JP2626736B2 - 耐ビルドアップ性にすぐれた熱処理炉用ロール - Google Patents

耐ビルドアップ性にすぐれた熱処理炉用ロール

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JP2626736B2
JP2626736B2 JP62334945A JP33494587A JP2626736B2 JP 2626736 B2 JP2626736 B2 JP 2626736B2 JP 62334945 A JP62334945 A JP 62334945A JP 33494587 A JP33494587 A JP 33494587A JP 2626736 B2 JP2626736 B2 JP 2626736B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鋼材熱処理炉の炉内ロールに関する。
〔従来の技術〕
厚板、薄板等の鋼板、その他の鋼材の加熱・熱処理を
行う炉内の搬送ロールとして、一般に高Cr−Ni系耐熱鋳
鋼ロール(SCH13,SCH22等)が使用されているが、これ
らの耐熱鋳鋼ロールの表面には被加熱鋼材表面から剥離
する金属粉や酸化スケールが固着する所謂ビルドアップ
現象が生じ易い。このビルドアップは、被加熱鋼材の表
面に疵をつけ、その品質を著しく低下させる原因とな
る。
このビルドアップ現象を防止する方法として、ロール
表面をセラミックの溶射層で被覆することが提案されて
いる(例えば、特公昭62−27133号、特開昭62−63664
号)。セラミックの被覆層は、硬質で耐摩耗性にすぐ
れ、特に金属やその酸化スケールの溶融物との濡れ性が
低いことによりビルドアップ防止に著効を奏するが、セ
ラミック単独では鋼材の荷重や衝撃による亀裂・剥離が
生じ易いので、その対策としてセラミック粒子と金属と
を複合使用し、均一な混合組織を有する被覆層を形成す
ることも行われている。その金属としては一般にCr−Ni
系合金が使用されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
セラミック粒子とCr−Ni系合金とからなる被覆層は、
その金属分(Ni−Cr系合金)がバインダとして機能し、
セラミック粒子同士を結合すると共に、ロール生地表面
に対する被覆層の密着性を高めることにより、セラミッ
ク単独の被覆層と異なって、靭性が高く、良好な耐亀裂
・剥離性を有している。しかし、その反面耐ビルドアッ
プ性が弱く、スケール等の付着による表面損傷が生じ易
いため、鋼材の表面疵防止効果に乏しく、その耐用寿命
も短い。
本発明は上記問題点を解決するためになされたもので
ある。
〔問題点を解決するための手段および作用〕
本発明の熱処理炉用ロールは、その表面のセラミック
粒子と金属とからなる均一な混合組織を有する被覆層の
金属が、Al10〜30重量%(以下、「%」)残部実質的に
CrからなるAl−Cr合金であり、セラミック粒子は炭化ク
ロムであって、混合組織中に占める割合が50〜90重量%
であることを特徴としている。
本発明において、被覆層のバインダ金属を、Al−Cr合
金に特定したのは、高温雰囲気において、被加熱鋼材や
その表面酸化スケールに対するすぐれて安定した耐ビル
ドアップ性を有し、かつ耐酸化性や耐熱性等にもすぐれ
ているからである。そのためのAl−Cr合金のAl量は少な
くとも10%であることを要する。Al量の増加に伴って上
記効果が強められるが、30%までで十分であり、また30
%をこえると、ロール表面に対する被覆層の密着性の低
下傾向をみる。このため、Al量は10〜30%とした。
他方、セラミック粒子を炭化クロム粒子に限定したの
は、ビルドアップに対する卓抜した抵抗性を有している
だけでなく、極めて硬質であり、また上記Al−Cr合金と
の濡れ性も良く、均質で緻密な混合組織を形成し、その
複合効果として、被覆層を高温強度や耐摩耗性等にすぐ
れたものとするからである。その粒径は30〜150μm程
度であればよい。なお、炭化クロムとしては、Cr3C2、C
r7C3、Cr4C1等が挙げられるが、特にCr3C2は、耐ビルド
アップ性や耐熱性等にすぐれている点で極めて好適であ
る。
Al−Cr合金との混合組織に占める炭化クロム粒子の割
合を50重量%以上としたのは、該粒子の特性、特に耐ビ
ルドアップ性、耐摩耗性等を十分に発現させるためであ
り、他方90重量%を上限としたのは、それを越えると、
Al−Cr合金量の相対的な不足に伴って被覆層の靭性が乏
しくなり、被加熱鋼材の荷重や衝撃による剥離や亀裂が
生じ易くなるからである。
上記被覆層の層厚は、ロールの使用条件等にもよる
が、耐久性確保の点から約300μm以上とするのが適当
である。しかし、あまり厚くする必要はなく、約600μ
mまでの厚さで十分である。
被覆層の形成は溶射法により行うことができ、その所
望の層厚に応じて、ガスプラズマ溶射法や水プラズマ溶
射法等を適宜選択使用すればよい。
なお、ロール生地は、それ自身耐ビルドアップ性や耐
摩耗性、耐酸化性等を必要とせず、被加熱鋼材の支持に
必要な強度を有する適宜の金属材料、例えばSCH11,SCH1
3等であればよい。
〔実施例〕
炭化クロム粉末(平均粒径:50μm)とAl−Cr合金粉
末との混合粉末を溶射材料とし、ガスプラズマ溶射機に
より、熱処理炉用ロール(SCH13)の表面に層厚約500μ
mの複合被覆層を形成して供試材を得た。
上記供試材の溶射被覆層の表面を機械加工により表面
粗さ6Sに仕上げたうえ、第1図に示すビルドアップ試験
に付した。
図中、(T)は供試材(Cは被覆層)、Pは酸化鉄
(Fe3O4)粉末、(W)は押圧部材であり、供試材
(T)を酸化鉄粉末に埋め、大気雰囲気中、温度850℃
に4時間加熱保持するとともに、上方から押圧部材
(W)にて、0.5kg/cm2の荷重を間歇的に負荷(5分間
負荷−5分間負荷を反復)した。
第1表に、供試材の被覆層の組成、被覆層の金属分の
成分と併せて、試験結果を示す。No.1〜6は発明例、N
o.11〜16は比較例である。比較例No.11〜16のうち、No.
11は被覆層を炭化クロム単味で形成した例、No.12〜14
は発明例と同じようにAl−Cr合金と炭化クロムとからな
る複合被覆層であるが、そのAl−Cr合金と炭化クロムの
配合割合、またはAl−Cr合金の成分組成が本発明の規定
からはずれている例、No.15およびNo.16は、金属分とし
てAl−Cr合金以外の金属を用いて被覆層を形成した例で
ある。
なお、表中、「耐ビルドアップ性」は、被覆層表面に
対する酸化鉄粉末の付着強さの程度を次の4段階で評価
したものである。
◎:付着なし(供試材を傾斜させるだけで表面から滑
落) ○:付着極少(ガーゼ擦付けにより剥離) ×:付着(剥離せず) ××:付着顕著(剥離せず) また、表中、「耐剥離性」欄は被覆層のロール表面に
対する密着性を次の3段階で評価した。
○:剥離なし ×:剥離発生 ××:剥離顕著 第1表に示したように、発明例No.1〜6は、いずれ
も、比較例No.11〜16のような酸化鉄粉末の付着や、被
覆層の剥離の発生はなく、すぐれて安定した耐ビルドア
ップ性を有し、かつロール表面に対する密着性も良好で
ある。
〔発明の効果〕 本発明の熱処理炉用ロールは、その生地表面に形成さ
れた複合被覆層によるすぐれて安定した耐ビルドアップ
性および高温耐摩耗性を備えているので、高温の炉内に
おいて、金属酸化物等の付着・喰い込み等による表面劣
化が生じにくく、長期に亘り安定した炉操業を行うこと
ができ、熱処理操業の効率化、被加熱鋼材の表面品質の
向上等の諸効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図はビルドアップ試験の模式的説明図である。 T:試験片、P:酸化鉄粉末、W:押圧部材。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】クロム炭化物粒子と金属とからなる均一な
    混合組織を有し、金属はAl10〜30重量%,残部は実質的
    にCrからなるAl−Cr合金であり、混合組織に占めるクロ
    ム炭化物粒子量は50〜90重量%である被覆層がロール生
    地表面に形成されていることを特徴とする耐ビルドアッ
    プ性にすぐれた熱処理炉用ロール。
JP62334945A 1987-12-28 1987-12-28 耐ビルドアップ性にすぐれた熱処理炉用ロール Expired - Lifetime JP2626736B2 (ja)

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JPS63317143A (ja) * 1987-06-22 1988-12-26 Shimadzu Corp Nmrデ−タ採取法

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