JP4785141B2 - 溶融塩浴、この溶融塩浴を用いて得られた析出物、金属製品の製造方法および金属製品 - Google Patents

溶融塩浴、この溶融塩浴を用いて得られた析出物、金属製品の製造方法および金属製品 Download PDF

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Description

本発明は溶融塩浴、この溶融塩浴を用いて得られた析出物、金属製品の製造方法およびに金属製品関する。
従来より、電鋳による金属製品の製造や基材のコーティングを行なう場合には、電解により金属を浴中から析出させる技術が利用されている。特に、近年、情報通信、医療、バイオまたは自動車などの様々な分野において、小型、高機能および省エネルギ性に優れた微細な金属製品の製造を可能とするMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が注目されており、電解によって金属を析出させる技術を利用してMEMSに適用される微細な金属製品を製造したり、微細な金属製品の表面をコーティングすることが考えられている。
他方、周期表の第IVA族〜第VIA族、第4〜第6周期のタングステンやモリブデンなどの金属(リフラクトリーメタル)は耐熱性および耐腐食性に優れているため、これらの金属を上記の微細な金属製品に用いた場合には耐熱性および耐久性に優れた微細な金属製品を製造することができる。
P.M.COPHAM, D.J.FRAY, "Selecting an optimum electrolyte for zinc chloride electrolysis", JOURNAL OF APPLIED ELECTROCHEMISTRY 21(1991), p.158−165 M.Masuda, H.Takenishi, and A.Katagiri, "Electrodeposition of Tungsten and Related Voltammetric Study in a Basic ZnCl2−NaCl(40−60mol%)Melt", Journal of The Electrochemical Society, 148(1), 2001, p.C59−C64 片桐 晃, 「ZnCl2−NaClおよびZnBr2−NaBr溶融塩におけるタングステンの電析」, 溶融塩および高温化学, Vol.37, No.1, 1994, p.23−38 Nikonova I.N., Pavlenko S.P., Bergman A.G., "Polytherm of the ternary system NaCl−KCl−ZnCl2", Bull. acad. sci. U.R.S.S., Classe sci. chim.(1941), p.391−400
しかしながら、ニッケルや銅などの金属は、水に溶解させた後に電解することによって析出させることが可能であるが、リフラクトリーメタルは水溶液を用いた電解によって析出させることができないという問題があった。
そこで、たとえば亜鉛の塩化物または臭化物と、ナトリウムの塩化物または臭化物と、リフラクトリーメタルの化合物とを溶融させた溶融塩浴を用いて電解によりリフラクトリーメタルを析出させることが行なわれているが、その析出物は純度、密度および緻密性が低く、また析出物の表面も粗いものとなっていた。
本発明の目的は、高純度、高密度および高緻密性であって表面の平滑なリフラクトリーメタルの析出物を得ることができる溶融塩浴、その溶融塩浴を用いて得られた析出物、金属製品の製造方法および金属製品を提供することにある。
本発明は、リフラクトリーメタルの電解析出に使用される溶融塩浴であって、塩素と臭素とヨウ素とからなる群から選択された少なくとも1種と、亜鉛と、少なくとも2種のアルカリ金属と、フッ素と、を含有する、溶融塩浴である。
ここで、本発明の溶融塩浴は、酸素を含有し得る。
また、本発明の溶融塩浴は、タングステン、クロム、モリブデン、タンタル、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ハフニウムおよびニオブからなる群から選択された少なくとも1種を含有し得る。
また、本発明の溶融塩浴は、アルカリ金属としてナトリウムとカリウムとセシウムとからなる群から選択された少なくとも2種と、塩素および臭素の少なくとも1種と、亜鉛と、フッ素とからなり得る。
また、本発明の溶融塩浴においては、亜鉛の含有量が溶融塩浴全体の14原子%以上30原子%以下であることが好ましい。
また、本発明の溶融塩浴においては、亜鉛の含有量が溶融塩浴全体の17原子%以上25原子%以下であることが好ましい。
また、本発明の溶融塩浴においては、フッ素の含有量が溶融塩浴全体の0.1原子%以上20原子%以下であることが好ましい。
また、本発明は、リフラクトリーメタルからなる析出物であって、上記のいずれかに記載の溶融塩浴を用いて得られた析出物である。ここで、本発明の析出物は、溶融塩浴が酸素を0.01原子%以上含有する状態で析出したことが好ましい。
また、本発明の析出物の表面の算術平均粗さRa(JIS B0601−1994)は3μm以下であることが好ましい。
また、本発明の析出物の相対密度は85%以上であることが好ましい。
さらに、本発明は、リフラクトリーメタルからなる金属製品を製造する方法であって、導電性基板上にレジストパターンを形成して導電性基板の一部を露出させる工程と、レジストパターンが形成された導電性基板を上記のいずれかに記載の溶融塩浴に浸漬させる工程と、導電性基板の露出している部分に溶融塩浴中から金属を析出させる工程とを含む金属製品の製造方法である。ここで、本発明の金属製品の製造方法において、溶融塩浴の温度は250℃以下であり得る。
また、本発明は、リフラクトリーメタルからなる金属製品であって、上記の金属製品の製造方法を用いて製造された、金属製品である。
本発明によれば、高純度、高密度および高緻密性であって表面の平滑なリフラクトリーメタルの析出物を得ることができる溶融塩浴、その溶融塩浴を用いて得られた析出物、金属製品の製造方法および金属製品を提供することができる。
本発明の溶融塩浴を用いて析出物を得る方法の一例を図解した模式的な構成図である。
本発明は、塩素と臭素とヨウ素とからなる群から選択された少なくとも1種と、亜鉛と、少なくとも2種のアルカリ金属と、フッ素と、を含有する溶融塩浴である。ここで、本発明の溶融塩浴中には、アルカリ金属として、リチウム、ナトリウム、カリウムおよびセシウムのうち少なくとも2種が含有される。また、本発明の溶融塩浴を構成する、塩素と臭素とヨウ素とからなる群から選択された少なくとも1種、亜鉛、少なくとも2種のアルカリ金属およびフッ素などの溶融塩浴中における形態は特に限定されず、たとえばこれらの成分は溶融塩浴中においてイオンとして存在したり、錯体を構成した状態で存在し得る。また、本発明の溶融塩浴を構成する上記の成分は、本発明の溶融塩浴を水に溶解させた試料についてICP分光分析(inductively coupled plasma spectrometry)を行なうことによって検出することができる。
また、本発明の溶融塩浴には、上記の構成成分に加えて、酸素が含有されていてもよい。本発明の溶融塩浴が酸素を含有している場合には、さらに高純度、高密度および高緻密性であって表面のより平滑な析出物を得ることができる傾向にある。また、本発明の溶融塩浴中の酸素の形態も特に限定されず、たとえばイオンとして存在したり、錯体を構成した状態または酸化物の状態で存在していてもよい。
なお、本発明の溶融塩浴中の酸素の存在は、本発明の溶融塩浴について不活性ガス融解赤外吸収法を用いることによって確認することができる。ここで、不活性ガス融解赤外吸収法は、たとえば以下のようにして行なわれる。まず、ヘリウムガス雰囲気中においてカーボン坩堝に溶融塩浴を収容し、カーボン坩堝を加熱することによって溶融塩浴中から酸素を生じさせる。すると、この酸素がカーボン坩堝の炭素と反応して一酸化炭素や二酸化炭素を生成する。次に、生成した一酸化炭素や二酸化炭素を含む雰囲気中に赤外線を照射する。最後に、雰囲気中の一酸化炭素や二酸化炭素が吸収することによって生じた赤外線の減衰量を調査することによって溶融塩浴中の酸素の存在および含有量を確認することができる。
また、本発明の溶融塩浴には、タングステン、クロム、モリブデン、タンタル、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ハフニウムおよびニオブからなる群から選択された少なくとも1種が含有されていてもよい。これらの金属は周期表の第IVA族〜第VIA族、第4〜第6周期にあるリフラクトリーメタルである。これらのリフラクトリーメタルを含む本発明の溶融塩浴を用いて電解を行なった場合には、これらのリフラクトリーメタルを主成分とする高純度、高密度および高緻密性であって、表面の平滑な析出物を得ることができる。また、本発明の溶融塩浴中におけるタングステン、クロム、モリブデン、タンタル、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ハフニウムまたはニオブの形態は特に限定されず、たとえばイオンとして存在したり、錯体を構成した状態で存在していてもよい。
また、溶融塩浴中のリフラクトリーメタルの含有量は、溶融塩浴を構成する成分全体を100原子%としたとき0.04原子%以上であることが、高純度、高密度および高緻密性であって表面が平滑なリフラクトリーメタルの析出物を得る観点から好ましい。また、溶融塩浴中のリフラクトリーメタルの含有量が多いほど高電流密度で析出可能であることからより効率的にリフラクトリーメタルの析出物を得ることができるが、リフラクトリーメタルの含有量が多くなると溶融塩浴の融点が上昇して電解時における溶融塩浴の温度を高くする必要がある。したがって、リフラクトリーメタルの含有量が多くなると、たとえば樹脂などの融点の低い材質からなるレジストパターンが形成された導電性基板を溶融塩浴中に浸漬させて電解を行なうことができなくなる場合があることから、リフラクトリーメタルの含有量は目的に応じて適宜設定されることが好ましい。
また、本発明の溶融塩浴中のリフラクトリーメタルの存在および含有量は、本発明の溶融塩浴を水に溶解させた試料についてICP分光分析を行なうことによって検出および算出することができる。なお、本発明は高純度、高密度および高緻密性であって表面が平滑なリフラクトリーメタルの析出物を得ることを目的とするものであるが、本発明の溶融塩浴を用いてリフラクトリーメタル以外の析出物を得てもよいことは言うまでもない。
また、本発明の溶融塩浴は、上記のアルカリ金属としてナトリウムとカリウムとセシウムとからなる群から選択された少なくとも2種と、塩素および臭素の少なくとも1種と、亜鉛と、フッ素とからなることが好ましい。この場合には、より高純度、高密度および高緻密性であって、表面の平滑な析出物を得ることができる傾向にある。ここで、ナトリウムとカリウムとセシウムとからなる群から選択された少なくとも2種、塩素および臭素の少なくとも1種、亜鉛およびフッ素以外の成分が、不可避的に含まれる成分を除いて溶融塩浴中に存在しないことが望ましい。
また、本発明の溶融塩浴中における亜鉛の含有量は、溶融塩浴全体の14原子%以上30原子%以下であることが好ましく、17原子%以上25原子%以下であることがより好ましい。亜鉛の含有量が溶融塩浴全体の14原子%未満である場合または30原子%よりも多い場合には高純度、高密度かつ表面の平滑な析出物を得ることができない傾向にある。また、亜鉛の含有量が溶融塩浴全体の17原子%以上25原子%以下である場合には、溶融塩浴の温度を250℃以下にすることができるため、導電性基板上にポリメチルメタクリレート(PMMA)などの樹脂からなるレジストパターンが形成された電鋳型を浸漬させた場合でも溶融塩浴の温度によるレジストパターンの変形を抑制することができる。それゆえ、この場合には、溶融塩浴の温度が250℃以下という低温で電鋳により金属製品の製造を行なうことができる。なお、本発明の溶融塩浴中における亜鉛の含有量は、本発明の溶融塩浴を水に溶解させた試料についてICP分光分析を行なうことによって検出することができる。
ここで、導電性基板としては、たとえば金属単体または合金からなる基板や、ガラスなどの非導電性の基材上に導電性の金属等をめっきした基板などを用いることができる。また、金属製品は、上記の導電性基板の表面のうちレジストパターンが形成されずに露出している部分に溶融塩浴中のリフラクトリーメタルなどの金属が電解により析出して形成される。また、本発明によって製造される金属製品としては、たとえばコンタクトプローブ、マイクロコネクタ、マイクロリレーまたは各種センサ部品などが挙げられる。また、本発明によって製造される金属製品としては、たとえば可変コンデンサ、インダクタ、アレイ若しくはアンテナなどのRFMEMS(Radio Frequency Micro Electro Mechanical System)、光MEMS用部材、インクジェットヘッド、バイオセンサ内電極またはパワーMEMS用部材(電極など)が挙げられる。
また、本発明の溶融塩浴中におけるフッ素の含有量は、少なすぎてもフッ素を含有させた効果を得ることができず、多すぎても析出物中にフッ素が不純物として取り込まれる傾向が大きくなるため、溶融塩浴全体の0.1原子%以上20原子%以下であることが好ましく、0.1原子%以上4原子%以下であることがより好ましい。なお、本発明の溶融塩浴中におけるフッ素の含有量は、本発明の溶融塩浴を水に溶解させた試料についてフッ化物イオン選択性電極を用いることによって検出および算出することができる。
本発明の溶融塩浴は、たとえば、亜鉛の塩化物、臭化物またはヨウ化物と、アルカリ金属の塩化物、臭化物またはヨウ化物の2種以上と、フッ素化合物とを少なくとも混合した後に加熱により溶融させることによって得ることができる。
このようにして得られた溶融塩浴は、たとえば図1の模式的な構成図に示す電解槽1中に収容される。そして、電解槽1中に収容された溶融塩浴2に陽極3と陰極4とを浸漬させた後に、陽極3と陰極4との間に電流を流して溶融塩浴2の電解を行なうことによって、たとえば陰極4の表面上に溶融塩浴2中に含まれる金属が析出して析出物を得ることができる。
ここで、析出物は、溶融塩浴2中に酸素が0.01原子%以上含有された状態で析出したことが好ましい。この場合には、より高純度の析出物を得ることができる傾向にある。溶融塩浴2中に酸素を含有させる手法としては、たとえば溶融塩浴2の作製から析出物を得るまでの工程を大気中で行なうことの他、溶融塩浴2中に酸素を導入すること、酸化物を混合した溶融塩浴2を作製することなどが挙げられる。なお、上記の酸素の含有量は、酸素を含有する溶融塩浴2を構成する成分全体の合計を100原子%としたときの割合(原子%)である。また、溶融塩浴2中の酸素の含有量は、上述の不活性ガス融解赤外吸収法を用いて算出することができる。
また、平滑な表面を有する析出物を得る観点からは、析出物の表面の表面粗さは3μm以下であることが好ましい。ここで、本発明において「表面粗さ」とは、算術平均粗さRa(JIS B0601−1994)のことである。
また、析出物の相対密度は85%以上であることが好ましい。析出物の相対密度が85%未満である場合には析出物中のボイドが多くなり、塩を巻き込みやすくなる傾向にある。また、析出物中の残留応力が増大し、析出物の形成の途中で析出物が剥離するおそれがある。ここで、本発明において「析出物の相対密度」は、析出することを意図している金属の本来の密度(g/cm3)に対する析出物の密度(g/cm3)の割合(%)のことであり、以下の式で表わされる。
析出物の相対密度(%)=100×(析出物の密度)/(析出することを意図している金属の本来の密度)
(実施例1)
ZnCl2(塩化亜鉛)、NaCl(塩化ナトリウム)、KCl(塩化カリウム)およびKF(フッ化カリウム)のそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4(四塩化タングステン)の粉末は100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar(アルゴン)雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、WCl4が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でKFおよびWCl4の粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびWCl4が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例1の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。なお、表2に示す溶融塩浴の組成は、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびWCl4の組成から算出したものである。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRa(JIS B0601−1994)が10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒とを実施例1の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、ニッケル板1cm2当たり3mAの電流(電流密度3mA/cm2)が流れるように上記の電極間に電流を10時間流した。このような電解条件(表3)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、タングステンを含む析出物を有するニッケル板がグローブボックス内から大気中に取り出され、析出物の析出状態、組成、表面粗さおよび密度についてそれぞれ評価を行なった。その結果を表3に示す。
なお、析出物の析出状態の評価は、SEM(走査電子顕微鏡)を用いた観察により、析出物がニッケル板と密着した膜状になっているかどうかを判断することによって行なった。この観察で膜状になっている場合には電着良好として評価し、析出物が粒状に析出していたり析出物に割れが生じていた場合には電着不良として評価した。
また、析出物の組成の評価は、析出物を酸に溶解させた後にICP分光分析によって行ない、析出物に含有されるタングステンの量が多いほど(表3に示すタングステン(W)の原子%が大きいほど)高純度であるとして評価した。また、表3に示すW、ZnおよびO以外(表3のその他の欄)の成分は主に溶融塩浴の構成成分であり、析出物の空隙に存在するため、W、ZnおよびO以外の成分量が少ないほど(表3のその他の欄の原子%が小さいほど)緻密性の高い析出物であるとして評価した。
また、析出物の表面粗さの評価は、レーザ顕微鏡(キーエンス社製の型番「VK−8500」)用いて行なった。表3に示す表面粗さの数値が低いほど、より平滑な表面を有する析出物であることを示している。なお、表3に示す表面粗さは、算術平均粗さRa(JIS B0601−1994)である。
また、析出物の密度の評価は、FIB(集束イオンビーム)装置を用いて、析出物の中心近傍を3mm×3mmの矩形状にニッケル板ごと切り取った後に、切り取られたサンプル中の析出物の密度を算出することにより行なわれた。なお、析出物の密度は以下のようにして算出された。まず、FIB装置を用いて、サンプル中の析出物の厚みを測定した。そして、析出物の表面の面積(3mm×3mm)と測定された厚みとを掛け算することにより析出物の体積を算出した。他方、予め測定されたニッケル板全体の質量から、切り取られたニッケル板に相当する部分の質量を算出した。そして、サンプル全体の質量を測定し、測定されたサンプル全体の質量から上記の切り取られたニッケル板に相当する部分の質量を引くことによって析出物の質量を算出した。最後に、析出物の質量を析出物の体積で割ることによって、析出物の密度を算出した。
さらに、析出物の相対密度は、析出することを意図している金属であるタングステンの本来の密度を19.3(g/cm3)とし、上記で算出した析出物の密度とこのタングステンの本来の密度とから以下の式により析出物の相対密度(%)を算出した。
析出物の相対密度(%)=100×(析出物の密度)/(タングステンの本来の密度)
表3に示すように、実施例1の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例2)
ZnCl2、NaCl、KCl、LiCl(塩化リチウム)およびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末を100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとLiClとがモル比で35:30:30:5となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとLiClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、WCl4が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、LiCl、KFおよびWCl4が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例2の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、溶融塩浴の温度を430℃に保持したこと以外は実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例2の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例3)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末は100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとのモル比を85:10:5とした混合物を作製し、この混合物100モルに対して、KFが4モル、WCl4が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
その後、実施例1と同様にして、アルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例3の溶融塩浴を作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、実施例3の溶融塩浴を用い、この溶融塩浴の温度を380℃に保持したこと以外は実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例3の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例4)
ZnCl2、NaCl、CsCl(塩化セシウム)およびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末は100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとCsClとのモル比を60:20:20とした混合物をアルミナ坩堝中に収容し、この混合物100モルに対してKFが4モル、WCl4が0.54モルとなるように、上記のアルミナ坩堝中に収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
その後、実施例1と同様にして、アルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例4の溶融塩浴を作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、実施例4の溶融塩浴を用いて実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例4の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例5)
ZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびWO3(三酸化タングステン)のそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末を100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、WCl4が0.27モルおよびWO3が0.27モルとなるように、上記のグローブボックス内でKF、WCl4およびWO3の粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、ZnCl2、NaCl、KCl、KF、WCl4およびWO3が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例5の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、実施例5の溶融塩浴を用いて実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例5の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例6)
ZnBr2(臭化亜鉛)、NaBr(臭化ナトリウム)、KBr(臭化カリウム)およびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末を100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnBr2とNaBrとKBrとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnBr2とNaBrとKBrとの混合物100モルに対して、KFが4モル、WCl4が0.5モルとなるように、上記のグローブボックス内でKFおよびWCl4の粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnBr2、NaBr、KBr、KFおよびWCl4が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例6の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、実施例6の溶融塩浴を用いて実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例6の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例7)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末は100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとのモル比を49:30:21とした混合物を作製し、この混合物100モルに対して、KFが4モル、WCl4が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
その後、実施例1と同様にして、アルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例7の溶融塩浴を作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、実施例7の溶融塩浴を用いて実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例7の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例8)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末は100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。ZnCl2とNaClとKClとのモル比を70:15:15とした混合物を作製し、この混合物100モルに対して、KFが4モル、WCl4が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
その後、実施例1と同様にして、アルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例8の溶融塩浴を作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、実施例8の溶融塩浴を用いて実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例8の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例9)
粉末の秤量からタングステンを含む析出物を得るに至るまでの工程を大気中で行なったこと以外はすべて実施例1と同様にして、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。実施例9においてアルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示し、溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。ここで、溶融塩浴中の酸素の含有量(原子%)は、溶融塩浴の一部を抜き出して試料とし、その試料について不活性ガス融解赤外吸収法を用いて算出した。また、実施例9の溶融塩浴に酸素が含まれているのは、大気中の酸素の混入によるものと考えられる。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例9の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例10)
粉末の秤量からアルミナ坩堝中における粉末の溶融に至るまでの工程をすべて大気中で行なった。ここで、実施例10においてアルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。そして、アルミナ坩堝中の溶融塩浴にアルミナ製の管を挿入し、その管から酸素を1L/分の流量で導入して、酸素によるバブリングを1時間以上行なった。このようにして得られた実施例10の溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。ここで、溶融塩浴中の酸素の含有量(原子%)は、溶融塩浴の一部を抜き出して試料とし、その試料について不活性ガス融解赤外吸収法を用いて算出した。また、実施例10の溶融塩浴に酸素が含まれているのは、大気中の酸素の混入およびアルミナ製の管から導入された酸素の溶解によるものと考えられる。
その後、実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を析出させた。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、実施例10の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(比較例1)
ZnCl2およびNaClのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末を100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとがモル比で60:40となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとの混合物100モルに対して、WCl4が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でWCl4の粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にWCl4の粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaClおよびWCl4が収容されたアルミナ坩堝を加熱してこれらの粉末を溶融させることによって、比較例1の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、比較例1の溶融塩浴を用いてこの溶融塩浴の温度を400℃としたこと以外は実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことによって、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、比較例1の溶融塩浴を用いて得られた析出物は、析出状態が粒状であって、実施例1〜10の析出物と比べてタングステン量が非常に少なく、表面粗さが大きく、緻密性、密度および相対密度が低い析出物であった。
(比較例2)
ZnCl2、NaClおよびKClのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WCl4の粉末を100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、WCl4が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でWCl4の粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にWCl4の粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表1に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KClおよびWCl4が収容されたアルミナ坩堝を加熱してこれらの粉末を溶融させることによって、比較例2の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表2に示す。
そして、比較例2の溶融塩浴を用いて、実施例1と同様の電解条件(表3)で電解を行なうことにより、ニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表3に示す。
表3に示すように、比較例2の溶融塩浴を用いて得られた析出物には割れが生じており、実施例1〜10の析出物と比べてタングステン量が非常に少なく、表面粗さが大きく、緻密性、密度および相対密度が低い析出物であった。
Figure 0004785141
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表2および表3からもわかるように、フッ素を含有する実施例1〜10の溶融塩浴を用いた場合には、フッ素を含有しない比較例1〜2の溶融塩浴を用いた場合と比べて、タングステンの純度が高く、高密度、高相対密度かつ高緻密性で、表面が平滑な析出物を得ることができた。
また、表2および表3からもわかるように、溶融塩浴全体に対する亜鉛の含有量が17原子%以上25原子%以下である実施例1および実施例4〜10の溶融塩浴を用いた場合には、実施例2〜3の溶融塩浴を用いた場合と比べて、溶融塩浴の温度が250℃というより低温で析出物を得ることができた。
(実施例11)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、MoCl3(三塩化モリブデン)が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表4に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびMoCl3が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例11の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例11の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を150mVとして3時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にモリブデンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さおよび密度について評価を行なった。また、析出物の相対密度を、析出することを意図している金属であるモリブデンの本来の密度を10.22(g/cm3)とし、上記で算出した析出物の密度とこのモリブデンの本来の密度とから以下の式により析出物の相対密度(%)を算出した。
その結果を表6に示す。
析出物の相対密度(%)=100×(析出物の密度)/(モリブデンの本来の密度)
表6に示すように、実施例11の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ3μm)は、析出状態が膜状であって、モリブデン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例12)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、MoCl5(五塩化モリブデン)が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表4に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびMoCl5が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例12の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例12の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を150mVとして3時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にモリブデンを含む析出物を得た。
その後、実施例11と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表6に示す。
表6に示すように、実施例12の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.5μm)は、析出状態が膜状であって、モリブデン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例13)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。また、WO3の粉末を100℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、WO3が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表4に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびWO3が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例13の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例13の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を60mVとして3時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にタングステンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表6に示す。
表6に示すように、実施例13の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.5μm)は、析出状態が膜状であって、タングステン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例14)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、Ta25(五酸化二タンタル)が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表4に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびTa25が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例14の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例14の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を60mVとして3時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にタンタルを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さおよび密度について評価を行なった。また、析出物の相対密度を、析出することを意図している金属であるタンタルの本来の密度を16.65(g/cm3)とし、上記で算出した析出物の密度とこのタンタルの本来の密度とから以下の式により析出物の相対密度(%)を算出した。
その結果を表6に示す。
析出物の相対密度(%)=100×(析出物の密度)/(タンタルの本来の密度)
表6に示すように、実施例14の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.5μm)は、析出状態が膜状であって、タンタル量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例15)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して4モルとなるようにKFの粉末を上記のグローブボックス内で秤量した。そして、秤量後のKFの粉末を上記のアルミナ坩堝中に収容した。
続いて、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KClおよびKFが収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させた。その後、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して0.54モルとなるようにTiCl4を上記のグローブボックス内で秤量し、秤量後のTiCl4を上記のアルミナ坩堝中に添加することによって、実施例15の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴を作製するために用いられた原料の組成(モル比)を表4に示し、溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例15の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を60mVとして6時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にチタンを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さおよび密度について評価を行なった。また、析出物の相対密度を、析出することを意図している金属であるチタンの本来の密度を4.54(g/cm3)とし、上記で算出した析出物の密度とこのチタンの本来の密度とから以下の式により析出物の相対密度(%)を算出した。
その結果を表6に示す。
析出物の相対密度(%)=100×(析出物の密度)/(チタンの本来の密度)
表6に示すように、実施例15の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.1μm)は、析出状態が膜状であって、チタン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例16)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して4モルとなるようにKFの粉末を上記のグローブボックス内で秤量した。そして、秤量後のKFの粉末を上記のアルミナ坩堝中に収容した。
続いて、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KClおよびKFが収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させた。その後、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して1.1モルとなるようにTiCl4を上記のグローブボックス内で秤量し、秤量後のTiCl4を上記のアルミナ坩堝中に添加することによって、実施例16の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴を作製するために用いられた原料の組成(モル比)を表4に示し、溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例16の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を60mVとして3時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にチタンを含む析出物を得た。
その後、実施例15と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表6に示す。
表6に示すように、実施例16の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.1μm)は、析出状態が膜状であって、チタン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例17)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して4モルとなるようにKFの粉末を上記のグローブボックス内で秤量した。そして、秤量後のKFの粉末を上記のアルミナ坩堝中に収容した。
続いて、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KClおよびKFが収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させた。その後、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して2.5モルとなるようにTiCl4を上記のグローブボックス内で秤量し、秤量後のTiCl4を上記のアルミナ坩堝中に添加することによって、実施例17の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴を作製するために用いられた原料の組成(モル比)を表4に示し、溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例17の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を60mVとして8時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にチタンを含む析出物を得た。
その後、実施例15と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さ、密度および相対密度について評価を行なった。その結果を表6に示す。
表6に示すように、実施例17の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.5μm)は、析出状態が膜状であって、チタン量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例18)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、NbCl5(五塩化ニオブ)が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表4に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびNbCl5が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例18の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例18の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を60mVとして3時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にニオブを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さおよび密度について評価を行なった。また、析出物の相対密度を、析出することを意図している金属であるニオブの本来の密度を8.57(g/cm3)とし、上記で算出した析出物の密度とこのニオブの本来の密度とから以下の式により析出物の相対密度(%)を算出した。
その結果を表6に示す。
析出物の相対密度(%)=100×(析出物の密度)/(ニオブの本来の密度)
表6に示すように、実施例18の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.5μm)は、析出状態が膜状であって、ニオブ量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
(実施例19)
ZnCl2、NaCl、KClおよびKFのそれぞれの粉末を200℃の真空オーブン中で12時間乾燥させた。そして、ZnCl2とNaClとKClとがモル比で60:20:20となるように、Ar雰囲気下のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、同じグローブボックス内にあるアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。
また、上記のアルミナ坩堝中に収容されたZnCl2とNaClとKClとの混合物100モルに対して、KFが4モル、VCl2(二塩化バナジウム)が0.54モルとなるように、上記のグローブボックス内でこれらの粉末をそれぞれ秤量した後に、上記のアルミナ坩堝中にこれらの粉末を収容した。アルミナ坩堝中に収容された原料の組成(モル比)を表4に示す。
そして、上記のグローブボックス内でZnCl2、NaCl、KCl、KFおよびVCl2が収容されたアルミナ坩堝を加熱してアルミナ坩堝中の粉末を溶融させることによって、実施例19の溶融塩浴を500g作製した。この溶融塩浴の組成(原子%)を表5に示す。
そして、上記のグローブボックス内で、陰極として、鏡面研磨された、算術平均粗さRaが10nm未満のニッケル板と、陽極として直径5mmのタングステン棒と、参照電極として直径5mmの亜鉛棒を実施例19の溶融塩浴中に浸漬させた。次いで、この溶融塩浴の温度を250℃に保持した状態で、陰極であるニッケル板の電位を制御する3電極法により、陰極と陽極との間の電位を60mVとして3時間の電解条件(表6)で電解を行なうことにより、陰極であるニッケル板の表面上にバナジウムを含む析出物を得た。
その後、実施例1と同様の方法で、析出物の析出状態、組成、表面粗さおよび密度について評価を行なった。また、析出物の相対密度を、析出することを意図している金属であるバナジウムの本来の密度を6.11(g/cm3)とし、上記で算出した析出物の密度とこのバナジウムの本来の密度とから以下の式により析出物の相対密度(%)を算出した。その結果を表6に示す。
表6に示すように、実施例19の溶融塩浴を用いて得られた析出物(厚さ0.5μm)は、析出状態が膜状であって、バナジウム量が多く高純度であり、表面粗さが小さく、高密度、高相対密度かつ高緻密性の析出物であった。
Figure 0004785141
Figure 0004785141
Figure 0004785141
(実施例20)
直径3インチの円板状のシリコン基板の表面上に0.3μmの厚さでチタンのスパッタリングを行ないチタン層を形成した。そして、このチタン層上にPMMAからなる幅1cm×長さ1cm×厚さ30μmのフォトレジストを塗布した。次いで、このフォトレジストの一部にSR光(シンクロトロン放射光)を照射し、SR光が照射された部分のフォトレジストを選択的に除去することによって、チタン層上にライン/スペースが50μm/50μmの縞状のレジストパターンを形成した。
そして、Ar雰囲気下のグローブボックス内で、上記のレジストパターン形成後のシリコン基板を陰極として、タングステン棒を陽極として、これらの電極を実施例6の溶融塩浴と同じ組成の溶融塩浴1000g中に浸漬させた。次いで、溶融塩浴を250℃に保持した状態でこれらの電極間にシリコン基板上のチタン層1cm2当たり3mAの電流(電流密度3mA/cm2)を60時間流して定電流電解を行なうことによって、チタン層上にタングステンを含む析出物を得た。
定電流電解の終了後、グローブボックスからシリコン基板を取り出した。そして、シリコン基板を水洗することにより、シリコン基板に付着した塩を除去した。続いて、シリコン基板を乾燥させた後、CF4(四フッ化炭素)とO2(酸素)との混合ガスを用いたプラズマアッシングを行なうことによって、チタン層上のフォトレジストを除去した。最後に、チタン層上の析出物を機械的に剥離することによって、タングステンの純度が高く、高密度かつ高緻密性で、表面が平滑な電鋳物を得ることができた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の溶融塩浴は、塩素と臭素とヨウ素とからなる群から選択された少なくとも1種と、亜鉛と、少なくとも2種のアルカリ金属と、フッ素と、を含有しているので、本発明の溶融塩浴を用いた場合には高純度、高密度および高緻密性で表面が平滑な析出物を得ることができる。
1 電解槽、2 溶融塩浴、3 陽極、4 陰極。

Claims (14)

  1. リフラクトリーメタルの電解析出に使用される溶融塩浴であって、
    塩素と臭素とヨウ素とからなる群から選択された少なくとも1種と、亜鉛と、少なくとも2種のアルカリ金属と、フッ素と、を含有する、溶融塩浴。
  2. 酸素を含有することを特徴とする、請求項1に記載の溶融塩浴。
  3. タングステン、クロム、モリブデン、タンタル、チタン、ジルコニウム、バナジウム、ハフニウムおよびニオブからなる群から選択された少なくとも1種を含有することを特徴とする、請求項1または2に記載の溶融塩浴。
  4. 前記アルカリ金属としてナトリウムとカリウムとセシウムとからなる群から選択された少なくとも2種と、塩素および臭素の少なくとも1種と、亜鉛と、フッ素と、からなることを特徴とする、請求項1から3のいずれかに記載の溶融塩浴。
  5. 前記亜鉛の含有量が前記溶融塩浴全体の14原子%以上30原子%以下であることを特徴とする、請求項1から4のいずれかに記載の溶融塩浴。
  6. 前記亜鉛の含有量が前記溶融塩浴全体の17原子%以上25原子%以下であることを特徴とする、請求項1から5のいずれかに記載の溶融塩浴。
  7. 前記フッ素の含有量が前記溶融塩浴全体の0.1原子%以上20原子%以下であることを特徴とする、請求項1から6のいずれかに記載の溶融塩浴。
  8. リフラクトリーメタルからなる析出物であって、
    請求項1に記載の溶融塩浴を用いて得られた、析出物。
  9. 前記溶融塩浴が酸素を0.01原子%以上含有する状態で析出したことを特徴とする、請求項8に記載の析出物。
  10. 前記析出物の表面の算術平均粗さRa(JIS B0601−1994)が3μm以下であることを特徴とする、請求項8または9に記載の析出物。
  11. 前記析出物の相対密度が85%以上であることを特徴とする、請求項8から10のいずれかに記載の析出物。
  12. リフラクトリーメタルからなる金属製品を製造する方法であって、
    導電性基板上にレジストパターンを形成して前記導電性基板の一部を露出させる工程と、前記レジストパターンが形成された導電性基板を請求項1に記載の溶融塩浴に浸漬させる工程と、前記導電性基板の露出している部分に前記溶融塩浴中から金属を析出させる工程と、を含む、金属製品の製造方法。
  13. 前記溶融塩浴の温度が250℃以下であることを特徴とする、請求項12に記載の金属製品の製造方法。
  14. リフラクトリーメタルからなる金属製品であって、
    請求項13に記載の金属製品の製造方法を用いて製造された、金属製品。
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