JP7366364B2 - 検出システム、及び検出プログラム - Google Patents
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Description
請求項7に記載の検出プログラムは、移動可能な1個又は複数個の対象物の中から検出する対象となる対象物である検出対象物を検出する検出プログラムであり、コンピュータを、前記検出対象物を移動させる移動手段と、前記移動手段が前記検出対象物を移動させる前後に撮像された前記検出対象物が存在し得る対象領域の画像を取得する取得手段であって、前記対象領域を撮像するように前記対象領域側に設置された撮像手段で撮像された画像を取得する前記取得手段と、前記取得手段が取得した前記検出対象物を移動させる前後に撮像された前記対象領域の画像の相互間の差分に基づいて、前記検出対象物を検出する検出手段と、として機能させ、前記移動手段は、前記検出対象物を所定距離だけ前進又は後進させる第1移動処理を行い、前記取得手段は、前記移動手段が前記第1移動処理を行う前に撮像された前記対象領域の画像である第1画像と、前記移動手段が前記第1移動処理を行った後であって、前記第1移動処理が行われてから所定時間経過した後に撮像された前記対象領域の画像である第2画像と、を取得し、前記検出手段は、前記取得手段が取得した前記第1画像及び前記第2画像の相互間の差分に基づいて、前記検出対象物を検出する。
まず、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、検出システム、及び検出プログラムに関する。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、本実施の形態に係る自動運転システムの構成について説明する。図1は、本実施の形態に自動運転システムが適用される倉庫を示す図であり、図2は、自動運転システムのブロック図である。なお、図1に示すX―Y―Z方向が互いに直交する方向であり、具体的には、Z方向が垂直方向であり、X方向及びY方向が垂直方向に対して直交する水平方向であるものとして説明する。また、倉庫の中心点を基準にして、+Y方向の方角が「北」であり、-Y方向の方角が「南」であり、-X方向の方角が「東」であり、+X方向の方角が「西」であるものとして、以下説明する。
図1の倉庫900は、図2の自動運転システム100が適用される建物であり、例えば、1階部分901(対象領域)と2階部分902(対象部分)との相互間をエレベータ903を介して移動可能となっているものである。なお、この倉庫900については、図1では、説明の便宜上、概略のみが図示されている。
図2の自動運転システム100は、例えば、台車1、カメラ2、通信装置3、端末装置4、及びサーバ装置5を備える。
図3は、台車の側面図である。図2の台車1は、対象物であり、例えば、隔操作可能な台車(つまり、自動運転可能な台車)であって、例えば、図3のように荷物8を積載しており、一例としては、図2通信部11、走行部12、操舵部13、記録部14、及び制御部15を備える。なお、ここでの台車1は、図1の外観が相互に同様な台車101~104を総称しているものとし、これらの各台車101~104を相互に区別する必要がない場合、この総称を用いて説明する(カメラ2も同様とする)。
通信部11は、外部装置との間で通信を通信手段である。この通信部11の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、通信装置3を介してサーバ装置5との間で無線通信を行うように公知の無線通信回路等を用いて構成することができる。
走行部12は、台車1を走行させる走行手段である。この走行部12の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、図3に示す車輪121、及び台車1に実装されている不図示のバッテリー、及び当該バッテリーからの電源によって駆動して車輪121を回転させるための台車1に実装されている不図示のモーター等を用いて構成することができる。
操舵部13は、台車1の進行方向を変えるかじ取りを行う操舵手段である。この操舵部13の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の方向転換機構等を用いて構成することができる。
記録部14は、台車1の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段である。この記録部14の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、EEPROMやFlashメモリ等を用いて構成されている。ただし、EEPROMやFlashメモリに代えてあるいはEEPROMやFlashメモリと共に、ハードディスクの如き外部記録装置、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、DVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体、又はROM、USBメモリ、SDカードの如き電気的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる(他の装置の記録部も同様とする)。
制御部15は、台車1を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(他の装置の制御部も同様とする)。なお、この制御部15の各部により行われる処理については後述する。
図2のカメラ2は、撮像の対象となる範囲である撮像範囲を撮像する撮像手段である。このカメラ2の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、サーバ装置5との間で通信可能に接続されており、一例としては、図1のカメラ21、22を備える。カメラ21は、自己の撮像範囲である1階部分901を撮像するカメラであり、例えば、自己を識別するカメラIDとして「ID21」が設定されて記録されているものである。カメラ22は、自己の撮像範囲である2階部分902を撮像するカメラであり、例えば、自己を識別するカメラIDとして「ID22」が設定されて記録されているものである。
図2の通信装置3は、サーバ装置5と、台車1及び端末装置4との間の無線通信を可能にする通信手段である。この通信装置3の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、公知の無線通信回路等を用いて構成することができる。
図2の端末装置4は、サーバ装置5のユーザインターフェースとして機能する表示入力手段である。この端末装置4の具体的な種類や構成は任意であるが、例えば、少なくとも情報を表示する表示手段及びユーザからの操作を入力する入力手段としての機能を有するものであり、一例としては、ディスプレイにタッチパッドを重ねて構成されるタッチスクリーン等を備えるスマートフォン又はタブレット端末等を用いることができる。
図2のサーバ装置5は、検出システムであり、例えば、カメラ2と通信可能に接続されており、また、通信装置3を介して台車1及び端末装置4と無線津信可能に接続されており、一例としては、記録部51、及び制御部52を備える。
記録部51には、例えば、図面情報、設備情報、及び台車情報が格納されている。
「図面情報」とは、対象領域を示す図面を特定する図面情報である。なお、この図面情報は任意であるが、例えば、図1の1階部分901及び2階部分902等の平面図を示す情報等が用いられる場合について説明する。また、この図面情報が特定する図面においては、任意の基準物(例えば、通り芯等)を基準にして位置及び方角を特定可能となっているものとして、以下説明する。そして、このような図面情報の具体的な格納手法は任意であるが、例えば、サーバ装置5の不図示の入力手段や端末装置4を介して、管理者が情報を入力することに格納されることとする(以下に示す設備情報も同様とする)。
「設備情報」とは、自動運転システム100の設備を特定する情報であり、例えば、カメラ2を特定する情報である。図4は、設備情報を例示した図である。「設備情報」は、例えば、項目「カメラID」、及び項目「設置位置情報」と、各項目に対応する情報とが相互に関連付けられている。項目「カメラID」に対応する情報は、前述のカメラIDである(図4では「ID21」、「ID22」等)。項目「設置位置情報」に対応する情報は、カメラ2が設置されている位置を特定する設置位置情報である(図4では、設置されている階数を特定する情報であって、「1階」、又は「2階」である)。ここでは、例えば、各階におけるカメラ2の具体的な設置位置及び撮像方向又は画角等が予め定められており、カメラ2で撮像された画像について画像認識することにより、当該画像中に写っている物の位置を、前述の図面情報が特定する図面上で特定可能となっているものとして説明する。
「台車情報」とは、台車1を特定する台車情報である。図5は、台車情報を例示した図である。「台車情報」は、例えば、項目「台車名情報」、項目「台車ID」、項目「台車位置情報」、及び項目「台車方向情報」と、各項目に対応する情報とが相互に関連付けられている。項目「台車名情報」に対応する情報は、台車の名称を特定する台車名情報である(図5では、図1の台車101の名称を特定する「1号機」、台車102の名称を特定する「2号機」、台車103の名称を特定する「3号機」、及び台車104の名称を特定する「4号機」である)。項目「台車ID」に対応する情報は、前述の台車IDである(図5では前述の「ID101」等)。項目「台車位置情報」に対応する情報は、台車1が設けられている位置を特定する台車位置情報である。なお、この台車位置情報は任意であるが、例えば、図5では、台車が設けられている階数と、当該階数における前述の図面情報が特定する図面上の予め定められた任意の位置を基準とした座標とを用いることとし、階数が1階であり座標が(x11,y11)であることを特定する「1階,(x11,y11)」等を用いることとして、以下説明する。なお、ここでの具体的に記載している座標である「(x11,y11)」等については説明の便宜上の記載であることとする。
制御部52は、サーバ装置5を制御する制御手段である。制御部52は、機能概念的には、例えば、移動部521、取得部522、検出部523、及び移動操作部524を備える。移動部521とは、台車1を移動させる移動手段である。取得部522は、移動部521が台車1を移動させる前後に撮像された台車1が存在し得る対象領域である1階部分901及び2階部分902の画像を取得する取得手段である。検出部523とは、取得部522が取得した台車1を移動させる前後に撮像された1階部分901及び2階部分902の画像の相互間の差分(詳細には、台車1を移動させる前後に撮像された1階部分901の画像の相互間の差分、及び台車1を移動させる前後に撮像された2階部分902の画像の相互間の差分)に基づいて、台車1を検出する検出手段である。移動操作部524は、検出手段の検出結果に基づいて、対象物の移動を操作する移動操作手段である。そして、このような制御部52により行われる各処理については、後述する。
まず、検出処理について説明する。図6は、検出処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。「検出処理」とは、概略的には、サーバ装置5によって実行される処理であり、例えば、台車1を検出する処理である。この検出処理が実行されるタイミングは任意であるが、例えば、ユーザが端末装置4の不図示のタッチパネルを介して図1の台車1の台車名を選択した場合に、当該台車名に対応する台車IDを含む操作信号を端末装置4がサーバ装置5側に送信し、サーバ装置5の制御部52が当該操作信号を通信装置3を介して受信した場合に起動されることとし、当該検出処理が起動したところから説明する。ここでは、例えば、ユーザが端末装置4を介して、図1の台車101~104の台車名である「1号機」~「4号機」を選択した場合に、端末装置4が「ID101」~「ID104」を含む操作信号をサーバ装置5に送信し、当該操作信号をサーバ装置5が受信して検出処理が起動された場合を例示して説明する。
次に、移動処理について説明する。「移動処理」とは、概略的には、サーバ装置5によって実行される処理であり、例えば、検出部523の検出結果に基づいて、台車1の移動を操作する処理である。この移動処理が実行されるタイミングは任意であるが、例えば、図6の検出処理を行うことにより、図5の台車情報における台車位置情報及び台車方向情報が格納された台車IDに対応する台車名を、サーバ装置5が通信装置3を介して端末装置4に送信することにより、端末装置4のユーザに表示して報知するように構成されていることとする。そして、この台車名を確認したユーザが、端末装置4のタッチパネルに表示されている台車名の内の1個の台車名と、台車1の目的地情報を入力した場合に、当該台車名に対応する台車ID及び当該目的地情報を含む移動信号を端末装置4がサーバ装置5側に送信し、サーバ装置5の制御部52が当該移動信号を通信装置3を介して受信した場合に移動処理が起動されることとし、当該移動処理が起動したところから説明する。ここでは、例えば、図1の台車101の台車名である「1号機」、及び「1号機」の移動の目的地を特定する目的地情報として2階部分902の座標である「2階,(x99,y99)」を入力した場合に、端末装置4が「ID101」及び「2階,(x99,y99)」を含む移動信号をサーバ装置5に送信し、当該操作信号をサーバ装置5が受信して移動処理が起動された場合を例示して説明する。
本実施の形態によれば、台車1を移動させる前後に撮像された倉庫900の1階部分901及び2階部分902の画像の相互間の差分(つまり、台車1を移動させる前後の倉庫900の1階部分901の画像の差分、及び台車1を移動させる前後の倉庫900の2階部分902の画像の差分)に基づいて、台車1を検出することにより、例えば、遮蔽物(例えば、柱や設置済資材等)にて台車1の一部が隠れて画像に写っていない場合であっても、台車1を検出することができるので、台車1を確実に検出することが可能となる。また、例えば、台車1に検出用のマーカーやランプ等を設置する作業等を行う必要がないので、台車1を高効率で検出することが可能となる。また、例えば、人により無計画で使用順序に意図・関係がなく、無造作に並べられてしまった台車1を、高効率で確実に検出することが可能となる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。また、本出願における「システム」とは、複数の装置によって構成されたものに限定されず、単一の装置によって構成されたものを含む。また、本出願における「装置」とは、単一の装置によって構成されたものに限定されず、複数の装置によって構成されたものを含む。
実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
また、上記実施の形態の図6のSA2において、所定距離(例えば、10cm程度~30cm程度)だけ前進させるものと説明したが、これに限らない。例えば、所定距離だけ後進させてもよいし、あるいは、10cm程度~30cm程度よりも短い距離だけ移動させてもよいし、あるいは、当該10cm程度~30cm程度よりも長い距離だけ移動させてもよい。
また、上記実施の形態の図6のSA5で台車1を元の位置に戻す場合について説明したが、これに限らない。例えば、SA5を省略してSA2で移動させたままの状態としてもよい。この場合、図10のSB5では、台車1の移動後の位置を台車1の位置として検出してもよい。
また、上記実施の形態の図2のカメラ2として、様々なカメラを用いてもよい。例えば、単眼カメラを用いてもよいし、ステレオカメラを用いてもよいし、RGB-Dカメラを用いてもよい。また、例えば、これらのカメラについては、予め撮像できるモノの大きさをキャリブレーションする事で、台車1に乗っている荷物の大きさ迄認識できる様構成したり、AIによる画像認識で荷物の種類を特定して、建設現場内の物量を把握したりできる様に構成してもよい。
また、上記実施の形態の図10のSB3で行う「移動前対象領域画像」及び「移動後対象領域画像」について行う画像認識は任意であるが、例えば、自動運転システム100が適応される台車1の外形について予め行われる機械学習等により当該台車1の外形に基づいて台車1と他の物とを識別可能なモデルを生成し、生成したモデルを用いて画像認識を行うように処理してもよいし、他の公知の画像認識を行うように構成してもよい。なお、この場合、台車1には荷物8が積載されるが、当該積載される荷物8の形状及びサイズについては予め想定可能であるので、当該荷物8の形状及びサイズも反映してモデルを生成してもよい。また、例えば、台車1の一部が他の台車1又は遮蔽物に隠れてカメラ2の画像に写らないことも考えられるので、このように、台車1の一部が写っていない場合でも台車1であることを画像認識できるように、このような場合も想定して機械学習によってモデルを生成するように構成してもよい。
また、上記実施の形態の図10のSB3及びSB4の処理を任意に変更してもよい。例えば、SB3及びSB4の代わりに、以下の処理を行うように構成してもよい。具体的には、図6のSA2で移動させた距離を記録しておき、SB2で選択した「移動前対象領域画像」及び「移動後対象領域画像」において、当該記録した距離だけ動いた物体が存在するか否かを判定し、記録した距離だけ動いた物体が存在するものと判定した場合に、当該動いた物体を検出対象の台車1であるものと検出し、SB5に移行し、記録した距離だけ動いた物体が存在しないのと判定した場合に、検出対象の台車1を検出せずに、SB6に以降するように構成してもよい。また、このように構成した場合において、例えば、倉庫900には、台車1以外にも様々な装置や人が存在して当該装置や人が移動する場合、SB2で選択した「移動前対象領域画像」及び「移動後対象領域画像」において、当該記録した距離だけ動いた物体が複数存在する場合も考えられるが、この場合、以下の処理を行うように構成してもよい。例えば、複数の物体について画像認識を行って、台車1の外形であるか否かを判定し、台車1の画像であるものと判定した場合に、当該判定した物体を検出対象の台車1であるものと検出するように構成してもよい。あるいは、例えば、図6のSA2及びSA3と同様な処理を行うことにより、台車1を移動させる処理を再度行って、SB2で選択した「移動前対象領域画像」及び「移動後対象領域画像」において、当該記録した距離だけ動いた物体が存在するか否かを判定するように構成してもよい。なお、この台車1を移動させる処理については、記録した距離だけ動いた物体が1個のみ存在するまで、あるいは、記録した距離だけ動いた物体が存在しないのと判定するまで、繰り返し行うこととしてもよい。また、この処理を繰り返し行う場合、SA2で移動させる距離を徐々に長くしたり、あるいは、ランダムに変更したり、あるいは、画像認識できる程度まで徐々に短くしたりしてもよい。
また、上述の「(台車検出処理について(その1))」では、台車1の外形に着目して画像認識を行って処理する場合を説明したが、これに限らない。例えば、台車1の所定位置又は台車1に積載されている荷物(一例としては、単管等)の所定位置にマーカー(つまり、台車検出処理での対象となる台車1であることを示す物)を設けて、画像認識にて当該マーカーを認識して、認識したマーカーに着目して図10のSB3及びSB4の処理を実行してもよい。なお、ここでの「マーカー」としては、任意の物を用いることができるが、例えば、コード情報(二次元コード情報)が付されている媒体(紙面等)を用いてもよいし、あるいは、各台車1に貼付される相互に共通な形状(例えば、三角形、又は、星型等)の媒体を用いてもよいし、又は、前述のコード情報又は共通の形状を台車1に記載し、当該記載されたものをマーカーとして用いてもよい。また、ここでの「マーカー」としては、例えば、任意の形状の立体構造の物を用いてもよく、一例としては、再帰性反射材を塗布した球形状(つまり、ボール状)の物を台車1の任意の位置又は台車1に積載されている荷物(一例としては、単管等)の任意の位置に取り付けて、当該球形状の物をマーカーとして用いてもよい。なお、ここでの立体構造の物に材料(塗料)を塗布するか否か、及び塗布する材料(塗料)は任意であり、例えば、再帰性反射材以外の任意の材料(例えば、蛍光塗料又は蓄光塗料)を塗布してもよく、あるいは、何らの材料も塗布しなくてもよい。
また、上記実施の形態の自動運転システム100について、安全対策を施してもよい。例えば、台車1にスピーカ又は表示灯等を設けて、図6のSA2又はSA5で台車1を移動させる場合に、移動部521が警報信号を台車1に送信することにより、スピーカから警報音を出力したり、表示灯を警報のために発光させたりすることにより、台車1の周辺に対して台車1が移動することを報知して警報してもよい。また、台車1に接触センサーや衝撃センサーを搭載する事で障害物や他の台車、資材との接触を検知してエラーを出して台車1が止まる、と同時に、当該台車1がサーバ装置5に対して異常を返信するように構成してもよい。また、図6のSA2又はSA5で台車1を移動させる前に、移動部521が、カメラ2から受信する画像を画像認識することにより、台車1の周辺領域(例えば、図1の4個の台車1を中心とした半径1m~1.5の領域等)に人が存在するか否かを判定し、存在しないものと判定した場合に、これらの各処理を実行し、人が存在するものと判定した場合、人が存在しなくなるまでこれらの処理を一端停止するように構成してもよい。
また、上記実施の形態の台車1について、端末装置4の入力手段を介するユーザによる運転操作入力に基づいて、ユーザによるマニュアル運転を行えるように構成してもよい。この場合、図6の検出処理で格納した図5の台車情報における台車位置情報及び台車方向情報を、サーバ装置5の制御部52が端末装置4に送信して表示することにより、台車1の存在の有無、存在位置、及び向きをユーザに報知し、ユーザは、この報知された情報に基づいて、遠隔操作するように構成してもよい。この場合、例えば、カメラ2が所定時間間隔で端末装置4に対して撮像した画像を送信するように処理したり、あるいは、サーバ装置5が当該画像を端末装置4に送信するように処理したりして、ユーザが端末装置4側で倉庫900内の様子を視認しながら、台車1を遠隔でマニュアル操作できるように構成してもよい。
また、上記実施の形態の図6の検出処理及び不図示の移動処理を適宜組み合わせたり、一部の処理を変更したりしてもよい。例えば、検出処理を行う前にユーザが任意の台車名を複数個入力し、また、目的地情報を入力した場合に、検出処理を行い、この後に連続して移動処理を行うように構成してもよい。なお、この場合、例えば、複数個の台車名の内の1個の台車名に対応する台車1に関して検出処理及び移動処理を連続して行うように構成してもよい。この場合、例えば、検出対象の台車1が、様々な原因(例えば、他の台車1に隠れて画像に写らない、あるいは、台車1のバッテリーが不足している等)により、検出処理において、全ての画像について図10のSB3の処理にて検出対象の台車1が存在する可能性がないものと判定したり、あるいは、SB4の処理にて差分が存在しないものと判定したりすることも想定される。この場合、認識できた台車1の内、移動先へ動かし易いものから移動を進め、最初に見えていた台車1(画像に写っていた台車1)を全て移動した後に、再度、先程見えなかった台車1(画像に写っていなかった台車1)の認識を試みて、もし見えたら又、同様に移動を開始するという処理を行うように構成してもよい。
また、上記実施の形態の図10のSB4での差分の判定に、検出閾値の概念を採用してもよい。具体的には、例えば、検出閾値として所定距離(例えば、10cm~15cm等)が設定されていることとし、「移動前対象領域画像」について特定した台車1の座標と、「移動後対象領域画像」について特定した台車1の座標との間の距離が検出閾値未満である場合、差分が存在しないものと判定し(SB4のNO)、一方、「移動前対象領域画像」について特定した台車1の座標と、「移動後対象領域画像」について特定した台車1の座標との間の距離が検出閾値以上である場合、差分が存在するものと判定する(SB4のYES)ように処理してもよい。そして、このように構成することにより、例えば、台車1の移動量を用いて台車1を検出することが可能となり、特に、検出閾値を10cmに設定した場合、10cm以上の移動が発生した未知の台車1を、検出することが可能となる。
また、上記実施の形態及び変形例の技術を任意に組み合わせてもよい。
付記1の検出システムは、移動可能な対象物を検出する検出システムであり、前記対象物を移動させる移動手段と、前記移動手段が前記対象物を移動させる前後に撮像された前記対象物が存在し得る対象領域の画像を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記対象物を移動させる前後に撮像された前記対象領域の画像の相互間の差分に基づいて、前記対象物を検出する検出手段と、を備える。
付記1に記載の検出システム、及び付記6の検出プログラムによれば、対象物を移動させる前後に撮像された対象領域の画像の相互間の差分に基づいて、対象物を検出することにより、例えば、遮蔽物(例えば、柱や設置済資材等)にて対象物の一部が隠れて画像に写っていない場合であっても、対象物を検出することができるので、対象物を確実に検出することが可能となる。また、例えば、対象物に検出用のマーカーやランプ等を設置する作業等を行う必要がないので、対象物を高効率で検出することが可能となる。また、例えば、人により無計画で使用順序に意図・関係がなく、無造作に並べられてしまった対象物を、高効率で確実に検出することが可能となる。
2 カメラ
3 通信装置
4 端末装置
5 サーバ装置
8 荷物
11 通信部
12 走行部
13 操舵部
14 記録部
15 制御部
21 カメラ
22 カメラ
51 記録部
52 制御部
100 自動運転システム
101 台車
102 台車
103 台車
104 台車
121 車輪
521 移動部
522 取得部
523 検出部
524 移動操作部
900 倉庫
901 1階部分
902 2階部分
903 エレベータ
Claims (7)
- 移動可能な1個又は複数個の対象物の中から検出する対象となる対象物である検出対象物を検出する検出システムであり、
前記検出対象物を移動させる移動手段と、
前記移動手段が前記検出対象物を移動させる前後に撮像された前記検出対象物が存在し得る対象領域の画像を取得する取得手段であって、前記対象領域を撮像するように前記対象領域側に設置された撮像手段で撮像された画像を取得する前記取得手段と、
前記取得手段が取得した前記検出対象物を移動させる前後に撮像された前記対象領域の画像の相互間の差分に基づいて、前記検出対象物を検出する検出手段と、を備え、
前記移動手段は、前記検出対象物を所定距離だけ前進又は後進させる第1移動処理を行い、
前記取得手段は、
前記移動手段が前記第1移動処理を行う前に撮像された前記対象領域の画像である第1画像と、
前記移動手段が前記第1移動処理を行った後であって、前記第1移動処理が行われてから所定時間経過した後に撮像された前記対象領域の画像である第2画像と、を取得し、
前記検出手段は、前記取得手段が取得した前記第1画像及び前記第2画像の相互間の差分に基づいて、前記検出対象物を検出する、
検出システム。 - 前記移動手段は、前記検出手段が前記検出対象物を検出した後に、前記第1移動処理にて前記検出対象物が移動される前の位置に前記検出対象物を移動させて戻す第2移動処理、を更に行う、
請求項1に記載の検出システム。 - 前記検出手段は、前記対象領域における前記検出対象物の有無を検出する、
請求項1又は2に記載の検出システム。 - 前記検出手段は、前記検出対象物の位置を検出する、
請求項1から3の何れか一項に記載の検出システム。 - 前記検出手段は、前記検出対象物の向きを検出する、
請求項1から4の何れか一項に記載の検出システム。 - 前記検出手段の検出結果に基づいて、前記検出対象物の移動を操作する移動操作手段、を備える、
請求項1から5の何れか一項に記載の検出システム。 - 移動可能な1個又は複数個の対象物の中から検出する対象となる対象物である検出対象物を検出する検出プログラムであり、
コンピュータを、
前記検出対象物を移動させる移動手段と、
前記移動手段が前記検出対象物を移動させる前後に撮像された前記検出対象物が存在し得る対象領域の画像を取得する取得手段であって、前記対象領域を撮像するように前記対象領域側に設置された撮像手段で撮像された画像を取得する前記取得手段と、
前記取得手段が取得した前記検出対象物を移動させる前後に撮像された前記対象領域の画像の相互間の差分に基づいて、前記検出対象物を検出する検出手段と、として機能させ、
前記移動手段は、前記検出対象物を所定距離だけ前進又は後進させる第1移動処理を行い、
前記取得手段は、
前記移動手段が前記第1移動処理を行う前に撮像された前記対象領域の画像である第1画像と、
前記移動手段が前記第1移動処理を行った後であって、前記第1移動処理が行われてから所定時間経過した後に撮像された前記対象領域の画像である第2画像と、を取得し、
前記検出手段は、前記取得手段が取得した前記第1画像及び前記第2画像の相互間の差分に基づいて、前記検出対象物を検出する、
検出プログラム。
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