
本第3実施例は、目標軌道を演算する点のみが、前記第
1、2実施例と異なる。以下、相違点についてのみ述べ
る。
【0079】3つの軌道パターンは、始点から終点まで
の走行距離が等しく、Lであるとする。本第3実施例で
は、各軌道パターンは、それぞれ、位置、方位角、曲率
の各誤差の中の1の誤差のみを補償するものとする。ま
た、各軌道パターンは、走行距離sに対する任意の曲率
関数(例えば、sに関するn次式や三角関数等)であ
る。
【0080】位置誤差のみを補償する軌道パターンの関
数形(3次式)の例を図10(1)に示す。関数γ2
は、始点(s=0)の曲率と終点(s=L)の曲率とが
ゼロでなければならない。そして、方位角の補償はしな
いので、始点から終点までの曲率γ2の積分量がゼロで
なければならない。以上の条件を満たす関数γ2を設定
し、その始点のY座標値Y2と、終点のX座標値X2
と、軌道パターンγ2の最大曲率変化率Δγ2とを予め
計算しておく。すなわち、軌道パターンγ2を次の3次
式で表す。
【0081】 γ2(s)=C3 3 +C2 2 +C1 s+C0 s γ2は上記境界条件を満たす。
【0082】
【数2】
【0083】境界条件の数とγ2の係数C3 〜C0 の数
はともに4個あるので、ニュートン法等を用いて、上記
境界条件より一意に4個の係数を決定できる。この軌道
パターンに従って位置誤差を補償したときの走行軌跡は
図10(2)のようになる。
【0084】方位角誤差のみを補償する軌道パターンの
関数形を、上記3次式の係数を決定する方法で求めた例
として図11(1)に示す。関数γ1は、始点(s=
0)の曲率と終点(s=L)の曲率がゼロでなければな
らない(すなわち、γ1(0)=γ1(L)=0)。始
点の方位角がθ1で、始点から終点までの曲率γ1の積
分量が−θ1である。(すなわち、
【0085】
【数3】
【0086】また、位置誤差の補償はしないので、Y1
=0で、かつ、次のように積分量が零である。
【0087】
【数4】
【0088】以上の条件を満たす曲率関数を設定し、そ
の終点のX座標値X1と、軌道パターンγ1の最大曲率
変化率Δγ1を予め計算しておく。この軌道パターンに
従って位置誤差を補償したときの走行軌跡は図11
(2)のようになる。
【0089】曲率誤差のみを補償する軌道パターンの関
数形を、上記3次式の係数を決定する方法で求めた例と
して図12(1)に示す。関数γ0は、始点(s=0)
の曲率がγs(すなわちγ0(0)=γs)で、終点
(s=L)の曲率が零(すなわち、γ0(L)=0)で
ある。位置、方位角の各誤差を補償しないので、Y0=
0で、始点から終点までの次のように積分量が零でなけ
ればならない。
【0090】
【数5】
【0091】以上の条件を満たす曲率関数を設定し、終
点のX座標値X0と、軌道パターンγ0の最大曲率変化
率Δγ0を予め計算しておく。この軌跡パターンに従っ
て位置誤差を補償したときの走行軌跡は図12(2)の
ようになる。
【0092】3つの軌道パターンを等しくα(>0)倍
に相似変換し、さらに、各々β2、β1、β0倍に近似
変換することを考える。これら変換後の軌道パターンを
加算して得られる軌道を、各誤差を補償する目標軌道と
する。
【0093】位置、方位角、曲率の各誤差を、各々、Y
e、θe、γeとする。相似変換と近似変換の関係か
ら、パラメータα、β0、β1、β2は式(28)、
(29)、(30)、(31)を満たす。
【0094】 Ye = α・β2・Y2 ……(28) θe = β1・θ1 ……(29) γe = β0・γs/α ……(30) Δγmax =(|β0|・Δγ0+|β1|・Δγ1 +|β2|・Δγ2)/(α・α) ……(31) 但し、Δγmax は最大曲率変化率の設定値で、(16)
式から設定される値である。
【0095】上式をパラメータαについて整理すると、
(32)式が得られる。 Δγmax ・α3 −|γe / γs|・Δγ0・α2 −|θe / θ1|・Δγ1・α −|Ye / Y2|・Δγ2=0 ……(32) (32)式より、既知の3次方程式の解の公式によっ
て、容易に、αが求められる。式(28)、(29)、
(30)をβ0、β1、β2について整理すると、式
(33)、(34)、(35)が求められる。
【0096】 β2 = Ye/(α・Y2) ……(33) β1 = θe/θ1 ……(34) β0 = α・γe/γs ……(35) 式(33)、(34)、(35)にαを代入することに
より、パラメータβ0、β1、β2が求められる。
【0097】即ち、パラメータαを計算すれば、β0、
β1、β2は、位置、方位角、曲率の各誤差、Ye、θ
e、γeに比例する項として計算することが出来る。
【0098】本第3実施例では、予め設定した軌道パタ
ーンを表す曲率関数の大きさを定数倍したとき、その軌
道パターンの位置、方位角、曲率の各この軌道パターン
によって補償される誤差も比例する性質があることを利
用して、相異なる3つの曲率関数を重み付け加算してい
るため、任意の位置、方位角、曲率の3つの誤差を補償
する目標軌道を一意に生成できる。
【0099】また、これにより、本第3実施例では、走
行コースに対する位置、方位角、曲率の3つの誤差量か
ら一意に走行コースに復帰する目標軌道と通過点とが決
定できる。また、本第3実施例では、予め設定した軌道
パターンは相似変換で縮小することができるため、より
短距離で走行コース上へ復帰することができる。これに
より、短距離で速やかに無人車が終点方向を向くため、
車載センサによる計測が容易となり、より精度良い停止
位置決めが可能になる。
【0100】また、本第3実施例では、相似変換率を駆
動手段の操舵能力の上限に基づいて決定できるため、駆
動手段に無理をかけることなく、精度良く無人車を走行
させることができる。
【0101】また、本第3実施例は、第1、2実施例に
比べて計算量をさらに少なくしたので、ハードウエアに
よる装置の実現が容易にできる。 〔第4実施例〕前記第1、2、3実施例での無人車は、
終点に結合する直線の走行コースに沿って走行するもの
であったが、本第4実施例は、終点に結合する円滑かつ
連続な曲線の走行コースに沿って走行する無人車に関す
るものである。
【0102】本第4実施例は、目標軌道を演算する点の
みが、前記第1、2、3実施例と異なる。以下、相違点
についてのみ述べる。
【0103】曲線走行コースは、予めオフラインで計算
されているため、その曲線の最大曲率変化率Δγcは分
かっている。そこで、無人車のアクチュエータの能力の
上限から設定される曲率変化率最大値Δγmax から、走
行コース分の最大曲率変化率Δγcを差し引いて、その
項を改めて曲率変化率最大値Δγmax と置き直し、前記
第1、2、3実施例の方法を適用する。
【0104】本第4実施例は、曲線走行コースの最大曲
率変化率を考慮し、目標軌道の曲率変化率上限値を設定
し、走行制御するため、曲線走行コース上へ精度良く復
帰することができる。 〔第5実施例〕前記第1、2、3、4実施例での無人車
は、操舵輪方式の無人車に関するものであったが、本第
5実施例は、差動輪方式の無人車に関するものである。
本第5実施例は、変換装置の部分が、前記第1、2、
3、4実施例と異なる。以下、相違点について述べる。
【0105】図13に示す差動輪方式の無人車を定速走
行させる場合、駆動手段には次式で示される加速度Δv
が指令される。
【0106】 Δv=±W・vd・vd・Δγ/ 2(左右輪で符号が逆) ……(36) (36)式のWはトレッド長、Δγは曲率の変化率、v
dは車速を示す。
【0107】一般に差動輪方式の駆動手段の加速度には
上限がある。従って、前式より、目標軌道の曲率変化率
Δγが過大な場合、加速度上限値を越えて、制御不可能
になってしまう。
【0108】すなわち、左右駆動輪の加速度上限値をΔ
vmax とした場合、目標軌道の最大曲率変化率Δγmax
は次式を満たさなければならない。
【0109】 Δγ≦Δγmax ≦2・Δvmax /W/vd/vd ……(37) 本実施例の無人車1は、走行制御装置4と、駆動装置7
a、7bと、モータ10a、10bと、駆動輪の回転数
を検出するパルスカウンター11a、11bと、減速機
12a、12bと、駆動輪18a、18bと、駆動輪と
各々同軸上に配設した計測輪19a、19bと、計測輪
の回転数を検出するエンコーダ20a、20bと計測装
置6と、キャスタ輪21a、21bと、光学式距離計2
2a、22bとからなる。
【0110】駆動輪18a、18bは、車体の中心から
左右に等距離の位置において、車体に固定されたモータ
により、モータに付設された減速機12a、12bの出
力軸を介して各々独立に回転駆動され、車体の前後に配
設されたキャスタ輪21a、21bとによって無人車を
平面上のあらゆる方向へ走行可能としている。
【0111】走行制御装置5は、前述のように、予め設
定された無人車1の直線の走行コースに基づいて、制御
誤差がある場合に走行コース上に復帰する目標軌道を生
成し、走行コースに沿って走行するような速度指令を左
右の駆動輪18a、18bへ出力する。このとき、目標
軌道生成装置は、(37)式に基づいて設定されたΔγ
に従って、第1〜4実施例の手順に基づいて、目標軌道
生成を実行する。
【0112】駆動装置7a、7bは、走行制御装置4か
らの速度指令に基づいて、それぞれモータ10a、10
bを回転制御する。その結果、無人車1は所定の軌道を
走行して目標軌道上へ復帰する。
【0113】変換装置9では、車速指令値Vdと曲率指
令値Rdによって、左と右の駆動輪18a、18bへの
速度指令値VL 、VR を演算し、駆動装置7a、7bへ
出力する。無人車1は2輪独立駆動方式であるため、車
速および曲率の指令値VdおよびRdと駆動輪トレッド
長TRとから、次式にて、左右駆動輪速度指令値VL、
VR を演算することができる。
【0114】 VR =−Vd ・(−1±0.5 ・TR・Rd ) ……(38) VL = Vd ・( 1±0.5 ・TR・Rd ) ……(39) ただし、式(38)、(39)において、正負符号の上
側は、無人車1が時計回りに旋回する場合を示し、下側
は、無人車1が反時計回りに旋回する場合を示す。
【0115】以上のように、演算された速度指令値VR
、VL を無人車1の走行速度として実現するために、
駆動装置7a、7bでモータ10a、10bをフィード
バック制御する。このフィードバック信号としては、モ
ータ10a、10bに同軸に接続されているパルスカウ
ンター11a、11bを使用し、サーボ回路で構成した
駆動装置7b、7bは、パルスカウンター11a、11
bの出力パルスにより、モータ10a、10bの速度を
制御して、左右駆動輪速度をVR 、VL に一致させる。
このモータ10a、10bによる出力トルクは減速機1
2a、12b及び、その出力軸を介して、駆動輪18
a、18bへ伝達される。以上のような速度指令値VR
、VL が制御周期毎に出力される。
【0116】本第5実施例の差動輪方式の無人車は、予
め設定した軌道パターンを表す曲率関数の大きさを定数
倍したとき、その軌道パターンの位置、方位角、曲率の
各この軌道パターンによって補償される誤差も比例する
性質があることを利用して、相異なる3つの曲率関数を
重み付け加算しているため、任意の位置方位曲率の3つ
の誤差を補償する目標軌道を一意に生成できる。
【0117】また、これにより、本第5実施例の差動輪
方式の無人車は、走行コースに対する位置、方位角、曲
率の3つの誤差量から一意に走行コースに対する復帰す
る目標軌道と通過点が決定できる。
【0118】また、本第5実施例の差動輪方式無人車
は、予め設定した軌道パターンは相似変換で縮小するこ
とができるため、より短距離で走行コース上へ復帰する
ことができる。これにより、短距離で速やかに無人車が
終点方向を向くため、車載センサによる計測が容易とな
り、より精度良い停止位置決めが可能になる。
【0119】また、本第5実施例の差動輪方式無人車
は、相似変換率を駆動手段の加速能力の上限に基づいて
決定できるため、駆動手段に無理をかけることなく、精
度良く無人車を走行させることができる。
【0120】
【発明の効果】本発明では、予め設定した軌道パターン
を表す曲率関数の大きさを定数倍したとき、その軌道パ
ターンの位置、方位角、曲率の各この軌道パターンによ
って補償される誤差も比例する性質があることを利用し
て、相異なる3つの曲率関数を重み付け加算することに
より、任意の位置方位曲率の3つの誤差を補償する目標
軌道を一意に生成できる。
【0121】また、これにより、本発明では、走行コー
スに対する位置、方位角、曲率の3つの誤差量から一意
に走行コースに対する復帰する目標軌道と通過点が決定
できる。
【0122】本発明で目標軌道生成において、予め設定
した軌道パターンは相似変換で縮小することができるた
め、より短距離で走行コース上へ復帰することができ
る。これにより、短距離で速やかに無人車が終点方向を
向くため、車載センサによる計測が容易となり、より精
度良い停止位置決めが可能になる。
【0123】また、本発明で、相似変換率を駆動手段の
操舵能力の上限に基づいて決定すれば、駆動手段に無理
をかけることなく、精度良く無人車を走行させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特許請求の範囲に記載された発明を説明するた
めのブロック図である。
【図2】第1実施例の無人車の概略図である。
【図3】第1実施例の無人車の制御装置のブロック図で
ある。
【図4】目標軌道の求め方を説明する線図である。
【図5】第1実施例における軌道パターンと近似変換し
た軌道パターンとを示す線図である。
【図6】第2実施例における軌道パターンと相似変換し
た軌道パターンとを示す線図である。
【図7】(1)は第1実施例の位置誤差を補償する軌道
パターンの関数形を示す線図である。(2)はこの軌道
パターンに従ったときの走行軌跡を示す線図である。
【図8】(1)は第1実施例の主に方位角誤差を補償す
る軌道パターンの関数形を示す線図である。(2)はこ
の軌道パターンに従ったときの走行軌跡を示す線図であ
る。
【図9】(1)は第1実施例の主に曲率誤差を補償する
軌道パターンの関数形を示す線図である。(2)はこの
軌道パターンに従ったときの走行軌跡を示す線図であ
る。
【図10】(1)は第3実施例の位置誤差のみを補償す
る軌道パターンの関数形を示す線図である。(2)はこ
の軌道パターンに従ったときの走行軌跡を示す線図であ
る。
【図11】(1)は第3実施例の方位角誤差のみを補償
する軌道パターンの関数形を示す線図である。(2)は
この軌道パターンに従ったときの走行軌跡を示す線図で
ある。
【図12】(1)第3実施例の曲率誤差のみを補償する
軌道パターンの関数形を示す線図である。(2)はこの
軌道パターンに従ったときの走行軌跡を示す線図であ
る。
【図13】第5実施例の無人車の概略図である。
【符号の説明】
1 無人車 2 操舵駆動輪 3a、3b 計測輪 4 走行制御装置 8 目標軌道生成装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 新 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 本郷 武朗 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 二宮 芳樹 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 杉本 軍司 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 吉川 和利 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 滝波 栄作 愛知県刈谷市豊田町二丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行コースからの位置誤差、方位角誤差
    及び曲率誤差を計測する誤差計測手段と、 曲率誤差を補償する軌道パターンを生成する曲率誤差補
    償軌道パターン生成手段、方位角誤差を補償する軌道パ
    ターンを生成する方位角誤差補償軌道パターン生成手
    段、位置誤差を補償する軌道パターンを生成する位置誤
    差補償軌道パターン生成手段及び計測により得られた走
    行コースからの位置誤差、方位角誤差及び曲率誤差に応
    じて前記各軌道パターンの重み付けを行なうパラメータ
    を設定するパラメータ設定手段から構成され、各軌道パ
    ターン及びパラメータに基づいて目標軌道を生成する目
    標軌道生成手段と、 目標車速および目標軌道より駆動操舵指令値を演算する
    変換手段と、 前記駆動操舵指令値に基づいて無人車を制御する駆動手
    段と、を有する無人車の制御装置。
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