JP4801829B2 - 光電変換モジュールのトリミング方法および装置 - Google Patents

光電変換モジュールのトリミング方法および装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば太陽電池モジュールのような光電変換モジュールの製造過程において、同モジュールのモジュール基板に被着された封止部材の前記基板の周囲にはみ出した余剰部を除去する光電変換モジュールのトリミング方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アモルファスシリコン等の非晶質の光電変換要素を有する太陽電池モジュールは、透明絶縁基板例えば透明ガラス等からなる四角形状のモジュール基板の光入射面とは反対の面側に、光電変換要素と、この要素で得た電力を取出す電極とを設けると共に、これら光電変換要素および電極を保護する封止部材を被着した構成を備えている。
【0003】
光電変換要素は、モジュール基板の前記反対側の面上に積層された透明電極層と、この電極層上に積層された非晶質半導体製の光起電力層(セル)と、この光起電力層上に積層された裏面電極層とを有し、かつ、複数の領域に分離され、各領域は電気的に直列又は並列に接続されてなり、この光電変換要素の電気的な両端は夫々前記電極に接続されている。
【0004】
モジュール本体よりも大形に形成される封止部材には、接着性を有する第1封止部と、この封止部の表面に被着された耐候性向上のためのシート状第2封止部とからなる2層構造のものと、前記第1封止部のみからなる1層構造のものとが知られている。第1封止部には、シリコン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチラール等の透明な合成樹脂が使用されている。第2封止部は、一枚構造のものと積層構造のものが知られている。一枚構造の第2封止部としては、商品名テドラー等のフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等からなるシートが使用され、積層構造の第2封止部としては、前記フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等からなるシート材の一面にアルミニューム等の金属フィルムやSiO等の薄膜をラミネートした積層シート、又は、アルミニューム合金の薄膜の両面にEVAを積層してなる積層シート、或いはPETにEVAを積層してなる積層シート等が知られている。
【0005】
前記封止部材は、モジュール基板の光入射面と反対面側に積層された後、ラミネータを用いて所定の加圧下において所定温度で加熱されることにより、第1封止部が溶かされて前記反対面側に接着しつつ所定形状に積層されるものである。そして、第2封止部を有する封止部材においては、その第2封止部が第1封止部に接着される。
【0006】
又、結晶系の太陽電池モジュールは、金属又は透明ガラス等からなる四角形状のモジュール基板の光入射面側に、光電変換要素と、この要素で得た電力を取出す電極とを設けると共に、これら光電変換要素および電極を保護する封止部材を被着した構成を備えている。光電変換要素は、多数の結晶系半導体製の光起電力層(セル)が個別に有するセル電極相互をリード線等で電気的に直列又は並列に接続してなり、この光電変換要素の電気的な両端は夫々前記電極に接続されている。
【0007】
この結晶系太陽電池モジュールの封止部材は、シリコン、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチラール等の透明で接着性を有する合成樹脂からなり、光入射面を形成している。そして、この封止部材は、モジュール基板の光入射側に積層された後、ラミネータを用いて所定の加圧下において所定温度で加熱されることにより、溶かされて前記光入射面側に接着しつつ積層される
【0008】
前記のようにいずれのタイプの太陽電池モジュールであっても、封止部材の積層において、この封止部材がラミネータにより溶かされて所定圧力で加圧されるに伴い、その一部はモジュール基板の周囲にはみ出す。この状態を封止処理が施された非晶質系太陽電池モジュールMについて図14で代表して示す。この図中1はモジュール基板としての透明ガラス基板、2は光電変換要素、3は電極、4は封止部材、5は封止部材4の第1封止部、6は封止部材4の第2封止部、5aは透明ガラス基板1の周囲にはみ出した第1封止部5の余剰部、6bは透明ガラス基板1の周囲にはみ出した第2封止部6の余剰部を夫々示している。
【0009】
なお、前記透明ガラス基板1には、縦横寸法が(910×910)mmの正方形のものもあるが、現状では長方形のものが主流であり、その厚みは(1.0〜8.0)mmで、かつ、縦横寸法大きさが(455×277)mmのもの、(300×400)mmのもの、及び(910×455)mmのものが知られている。これらの透明ガラス基板1には、青板ガラス、白板ガラス、強化ガラス、合わせガラスなどが使用されている。
【0010】
そして、寸法精度が1/500mm以内で指定される(910×455)mmの透明ガラス基板1が、例えば1/500mmの寸法精度で製作された場合においては、図13に示されるように縦寸法で±1.82mmの寸法公差A(ばらつき)があり、横寸法では±0.91mmの寸法公差B(ばらつき)がある。又、透明ガラス基板1の四辺1a〜1dと同基板1の一面1eとがなすエッジ部、及び各辺1a〜1dと同基板1の他面1fとがなすエッジ部は、図13(B)に示すようなC面からなるエッジ部1g、又は図13(C)に示すようなR面からなるエッジ部1hが設けられている。
【0011】
前記事情から太陽電池モジュールMの製造にあっては、封止後に前記余剰部5a、6aを取除くトリミング作業を必要とするが、この作業は従来カッターナイフを用いて人為的に行われていた。
【0012】
詳しくは、従来のトリミング作業は、作業台上に太陽電池モジュールをその封止部材4が作業台上面に接する水平な姿勢で置いた状態で、第2封止部6の余剰部6aの大部分を、それ専用のカッターナイフで切除する第1工程と、この第1工程を経た太陽電池モジュールMを作業台上に立てた姿勢に手で支持しながら、前記ナイフとは別の専用ナイフを用いて、透明ガラス基板1の1辺ごとに、その辺に付着している第1封止部5の余剰部5a及びこれに積層されている第2封止部6の余剰部6aを同時に切除する第2工程と、この後に前記別の専用ナイフで太陽電池モジュールの四隅についてのトリミングを行う第3工程を経て行われている。
【0013】
第1工程では太陽電池モジュールMを作業台上で旋回させてカッテング作業に適するように向きを変える第1のハンドリング作業を伴い、又、第2、第3の両工程では太陽電池モジュールの四辺を上に向けるための第2のハンドリング作業を伴う。又、第2工程においては、前記専用ナイフを、透明ガラス基板1の封止部材がある側とは反対側から透明ガラス基板1の辺に押し当てて、この辺に沿わせながら動かすことによって、前記余剰部5a、6aを切除している。これは、専用ナイフを押し当てる位置が定まり易いことによる。なお、結晶系太陽電池モジュールについては、前記第2、第3工程のうち少なくとも第2工程に相当するトリミング作業を行う。
【0014】
従来は以上のように手作業で前記余剰部5a、6aをトリミングするので、その作業能率が悪く、作業時間が掛かっている。特に、モジュール基板がガラス製の場合に、縦横寸法が例えば1mで重量が15kgを超える大形のものでは、更に取扱いが面倒になり、前記問題がより顕著になる。又、個人差によりトリミングに要する作業時間のばらつきが大きいとともに、このトリミング後の仕上げ面の状態にもばらつきが大きく、しかも、これらのばらつきによりトリミング工程の管理を行うことが難しい。更に、作業台上での前記ハンドリング作業の際に、誤って作業台上にモジュール基板を落下させた場合等には、それに伴って作業者に怪我を負わせる恐れが考えられるとともに、モジュール基板がガラス製であると、この基板に欠損を生じさせたりすることがある。
【0015】
又、前記トリミング作業では、余剰部を除去する切断手段である専用ナイフが、これよりも硬い透明ガラス製の基板1(モジュール基板)の辺と接するので、その刃先が摩耗し易い。
【0016】
しかも、既述のような人為的なトリミング作業では、モジュール基板の辺に沿って動かされるナイフは常に前記辺から逃げる傾向があるため、これと作業者の力の入れ加減によりトリミングされた跡が波を打ったような凹凸を生じ易い。このような凹凸があると、その後の取扱い等において凸部に作用する負荷によって封止部材がモジュール基板から剥がされる恐れが考えられる。
【0017】
その上、既述のように専用ナイフをモジュール基板側から封止部材に向けてモジュール基板の辺に押し当てて作業をするので、封止部材にこれを剥がそうとする負荷が作用し、こうした負荷を原因として封止部材がモジュール基板から剥がされる恐れが考えられる。
【0018】
そして、以上のような剥がれを生じた場合には、封止部材による封止性能が損なわれるおそれが考えられるから、数十年にわたって屋外、例えば屋根上で或いは屋根材として使用される太陽電池モジュールにおいては、こうしたことがないようにする配慮が求められている。
【0019】
一方、太陽電池モジュールを製品として出荷する形態には、モジュール基板の四辺に夫々枠材を取付ける形態と、モジュール基板の1辺のみに枠材を取付けて他の3辺を露出させる形態等がある。前者のようにモジュール基板の四辺が枠材で覆われる製品形態では、各辺からはみ出した封止部材の余剰部が、枠材の取付けに支障がない範囲であれば、多少残った状態でトリミングされていても実用上問題がない。又、後者のようにモジュール基板の少なくとも1辺が露出する製品形態では、露出する辺については、余剰部が多少でも残っていることは許されず、露出する辺を含めてきれいな仕上がり状態とすることが要請されている。
【0020】
しかし、以上のような製品形態に応じて余剰部を除去する程度を、手作業で行うことは実際的には困難であり、特に、露出する辺をきれいな仕上がり状態で再現性良く得ることは、手作業では到底期待できない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、光電変換モジュールの生産性と品質とを向上できる光電変換モジュールのトリミング方法及びその装置を得ることにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明方法は、四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素及び電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング方法を前提とする。
【0023】
そして、前記課題を解決するために、請求項1の発明方法は、前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢でトリミング台上に動かないように前記封止済光電変換モジュールを真空吸着ヘッドで真空吸着して保持した後、
基板検出手段により前記トリミング台に対する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出するとともに、その検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定し、次に、切断手段を前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動させながら、前記切断手段による切断作用を前記切断予定軌道上に及ぼして、前記余剰部を切除することを特徴とする。
【0024】
この発明及び以下の各発明において、光電変換モジュールは、その光電変換要素が非晶質半導体を有する非晶質系のもの、又は光電変換要素が単結晶半導体又は多結晶半導体を有する結晶系のもの等である。特に非晶質系の光電変換モジュールである場合に、その光起電力層をなす非晶質半導体には、非晶質アモルファスシリコン(a−Si)、水素化非晶質アモルファスシリコン(a−Si:H)、水素化非晶質シリコンカーバイド(a−SiC:H)、非晶質シリコンナイトライド等の他、シリコンと炭素、ゲルマニウム、錫等の他の元素との合金からなる非晶質シリコン系半導体の非晶質又は微結晶を、pin型、nip型、ni型、pn型、MIS型、ヘテロ接合型、ホモ接合型、ショットキバリア型、或いは、これらを組み合わせた型等に合成した半導体が用いることができる。又、この他に、光起電力層をなす半導体としては、CdS系、GaAs系、In系等であってもよい。又、モジュール基板には透明ガラス基板又は金属基板等を用いることができ、封止部材には前記従来の技術の項に記載した1層構造又は積層構造のものを使用できる。又、光電変換モジュールは、太陽電池モジュールとして使用できる他、太陽光以外の光によって電力を得る発電モジュールとして使用できる。
【0025】
更に、この発明及び以下の各発明において、切断手段には、SK材、好ましくは長寿命を期待できるハイス鋼で作られるカッター部を有する超音波カッター、ホットカッター、及び金属製カッターを用いることができるとともに、丸鋸、ダイシングカッター、シェアリングカッター、ウォータージェットカッター、レーザー光カッター(YAGレーザー及びCOレーザー等)を用いることができる。そして、超音波カッター、ホットカッター、及び金属製カッターを用いる場合に、そのカッター板の側面を光電変換モジュールの辺に対して斜めの姿勢として、これらの間にほぼ30度以下のあおり角を形成して切断を行わせることは、切除された余剰部のスクレーパとしてカッター板を利用できる点で好ましい。又、ホットカッターを用いる場合、そのカッター板の温度は封止部材の材質等によって(100〜700)℃の範囲で任意に設定すればよく、そして、EVA等の封止部材の切除直後の再付着の防止や封止面への熱的影響を防止するために、EVA等の封止部材とカッター板との接触時間を短くするとよく、この観点からカッター板の移動速度は100mm/sec以上とすることが望ましい。又、金属製カッターを用いることは、アンプ等を用いないで済むので安価にできるとともに、この金属製カッターは切断に伴う発熱をさほど伴わないので、前記あおり角がなくてもよい点で優れている。又、この発明及び以下の各発明において、切断手段は、モジュール基板の1辺に対して1又は2以上用意することができ、複数の切断手段を用意する場合には、その数に応じて切断時間を短くすることが可能である。
【0026】
その上、この発明及び以下の発明方法は、モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材の余剰部を、一辺、又はこの一辺と平行な辺等他の辺を同時にトリミングする場合にも適用でき、後者のようにする場合にはトリミングの処理能力をより向上できる点で優れている。
【0027】
又、この発明及び以下の各発明において、切断予定軌道に沿って余剰部を切除する際に、切断手段が切断作用を及ぼす方向は、モジュール基板及び余剰部が共に露出した側からでも、この逆に、モジュール基板を覆い隠している封止部材側から及ぼしてもよい。前者の場合には、基板検出手段と切断手段とをトリミング台上の光電変換モジュールの同一面側に配置できるので、これら基板検出手段と切断手段を例えば同じトリミングヘッドに搭載して実施でき、構成が簡単である点で優れており、又、後者の場合には、余剰部を切除する際に、余剰部に加えられる力によって封止部材がモジュール基板から剥がされる恐れがない点で優れている。
【0028】
前記請求項1の発明方法においては、トリミング台上に封止後の光電変換モジュールを、そのモジュール基板及び封止部材の余剰部が表側に露出する姿勢で保持した状態で、基板検出手段を用いてトリミング台上のモジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出し、この検出により得た情報に基づいて切断予定軌道を設定する。この軌道はモジュール基板よりも一回り大きい。この後、切断手段を、前記モジュール基板の周囲に沿って移動させながら既述のように設定された切断予定軌道上に移動させて、この切断手段により、前記のモジュール基板の周囲にはみ出した封止部材の余剰部を自動的に切除する。
【0029】
こうした自動トリミングによって、前記モジュールを様々な姿勢にハンドリングする手間やカッターナイフを操作する手間等の様々な人手による作業を不要にできるので、省力化が図れ、トリミング処理能力を従来に比して向上できるとともに、その自動トリミングに要する時間にもばらつきがなくなってその処理時間が一定となるので、工程管理が容易となる。更に、前記自動トリミングでは、前記切断手段による切断作用のばらつきが少ないので、光電変換モジュールに対するトリミング跡が波打つような凹凸状態となることが防止されて、仕上がり状態が良く、しかも、その再現性を得ることができる。
【0030】
その上、モジュール基板よりも一回り大きい切断予定軌道に沿って切断手段を移動させながら封止部材の余剰部を切除するから、切断手段がモジュール基板に接触することがない。よって、余剰部の切除に伴ってモジュール基板が損傷することがないとともに、切断手段が刃付きのカッター板を有している場合に、その刃がモジュール基板により摩耗することが防止され前記カッター板の耐久性を向上できるに伴い、このカッター板の交換頻度を低くできる。
【0031】
請求項2に係る発明装置は、四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素および電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング装置を前提とする。
【0032】
そして、前記課題を解決するために、トリミングヘッドを支持するXYテーブル及び真空吸着ヘッドが設けられたモジュール保持手段を有し、この保持手段により前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢で着脱可能に保持するとともに、前記封止済光電変換モジュールを動かないようにこの封止済光電変換モジュールを前記真空吸着ヘッドで真空吸着して保持するトリミング台と、前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上に保持された前記封止済光電変換モジュールが有する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出する基板検出手段と、前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動可能に設けられ、この移動に伴い前記余剰部を切除する切断手段と、前記基板検出手段により得た検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定するとともに、この軌道上に前記切断手段を移動させる制御装置と、
を具備したことを特徴とする。
【0033】
この発明においては、前記請求項1の発明方法を実行して、封止部材の余剰部を自動的に切除できる。すなわち、トリミング台上に供給された封止後の光電変換モジュールを、そのモジュール基板及び封止部材の余剰部が表側に露出する姿勢に、モジュール保持手段で保持した状態で、基板検出手段を用いてトリミング台上のモジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出し、この検出情報に基づいて制御装置において切断予定軌道を設定する。この軌道はモジュール基板よりも一回り大きい。この後、切断手段を、前記モジュール基板の周囲に沿って移動させながら既述のように設定された切断予定軌道上に移動させる。この相対的移動は制御装置により制御され、この制御下での切断手段による切断動作で、前記のモジュール基板周囲にはみ出した封止部材の余剰部を自動的に切除する。
【0034】
そのため、こうした自動トリミングによって、従来行われていた人手による様々な作業が不要となり省力化が図れ、かつ、トリミング処理能力を向上できるとともに、自動トリミングに要する処理時間が一定となるので工程管理が容易となる。しかも、前記自動トリミングでは、光電変換モジュールの各辺のトリミング跡が波打つような凹凸状態となることが防止されて、仕上がり状態が良く、その再現性を得ることができる。その上、切断手段を、モジュール基板に接触させることなく、モジュール基板よりも一回り大きい切断予定軌道に沿って移動させながら、封止部材の余剰部を切除するから、余剰部の切除に伴うモジュール基板の損傷がないとともに、切断手段が刃付きのカッター板を有している場合に、その刃がモジュール基板により摩耗することが防止されて前記カッター板の耐久性を向上できるに伴い、このカッター板の交換頻度が低くなって、トリミング装置の稼動率を向上できる。
【0035】
請求項3に係る発明方法は、四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素及び電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング方法を前提とする。
【0036】
そして、前記課題を解決するために、請求項3の発明方法は、前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢でトリミング台上に動かないように前記封止済光電変換モジュールを真空吸着ヘッドで真空吸着して保持した後、
基板検出手段により前記トリミング台に対する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出するとともに、その検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定し、次に、切断手段を前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動させながら、前記切断手段による切断作用を前記切断予定軌道上に及ぼして前記余剰部を切除し、この後、前記モジュール基板の輪郭の少なくとも一部をこれに回転研磨体を押付けながら研磨しつつ前記輪郭の少なくとも一部に残留している余剰部を除去することを特徴とする。
【0037】
この発明及び以下の各発明において、回転研磨体には、研磨要素が中心軸の軸方向所定範囲にわたり連続的に存在するように前記中心軸の周囲に前記研磨要素を放射状に取付けてなるホイール型のもの、又は、中心軸の外周部これと同軸にゴムホルダーを取付け、このホルダーの外周面に円筒形の研磨要素(バンド)を嵌着してなるドラム型のもの、或は、中心軸の先端に軸直角方向に延びる円形基盤を取付け、この基盤の前面に研磨要素を取付けてなるディスク型のもの等を使用できる。これらの研磨体において、その研磨要素には、研磨不織布、又は研磨布、或はこれらをミックスしたもの等を使用できる。又、この発明及び以下の各発明において、回転研磨体による研磨は、前記切断予定軌道に従って余剰部を切除するトリミングステージで行ってもよく、又は、請求項5のように余剰部を切断手段で切断するトリミングステージとは別に設けられた研磨用のトリミングステージで行ってもよいものである。そして、前者のように同一のトリミングステージで余剰部の切断及び研磨をする場合は、全ての切断が終わった後に研磨を行わせる順次処理で実行できる他、切断手段を搭載するトリミングヘッドにこの切断手段から適当間隔を開けて回転研磨体を取付け、これら切断手段及び回転研磨体による処理を同時に実行させることもできる。しかも、前者のように同一トリミングステージで切断及び研磨をする場合には、トリミング装置を設置する上での省スペース化と設備コストを低減できる点で好ましい。又、この発明及び以下の各発明において、回転研磨体は、モジュール基板の1辺に対して1又は2以上用意することができる。そして、複数の回転研磨体を用意する場合には、その数に応じて研磨時間を短くすることが可能であるとともに、その際に各回転研磨体の材質や粒度等は同一であっても、異なっていてもよい。又、この発明及び以下の各発明において、オートツールチェンジャーを用いて回転研磨体の交換を適時自動交換できるようにすることができるとともに、回転研磨体の摩耗度合いを処理枚数から推測してモジュール基板の輪郭に対する押付け位置を適時コントロールすることもできる。更には、例えば回転研磨体をばねでモジュール基板側に付勢するとともに、そのばね力を前記処理枚数から推測される回転研磨体の摩耗度合いに応じて変えることにより、モジュール基板の辺に対する回転研磨体の押し当て力をほぼ一定に維持できるようにすることもできる。また、この発明及び以下の各発明において、回転研磨体による残留余剰部の除去は、モジュール基板の全ての辺に対して行う場合に限らず、例えば平行な2辺、又は1辺、或は3辺等少なくとも一辺に対して行えばよく、更に、モジュール基板のコーナー部が尖った角部ではなく、丸みを帯びていたり、斜めに形成されている場合には、各コーナー部に対してその少なくとも一つのコーナー部について残留余剰部を除去することもあり、要すれば、回転研磨体による残留余剰部の除去は、モジュール基板の輪郭の少なくとも一部に対して行えばよいものである。
【0038】
この請求項3の発明方法において、モジュール基板の周囲にはみ出した封止部材の余剰部を切断手段により切除するまでは、前記請求項1の発明と同じであるので、重複を避けるために説明を省略する。そして、この後に、回転研磨体を回転させながらモジュール基板の輪郭の少なくとも一部に押付けて、モジュール基板の周囲に沿って移動させることにより、前記研磨体の研磨作用で、モジュール基板の輪郭の少なくとも一部に残留している余剰部を自動的に除去する。
【0039】
こうした2段階の自動トリミングによって、従来行われていた人手による様々な作業が不要となり省力化が図れ、かつ、トリミング処理能力を向上できるとともに、自動トリミングに要する処理時間が一定となるので工程管理が容易となる。しかも、前記自動トリミングでは、光電変換モジュールのトリミング跡が波打つような凹凸状態となることが防止されるとともに、前記研磨により、きれいな状態に仕上げることができ、その再現性を得ることができる。その上、切断手段を、モジュール基板に接触させることなく、モジュール基板よりも一回り大きい切断予定軌道に沿って移動させながら、封止部材の余剰部を切除するから、余剰部の切除に伴うモジュール基板の損傷がないとともに、切断手段が刃付きのカッター板を有している場合に、その刃がモジュール基板により摩耗することが防止されて前記カッター板の耐久性を向上できるに伴い、このカッター板の交換頻度を低くできる。
【0040】
請求項4に係る発明装置は、四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素および電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング装置を前提とする。
【0041】
そして、前記課題を解決するために、トリミングヘッドを支持するXYテーブル及び真空吸着ヘッドが設けられたモジュール保持手段を有し、この保持手段により前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢で着脱可能に保持するとともに、前記封止済光電変換モジュールを動かないようにこの封止済光電変換モジュールを前記真空吸着ヘッドで真空吸着して保持するトリミング台と、前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上に保持された前記封止済光電変換モジュールが有する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出する基板検出手段と、前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動可能に設けられ、この移動に伴い前記余剰部を切除する切断手段と、前記基板検出手段により得た検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定するとともに、この軌道上に前記切断手段を移動させる制御装置と、回転研磨体を有し、この研磨体を前記余剰部が切除された前記モジュール基板の輪郭の少なくとも一部に押付けこの部分を研磨しつつ前記輪郭の少なくとも一部に残留している余剰部を除去する研磨手段と、を具備したことを特徴とする。
【0042】
この発明においては、前記請求項3の発明方法を実行して、封止部材の余剰部を自動的に除去できる。すなわち、この発明において、モジュール基板の周囲にはみ出した封止部材の余剰部を切断手段により切除するまでは、前記請求項2の発明と同じであるので、重複を避けるために説明を省略する。そして、この後に、研磨手段の回転研磨体を回転させながらモジュール基板の輪郭の少なくとも一部に押付けて、この研磨体を移動させることにより、前記研磨体の研磨作用で、モジュール基板の輪郭の少なくとも一部を磨きながら、その部分に残留している余剰部を自動的に除去する。
【0043】
したがって、この請求項4の発明装置においては、請求項3の発明と同様に2段階の自動トリミングによって、従来行われていた人手による様々な作業が不要となり省力化が図れ、かつ、トリミング処理能力を向上できるとともに、自動トリミングに要する処理時間が一定となるので工程管理が容易となる。しかも、前記自動トリミングでは、光電変換モジュールのトリミング跡が波打つような凹凸状態となることが防止されるとともに、きれいな状態に仕上げることができ、その再現性を得ることができる。その上、切断手段を、モジュール基板に接触させることなく、モジュール基板よりも一回り大きい切断予定軌道に沿って移動させながら、封止部材の余剰部を切除するから、余剰部の切除に伴うモジュール基板の損傷がないとともに、切断手段が刃付きのカッター板を有している場合に、その刃がモジュール基板により摩耗することが防止されて前記カッター板の耐久性を向上できるに伴い、このカッター板の交換頻度が低くなって、トリミングの稼動率を向上できる。
【0044】
請求項5の発明は、前記封止済光電変換モジュールが順次受け渡される第1トリミングステージ及びこの下流側に配置された第2トリミングステージとを備え、前記第1トリミングステージに前記トリミング台、基板検出手段、及び切断手段を設け、かつ、前記第2トリミングステージに前記研磨手段を設けたことを特徴とする。
【0045】
この発明においては、第1トリミングステージで切断手段により余剰部の切除を行なっている期間に、第2トリミングステージでは回転研磨体により残留余剰部を除去できるので、待ち時間がなくなり、生産能力を向上できる。
【0046】
請求項6の発明は、前記回転研磨体がその円周部で研磨をするものであって、この研磨体をその移動方向に転がるように回転させたことを特徴とする。
【0047】
この発明においては、モジュール基板の周部に残留している余剰部を研磨して除去する際に、回転研磨体が、残留余剰部をモジュール基板に押付けるように回転しながら研磨するので、研磨されつつある残留余剰部が捲くられることを防止しつつ除去できる。
【0048】
請求項7の発明は、前記回転研磨体の軸線を前記モジュール基板に対して傾斜させた姿勢で、この回転研磨体を前記モジュール基板に押付けながら研磨することを特徴とする。
【0049】
この発明においては、モジュール基板に対する回転研磨体の研磨面積を大きく確保できるので、研磨処理時間が短くなり、前記モジュール基板に対する回転研磨体の相対的移動速度を高めることができ、しかも、回転研磨体の摩耗を抑制でき長寿命とできる。
又、請求項8の発明方法は、前記基板検出手段に、前記モジュール基板を撮像するCCDカメラを用いることを特徴とする。
請求項9の発明方法は、前記切断手段に上下方向に振動されるカッター板を有した超音波カッターを用いることを特徴とする。
請求項10の発明方法は、前記カッター板と前記モジュール基板の辺との間にあおり角を形成して、前記カッター板により前記余剰部を切除することを特徴とする。
請求項11の発明方法は、前記切断予定軌道を前記モジュール基板の輪郭より0.1mm〜1.5mm外側に設定することを特徴とする。
又、請求項12の発明は、前記基板検出手段が、前記モジュール基板を撮像するCCDカメラを備えていることを特徴とする。
請求項13の発明は、前記切断手段が上下方向に振動されるカッター板を有した超音波カッターであることを特徴とする。
請求項14の発明は、前記カッター板が、この板と前記モジュール基板の辺との間にあおり角を形成して設けられていることを特徴とする。
請求項15の発明は、前記制御装置により、前記切断予定軌道が前記モジュール基板の輪郭より0.1mm〜1.5mm外側に設定されることを特徴とする。
請求項16の発明は、真空集塵機を備え、この集塵機の集塵ヘッドが、前記カッター板の移動方向後側に配置されて前記トリミングヘッドに搭載されていることを特徴とする。
請求項17の発明は、前記集塵ヘッドと前記カッター板が、これらの相互位置関係を維持しつつ、同時かつ前記モジュール基板の一辺についての余剰部が切除されるたびに90°回転させる90°回転機構を介して前記トリミングヘッドに支持されていることを特徴とする。
請求項18の発明は、真空集塵機を備え、この集塵機の集塵ヘッドが前記第2トリミングステージのトリミングヘッドに搭載されかつ前記回転研磨体の移動方向後側に配置されていることを特徴とする。
又、請求項19の発明は、前記集塵ヘッドと前記回転研磨体が、これらの相互位置関係を維持しつつ、同時に90°回転させる90°回転機構を介して前記第2トリミングステージのトリミングヘッドに支持されていることを特徴とする。
【0050】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図6等を参照しながら本発明の第1実施形態を説明する。なお、以下の説明にあたり、図13及び図14で代表して説明した光電変換モジュールとしての太陽電池モジュールMの構成については必要に応じて採用する。この第1実施形態に係るトリミング装置は、モジュール基板としての透明ガラス基板1(以下基板1と略称する。)の周囲四辺の夫々に図示しない枠材を被嵌して出荷される製品を製造する際において、基板1の周囲にはみ出した封止部5、6の余剰部5a、6aを除去するのに好適に使用されるトリミング装置である。
【0051】
図1は第1実施形態に係るトリミング装置を示す概略平面図であって、この図中符号Tで示すトリミング装置は、トリミングステージS1に配置された一台のトリミング台11と、搬入コンベア12と、搬出コンベア13と、基板検出手段としての基板検出装置14と、切断手段としての切断装置15と、制御手段としての制御装置16と、入力手段としての入力装置17と、真空集塵機18とを備えている。
【0052】
トリミング台11は、所定間隔を空けて互いに平行に配置された無端環状のコンベアベルト21を有したコンベア機構を備えており、この機構は制御装置16により制御されて各コンベアベルト21を同期して間欠的に無端走行させるように駆動される。各コンベアベルト21による搬送方向は図1中右方向である。
【0053】
トリミング台11には、その上面にトリミング対象物である封止後の太陽電池モジュール(以下封止済モジュールと略称する。)Mを着脱可能に保持するモジュール保持手段としての真空吸着機構が設けられており、その真空吸着ヘッド22がトリミング台11の上面において隣接するコンベアベルト21間に位置して夫々複数個ずつ配置されている。これら真空吸着ヘッド22は、ゴム製であり、同期して図示しない昇降機構により昇降可能に設けられている。そして、制御装置16での前記昇降機構の制御によって、各真空吸着ヘッド22は、前記コンベア機構の動作時には、各コンベアベルト21による封止済モジュールMの搬送の妨げにならないように各コンベアベルト21の上面よりも下げられ、かつ、トリミング台11上の封止済モジュールMを動かないように保持する時には上昇されるようになっている。
【0054】
図示しないが各真空吸着ヘッド22の給排気経路には個別に圧力センサ及び開閉弁が取付けてあって、これらセンサの検出圧力に基づいて前記制御装置16は、トリミング台11上の封止済モジュールMから外れている真空吸着ヘッド22用の開閉弁を閉じさせて、それら真空吸着ヘッド22の吸着動作を停止させるようになっている。つまり、制御装置16は、トリミング台11上に供給される種々の大きさの封止済モジュールMで覆われている真空吸着ヘッド22のみが有効に真空吸着動作をなすように制御する。
【0055】
搬入コンベア12はトリミング台11の搬送方向上流側である左隣に設置されている。このコンベア12には、図示しないラミネータを経て封止処理された封止済モジュールMが、その封止部材4を裏側にした姿勢、つまり、基板1及び余剰部5a、6aが表側に露出する姿勢で手動又は自動機械により適宜供給される。そして、前記制御装置16により制御される搬入コンベア12の搬送動作により、このコンベア12上の封止済モジュールMがトリミング台11に受け渡される。この時、トリミング台11のコンベア機構は同期して作動し、搬入コンベア12と同速度で封止済モジュールMを移動させる。なお、本発明において搬入コンベア12は省略することもでき、その場合には図示しない搬入機構により直接トリミング台11上に封止済モジュールMを搬入すればよい。
【0056】
搬出コンベア13はトリミング台11の搬送方向下流側である右隣に設置されている。こうして搬入コンベア12及びトリミング台11とともに一直線上に配置された搬出コンベア13には、トリミング台11上で余剰部5a、6aを自動トリミング処理された太陽電池モジュール(以下切除済モジュールと略称する。)MOがトリミング台11から供給される。切除済モジュールMOの搬出コンベア13への供給は、前記コンベア機構と同じ搬送速度で同期して搬出コンベア13を制御装置16により動作させることで行われる。この搬出コンベア13上の切除済モジュールMOは、手動又は図示しない自動搬出機構により、切除済モジュールMOの外周部に枠付けをするための枠付け工程に搬出される。なお、本発明において搬出コンベア13は省略することもでき、その場合には図示しない自動搬出機構により直接トリミング台11から切除済モジュールMOを搬出すればよい。
【0057】
トリミング台11には、この台11のモジュール受け面である上面と対向してX方向スライドユニット25とY方向スライドユニット26とが取付けられている。X方向スライドユニット25は、トリミング台11の幅方向(X方向)に沿ってY方向スライドユニット26を往復移動させるものであり、Y方向スライドユニット26は、このユニット26に支持されたトリミングヘッド27を、Y方向スライドユニット26の軸方向、言い換えれば、トリミング台11の前後方向に往復移動(Y方向)させるものである。したがって、これらスライドユニット25、26を備えるトリミング台11は、いわゆるXYテーブルとして構成されている。
【0058】
トリミングヘッド27には、前記制御装置16により夫々動作を制御される基板検出装置14と、切断装置15と、真空集塵機18の集塵ヘッド18aとが夫々搭載されている。集塵ヘッド18aは可撓性の集塵ダクト18bを介して真空集塵機18の吸込み口に接続されている。
【0059】
図2及び図3に示されるように基板検出装置14は、撮像装置例えばモノクロ又はカラーの2次元CCDカメラ31と、光源装置32と、照明装置33とを備えている。CCDカメラ31の光電変換をなす受光部には例えば8ビットのCCDイメージセンサが用いられており、それにより256段階のグレー階調で撮像信号が出力されるようになっている。光源装置32はハロゲンランプや蛍光ランプ等の光源及びこの光源を点灯させる点灯回路等からなる。照明装置33は、環型に形成されていて、CCDカメラ31の光入射部31aを囲んで配置されている。この照明装置33には光源装置32で発生した光が光ファイバ等のライトガイド34を介して導かれ、この導かれた光を照明装置33は下方に照射し、それによりCCDカメラ31の視野が照明されるようになっている。
【0060】
切断装置15にはいわゆる超音波カッターが採用されている。このカッターは、図2に示すように例えば駆動装置であるアンプ35と、これにより印加される超音波によって上下方向に振動されるナイフ状のカッター板36(図5参照)とを備えている。前記超音波カッターにおいては、その駆動周波数を(20〜40)kHzとし、かつ、出力150W以上で駆動することが望ましい。又、図5に示すように下向きの先端部に斜めの刃36aを有しているカッター板36は、SK材、より好ましくは耐久性に優れるハイス鋼により形成することが望ましい。
【0061】
カッター板36は、本実施形態ではあおり角を設けることなく封止済モジュールMの基板1の辺に並行な姿勢で余剰部5a、6aの切除に供されるようにしてある。しかし、本発明においては、カッター板36を図7に示すように封止済モジュールMの基板1の辺に対してほぼ30°以下のあおり角θを設けた姿勢で余剰部5a、6aの切除に供されるようにすることもできる。この場合には、斜めの姿勢のカッター板36を、それが切断した余剰部5a、6aを封止済モジュールMの基板1の各辺から遠ざけるスクレーパとして利用できる点で優れている。こうしたスクレーパ作用を得る場合には、前記切除に伴って発生する熱で熱可塑性の第1封止部5の余剰部5aの切断箇所が溶けることがあっても、それによる余剰部5aの再付着を防止できる。
【0062】
集塵ヘッド18aはカッター板36に対してその移動方向後側に配置されていて、カッター板36が余剰部5a、6aを切除する傍から切除された部分を吸引できるように設けられている。この集塵ヘッド18aとカッター板36とは、図示しない90°回転機構に共に支持されており、この機構を介してトリミングヘッド27に搭載されている。
【0063】
前記90°回転機構は集塵ヘッド18a及びカッター板36の相互位置関係を維持しつつ、これらを同時に90°回転させるものであり、それにより、前記X、Yの各方向へのトリミングヘッド27の移動に拘らずに、封止済モジュールMの基板1の各辺に対するカッター板36の姿勢を、常に所定の姿勢、つまり本実施形態ではあおり角が零の姿勢に維持できるようになっている。なお、90°回転機構は正転及び逆転が可能で、いずれの場合でも同一方向には360°以上の回転ができないようにしてあって、CCDカメラ31に接続された電線等がねじれないように配慮してある。
【0064】
制御装置16は、トリミング装置Tの全般にわたる各種の制御を担うものであり、例えば、図1に示すように入力装置17が接続されたコンピュータ16a、このコンピュータ16aによって制御されるシーケンサ16b、X−Yテーブルコントローラ16c、及び撮像装置コントローラ16dを備えている。シーケンサ16bは、搬入・搬出の両コンベア12、13をはじめとする各種の機構を定められた順序に従ってシーケンス制御する。X−Yテーブルコントローラ16cは、トリミング台11のX方向スライドユニット25及びY方向スライドユニット26の動作を制御して、トリミングヘッド27の位置決め及び移動を行わせるものである。また、撮像装置コントローラ16dは、CCDカメラ31の撮像動作を制御するとともに、このカメラ31から出力される撮像信号を処理して、トリミング台11上の封止済モジュールMの基板1の位置及びこの基板1の輪郭を検出し、その輪郭情報をコンピュータ16aに転送する。そして、コンピュータ16aは、検出された情報等に基づいて、前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定するものである。なお、検出されたデータ、及び設定された切断予定軌道は、いずれもトリミング台11上の新たな封止済モジュールMに対する計測が開始される毎に書き換えられて更新可能である。図4(C)は、検出された透明ガラス基板1の輪郭に対して一回り大きい切断予定軌道Lが、コンピュータ16aにおいて設定された情況のイメージを示しており、この軌道Lは、前記基板1の各辺1a〜1dに対して(0.1〜1.5)mm、好ましくはほぼ0.5mm外側に設定される。
【0065】
前記入力装置17はディスプレイ付きの操作パネルからなり、そのキーボードを介してトリミング装置Tの全般にわたる制御に必要とされる太陽電池モジュールMの大きさ、トリミング台11への封止済モジュールMの大まかな搬入位置の情報、切断予定軌道Lを設定するための初期値、トリミングヘッド27の初期位置の座標等が、制御装置16に予め与えられるようになっている。
【0066】
次に、図示しないラミネータで既に封止された封止済モジュールMの余剰部5a、6aに対する自動トリミング作業について説明する。
【0067】
搬入コンベア12上に供給された封止済み太陽電池モジュールMは、搬入コンベア12上での姿勢のまま、つまり、基板1及び余剰部5a、6aが共に表側(上面側)に露出した姿勢のままで、搬入コンベア12及びトリミング台11のコンベアベルト21が同期して駆動されることにより、搬入コンベア12からトリミング台11のコンベアベルト21上に受け渡される。この受渡しの完了後にも、コンベアベルト21を有したコンベア機構の駆動は継続され、それにより、初期位置に配置されているトリミングヘッド27に搭載され既に動作している基板検出装置14のCCDカメラ31の視野Eに、例えば封止済モジュールMの移動方向前側の辺1cが適当に入った時点で、コンベアベルト21の駆動が停止される。
【0068】
この停止後に、各真空吸着ヘッド22が上昇されるとともに、そのうちの封止済モジュールMで完全に覆われている各真空吸着ヘッド22のみが負圧とされて、これらヘッド22に封止済モジュールMが吸付けられ、封止済モジュールMが動き止めされる。この場合、封止済モジュールMの裏面、言い換えれば、第2封止部6を真空吸着するので、吸着痕が光入射面である基板1の表面に付くことがなく、よって、吸着痕の除去作業を余儀なくされることがないとともに、製品の商品性を高めるのに有効である。
【0069】
こうしてトリミング台11上の適正位置に封止済モジュールMが保持された後に、X方向スライドユニット25、及びY方向スライドユニット26が夫々動作される。それに伴い、既に動作されている基板検出装置14は、その光源装置32が生成した照明光が照明装置33を介してCCDカメラ31の視野Eを含んだ領域に投射して、この領域を照明しており、この照明下においてCCDカメラ31により前記視野Eを撮像している。そのため、CCDカメラ31から出力された撮像信号は、制御装置16のコンピュータ16aに供給されて、ここでの信号処理により基板1のエッジ部1g、より詳しくは、基板1の辺1cと基板1の他面1f側のエッジ部1gとがなす陵、言い換えれば、前記辺1cの位置が以下のように検出される。
【0070】
CCDカメラ31から出力された撮像信号、詳しくは、検出しようとしている基板1の前記辺1cを含んだ撮像領域についての二次元の撮像情報において、図3(B)中線分C−Cで代表して示す基板1の辺1cを直交する任意の一次元方向に沿う撮像信号の波形は、図3(B)に示される。この図に示すように通常黒色系である封止部6の余剰部6aの信号レベルaはグレー階調において最も低く、これに隣接して通常白色半透明をなしている封止部5の余剰部5aの信号レベルbは前記余剰部6aよりは高い。又、透明ガラス基板1についての信号レベルc、dは、前記余剰部5aよりも格段に高いものの、基板1の平坦な他面1fの最も高い信号レベルdに比較して、面取りされているエッジ部1gの信号レベルcは一段下がっている。したがって、このような信号レベルの歴然とした差を利用して、コンピュータ16aにおいては例えば信号レベルb、cの差を判別することにより、エッジ検出、つまり、基板1の辺1cと基板1の他面1f側のエッジ部1gとがなす陵、言い換えれば、前記辺1cの位置を検出している。
【0071】
そして、このようなエッジ検出が、X方向スライドユニット25及びY方向スライドユニット26を介してトリミングヘッド27を基板1の周囲に沿って一回り移動させながら、基板1の各辺1a〜1dについて夫々2ヵ所以上、好ましくは3ヵ所以上実施される。例えば、図2のように初めにY方向スライドユニット26によりトリミングヘッド27を辺1b方向に所定距離ずつ移動して辺1cの3箇所についてのエッジ検出を行った後、X方向スライドユニット25によりY方向スライドユニット26を辺1a方向に所定距離ずつ移動して辺1bの3箇所についてのエッジ検出を行い、ついで、Y方向スライドユニット26によりトリミングヘッド27を辺1d方向に所定距離ずつ移動して辺1aの3箇所についてのエッジ検出を行った後、X方向スライドユニット25によりY方向スライドユニット26を辺1c方向に所定距離ずつ移動して辺1dの3箇所についてのエッジ検出を行う。なお、図2中Kはトリミングヘッド27の移動軌跡を示している。又、以上のように基板の1辺当り3点のエッジ検出をしたイメージは図4(A)に示されており、この図4中×印はエッジ検出点、点線の○印は検出予定点を夫々示している。
【0072】
こうして得られた各エッジ検出点のCCDカメラ31の視野E(図2参照)内での座標は夫々制御装置16のコンピュータ16aに供給される。このコンピュータ16aは、初めに基板1の輪郭を設定する。つまり、各エッジ検出点を検出する際に静止されているトリミングヘッド27の座標データ及び各エッジ検出点の座標データ等に基づいて、トリミング台11上に固定状態に保持されている基板1の位置、及びこの基板1の各辺1a〜1dの位置、つまり、基板1の輪郭が抽出(検出)される。この場合、コンピュータ16aは、各辺1a〜1d上の3つのエッジ検出点を通って直線が引かれるかどうかの線分化を実行して、それが実現される場合にその辺の抽出を完了する。この線分化による基板1の輪郭抽出のイメージは図4(B)に示されており、この図中Q1〜Q4は夫々各辺1a〜1dに対応する直線であり、これらの線Q1〜Q4により基板1の輪郭が定められる。従って、この場合、基板1の寸法公差を含めた基板1のエッジデータの抽出、つまり、輪郭抽出がなされる。なお、前記線分化による3点を結ぶ直線が成立しない場合、制御装置16は、基板検出装置14による計測位置を変えて、前記線分化による3点を結ぶ直線が成立するまで再計測を繰返し実行させる。
【0073】
以上のようにして封止済モジュールMのトリミング台11上での位置及びその基板1の輪郭を検出した後、制御装置16のコンピュータ16aは、以上のようにして検出された基板1の位置データ及び輪郭検出データ等の検出情報に基づき、予め初期設定により定められている軌道設定用の初期値(例えば0.5mm)を用いて、図2及び図4(C)に示すように検出された基板1の輪郭より一回り大きい切断予定軌道Lを設定する。
【0074】
又、以上の基板検出装置14による基板1の計測中は、切断装置15への通電は行われていてもよいが、本実施形態においては、切断装置15のアンプ35の温度上昇を抑制するために、制御装置16は切断装置15への通電を断つようになっている。
【0075】
次に、制御装置16は、X方向スライドユニット25及びY方向スライドユニット26を介してトリミングヘッド27を基板1の周囲に沿って一回り移動させながら、このヘッド27に搭載された切断装置15を用いて、そのカッター板36を図5に示すように基板1及び余剰部5a、6aが共に露出した上面側から基板1の各辺1a〜1dからはみ出している余剰部5a、6aに作用させて、余剰部5a、6aを切除させる。この場合に、切断装置15による基板1の一辺についての余剰部5a、6aの切除を完了するたびに、切断装置15は図示しない90°回転機構により向きを90°変えられる。それにより、前記一辺に直角に連なる辺に対するカッター板36の向きの整合性が確保される。
【0076】
前記余剰部5a、6aの切除においては、制御装置16により、切断装置15のカッター板36が前記切断予定軌道Lを正確にトレースするようにトリミングヘッド27の移動が制御される。そのため、カッター板36は、基板1に接することなく、基板1の各辺1a〜1dのほぼ0.5mm外側を一回りして余剰部5a、6aの殆どを切除する。
【0077】
こうして余剰部5a、6aが切除(トリミング)された情況では、図6に示されているように前記輪郭と前記切断予定軌道Lとの差に応じて僅かな分だけ余剰部5aが基板1の各辺1a〜1dに僅かに張り付いて残留している。この残留余剰部を符号4aで示す。しかし、本実施形態のトリミング装置Tは、フレーム付きの製品に用いる太陽電池モジュールMの余剰部5a、6aを既述のようにトリミングするものであるため、0.5mm程度の前記残留余剰部4aが製品において問題となることはない。又、以上のトリミングにおいて、トリミングヘッド27の移動速度、つまり、基板1の一辺が延びる方向へのカッター板36の移動速度を(100〜500)mm/secとすると、切断面をきれいに仕上げることができた。
【0078】
そして、以上のような余剰部5a、6aのトリミングによれば、基板1と非接触に切断作用を営むカッター板36の刃36aが、これよりも硬い基板1によって摩耗し、早期に切味が低下することがないので、カッター板36の耐久性を向上できる。そのため、カッター板36の交換頻度が低くなって、トリミング装置Tの稼動率を向上できる。勿論、カッター板36により基板1が切られることもない。
【0079】
又、以上のトリミング時には、制御装置16により集塵機18が集塵動作をするので、カッター板36により切除された余剰部5a、6aは、切除される傍から集塵ヘッド18aに吸込まれて、周囲に飛散することなく集塵される。又、前記トリミングの際には基板検出装置14の撮像動作は停止していてもよいが、切除情況を監視すべく動作させて、そのCCDカメラ31の撮像信号を入力装置17のモニタ画面に再生させること望ましい。
【0080】
以上のようにして封止済モジュールMの4辺1a〜1dの夫々についての自動トリミングが完了した後には、トリミング台11のコンベア機構、搬入コンベア12、及び搬出コンベア13が同期して駆動される。それにより、トリミング台11上から切除済モジュールMOが搬出コンベア13上に移送され受け渡されるとともに、空になったトリミング台11上に既述のように次の封止済モジュールMが受け渡され、かつ、搬出コンベア13上の切除済モジュールMOは、その四周の全てに枠付けをするための枠付け工程に搬出される。
【0081】
前記構成のトリミング装置Tは、以上の動作を繰返して実行するものであるから、このトリミング装置Tを用いて封止済モジュールMの余剰部5a、6aを自動トリミングすることによって、封止済モジュールMを様々な姿勢にハンドリングする手間やカッターナイフを操作する手間等の様々な人手による作業を不要にできる。よって、省力化が図れ、トリミング処理能力を従来に比して5倍以上と大幅に向上できる。しかも、前記自動トリミングに要する時間にもばらつきがなく、その処理時間が一定となるので、トリミングの処理時間の把握が容易で、工程管理が容易となる。更に、前記自動トリミングでは、切断装置15による切断作用のばらつきがないので、切除済モジュールMOの各辺のトリミング跡が波打つような凹凸状態となることが防止されて、仕上がり状態が良く、従って、製品の耐久性向上に寄与できるとともに、再現性も得ることができる。
【0082】
図7〜図11は本発明の第2実施形態に係るトリミング装置を示している。この第2実施形態の装置は、第1実施形態のトリミング装置に研磨手段付きの第2トリミング台及び中間搬出装置を付加した点が、第1実施形態とは異なり、その他の構成は第1実施形態と同じであるため、第1実施形態の構成と同様な構成については第1実施形態と同符号を付して、その説明を省略し、以下、第1実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0083】
中間搬出装置41は、トリミング台11上の切除済モジュールを取出すために設けられ、例えば研磨処理前の切除済モジュールMOの平行な2辺をハンドリングするハンドリングツール、又は、基板1を真空吸着する吸着ヘッド等のハンドリングヘッドを有して形成されている。この中間搬出装置41は、トリミング台11の真上に対向する第1位置と、トリミング台11上から外れた第2位置とにわたり、搬入コンベア12から搬出コンベア13へと移動されるモジュールMの通常の流れ方向と直交する方向に沿って往復移動可能に設けられている。第2位置への搬出によって、切除済モジュールMOがその四辺部に枠付けをするための枠付け工程に供給される。なお、この中間搬出装置41は省略することもできる。
【0084】
切除済モジュールMOの前記残留余剰部4aを除去するための研磨手段としての研磨装置は、前記トリミング台11(なお、本実施形態では第1トリミング台11と称する。)と搬出コンベア13との間に設定されたトリミングステージS2、言い換えれば、搬入コンベア12から搬出コンベア13へと移動されるモジュールMの通常の流れ方向においてトリミング台11の下流側に隣接して設置された第2トリミング台43を備えている。なお、本実施形態では、第1トリミング台11が配置されたトリミングステージS1との区別を明らかにするため、第1トリミング台11が配置された作業ステージを第1トリミングステージS1と称し、かつ、第2トリミング台43が配置された作業ステージを第2トリミングステージS2と称する。
【0085】
図9及び図10に示すように第2トリミング台43は、そのトリミングヘッド44に、前記第1実施形態の基板検出装置、切断装置、及び集塵ヘッドに代えて、回転研磨体45及びこれを直結して回転駆動する駆動モータ46とともに、集塵ヘッド18dを搭載しており、この点以外の構成は前記第1トリミング台11と同じであるので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
【0086】
回転研磨体45には、例えば粒度が(60〜400)番の研磨不織布又は研磨布等からなる研磨要素を、駆動モータ46により回転される中心軸の軸方向所定範囲にわたり連続的に存在するように前記中心軸の周囲に放射状に取付けてなるホイール型のものが使用されている。なお、第2封止部6がアルミ箔の層を有している場合には、フェルト系の研磨布の使用は不適当であり、前記アルミをも研磨できる強度を有した非フェルト系の研磨不織布又は研磨布等の研磨要素を用いればよい。回転研磨体45においてホイール構造をなしている研磨要素の全長は、切除済モジュールMOの厚みよりも長い。
【0087】
駆動モータ46は、それへの印加電流の制御等によって回転数を調節できるもの、例えば(1500〜8000)rpmの範囲で回転数調節ができるものが採用されている。このモータ46の回転数は、制御装置16に予め設定された回転数設定用の制御データに従って、封止部材4の材質や回転研磨体45の切除済モジュールMOの各辺に対する相対的移動速度等に応じて適合するように都度入力装置17により指定されるが、特に第1封止部5が焦げ付かないようにするためには、約600rpm以下の回転数とすることが望ましい。駆動モータ46によって回転研磨体45は、切除済モジュールMOに対する移動方向に転がるように回転駆動され、図10の場合には反時計回りである。
【0088】
前記回転研磨体45はその軸線を切除済モジュールMOの厚み方向と平行な姿勢、つまり、鉛直方向に起きた姿勢で設けてもよいが、本実施形態では研磨体外周面のほぼ全体で研磨するために図10に示すように各辺に対して斜めとなる姿勢で設けられている。図10(B)に示す例では、回転研磨体45の上部が、下部側より前記各辺に対する回転研磨体42の移動方向に先行するように傾斜されているが、これは逆であってもよい。
【0089】
又、トリミングヘッド44には、前記真空集塵機18に可撓性の集塵ダクト18dを介して接続された集塵ヘッド18cが取付けられている。この集塵ヘッド18cは回転研磨体45に対してその移動方向後側に配置されていて、回転研磨体45が余剰部4aを研磨する傍から研磨された余剰部(研磨滓)を吸引できるように設けられている。この集塵ヘッド18cと回転研磨体45とは、図示しない90°回転機構に共に支持されており、この機構を介してトリミングヘッド44に搭載されている。90°回転機構は集塵ヘッド18c及び回転研磨体45の相互位置関係を維持しつつ、これらを同時に90°回転させるものであり、それにより、X方向スライドユニット25及びY方向スライドユニット26による縦横両方向へのトリミングヘッド44の移動に拘らずに、回転研磨体45が常に切除済モジュールMOの基板1の各辺に対して図10に示した所定の姿勢を維持できるようになっている。又、90°回転機構は正転及び逆転が可能で、いずれの場合でも同一方向には360°以上の回転ができないようにしてあって、駆動モータ46に接続された電線等がねじれないように配慮してある。
【0090】
XYテーブルとして構成された前記第2トリミング台43での残留余剰部4aの除去においては、第1トリミング台11でのトリミングヘッド27の移動経路と同様な移動軌跡Rを描くように制御装置16により、トリミングヘッド44の移動が制御される。この場合に、回転研磨体45の周部が基板1の各辺1a〜1dに押付けられながら、この基板1の外側を一回りして残留余剰部4aを研磨して除去できるようになっている。なお、以上の点以外の構成は、図8〜図11に示されない構成を含めて前記第1実施形態と同じである。
【0091】
次に、この第2実施形態での自動トリミング作業について説明する。なお、第1トリミング台11での封止部材4の余剰部5a、6aの切断による除去は、第1実施形態と同じであるため、その説明は省略し、前記切除に引続いて残留余剰部4aを除去する第2トリミング台43での作動を説明する。
【0092】
第1、第2のトリミング台11、43のコンベア機構は制御装置16により同期して駆動されるので、第2トリミング台43上から以下のようにして残留余剰部4aが除去された研磨完了済の太陽電池モジュール(以下研磨済モジュールと略称する。)MOUが搬出コンベア13上に受け渡されると共に、このトリミング台43上に第1トリミング台11上の切除済モジュールMOが受け渡され、このモジュールMOは、所定位置において第2トリミング台43の真空吸着ヘッド22で動かないように保持される。
【0093】
この後、第1トリミング台11での余剰部5a、6aの切除動作と同期して、制御装置16により、第2トリミング台43での残留余剰部4aが除去される。つまり、制御装置16は、駆動モータ46を駆動して回転研磨体45を回転させるとともに、この回転研磨体45の周部を切除済モジュールMOの基板1に押付けながら、基板1の各辺1a〜1dに順次沿わせながら前記移動軌跡Rを描くようにX、Yの両スライドユニット25、26を動作させて、トリミングヘッド44を基板1の外側を一回りさせる。
【0094】
このようにして基板1の各辺1a〜1dに回転研磨体45の研磨作用を及ぼすことによって、基板1の各辺1a〜1dに付着している前記残留余剰部4aを除去しつつ、基板1の各辺1a〜1dを研磨することができる。残留余剰部4aが除去(トリミング)された情況は図11に示されており、前記各辺1a〜1dはきれいに研かれている。なお、以上の残留余剰部4aの除去において、基板1の各辺1a〜1dが延びる方向への回転研磨体45の移動速度は、制御装置16により(50〜300)mm/secの範囲で調節可能であって、この範囲であれば、各辺1a〜1d及び封止部材4の端面がきれいに仕上げることができる。取分け、研磨に伴う第1封止部5の焦げ付きを防止しつつ、処理速度を高めるために、回転研磨体45の回転数を(3600〜5000)rpm、回転研磨体45の移動速度を200mm/secとするとよい。
【0095】
そして、研磨済モジュールMOUは、第2トリミング台43と搬出コンベア13等との同期運転に伴い、第2トリミング台43から移送され搬出コンベア13上に受け渡されるとともに、空になった第2トリミング台43上には既述のように次の切除済モジュールMOが受け渡され、かつ、搬出コンベア13上の研磨済モジュールMOUは、その一辺のみに枠付けをするための次工程に搬出される。
【0096】
又、以上のトリミングにおいて制御装置16により集塵機18が同時に集塵動作されるので、回転研磨体45により除去された残留余剰部4aは、切除される傍から集塵ヘッド18cに吸込まれて、周囲に飛散することなく集塵される。
【0097】
したがって、以上の動作を繰返して実行する第2実施形態のトリミング装置Tを用いて、封止済モジュールMの余剰部5a、6aを超音波カッターで自動トリミングした後、切除済モジュールMOの残留余剰部4aを回転研磨体45で自動トリミングすることによって、第1実施形態と同様に封止済モジュールM及び切除済モジュールMOを様々な姿勢にハンドリングする手間やカッターナイフを操作する手間等の様々な人手による作業を不要にできる。よって、省力化が図れ、トリミング処理能力を従来に比して5倍以上と大幅に向上できる。しかも、前記自動トリミングに要する時間にもばらつきがなく、その処理時間が一定となるので、トリミングの処理時間の把握が容易で、工程管理が容易となる。更に、前記自動トリミングでは、切断装置15による切断作用のばらつきがないので、切除済モジュールMOの各辺のトリミング跡が波打つような凹凸状態となることが防止されるとともに、仮に、第1トリミング台11での処理により封止部材4の端面が前記のような凹凸状態となったとしても、次の第2トリミング台43での研磨により残留余剰部4aを確実に除去して仕上がり状態が良くすることができる。従って、製品の耐久性向上に寄与できる。そして、この場合に、残留余剰部4aの除去と同時に基板1の各辺1a〜1dの夫々が研かれるので、きれいに仕上げることができ、かつ、その再現性も得ることができる。
【0098】
したがって、太陽電池モジュールMの一辺のみに枠付けして製品とするために用いられる太陽電池モジュールのトリミング装置Tとして、この第2実施形態のものは適している。
【0099】
しかも、この第2実施形態のトリミング装置Tは既述のように中間搬出装置41を備えており、必要に応じて第1トリミング台11で封止部材4の余剰部5a、6aを切除された切除済モジュールMOを、図8に示す一連の処理ラインの途中から搬出して、枠付け工程に搬送することができる。したがって、基板1の四辺に夫々枠材を取付けて製品として出荷する形態、及び基板1の1辺のみに枠材を取付けて他の3辺を露出させて製品として出荷する形態のいずれに対しても、この第2実施形態のトリミング装置Tは好適に使用できるものであり、製品出荷形態が基板1の四辺に夫々枠材を取付けるにも拘らず、要求仕様以上の仕上げである基板1の各辺1a〜1dの夫々に対する無駄な研磨作業を省略できる。
【0100】
又、前記回転研磨体45は、その移動方向に転がるように回転しつつ残留余剰部4aを研磨して除去するので、この研磨体45の回転方向によって残留余剰部4aを基板1の辺に押付けながら除去できる。そのため、研磨されつつある残留余剰部が捲くられることを防止しつつ除去できる。しかも、回転研磨体45が基板1の辺に対して傾斜しているから、基板1の辺に対する回転研磨体45の研磨面積を大きく確保できる。そのため、研磨処理時間が短くなり、前記辺に対する回転研磨体45の相対的移動速度を高めることができ、処理効率を向上できる。それだけではなく、回転研磨体45が局部的に減ることがなく摩耗が抑制され、この研磨体45を長寿命とできるので、この研磨体45の交換頻度が低くなって、トリミング装置Tの稼動率を向上できる。
【0101】
なお、本発明は前記各実施形態には制約されない。例えば、図12に示すようにトリミング台上に搬入された基板1に対してその周囲四方から接離するナイフエッジ等の接触プローブ51を、基板1のエッジ部1gに押し当てて、この押し当った位置によりトリミング台上に基板1の位置を検出する基板検出手段を構成することができるとともに、その検出データ(検出情報)に基づいて切断予定軌道を設定するようにしてもよい。
【0102】
又、本発明において、トリミング台に対して太陽電池モジュール等の光電変換モジュールは水平な姿勢ではなく、斜め又は垂直な姿勢で保持させるようにしてもよい。しかも、封止部材の余剰部に接してこれを除去する際に、その切除や研磨を行う部分やその近傍部分に、水や、空気(冷却したものを含む)等を吹付けて冷却することは、余剰部の除去に伴って第1封止材が溶けて再付着するおそれを抑制できる点で望ましい。
【0103】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0104】
請求項1及び2に係る発明のトリミング方法及び装置によれば、モジュール基板の周囲にはみ出した封止部材の余剰部を切除するトリミング処理能力を向上できるとともに、その処理時間が一定で工程管理が容易であるので、光電変換モジュールの生産性向上に寄与でき、更に、再現性があるので、生産される光電変換モジュールの品質を向上できる。しかも、切断手段がモジュール基板に接触することなく余剰部を切除するから、余剰部の切除に伴うモジュール基板の損傷の恐れがないとともに、切断手段が刃付きのカッター板を有する場合に、このカッター板の交換頻度が低くなって稼動率を向上できるから、更に生産性の向上に寄与できる。
【0105】
請求項3及び4に係る発明のトリミング方法及び装置によれば、モジュール基板の周囲にはみ出した封止部材の余剰部を切除してから研磨手段により除去するトリミング処理能力を向上できるとともに、その処理時間が一定で工程管理が容易であるので、光電変換モジュールの生産性向上に寄与でき、更に、再現性があるとともに、光電変換モジュールをきれいに研いて仕上がり状態を良くできるので、生産される光電変換モジュールの品質を向上できる。しかも、切断手段がモジュール基板に接触することなく余剰部を切除するから、余剰部の切除に伴うモジュール基板の損傷の恐れがないとともに、切断手段が刃付きのカッター板である場合に、このカッター板の交換頻度が低くなって稼動率を向上できるから、更に光電変換モジュールの生産性の向上に寄与できる。
【0106】
請求項5の発明のトリミング装置によれば、封止部材の余剰部の切除と、この切除後の残留余剰部を除去とを、互いに異なるトリミングステージで並行して行えるので、生産能力が向上されるに伴い、光電変換モジュールの生産性を向上できる。
【0107】
請求項6の発明のトリミング装置によれば、モジュール基板の周部に残留している余剰部が回転研磨体によって捲くられることを防止しつつ、前記残留した余剰部を前記回転研磨体によって除去できるので、生産される光電変換モジュールの品質を向上できる。
【0108】
請求項7の発明のトリミング装置によれば、回転研磨体による研磨処理時間を短縮できるとともに、回転研磨体の摩耗が抑制されて長寿命となりその交換頻度が下がるから、光電変換モジュールの生産性の向上に寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の発明方法を実施するトリミング装置の第1実施形態を示す概略平面図。
【図2】図1のトリミング装置が備えるトリミングヘッドとこれによりトリミングされる太陽電池モジュールとの関係を示す概略平面図。
【図3】(A)は図1のトリミング装置が備える基板検出手段の構成を太陽電池モジュールの一部断面とともに示す図。
(B)は図3(A)の基板検出手段の視野及びこの視野の検出波形との関係を示す図。
【図4】(A)は図3(A)の基板検出手段によるモジュール基板のエッジ検出を説明する図。
(B)は図3(A)のエッジ検出に基づくモジュール基板の一辺のエッジ検出を説明する図。
(C)は検出されたモジュール基板のエッジデータに対して一回り大きい切断予定軌道が設定された情況をイメージで示す図。
【図5】(A)は図1のトリミング装置が備える超音波カッターの一部を太陽電池モジュールの一部断面とともに示す図。
(B)は前記超音波カッターによるトリミング状況を図5(A)中Z方向から見て示す側面図。
【図6】図5の超音波カッターでトリミングされた太陽電池モジュールの一部を示す断面図。
【図7】超音波カッターによる他のトリミング形態を示す概略平面図。
【図8】本発明の第2の発明方法を実施するトリミング装置の第2実施形態を示す概略平面図。
【図9】図8のトリミング装置が備える第2トリミングヘッドとこれによりトリミングされる太陽電池モジュールとの関係を示す概略平面図。
【図10】(A)は図9のトリミング装置が備える回転研磨体を太陽電池モジュールの一部断面とともに示す図。
(B)は図10(A)中矢印Y方向から見て示す側面図。
【図11】図10の回転研磨体でトリミングされた太陽電池モジュールの一部を示す断面図。
【図12】(A)はナイフエッジによるモジュール基板のエッジ検出の例を示す概略平面図。
(B)は図12(A)ナイフエッジがモジュール基板のエッジを検出した状態を示す図。
【図13】(A)は太陽電池モジュールの透明ガラス基板を示す平面図。
(B)は図13中W−W線に沿って示す断面図。
(C)は透明ガラス基板の縁部の他の例を示す図13(B)相当の断面図。
【図14】(A)は封止処理された太陽電池モジュールをその透明ガラス基板側から見て示す平面図。
(B)は図14(A)中V−V線に沿う断面図。
(C)は図14(A)中U−U線に沿う断面図。
【符号の説明】
M…太陽電池モジュール(光電変換モジュール)
1…透明ガラス基板(モジュール基板)
1a〜1d…透明ガラス基板(モジュール基板)の各辺
2…光電変換要素
3…電極
4…封止部材
4a…残留余剰部
5…第1封止部
6…第2封止部
5a、6a…余剰部
T…トリミング装置
11…(第1)トリミング台
14…基板検出装置(基板検出手段)
15…切断装置(切断手段)
16…制御装置(制御手段)
16a…コンピュータ
17…入力装置(入力手段)
18…集塵機
18a,18c…集塵ヘッド
22…真空吸着ヘッド
25…X方向スライドユニット
26…Y方向スライドユニット
27…トリミングヘッド
31…CCDカメラ
36…カッター板
θ…あおり角
L…切断予定軌道
M…封止済光電変換モジュール
K…カッターの移動軌跡
S1…第1トリミングステージ
43…第2トリミング台(研磨手段)
44…トリミングヘッド
45…回転研磨体
46…駆動モータ
S2…第2トリミングステージ
R…回転研磨体の移動軌跡

Claims (19)

  1. 四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素及び電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング方法であって、
    前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢でトリミング台上に動かないように前記封止済光電変換モジュールを真空吸着ヘッドで真空吸着して保持した後、
    基板検出手段により前記トリミング台に対する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出するとともに、その検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定し、
    次に、切断手段を前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動させながら、前記切断手段による切断作用を前記切断予定軌道上に及ぼして、前記余剰部を切除することを特徴とする光電変換モジュールのトリミング方法。
  2. 四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素および電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング装置であって、
    トリミングヘッドを支持するXYテーブル及び真空吸着ヘッドが設けられたモジュール保持手段を有し、この保持手段により前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢で着脱可能に保持するとともに、前記封止済光電変換モジュールを動かないようにこの封止済光電変換モジュールを前記真空吸着ヘッドで真空吸着して保持するトリミング台と、
    前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上に保持された前記封止済光電変換モジュールが有する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出する基板検出手段と、
    前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動可能に設けられ、この移動に伴い前記余剰部を切除する切断手段と、
    前記基板検出手段により得た検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定するとともに、この軌道上に前記切断手段を移動させる制御装置と、
    を具備したことを特徴とする光電変換モジュールのトリミング装置。
  3. 四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素及び電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング方法であって、
    前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢でトリミング台上に動かないように前記封止済光電変換モジュールを真空吸着ヘッドで真空吸着して保持した後、
    基板検出手段により前記トリミング台に対する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出するとともに、その検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定し、
    次に、切断手段を前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動させながら、前記切断手段による切断作用を前記切断予定軌道上に及ぼして前記余剰部を切除し、
    この後、前記モジュール基板の輪郭の少なくとも一部をこれに回転研磨体を押付けながら研磨しつつ前記輪郭の少なくとも一部に残留している余剰部を除去することを特徴とする光電変換モジュールのトリミング方法。
  4. 四角形状のモジュール基板と、この基板の一面側に設けられて光電変換をする光電変換要素と、前記一面側に設けられ前記光電変換要素で得た電力を取出す電極と、前記一面側に被着されて前記光電変換要素および電極を保護しかつ前記モジュール基板の各辺からはみ出した封止部材とを備えた封止済光電変換モジュールについて、前記モジュール基板周囲にはみ出した前記封止部材の余剰部を除去するトリミング装置であって、
    トリミングヘッドを支持するXYテーブル及び真空吸着ヘッドが設けられたモジュール保持手段を有し、この保持手段により前記封止済光電変換モジュールをそのモジュール基板及び余剰部が表側に露出する姿勢で着脱可能に保持するとともに、前記封止済光電変換モジュールを動かないようにこの封止済光電変換モジュールを前記真空吸着ヘッドで真空吸着して保持するトリミング台と、
    前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上に保持された前記封止済光電変換モジュールが有する前記モジュール基板の位置及びこの基板の輪郭を検出する基板検出手段と、
    前記トリミングヘッドに搭載されて前記トリミング台上の前記封止済光電変換モジュールのモジュール基板の周囲に沿って一回り移動可能に設けられ、この移動に伴い前記余剰部を切除する切断手段と、
    前記基板検出手段により得た検出情報に基づいて前記輪郭より一回り大きい切断予定軌道を設定するとともに、この軌道上に前記切断手段を移動させる制御装置と、
    回転研磨体を有し、この研磨体を前記余剰部が切除された前記モジュール基板の輪郭の少なくとも一部に押付けこの部分を研磨しつつ前記輪郭の少なくとも一部に残留している余剰部を除去する研磨手段と、
    を具備したことを特徴とする光電変換モジュールのトリミング装置。
  5. 前記封止済光電変換モジュールが順次受け渡される第1トリミングステージ及びこの下流側に配置された第2トリミングステージとを備え、前記第1トリミングステージに前記トリミング台、基板検出手段、及び切断手段を設け、かつ、前記第2トリミングステージに前記研磨手段を設けたことを特徴とする請求項4に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  6. 前記回転研磨体がその円周部で研磨をするものであって、この研磨体をその移動方向に転がるように回転させたことを特徴とする請求項4又は5に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  7. 前記回転研磨体の軸線を前記モジュール基板に対して傾斜させた姿勢で、この回転研磨体を前記モジュール基板に押付けながら研磨することを特徴とする請求項4〜6のうちのいずれか1項に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  8. 前記基板検出手段に、前記モジュール基板を撮像するCCDカメラを用いることを特徴とする請求項1又は3に記載の光電変換モジュールのトリミング方法。
  9. 前記切断手段に上下方向に振動されるカッター板を有した超音波カッターを用いることを特徴とする請求項1又は3に記載の光電変換モジュールのトリミング方法。
  10. 前記カッター板と前記モジュール基板の辺との間にあおり角を形成して、前記カッター板により前記余剰部を切除することを特徴とする請求項9に記載の光電変換モジュールのトリミング方法。
  11. 前記切断予定軌道を前記モジュール基板の輪郭より0.1mm〜1.5mm外側に設定することを特徴とする請求項1,3,8〜10の内のいずれか一項に記載の光電変換モジュールのトリミング方法。
  12. 前記基板検出手段が、前記モジュール基板を撮像するCCDカメラを備えていることを特徴とする請求項2、4から7の内のいずれか一項に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  13. 前記切断手段が上下方向に振動されるカッター板を有した超音波カッターであることを特徴とする請求項2、4から7、12の内のいずれか一項に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  14. 前記カッター板が、この板と前記モジュール基板の辺との間にあおり角を形成して設けられていることを特徴とする請求項13に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  15. 前記制御装置により、前記切断予定軌道が前記モジュール基板の輪郭より0.1mm〜1.5mm外側に設定されることを特徴とする請求項2、4から7、12から14の内のいずれか一項に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  16. 真空集塵機を備え、この集塵機の集塵ヘッドが、前記カッター板の移動方向後側に配置されて前記トリミングヘッドに搭載されていることを特徴とする請求項2,4から7,12から15の内のいずれか一項に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  17. 前記集塵ヘッドと前記カッター板が、これらの相互位置関係を維持しつつ、同時かつ前記モジュール基板の一辺についての余剰部が切除されるたびに90°回転させる90°回転機構を介して前記トリミングヘッドに支持されていることを特徴とする請求項16に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  18. 真空集塵機を備え、この集塵機の集塵ヘッドが前記第2トリミングステージのトリミングヘッドに搭載されかつ前記回転研磨体の移動方向後側に配置されていることを特徴とする請求項5から7,12から17の内のいずれか一項に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
  19. 前記集塵ヘッドと前記回転研磨体が、これらの相互位置関係を維持しつつ、同時に90°回転させる90°回転機構を介して前記第2トリミングステージのトリミングヘッドに支持されていることを特徴とする請求項18に記載の光電変換モジュールのトリミング装置。
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