JP7207411B2 - チタンめっき用電解質の評価方法及びチタンめっき用電解質を用いたチタンめっき部材の製造方法 - Google Patents
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Description
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質であって、
4968eV以上4969eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Iaと、4983eV以上4984eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ibとの比Ia/Ibが0.13以下である。
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質の評価方法であって、
XAFS法を用いて、上記チタンめっき用電解質の、4968eV以上4969eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ia及び4983eV以上4984eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ibを測定する工程と、
上記平均強度Iaと上記平均強度Ibとの比Ia/Ibを、基準強度比と比較する工程と、
上記比Ia/Ibが、上記基準強度比以下である場合、上記チタンめっき用電解質はチタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定する工程とを含む。
導電性の表面を有する基材と上記基材に対応するアノードとを、上記チタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、上記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加して、上記基材の上記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含む。
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質を、上記チタンめっき用電解質の評価方法によって評価する工程と、
上記評価する工程において、チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定された上記チタンめっき用電解質を準備する工程と、
導電性の表面を有する基材と上記基材に対応するアノードとを、上記チタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、上記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加して、上記基材の上記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含む。
溶融塩中でチタンを電析させる方法は、上記乾式成膜法と比較して、表面が平滑なチタンめっき膜を形成させることが可能であるが、めっきの電流効率の改善等、改良の余地がまだ残されている。
本開示によれば、めっきの電流効率に優れるチタンめっき用電解質、チタンめっき用電解質の評価方法及びチタンめっき用電解質を用いたチタンめっき部材の製造方法を提供することが可能になる。
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
[1]本開示の一態様に係るチタンめっき用電解質は、
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質であって、
4968eV以上4969eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Iaと、4983eV以上4984eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ibとの比Ia/Ibが0.13以下である。
本開示の一態様に係るチタンめっき用電解質は、上述のような構成を備えることでめっきの電流効率に優れる。すなわち、上記チタンめっき用電解質の溶融塩をチタンめっきにおけるめっき浴として用いることで、めっきの電流効率に優れるめっきを行うことができる。
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質の評価方法であって、
XAFS法を用いて、上記チタンめっき用電解質の、4968eV以上4969eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ia及び4983eV以上4984eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ibを測定する工程と、
上記平均強度Iaと上記平均強度Ibとの比Ia/Ibを、基準強度比と比較する工程と、
上記比Ia/Ibが、上記基準強度比以下である場合、上記チタンめっき用電解質はチタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定する工程とを含む。
本開示の一態様に係るチタンめっき用電解質の評価方法は、上述のような構成を備えることでめっきの電流効率に優れるチタンめっき用電解質を評価することが可能になる。
導電性の表面を有する基材と上記基材に対応するアノードとを、上記[1]~[3]のいずれかに記載のチタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、上記チタンめっき用電解質は溶融している工程と、
上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加して、上記基材の上記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含む。
本開示の一態様に係るチタンめっき部材の製造方法は、上述のような構成を備えることで電流効率に優れるめっきを行うことができる。その結果、平滑度が高いチタンめっき膜を有するチタンめっき部材を製造することができる。
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質を、上記[4]~[7]のいずれかに記載のチタンめっき用電解質の評価方法によって評価する工程と、
上記評価する工程において、チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定された上記チタンめっき用電解質を準備する工程と、
導電性の表面を有する基材と上記基材に対応するアノードとを、上記チタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、上記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加して、上記基材の上記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含む。
本開示の他の一態様に係るチタンめっき部材の製造方法は、上述のような構成を備えることで電流効率に優れるめっきを行うことができる。その結果、平滑度が高いチタンめっき膜を有するチタンめっき部材を製造することができる。
以下、本開示の一実施形態(以下「本実施形態」と記す。)について説明する。ただし、本実施形態はこれに限定されるものではない。本明細書において「A~B」という形式の表記は、範囲の上限下限(すなわちA以上B以下)を意味し、Aにおいて単位の記載がなく、Bにおいてのみ単位が記載されている場合、Aの単位とBの単位とは同じである。
本実施形態に係るチタンめっき用電解質は、
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質であって、
4968eV以上4969eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Iaと、4983eV以上4984eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ibとの比Ia/Ibが0.13以下である。
ここで、元素記号又は元素名と共にかっこ書きのローマ数字が示される場合、当該ローマ数字は、その直前の元素の価数を示す。例えば、チタン(III)イオンは、「Ti3+」を意味する。チタン(IV)イオンは、「Ti4+」を意味する。
3Ti4+ +Ti金属 → 4Ti3+ 式(1)
本実施形態の一側面において、上記フッ化リチウムの割合は、上記フッ化リチウムと上記塩化リチウムとの全モル数を基準として、30mol%以上50mol%以下であることが好ましく、30mol%以上45mol%以下であることがより好ましい。また、本実施形態の他の一側面において、上記塩化リチウムの割合は、上記フッ化リチウムと上記塩化リチウムとの全モル数を基準として、50mol%以上70mol%以下であることが好ましく、55mol%以上70mol%以下であることがより好ましい。
本実施形態に係るチタンめっき用電解質の評価方法は、
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質の評価方法であって、
XAFS法を用いて、上記チタンめっき用電解質の、4968eV以上4969eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ia及び4983eV以上4984eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ibを測定する工程と、
上記平均強度Iaと上記平均強度Ibとの比Ia/Ibを、基準強度比と比較する工程と、
上記比Ia/Ibが、上記基準強度比以下である場合、上記チタンめっき用電解質はチタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定する工程とを含む。
本工程では、XAFS法を用いて、平均強度Ia及び平均強度Ibを測定する。ここで、「平均強度」とは、所定のエネルギー範囲におけるX線吸収の強度を平均した値を意味する。上記平均強度は、例えば、後述する解析ソフトを用いて求めることが可能である。XAFS法は、透過法であってもよいし、蛍光法であってもよい。例えば、透過法のXAFS法では、X線を試料であるチタンめっき用電解質に入射させて、試料に照射する前のX線の強度と、試料を透過した後のX線の強度とを測定する。蛍光法のXAFS法では、同様に試料に照射する前のX線の強度と、試料表面から放出される蛍光X線の強度とを測定する。ここで、入射するX線のエネルギーはスキャニングによって変化させる必要がある。具体的には、例えば以下の手順でXAFS法(透過法)による測定を行う。
本工程では、上記平均強度Iaと上記平均強度Ibとの比Ia/Ibを、基準強度比と比較する。ここで、「基準強度比」とは、対象試料であるチタンめっき用電解質がチタンめっき用のめっき浴(溶融塩浴)として良好な電解質であるか否かを判定するために基準として予め設定された強度比を意味する。
本工程では、上記比Ia/Ibが、上記基準強度比以下である場合、上記チタンめっき用電解質はチタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定する。ここで「チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質」とは、当該電解質の溶融塩をめっき浴として用いた場合、めっきの電流効率に優れる電解質であることを意味する。
一方でXAFS法では、チタンの価数の違い、並びに、チタンへ配位する配位子の種類及び配位数の違いが、X線吸収の強度及びピーク位置の違いとして反映されることから、XAFS法において特定のX線エネルギーにおけるX線吸収を検討することにより、チタン(III)イオンの安定性を把握することができる。したがって、XAFS法において特定のX線エネルギーにおけるX線吸収を検討することにより結果としてチタンめっき用電解質の品質(めっきの電流効率等)を判定することができると本発明者らは考えている。
本実施形態の一側面に係るチタンめっき部材の製造方法は、
導電性の表面を有する基材と上記基材に対応するアノードとを、上記チタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、上記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加して、上記基材の上記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含む。
本工程では、導電性の表面を有する基材を準備する。「導電性の表面を有する基材」とは、電場の働きによって荷電粒子(電子、イオン等)がドリフトして電気を通すことが可能な表面を有する基材を意味する。本実施形態に係る導電性の表面は、溶融塩である上記チタンめっき用電解質の温度より高い融点を有する物質を含んでいてもよい。上記導電性の表面は、溶融塩である上記チタンめっき用電解質の温度より高い融点を有する物質からなっていてもよい。溶融塩である上記チタンめっき用電解質の温度より低い融点を有する物質を上記導電性の表面として用いると、後述する「基材の導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程」において溶融塩である上記チタンめっき用電解質中に溶け出してしまい、上記基材のカソードとしての機能が低下する傾向がある。
本工程では、準備した上記基材と上記基材に対応するアノードとを上記チタンめっき用電解質に浸漬する。上記チタンめっき用電解質は、溶融している。すなわち、本工程において上記チタンめっき用電解質は溶融塩である。
本工程は、上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加して、上記基材の上記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する。また、上記チタンめっき膜を形成する工程(本工程)は、上記基材におけるカソード電位がLi+/Liの酸化還元電位を基準として0.85V以上1.2V以下となるように、上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加することが好ましい。
本実施形態に係るチタンめっき部材の製造方法は、上述した工程に加えてその他の工程を更に含んでいてもよい。その他の工程としては、例えば、溶融塩である上記チタンめっき用電解質中の不純物を取り除く目的で行う予備電解を施す工程、チタンめっきが施された基板を洗浄する工程、洗浄後のチタンめっきが施された基板を乾燥する工程等が挙げられる。
本実施形態の他の側面に係るチタンめっき部材の製造方法は、
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質を、上記チタンめっき用電解質の評価方法によって評価する工程と、
上記評価する工程において、チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定された上記チタンめっき用電解質を準備する工程と、
導電性の表面を有する基材と上記基材に対応するアノードとを、上記チタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、上記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
上記基材と上記アノードとの間に電圧を印加して、上記基材の上記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含む。
本工程は、チタンめっき用電解質を、上記チタンめっき用電解質の評価方法によって評価する。具体的な評価方法は、上記≪チタンめっき用電解質の評価方法≫の欄に記載の通りである。
本工程は、上記評価する工程において、チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定された上記チタンめっき用電解質を準備する。例えば、チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定された上記チタンめっき用電解質を、所定の炉に投入して加熱、溶融すること等が含まれる。
上記チタンめっき用電解質を準備する工程の後に行われる工程、すなわち、<導電性の表面を有する基材を準備する工程>、<基材と基材に対応するアノードとをチタンめっき用電解質に浸漬する工程>、<基材の導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程>、及び<その他の工程>は、上記≪チタンめっき部材の製造方法(1)≫の欄において、記載した内容の通りに行えばよい。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
(付記1)
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質であって、
4968~4969eVの範囲におけるX線吸収の平均強度Iaと、4983~4984eVの範囲におけるX線吸収の平均強度Ibとの比Ia/Ibが0.13以下である、チタンめっき用電解質。
(付記2)
前記フッ化リチウム及び前記塩化リチウムの合計の含有割合は、90mol%以上である、付記1に記載のチタンめっき用電解質。
(付記3)
前記フッ化リチウムと前記塩化リチウムとのモル比LiF:LiClは、30:70~50:50である、付記1又は付記2に記載のチタンめっき用電解質。
(付記4)
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質の評価方法であって、
XAFS法を用いて、前記チタンめっき用電解質の、4968~4969eVの範囲におけるX線吸収の平均強度Ia及び4983~4984eVの範囲におけるX線吸収の平均強度Ibを測定する工程と、
前記平均強度Iaと前記平均強度Ibとの比Ia/Ibを、基準強度比と比較する工程と、
前記比Ia/Ibが、前記基準強度比以下である場合、前記チタンめっき用電解質はチタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定する工程とを含む、チタンめっき用電解質の評価方法。
(付記5)
前記基準強度比は、0.01以上0.13以下の範囲の値から選ばれる、付記4に記載のチタンめっき用電解質の評価方法。
(付記6)
前記平均強度Ia及び前記平均強度Ibを測定する工程は、前記チタンめっき用電解質を熱可塑性樹脂のフィルムで封止した状態で前記平均強度Iaと前記平均強度Ibとを測定することを含む、付記4又は付記5に記載のチタンめっき用電解質の評価方法。
(付記7)
前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン又は熱可塑性ポリイミドを含む、付記6に記載のチタンめっき用電解質の評価方法。
(付記8)
導電性の表面を有する基材と前記基材に対応するアノードとを、付記1~付記3のいずれかに記載のチタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、前記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
前記基材と前記アノードとの間に電圧を印加して、前記基材の前記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含むチタンめっき部材の製造方法。
(付記9)
フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質を、付記4~付記7のいずれかに記載のチタンめっき用電解質の評価方法によって評価する工程と、
前記評価する工程において、チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定された前記チタンめっき用電解質を準備する工程と、
導電性の表面を有する基材と前記基材に対応するアノードとを、前記チタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、前記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
前記基材と前記アノードとの間に電圧を印加して、前記基材の前記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含むチタンめっき部材の製造方法。
(付記10)
前記導電性の表面は、Ni、Fe、Cu、Mo、W、カーボン及びステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、付記8又は付記9に記載のチタンめっき部材の製造方法。
以下の作業は、大気雰囲気において全て行った。LiFとLiClとの混合比率がモル比で45:55となり、K2TiF6の濃度が2mol%となるようにLiF、LiCl及びK2TiF6を混合した。このとき、上記フッ化リチウム及び上記塩化リチウムの合計の含有割合は、98mol%であった。その後、得られた混合物を650℃に加熱し、溶融塩のチタンめっき用電解質の前駆体を作製した。得られた前駆体に対して、チタン(III)イオンを生成するのに必要な量の2倍量のスポンジチタン(前駆体1gあたりに対し16mg)を添加し、十分に溶解させた。溶融塩中には溶解しきらなかったスポンジチタンが沈殿した状態で確認された。このようにして、溶融塩であるチタンめっき用電解質を作製した。
上述の方法によって溶融塩として得られた上記チタンめっき用電解質を室温(25℃)にて放冷することによって、XAFS法による評価に用いる試料を作製した。具体的には以下の手順で行った。まず、溶融した上記チタンめっき用電解質の一部をセラミック製のピペット(内径4mm)で吸い上げて、その状態を維持したまま放冷した。上記チタンめっき用電解質の残部は、後述するチタンめっき部材の製造に用いた。放冷によって上記チタンめっき用電解質が十分に冷えて固まったら、当該セラミック製のピペットを割ることで上記チタンめっき用電解質を回収した。回収した上記チタンめっき用電解質をXAFS測定用の試料(直径4mm、高さ約8mmの円柱状の試料)とした。ここで、上記試料をポリプロピレンのフィルム(厚さ20μm)で封止して水分等が混入しない状態でXAFS測定を行った。
次に得られたチタンめっき用電解質の溶融塩をめっき浴として用いて、以下の手順でチタンめっき部材を製造した。以下の工程は、Arガス(98.3%以上100%以下)の雰囲気にて行った。なお、上記めっき浴は、炉内で十分乾燥させたものを用いた。まず、カソードとして株式会社ニラコ製のNi板である基材を準備した(導電性の表面を有する基材を準備する工程)。その後、上記基材とアノードであるTi板とを上述の溶融塩である上記チタンめっき用電解質に浸漬した(基材と上記基材に対応するアノードとをチタンめっき用電解質に浸漬する工程)。最後に以下の条件にて、カソードである基材とアノードとの間に電圧を印加して、上記基材の表面上にチタンめっき膜を形成した(基材の導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程)。このときカソードである基材とアノードとの間に印加した電圧は、北斗電工株式会社製のHZ-7000装置を用いて測定した。また、めっきの電流効率は、めっき前後の基材の質量変化から算出した。結果を表1に示す。なお、表1中、「グローブボックス炉」とは、炉全体がArガスで満たされたグローブボックスの内部に備え付けられた炉を意味する。また、「Arフロー炉」とは、密閉された耐熱容器の内部に備え付けられた炉であって、上記耐熱容器に純度99.995%超のArガスを200ml/minの流量で供給している炉を意味する。また、表1中のArガスの濃度は、小数点第2位を四捨五入することで求めた値である。
(測定条件)
測定装置:HZ-7000(北斗電工株式会社製)
カソード:Ni板(株式会社ニラコ製)
アノード:Ti板(株式会社ニラコ製)
参照電極:白金擬似参照電極(株式会社ニラコ製)
温度 :650℃
電流密度:100mA/cm2
雰囲気 :Arガス(98.3%以上100%以下)(残部は空気)
Claims (6)
- フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質の評価方法であって、
XAFS法を用いて、前記チタンめっき用電解質の、4968eV以上4969eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ia及び4983eV以上4984eV以下の範囲におけるX線吸収の平均強度Ibを測定する工程と、
前記平均強度Iaと前記平均強度Ibとの比Ia/Ibを、基準強度比と比較する工程と、
前記比Ia/Ibが、前記基準強度比以下である場合、前記チタンめっき用電解質はチタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定する工程とを含む、チタンめっき用電解質の評価方法。 - 前記基準強度比は、0.01以上0.13以下の範囲の値から選ばれる、請求項1に記載のチタンめっき用電解質の評価方法。
- 前記平均強度Ia及び前記平均強度Ibを測定する工程は、前記チタンめっき用電解質を熱可塑性樹脂のフィルムで封止した状態で前記平均強度Iaと前記平均強度Ibとを測定することを含む、請求項1又は請求項2に記載のチタンめっき用電解質の評価方法。
- 前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン又は熱可塑性ポリイミドを含む、請求項3に記載のチタンめっき用電解質の評価方法。
- フッ化リチウム、塩化リチウム及びチタン(III)イオンを含むチタンめっき用電解質を、請求項1~請求項4のいずれか一項に記載のチタンめっき用電解質の評価方法によって評価する工程と、
前記評価する工程において、チタンめっき用の溶融塩として良好な電解質であると判定された前記チタンめっき用電解質を準備する工程と、
導電性の表面を有する基材と前記基材に対応するアノードとを、前記チタンめっき用電解質に浸漬する工程であって、前記チタンめっき用電解質は溶融している、工程と、
前記基材と前記アノードとの間に電圧を印加して、前記基材の前記導電性の表面上にチタンめっき膜を形成する工程と、を含むチタンめっき部材の製造方法。 - 前記導電性の表面は、Ni、Fe、Cu、Mo、W、カーボン及びステンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、請求項5に記載のチタンめっき部材の製造方法。
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