JP4774786B2 - 炉内構造物被覆用溶射被膜およびその形成方法 - Google Patents

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本発明は、鋼材を熱処理する焼鈍炉の炉内構造物の表面を被覆する溶射被膜に関し、特に、鋼板を搬送するために炉内に配設されるハースロールの表面に形成される耐ピックアップ性および耐剥離性に優れる炉内構造物被覆用溶射被膜とその形成方法に関するものである。
鋼材の熱処理を行う焼鈍炉、特に、鋼板を連続して焼鈍する連続焼鈍ラインや溶融亜鉛めっきラインの焼鈍炉内には、鋼板を搬送するためのハースロールが多数配設されている。これらのハースロールは、600℃以上の高温で、酸化性雰囲気下あるいは還元性雰囲気下において長期間にわたり鋼板と接触して使用される。そのため、ロールの表面は鋼板と接触する部分が磨耗を受ける他、被熱処理材である鋼板の付着物である酸化物や鉄粉がロール表面に凝着および堆積して、いわゆるピックアップ(ビルドアップとも称する)を形成する。
このような磨耗やピックアップがハースロール表面に起こると、鋼板をロールの幅中央部で搬送することができなくなって操業トラブルの原因となり、あるいは、搬送する鋼板に表面疵を発生し、品質低下を招く等の問題を引き起こしたりし、最悪の場合には、操業を中断してロール交換することを余儀なくされ、著しい生産性の低下を引き起こす。そこで、このような問題を回避するため、定期的に操業を停止して、ハースロールの点検や手入れあるいはロール交換が行われている。
上記の問題に対する対策として、例えば、特許文献1には、Al23を51〜59vol%含み、残部がCo,Ni,Cr,Mo,Al,Y,Si系金属から選ばれた1種または2種よりなる溶射被覆を施した高温耐用性溶射被覆部材が、また、特許文献2には、Y23を4〜25wt%、残部実質的にZrO2よりなるセラミックス被膜を有する高温耐磨耗性とビルドアップ防止性に優れた連続焼鈍炉のハースロールが開示されている。さらに、特許文献3には、Al23を2〜50vol%含み、残部がCo,Cr,Ta,C,Al,Y,Si,Mn系金属よりなる高温耐磨耗性被覆用組成物が開示されている。
特開昭63−199857号公報 特公昭63−26183号公報 特公昭58−17775号公報
しかしながら、上記特許文献1および3に開示されたAl23系の溶射被膜は、耐摩耗性には優れるものの、耐ピックアップ性が劣るという問題があった。また、特許文献2に開示されたZrO2系の溶射被膜は耐ピックアップ性には優れるものの、靭性と耐熱衝撃性(耐剥離性)が不十分であり、焼鈍炉の運転開始時や停止時に発生する急激な温度変化や鋼板接触部と非接触部に生じるロール本体と溶射皮膜の温度差に起因する熱応力により剥離を生じ易いという問題があった。
本発明の目的は、耐剥離性、耐磨耗性のほか、特に耐ピックアップ性に優れる炉内構造物被覆用溶射被膜およびその形成方法を提案することにある。
発明者らは、従来技術が抱える上記問題点を解決するために、鋭意検討を行った。その結果、基材の表面に、アンダーコートとして、耐ピックアップ性に優れたZrBおよびYのいずれか1種または2種のセラミックスを、耐酸化性、耐剥離性に優れたCo−Cr系合金中に分散させた複合溶射被膜を形成し、そのアンダーコートの上にさらにオーバーコートとして、耐ピックアップ性に優れたZrOからなるオーバーコートを溶射して形成することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、Cr:5〜35mass%を含み、残部がCoおよび不可避的不純物からなる合金中に、ZrBおよびYのいずれか1種または2種を5〜80mass%分散させてなるアンダーコートと、希土類酸化物を含有する安定化ZrOもしくは部分安定化ZrOからなるオーバーコートとからなることを特徴とする炉内構造物被覆用溶射被膜である。
本発明における前記合金は、さらに、Ni:25mass%以下、W:25mass%以下、C:3mass%以下、Si:1.5mass%以下、Mo:6mass%以下、V:2.0mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする。
また、本発明は、基材表面に、Cr:5〜35mass%を含み、残部がCoおよび不可避的不純物からなる合金と、ZrBおよびYのいずれか1種または2種を5〜80mass%とからなる複合溶射材料を溶射してアンダーコートを形成し、そのアンダーコート上に、希土類酸化物を含有する安定化ZrOもしくは部分安定化ZrOを溶射してオーバーコートを形成することを特徴とする炉内構造物被覆用溶射被膜の形成方法を提案する。
本発明の製造方法における前記合金は、さらに、Ni:25mass%以下、W:25mass%以下、C:3mass%以下、Si:1.5mass%以下、Mo:6mass%以下、V:2.0mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする。
本発明の溶射被覆材料は、耐剥離性や耐磨耗性だけでなく耐ピックアップ性にも優れるので、高温酸化性雰囲気下で使用されるハースロール等焼鈍炉の炉内構造物の被覆用溶射被膜として用いた場合には、大幅な寿命の延長が可能となると共に、操業トラブルの低減、製品品質の向上にも大きく寄与する。
本発明の溶射被膜は、アンダーコートの母材金属(マトリックス)として、CoをベースとしたCo−Cr系合金を採用し、この母材金属中に、ZrBおよびYのいずれか1種または2種を分散させた複合溶射被膜とし、そのアンダーコートの上にオーバーコートとして、希土類酸化物を含有する安定化ZrOもしくは部分安定化ZrOからなる溶射被膜を形成した2層構造からなるものである。以下、詳細に説明する。
<アンダーコート>
Coは、高温で優れた耐熱性を有するため、アンダーコートの母材のベース金属として用いる。しかし、Coは単体では、高温強度が低くて耐酸化性にも乏しく、炉内ガス成分と反応してCoの内部酸化が起こり、その結果、結合強度が低下して、溶射被膜の剥離を生じる可能性が高い。そこで、炉内ガス成分との反応を防止するために、保護酸化皮膜を生成する元素として、Crを下記の範囲で添加し、耐剥離性を改善する。ここで、Co−Cr系合金のみでは、まだ高温強度が不足する場合には、さらに、Ni,W,Mo,VおよびCを下記の範囲で添加し、高温強度および硬度を向上させてもよい。
Crは、保護酸化皮膜を生成し耐酸化性を向上する効果が大きく、5〜35mass%の範囲で添加する。Crの含有量が5mass%未満では、安定したCr23保護酸化皮膜が生成されず、一方、35mass%超えでは、σ相が生成し、脆化による剥離を生じる可能性があるためである。好ましくは、15〜30mass%である。
本発明の、保護酸化皮膜は、さらに下記の元素を含有してもよい。
Niは、高温強度を向上する元素であり、25mass%以下の範囲で添加することができる。Niを添加する場合の含有量は、3mass%未満では十分な高温強度の向上効果が得られないので、3mass%以上が好ましい。一方、25mass%を超えると、Co含有量が少なくなり、逆に、高温での強度不足を生じる場合がある。そのため、Niを添加する場合には、3〜25mass%の範囲で添加することが好ましい。
Wは、Niと同様、高温強度を向上する元素であり、25mass%以下の範囲で添加することができる。Wを添加する場合、含有量が3mass%未満では、十分な高温強度の向上効果が得られないので、3mass%以上とすることが好ましい。一方、25mass%を超えると、Wが酸化してWO3が生成し、蒸発して表面粗度の低下を生じる危険性がある。より好ましくは、5〜15mass%である。
Cは、合金の高温での硬度を向上する元素である。しかし、多量に添加すると、硬くなり過ぎて、合金が脆くなり、剥離を起こす可能性があるため3mass%以下に制限する。
好ましくは、2mass%以下である。
Siは、Crと同様、保護酸化皮膜を生成し耐酸化性を向上すると共に、保護酸化皮膜の耐剥離性を改善する元素でもある。しかし、添加量が1.5mass%を超えると、Fe−Si系の複合酸化物を形成し易くなり、耐ピックアップ性が低下するので、その添加量は1.5mass%以下に制限する。好ましくは、1.0mass%以下である。
Moは、高温強度を向上する元素である。しかし、過度の添加は、MoO3が生成し、表面粗度が変化して、鋼板の蛇行や、鋼板表面に疵を発生させる等の不具合を招くので、6mass%以下の範囲で添加することができる。好ましくは、5mass%以下である。
Vは、Cと結合し、VCとして合金中に分散することで、合金の硬度を確保するのに有用な元素である。しかし、多量の添加は、合金が硬くなり過ぎて脆くなり、剥離を引き起こすので、2mass%以下の添加が好ましい。
本発明のアンダーコートの母相金属において、上記成分以外は不可避的不純物である。なお、従来、Alは、ハースロール用の溶射被膜材料においては必須元素として添加されているが、Alの添加は、耐ピックアップ性の低下を招くため、本発明においては、Alは添加しない。
本発明の溶射被膜におけるアンダーコートの母材金属中には、ZrBおよびYのうちの1種または2種を5〜80mass%の量、均一に分散させる必要がある。合金中に分散させる上記ZrBおよびYは、高温においても非常に安定で鋼板成分や鋼板付着物と反応しない。そのため、ハースロールの表面に鋼板成分等の凝着や堆積を生じないため、耐ピックアップ性を向上することができる。また、合金中に均一に分散したYは、溶射被膜中の他成分の拡散を抑制することにより、耐ピックアップ性を向上する効果も有する。このような効果は、ZrBおよびYの総含有量が、アンダーコート全体の5mass%以上で得ることができる。しかし、総含有量がアンダーコート全体の80mass%を超えると、耐熱衝撃性の低下が起こる。そのため、ZrBおよびYの含有量は合計で、アンダーコート全体の5〜80mass%の範囲に制限する。耐ピックアップ性と耐剥離性とを両立させる観点からは、好ましくは10〜50mass%の範囲である。
なお、上記ZrBおよびYセラミックスの粒子は、15〜150μmの範囲の大きさのものであることが好ましい。15μm未満では、粒子径が小さ過ぎて、溶射施工時に粉末供給系統において詰まりが発生する危険性があり、一方、150μmを超えると粒子が大き過ぎて組織が粗くなると共に、溶射粒子の溶融が不十分となり、密着力の低下が生じる虞があるので、15〜150μmの範囲が好ましい。
また、本発明の溶射被膜におけるアンダーコートの膜厚は50〜90μmとすることが好ましい。膜厚が50μm未満では、オーバーコートが磨耗した場合に、アンダーコートのみでは耐用寿命が十分ではないとともに、下地母材の粗さの影響を受けて、均一に被膜が形成されない。一方、90μmを超えると、オーバーコートを加えた溶射被膜全体の膜厚が大きくなり過ぎ、皮膜内の内部応力が高くなって被膜の剥離を引き起こし易くなる。したがって、アンダーコートの膜厚は、50〜90μmの範囲であることが好ましい。
<オーバーコート>
アンダーコートの上に形成されるオーバーコートは、希土類酸化物を添加し安定化したZrO2あるいは部分安定化したZrO2からなる溶射被膜とする。
ZrO2は、鋼板表面に生成した酸化スケールとの反応性が低く、耐ピックアップ性が良好であるためである。ただし、このZrO2は、純度が高い場合には、体積変化を伴う単斜晶−正方晶の相変態により、異常膨張収縮を起こすという欠点がある。この異常膨張収縮は、Y23やCeO2等の希土類酸化物を添加して安定化し、変態を防止することにより回避することができる。安定化するための希土類酸化物の含有量は、Y23では、2mass%以上、CeO2では、5mass%以上である。しかし、多量に添加すると、耐熱衝撃性が低下するので、好ましくは、Y23は、5〜20mass%、CeO2は、10〜30mass%の範囲で添加するのが好ましい。
上記ZrO2の粒子の大きさは、上述したアンダーコートに分散させるセラミックスの場合と同様の理由で、15〜150μmの範囲のものであることが好ましい。
また、オーバーコートの膜厚は、50μm以下とすることが好ましい。膜厚が50μmを超えると、皮膜内に発生した応力により剥離が発生するとともに、微小剥離を起こした場合、その部分の凹凸が鋼板に転写されて表面不良を引き起こすためである。なお、ZrO2の耐ピックアップ性の改善効果を得るためには、20μm以上の膜厚であることが好ましい。なお、本発明の溶射被膜は、アンダーコート自体にも優れた耐ピックアップ性が付与されているため、オーバーコートのZrO2層が摩耗・消失した場合でも、優れた耐ピックアップ性を得ることができる。
<溶射被膜形成方法>
本発明の、溶射被膜を形成する方法は、ハースロール等の炉内構造物の基材表面に、Cr:5〜35mass%を含み、さらに必要に応じて、Ni:25mass%以下、W:25mass%以下、C:3mass%以下、Si:1.5mass%以下、Mo:6mass%以下、V:2.0mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含み、残部がCoおよび不可避的不純物からなる合金粉末と、ZrBおよびYのいずれか1種または2種を、全体に対して5〜80mass%混合した溶射複合材料を溶射してアンダーコートを形成し、そのアンダーコート上に、希土類酸化物を含有する安定化ZrOもしくは部分安定化ZrOを溶射してオーバーコートを形成する。溶射被膜を溶射する方法は、従来公知の方法を用いることができ、例えば、フレーム溶射(高速フレーム溶射を含む)、アーク溶射、プラズマ溶射、爆発溶射などを好適に用いることができる。
なお、溶射に当たっては、溶射粉末粒子を完全溶融させる観点からは、セラミックスの融点以上の熱量を発生可能であり、溶射粒子が高速となる溶射法であることが好ましい。
SUS310を素材とする寸法:40mm×40mm×15mmtの試験片の表面に、表1に示した成分組成を有する母相合金と分散粒子とからなるアンダーコート層を表1に示した厚さで形成し、さらにそのアンダーコートの上に、Y23を8mass%含有させて安定化したZrO2を同じく表1に示した厚さに溶射してオーバーコートを形成し、2層からなる溶射被膜を有する試験片を作製し、下記に説明する耐ピックアップ性試験および耐衝撃試験に供した。
<耐ピックアップ性試験>
耐ピックアップ性試験は、上記試験片2枚を1組とし、1枚の試験片の溶射被膜の上に、FeO:50vol%,MnO:50vol%からなるピックアップ源の粉末を厚さ1.0mmの厚さに散布し、この上に、もう1枚の試験片を溶射被膜が向かい合うように重ねて1組の試験材とし、この試験材に2kgの荷重を負荷した状態で、1000℃に維持された炉中に100hr、還元雰囲気中に保持し、その後、炉から取り出して室温まで冷却し、2枚の試験片を引き剥がした。この引き剥がした表面すなわちピックアップ源が付着した表面を、0.7MPaのエアブロー処理して軽度に付着したピックアップ源を除去し、この処理によってもなお除去されずにピックアップ源が付着している面積率(%)を測定した。このような測定を各条件で3ずつ行い、その面積率の平均値から耐ピックアップ性を評価した。
<耐熱衝撃試験>
上記耐ピックアップ性試験片と同じ溶射被膜を形成した試験片を各3個ずつ準備し、これらを1000℃に加熱された炉中で30分間、大気雰囲気で加熱保持した後、水中に投入して急冷する熱衝撃試験を繰り返して行い、表面に形成された溶射被覆層の剥離が生じるまでの加熱冷却回数を測定し、3つの試験片の平均回数から耐熱衝撃性すなわち耐剥離性を評価した。
Figure 0004774786
上記測定の結果を、表1中に併記して示した。この表1から明らかなように、本発明の条件を満たすNo.1〜10は、いずれも耐ピックアップ性に優れるとともに、耐熱衝撃性(耐剥離性)にも優れている。一方、本発明の条件を満たさない、No.11〜22は、耐ピックアップあるいは耐熱衝撃性(耐剥離性)のいずれかの特性が劣っている。また、No.15は従来の代表的な溶射被膜であるが、耐熱衝撃性は優れているものも、耐ピックアップ性が劣っている。
表1のNo.3と、比較材としてNo.15の溶射被膜を形成したハースロールを製作し、実機の連続焼鈍ラインの均熱炉に設置し、比較試験を行った。この時の使用条件は、均熱炉の炉内温度800〜950℃の還元性雰囲気とし、ロール表面に形成された溶射被膜へのピックアップの発生あるいは溶射被膜の磨耗や剥離により使用できなくなるまでの耐用使用時間を調査した。その結果、比較材である従来の溶射被膜を形成したハースロールは、1ヶ月の使用によりピックアップが発生し、ロール交換となった、一方、本願発明の溶射被膜を形成したハースロールは、鋼板との接触による磨耗により24ヶ月の使用によってロール交換となったが、この間、ピックアップの発生や被膜の剥離、異常磨耗の発生は認められなかった。この結果から、本発明の溶射被膜は、良好な耐ピックアップ性、耐剥離性および耐磨耗性を有することが確認された。
本発明の溶射被膜は、連続焼鈍炉のハースロールの表面被覆として好適に用いることができるが、その他に、炉内にて腐食を生じる炉壁部、温度計保護管やラジアントチューブ等の炉構造物にも好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. Cr:5〜35mass%を含み、残部がCoおよび不可避的不純物からなる合金中に、ZrBおよびYのいずれか1種または2種を5〜80mass%分散させてなるアンダーコートと、希土類酸化物を含有する安定化ZrOもしくは部分安定化ZrOからなるオーバーコートとからなることを特徴とする炉内構造物被覆用溶射被膜。
  2. 前記合金は、さらに、Ni:25mass%以下、W:25mass%以下、C:3mass%以下、Si:1.5mass%以下、Mo:6mass%以下、V:2.0mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の炉内構造物被覆用溶射被膜。
  3. 基材表面に、Cr:5〜35mass%を含み、残部がCoおよび不可避的不純物からなる合金と、ZrBおよびYのいずれか1種または2種を5〜80mass%とからなる複合溶射材料を溶射してアンダーコートを形成し、そのアンダーコート上に、希土類酸化物を含有する安定化ZrOもしくは部分安定化ZrOを溶射してオーバーコートを形成することを特徴とする炉内構造物被覆用溶射被膜の形成方法。
  4. 前記合金は、さらに、Ni:25mass%以下、W:25mass%以下、C:3mass%以下、Si:1.5mass%以下、Mo:6mass%以下、V:2.0mass%以下のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項3に記載の炉内構造物被覆用溶射被膜の形成方法。
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