JP4764659B2 - ポリビニルアルコール系フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、偏光サングラスや液晶表示装置等に用いられる偏光フィルムの原反フィルムとして、あるいは衣類や食品等の包装に用いられる包装材料として有用なポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、光学ムラのない、表面平滑性に優れたポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関するものである。
従来、ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を水等の溶媒に溶解して原液を調製した後、溶液流延法(キャスト法)により製膜して、金属加熱ロールや熱風乾燥機を用いて乾燥することにより製造される。このようにして得られたポリビニルアルコール系フィルムは、透明性に優れたフィルムとして多くの用途に利用されており、その有用な用途の一つに偏光フィルムが挙げられる。かかる偏光フィルムは、上記ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸し、染色したフィルムであり、液晶ディスプレイの基本構成要素として用いられている。
近年、ディスプレイの大面積化、高精細化に伴い、光学的なムラのない、表面平滑性に優れた偏光フィルム、ならびにその原反となるポリビニルアルコール系フィルムが求められている。かかる対応策として、多くの提案がなされており、例えば、特許文献1には、表面張力が25〜50mN/mのキャストドラムを用いてフィルムの外観を改良する製造方法が、特許文献2には、製膜用の原液を表面粗さが3S以下である金属表面上に流延して、厚さ均一性に優れたポリビニルアルコール系フィルムを製膜する方法が、特許文献3には、界面活性剤、剥離時の揮発分量、製膜ドラムの速度を規定することにより、厚みムラを低減したポリビニルアルコール系フィルムを製膜する方法が、特許文献4には、剥離時のフィルムの含水率を10重量%未満に設定し、複屈折ムラを低減したポリビニルアルコール系フィルム、ならびに透過率ムラと二色性比ムラを低減した偏光フィルムの製造方法が、それぞれ提案されている。
しかし、これらの開示技術では、フィルムの光学ムラ解消の抜本的な対策にはならない。ポリビニルアルコール系フィルムの光学ムラとしては、フィルムの複屈折ムラ、表面粗さの分布に伴う光散乱ムラ、フィルムの透明性ムラ、偏光フィルムとしたときの染色ムラ等が挙げられる。目視で確認される光学ムラの形態は、すじ状のもの、円形状のもの等様々であり、近年の大面積化、高精細化を鑑みると、更なる改良が望まれている。
このような光学ムラが、キャスト基材からフィルムを剥離する際に発生することは、特許文献1や特許文献4にも記載されている。したがって、基材表面からフィルムがスムーズに剥離されれば、付着応力に伴う光学ムラは大幅に低減できる。その手法として、公知文献のような手法は充分とは言えず、またキャストドラムからの剥離性向上のために添加される界面活性剤は、本来、ポリビニルアルコール系樹脂の純度を落とすものであり、光線透過率等他の物性を低下させる要因となっている。すなわち、視点を変えてキャスト基材の表面を改良する方法が抜本的な対策となるのである。
キャスト基材の表面処理としては、フッ素化アルキル基含有アルコキシシラン等ではない高分子の溶液を用いたウェットコートや、無機化合物を用いた蒸着等のドライコートが一般的であった。しかし、ウェットコートで形成される高分子膜では、金属基材との密着性を確保するのが困難であり、コート厚をミクロン以下のオーダーで制御するのも困難であった。またドライコートは、密着性や膜厚精度は確保されるものの、キャスト基材の長さや幅が数m以上のサイズであることを考慮すると、コスト的に不利であった。また、表面処理剤としてフッ素系処理剤と共に一般的なシリコン系処理剤に関しては、表面張力が下がり撥水性の効果があるシリコン膜を形成することができ、特に反応性を有するシリコン膜は、基材上に単分子膜を形成することができるものの、撥油性を確保することが困難であり、可塑剤や界面活性剤の付着、各種の油汚れの付着までを防止するのは困難であった。したがって、従来の方法では、キャスト基材表面の改良は不充分であった。
特開2004−142228号公報 特開2001−315138号公報 特開2002−79531号公報 特開平6−138319号公報
本発明は、大面積化、高輝度化、高精細化に対応した、光学ムラのない、表面平滑性に優れたポリビニルアルコール系フィルムの製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、表面にフッ素化アルキル基含有アルコキシシランにより形成されるフッ素系樹脂膜を形成させたキャスト基材を用いて、キャスト法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜する工程を含むポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関する。
フッ素化アルキル基が、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
フッ素化アルキル基含有のアルコキシシランが、下式(1)で表わされることが好ましい。
CF3・(OCF2l・(OC24m・(OC36n・Si(OaR’3-a (1)
(式(1)中、lは0〜400、mは1〜400、nは0〜400、aは1〜3である。RおよびR’は炭素数1〜6の炭化水素基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
フッ素系樹脂膜を形成させたキャスト基材の表面と水との接触角が、100゜以上であることが好ましい。
フッ素系樹脂膜を形成させる前のキャスト基材の表面が、クロム酸化物を含むことが好ましい。
フッ素系樹脂膜を形成させる前のキャスト基材の表面が、酸化クロムまたは酸化セリウムの微粒子により研磨されていることが好ましい。
本発明の製造方法においては、表面にフッ素化アルキル基含有アルコキシシランにより形成されるフッ素系樹脂膜を形成させたキャスト基材を用いて、キャスト法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜するため、フィルムのドラムからの剥離が容易になり、また製膜の際に用いられる界面活性剤やポリビニルアルコール系樹脂のドラムへの焼き付きを防止することも可能となる。そのため、光学ムラのない、表面平滑性に優れたポリビニルアルコール系フィルムを製造することができる。
本発明は、表面にフッ素化アルキル基含有アルコキシシランにより形成されるフッ素系樹脂膜を形成させたキャスト基材を用いて、キャスト法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜する工程を含むポリビニルアルコール系フィルムの製造方法に関する。
本発明の製造方法により製造されるポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール系樹脂を製膜して得られるものである。ポリビニルアルコール系樹脂としては、通常、酢酸ビニルを重合したポリ酢酸ビニルをケン化して得られる樹脂が用いられるが、本発明の製造方法では、必ずしもこれに限定されるものではなく、酢酸ビニル以外に、少量の不飽和カルボン酸(塩、エステル、アミド、ニトリル等を含む)、炭素数2〜30のオレフィン類(エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン等)、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸塩等、酢酸ビニルと共重合可能な成分を含有するものであってもよい。
また、ポリビニルアルコール系樹脂として、側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることも好ましく、かかる側鎖に1,2−グリコール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂は、例えば、(ア)酢酸ビニルと3,4−ジアセトキシ−1−ブテンとの共重合体をケン化する方法、(イ)酢酸ビニルとビニルエチレンカーボネートとの共重合体をケン化および脱炭酸する方法、(ウ)酢酸ビニルと2,2−ジアルキル−4−ビニル−1,3−ジオキソランとの共重合体をケン化および脱ケタール化する方法、(エ)酢酸ビニルとグリセリンモノアリルエーテルとの共重合体をケン化する方法、等により得られる。
ポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、とくに限定されないが、120000〜300000が好ましく、より好ましくは140000〜260000、さらに好ましくは160000〜200000である。重量平均分子量が120000未満では、本発明のポリビニルアルコール系フィルムを光学フィルムとする場合に充分な光学性能が得られず、300000を超えると延伸が困難となり工業的な生産が難しくなり好ましくない。なお、本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製造に用いられるポリビニルアルコール系樹脂の重量平均分子量は、GPC−LALLS法により測定される重量平均分子量である。
ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度は、97モル%以上であることが好ましく、さらには98〜100モル%、特には99〜100モル%が好ましい。ケン化度が97モル%未満では、ポリビニルアルコール系樹脂から得られるフィルムを光学フィルムとする場合に充分な光学性能が得られず好ましくない。
本発明のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法においては、前記ポリビニルアルコール系樹脂に、必要に応じて、グリセリン等の一般的に使用される可塑剤や、ノニオン性、アニオン性、カチオン性の界面活性剤等の添加剤を、ポリビニルアルコール系樹脂に対して30重量%以下、好ましくは3〜25重量%、さらに好ましくは5〜20重量%配合する。これら添加剤の配合量が30重量%を超えるとフィルム強度が劣り好ましくない。
ポリビニルアルコール系フィルムを製造する際には、まず、前記ポリビニルアルコール系樹脂を用いて水溶液が調製される。ポリビニルアルコール系樹脂水溶液中の樹脂濃度は5〜50重量%であることが実用的である。ポリビニルアルコール系樹脂水溶液の調製に際しては、溶媒として、水以外に、ジメチルスルホキシド(DMSO);N−メチルピロリドン;エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等のアミン類や、これらの混合物を用いてもよい。このとき、水以外の溶媒の使用割合は、溶媒全体に対して50重量%以下となるようにする。
本発明の製造方法においては、調製されたポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、エンドレスベルトやドラム型ロール(以下、キャストドラムと呼ぶ)等のキャスト基材に流延して製膜、乾燥することにより、ポリビニルアルコール系フィルムを製造する。
以下、キャスト基材としてキャストドラムを用いる場合を例にとり、本発明の製造方法を説明する。
キャスト基材として用いられるキャストドラムとしては、表面が平滑なドラムが使用される。ドラムの材質としては、通常Feを主成分とするステンレス鋼(SUS)が好適に用いられる。SUSの表面には傷つき防止のため金属メッキが施されていることが好ましい。金属メッキの種類としては、例えば、クロムメッキ、ニッケルメッキ、亜鉛メッキ等が好適であり、これらのめっきは、単独で、または2種以上の多層の組み合わせとして使用することができる。特に、ドラム表面の平滑化の容易さや、その耐久性の点から最表面はクロムメッキであることが好ましい。
このようなキャストドラムの金属表面は、多かれ少なかれ酸化されており、特に、表面に微量の水分が付着した場合、もしくは環境に水分が存在した場合には、アルコキシシラン化合物が存在すると、アルコキシシラン化合物からのアルコールの脱離反応が促進され、アルコキシシラン化合物とキャストドラムの金属表面との間に速やかに反応が起こる。したがって、特にキャストドラムの金属表面には、クロムメッキに由来する酸化クロムが存在していることが好ましい。なお、前述したようなアルコキシシラン化合物とキャストドラムの金属表面との間の反応は、キャスト基材のSUSまたはメッキ表面が、さらに、SiO2、TiO2等の無機材料で被複されている場合にも、すみやかに進行する。
本発明の製造方法においては、フッ素系樹脂膜形成前のキャストドラムの表面は研磨されていることが好ましい。特に研磨剤として、酸化クロムや酸化セリウムの微粒子を含有するペーストを用いて、基材表面の粗さを、JIS B 0601における表面粗さ(Ra)で100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは30nm以下に抑えることが好ましい。フッ素系樹脂膜形成後もこの表面粗さは変化せず、微小な突起やくぼみ等の欠点のない、より平滑性に優れるフィルムを得ることができる。
本発明の製造方法において、キャストドラム表面に形成させるフッ素系樹脂膜は、フッ素化アルキル基含有アルコキシシランにより形成される。このようなアルコキシシランとしては、一般式(2):
Rf・Si(OaR’3-a (2)
で表わされるフルオロアルキル基を有するアルコキシシランが例示される。
一般式(2)において、Rfはフルオロアルキル基を表わす。Rfはエーテル結合を含むものであっても含まないものであってもよい。RおよびR’は炭素数1〜6の炭化水素基を表わし、同一であっても異なっていてもよい。また、aは1〜3を表わす。
一般式(2)で表わされるフルオロアルキル基を有するアルコキシシランのうち、Rfがエーテル結合を含まないフルオロアルキル基であるものの具体例としては、フルオロメチルトリメトキシシラン、フルオロメチルジメトキシモノメチルシラン、フルオロメチルトリエトキシシラン、フルオロメチルトリプロポキシシラン、フルオロメチルトリブトキシシラン、ジフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロエチルトリエポキシシラン、ペンタフルオロエチルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロプロピルトリメトキシシラン、ノナフルオロブチルトリメトキシシラン、ペンタデカフルオロヘプチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ノナデカフルオロノニルトリメトキシシラン、ノナデカフルオロノニルジメトキシモノメチルシシランおよび炭素数10以上のフッ素化高級アルキル基を有するアルコキシシラン等が挙げられる。これらの中では、撥水性の点からノナデカフルオロノニルトリメトキシシラン等のパーフルオロアルキル基を有するものが好ましい。
一般式(2)で表わされるフルオロアルキル基を有するアルコキシシランのうち、Rfがエーテル結合を含むフルオロアルキル基であるものの具体例としては、
メチルオキシジフルオロメチルトリメトキシシラン、メチルオキシテトラフルオロエチルトリメトキシシラン、メチルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシジフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、エチルオキシジフルオロメチルトリメトキシシラン、エチルオキシテトラフルオロエチルトリメトキシシラン、エチルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルオキシメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルオキシジフルオロメチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルオキシエチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルオキシテトラフルオロエチルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルオキシプロピルトリメトキシシラン、ペンタフルオロエチルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、プロピルオキシジフルオロメチルトリメトキシシラン、プロピルオキシテトラフルオロエチルトリメトキシシラン、プロピルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロプロピルオキシメチルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロプロピルオキシジフルオロメチルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロプロピルオキシエチルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロプロピルオキシテトラフルオロエチルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロプロピルオキシプロピルトリメトキシシラン、ヘプタフルオロプロピルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシメチルオキシエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシメチルオキシテトラフルオロエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシメチルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシメチルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシジフルオロメチルオキシエチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシジフルオロメチルオキシプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシジフルオロメチルオキシヘキサフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルオキシテトラフルオロエチルオキシプロピルトリメトキシシラン、および下式(1)で表わされるエーテル結合を含む高分子量型のフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン等が挙げられる。
CF3・(OCF2l・(OC24m・(OC36n・Si(OaR’3-a (1)
(式(1)中、lは0〜400、mは1〜400、nは0〜400、aは1〜3である。RおよびR’は炭素数1〜6の炭化水素基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
これらの中では、フッ素化アルキル基としてパーフルオロアルキル基を含有するアルコキシシランが好ましく、さらに好ましくは、式(1)で示される高分子量型のアルコキシシランである。
また、式(1)で表わされるアルコキシシランの中では、分子量200〜10000のものが好ましく、分子量1000〜7000のものがより好ましく、分子量3000〜5000のものがさらに好ましい。長鎖のフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を用いることにより、キャストドラム表面の微細な欠陥を埋めることができる。その結果、キャストドラムの表面粗さを低減し、より表面平滑性に優れるフィルムを製造することができる。
これらのフッ素化アルキル基含有アルコキシシランは、単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フッ素化アルキル基含有アルコキシシランを用いたフッ素系樹脂膜の形成方法としては、通常のウェットコート法を用いることができる。例えば、フッ素化アルキル基含有アルコキシシランを有機溶剤に溶解もしくは分散させて、キャスト基材表面に塗布した後、基材自身を加熱するか、熱風を吹き付ける等して、溶剤を除去することにより、フッ素系樹脂膜を形成することができる。このとき用いられる有機溶剤としては、特に限定されないが、溶解性の観点からハロゲン系の溶剤が好ましく、さらに好ましくは、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシクロヘキサン、ジクロロペンタフルオロプロパン(HCFC−225)等のフッ素系溶媒、エタノール等のアルコール等を挙げることができる。
有機溶剤に溶解もしくは分散させたフッ素化アルキル基含有アルコキシシランの濃度は、0.1〜10重量%であることが好ましい。0.1重量%未満では、キャスト基材全体にフッ素系樹脂膜を形成するのに充分な量ではなく、10重量%を超えるとシランカップリング剤を無駄に消費するだけである。
また、フッ素化アルキル基含有アルコキシシランの溶液または分散液のキャスト基材表面への塗布方法は、キャスト基材表面全体に溶液または分散液を行き渡らせることのできる方法であれば、特に限定されない。例えば、キャストドラムを回転させながら溶液または分散液を流延してもよいし、溶液または分散液を染み込ませた布で基材表面全体に塗布してもよい。
フッ素化アルキル基含有アルコキシシランの溶液または分散液をキャスト基材に塗布した後行なわれる加熱処理において、加熱温度は、50〜200℃であることが好ましい。さらに好ましくは、80〜120である。加熱時間は、1分〜200分が好ましい。さらに好ましくは、10分〜100分である。
前述のようにして表面処理されたキャストドラムは、必要に応じてアルコール等の有機溶剤により洗浄される。洗浄の手法としては、キャストドラムを回転させながら有機溶剤を流延して余分なアルコキシシランを有機溶剤と共に除去してもよいし、有機溶剤を染み込ませた布で基材表面を拭取ってもよい。
このような処理方法が簡便なのは、前記加熱処理によりアルコキシシランが容易にキャスト基材の金属と反応し、またフッ素系樹脂膜形成後の余分なアルコキシシランが溶剤で簡単に除去できるためである。また、特段に洗浄しなくても、フッ素系樹脂膜を形成させたキャスト基材で1回でもフィルムを製膜すれば、不要なアルコキシシランはフィルムと共に除去され、良好な剥離性を確保するのに必要なフッ素系樹脂膜のみが基材に残ることになる。
本発明の製造方法においては、キャスト基材表面の金属とフッ素化アルキル基含有アルコキシシラン化合物のアルコキシシラン部位との反応により、M(金属)−O−Siの強固な化学結合が形成され、一方のフッ素化アルキル基部位は基材の表層を覆うように被膜を形成する。キャスト基材の上に形成されたフッ素化アルキルの層に、さらにアルコキシシラン部分が反応することはできないため、基材上にはフッ素系樹脂膜が形成されることになり、撥水性かつ撥油性を発現するのである。
このように、キャスト基材表面に形成されたフッ素化アルキル層は、撥水性と撥油性を併せ持ち、ポリビニルアルコール系樹脂の剥離を容易にする。同時に、フィルムの製膜に用いられる樹脂溶液に含まれる可塑剤や界面活性剤の付着、各種の油汚れの付着、水やけ等の原因となる金属イオンの付着、異物等の付着も防止する。これらの結果、キャスト基材、ならびに製膜されるフィルム表面は、常に清浄かつ平滑に保たれることになる。
フッ素系樹脂膜の厚さは、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.01μm以下である。厚さが0.1μm以上では得られるポリビニルアルコール系フィルムの表面平滑性に劣る傾向がある。
表面にフッ素系樹脂膜が形成されたキャスト基材と水との接触角は、好ましくは100゜以上、より好ましくは105〜130゜、特に好ましくは、110〜120゜である。接触角が100゜未満では、充分な撥水性が得られない。
本発明の製造方法においては、かくして表面にフッ素系樹脂膜を形成させたキャストドラムに、前述したポリビニルアルコール系樹脂水溶液をT型スリットダイより流延して製膜、乾燥することでポリビニルアルコール系フィルムを製造する。
製膜時のキャストドラムの温度は50〜120℃が実用的である。続いて単独ロールまたは多段ロールを用いて乾燥した後、好ましくは多段ロールを用いてフィルムの表裏面の交互乾燥が継続され、乾燥した後に、未延伸のポリビニルアルコール系フィルムを形成せしめる。必要に応じて、乾燥後、熱処理や調湿が行なわれてポリビニルアルコール系フィルムが得られる。得られたポリビニルアルコール系フィルムは、芯管にロール状態に巻き取られる。
本発明の製造方法により製造されるポリビニルアルコール系フィルムの幅、長さ、厚さは任意であるが、近年の幅広長尺化を鑑みると、幅は2m以上、好ましくは2.5m以上、特に3m以上であることが好ましい。長さは1000m以上、好ましくは2000m以上、特に3000m以上が好ましい。厚さは、10〜200μm、好ましくは30〜100μm、特に50〜80μmが好ましい。
本発明の製造方法においては、製膜時に、キャスト基材からのフィルムの剥離を容易に行なうことができるため、製膜に用いる樹脂溶液に通常配合される界面活性剤を不要とするか、あるいは大幅に低減することができる。したがって、本発明の製造方法によれば、事実上界面活性剤を含まないポリビニルアルコール系フィルムを製造することが可能となる。
また、本発明の製造方法においては、表面粗さの小さいキャスト基材を用いてフィルムを製膜するため、JIS B 0601における表面粗さ(Ra)が、好ましくは100nm以下、より好ましくは70nm以下、さらに好ましくは50nm以下のポリビニルアルコール系フィルムを製造することができる。
本発明の製造方法により製造されるポリビニルアルコール系フィルムは、光学ムラがなく、光学用、特に偏光フィルム用の原反フィルムとして有用である。
以下、本発明の製造方法により得られるポリビニルアルコール系フィルムを用いた偏光フィルム(以下、「本発明の偏光フィルム」ともいう。)の製造方法について説明する。
本発明の偏光フィルムに用いられるポリビニルアルコール系フィルムの膜厚としては、30〜100μmが好ましく、さらに好ましくは50〜80μmである。膜厚が30μm未満では延伸が難しく、一方100μmを超えると膜厚精度が低下して好ましくない。
本発明の偏光フィルムの製造方法としては、ポリビニルアルコール系フィルムを延伸してヨウ素または二色性染料の溶液に浸漬し染色した後、ホウ素化合物処理する方法、延伸と染色を同時に行なった後、ホウ素化合物処理する方法、ヨウ素または二色性染料により染色して延伸した後、ホウ素化合物処理する方法、染色した後、ホウ素化合物の溶液中で延伸する方法等があり、適宜選択して用いることができる。このように、ポリビニルアルコール系フィルム(未延伸フィルム)の延伸、染色およびホウ素化合物処理に際しては、延伸と染色、さらにホウ素化合物処理を別々に行なっても同時に行なってもよいが、染色工程、ホウ素化合物処理工程の少なくとも一方の工程中に一軸延伸を実施することが望ましい。
延伸は一軸方向に3〜10倍、好ましくは3.5〜6倍延伸することが望ましい。この際、延伸方向と直角方向にも若干の延伸(幅方向の収縮を防止する程度あるいはそれ以上の延伸)を行なっても差し支えない。延伸時の温度条件は40〜170℃から選ぶのが望ましい。さらに、延伸倍率は最終的に上記の範囲に設定されればよく、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の範囲の段階に実施すればよい。
フィルムへの染色は、フィルムにヨウ素または二色性染料を含有する液体を接触させることによって行なわれる。通常は、ヨウ素−ヨウ化カリウムの水溶液が用いられ、ヨウ素の濃度は0.1〜20g/l、ヨウ化カリウムの濃度は10〜70g/l、ヨウ化カリウム/ヨウ素の重量比は10〜100とするのが適当である。染色時間は30〜500秒程度が実用的である。処理浴の温度は5〜60℃が好ましい。水溶媒以外に水と相溶性のある有機溶媒を少量含有させて使用しても差し支えない。接触手段としては、浸漬、塗布、噴霧等の任意の手段が適用できる。
染色処理されたフィルムは、次いでホウ素化合物によって処理される。ホウ素化合物としてはホウ酸またはホウ砂が実用的である。ホウ素化合物は、水溶液または水−有機溶媒混合液の形で濃度0.3〜2モル/l程度で用いられ、液中には少量のヨウ化カリウムを共存させるのが実用上望ましい。処理法は浸漬法が望ましいが、勿論塗布法、噴霧法も実施可能である。処理時の温度は40〜70℃程度、処理時間は2〜20分程度が好ましく、また必要に応じて処理中に延伸操作を行なってもよい。
このようにして得られる本発明の偏光フィルムは、その片面または両面に、光学的に等方性の高分子フィルムまたはシートを保護フィルムとして積層接着して、偏光板として用いることもできる。かかる保護フィルムとしては、例えば、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリエーテルスルホン、ポリアリーレンエステル、ポリ−4−メチルペンテン、ポリフェニレンオキサイド、シクロ系ないしはノルボルネン系ポリオレフィン等のフィルムまたはシートが挙げられる。
また、本発明の偏光フィルムには、薄膜化を目的として上記保護フィルムの代わりに、その片面または両面にウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレア樹脂等の硬化性樹脂を塗布し、積層させることもできる。
本発明の偏光フィルム(またはその少なくとも片面に保護フィルムあるいは硬化性樹脂を積層したもの)は、その一方の表面に、必要に応じて、透明な感圧性接着剤層が通常知られている方法で形成されて、偏光板として実用に供される場合もある。感圧性接着剤層としては、アクリル酸ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステルと、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα−モノオレフィンカルボン酸との共重合物(アクリルニトリル、酢酸ビニル、スチロールのようなビニル単量体を添加したものも含む。)を主体とするものが、偏光フィルムの偏光特性を阻害することがないので特に好ましい。しかし、これらに限定されることなく、透明性を有する感圧性接着剤であれば使用可能で、例えばポリビニルエーテル系、ゴム系等でもよい。
また、さらに偏光板(上記感圧性接着剤が設けられたもの)の片面(上記感圧性接着剤が設けられていない面)に各種機能層を設けることも可能である。機能層としては、例えばアンチグレア層、ハードコート層、アンチリフレクション層、ハーフリフレクション層、反射層、蓄光層、拡散層、エレクトロルミネッセンス層、視野角拡大層、輝度向上層等が挙げられる。さらに、これらの中から各種2種以上の組み合わせを設けることも可能で、例えばアンチグレア層とアンチリフレクション層、蓄光層と反射層、蓄光層とハーフリフレクション層、蓄光層と光拡散層、蓄光層とエレクトロルミネッセンス層、ハーフリフレクション層とエレクトロルミネッセンス層等の組み合わせが挙げられる。ただし、これらに限定されることはない。
以下、本発明について実施例を挙げて具体的に説明する。なお、実施例中、「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
実施例中、重量平均分子量、接触角、表面粗さ、剥離性、光学ムラおよび色ムラは、次のようにして評価した。
(1)重量平均分子量
GPC−LALLS法により以下の条件で測定する。
1)GPC
装置:Waters製244型ゲル浸透クロマトグラフ
カラム:東ソー(株)製TSK−gel−GMPWXL(内径8mm、長さ30cm、2本)
溶媒:0.1M−トリス緩衝液(pH7.9)
流速:0.5ml/分
温度:23℃
試料濃度:0.040%
ろ過:東ソー(株)製0.45μmマイショリディスクW−25−5
注入量:0.2ml
検出感度(示差屈折率検出器):4倍
2)LALLS
装置:Chromatrix製KMX−6型低角度レーザー光散乱光度計
温度:23℃
波長:633nm
第2ビリアル係数×濃度:0mol/g
屈折率濃度変化(dn/dc):0.159ml/g
フィルター:MILLIPORE製0.45μmフィルターHAWP01300
ゲイン:800mV
(2)接触角
水滴とキャストドラムとの接触角を測定する。
(3)表面粗さ
(株)キーエンス製レーザーフォーカス顕微鏡「VK−8500」を用いて、JIS B0601に準拠して測定する。測定条件は下記の通りである。
測定長:0.3mm、対物レンズ:50倍、カットオフ:0.8μm、スムージング:なし
(4)剥離性
キャストドラムからフィルムを剥離した際に、付着しないものを○、付着はするが4000mの製品フィルムが得られたものを△、付着により亀裂やたわみが生じて製品フィルムが得られなかったものを×とする。
(5)光学ムラ
ポリビニルアルコール系フィルムをクロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟んだ後、表面照度が14000ルックスのライトボックスを用いて、透過モードで、以下の基準で光学ムラを評価する。
○:何も見えず均一である。
×:不連続な濃淡やスジ状の濃淡が確認できる。
(6)色ムラ
偏光フィルムをクロスニコル状態の2枚の偏光板(単体透過率43.5%、偏光度99.9%)の間に45°の角度で挟んだ後に、表面照度14000ルックスのライトボックスを用いて、透過モードで光学的色ムラを観察し、以下の基準で評価する。
○:色ムラなし
×:色ムラあり
実施例1
重量平均分子量142000、ケン化度99.7モル%のポリビニルアルコール系樹脂100部、可塑剤としてグリセリン12部、溶剤として水191部とジメチルスルホキシド30部の混合溶剤221部を用いて、樹脂濃度30%のポリビニルアルコール系樹脂水溶液を調製した。
クロムメッキが施されたSUS製キャストドラムを、酸化セリウムを含むペースト(HOHN AND HOHN GMBH社製「wenol」)で研磨し、フッ素系樹脂膜形成剤としてダイキン工業(株)製「オプツールDSX」(式(1)で表わされる分子量4000のエーテル結合を含むフッ素化アルキル基含有アルコキシシラン)の1%パーフルオロヘキサン溶液をキャストドラム全面に塗布した。キャストドラムを100℃で1時間加熱して溶剤を乾燥させた後、エタノールを含浸させた布でキャストドラム全面を拭取った。得られたキャストドラムの表面粗さRaは30nm、水との接触角は112゜であった。
前記ポリビニルアルコール系樹脂水溶液を、T型スリットダイより95℃に加熱したキャストドラムに流延製膜し、得られたフィルムを含水率15%の時点でキャストドラムから剥離した。次いで、50℃の乾燥ロールを用いて乾燥し、続いて120℃で3分間熱処理を行ない、平均厚さ75μm、フィルム幅3m、長さ4000mのポリビニルアルコール系フィルムロールを得た。
得られたポリビニルアルコール系フィルムには、表1に示される通り光学ムラは存在しなかった。
次に、前記ポリビニルアルコール系フィルムを巻き出し、水洗槽(24℃)で膨潤させた後、ヨウ素槽(20℃、ヨウ素濃度0.05g/l)で1.3倍、ホウ酸槽(50℃、ヨウ素濃度0.0012g/l、ホウ酸濃度47g/l)で1.7倍の一軸延伸を行ない、さらに、一軸延伸を続けトータル6倍の一軸延伸を行ない、偏光フィルムを得た。
得られた偏光フィルムには、表1に示される通り色ムラは存在しなかった。
実施例2
フッ素系樹脂膜形成剤として信越化学工業(株)製「KBM−7803」(パーフルオロアルキル基含有アルコキシシラン)を用いる以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール系フィルムロールおよび偏光フィルムを得た。表1に示される通り、得られたポリビニルアルコール系フィルムには光学ムラは存在せず、また、得られた偏光フィルムには色ムラは存在しなかった。
実施例3
酸化セリウムによる研磨を実施しないこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール系フィルムロールおよび偏光フィルムを得た。表1に示される通り、得られたポリビニルアルコール系フィルムには光学ムラは存在せず、また、得られた偏光フィルムには色ムラは存在しなかった。
比較例1
フッ素系樹脂膜を形成しないこと以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール系フィルムを製膜したが、ドラム表面へのフィルムの付着が起こり、目的とするポリビニルアルコール系フィルムが得られなかった。
比較例2
フッ素系樹脂膜を形成せず、かつ研磨をせず、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリルアミン0.001部をポリビニルアルコール系樹脂水溶液に添加する以外は実施例1と同様にしてポリビニルアルコール系フィルムロールを得た。表1に示される通り、得られたポリビニルアルコール系フィルムには光学ムラが存在し、偏光フィルムには色ムラが存在した。
Figure 0004764659

Claims (6)

  1. 表面にフッ素化アルキル基含有アルコキシシランにより形成されるフッ素系樹脂膜を形成させたキャスト基材を用いて、キャスト法によりポリビニルアルコール系フィルムを製膜する工程を含むことを特徴とするポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  2. フッ素化アルキル基が、パーフルオロアルキル基であることを特徴とする請求項1記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  3. フッ素化アルキル基含有のアルコキシシランが、下式(1)で表わされることを特徴とする請求項1または2記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
    CF3・(OCF2l・(OC24m・(OC36n・Si(OaR’3-a (1)
    (式(1)中、lは0〜400、mは1〜400、nは0〜400、aは1〜3である。RおよびR’は炭素数1〜6の炭化水素基であり、同一であっても異なっていてもよい。)
  4. フッ素系樹脂膜を形成させたキャスト基材の表面と水との接触角が、100゜以上であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  5. フッ素系樹脂膜を形成させる前のキャスト基材の表面が、クロム酸化物を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
  6. フッ素系樹脂膜を形成させる前のキャスト基材の表面が、酸化クロムまたは酸化セリウムの微粒子により研磨されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載のポリビニルアルコール系フィルムの製造方法。
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