JP4801723B2 - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール Download PDF

Info

Publication number
JP4801723B2
JP4801723B2 JP2008325014A JP2008325014A JP4801723B2 JP 4801723 B2 JP4801723 B2 JP 4801723B2 JP 2008325014 A JP2008325014 A JP 2008325014A JP 2008325014 A JP2008325014 A JP 2008325014A JP 4801723 B2 JP4801723 B2 JP 4801723B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
melt viscosity
less
mass
ionomer resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008325014A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010142535A (ja
Inventor
一彦 五十川
勉 平宇
貴裕 重光
Original Assignee
Sriスポーツ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sriスポーツ株式会社 filed Critical Sriスポーツ株式会社
Priority to JP2008325014A priority Critical patent/JP4801723B2/ja
Priority to US12/617,909 priority patent/US8608594B2/en
Publication of JP2010142535A publication Critical patent/JP2010142535A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4801723B2 publication Critical patent/JP4801723B2/ja
Priority to US13/947,615 priority patent/US8721473B2/en
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ゴルフボールに関する。詳細には、本発明は、コア、中間層及びカバーを備えたマルチピースゴルフボールに関する。
ゴルフボールに対するゴルファーの最大の要求は、飛行性能である。飛行性能は、ボールの反発性能と相関する。高い反発性能により、初速が向上し、大きな飛距離が達成される。飛行性能の観点から、反発性能の高いゴルフボールが望まれている。
ゴム組成物よりなるコアの直径は、ボールの反発性能と相関する。このコアの直径が大きい場合、ボールの反発性能は高い。
一方、外層の材質によって、反発性能を高める試みもなされている。特開2002−239033公報は、アイオノマー樹脂にスチレン系エラストマーがブレンドされた内層カバーを開示する。特許第3767683号公報及び特許第3729243号公報は、アイオノマー及び脂肪酸を必須成分とするゴルフボール用材料を開示する。
特表2006−500995公報は、柔軟で弾性のあるアイオノマーカバーを開示する。このアイオノマーカバーは、重量平均分子量が80,000以上500,000以下のカルボン酸官能基化ターポリマーと、重量平均分子量が2,000以上30,000以下のカルボン酸官能基化エチレンとを含む。
特開2002−239033公報 特許第3767683号公報 特許第3729243号公報 特表2006−500995公報
反発性能を更に高めるために、コアを大きくしつつ、反発性能に優れた外層を用いることが好ましい。しかし、コアが大きい場合、外層は薄くされる必要がある。
特開2002−239033公報に開示された上記材料では、流動性が低く、薄い層の成形に適さない。特許第3767683号公報及び特許第3729243号公報に開示された上記材料では、脂肪酸が用いられているため、ブリードが発生しうる。このブリードに起因して、隣接層との密着性が低下する。この密着性の低下に起因して、ゴルフボールの耐久性が低下する。また、脂肪酸が用いられている場合、成型時に煙が発生することがある。
ゴルフボールに対するゴルファーの要求は、ますますエスカレートしている。本発明の目的は、飛行性能、耐久性及び打球感に優れたゴルフボールの提供にある。
本発明のゴルフボールは、コアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えている。上記カバーの厚みは0.3mm以上1.6mm以下である。上記カバーのショアD硬度Hcは、56以上である。上記中間層の厚みは0.5mm以上1.6mm以下である。上記中間層のショアD硬度Hmは35以上57以下である。190℃で且つ荷重2.16kgの条件で測定された上記中間層のメルトフローレイトは、4g/10min以上である。
好ましくは、上記中間層が、下記アイオノマー樹脂(a−1)、下記非イオン性樹脂(a−2)又は下記アイオノマー樹脂(a−1)と下記非イオン性樹脂(a−2)との混合物である高溶融粘度樹脂(A)と、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸の二元共重合体の金属イオン中和物(b−1)、及び、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物(b−2)の2種から選ばれる少なくとも1種以上であり、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s以上10Pa・s以下である低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)と、上記高溶融粘度樹脂(A)及び上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)のカルボキシル基を中和することができる金属イオン源(C)とが配合されてなる組成物(M)を含む。好ましくは、高溶融粘度樹脂(A)の、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)に対する質量比A1/B1が、55/45以上99/1以下である。好ましくは、上記高溶融粘度樹脂(A)及び上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の合計100質量部に対して、上記金属イオン源(C)が0.1質量部〜10質量部である。
(a−1)エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物(a−11)、及び、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物(a−12)の2種から選ばれる少なくとも1種以上であり、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が500Pa・s以上100000Pa・s以下である高溶融粘度アイオノマー樹脂。
(a−2)エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体(a−21)、及び、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体(a−22)の2種から選ばれる少なくとも1種以上であり、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s以上3000Pa・s以下である高溶融粘度非イオン性樹脂。
好ましくは、上記中間層において、上記高溶融粘度樹脂(A)と上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)との合計100質量部に対して、1質量部以上95質量部以下の熱可塑性樹脂(D)が配合されている。
好ましくは、上記中間層の比重が1.10以上1.50以下である。
好ましくは、上記コアの直径が38.0mm以上である。
本発明に係るゴルフボールの中間層は、成型時における流動性に優れる。この流動性により、薄い層の成形が可能である。薄い中間層により、コアが大きくされうる。上記中間層は、ゴルフボールの反発性能の向上に寄与しうる。このゴルフボールでは、中間層が、飛球性能及び耐久性に寄与する。
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボール2が示された一部切り欠き断面図である。このゴルフボール2は、球状のコア4と、このコア4の外側に位置する中間層8と、この中間層8の外側に位置するカバー10とを備えている。
カバー10の表面には、多数のディンプル12が形成されている。ゴルフボール2の表面のうちディンプル12以外の部分は、ランド14である。このゴルフボール2は、カバー10の外側にペイント層及びマーク層を備えているが、これらの層の図示は省略されている。
このゴルフボール2の直径は、40mmから45mmである。米国ゴルフ協会(USGA)の規格が満たされるとの観点から、直径は42.67mm以上が好ましい。空気抵抗抑制の観点から、直径は44mm以下が好ましく、42.80mm以下がより好ましい。このゴルフボール2の質量は、40g以上50g以下である。大きな慣性が得られるとの観点から、質量は44g以上が好ましく、45.00g以上がより好ましい。USGAの規格が満たされるとの観点から、質量は45.93g以下が好ましい。
コア4の基材は、熱硬化性ポリマー又は熱可塑性ポリマーである。好ましくは、コア4は、ゴム組成物が架橋されることで得られる。好ましい基材ゴムとして、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体及び天然ゴムが例示される。反発性能の観点から、ポリブタジエンが好ましい。ポリブタジエンと他のゴムとが併用される場合は、ポリブタジエンが主成分とされることが好ましい。具体的には、基材ゴム全量に対するポリブタジエンの量の比率は50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましい。ポリウレタンにおけるシス−1,4結合の比率は40%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。
コア4のゴム組成物は、共架橋剤を含む。共架橋剤により、コア4の高反発が達成される。反発性能の観点から好ましい共架橋剤は、炭素数が2から8であるα,β−不飽和カルボン酸の、1価又は2価の金属塩である。好ましい共架橋剤の具体例としては、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグネシウム、メタクリル酸亜鉛及びメタクリル酸マグネシウムが挙げられる。反発性能の観点から、アクリル酸亜鉛及びメタクリル酸亜鉛が特に好ましい。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して10質量部以上が好ましく、15質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、共架橋剤の量は、基材ゴム100質量部に対して50質量部以下が好ましく、45質量部以下がより好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、共架橋剤と共に有機過酸化物を含む。有機過酸化物は、架橋開始剤として機能する。有機過酸化物は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。好適な有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン及びジ−t−ブチルパーオキサイドが挙げられる。汎用性の観点から、ジクミルパーオキサイドが好ましい。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.3質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上が特に好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機過酸化物の量は、基材ゴム100質量部に対して3.0質量部以下が好ましく、2.8質量部以下がより好ましく、2.5質量部以下が特に好ましい。
好ましくは、コア4のゴム組成物は、有機硫黄化合物を含む。好ましい有機硫黄化合物としては、ジフェニルジスルフィド、ビス(4−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3−クロロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3−ブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(4−フルオロフェニル)ジスルフィド、ビス(4−ヨードフェニル)ジスルフィド及びビス(4−シアノフェニル)ジスルフィドのようなモノ置換体;ビス(2,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,6−ジクロロフェニル)ジスルフィド、ビス(2,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(3,5−ジブロモフェニル)ジスルフィド、ビス(2−クロロ−5−ブロモフェニル)ジスルフィド及びビス(2−シアノ−5−ブロモフェニル)ジスルフィドのようなジ置換体;ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)ジスルフィド及びビス(2−シアノ−4−クロロ−6−ブロモフェニル)ジスルフィドのようなトリ置換体;ビス(2,3,5,6−テトラクロロフェニル)ジスルフィドのようなテトラ置換体;並びにビス(2,3,4,5,6−ペンタクロロフェニル)ジスルフィド及びビス(2,3,4,5,6−ペンタブロモフェニル)ジスルフィドのようなペンタ置換体が例示される。有機硫黄化合物は、反発性能に寄与する。特に好ましい有機硫黄化合物は、ジフェニルジスルフィド及びビス(ペンタブロモフェニル)ジスルフィドである。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、有機硫黄化合物の量は、基材ゴム100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.2質量部以上がより好ましい。ソフトな打球感の観点から、有機硫黄化合物の量は、基材ゴム100質量部に対して1.5質量部以下が好ましく、1.0質量部以下がより好ましく、0.8質量部以下が特に好ましい。
コア4に、比重調整等の目的で充填剤が配合されてもよい。好適な充填剤としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム及び炭酸マグネシウムが例示される。充填剤の量は、コア4の意図した比重が達成されるように適宜決定される。特に好ましい充填剤は、酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、比重調整の役割のみならず、架橋助剤としても機能する。コア4には、老化防止剤、着色剤、可塑剤、分散剤等の各種添加剤が、必要に応じて適量配合される。コア4に、架橋ゴム粉末又は合成樹脂粉末が配合されてもよい。
耐久性の観点から、コア4の中心硬度H1cは25以上が好ましく、30以上がより好ましく、35以上が特に好ましい。スピン抑制の観点から、中心硬度H1cは55以下が好ましく、50以下がより好ましく、45以下が特に好ましい。コア4が切断されて得られる半球の切断面中心点に、ショアD型硬度計が押しつけられることにより、中心硬度H1cが測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
反発性能の観点から、コア4の表面硬度H1sは35以上が好ましく、40以上がより好ましく、45以上が特に好ましい。打球感の観点から、表面硬度H1sは65以下が好ましく、60以下がより好ましく、55以下が特に好ましい。コア4の表面にショアD型硬度計が押しつけられることにより、表面硬度H1sが測定される。測定には、この硬度計が装着された自動ゴム硬度測定機(高分子計器社の商品名「P1」)が用いられる。
スピンの抑制の観点から、表面硬度H1sと中心硬度H1cの差(H1s−H1c)は10以上が好ましく、13以上がより好ましく、20以上が特に好ましい。ゴルフボール2の耐久性の観点から、差(H1s−H1c)は30以下が好ましく、27以下がより好ましく、25以下が特に好ましい。
コア4の比重G1は、1.18以下が好ましい。このコア4により、ゴルフボール2の質量分布が外寄りに偏りうる。この偏りにより、スピンが抑制される。この観点から、比重G1は1.14以下がより好ましく、1.09以下が特に好ましい。比重G1は、1.00以上が好ましい。
打球感の観点から、コア4の圧縮変形量は3.3mm以上が好ましく、3.5mm以上がより好ましく、3.8mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量は7.0mm以下が好ましく、5.0mm以下がより好ましく、4.5mm以下が特に好ましい。
圧縮変形量の測定では、球体(コア4又はゴルフボール2)が金属製の剛板の上に置かれる。この球体に向かって金属製の円柱が徐々に降下する。この円柱の底面と剛板との間に挟まれた球体は、変形する。球体に98Nの初荷重がかかった状態から1274Nの終荷重がかかった状態までの円柱の移動距離が、圧縮変形量である。
反発性能の観点から、コア4の直径は、38.0mm以上が好ましく、38.5mm以上がより好ましく、39.0mm以上が特に好ましい。十分な厚みを有する中間層8が成形されうるとの観点から、直径は41mm以下が好ましい。
コア4の質量W1は、32g以上39g以下が好ましい。コア4の架橋温度は、通常は140℃以上180℃以下である。コア4の架橋時間は、通常は10分以上60分以下である。コア4が2以上の層から形成されてもよい。コア4が、その表面にリブを備えてもよい。
中間層8は、高溶融粘度樹脂(A)と、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)と、金属イオン源(C)とが配合されてなる組成物(M)を含む。組成物(M)には、樹脂(A)、樹脂(B)及び金属イオン源(C)以外の化合物が配合されてもよい。
組成物(M)に起因する効果を高める観点から、中間層8中における組成物(M)の割合は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更に好ましい。この比率は、100質量%であってもよい。
組成物(M)において、金属イオン源(C)が樹脂(A)及び樹脂(B)をどの程度中和するかについては、限定されない。後述される樹脂(a−2)は、その少なくとも一部が、金属イオン源(C)によって中和されていてもよい。樹脂(a−2)のカルボキシル基の全てが、金属イオン源(C)によって中和されていてもよい。樹脂(a−2)は、金属イオン源(C)によって中和されていなくてもよい。
本願に記載されているあらゆる質量比は、原料の配合比率である。原料同士の化学反応により、ゴルフボール2における質量比は、原料の配合比率と異なる場合がありうる。
高溶融粘度樹脂(A)は、アイオノマー樹脂(a−1)、非イオン性樹脂(a−2)又は樹脂(a−1)と樹脂(a−2)との混合物である。
低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸の二元共重合体の金属イオン中和物(b−1)、及び、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物(b−2)の2種から選ばれる少なくとも1種以上である。低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)は、1Pa・s以上10Pa・s以下である。
金属イオン源(C)は、上記高溶融粘度樹脂(A)及び上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)のカルボキシル基を中和することができる化合物である。
まず、高溶融粘度樹脂(A)として用いられうるアイオノマー樹脂(a−1)について説明する。
アイオノマー樹脂(a−1)は、中和物(a−11)及び中和物(a−12)からなる群より選ばれる1種又は2種である。
中和物(a−11)は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸の二元共重合体において、そのカルボキシル基の少なくとも一部が、金属イオンで中和された化合物である。
中和物(a−12)は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体において、そのカルボキシル基の少なくとも一部が、金属イオンで中和された化合物である。
アイオノマー樹脂(a−1)は、中和物(a−11)と中和物(a−12)との混合物であってもよい。
アイオノマー樹脂(a−1)の、フローテスターによる溶融粘度(190℃)は、500Pa・s以上100000Pa・s以下である。
上記炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸及びクロトン酸が挙げられ、特にアクリル酸及びメタクリル酸が好ましい。
また、上記α,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのメチルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのエチルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのプロピルエステル;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのn−ブチルエステル;及び、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのイソブチルエステルなどが用いられうる。特にアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルが好ましい。このα,β−不飽和カルボン酸エステルの原料であるα,β−不飽和カルボン酸の炭素数は、3個以上8個以下が好ましい。
上記中和物(a−11)及び中和物(a−12)において、カルボキシル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価のアルカリ金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン;錫、ジルコニウムなどのその他のイオンなどが挙げられ、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオンが好ましく、亜鉛及びマグネシウムがより好ましい。2価の金属イオンが採用された場合、得られるゴルフボールの耐久性および低温耐久性が向上するので、好ましい。
好ましくは、アイオノマー樹脂(a−1)として、エチレンと(メタ)アクリル酸との二元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した化合物、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの三元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を金属イオンで中和した化合物、又は、これらの混合物がよい。なお、本願において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を示す。
より好ましい高溶融粘度アイオノマー樹脂(a−1)として、次の化合物(a−1−1)と化合物(a−1−2)との混合物(M1)が挙げられる。
(a−1−1)エチレンと(メタ)アクリル酸との二元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を一価の金属イオンで中和した化合物、又は、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの三元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を一価の金属イオンで中和した化合物。
(a−1−2)エチレンと(メタ)アクリル酸との二元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を二価の金属イオンで中和した化合物、又は、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの三元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部を二価の金属イオンで中和した化合物。
上述のようなアイオノマー樹脂の混合物(M1)を使用することによって、中間層用組成物の反発弾性率が向上しうる。上記一価の金属イオンとしては、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム及びフランシウムが好ましい。上記二価の金属イオンとしては、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、ベリリウム、ストロンチウム、バリウム及びラジウムが好ましい。化合物(a−1−1)の、化合物(a−1−2)に対する割合(質量比)、即ち質量比[(a−1−1)/(a−1−2)]は、0/100以上が好ましく、25/75以上がより好ましく、30/70以上が更に好ましく、80/20以下が好ましく、77/23以下がより好ましく、75/25以下が更に好ましい。
上記アイオノマー樹脂(a−1)において、炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
上記アイオノマー樹脂(a−1)において、カルボキシル基の中和度N1は、20モル%以上が好ましく、より好ましくは30モル%以上であり、90モル%以下が好ましく、より好ましくは85モル%以下である。中和度N1が20モル%以上の場合、ゴルフボールの反発性および耐久性が良好である。中和度N1が90モル%以下の場合、中間層用組成物の流動性が良好であり、成形性が良い。
なお、高溶融粘度アイオノマー樹脂(a−1)中において中和されているカルボキシル基のモル数がN2(モル)とされ、アイオノマー樹脂(a−1)中におけるカルボキシル基の総モル数がT1(モル)とされるとき、アイオノマー樹脂(a−1)の中和度N1(モル%)は、下記式で求めることができる。
N1=100×(N2/T1)
上記高溶融粘度アイオノマー樹脂(a−1)の、フローテスターによる溶融粘度(190℃)は、500Pa・s以上、好ましくは1000Pa・s以上、より好ましくは1500Pa・s以上であり、100000Pa・s以下、好ましくは95000Pa・s以下、より好ましくは92000Pa・s以下である。アイオノマー樹脂(a−1)の溶融粘度(190℃)が500Pa・s以上の場合、ゴルフボールの耐久性が向上する。アイオノマー樹脂(a−1)の溶融粘度(190℃)が100000Pa・s以下の場合、中間層の成形性が良好になる。
上記高溶融粘度アイオノマー樹脂(a−1)として、三井デュポンポリケミカル(株)から市販されている商品名「ハイミラン(Himilan)」が挙げられ、具体的には、例えば、ハイミラン1555(Na)、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1702(Zn)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7311(Mg)、ハイミランAM7329(Zn)、ハイミラン1856(Na)及びハイミラン1855(Zn)が挙げられる。
また、デュポン社から市販されているアイオノマー樹脂(a−1)として、商品名「サーリン(Surlyn)」が挙げられ、具体的には、例えば、サーリン8945(Na)、サーリン9945(Zn)、サーリン8140(Na)、サーリン8150(Na)、サーリン9120(Zn)、サーリン9150(Zn)、サーリン6910(Mg)、サーリン6120(Mg)、サーリン7930(Li)、サーリン7940(Li)、サーリンAD8546(Li)などが挙げられる。また、三元共重合体アイオノマー樹脂(上記中和物(a−12))としては、サーリン6320(Mg)、サーリン8120(Na)、サーリン8320(Na)、サーリン9320(Zn)、サーリン9320W(Zn)が挙げられ、更に商品名「HPF 1000(Mg)」及び商品名「HPF 2000(Mg)」が挙げられる。
また、エクソンモービル化学(株)から市販されている高溶融粘度アイオノマー樹脂(a−1)としては、商品名「アイオテック(Iotek)」が挙げられ、具体的には、(アイオテック8000(Na)、アイオテック8030(Na)、アイオテック7010(Zn)、アイオテック7030(Zn)などが挙げられる。また、三元共重合体アイオノマー樹脂(上記中和物(a−12))としては、商品名「アイオテック7510」(Zn)、商品名「アイオテック7520」(Zn)などが挙げられる。なお、商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、Li、Mgなどは、中和金属イオンの金属種を示す。
次に、樹脂成分の高溶融粘度樹脂(A)として用いられうる高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)について説明する。
上記高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)は、二元共重合体(a−21)及び三元共重合体(a−22)からなる群から選ばれる1種又は2種である。
二元共重合体(a−21)は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体である。この二元共重合体(a−21)では、カルボキシル基が中和されていない。
三元共重合体(a−22)は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体である。この三元共重合体(a−22)では、カルボキシル基が中和されていない。
上記高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)は、二元共重合体(a−21)と三元共重合体(a−22)との混合物であってもよい。
高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)の、フローテスターによる溶融粘度(190℃)は、5Pa・s以上、3000Pa・s以下である。
二元共重合体(a−21)又は三元共重合体(a−22)に用いられる上記炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸としては、上記アイオノマー樹脂(a−1)に用いられうるものと同一のものが用いられうる。
好ましい高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)として、エチレンと(メタ)アクリル酸との二元共重合体、エチレンと(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとの三元共重合体、又は、これらの混合物を使用することが好ましい。
上記高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)における炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。
上記高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)のフローテスターによる溶融粘度(190℃)は、5Pa・s以上、好ましくは10Pa・s以上、より好ましくは15Pa・s以上であり、3000Pa・s以下、好ましくは2800Pa・s以下、より好ましくは2500Pa・s以下である。高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)の溶融粘度(190℃)が5Pa・s以上の場合、ゴルフボールの耐久性が向上し、3000Pa・s以下の場合、中間層用組成物の成形性が良好である。
上記高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)として、例えば、三井デュポンポリケミカル社製の商品名「ニュクレル(NUCREL)」が挙げられ、具体的には、例えば、「ニュクレルN1050H」、「ニュクレルN2050H」、「ニュクレルAN4318」「ニュクレルN1110H」、「ニュクレルN0200H」等の商品名で市販されているエチレン−メタクリル酸共重合体が挙げられる。他の高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)として、ダウケミカル社製から商品名「PRIMACOR5990I」で市販されているエチレン−アクリル酸共重合体が例示される。
上記高溶融粘度樹脂(A)としては、上記高溶融粘度アイオノマー樹脂(a−1)または高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)が単独で用いられてもよいし、アイオノマー樹脂(a−1)と非イオン性樹脂(a−2)とが併用されてもよい。アイオノマー樹脂(a−1)と非イオン性樹脂(a−2)とが併用される場合、アイオノマー樹脂(a−1)の非イオン性樹脂(a−2)に対する質量比[(a−1)/(a−2)]は、1/99以上が好ましく、5/95以上がより好ましく、10/90以上が更に好ましく、90/10以下が好ましく、80/20以下がより好ましく、70/30以下が更に好ましい。配合比が上記の好ましい範囲とされた場合、ゴルフボールへの成形性が向上し、特に薄い中間層の成形が容易とされうる。
次に、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)ついて説明する。
上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)は、中和物(b−1)及び中和物(b−2)からなる群から選ばれる1種又は2種である。
中和物(b−1)は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物である。
中和物(b−2)は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体において、そのカルボキシル基の少なくとも一部が金属イオンで中和された化合物である。
低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)は、中和物(b−1)と中和物(b−2)との混合物であってもよい。
低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)は、1Pa・s以上10Pa・s以下である。
低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)に含まれうる炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸としては、上記アイオノマー樹脂(a−1)に含まれうるものと同一のものが使用されうる。即ち、中和物(b−1)又は中和物(b−2)に含まれうる炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸としては、上記アイオノマー樹脂(a−1)に含まれうるものと同一のものが使用されうる。
上記中和物(b−2)のα,β−不飽和カルボン酸エステルとしては、上記アイオノマー樹脂(a−1)に含まれうるものと同一のものが使用されうる。
上記中和物(b−1)又は上記中和物(b−2)の中和に用いられる金属イオンとしては、ナトリウム、カリウム、リチウムなどの1価のアルカリ金属イオン;マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオン;アルミニウムなどの3価の金属イオン及び錫、ジルコニウムなどのその他のイオンが挙げられる。これらの中で、マグネシウム、カルシウム、亜鉛、バリウム、カドミウムなどの2価の金属イオンが好ましい。
上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)のブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)は、1Pa・s以上、好ましくは2Pa・s以上、より好ましくは3Pa・s以上であり、10Pa・s以下、好ましくは9Pa・s以下、より好ましくは8Pa・s以下である。低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の溶融粘度(190℃)が1Pa・s以上の場合、高溶融粘度樹脂(A)との相溶性が高くなり、ゴルフボールの耐久性が向上する。また、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の溶融粘度(190℃)が10Pa・s以下の場合、中間層用組成物の流動性の改善効果が大きい。
上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)のメルトフローレイト(測定温度190℃、荷重2.16kg)は、100g/10min以上が好ましく、150g/10min以上がより好ましく、200g/10min以上が更に好ましく、2000g/10min以下が好ましく、1900g/10min以下がより好ましく、1800g/10min以下が更に好ましい。上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)のメルトフローレイトが100g/10min以上の場合、中間層用組成物の流動性の改善効果がより大きい。また、この樹脂(B)のメルトフローレイトが2000g/10min以下の場合、高溶融粘度樹脂(A)成分との相溶性が高くなり、ゴルフボールの耐久性がより向上する。
メルトフローレイト(MFR)の測定は、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いて、JIS K7210に準じて測定される。この測定は、測定温度190℃、荷重2.16kgの条件で行われる。
上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)における炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸成分の含有率は、2質量%以上が好ましく、より好ましくは3質量%以上であり、30質量%以下が好ましく、より好ましくは20質量%以下である。
上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)におけるカルボキシル基の中和度L1は、10モル%以上が好ましく、より好ましくは15モル%以上であり、更に好ましくは20モル%以上であり、最も好ましくは100モル%である。
なお、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)中において中和されているカルボキシル基のモル数がL2(モル)とされ、樹脂(B)中におけるカルボキシル基の総モル数がT2(モル)とされるとき、上記中和度L1(モル%)は、下記式で求めることができる。
L1=100×(L2/T2)
上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の具体例として、例えば、ハネウェル社製の商品名「Aclyn201(Ca)」、商品名「Aclyn246(Mg)」及び商品名「Aclyn295(Zn)」を挙げることができる。
本発明では、高溶融粘度樹脂(A)の、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)に対する比(質量比)A1/B1が考慮される。反発性能の観点から、比A1/B1は、55/45以上が好ましく、58/42以上がより好ましく、60/40が更に好ましい。樹脂の流動性の観点から、比A1/B1は、99/1以下が好ましく、90/10以下がより好ましく、85/15以下がより好ましい。この好ましい範囲は、中間層の薄肉化、反発性能及び耐久性に寄与しうる。
次に、金属イオン源(C)ついて説明する。
金属イオン源(C)は、上記高溶融粘度樹脂(A)及び低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)における未中和のカルボキシル基を中和することができる塩基性金属化合物である。なお、金属イオン源(C)は、中間層用組成物を構成する樹脂成分には含まれない。
上記金属イオン源(C)としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化銅などの金属水酸化物;酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化銅などの金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭酸カリウムなどの金属炭酸化物などが挙げられる。これらの金属イオン源(C)は単独で使用されてもよいし、2種以上で併用されてもよい。これらの中でも、金属イオン源(C)として、金属水酸化物が好ましく、特に水酸化マグネシウム及び水酸化カルシウムが好適である。
金属イオン源(C)の含有量は、高溶融粘度樹脂(A)と低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)との合計100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上、より好ましくは0.3質量部以上であり、10質量部以下、好ましくは9質量部以下、より好ましくは8質量部以下である。金属イオン源(C)の含有量が上記範囲である場合、ゴルフボールの反発性能がより向上し、中間層の成形性が向上する。
また、金属イオン源(C)の含有量は、樹脂(A)及び樹脂(B)が有する全てのカルボキシル基の中和度が50モル%以上となるように調整されることが好ましい。より好ましくは、金属イオン源(C)の含有量は、樹脂(A)及び樹脂(B)が有する全てのカルボキシル基の中和度が75モル%以上となるように調整されることが好ましい。更に好ましくは、金属イオン源(C)の含有量は、樹脂(A)及び樹脂(B)が有する全てのカルボキシル基の中和度が80モル%以上となるように調整されることが好ましい。
上記中間層用組成物の樹脂成分は、高溶融粘度樹脂(A)および低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)のみであることが好ましいが、本発明の効果を損なわない程度に、樹脂(A)及び樹脂(B)以外の(D)熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂(以下、単に樹脂(D)ともいう)を含んでいてもよい。
この場合、樹脂(D)の配合割合は、高溶融粘度樹脂(A)と低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)との合計100質量部に対して、0質量部を超えるのが好ましく、より好ましくは1質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上であり、100質量部以下が好ましく、より好ましくは70質量部以下、さらに好ましくは50質量部以下である。樹脂(D)の配合量が上記範囲であれば、所望する中間層用組成物の硬度や反発特性などの物性が得やすい。
上記樹脂(D)としては、例えば、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミド系エラストマー;東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー;三菱化学(株)から商品名「ラバロン」で市販されている熱可塑性ポリスチレン系エラストマーまたは商品名「プリマロイ」で市販されている熱可塑性ポリエステル系エラストマー;BASFポリウレタンエラストマーズ社から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランET880」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマーなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。他の樹脂(D)として、ゴム組成物を硫黄、有機過酸化物などで架橋してなる樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。樹脂(D)は、上記熱可塑性樹脂と上記熱硬化性樹脂との混合物であってもよい。
より好ましい樹脂(D)は、熱可塑性樹脂である。反発性能の観点から、この熱可塑性樹脂(D)は、上記高溶融粘度樹脂(A)と上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)との合計100質量部に対して、1質量部以上が好ましく、10質量部以上がより好ましく、20質量部以上がより好ましい。高い流動性の観点から、熱可塑性樹脂(D)は、上記樹脂(A)と上記樹脂(B)との合計100質量部に対して、95質量部以下が好ましく、90質量部以下がより好ましく、80質量部以下がより好ましい。
この熱可塑性樹脂(D)として、スチレン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー及びこれらの混合物が例示される。この熱可塑性樹脂(D)として、例えば、アルケマ(株)から商品名「ペバックス(例えば、「ペバックス2533」)」で市販されている熱可塑性ポリアミド系エラストマー;東レ・デュポン(株)から商品名「ハイトレル(例えば、「ハイトレル3548」、「ハイトレル4047」)」で市販されている熱可塑性ポリエステルエラストマー;三菱化学(株)から商品名「ラバロン」で市販されている熱可塑性ポリスチレン系エラストマーまたは商品名「プリマロイ」で市販されている熱可塑性ポリエステル系エラストマー;BASFポリウレタンエラストマーズ社から商品名「エラストラン(例えば、「エラストランET880」)」で市販されている熱可塑性ポリウレタンエラストマーなどが挙げられる。
上記「ラバロン」として、三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」、「ラバロンT3339C」、「ラバロンSJ4400N」、「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」及び「ラバロンSR04」が挙げられる。
中間層8には、脂肪酸等の低分子材料が用いられていない。ゴルフボール2では、脂肪酸等に起因する隣接層との接着悪化が発生しない。
高い流動性により薄い中間層8が形成されやすいとの観点から、中間層8のメルトフローレイトは、4g/10min以上が好ましく、7g/10min以上がより好ましく、10g/10min以上が更に好ましい。このメルトフローレイトは、40g/10min以下が好ましい。
中間層8のメルトフローレイト(MFR)の測定では、中間層の組成物が用いられる。この測定は、フローテスター(島津製作所社製、島津フローテスターCFT−100C)を用いて、JIS K7210に準じてなされる。この測定は、測定温度190℃、荷重2.16kgの条件で行われる。
なお、本発明において、高溶融粘度樹脂(A)の溶融粘度(190℃)がフローテスターによる測定値で規定され、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の溶融粘度(190℃)がブルックフィールド型粘度計による測定値で規定されているのは、各樹脂の溶融粘度(190℃)において、当該粘度範囲を測定するのに好適な測定方法を採用したためである。これらの測定方法は、以下の通りである。
[フローテスターによる溶融粘度]
この測定では、試料がペレット状とされる。流動特性評価装置(島津製作所製、フローテスターCFT−500D)を用いて、ペレット状の試料が、下記の条件で測定される。
測定条件
DIE LENGTH:1mm
DIE DIA:1mm
荷重:294N
温度:190℃
[ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度]
ブルックフィールド型粘度計(東京計器社製、BL型粘度計)を用いて、試料(樹脂(B))が190℃に加温されて、測定される。測定条件は、ローターNo.4が使用され、回転速度は6rpmとされる。
前述したアイオノマー樹脂(a−1)、非イオン性樹脂(a−2)及び低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の一部について、溶融粘度(190℃)の測定値を以下に示す。
前述の「ハイミラン1555」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が540Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が10g/10minである。
前述の「サーリン8150」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が1200Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が4.5g/10minである。
前述の「ハイミランAM7329」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が1100Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が5g/10minである。
前述の「サーリン9150」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が1200Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が4.5g/10minである。
前述の「サーリン6320」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が4700Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が1.1g/10minである。
前述の「ハイミラン1702」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が540Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が10g/10minである。
前述の「ニュクレルN1050H」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が6Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が500g/10minである。
前述の「ニュクレルN2050H」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が8Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が500g/10minである。
前述の「ニュクレルAN4318」は、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が160Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が30g/10minである。
前述の「Aclyn201」は、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が5.5Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が185g/10minである。
前述の「Aclyn295」は、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が4.5Pa・sであり、メルトフローレイト(190℃:2.16kg)が1200g/10minである。
反発性能の観点から、中間層8の硬度Hmは35以上が好ましく、40以上がより好ましく、45以上が特に好ましい。打球感の観点から、硬度Hmは57以下が好ましく、55以下がより好ましく、52以下が更に好ましい。硬度Hmは、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、自動ゴム硬度測定装置(高分子計器社の商品名「P1」)に取り付けられたショアD型のスプリング式硬度計によって測定される。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられる。23℃の温度下に2週間保管されたスラブが、測定に用いられる。測定時には、3枚のスラブが重ね合わされる。中間層8の樹脂組成物と同一の樹脂組成物からなるスラブが、測定に用いられる。
中間層8の比重G2は、1.10以上が好ましい。この中間層8により、ゴルフボール2の質量分布が外寄りに偏りうる。この偏りにより、スピンが抑制される。この観点から、比重G2は1.15以上がより好ましく、1.20以上が特に好ましい。大きな比重G2は、高比重の充填剤を配合することにより達成されうる。この充填剤は、反発性能を低下させる。反発性能の観点から、比重G2は、1.50以下が好ましく、1.45以下がより好ましく、1.40以下がより好ましい。
上記の好ましい比重G2を達成するため、中間層8に、高比重の充填剤が配合されてもよい。典型的な高比重充填剤は、高比重金属の粉末である。典型的な高比重金属は、タングステン及びモリブデンである。汎用性の観点から、タングステンが好ましい。高比重金属の粉末の量は、上記の好ましい比重G2が達成されるように調整されるのが好ましい。
高比重充填剤を配合する場合、スピン抑制の観点から、高比重充填剤の量は、中間層8の基材ポリマー100質量部に対して20質量部以上が好ましく、25質量部以上がより好ましく、28質量部以上が特に好ましい。中間層8の成形容易の観点から、粉末の量は50質量部以下が好ましく、40質量部以下がより好ましい。
ゴルフボール2の耐久性の観点から、中間層8の厚みは0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましく、0.7mm以上が特に好ましい。十分な直径を有するコア4が形成されうるとの観点から、中間層8の厚みは1.6mm以下が好ましく、1.2mm以下がより好ましく、1.0mm以下がより好ましい。
十分な直径を有するコア4が形成されうるとの観点から、中間層8の外径は40.7mm以上が好ましく、40.9mm以上がより好ましく、41.2mm以上が特に好ましい。中間層8の外径は、42.2mm以下が好ましい。
カバー10には、樹脂組成物が好適に用いられる。この樹脂組成物の基材ポリマーとしては、アイオノマー樹脂、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマー、熱可塑性ポリエステルエラストマー、熱可塑性ポリアミドエラストマー及び熱可塑性ポリオレフィンエラストマーが例示される。特に、アイオノマー樹脂が好ましい。アイオノマー樹脂は、高弾性である。カバー10にアイオノマー樹脂が用いられたゴルフボール2は、反発性能に優れる。中間層8に関して前述されたアイオノマー樹脂が、カバー10に用いられうる。
アイオノマー樹脂と他の樹脂とが併用されてもよい。併用される場合は、反発性能の観点から、アイオノマー樹脂が基材ポリマーの主成分とされる。基材ポリマーの全量に対するアイオノマー樹脂の量の比率は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、85質量%以上が特に好ましい。
好ましいアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体が挙げられる。好ましい二元共重合体は、80質量%以上90質量%以下のα−オレフィンと、10質量%以上20質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸とを含む。この二元共重合体は、反発性能に優れる。好ましい他のアイオノマー樹脂としては、α−オレフィンと炭素数が3以上8以下のα,β−不飽和カルボン酸と炭素数が2以上22以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体が挙げられる。好ましい三元共重合体は、70質量%以上85質量%以下のα−オレフィンと、5質量%以上30質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸と、1質量%以上25質量%以下のα,β−不飽和カルボン酸エステルとを含む。この三元共重合体は、反発性能に優れる。二元共重合体及び三元共重合体において、好ましいα−オレフィンはエチレン及びプロピレンであり、好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸及びメタクリル酸である。特に好ましいアイオノマー樹脂は、エチレンと、アクリル酸又はメタクリル酸との共重合体である。
二元共重合体及び三元共重合体において、カルボキシル基の一部は金属イオンで中和されている。中和のための金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、アルミニウムイオン及びネオジムイオンが例示される。中和が、2種以上の金属イオンでなされてもよい。ゴルフボール2の反発性能及び耐久性の観点から特に好適な金属イオンは、ナトリウムイオン、亜鉛イオン、リチウムイオン及びマグネシウムイオンである。
アイオノマー樹脂の具体例としては、三井デュポンポリケミカル社の商品名「ハイミラン1555」、「ハイミラン1557」、「ハイミラン1605」、「ハイミラン1706」、「ハイミラン1707」、「ハイミラン1856」、「ハイミラン1855」、「ハイミランAM7311」、「ハイミランAM7315」、「ハイミランAM7317」、「ハイミランAM7318」、「ハイミランAM7329」、「ハイミランMK7320」及び「ハイミランMK7329」;デュポン社の商品名「サーリン6120」、「サーリン6910」、「サーリン7930」、「サーリン7940」、「サーリン8140」、「サーリン8150」、「サーリン8940」、「サーリン8945」、「サーリン9120」、「サーリン9150」、「サーリン9910」、「サーリン9945」、「サーリンAD8546」、「HPF1000」及び「HPF2000」;並びにエクソンモービル化学社の商品名「IOTEK7010」、「IOTEK7030」、「IOTEK7510」、「IOTEK7520」、「IOTEK8000」及び「IOTEK8030」が挙げられる。
カバー10に、2種以上のアイオノマー樹脂が併用されてもよい。1価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂と2価の金属イオンで中和されたアイオノマー樹脂とが併用されてもよい。
アイオノマー樹脂と併用されうる樹脂として、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーが例示される。このエラストマーは、ゴルフボール2の打球感に寄与しうる。このエラストマーは、ゴルフボール2の反発性能を阻害しない。このエラストマーは、ハードセグメントとしてのポリスチレンブロックと、ソフトセグメントとを備えている。典型的なソフトセグメントは、ジエンブロックである。ジエンブロックの化合物としては、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンが例示される。ブタジエン及びイソプレンが好ましい。2以上の化合物が併用されてもよい。
スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SIBS)、SBSの水添物、SISの水添物及びSIBSの水添物が含まれる。SBSの水添物としては、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)が挙げられる。SISの水添物としては、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)が挙げられる。SIBSの水添物としては、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEEPS)が挙げられる。
ゴルフボール2の反発性能の観点から、熱可塑性エラストマーにおけるスチレン成分の含有率は10質量%以上が好ましく、12質量%以上がより好ましく、15質量%以上が特に好ましい。ゴルフボール2の打球感の観点から、この含有率は50質量%以下が好ましく、47質量%以下がより好ましく、45質量%以下が特に好ましい。
本願において、スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーには、SBS、SIS、SIBS、SEBS、SEPS及びSEEPS並びにこれらの水添物からなる群から選択された1種又は2種以上と、オレフィンとのアロイが含まれる。このアロイ中のオレフィン成分は、アイオノマー樹脂との相溶性向上に寄与すると推測される。このアロイが用いられることにより、ゴルフボール2の反発性能が向上する。好ましくは、炭素数が2以上10以下のオレフィンが用いられる。好適なオレフィンとしては、エチレン、プロピレン、ブテン及びペンテンが例示される。エチレン及びプロピレンが特に好ましい。
ポリマーアロイの具体例としては、三菱化学社の商品名「ラバロンT3221C」、「ラバロンT3339C」、「ラバロンSJ4400N」、「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」及び「ラバロンSR04」が挙げられる。スチレンブロック含有熱可塑性エラストマーの他の具体例としては、ダイセル化学工業社の商品名「エポフレンドA1010」及びクラレ社の商品名「セプトンHG−252」が挙げられる。
カバー10にアイオノマー樹脂とスチレンブロック含有熱可塑性エラストマーとが併用される場合、両者の質量比は60/40以上が好ましい。この比が60/40以上であるカバー10は、ゴルフボール2の反発性能に寄与する。この観点から、比は75/25以上がより好ましく、85/15以上が特に好ましい。打球感の観点から、この比は98/2以下が好ましい。この質量比は、アイオノマー樹脂の質量の、スチレンブロック含有熱可塑エラストマーの質量に対する比である。
カバー10に、アイオノマー樹脂と上記高溶融粘度非イオン性樹脂(a−2)とが併用されてもよい。非イオン性樹脂(a−2)の使用は、成形性及び耐久性の向上に寄与しうる。成型性の観点から、非イオン性樹脂(a−2)の、アイオノマー樹脂に対する質量比は、10/90以上が好ましく、20/80以上がより好ましい。反発性能の観点から、この質量部は、40/60以下が好ましい。
カバー10には、必要に応じ、二酸化チタンのような着色剤、硫酸バリウムのような充填剤、分散剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、蛍光剤、蛍光増白剤等が、適量配合される。カバー10の形成には、射出成形法、圧縮成形法等の既知の手法が採用されうる。カバー10の成形時に、成形型のキャビティ面に形成された多数のピンプルにより、ディンプル12が形成される。
スピン抑制の観点から、カバー10のショアD硬度Hcは56以上が好ましく、58以上がより好ましく、59以上が特に好ましい。打球感の観点から、硬度Hcは65以下が好ましく、64以下がより好ましく、63以下が特に好ましい。硬度Hcは、「ASTM−D 2240−68」の規定に準拠して、自動ゴム硬度測定装置(高分子計器社の商品名「P1」)に取り付けられたショアD型のスプリング式硬度計によって測定される。測定には、熱プレスで成形された、厚みが約2mmであるスラブが用いられる。23℃の温度下に2週間保管されたスラブが、測定に用いられる。測定時には、3枚のスラブが重ね合わされる。カバー10の樹脂組成物と同一の樹脂組成物からなるスラブが、測定に用いられる。
スピンが抑制されるとの観点から、カバー10の比重G3は0.97以上が好ましく、1.00以上がより好ましい。カバー10の成形性の観点から、比重G3は1.20以下が好ましく、1.15以下がより好ましい。
カバー10の成形容易の観点から、このカバー10の厚みは0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましく、0.7mm以上がより好ましい。大きなコア4の外径は、反発性能に寄与する。コア4の外径の観点から、カバー10の厚みは1.6mm以下が好ましく、1.2mm以下がより好ましく、1.0mm以下が特に好ましい。
打球感の観点から、ゴルフボール2の圧縮変形量は2.5mm以上が好ましく、2.7mm以上がより好ましく、2.9mm以上が特に好ましい。反発性能の観点から、圧縮変形量は4.0mm以下が好ましく、3.8mm以下がより好ましく、3.5mm以下が特に好ましい。
以下、実施例によって本発明の効果が明らかにされるが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるべきではない。
[実施例1]
100質量部のハイシスポリブタジエン(JSR社の商品名「BR−730」)、28.5質量部のアクリル酸亜鉛、10質量部の酸化亜鉛、19質量部の硫酸バリウム、0.5質量部のジフェニルジスルフィド(住友精化社)及び0.6質量部のジクミルパーオキサイド(日本油脂社)を混練し、ゴム組成物(i)を得た。このゴム組成物(i)を共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に投入し、加圧及び加熱して、コアを得た。このコアの直径は、39.4mmであった。
15質量部のアイオノマー樹脂(a−1)(前述の「ハイミラン1555」)、40質量部の他のアイオノマー樹脂(a−1)(前述の「ハイミランAM7329」)、20質量部の非イオン性樹脂(a−2)(前述の「ニュクレルN1050H」)、25質量部の低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)(前述の「Aclyn295」)及び1.7質量部のMg(OH)(米山薬品工業社)を二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物(b)を得た。共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなる金型に、コアを投入した。樹脂組成物(b)を射出成形法にてコアの周りに射出し、中間層を形成し、球体(k)を得た。この中間層の厚みは、0.9mmであった。
32質量部のアイオノマー樹脂(前述の「サーリン8945」)、50質量部の他のアイオノマー樹脂(前述の「ハイミランAM7329」)、18質量部のエチレン−メタクリル酸共重合体樹脂(前述の「ニュクレルN1050H」)、3質量部の二酸化チタン及び0.04質量部のウルトラマリンブルーを二軸混練押出機で混練し、樹脂組成物(h)を得た。共に半球状キャビティを備えた上型及び下型からなり、そのキャビティ面にピンプルを備えたファイナル金型に、上記球体(k)を投入した。樹脂組成物(h)を射出成形法にて球体(k)の周りに射出し、カバーを形成した。このカバーの厚みは、0.8mmであった。カバーには、ピンプルの形状が反転した形状のディンプルが多数形成された。このカバーの周りに二液硬化型ポリウレタンを基材とするクリアー塗料を塗装し、直径が42.8mmであり質量が約45.4gである実施例1のゴルフボールを得た。
[実施例2から9及び比較例1から7]
コア、中間層及びカバーの仕様を下記の表4から5に示される通りとした他は実施例1と同様にして、実施例2から9及び比較例1から7のゴルフボールを得た。コアのゴム組成物の詳細が、下記の表1に示されている。中間層の樹脂組成物の詳細が、下記の表2に示されている。カバーの樹脂組成物の詳細が、下記の表3に示されている。
なお、比較例1及び比較例4については、表5に記載された仕様のゴルフボールの作製を試みたが、中間層組成物の流動性が悪く、中間層を成型することができなかった。
[飛距離の評価]
ツルテンパー社のスイングマシンに、チタンヘッドを備えたドライバー(SRIスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:R、ロフト角:11°)を装着した。ヘッド速度が45m/secである条件でゴルフボールを打撃して、発射地点から静止地点までの距離を測定した。10回測定されて得られたデータの平均値が、下記の表4から5に示されている。
[耐久性の評価]
仕上がり後、23℃で1ヶ月間保管されたボールを評価した。ツルテンパー社のスイングマシンに、チタンヘッドを備えたドライバー(SRIスポーツ社の商品名「XXIO」、シャフト硬度:R、ロフト角:11°)を装着した。このスイングマシンにて、ヘッド速度が45m/secである条件でゴルフボールを打撃した。ゴルフボールに破損が生じるまでの打撃回数を、測定した。5回測定されて得られたデータの平均値が、指数として、下記の表4及び5に示されている。この指数は、実施例3を100とした指数である。
[打球感の評価]
ゴルファーに、ドライバーにてゴルフボールを打撃させた。下記の基準に基づき、打球感を格付けさせた。
A:ソフト
B:ややソフト
C:ややハード
D:ハード
Figure 0004801723
Figure 0004801723
*1 商品名「NAA−222S粉末」(日本油脂社)
*2 商品名「C50G]のタングステン粉末(アライドマテリアル社)
Figure 0004801723
Figure 0004801723
Figure 0004801723
なお、「ハイミラン1555」は、ナトリウムイオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂であり、上記アイオノマー樹脂(a−1)に該当する。「ハイミランAM7329」は、亜鉛イオン中和エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー樹脂であり、上記アイオノマー樹脂(a−1)に該当する。「ニュクレルN1050H」は、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂であり、上記非イオン性樹脂(a−2)に該当する。「Aclyn295」は、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸の二元共重合体の亜鉛中和物であり、上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)に該当する。Mg(OH) は、上記金属イオン源(C)に該当する。「ラバロンT3221C」は、スチレン系エラストマーであり、上記熱可塑性樹脂(D)に該当する。
表4及び5に示されるように、各実施例のゴルフボールは諸性能に優れている。この評価結果から、本発明の優位性は明らかである。
本発明に係るゴルフボールは、ゴルフ場でのプレーや、ドライビングレンジにおける練習に用いられうる。
図1は、本発明の一実施形態に係るゴルフボールが示された模式的断面図である。
符号の説明
2・・・ゴルフボール
4・・・コア
8・・・中間層
10・・・カバー
12・・・ディンプル

Claims (4)

  1. コアと、このコアの外側に位置する中間層と、この中間層の外側に位置するカバーとを備えており、
    上記カバーの厚みが0.3mm以上1.6mm以下であり、
    上記カバーのショアD硬度Hcが56以上であり、
    上記中間層の厚みが0.5mm以上1.6mm以下であり、
    上記中間層のショアD硬度Hmが35以上57以下であり、
    190℃で且つ荷重2.16kgの条件で測定された上記中間層のメルトフローレイトが4g/10min以上であり、
    上記中間層が、
    下記アイオノマー樹脂(a−1)、下記非イオン性樹脂(a−2)又は下記アイオノマー樹脂(a−1)と下記非イオン性樹脂(a−2)との混合物である高溶融粘度樹脂(A)と、
    エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物(b−1)、及び、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物(b−2)の2種から選ばれる少なくとも1種以上であり、ブルックフィールド型粘度計による溶融粘度(190℃)が1Pa・s以上10Pa・s以下である低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)と、
    上記高溶融粘度樹脂(A)及び上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)のカルボキシル基を中和することができる金属イオン源(C)とが配合されてなる組成物(M)を含み、
    高溶融粘度樹脂(A)の、低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)に対する質量比A1/B1が、55/45以上99/1以下であり、
    上記高溶融粘度樹脂(A)及び上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)の合計100質量部に対して、上記金属イオン源(C)が0.1質量部〜10質量部であるゴルフボール。
    (a−1)エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の金属イオン中和物(a−11)、及び、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体の金属イオン中和物(a−12)の2種から選ばれる少なくとも1種以上であり、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が500Pa・s以上100000Pa・s以下である高溶融粘度アイオノマー樹脂。
    (a−2)エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体(a−21)、及び、エチレンと炭素数が3個以上8個以下であるα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体(a−22)の2種から選ばれる少なくとも1種以上であり、フローテスターによる溶融粘度(190℃)が5Pa・s以上3000Pa・s以下である高溶融粘度非イオン性樹脂。
  2. 上記中間層において、上記高溶融粘度樹脂(A)と上記低溶融粘度アイオノマー樹脂(B)との合計100質量部に対して、1質量部以上95質量部以下の熱可塑性樹脂(D)が配合されている請求項1に記載のゴルフボール。
  3. 上記中間層の比重が1.10以上1.50以下である請求項1又は2に記載のゴルフボール。
  4. 上記コアの直径が38.0mm以上である請求項1からのいずれかに記載のゴルフボール。
JP2008325014A 2008-12-22 2008-12-22 ゴルフボール Expired - Fee Related JP4801723B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008325014A JP4801723B2 (ja) 2008-12-22 2008-12-22 ゴルフボール
US12/617,909 US8608594B2 (en) 2008-12-22 2009-11-13 Golf ball
US13/947,615 US8721473B2 (en) 2008-12-22 2013-07-22 Golf ball

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008325014A JP4801723B2 (ja) 2008-12-22 2008-12-22 ゴルフボール

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010142535A JP2010142535A (ja) 2010-07-01
JP4801723B2 true JP4801723B2 (ja) 2011-10-26

Family

ID=42563569

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008325014A Expired - Fee Related JP4801723B2 (ja) 2008-12-22 2008-12-22 ゴルフボール

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4801723B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4746671B2 (ja) * 2008-12-18 2011-08-10 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP4801722B2 (ja) * 2008-12-22 2011-10-26 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール

Family Cites Families (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5613726B2 (ja) * 1971-12-27 1981-03-31
JPS57128704A (en) * 1980-12-22 1982-08-10 Allied Chem Low molecular weight copolymer salt and manufacture
US4820760A (en) * 1987-05-28 1989-04-11 Ferro Corporation Non plateout molding composition
BR9206007A (pt) * 1991-05-17 1994-08-02 Minnesota Mining & Mfg Sistema de decoração de parede aperfeiçoado e pelicula flexivel e conformável
JP3311401B2 (ja) * 1992-11-18 2002-08-05 三井・デュポンポリケミカル株式会社 樹脂組成物
JP3305401B2 (ja) * 1993-04-13 2002-07-22 三井・デュポンポリケミカル株式会社 熱可塑性樹脂組成物
US5779562A (en) * 1993-06-01 1998-07-14 Melvin; Terrence Multi-core, multi-cover golf ball
US5567772A (en) * 1994-03-07 1996-10-22 E. I. Du Pont De Nemours And Company High flow ionomer resin compositions useful for golf ball covers
JP3519131B2 (ja) * 1994-09-02 2004-04-12 三井・デュポンポリケミカル株式会社 耐衝撃性に優れた樹脂組成物及びゴルフボール表皮材
JP3304781B2 (ja) * 1996-09-06 2002-07-22 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール
JPH111579A (ja) * 1997-06-16 1999-01-06 Toyo Ink Mfg Co Ltd 押出成形品用着色樹脂組成物
JP3729243B2 (ja) * 1999-10-25 2005-12-21 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール用材料及びゴルフボール
JP3772252B2 (ja) * 2000-02-10 2006-05-10 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースゴルフボールの製造方法
JP4793516B2 (ja) * 2000-06-09 2011-10-12 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール用樹脂組成物及びゴルフボール
JP3767683B2 (ja) * 2000-11-22 2006-04-19 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール用材料の製造方法
JP4490609B2 (ja) * 2001-08-13 2010-06-30 Sriスポーツ株式会社 スリーピースソリッドゴルフボール
JP4054970B2 (ja) * 2002-05-31 2008-03-05 ブリヂストンスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP2004018660A (ja) * 2002-06-14 2004-01-22 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd アイオノマー組成物及びその用途
US6663507B1 (en) * 2002-07-18 2003-12-16 Bridgestone Sports Co., Ltd. Multi-piece solid golf ball
JP4045139B2 (ja) * 2002-07-24 2008-02-13 Sriスポーツ株式会社 マルチピースソリッドゴルフボール
EP1549253A4 (en) * 2002-09-26 2010-11-03 Endovascular Devices Inc APPARATUS AND METHOD FOR DISTRIBUTING MITOMYCIN USING AN IMPLANTABLE BIOCOMPATIBLE MEDICAL EMITTING DEVICE
US20040132552A1 (en) * 2002-09-27 2004-07-08 Chen John Chu Golf balls with soft, resilient bimodal ionomeric covers
US6852043B2 (en) * 2002-12-12 2005-02-08 Acushnet Company Golf ball
US6923735B1 (en) * 2004-02-04 2005-08-02 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
US7767759B2 (en) * 2004-07-16 2010-08-03 Taylor Made Golf Company, Inc. Composition for use in golf balls
JP4303711B2 (ja) * 2005-08-25 2009-07-29 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール
US7365128B2 (en) * 2005-08-31 2008-04-29 Acushnet Company Highly-neutralized acid polymers and their use in golf balls
JP4055016B2 (ja) * 2005-12-19 2008-03-05 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースゴルフボール
JP4055017B2 (ja) * 2005-12-19 2008-03-05 ブリヂストンスポーツ株式会社 マルチピースゴルフボール
JP5298467B2 (ja) * 2006-07-12 2013-09-25 東レ株式会社 樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2008093423A (ja) * 2006-09-14 2008-04-24 Sri Sports Ltd ゴルフボール
US7527566B2 (en) * 2007-04-13 2009-05-05 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
JP4751924B2 (ja) * 2008-10-20 2011-08-17 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP5068288B2 (ja) * 2008-09-16 2012-11-07 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP5068289B2 (ja) * 2008-09-16 2012-11-07 ダンロップスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP4714769B2 (ja) * 2008-09-22 2011-06-29 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール
JP4801722B2 (ja) * 2008-12-22 2011-10-26 Sriスポーツ株式会社 ゴルフボール

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010142535A (ja) 2010-07-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4392034B2 (ja) ゴルフボール
JP4958989B2 (ja) ゴルフボール
JP5331756B2 (ja) ゴルフボール
US8721473B2 (en) Golf ball
JP4751924B2 (ja) ゴルフボール
JP5484152B2 (ja) ゴルフボール
JP5025632B2 (ja) ゴルフボール
JP5295650B2 (ja) ゴルフボール
JP5473800B2 (ja) ゴルフボール中間層用樹脂組成物およびゴルフボール
JP4801722B2 (ja) ゴルフボール
JP5312292B2 (ja) ゴルフボール
JP2003010359A (ja) スリーピースソリッドゴルフボール
JP5008496B2 (ja) ゴルフボール
JP2010154971A (ja) ゴルフボール
JP4801723B2 (ja) ゴルフボール
JP5322571B2 (ja) ゴルフボール
JP2002113129A (ja) ツーピースソリッドゴルフボール
JP6859690B2 (ja) ゴルフボール
JP6418946B2 (ja) ゴルフボール
JP5154534B2 (ja) ゴルフボール
JP5031064B2 (ja) ゴルフボール用樹脂組成物およびゴルフボール
JP5008497B2 (ja) ゴルフボール
JP5247426B2 (ja) ゴルフボール
JP5583649B2 (ja) ゴルフボール
JP4746671B2 (ja) ゴルフボール

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110621

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110712

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110805

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4801723

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees