JP4802738B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータで液圧ポンプを駆動することで操舵アシストを行うパワーステアリング装置に関するものである。
従来のパワーステアリング装置としては、ポンプモータにより正逆回転可能な可逆式ポンプを駆動して、パワーシリンダの各油圧室に相対的に油圧を供給あるいは排出することで、操舵アシスト力を付与するというものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この従来装置では、パワーシリンダの両油圧室相互間をバイパスすると共にリザーバに接続されたバイパス通路を、開閉弁であるポペット弁を用いて開閉する。このとき、パワーシリンダの各油圧室の差圧に応じてポペット弁の弁体を押圧することで、一方の油圧室からリザーバへのバイパス通路を連通し、他方の油圧室からリザーバへのバイパス通路を遮断する。このようにしてパワーシリンダの各油圧室内の作動油を、バイパス通路を介してリザーバへ排出している。
特開2003−72568号公報
しかしながら、前記従来のパワーステアリング装置にあっては、ハンドル切り返し時、ポンプがパワーシリンダの低圧側シリンダに油圧をかけることでシリンダ内油圧が上昇するが、開閉弁とリザーバとの間に設けている背圧弁の設定圧が低いと、開閉弁がバイパス通路の開閉切換を行うまでは、低圧側シリンダ油圧は背圧弁の設定圧以上に上昇しないという現象が発生する。このとき、操舵アシスト力が不足し、ハンドル操舵力が上昇してしまうという問題がある。
また、その後、高圧側シリンダ油圧が低下して低圧側シリンダ油圧以下となり、開閉弁によるバイパス通路の開閉切換が行われると、低圧側シリンダ油圧が急激に立ち上がるため、開閉弁による開閉切換前後でハンドル操作力の変動が生じてしまい、運転者に違和感を与えるという問題がある。
前記背圧弁の設定圧を高く設定すれば、上記問題は起こりにくいが、この場合にはステアリング中立付近の摩擦感が悪化し、運転者の操舵感に悪影響を及ぼすという別の問題が発生する。
そこで、本発明は、ハンドル切り返し時のトルク変動を抑制することができるパワーステアリング装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係るパワーステアリング装置は、切り返し動作検出手段で運転者によるハンドル切り返し動作を検出し、切換動作検出手段で、ハンドル切り返し動作を検出した後の切換弁の開閉切換を検出し、前記切換動作検出手段で前記切換弁が開閉切換したことを検出したとき、駆動力制限手段で電動モータの出力駆動力を制限する。
本発明によれば、運転者によるハンドル切り返し動作が行われて、切換弁によって第1シリンダ室及び第2シリンダ室の液圧をリザーバに排出する各排出通路の相対的な開閉切換が行われたとき、電動モータの出力駆動力を制限するので、切換弁の開閉切換時における操舵力変動を抑制することができるという効果が得られる。その結果、背圧弁の設定圧を低く設定することができ、運転者のステアリング操舵感を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図であり、ステアリングシャフト2の上端部にステアリングホイール4が連結され、ステアリングシャフト2の下端部にピニオンシャフト6が連結されている。ピニオンシャフト6の下端部に設けたピニオンには車幅方向に配設したラック8が噛合しており、運転者が操舵したステアリングホイール4の回転運動が、操舵力としてラック8の直進運動(並進運動)に変換される。そして、ラック8の車幅方向の内方の端部に、パワーステアリング機構10のパワーシリンダ12が連結されている。
パワーステアリング機構10のパワーシリンダ12は、シリンダチューブ16内を第1シリンダ室18及び第2シリンダ室20に区切るピストン22と、このピストン22に一体化されてシリンダチューブ16内を移動するピストンロッド24とを備えており、ラック8及びピストンロッド24が同軸に連結されている。そして、ラック8の車幅方向外側にタイロッド14及びナックルを介して操舵輪WLRが連結され、パワーシリンダ12のピストンロッド24の車幅方向外側の端部にタイロッド14及びナックルを介して操舵輪WLLが連結されている。
パワーステアリング機構10は、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18及び第2シリンダ室20を連通している油圧管26の途中に配置した可逆回転型の液圧ポンプ(オイルポンプ)28と、このオイルポンプ28を駆動する電動モータ30と、オイルポンプ28を介することなく第1シリンダ室18及び第2シリンダ室20に連通するように油圧管26に接続したバイパス管32と、バイパス管32の途中に配置したフェールセーフバルブ34とを備えている。
そして、運転者がステアリングホイール4を操作すると、操作方向に応じて電動モータ30の回転方向が切り換えられ、第1シリンダ室18及び第2シリンダ室20との間に差圧を発生させることでピストン22を移動し、ピストン22とともにピストンロッド24が車幅方向に移動することで、ラック8が車幅方向に移動するのをアシストするようになっている。
バイパス管32の途中に配置したフェールセーフバルブ34は、コントローラ36からの指令信号により電圧が供給されると閉じた状態となり、電圧の供給がない状態では開いた状態となるノーマルオープン型のソレノイド弁が使用されている。これにより、何らかの異常が発生し、電源の供給が停止された場合には、第1シリンダ室18及び第2シリンダ室20を連通状態とすることが可能となり、アシスト無しの通常の操舵が確保されるようにしている。
ステアリングシャフト2とピニオンシャフト6との連結部には、運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ38が設けられており、そのトルクセンサ38で検出した操舵トルクTqはコントローラ36に入力される。
また、コントローラ36には、車両に搭載された車速センサ40から車速V、操舵角検出手段としての操舵角センサ41から操舵角θh、電動モータ30からモータ位置θfが入力され、これら入力した操舵トルクTq,車速V,操舵角θh,モータ位置θfに基づいて電動モータ30やフェールセーフバルブ34に指令信号を出力する。
図2は、本実施形態のパワーステアリング機構10をさらに具体的に示した図である。
符号26a〜26dは、第1及び第2シリンダ室18,20及びオイルポンプ28を接続する油圧管である。符号32a,32a´,32b,32b´は油圧管26bと26cとを連通するバイパス管である。符号60a,60b,60cはオイルポンプ28へ油を供給すると共に、ドレンされた油を貯留するリザーバタンクである。また、62a,62bはオイルポンプ28により油圧が発生した場合は閉じ、負圧が生じた場合は開放するチェック弁である。
符号64は切換弁としてのリターンチェック弁であり、符号66はリターンチェック弁64からドレンされた油をリザーバタンク60cに供給する、即ちリターンチェック弁64からリザーバタンク60cへのみ設定圧PSET以上の油圧を通過させる背圧弁、68はリターンチェック弁64とリザーバタンク60cとを背圧弁66を介して接続するドレン油路である。油圧管26a、26d及びドレン油路68が排出通路に対応している。
図3は、リターンチェック弁64の詳細な構成を示す図であり、図3(a)はポンプ停止時の状態、図3(b)はポンプ作動時の状態を示している。
リターンチェック弁64は、図3(a)に示すように、第1リターンチェック弁64aと、第2リターンチェック弁64bと、フリーピストン70とから構成されている。
第1リターンチェック弁64aには、油圧管26a,26bとの接続ポートを有する第1油圧室74aと、ドレン油路68とバイパス油路32a'との接続ポートを有する第1ピストン室76aが設けられている。これら第1油圧室74aと第1ピストン室76aとは、リターンスプリング72aによってリターンチェック弁64の中央方向に付勢されたピストン75aにより画成されている。
同様に、第2リターンチェック弁64bには、油圧管26c,26dとの接続ポートを有する第2油圧室74bと、ドレン油路68とバイパス油路32b'との接続ポートを有する第2ピストン室76bが設けられている。これら第2油圧室74bと第2ピストン室76bとは、リターンスプリング72bによってリターンチェック弁64の中央方向に付勢されたピストン75bにより画成されている。
フリーピストン70には、第1ピストン室76aの油圧により図中右側の付勢力が作用すると共に、第2ピストン室76bの油圧により図中左側の付勢力が作用する。これによりフリーピストン70の位置が決定される。ポンプ停止時は、第1ピストン室76aの油圧と第2ピストン室76bの油圧とが等しいため、図3(a)に示すように、フリーピストン70が中央位置に配置され、リザーバタンク60cへのドレン油路68が閉じられる。このとき、フリーピストン70の車幅方向端部は、夫々ピストン75a及び75bに接していない状態となる。
ポンプ作動時に第1ピストン室76aの油圧と第2ピストン室76bの油圧とに差圧が生じた場合には、フリーピストン70が低圧側に移動する。例えば、第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となった場合には、フリーピストン70は図3(b)に示すように図中左側へ移動し、ピストン75aを図中左側へ移動することが可能となっている。
このような構成により、ステアリングホイール4の操舵開始時に、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18の油圧と第2シリンダ室20の油圧が釣り合った状態であるときに、図2のラック8を車幅方向の右側にアシストするときには、オイルポンプ28を駆動し、第2シリンダ室20へ油圧を供給する。すると、油圧管26c及び油圧管26dが高油圧となる。この高油圧は、バイパス油路32b及び32b'にも供給され、第2ピストン室76bが高油圧となる。このとき、フェールセーフバルブ34は閉じられているため、図3(b)に示すように、第1ピストン室76aと第2ピストン室76b、及び第1油圧室74aと第2油圧室74bに差圧が生じ、フリーピストン70が図中左側に移動する。これにより、バイパス油路32a'とドレン油路68が連通され、第1シリンダ室18は大気開放された低油圧となる。この差圧を用いて、ラック8が車幅方向右側に移動するように、パワーシリンダ12にアシスト力が発生する。また、図示しないが、ラック8を車幅方向左側にアシストするときには、オイルポンプ28を逆回りに駆動し、第1シリンダ室18へ油圧を供給する。
このように、リターンチェック弁64は、オイルポンプ28の作動による第1シリンダ室18と第2シリンダ室20との液圧差に応じて、第1及び第2シリンダ室18及び20の液圧をリザーバタンク60cに排出するための各排出通路を相対的に開閉切換するようになっている。そして、この開閉切換は、フリーピストン70が車幅方向左右に移動することによって行われる。
次に、図4は、本発明に係る第1実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図であり、基本アシスト指令値演算部42、モータ回転数検出手段としてのモータ回転数演算部43、モータ回転加速度演算部44、切り返し動作検出手段としてのハンドル切り返し判断部45、切換動作検出手段としてのフリーピストン動作判定部46、駆動力制限手段としてのモータ回転制限部47、モータ制御部48で構成されている。
基本アシスト指令値演算部42では、車速センサ40から得られる車速V、トルクセンサ38から得られる操舵トルクTqに基づいて、アシストポンプ指令値Taを演算する。
モータ回転数演算部43では、電動モータ30から得られるモータ位置θfの変化量に基づいて、モータ回転数ωを算出する。
モータ回転加速度演算部44では、モータ回転数演算部43で算出したモータ回転数ωに基づいて、モータ回転加速度Sを算出する。
ハンドル切り返し判断部45では、トルクセンサ38から得られる操舵トルクTqに基づいて、ステアリングホイール4の切り返し動作の有無を判断する。具体的には、操舵トルクTqの符号が反転したことを検出したとき、ステアリングホイール4の切り返し動作が行われたものと判断して、ハンドル切り返し信号Re=1をフリーピストン動作判定部46に出力する。一方、ステアリングホイール4の切り返し動作が行われていないと判断した場合には、ハンドル切り返し信号Re=0をフリーピストン動作判定部46に出力する。
フリーピストン動作判定部46は、ハンドル角変化量演算部46Aとフリーピストン動作位置判定部46Bとを備え、操舵角センサ41から得られる操舵角θh及びハンドル切り返し信号Reに基づいて、ハンドル角変化量演算部46Aでハンドル切り返しからの舵角変化量を算出し、フリーピストン動作位置判定部46Bに出力する。フリーピストン動作位置判定部46Bでは、当該舵角変化量とトルクセンサ38から得られる操舵トルクTqに基づいて、フリーピストン70が動作したか否かを判定し、動作判定フラグMvをモータ回転制限部47に出力する。このフリーピストン動作判定部46で実行されるフリーピストン動作判定処理については後で詳述する。
モータ回転制限部47では、アシストポンプ指令値Taと動作判定フラグMvとに基づいて、モータ駆動を制限するためのモータ駆動制限値Ta´を出力する。このとき、モータ回転数ωをもとに算出されるモータ回転数ゲインGω、及びモータ回転加速度Sをもとに算出されるモータ加速度ゲインGSを用いて、モータ駆動制限値Ta´を算出する。このモータ回転制限部47で実行されるモータ回転制限処理については後で詳述する。
モータ制御部48では、アシストポンプ指令値Taからモータ駆動制限値Ta´を減算することでモータ制御指令値Trを演算して、電動モータ30に出力する。
次に、コントローラ36のフリーピストン動作判定部46で実行されるフリーピストン動作判定処理について、図5に示すフローチャートをもとに説明する。このフリーピストン動作判定処理は、所定時間(例えば、10msec)毎のタイマ割込み処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた結果が随時記憶装置に更新記憶されるとともに、必要な情報やプログラムは随時記憶装置から読み込まれるものとする。
先ずステップS1で、コントローラ36は、ハンドル切り返し判断部45で設定されるハンドル切り返し信号Re、操舵角センサ41で検出される操舵角θh、トルクセンサ38で検出される操舵トルクTqを読み込み、ステップS2に移行する。
ステップS2で、コントローラ36は、ハンドル切り返し信号Reが、ハンドル切り返し動作が行われたことを意味する“1”にセットされているか否かを判定する。そして、Re=0であるときには、ハンドル切り返し動作が行われていないと判断してステップS3に移行する。
ステップS3では、コントローラ36は、フリーピストン70の動作判定フラグMvを、フリーピストン70が動作していないことを意味する“0”にリセットし、動作判定フラグMvの値をモータ回転制限部47に出力してからフリーピストン動作判定処理を終了する。
また、前記ステップS2で、コントローラ36がRe=1であると判定したときには、ステップS4に移行して、ハンドル切り返し信号Reの前回値が“0”であったか否かを判定する。
このステップS4で、コントローラ36が、ハンドル切り返し信号Reの前回値が“0”であったと判定した場合には、今回がハンドル切り返し開始時であると判断してステップS5に移行し、切り返し時の操舵角θr、操舵トルクTqrを記憶してステップS6に移行する。また、ステップS4で、コントローラ36が、ハンドル切り返し信号Reの前回値が“1”であったと判定した場合には、そのままステップS6に移行する。
ステップS6では、コントローラ36は、切り返し時の操舵トルクTqrと前記ステップS1で読み込んだ操舵トルクTqとが同一方向(同一符号)であるか否かを判定し、同一方向でないときには前記ステップS3に移行し、同一方向であるときにはステップS7に移行する。
ステップS7では、コントローラ36は、切り返しからの舵角変化量|θr−θh|が所定の舵角変化量閾値θth(例えば、10deg)より大きいか否かを判定する。そして、|θr−θh|≦θthであるときには前記ステップS3に移行し、|θr−θh|>θthであるときにはステップS8に移行する。
ステップS8では、コントローラ36は、フリーピストン70の動作判定フラグMvを、フリーピストン70が動作していることを意味する“1”にセットし、この動作判定フラグMvの値をモータ回転制限部47に出力してからフリーピストン動作判定処理を終了する。
次に、コントローラ36のモータ回転制限部47で実行されるモータ回転制限処理について、図6に示すフローチャートをもとに説明する。このモータ回転制限処理は、所定時間(例えば、10msec)毎のタイマ割込み処理として実行される。なお、このフローチャートでは、特に通信のためのステップを設けていないが、演算処理によって得られた結果が随時記憶装置に更新記憶されるとともに、必要な情報やプログラムは随時記憶装置から読み込まれるものとする。
先ずステップS11で、コントローラ36は、フリーピストン動作判定部46で設定されるフリーピストン70の動作判定フラグMv、基本アシスト指令値演算部42で算出されるアシストポンプ指令値Ta、モータ回転数演算部43で算出されるモータ回転数ω、 モータ回転加速度演算部44で算出されるモータ回転加速度Sを読み込む。
次にステップS12で、コントローラ36は、動作判定フラグMvが、フリーピストン70が動作したことを意味する“1”にセットされているか否かを判定し、Mv=0であるときにはステップS13に移行する。
ステップS13で、コントローラ36は、モータ駆動制限値Ta´を“0”に設定すると共に、モータ駆動を制限する時間を計測するソフトウェアタイマで構成される継続時間タイマのカウント値Tをクリアしてモータ回転制限処理を終了する。
一方、前記ステップS12で、コントローラ36がMv=1であると判定したときには、ステップS14に移行し、動作判定フラグMvの前回値が“0”であったか否かを判定する。そして、動作判定フラグMvの前回値が“0”であったと判定した場合には、ステップS15に移行してフリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶し、ステップS16に移行する。また、前記ステップS14で、コントローラ36が、動作判定フラグMvの前回値が“1”であったと判定した場合には、そのままステップS16に移行する。
ステップS16では、コントローラ36は、カウント値Tをインクリメントする。
次にステップS17で、カウント値Tが所定の継続時間Tth(例えば、200ms)に相当する設定値T1より大きいか否かを判定する。そして、T>T1であるときには、モータ駆動の制限を終了するものと判断して前記ステップS13に移行し、T≦T1であるときには、ステップS18に移行する。
ステップS18では、コントローラ36は、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出する。モータ回転数ゲインGωは、ステップS15で記憶したフリーピストン動作時のモータ回転数ωvからステップS1で取得した現在のモータ回転数ωを減算した値をもとに、モータ回転数ゲイン算出マップを参照して算出する。
モータ回転数ゲイン算出マップは、横軸にモータ回転数(ωv−ω)、縦軸にゲインGωをとり、モータ回転数(ωv−ω)が0[rpm]から1000[rpm]まではGω=0.5に固定され、モータ回転数(ωv−ω)が1000[rpm]以上の領域では、モータ回転数(ωv−ω)が大きくなるほどゲインGωが0.5から0まで比例的に小さくなるように設定されている。
また、モータ加速度ゲインGSは、ステップS1で取得したモータ回転加速度Sをもとに、モータ加速度ゲイン算出マップを参照して算出する。モータ回転数ゲイン算出マップは、横軸にモータ回転加速度S、縦軸にゲインGSをとり、モータ回転加速度Sが0[r/s2]から5000[r/s2]まではGS=0.5に固定され、モータ回転加速度Sが5000[r/s2]以上の領域では、モータ回転加速度Sが大きくなるほどゲインGSが0.5から0まで比例的に小さくなるように設定されている。
次に、ステップS19で、コントローラ36は、前記ステップS18で算出したモータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを用いて、次式をもとに算出したモータ駆動制限値Ta´を出力してから、モータ回転制限処理を終了する。
Ta´=Ta×Gω×GS ………(1)
次に、本発明における第1の実施形態の動作について図7に示すタイムチャート及び図8に示すパワーステアリング機構10の油の流れをもとに説明する。この図7において、(a)は操舵角θh、(b)は舵角変化量|θr−θh|、(c)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(d)は操舵トルクTq、(e)はモータ回転数ω、(f)はモータ駆動制限処理の状態である。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。具体的には、図8(a)に示すように、オイルポンプ28がハンドル切り込みに対してアシスト力を与える油圧をかける方向に駆動することで、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20が第1シリンダ室18に対して高油圧となり、パワーシリンダ12に車幅方向右側(図中左側)へのアシスト力が発生する。このとき、リターンチェック弁64のフリーピストン70が低圧側である図中左側へ位置していることにより、リザーバタンク60cとの油路が開放され、第1シリンダ室18は大気圧相当となる。
この状態から、時刻t1で運転者によるハンドル切り返し動作が開始されたものとする。そして、時刻t2で操舵トルクTqの符号が反転すると、ハンドル切り返し判断部45で、ステアリングホイール4の切り返し動作が行われたものと判断されて、ハンドル切り返し信号Reが“1”にセットされる。このとき、コントローラ36は、図5のステップS2でRe=1であると判定してステップS4に移行し、ハンドル切り返し信号Reの前回値は“0”であるため、ステップS4でYesと判定してステップS5で切り返し時の操舵角θrを記憶する。この時点では、舵角変化量|θr−θh|が舵角変化量閾値θthを超えていないため、ステップS7からステップS3に移行して、フリーピストン70の動作判定フラグMvを“0”にリセットする。その結果、図6のステップS12でNoと判定されて、モータ駆動を制限することなくモータ回転制限処理を終了する。
その後、時刻t3でステアリングホイール4が中立位置から左回転を始めると、オイルポンプ28の駆動方向が切り替わり、図8(b)に示すように、第2シリンダ室20の油を吸い込みながら第1シリンダ室18に油圧をかけ始める。しかしこのとき、第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧となっているため、リターンチェック弁64のフリーピストン70は低圧側に留まったままであり、第1シリンダ室18とリザーバタンク60cとの油路を開放し続ける。
したがって、オイルポンプ28が第1シリンダ室18に油圧をかけても、その圧力が背圧弁66を通じてリザーバタンク60cへ逃げるため、第1シリンダ室18の油圧P1は背圧弁66の設定圧PSET以上には上昇しない(図7(c))。その結果、第1シリンダ室18は要求するアシスト力を発生できないため、操舵トルクTqが上昇する(図7(d))。
その後、第2シリンダ室20の油圧がオイルポンプ28の吸い込みにより低下し、時刻t4で第1シリンダ室18の油圧P1が第2シリンダ室20の油圧P2より高くなると、リターンチェック弁64のフリーピストン70が図7(c)に示すように図中右側へ移動し始める。このときの舵角変化量|θr−θh|は舵角変化量閾値θthを超えた状態となる。
舵角変化量|θr−θh|が舵角変化量閾値θthを超えると、コントローラ36は、図5のステップS7でYesと判定してステップS8に移行し、フリーピストンの動作判定フラグMvを“1”にセットする。そのため、コントローラ36は、図6のステップS12でMv=1であると判定してステップS14に移行し、フリーピストンの動作判定フラグMvの前回値は“0”であるため、ステップS14でYesと判定してステップS15でフリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶する。そして、ステップS18で、このモータ回転数ωvとステップS11で取得したモータ回転数ωとに基づいてモータ回転数ゲインGωを算出し、モータ回転加速度Sに基づいてモータ加速度ゲインGSを算出し、ステップS19で、これらのゲインを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出する。このモータ駆動制限値Ta´によりアシストポンプ指令値Taが制限されるため、モータ駆動制限処理の状態がOn状態となってモータ駆動力が制限され、第1シリンダ室18の油圧上昇が抑制される。
ところで、本実施形態のようなモータ駆動制限処理を施さない従来装置において、上記と同様に運転者によるハンドル切り返し動作が行われたものとすると、ハンドル操舵力の急変動が生じて運転者に違和感を与えてしまうという問題がある。これを図9に示すタイムチャートをもとに説明する。この図9において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
ステアリングホイール4が右回転された操舵状態から、時刻t11で運転者によるハンドル切り返し動作が開始され、時刻t12でステアリングホイール4が中立位置から左回転を始めた場合、オイルポンプ28の駆動方向が切り替わり、低圧側シリンダ圧(第1シリンダ室18の油圧P1)が上昇を始める。しかしながら、このとき、第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧となっているため、リターンチェック弁64のフリーピストン70は第1シリンダ室18側に留まったままであり、第1シリンダ室18とリザーバタンク60cとの油路を開放し続ける。つまり、第1シリンダ室18にアシスト力不足が発生する。
その後、第2シリンダ室20の油圧がオイルポンプ28の吸い込みにより低下し、時刻t13で第1シリンダ室18の油圧P1が第2シリンダ室20の油圧P2より高くなると、リターンチェック弁64のフリーピストン70が第2シリンダ室20側へ移動し始める。これにより、第1シリンダ室18のリザーバタンク60cへの油路を閉じられると共に、第2シリンダ室20のリザーバタンク60cへの油路を開放される。すると、今までリザーバタンク60cへ逃げていたオイルポンプ28の駆動による油圧がすべて第1シリンダ室18にかかり、第1シリンダ室18の油圧が急上昇する(図9(b))。
その結果、パワーシリンダ12のアシスト力が急上昇するため、操舵トルクTqが急低下する(図9(c))。このフリーピストン70の動作前後におけるハンドル操舵力の急変動が運転者に違和感を与える原因となる。
これに対して、本実施形態では、フリーピストン70が動作したと判断したときには、モータ駆動制限値Ta´を用いてモータ駆動力を制限して第1シリンダ室18の油圧上昇を抑制する。したがって、フリーピストン70の動作後に操舵トルクTqが急低下することを抑制することができるので、フリーピストン70の動作前後におけるハンドル操舵力の急変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。
このモータ駆動の制限処理が作動された状態が所定時間Tth継続すると、図7の時刻t5で、コントローラ36は、図6のステップS17でT>T1であると判定するので、ステップS13に移行して、モータ駆動制限値Ta´=0に設定する。これにより、モータ駆動制限処理がOff状態となって、車速V及び操舵トルクTqに基づいて算出されるアシストポンプ指令値Taに応じて電動モータ30が駆動される。
このように、上記第1の実施形態では、運転者によるハンドル切り返し動作が行われて、フリーピストンが移動したとき、電動モータの出力駆動力を制限するので、フリーピストン動作時における操舵力変動を抑制することができる。その結果、背圧弁の設定圧を低く設定することができ、運転者のステアリング操舵感を向上させることができる。
また、フリーピストン動作時には、モータ回転数及びモータ回転加速度が所定値以上とならないように、モータ駆動制限量を設定するので、油圧の上昇の原因となるモータ回転数及びその変化量を制限することができ、フリーピストン動作時の操舵力変動の原因となる油圧の急上昇を積極的に抑制することができる。
さらに、運転者によるハンドル切り返し後の操舵トルクの向きが一定で、且つ運転者によるハンドル切り返し後の舵角変化量が所定の舵角変化量閾値に達したとき、フリーピストン動作時であると判断するので、運転操作量に基づいてフリーピストンの動作を推定することができ、適切なタイミングでモータ駆動制限処理を実施することができる。
なお、上記第1の実施形態においては、モータ回転数ω及びモータ回転加速度Sが所定範囲内となるようにモータ駆動制限量を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、モータ回転数ω及びモータ回転加速度Sの少なくとも一方が所定範囲内となるようにモータ駆動制限量を設定してもよい。
また、上記第1の実施形態においては、モータ回転制限部47でモータ回転数ω及びモータ回転加速度Sに制限を設ける場合について説明したが、これに限定されるものではなく、操舵トルクTqに制限を設けるようにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態は、前述した第1の実施形態で、フリーピストンの動作判断をハンドル切り返し後の舵角変化量に基づいて行っているのに対し、フリーピストンに設置したスイッチの電気信号に基づいて行うようにしたものである。
第2の実施形態のパワーステアリング機構10を図10に示すように、フリーピストン70が左右どちらに移動しているかを判断するためのスリーピストン動作信号Fpを出力するスイッチ50を設けたことを除いては、前述した第1の実施形態のパワーステアリング機構10と同様の構成を有する。
また、第2の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図11に示すように、フリーピストン動作判定部46を、スイッチ50から入力されるフリーピストン動作信号Fpに基づいてフリーピストン70が動作したか否かを判定するフリーピストン動作判定部46’に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。
したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
フリーピストン70の車幅方向端部には、夫々壁に接したときにON信号を出力する電気接点70a,70bを設ける。具体的には、フリーピストン70が車幅方向左側(図10における右側)に移動し、フリーピストン70の車幅方向左側端部に設置された電気接点70bがピストン75bに接した場合には、車幅方向左右のON/OFF状態(R/L)は、(R/L)=(OFF/ON)となる。また、フリーピストン70が車幅方向右側(図10における左側)に移動し、フリーピストン70の車幅方向右側端部に設置された電気接点70aがピストン75aに接した場合には、(R/L)=(OFF/ON)となる。
このように、各電気接点70a,70bのON,OFFの組み合わせをフリーピストン動作信号Fpとしてフリーピストン動作判定部46’に出力する。
そして、フリーピストン動作判定部46’では、フリーピストン動作信号Fpとハンドル切り返し判断部45から出力されるハンドル切り返し信号Reとに基づいて、フリーピストン70が動作したか否かを判定する。
具体的には、ハンドル切り返し信号Reに基づいて、運転者によるハンドル切り返し動作が行われた(Re=1)と判断したとき、フリーピストン動作信号Fpの左右どちらかがONの場合にはON側にフリーピストン70が動いていると判定してフリーピストン70の動作判定フラグMvを“1”にセットする。また、フリーピストン動作信号Fpが左右共にOFFの場合にはフリーピストン70が動作していないと判定して、動作判定フラグMvを“0”にリセットする。なお、本実施形態においては、フリーピストン動作信号Fpが左右共にONとなることは構造上ありえない。
次に、本発明における第2の実施形態の動作について説明する。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧が第1シリンダ室18の油圧に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触する。そのため、スイッチ50から(R/L)=(ON/OFF)となるフリーピストン動作信号Fpがフリーピストン動作判定部46’に出力される。このとき、運転者による切り返し動作が行われていないため、Re=0である。したがって、フリーピストン動作判定部46’ではフリーピストン70は動作していないと判定されて、フリーピストン70の動作判定フラグMv=0が出力されるため、モータ回転制限部47で、モータ駆動制限処理を作動しないと判断される。
この状態から、運転者によるハンドル切り返し動作が行われたものとする。このとき、操舵トルクTqの符号が反転するため、ハンドル切り返し判断部45で、ステアリングホイール4の切り返し動作が行われたものと判断されて、ハンドル切り返し信号Reが“1”にセットされる。
そして、ステアリングホイール4が中立位置から左回転を始めると、オイルポンプ28の駆動方向が切り替わることにより、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧が低下する。この第2シリンダ室20の油圧が第1シリンダ室18の油圧より低くなると、フリーピストン70が移動してピストン75aと離間すると共にピストン75bと接触する。このとき、スイッチ50から(R/L)=(OFF/ON)となるフリーピストン動作信号Fpがフリーピストン動作判定部46’に出力されるため、フリーピストン動作判定部46’でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。その結果、モータ回転制限部47で算出されるモータ駆動制限値Ta´に応じてモータ駆動が制限される。
したがって、運転者によるハンドル切り返し時にフリーピストン70が動作すると、モータ駆動制限値Ta´を用いてモータ駆動力が制限されて第1シリンダ室18の油圧上昇が抑制される。これにより、前述した第1の実施形態と同様に、フリーピストン70の動作後に操舵トルクTqが急低下することを抑制することができるので、フリーピストン70の動作前後におけるハンドル操舵力の急変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。
このように、上記第2の実施形態では、フリーピストンに電気接点を設け、この電気信号によりフリーピストンの動作判定を行うので、運転者によるハンドル切り返し時にフリーピストンが動作したことを確実に検出することができ、適切なタイミングでモータ駆動制限処理を実行することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態は、前述した第1の実施形態で、フリーピストンの動作判断をハンドル切り返し後の舵角変化量に基づいて行っているのに対し、パワーシリンダの第1シリンダ室の油圧及び第2シリンダ室の油圧の差に基づいて行うようにしたものである。
第3の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図12に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、ポンプ流量演算部52と、油圧・流量演算部53と、左右シリンダ油圧推定部54とを追加し、フリーピストン動作判定部46を第1シリンダ室18と第2シリンダ室20との油圧差に基づいてフリーピストン70の動作判定を行うフリーピストン動作判定部46”に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
ポンプ流量演算部52では、モータ回転数演算部43から得られるモータ回転数ωが入力され、このモータ回転数ωに基づいてオイルポンプ28のポンプ流量Qを算出する。
油圧・流量演算部53では、ポンプ流量演算部52から得られるポンプ流量Qと、ハンドル切り返し判断部45から得られるハンドル切り返し信号Reとか入力され、ハンドル切り返し時のポンプ流量及びシリンダ圧、すなわちRe=1となった瞬間のポンプ流量Qreとシリンダ圧Preとを記憶する。
左右シリンダ油圧推定部54では、現時点はフリーピストン動作前後か判断し、そのときの高圧側シリンダ油圧Ph及び低圧側シリンダ油圧Plを演算する。ハンドル切り返し時のポンプ流量Qreと現時点のポンプ流量Qとモータ回転数ωとから、ポンプ漏れも含めた流量変化に依存する圧力変化量を算出し、ハンドル切り返し時のシリンダ圧Preとの差をフリーピストン動作前の高圧側シリンダ油圧Phとして推定する。
フリーピストン動作前の低圧側シリンダ油圧Plは、モータ回転数ωに基づいて推定し、電動モータ30が切り返し方向に回転していない場合はPl=0とする。また、電動モータ30が切り返し方向に回転し始めたら、そこからの流量変化を演算し、低圧側シリンダ油圧Plを推定する。ただし、低圧側シリンダ油圧Plの上限を背圧弁66の設定圧PSETとする。
フリーピストン動作後のシリンダ油圧は、高圧側は略0とし、低圧側はフリーピストン動作後の流量変化に基づいて推定する。
フリーピストン動作判定部46”では、左右シリンダ油圧推定部54から得られる高圧側シリンダ油圧Ph及び低圧側シリンダ油圧Plが入力され、高圧側シリンダ油圧Phと低圧側シリンダ油圧Plとの差が0の場合に、フリーピストン70が動作していると判定する。そして、フリーピストン70が動作していると判定した場合には動作判定フラグMvを“1”にセットし、フリーピストン70が動作していないと判定した場合には動作判定フラグMvを“0”にリセットする。
図12において、ポンプ流量演算部52、油圧・流量演算部53及び左右シリンダ油圧推定部54がシリンダ液圧推定手段に対応している。
次に、本発明における第3の実施形態の動作について、図13に示すタイムチャートをもとに説明する。この図13において、(a)は操舵角θh、(b)は左右シリンダ圧差Ph−Pl、(c)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(d)はモータ回転数ω、(e)はモータ駆動制限処理の状態である。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t21で運転者によるハンドル切り返し動作が行われたものとすると、操舵トルクTqの符号が反転するため、ハンドル切り返し判断部45で、ステアリングホイール4の切り返し動作が行われたものと判断されて、ハンドル切り返し信号Reが“1”にセットされる。
そして、時刻22で、ステアリングホイール4が中立位置から左回転を始めると、オイルポンプ28の駆動方向が切り替わることにより(図13(d))、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18の油圧が上昇し始める。このとき第2シリンダ室20の油圧は低下を続ける。低圧側シリンダ油圧Pl(第1シリンダ室18の油圧P1)の上昇量はモータ回転数ωに依存し、その上限は背圧弁66の設定圧PSETとなる。また、高圧側シリンダ油圧Ph(第2シリンダ室20の油圧P2)の低下量は、オイルポンプ28の流量変化すなわちハンドル切り返し時からのモータ回転数ωの変化量に依存する。
そして、時刻t23で、第1シリンダ室18の油圧P1と第2シリンダ室20の油圧P2との差が0となると、フリーピストン70が移動し始めてピストン75aと離間すると共にピストン75bと接触した状態へと移行する。このとき、図12のフリーピストン動作判定部46”でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。その結果、モータ回転制限部47で算出されるモータ駆動制限値Ta´に応じてモータ駆動が制限される。
したがって、運転者によるハンドル切り返し時にフリーピストン70が動作すると、モータ駆動制限値Ta´を用いてモータ駆動力が制限されて第1シリンダ室18の油圧上昇が抑制される。これにより、前述した第1の実施形態と同様に、フリーピストン70の動作後に操舵トルクTqが急低下することを抑制することができるので、フリーピストン70の動作前後におけるハンドル操舵力の急変動を抑制することができ、運転者に違和感を与えることを抑制することができる。
このように、上記第3の実施形態では、第1シリンダ室の油圧と第2シリンダ室の油圧との差に基づいてフリーピストンの動作判定を行うので、運転者によるハンドル切り返し時に第1シリンダ室の油圧と第2シリンダ室の油圧との差が0となったとき、フリーピストンが動作したと判定することができ、適切なタイミングでモータ駆動制限処理を実行することができる。
また、モータ回転数の変化量に基づいて第1シリンダ室の油圧と第2シリンダ室の油圧とを推定するので、既存のシステム構成で高圧側シリンダ油圧と低圧側シリンダ油圧との差を推定することができ、新たに各シリンダ油圧を検出するセンサ等を設ける必要がなく、コスト削減を実現することができる。
なお、上記第3の実施形態においては、第1シリンダ室の油圧と第2シリンダ室の油圧との差が0であるときに、フリーピストン70が動作していると判定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、前記油圧差が所定値(例えば、0.2Mpa)以下の場合にフリーピストン70が動作していると判定するようにしてもよい。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態は、前述した第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を制限処理開始からの経過時間に応じて変化させるようにしたものである。
第4の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図14に示すように、図11に示す前述した第2の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、モータ回転制限部47を、モータ駆動制限処理開始からの経過時間に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部55に置換したことを除いては、前述した第2の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第2の実施形態と同様の構成を有する部分には第2の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第2の実施形態に適用する場合について説明したが、第1又は第3の実施形態に適用することでもできる。
モータ回転制限部55は、タイマー部55Aと、ゲイン算出部55Bと、電流制限量演算部55Cとで構成されている。
タイマー部55Aは、フリーピストン動作判定部46’から得られるフリーピストン70の動作判定フラグMvが入力され、Mv=1となった瞬間からの経過時間をカウントする。
ゲイン算出部55Bでは、タイマー部55Aでカウントしたタイマーカウンタに基づいて、タイマーカウンタゲインGtを算出する。
電流制限量演算部55Cは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
つまり、本実施形態のモータ回転制限部55は、電流制限量演算部55Cから出力される値Fに、ゲイン算出部55Bから出力されるタイマーカウンタゲインGtを乗じた値をモータ駆動制限値Ta´として出力するようになっている。
次に、このモータ回転制限部55で実行するモータ回転制限処理について、図15に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS17を削除し、ステップS18の後にタイマーカウンタゲインGtを算出するステップS21を追加し、ステップS19を、タイマーカウンタゲインGtを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS22に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS21では、コントローラ36は、カウント値Tをもとにタイマーカウンタゲイン算出マップを参照してタイマーカウンタゲインGtを算出する。
タイマーカウンタゲイン算出マップは、横軸にカウント値T、縦軸にゲインGtをとり、カウント値Tが0のときGt=1に設定され、カウント値Tが0から所定の継続時間Tth(例えば、200ms)に相当する設定値T1までの領域では、カウント値Tが大きくなるほどゲインGtが1から0まで比例的に小さくなるように設定され、カウント値Tが設定値T1より大きい領域ではGt=0に設定されている。
ステップS22では、コントローラ36は、前記ステップS18で算出したモータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSと、前記ステップS21で算出したタイマーカウンタゲインGtとを用いて、次式をもとに算出したモータ駆動制限値Ta´を出力してから、モータ回転制限処理を終了する。
Ta´=Ta×Gω×GS×Gt ………(2)
次に、本発明における第4の実施形態の動作について、図16に示すタイムチャートをもとに説明する。この図16において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ω、(e)はモータ駆動制限量である。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t31で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻32でフリーピストン70が移動すると、図14のフリーピストン動作判定部46’でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。その結果、モータ回転制限部55で算出されるモータ駆動制限値Ta´に応じてモータ駆動が制限される。
このとき、モータ駆動を制限する時間を計測する継続時間タイマのカウント値Tは0であるため、図15のステップS21で、タイマーカウンタゲイン算出マップをもとにタイマーカウンタゲインGt=1に算出される。したがって、図16(e)に示すように、モータ駆動制限量は100%となる。
タイマーカウンタゲイン算出マップは、カウント値Tが大きいほどゲインGtが小さく算出されるように設定されているため、モータ駆動制限処理開始から時間が経過するにつれてゲインGtは1より小さく算出される。そのため、モータ駆動制限値Ta´も小さく算出されてモータ駆動制限量は100%より小さくなる。
そして、モータ駆動制限処理開始から所定の継続時間Tthが経過し、時刻t33でカウント値T=T1となると、ステップS21でタイマーカウンタゲインGt=0に算出される。したがって、ステップS22で、モータ駆動制限値Ta´=0に算出されて、モータ駆動制限処理が終了する。
このように、上記第4の実施形態では、モータ駆動制限処理開始からの経過時間に応じて制限量を徐々に減少させるので、モータ駆動制限処理終了後の操舵力の変動を抑制することができ、より運転者の違和感を抑制することができる。
次に、本発明における第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態は、前述した第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を制限処理開始からの舵角変化量に応じて変化させるようにしたものである。
第5の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図17に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、モータ回転制限部47を、モータ駆動制限処理開始からの舵角変化量に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部56に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第1の実施形態に適用する場合について説明したが、第2又は第3の実施形態に適用することでもできる。
モータ回転制限部56は、舵角変化量演算部56Aと、ゲイン算出部56Bと、電流制限量演算部56Cとで構成されている。
舵角変化量演算部56Aは、フリーピストン動作判定部46から得られるフリーピストン70の動作判定フラグMvと、操舵角センサ11から得られる操舵角θhとが入力され、Mv=1となった瞬間からの舵角変化量を算出する。
ゲイン算出部56Bでは、舵角変化量演算部56Aで算出した舵角変化量に基づいて、舵角変化量ゲインGθを算出する。
電流制限量演算部56Cは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
つまり、本実施形態のモータ回転制限部56は、電流制限量演算部56Cから出力される値Fに、ゲイン算出部56Bから出力される舵角変化量ゲインGθを乗じた値をモータ駆動制限値Ta´として出力するようになっている。
次に、このモータ回転制限部56で実行するモータ回転制限処理について、図18に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15をフリーピストン動作時のモータ回転数ωv及び舵角θvを記憶するステップS31に置換し、ステップS16及びS17を削除し、ステップS18の後に舵角変化量ゲインGθを算出するステップS32を追加し、ステップS19を、舵角変化量ゲインGθを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS33に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS31では、コントローラ36は、フリーピストン動作時のモータ回転数ωvに加えて、フリーピストン動作時の操舵角θvを記憶する。
ステップS32では、コントローラ36は、フリーピストン70が動作した瞬間からの舵角変化量|θv−θh|をもとに舵角変化量ゲイン算出マップを参照して舵角変化量ゲインGθを算出する。
舵角変化量ゲイン算出マップは、横軸に舵角変化量|θv−θh|、縦軸にゲインGθをとり、舵角変化量|θv−θh|が0から所定値θ1(例えば、15deg)までの領域ではGθ=1に設定され、舵角変化量|θv−θh|がθ1からθ2までの領域では舵角変化量|θv−θh|が大きくなるほどゲインGθが1から0まで比例的に小さくなるように設定され、舵角変化量|θv−θh|が設定値θ2より大きい領域ではGθ=0に設定されている。
ステップS33では、コントローラ36は、前記ステップS18で算出したモータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSと、前記ステップS32で算出した舵角変化量ゲインGθとを用いて、次式をもとに算出したモータ駆動制限値Ta´を出力してから、モータ回転制限処理を終了する。
Ta´=Ta×Gω×GS×Gθ ………(3)
次に、本発明における第5の実施形態の動作について、図19に示すタイムチャートをもとに説明する。この図19において、(a)は操舵角θh、(b)は舵角変化量|θv−θh|、(c)はモータ駆動制限量、(d)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2である。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t41で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻t42でフリーピストン70が移動すると、図17のフリーピストン動作判定部46でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。その結果、モータ回転制限部56で算出されるモータ駆動制限値Ta´に応じてモータ駆動が制限される。
このとき、舵角変化量|θv−θh|は0であるため、図18のステップS32で、舵角変化量ゲイン算出マップをもとに舵角変化量ゲインGθ=1に算出される。したがって、図19(c)に示すように、モータ駆動制限量は100%となる。
舵角変化量ゲイン算出マップは、舵角変化量|θv−θh|が大きいほどゲインGθが小さく算出されるように設定されているため、モータ駆動制限処理開始から運転者による操舵操作が進行するにつれてゲインGθは1より小さく算出される。そのため、モータ駆動制限値Ta´も小さく算出されてモータ駆動制限量は100%より小さくなる。
そして、時刻t43でモータ駆動制限処理開始からの舵角変化量|θv−θh|=θ2となると、ステップS32で舵角変化量ゲインGθ=0に算出される。したがって、ステップS33で、モータ駆動制限値Ta´=0に算出されて、モータ駆動制限処理が終了する。
このように、上記第5の実施形態では、モータ駆動制限処理開始からの舵角変化量に応じて制限量を徐々に減少させるので、モータ駆動制限処理開始後に運転者による急操舵が行われて舵角変化量が急増した場合に、不必要な油圧制限が続くことを防止することができる。
次に、本発明における第6の実施形態について説明する。
この第6の実施形態は、第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を制限処理開始からのパワーシリンダの左右シリンダ圧差に応じて変化させるようにしたものである。
第6の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図20に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、フリーピストン動作判定部46を、図12に示す前述した第3の実施形態におけるフリーピストン動作判定部46”に置換し、モータ回転制限部47をモータ駆動制限処理開始からのパワーシリンダ12の第1及び第2シリンダ室の油圧差に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部57に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第3の実施形態に適用する場合について説明したが、第1又は第2の実施形態に適用することでもできる。
モータ回転制限部57は、左右シリンダ圧差演算部57Aと、ゲイン算出部57Bと、電流制限量演算部57Cとで構成されている。
左右シリンダ圧差演算部57Aは、フリーピストン動作判定部46”から得られるフリーピストン70の動作判定フラグMvと、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18の油圧と第2シリンダ室20の油圧とを夫々検出する左右シリンダ圧センサから得られる第1シリンダ室18の油圧Prと第2シリンダ室20の油圧Plとが入力され、Mv=1となった後の左右シリンダ圧差を算出する。
ゲイン算出部57Bでは、左右シリンダ圧差演算部57Aで算出した油圧差に基づいて、油圧差ゲインGpを算出する。
電流制限量演算部57Cは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
つまり、本実施形態のモータ回転制限部57は、電流制限量演算部57Cから出力される値Fに、ゲイン算出部57Bから出力される油圧差ゲインGpを乗じた値をモータ駆動制限値Ta´として出力するようになっている。
次に、このモータ回転制限部57で実行するモータ回転制限処理について、図21に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15をフリーピストン動作時のモータ回転数ωv及び左右シリンダ圧Prl,Prrを記憶するステップS41に置換し、ステップS16及びS17を削除し、ステップS18の後に油圧差ゲインGpを算出するステップS42を追加し、ステップS19を、油圧差ゲインGpを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS43に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS41では、コントローラ36は、フリーピストン動作時のモータ回転数ωvに加えて、フリーピストン動作時の左右シリンダ圧Prl,Prrを記憶する。
ステップS42では、コントローラ36は、フリーピストン70が動作した後の左右シリンダ圧差をもとに油圧差ゲイン算出マップを参照して油圧差ゲインGpを算出する。
油圧差ゲイン算出マップは、横軸に左右シリンダ圧差、縦軸にゲインGpをとり、油圧差が0から所定値ΔP1(例えば、0.8Mpa)までの領域ではGp=1に設定され、油圧差がΔP1からΔP2までの領域では、油圧差が大きくなるほどゲインGpが1から0まで比例的に小さくなるように設定され、油圧差が設定値ΔP2より大きい領域ではGp=0に設定されている。
ステップS43では、コントローラ36は、前記ステップS18で算出したモータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSと、前記ステップS42で算出した油圧差ゲインGpとを用いて、次式をもとに算出したモータ駆動制限値Ta´を出力してから、モータ回転制限処理を終了する。
Ta´=Ta×Gω×GS×Gp ………(4)
次に、本発明における第6の実施形態の動作について、図22に示すタイムチャートをもとに説明する。この図22において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は左右シリンダ圧差、(d)はモータ駆動制限量である。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t51で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻t52でフリーピストン70が移動すると、図20のフリーピストン動作判定部46”でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。その結果、モータ回転制限部57で算出されるモータ駆動制限値Ta´に応じてモータ駆動が制限される。
このとき、左右シリンダ圧差は0であるため、図21のステップS42で、油圧差ゲイン算出マップをもとに油圧差ゲインGp=1に算出される。したがって、図22(d)に示すように、モータ駆動制限量は100%となる。
油圧差ゲイン算出マップは、左右シリンダ圧差が大きいほどゲインGpが小さく算出されるように設定されているため、モータ駆動制限処理が開始してからも第2シリンダ室20の油圧P2が低下し、第1シリンダ室18の油圧P1が上昇することで左右シリンダ圧差が大きくなるとゲインGpは1より小さく算出される。そのため、モータ駆動制限値Ta´も小さく算出されてモータ駆動制限量は100%より小さくなる。
そして、時刻t53で左右シリンダ圧差=ΔP2となると、ステップS42で油圧差ゲインGp=0に算出される。したがって、ステップS43で、モータ駆動制限値Ta´=0に算出されて、モータ駆動制限処理が終了する。
このように、上記第6の実施形態では、モータ駆動制限処理が開始した後の左右シリンダ圧差に応じて制限量を徐々に減少させるので、モータ駆動制限処理終了後の操舵力の変動を抑制することができ、より運転者の違和感を抑制することができる。
次に、本発明における第7の実施形態について説明する。
この第7の実施形態は、第1〜第3の実施形態において、モータ駆動制限値を、ハンドル切り返しから制限処理開始までの間で、低圧側シリンダの油圧が背圧弁の設定圧に達していた時間に応じて変化させるようにしたものである。
第7の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図23に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、フリーピストン動作判定部46を、図12に示す前述した第3の実施形態におけるフリーピストン動作判定部46”に置換し、ハンドル切り返し後、低圧側シリンダの油圧が背圧弁の設定圧に達している時間をカウントする背圧弁圧カウンタ部58を追加し、モータ回転制限部47を、低圧側シリンダの油圧が背圧弁の設定圧に達していた時間に応じてモータ駆動制限値Ta´を変化させるモータ回転制限部59に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第3の実施形態におけるコントローラ36に適用する場合について説明したが、第1又は第2の実施形態におけるコントローラ36に適用することでもできる。
背圧弁圧カウンタ部58には、ハンドル切り返し判断部45から得られるハンドル切り返し信号Reと、左右シリンダ圧センサから得られる左右シリンダ圧Pr,Plと、フリーピストン動作判定部46”から得られるフリーピストン70の動作判定フラグMvとが入力される。
そして、ハンドル切り返し後フリーピストン70が移動して、パワーシリンダ12の第1シリンダ室18及び第2シリンダ室20のうち低圧側シリンダの油圧が、背圧弁66の設定圧PSETに達すると、カウンタ値Cnが上昇し始めるようになっている。このカウンタ値Cnはモータ回転制限部59に出力される。
モータ回転制限部59は、ゲイン算出部59Aと、電流制限量演算部59Bとで構成されている。
ゲイン算出部59Aでは、背圧弁圧カウンタ部58でカウントされたカウンタ値Cnに基づいて、背圧弁圧カウンタゲインGeを算出する。
電流制限量演算部59Bは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
つまり、本実施形態のモータ回転制限部59は、電流制限量演算部59Bから出力される値Fに、ゲイン算出部59Aから出力される背圧弁圧カウンタゲインGeを乗じた値をモータ駆動制限値Ta´として出力するようになっている。
次に、このモータ回転制限部59で実行するモータ回転制限処理について、図24に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15を、カウンタ値Cnを読み込むステップS51に置換し、ステップS18の後に背圧弁圧カウンタゲインGeを算出するステップS52を追加し、ステップS19を、背圧弁圧カウンタゲインGeを用いてモータ駆動制限値Ta´を算出するステップS53に置換したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS51では、コントローラ36は、フリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶すると共に、背圧弁圧カウンタ部58でカウントされたカウンタ値Cnを読み込む。
ステップS52では、コントローラ36は、前記ステップS51で読み込んだカウンタ値Cnをもとに背圧弁圧カウンタゲイン算出マップを参照して背圧弁圧カウンタゲインGeを算出する。
背圧弁圧カウンタゲイン算出マップは、横軸にカウンタ値Cn、縦軸にゲインGeをとり、カウンタ値Cnが0のときGe=0に設定され、カウンタ値Cnが0から所定時間Cnth(例えば、50ms)に相当する所定値Cn1までの領域では、カウンタ値Cnが大きくなるほどゲインGeが0から1まで比例的に大きくなるように設定され、カウンタ値Cnが設定値Cn1より大きい領域ではGp=1に設定されている。
ステップS53では、コントローラ36は、前記ステップS18で算出したモータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSと、前記ステップS52で算出した背圧弁圧カウンタゲインGeとを用いて、次式をもとに算出したモータ駆動制限値Ta´を出力してから、モータ回転制限処理を終了する。
Ta´=Ta×Gω×GS×Ge ………(5)
次に、本発明における第7の実施形態の動作について、図25に示すタイムチャートをもとに説明する。この図25において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)はカウンタ値Cn、(d)はモータ駆動制限量である。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t61で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻t62で電動モータ30の駆動方向が反転することにより、第1シリンダ室18の油圧P1が上昇を始めたものとする。その後、時刻t63で第1シリンダ室18の油圧P1が背圧弁66の設定圧PSETに達すると、背圧弁圧カウンタ部58でカウンタ値Cnが上昇し始める(図25(c))。
そして、第1シリンダ室18の油圧P1が背圧弁66の設定圧PSETに達してから所定時間Cnth後の時刻t64でフリーピストン70が移動すると、図23のフリーピストン動作判定部46”でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。その結果、モータ回転制限部55で算出されるモータ駆動制限値Ta´に応じてモータ駆動が制限される。
このとき、カウンタ値Cnは所定時間Cnthに相当する所定値Cn1となっているため、図24のステップS52で、背圧弁圧カウンタゲイン算出マップをもとに背圧弁圧カウンタゲインGe=1に算出される。したがって、図25(d)の実線に示すように、モータ駆動制限量は100%となる。
一方、第1シリンダ室18の油圧P1が背圧弁66の設定圧PSETに達してから、所定時間Cnthの半分の時間でフリーピストン70が移動したものとすると、カウンタ値Cnは所定値Cn1の半分の値となっているため、図24のステップS52で、背圧弁圧カウンタゲインGe=0.5に算出される。したがって、図25(d)の破線に示すように、モータ駆動制限量は50%となる。
低圧側シリンダ圧が背圧弁66の設定圧PSETに達してから、フリーピストン70が移動して低圧側シリンダのリザーバタンク60cへの油路が閉じられるまでの時間は、操舵アシスト力が不足している時間である。この時間が長ければ長いほど、操舵トルクは上昇し、フリーピストン70が動作したときのトルク変動が大きいと考えられる。
したがって、本実施形態のように、第1シリンダ室18の油圧P1が背圧弁66の設定圧PSETに達してからフリーピストン70が動作するまでの時間が長いほど、背圧弁圧カウンタゲインGeを大きく算出して電動モータ30の駆動制限処理の制限量を大きくすることで、フリーピストン動作後のトルク変動の大きさに応じた適切な油圧制限を行うことができる。
そして、モータ駆動制限処理が開始された時刻t64から所定時間Tthが経過した時刻t65で、ステップS17の判定によりステップS13に移行してモータ駆動制限値Ta´=0に算出されるため、モータ駆動制限処理が終了する。
このように、上記第7の実施形態では、ハンドル切り返し動作が行われてからフリーピストンが移動するまでの間で、低圧側シリンダ圧が背圧弁の設定圧に達していた時間に応じて制限量を変化させるので、低圧側シリンダ圧が背圧弁の設定圧以上に上昇しないことに起因する操舵アシスト力の不足分を推定して(フリーピストン動作後のトルク変動の大きさを推定して)、適切なモータ駆動制限処理を実行することができる。
次に、本発明における第8の実施形態について説明する。
この第8の実施形態は、前述した第1〜第7の実施形態において、ハンドル切り返し後の転舵速度が大きい場合には、モータ駆動制限処理の作動を禁止するようにしたものである。
第8の実施形態のコントローラ36を示す制御ブロック図を図26に示すように、図4に示す前述した第1の実施形態のコントローラ36の制御ブロック図において、モータ回転制限部47をモータ回転制限部80に置換したことを除いては、前述した第1の実施形態と同様の構成を有する。したがって、第1の実施形態と同様の構成を有する部分には第1の実施形態と同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。なお、ここでは第3の実施形態におけるコントローラ36に適用する場合について説明したが、第1又は第2の実施形態におけるコントローラ36に適用することでもできる。
モータ回転制限部80は、転舵速度演算部80Aと、制限実施判断部80Bと、電流制限量演算部80Cとで構成されている。
転舵速度演算部80Aでは、操舵角センサ11から得られる操舵角θhと、フリーピストン動作判定部46から得られる動作判定フラグMvとが入力され、フリーピストン動作時の転舵速度を算出する。
制限実施判断部80Bでは、転舵速度演算部80Aで算出された転舵速度に基づいて、モータ駆動制限処理を実施するか否かを判断する。そして、モータ駆動制限処理を実施すると判断した場合には、後述する電流制限量演算部80Cで算出される制限量Fをモータ駆動制限値Ta´として出力し、モータ駆動制限処理を実施しないと判断した場合には、モータ駆動制限値Ta´=0を出力する。
電流制限量演算部80Cは、前述した第1〜第3の実施形態におけるモータ回転制限部47と同様の処理を実行するものであり、モータ回転数ゲインGω及びモータ加速度ゲインGSを算出し、F=Ta×Gω×GSを出力する。
次に、このモータ回転制限部80で実行するモータ回転制限処理について、図27に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図6に示すモータ回転制限処理において、ステップS15を、フリーピストン動作時の転舵速度ωhを記憶するステップS61に置換し、ステップS16の前に転舵速度ωhが所定の転舵速度閾値ωhthより大きいか否かを判定するステップS62を追加したことを除いては、図6に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図6と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS61では、コントローラ36は、フリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶すると共に、フリーピストン動作時の転舵速度ωhを記憶する。
ステップS62では、コントローラ36は、転舵速度ωhが所定の転舵速度閾値ωhth(例えば、300deg/s)より大きいか否かを判定する。そして、ωh>ωhthであるときにはモータ駆動制限処理を実施しないと判断して前記ステップS13に移行し、ωh≦ωhthであるときにはモータ駆動制限処理を実施すると判断して前記ステップS16に移行する。
図27において、ステップS62の処理が制限禁止手段に対応している。
次に、本発明における第8の実施形態の動作について、図28に示すタイムチャートをもとに説明する。この図28において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t71で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻t72でフリーピストン70が移動すると、図26のフリーピストン動作判定部46でフリーピストン70が動作していると判定されて、動作判定フラグMv=1が出力される。このとき、図27のステップS12からステップS14に移行し、ステップS14の判定によりステップS61に移行して、ハンドル切り返し後の転舵速度ωhが記憶される。
運転者による素早い操舵操作が行われており、転舵速度ωhが転舵速度閾値ωhthを超えているものとすると、ステップS62からステップS13に移行してモータ駆動制限値Ta´=0となるので、モータ駆動制限処理が実施されることはない。
高圧側シリンダ圧(第2シリンダ室の油圧P2)の減少は操舵速度に依存するため、ハンドル切り返し後の転舵速度が速い場合は、高圧側シリンダ圧の抜けが早い。そのため、低圧側シリンダ圧(第1シリンダ室の油圧P1)が背圧弁66の設定圧PSETに達する前に、左右シリンダ油圧が等しくなってフリーピストン70が移動することになる。
この場合、フリーピストン動作後の圧力変動が発生しないため、図28の破線に示すような問題の操舵トルク変動も発生しない。つまり、この場合にはモータ駆動制限処理を実施する必要がない。
このように、上記第8の実施形態では、ハンドル切り返し後の転舵速度が所定の転舵速度閾値より大きいときには、フリーピストン動作後の操舵トルク変動が発生しないと判断してモータ駆動制限処理の作動を禁止するので、不必要な油圧制限の実施を防止することができる。
次に、本発明における第9の実施形態について説明する。
この第9の実施形態は、前述した第1〜第8の実施形態において、フリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧が背圧弁設定圧より低い場合には、モータ駆動制限処理の作動を禁止するようにしたものである。
すなわち、第9の実施形態のコントローラ36では、図26に示す第8の実施形態におけるコントローラ36の制御ブロック図において、転舵速度演算部80Aをフリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧を検出するブロックに置換し、制限実施判断部80Bで、フリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧に基づいてモータ駆動制限処理を実施するか否かを判断するようにする。
この第9の実施形態におけるモータ回転制限部で実行するモータ回転制限処理について、図29に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図27に示す前述した第8の実施形態におけるモータ回転制限処理において、ステップS61をフリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧Plを読み込むステップS71に置換し、ステップS62を低圧側シリンダ圧Plが背圧弁66の設定圧PSETより小さいか否かを判定するステップS72に置換したことを除いては、図27に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図27と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS71では、コントローラ36は、フリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶すると共に、フリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧Plを読み込む。ここで、低圧側シリンダ圧Plは、左右シリンダ圧油圧センサを用いて検出した左右シリンダ油圧のうち、低い方の油圧を採用する。なお、図12の左右シリンダ油圧推定部54のように、モータ回転数ωに基づいて左右シリンダ油圧を推定し、推定された左右シリンダ油圧のうち低い方の油圧を低圧側シリンダ圧Plとして採用するようにしてもよい。
ステップS72では、コントローラ36は、低圧側シリンダ圧Plが背圧弁66の設定圧PSET(例えば、0.1Mpa)より小さいか否かを判定する。そして、Pl<PSETであるときにはモータ駆動制限処理を実施しないと判断して前記ステップS13に移行し、Pl≧PSETであるときにはモータ駆動制限処理を実施すると判断して前記ステップS16に移行する。
図29において、ステップS72の処理が制限禁止手段に対応している。
次に、本発明における第9の実施形態の動作について、図30に示すタイムチャートをもとに説明する。この図30において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t81で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻t82でフリーピストン70が移動すると、動作判定フラグMv=1が出力されるので、図29のステップS12からステップS14に移行し、ステップS14の判定によりステップS71に移行して、フリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧Pl(第1シリンダ室18の油圧P1)が読み込まれる。
運転者による素早い操舵操作が行われるなどにより、低圧側シリンダ圧Plが背圧弁66の設定圧PSETに達していないものとすると、ステップS72からステップS13に移行してモータ駆動制限値Ta´=0となるので、モータ駆動制限処理が実施されることはない。
ハンドル切り返し動作が行われてからフリーピストン70が移動するまでの間で、低圧側シリンダ圧(第1シリンダ室の油圧P1)が背圧弁66の設定圧PSETより低い間は、要求されるアシスト力が正常に出力されている。そのため、この間にフリーピストン70が移動すれば、操舵トルク変動は発生しない。つまり、この場合にはモータ駆動制限処理を実施する必要がない。
このように、上記第9の実施形態では、フリーピストン動作時の低圧側シリンダ圧が背圧弁の設定圧より低いときには、フリーピストン動作後の操舵トルク変動が発生しないと判断してモータ駆動制限処理の作動を禁止するので、不必要な油圧制限の実施を防止することができる。
次に、本発明における第10の実施形態について説明する。
この第10の実施形態は、前述した第1〜第9の実施形態において、ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧が所定値より低い場合には、モータ駆動制限処理の作動を禁止するようにしたものである。
すなわち、第10の実施形態のコントローラ36では、図26に示す第8の実施形態におけるコントローラ36の制御ブロック図において、転舵速度演算部80Aをハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧を検出するブロックに置換し、制限実施判断部80Bで、ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧に基づいてモータ駆動制限処理を実施するか否かを判断するようにする。
この第10の実施形態におけるモータ回転制限部で実行するモータ回転制限処理について、図31に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図27に示す前述した第8の実施形態におけるモータ回転制限処理において、ステップS61をハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧Phを読み込むステップS81に置換し、ステップS62を高圧側シリンダ圧Phが所定の油圧閾値Phthより小さいか否かを判定するステップS82に置換したことを除いては、図27に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図27と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS81では、コントローラ36は、フリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶すると共に、ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧Phを読み込む。ここで、高圧側シリンダ圧Phは、左右シリンダ圧油圧センサを用いて検出した左右シリンダ油圧のうち、高い方の油圧を採用する。なお、図12の左右シリンダ油圧推定部54のように、モータ回転数ωに基づいて左右シリンダ油圧を推定し、推定された左右シリンダ油圧のうち高い方の油圧を高圧側シリンダ圧Phとして採用するようにしてもよい。
ステップS82では、コントローラ36は、高圧側シリンダ圧Phが油圧閾値Phth(例えば、0.4Mpa)より小さいか否かを判定する。そして、Ph<Phthであるときにはモータ駆動制限処理を実施しないと判断して前記ステップS13に移行し、Ph≧Phthであるときにはモータ駆動制限処理を実施すると判断して前記ステップS16に移行する。
図31において、ステップS82の処理が制限禁止手段に対応している。
次に、本発明における第10の実施形態の動作について、図32に示すタイムチャートをもとに説明する。この図32において、(a)は操舵角θh、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t91で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻t92でフリーピストン70が移動すると、動作判定フラグMv=1が出力されるので、図31のステップS12からステップS14に移行し、ステップS14の判定によりステップS81に移行して、ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧Ph(第2シリンダ室20の油圧P2)が読み込まれる。
高圧側シリンダ圧Phが油圧閾値Phthより低いものとすると、ステップS82からステップS13に移行してモータ駆動制限値Ta´=0となるので、モータ駆動制限処理が実施されることはない。
ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧が所定の油圧閾値Phthより低い場合、フリーピストン動作時の圧力は背圧弁66の設定圧PSETより低くなる。フリーピストン動作時の圧力が設定圧PSETより低い場合、前述した第9の実施形態のように、フリーピストン動作後の操舵トルク変動は発生しない。つまり、この場合にはモータ駆動制限処理を実施する必要がない。
このように、上記第10の実施形態では、ハンドル切り返し動作時の高圧側シリンダ圧が所定の油圧閾値より低いときには、フリーピストン動作後の操舵トルク変動が発生しないと判断してモータ駆動制限処理の作動を禁止するので、不必要な油圧制限の実施を防止することができる。
次に、本発明における第11の実施形態について説明する。
この第11の実施形態は、前述した第1〜第10の実施形態において、ハンドル切り返し動作時の車速が所定車速より速い場合には、モータ駆動制限処理の作動を禁止するようにしたものである。
すなわち、第11の実施形態のコントローラ36では、図26に示す第8の実施形態におけるコントローラ36の制御ブロック図において、転舵速度演算部80Aをハンドル切り返し動作時の車速を検出するブロックに置換し、制限実施判断部80Bで、ハンドル切り返し動作時の車速に基づいてモータ駆動制限処理を実施するか否かを判断するようにする。
この第11の実施形態におけるモータ回転制限部で実行するモータ回転制限処理について、図33に示すフローチャートをもとに詳述する。このモータ回転制限処理は、図27に示す前述した第8の実施形態におけるモータ回転制限処理において、ステップS61をハンドル切り返し動作時の車速Vrを読み込むステップS91に置換し、ステップS62を車速Vrが所定の車速閾値Vrthより速いか否かを判定するステップS92に置換したことを除いては、図27に示すモータ回転制限処理と同様の処理を行うため、図27と同様の処理を行う部分には同一ステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
ステップS91では、コントローラ36は、フリーピストン動作時のモータ回転数ωvを記憶すると共に、ハンドル切り返し動作時の車速Vrを記憶する。
ステップS92では、コントローラ36は、車速Vrが車速閾値Vrth(例えば、5km/h)より速いか否かを判定する。そして、Vr>Vrthであるときにはモータ駆動制限処理を実施しないと判断して前記ステップS13に移行し、Vr≦Vrthであるときにはモータ駆動制限処理を実施すると判断して前記ステップS16に移行する。
図33において、ステップS92の処理が制限禁止手段に対応している。
次に、本発明における第11の実施形態の動作について、図34に示すタイムチャートをもとに説明する。この図32において、(a)は車速V、(b)は第1及び第2シリンダ室の油圧P1,P2、(c)は操舵トルクTq、(d)はモータ回転数ωである。
今、運転者がステアリングホイール4を右回転した一定の舵角で操舵し、パワーシリンダ12の第2シリンダ室20の油圧P2が第1シリンダ室18の油圧P1に対して高油圧になっているものとする。この場合には、リターンチェック弁64の第2ピストン室76bの油圧が第1ピストン室76aの油圧に対して高油圧となっているため、フリーピストン70は低圧側のピストン75aと接触した状態となっている。
この状態から、時刻t101で運転者によるハンドル切り返し動作が行われ、時刻t102でフリーピストン70が移動すると、動作判定フラグMv=1が出力されるので、図33のステップS12からステップS14に移行し、ステップS14の判定によりステップS91に移行して、ハンドル切り返し動作時の車速Vrが記憶される。
車速Vrが車速閾値Vrthより速いものとすると、ステップS92からステップS13に移行してモータ駆動制限値Ta´=0となるので、モータ駆動制限処理が実施されることはない。
車速が高い場合、転舵に必要な操舵力(シリンダ軸力)が下がるため、転舵時の高圧側シリンダ圧は、図34(b)の破線で示す低速時と比較して低くなる。この場合、フリーピストン動作時の圧力は背圧弁66の設定圧PSETより低くなる。フリーピストン動作時の圧力が設定圧PSETより低い場合、前述した第9の実施形態のように、フリーピストン動作後の操舵トルク変動は発生しない。つまり、この場合にはモータ駆動制限処理を実施する必要がない。
このように、上記第11の実施形態では、ハンドル切り返し動作時の車速が所定の車速閾値より速いときには、フリーピストン動作後の操舵トルク変動が発生しないと判断してモータ駆動制限処理の作動を禁止するので、不必要な油圧制限の実施を防止することができる。
本発明に係るパワーステアリング装置の概略構成図である。 パワーステアリング機構の詳細を示す構成図である。 パワーステアリング機構を構成するリターンチェック弁の構成を示す図である。 第1の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第1の実施形態のフリーピストン動作判定部で実行されるフリーピストン動作判定処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第1の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第1の実施形態における動作を示す図である。 従来装置における動作を説明するタイムチャートである。 第2の実施形態のパワーステアリング機構の構成を示す図である。 第2の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第3の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第3の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第4の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第4の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第4の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第5の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第5の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第5の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第6の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第6の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第6の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第7の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第7の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第7の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第8の実施形態におけるコントローラの制御ブロック図である。 第8の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第8の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第9の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第9の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第10の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第10の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。 第11の実施形態のモータ回転制限部で実行されるモータ回転制限処理を示すフローチャートである。 第11の実施形態における動作を説明するタイムチャートである。
符号の説明
4 ステアリングホイール
10 パワーステアリング機構
12 パワーシリンダ
18 第1シリンダ室
20 第2シリンダ室
28 オイルポンプ
30 電動モータ
36 コントローラ
38 トルクセンサ
40 車速センサ
41 操舵角センサ
64 リターンチェック弁
66 背圧弁
70 フリーピストン

Claims (13)

  1. ピストンにより第1シリンダ室及び第2シリンダ室の2室に区切られ、ステアリングホイールに連結されたパワーシリンダと、電動モータにより駆動され、前記パワーシリンダの2室間に液圧差を発生させる液圧ポンプと、第1シリンダ室及び第2シリンダ室の液圧をリザーバに排出する各排出通路と、両排出通路の間に設けられ、前記液圧ポンプの駆動による前記第1シリンダ室と第2シリンダ室との液圧差に応じて、前記各排出通路を相対的に開閉切換する切換弁と、該切換弁とリザーバとの間の排出通路に設けられ、切換弁からリザーバへのみ設定圧以上の作動液を通過させる背圧弁とを備えるパワーステアリング装置において、
    運転者によるハンドル切り返し動作を検出する切り返し動作検出手段と、該切り返し動作検出手段でハンドル切り返し動作を検出した後の前記切換弁の開閉切換を検出する切換動作検出手段と、前記切換動作検出手段で前記切換弁の開閉切換を検出したとき、前記電動モータの出力駆動力を制限する駆動力制限手段とを備えることを特徴とするパワーステアリング装置。
  2. 前記電動モータの回転数を検出するモータ回転数検出手段を有し、前記駆動力制限手段は、前記電動モータの回転数及び前記電動モータの回転加速度の少なくとも一方が所定範囲内となるように前記電動モータの出力駆動力を制限することを特徴とする請求項1に記載のパワーステアリング装置。
  3. 操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、操舵角を検出する操舵角検出手段とを有し、前記切換動作検出手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の操舵トルクの符号が一定で、且つ運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の舵角変化量が所定の舵角変化量閾値より大きいと判断したとき、前記切換弁が開閉切換したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。
  4. 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記切換動作検出手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の前記第1シリンダ室と前記第2シリンダ室との液圧差が零又は略零であると判断したとき、前記切換弁が開閉切換したと判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のパワーステアリング装置。
  5. 前記駆動力制限手段は、前記切換弁の開閉切換後の経過時間に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  6. 前記駆動力制限手段は、前記切換弁の開閉切換後の舵角変化量に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  7. 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記駆動力制限手段は、前記切換弁の開閉切換後の前記第1シリンダ室と前記第2シリンダ室との液圧差に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  8. 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記駆動力制限手段は、ハンドル切り返し動作開始から前記切換弁の開閉切換までの間で、前記第1シリンダ室の液圧と前記第2シリンダ室の液圧とのうち低い方の液圧が、前記背圧弁の設定圧に達していた時間に応じて、前記電動モータの出力駆動力の制限量を変化させることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  9. 前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止する制限禁止手段を備えることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  10. 前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出した後の転舵速度が所定の転舵速度閾値より早いとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9に記載のパワーステアリング装置。
  11. 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出したときの前記第1シリンダ室の液圧と前記第2シリンダ室の液圧とのうち低い方の液圧が、前記切換弁の開閉切換時に前記背圧弁の設定圧より低いとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9又は10に記載のパワーステアリング装置。
  12. 前記第1シリンダ室の液圧及び前記第2シリンダ室の液圧を推定又は検出するシリンダ液圧推定手段を有し、前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出したときの前記第1シリンダ室の液圧と前記第2シリンダ室の液圧とのうち高い方の液圧が、所定の液圧閾値より低いとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
  13. 前記制限禁止手段は、運転者によるハンドル切り返し動作を検出したときの車速が、所定の車速閾値以上であるとき、前記駆動力制限手段による前記電動モータの出力駆動力の制限を禁止することを特徴とする請求項9〜12の何れか1項に記載のパワーステアリング装置。
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