JP4802738B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents
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Description
この従来装置では、パワーシリンダの両油圧室相互間をバイパスすると共にリザーバに接続されたバイパス通路を、開閉弁であるポペット弁を用いて開閉する。このとき、パワーシリンダの各油圧室の差圧に応じてポペット弁の弁体を押圧することで、一方の油圧室からリザーバへのバイパス通路を連通し、他方の油圧室からリザーバへのバイパス通路を遮断する。このようにしてパワーシリンダの各油圧室内の作動油を、バイパス通路を介してリザーバへ排出している。
前記背圧弁の設定圧を高く設定すれば、上記問題は起こりにくいが、この場合にはステアリング中立付近の摩擦感が悪化し、運転者の操舵感に悪影響を及ぼすという別の問題が発生する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図であり、ステアリングシャフト2の上端部にステアリングホイール4が連結され、ステアリングシャフト2の下端部にピニオンシャフト6が連結されている。ピニオンシャフト6の下端部に設けたピニオンには車幅方向に配設したラック8が噛合しており、運転者が操舵したステアリングホイール4の回転運動が、操舵力としてラック8の直進運動(並進運動)に変換される。そして、ラック8の車幅方向の内方の端部に、パワーステアリング機構10のパワーシリンダ12が連結されている。
また、コントローラ36には、車両に搭載された車速センサ40から車速V、操舵角検出手段としての操舵角センサ41から操舵角θh、電動モータ30からモータ位置θfが入力され、これら入力した操舵トルクTq,車速V,操舵角θh,モータ位置θfに基づいて電動モータ30やフェールセーフバルブ34に指令信号を出力する。
符号26a〜26dは、第1及び第2シリンダ室18,20及びオイルポンプ28を接続する油圧管である。符号32a,32a´,32b,32b´は油圧管26bと26cとを連通するバイパス管である。符号60a,60b,60cはオイルポンプ28へ油を供給すると共に、ドレンされた油を貯留するリザーバタンクである。また、62a,62bはオイルポンプ28により油圧が発生した場合は閉じ、負圧が生じた場合は開放するチェック弁である。
リターンチェック弁64は、図3(a)に示すように、第1リターンチェック弁64aと、第2リターンチェック弁64bと、フリーピストン70とから構成されている。
第1リターンチェック弁64aには、油圧管26a,26bとの接続ポートを有する第1油圧室74aと、ドレン油路68とバイパス油路32a'との接続ポートを有する第1ピストン室76aが設けられている。これら第1油圧室74aと第1ピストン室76aとは、リターンスプリング72aによってリターンチェック弁64の中央方向に付勢されたピストン75aにより画成されている。
モータ回転数演算部43では、電動モータ30から得られるモータ位置θfの変化量に基づいて、モータ回転数ωを算出する。
モータ回転加速度演算部44では、モータ回転数演算部43で算出したモータ回転数ωに基づいて、モータ回転加速度Sを算出する。
次に、コントローラ36のフリーピストン動作判定部46で実行されるフリーピストン動作判定処理について、図5に示すフローチャートをもとに説明する。このフリーピストン動作判定処理は、所定時間(例えば、10msec)毎のタイマ割込み処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた結果が随時記憶装置に更新記憶されるとともに、必要な情報やプログラムは随時記憶装置から読み込まれるものとする。
ステップS2で、コントローラ36は、ハンドル切り返し信号Reが、ハンドル切り返し動作が行われたことを意味する“1”にセットされているか否かを判定する。そして、Re=0であるときには、ハンドル切り返し動作が行われていないと判断してステップS3に移行する。
また、前記ステップS2で、コントローラ36がRe=1であると判定したときには、ステップS4に移行して、ハンドル切り返し信号Reの前回値が“0”であったか否かを判定する。
ステップS7では、コントローラ36は、切り返しからの舵角変化量|θr−θh|が所定の舵角変化量閾値θth(例えば、10deg)より大きいか否かを判定する。そして、|θr−θh|≦θthであるときには前記ステップS3に移行し、|θr−θh|>θthであるときにはステップS8に移行する。
次に、コントローラ36のモータ回転制限部47で実行されるモータ回転制限処理について、図6に示すフローチャートをもとに説明する。このモータ回転制限処理は、所定時間(例えば、10msec)毎のタイマ割込み処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた結果が随時記憶装置に更新記憶されるとともに、必要な情報やプログラムは随時記憶装置から読み込まれるものとする。
次にステップS12で、コントローラ36は、動作判定フラグMvが、フリーピストン70が動作したことを意味する“1”にセットされているか否かを判定し、Mv=0であるときにはステップS13に移行する。
一方、前記ステップS12で、コントローラ36がMv=1であると判定したときには、ステップS14に移行し、動作判定フラグMvの前回値が“0”であったか否かを判定する。そして、動作判定フラグMvの前回値が“0”であったと判定した場合には、ステップS15に移行してフリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶し、ステップS16に移行する。また、前記ステップS14で、コントローラ36が、動作判定フラグMvの前回値が“1”であったと判定した場合には、そのままステップS16に移行する。
次にステップS17で、カウント値Tが所定の継続時間Tth(例えば、200ms)に相当する設定値T1より大きいか否かを判定する。そして、T>T1であるときには、モータ駆動の制限を終了するものと判断して前記ステップS13に移行し、T≦T1であるときには、ステップS18に移行する。
モータ回転数ゲイン算出マップは、横軸にモータ回転数(ωv−ω)、縦軸にゲインGωをとり、モータ回転数(ωv−ω)が0[rpm]から1000[rpm]まではGω=0.5に固定され、モータ回転数(ωv−ω)が1000[rpm]以上の領域では、モータ回転数(ωv−ω)が大きくなるほどゲインGωが0.5から0まで比例的に小さくなるように設定されている。
Ta´=Ta×Gω×GS ………(1)
次に、本発明における第1の実施形態の動作について図7に示すタイムチャート及び図8に示すパワーステアリング機構10の油の流れをもとに説明する。この図7において、(a)は操舵角θh、(b)は舵角変化量|θr−θh|、(c)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(d)は操舵トルクTq、(e)はモータ回転数ω、(f)はモータ駆動制限処理の状態である。
これに対して、本実施形態では、フリーピストン70が動作したと判断したときには、モータ駆動制限値Ta´を用いてモータ駆動力を制限して第1シリンダ室18の油圧上昇を抑制する。したがって、フリーピストン70の動作後に操舵トルクTqが急低下することを抑制することができるので、フリーピストン70の動作前後におけるハンドル操舵力の急変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。
また、フリーピストン動作時には、モータ回転数及びモータ回転加速度が所定値以上とならないように、モータ駆動制限量を設定するので、油圧の上昇の原因となるモータ回転数及びその変化量を制限することができ、フリーピストン動作時の操舵力変動の原因となる油圧の急上昇を積極的に抑制することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、モータ回転数ω及びモータ回転加速度Sが所定範囲内となるようにモータ駆動制限量を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モータ回転数ω及びモータ回転加速度Sの少なくとも一方が所定範囲内となるようにモータ駆動制限量を設定してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態で、フリーピストンの動作判断をハンドル切り返し後の舵角変化量に基づいて行っているのに対し、フリーピストンに設置したスイッチの電気信号に基づいて行うようにしたものである。
また、第2の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図11に示すように、フリーピストン動作判定部46を、スイッチ50から入力されるフリーピストン動作信号Fpに基づいてフリーピストン70が動作したか否かを判定するフリーピストン動作判定部46’に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。
フリーピストン70の車幅方向端部には、夫々壁に接したときにON信号を出力する電気接点70a,70bを設ける。具体的には、フリーピストン70が車幅方向左側(図10における右側)に移動し、フリーピストン70の車幅方向左側端部に設置された電気接点70bがピストン75bに接した場合には、車幅方向左右のON/OFF状態(R/L)は、(R/L)=(OFF/ON)となる。また、フリーピストン70が車幅方向右側(図10における左側)に移動し、フリーピストン70の車幅方向右側端部に設置された電気接点70aがピストン75aに接した場合には、(R/L)=(OFF/ON)となる。
そして、フリーピストン動作判定部46’では、フリーピストン動作信号Fpとハンドル切り返し判断部45から出力されるハンドル切り返し信号Reとに基づいて、フリーピストン70が動作したか否かを判定する。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧が第1シリンダ室18の油圧に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触する。そのため、スイッチ50から(R/L)=(ON/OFF)となるフリーピストン動作信号Fpがフリーピストン動作判定部46’に出力される。このとき、運転者による切り返し動作が行われていないため、Re=0である。したがって、フリーピストン動作判定部46’ではフリーピストン70は動作していないと判定されて、フリーピストン70の動作判定フラグMv=0が出力されるため、モータ回転制限部47で、モータ駆動制限処理を作動しないと判断される。
そして、ステアリングホイール4が中立位置から左回転を始めると、オイルポンプ28の駆動方向が切り替わることにより、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧が低下する。この第2シリンダ室20の油圧が第1シリンダ室18の油圧より低くなると、フリーピストン70が移動してピストン75aと離間すると共にピストン75bと接触する。このとき、スイッチ50から(R/L)=(OFF/ON)となるフリーピストン動作信号Fpがフリーピストン動作判定部46’に出力されるため、フリーピストン動作判定部46’でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。その結果、モータ回転制限部47で算出されるモータ駆動制限値Ta´に応じてモータ駆動が制限される。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図12に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、ポンプ流量演算部52と、油圧・流量演算部53と、左右シリンダ油圧推定部54とを追加し、フリーピストン動作判定部46を第1シリンダ室18と第2シリンダ室20との油圧差に基づいてフリーピストン70の動作判定を行うフリーピストン動作判定部46”に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
油圧・流量演算部53では、ポンプ流量演算部52から得られるポンプ流量Qと、ハンドル切り返し判断部45から得られるハンドル切り返し信号Reとか入力され、ハンドル切り返し時のポンプ流量及びシリンダ圧、すなわちRe=1となった瞬間のポンプ流量Qreとシリンダ圧Preとを記憶する。
フリーピストン動作判定部46”では、左右シリンダ油圧推定部54から得られる高圧側シリンダ油圧Ph及び低圧側シリンダ油圧Plが入力され、高圧側シリンダ油圧Phと低圧側シリンダ油圧Plとの差が0の場合に、フリーピストン70が動作していると判定する。そして、フリーピストン70が動作していると判定した場合には動作判定フラグMvを“1”にセットし、フリーピストン70が動作していないと判定した場合には動作判定フラグMvを“0”にリセットする。
次に、本発明における第3の実施形態の動作について、図13に示すタイムチャートをもとに説明する。この図13において、(a)は操舵角θh、(b)は左右シリンダ圧差Ph−Pl、(c)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(d)はモータ回転数ω、(e)はモータ駆動制限処理の状態である。
そして、時刻22で、ステアリングホイール4が中立位置から左回転を始めると、オイルポンプ28の駆動方向が切り替わることにより(図13(d))、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18の油圧が上昇し始める。このとき第2シリンダ室20の油圧は低下を続ける。低圧側シリンダ油圧Pl(第1シリンダ室18の油圧P1)の上昇量はモータ回転数ωに依存し、その上限は背圧弁66の設定圧PSETとなる。また、高圧側シリンダ油圧Ph(第2シリンダ室20の油圧P2)の低下量は、オイルポンプ28の流量変化すなわちハンドル切り返し時からのモータ回転数ωの変化量に依存する。
なお、上記第3の実施形態においては、第1シリンダ室の油圧と第2シリンダ室の油圧との差が0であるときに、フリーピストン70が動作していると判定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、前記油圧差が所定値(例えば、0.2Mpa)以下の場合にフリーピストン70が動作していると判定するようにしてもよい。
この第4の実施形態は、前述した第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を制限処理開始からの経過時間に応じて変化させるようにしたものである。
第4の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図14に示すように、図11に示す前述した第2の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、モータ回転制限部47を、モータ駆動制限処理開始からの経過時間に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部55に置換したことを除いては、前述した第2の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第2の実施形態と同様の構成を有する部分には第2の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第2の実施形態に適用する場合について説明したが、第1又は第3の実施形態に適用することでもできる。
タイマー部55Aは、フリーピストン動作判定部46’から得られるフリーピストン70の動作判定フラグMvが入力され、Mv=1となった瞬間からの経過時間をカウントする。
電流制限量演算部55Cは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
次に、このモータ回転制限部55で実行するモータ回転制限処理について、図15に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS17を削除し、ステップS18の後にタイマーカウンタゲインGtを算出するステップS21を追加し、ステップS19を、タイマーカウンタゲインGtを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS22に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
タイマーカウンタゲイン算出マップは、横軸にカウント値T、縦軸にゲインGtをとり、カウント値Tが0のときGt=1に設定され、カウント値Tが0から所定の継続時間Tth(例えば、200ms)に相当する設定値T1までの領域では、カウント値Tが大きくなるほどゲインGtが1から0まで比例的に小さくなるように設定され、カウント値Tが設定値T1より大きい領域ではGt=0に設定されている。
Ta´=Ta×Gω×GS×Gt ………(2)
次に、本発明における第4の実施形態の動作について、図16に示すタイムチャートをもとに説明する。この図16において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ω、(e)はモータ駆動制限量である。
タイマーカウンタゲイン算出マップは、カウント値Tが大きいほどゲインGtが小さく算出されるように設定されているため、モータ駆動制限処理開始から時間が経過するにつれてゲインGtは1より小さく算出される。そのため、モータ駆動制限値Ta´も小さく算出されてモータ駆動制限量は100%より小さくなる。
このように、上記第4の実施形態では、モータ駆動制限処理開始からの経過時間に応じて制限量を徐々に減少させるので、モータ駆動制限処理終了後の操舵力の変動を抑制することができ、より運転者の違和感を抑制することができる。
この第5の実施形態は、前述した第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を制限処理開始からの舵角変化量に応じて変化させるようにしたものである。
第5の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図17に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、モータ回転制限部47を、モータ駆動制限処理開始からの舵角変化量に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部56に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第1の実施形態に適用する場合について説明したが、第2又は第3の実施形態に適用することでもできる。
舵角変化量演算部56Aは、フリーピストン動作判定部46から得られるフリーピストン70の動作判定フラグMvと、操舵角センサ11から得られる操舵角θhとが入力され、Mv=1となった瞬間からの舵角変化量を算出する。
電流制限量演算部56Cは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
次に、このモータ回転制限部56で実行するモータ回転制限処理について、図18に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15をフリーピストン動作時のモータ回転数ωv及び舵角θvを記憶するステップS31に置換し、ステップS16及びS17を削除し、ステップS18の後に舵角変化量ゲインGθを算出するステップS32を追加し、ステップS19を、舵角変化量ゲインGθを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS33に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS32では、コントローラ36は、フリーピストン70が動作した瞬間からの舵角変化量|θv−θh|をもとに舵角変化量ゲイン算出マップを参照して舵角変化量ゲインGθを算出する。
Ta´=Ta×Gω×GS×Gθ ………(3)
次に、本発明における第5の実施形態の動作について、図19に示すタイムチャートをもとに説明する。この図19において、(a)は操舵角θh、(b)は舵角変化量|θv−θh|、(c)はモータ駆動制限量、(d)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2である。
舵角変化量ゲイン算出マップは、舵角変化量|θv−θh|が大きいほどゲインGθが小さく算出されるように設定されているため、モータ駆動制限処理開始から運転者による操舵操作が進行するにつれてゲインGθは1より小さく算出される。そのため、モータ駆動制限値Ta´も小さく算出されてモータ駆動制限量は100%より小さくなる。
このように、上記第5の実施形態では、モータ駆動制限処理開始からの舵角変化量に応じて制限量を徐々に減少させるので、モータ駆動制限処理開始後に運転者による急操舵が行われて舵角変化量が急増した場合に、不必要な油圧制限が続くことを防止することができる。
この第6の実施形態は、第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を制限処理開始からのパワーシリンダの左右シリンダ圧差に応じて変化させるようにしたものである。
第6の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図20に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、フリーピストン動作判定部46を、図12に示す前述した第3の実施形態におけるフリーピストン動作判定部46”に置換し、モータ回転制限部47をモータ駆動制限処理開始からのパワーシリンダ12の第1及び第2シリンダ室の油圧差に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部57に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第3の実施形態に適用する場合について説明したが、第1又は第2の実施形態に適用することでもできる。
左右シリンダ圧差演算部57Aは、フリーピストン動作判定部46”から得られるフリーピストン70の動作判定フラグMvと、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18の油圧と第2シリンダ室20の油圧とを夫々検出する左右シリンダ圧センサから得られる第1シリンダ室18の油圧Prと第2シリンダ室20の油圧Plとが入力され、Mv=1となった後の左右シリンダ圧差を算出する。
電流制限量演算部57Cは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
次に、このモータ回転制限部57で実行するモータ回転制限処理について、図21に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15をフリーピストン動作時のモータ回転数ωv及び左右シリンダ圧Prl,Prrを記憶するステップS41に置換し、ステップS16及びS17を削除し、ステップS18の後に油圧差ゲインGpを算出するステップS42を追加し、ステップS19を、油圧差ゲインGpを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS43に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS42では、コントローラ36は、フリーピストン70が動作した後の左右シリンダ圧差をもとに油圧差ゲイン算出マップを参照して油圧差ゲインGpを算出する。
油圧差ゲイン算出マップは、横軸に左右シリンダ圧差、縦軸にゲインGpをとり、油圧差が0から所定値ΔP1(例えば、0.8Mpa)までの領域ではGp=1に設定され、油圧差がΔP1からΔP2までの領域では、油圧差が大きくなるほどゲインGpが1から0まで比例的に小さくなるように設定され、油圧差が設定値ΔP2より大きい領域ではGp=0に設定されている。
Ta´=Ta×Gω×GS×Gp ………(4)
次に、本発明における第6の実施形態の動作について、図22に示すタイムチャートをもとに説明する。この図22において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は左右シリンダ圧差、(d)はモータ駆動制限量である。
油圧差ゲイン算出マップは、左右シリンダ圧差が大きいほどゲインGpが小さく算出されるように設定されているため、モータ駆動制限処理が開始してからも第2シリンダ室20の油圧P2が低下し、第1シリンダ室18の油圧P1が上昇することで左右シリンダ圧差が大きくなるとゲインGpは1より小さく算出される。そのため、モータ駆動制限値Ta´も小さく算出されてモータ駆動制限量は100%より小さくなる。
このように、上記第6の実施形態では、モータ駆動制限処理が開始した後の左右シリンダ圧差に応じて制限量を徐々に減少させるので、モータ駆動制限処理終了後の操舵力の変動を抑制することができ、より運転者の違和感を抑制することができる。
この第7の実施形態は、第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を、ハンドル切り返しから制限処理開始までの間で、低圧側シリンダの油圧が背圧弁の設定圧に達していた時間に応じて変化させるようにしたものである。
第7の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図23に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、フリーピストン動作判定部46を、図12に示す前述した第3の実施形態におけるフリーピストン動作判定部46”に置換し、ハンドル切り返し後、低圧側シリンダの油圧が背圧弁の設定圧に達している時間をカウントする背圧弁圧カウンタ部58を追加し、モータ回転制限部47を、低圧側シリンダの油圧が背圧弁の設定圧に達していた時間に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部59に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第3の実施形態におけるコントローラ36に適用する場合について説明したが、第1又は第2の実施形態におけるコントローラ36に適用することでもできる。
そして、ハンドル切り返し後フリーピストン70が移動して、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18及び第2シリンダ室20のうち低圧側シリンダの油圧が、背圧弁66の設定圧PSETに達すると、カウンタ値Cnが上昇し始めるようになっている。このカウンタ値Cnはモータ回転制限部59に出力される。
ゲイン算出部59Aでは、背圧弁圧カウンタ部58でカウントされたカウンタ値Cnに基づいて、背圧弁圧カウンタゲインGeを算出する。
電流制限量演算部59Bは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
次に、このモータ回転制限部59で実行するモータ回転制限処理について、図24に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15を、カウンタ値Cnを読み込むステップS51に置換し、ステップS18の後に背圧弁圧カウンタゲインGeを算出するステップS52を追加し、ステップS19を、背圧弁圧カウンタゲインGeを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS53に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS52では、コントローラ36は、前記ステップS51で読み込んだカウンタ値Cnをもとに背圧弁圧カウンタゲイン算出マップを参照して背圧弁圧カウンタゲインGeを算出する。
Ta´=Ta×Gω×GS×Ge ………(5)
次に、本発明における第7の実施形態の動作について、図25に示すタイムチャートをもとに説明する。この図25において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)はカウンタ値Cn、(d)はモータ駆動制限量である。
一方、第1シリンダ室18の油圧P1が背圧弁66の設定圧PSETに達してから、所定時間Cnthの半分の時間でフリーピストン70が移動したものとすると、カウンタ値Cnは所定値Cn1の半分の値となっているため、図24のステップS52で、背圧弁圧カウンタゲインGe=0.5に算出される。したがって、図25(d)の破線に示すように、モータ駆動制限量は50%となる。
したがって、本実施形態のように、第1シリンダ室18の油圧P1が背圧弁66の設定圧PSETに達してからフリーピストン70が動作するまでの時間が長いほど、背圧弁圧カウンタゲインGeを大きく算出して電動モータ30の駆動制限処理の制限量を大きくすることで、フリーピストン動作後のトルク変動の大きさに応じた適切な油圧制限を行うことができる。
このように、上記第7の実施形態では、ハンドル切り返し動作が行われてからフリーピストンが移動するまでの間で、低圧側シリンダ圧が背圧弁の設定圧に達していた時間に応じて制限量を変化させるので、低圧側シリンダ圧が背圧弁の設定圧以上に上昇しないことに起因する操舵アシスト力の不足分を推定して(フリーピストン動作後のトルク変動の大きさを推定して)、適切なモータ駆動制限処理を実行することができる。
この第8の実施形態は、前述した第1〜第7の実施形態において、ハンドル切り返し後の転舵速度が大きい場合には、モータ駆動制限処理の作動を禁止するようにしたものである。
第8の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図26に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、モータ回転制限部47をモータ回転制限部80に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第3の実施形態におけるコントローラ36に適用する場合について説明したが、第1又は第2の実施形態におけるコントローラ36に適用することでもできる。
転舵速度演算部80Aでは、操舵角センサ11から得られる操舵角θhと、フリーピストン動作判定部46から得られる動作判定フラグMvとが入力され、フリーピストン動作時の転舵速度を算出する。
次に、このモータ回転制限部80で実行するモータ回転制限処理について、図27に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15を、フリーピストン動作時の転舵速度ωhを記憶するステップS61に置換し、ステップS16の前に転舵速度ωhが所定の転舵速度閾値ωhthより大きいか否かを判定するステップS62を追加したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS62では、コントローラ36は、転舵速度ωhが所定の転舵速度閾値ωhth(例えば、300deg/s)より大きいか否かを判定する。そして、ωh>ωhthであるときにはモータ駆動制限処理を実施しないと判断して前記ステップS13に移行し、ωh≦ωhthであるときにはモータ駆動制限処理を実施すると判断して前記ステップS16に移行する。
次に、本発明における第8の実施形態の動作について、図28に示すタイムチャートをもとに説明する。この図28において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
高圧側シリンダ圧(第2シリンダ室の油圧P2)の減少は操舵速度に依存するため、ハンドル切り返し後の転舵速度が速い場合は、高圧側シリンダ圧の抜けが早い。そのため、低圧側シリンダ圧(第1シリンダ室の油圧P1)が背圧弁66の設定圧PSETに達する前に、左右シリンダ油圧が等しくなってフリーピストン70が移動することになる。
このように、上記第8の実施形態では、ハンドル切り返し後の転舵速度が所定の転舵速度閾値より大きいときには、フリーピストン動作後の操舵トルク変動が発生しないと判断してモータ駆動制限処理の作動を禁止するので、不必要な油圧制限の実施を防止することができる。
この第9の実施形態は、前述した第1〜第8の実施形態において、フリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧が背圧弁設定圧より低い場合には、モータ駆動制限処理の作動を禁止するようにしたものである。
すなわち、第9の実施形態のコントローラ36では、図26に示す第8の実施形態におけるコントローラ36の制御ブロック図において、転舵速度演算部80Aをフリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧を検出するブロックに置換し、制限実施判断部80Bで、フリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧に基づいてモータ駆動制限処理を実施するか否かを判断するようにする。
次に、本発明における第9の実施形態の動作について、図30に示すタイムチャートをもとに説明する。この図30において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
ハンドル切り返し動作が行われてからフリーピストン70が移動するまでの間で、低圧側シリンダ圧(第1シリンダ室の油圧P1)が背圧弁66の設定圧PSETより低い間は、要求されるアシスト力が正常に出力されている。そのため、この間にフリーピストン70が移動すれば、操舵トルク変動は発生しない。つまり、この場合にはモータ駆動制限処理を実施する必要がない。
次に、本発明における第10の実施形態について説明する。
すなわち、第10の実施形態のコントローラ36では、図26に示す第8の実施形態におけるコントローラ36の制御ブロック図において、転舵速度演算部80Aをハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧を検出するブロックに置換し、制限実施判断部80Bで、ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧に基づいてモータ駆動制限処理を実施するか否かを判断するようにする。
次に、本発明における第10の実施形態の動作について、図32に示すタイムチャートをもとに説明する。この図32において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧が所定の油圧閾値Phthより低い場合、フリーピストン動作時の圧力は背圧弁66の設定圧PSETより低くなる。フリーピストン動作時の圧力が設定圧PSETより低い場合、前述した第9の実施形態のように、フリーピストン動作後の操舵トルク変動は発生しない。つまり、この場合にはモータ駆動制限処理を実施する必要がない。
次に、本発明における第11の実施形態について説明する。
すなわち、第11の実施形態のコントローラ36では、図26に示す第8の実施形態におけるコントローラ36の制御ブロック図において、転舵速度演算部80Aをハンドル切り返し動作時の車速を検出するブロックに置換し、制限実施判断部80Bで、ハンドル切り返し動作時の車速に基づいてモータ駆動制限処理を実施するか否かを判断するようにする。
ステップS92では、コントローラ36は、車速Vrが車速閾値Vrth(例えば、5km/h)より速いか否かを判定する。そして、Vr>Vrthであるときにはモータ駆動制限処理を実施しないと判断して前記ステップS13に移行し、Vr≦Vrthであるときにはモータ駆動制限処理を実施すると判断して前記ステップS16に移行する。
次に、本発明における第11の実施形態の動作について、図34に示すタイムチャートをもとに説明する。この図32において、(a)は車速V、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
車速Vrが車速閾値Vrthより速いものとすると、ステップS92からステップS13に移行してモータ駆動制限値Ta´=0となるので、モータ駆動制限処理が実施されることはない。
10 パワーステアリング機構
12 パワーシリンダ
18 第1シリンダ室
20 第2シリンダ室
28 オイルポンプ
30 電動モータ
36 コントローラ
38 トルクセンサ
40 車速センサ
41 操舵角センサ
64 リターンチェック弁
66 背圧弁
70 フリーピストン
Claims (13)
- ピストンにより第1シリンダ室及び第2シリンダ室の2室に区切られ、ステアリングホイールに連結されたパワーシリンダと、電動モータにより駆動され、前記パワーシリンダの2室間に液圧差を発生させる液圧ポンプと、第1シリンダ室及び第2シリンダ室の液圧をリザーバに排出する各排出通路と、両排出通路の間に設けられ、前記液圧ポンプの駆動による前記第1シリンダ室と第2シリンダ室との液圧差に応じて、前記各排出通路を相対的に開閉切換する切換弁と、該切換弁とリザーバとの間の排出通路に設けられ、切換弁からリザーバへのみ設定圧以上の作動液を通過させる背圧弁とを備えるパワーステアリング装置において、
運転者によるハンドル切り返し動作を検出する切り返し動作検出手段と、該切り返し動作検出手段でハンドル切り返し動作を検出した後の前記切換弁の開閉切換を検出する切換動作検出手段と、前記切換動作検出手段で前記切換弁の開閉切換を検出したとき、前記電動モータの出力駆動力を制限する駆動力制限手段とを備えることを特徴とするパワーステアリング装置。 - 前記電動モータの回転数を検出するモータ回転数検出手段を有し、前記駆動力制限手段は、前記電動モータの回転数及び前記電動モータの回転加速度の少なくとも一方が所定範囲内となるように前記電動モータの出力駆動力を制限することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
- 操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出手段とを有し、前記切換動作検出手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の操舵トルクの符号が一定で、且つ運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の舵角変化量が所定の舵角変化量閾値より大きいと判断したとき、前記切換弁が開閉切換したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。
- 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記切換動作検出手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の前記第1シリンダ室と前記第2シリンダ室との液圧差が零又は略零であると判断したとき、前記切換弁が開閉切換したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。
- 前記駆動力制限手段は、前記切換弁の開閉切換後の経過時間に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
- 前記駆動力制限手段は、前記切換弁の開閉切換後の舵角変化量に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
- 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記駆動力制限手段は、前記切換弁の開閉切換後の前記第1シリンダ室と前記第2シリンダ室との液圧差に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
- 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記駆動力制限手段は、ハンドル切り返し動作開始から前記切換弁の開閉切換までの間で、前記第1シリンダ室の液圧と前記第2シリンダ室の液圧とのうち低い方の液圧が、前記背圧弁の設定圧に達していた時間に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
- 前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止する制限禁止手段を備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
- 前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の転舵速度が所定の転舵速度閾値より早いとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9に記載のパワーステアリング装置。
- 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出したときの前記第1シリンダ室の液圧と前記第2シリンダ室の液圧とのうち低い方の液圧が、前記切換弁の開閉切換時に前記背圧弁の設定圧より低いとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9又は10に記載のパワーステアリング装置。
- 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出したときの前記第1シリンダ室の液圧と前記第2シリンダ室の液圧とのうち高い方の液圧が、所定の液圧閾値より低いとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
- 前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出したときの車速が、所定の車速閾値以上であるとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
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