JP2010076700A - タイヤの輪荷重推定方法及び装置、並びにタイヤの輪荷重推定プログラム - Google Patents

タイヤの輪荷重推定方法及び装置、並びにタイヤの輪荷重推定プログラム Download PDF

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Mitsuhiro Wada
充浩 和田
Masaru Kogure
勝 小暮
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Abstract

【課題】各タイヤの内圧が異なる場合であっても、4輪車両の各輪の輪荷重を正確に且つ低コストで算出することができるタイヤの輪荷重推定方法を提供する。
【解決手段】車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定する方法。前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、車両速度を求める工程と、前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求める工程と、前記車両の各輪の駆動力、各タイヤに設けられた直接式の内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出する工程と、前記車両の質量を求める工程と、前記荷重比を算出する工程で得られた荷重比と前記車両の質量を求める工程で得られた車両質量とから各タイヤの輪荷重を算出する工程とを含んでいる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、タイヤの動荷重半径の変化に基づいて当該タイヤの輪荷重を推定するタイヤの輪荷重推定方法及び装置、並びにタイヤの輪荷重推定プログラムに関する。
近年、車両の安全性を向上させるために、スタビリティコントロールシステムが多用されている。このシステムでは、例えば、特開2000−203300号公報のように旋回中のヨーレート、横加速度等のセンサ情報を得るとともに、車両の質量や荷重の配分を用い、当該車両に搭載されている車両ECUにて旋回限界を計算し、各輪のブレーキ圧やトラクションを電子制御することにより限界を超えないようにしている。
そして、このような従来のシステムでは、前記車両の質量や荷重の配分がデフォルト設定されている。
特開2000−203300号公報
しかしながら、通常は走行中に車両の質量や荷重配分を推定することはできないため、車両に人員や荷物が積み込まれた状態では、デフォルト設定された質量・荷重配分と乖離が生じ、きめ細かな制御ができない惧れがある。
これに対し、走行中の車両の質量や荷重配分を知る方法として、各種のサスストロークを測定するセンサを用いることも考えられるが、多大なコストが掛かるため、現実的ではない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、4輪車両(4輪駆動車)の各輪の輪荷重を正確に且つ低コストで算出することができるタイヤの輪荷重推定方法及び装置、並びにタイヤの輪荷重推定プログラムを提供することを目的としている。
本発明の第1の観点に係るタイヤの輪荷重推定方法は、車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定する方法であって、
前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、
検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、
車両速度を求める工程と、
前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、
この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求める工程と、
前記車両の各輪の駆動力、各タイヤに設けられた直接式の内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出する工程と、
前記車両の質量を求める工程と、
前記荷重比を算出する工程で得られた荷重比と前記車両の質量を求める工程で得られた車両質量とから各タイヤの輪荷重を算出する工程と
を含むことを特徴としている。
本発明の第1の観点に係るタイヤの輪荷重推定方法では、タイヤのドライビングスティフネスが(輪荷重/内圧)に比例することを利用しており、各輪の内圧がそれぞれ異なるような場合であっても、車両質量の各タイヤへの荷重配分比を正確に算出することができ、各輪の輪荷重を正確に算出することができる。
前記車両質量を求める工程において、車両が傾斜角θの路面を走行しているものとし、当該車両の質量をm、車両速度をV、車両加速度をα、車両の全アクスルシャフトトルクをT、タイヤ負荷半径をR、路面の傾斜角をθ、空力抵抗をA、重力加速度をgとしたときに
m(α+gsin(θ))+AV2=T/R
により車両質量を求めることができる。
前後力がゼロであるときの各輪の動荷重半径を求める工程において、当該動荷重半径をDLR、駆動力をFX、スリップ率から求められるドライビングスティフネスをD、車両速度をV、車輪速度をωとしたときに、
FX=D×{1−V/(ωDLR)}
により動荷重半径を求めることができる。
また、本発明のタイヤの輪荷重推定装置は、車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定する装置であって、
前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する車輪回転情報検出手段と、
検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段と、
車両速度を求める車両速度算出手段と、
前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段と、
この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求めるスリップ率算出手段と、
各タイヤの内圧を検出する直接式の内圧検出手段と、
前記車両の各輪の駆動力、前記内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出するタイヤ荷重比算出手段と、
前記車両の質量を求める車両質量算出手段と、
算出された荷重比及び車両質量から各タイヤの輪荷重を算出するタイヤ輪荷重算出手段と
を含むことを特徴としている。
さらに、本発明のタイヤの輪荷重推定プログラムは、車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定するためにコンピュータを、車両の各タイヤの車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段、前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段、この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求めるスリップ率算出手段、前記車両の各輪の駆動力、各タイヤに設けられた直接式の内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出するタイヤ荷重比算出手段、前記車両の質量を求める車両質量算出手段、及び算出された荷重比及び車両質量から各タイヤの輪荷重を算出するタイヤ輪荷重算出手段として機能させることを特徴としている。
本発明のタイヤの輪荷重推定装置及びタイヤの輪荷重推定プログラムにおいても、前記タイヤの輪荷重推定方法と同じく、タイヤのドライビングスティフネスが(輪荷重/内圧)に比例することを利用しており、各輪の内圧がそれぞれ異なるような場合であっても、車両質量の各タイヤへの荷重配分比を正確に算出することができ、各輪毎の輪荷重を正確に算出することができる。
本発明の第2の観点に係るタイヤの輪荷重推定方法は、車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定する方法であって、
前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、
検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、
車両速度を求める工程と、
前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、
この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求める工程と、
前記車両の各輪の制動力、各タイヤに設けられた直接式の内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出する工程と、
前記車両の質量を求める工程と、
前記荷重比を算出する工程で得られた荷重比と前記車両の質量を求める工程で得られた車両質量とから各タイヤの輪荷重を算出する工程と
を含むことを特徴としている。
本発明の第2の観点に係るタイヤの輪荷重推定方法においても、タイヤのドライビングスティフネスが(輪荷重/内圧)に比例することを利用しており、各輪の内圧がそれぞれ異なるような場合であっても、車両質量の各タイヤへの荷重配分比を正確に算出することができ、各輪の輪荷重を正確に算出することができる。
本発明のタイヤの輪荷重推定方法及び装置、並びにタイヤの輪荷重推定プログラムによれば、各タイヤの内圧が異なる場合であっても、4輪車両の各輪の輪荷重を正確に且つ低コストで算出することができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明のタイヤの輪荷重推定方法(以下、単に「推定方法」ともいう)及び装置(以下、単に「推定装置」ともいう)、並びにタイヤの輪荷重推定プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
図1に示されるように、本発明の一実施の形態に係る推定装置は、車両のエンジンの駆動トルクが前軸と後軸とにそれぞれ配分される比率を制御する駆動制御装置を搭載する4輪車両(4輪駆動車)に備えられた4つのタイヤFL(左前輪)、FR(右前輪)、RL(左後輪)及びRR(右後輪)の各輪荷重を推定するものであり、タイヤの車輪回転情報を検出するため、各タイヤに関連して設けられた通常の車輪速度検出手段(車輪回転情報検出手段)1を備えている。前記駆動制御装置は、車両の走行性(運動特性)を向上させるものであり、前後のトルク配分率は、電子制御式のものであればCAN(Control Area Network)などの通信により知ることができる。また、機械式のものであっても、その特性を理解すれば、車両の走行状態からある程度予測することができる。例えば、エンジンのトルクによって前後のトルク配分がほぼ決定されるものであれば、エンジンのトルクを入手することでトルク配分を推測することができる。
前記車輪速度検出手段1としては、電磁ピックアップなどを用いて回転パルスを発生させてパルスの数から回転角速度及び車輪速度を測定するための車輪速センサ又はダイナモのように回転を利用して発電を行い、この電圧から回転角速度及び車輪速度を測定するためのものを含む角速度センサなどを用いることができる。前記車輪速度検出手段1の出力は、ABSなどのコンピュータである制御ユニット2に与えられる。この制御ユニット2には、車両速度算出手段を構成するGPS装置3、及び後述する直接式内圧センサからの内圧信号を受信する装置4aが接続されている。また、各タイヤFL、FR、RL、RRには、当該タイヤの内圧を直接検出することができる直接式の内圧センサ(内圧検出手段)4が設けられている。
制御ユニット2は、図2に示されるように、外部装置との信号の受け渡しに必要なI/Oインターフェース2aと、演算処理の中枢として機能するCPU2bと、このCPU2bの制御動作プログラムが格納されたROM2cと、前記CPU2bが制御動作を行う際にデータなどが一時的に書き込まれたり、その書き込まれたデータが読み出されたりするRAM2dとから構成されている。なお、図2において、3aはGPSアンテナである。
前記車輪速度検出手段1では、タイヤの回転数に対応したパルス信号(以下、「車輪速パルス」ともいう)が出力される。また、CPU2bでは、車輪速度検出手段1から出力された車輪速パルスに基づいて、所定のサンプリング周期ΔT(sec)、例えばΔT=0.05秒毎に各タイヤの回転角速度が算出される。
前記車両速度は、例えばGPS速度計を利用して得ることができる。カーナビゲーションの普及によりGPS装置が多くの車両に取り付けられるようになっている。このことでGPS装置による測位技術も向上し、現在では速度を算出することに特化した装置(英国Race Logic社製のGPS式速度計VBOX(商品名))も販売されている。かかるGPS情報を用いた速度計による算出速度を車両速度として利用することができる。なお、GPS装置により得られる車両の絶対速度以外に、例えば対地速度などの異なる方法で得られる車両の絶対速度を用いることができる。
本実施の形態に係る推定装置は、車輪速度検出手段(車輪回転情報検出手段)1と、検出された車両の各タイヤの車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段と、車両速度を求めるGPS速度計と、車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段と、この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求めるスリップ率算出手段と、各タイヤの内圧を検出する直接式の内圧検出手段と、前記車両の各輪の駆動力、前記内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出するタイヤ荷重比算出手段と、前記車両の質量を求める車両質量算出手段と、算出された荷重比及び車両質量から各タイヤの輪荷重を算出するタイヤ輪荷重算出手段とから構成されている。そして、タイヤの輪荷重推定プログラムは、前記制御ユニット2を、車輪速度算出手段、動荷重半径算出手段、スリップ率算出手段、タイヤ荷重比算出手段、車両質量算出手段及びタイヤ輪荷重算出手段として機能させる。
走行中の車両のタイヤ動荷重半径(DLR)は、車両の絶対速度(V)とタイヤの回転角速度(ω)との関係から、V=DLR×ωにより算出することができる。
本実施の形態では、GPSから算出される車両速度(V)とタイヤの回転速度(ω)から得られる各輪のタイヤ動荷重半径(DLR)からスリップ率(slp)を算出し、さらに、このスリップ率(slp)と各輪の駆動力(FX)からドライビングスティフネス(単位スリップ率時の駆動力)(D)を算出し、これらから、各輪の輪荷重を算出している。
より詳細には、(1)まず、車輪速度検出手段1の出力信号(パルス信号)に基づいて、次の式(1)により各タイヤの回転角速度(ω)を算出する。
回転角速度(ω)=2π×Freq(Hz)/N(個)・・・・・(1)
ここに、Nは車輪速度検出手段1の車軸1回転あたりの歯数であり、Freq(Hz)は、その車輪速度検出手段1の歯が1秒あたりにカウントされた数値である。
(2)一方、GPS速度計より車両速度(V)を求める。この車両速度(V)はシリアルデータとして直接制御ユニット2に出力される。なお、前記回転角速度(ω)の算出時刻と車両速度(V)の算出時刻のいずれか一方について、他方と同時刻での数値を内挿計算し、互いに同時刻での数値を算出して同期化を行い、例えば50msec毎のデジタルデータとして制御ユニット2に取り込むことができる。この50msec毎のデジタルデータから動荷重半径を50msec毎に算出し、例えば1秒毎の平均値として算出することができる。
(3)得られた回転角速度(ω)及び車両速度(V)から、DLR=V/ωによりタイヤ動荷重半径(DLR)を算出する。
なお、タイヤ動荷重半径は、加減速、旋回、坂道走行など、タイヤの内圧低下以外の要因によっても変化することから、車両の走行状態を限定(平坦路を一定速度で直進している走行状態に限定)し、かかる状態のときに得られたデータを有効データとして採用するのが好ましく、こうして他の要因によるタイヤ動荷重半径の変化をタイヤ輪荷重推定用のデータから排除することで、正確なタイヤ輪荷重を推定することができる。
具体的には、走行条件が、定速度走行、平坦路走行、直線走行などの条件を満たすかどうかをそれぞれの判定条件と比較し、実際の走行中に得られたデータが基準値設定用のデータに適したデータであるかどうかの判定を行い、不適切なデータである場合は基準値設定用のデータとして使用せずに排除する。判定条件としては、例えば車両の前後方向|G|<0.05G、方位変化1度以下、路面勾配5%以下、ブレーキを踏んでいないこと、とすることができる。
(4)ついで、得られた各タイヤの動荷重半径(DLR)と、車両の全駆動力(FX ALL)がゼロのときの動荷重半径(DLR0)から、以下の式(2)に従い、スリップ率(slp)を算出する。
slp=(DLR0−DLR)/DLR0・・・・・・(2)
(5)また、全駆動力は、車両の全アクスルシャフトトルク(T)を得ることができれば、タイヤの負荷半径(R)から、以下の式(3)により算出することができる。
FX ALL=T/R・・・・・・(3)
(6)一方、ドライビングスティフネス(D)は、スリップ率に対する駆動力の比例定数であり、FX=D×slpで表すことができる。
ここで、ドライビングスティフネスは、タイヤの接地形状と関係しており、タイヤの接地面積をS、単位面積当たりの前後剛性をGとすると、D=G×Sで近似させることができる。
さらに、接地面積Sは、タイヤの荷重(FZ)、タイヤ内圧(IP)に比例するので、比例定数をpとすると、S=p×FZ/IPと表すことができる。
以上より、各輪の駆動力は、添え字1、2、3、4をそれぞれFL(左前輪)、FR(右前輪)、RL(左後輪)及びRR(右後輪)とすると、4輪駆動車の場合、駆動力前後配分(AWDP)=前軸駆動力/全駆動力が分かっておれば、
FX1=AWDP×FX ALL/2=pG(FZ1/IP1)slp1・・・・・・(4)
FX2=AWDP×FX ALL/2=pG(FZ2/IP2)slp2・・・・・・(5)
FX3=(1−AWDP)×FX ALL/2=pG(FZ3/IP3)slp3・・・(6)
FX4=(1−AWDP)×FX ALL/2=pG(FZ4/IP4)slp4・・・(7)
と表すことができる。
なお、駆動力前後配分(AWDP)は、前述したように、電子制御式の駆動制御装置を備えておれば、CANなどの通信により知ることができる。
FL(左前輪)を基準輪とすると、式(4)〜(7)より、当該FL(左前輪)に対するFR(右前輪)、RL(左後輪)及びRR(右後輪)の荷重比は、次の式(8)〜(10)により表すことができる。
FZ2/FZ1=(IP2/IP1)(slp1/slp2)・・・・・・(8)
FZ3/FZ1={(1−AWDP)/AWDP}(IP3/IP1)(slp1/slp
3)・・・・・・(9)
FZ4/FZ1={(1−AWDP)/AWDP}(IP4/IP1)(slp1/slp
4)・・・・・・(10)
したがって、式(2)により求めたスリップ率slp1〜4と、各タイヤに設けられた直接式の圧力センサ(タイヤ内圧検出手段)から得られる各タイヤの内圧IP1〜4とから、各輪荷重比を式(8)〜(10)により求めることができる。
(7)また、車両の全質量(推定質量)を、車両の加速度、速度及び傾斜角を用いて算出する。すなわち、CAN情報である車両のアクスルシャフトトルクと、GPSから算出される速度、そこから算出される加速度、及び坂道の傾斜角を用いて、以下の式(11)から車両質量mを算出することができる。
m(α+gsin(θ))+AV2=T/R・・・・・・(11)
ここに、Tは全アクスルシャフトトルク、Rはタイヤ負荷半径、gは重力加速度、Vは車両速度、Aは空力抵抗、αは車両加速度である。
θは車両が走行している坂道の傾斜角であり、このθは、車両の平面速度をVxy(=V)、鉛直方向速度をVzとすると、θ=arctan(Vz/Vxy)で表され、また、車両加速度αはα=dVxy/dt/sinθで表される。
以上より、車両質量m及び空力抵抗Aを回帰にて算出することができる。
(8)こうして算出された車両質量mと、式(8)〜(10)により求めた各輪荷重比とから、各タイヤの輪荷重を算出(推定)することができる。
つぎに本発明の推定方法の実施例を説明するが、本発明はもとよりかかる実施例のみに限定されるものではない。
[実施例]
車両に装着された各タイヤの回転角速度を得るために、ABS制御に利用する回転速度情報を用いて、回転角速度に換算した。また、車両の絶対速度を得るためにVBOX(商品名。英国Race Logic社製GPS速度計)を車両に取り付け、さらに各タイヤの内圧を直接検出するためにエアーインスペクタ(商品名。キャン・コーポレーション社製直接式内圧センサ)をタイヤに取り付けた。車両の速度及び各タイヤの内圧は、シリアルデータとして直接PC(パーソナルコンピュータ)に出力され、この車両速度情報、タイヤ内圧情報、前記回転速度情報、前後駆動力配分情報及び車両のアクスルシャフトトルク情報を50msec毎にデジタルデータとして同期してPCに取り込めるようにした。そして、車両速度情報及び回転速度情報からタイヤ動荷重半径を50msec毎に計算し、1秒毎の平均値として算出した。
4WD車にタイヤ(215/45R17 SP9000)を装着して、以下の4つのケースについて住友ゴム工業株式会社の岡山テストコースにおいて実車テストを行った。
テスト条件は、以下の通りあった。なお、駆動力の前後配分=45(前):55(後)であった。
テスト条件
1名乗車の場合と、さらに荷重を搭載した場合(積車)について評価を行った。荷重としては、前席(90kg)、後席(100kg)及びトランク(100kg)の合計290kgとした。そして、前輪及び後輪の内圧をそれぞれ表1に示されるように変更して、評価を行った。基準内圧は、前輪:230kPa、後輪:210kPaとした。
[評価]
各タイヤの動荷重半径と、車両の全駆動力(FX ALL)がゼロのときの動荷重半径(R0)から、前記式(2)に従い、スリップ率(slp)を算出した。また、前記式(8)〜(10)で求めた輪荷重比及び前記式(11)で求めた車両質量を用いて、各輪の輪荷重(推定輪荷重)を算出した。結果を表1に示す。また、実際の輪荷重と推定輪荷重との差を表1に示す。
Figure 2010076700
表1より分かるように、本発明の推定方法により推定(算出)された各輪の輪荷重の誤差(推定輪荷重と実際の輪荷重との差)は20〜30kg程度、すなわち誤差{(推定輪荷重−実際の輪荷重)×100/実際の輪荷重}は±数%程度であり、充分に車両制御に使用できる精度であった。
なお、以上の実施の形態では、4輪駆動車を例にとって説明しているが、本発明は、これに限定されるものではなく、2輪駆動車に対しても適用が可能である。すなわち、2輪駆動車の場合、駆動力が作用するのは2輪だけであるが、制動力(ブレーキを踏んだとき)は4輪に作用する。したがって、この制動力を、例えば各輪のブレーキ力などから知ることができれば、前述した計算において、「駆動力」に代えて「制動力」を用いることで、前述した計算が可能となる。
本発明の推定装置の一実施の形態を示すブロック図である。 図1に示される推定装置の電気的構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 車輪速度検出手段
2 制御ユニット
2a インターフェース
2b CPU
2c ROM
2d RAM
3 GPS装置
3a GPSアンテナ
4 直接式内圧センサ
4a 内圧センサ信号受信装置

Claims (6)

  1. 車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定する方法であって、
    前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、
    検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、
    車両速度を求める工程と、
    前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、
    この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求める工程と、
    前記車両の各輪の駆動力、各タイヤに設けられた直接式の内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出する工程と、
    前記車両の質量を求める工程と、
    前記荷重比を算出する工程で得られた荷重比と前記車両の質量を求める工程で得られた車両質量とから各タイヤの輪荷重を算出する工程と
    を含むことを特徴とするタイヤの輪荷重推定方法。
  2. 前記車両質量を求める工程において、車両が傾斜角θの路面を走行しているものとし、当該車両の質量をm、車両速度をV、車両加速度をα、車両の全アクスルシャフトトルクをT、タイヤ負荷半径をR、路面の傾斜角をθ、空力抵抗をA、重力加速度をgとしたときに
    m(α+gsin(θ))+AV2=T/R
    により車両質量を求める請求項1〜2のいずれかに記載のタイヤの輪荷重推定方法。
  3. 前後力がゼロであるときの各輪の動荷重半径を求める工程において、当該動荷重半径をDLR、駆動力をFX、スリップ率から求められるドライビングスティフネスをD、車両速度をV、車輪速度をωとしたときに、
    FX=D×{1−V/(ωDLR)}
    により動荷重半径を求める請求項1又は2に記載のタイヤの輪荷重推定方法。
  4. 車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定する装置であって、
    前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する車輪回転情報検出手段と、
    検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段と、
    車両速度を求める車両速度算出手段と、
    前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段と、
    この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求めるスリップ率算出手段と、
    各タイヤの内圧を検出する直接式の内圧検出手段と、
    前記車両の各輪の駆動力、前記内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出するタイヤ荷重比算出手段と、
    前記車両の質量を求める車両質量算出手段と、
    算出された荷重比及び車両質量から各タイヤの輪荷重を算出するタイヤ輪荷重算出手段と
    を含むことを特徴とするタイヤの輪荷重推定装置。
  5. 車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定するためにコンピュータを、車両の各タイヤの車輪回転情報から車輪速度を算出する車輪速度算出手段、前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める動荷重半径算出手段、この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求めるスリップ率算出手段、前記車両の各輪の駆動力、各タイヤに設けられた直接式の内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出するタイヤ荷重比算出手段、前記車両の質量を求める車両質量算出手段、及び算出された荷重比及び車両質量から各タイヤの輪荷重を算出するタイヤ輪荷重算出手段として機能させることを特徴とするタイヤの輪荷重推定プログラム。
  6. 車両に装着された車輪の回転速度に基づいて当該車両に装着されたタイヤの輪荷重を推定する方法であって、
    前記車両の各タイヤの車輪回転情報を検出する工程と、
    検出した車輪回転情報から車輪速度を算出する工程と、
    車両速度を求める工程と、
    前記車輪速度及び車両速度から各タイヤの動荷重半径を求める工程と、
    この動荷重半径を用いて各タイヤのスリップ率を求める工程と、
    前記車両の各輪の制動力、各タイヤに設けられた直接式の内圧検出手段から得られるタイヤ内圧及び前記スリップ率を用いて基準タイヤに対する他のタイヤの荷重比を算出する工程と、
    前記車両の質量を求める工程と、
    前記荷重比を算出する工程で得られた荷重比と前記車両の質量を求める工程で得られた車両質量とから各タイヤの輪荷重を算出する工程と
    を含むことを特徴とするタイヤの輪荷重推定方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101229308B1 (ko) 2011-01-19 2013-02-04 성균관대학교산학협력단 차량의 하중 측정 장치, 하중 측정 방법 및 그 기록 매체
CN109414968A (zh) * 2017-12-29 2019-03-01 深圳配天智能技术研究院有限公司 轮胎监测方法、滑移率计算装置、系统、车辆、存储装置

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