JP3801080B2 - 注型成形法により成形体を製造する方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は硬化性樹脂組成物をキャビティ、好ましくは扁平なキャビティを有する成形型に注入して硬化させ、成形体を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
活性エネルギー線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂組成物を成形型に注入して硬化させ、成形体を製造する方法によりシートのような偏平な成形体を製造するには、上面板及び下面板となる2枚の板の周縁に沿ってシーリング材を介在させて重ね合わせて浅い偏平なキャビティを有する成形型を形成し、このキャビティに樹脂組成物を注入した後、該樹脂組成物を硬化させる方法が知られている。
【0003】
硬化性樹脂組成物は、通常、液状であるため、シーリング材としては、ガラスやプラスチック製のものを用いることもできるが、液漏れが起きないように面板とシーリング材とを密着させることのできる、弾力性のあるゴム製のシーリング材を用いるのが好ましいとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の成形型を用いて偏平な成形体を製造する方法の問題点の一つは、キャビティ内で硬化性樹脂組成物が硬化する際に収縮して、硬化途中で成形体がキャビティを形成する成形型の表面から剥離する現象が起ることである。剥離が起ると、その跡が成形体の表面に残り、製品価値を低下させ、また、製品の歩留まりを低下させるという問題がある。成形体がキャビティを形成する成形型表面から剥離するのを防止するには、硬化性樹脂組成物の硬化に伴う収縮にあわせて面板間の間隔を減少させればよいが、従来のシーリング材を用いる限り、その実施は困難である。
従って、本発明は、キャビティ内の硬化性樹脂組成物の硬化に伴う収縮に合わせて、面板間の間隔を減少させることのできる成形型を用いる成形方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、硬化に際して、キャビティ内の硬化性樹脂組成物と同様に収縮を起こす樹脂組成物をシーリング材として用いることにより、キャビティ内の硬化性樹脂組成物の硬化に伴う収縮に合わせて、面板間の間隔を減少させることができることを見出し、本発明を達成した。
【0006】
すなわち、本発明によれば、所定の間隔をおいて対向配置されている上面板及び下面板、並びに両面板の重なり合っている部分の周縁に沿って両面板間を密封するように介在している硬化性シーリング材から成り、キャビティを有する成形型を用意し、そのキャビティに成形用の硬化性樹脂組成物を注入したのち、この硬化性樹脂組成物と硬化性シーリング材を同時に硬化させることにより、成形体が硬化途中でキャビティを形成する成形型表面から剥離するのを防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる成形型は、図1に示すように、所定の間隔をおいて、対向配置されている上面板(2)及び下面板(2)、並びに両面板の重なり合っている部分の周縁に沿って両面板間を密封するように介在している硬化性シーリング材(3)からなり、キャビティ(9)を有するものであればよく、キャビティは、好ましくは浅い扁平な形状である。
【0008】
本発明に用いられる成形型は所定の形状であれば、どのような製法によるものでもよいが、例えば、次の<1>、<2>の方法で製造された成形型が挙げられる。
<1>上面板と下面板とを所定の間隔をおいて重ね合わせるように対向配置し、その重なり合っている部分の周縁に沿って、両面板の間隙に硬化性シーリング材を注入し、周縁部沿いの間隙に硬化性シーリング材を充満させて、成形用の硬化性樹脂組成物の注入口(8)や空気抜出し口(8)を除いて間隙を密封することにより成形型を製造する方法。また、図2に示すように、必要により成形型を製造する際に、活性エネルギー線照射、加熱(7)などを行い、硬化性シーリング材を若干反応させて半硬化物とするしても良い。
【0009】
間隙が狭い場合には、毛管現象を利用して硬化性シーリング材を間隙に侵入させることもできる。硬化性シーリング材が間隙から溢れ出て面板の端面に付着していると、成形型から成形体を取出す際に障害となるので、硬化性シーリング材は端面から若干内側で間隙を密封するようにするのが好ましい。例えば、間隙に硬化性シーリング材を注入したのち、直ちに圧空を吹付けて硬化性シーリング材を内側に若干移動させる方法を採用することができる。
【0010】
面板の表面は、撥水処理を施してあっても、剥離剤層を有していてもよい。
硬化性シーリング材の流動性が高い場合には、樹脂組成物を冷却して増粘した状態で間隙の所定位置に硬化性シーリング材を注入し、次いで活性エネルギー線照射、加熱などを行い、硬化性シーリング材を若干反応させて半硬化物とすることが好ましい。この時点での硬化性シーリング材の硬化は、キャビティに成形用の硬化性樹脂組成物を注入しても硬化性樹脂組成物がシール部から漏れず、硬化性シーリング材が移動しない程度に行えばよく、完全に硬化させてはならない。硬化性シーリング材を、この時点で完全に硬化させてしまうと、キャビティを形成する成形型表面から成形体が剥離するという本発明の効果を奏さなくなる。
【0011】
さらに、流動性が高い硬化性シーリング材を用いる場合、面板の硬化性シーリング材と接する表面に撥水処理が施してあると、硬化性シーリング材が玉のようにまとまり、所定の位置に硬化性シーリング材を配置することができない恐れがあるので、硬化性シーリング材と接する表面に、撥水処理を施していない面板や剥離剤層を有する面板が好ましい。
【0012】
流動性が低い硬化性シーリング材を用いる場合は、面板の表面について特に制限はなく、また、硬化性シーリング材は半硬化しても、しなくてもよい。
なお、本発明において、流動性が高いとは、シーリング材を塗布した時の形状を維持し、塗布した位置からずれない程度の粘度を有することを示し、流動性が低いとは、シーリング材を塗布した時の形状を保持できない状態を示す。
【0013】
上面板と下面板との間隙は、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上であり、通常5mm以下、好ましくは2mm以下、より好ましくは1mm以下である。間隙が狭すぎると、間隙を密封するための硬化性シーリング材樹脂組成物を通常の方法で間隙に注入するのが困難であり、また成形用の硬化性樹脂組成物をキャビティに注入するのも困難である。一方、間隙が広すぎると、硬化性シーリング材により所定の位置で間隙を密封することが困難である。間隙が上記の範囲であれば、注入し易い流動性の比較的大きい硬化性シーリング材樹脂組成物液を用いても、間隙に注入した硬化性シーリング材樹脂組成物を表面張力により、所定の位置に留めておくことができる。
【0014】
<2>上面板、下面板のいずれか一方(2)の表面に、図3に示すように成形用の硬化性樹脂組成物の注入口(8)や空気抜出し口(8)を除いて板のほぼ周縁に沿って硬化性シーリング材(3)を塗布した後、もう一方の面板を重ね合わせ、所望の間隙となるよう、必要に応じ、固定治具、固定装置により間隙を固定する方法。
硬化性シーリング材は、塗布しながら、塗布した後に、あるいは、もう一方の面板を重ね合わせた後、活性エネルギー線照射、加熱などにより、硬化性シーリング材を半硬化させてもよい。
また、図4に示すように、面板(2)に硬化性シーリング材(3)を注入治具(4)から塗布しながら、または、塗布した後に、スポット紫外線照射装置(6)などにより活性エネルギー線照射、加熱(7)を行うことにより、硬化性シーリング材を半硬化させた後、もう一方の面板を重ね合わせた後に、活性エネルギー線照射、加熱などにより、硬化性シーリング材と面板との接着を強化させてもよいが、硬化性シーリング材は完全に硬化させてはならない。
【0015】
面板の表面は、撥水処理を施してあっても、剥離剤層を有していてもよい。
硬化性シーリング材の流動性が高い場合には、面板の硬化性シーリング材と接する表面には、撥水処理が施されていることが好ましく、また、硬化性シーリング材を面板に塗布した直後に半硬化させることが好ましい。
流動性が低い硬化性シーリング材を用いる場合は、面板の表面について特に制限はなく、また、硬化性シーリング材は半硬化しても、しなくてもよい。
【0016】
この場合の上面板と下面板との間隙は、通常0.05mm以上、好ましくは0.1mm以上であり、通常2mm以下、好ましくは1mm以下である。間隙が狭すぎるとシール材の形状を直線的に形成することが困難となり、結果的にキャビティーの容積が不安定となり、目的とする成形体の厚み精度などが悪くなる。一方、間隙が広すぎると、硬化性シーリング材により、所定の位置で間隙を密封することが困難である。
【0017】
本発明に用いられる成形型は、図5に示すように上面板と下面板とを対角線方向に若干ずらして、周囲に重なり合わない部分ができるように重ね合わせてもよい。このようにしておくと硬化終了後に型開きするのが容易である。
成形型は、上面板と下面板との間隙に硬化性シーリング材を配置し、キャビティを形成したものであるが、通常、間隙の一部を成形用の硬化性樹脂組成物を注入口および空気抜き口として空けておく。
【0018】
上面板及び下面板としては、用いる硬化性シーリング材及び成形用の硬化性樹脂組成物に侵されず、かつ硬化反応を阻害しないものであればよい。
例えば、硬化性シーリング材及び硬化性樹脂組成物が紫外線硬化性樹脂などの活性エネルギー線硬化性樹脂組成物からなる場合には、面板として、ガラス板、ポリメチルメタクリレートなどの透明プラスチック板などを用いることができる。硬化性シーリング材及び硬化性樹脂液組成物が熱硬化性樹脂組成物からなる場合には、面板として、金属板などを用いることができる。
【0019】
上面板及び下面板のキャビティに向う表面は、通常は平面であるが、所望ならば、この表面に種々の浅い模様、例えば波形模様やグレーティングレンズ模様などを形成しておいてもよい。
キャビティに向う上面板の表面及び下面板の表面、又はそのいずれか一方に離型剤層を設けたり、撥水処理を施すことにより、硬化により形成された成形体をキャビティから取出す際に、成形体を面板から容易に剥離させることができる。
【0020】
離型剤層を形成する材料としては、成形用の硬化性樹脂組成物に侵されず、かつ硬化反応を阻害しないものを用いる。例えばスチレン、ジメチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレンなどの(共)重合体、ゼオネックス(日本ゼオン社製品)やアペル(三井化学社製品)などの環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルホン等の非晶性樹脂、パラフィン、ゼラチンなどが用いられる。好ましくは、これらを適当な溶媒に溶解して溶液とし、面板に塗布することにより、離型剤層を形成する。
【0021】
硬化により形成された成形体をキャビティから取り出すと、通常、成形体の表面に離型剤層が付着した状態となっている。硬化により形成された成形体と離型剤層とが剥離し難いときには、離型剤層は溶解するが成形体は溶解も膨潤もさせない溶媒に成形体を浸漬して、離型剤層を溶解除去すればよい。
【0022】
撥水処理が施された表面は、水との接触角が通常90度以上、好ましくは100度以上である。特に、上述の<2>の方法により成形型を製造する場合においては、面板の表面が撥水処理されていると、流動性の高い硬化性シーリング材を用いた場合でも、硬化性シーリング材が流れ出すのを防ぐことができ、キャビティを形成することができる。
【0023】
撥水処理は、成形用の硬化性組成物が硬化する条件、例えば、活性エネルギー線の照射、加熱により、撥水性能が失われないものであり、また、成形用の硬化性組成物の硬化を妨げないものが好ましい。具体的には、撥水処理は、ダイキン工業社製「オプツールDSX」、旭硝子社製「サイトップ CTL−107M」、信越化学社製「KBM7803」などのフッ素系化合物、シリコン系化合物を含む塗布液を面板の表面に塗布、乾燥することにより行われる。塗布方法は、スピンコーター、バーコーター、ディップなど公知の装置による塗布、面板上に塗布液を流してコートする方法などが挙げられる。
撥水処理により得られる層の厚さは特に限定はなく、流動性の高い硬化性シーリング材を用いた場合でも、硬化性シーリング材が流れ出すのを防ぐことができ、キャビティを形成することができ、型開きする際に、成形体と面板との剥離が容易となるのに充分な撥水性能を有すればよい。
【0024】
硬化性シーリング材としては、成形用の硬化性樹脂組成物と同じ手段で硬化させることができ、かつ硬化に際しての収縮率が成形用の硬化性樹脂組成物とほぼ等しい硬化性樹脂組成物が好ましく用いられ、より好ましくは硬化性樹脂組成物を不完全に硬化させて増粘させ、半硬化させた硬化性樹脂組成物である。特に好ましくは、成形用の硬化性樹脂組成物と同じ組成物、または、その半硬化物である。本発明において、半硬化とは、硬化性樹脂組成物の一部のみ重合しており、まだ重合反応しうる状態を指す。
【0025】
成形用の硬化性樹脂組成物としては、活性エネルギー線により重合反応を起して硬化する樹脂組成物や、熱により重合反応を起して硬化する樹脂組成物など、注型成形に用いられている公知の硬化性樹脂組成物を用いることができる。硬化性樹脂組成物としては、好ましくは活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、特に好ましくは紫外線硬化性樹脂組成物が用いられる。
硬化性樹脂組成物は、好ましくは常温で液状の組成物である。
【0026】
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成する硬化性樹脂としては、(メタ)アクリレート系化合物、エポキシ系化合物、ウレタン系化合物などが挙げられ、好ましくは(メタ)アクリレート系化合物、特に好ましくは脂環または芳香環を有する(メタ)アクリレート系化合物、最も好ましくは脂環を有する(メタ)アクリレート系化合物である。
【0027】
本発明においては、成形用の硬化性樹脂組成物を成形型のキャビティに充満するように注入する。硬化性樹脂組成物を注入した成形型は、次いで、所定の重合反応条件下に保持して重合反応を生起させ、硬化物すなわち成形体を形成する。
その後、成形型を上面板と下面板とに分解(型開き)して成形体を取出す。このとき、両面板の少くとも一方の表面に離型剤層が形成されていたり、撥水処理が施されていると、成形物の取出しが容易である。
【0028】
【実施例】
以下に実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
硬化性樹脂組成物としては下記のものを用いた。いずれも室温で液体であった。
硬化性樹脂組成物A:
ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]
デカンジメタクリレート 96重量部
ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート) 4重量部
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン
オキシド(BASF社製「ルシリンTPO」) 0.05重量部
ベンゾフェノン 0.05重量部
【0030】
硬化性樹脂組成物B:
ビス(オキシメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]
デカンジメタクリレート 90重量部
ペンタエリスリトールテトラキス(β−チオプロピオネート) 10重量部
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィン
オキシド(BASF社製「ルシリンTPO」) 0.05重量部
ベンゾフェノン 0.05重量部
【0031】
また、成形型としては下記のものを用いた。
成形型A:
400×400×4mmのガラス板2枚を所定の間隔をおいて重なり合うように対向配置し、その周縁に沿って、間隙に成形に用いるのと同じ硬化性樹脂組成物をシーリング材として注入した。但し、ガラス板の一辺には空気抜き2ヶ所及び成形用樹脂液注入口1ヶ所を設けた。次いで出力120w/cmのメタルハライドランプを用いて積算照射量が260mj/cm2 となるように紫外線を照射して、シーリング材を半硬化させ成形型とした。
【0032】
成形型A−1:
面板間にシーリング材を注入したのち、口径1.0mmのチューブを用いて、圧力0.03MPaの空気を吹き付けてシーリング材を内側に移動させた他は、成形型Aと同様に行い成形型とした。
【0033】
成形型B:
370×480×4mmのガラス板2枚を、周囲に互に重ならない部分が8mm生ずるように対角線方向にずらして、所定の間隔をおいて対向配置し、その重なっている部分の周縁に沿って、間隙に成形に用いるのと同じ硬化性樹脂組成物をシーリング材として注入した。但し、一方の長辺には空気抜き2ヶ所及び成形用樹脂液注入口1ヶ所を設けた。次いで出力120w/cmのメタルハライドランプを用いて積算照射量が260mj/cm2 となるように紫外線を照射して、シーリング材を半硬化させ成形型とした。
【0034】
成形型B−1:
面板間にシーリング材を注入したのち、口径1.0mmのチューブを用いて、圧力0.03MPaの空気を吹き付けてシーリング材を内側に移動させた他は、成形型Bと同様に行い成形型とした。
【0035】
成形型B−2:
ガラス板の表面に、ゼオネックス480(日本ゼオン社製)をキシレンに溶解した溶液(3重量%)を、スピンコーターを用いて塗布したのち乾燥して、厚さ5μmの剥離剤層を形成したものを用いた。また、面板間にシーリング材を注入したのち、口径1.0mmのチューブを用いて、圧力0.03MPaの空気を吹き付けてシーリング材を内側に移動させた他は、成形型Bと同様に行い成形型とした。
【0036】
成形型C−1:
370×480×4mmのガラス板2枚の表面に、ダイキン工業社製「オプツールDSX」のパーフルオロヘキサン溶液(1重量%)を塗布し、100℃で1時間加熱して、撥水処理を行った。
【0037】
成形に用いるのと同じ硬化性樹脂組成物をシーリング材として、1枚のガラス板の撥水処理を行った表面に塗出口径(内径)0.58mmの注入治具を用い、注入治具移動速度0.6m/min、塗出量は、ガラス板間隙が0.1mm、0.2mmの場合は1.0g/min、1.0mmの場合は2.0g/min、2.0mmの場合は3.0g/minと変化させ、ガラス板の周縁に沿って塗布を行った。ガラス板の周縁の三辺はシールし、一辺には、空気抜き2カ所及び成形用樹脂組成物の注入口1カ所を設けた。塗布を行いながら、紫外線照射光出口径φ5mmの出力150W/cmのショートアークメタルハライドランプを用いた紫外線照射装置の紫外線照射光出口から、塗布直後のシーリング材に積算照射量が125mj/cm2となるように紫外線を照射して、シーリング材を半硬化させた。注入治具の吐出口に紫外線が当たらないようにカバーを取り付けた。
【0038】
次いでシーリング材上に、もう一枚のガラス板を撥水処理面がシーリング材に接するように重ね合わせ、所定の間隔に保持し、出力120W/cmのメタルハライドランプで積算照射量が600mj/cm2となるように紫外線を照射して、成形型とした。
【0039】
成形型C−2
ダイキン工業社製「オプツールDSX」のかわりに旭硝子社製「サイトップ CTL−107M」を用いた他は成形型C−1と同様に行い成形型とした。
【0040】
成形型C−3
ダイキン工業社製「オプツールDSX」」のパーフルオロヘキサン溶液の代わりに、信越化学社製「KBM7803」のエチルアルコール溶液(1重量%)を用いた他は成形型C−1と同様に行い成形型とした。
【0041】
成形型C−4
成形型C−1において、ガラス板の周囲に互いに重ならない部分が8mm生じるように対角線方向にずらした他は成形型C−1と同様に行い成形型とした。
【0042】
成形型D:
400×400×4mmの2枚のガラス板を、周縁に沿って0.4mm厚の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂製スペーサーを挟んで重ね合わせ、クリップで固定して成形型とした。
【0043】
成形型E:
370×480×4mmのガラス板2枚を、周囲に互に重ならない部分が8mm生ずるように対角線方向にずらして、1mm厚のシリコーンゴム製スペーサを挟んで重ね合わせ、クリップで固定して成形型とした。
【0044】
成形型F:
370×480×4mmのガラス板2枚を、周囲に互に重ならない部分が8mm生ずるように対角線方向にずらして、0.2mm厚のシリコーンゴム製スペーサーを挟んで重ね合わせ、クリップで固定して成形型とした。
【0045】
実施例1〜15及び比較例1〜3
成形型に脱泡した硬化性樹脂組成物を注入し、上下から出力160w/cmのメタルハライドランプで紫外線を照射して硬化させた。次いで成形型を開いて成形体を取出し、その外観を目視でチェックした。結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【発明の効果】
本発明によれば、成形体がキャビティの表面から剥離することを防ぐことができ、剥離痕がない成形体を簡単に得ることができ、製品の歩留まりを向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に用いる成形型の一例を示す図
【図2】 本発明に用いる成形型の製造法の一例を示す図
【図3】 本発明に用いる成形型の製造法の一例を示す図
【図4】 本発明に用いる成形型の製造法の一例を示す図
【図5】 本発明に用いる成形型の一例を示す図
【符号の説明】
1 成形型
2 面板
3 硬化性シーリング材
4 硬化性シーリング材の注入治具
5 塗布方向
6 スポット紫外線照射装置
7 活性エネルギー線または熱線
8 注入口、空気抜き口
9 キャビティー
Claims (10)
- 所定の間隔をおいて対向配置されている上面板及び下面板、並びに両面板の重なり合っている部分の周縁に沿って両面板間を密封するように介在している硬化性シーリング材から成り、キャビティを有する成形型を用意し、そのキャビティに、成形用の硬化性樹脂組成物を注入したのち、この成形用の硬化性樹脂組成物と硬化性シーリング材とを同時に硬化させることを特徴とする成形体の製造方法。
- キャビティが浅い扁平な形状であり、得られる成形体が扁平な成形体であることを特徴とする請求項1に記載の成形体の製造方法。
- 硬化性シーリング材が成形用の硬化性樹脂組成物と同じ組成物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造方法。
- 硬化性シーリング材が成形用の硬化性樹脂組成物と同じ組成物の半硬化物からなることを特徴とする請求項1または2に記載の成形体の製造方法。
- 成形型が、上面板及び下面板を所定の間隔をおいて対向配置し、両面板の重なり合っている部分の周縁に沿う面板間の間隙に、この部分を密封するように硬化性シーリング材を注入または塗布することにより形成されたものであることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の成形体の製造方法。
- 成形型が、上面板及び下面板を所定の間隔をおいて対向配置し、両面板の重なり合っている部分の周縁に沿う面板間の間隙に、この部分を密封するように成形用の硬化性樹脂組成物と同じ組成物を注入または塗布したのち、この樹脂組成物を半硬化させることにより形成されたものであることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の成形体の製造方法。
- 硬化性シーリング材が介在している部分の上面板と下面板との間隙が0.1〜2mmであることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の成形体の製造方法。
- 上面板と下面板の少なくとも一方の、キャビティに向う表面に、離型剤層が形成されていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の成形体の製造方法。
- 上面板と下面板の少なくとも一方の、キャビティに向かう表面が、撥水処理がなされていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の扁平な成形体の製造方法。
- 硬化性シーリング材及び成形用の硬化性樹脂組成物が共に紫外線硬化性であることを特徴とする、請求項1ないし9のいずれかに記載の成形体の製造方法。
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