JP4786988B2 - 眼鏡フレームの玉型形状表示装置及びレンズ研削加工装置 - Google Patents
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Description
[構成]
図1において、1は眼鏡フレームFのレンズ枠形状やその型板或いは型板モデル等から玉型形状データであるレンズ形状情報(θi,ρi,Zi)又は(θi,ρi)を読み取るフレーム形状測定装置(玉型形状測定装置)、2はフレーム形状測定装置1から送信等によって入力された眼鏡フレームの玉型形状データに基づいて眼鏡レンズを研削加工するレンズ研削加工装置(玉摺機)である。尚、フレーム形状測定装置1には周知のものを用いることができるので、その詳細な構成やデータ測定方法等の説明は省略する。尚、フレーム形状(レンズ枠形状)には光軸方向の移動量データZiがあるが、型板やダミーレンズの測定によるレンズ形状情報には光軸方向の移動量データZiがないのでレンズ形状情報は(θi,ρi)となる。
このレンズ研削加工装置2は、図1に示すように、装置本体3の前面寄りに設けられた加工室4と、この加工室4を開閉するカバー5を有する。また、この加工室4内には図2に示したように加工用主要部品が配置されている。また、加工室4の外側には、加工用主要部品の一部を保持するキャリッジ(図示せず)と、加工用主要部品及びキャリッジの駆動系(モータ等)が配置されている。このキャリッジは、前後に延びる左右一対のアーム部とアーム部の後端部を連設する連設部から、平面視形状がコの字状に形成されている。また、キャリッジは、左右動可能に且つ連設部の後縁部を中心にアーム部が上下動可能に
設けられている。
上述の加工室4内に配置された加工用主要部品としては、図2に示すように、装置本体3の左右に延びると共にスリット4c、4cを貫通する左右一対のレンズ回転軸9、10がある。尚、スリット4c、4cはレンズ回転軸9、10と一体に移動する図示しないカバーで閉成されている。
加工用主要部品の駆動系としては、上述のキャリッジ(図示せず)と、このキャリッジをパルスモータ等の駆動モータを用いて上下回転させる上下動手段(図2では図示せず)と、キャリッジを左右動させるパルスモータ等の駆動モータ(図2では図示せず)と、レンズ回転軸9、10を回転駆動させるパルスモータ等の駆動モータ(図2では図示せず)と、キャリッジの上下回動に伴いレンズ回転軸9、10間に保持された眼鏡レンズMLを研削加工する際に研削砥石11を回転させる駆動モータ(図2では図示せず)等を有する。
(コバ厚測定装置)
コバ厚測定装置(コバ厚測定手段)はコバ厚測定部材19を有する。このコバ厚測定部材19は、互いに離間状態で対向する一対のフィーラ19a、19bを備える。このフィーラ19a、19bは作用右方向に延びる測定軸19cに一体に設けられている。この測定軸19cは、加工室4の側壁4bを左右に貫通していると共に、左右に移動可能となっている。また、測定軸19cは、フィーラ19a、19bが加工室4の後縁部の略中央に位置するように、図示しないスプリングで保持されている。従って、フィーラ19a、19b及び測定軸19cは、左右方向への移動力を解除すると、加工室4の後縁部の略中央に戻されるようになっている。
径ρi)となるように、キャリッジを上下動させることにより、フィーラ19bの先端を眼鏡レンズMLの前側屈折面の動径ρiの位置に接触移動させることができるようになっている。このようにフィーラ19a、19bが眼鏡レンズMLに接触した状態でレンズ回転軸9、10をレンズ形状情報(θi,ρi)に基づいて回動させると、フィーラ19a、19bが眼鏡レンズMLの屈折面の湾曲に従って左右方向に移動させられる。
操作パネル6は、図3(A)に示すように、眼鏡レンズをレンズ回転軸9、10によりクランプするための『クランプ』スイッチ6aと、眼鏡レンズの右眼用・左眼用の加工の指定や表示の切換え等を行う『左』スイッチ6b、『右』スイッチ6cと、砥石を左右方向に移動させる『砥石移動』スイッチ6d、6eと、眼鏡レンズの仕上加工が不十分である場合や試し摺りする場合の再仕上又は試し摺り加工するための『再仕上/試』スイッチ6fと、レンズ回転モード用の『レンズ回転』スイッチ6gと、ストップモード用の『ストップ』スイッチ6hとを備えている。
操作パネル7は、図3(B)に示すように、液晶表示器8の表示状態を切り換える『画面』スイッチ7aと、液晶表示器8に表示された加工に関する設定等を記憶する『メモリー』スイッチ7bと、レンズ形状情報(θi,ρi)を取り込むための『データ要求』スイッチ7cと、数値補正等に使用されるシーソー式の『−+』スイッチ7d(『−』スイッチと『+』スイッチとを別々に設けても良い)と、カーソル式ポインタ移動用の『▽』スイッチ7eとを液晶表示器8の側方には配置している。また、ファンクションキーF1〜F6が液晶表示器8の下方に配列されている。
液晶表示器8の上部には、『レイアウト』タブTB1、『加工中』タブTB2、『加工済』タブTB3、『メニュー』タブTB4が表示されている。そして、この『レイアウト』タブTB1、『加工中』タブTB2、『加工済』タブTB3、『メニュー』タブTB4を選択することにより、液晶表示器8の表示が切り替えられるようになっている。
このファンクションキーF1〜F6は、眼鏡レンズの加工に関する設定時に使用されるのか、加工工程で液晶表示器8に表示されたメッセージに対する応答・選択用として用いられる。
[制御回路]
レンズ研削加工装置2は、図4に示すように、演算制御回路40を有する。CPUを有する演算制御回路40には、操作パネル6,、記憶手段としてのROM41、記憶手段としてのデータメモリ42、RAM43が接続されていると共に、補正値メモリ44が接続されている。また、演算制御回路40には、表示用ドライバ45を介して液晶表示器8が接続され、パルスモータドライバ46を介して駆動系の各種駆動モータ(パルスモータ)47a…47nが接続されていると共に、通信ポート48を介して図1のフレーム形状測定装置1が接続されている。
[作用]
次に、この様な構成の演算制御回路40を有するレンズ研削加工装置の作用を説明する。
(i)液晶表示器8のレイアウト表示
レイアウト設定時には、図6に示したような通常の面取加工の内容が液晶表示器8に演算制御回路40により表示される。即ち、液晶表示器8の表示エリアE2には、「レンズ:プラ」、「コース:オート」が表示されると共に、ヤゲン及び面取加工のための表示20がされる。また、表示エリアE3には、フレーム幾何学中心間距離FPD、眼鏡装用者の瞳孔間距離PD、寄せ量UP、サイズ「SIZE」及びその数値が表示される。図6では、規定値(標準値)としてFPDが70.0、PDが64.0、UPが+2.0、SIZEが+0.00となっている。また、表示エリアE3には、「SIZE」の下方に位置させて「吸着位置:光学中心」の表示がされている。
(ii)レイアウト画面上での玉型形状の変更操作
演算制御回路40により表示制御される液晶表示器8のレイアウト画面上での玉型形状の形状変更パターンは以下の(1)〜(6)の6パターンがある。
(2)拡大縮小(縦幅入力)
(3)上側のみ変更(縦幅入力)
(4)下側のみ変更(縦幅入力)
(5)内側のみ変更(横幅入力)
(6)外側のみ変更(横幅入力)
この64パターンの玉型形状の形状変更表示は、以下に説明するようにして演算制御回路40により実行される。
・「鼻側」,「耳側」,「上側」,「下側」等の右側に表示される数値の初期値 はゼロとする。
・「鼻側」,「耳側」,「上側」,「下側」等の右側に入力される数値の変更単位は0.05mm、変更範囲は±6.0mmとする。
・「加工眼」は「左右共通」のみとし変更は出来ない。ここで、加工眼は加工眼鏡レンズを意味する。
・カーソルPが「鼻側」の位置ある時、『−+』スイッチ7d(別々に設けられる『+』、『−』スイッチでもよい)で「鼻側」の右側の数値を変更すると、「耳側」の右側の数値も同時に同じ値に変更される。カーソルPが「上側」の位置にある時は、「上側」の右側の数値を入力又は変更すると、「下側」の右側の数値も同時に同じ値に変更される。
・「耳側」と「下側」の右側の数値は単独で変更することもできる。
・「鼻側」,「耳側」,「上側」,「下側」の右側の何れかに数値が設定されていれば、カーソルPが表示エリアE3のレイアウトデータ領域(「FPD(DBL)」または「吸着位置」)に移動しても、パターンデザイナー用のデータ入力ウィンドウは表示されている。すべての設定値が「0.00」である時は、消去される。
・「鼻側」,「耳側」,「上側」,「下側」の右側の何れかに数値が設定されていれば、液晶表示器8の表示エリアE4のフレーム像表示ビューのバックグラウンド色が「白」に変化する。尚、「レイアウト」,「加工中」,「加工済」どのタブを選択したときでも、同様に液晶表示器8の表示エリアE4のフレーム像表示ビューのバックグラウンド色(背景色)が「白」に変化する。このとき、元のフレーム形状は「黒の点線」に、変形後のフレーム形状は「明るい赤の実線」で表示される。また、変形後のボックス補助線が「明るい青の実線」で表示される。
・「鼻側」,「耳側」,「上側」,「下側」等の右側の設定値(数値)をすべて「0.00」に戻すと、液晶表示器8の表示エリアE4のフレーム像表示ビューのバックグラウンド色は元の色に戻る。このとき、元のフレーム形状は「黒の実線」に戻り、変形後の形状とボックス補助線は消去される。
・サイズ変更との併用も可能とする。
・DBL入力や、下からの高さ入力がある場合は、形状変更で変わらないように する。
(表示例1)
また、ナイロールフレームにおけるパターンデザインを行う場合、図11Aに示した入力ウインドウIwを図11の表示エリアE2に表示させると共に、図11Bに示した方形状のボクシング枠Bfと玉型形状Ms(破線で図示)を重ねて図11の状態表示エリアE4に表示させるようにすることもできる。
(表示例2)
また、図11Bの玉型形状Msに図11Cに示したようなリム形状Rmを重ねて表示させて、表示例1と同様な操作により、玉型形状Msを変形操作することもできる。この図11Cに示したリム形状Rmは、図から明らかなようにナイロール等で眼鏡レンズをフレームに保持させる際に用いるハーフリムの形状を示したものである。このハーフリムに眼鏡レンズをナイロール等で保持させる技術は周知である。そして、ハーフリムのリム形状Rmは、図11Cから明らかなように逆U字状であり、左右の部分に下方まで延設された端部B1,B2を有する。このように、図11Cに示したリム形状Rmは横線Lh(横中心線)よりも下方まで延設された端部B1,B2を有する。
(i)指定方法1
この指定方法1では、基準線となる横線Lh(横中心線)を図11Eに矢印B4で示したように一点鎖線から二点鎖線まで、即ち基準線となる横線Lh(横中心線)を形状Rmの端部B1,B2の下端まで移動させることにより、図11Eから明らかなように玉型形状Msを波線の状態から実線の状態まで変形させても、リム形状Rmの部分ではリム形状Rmと玉型形状Msが一致するようにする。
(ii)指定方法2
また、図11の表示エリアE2に図11Fに示したような入力ウインドウIwを表示させると共に、図11の状態表示エリアE3に図11Gの表示をさせるようにしても良い。
内側(鼻側)変更サイズ:ΔX_in
外側(耳側)変更サイズ:ΔX_out
上側変更サイズ :ΔY_up
下側変更サイズ :ΔY_down
変更前の座標:(Xi, Yi)
変更後の座標:(Xi’, Yi’)
ボックスの接点ポイント:
Xmax=(Xmax_X,Xmax_Y),
Ymax=(Ymax_X,Ymax_Y),
Xmin=(Xmin_X,Xmin_Y),
Ymin=(Ymin_X,Ymin_Y)
として示してある。そして、演算制御回路40は、以下に示すBOXの接点区間毎(4区間)に分けた(1)〜(4)の演算式に基づいて、レンズ形状(玉型形状)LRの変更前の形状LRb(LLb)から変更後の形状LRa(LLa)を求める。
(1)i=Xmax〜Ymax
X座標
右枠 :Xi’=[ 1+(ΔX_in/(Xmax_X−Ymax_X))]×(X
i−Ymax_X)+Ymax_X
左枠 :Xi’=[1+(ΔX_out/(Xmax_X−Ymax_X))]×(X
i−Ymax_X)+Ymax_X
Y座標
Yi’=[1+(ΔY_up/(Ymax_Y−Xmax_Y))]×(Xi−Xma
x_Y)+Xmax_Y
(2)i=Ymax〜Xmin
X座標
右枠 :Xi’=[1+(ΔX_out/(Xmin_X−Ymax_X))]×(X
i−Ymax_X)+Ymax_X
左枠 :Xi’=[1+(ΔX_in/(Xmin_X−Ymax_X))]×(Xi
−Ymax_X)+Ymax_X
Y座標
Yi’=[1+(ΔY_up/(Ymax_Y−Xmin_Y))]×(Xi−Xmi
n_Y)+Xmin_Y
(3)i=Xmin〜Ymin
X座標
右枠 :Xi’=[ 1+(ΔX_out/(Xmin_X−Ymin_X))]×(
Xi−Ymin_X)+Ymin_X
左枠 :Xi’=[1+(ΔX_in/(Xmin_X−Ymin_X))]×(X
i−Ymin_X)+Ymin_X
Y座標
Yi’=[1+(ΔY_down/(Ymin_Y−Xmin_Y))]×(Xi−X
min_Y)+Xmin_Y
(4)i=Ymin〜Xmax
X座標
右枠 :Xi’=[1+(ΔX_in/(Xmax_X−Ymin_X))]×(Xi−Ymin_X)+Ymin_X
左枠 :Xi’=[1+(ΔX_out/(Xmax_X−Ymin_X))]×(X
i−Ymin_X)+Ymin_X
Y座標
Yi’=[1+(ΔY_down/(Ymin_Y−Xmax_Y))]×(Xi−Xm
ax_Y)+Ymax_Y
尚、図14のBOX(ボックス)の接点4点[P1R〜P4R(P1L〜P4Lについても同じ)]は、独立した4点となっていることが演算上望ましいが、3点以上が同一ポイントとなる場合、直線または1つの点となってしまうのでエラー処理をする。
。
(iii)レンズ研削加工
このようにして玉型形状を変更操作した後、玉型形状の玉型形状情報(θi,ρi)に対応する眼鏡レンズMLのコバ厚Wiを測定する。この測定は、構成の説明で説明したように、演算制御回路40によりコバ厚測定装置(コバ厚測定手段)のパルスモータ等の駆動手段を作動制御して実行する。
7d…『−+』スイッチ(玉型形状変形手段の一部)
8…液晶表示器(表示手段)
40…演算制御回路(玉型形状変形手段の一部)
Claims (3)
- 形状入力手段から入力される眼鏡の玉型形状データに基づく玉型形状の表示に用いられる表示手段と、
前記玉型形状データに基づく玉型形状を前記表示手段に表示させる演算制御回路と、
前記表示手段に表示された前記玉型形状を変形させる数値を入力するのに用いる玉型形状変形手段と、を備えると共に、
前記演算制御回路は、前記表示手段に表示された前記玉型形状を前記玉型形状変形手段により入力される数値に基づいて変形させる眼鏡フレームの玉型形状表示装置において、
前記演算制御回路は、左右に延びる上リム形状部とこの上リム形状部の左右の部分に下方に向けて連設された側方リム形状部が設けられた逆U字状のハーフリムのリム形状を前記玉型形状に重ねて前記表示手段に表示させると共に、前記側方リム形状部の端部の下端を指定する線またはマークを前記表示手段に表示させて、前記玉型形状の前記線またはマークより下方の部分を前記数値入力により変形させることにより、前記玉型形状の鼻当て側、耳掛け側の部分の形状を変形させることを特徴とする眼鏡フレームの玉型形状表示装置。 - 請求項1記載の眼鏡フレームの玉型形状表示装置において、
変形させる前の玉型形状と、変形させた後の玉型形状とを同一画面に表示する表示手段を備えたことを特徴とする眼鏡フレームの玉型形状表示装置。 - 請求項1又は2に記載の眼鏡フレームの玉型形状表示装置を備えたことを特徴とするレンズ研削加工装置。
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