JP4733672B2 - 眼鏡レンズ研削加工装置 - Google Patents

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Description

本発明は、眼鏡レンズ保持軸に保持された眼鏡レンズを、枠入れされる眼鏡フレームのレンズ枠又はそのレンズ枠に倣った型板等玉型形状に即して、粗加工し、V溝ヤゲン砥石によりヤゲン加工する眼鏡レンズ研削加工装置に関するものである。
従来から、眼鏡レンズを枠入れする眼鏡フレームのレンズ枠又はそのレンズ枠に倣った型板等の玉型に即して、粗砥石により粗加工2、傾斜させた円筒状のV溝ヤゲン砥石、截頭円錐形状のV溝ヤゲン砥石によって、あるいは通常の大きさのV溝ヤゲン砥石の回転軸を傾斜させてヤゲン加工するレンズ研削加工装置が知られている。
特開昭48−66296号公報 特開昭49−30053号公報 特開昭52−122992号公報 実開昭53−71297号公報 実開昭53−99095号公報 実開昭55−103141号公報 米国特許第4807398号公報 特開平4−183566号公報 特開2001−212740号公報
しかしながら、近年、小形の横長でカニ目状の玉型形状をしたフレームで眼鏡装用者の顔にへばりつくようなサングラスが流行しており、このような湾曲の度合いが大きいプラスチックレンズ等をヤゲン加工する場合、通常のV溝ヤゲン砥石では湾曲したプラスチックレンズ等と加工干渉を発生させてしまう。
更に詳細にのべると、図10および図11に示すように、カニ目形状をした被加工レンズ150の玉型形状のうち太線で示した個所151および152で加工干渉(実際の加工点がレンズ中心点と砥石160の回転中心点とを結ぶ直線上からずれてしまい、砥石160が空回りしたりしてスムーズな加工ができなくなってしまう現象)が生じやすい。特に、ヤゲン加工時に発生すると、枠入れができない(商品価値のない)状態になるのでズレ角Δθn又はヤゲンカーブの大小から加工干渉が発生しそうなポイントを事前に演算で求め、そのポイントにおける軸間距離を求め、通常のV溝ヤゲン研削砥石に代えて小型のヤゲン研削砥石を回動アームを駆動することで加工点に配置させることが必要である。
截頭円錐形状のV溝ヤゲン砥石を配置したレンズ研削加工装置の場合、上述の湾曲したプラスチックレンズに対するヤゲン加工は可能であるが、通常の眼鏡レンズのヤゲン加工を行う場合には砥石回転軸の制御が必要となり、装置が複雑かつ大型化してしまいコストが掛かってしまう。
また、通常の大きさのV溝ヤゲン砥石の回転軸を傾斜させてヤゲン加工するレンズ研削加工装置の場合、通常のV溝ヤゲン砥石の直径に比べて玉型形状の大きさが極端に小さいとき、通常のV溝ヤゲン砥石の回転軸の傾動制御が複雑となってしまい、装置全体が大型化してしまう。
そこで、本発明の目的は、レンズ回転軸に対して傾動可能に保持された面取・溝掘砥石の回転軸に、通常のV溝ヤゲン砥石の直径と比べて小径の円盤状のヤゲン砥石を配置して、小形の横長でカニ目状の玉型形状をした、湾曲の度合いが大きいプラスチックレンズをヤゲン加工することができると共に、通常の眼鏡レンズもヤゲン加工することができるレンズ研削加工装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一実施例に係る眼鏡レンズ研削加工装置は、レンズ回転軸に保持された眼鏡レンズの周縁部を、枠入れする眼鏡フレームのレンズ枠又は該レンズ枠に倣った型板の玉型形状に基づき、粗加工後、砥石により加工する眼鏡レンズ研削加工装置において、回動アームと、該回動アームに回転可能に取付けられ、眼鏡レンズを研削する前記砥石を支持する支持軸と、前記支持軸を回転する回転駆動手段と、前記砥石を前記眼鏡レンズに接近させたり離反させたりするように前記回動アームを搖動させる搖動駆動手段とを備え、前記揺動駆動手段は、モータと、前記回動アームに接続された回転可能な円筒体と、前記モータの駆動を前記円筒体に伝達する伝達手段とを有し、前記回転駆動手段は、駆動軸を有するモータと、前記駆動軸を前記支持軸に接続させる伝達手段とを有し、該回転駆動手段の伝達手段は、前記回動アーム内に配置され、前記回転駆動手段のモータの駆動軸は、前記揺動駆動手段の円筒体内に延びて前記支持軸に接続され前記回動アーム内に配置された伝達手段に接続されていることを特徴とする。
上述の如く、本発明の眼鏡レンズ研削加工装置によれば、装置全体を複雑かつ大型化せずに、通常のレンズのヤゲン加工も小形の横長でカニ目状の玉型形状をした湾曲の度合いが大きいプラスチックレンズのヤゲン加工も実現することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1を参照すると、本発明に係る眼鏡レンズ研削加工装置が示してある。
図1において、1は眼鏡フレームFのレンズ枠形状やその型板或いは玉型モデル(デモレンズ)等から玉型形状データであるレンズ形状情報(θi,ρi)を読み取るフレーム形状測定装置(玉型形状データ測定装置)、2はフレーム形状測定装置から送信等によって入力された眼鏡フレームの玉型形状データに基づいて生地レンズ等から眼鏡レンズ(リムレスレンズを含む)MLを研削加工するレンズ研削加工装置(玉摺機)である。尚、フレーム形状測定装置1には周知のものを用いることができるので、その詳細な構成やデータ測定方法等の説明は省略する。
<レンズ研削加工装置2>
レンズ研削加工装置2の上部には、図1に示したように、装置本体3の前側に傾斜する上面(傾斜面)3aが設けられていると共に、上面3aの前部側(下部側)に開口する加工室4が形成されている。この加工室4は、斜め上下にスライド操作可能に装置本体3に取り付けられたカバー5で開閉される様になっている。
また、装置本体3の上面3aには、加工室4の側方に位置させた操作パネル6と、加工室4の上部開口より後部側1位置させた操作パネル7と、操作パネル7の下部側より後方に位置し且つ操作パネル6,7による操作状態を表示させる液晶表示器8が設けられている。
更に、装置本体3内には、図3および図4に示すように、加工室4を有する研削加工部10が設けられている。この加工室4は、研削加工部10に固定の周壁11内に形成されている。
この周壁11は、図3(a),図4に示したように左右の側壁11a,11b、後壁11c、前壁11d及び底壁11eを有する。しかも、側壁11a,11bには円弧状のガイドスリット11a1,11b1が形成されている(図3(a)参照)。また、底壁11eは、図3(a)に示したように、後壁11cから手前側下方に円弧状に延びる円弧状底壁(傾斜底壁)11e1と、円弧状底壁11e1の前下端から前壁11dまで延びる下底壁11e2を有する。この下底壁11e2には、円弧状底壁11e1に近接させて下方の廃液タンク(図示せず)まで延びる排水管11fが設けられている。
(カバー5)
カバー5は、無色透明又は有色透明(例えば、グレー等の有色透明)の一枚のガラスや樹脂製のパネルから構成され、装置本体3の前後にスライドする。
(操作パネル6)
操作パネル6は、図2(A)に示すように、眼鏡レンズMLを後述する一対のレンズ軸23,24によりクランプするための『クランプ』スイッチ6aと、眼鏡レンズMLの右眼用・左眼用の加工の指定や表示の切換え等を行う『左』スイッチ6b,『右』スイッチ6cと、砥石を左右方向に移動させる『砥石移動』スイッチ6d,6eと、眼鏡レンズMLの仕上加工が不十分である場合や試3摺りする場合の再仕上又は試し摺り加工するための『再仕上/試』スイッチ6fと、レンズ回転モード用の『レンズ回転』スイッチ6gと、ストップモード用の『ストップ』スイッチ6hとを備えている。尚、図2(A)の操作パネル6には図示されていないが、通常のV溝ヤゲン砥石(研削砥石)35のヤゲン砥石)によるヤゲン加工から小径のヤゲン砥石200によるヤゲン加工に切り換えるヤゲン加工選択スイッチを設けることができる。
これは、実際のレンズ加工に必要なスイッチ群を加工室4に近い位置に配置することで作業者の動作の負担を軽減するためである。
(操作パネル7)
操作パネル7は、図2(B)に示すように、液晶表示器8の表示状態を切り換える『画面』スイッチ7aと、液晶表示器8に表示された加工に関する設定等を記憶する『メモリー』スイッチ7bと、レンズ形状情報(θi,ρi)を取り込むための『データ要求』スイッチ7cと、数値補正等に使用されるシーソー式の『−+』スイッチ7d(『−』スイッチと『+』スイッチとを別々に設けても良い)と、カーソル式ポインタ移動用の『▽』スイッチ7eとを液晶表示器8の側方に配置している。また、ファンクションキーF1〜F6が液晶表示器8の下方に配列されている。
このファンクションキーF1〜F6は、眼鏡レンズMLの加工に関する設定時に使用されるほか、加工工程で液晶表示器8に表示されたメッセージに対する応答・選択用として用いられる。
各ファンクションキーF1〜F6は、加工に関する設定時(レイアウト画面)においては、ファンクションキーF1はレンズ種類入力用、ファンクションキーF2は加工コース入力用、ファンクションキーF3はレンズ素材入力用、ファンクションキーF4はフレーム種類入力用、ファンクションキーF5は面取り加工種類入力用、ファンクションキーF6は鏡面加工入力用として用いられる。
ファンクションキーF1で入力されるレンズ種類としては、『単焦点』、『眼科処方』、『累進』、『バイフォーカル』、『キャタラクト』、『ツボクリ』等がある。尚、『キャタラクト』とは、眼鏡業界では一般にプラスレンズで屈折度数が大きいものをいい、『ツボクリ』とは、マイナスレンズで屈折度数が大きいものをいう。
ファンクションキーF2で入力される加工コースとしては、『オート』、『試し』、『モニター』、『枠替え』等がある。尚、このファンクションキーF2には、通常のV溝ヤゲン砥石(研削砥石35のヤゲン砥石)にとるヤゲン加工から小径のヤゲン砥石200によるヤゲン加工に切り換えるヤゲン加工選択コースを設けることができる。
ファンクションキーF3で入力される被加工レンズの素材としては、『プラスチック』、『ハイインデックス』、『ガラス』、『ポリカーボネイト』、『アクリル』等がある。
ファンクションキーF4で入力される眼鏡フレームFの種類としては、『メタル』、『セル』、『オプチル』、『平』、『溝掘り(細)』、『溝掘り(中)』、『溝掘り(太)』等がある。なお、この各『溝掘り』とは、ヤゲン加工の一種であるヤゲン溝を示す。
ファンクションキーF5で入力される面取り加工種類としては、『なし』、『小』、『中』、『大』、『特殊』等がある。
ファンクションキーF6で入力される鏡面加工としては、『なし』、『あり』、『面取部鏡面』等がある。
尚、上述したファンクションキーF1〜F6のモードや種別或いは順序は特に限定されるものではない。また、後述する各タブTB1〜TB4の選択として、『レイアウト』、『加工中』、『加工済』、『メニュー』等を選択するためのファンクションキーを設けるなど、キー数も限定されるものではない。
(液晶表示器8)
液晶表示器8は、『レイアウト』タブTB1、『加工中』タブTB2、『加工済』タブTB3、『メニュー』タブTB4によって切り替えられ、下方にはファンクションキーF1〜F6に対応したファンクション表示部H1〜H6を有する。尚、各タブTB1〜TB4の色は独立しており、後述する各エリアE1〜E4を除いた周囲の背景も各タブTB1〜TB4の選択切換と同時に各タブTB1〜TB4と同一の背景色に切り替わる。
例えば、『レイアウト』タブTB1とそのタブTB1が付された表示画面全体(背景)は青色、『加工中』タブTB2とそのタブTB2が付された表示画面全体(背景)は緑色、『加工済』タブTB3とそのタブTB3が付された表示画面全体(背景)は赤色、『メニュー』タブTB4とそのタブTB4が付された表示画面全体(背景)は黄色で表示されている。
このように、作業毎に色分けした各タブTB1〜TB4と周囲の背景とが同一色で表示されるので、作業者は、現在、どの作業中であるのかを容易に認識又は確認することができる。
ファンクション表示部H1〜H6は、必要に応じたものが適宜表示され、非表示状態の時にはファンクションキーF1〜F6の機能に対応したものとは異なった図柄や数値、或いは、状態等を表示することができる。
また、ファンクションキーF1〜F6を操作している際、例えば、ファンクションキーF1を操作している際には、そのファンクションキーF1をクリックする毎にモード等の表示が切り替わっても良い。例えば、ファンクションキーF1に対応する各モードの一覧を表示して(ポップアップ表示)選択操作を向上させることも可能である。また、ポップアップ表示中の一覧は、文字、図形又はアイコン等で表わされる。
『レイアウト』タブTB1、『加工中』タブTB2、『加工済』タブTB3を選択した状態の時には、アイコン表示エリアE1、メッセージ表示エリアE2、数値表示エリアE3、状態表示エリアE4に区画した状態で表示される。また、『メニュー』タブTB4を選択した状態の時には、全体的に一つのメニュー表示エリアとして表示される。尚、『レイアウト』タブTB1を選択している状態の時には、『加工中』タブTB2と『加工済』タブTB3とを表示せず、レイアウト設定が終了した時点で表示しても良い。
尚、上述したような液晶表示器8を用いてのレイアウト設定は、特願2000−287040号又は特願2000−290864号と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<研削加工部10>
研削加工部10は、図3および図4に示すように装置本体3に固定のトレイ12と、このトレイ12上に配置されたベース13と、トレイ12に固定されたベース駆動モータ14と、トレイ12から立ち上げられた支持部12a(図5参照)に先端が回転可能に支持されたベース駆動モータ14の出力軸(図示せず)に連動するネジ軸15とを備えている。また、研削加工部10は、眼鏡レンズMLの回転駆動系16と、眼鏡レンズMLの研削手段17と、眼鏡レンズMLのコバ厚測定系(コバ厚測定手段)18を備えている。
(ベース13)
ベース13は、トレイ12の後縁部に沿って左右に延びる後側支持部13aと、後側支持部13aの左端部から前側延びる側方側支持部13bから略V字状に形成されている。この後側支持部13aの左右両端部上にはVブロック状の軸支持部13c,13dが固定され、側方側支持部13bの前端部上にはVブロック状の軸支持部13eが固定されている。
また、装置本体3内には、左右に延び、且つ、前後に平行に並設された一対の平行ガイドバー19,20が配設されている。この平行ガイドバー19,20の左右両端部は装置本体3内の左右の部分に取り付けられている。しかも、この平行ガイドバー19,20には、ベース13の側方側支持部13bが軸線方向に沿って左右に進退動可能に軸支されている。
また、軸支持部13c,13d上のV溝部には左右に延びるキャリッジ旋回軸21の両端部が配設されている。22はキャリッジ旋回軸21に取り付けるキャリッジである。このキャリッジ22は、左右に間隔をおいて位置し且つ前後に延びる軸取付用のアーム部22a,22bと、左右に延び且つアーム部22a,22bの後端部間を連設している連設部22cと、連設部22cの左右中央部に後方に向けて突設した支持突部22dから二股形状に形成されている。尚、アーム部22a,22b及び連設部22cはコ字状になっている。このアーム部22a,22b間に加工室4を形成する周壁11が配置されている。
そして、このキャリッジ旋回軸21は、支持突部22dを貫通し且つ支持突部22dに保持されていると共に、軸支持部13c,13dに対して回動自在になっている。これにより、キャリッジ22前端部側はキャリッジ旋回軸21を中心に上下回動できるようになっている。尚、キャリッジ旋回軸21は、軸支持部13c,13dに固定して、支持突部22dをキャリッジ旋回軸21に対して回動可能且つ軸線方向に移動不能に保持させても良い。
このキャリッジ22は、左右に延び且つ眼鏡レンズ(円形の未加工眼鏡レンズ、即ち円形の被加工レンズ素材)MLを同軸上で挟持する一対のレンズ軸(レンズ回転軸)23,24を備えている。レンズ軸23は、左右に向けてアーム部22aの先端部を貫通すると共に、アーム部22aの先端部に軸線回りに回転自在に且つ軸線方向に移動不能に保持されている。また、レンズ軸24は、左右に向けてアーム部22bの先端部を貫通すると共に、アーム部22bの先端部に軸線回りに回転自在に且つ軸線方向に移動調整可能に保持されている。この構造には周知の構造が採用されるので、その詳細な説明は省略する。
また、ベース13にはガイド部13fが一体に形成されていて、ガイド部13fにはネジ軸(送りネジ)15が螺着されている。そして、ベース駆動モータ14を作動させて、ベース駆動モータ14でネジ軸15を回転駆動することにより、ガイド部13fがネジ軸15の軸線方向に進退動され、ベース13がガイド部13fと一体に移動する様になっている。この際、ベース13が一対の平行ガイドバー19,20に案内されて軸線方向に沿って変位する。
[キャリッジ22]
上述した周壁11のガイドスリット11a1,11b1は、キャリッジ旋回軸21を中心に円弧状に形成されている。そして、ガイドスリット11a1、11b1には、キャリッジ22に保持させたレンズ軸23,24の互いに対向する端部が挿通されている。これによりレンズ軸23,24の対向端部は周壁11で囲まれた加工室4内に突出している。
また、側壁部11aの内壁面には図3(a)に示したように円弧状で断面ハット状のガイド板P1が取り付けられ、側壁部11bの内壁面には図7に示したように円弧状で断面ハット状のガイド板P2が取り付けられている。このガイド板P1,P2にはガイドスリット11a1,11b1に対応して円弧状に延びるガイドスリット11a2′,11b2′が形成されている。
そして、側壁部11aとガイド板P1との間にはガイドスリット11a1,11a2′を閉成するカバー板11a2が前後及び上下に移動可能に配設され、側壁部11bとガイド板P2との間にはガイドスリット11b1,11b2′を閉成するカバー板11b2が前後及び上下に移動可能に配設されている。また、レンズ軸23,24はカバー板11a2,11b2をそれぞれ摺動自在に貫通している。これによりカバー板11a2,11b2はレンズ軸23,24にそれぞれ軸線方向に相対移動可能に取り付けられている。
しかも、ガイド板P1にはガイドスリット11a1,11a2′の上下に位置してガイドスリット11a1,11a2′の上下縁に沿う円弧状のガイドレールGa,Gbが設けられ、ガイド板P2にはガイドスリット11b1,11b2′の上下に位置してガイドスリット11b1,11b2′の上下縁に沿う円弧状のガイドレールGc,Gdが設けられ、カバー板11a2はガイドレールGa,Gbに上下を案内されて円弧状に上下移動できる様になっている。カバー板11b2はガイドレールGc,Gdに上下を案内されて円弧状に上下移動できる様になっている。
キャリッジ22のレンズ軸23が円弧状のカバー板11a2を摺動自在に貫通して、レンズ軸23、側壁部11a1,ガイド板P1及びカバー板11a2の組み付け性を良くし、キャリッジ22のレンズ軸24が円弧状のカバー板11b2を摺動自在に貫通して、レンズ軸24、側壁部11b1,ガイド板P2及びカバー板11b2の組み付け性を良くしている。
また、カバー板11a2とレンズ軸23との間はシール部材Saを介してシールされていると共に、カバー板11a2はレンズ軸23にシール部材Sa,Saを介して保持されている。更に、カバー板11b2とレンズ軸24との間はシール部材Sbを介してシールされていると共に、カバー板11b2はレンズ軸24にシール部材Sb,Sbを介して軸線方向に相対移動可能に保持されている。これにより、レンズ軸23及び24がガイドスリット11a1,11a2′及び11b1,11b2′に沿って上下に円弧状に回動すると、カバー板11a2,11b2もレンズ軸23,24と一体に上下に移動できる。
尚、シール部材Saは、カバー板11a2に保持させるか、周縁部をカバー板11a2と側壁部11aとの間及びカバー板11a2とガイド板P1との間に配設するかして、レンズ軸23が軸線方向に移動したとき、レンズ軸23の軸線方向に移動しないようにしても良い。また、同様にシール部材Sbは、カバー板11b2に保持させるか、周縁部をカバー板11b2と側壁部11bとの間及びカバー板11b2とガイド板P2との間に配設するかして、レンズ軸24が軸線方向に移動したとき、レンズ軸24の軸線方向に移動しないようにしても良い。
なお、側壁部11a1とガイド板P1は円弧状のカバー板11a2と密着するように接近しており、側壁部11b1とガイド板P2は円弧状のカバー板11b2は密着するように接近している。
さらに、加工室4の内のガイド板P1,P2は、後側壁11c及び下底壁11e2の近傍まで延設して、上下端がフィーラ41の側方及び研削砥石35の上近傍あたりで切れるようにすることにより、ガイド板P1,P2の上下端を加工室4内に開放して、研削液が側壁部11a1,11b1の内面に沿って流れるようにすることにより、側壁部11a1とガイド板P1との間及び側壁部11b1とガイド板P2との間に研削液が溜まることがないようになっている。
キャリッジ22がキャリッジ旋回軸21を中心に上下回動して、レンズ軸23,24がガイドスリット11a1,11b1に沿って上下動したとき、カバー板11a2,11b2もレンズ軸23,24と一体に上下動して、ガイドスリット11a1,11b1がカバー板11a2,11b2で常時閉成された状態となっていて、周壁11内の研削液等が周壁11の外側に漏れないようになっている。尚、このレンズ軸23,24の上下動に伴い、眼鏡レンズMLが研削砥石35に対して接近・離反する。
尚、眼鏡レンズMLの生地レンズ等のレンズ軸23,24への装着時並びに研削加工終了後の離脱時には、レンズ軸23,24がガイド溝11aの中間位置に位置するように、キャリッジ22が上下方向の回動中心に位置決めされるようになっている。また、キャリッジ22は、コバ厚測定時及び研削加工時に眼鏡レンズMLの研削加工量に応じて上下回動制御されて傾斜させられる(レンズ軸23,24の回転駆動系16)。
レンズ軸23,24の回転駆動系16は、キャリッジ22に図示を省略した固定手段で固定されたレンズ軸駆動用モータ25と、キャリッジ22に回転自在に保持され且つレンズ軸駆動用モータ25の出力軸に連動する動力伝達軸(駆動軸)25aと、動力伝達軸25aの先端に設けられた駆動ギヤ26と、駆動ギヤ26に噛合し且つ一方のレンズ軸23に取り付けられた従動ギヤ26aを有する。図8では、駆動ギヤ26にウオームギヤを用い、従動ギヤ26aにウオームホイールを用いている。尚、駆動ギヤ26、従動ギヤ26aにはベベルギヤ(傘歯車)を用いることができる。
更に、回転駆動系16は、一方のレンズ軸23の外端部(レンズ軸24側とは反対側の端部)に固定されたプーリ27と、キャリッジ22に設けられた動力伝達機構28と、他方のレンズ軸24の外端部(レンズ軸23側とは反対側の端部)に回転自在に保持されたプーリ29とを備えている。このプーリ29は、レンズ軸24に対して軸線方向に相対移動可能に設けられていると共に、レンズ軸24が軸線方向に移動調整されたときに、軸線方向の位置が変化しないようにキャリッジ22に設けた図示しない移動規制部材等で移動規制されるようになっている。
動力伝達機構28は、伝達プーリ28a,28bと、伝達プーリ28a,28bが両端部に固定された伝達軸(動力伝達軸)28cを有する。この伝達軸28cは、レンズ軸23,24と平行に配設されていると共に、図示しない軸受でキャリッジ22に回転自在に保持されている。また、動力伝達機構28は、プーリ27と伝達プーリ28aとの間に掛け渡された駆動側ベルト28dと、プーリ29と伝達プーリ28bとの間に掛け渡された従動側ベルト28eとを備えている。
レンズ軸駆動用モータ25を作動させて動力伝達軸25aを回転させると、動力伝達軸25aの回転が駆動ギヤ26及び従動ギヤ26aを介してレンズ軸23に伝達されて、レンズ軸23及びプーリ27が一体に回転駆動される。一方、プーリ27の回転は、駆動側ベルト28d,伝達プーリ28a,伝達軸28c,伝達プーリ28b及び従動側ベルト28eを介してプーリ29に伝達され、プーリ29及びレンズ軸24が一体に回転駆動される。この際、レンズ軸24及びレンズ軸23はと同期して一体的に回転する様になっている。
(研削手段17)
研削手段17は、トレイ12に固定された砥石駆動モータ30と、砥石駆動モータ30の駆動がベルト31を介して伝達される伝達軸32と、伝達軸32の回転が伝達される砥石軸部33と、砥石軸部33に固定された研削砥石35を有する。尚、この研削砥石35は、符号を省略した粗研削砥石、ヤゲン砥石、仕上砥石等を有する。この粗研削砥石、ヤゲン砥石、仕上砥石は、軸線方向に並設されている。
また、研削手段17は、装置本体3に固定された回動アーム駆動モータ36と、この出力軸に固定されたウォームギヤ36aと、周壁11に回転自在に保持された筒軸状のウオーム37と、ウオーム37に一体的に固着された中空の回動アーム38と、図5(a)中、回動アーム38の自由端部に一端部が回転自在に保持され且つこの自由端部から右方に向けて突出する回転軸39と、回転軸39に固定された溝掘砥石40とを備えている。
研削手段17は、周壁11に取り付けられ且つ図示しない出力軸が筒状のウオーム軸39a内に挿通された駆動モータ39aと、回動アーム38内に配設されて駆動モータ39aの出力軸の回転を回転軸39に伝達する動力伝達機構を有する。
溝掘砥石40は、図3(a),図4に示したように眼鏡レンズMLの周縁部に面取加工を施す面取砥石40a,40bと、面取砥石40aに隣接して回転軸39に取り付けられた溝掘カッター40cを有する。また、回動アーム38には、図3(a)中、右方に延び円弧状カバー38aが取り付けられている。この円弧状カバー38aは、面取砥石40a,40b及び溝掘カッター40cの下方を覆っている。
図7乃至図8を参照すると、研削手段の他の実施形態が示されている。この実施形態においては、研削手段17は、小径のヤゲン砥石200とこの小径のヤゲン砥石を支持し、且つこの小径のヤゲン砥石200を眼鏡レンズに対して傾動させる回動アーム500とを有する。回動アームは、図7に示すように、側壁11aに揺動回転可能に取り付けられている。研削手段17は、又、小径のヤゲン砥石200を回転するための回転駆動手段と503と、回動アームを揺動させる揺動駆動手段504とを有している。
更に詳細に述べると、回動アーム500は、レンズ加工装置の加工室4内に配置され、図7に示すように、一側面をくり抜いて形成された空間505を有し、一端、即ち、基部506が円筒体507の一端に固定されている。この円筒体507は軸受け508、509を介して側壁11aおよび装置本体3内の壁510にそれぞれ回転自在に支持されている。
回転駆動手段503は、例えば、壁510に固定されたモータ511と、このモータの駆動を小径のヤゲン砥石200に伝えるための伝達手段とを有する。この伝達手段は、例えば、モータ511の駆動軸512に固定された駆動プーリ513と、この駆動プーリにベルト514を介して連結された従動プーリ515とを有する。
モータの駆動軸512は、円筒体507内を通って回動アーム500の空間505内に延び、軸受け516を介して円筒体507に回転自在に支持されている。駆動プーリ513は回動アームの空間505内に配置されて駆動軸512に固定されている。
従動プーリ515は、回動アーム500の他端、即ち、揺動端517に回転可能に支持された支持軸518に固定されている。この支持軸518は軸受け519によって回動アーム500に支持、即ち、回転可能に取り付けられている。この支持軸の一端には、上述の小径のヤゲン砥石200の他に眼鏡レンズを研削するための面取砥石や溝堀砥石等の砥石520が取り付けられている。ベルト514および従動プーリ515は回動アームの空間505内に配置されている。
尚、回動アーム500の空間505は、カバー527によって閉じられている。又、砥石520は、その一部が略半円形のカバー528によってカバーされている(図8参照)。
ここで、モータ511を回転すると、駆動プーリ513が回転され、ベルト514を介して従動プーリ515が回転され、支持軸518が回転されることになる。これによって砥石200、520が回転される。
揺動駆動手段504は、図示の形態では、図7に示すように、壁510に固定されたモータ531とこのモータの駆動を回動アームに伝える伝達手段とを有する。この伝達手段は、モータ531の駆動軸532に固定されたギヤ533とこのギヤに噛み合うギヤ534とから成っている。このギヤ534は円筒体507に固定されている。従って、モータ531を回転すると、ギヤ533、534を介して円筒体507が回転し、次いで、この円筒体に固定された回動アーム500が揺動する。これにより、砥石200、520を眼鏡レンズ203に対して接触させたり離反させたりすることができる。
<軸間距離調整手段43>
ところで、図1に示すように、レンズ軸23,24と砥石軸部33との間は軸間距離調整手段(軸間距離調整機構)43によって調整されるようになっている。
この軸間距離調整手段43は、軸線が砥石軸部33同一軸線上に位置する回転軸34を有する。この回転軸34は図8の支持突部13eのV溝上に回転自在に支持される。
また、軸間距離調整手段43は、回転軸34に保持させたベース盤56と、ベース盤56に取り付けられ且つ上面から斜め上方に延びる一対の平行なガイドレール57,57と、ガイドレール57と平行且つ回動可能にベース盤56に設けられたスクリュー軸(送りネジ)58と、ベース盤56の下面に設けられてスクリュー軸58を回転させるパルスモータ59と、スクリュー軸58が螺着され且つガイドレール57,57に上下動自在に保持された受台60(図2では他の部分の図示の便宜上図示省略)を有する。
更に、軸間距離調整手段43は、受台60の上方に配設され且つガイドレール57,57に上下動自在に保持されたレンズ軸ホルダー61と、ガイドレール57,57の上端を保持し且つスクリュー軸58の上端部を回転自在に保持する補強部材62を備えている。このレンズ軸ホルダー61は、キャリッジ22の自重と圧力調整機構45のスプリング54のバネ力により、常時下方に回動付勢されて受台60に押し付けられるようになっている。また、この受台60にはレンズ軸ホルダー61が当接したのを検出するセンサSが取り付けられている。
そして、パルスモータ59を正転又は逆転させてスクリュー軸58を正転又は逆転させることにより、受台60がスクリュー軸58によりガイドレール57,57に沿って上昇又は降下させられると、レンズ軸ホルダー61は受台60と一体に上昇又は降下させられる。これによりキャリッジ22がキャリッジ旋回軸21を中心にして回動する。
<コバ厚測定系18>
レンズ形状測定装置としてのコバ厚測定系(レンズコバ厚測定装置)18は、図3(a),図4 に示したように、加工室4の後縁上部に配設された測定子41と、レンズ軸23,24と平行に設けられ且つ一端が測定子41と一体に設けられた測定軸42aと、側壁11bの後縁側上部に近接させて加工室4の外側に配設された測定部(測定子移動量検出部)42を有する。この測定軸42aは側壁11bを貫通して加工室4の内外に突出している。
(測定子41)
測定子41は、図3(a),図4に示したように、フィーラー保持部材100を有すると共に、一対のフィーラー101,102を有する。フィーラー保持部材100は、左右に延びる連設部100aと、連設部100aの左右両端部に同方向に向けて突設した平行な対向片100b,10cを有する。また、フィーラー101,102は、円柱状に形成されていると共に、対向片100b,100cの先端部に対向して取り付けられている。
また、フィーラ保持部材100は、図4に示したように側壁11bを貫通して左右に延びる測定軸42aに取り付けられている。この測定軸42aは、側壁11bの外側に配設された測定部42に左右に移動可能に保持されている。そして、この測定部42は、測定軸42aを介してフィーラ保持部材100の左右への移動量を検出するようになっている。
(制御回路)
上述の操作パネル6,7(即ち、操作パネル6,7の各スイッチ)は、図9に示したように、CPUを有する演算制御回路(演算制御手段)80に接続されている。また、この演算制御回路80には、記憶手段としてのROM81、記憶手段としてのデータメモリ82、RAM83が接続されていると共に、補正値メモリ84が接続されている。
更に、演算制御回路80には、表示用ドライバ85を介して液晶表示器8が接続されていると共に、パルスモータドライバ(パルスモータ駆動回路)86が接続されている。このパルスモータドライバ86は、演算制御回路80により作動制御されて、研削加工部10の各種駆動モータ、即ち、ベース駆動モータ14,レンズ軸駆動用モータ25,回動アーム駆動モータ36,移動子変位用モータ48及びパルスモータ59等を作動制御(駆動制御)するようになっている。尚、ベース駆動モータ14,レンズ軸駆動用モータ25,回動アーム駆動モータ36,移動子変位用モータ48等にはパルスモータが用いられる。
更に、演算制御回路80には、モータドライバ(モータ駆動回路)86aを介して砥石駆動モータ30又は511が接続され、モータドライブ(モータ駆動回路)86bを介して砥石駆動モータ39aが接続されている。また、モータ駆動回路86bは、砥石駆動モータ39aに流れる電流を検出する電流検出回路(電流検出手段,電流検知手段)86b1を有する。この電流検出回路86b1からの検出電流は演算制御回路80に入力されるようになっている。
更に、演算制御回路80には、通信ポート88を介して図1のフレーム形状測定装置1が接続され、フレーム形状測定装置(玉型形状測定装置)1からのフレーム形状データ,レンズ形状データ等の玉型形状データが入力されるようになっている。
しかも、演算制御回路80には、測定部42からの移動量検出信号が入力される様になっている。
この演算制御回路80は、ベース駆動モータ14の駆動パルスやフレーム形状測定装置1からの玉型形状データ(θi,ρi)に基づいて作動制御されるレンズ軸駆動用モータ25,パルスモータ59等の駆動パルスと、測定部42からの移動量検出信号等から、玉型形状データ(θi,ρi)における眼鏡レンズMLの前側屈折面(図4中、眼鏡レンズの左側の面)の座標位置と後側屈折面(図4中、眼鏡レンズの右側の面)の座標位置をそれぞれ求めて、この求めた玉型形状データ(θi,ρi)における眼鏡レンズMLの前側屈折面の座標位置と後側屈折面の座標位置からコバ厚Wiを演算により求めるようになっている。
そして、演算制御回路80は、加工制御開始後に、フレーム形状測定装置1からのデータ読み込みや、データメモリ82の記憶領域m1〜m8に記憶されたデータの読み込みがある場合には、時分割による加工制御とデータの読み込みやレイアウト設定の制御を行う様になっている。
即ち、時間t1,t2間の期間をT1、時間t2,t3間の期間をT2、時間t3,t4間の期間をT3、・・・、時間tn−1,tn間の期間をTnとすると、期間T1,T3…Tnの間で囲う制御が行われ、データの読み込みやレイアウト設定の制御を期間T2,T4…Tn−1の間に行う。従って、被加工レンズの研削加工中に、次の複数の玉型形状データの読み込み記憶や、データの読み出しとレイアウト設定(調整)等を行うことができ、データ処理の作業効率を格段に向上させることができるようになっている。
また、上述のROM81にはレンズ研削加工装置2の動作制御のための種々のプログラムが記憶され、データメモリ82には複数のデータ記憶領域が設けられている。また、RAM83には、現在加工中の加工データを記憶する加工データ記憶領域83a、新たなデータを記憶する新データ記憶領域83b、フレームデータや加工済みデータ等を記憶するデータ記憶領域83cが設けられている。
尚、データメモリ82には、読み書き可能なFEEPROM(フラッシュEEPROM)を用いることもできるし、メインの電源がオフされても内容が消えないようにしたバックアップ電源使用のRAMを用いることもできる。
更に、この演算制御回路80は、砥石200、520を眼鏡レンズに対して、接近させたり、離反させたりする動作を制御する。
更に、演算制御回路80には、レンズ加工データメモリ,補正テーブルメモリ(補正データ用メモリ)、レンズ回転軸用の基準回転速度用メモリ、形状情報メモリ、軸間距離用のメモリ、ズレ角メモリが接続されている。
次に、上述した演算制御回路80の機能を作用と共に説明する。
(1).レンズ周縁加工用データ(玉型形状データ)の算出
(i).メガネレンズ形状測定
電源をオンさせた後、スイッチ を操作して、メガネフレーム(眼鏡フレーム)Fのレンズ枠形状(レンズ枠に枠入れされるメガネレンズのレンズ形状)又はリムレスフレームの玉板(又は型板)の形状(メガネレンズ形状)等のメガネレンズ形状測定モードにする。一方、メガネフレームF又は玉型を所定位置にセットして、測定開始スイッチを押して測定を開始させる。
これにより、演算制御部80は、ドライブコントローラを作動制御して、パルス発生器から駆動パルスを発生させることにより、このパルスでパルスモータを作動させて回転アームを回転させる。これにより、フィーラが眼鏡フレームF(眼鏡枠)のレンズ枠RFまたはLFの内周に沿って移動させられる。
この際、上述したフィーラ101、102の移動量はエンコーダで検出され動径長ρnとしてフレームデータメモリ(メガネレンズ形状データメモリ)に入力され、パルス発生器からパルスモータに供給されたと同じパルスが回転アームの回転角すなわち動径角nΔθとしてフレームデータメモリに入力される。しかも、この動径ρnと動径角nΔθは、メガネレンズ形状データ(ρn,nΔθ)[ここでn=0,1,2,3………j]としてフレームメモリに記憶される様になっている。本実施例では、iを1,000として、回転角度Δθを一回転の1000分の1(360゜/1,000)の0.36゜としている。
(ii).ズレ角dθnの算出
演算制御回路80は、メガネレンズ(眼鏡レンズ)形状測定部461測定されたレンズ周縁加工のための極座標形式のメガネレンズ形状データ(ρn,nΔθ)と研削砥石の曲率半径Rとから、回転角nΔθの動径ρnにおける仮想加工点と回転角nΔθにおける被加工レンズの研削砥石への実際の当接加工点とのズレ角dθnを所定のフローに従って求める。
ステップ1:フレーム形状測定手段としてのフレーム形状測定部(フレーム形状測定装置)46によりフレームのレンズ枠Fまたはそれから倣い加工された型板、或はリムレスフレームのレンズモデル(玉型)のメガネレンズ形状すなわち動径情報(ρn,nΔθ)(n=1,2,3,…N)を求め、この情報をフレームデータメモリ83に記憶する。
ステップ2:フレームデータメモリ83からの動径情報(ρn,nΔθ)をもとに、その情報の中で最大の動径長ρ0をもつ動径情報(ρ0,0Δθ)を求める。ステップ3:最大動径情報(ρ0,0Δθ)を動径を加工するときのレンズ回転軸16,17の軸O2と、研削砥石6の回転軸O1との軸間距離をとする(図7参照)。
ここで、L0は既知の砥石半径Rと動径長ρ0とからL0=ρ0+Rとして求められる。さらに、加工情報(L0,ρ0,0Δθ)をメモリ108へ入力し記憶させる。
ステップ4:次にレンズLEを単位回転角Δθ回転したとき、最大動径長ρ0の動径が研削砥石6と接する加工点F0における軸間距離L1を求める。ここでL1は、


として求められる。
ステップ5:最大動径ρ0が加工点F0に位置する状態で、フレームデータメモリ102の動径情報(ρn,nΔθ)に基づいて、最大動径から、予め定めたI番目までの動径情報(ρ1,1Δθ)、(ρ2,2Δθ)、…(ρi,iΔθ)、…(ρI,IΔθ)の仮想加工点F1、F2、…Fi、…FIを求め、さらに、それぞれの加工点を加工するための仮想砥石半径R1、R2、…Ri、…RIを求める。
ステップ6:実際の研削砥石6の半径Rと、上記ステップ5により求められた半径Ri(i=1、2、3、…I)とを比較する。R≦Riであれば、加工点F0において最大動径(ρ0,0Δθ)1基づくレンズ研削をしても、他の動径の仮想加工点Fi(i=1、2、3、…i、…I)と研削砥石6との接触はないので、ズレ角dθiは生じることはなく、「砥石の干渉」は発生しないと判定され、このときの加工情報(L1,ρ1,1Δθ)をステップ10においてメモリ108へ入力して記憶させ、その後ステップ11へ移行する。また、R>Riであれば、ステップ7へ進む。
ステップ7:ステップ6でR>Riと判定されたときは、仮想加工点Fiで「砥石の干渉」によるズレ角dθiが発生する。この場合は、仮想(干渉)加工点Fiを半径Rの砥石で加工するための軸間距離L1(Fi)を、


から求める(図10参照)。
ステップ8:ステップ7で求められた軸間距離L1(Fi)で加工される加工点Fiを基準として、ステップ5と同様予め定めた。I番目までの動径についてそれぞれの仮想加工点を求め、それぞれの仮想砥石Ri(Fi)を求める。
ステップ9:ステップ6と同様に、軸間距離L1(Fi)の場合の砥石半径Rと、ステップ8の仮想砥石半径Ri(Fi)とを比較する。R≦Ri(Fi)であれば、ステップ10へ移行する。R>Ri(Fi)であれば、この新たな干渉点“ζ”における軸間距離を求めるべくステップ7へ戻る。
ステップ10:ステップ9で、R≦Ri(Fi)となったとき、加工情報 (L1(Fi),ρ1,1Δθ)をメモリ108へ入力し、これを記憶させる。
ステップ11:上記のステップ3ないしステップ10により、(ρ1,1Δθ)の動径情報について「砥石の干渉」が発生するか否かを調べ、発生すると判断された場合にはこれを発生させない加工情報(L1,ρ1,1Δθ)または(L1(Fi),ρ1,1Δθ)がえられたことになる。続いて、次の動径(ρ2,2Δθ)についてもステップ3ないしステップ10を実行し、さらに残りの全動径についてもこれらのステップを実行する。
ステップ12:nΔθ=360°すなわち全動径情報について上述のような「砥石の干渉」によるズレ角dθn(n=0,1,2,3,…i,…I)が発生するか否かを調べ、かつ発生すると判断された場合にはこれを発生させない加工情報(Ln,ρn,nΔθ)が得られたか否かを判定する。この様にして求められた加工情報(Ln,ρn,nΔθ)はメモリ108に記憶される。
また、演算制御回路80は、この様にして加工情報(Ln,ρn,nΔθ)を求める際に、ズレ角dθnを求め、求めたズレ角dθnをズレ角メモリに加工情報(Ln,dθn,ρn,nΔθ)として記憶させる。
求められたズレ角dθn を基にして通常のV溝ヤゲン砥石によるヤゲン加工から小径のヤゲン砥石によるヤゲン加工に切り換える。この切り換えは、操作パネル6か、液晶表示器8にヤゲン砥石切り換えスイッチ(ヤゲン加工選択スイッチ)等を設けるか、又は自動的にヤゲン砥石を切り換えるようにしてもよい。
(2).実際の軸間距離 Ln′
(i).軸間距離
通常のρL(動径ρ−軸間距離L)変換方法では、図10,図11に示したように角度θi=nΔθに対する動径ρnのときの研削砥石6と被加工レンズLEとの軸間距離Lnを演算により求めているが、ズレ角dθnがある場合に研削砥石6と被加工レンズLEとの接触位置が角度θi=nΔθからズレ角dθnだけずれて、接触位置の動径がρjになる。この場合、角度nΔθにおける演算上の軸間距離Lnは、実際の軸間距離Li′に対してΔL分だけ誤差が生ずる。この際の接触角τnにおける動径をρnとすると、角度nΔθにおいてズレ角dθnがある場合、被加工レンズLEを研削砥石6で加工すべき実際の軸間距離Ln′は、
Ln′=Ln+ΔL
として求められる。
このようにして求められた実際の軸間距離Ln′に基づいて、ヤゲン加工時に通常のV溝ヤゲン加工研削砥石に代えて、回動アーム500に設置された小径のヤゲン研削砥石200を用いる。
上述した演算制御回路80は、小径のヤゲン研削砥石200を被加工レンズLEを加工すべき実際の軸間距離Ln′(=Ln+ΔL)の位置に配置するように回動アーム500を駆動制御する。
(作用)
次に、上述の如き構成を有する眼鏡レンズ研削加工装置の作用を説明する。
<レンズ形状データの読み込み>
スタート待機状態からメイン電源がオンされると、演算制御回路80はフレーム形状測定装置1からデータ読み込みがあるか否かを判断する。
即ち、演算制御回路80は、操作パネル6の『データ要求』スイッチ7cが押されたか否かが判断される。そして、『データ要求』スイッチ7cが押されてデータ要求があれば、フレーム形状測定装置1からレンズ形状情報(θ2,ρi)のデータをRAM83のデータ読み込み領域83bに読み込む。この読み込まれたデータは、データメモリ82の記憶領域m1〜m8のいずれかに記憶(記録)されると共に、レイアウト画面が液晶表示器8に表示される。
(加工データの算出)
次に、演算制御回路80は、測定部42を作動制御して、フィーラー101を眼鏡レンズ(被加工レンズ)MLの前側屈折面に当接(接触)させると共に、玉型形状データ(θi,ρi)に基づいてレンズ軸駆動用モータ25及びパルスモータ59を作動制御することにより、フィーラー101と眼鏡レンズMLの前側屈折面とを玉型形状データ(θi,ρi)に基づいて相対的に接触移動させる。この際、フィーラー101は前側屈折面の湾曲に従って左右に移動させられ、この左右への移動量が測定軸42aを介して測定部42により測定される。この測定部42からの測定信号は演算制御回路80に入力され、演算制御回路80は測定部42からの測定信号に基づいて玉型形状データ(θi,ρi)における眼鏡レンズMLの前側屈折面の座標位置を求める。
同様に演算制御回路80は、測定部42を作動制御して、フィーラー102を眼鏡レンズ(被加工レンズ)MLの前側屈折面に当接(接触)させると共に、玉型形状データ(θi,ρi)に基づいてレンズ軸駆動用モータ25及びパルスモータ59を作動制御することにより、フィーラー102と眼鏡レンズMLの後側屈折面とを玉型形状データ(θi,ρi)に基づいて相対的に接触移動させる。
この際、フィーラー101は後側屈折面の湾曲に従って左右に移動させられ、この左右への移動量が測定軸42aを介して測定部42により測定される。この測定部42からの測定信号は演算制御回路80に入力され、演算制御回路80は測定部42からの測定信号に基づいて玉型形状データ(θi,ρi)における眼鏡レンズMLの後側屈折面の座標位置を求める。
この様な前側屈折面の座標位置や後側屈折面の座標位置を求めることによる具体的な方法は、特願2001−30279号に開示のものが採用できるので、その詳細な説明は省略する。
そして、この求めた玉型形状データ(θi,ρi)における眼鏡レンズMLの前側屈折面の座標位置と後側屈折面の座標位置からコバ厚Wiを演算により求める。また、演算制御回路80は、例えば特開平11−42543号公報等に記載された適正ヤゲンカーブ設定装置等を設けることができ、玉型形状デ−タ(θi,ρi)から選択された少なくとも任意の2箇所のコバ厚データWiと、選択した玉型形状データ(θi,ρi)、選択されたコバ厚データWiの各々の組み合わせから予め定められた、異なるコバ分割比率で各々分割するヤゲン頂点位置を求め、眼鏡レンズのヤゲンカーブを求めることができる。通常、ヤゲンカーブは、3〜5の範囲のカーブが設定でき、見栄え良く眼鏡フレームに枠入れできるが、小形の横長でカニ目状の玉型形状をした眼鏡フレームの場合では、カーブを6以上に設定する必要が生じ、通常のV溝ヤゲン砥石ではうまくヤゲン加工できないことが生じる。
そこで、眼鏡レンズのヤゲンカーブを6以上に求めた場合には、通常のV溝ヤゲン砥石によるヤゲン加工から小径のヤゲン砥石によるヤゲン加工に切り換えるように、演算制御回路80は、ヤゲンカーブの大小により、スイッチ等により選択的にヤゲン砥石を切り換えるか、もしくは自動的にヤゲン砥石を切り換えることができる。
この後、演算制御回路80は、眼鏡レンズの処方箋に基づく瞳孔間距離PDやフレーム幾何学中心間距離FPD等のデータ、上寄せ量等から、レンズ形状データ(θi,ρi)に対応する眼鏡レンズMLの加工データ(θi′,ρi′)を求めて、加工データ記憶領域83aに記憶させる。
(研削加工)
この後、演算制御回路80は、モータドライバ86aにより砥石駆動モータ30又は511を作動制御して、研削砥石35、又は200、520を図6中、時計回り方向に回転駆動制御する。この研削砥石35は、上述したように粗研削砥石(平砥石),ヤゲン砥石,仕上砥石等を有する。
一方、演算制御回路80は、加工データ記憶領域83aに記憶させた加工データ(θi′,ρi′)に基づいて、パルスモータドライバ86を介してレンズ軸駆動モータ25を駆動制御し、レンズ回転軸23,24及び眼鏡レンズMLを図6中半時計回り方向に回転制御する。
この際、演算制御回路80は、加工データ記憶領域83aに記憶させた加工データ(θi′,ρi′)に基づいて、まずi=0の位置でパルスモータドライバ86を作動制御することによりパルスモータ59を駆動制御して、スクリュー軸58を逆転させ、受台60を所定量ずつ降下させる。この受台60の降下に伴い、レンズ軸ホルダー61がキャリッジ22の自重及び加工圧調整機構の調整の下に受台60と一体に降下する。
この降下に伴って未加工で円形の眼鏡レンズMLが研削砥石35の研削面35aに当接した後は、受台60のみが降下させられる。この降下により受台60がレンズ軸ホルダー61から下方に離反すると、この離反したことがセンサSにより検出され、このセンサSからの検出信号が演算制御回路80に入力される。この演算制御回路80は、センサSからの検出信号を受けた後、更にパルスモータ59を駆動制御して、受台60を所定量だけ微小に降下させる。
これにより、加工データ(θi′,ρi′)のi=0において、研削砥石35が眼鏡レンズMLを所定量研削する。この研削に伴いレンズ軸ホルダー61が降下して受台60に当接すると、センサSがこれを検出して検出信号を出力し、この検出信号が演算制御回路80に入力される。
この演算制御回路80は、この検出信号を受けると、加工データ(θi′,ρi′)のi=1において、i=0におけるようにして、眼鏡レンズMLを研削砥石により研削加工させる。そして、演算制御回路80は、この様な制御をi=n(360°)行って、加工データ(θi′,ρi′)の角度θi′毎に動径ρi′となるように眼鏡レンズMLの周縁を研削砥石の符号を省略した粗研削砥石により研削加工する。
このような研削に際して、演算制御回路80は、研削液供給装置から研削液が吐出される。
<ヤゲン加工>
そして、演算制御回路80は、眼鏡レンズMLをメガネフレームのレンズ枠に枠入れするために研削加工する場合、上述の研削と略同様にして、研削砥石の符号を省略したヤゲン砥石で、加工データ(θi′,ρi′)の形状に粗研削された眼鏡レンズMLの周縁部に、ヤゲン加工をする。尚、加工データ(θi′,ρi′)は、レンズ軸23,24の回転角θi′(i=0,1,2,・・・n)における加工動径ρi′を示す。また、演算制御回路80は、求められたズレ角dθnを基にして自動的に通常のV溝ヤゲン砥石によるヤゲン加工から小径のヤゲン砥石によるヤゲン加工に切り換える。あるいは、演算制御回路80は、ヤゲン砥石切り換えスイッチ(ヤゲン加工選択スイッチ)等の信号を受けて、通常のV溝ヤゲン砥石によるヤゲン加工から小径のヤゲン砥石によるヤゲン加工に切り換える。
さらに、眼鏡レンズのヤゲンカーブを6以上に求めた場合には、通常のV溝ヤゲン砥石によるヤゲン加工から小径のヤゲン砥石によるヤゲン加工に切り換えるように、演算制御回路80はヤゲンカーブの大小により、スイッチ等により選択的にヤゲン砥石を切り換えるか、もしくは自動的にヤゲン砥石を切り換えることができる。
<溝掘加工>
また、眼鏡レンズMLをリムレスフレームのワイヤで保持するために研削加工する場合には、加工データ(θi′,ρi′)に基づいて玉型形状に研削加工された眼鏡レンズMLの周面に次の様にして溝掘加工を行う。
すなわち、演算制御回路80は、パルスモータドライバ86を介して回動アーム駆動モータ36を駆動制御することにより、この回動アーム駆動モータ36の回転をウオームギヤ36a及びウオーム37を介して回動アーム38に伝達させ、回動アーム38を上方(レンズ軸23,24側)に回動させると共に、レンズ軸駆動用モータ25及びパルスモータ59を作動制御して、レンズ軸23,24及び眼鏡レンズMLを降下させる。
ここで、回動アーム38に保持された回転軸39の上下方向の初期位置のデータと、レンズ軸23,24の初期位置から初期位置におけるレンズ軸23,24と回転軸39の軸間距離のデータは分かっており、加工データ(θi′,ρi′)のうちの初期位置(i=0)のレンズ軸23,24の回転角θ0′における加工動径ρ0′のデータと回転軸39に取り付けられた溝掘カッター40cの半径または直径のデータが分かっている。
従って、演算制御回路80は、これらの既知のデータを基に回動アーム駆動モータ36を作動制御することにより、回動アーム38を上方に回動させて回転軸39を上昇させる一方、パルスモータ59を上述の既知のデータを基にレンズ軸ホルダー61を降下させて、レンズ軸23,24及び眼鏡レンズMLを降下させて、加工データ(θi′,ρi′)のうちの初期位置(i=0)の加工データ(θ0′,ρ0′)の加工初期位置で、溝掘カッター(溝掘砥石)40cを眼鏡レンズMLの周面に当接させる。そして、演算制御回路80は、溝掘カッター(溝掘砥石)40cが眼鏡レンズMLの周面に当接したのを、センサSからの検出信号に基づいて検出して、モータ36,59の作動を停止させる。
次に、演算制御回路80は、パルスモータ59を作動制御して眼鏡レンズMLを溝掘カッター40cから若干上方に離反させた後、モータドライバ86bを介して砥石駆動モータ39aを回転駆動させ、溝掘カッター40cを回転させる。尚、砥石駆動モータ39aの回転は、図示しない回転伝達機構を介して回転軸39に伝達されて、回転軸39及び面取砥石40a,40b,溝掘カッター40cを一体に回転させる。
これと同時に演算制御回路80は、レンズ軸23,24の回転角θi′における加工動径ρiから溝深さaを差し引いた加工データ(θi′,ρi′−a)及び微小研削加工量Δa(Δa<<a)に基づいて、最終的な加工動径(ρi′−a)の溝が眼鏡レンズMLの周面に形成されるまでモータ25,59を作動制御する。すなわち、演算制御回路80は、回転角θi′に基づいてレンズ軸駆動用モータ25を作動制御し、レンズ軸23,24を回転角θi′毎に回転制御すると共に、回転角θi′毎に研削加工量Δaに基づいてパルスモータ59を作動制御して、この回転角θi′毎にレンズ軸23,24及び眼鏡レンズMLを降下させ、溝掘カッター40cにより眼鏡レンズMLの周面に周方向に延びる溝を溝深さaになるまでΔaずつ研削加工(切削加工)させる。
このような溝掘カッター40cの回転と眼鏡レンズMLの昇降制御により、周方向に向けて延び且つ溝深さaの溝を眼鏡レンズMLの周面に形成させる。
ところで、上述のようにして演算制御回路80は、レンズ軸駆動用モータ25の回転角θi′におけるパルスモータ59の作動制御により、眼鏡レンズMLの周面に形成される溝の研削深さが溝深さaになるまで、眼鏡レンズMLの周面に形成される溝の研削深さを研削加工量Δaに基づいて少しずつ深くさせている。
このような溝掘加工の研削に際して、演算制御回路80は、パルスモータ59を作動制御させて、眼鏡レンズMLを回転角θi′に応じて溝掘カッター40cに対して小刻みに昇降駆動させる。このため、眼鏡レンズMLの溝掘カッター40cに対する接触状態が小刻みに変化して、眼鏡レンズMLに対する溝掘カッター40cの研削圧力が小刻みに変動し、溝掘カッター40cによる眼鏡レンズMLの周面の切削量が変動する。
このように眼鏡レンズMLに対する溝掘カッター40cの研削圧力が小刻みに変動すると、この変動が溝掘カッター40c,回転軸39及び図示しない動力伝達機構を介して駆動モータ39aに伝達され、この変動する研削圧力が駆動モータ39aに負荷として作用して駆動モータ39aの回転速度を変動させる。この回転速度の変動は、駆動モータ39aに流れる駆動電流を変動させる。この通電制御は、電流検出回路86b1を有するモータドライバ86bにより行われていて、電流検出回路86b1はモータドライバ86bによる駆動モータ39aの駆動電流を検出している。そして、この電流検出回路86b1は、検出電流値を電流検知信号として演算制御回路80に入力している。
そして、演算制御回路80は、上述した研削圧力の変動により小さな駆動部である駆動モータ39aに大きな負荷が掛かる(一時的に研削除去量が増加する)時には、レンズ軸23,24の駆動モータ25の作動を停止させて、駆動モータ39aに一定以上に負荷が掛かるのを防ぐ様にしている。すなわち、演算制御回路80は、駆動モータ39aの回転速度が研削圧力のために所定値以下(限界値)に低下したのを、電流検出回路86b1からの検出電流値の変化から検出して、検出電流値が所定値以上になったときに、駆動モータ39aが停止する直前の限界値(モータが停止しない値)になったと判断して、駆動モータ25,59の作動を停止させてレンズ軸23,24及び眼鏡レンズMLの回転を一旦停止させる。そして、演算制御回路80は、駆動モータ39aの駆動電流の値を電流検出値により監視して、電流検出値が所定値以下になったとき、駆動モータ(駆動部)39aの駆動電流が十分に下がったと判断して、再度通常の溝掘加工をするためにモータ25,59等の駆動制御をさせる。
この様にして演算制御回路80は、駆動モータ(駆動部)39aの電流検知信号(検出電流値)をあたかも仕上げ加工スイッチのように働かせる。そして、演算制御回路80は、電流検知信号である検出電流値が通常の値であって且つこの電流検知信号に変動がなくなった状態を仕上げ完了状態と判断する一方、電流検出値に変動が有る状態を仕上げ未完量状態と扱い、通常加工と同様に歩進動作をさせる。
また、演算制御回路80は、電流検出値に変動がある場合にはその時間を測定する。そして、演算制御回路80は、電流検出値に変動があって且つその電流検出値が駆動モータ39aに負荷を与えて停止させたときの駆動モータ39aに流れる過大電流値の値またはこの値と略同じ範囲になったとき、一定の時間以上駆動モータ39aが過負荷により停止していて、異常事態が発生していると判定し、モータ25,39a,59の動作を停止させる。これにより、駆動モータ39aに過電流が流れ続けるような危険を避ける事も出来る。このような手法で駆動モータ25,39a,59を制御する事により、駆動モータ39aを小さな回転トルクの駆動部としても、溝掘カッター40cへの研削圧力の変動に伴う駆動モータ39aへの負荷変動に対応できるシステム(機構)を完成させることが出来、省エネルギーで無駄の無いまた安全性の高いシステム(装置)として完成できる。
なお、電流が大きくなると負荷が大きいと判断して、一旦レンズ軸回転を停止させているが、現状では、上記制御では不十分であることから、停止させるだけではなく、レンズ軸を砥石から離れる方向に逃げて、電流制限が無くなるように制御し、その後再び近づけるように制御してもよい。また、さらにレンズ軸を砥石から一定量離しても電流制限に掛かる時には、異常と認識し、加工を中断するようにしてもよい。これは溝掘加工に限らず、面取加工においても同様である。
また、上述したようにしてヤゲンが形成された眼鏡レンズMLまたはリムレスフレームのワイヤで保持するための溝が周面に形成された眼鏡レンズMLのコバ端(周面の側部)に面取を行う場合にも、眼鏡レンズMLに対する面取砥石40aまたは40bの研削圧力が溝掘加工の場合と同様に変動する。従って、この場合にも、上述した溝掘加工と同様に駆動モータ39aの駆動電流を検出して駆動モータ25,39a,59等を駆動制御する様にすることで、駆動モータ39aを小さな回転トルクの駆動部としても、溝掘カッター40cへの研削圧力の変動に伴う駆動モータ39aへの負荷変動に対応できるシステム(機構)を完成させることが出来、省エネルギーで無駄の無いまた安全性の高いシステム(装置)として完成できる。
更に、研削用砥石を眼鏡レンズに対して接近したり離反したりするように傾動することができ、従って、特に、小径のヤゲン砥石を、あらゆる寸法の眼鏡レンズの研削用として適用することができる。
本発明に係る眼鏡レンズ研削加工装置とフレーム形状測定装置との関係を示す説明図である。 本発明に係る眼鏡レンズ研削加工装置を示し、(A)は第1の操作パネルの拡大説明図、(B)は液晶表示器の正面図である。 本発明に係る眼鏡レンズ研削加工装置を示し、(a)は加工室内の加工主要部の斜視図、(b)は(a)のカバー板部の断面図である。 図3の構成を含む駆動系の斜視図である。 図4のレンズ軸を保持するキャリッジ及びそのベース等を後方からみた斜視図である。 図4の加工圧調整機構及び軸間距離調整機構を示す側面図である。 本発明に係る眼鏡レンズ研削加工装置における研削手段の他の実施形態を示す一部断面した要部の正面図である。 図7に示す実施形態における研削手段の位置関係を示す斜視図である。 本発明に係る眼鏡レンズ研削加工装置における制御手段の構成図である。 被加工レンズレンズと砥石との関係を示す説明図である。 図10の全体を示す被加工レンズレンズと砥石との関係を示す説明図である。
符号の説明
23,24 レンズ軸(レンズ回転軸)
25 レンズ軸駆動用モータ
39a 砥石駆動モータ
40a,40b 面取砥石
40c 溝掘砥石
43 軸間距離調整手段
80 演算制御回路(制御手段)
86b1 電流検出回路(電流検知手段)
ML 眼鏡レンズ
200 小径のヤゲン砥石
500 回動アーム
503 回転駆動手段
504 搖動駆動手段
518 支持軸

Claims (3)

  1. レンズ回転軸に保持された眼鏡レンズの周縁部を、枠入れする眼鏡フレームのレンズ枠又は該レンズ枠に倣った型板の玉型形状に基づき、粗加工後、砥石により加工する眼鏡レンズ研削加工装置において、回動アームと、該回動アームに回転可能に取付けられ、眼鏡レンズを研削する前記砥石を支持する支持軸と、前記支持軸を回転する回転駆動手段と、前記砥石を前記眼鏡レンズに接近させたり離反させたりするように前記回動アームを搖動させる搖動駆動手段とを備え、前記揺動駆動手段は、モータと、前記回動アームに接続された回転可能な円筒体と、前記モータの駆動を前記円筒体に伝達する伝達手段とを有し、前記回転駆動手段は、駆動軸を有するモータと、前記駆動軸を前記支持軸に接続させる伝達手段とを有し、該回転駆動手段の伝達手段は、前記回動アーム内に配置され、前記回転駆動手段のモータの駆動軸は、前記揺動駆動手段の円筒体内に延びて前記支持軸に接続され前記回動アーム内に配置された伝達手段に接続されていることを特徴とする眼鏡レンズ研削加工装置。
  2. 前記回転駆動手段の伝達手段は、前記モータの駆動軸に接続された駆動プーリと前記支持軸に接続された従動プーリと前記駆動プーリと従動プーリとに掛け渡されたベルトとを有することを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズ研削加工装置。
  3. 前記搖動駆動手段の伝達手段は、前記モータに接続されたギヤと、前記回動アームに接続された円筒体上に設けられ且つ前記ギヤに噛み合うギヤとを有することを特徴とする請求項1記載の眼鏡レンズ研削加工装置。
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