JP4055016B2 - マルチピースゴルフボール - Google Patents

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Description

本発明は、ソリッドコア、中間層及びカバーを具備してなる3層以上のマルチピースゴルフボールであって、打感、コントロール性能、飛び性能に優れるマルチピースゴルフボールに関する。
従来より、糸巻きゴルフボール、ソリッドゴルフボールに対しては改良が種々行われており、その一例として、ツーピースソリッドゴルフボールのコアやカバーの厚さや硬度の適正化が挙げられる。
近年、ソリッドゴルフボールに対しては、ボール構造を従来のソリッドコア、カバーからなる2層構造ではなく、ソリッドコアとカバーとの間に更に中間層を設けて多層化し、各層ごとに最適化を図る取り組みが行われている。具体的には、特開平9−313643号公報には、コア単独の硬度分布とコア、中間層及びカバーを含めたボール全体の硬度分布を適正化することにより、良好な飛び性能を有し、耐久性、打感、コントロール性能に優れるスリーピースゴルフボールが提案されている。
また、特開平10−305114号公報には、コア、中間層、カバーの硬度バランスと、ディンプルが適正化され、良好な飛び性能と打感を得ることができるマルチピースゴルフボールが提案されている。
しかしながら、プレイヤーの要求は多種多様化しており、更に優れた良好な打感、コントロール性能、飛び性能が求められている。
特開平9−313643号公報 特開平10−305114号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、ソリッドコア、中間層及びカバーを具備してなる3層以上のマルチピースゴルフボールであって、打感、コントロール性能、飛び性能に優れるマルチピースゴルフボールを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行ったところ、ソリッドコア、中間層、カバーを具備してなるゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーの材料として、下記(I)〜(III)のいずれかの配合で、メルトインデックスが1dg/min以上の加熱混合物を使用した。
(I)(a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体 100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、
(c)上記(a)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物
0.1〜10質量部、
(II)(d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物、及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物 100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、
(c)上記(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物
0.1〜10質量部、
(III)(a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体と
(d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物、及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物との混合物 100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、
(c)上記(a)、(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物 0.1〜10質量部
その結果、上記材料で形成された中間層及び/又はカバーを具備してなるマルチピースゴルフボールは、反発性が向上し、飛距離の向上が図れるものであることを知見すると共に、この反発性の向上が、打感、コントロール性の改良の余地を与えるという優位性に繋がることを見出した。
そこで、本発明者は、この優位性を最大限に生かすべく検討を行い、上記反発性の向上が打感に対してのソフト化に寄与し、またコントロール性に対しては、カバーの軟化が可能になり、スピン量の増加が見込めることを知見した。
即ち、上記中間層のショアD硬度を40〜63、上記カバーのショアD硬度を45〜68とし、かつ上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度を、ソリッドコアの中心硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすようにしたマルチピースゴルフボールは、打撃時にある一部に力が集中することなく、ボール全体で力を受け止め、ボール変形時のエネルギーロスが小さく、反発性が良好で、飛距離の向上が図れ、しかも打感がソフトで、カバーが比較的軟らかく形成され得るので、スピン性能が向上し、コントロール性能に優れることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のマルチピースゴルフボールを提供する。
請求項1:
ソリッドコアと、該ソリッドコアに被覆形成される中間層と、該中間層に被覆形成されるカバーとを具備してなるマルチピースゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーが
(a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
(c)上記(a)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
を含有してなるメルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されると共に、
前記塩基性無機金属化合物が酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、及び炭酸リチウムよりなる群から選択され、かつ前記(a)、(b)成分が(c)成分により中和され、上記加熱混合物中の酸基の80モル%以上が金属イオンで中和されてなり、
上記中間層のショアD硬度が40〜63であり、上記カバーのショアD硬度が45〜68であると共に、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度がソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすことを特徴とするマルチピースゴルフボール。
請求項2:
ソリッドコアと、該ソリッドコアに被覆形成される中間層と、該中間層に被覆形成されるカバーとを具備してなるマルチピースゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーが
(d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
(c)上記(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
を含有してなるメルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されると共に、
前記塩基性無機金属化合物が酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、及び炭酸リチウムよりなる群から選択され、かつ前記(d)、(b)成分が(c)成分により中和され、上記加熱混合物中の酸基の80モル%以上が金属イオンで中和されてなり、
上記中間層のショアD硬度が40〜63であり、上記カバーのショアD硬度が45〜68であると共に、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度がソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすことを特徴とするマルチピースゴルフボール。
請求項3:
ソリッドコアと、該ソリッドコアに被覆形成される中間層と、該中間層に被覆形成されるカバーとを具備してなるマルチピースゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーが
(a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体と、(d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物との混合物100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
(c)上記(a)、(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
を含有してなるメルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されると共に、
前記塩基性無機金属化合物が酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、及び炭酸リチウムよりなる群から選択され、かつ前記(a)、(d)、(b)成分が(c)成分により中和され、上記加熱混合物中の酸基の80モル%以上が金属イオンで中和されてなり、
上記中間層のショアD硬度が40〜63であり、上記カバーのショアD硬度が45〜68であると共に、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度がソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすことを特徴とするマルチピースゴルフボール。
請求項4:
ソリッドコアがポリブタジエンを主成分とするゴム組成物にて形成されると共に、直径が33〜41mm、100kg荷重負荷時の変形量が2.5〜7.0mmである請求項1乃至3のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
請求項5:
中間層が厚さ0.3〜3.0mmであり、カバーが厚さ0.3〜3.0mmであると共に、これら中間層とカバーとを合わせた厚さが1.0mm以上である請求項1乃至4のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
請求項6:
(b)成分の脂肪酸又はその誘導体の1分子中に含まれる炭素原子数が18以上80以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマルチピースゴルフボール。
請求項7:
加熱混合物の赤外線吸収測定における1690〜1710cm-1に検出されるカルボニル伸縮振動に帰属する吸収ピークの吸光度に対する1530〜1630cm-1に検出されるカルボキシラートアニオン伸縮振動に帰属する吸収ピークの相対吸光度が1.5以上である請求項1乃至6のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
請求項8:
加熱混合物の熱重量測定において、25℃における重量を基準とする250℃における減量率が2質量%以下である請求項1乃至7のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
請求項9
加熱混合物中の酸基を中和した金属イオンが亜鉛イオンと、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとを含む請求項8記載のマルチピースゴルフボール。
請求項10
前記亜鉛イオンと、前記アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとのモル比が10:90〜90:10である請求項9記載のマルチピースゴルフボール。
請求項11
各材料を混合する際の加熱温度が150〜250℃である請求項1乃至10のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
請求項12
b)成分の脂肪酸が、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸及びリグノセリン酸の群から選ばれる化合物である請求項1乃至11のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
請求項13
(b)成分の脂肪酸誘導体が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム及びリグノセリン酸亜鉛の群から選ばれる金属せっけんである請求項1乃至11のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
本発明のマルチピースゴルフボールは、打感、コントロール性能、飛び性能に優れたものである。
以下、本発明につき、図面を参照して更に詳しく説明すると、本発明のマルチピースゴルフボールは、ソリッドコア1と、該ソリッドコア1を覆う中間層2と、該中間層2を覆うカバー3とからなる少なくとも3層構造に形成されているものである。ここで、図1はソリッドコア1、中間層2、カバー3を各一層ずつの構成としているが、2層以上に多層化してもよく、必要に応じてソリッドコア1、中間層2、カバー3をそれぞれ複数層構成にすることができる。なお、以下に説明するソリッドコア、中間層、カバーについて複数層構成にする場合には、複数層全体として、各要件を全体として満たすように構成されていればよい。
まず、本発明のソリッドコアは、公知のコア材を使用でき、例えばゴム組成物等を挙げることができる。特に基材ゴムとしてポリブタジエンを使用したものが好ましく、このポリブタジエンとしては、シス構造を少なくとも40%以上有する1,4−シスポリブタジエン等を挙げることができる。
上記ゴム組成物には、架橋剤としてメタクリル酸亜鉛、アクリル酸亜鉛等の不飽和脂肪酸の亜鉛塩、マグネシウム塩やトリメチルプロパンメタクリレート等のエステル化合物を配合し得るが、特に反発性の高さからアクリル酸亜鉛を好適に使用し得る。これら架橋剤の配合量は、上記基材ゴム100質量部に対し5質量部以上40質量部以下とすることができる。
また、上記ゴム組成物中には、ジクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドと1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンの混合物等の加硫剤を配合することができ、この加硫剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対し0.1質量部以上5質量部以下とすることができる。なお、ジクミルパーオキサイドとしては、市販品を好適に使用することができ、例えば、パークミルD(日本油脂社製)等を挙げることができる。
更に、必要に応じて、老化防止剤や比重調整の充填剤として酸化亜鉛や硫酸バリウム等を配合することができ、これら充填剤の配合量は、基材ゴム100質量部に対し0質量部以上130質量部以下とすることができる。
上記コア用ゴム組成物からソリッドコアを得るには、通常の混練機(例えば、バンバリーミキサー、ニーダー及びロール等)を用いて混練し、得られたコンパウンドをコア用金型を用いて成形するコンプレッション成形等で得ることができる。
本発明のソリッドコアは、コアの中心のショアD硬度が後述する中間層、カバーのショアD硬度に対し、下記関係を満たすことを要するが詳しくは後述する。
ソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度、
好ましくは、
ソリッドコア中心の硬度≦ソリッドコア表面の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度、
更に好ましくは、
ソリッドコア中心からカバー外側表面にいくに従い漸次高くなる。
本発明のソリッドコアの具体的なショアD硬度は、上記関係を満足する値であれば特に制限されるものではなく、中間層及びカバーのショアD硬度に応じて適宜調整されるが、ソリッドコア中心のショアD硬度は、通常45以下、特に40以下、下限として15以上、特に20以上であることが好ましい。また、ソリッドコアの表面のショアD硬度は、上記ソリッドコア中心のショアD硬度に応じて適宜調整することが推奨され、通常60以下、特に55以下、下限として20以上、特に25以上であることが好ましい。また、ソリッドコア中心とソリッドコア表面との硬度差は、通常30以下、特に25以下、下限として0以上、好ましくは3以上、特に5以上であることが推奨される。
本発明のソリッドコアは、直径が通常33mm以上、好ましくは34mm以上、更に好ましくは35mm以上、上限として41mm以下、好ましくは40mm以下、更に好ましくは39mm以下であることが推奨される。直径が小さいと軟らかいコアが小さくなるので、打感が硬くなる場合があり、直径が大きいと必然的に中間層、カバーが薄くなり、反発性や耐久性が悪くなる場合がある。
本発明のソリッドコアは、100kg荷重負荷時の変形量が、通常2.5mm以上、好ましくは2.8mm以上、更に好ましくは3.2mm以上、上限として7.0mm以下、好ましくは6.5mm以下、更に好ましくは6.0mm以下であることが推奨され、変形量が少ないと打感が硬くなり、変形量が多いと反発性や耐久性が悪くなる場合がある。
本発明のゴルフボールは、図1に示されるように、上記ソリッドコア1に対して、中間層2とカバー3とを順に被覆形成してなるものであるが、これら中間層又はカバーの少なくとも一層は、下記(I)〜(III)のいずれかの配合で、メルトインデックスが1dg/min以上の加熱混合物で形成される必要がある。
(I)(a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体 100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、
(c)上記(a)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物
0.1〜10質量部
(II)(d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物 100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、
(c)上記(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物
0.1〜10質量部
(III)(a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体と
(d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物との混合物 100質量部、
(b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体 5〜80質量部、
(c)上記(a)、(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物 0.1〜10質量部
上記(I)〜(III)の各配合でメルトインデックスが1dg/min以上の加熱混合物は、熱安定性、流動性、成形性が良好で、反発性に優れたゴルフボールを得るのに寄与する材料として好適である。本発明は、このような材料を用いることにより、中間層及び/又はカバーの形成時の作業性を有利にし、反発性の高いボールを得るものである。
以下、各成分について説明すると、まず、上記(a)成分はオレフィンを含む共重合体であり、(a)成分中のオレフィンとして、例えば、炭素数2以上、上限として8以下、特に6以下のものを挙げることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等が挙げられ、特にエチレンであることが好ましい。
また、(a)成分中の不飽和カルボン酸として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸等を挙げることができ、特にアクリル酸、メタクリル酸であることが好ましい。
更に、(a)成分中の不飽和カルボン酸エステルとして、例えば、上述した不飽和カルボン酸の低級アルキルエステル等が挙げられ、具体的には、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等を挙げることができ、特にアクリル酸ブチル(n−アクリル酸ブチル、i−アクリル酸ブチル)が好ましい。
本発明の(a)成分のランダム共重合体は、上記成分を公知の方法に従ってランダム共重合させることにより得ることができる。ここで、ランダム共重合体中に含まれる不飽和カルボン酸の含量(酸含量)は、通常2質量%以上、好ましくは6質量%以上、更に好ましくは8質量%以上、上限としては25質量%以下、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下であることが推奨される。酸含量が少ないと反発性が低下する可能性があり、多いと材料の加工性が低下する可能性がある。
本発明の(d)成分は、上述した(a)成分のランダム共重合体中の酸基を部分的に金属イオンで中和することによって得ることができる。
ここで、酸基を中和する金属イオンとしては、例えば、Na+、K+、Li+、Zn++、Cu++、Mg++、Ca++、Co++、Ni++、Pb++等が挙げられるが、好ましくはNa+、Li+、Zn++、Mg++、Ca++等が好適に用いられ、更に好ましくはZn++であることが推奨される。これら金属イオンのランダム共重合体の中和度は、特に限定されるものではないが、通常5モル%以上、好ましくは10モル%以上、特に20モル%以上、上限として95モル%以下、好ましくは90モル%以下、特に80モル%以下である。中和度が95モル%を超えると、成形性が低下する場合があり、5モル%未満の場合、(c)成分の無機金属化合物の添加量を増やす必要があり、コスト的にデメリットとなる可能性がある。このような中和物は公知の方法で得ることができ、例えば、上記ランダム共重合体に対して、上記金属イオンのギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸塩、炭酸水素塩、酸化物、水酸化物及びアルコキシド等の化合物を導入して得ることができる。
上記(a)成分及び(d)成分は、市販品を好適に使用することができ、例えば、上記(a)成分のランダム共重合体として、ニュクレルAN4311、同AN4318、同1560(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)等を挙げることができる。また(d)成分のランダム共重合体の中和物として、ハイミラン1554、同1557、同1601、同1605、同1706、同1855、同1856、同AM7316(いずれも三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン6320、同7930、同8120(いずれもデュポン社製)等を挙げることができ、特に、亜鉛中和型アイオノマー樹脂(ハイミランAM7316等)を好適に使用できる。
本発明において、上記(III)の配合は、上記(a)成分と(d)成分とを併用配合するものであるが、この場合の配合比は特に制限されるものではなく、適宜調整することができ、通常(a)成分:(d)成分を質量比で10:90〜90:10、特に20:80〜80:20になるように調整することが好ましい。
次に、(b)成分は、分子量280以上の脂肪酸又はその誘導体であり、加熱混合物の流動性の向上に寄与する成分で、上記(a)成分及び/又は(d)成分と比較して分子量が極めて小さく、混合物の溶融粘度の著しい増加に寄与するものである。また、(b)成分中の脂肪酸(誘導体)は、分子量が280以上で高含量の酸基(誘導体)を含むため、添加による反発性の損失が少ないものである。
本発明で用いる(b)成分の脂肪酸又はその誘導体は、アルキル基中に二重結合又は三重結合を含む不飽和脂肪酸(誘導体)であっても、アルキル基中の結合が単結合のみにより構成される飽和脂肪酸(誘導体)であってもよいが、1分子中の炭素数は、通常18以上、上限として80以下、特に40以下であることが推奨される。炭素数が少ないと、耐熱性が劣り、酸基の含量が多すぎて(a)成分及び/又は(d)成分中に含まれる酸基との相互作用により所望の流動性が得られなくなり、炭素数が多い場合には、分子量が大きくなるため流動性が低下する場合があり、材料として使用困難になるおそれがある。
(b)成分の脂肪酸として、具体的には、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、リグノセリン酸などが挙げられ、特に、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘニン酸、リグノセリン酸を好適に用いることができる。
また、(b)成分の脂肪酸誘導体は、脂肪酸の酸基に含まれるプロトンを置換したものが挙げられ、このような脂肪酸誘導体としては、金属イオンにより置換した金属せっけんが例示できる。金属せっけんに用いられる金属イオンとしては、例えば、Li+、Ca++、Mg++、Zn++、Mn++、Al+++、Ni++、Fe++、Fe+++、Cu++、Sn++、Pb++、Co++等が挙げられ、特にCa++、Mg++、Zn++が好ましい。
(b)成分の脂肪酸誘導体として、具体的には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛等が挙げられ、特にステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム、リグノセリン酸亜鉛を好適に使用することができる。
なお、上述した(a)成分及び/又は(d)成分、及び(b)成分の使用に際し、公知の金属せっけん変性アイオノマー(USP5312857,USP5306760,WO98/46671公報等)を使用することもできる。
(c)成分は、上記(a)成分及び/又は(d)成分、及び(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物である。従来例でも挙げたように、(a)成分及び/又は(d)成分、及び(b)成分のみ、特に金属変性アイオノマー樹脂のみ(例えば、上記特許公報に記載された金属せっけん変性アイオノマー樹脂のみ)を加熱混合すると、下記に示すように金属せっけんとアイオノマーに含まれる未中和の酸基との交換反応により脂肪酸が発生する。この発生した脂肪酸は熱的安定性が低く、成形時に容易に気化するため、成形不良の原因となるばかりでなく、発生した脂肪酸が成形物の表面に付着した場合、塗膜密着性が著しく低下する原因になる。(c)成分は、このような問題を解決するために配合する。
Figure 0004055016

(i) アイオノマー樹脂中に含まれる未中和の酸基
(ii) 金属せっけん
(iii) 脂肪酸
X 金属原子
本発明で使用する加熱混合物は、上述したように(c)成分として、上記(a)成分及び/又は(d)成分と(b)成分中に含まれる酸基を中和する塩基性無機金属化合物を必須成分として配合する。(c)成分の配合で、上記(a)成分及び/又は(d)成分と(b)成分中の酸基が中和され、これら各成分配合による相乗効果により、加熱混合物の熱安定性が高まると同時に、良好な成形性が付与され、ゴルフボールとしての反発性に寄与する。
本発明の(c)成分は、上記(a)成分及び/又は(d)成分、及び(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物であり、好ましくは一酸化物又は水酸化物であることが推奨され、アイオノマー樹脂との反応性が高く、反応副生成物に有機物を含まないため、熱安定性を損なうことなく、加熱混合物の中和度を上げることができるものである。
ここで、塩基性無機金属化合物に使われる金属イオンとしては、例えば、Li+、Na+、K+、Ca++、Mg++、Zn++、Al+++、Ni+、Fe++、Fe+++、Cu++、Mn++、Sn++、Pb++、Co++等が挙げられ、無機金属化合物としては、これら金属イオンを含む塩基性無機充填剤、具体的には、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、炭酸リチウム等が挙げられるが、上述したように一酸化物又は水酸化物が好適で、好ましくはアイオノマー樹脂との反応性の高い酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、より好ましくは水酸化カルシウムを好適に使用できる。
本発明で使用する加熱混合物は、上述したように(a)成分及び/又は(d)成分、(b)成分及び(c)成分を配合してなり、熱安定性、成形性、反発性の向上が図られるものであるが、本発明で使用する加熱混合物は、いずれも混合物中の酸基の80モル%以上、好ましくは90モル%以上が中和されていることが推奨され、高中和化により上述した(a)成分及び/又は(d)成分と脂肪酸(誘導体)のみを使用した場合に問題となる交換反応をより確実に抑制し、脂肪酸の発生を防ぐことができ、熱的な安定性が著しく増大し、成形性が良好で、従来のアイオノマー樹脂と比較して反発性の著しく増大した材料になり得る。
ここで、本発明の加熱混合物の中和化は、高中和度と流動性をより確実に両立するために、上記加熱混合物の酸基が遷移金属イオンとアルカリ金属及び/又はアルカリ土類金属イオンとで中和されていることが推奨され、遷移金属イオンがアルカリ(土類)金属イオンと比較してイオン凝集力が弱いため、加熱混合物中の酸基の一部を中和し、流動性の著しい改良を図ることができる。
この場合、遷移金属イオンとアルカリ(土類)金属イオンのモル比は適宜調整されるが、通常10:90〜90:10、特に20:80〜80:20であることが好ましい。遷移金属イオンのモル比が少ないと、流動性を改善する効果が十分に得られない可能性があり、モル比が高いと、反発性が低下する可能性がある。
ここで、上記金属イオンとして、具体的には、遷移金属イオンとしては、亜鉛イオン等、アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとしては、ナトリウムイオン、リチウムイオン、マグネシウムイオン及びカルシウムイオンから選ばれる少なくとも1種のイオン等が挙げられる。
なお、酸基が遷移金属イオンとアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとで中和された加熱混合物を得る方法は、特に制限されるものではなく、例えば、遷移金属イオン(亜鉛イオン)により中和する方法の具体的な例として、脂肪酸誘導体に亜鉛せっけんを用いる方法、(d)成分として亜鉛中和物(例えば、亜鉛中和型アイオノマー樹脂)に含める方法、(c)成分の塩基性無機金属化合物に亜鉛酸化物を用いる方法などが挙げられる。
本発明において、上記加熱混合物に対して、更に必要に応じて種々の添加剤を添加することができ、例えば、顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを加えることができる。また、打撃時のフィーリングを改善するために、上記必須成分に加え、種々の非アイオノマー熱可塑性エラストマーを配合することができ、このような非アイオノマー熱可塑性エラストマーとして、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、エステル系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等が挙げられ、特にオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマーの使用が好ましい。
本発明で使用する加熱混合物は、上記(I)の場合、(a)成分100質量部に対し、(b)成分の配合量を5質量部以上、特に8質量部以上、上限として80質量部以下、好ましくは40質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、(c)成分の配合量を0.1質量部以上、特に1質量部以上、上限として10質量部以下、特に5質量部以下にする必要がある。
(II)の場合、(d)成分100質量部に対し、(b)成分の配合量を5質量部以上、特に8質量部以上、上限として80質量部以下、好ましくは40質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、(c)成分の配合量を0.1質量部以上、特に0.5質量部以上、上限として10質量部以下、特に5質量部以下にする必要がある。
(III)の場合(a)成分及び(d)成分100質量部に対し、(b)成分の配合量を5質量部以上、特に8質量部以上、上限として80質量部以下、好ましくは40質量部以下、更に好ましくは20質量部以下、(c)成分の配合量を0.1質量部以上、特に0.7質量部以上、上限として10質量部以下、特に5質量部以下にする必要がある。
上記(I)〜(III)のいずれの配合の場合も、(b)成分の配合量が少ない場合、溶融粘度が低くなり加工性が低下し、多いと耐久性が低下する。また、(c)成分の配合量が少ない場合、熱安定性、反発性の向上が見られず、多い場合、過剰の塩基性無機金属化合物により加熱混合物の耐熱性がかえって低下し、使用に支障が生じる。
本発明のゴルフボールは、上述した(I)〜(III)のいずれかの加熱混合物を使用して中間層又はカバーが形成されるものであるが、どの配合の加熱混合物であっても、メルトインデックス(JIS−K6760(試験温度190℃、試験荷重21N(2.16kgf)にて測定))が1.0dg/min以上、好ましくは1.5dg/min以上、更に好ましくは2.0dg/min以上のものを使用する必要がある。この場合、加熱混合物のメルトインデックスが少ないと加工性が著しく低下してしまう。なお、上限としては20dg/min以下、好ましくは15dg/min以下であることが推奨される。
本発明において、使用する加熱混合物は更に適正化が可能であり、例えば、赤外吸収測定において通常検出される1690〜1710cm-1のカルボニル伸縮振動に帰属する吸収ピークの吸光度に対する、1530〜1630cm-1のカルボキシラートアニオン伸縮振動に帰属する吸収ピークにおける相対吸光度(カルボキシラートアニオン伸縮振動に帰属する吸収ピークの吸光度/カルボニル伸縮振動に帰属する吸収ピークの吸光度)によって特定されたものを用いることが好ましい。ここで、カルボキシラートアニオン伸縮振動はプロトンを解離したカルボキシル基(金属イオンにより中和されたカルボキシル基)を、カルボニル伸縮振動は未解離のカルボキシル基の振動をそれぞれ示すが、それぞれのピークの強度比は中和度に依存する。一般的に用いられる中和度が約50モル%のアイオノマー樹脂の場合、それぞれのピークの吸光度比は約1:1である。
本発明で使用する加熱混合物は、材料としての熱安定性、成形性、反発性を改良するために、カルボキシラートアニオン伸縮振動に帰属するピークの吸光度が、カルボニル伸縮振動に帰属するピークの吸光度の少なくとも1.5倍以上であることが推奨され、好ましくは2倍以上であり、更に好ましくはカルボニル伸縮振動に帰属するピークが存在しないものであることが推奨される。
また、上記加熱混合物は、熱重量測定において、25℃における重量を基準とした250℃における減量率が、通常2質量%以下、好ましくは1.5質量%以下、更に好ましくは1質量%以下であることが推奨される。
なお、加熱混合物自体の比重は、特に制限されるものではないが、通常0.9以上、上限として1.5以下、好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.1以下であることが推奨される。
加熱混合物の調製方法としては、上記(I)〜(III)を公知の方法に従い加熱混練すればよく、例えば、二軸押出機、バンバリー、ニーダー等のインターナルミキサーなどを用い、加熱混合条件として、例えば、150〜250℃に加熱しながら混合する。なお、その他の添加剤を加える場合には、上記各混合成分と同時又は予め(I)〜(III)の配合成分を混合した後に加えて加熱混合する方法等を採用することができる。
本発明のゴルフボールは、上記加熱混合物を使用して中間層及び/又はカバーが形成されるものであり、その形成方法は特に制限されるものではなく、中間層、カバーのいずれも、例えば、射出成形やコンプレッション成形等で形成できる。射出成形法を採用する場合には、射出成形用金型の所定位置に予め作製したソリッドコアを配備した後、上記材料を該金型内に導入する方法が採用できる。また、コンプレッション成形法を採用する場合には、上記材料で一対のハーフカップを作り、このカップでコアを直接又は中間層を介してくるみ、金型内で加圧加熱する方法を採用できる。なお、加圧加熱成形する場合、成形条件としては、120〜170℃、1〜5分間の条件を採用することができる。
本発明の中間層及び/又はカバーは、上記材料にて形成されるものであるが、これらのうち少なくとも一層が上記加熱混合物にて形成される以外は、公知の中間層材、カバー材と組み合わせることが可能である。
従って、例えば、上記中間層は、カバーを上記加熱混合物で形成する場合、公知の材料にて形成することができ、具体的には、上記コア材として挙げたゴム組成物や熱可塑性樹脂等を使用することができる。
他の中間層材として使用できる熱可塑性樹脂としては、例えば、アイオノマー樹脂や熱可塑性エラストマーが好適で、より具体的には、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系、オレフィン系、スチレン系等の各種熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。このようなエラストマーの市販品としては、ハイトレル(東レ・デュポン社製)、ペルプレン(東洋紡社製)、ペバックス(アトケム社製)、パンデックス(大日本インキ化学工業社製)、サントプレーン(モンサント社製)、タフテック(旭化成工業社製)等を挙げることができる。アイオノマー樹脂の市販品としては、例えば、ハイミラン(三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン(デュポン社製)、アイオテック(エクソン社製)等を挙げることができる。
なお、上記熱可塑性樹脂中には、無機充填剤等の各種添加剤を適宜量配合することができ、無機充填剤としては、例えば、硫酸バリウム、二酸化チタンなどが挙げられる。これら無機充填剤は、材料中で分散しやすいように表面処理されたものであってもよい。
本発明の中間層は、他の材料を使用する場合にも公知の方法にて形成することができ、成形方法は、上述した加熱混合物を使用した中間層形成方法と同様の方法を採用し得る。
本発明のカバーは、中間層を上記加熱混合物で形成する場合、公知の材料にて形成することができ、例えば、熱可塑性樹脂等を使用することができる。
他のカバー材料として、アイオノマー樹脂、熱可塑性エラストマーなどを挙げることができ、具体的にはポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等を使用できるが、アイオノマー樹脂、ポリウレタン系熱可塑性エラストマーが好ましい。アイオノマー樹脂等の市販品としては、例えば、ハイミラン(三井・デュポンポリケミカル社製)、サーリン(デュポン社製)、アイオテック(エクソン社製)、T−8190(大日本インキ化学工業社製)などを使用することができる。
上記カバー材に対しては、無機充填剤等の各種添加剤を適宜量配合することができ、無機充填剤としては、上述した中間層に使用できるものを好適に使用できる。
また、上述した材料でカバーを形成するには、上記中間層と同様にして射出成形方法、コンプレッション成形方法等にて形成することができる。
また、本発明の中間層及びカバーは、上記加熱混合物にて形成された層を単独又はこの層と上記例示した他の材料にて形成された層との組み合わせのいずれの場合にも、中間層、カバーそれぞれの厚さが適正化されることが推奨される。
ここで、中間層の厚さは、通常0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.7mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.3mm以下になるように形成することが推奨される。中間層が厚すぎるとボールのフィーリング、飛距離性能を向上させることができない場合があり、薄すぎると飛距離性能、耐久性が悪くなる場合がある。
また、本発明のカバーの厚さは、通常0.3mm以上、好ましくは0.5mm以上、更に好ましくは0.7mm以上、上限として3.0mm以下、好ましくは2.5mm以下、更に好ましくは2.3mm以下にすることが推奨され、カバーが薄いと耐久性が劣化して、割れが発生しやすくなり、厚いと打感が悪くなる場合がある。
本発明においては、上記中間層及びカバーの厚さを合わせた全体厚さが、通常1.0mm以上、好ましくは1.3mm以上、更に好ましくは1.5mm以上であることが推奨される。中間層とカバーを合わせた厚さが少ないと、飛距離性能や耐久性が悪くなる場合がある。なお、上記中間層とカバーとを合わせた厚さの上限としては5.5mm以下、好ましくは5.0mm以下、更に好ましくは4.5mm以下であることが推奨される。
本発明において、中間層及びカバーは、上記加熱混合物にて形成された層を単独又はこの層と上記例示した他の材料にて形成された層との組み合わせのいずれの場合にも、ショアD硬度が規定されることを要する。
即ち、本発明の中間層は、ショアD硬度が40以上、好ましくは45以上、更に好ましくは47以上、上限として63以下、好ましくは60以下、更に好ましくは58以下であることが必要である。ショアD硬度が軟らかいと、反発性が低下し、飛距離が低下することがある。
また、本発明のカバーは、ショアD硬度が45以上、好ましくは48以上、更に好ましくは50以上、上限として68以下、好ましくは65以下、更に好ましくは60以下であることが必要で、ショアD硬度が低いと反発性が低下し、飛距離が低下し、高すぎるとフィーリングが硬く感じられる。このように、カバーは、ショアD硬度が従来のものより低いものであってもよく、反発性を損なわず、コントロール性をより高めることができる。
本発明において、上記中間層のショアD硬度とカバーのショアD硬度は、上述したソリッドコア中心のショアD硬度と併せて適正化され、ボール全体の硬度分布として規定されるものである。
即ち、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度を比較した場合、ソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度、好ましくはソリッドコア中心の硬度≦ソリッドコア表面の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度、更に好ましくはソリッドコア中心からカバーの外側表面に行くに従い、漸次ショアD硬度が高くなる硬度分布にする必要がある。このようなショアD硬度の分布が適正化されないと、打感や反発性が劣ることがある。特に、各層の硬度差がそれぞれショアD硬度3以上であることが好ましい。
本発明のボール表面には、常法に従って、多数のディンプルが形成されるが、ディンプルの形状、総数等は特に制限されるものではない。例えば、同一ボール中に配列されるディンプルは1種類、あるいは直径及び/又は深さが異なる少なくとも2種類以上、好ましくは2〜6種類以上とすることができる。また、ディンプルの直径は、種類の有無に拘らず、通常2.0〜5.0mm、特に2.2〜4.5mmの範囲にあることが推奨され、深さは通常0.1〜0.3mm、特に0.11〜0.25mmの範囲になるように形状を調整することができる。更に、これらディンプルの総数は通常350〜500個、特に370〜470個にすることができる。なお、ディンプル形状は、通常円形であるが、その他、楕円、長円、多角形状の非円形状等にすることもできる。また、ボール表面には、下地処理、スタンプ、塗装等の種々の処理を行うことができる。これら作業は、特に上記加熱混合物で形成されたカバーに行う場合、作業性を良好にして行うことができる。
本発明のゴルフボールは、競技用としてゴルフ規則に従うものとすることができ、直径42.67mm以上、重量45.93g以下に形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
〔実施例1,2、比較例1〜3〕
表1に記載のゴム材料を使用して、表3に記載の直径、重量、硬度を有するソリッドコアを製造した。
次いで、表2に示す樹脂材料をそれぞれ使用し、表3に示す態様で、上記コアに中間層、カバーの順に常法に従い形成した。
ここで、表2に示す樹脂材料として挙げた配合F,Gは、(b)成分が無配合で(a)成分を(c)成分で高中和化したため、混練時に樹脂が固形化してしまい使用できなかった。なお、配合H,I,Jは、それぞれゴルフボールの中間層材、カバー材として公知のアイオノマー樹脂である。
各ゴルフボールについて、諸特性を下記の通り評価した。結果を表2,3に併記する。
押出成形性:
材料混合時に一般的に用いられるタイプの同方向回転噛合形二軸押出機(スクリュ径32mm、主電動機出力7.5kW)により200℃で各カバー材を混練したときの成形性について下記基準で評価した。
○:成形可能
×:過負荷により成形不可能
中和度:
加熱混合物中に含まれる全酸基(脂肪酸(誘導体)中の酸基も含む)のうち、金属イオンにより中和されている酸基のモル分率を原料の酸含量、中和度、分子量から計算した。
遷移金属イオン配合比:
加熱混合物中に含まれる酸基を中和する金属イオンのうち、遷移金属イオンのモル分率を原料の酸含量、中和度、分子量から計算した。
メルトフローレート:
JIS−K6760(試験温度190℃、試験荷重21N(2.16kgf))に従い測定した材料のメルトフローレート。
減量率:
水分の影響を除くため、測定にはドライホッパーにて50℃で24時間乾燥させたサンプルを用い、各サンプル約5mgについて、窒素雰囲気中(流量100ml/min)で昇温速度10℃/minにて25℃から300℃まで熱重量測定を行い、25℃の重量に対する250℃の重量の減量率を求めた。
カルボキシラートアニオン吸収ピーク相対吸光度:
試料の赤外吸収測定には透過法を用いた。2900cm-1付近に観測される炭化水素鎖に伴うピークの透過率が約90%になるように試料厚を調整したサンプルの赤外吸収測定において、カルボニル伸縮振動吸収ピーク(1690〜1710cm-1)の吸光度を1とし、これに対するカルボキシラートアニオン伸縮振動吸収ピーク(1530〜1630cm-1)の割合を相対吸光度として算出した。
ボール硬度:
100kg荷重負荷時のボール変形量(mm)
初速度、キャリー、トータル:
ドライバー(ブリヂストンスポーツ社製 PRO230Titan)を取り付けたミヤマエ社製の打撃マシンを使用し、ヘッドスピード45m/s、35m/sでそれぞれ打撃し、高速カメラを用いてインパクト直後のボール初速を計測した。キャリー及びトータルは、上記条件にて打撃した際の飛距離を示す。
なお、表中に記載した商品名、材料は以下の通りである。
ニュクレルAN4318:
三井・デュポンポリケミカル社製エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、酸含量8質量%、エステル含量17質量%
ニュクレル1560:
三井・デュポンポリケミカル社製エチレン−メタクリル酸共重合体、酸含量15質量%
ハイミランAM7316:
三井・デュポンポリケミカル社製三元亜鉛アイオノマー、酸含量10質量%、中和度50モル%、エステル含量24質量%
サーリン6320:
デュポン社製三元マグネシウムアイオノマー、酸含量10質量%、中和度50モル%、エステル含量24質量%
ハイミランAM7311:
三井・デュポンポリケミカル社製マグネシウムアイオノマー、酸含量15質量%、中和度54モル%
ベヘニン酸:
日本油脂社製、商品名:NAA−222S
ステアリン酸マグネシウム:
日本油脂社製、商品名:マグネシウムステアレート
酸化マグネシウム:
協和化学工業社製高活性タイプ酸化マグネシウム、商品名:ミクロマグ3−150
水酸化カルシウム:
関東化学社製,第1級試薬
Figure 0004055016
Figure 0004055016
Figure 0004055016
表3の結果より、まず、実施例1と比較例1とを比較した場合、これらゴルフボールは、ソリッドコアの直径及び硬度(100kg荷重負荷時の変形量)、中間層とカバーの厚さ及びショアD硬度が同一であるが、実施例1のマルチピースゴルフボールは、ヘッドスピード45m/s、35m/sのいずれの反発性も高い上、キャリー、トータル飛距離性能に優れていたのに対し、比較例1のマルチピースゴルフボールは、反発性が低く、飛距離が劣るものであった。同様にソリッドコアの直径及び硬度(100kg荷重負荷時の変形量)、中間層とカバーの厚さ及びショアD硬度が同一の参考例3と比較例2、参考例4と比較例3をそれぞれ対比した場合、参考例3,4のゴルフボールは、いずれも反発性が高く、飛距離の増大化を図ることができたのに対し、比較例2,3のゴルフボールは反発性、飛距離がいずれも劣るものであった。また、実施例2のゴルフボールは、比較例2のゴルフボールとソリッドコアの直径、中間層とカバーの厚さ及び硬度が同一であるが、比較例2に対して反発性が高く、飛距離性能に優れたものであった。
なお、比較例1は、中間層材として、配合Eの(c)成分が無配合の樹脂材料を使用したため、材料の熱安定性に劣り、ボールの反発性が低いことが認められた。
本発明のゴルフボールの一実施例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 ソリッドコア
2 中間層
3 カバー

Claims (13)

  1. ソリッドコアと、該ソリッドコアに被覆形成される中間層と、該中間層に被覆形成されるカバーとを具備してなるマルチピースゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーが
    (a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体100質量部、
    (b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
    (c)上記(a)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
    を含有してなるメルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されると共に、
    前記塩基性無機金属化合物が酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、及び炭酸リチウムよりなる群から選択され、かつ前記(a)、(b)成分が(c)成分により中和され、上記加熱混合物中の酸基の80モル%以上が金属イオンで中和されてなり、
    上記中間層のショアD硬度が40〜63であり、上記カバーのショアD硬度が45〜68であると共に、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度がソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすことを特徴とするマルチピースゴルフボール。
  2. ソリッドコアと、該ソリッドコアに被覆形成される中間層と、該中間層に被覆形成されるカバーとを具備してなるマルチピースゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーが
    (d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物100質量部、
    (b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
    (c)上記(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
    を含有してなるメルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されると共に、
    前記塩基性無機金属化合物が酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、及び炭酸リチウムよりなる群から選択され、かつ前記(d)、(b)成分が(c)成分により中和され、上記加熱混合物中の酸基の80モル%以上が金属イオンで中和されてなり、
    上記中間層のショアD硬度が40〜63であり、上記カバーのショアD硬度が45〜68であると共に、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度がソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすことを特徴とするマルチピースゴルフボール。
  3. ソリッドコアと、該ソリッドコアに被覆形成される中間層と、該中間層に被覆形成されるカバーとを具備してなるマルチピースゴルフボールにおいて、上記中間層及び/又はカバーが
    (a)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体と、(d)オレフィン−不飽和カルボン酸ランダム共重合体の金属イオン中和物及び/又はオレフィン−不飽和カルボン酸−不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体の金属イオン中和物との混合物100質量部、
    (b)分子量が280以上の脂肪酸又はその誘導体5〜80質量部、
    (c)上記(a)、(d)、(b)成分中の酸基を中和することができる塩基性無機金属化合物0.1〜10質量部
    を含有してなるメルトインデックスが1.0dg/min以上である加熱混合物にて形成されると共に、
    前記塩基性無機金属化合物が酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、水酸化リチウム、及び炭酸リチウムよりなる群から選択され、かつ前記(a)、(d)、(b)成分が(c)成分により中和され、上記加熱混合物中の酸基の80モル%以上が金属イオンで中和されてなり、
    上記中間層のショアD硬度が40〜63であり、上記カバーのショアD硬度が45〜68であると共に、上記ソリッドコアの中心、中間層及びカバーの各ショアD硬度がソリッドコア中心の硬度≦中間層の硬度≦カバーの硬度の関係を満たすことを特徴とするマルチピースゴルフボール。
  4. ソリッドコアがポリブタジエンを主成分とするゴム組成物にて形成されると共に、直径が33〜41mm、100kg荷重負荷時の変形量が2.5〜7.0mmである請求項1乃至3のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
  5. 中間層が厚さ0.3〜3.0mmであり、カバーが厚さ0.3〜3.0mmであると共に、これら中間層とカバーとを合わせた厚さが1.0mm以上である請求項1乃至4のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
  6. (b)成分の脂肪酸又はその誘導体の1分子中に含まれる炭素原子数が18以上80以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマルチピースゴルフボール。
  7. 加熱混合物の赤外線吸収測定における1690〜1710cm-1に検出されるカルボニル伸縮振動に帰属する吸収ピークの吸光度に対する1530〜1630cm-1に検出されるカルボキシラートアニオン伸縮振動に帰属する吸収ピークの相対吸光度が1.5以上である請求項1乃至6のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
  8. 加熱混合物の熱重量測定において、25℃における重量を基準とする250℃における減量率が2質量%以下である請求項1乃至7のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
  9. 加熱混合物中の酸基を中和した金属イオンが亜鉛イオンと、ナトリウムイオン、リチウムイオン、カルシウムイオン及びマグネシウムイオンから選ばれる少なくとも1種のアルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとを含む請求項8記載のマルチピースゴルフボール。
  10. 前記亜鉛イオンと、前記アルカリ金属イオン又はアルカリ土類金属イオンとのモル比が10:90〜90:10である請求項9記載のマルチピースゴルフボール。
  11. 各材料を混合する際の加熱温度が150〜250℃である請求項1乃至10のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
  12. b)成分の脂肪酸が、ステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸及びリグノセリン酸の群から選ばれる化合物である請求項1乃至11のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
  13. (b)成分の脂肪酸誘導体が、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、12−ヒドロキシステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸亜鉛、アラキジン酸マグネシウム、アラキジン酸カルシウム、アラキジン酸亜鉛、ベヘニン酸マグネシウム、ベヘニン酸カルシウム、ベヘニン酸亜鉛、リグノセリン酸マグネシウム、リグノセリン酸カルシウム及びリグノセリン酸亜鉛の群から選ばれる金属せっけんである請求項1乃至11のいずれか1項記載のマルチピースゴルフボール。
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