JP4767252B2 - 肺のアクセス装置 - Google Patents

Description

発明の詳細な説明

本出願は、その内容の全体を参考として引用し本明細書に含めた、２００４年６月１４日付けにて出願された米国仮特許出願明細書６０／５７９，９０５号の優先権の利益を主張するものである。

本発明は、全体として、肺の内部又は肺周囲の縦隔空間にアクセスするため気管支鏡及びその他の装置を使用することに関する。特に、本発明は、従来の気管支鏡又はその他の内視鏡と共に使用して、典型的な内視鏡又は気管支鏡を通じて現在可能であるよりもより多数の且つより大きい装置をターゲット箇所まで送り出すことを可能にする補助的アクセス装置及びツールに関する。

殆どの気管支鏡の事例は、単に、気管支にアクセスするため（肺への経鼻、経口又は経気管アクセス）、また、可能であれば、隣接する病理組織の異常な色を視覚化するためのツールとして気管支鏡を使用する。殆どの気管支鏡利用のバイオプシーは、気管支幹の外側に位置する組織をターゲットとする。このため、介入術者は、バイオプシーシステムの先端を配置し且つターゲットを横断することを確実にすべく送り出し方向を確認するため、外部の映像による案内を必要とする。気管支鏡は、大きく（直径５ｍｍ）、また、極めて可撓性ではないため、アクセス深さが制限される。これらの気管支鏡は、僅か２．０ｍｍの作業通路を有しており、このため、ユーザは、通すことのできる装置を選択する点にて制約される。しかし、これらの気管支鏡は、ステア可能であり、所要位置に係止することができ、また、実質的に剛性であり座屈（病変部を横断するためのばね針の圧縮のような）し易い装置を支持することができる。１つの型式の従来の可撓性の気管支鏡は、その開示内容を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許明細書４，８８０，０１５号に記載されている。図１ないし図４に示すように、気管支鏡１０は、長さ７９０ｍｍであり、また、作業用ヘッド１４及び挿入管１１という、２つの主要な部分を有している。作業ヘッドは、接眼鏡１５と、ジオプター調節リング２５を有する接眼レンズと、吸引管２４、吸引弁２１、及び冷ハロゲン光源１６、１８の取り付け部と、色々な装置及び流体を作業通路２９内に通し且つ気管支鏡の末端から出すときに通るアクセスポート又はバイオプシー入口１９とを保持している。作業ヘッド部は、典型的に、長さ５８０ｍｍ及び直径６．３ｍｍの挿入管に取り付けられる。挿入管は、光ファイバ束（末端の先端１２で対物レンズ３０にて終わる）と、２つの導光路３１と、作業通路２９とを保持する。

気管支鏡の末端は、前方及び後方にのみ曲がる能力を備え、その正確な偏向角度は、使用される器具に依存する。一般的な曲げ範囲は、図３Ａ及び図３Ｂの要素１３にて示すように、前方に１６０°及び後方に９０°にて合計２５０°である。曲りは、術者が作業ヘッド部の角度係止レバー２２及び角度レバー２３を調節することにより制御される。呼吸器科医は、かかる気管支鏡を使用して肺の内部を検査すると共に、多岐に亙る術を実行する。バイオプシー鉗子及びブラシのような装置は、作業通路を介して気管支鏡の長さを通じて患者の肺内に通し組織の試料を得ることができる。例えば、米国特許明細書４，７６６，９０６号（その特許の開示内容は、参考として引用し本明細書に含めてある）に記載されたもののようなバイオプシー針を可撓性気管支鏡の作業通路を介して患者の肺内部に挿入することができる。針が気管支の末端の所要位置に配置されたならば、呼吸器科医は、針を使用して、例えば、気管支鏡が配置された気管支に隣接する縦隔空間内のリンパ節をパイオブシー検査することができる。第’９０６号特許に記載されたように、呼吸器科医は、気管支鏡及び針にて突き刺し動作を行い、気管支壁及びリンパ節に侵入する。気管支鏡の作業通路を介して使用されるバイオプシー針の他の例は、その開示内容を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許明細書５，０５６，５２９号、米国特許明細書４，５３２，９３５号及び米国特許明細書４，７０２，２６０号に見ることができる。

従来の気管支鏡の作業通路の寸法は、気管支鏡の末端にて患者の肺を視認し、パイオブシー検査し又は治療するため作業通路に沿って下方に進めることのできる器具の寸法を制限する。例えば、肺の内部又は肺を通じて試料採取する現在の針バイオプシー装置は、従来の気管支鏡の直径２．０ｍｍの通路に適合しなければならない。更に、気管支鏡の作業通路は、バイオプシー針を送り出すため使用されるため、気管支鏡はターゲット組織を固定するといったような、その他の目的のため同時に使用することはできない。本発明は、気管支鏡の作業通路の寸法上の制限を解消する、気管支鏡と共に使用されるアクセス付属品を提供するものである。

従って、１つの実施の形態において、本発明は、肺のアクセス組立体を提供する。該組立体は、（ａ）基端と、末端とを有し、該末端は被験者の肺内部に配置し得るようにされ、上記基端は上記被験者の肺の外側に配置し得るようにされた、映像装置と、（ｂ）器具を上記映像装置の外側にて上記被験者の肺まで送り出すのを導き得るように、上記映像装置の上記末端と作用可能に接続された案内要素とを備えている。また、被験者の肺のアクセス組立体を備えるキットとすることも考えられる。

別の実施の形態において、本発明は、被験者の肺のアクセス組立体を使用する方法を提供する。特に、この実施の形態には、被験者の肺又は周囲の組織まで案内されたアクセスを実現する方法が含まれる。この方法は、被験者の肺のアクセス組立体を肺又は取り囲む組織の内側部分に位置決めするステップと、組立体の映像装置の外側又は、映像装置が１つの作業通路を有するならば、その作業通路の外側に配置された器具によって案内されたアクセスを実現すべく組立体内に保持された案内要素を制御するステップとを含む。

本発明によって被験者の肺又は肺の取り囲む組織内のターゲット箇所の治療又は診断を実行する方法が更に提供される。この方法は、（ａ）被験者の肺のアクセス組立体であって、（ｉ）作業通路を有する映像装置を備える上記アクセス組立体を肺又は取り囲む組織の内側部分内に送り出すステップと、（ｂ）組立体の映像装置の視認の下、案内要素を制御するステップと、（ｃ）案内要素と作用可能に接続されたバルーンを拡張して肺又は取り囲む組織内のターゲット箇所まで送り出すべき器具を固定するステップと、（ｄ）固定したターゲット箇所にて器具によって所望の治療又は診断を実行するステップとを含む。

一部の実施の形態において、気管支鏡が患者の体内に挿入される前に、アクセス付属品を気管支鏡の作業通路内に逆に装填する。アクセス付属品は、その末端に取り付けられた１つ又はより多くの要素（ガイドワイヤー、カニューレ等）を有しており、このため、要素は、気管支鏡と共に、喉を通して下方に且つ、気管支内に、下降させていく。気管支鏡を配置した後、外科医は、大型の視覚化光ファイバ束、スクレーパ、縫合糸又は縫合針を操作する器具、レーザ光ファイバ、光ステッキ、光管、バイオプシー位置マーカの送り出しシステム、腫瘍除去器具、プラグ、超音波プローブ、血管内視鏡、又は、患者の喉、気道、気管、気管支、肺、縦隔領域、リンパ節、及び腫瘍を治療し又はその形状又はその状態を改変するその他の装置のような装置をガイドワイヤーの外側にてカニューレを通して導入等することができる。これらの装置は、気管支鏡が依然として所要位置にあり又は気管支鏡を除去した状態にて、患者の肺内部に送り出し、アクセス付属品を所要位置に残すことができる。アクセス付属品は、気管支鏡を使用してその他の装置の位置の制御を助けることもできる。

更に、気管支鏡が肺に向かう途中に通らなければならない患者の声帯のような解剖学的形態部は、気管支鏡の直径を増大させることのできる程度を制限し、また、ツールを気管支鏡と共に、但し気管支鏡の外側にて同時に送り出すことを妨害する可能性がある。本発明のアクセス付属品は、器具を気管支鏡と共に同時に又は気管支鏡に沿って送り出すことを必要とせずに、器具を気管支の外側にて末気管支鏡の末端まで送り出すことを可能にすることにより、こうした解剖学的な寸法上の制限を解消する方法を提供する。

特定の実施の形態において、当該組立体の映像装置は、気管支鏡であり、案内要素はガイドワイヤーである。１つ以上の案内要素を組立体内に組み込むことができる。典型的に、案内要素は、末端と、基端とを有する一方、末端は被験者の体内に配置し得る設計とされ且つ上記器具と接続され、また、基端は器具の送り出しを導き得るように被験者の身体の外側に配置される。特定の実施の形態において、案内要素の少なくとも一部分は映像装置の作業通路内に配設される。１つの好ましい形態において、案内要素は、バルーン軸の内部又はバルーン軸を横断する位置に配置され、バルーンを肺の上記内側部分又は肺の取り囲む組織まで送り出す。別の好ましい形態において、バルーン軸は、案内要素が通るのを許容し得るよう少なくとも１つの側部ポートを保持している。案内要素は、器具の一体的部分とすることができる。案内要素は、分離可能な取り付け装置を介して器具と接続してもよい（例えば、図２７Ａないし図２７Ｄ参照）。好ましい分離可能な取り付け装置は、被験者の肺又は取り囲む組織内に配置されたとき、案内要素を器具から制御状態にて解放することを許容する。かかる分離可能な取り付け装置は、クリップ、接着剤、ストラップ及びスリーブを含むが、これらにのみ限定されるものではない。望まれる場合、分離可能な取り付け装置は、作業通路を更に備えることができる。

一部の実施の形態において、案内要素と接続される器具は、映像装置の作業通路の末端内に又は末端を横断する位置に配置される。一部の実施の形態において、器具は映像装置の外側に配置される。多岐に亙る器具を当該組立体と共に使用することができる。これらの器具は、バイオプシーを実行し得るようにされた器具、身体組織を映像化し得るようにされた器具及び（又は）医薬組成物を肺に送り出し得るようにされた器具を含むが、これらにのみ限定されるものではない。好ましい器具は、バルーンと接続されたカテーテルを備えている。別の好ましい器具は、針案内部を備えている。所望である場合、針案内部は、案内要素が通るのを許容するよう側部ポートを保持することができる。

本発明の別の形態は、バイオプシーのためターゲット組織を固定することに関する。肺を通してパイオブシー検査したリンパ節又はその他の組織の均一性は、流体からバイオプシー針にて押したとき、経路外に転がり出る硬いゴム状塊の程度のものとすることができる。このため、本発明は、バイオプシーを行う前に、アクセス付属品を使用して固定装置を送り出し且つ制御する等によって、ターゲット組織を固定する方法を提供する。本発明はまた、より大形のバイオプシー針を送り出し、先行の肺バイオプシーシステムにより許容されるよりも大きい組織試料を引き出すことをも可能にする。

従って、本発明は、治療又は診断のため肺の組織を固定する方法を提供する。この方法は、（ａ）肺のアクセス組立体であって、（ｉ）作業通路を有する映像装置と、（ｉｉ）上記映像装置の視認の下、観察可能な案内要素であって、その少なくとも一部分が上記作業通路内に配設され複数の固定器具にて肺の上記内側部分又は取り囲む組織への案内されたアクセスを実現し、また、上記複数の器具の少なくとも１つの固定器具は案内要素と作用可能に固定された上記案内要素を備える上記肺のアクセス組立体を送り出すステップと、（ｂ）上記複数の固定器具と接触して上記肺の組織を固定するステップとを含む。この実施の形態の１つの形態において、固定器具は、複数の針をその内部に保持した針案内部を備えている。好ましい針は膨張可能なスリーブにより覆われている。

本発明は、身体器官又は組織にアクセスするための空間形成装置を更に提供する。装置は、次の構成要素、すなわち、（ａ）末端と、基端と、貫通する管腔とを有する細長いアクセス装置であって、上記管腔を貫通して伸びることのできる送り出し要素を保持する上記細長いアクセス装置と、（ｂ）上記細長いアクセス装置の上記末端を取り囲む、開放端部で且つ伸長可能なスリーブであって、上記送り出し要素にて上記身体器官又は組織にアクセスするため作業空間を膨張させる設計とされた上記伸長可能なスリーブとを備えている。

本発明には、被験者の上記身体器官又は組織にアクセスするための作業空間を提供する方法も含まれる。この方法は、（ａ）空間を形成する装置であって、（ｉ）末端と、基端と、貫通する管腔とを有する細長いアクセス装置であって、上記管腔を通って伸びることのできる送り出し要素を保持する上記細長いアクセス装置と、（ｉｉ）上記細長いアクセス装置の上記末端を取り囲む開放端部で且つ伸長可能なスリーブとを有する上記空間を形成する装置を上記被験者の上記身体器官又は組織内に位置決めするステップと、（ｂ）上記伸長可能なスリーブを膨張させて作業空間を膨張させ、上記送り出し要素にて上記身体器官又は組織にアクセスするステップとを含む。

本発明の一部の形態において、スリーブは、半径方向に伸長可能である。別の形態において、スリーブは、上記身体器官又は組織の解剖学的形態部を押し拡げ易くする少なくとも１つの翼状構造体を備えている。本発明のその他の有利な効果は、以下の特定の実施の形態の説明から明らかになるであろう。

図５には、その内部に針案内部４４が挿入された作業通路４２を有する可撓性の気管支鏡４０が示されている。気管支鏡４０を患者の体内に挿入する前、ガイドワイヤー４６のような、アクセス付属品が針案内部４４の末端４８内に挿入される。ガイドワイヤー４６は、曲がって、基端５０が気管支鏡４０の長さに沿った位置にあるようにする。気管支鏡４０が患者の肺内に挿入されたとき、ガイドワイヤー４６の基端５０は患者の外部に止まるであろう。次に、ガイドワイヤー４６を使用して、診断、治療又はパイオプシー用ツールを作業通路４２に通すことを必要とせずにかかるツールを気管支鏡４０の末端まで送り出す。かかるツールは、気管支鏡と共に同時に、又は気管支鏡が患者の肺内の選んだ箇所に配置された後の何れかにて、送り出すことができる。

また、ガイドワイヤー４６を使用して、気管支鏡の末端４１を位置決めし且つステアすることもできる。ガイドワイヤー４６を基端方向に引っ張ると、針案内部４４及び気管支鏡４０の末端４１は、その方向に曲がり、これにより気管支鏡の末端に対するユーザの制御状態を向上させる。

１つの代替的な実施の形態において、ガイドワイヤーは、針案内部に取り付けるか又は針案内部と一体化することができる。
図６には、気管支鏡４０、針案内部４４及びガイドワイヤー４６が図５の配置にある、鈍角な拡張器５２の使用状態が示されている。拡張器５２を使用して、気管支又はその他の肺通路の壁に対し外傷を生じさせることなく、システムの前進を助けることができる。

図７及び図８には、気管支鏡４０の作業通路４２内にて針案内部を使用することを不要にする本発明の１つの実施の形態が示されている。この実施の形態において、ガイドワイヤー４６は、気管支鏡の末端４１にて作業通路４２内に配置され、このため、一端５１は、作業通路を通って基端方向に伸び、また、他端（図示せず）は、その長さに沿って気管支鏡の外側にて基端方向に、患者の外部まで伸びている。気管支鏡が患者の肺内に挿入されたとき、ガイドワイヤー４６を使用して、ツールを治療箇所まで送り出すことができる。図７Ａ及び図７Ｂに示した実施例において、針案内部５４がガイドワイヤー４６の外側部分上にある間に、針案内部５４をガイドワイヤー４６に沿って末端方向に押すか又はガイドワイヤーの基端５１を基端方向に引き抜き或いは、これら２つの動作の組み合わせにより、ガイドワイヤー４６を使用して針案内ブ４６をバイオプシー箇所まで送り出す。針案内部の末端５６が気管支鏡の末端４１にあるとき、針案内部の末端５６は、ガイドワイヤー４６のカーブに従って、バイオプシー箇所に向けて曲がる。ガイドワイヤー４６の基端方向張力を使用して針案内部の曲がり程度を制御することができる。次に、針案内部５４内にて可撓性のバイオプシー針５８を使用して気管支壁に侵入し、組織の試料を採取することができる。

図９ないし図１２には、側部ポート６２を有する鈍角な先端の針案内部６０が気管支鏡４０の作業通路４２内に配設された、気管支鏡及びガイドワイヤーの配置が示されている。ガイドワイヤー４６は、気管支鏡４０を患者の体内に挿入する前に、針案内部６０の末端にてガイドワイヤーのポート６４内に固定され、このため、ガイドワイヤー４６は、気管支鏡４０の長さに沿って伸びてガイドワイヤー４６の基端５０を患者の外部に配置する。ガイドワイヤー４６を使用して針案内部６０を回転させ且つ（又は）曲げて側部ポート６２を望ましいように向き決めすることができる。その他の実施の形態におけるように、気管支鏡４０を患者の肺内に挿入した後、ガイドワイヤー４６を使用してツール（掴み器具、光源、腫瘍固定具、鉗子のような）を気管支鏡の末端まで送り出すことができ、気管支鏡の制限された寸法の作業通路を通る必要はない。その他の送り出しツールは、代理人事件番号３０６８９．７０３．２０１、３０６８９．７０３．３０１、３０６８９．７０３．３０４による当該出願人の特許出願明細書に記載されている。これら特許出願の内容は、その全体を参考として引用し本明細書に含めてある。

例えば、図１０ないし図１２には、気管支鏡システムを使用してバルーン６６をバイオプシー箇所まで送り出す状態が示されている。バルーン６６と連通したカテーテル６８は、図１０に示すように、ガイドワイヤー４６と同軸状にすることができ、また、これと代替的に、ガイドワイヤー４６は、図１１に示すように、側部ポート６９を介してバルーンの軸６６から出るようにしてもよい。バルーンの拡張器７０は、ガイドワイヤー４６の基端５０にて患者の外部に配設される。ガイドワイヤー４６を使用して側部ポート６２を向き決めした後、バルーン６６を拡張させ側部ポート６２をバイオプシー箇所にて気管支壁７２に向け又は気管支壁７２に対して動かすと共に、針案内部の末端６０をこの位置にて保持する。次に、バイオプシー針７４及び中央ワイヤー７６を、針案内部６０、気管支壁７２の側部ポート６４を通してバイオプシー箇所まで前進させることができる。吸引注射器７８を使用して組織試料をコアバイオプシー針７４内に吸引するとき、中央ワイヤー７６を使用して疑わしい腫瘍を所要位置に固定することができる。組織試料を得た後、針及び中央ワイヤーを引き抜き、バルーン６６を萎縮させることができる。

図１３には、図９ないし図１２のものと同様の気管支鏡システムが示されている。しかし、図１３のシステムは、図９ないし図１２の側部ポート針案内部に代えて、直線状の通路針案内部４４を使用する。図９ないし図１２のシステムと同様に、バイオプシー術を行う前、且つバイオプシー術を行う間、バルーン６６を使用して針案内部４４を向き決めし且つ支持することができる。

図１４には、多数のガイドワイヤー４６ａ、４６ｂ、４６ｃが気管支鏡４０の作業通路を通って伸びる針案内部４４内に配設される、気管支鏡システムが示されている。その他の実施の形態におけるように、ガイドワイヤーの各々の一端は気管支鏡を患者の体内に挿入する前、針案内部の末端４８内に挿入され、ガイドワイヤーが気管支鏡４０の長さに沿って伸びて、それらの他端５０ａ、５０ｂ、５０ｃを患者の外部に配置する。内視鏡の作業通路を使用せずに、側部ポートバルーン６６のようなツールをガイドワイヤーに沿って気管支鏡４０の末端まで送り出すことができる。１つの代替的な実施の形態において、ガイドワイヤーは、針案内部に取り付け又は針案内部と一体に形成することができる。

図１５には、ステア可能な気管支鏡及び（又は）カメラ８０をガイドワイヤー４６に沿って伸びるレール８１を介してバイオプシー箇所まで送り出すため、図５のものと同様のガイドワイヤーの気管支鏡システムを使用する状態が示されている。気管支鏡８０を誘導可能な末端８２は、疑わしい腫瘍又はリンパ節８４に隣接する気管支壁８３に侵入しバイオプシーすべき組織を視認することができる。バイオプシー針は、針案内部４４を介してバイオプシー箇所まで送り出すことができる。気管支鏡の末端８２は、案内信号（ＥＭＦ、光、磁気、音、高周波）を放出してバイオプシー針を疑わしい腫瘍又はリンパ節８４内に案内することができる。

図１６及び図１７にて、針案内部４４は、気管支鏡４０の末端４１に取り付けられ、バイオプシー針又はその他の器具を気管支鏡作業通路４２の外部の治療箇所まで案内部４４を介して送り出すことができる。図１６において、針案内部４４は、鼻クリップ９０又はストラップ、接着剤等のような、その他の取り付け機構によって気管支鏡に取り付けられる。

図１７には、クリップ、ヒンジ又は接着剤９２を使用して、気管支鏡４０と針案内部４４との間に関節式接続部を形成する状態が示されている。ガイドワイヤー４６は、気管支鏡の作業通路４２を通って患者の外部まで、また、以前の実施の形態におけるように、針案内部の側部ポート（図示せず）を通って伸びている。気管支鏡及び針案内部は、その他の実施の形態におけるように肺内に同時に挿入され、また、ガイドワイヤー４６を使用して針案内部４４の末端４８を動かし、位置決めし且つ保持することができる。この配置は、針案内部の可撓性及び操縦可能性を気管支鏡の長手方向剛性と組み合わせる。

図１８において、針案内部４４は腫瘍固定装置１００と共に縫付けられ又は腫瘍固定装置１００にその他の方法にて取り付けられる。針案内部４４は、気管支鏡の末端の作業通路４２内に挿入され、腫瘍固定装置１００の軸１０２は、気管支鏡の長さに沿って伸びている。気管支鏡が患者の肺内に挿入されると、１つ又はより多くの固定針１０４は、気管支鏡の末端におけるバイオプシー箇所にあり、制御機構１０６は患者の外部にて装置の基端にある。制御機構１０６を作動させると、針１０４はバイオプシーすべき組織内に及びその組織の回りに挿入される。次に、バイオプシー針７４及び中央ワイヤー７６を上述したように使用して組織の試料を得ることができる。

図１９には、幾つかのバイオプシー針機構を有する気管支鏡システムが示されている。主要な針案内部４４ａは、気管支鏡４０を患者の肺内に挿入する前に、気管支鏡４０の作業通路４２の末端に配設される。第二の針案内部４４ｂ、４４ｃの末端は、縫い付け又はその他の手段によって、主要な針案内部４４ａの末端に取り付けられる。針案内部の各々は、図示するように、既知の態様にて作動させ組織の試料を得ることのできる中央ワイヤー及びバイオプシー針を有している。

図２０には、バルーンカテーテル１１０、側部ポート針案内部６０、バイオプシー針７４及び中央ワイヤー７６が全て気管支鏡の作業通路内に配設された、気管支鏡システムが示されている。バルーン１１０は、針案内部６０の側部ポート６２の反対側に配設されている。注射器７０を使用してバルーン軸１１２を介してバルーン１１０を拡張させ、側部ポート６２を気管支壁に対して押し針７４及び中央ワイヤー７６を疑わしい腫瘍８４内に確実に押すことができる。

図２１には、上述したもののような気管支鏡システムと共に使用されるバイオプシー針が示されている。図２１Ａに示すように、スリーブ１２０は、針を送り出し且つ位置決めする間、針１２２及び中央ワイヤー１２４を覆う。スリーブ１２０は、患者の外部にて基端方向に伸びて戻り、また、針１２２、１２４と共に気管支鏡の作業通路内に又は気管支鏡の外部に配設された針案内部を通して前進させる。組織試料を集めるため針を使用すべきとき、針１２２及び中央ワイヤー１２４が末端方向に前進する間、スリーブ１２０は静止状態に保持され（又は、針１２２及び中央ワイヤー１２４が静止状態に保持されている間、スリーブ１２０を基端方向に引き出す）、このため、針１２２及び中央ワイヤー１２４は、図２１Ｂに示すように、スリーブ１２０に穴を開け、次に、針１２２及び中央ワイヤー１２４を使用して組織試料を集める。

図２２において、半径方向に膨張可能なスリーブ１２６は、上記の図２１Ａの実施の形態におけるように、気管支鏡システムを介して送り出し且つ位置決めする間、針１２２及び中央ワイヤー又は針１２４を覆っている。バイオプシー箇所にて、スリーブ１２６の末端は図２２に示すように半径方向に膨張させ、針１２２及び中央ワイヤー又は針１２４がスリーブ１２６の末端を通過するのを許容する。スリーブ１２６が開放したとき、スリーブの末端における半径方向矢羽根状部１２８は、幾つかの機能を奏することができる。矢羽根状部１２８は、気管支壁に対して配設されたとき、整合機能を提供し、このため針１２２及び中央ワイヤー又は針１２４を制御距離だけ壁内に及び壁を超えて前進させることができる。また、スリーブ１２６が組織に対して配置されている間、半径方向矢羽根状部１２８が開放されたならば、矢羽根状部の動きは、組織を横方向に動かし且つ保持して作業領域を開放し、また、装置を組織に対して固定することができる。半径方向矢羽根状部はまた、組織の試料を得た後、閉塞した位置まで動かし組織の試料を掴み且つ保持するのを助けることもできる。

図２３ないし図２５には、気管支鏡システムを介して送り出し、気管支鏡を介して実行されるバイオプシー又はその他の術用のための作業空間を提供することのできる空間形成装置の他の実施の形態が示されている。図２３Ａにおいて、膨張ツール１３０は、開放端部のスリーブ１３２内に閉塞した形態に配設された状態で示されている。気管支鏡システムを介して肺内の治療箇所まで送り出された後、膨張ツール１３２を作動させて開放した形態にし、スリーブ１３２の開放した端部１３４を膨張させることができる。この実施の形態において、ツール１３０の回動アーム１３６は、図２３Ｂに示すように、スリーブ１３２の内部に対して動かし分離させる。スリーブ１３２が膨張した後、膨張ツール１３０を除去してその他のツールをスリーブ１３２を介して治療箇所まで送り出すのを許容することができる。膨張したスリーブ１３２を使用して治療箇所における作業領域を安定化させ、治療箇所における解剖学的形態を押し拡げ且つ（又は）組織の試料を保持するのを助けることができる。

図２４Ａ及び図２４Ｂには、空間形成装置の別の実施の形態が示されている。図２４Ａにおいて、膨張ツール１４０は、気管支鏡４０の作業通路４２を介して治療箇所まで送り出されつつある。膨張ツール１４０は、スパイラルとして形成されている。膨張ツールが作業通路４２の末端から出たならば、膨張ツール１４０のスパイラルは、図２４Ｂに示すように、巻き戻されツールの末端に作業空間を形成する。これと代替的に、膨張ツール１４０は、スリーブ内にて送り出し、ツール１４０を使用して、図２３の実施の形態におけるように、スリーブの末端を膨張させてもよい。

図２５には、空間形成装置の更に別の実施の形態が示されている。前述の実施の形態と同様に、膨張ツール１５０は、気管支鏡１４０の作業通路４２を介して治療箇所に送り出される。通路外となったならば、ツール１５０の膨張部分１５２は、巻き戻し且つ、半径方向に膨張して、ツールの末端に作業空間を形成する。その他の実施の形態におけるように、膨張ツール１５０は、スリーブ内にて送り出すことができ、また、ツール１５０を使用してスリーブの末端を膨張させることができる。

図２６において、分岐カニューレ１６０は、気管支鏡４０を患者の体内に挿入する前、気管支鏡４０の作業通路４２の末端に挿入されている。カニューレ１６０は、ツールを末端側ポート１６６を介して同一の治療箇所に前進させる２つの枝部分１６２、１６４を提供する。図示するように、枝部分１６２は、作業通路４２に沿って基端方向に伸びる一方、枝部分１６４は、気管支鏡４０の長さに沿って伸びている。ポート１６６を取り囲む先端１６８は、組織に侵入し得るよう鋭角にすることができる。例えば、ユーザが管腔の１つに配設された気管支鏡を介してカニューレの動きを観察する間、末端の先端１６８を、気管支壁に押し込むことができる。次に、カメラを引き戻して、バイオプシー器具をその位置まで前進させることができる。バイオプシー試料を採取する前、採取する間又は採取した後に、マーカを配置することもできる。

上述した実施の形態によるバイオプシー針の使用の１つの代替例として、側部採取カッタツールを使用して組織の試料を採取することができる。
映像化に関し、殆どの肺学研究所は、方向及び深さを確認し得るよう迅速に９０°回転させることのできる実時間蛍光透視法を採用している。これと代替的に、バイオプシー又はその他の術を行う前、実時間ＣＡＴスキャンを使用して、患者の肺及び縦隔領域の断面像を得ることができる。像スライスが３ないし５ｍｍと狭小であり、また、その像スライスが胸部を横断する面を切るならば、ユーザは、針がその平面に入るときを、及びターゲットに対する二次元座標を視覚化することができる。残念なことに、実時間ＣＴ装置は一般的ではない。このため、本発明の別の形態において、極く少量の放射線不透過性染料マーカは又は金属の放射線不透過性マーカを細い経胸部針を介して送り出し、その位置を確認し且つマーカを明確な指標として使用し、経気管支針吸引システムを気管支鏡を通して導くことができる。経胸部送り出しは、全体として、遥かにより正確ではあるが、装置の輪郭外形は、肺壁の損傷を避け得るように小さくなければならないであろう。

本発明の更に別の形態は、例えば、組織の試料を得るため、縦隔空間に入るべくアクセス付属品と共に、内視鏡を使用することである。本発明は、気胸の場合、接着剤又はプラグ（例えば、接着剤を保持する自然膨張セメント、コラーゲンプラグ、ポリマープラグ、シアノアクリレート、グルタルアルデヒドフォーミレーション、ポリエチレンバルーン等）を使用して肺壁又は隣接する組織の穴を閉塞することを含む。特定のバイオプシー針の実施の形態において、針の案内要素又は通路は、中央又は側部ポートを貫通する連続的な通路を有し、また、バイオプシー装置を正確に送り出すため、一定の管腔の直径及び密着嵌めするポートの寸法を有している。放射線不透過性マーカバンドをポート開口部に追加して、ターゲット組織に対するバイオプシー装置の映像化を容易にすることができる。

作業用ヘッド及び挿入管という、２つの主要な部分を有する気管支鏡の図である。 作業ヘッドを備える気管支鏡の図である。 気管支鏡の末端が前方及び後方にのみ曲がる能力を有する気管支鏡の図である。 挿入管の断面斜視図である。 その内部に針案内部が挿入された作業通路を有する可撓性の気管支鏡の図である。 気管支鏡、針案内部及びガイドワイヤーが図５の配置にある、鈍角な拡張器の使用状態を示す図である。 気管支鏡の作業通路内にて針案内部を使用することを不要にする本発明の１つの実施の形態を示す図である。 気管支鏡の作業通路内にて針案内部を使用することを不要にする本発明の１つの実施の形態を示す図である。 側部ポートを有する鈍角な先端の針案内部が気管支鏡の作業通路内に配設された、気管支鏡及びガイドワイヤーの配置を示す図である。 図９の気管支鏡及びガイドワイヤーの配置にて気管支鏡システムを使用してバルーン６６をバイオプシー箇所まで送り出す状態を示し、バルーン６６と連通したカテーテル６８がガイドワイヤー４６と同軸状の図である。 図９の気管支鏡及びガイドワイヤーの配置にて気管支鏡システムを使用してバルーン６６をバイオプシー箇所まで送り出す状態を示し、ガイドワイヤー４６が、側部ポート６９を介してバルーンの軸６６から出る状態の図である。 図９の気管支鏡及びガイドワイヤーの配置にて気管支鏡システムを使用してバルーン６６をバイオプシー箇所まで送り出す状態を示す図である。 図９ないし図１２のものと同様の気管支鏡システムの図である。 多数のガイドワイヤーが気管支鏡の作業通路を通って伸びる針案内部内に配設される、気管支鏡システムの図である。 ステア可能な気管支鏡及び（又は）カメラをガイドワイヤーに沿って伸びるレールを介してバイオプシー箇所まで送り出すため、図５のものと同様のガイドワイヤーの気管支鏡システムを使用する状態を示す図である。 針案内部が気管支鏡の末端に取り付けられた気管支鏡システムの図である。 クリップ、ヒンジ又は接着剤を使用して、気管支鏡と針案内部４４との間に関節式接続部を形成する状態を示す図である。 針案内部は腫瘍固定装置と共に縫付けられ又は腫瘍固定装置にその他の方法にて取り付けられた気管支鏡システムの図である。 幾つかのバイオプシー針機構を有する気管支鏡システムの図である。 バルーンカテーテル、側部ポート針案内部、バイオプシー針及び中央ワイヤーが全て気管支鏡の作業通路内に配設された、気管支鏡システムの図である。 気管支鏡システムと共に使用されるバイオプシー針の図である。 半径方向に膨張可能なスリーブが気管支鏡システムを介して送り出し且つ位置決めする間、針及び中央ワイヤー又は針を覆う状態を示す図である。 気管支鏡システムを介して送り出し、気管支鏡を介して実行されるバイオプシー又はその他の術用のための作業空間を提供することのできる空間形成装置の他の実施の形態を示し、膨張ツール１３０が、開放端部のスリーブ１３２内に配設されて回動アーム１３６として回動し得る状態を示す図である。 気管支鏡システムを介して送り出し、気管支鏡を介して実行されるバイオプシー又はその他の術用のための作業空間を提供することのできる空間形成装置の他の実施の形態を示し、膨張ツール１４０が、気管支鏡４０の作業通路４２を介して治療箇所まで送り出される状態を示す図である。 気管支鏡システムを介して送り出し、気管支鏡を介して実行されるバイオプシー又はその他の術用のための作業空間を提供することのできる空間形成装置の他の実施の形態を示し、膨張ツール１５０が、気管支鏡１４０の作業通路４２を介して治療箇所に送り出される状態を示す図である。 気管支鏡を患者の体内に挿入する前、分岐カニューレが気管支鏡の作業通路の末端に挿入された図である。 ２７Ａないし２７Ｄは、分離可能な取り付け装置を介して器具と接続された案内要素の図である。

Claims (19)

1. 肺のアクセス組立体において、
   （ａ）基端と、末端と、作業通路（４２）とを有し、前記末端は、被験者の肺内部（２０６）に配置し得るようにされ、前記基端は、前記被験者の肺の外側に配置し得るようにされた、映像装置（４０）と、
   （ｂ）被験者の身体の外側に配置された基端を有し且つ前記映像装置（４０）の外部においてその末端方向へ該映像装置（４０）の前記末端まで伸びる案内要素（４４、６０、４６）であって、器具（５８、７４、７６、６６、６８）を前記映像装置（４０）の外側にて前記被験者の肺まで送り出すのを導く前記案内要素（４４、６０、４６）とを具備し、
   該案内要素（４４、６０、４６）の一部分が、前記映像装置（４０）の前記末端から基端方向へ前記作業通路（４２）内部を伸びる、肺のアクセス組立体。
2. 請求項１に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記映像装置（４０）は気管支鏡である、肺のアクセス組立体。
3. 請求項１に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記案内要素（４４、６０、４６）はガイドワイヤー（４６）である、肺のアクセス組立体。
4. 請求項１に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記案内要素（４４、６０、４６）は、基端を有し、
   前記基端は、前記器具（５８、７４、７６、６６、６８）の送り出しを導き得るよう前記被験者の身体の外側に配置し得るようにされた、肺のアクセス組立体。
5. 請求項４に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記器具（５８、７４、７６、６６、６８）は、前記作業通路（４２）の前記末端の内部に又は前記作業通路（４２）の前記末端を横断する位置に配置される前記案内要素（４４、６０、４６）と接続される、肺のアクセス組立体。
6. 請求項４に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記案内要素（４４、６０、４６）は針案内部（４４、６０）を備える、肺のアクセス組立体。
7. 請求項４に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記案内要素（４４、６０、４６）は、前記器具（５８、７４、７６、６６、６８）の一体部分である、肺のアクセス組立体。
8. 請求項６に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記針案内部（４４、６０）は側部ポート（６２）を備える、肺のアクセス組立体。
9. 請求項１に記載の肺のアクセス組立体において、
   前記作業通路（４２）の外側に配置される前記案内要素（４４、６０、４６）と接続された器具（５８、７４、７６、６６、６８）を更に備える、肺のアクセス組立体。
10. 請求項９に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記器具（５８、７４、７６）は、バイオプシー（ｂｉｏｐｓｙ）を実行し得るようにされる、肺のアクセス組立体。
11. 請求項９に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記器具（５８、７４、７６、６６、６８）は、身体組織を映像化し得るようにされる、肺のアクセス組立体。
12. 請求項９に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記器具（５８、７４、７６、６６、６８）は、医薬組成物を肺に送り出し得るようにされた、肺のアクセス組立体。
13. 請求項９に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記器具（６６）はバルーン（６６）である、肺のアクセス組立体。
14. 請求項１３に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記バルーン（６６）は、少なくとも１つの側部ポート（６２）を有する管腔を備える、肺のアクセス組立体。
15. 請求項９に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記器具（６６、６８）は、バルーン（６６）と接続されたカテーテル（６８）を備える、肺のアクセス組立体。
16. 請求項９に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記案内要素（４４、６０、４６）は、分離可能な取り付け装置を介して前記器具（５８、７４、７６、６６、６８）装置と接続される、肺のアクセス組立体。
17. 請求項１６に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記分離可能な取り付け装置は、クリップ、接着剤、ストラップ及びスリーブから成る群から選ばれる、肺のアクセス組立体。
18. 請求項１６に記載の肺のアクセス組立体において、
    前記分離可能な取り付け装置は作業通路（４２）を更に備える、肺のアクセス組立体。
19. 請求項１に記載の肺のアクセス組立体において、
    １つ以上の案内要素（４４、６０、４６）を備える、肺のアクセス組立体。

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