JP5453035B2 - シート剥離装置及び剥離方法 - Google Patents

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本発明はシート剥離装置及び剥離方法に係り、更に詳しくは、被着体に貼付された接着シートに剥離用テープを接着し、当該剥離用テープを介して接着シートを剥離することができるシート剥離装置及び剥離方法に関する。
半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」と称する)の処理工程では、ウエハはその回路面に保護用の接着シートが貼付され、裏面研削等、種々の処理が行われ、ダイシングシートを介してリングフレームにマウントされた後、ダイシング前にこの接着シートは剥離される。このような接着シートの剥離装置としては、例えば、特許文献1に開示されている。同文献において、ウエハから接着シートを剥離する工程は、押圧ヘッドによって剥離用テープを接着シートに押圧して貼付した後、剥離用テープを掛け回すローラをウエハに対して移動することにより行われる。
特開2007−36111号公報
特許文献1にあっては、接着シートが剥離されたウエハの上方をローラやガイドローラが回転して通過する。このため、剥離された接着シートを介してローラ等に付着した塵がウエハの回路面上に落下することで、当該回路を損傷させ半導体チップ生産の歩留まりを大幅に低下させてしまう、という不都合がある。これは、近年の半導体製造工程において、1の塵が検出されると、統計的にその塵を中心とした半径数十ミリメートル(例えば25mm)の円内に位置するチップは、不良チップとして扱われ、これらチップを再検査したり、破棄したりする検査基準が設けられており、チップサイズによっては、数百個もの不良として扱われるチップを出してしまうからである。特に、先ダイシング法によってウエハが個片化されている場合、ウエハの外周に複数の三角形状等の細かい不定形チップが形成され、これら不定形チップがローラ等に付着して落下するために、前記不都合が発生し易くなる。
[発明の目的]
本発明の目的は、半導体ウエハ等の被着体に塵が落下して半導体チップ生産の歩留まりが低下することを抑制することができるシート剥離装置及び剥離方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明は、一方の面に第1接着シートが貼付され、他方の面に第2接着シートが貼付されて当該第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体から、前記第1接着シートを剥離するシート剥離装置において、
前記第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体を前記他方の面側から支持して搬送する搬送手段と、前記搬送手段に支持されたリングフレームと一体化された被着体を前記一方の面を下向きとした状態で前記他方の面側から保持して、当該被着体の移動を規制可能な保持手段と、前記第1接着シートに剥離用テープを貼付する貼付手段と、この貼付手段により第1接着シートに貼付された剥離用テープを介して被着体から第1接着シートを剥離可能な剥離手段とを備え、
前記剥離手段は、前記一方の面を下向きとした状態で、第1接着シートを被着体から剥離可能に設けられる、という構成を採っている。
本発明において、前記搬送手段は、前記リングフレームにウエハを一体化したウエハ支持体を吸着する吸着アームを備え、
前記保持手段は、前記第2接着シートの他方の面側を吸着する吸引孔が下面側に形成されているとともに、前記吸着アームを受容する凹部が形成される、という構成が好ましくは採用される。
また、前記第1接着シートが剥離された被着体側に開口部を有する吸引手段を更に備えるとよい。
更に、本発明の剥離方法は、一方の面に第1接着シートが貼付され、他方の面に第2接着シートが貼付されて当該第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体から、前記第1接着シートを剥離するシート剥離方法において、
前記第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体を、他方の面側から支持して搬送する工程と、
送手段に支持されたリングフレームと一体化された被着体を、保持手段を介して前記一方の面を下向きとした状態で前記他方の面側から保持して被着体の移動を規制する工程と、
前記第1接着シートに剥離用テープを貼付する工程と、
前記一方の面を下向きとした状態のまま、剥離用テープを介して第1接着シートを被着体から剥離する工程とを備える、という方法を採っている。
本発明によれば、被着体の接着シート貼付面を下向きとして当該接着シートを剥離できるので、剥離によって塵が発生しても、当該塵の上方に被着体が位置するため、被着体上に塵が落下することを防止することが可能となる。これにより、被着体がウエハであって、その回路面に貼付された保護用の接着シートを剥離する場合でも、塵によって回路面が損傷することを回避して半導体チップ生産の歩留まりが低下することを防止することができる。
また、リングフレームと一体化されたウエハを保持手段により規制可能とした場合、剥離用テープ貼付中にウエハが移動することによって剥離用テープの貼付不良が発生することを防止できる上、第1接着シート剥離動作中にウエハが剥離用テープに引っ張られて割れてしまうことを防止できる。
更に、保護シートが剥離された被着体側又は半導体ウエハ側に開口部を有する吸引手段を設けたことで、落下する塵を効率的に吸引手段で吸引することができる。
実施形態に係るシート剥離装置の概略斜視図。 前記シート剥離装置の部分断面図。 (A)〜(D)は、接着シートの剥離動作説明図。 保持手段の概略斜視図。 保持手段の変形例を示す概略斜視図。 他の変形例を示す概略正面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において、特に明示しない限り、「上」、「下」は、図2を基準として用いる。
図1〜図4において、シート剥離装置10は、一方の面としての回路面(下面)に第1接着シートとしての保護シートSが貼付され、他方の面(上面)に第2接着シートとしてのダイシングシートDSが貼付されて当該ダイシングシートDSを介してリングフレームRFと一体化されたウエハW(以下、単に「ウエハ支持体」と称する場合がある)を支持して搬送する搬送手段12と、ウエハWに貼付された保護シートSに剥離用テープPTを貼付する貼付手段15と、保護シートSをウエハWから剥離する剥離手段16と、貼付手段15の上方に設けられたテーブルからなる保持手段17とを備えて構成されている。なお、剥離用テープPTは感熱接着性の接着テープを採用している。
前記搬送手段12は、リングフレームRFの形状に沿ってY型に分岐した吸着アーム33と、この吸着アーム33をアームホルダ34を介して保持する多関節ロボット13とから構成されている。吸着アーム33の下面側には吸着領域が設けられ、この吸着領域は図示しない減圧ポンプに接続されている。これにより、吸着アーム33は、リングフレームRFにおけるダイシングシートDSが貼付された面(図1中上面)を吸着し、ウエハ支持体を支持可能となっている。多関節ロボット13は、ベース部40と、当該ベース部40の上面側に配置された第1アーム41〜第6アーム46と、第6アーム46の自由端側に取り付けられた保持チャック47とを含む。第2、第3及び第5アーム42、43、45は、図1に示された状態で、Y-Z面内でそれぞれB、C、E方向に回転可能に設けられているとともに、第1、第4及び第6アーム41、44、46は、それぞれその軸周り、つまり、A、D、F方向に回転可能に設けられている。本実施形態における多関節ロボット13は数値制御(NCコントロール)されるものである。すなわち、対象物(本実施形態ではウエハW等)に対する各関節の移動量がそれぞれに対応する数値情報で制御され、全てその移動量がプログラムにより制御されるものである。保持チャック47は、相互に離間接近可能な図示しない一対のチャック爪を備えており、これらチャック爪が前記アームホルダ34に係脱可能となっている。
前記貼付手段15は、図示しないフレームに支持されて巻回された剥離用テープPTを支持するとともに、モータM1を介して回転可能な支持軸48と、モータM2を介して回転可能な駆動ローラ50と、当該駆動ローラ50との間に剥離用テープPTを挟み込むピンチローラ51と、剥離用テープPTを図2中上方から支持する板状のガイド部材53と、このガイド部材53とで剥離用テープPTを挟み込む回転自在なプレスローラ55と、このプレスローラ55を昇降させる昇降用シリンダ56と、直動モータ57によって上下方向に進退可能に設けられたヒータ58Aを有する押圧ヘッド58とを備えて構成されている。ガイド部材53は、シリンダ60を介して図2中左右方向に移動可能に設けられるとともに、下面側で剥離用テープPTを吸着保持可能に設けられ、そのリード端領域を後述するチャック73により把持できる位置に導くことが可能となっている。押圧ヘッド58は、後述するチャック73により保護シートSの下面側に繰り出された剥離用テープPTを押圧して加熱することで、剥離用テープPTを保護シートSに接着するようになっている。押圧ヘッド58の図2中右側には、カッター刃63と、このカッター刃63の上側に設けられ、凹部を下面側に有するテープ受け板64と、カッター刃63を図2中紙面直交方向に移動させる切断用シリンダ65と、同カッター刃63を同図中上下方向に移動させる上下用シリンダ66とにより構成されたテープ切断手段62が設けられている。
前記剥離手段16は、保護シートSに貼付された剥離用テープPTとウエハWとを反対方向に移動させる駆動手段69と、保持手段17の下方に位置するローラ70と、このローラ70を上下方向に変位可能な直動モータ71と、貼付手段15の上方に設けられ、剥離用テープPTを把持部材73Aで把持可能なチャック73とを備えている。駆動手段69は、保持手段17を図2中左右方向に移動可能に支持する直動モータ81と、ローラ70を図2中左右方向に移動可能に支持する直動モータ82と、チャック73を図2中左右方向に移動可能に支持する図示しない直動モータとを備えている。
前記保持手段17の下面には、図4に示されるように、吸着アーム33の平面形状と同じ平面形状となる凹部75が形成され、当該凹部75の深さは、吸着アーム33の厚みと同一に設定されている。また、凹部75の底面を含む保持手段17の下面には、図示しない減圧ポンプに接続される複数の吸引孔76が形成されている。これにより、保持手段17において、凹部75内に吸着アーム33を受容した状態で、当該吸着アーム33と、ウエハ支持体とが吸着保持され、吸着アーム33やウエハW等の移動が規制されるようになっている。
次に、本実施形態における全体的動作について説明する。
初めに、図2に示されるように、支持軸48から剥離用テープPTを引き出し、駆動ローラ50及びピンチローラ51の間を通過させた後、剥離用テープPTのリード端側がガイド部材53の先端からはみ出た状態としつつ、プレスローラ55とガイド部材53とで剥離用テープPTを挟み込んだ状態とする。このとき剥離用テープPTは、ガイド部材53の下面側で吸着保される。
そして、ウエハ支持体が、ダイシングシートDSが貼付された面が上側となるようにテーブル24上に載置されて搬送されて来ると、多関節ロボット13によって吸着アーム33を移動させ、リングフレームRFの上面側から図示しない減圧ポンプを介して当該ウエハ支持体を支持して搬送する。そして、保持手段17の下面側に吸着アーム33を進入させた後、凹部75内に吸着アーム33を受容させる。その後、図示しない減圧ポンプを作動させて吸引孔76を介して吸引することにより、吸着アーム33と、これに支持されるウエハ支持体が保持手段17の下面に吸着支持される。これにより、保護シートSが貼付されたウエハWの回路面を下向きとした状態が維持されることとなる。
この状態のまま、直動モータ81及び多関節ロボット13を作動させ、保護シートSの図2中左側外縁位置が押圧ヘッド58の直上で停止するように位置決めを行う。次いで、図3(A)に示されるように、シリンダ60を介してガイド部材53を同図中左方向に進行させると同時に、モータM2を作動して駆動ローラ50を回転させて剥離用テープPTを繰り出す。これにより、剥離用テープPTはガイド部材53と共にチャック73の把持部材73A間に位置する。そして、プレスローラ55が下方へ退避するとともに、ガイド部材53が剥離用テープPTの吸着保持を解除して後退すると、把持部材73A間に剥離用テープPTが残されてチャック73の動作によって把持される。その後、チャック73を図3(A)の二点鎖線で示される位置に移動させて剥離用テープPTを引き出し、押圧ヘッド58の上方で保護シートSに対向するように剥離用テープPTを位置させる。
次に、図3(B)に示されるように、押圧ヘッド58を直動モータ57によって上方へ移動させると、剥離用テープPTが押し上げられて接着シートSに当接し、剥離用テープPTがヒータ50Aによって加熱されて保護シートSに接着する。その後、プレスローラ55とガイド部材23とで剥離用テープPTを挟み込み、シリンダ65、66を作動させてテープ受け板64の下面でカッター刃63により剥離用テープPTが切断される。
その後、図3(C)に示されるように、直動モータ82を作動させてローラ70を保護シートSと剥離用テープPTとの接着位置に移動させ、ローラ70の最上部が保護シートSの同図中左端上に位置した状態にさせる。次いで、直動モータ71を介してローラ70を上下方向に変位させ、図3(D)に示されるように、ローラ70とウエハWとの距離Dが調整される。次いで、図3(D)に示されるように、保護シートSに貼付された剥離用テープPTと保持手段17とが反対方向に相対移動するように、直動モータ82を作動させてローラ70を右方向に移動させることで保護シートSが剥離される。
保護シートSの剥離を終えリングフレームRFと一体化されたウエハWは、多関節ロボット13により次工程に搬送され、保護シートSとそれに貼付された剥離用テープPTは、図示しない回収手段によって回収させる。そして、前述の各手段等が初期位置に復帰した後、上記同様の動作が繰り返されることとなる。
従って、このような実施形態によれば、ウエハWの回路面を下向きとして保護シートSが剥離されるので、剥離後の保護シートSの接着面周りに塵が発生しても、当該塵が回路面に落下することを防止することが可能となる。また、保持手段17の下面でウエハWが支持されるので、剥離用テープPTの貼付不良や、保護シートSの剥離動作中にウエハが剥離用テープに引っ張られて割れてしまうことを防止することができる。
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
例えば、単軸ロボット25や、各直動モータ57、71、シリンダ60、65、66は、他の単軸ロボットや直動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダ等の駆動手段に代えてもよい。
また、本発明における被着体としては、半導体ウエハに限定されるものではなく、ガラス板、鋼板、または、樹脂板等、その他の被着体も対象とすることができ、半導体ウエハは、シリコンウエハや化合物ウエハであってもよい。
更に、剥離用テープPTは、感熱接着性の接着テープ以外に感圧接着性の接着テープを採用してもよい。
また、保護シートSの剥離動作は、ローラ70の図3中右方向への動作を停止させ、保持手段17及びチャック73を図3中左方向に移動させてもよい。
また、保持手段17は、図5に示されるように、ダイシングシートDSを介してウエハWに対応する領域のみを吸着保持するようにしてもよい。
更に、図6に示されるように、ローラ70の左側であって、保護シートSが剥離されたウエハW側に開口部83を有する吸引手段84を設けてもよい。このような構成とした場合、落下する塵を効率的に吸引手段84で吸引することができ、例えば、静電気でウエハWに引き付けられる塵をも除去して回路面に損傷を与えることを防止することができる。
10 シート剥離装置
12 搬送手段
15 貼付手段
16 剥離手段
17 保持手段
83 開口部
84 吸引手段
DS ダイシングシート(第2接着シート)
PT 剥離用テープ
RF リングフレーム
S 保護シート(第1接着シート)
W 半導体ウエハ(被着体)

Claims (4)

  1. 一方の面に第1接着シートが貼付され、他方の面に第2接着シートが貼付されて当該第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体から、前記第1接着シートを剥離するシート剥離装置において、
    前記第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体を前記他方の面側から支持して搬送する搬送手段と、前記搬送手段に支持されたリングフレームと一体化された被着体を前記一方の面を下向きとした状態で前記他方の面側から保持して、当該被着体の移動を規制可能な保持手段と、前記第1接着シートに剥離用テープを貼付する貼付手段と、この貼付手段により第1接着シートに貼付された剥離用テープを介して被着体から第1接着シートを剥離可能な剥離手段とを備え、
    前記剥離手段は、前記一方の面を下向きとした状態で、第1接着シートを被着体から剥離可能に設けられていることを特徴とするシート剥離装置。
  2. 前記搬送手段は、前記リングフレームにウエハを一体化したウエハ支持体を吸着する吸着アームを備え、
    前記保持手段は、前記第2接着シートの他方の面側を吸着する吸引孔が下面側に形成されているとともに、前記吸着アームを受容する凹部が形成されていることを特徴とする請求項1のシート剥離装置。
  3. 前記第1接着シートが剥離された被着体側に開口部を有する吸引手段を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2記載のシート剥離装置。
  4. 一方の面に第1接着シートが貼付され、他方の面に第2接着シートが貼付されて当該第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体から、前記第1接着シートを剥離するシート剥離方法において、
    前記第2接着シートを介してリングフレームと一体化された被着体を、他方の面側から支持して搬送する工程と、
    送手段に支持されたリングフレームと一体化された被着体を、保持手段を介して前記一方の面を下向きとした状態で前記他方の面側から保持して被着体の移動を規制する工程と、
    前記第1接着シートに剥離用テープを貼付する工程と、
    前記一方の面を下向きとした状態のまま、剥離用テープを介して第1接着シートを被着体から剥離する工程とを備えていることを特徴とするシート剥離方法。
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