JP4796177B2 - 定着装置及びこの定着装置を用いた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は定着装置に関するものであり、特にセラミックヒータを備えた定着装置、及びこの定着装置を備えた画像形成装置に用に関するものである。
複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、熱ローラ定着方式の定着装置が多用されている。熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対(定着ローラ及び加圧ローラ)と、このローラ対の両方あるいはいずれか一方の内部に配置されたハロゲンヒータ等からなる加熱手段とを備えている。そして、この加熱手段によりローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録紙をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行う。
ところで、カラー画像形成装置に備えられる定着装置では、定着ローラ表層にシリコンゴム等からなる弾性層を設けた弾性ローラを用いることが一般的である。定着ローラを弾性ローラとすることで、定着ローラ表面が、未定着トナー画像の凹凸に対応して弾性変形し、トナー画像面を覆い包むように接触する。そのため、モノクロに比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー画像に対して、良好に加熱定着を行うことが可能となる。また、定着ニップ部での弾性層の歪み解放効果により、モノクロに比べてオフセットしやすいカラートナーに対して離型性を向上することができる。さらに、定着ニップ部のニップ形状が上(定着ローラ側)に凸(所謂、逆ニップ形状)となることから、用紙の剥離性能を向上させることができ、剥離爪等の剥離手段を用いずとも用紙の剥離が可能となり(セルフストリッピング)、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
ここで、このようなカラー画像形成装置に備えられる定着装置において、高速化に対応するには、定着ニップ部のニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くする方法として、定着ローラの弾性層を厚くする方法や定着ローラ径を大きくする方法等がある。
しかしながら、弾性層の熱伝導性は低いため、弾性層を厚くした定着ローラでは、従来のように定着ローラ内部に加熱手段を設けると、プロセス速度を高速化した場合に、熱供給が不十分となり、定着ローラの温度が追従しなくなるといった問題がある。他方、定着ローラ径を大きくすると、定着ニップ部を形成する各ローラの曲率が小さくなり定着ニップ部を広くすることができる。しかし、各ローラの熱容量が大きくなり、ウォームアップ時間が長くなったり、消費電力が増大したりするといった問題がある。
このような問題を解決するために、近年、カラー画像形成装置に備えられる定着装置として、例えば特許文献1には、外部加熱ベルトを用いて定着ローラを外部から加熱する外部ベルト加熱定着方式の定着装置が開示されている。この外部ベルト加熱定着方式の定着装置では、定着ローラを外部から効率的に加熱でき、ウォームアップ時間を短くすることができる。また、例えば特許文献2には、加熱手段である加熱ローラを定着ローラの外部に配置し、定着ローラと加熱ローラとの間に定着ベルトを架け渡し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラを圧接させた構成のベルト定着方式の定着装置(ベルト定着装置)が開示されている。このベルト定着装置では、熱容量が小さい定着ベルトを加熱するためウォームアップ時間を短くすることができる。また、いずれの定着方式においても、定着ローラにハロゲンランプ等の熱源を内蔵する必要がないため、スポンジゴム等からなる低硬度の弾性層を厚く設けることができ、広いニップ幅を確保することができる。
また、ベルト定着装置において、加熱手段に湾曲した面状ヒータを用いた面状発熱ベルト定着方式の定着装置(面状発熱ベルト定着装置)が、特許文献3や特許文献4等に開示されている。この面状発熱ベルト定着装置では、従来の加熱ローラに比べて、加熱手段の熱容量も小さくなると同時に、加熱手段としての面状ヒータが直接発熱する。このことから、ハロゲンランプを用いて間接的に加熱ローラを加熱する従来のベルト定着方式に比べて熱応答性も向上し、ウォームアップ時間の更なる短縮や更なる省エネ化が達成できる。
特開2007−212896号公報(平成19年8月23日公開) 特開平10−307496号公報(平成10年11月17日公開) 特開2003−287969号公報(平成15年10月10日公開) 特開2006−293051号公報(平成18年10月26日公開)
しかしながら、従来のベルト定着装置や面状発熱ベルト定着装置においては、次のような課題がある。すなわち、ベルト定着装置では加熱ローラ内に熱源であるハロゲンヒータを複数本挿入する必要があるため、加熱ローラの小径化に制約があり、その結果、ウォームアップ時間の短縮に限界がある。
また、面状発熱ベルト定着装置では、面状ヒータを湾曲させて形成する必要があるため、ヒータとしてはフレキシブルなポリイミドヒータ(ポリイミドシート上にSUSやニクロムからなる発熱体をエッチングで作成したヒータ)が主に提案されている。しかし、温度の制御上のトラブル等でヒータが暴走した場合にポリイミドが溶けて発煙、発火、漏電等が発生する危険性があり、安全面で問題がある。そのため、面状発熱ベルト定着装置はこれまで実用化された実績は無い。また、面状発熱ベルト定着装置では、ベルト定着装置をベースに加熱ローラを半円筒状にした形の面状ヒータが主に提案されている。そのため、面状ヒータの熱容量としてはベルト定着装置の加熱ローラに比べて大幅に削減できているわけではなく、ウォームアップ時間の短縮効果としては限られたものとなる。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全性に優れ、ウォームアップ時間の短縮が可能な定着装置及びこの定着装置を用いた画像形成装置を提供することである。
本発明の定着装置は、上記課題を解決するために、定着部材と、加熱部材と、これら定着部材と加熱部材とに張架されて回転し、前記加熱部材にて加熱される無端状の定着ベルトと、当該定着ベルトを介して前記定着部材に圧接され、この圧接部において前記定着ベルトとともに定着ニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記定着ニップ部を通過する記録材上の未定着画像を前記記録材に定着させる定着装置において、前記加熱部材は、前記定着ベルトの内周面との接触面が湾曲した凸面であり、この凸面の反対側の面が平坦面となっている蒲鉾形を有する保持部材と、前記保持部材の平坦面に設けられたセラミックヒータと、を備えることを特徴としている。
上記構成によると、定着ベルトの加熱手段に、セラミックヒータを用いるため、定着温度の制御上のトラブル等があった場合でも、ポリイミドヒータのように発煙、発火、漏電等が発生する危険性は極めて少なく、安全性に優れている。また、定着ベルトの内周面との接触面が湾曲した凸面であり、この凸面の反対側の面が平坦面となっている蒲鉾形を有する保持部材を介して、保持部材の平坦面に設けられたセラミックヒータの熱が、定着ベルトに伝達される。よって、加熱ローラを用いた従来の定着装置よりも熱伝達に優れ、ウォームアップ時間の短縮させることができる。また、セラミックヒータが直接定着ベルトと摺動しないため、セラミックヒータのライフを長くすることができる。
本発明の定着装置は、上記構成に加え、定着速度をV(mm/s)、前記加熱部材と前記定着ベルトとの接触幅をW(mm)、前記定着ベルトの熱伝導率をλ(W/mK)としたとき、下記の関係式を満たしてもよい。
0.0267×(W/V)−1.0382≦λ≦0.0512×(W/V)−1.0845
上記構成によると、定着ベルトの熱伝導率λと、定着速度と、加熱部材と前記定着ベルトとの接触幅Wとの関係を上記の範囲内にすることで、加熱部材の加熱ニップ幅が必要最低限の長さに規定できる。つまり、必要最低限の加熱ニップ幅を有する大きさの加熱部材を形成することで、無駄が発生せず、加熱部材の熱容量が不必要に大きくなることを防止できる。よって、よりウォームアップ時間を短縮しつつ、加熱部材の温度が異常に高くなるのを抑制することができる。
本発明の定着装置では、上記構成に加え、前記保持部材は、前記定着部材よりも大きな曲率半径を有していてもよい。
平板状のセラミックヒータを定着ベルトに密着して当接するのは困難である。そのため、上記構成により、保持部材に定着部材よりも大きな曲率半径を持たせ、その凸面を定着ベルトに当接させることで、定着ベルトに対して加熱部材を密着させることができ、定着ベルトへの熱の伝達効率を上げることができる。
本発明の定着装置では、上記構成に加え、前記保持部材は、熱伝導率の高い材料で構成されていてもよい。
上記構成によると、保持部材が熱伝導の高い性材料で構成されていれば、セラミックヒータで発生した熱を定着ベルトに効率よく伝達することが可能となる。ここで熱伝導の高い性材料とは、金属であってもよい。
本発明の定着装置は、上記構成に加え、前記加熱部材が前記定着ベルトのテンションにより撓むのを抑制するための補強部材を有していてもよい。
加熱部材の熱容量が小さいと機械的強度が低くなり、定着ベルトのテンションによって撓み、加熱部材が定着ベルトにきちんと密着しなくなる恐れがある。そこで上記構成により、撓みを防止するための補強部材を設けることで、加熱部材が撓むのを防止することができる。よって、長期間の使用に耐えうる定着装置を提供することができる。
本発明の定着装置は、上記構成に加え、前記加熱部材と前記補強部材との間に断熱部材を備えていてもよい。
上記構成によると、断熱部材が加熱部材と補強部材との間に備えられているため、加熱部材の熱が補強部材に逃げることによる熱効率の低下を抑制することができる。
本発明の定着装置では、上記構成に加え、前記断熱部材は、シリコンゴムまたはフッ素ゴムから成ってもよい。
上記構成によると、断熱部材がシリコンゴムやフッ素ゴムであるため、耐熱性及び断熱性に優れる。このように、シリコンゴムやフッ素ゴムは断熱部材として好適である。
本発明の定着装置は、上記構成に加え、前記保持部材は前記定着ベルトと接する前記凸面にコート層を備えていてもよい。このように、コート層を備えることで、定着ベルトの摺動性を向上させることができる。
本発明の画像形成装置は、上記課題を解決するために、本発明のいずれかの定着装置を備えたことを特徴としている。この構成により、安全性に優れ、ウォームアップ時間の短縮させた定着装置を有する画像形成装置を提供することができる。
本発明の定着装置では、以上のように、前記加熱部材は、前記定着ベルトの内周面との接触面が湾曲した凸面であり、この凸面の反対側の面が平坦面となっている蒲鉾形を有する保持部材と、前記保持部材の平坦面に設けられたセラミックヒータと、を備える。
上記構成によると、定着ベルトの加熱手段に、セラミックヒータを用いるため、定着温度の制御上のトラブル等があった場合でも、ポリイミドヒータのように発煙、発火、漏電等が発生する危険性は極めて少なく、安全性に優れている。また、定着ベルトの内周面との接触面が湾曲した凸面であり、この凸面の反対側の面が平坦面となっている蒲鉾形を有する保持部材を介して、保持部材の平坦面に設けられたセラミックヒータの熱が、定着ベルトに伝達される。よって、加熱ローラを用いた従来の定着装置よりも熱伝達に優れ、ウォームアップ時間の短縮させることができる。また、セラミックヒータが直接定着ベルトと摺動しないため、セラミックヒータのライフを長くすることができる。
本発明の一実施形態の定着装置の加熱部材が形成されている部位の断面構成を示す拡大図である。 本発明の一実施形態の画像形成装置の概略構成図である。 上記定着装置の構成を示す断面図である。 上記定着装置が有するのヒータの断面図である。 (a)〜(d)は、上記ヒータの構成を示す表面図である。 定着ベルトの熱伝導率λを変えたときの、加熱部材の温度と加熱時間との関係を示すグラフである。 熱伝導率λと加熱時間との関係を示すグラフである。 加熱部材の制御温度を190℃としたときの加熱ニップ部における定着ベルトの温度変化を示すグラフである。 熱伝導率λと有効加熱時間teとの関係を示すグラフである。
本発明の実施の一形態について図面に基づいて説明する。以下、本発明に係る定着装置及びそれを備えた画像形成装置についての一実施形態を、具体的に説明する。
(画像形成装置)
まず、本実施形態の画像形成装置の構成について説明する。図2は、本実施形態のヒータを備えた定着装置を備えた画像形成装置100の概略構成を示す断面図である。画像形成装置100は、いわゆるタンデム式で、かつ、中間転写方式のプリンタであり、フルカラー画像を形成できるカラー複合機である。本実施形態では、本発明に係る画像形成装置をカラー複合機/複写機及びカラープリンタに適用することを主体として説明するが、本発明に係る画像形成装置は、モノクロ複合機/複写機及びモノクロプリンタに対しても適用することが可能である。
画像形成装置100は、図2に示すように、光学系ユニットE、4組の可視画像形成ユニットpa、pb、pc、pd、中間転写ベルト11、二次転写ユニット14、定着装置(定着ユニット)15、内部給紙ユニット16及び手差し給紙ユニット17を備えている。
可視画像形成ユニットpaでは、像担持体となる感光体101aの周囲に、帯電装置103a、現像ユニット102a、クリーニングユニット104aが配置している。そして、一次転写ユニット13aが中間転写ベルト11を介して配置している。他の3組の可視画像形成ユニットpb、pc、pdも可視画像形成ユニットpaと同様の構成であり、同じ構成部材には、同じ数字の部材番号と、各可視画像形成ユニットに対応した英字(b,c,d)とを付すものとする。可視画像形成ユニットpa,pb,pc,pdには、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の各色トナーが収容されている。
光学系ユニットEは光源4からのビームが4つの感光体101a、101b、101c、101dに届くように配置されている。光学系ユニットEには、それぞれ画像データにおける黄色成分、マゼンタ成分、シアン成分及び黒色成分に対応する画素信号が入力されるようになっている。そして、この入力された画像信号に基づいて、光源4から各ビームが出射され、ミラー8にて折り返されて、帯電された感光体101a、101b、101c、101dを露光し、静電潜像を生成する。
中間転写ベルト11はテンションローラ11a、11bによりたわむことなく配置される。また、中間転写ベルト11のテンションローラ11b側に、中間転写ベルト上の残トナーを回収する廃トナーBOX12、テンションローラ11a側に二次転写ユニット14が、それぞれ中間転写ベルト11に当接して配置されている。
定着装置15は、記録紙Pの表面に形成された未定着のトナー画像を、熱及び圧力によって記録紙P上に定着させる装置である。定着装置15は、定着ローラ30と加圧ローラ31とを備え、これらは図示しない加圧手段により所定の圧力で圧接され、二次転写ユニット14の下流に配置されている。本実施形態では、面状発熱ベルト定着方式の定着装置15を備えており、詳細については後述する。
画像形成装置100における画像形成の工程は以下のようになる。感光体101a表面を帯電装置103aで一様に帯電した後、光学系ユニットEにより感光体101a表面を画像情報に応じてレーザー露光し、静電潜像を形成する。本実施携帯の帯電装置103aとしては、感光体101a表面を一様に、またオゾンを極力発生させることなく帯電するために、帯電ローラ方式を採用している。その後、現像ユニット102aにより感光体101a上の静電潜像に対しトナー画像を現像し、この顕像化されたトナー画像をトナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された一次転写ユニット13aにより中間転写ベルト11上に転写する。
他の3組の可視画像形成ユニットpb、pc、pdも同様に動作し、順次中間転写ベルト11上にトナー画像を転写する。中間転写ベルト11上のトナー画像は二次転写ユニット14の直前で転写前帯電装置21によって帯電された後、中間転写ベルト11上のトナー画像は二次転写ユニット14まで搬送される。そして、別途、内部給紙ユニット16の給紙ローラ16a、または手差し給紙ユニット17の給紙ローラ17aから給紙された記録紙は搬送ローラr、19によって搬送され、二次転写ユニット14にてトナーとは逆極性のバイアス電圧が印加されて、トナー画像が転写される。記録紙P上のトナー画像は定着装置15に搬送され、定着装置15を通過するときに十分に加熱・加圧されて記録紙上に融着する。そして、定着装置15によってトナー画像の定着処理が行われた後の記録紙は、搬送ローラ18aにて画像形成装置100の外部に排出される。これにより、画像形成処理が終了する。
(定着装置)
次に、本実施形態の定着装置15の構成について図1及び3を用いて説明する。図1は定着装置15の備える加熱手段の構成を示す断面図、図3は定着装置15の構成を示す断面図である。
図3に示すように、定着装置15は、定着ローラ(定着部材)30と、加圧ローラ(加圧部材)31と、無端状の定着ベルト32と、定着ベルトを懸架し加熱するための加熱部材33を有する加熱手段と、加圧ローラ31を加熱するための熱源であるヒータランプ34と、定着ベルト32及び加圧ローラ31の各々の温度を検出する温度検出手段を構成する温度センサとして、サーミスタ35A,B,Cとを備えている。
定着装置15は、記録紙Pの表面に形成された未定着のトナー画像(トナーT)を、熱及び圧力によって記録紙P上に定着させるものである。本実施形態の定着装置15は、定着ベルト32が直接記録紙P上のトナー像を加熱し、加熱部材33が定着ニップ部Nには配置されていない定着方式である、面状発熱ベルト定着方式の定着装置である。未定着のトナー画像は、例えば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、磁性現像剤(磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナー及びキャリア)に含まれるトナー等のトナーTによって形成される。
定着ローラ30及び加圧ローラ31は、所定の荷重(例えば、本実施形態では392N)で互いに圧接されて、両ローラ間に、定着ローラ30と加圧ローラ31とが互いに当接する部分である定着ニップ部Nを形成している。なお、本実施形態では、ニップ幅(定着ニップ部Nの記録紙搬送方向の幅)を7.5mmとしているが、この数値に限定されない。この定着ニップ部Nに未定着トナー画像を形成した記録紙Pを搬送し、定着ニップ部Nを通過させることで、トナー画像が加熱溶融されて記録紙Pにトナー画像が定着される。記録紙Pが定着ニップ部Nを通過するときには、定着ベルト32は記録紙Pのトナー画像形成面に当接する一方、加圧ローラ31は記録紙Pにおけるトナー画像形成面とは反対側の面に当接する。
定着ローラ30は、定着ベルト32を介して、加圧ローラ31に圧接することで定着ニップ部Nを形成すると同時に、定着ベルト32の外周面との摩擦抵抗によって回転駆動することにより定着ベルト32を搬送する。定着ローラ30としては、例えば、内側から順に芯金30a、弾性層30bが形成された2層構造のものを用いることができる。芯金30aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属或いはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層30bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有し、弾性変形可能なゴム材料が適している。なお、本実施形態では、定着ローラ30の直径は30mmであり、芯金30aに直径15mmの中空あるいは中実のステンレス鋼、弾性層30bに厚さ7.5mmのシリコンスポンジゴムを用いる。ただしこれらの数値に限定されない。
加圧ローラ31には、例えば、内側から順に芯金31a、弾性層31b、離型層31cが形成された3層構造のものを用いることができる。芯金31aには、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属或いはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層31bにはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有し、弾性変形可能なゴム材料が用いられる。また、離型層31cには、PFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。なお、本実施形態では、加圧ローラ31の直径は30mmであり、芯金31aに直径28mmで肉厚1mmの鉄合金(STKM)、弾性層31bに厚さ1mmのシリコンソリッドゴム、離型層31cに厚さ30μmのPFAチューブを用いている。
また、加圧ローラ31の内部には、加圧ローラ31を内部から加熱するヒータランプ34が配置されている。制御手段(図示せず)が電源回路(図示せず)からヒータランプ34に電力を供給(通電)させることにより、ヒータランプ34が発光し、ヒータランプ34から赤外線が放射される。これにより、加圧ローラ31の内周面が赤外線を吸収して加熱され、加圧ローラ31全体が加熱される。なお、本実施形態では、定格電力400Wのヒータランプ34を使用している。また、加圧ローラ31の内面は、前記ヒータランプ34が放射する赤外線を吸収しやすくする為に、赤外線の波長域に良好な吸収特性を有する耐熱黒色塗装を施してもよい。
定着ベルト32は、加熱部材33が発生する熱によって所定の温度に加熱され、定着ニップ部Nを通過する未定着トナー画像が形成された記録紙Pを加熱するためのものである。本実施形態では、定着ベルト32は、直径45mmであり、加熱部材33と定着ローラ30とによって懸架され、定着ローラ30に所定の角度θ1で巻きかかっている。この角度θ1は、定着ベルト32が定着ローラ30と接触している部分の角度であり、定着ベルト32が定着ローラ30の表面から離れる両ポイントそれぞれに、定着ローラ30の回転中心より延ばした2本の線分の成す角度である。本実施形態では、θ1=185°である。
定着ベルト32は、定着ローラ30の回転時には、定着ローラ30に従動して回転するようになっている。定着ベルト32としては、例えば、特に図示してはいないが、ポリイミド、ポリアミド、及びアラミド樹脂等の耐熱樹脂或いはステンレスやニッケル等の圧延や電鋳によって製作された金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、弾性層として耐熱性及び弾性に優れたエラストマー材料(例えばシリコンゴム)が形成される。さらにその表面に離型層として耐熱性及び離型性に優れた樹脂材料(例えばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成される。このような3層構成のものを用いることができる。弾性層及び離型層は、定着ベルト32の外周側に形成される。なお、基材にポリイミド等の耐熱樹脂を用いる場合、フッ素樹脂を内添してもよい。内添することで、加熱部材33との摩擦抵抗をさらに低減することができ、加熱部材33との摺動負荷を更に低減することができる。なお、本実施例の定着ベルト32は、基材に厚さ70μmのポリイミド、弾性層に厚さ150μmのシリコンゴム、離型層に厚さ20μmのPFAチューブを用いている。離型層は、PFAチューブだけでなく、PFAやPTFEなどをコーティングしてもよい。
加熱部材33は、定着ベルト32と接して、定着ベルト32を所定の温度に加熱するものである。図1に示すように、加熱部材33には、加熱部材33に所定の電力を供給する電源53が接続されている。加熱部材33及び電源53から加熱手段が構成される。
加熱部材33は、保持部材40、セラミックヒータ41、断熱シート50、及び押え部材51から成る。保持部材40は円弧状の断面形状からなり、保持部材40の定着ベルト32と接する面とは反対面にセラミックヒータ41が形成されている。このセラミックヒータ41の構成についての詳細は後述する。
保持部材40は、定着ベルト32の内周面との接触面が湾曲した凸面であり、この凸面の反対側の面が平坦面となっている蒲鉾形を有している。保持部材40は、その長手方向が定着ベルト32の幅方向に対応して配置される。本実施形態では、保持部材40はセラミックヒータ41で発生した熱を定着ベルト32に効率よく伝達させるために、熱伝導率に優れるアルミ合金が用いられている。また、定着ベルト32との接触幅(加熱ニップ部Mの幅、加熱ニップ幅)は17.5mmに設定されている。また、保持部材40の定着ベルト32と摺動する面には、定着ベルトの摺動性を向上させるためにコート層40aが形成されている。本実施形態ではコート層40aは、厚さ20μmのPTFEコートである。
セラミックヒータ41は、保持部材40の凸面の反対側の面、つまり、定着ベルト32と接する面とは反対面に設けられている。本実施形態では、セラミックヒータ41は、断熱シート50を介して、押え部材51によって加圧されることで、保持部材40に対して固定されている。
押え部材51は、加熱部材33が定着ベルト32のテンションにより撓むのを抑制するためのものである。本実施形態では、押え部材は厚さ1mmのステンレス材からなり、撓みに対する強度を確保するため、図4に示すように断面がコの字形状をしている。
断熱シート50は、セラミックヒータ41で発生した熱が押え部材51に極力逃げないようにするためのものである。断熱シート50は、本実施形態では、厚さ1mmのフッ素ゴムから成る。
(ヒータの構造)
次に、定着装置15が有するセラミックヒータ41の構成について図4及び5を用いて説明する。図4はセラミックヒータ41の構成を示す断面図、図5(a)〜(d)は、それぞれ、セラミックヒータ41を構成する保護基板41a、メインヒータ基板41b、サブヒータ基板41c、及びベース基板41dの正面図である。
セラミックヒータ41は、本実施形態では、セラミック材料から成る基礎基板(絶縁基板)42a〜42dに抵抗体が形成された長尺板状のセラミックヒータであり、セラミックヒータ41のサイズ(幅W、長さL、厚さH)は、W=12.3mm、L=360mm、H=0.8mmとなっている。
図4及び5に示すように、セラミックヒータ41は、保護基板41a、メインヒータ基板41b、サブヒータ基板41c、ベース基板41dの4つがこの順番で積層されて貼り合わせた平板状に形成される。これら各基板のベースとなる基礎基板42a〜42dを構成するセラミック材料としては、純度の高いアルミナ、結晶化ガラス、フォルステライト及びステアタイト、ガラスとアルミナの複合材料である低温同時焼結セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramic:LTCC)などのセラミック材料を使用することができる。また、各基板の厚さはいずれも0.2mmであり、セラミックヒータ41としてのトータルの厚さは0.8mmである。
図5(b)に示すように、メインヒータ基板41bのメイン発熱体49は基礎基板42bの長手方向(セラミックヒータ41の長手方向と同じ)における中央部である発熱領域(主発熱領域B)を発熱させるための抵抗体である。メイン発熱体49は、基礎基板(絶縁基板)42bの表面に基礎基板42bと一体化して形成される。図5(b)に示す主発熱領域Bは、本実施形態では長手方向の幅が200mmである。メイン発熱体49を構成する材料としては、例えば金、タングステン、銀、銀パラジウム、ステンレスなどのように、導電性を有するものであれば特に制限なく使用することができる。ただし、通電・発熱によって溶融するなどの変形を起こさないものであることが条件となる。本実施形態では、メイン発熱体49は銀パラジウムから成る材料で構成される。本実施形態のメイン発熱体49の形状は、線幅が0.79mmであり、主発熱領域Bで4回Uターンすることで平行した5本の帯状発熱体が形成された形状となっている。
さらにメインヒータ基板41bの両端部には給電端子部47bが形成されている。主発熱領域Bに形成されたメイン発熱体49は、メインヒータ基板41bの両端部の非発熱領域(従発熱領域A,C)において延長されて給電端子部47bと接続している。給電端子部47bを構成する材料としては、たとえば金、タングステン、銀、銀パラジウム、ステンレスなどのように、導電性を有するものであれば特に制限なく使用することができる。本実施形態では、給電端子部47bはメイン発熱体49と同じ銀パラジウムから成る材料で構成される。
図5(c)に示すように、サブヒータ基板41cのサブ発熱体48は基礎基板(絶縁基板)42cの長手方向(セラミックヒータ41の長手方向と同じ)における両端部の発熱領域(主発熱領域D,F)を発熱させるためのものである。図5(c)に示す主発熱領域D,Fは、本実施形態ではそれぞれ長手方向の幅が60mmである。また、サブ発熱体48同士は、サブヒータ基板の中央の領域である非発熱領域(従発熱領域E)で接続している。サブ発熱体48は、基礎基板42cの表面に基礎基板42cと一体化して形成される。
サブ発熱体48を構成する材料としては、メイン発熱体49と同様に、例えばタングステン、銀、銀パラジウム、ステンレスのように導電性を有するものであれば、特に制限なく使用することができる。ただし、通電・発熱によって溶融するなどの変形を起こさないものであることが条件となる。本実施形態では、サブ発熱体48はメイン発熱体49と同じ銀パラジウムから成る材料で構成される。サブ発熱体48の形状は、本実施形態では、線幅が0.44mmであり、発熱領域で6回Uターンすることで平行した7本の帯状発熱体が形成された形となっている。
さらにサブヒータ基板41cの両端部には給電端子部47cが形成され、サブ発熱体48と接続されている。給電端子部47cを構成する材料としては、たとえば金、タングステン、銀、銀パラジウム、ステンレスなどのように、導電性を有するものであれば特に制限なく使用することができる。本実施形態では、給電端子部47bはメイン発熱体49と同じ銀パラジウムから成る材料で構成される。
保護基板41a及びメインヒータ基板41bの両端部には、4種類の基板を積層した場合に給電端子部が露出するよう給電用の開口部(給電用キャビティ)が設けられている。具体的には、保護基板41aは、基礎基板42aに、給電端子部47b及び給電端子部47cを露出する開口部43aが設けられた構成である。また、メインヒータ基板41bには、給電端子部47cを露出する開口部43bが設けられている。
ベース基板41dは、何も設けられていない基礎基板42aがそのまま用いられる。
(ヒータの製造方法)
次にセラミックヒータ41の製造方法について、以下に説明する。ヒータの製造に際しては、最初に、本実施形態では、基礎基板42a〜42dとして、厚さ0.2mmのLTCCから成るグリーンシートを、例えば幅400mm×長さ400mmに切断する。そして、このグリーンシート(基礎基板42a〜42d)を用いて、厚さ0.2mmの4種類の基板(保護基板41a、メインヒータ基板41b、サブヒータ基板41c、ベース基板41d)を各々作成していく。具体的には、メインヒータ基板41bの場合は、銀パラジウムを主成分とするメイン発熱体49及び給電端子部47bをグリーンシートの上面にスクリーン印刷で形成し、メイン発熱体49及び給電端子部47bをグリーンシートと一体化させる。
同じくサブヒータ基板41cの場合は、銀パラジウムを主成分とするサブ発熱体48及び給電端子部47cをグリーンシートの上面にスクリーン印刷で形成し、サブ発熱体48及び給電端子部47cをグリーンシートと一体化させる。その後、打ち抜き型を用いて、メインヒータ用グリーンシート(基礎基板42c)及び、保護基板用グリーンシート(基礎基板42a)の各々所定の位置に給電用開口部を形成する。なお、ベース基板用グリーンシート(基礎基板42d)については、図5(d)に示すように発熱体や開口部などを設ける必要がないため、ここでは加工は不要である。
セラミックヒータ41の最終サイズは上述のように12.3mm×360mm×0.8mmであり、1枚のグリーンシート(400mm×400mm)の中に複数のヒータが形成されることになる。なお、本実施形態のサイズとすると、1枚のグリーンシートから9個のセラミック発熱体が得られる。
次に、上記4種類のグリーンシートを位置合わせし、上から保護基板41a、メインヒータ基板41b、サブヒータ基板41c、ベース基板41dの順番で重ね合わせた後、プレスジグを用いて圧着(温水等方圧プレス:WIP)を行う。なお、このように圧着したセラミックヒータ41を、保持部材40に貼り付ける際には、ベース基板41dが保持部材40に全面接触するようにする。
次に、積層されたグリーンシートに対し、複数のセラミック発熱体の外形に合わせた金型により、所定の大きさ(12.3mm×360mm)に切断する。その後これらを加熱炉に入れて、非酸化性雰囲気下で800〜900℃で焼成する。このようにして、4種類の基板が積層されたセラミックヒータ41を作成することができる。
(定着制御方法)
次に本実施形態の定着装置15の制御方法について、図1及び3を用いて詳細に説明する。図1に示すように、セラミックヒータ41を加熱するための電源53はメイン用及びサブ用の2つの電圧可変電源53a,53bから成る。そして、セラミックヒータ41の両端部に形成された給電用開口部を通じて、メインヒータ基板41bの給電端子部47bにはメイン用の電圧可変電源53a、サブヒータ基板41cの給電端子部47cにはサブ用の電圧可変電源53bがそれぞれ接続されている。このように、メイン発熱体49及びサブ発熱体48に対し、独立に所定の電力が供給されるよう構成されている。なお、本実施形態におけるセラミックヒータ41の定格出力は、メインヒータ基板750W、サブヒータ基板450Wのトータル1,200Wである。このように、2つの電圧可変電源53a,53bによりセラミックヒータ41に最大1,200Wが供給されてセラミックヒータ41が発熱する。そして、セラミックヒータ41で発生した熱エネルギーは保持部材40を介して定着ベルト32に伝達する。
定着ベルト32の周面には温度検知手段としてのサーミスタ35A,B、加圧ローラ31の周面にはサーミスタ35Cが各々配設されており、それぞれの表面温度を検出するようになっている。なお、定着装置15の長手方向の位置に関して、サーミスタ35Aはメイン発熱体49の発熱領域(主発熱領域B)、サーミスタ35Bはサブ発熱体48の発熱領域(主発熱領域D,F)、サーミスタ35Cは中央部に配置されている。そして、各サーミスタ35A,B,Cにより検出された温度データに基づいて、温度制御手段としての制御回路(図示せず)が定着ベルト32、加圧ローラ31の表面温度を所定の温度にするように、セラミックヒータ41のメインヒータ基板41b、サブヒータ基板41c及びヒータランプ34への供給電力(通電)を制御する。なお、本実施形態ではサーミスタ35A,B,Cは接触式サーミスタを用いている。
ここで、本実施形態では、メインヒータ基板41bの主発熱領域B及びサブヒータ基板41cの従発熱領域EがA4サイズの横幅に合わせたサイズ(200mm)に形成されているので、上記のような制御を行うことで、次のように、適切に加熱することができる。例えば、A3縦送りやA4横送りなどの幅広の用紙を通紙した場合は、メイン発熱体49及びサブ発熱体48の両方を駆動し、幅広の用紙の通紙領域を全て加熱するようにする。また、A4縦送りやB5縦送りなどの幅狭の用紙を通紙する場合は、メイン発熱体49のみを駆動させることで、メインヒータ基板41bの主発熱領域Bが加熱され、従発熱領域A,Cはほとんど加熱されない。また、サブヒータ基板41cでは発熱しない。よって非通紙部(従発熱領域A,Cに対応する領域)の異常昇温が抑制される。
(定着ベルトの加熱特性)
次に定着ベルト32の加熱特性について、2次元熱伝導解析によるシミュレーションを行った。具体的には、表1に示すような熱伝導率の異なる4種類の定着ベルト32を想定し、定着ベルト32の初期温度(加熱部材に接触する直前の温度)を160℃として、定着ベルト32を加熱ニップ部で190℃まで加熱するための加熱部材33の温度及び加熱時間の関係について計算した。
Figure 0004796177
なお、表1に示すように4種類の定着ベルト32の熱伝導率λとしては、離型層(PFAチューブ)や基材(ポリイミド)の熱伝導率は一定とし、弾性層(シリコンゴム)の熱伝導率λのみを変化させた。加熱部材33の温度及び加熱時間の関係についての結果を図6に示す。また、加熱部材33の加熱ニップ幅をW(mm)、定着ベルト32の搬送速度(定着速度)をV(mm/s)とすると加熱時間はW/V(s)で表せる。
図6より加熱時間W/V(s)が短くなるほど加熱部材の制御温度を高く設定する必要があるが、定着ベルトの熱伝導率が高いほど、加熱部材の制御温度を低く抑えることができることがわかる。ここで、加熱部材33の保持部材40はアルミ製であり215℃を超える温度ではクリープが発生するため、加熱部材33の耐熱温度としては215℃である。このことから、加熱部材33の温度を215℃以下に抑えるために必要な加熱時間W/Vと、定着ベルト32の熱伝導率λの関係をグラフ化すると図7のようになり、下記の式(1)で近似できることがわかる。
λ=0.0267×(W/V)−1.0382 ・・・(1)
従って、下記の式(2)を満たすように、定着ベルト32の熱伝導率λ及び加熱部材33の加熱ニップ幅Wを設定すれば、加熱部材33の温度を耐熱温度(215℃)以下に抑制することができる。
λ≧0.0267×(W/V)−1.0382 ・・・(2)
次に定着ベルトの熱伝導率λ及び加熱部材の加熱ニップ幅Wの上限についてシミュレーションにより検討を行った。図8は加熱部材33の制御温度を190℃としたときの加熱ニップ部Mにおける定着ベルト32の温度変化を計算した結果である。なお、加熱部材33の制御は、前述したように、サーミスタ35A、Bの検出温度に基づいて行った。
図8より、定着ベルト32の温度は最終的には加熱部材33の制御温度である190℃で飽和するが、飽和するまでの時間は定着ベルト32の熱伝導率λによって異なることがわかる。ここで定着ベルト32の温度が飽和してしまえば、それ以上加熱部材33によって加熱しても意味がない。このことから、本実施形態では、時定数の考え方を取り入れて、飽和温度を100%としたとき63%まで昇温するまでの時間を有効加熱時間te(s)と定義し、下記(3)式の関係が成り立つ加熱ニップ幅Wに設定すれば、加熱ニップ幅Wを必要以上に長くすることによる加熱部材33の熱容量の増加を抑制できるものとした。
W/V≦te ・・・(3)
ここで、上述のように定着ベルト32の熱伝導率λ(W/mK)によって有効加熱時間te(s)が異なることから、図8の結果からλとteとの関係をグラフ化すると図9のようになり、下記の式(4)で近似できることがわかる。
λ=0.0512×te−1.0845 ・・・(4)
従って、式(3)及び(4)より、下記の式(5)を満たすように加熱部材の加熱ニップ幅Wを設定すれば、加熱ニップ幅Wを必要以上に長く設定してしまうことがなくなる。
λ≦0.0512×(W/V)−1.0845 ・・・(5)
式(2)〜(5)をまとめると以下の式(6)のようになる。
0.0267×(W/V)−1.0382≦λ≦0.0512×(W/V)−1.0845(6)
この式(6)の条件を満足すれば、加熱部材33の加熱ニップ幅Wが必要最低限の長さに規定できるため、加熱部材33の熱容量が不必要に大きくなることを防止でき、ウォームアップ時間を短縮しつつ、加熱部材33の温度が異常に高くなるのを抑制することができる。
なお、加熱ニップ幅Wは、加熱部材33と定着ベルト32の接触幅であるので、定着速度Vには影響されない。加熱ニップ幅Wが同じでも定着速度Vが変われば、加熱時間W/Vは変わる。
本実施形態においては、定着ベルト32の熱伝導率λ=0.589(W/mK)、定着速度V=225mm/sであることから、
式(2)より、
W≧V×(0.0267/λ)^(1/1.0382)≧11.4(mm)
式(3)より、
W≦V×(0.0512/λ)^(1/1.0845)≦23.7(mm)
となる。なお、式中の^は、べき乗を表す。よって、加熱ニップ幅Wはその中間の17.5mmに設定している。
以上、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に開示した範囲で、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ、MFP(Multi Function Printer)等の電子写真方式の画像形成装置に備えられる定着装置に適用可能である。
15 定着装置
30 定着ローラ(定着部材)
31 加圧ローラ(加圧部材)
32 定着ベルト
33 加熱部材
35A,35B、35C,35D サーミスタ
40 保持部材
40a コート層
41 セラミックヒータ
41a 保護基板
41b メインヒータ基板
41c サブヒータ基板
41d ベース基板
42a〜42d 基礎基板(絶縁基板)
50 断熱シート(断熱部材)
51 押え部材(補強部材)
53 電源
53a メイン用電圧可変電源
53b サブ用電圧可変電源
100 画像形成装置
M 加熱ニップ部
N 定着ニップ部
P 記録紙
T トナー

Claims (9)

  1. 定着部材と、加熱部材と、これら定着部材と加熱部材とに張架されて回転し、前記加熱部材にて加熱される無端状の定着ベルトと、当該定着ベルトを介して前記定着部材に圧接され、この圧接部において前記定着ベルトとともに定着ニップ部を形成する加圧部材とを備え、前記定着ニップ部を通過する記録材上の未定着画像を前記記録材に定着させる定着装置において、
    前記加熱部材は、
    前記定着ベルトの内周面との接触面が湾曲した凸面であり、この凸面の反対側の面が平坦面となっている蒲鉾形を有する保持部材と、
    前記保持部材の平坦面に設けられたセラミックヒータと、を備えることを特徴とする定着装置。
  2. 定着速度をV(mm/s)、前記加熱部材と前記定着ベルトとの接触幅をW(mm)、前記定着ベルトの熱伝導率をλ(W/mK)としたとき、下記の関係式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
    0.0267×(W/V)−1.0382≦λ≦0.0512×(W/V)−1.0845
  3. 前記保持部材は、前記定着部材よりも大きな曲率半径を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記保持部材は、熱伝導率の高い材料で構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の定着装置。
  5. 前記加熱部材が前記定着ベルトのテンションにより撓むのを抑制するための補強部材を有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の定着装置。
  6. 前記加熱部材と前記補強部材との間に断熱部材を備えたことを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記断熱部材は、シリコンゴムまたはフッ素ゴムから成ることを特徴とする請求項6記載の定着装置。
  8. 前記保持部材は前記定着ベルトと接する前記凸面にコート層を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の定着装置。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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